(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】弁ヘッド構造、及びそれを有する流量調節弁
(51)【国際特許分類】
F16K 1/36 20060101AFI20240927BHJP
F16K 1/44 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F16K1/36 G
F16K1/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519987
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2022124929
(87)【国際公開番号】W WO2023066115
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111222138.2
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122533820.5
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111223524.3
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122533129.7
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122533332.4
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122533956.6
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122533263.7
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】賀 宇辰
(72)【発明者】
【氏名】劉 楽強
(72)【発明者】
【氏名】朱 方英
【テーマコード(参考)】
3H052
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA01
3H052BA11
3H052BA25
3H052CA02
3H052CA12
(57)【要約】
本出願は、弁ヘッド構造、及びそれを有する流量調節弁を提供し、弁ヘッド構造は、流量調節弁の弁体内に設けられて、弁体の弁口を閉じる又は回避するために用いられ、弁体内に移動可能に設けられた弁ヘッドと、弁ヘッドに設けられて、弁体内の流体を収容するための収容溝とを含み、弁ヘッドと弁口との間の距離は調節可能に設けられ、弁ヘッドが弁口との間の距離が最大となる位置まで移動したとき、収容溝の少なくとも一部が弁体の収容室内に位置する。本出願の弁ヘッド構造は、従来技術における弁ヘッド構造の設計された流れ抵抗が大きく、流量調節弁内の流体の流れに影響を与える問題を解決している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量調節弁の弁体(10)内に設けられて、前記弁体(10)の弁口(101)を閉じる又は回避するための弁ヘッド構造であって、
前記弁体(10)内に移動可能に設けられた弁ヘッド(20)と、
前記弁ヘッド(20)に設けられて、前記弁体(10)内の流体を収容するための収容溝(2)とを含み、
ここで、前記弁ヘッド(20)と前記弁口(101)との間の距離は調節可能に設けられ、前記弁ヘッド(20)が前記弁口(101)との間の距離が最大となる位置まで移動したとき、前記収容溝(2)の少なくとも一部が前記弁体(10)の収容室(11)内に位置する、弁ヘッド構造。
【請求項2】
前記収容溝(2)は、前記弁ヘッド(20)を取り囲んで設けられる、及び/又は、環状構造である、請求項1に記載の弁ヘッド構造。
【請求項3】
前記収容溝(2)は、前記収容溝(2)の前記弁口(101)から離れた一端に位置する第1移行セグメント(201)を有し、前記弁ヘッド(20)の前記弁口(101)に近接する方向に沿って、前記第1移行セグメント(201)の横断面積が徐々に減少する、請求項1に記載の弁ヘッド構造。
【請求項4】
前記弁ヘッド(20)は、前記収容溝(2)の前記弁口(101)に近接した一端に設けられた、弁口(101)を封止するためのシールヘッド(22)を含む、請求項1に記載の弁ヘッド構造。
【請求項5】
前記収容溝(2)は、前記収容溝(2)の前記封止ヘッド(22)に近接した一端に位置する第2移行セグメント(202)を有し、前記収容溝(2)の前記封止ヘッド(22)に近接する方向に沿って、前記第2移行セグメント(202)の横断面積が徐々に増大する、請求項4に記載の弁ヘッド構造。
【請求項6】
前記弁ヘッド(20)は、前記収容室(11)内の流体を収容するための収容チャンバ(120)を含み、前記弁ヘッド(20)は、一端が前記収容チャンバ(120)に連通され、他端が前記収容室(11)に連通される流れ通路(103)を含む、請求項1に記載の弁ヘッド構造。
【請求項7】
前記流れ通路(103)は、前記収容チャンバ(120)に連通される第1流れ通路(131)と、前記収容室(11)に連通されるための第2流れ通路(132)とを含み、前記弁ヘッド(20)の延在方向に沿って、前記第2流れ通路(132)の横断面積が前記第1流れ通路(131)の横断面積より大きい、請求項6に記載の弁ヘッド構造。
【請求項8】
前記収容チャンバ(120)は、前記弁ヘッド(20)の前記弁口(101)から離れた一端まで延在しており、前記収容室(11)内の流体が、前記収容チャンバ(120)を介して前記弁ヘッド(20)の前記弁口(101)に近接した側から前記弁ヘッド(20)の前記弁口(101)から離れた側へ流れるようにする、請求項6に記載の弁ヘッド構造。
【請求項9】
前記弁ヘッド(20)の前記弁口(101)に近接した一端に前記弁口(101)を封止するためのシールヘッド(22)を有し、前記弁ヘッド(20)の前記弁口(101)から離れた一端に前記弁体(10)と接触するためのガイドヘッド(24)を有し、前記シールヘッド(22)及び前記ガイドヘッド(24)はいずれも円柱状構造であり、前記シールヘッド(22)と前記弁口(101)とにより形成される封止線の直径が前記ガイドヘッド(24)の外径と同じである、請求項1に記載の弁ヘッド構造。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の弁ヘッド構造を含む、流量調節弁。
【請求項11】
弁体(10)であって、径方向に接続口を有し、軸方向に弁口(101)を有し、前記弁ヘッド(20)が前記弁体(10)のチャンバ内に移動可能に設けられて前記弁口(101)を開閉する弁体(10)と、
第1接続パイプ(31)であって、一端が取り付け端であり、前記取り付け端が前記接続口から前記弁体(10)のチャンバ内に貫入し、前記取り付け端の開口の内壁面が環状の導流面(32)であり、前記導流面(32)の、前記取り付け端の端面に位置する一端が内端(33)であり、前記導流面(32)の、前記第1接続パイプ(31)の内部に位置する一端が外端(34)であり、前記内端(33)から前記外端(34)への方向において、前記導流面(32)の径方向の寸法が徐々に減少する第1接続パイプ(31)とを更に含み、
ここで、前記導流面(32)の内端(33)における第1接続パイプ(31)の外壁面との間の距離がaであり、前記導流面(32)の外端(34)における第1接続パイプ(31)の外壁面との間の距離がbであり、前記内端(33)と前記外端(34)との間の距離がcであり、0.1b≦a≦0.5b、0.5b≦c≦4bである、請求項10に記載の流量調節弁。
【請求項12】
0.25b≦a≦0.4b、b≦c≦3bである、請求項11に記載の流量調節弁。
【請求項13】
前記導流面(32)は、テーパ面又は円弧面である、請求項11に記載の流量調節弁。
【請求項14】
a=c=0.5bであり、前記導流面(32)がフィレットを形成する、請求項11に記載の流量調節弁。
【請求項15】
前記流量調節弁は、前記弁体(10)のチャンバ内に設けられたガイドスリーブ(40)を更に含み、
前記弁ヘッド(20)は、前記ガイドスリーブ(40)内に移動可能に設けられ、前記取り付け端は前記ガイドスリーブ(40)に当接される、請求項11に記載の流量調節弁。
【請求項16】
前記ガイドスリーブ(40)は、第1スリーブセグメント(41)及び第2スリーブセグメント(42)を含み、前記第2スリーブセグメント(42)の外径が前記第1スリーブセグメント(41)の外径より小さく、前記第2スリーブセグメント(42)が前記第1スリーブセグメント(41)の下端面(43)に接続され、前記第2スリーブセグメント(42)が前記第1スリーブセグメント(41)に対して前記弁口(101)側に近接しており、前記取り付け端が前記第1スリーブセグメント(41)に当接され、前記弁ヘッド(20)の軸方向において、前記導流面(32)が前記下端面(43)の前記弁口(101)に向かう側に位置する、請求項15に記載の流量調節弁。
【請求項17】
前記流量調節弁は、スクリュ(51)、軸受(52)及びブッシュ(53)を含むスピンドル構造(50)を更に含み、
前記スクリュ(51)は、順に接続された第1ロッドセグメント、第2ロッドセグメント及び第3ロッドセグメントを含み、
前記第1ロッドセグメントの外径が前記第2ロッドセグメントの外径より大きく、前記第2ロッドセグメントの外径が前記第3ロッドセグメントの外径より大きく、前記軸受(52)は前記第2ロッドセグメントに嵌合され、前記ブッシュ(53)は前記第3ロッドセグメントに嵌合され且つ前記第3ロッドセグメントに固定接続され、前記軸受(52)の内輪の2つの端面はそれぞれ前記第1ロッドセグメントの端面、前記ブッシュ(53)の端面に当接され、前記軸受(52)は前記弁ヘッド(20)のチャンバ内に位置する、請求項11に記載の流量調節弁。
【請求項18】
前記流量調節弁は、弁体(10)を更に含み、
前記弁体(10)は、弁口(101)を有し、前記弁ヘッド(20)は、前記弁体(10)のチャンバ内に移動可能に設けられ、互いに接続されたロッド(21)とシールヘッド(22)とを含み、前記シールヘッド(22)の前記ロッド(21)から離れた一端に第1テーパ面(23)が設けられており、前記第1テーパ面(23)のテーパ角がa1であり、100°≦a1≦150°であり、前記シールヘッド(22)は前記弁口(101)を封止するために用いられる、請求項10に記載の流量調節弁。
【請求項19】
前記シールヘッド(22)の径方向の寸法が前記ロッド体(21)の径方向の寸法より大きく、前記シールヘッド(22)の最大直径がD1であり、前記弁口(101)の最小直径がD2であり、0.15mm≦D1-D2≦1mmである、請求項18に記載の流量調節弁。
【請求項20】
前記弁口(101)は、互いに連通されたフローホールセグメント(111)と封止孔セグメント(112)とを含み、前記封止孔セグメント(112)の径方向の寸法は、前記フローホールセグメント(111)から前記封止孔セグメント(112)に向かう方向において徐々に増大し、前記封止孔セグメント(112)の内壁に第2テーパ面(113)を形成し、前記第2テーパ面(113)のテーパ角がb1であり、a1>b1である、請求項18に記載の流量調節弁。
【請求項21】
前記弁口(101)は、導流孔セグメント(114)を更に含み、前記導流孔セグメント(114)は、前記封止孔セグメント(112)の前記フローホールセグメント(111)から離れた一端に連通され、前記導流孔セグメント(114)の径方向の寸法は、前記フローホールセグメント(111)から前記封止孔セグメント(112)に向かう方向において徐々に増大し、前記導流孔セグメント(114)の内壁に第3テーパ面(115)を形成し、前記第3テーパ面(115)のテーパ角がc1であり、c1≧b1である、請求項20に記載の流量調節弁。
【請求項22】
前記弁体(10)は、収容室(11)を有し、前記弁ヘッド(20)は、前記ロッド体(21)と互いに接続されたガイドヘッド(24)を更に含み、前記ロッド体(21)の径方向の寸法が前記ガイドヘッド(24)より小さく、前記ガイドヘッド(24)の外側壁が前記収容室(11)の内側壁に係合される、請求項18に記載の流量調節弁。
【請求項23】
前記収容室(11)は、順に連通された制限孔セグメント(121)、ガイド孔セグメント(122)及び弁チャンバ(123)を含み、前記ガイドヘッド(24)は前記ガイド孔セグメント(122)内に移動可能に設けられ、前記流量調節弁は、前記弁ヘッド(20)に接続され、前記制限孔セグメント(121)を貫通して設けられたスピンドル構造(50)を更に含む、請求項22に記載の流量調節弁。
【請求項24】
前記弁体(10)は、互いに接続された主弁座(13)と副弁座(14)とを含み、前記主弁座(13)の内側壁に第1段差(1301)を有し、前記副弁座(14)の外側壁に第2段差(141)を有し、前記第1段差(1301)と前記第2段差(141)とが係合される、請求項18に記載の流量調節弁。
【請求項25】
前記副弁座(14)は、互いに接続された副弁体(142)とガスケット(143)とを含み、前記弁口(101)が前記ガスケット(143)に設けられ、前記副弁体(142)の一端に第1取り付け溝(144)を有し、前記ガスケット(143)が前記第1取り付け溝(144)内に設けられ、前記第2段差(141)が前記副弁体(142)に位置する、請求項24に記載の流量調節弁。
【請求項26】
副弁体(142)は、本体(1421)及び本体(1421)に設けられた環状ボス(1422)を含み、前記副弁体(142)はフランジ構造(1423)を更に含み、前記フランジ構造(1423)は、環状ボス(1422)に接続され、環状構造であり、且つガスケット(143)に係合される、請求項25に記載の流量調節弁。
【請求項27】
前記流量調節弁は、弁チャンバ(123)を有する弁体(10)を更に含み、
前記弁チャンバ(123)の両端にそれぞれ上壁(102)と底壁(104)を有し、前記弁チャンバ(123)の側壁には前記弁チャンバ(123)に連通される流通孔(105)が設けられており、前記流通孔(105)が前記上壁(102)と前記底壁(104)との間に位置しており、前記底壁(104)には前記弁チャンバ(123)に連通される弁口(101)が設けられており、前記弁ヘッド(20)の少なくとも一部が前記弁チャンバ(123)内に移動可能に設けられて前記弁口(101)を開閉し、
ここで、前記上壁(102)と前記弁チャンバ(123)の側壁との接続部位に弧状面(16)を有し、前記弁体(10)の軸線がある断面において、前記弧状面(16)の円弧線の曲率半径がRであり、1mm≦R≦5mmである、請求項10に記載の流量調節弁。
【請求項28】
前記弧状面(16)は球面の一部である、請求項27に記載の流量調節弁。
【請求項29】
前記流量調節弁は、第1接続パイプ(31)であって、前記第1接続パイプ(31)の一端が前記流通孔(105)内に設けられ、前記第1接続パイプ(31)が前記弁チャンバ(123)に連通され、前記第1接続パイプ(31)の軸線が前記弁体(10)の軸線に垂直に設けられ、前記弁体(10)の軸方向における前記第1接続パイプ(31)の内壁と前記上壁(102)との間の最短距離がAであり、A≦1mmである、第1接続パイプ(31)を更に含む、請求項27に記載の流量調節弁。
【請求項30】
前記弁ヘッド(20)は、互いに接続されたガイドヘッド(24)、ロッド(21)及びシールヘッド(22)を有し、前記ロッド(21)の径方向の寸法が前記ガイドヘッド(24)及び前記シールヘッド(22)の径方向の寸法より小さく、前記弁体(10)は、前記弁チャンバ(123)に連通されたガイド孔セグメント(122)を更に有し、前記ガイドヘッド(24)が前記ガイド孔セグメント(122)に制限係合され、前記シールヘッド(22)は前記弁口(101)を封止するために用いられ、前記弁口(101)が開いている場合に、前記ガイドヘッド(24)全体が前記ガイド孔セグメント(122)内に位置する、請求項27に記載の流量調節弁。
【請求項31】
前記弁口(101)は、順に接続された導流孔セグメント(114)、封止孔セグメント(112)及びフローホールセグメント(111)を含み、前記導流孔セグメント(114)の径方向の寸法は、前記フローホールセグメント(111)から前記封止孔セグメント(112)に向かう方向において徐々に増大し、前記封止孔セグメント(112)の径方向の寸法は、前記フローホールセグメント(111)から前記封止孔セグメント(112)に向かう方向において徐々に増大し、前記弁口(101)が閉じている場合に、前記封止ヘッド(22)が前記封止孔セグメント(112)に当接される、請求項30に記載の流量調節弁。
【請求項32】
前記ガイドヘッド(24)の外側壁に環状溝(241)を有し、前記流量調節弁は、前記環状溝(241)内に設けられた環状封止リング(3)を含み、前記環状封止リング(3)の外輪は前記ガイド孔セグメント(122)の内側壁に封止係合される、請求項30に記載の流量調節弁。
【請求項33】
前記流量調節弁は、
収容室(11)を有する主弁座(13)と、
互いに接続された副弁体(142)及びガスケット(143)を含み、前記副弁体(142)が前記主弁座(13)に接続され、前記ガスケット(143)は弁口(101)を有し、前記弁口(101)は前記収容室(11)に連通され、前記副弁体(142)の前記弁口(101)から離れた一端に第2取り付け溝(145)を有し、前記弁ヘッド(20)は前記収容室(11)内に移動可能に設けられて、前記弁口(101)を開閉する副弁座(14)と、
一端が前記第2取り付け溝(145)内に設けられ、前記弁口(101)に連通された第2接続パイプ(35)とを更に含み、
ここで、前記弁口(101)の流れ面積がS1であり、前記第2接続パイプ(35)の流れ面積がS2であり、|S1-S2|≦0.15S1である、請求項10に記載の流量調節弁。
【請求項34】
前記副弁体(142)は、接続孔(212)及び第1取り付け溝(144)を更に有し、前記ガスケット(143)が前記第1取り付け溝(144)内に設けられ、前記弁口(101)、前記接続孔(212)及び前記第2接続パイプ(35)が順に連通され、前記接続孔(212)の流れ面積がS3であり、|S1-S3|≦0.15S1である、請求項33に記載の流量調節弁。
【請求項35】
前記弁口(101)の最小直径がD2であり、前記第2接続パイプ(35)の内径がD4であり、前記接続孔(212)の内径がD3であり、D3≧D2、D3≧D4である、請求項34に記載の流量調節弁。
【請求項36】
前記副弁体(142)は、本体(1421)及び前記本体(1421)に設けられた環状ボス(1422)を含み、前記副弁体(142)はフランジ構造(1423)を更に含み、前記フランジ構造(1423)は前記環状ボス(1422)に接続され、前記本体(1421)の一部と前記環状ボス(1422)が取り囲んで前記第1取り付け溝(144)を形成し、前記フランジ構造(1423)の肉厚が前記環状ボス(1422)の肉厚より小さく、前記フランジ構造(1423)が前記ガスケット(143)に係合される、請求項34に記載の流量調節弁。
【請求項37】
前記フランジ構造(1423)は、環状構造であり且つ前記ガスケット(143)に密着され、前記フランジ構造(1423)の内周面と前記弁口(101)との間の距離がa2であり、0.2mm≦a2≦2mmである、請求項36に記載の流量調節弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は流量調節弁の分野に関し、具体的には、弁ヘッド構造、及びそれを有する流量調節弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の流量調節弁において、弁ヘッドの弁チャンバ内部に入り込んだ部分は、通常円柱構造である。
【0003】
しかしながら、弁体を小さくして製品のコストを低減しようとする場合、上記の弁ヘッド構造は、弁ヘッドが全開であっても、弁チャンバの内部のスペースが限られ、弁チャンバ内の流れ抵抗が大きいため、Cv(即ち、一分毎に流れる流体の流量)値が小さい傾向があり、Cv値の設計要求を満たすことができない。
【出願の概要】
【0004】
本出願は、従来技術における弁ヘッド構造の設計が流量調節弁内の流体の流れに影響を与える課題を解決するための弁ヘッド構造、及びそれを有する流量調節弁を提供することを主な目的とする。
【0005】
上記の目的を実現するために、本出願の一態様によって提供される弁ヘッド構造は、流量調節弁の弁体内に設けられて、弁体の弁口を閉じる又は回避するために用いられ、弁体内に移動可能に設けられた弁ヘッドと、弁ヘッドに設けられて、弁体内の流体を収容するための収容溝とを含み、ここで、弁ヘッドと弁口との間の距離は調節可能に設けられ、弁ヘッドが弁口との間の距離が最大となる位置まで移動したとき、収容溝の少なくとも一部が弁体の収容室内に位置する。
【0006】
更に、収容溝は、弁ヘッドを取り囲んで設けられる、及び/又は、環状構造である。
【0007】
更に、収容溝は、収容溝の弁口から離れた一端に位置する第1移行セグメントを有し、弁ヘッドの弁口に近接する方向に沿って、第1移行セグメントの横断面積が徐々に減少する。
【0008】
更に、弁ヘッドは、収容溝の弁口に近接した一端に設けられた、弁口を封止するためのシールヘッドを含む。
【0009】
更に、収容溝は、収容溝の封止ヘッドに近接した一端に位置する第2移行セグメントを有し、収容溝の封止ヘッドに近接する方向に沿って、第2移行セグメントの横断面積が徐々に増大する。
【0010】
更に、弁ヘッドは、収容室内の流体を収容するための収容チャンバを含み、弁ヘッドは、一端が収容チャンバに連通され、他端が収容室に連通される流れ通路を含む。
【0011】
更に、流れ通路は、収容チャンバに連通される第1流れ通路と、収容室に連通されるための第2流れ通路とを含み、弁ヘッドの延在方向に沿って、第2流れ通路の横断面積が第1流れ通路の横断面積より大きい。
【0012】
更に、収容チャンバは、弁ヘッドの弁口から離れた一端まで延在して、収容室内の流体が収容チャンバを介して弁ヘッドの弁口に近接した側から弁ヘッドの弁口から離れた側へ流れるようにする。
【0013】
更に、弁ヘッドの弁口に近接した一端に弁口を封止するためのシールヘッドを有し、弁ヘッドの弁口から離れた一端に弁体と接触するためのガイドヘッドを有し、シールヘッド及びガイドヘッドはいずれも円柱状構造であり、シールヘッドと弁口との間に形成された封止線の直径がガイドヘッドの外径と同じである。
【0014】
更に、弁ヘッドは、ガイドヘッドと収容溝との間に位置して、環状封止リングを取り付けるための環状溝を含む。
【0015】
本出願の別の態様によれば、上記の弁ヘッド構造を含む流量調節弁を提供している。
【0016】
本出願の技術態様を適用すると、本実施例の弁ヘッド構造は、流量調節弁の弁体内に設けられて、弁体の弁口を閉じる又は回避するために用いられ、弁体内に移動可能に設けられた弁ヘッドと、弁ヘッドに設けられて、弁体内の流体を収容するための収容溝とを含み、弁ヘッドと弁口との間の距離は調節可能に設けられ、弁ヘッドが弁口との間の距離が最大となる位置まで移動したとき、収容溝の少なくとも一部が弁体の収容室内に位置する。なお、弁ヘッドが作動するとき、弁ヘッドは、収容室内で弁口に近接して移動したり弁口から離れて移動したりして、弁口を封止する又は回避する動作を完成し、弁ヘッドと弁口との間の最大距離が弁ヘッドの最大ストロークである。上記の設計を採用すると、弁ヘッドの弁体の収容室内に位置する部分に収容溝を設け、収容溝に収容室の容積を増加させることで、収容室により多くの流体を収容させ、流体が収容室内で流れるスペースを増加させる。また、収容溝に流体を貯蔵しており、流体が収容室内を通過するとき、収容溝外を流れる流体と収容溝内を流れる流体とが接触することで、流体と弁ヘッドとの接触を回避し、流体の流れが受ける抵抗を低減させる。これにより、従来技術における弁ヘッド構造の設計された流れ抵抗が大きく、流量調節弁内の流体の流れに影響を与える問題を解決している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0018】
【
図1】本出願による流量調節弁の実施例の内部構造模式図を示す。
【
図2】本出願の流量調節弁の弁ヘッド構造の構造模式図を示す。
【
図3】本出願の流量調節弁の弁ヘッド構造の内部構造模式図を示す。
【
図4】本出願で提供される流量調節弁の構造模式図を示す。
【
図6】流量調節弁における第1接続パイプの構造模式
図1を示す。
【
図7】流量調節弁における第1接続パイプの構造模式
図2を示す。
【
図8】流量調節弁における第1接続パイプの構造模式
図3を示す。
【
図9】本出願の実施例で提供される流量調節弁の構造模式図を示す。
【
図10】
図9の流量調節弁における選択された位置の拡大図を示す。
【
図11】
図9の流量調節弁におけるガスケットの構造模式図を示す。
【
図12】
図9の流量調節弁における弁ヘッドの構造模式図を示す。
【
図13】
図9の流量調節弁における弁体の構造模式図を示す。
【
図14】
図9の流量調節弁の副弁体の構造模式図を示す。
【
図15】
図9の流量調節弁のスピンドル構造の構造模式図を示す。
【
図16】本出願の実施例で提供される流量調節弁の構造模式図を示す。
【
図17】
図16の流量調節弁の選択された位置の拡大図を示す。
【
図18】
図16の流量調節弁における弁体の構造模式図を示す。
【0019】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁体、101 弁口、102 上壁、104 底壁、105 流通孔、111 フローホールセグメント、112 封止孔セグメント、113 第2テーパ面、114 導流孔セグメント、115 第3テーパ面、11 収容室、121 制限孔セグメント、122 ガイド孔セグメント、123 弁チャンバ、13 主弁座、1301 第1段差、14 副弁座、141 第2段差、142 副弁体、1421 本体、1422 環状ボス、1423 フランジ構造、143 ガスケット、144 第1取り付け溝、145 第2取り付け溝、16 弧状面、212 接続孔、
20 弁ヘッド、21 ロッド、22 シールヘッド、23 第1テーパ面、120 収容チャンバ、103 流れ通路、131 第1流れ通路、132 第2流れ通路、24 ガイドヘッド、241 環状溝、
2 収容溝、201 第1移行セグメント、202 第2移行セグメント、3 環状封止リング、
31 第1接続パイプ、32 導流面、33 内端、34 外端、35 第2接続パイプ、
40 ガイドスリーブ、41 第1スリーブセグメント、42 第2スリーブセグメント、43 下端面、
50 スピンドル構造、51 スクリュ、511 第1ロッドセグメント、512 第2ロッドセグメント、513 第3ロッドセグメント、52 軸受、53 ブッシュ、54 押圧スリーブ、
60 弁筒、61 封止チャンバ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
説明すべきこととして、矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照して、実施例と併せて本出願を詳細に説明する。
【0021】
図1から
図3に示すように、本実施例の弁ヘッド構造は、流量調節弁の弁体10内に設けられて、弁体10の弁口101を閉じる又は回避するために用いられ、弁体10内に移動可能に設けられた弁ヘッド20と、弁体10内の流体を収容するための収容溝2とを含み、ここで、弁ヘッド20と弁口101との間の距離は調節可能に設けられ、弁ヘッド20が弁口101との間の距離が最大となる位置まで移動したとき、収容溝2の少なくとも一部が弁体10の収容室11内に位置する。説明すべきこととして、弁ヘッド20が作動するとき、弁ヘッド20は、収容室11内で弁口101に近接して移動したり弁口101から離れて移動したりして、弁口を封止する又は回避する動作を完成し、弁ヘッド20と弁口101との間の最大距離が弁ヘッド20の最大ストロークである。上記の設計を採用すると、弁ヘッド20の、弁体10の収容室11内に位置する部分に収容溝2を設け、収容溝2に収容室11の容積を増加させることで、収容室11により多くの流体を収容させ、流体が収容室11内で流れるスペースを増加させ、弁チャンバ内の乱流を低減させ、流体の流れが受ける抵抗を低減させる。これにより、従来技術における弁ヘッド構造の設計が流量調節弁内の流体の流れに影響を与える問題を解決している。
【0022】
本実施例の弁ヘッド構造において、収容溝2は、弁ヘッド20を取り囲んで設けられる、及び/又は、環状構造である。上記の設計を採用すると、加工が容易になり製造コストを低減させる。
【0023】
図1から
図3に示すように、本実施例の弁ヘッド構造において、収容溝2は、収容溝2の弁口101から離れた一端に位置する第1移行セグメント201を有し、弁ヘッド20の弁口101に近接する方向に沿って、第1移行セグメント201の横断面積が徐々に減少する。上記の設計を採用すると、寸法の突然変化によって発生する渦流を回避することで、流体が流れるときに受ける抵抗を低減させる。
【0024】
本実施例の弁ヘッド構造において、弁ヘッド20は、収容溝2の弁口101に近接した一端に設けられた、弁口101を封止するためのシールヘッド22を含む。このようにすると、弁ヘッド20を開くとき、流通はシールヘッド22を流れて弁口101から流れ出る。
【0025】
本実施例の弁ヘッド構造において、収容溝2は、収容溝2のシールヘッド22に近接した一端に位置する第2移行セグメント202を有し、収容溝2のシールヘッド22に近接する方向に沿って、第2移行セグメント202の横断面積が徐々に増大する。このようにすると、流体の流れに更に有利である。
【0026】
図1から
図3に示すように、本実施例の弁ヘッド構造において、弁ヘッド20は、収容室11内の流体を収容するための収容チャンバ120を含み、弁ヘッド20は、一端が収容チャンバ120に連通され、他端が収容室11に連通される流れ通路103を含む。このようにすると、収容チャンバ120内の流体は、流れ通路103を介して収容チャンバ120内に入り込むことで、収容チャンバ120内の流体の流通性を増加させることができる。
【0027】
本実施例の弁ヘッド構造において、流れ通路103は、収容チャンバ120に連通される第1流れ通路131と、収容室11に連通されるための第2流れ通路132とを含み、弁ヘッド20の延在方向に沿って、第2流れ通路132の横断面積が第1流れ通路131の横断面積より大きい。このようにすると、弁ヘッド20が弁口101に近接して移動するとき、第2流れ通路132は、弁ヘッドの底部の渦流を低減させ、流通抵抗を低減させることができる。
【0028】
図1から
図3に示すように、本実施例の弁ヘッド構造において、収容チャンバ120は、弁ヘッド20の弁口101から離れた一端まで延在して、収容室11内の流体が収容チャンバ120を介して弁ヘッド20の弁口101に近接した側から弁ヘッド20の弁口から離れた側へ流れるようにする。このようにすると、収容室11内の流体圧力を放出して、弁ヘッド構造の運転がより円滑になることができる。
【0029】
本実施例の弁ヘッド構造において、弁ヘッド20の弁口101に近接した一端に弁口101を封止するためのシールヘッド22を有し、弁ヘッド20の弁口101から離れた一端に弁体10と接触するためのガイドヘッド24を有し、シールヘッド22及びガイドヘッド24はいずれも円柱状構造であり、シールヘッド22とガイドヘッド24との外径が同じである。このようにすると、弁ヘッド20の両端で受ける圧力強度を一致させて、弁ヘッド構造の運転がより円滑になる。
【0030】
図1から
図3に示すように、本実施例の弁ヘッド構造において、弁ヘッド20は、ガイドヘッド24と収容溝2との間に位置して、環状封止リング3を取り付けるための環状溝241を含む。
【0031】
本実施例の流量調節弁は、上記の弁ヘッド構造を含む。
【0032】
以下、本実施例の流量調節弁の弁ヘッド構造について説明する。
【0033】
弁ヘッド構造の収容室11に入り込んだ部分に収容溝2を設けることで、流体が収容室11の内部を流れるスペースを増加させて、流れ抵抗を低減させる。
【0034】
弁ヘッド構造をガイドスリーブ40内に設けて、弁ヘッド20の内部の貫通孔構造によって、流体圧力を弁ヘッド20の上部と下部とで同じようにして、弁ヘッド20が閉じているときに受ける差圧を同じようにする。
【0035】
弁ヘッドが全開位置にあるとき、収容溝2及び第2移行セグメント202は依然として収容室11の内部に位置し、且つ第2移行セグメント202の上部はガイドスリーブ40の下縁より低くない。
【0036】
この構造は、流体が収容室11の内部を流れるスペースを増加させ、流れ抵抗を低減させ、膨張弁が全開であるときのCv値を増加させることができる。
【0037】
以上の説明から分かるように、本出願の上記の実施例は、以下のような技術効果を実現している。
本実施例の弁ヘッド構造は、流量調節弁の弁体10内に設けられて、弁体10の弁口101を閉じる又は回避するために用いられ、弁体10内に移動可能に設けられた弁ヘッド20と、弁ヘッド20に設けられて、弁体10内の流体を収容するための収容溝2とを含み、弁ヘッド20と弁口101との間の距離は調節可能に設けられ、弁ヘッド20が弁口101との間の距離が最大となる位置まで移動したとき、収容溝2の少なくとも一部が弁体10の収容室11内に位置する。説明すべきこととして、弁ヘッド20が作動するとき、弁ヘッド20は、収容室11内で弁口101に近接して移動したり弁口101から離れて移動したりして、弁口を封止する又は回避する動作を完成し、弁ヘッド20と弁口101との間の最大距離が弁ヘッド20の最大ストロークである。上記の設計を採用すると、弁ヘッド20の、弁体10の収容室11内に位置する部分に収容溝2を設け、収容溝2に収容室11の容積を増加させることで、収容室11により多くの流体を収容させ、流体が収容室11内で流れるスペースを増加させ、流体の流れが受ける抵抗を低減させる。これにより、従来技術における弁ヘッド構造の設計が流量調節弁内の流体の流れに影響を与える問題を解決している。
【0038】
図4から
図6に示すように、本出願の実施例で提供される流量調節弁は、径方向に接続口を有し、軸方向に弁口101を有する弁体10と、弁体10のチャンバ内に移動可能に設けられて弁口101を開閉する弁ヘッド20と、一端が取り付け端であり、取り付け端が接続口から弁体10のチャンバ内に貫入し、取り付け端の開口の内壁面が環状の導流面32であり、導流面32の取り付け端の端面に位置する一端が内端33であり、導流面32の第1接続パイプ31の内部に位置する一端が外端34であり、内端33から外端34への方向において、導流面32の径方向の寸法が徐々に減少する第1接続パイプ31とを含み、ここで、導流面32の内端33における第1接続パイプ31の外壁面との間の距離がaであり、導流面32の外端34における第1接続パイプ31の外壁面との間の距離がbであり、内端33と外端34との間の距離がcであり、0.1b≦a≦0.5b、0.5b≦c≦4bである。
【0039】
図4に示すように、本実施例において、弁体10の径方向の接続口に第1接続パイプ31が接続されており、第1接続パイプ31の弁ヘッド20に近接した弁体10に入り込んだ一端が取り付け端であり、取り付け端の開口の内壁面は径方向の寸法が内端33から外端34に向かう方向において徐々に減少する環状の導流面32であり、且つこの導流面32の具体的な形状は、距離a、b及びcの関係により限定される。この態様を採用すると、取り付け端の開口の内壁面に設けられた、径方向の寸法が内端33から外端34に向かう方向において徐々に減少する環状の導流面32によって、流体が第1接続パイプ31の取り付け端内を流れるときに生じる流通抵抗を低減させ、調節弁の流通力を向上させ、流れる流量を増大させるとともに、仕込み時に生じるフランジ、バリを除去するために用いることもできる。また、調節弁が実際に使用される状況に応じてa、b及びcの数値を調整することで、導流面32を適応的に調整し、更に調節弁の性能を向上させることができる。ここで、内端33と外端34との間の距離は、導流面32の軸方向の長さとして理解してもよい。
【0040】
具体的には、0.25b≦a≦0.4bである。このように、内端33と第1接続パイプ31の外壁面との間の距離a、及び外端34と第1接続パイプ31の外壁面との間の距離bを更に限定することで、流体の抵抗をより一層低減させ、調節弁の流通力を向上させる。
【0041】
更に、b≦c≦3bである。このように、外端34と第1接続パイプ31の外壁面との間の距離b、及び内端33と外端34との間の距離cを更に限定することで、流体の抵抗をより一層低減させ、調節弁の流通力を向上させる。
【0042】
図6に示すように、導流面32は具体的にテーパとしてもよい。導流面32をテーパ面とすると、流れ面積の平滑な移行を実現して、流体が通過するときに生じる流通抵抗を低減させる。
【0043】
具体的には、流量調節弁はガイドスリーブ40を更に含み、ガイドスリーブ40は、弁体10のチャンバ内に設けられ、弁ヘッド20はガイドスリーブ40内に移動可能に設けられ、取り付け端がガイドスリーブ40に当接される。ガイドスリーブ40のガイド作用によって、弁ヘッド20が移動するときにずれが発生せず、調節弁の使用に影響を与えないことを確保する。そして、取り付け端がガイドスリーブ40に当接されることは、第1接続パイプ31の取り付け端と弁ヘッド20との間の距離を確保し、第1接続パイプ31の取り付け端と弁ヘッド20との距離が近すぎて大きい流通抵抗が発生することを防止し、取り付け端が弁体10内に入り込む深さを確保し、接続の信頼性を向上させる。
【0044】
図4に示すように、ガイドスリーブ40は、第1スリーブセグメント41及び第2スリーブセグメント42を含み、第2スリーブセグメント42の外径が第1スリーブセグメント41の外径より小さく、第2スリーブセグメント42が第1スリーブセグメント41の下端面43に接続され、第2スリーブセグメント42が第1スリーブセグメント41に対して弁口101に近接しており、取り付け端が第1スリーブセグメント41に当接され、弁ヘッド20の軸方向において、導流面32が下端面43の弁口101に向かう側に位置する。本実施例において、ガイドスリーブ40は、下から上に向かって第2スリーブセグメント42、下端面43、及び第1スリーブセグメント41を順に有し、ここで、第1スリーブセグメント41が取り付け端に当接され、取り付け端が弁ヘッド20に近接しないことを確保し、且つ第1接続パイプ31において、導流面32は、下端面43の弁口101に向かう側に位置し、取り付け端が第1スリーブセグメント41に当接されることにより、導流面32の弁体10内における具体的な位置も確定される。本態様において、導流面32を下端面43の弁口101に向かう側に設けることで、第1スリーブセグメント41の側面及び下端面43が導流面32を流れる流体を遮断することを回避し、流体に抵抗を発生させることを回避することで、流体の順調な流れを確保することができる。
【0045】
具体的には、流量調節弁は、スクリュ51、軸受52及びブッシュ53を含むスピンドル構造50を更に含み、スクリュ51は、順に接続された第1ロッドセグメント、第2ロッドセグメント及び第3ロッドセグメントを含み、第1ロッドセグメントの外径が第2ロッドセグメントの外径より大きく、第2ロッドセグメントの外径が第3ロッドセグメントの外径より大きく、軸受52は第2ロッドセグメントに嵌合され、ブッシュ53は第3ロッドセグメントに嵌合され且つ第3ロッドセグメントに固定接続され、軸受52の内輪の2つの端面はそれぞれ第1ロッドセグメントの端面及びブッシュ53の端面に当接され、軸受52は弁ヘッド20のチャンバ内に位置する。
【0046】
本実施例において、第3ロッドセグメントはブッシュ53の取り付けセグメントであり、ブッシュ53の内孔とはクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、ブッシュ53の一端は軸受52の内輪に当接され、溶接によりスクリュ51に固定されて一体になることができ、第2ロッドセグメントは軸受52の取り付けセグメントであり、軸受52の内輪とはクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、軸受52の内輪の両端はそれぞれ第1ロッドセグメントの端面及びブッシュ53に当接され、このようにブッシュ53により軸受52の内輪に対する軸方向での制限を実現し、軸受52の内輪が他の制限形態を採用する際に受ける力が大きすぎて変形が発生することを回避し、軸受52の信頼性を確保し、調節弁の性能を向上させる。
【0047】
更に、スクリュ51の軸方向において、第2ロッドセグメントの長さがMであり、軸受52の内輪の長さがNであり、N/2≦M<Nである。第2ロッドセグメントの長さが軸受52の内輪の長さよりわずかに小さいが、このようにすると、ブッシュ53が軸受52に当接されることを確保し、軸受52の軸方向の移動が発生することを防止することができる。
【0048】
図7に示すように、本出願の他の実施例で提供される流量調節弁は、導流面32が円弧面であることが異なる。本実施例において、導流面32を円弧面とすることで、流体が通過するときに生じる流通抵抗を低減させ、且つ流体が流れ込むときに流体と第1接続パイプ31の取り付け端との接触面積を増大させる。
【0049】
図8に示すように、本出願の他の実施例で提供される流量調節弁は、a=c=0.5bであり、導流面32がフィレットを形成することが異なる。フィレットは、実施例2における円弧面の具体的な一形態であり、これも流通抵抗を低減させる役割を果たすことができ、且つ流体が流れ込むときに流体と第1接続パイプ31の取り付け端との接触面積を増大させ、流体の流れ面積を増大させる役割を果たすが、相違点は、フィレットは円弧面より設計及び加工が簡単である。
【0050】
具体的には、上記の実施例における流量調節弁は、電子膨張弁である。上記の実施例を採用すると、取り付け端の開口の内壁面に設けられた、径方向の寸法が内端33から外端34に向かう方向において徐々に減少する環状の導流面32によって、流体が第1接続パイプ31の取り付け端内を流れるときに生じる流通抵抗を低減させ、電子膨張弁の流通力を向上させ、流れる流量を増大させる。また、距離a、b及びcを調節することにより、導流面32を円弧面、テーパ面又は他の形態とすることができる。具体的な設計の場合、電子膨張弁が実際に使用される状況に応じてa、b及びcの数値を調整することで、導流面32を適応的に調整し、更に電子膨張弁の性能を向上させることができる。
【0051】
図9から
図15に示すように、本出願の実施例で提供される流量調節弁は、弁体10及び弁ヘッド20を含み、弁体10は弁口101を有し、弁ヘッド20は、弁体10のチャンバ内に移動可能に設けられ、互いに接続されたロッド体21とシールヘッド22とを含み、シールヘッド22のロッド体21から離れた一端に第1テーパ面23が設けられており、第1テーパ面23のテーパ角がa1であり、100°≦a1≦150°であり、シールヘッド22は弁口101を封止するために用いられる。
【0052】
本実施例において、第1テーパ面23のテーパ角a1を限定することによって、弁体10のチャンバ内の流体をガイドすることができ、従来技術におけるテーパ面等のガイド面が設けられていないシールヘッド22と比較して、このように設計すると、弁体10のチャンバ内の流体の流れ抵抗を低減させ、流量調節弁の性能を向上させ、また、このように設計すると、弁口101及び弁体10のチャンバを拡大することにより流量調節弁の性能を確保する必要がなく、流量調節弁の体積を減少させ、加工コストを低減させる。また、第1テーパ面23のテーパ角a1を上記の範囲内に限定すると、抵抗を低減させる役割を果たすだけでなく、弁口101が閉じているときの封止効果も確保できる。
【0053】
具体的には、シールヘッド22の径方向の寸法がロッド21の径方向の寸法より大きく、シールヘッド22のロッド21に接続された一端にもテーパ面が設けられて、弁体10のチャンバ内の流体の流れ抵抗を低減させ、流量調節弁の性能を向上させる。
【0054】
図10及び
図11に示すように、シールヘッド22の最大直径がD1であり、弁口101の最小直径がD2であり、0.15mm≦D1-D2≦1mmである。このように設計すると、シールヘッド22の弁口101に入り込む長さを確保するとともに、弁口101とシールヘッド22とにより形成される封止面の直径が弁口の最小直径D2より大きいことも確保し、封止の信頼性を向上させる。
【0055】
図11に示すように、弁口101は、互いに連通されたフローホールセグメント111と封止孔セグメント112とを含み、封止孔セグメント112の径方向の寸法は、フローホールセグメント111から封止孔セグメント112に向かう方向において徐々に増大し、封止孔セグメント112の内壁に第2テーパ面113を形成し、第2テーパ面113のテーパ角がb1であり、a1>b1である。このように設計すると、シールヘッド22と弁口101との封止面がシールヘッド22と封止孔セグメント112との密着位置にあることを確保し、封止の信頼性を確保し、流体の漏れを防止する。
【0056】
具体的には、弁口101の最小直径D2がフローホールセグメント111の直径であり、シールヘッド22の直径D1がフローホールセグメント111の直径D2より大きく、シールの信頼性を確保する。
【0057】
更に、弁口101は、導流孔セグメント114を更に含み、導流孔セグメント114は封止孔セグメント112のフローホールセグメント111から離れた一端に連通され、導流孔セグメント114の径方向の寸法は、フローホールセグメント111から封止孔セグメント112に向かう方向において徐々に増大し、導流孔セグメント114の内壁に第3テーパ面115を形成し、第3テーパ面115のテーパ角はc1であり、c1≧b1である。このように設計すると、導流孔セグメント114とシールヘッド22との間に干渉が生じないようにすることを確保し、シールヘッド22と封止孔セグメント112との封止の信頼性を確保するとともに、このように設計すると、弁口101に向かう流体に対してガイド作用を果たし、弁体のチャンバ内の流体の流れ抵抗を低減させ、流量調節弁の性能を向上させることもできる。
【0058】
図12及び
図13に示されたように、弁体10は収容室11を有し、弁ヘッド20はロッド21と互いに接続されたガイドヘッド24を更に含み、ロッド21の径方向の寸法がガイドヘッド24より小さく、ガイドヘッド24の外側壁が収容室11の内側壁に制限係合される。このように設計すると、ガイドヘッド24と収容室11との係合によって、弁ヘッド20の移動をガイドする役割を果たし、弁ヘッド20の移動過程においてずれが発生しないことを確保し、流量調節弁の信頼性を確保する。
【0059】
更に、収容室11は、順に連通された制限孔セグメント121、ガイド孔セグメント122及び弁チャンバ123を含み、ガイドヘッド24はガイド孔セグメント122内に移動可能に設けられ、流量調節弁は、弁ヘッド20に接続され、制限孔セグメント121を貫通して設けられたスピンドル構造50を更に含む。このように設計すると、ガイドヘッド24とガイド孔セグメント122との係合によって、弁ヘッド20の移動をガイドし、弁ヘッド20の移動の信頼性を確保するとともに、弁ヘッド20はスピンドル構造50に接続され、スピンドル構造50は制限孔セグメント121を貫通して設けられるため、スピンドル構造50が弁ヘッド20の移動過程においてずれが発生することを防止し、更に弁ヘッド20の移動の信頼性を確保する。
【0060】
具体的には、弁体10は互いに接続された主弁座13と副弁座14とを含み、主弁座13の内側壁に第1段差1301を有し、副弁座14の外側壁に第2段差141を有し、第1段差1301と第2段差141とが制限係合される。
【0061】
本実施例において、主弁座13の内側壁に第1段差1301を有し、副弁座14の外側壁に第2段差141を有し、第2段差141が第1段差1301に制限係合される。第1段差1301は、主弁座13の軸方向における第1段差面と主弁座13の径方向における第2段差面とを含み、第1段差面及び第2段差面が第1段差1301を構成し、第2段差141は、副弁座14の軸方向における第3段差面と副弁座14の径方向における第4段差面とを含み、第3段差面及び第4段差面が第2段差141を構成し、第1段差面が第3段差面に制限係合され、第2段差面が第4段差面に制限係合される。2つの段差の間の制限係合により、主弁座13と副弁座14との軸方向及び径方向における制限係合を実現することができる。具体的には、主弁座の側壁に流通孔105を穿設して、外部接続パイプを接続し、外部接続パイプと収容室11とを連通させる。
【0062】
図11及び
図14に示すように、副弁座14は、互いに接続された副弁体142及びガスケット143を含み、弁口101がガスケット143に設けられ、副弁体142の一端に第1取り付け溝144を有し、ガスケット143が第1取り付け溝144内に設けられ、第2段差141が副弁体142に位置する。このように設計すると、主弁座13を使用してガスケット143を制限する必要がないため、主弁座13の肉厚を比較的薄くすることができ、流量調節弁のコストを低減させる。
【0063】
更に、副弁体142は、本体1421及び本体1421に設けられた環状ボス1422を含み、副弁体142はフランジ構造1423を更に含み、フランジ構造1423は、環状ボス1422に接続され、環状構造であり且つガスケット143に制限係合される。このように設計すると、フランジ構造1423のフランジによってガスケット143の取り付けを実現し、組み立てや操作が簡単であり、取り付けが確実である。
【0064】
具体的には、外部接続パイプを接続し、外部接続パイプと弁口101とを連通させるために、副弁体142の他端に第2取り付け溝145を有する。
【0065】
図15に示すように、流量調節弁は、スクリュ51、軸受52及びブッシュ53を含むスピンドル構造50を更に含み、スクリュ51は、順に接続され且つ径方向の寸法が順に大きくなる第1ロッドセグメント511、第2ロッドセグメント512及び第3ロッドセグメント513を含み、軸受52は第2ロッドセグメント512に嵌合され、ブッシュ53は第1ロッドセグメント511に嵌合され且つ第1ロッドセグメント511に固定接続され、軸受52の内輪の2つの端面はそれぞれ第3ロッドセグメント513の端面及びブッシュ53の端面に当接され、軸受52及びブッシュ53はいずれも弁ヘッド20のチャンバ内に位置する。
【0066】
本実施例において、第1ロッドセグメント511はブッシュ53の取り付けセグメントであり、ブッシュ53の内孔とはクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、ブッシュ53の一端は軸受52の内輪に当接され、溶接によりスクリュ51に固定されて一体になることができ、第2ロッドセグメント512は軸受52の取り付けセグメントであり、軸受52の内輪とはクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、軸受52の内輪の両端はそれぞれ第3ロッドセグメント513の端面及びブッシュ53に当接され、このようにブッシュ53により軸受52の内輪に対する軸方向での制限を実現し、軸受52の内輪が他の制限形態を採用する際に受ける力が大きすぎて変形が発生することを回避し、軸受52の信頼性を確保し、調節弁の性能を向上させる。具体的には、スクリュ51の第3ロッドセグメント513は、制限孔セグメント121内に挿設されて制限孔セグメント121とクリアランスフィットされ、スクリュ51の移動の信頼性を確保する。
【0067】
図16から
図18に示すように、本出願の実施例で提供される流量調節弁は、弁体10及び弁ヘッド20を含み、弁体10は、弁チャンバ123を有し、弁チャンバ123の両端にそれぞれ上壁102と底壁104を有し、弁チャンバ123の側壁には弁チャンバ123に連通される流通孔105が設けられており、流通孔105は上壁102と底壁104との間に位置し、底壁104には弁チャンバ123に連通される弁口101が設けられており、弁ヘッド20は、少なくとも一部が弁チャンバ123内に移動可能に設けられて弁口101を開閉し、ここで、上壁102と弁チャンバ123の側壁との接続部位に弧状面16を有し、弁体10の軸線がある断面において、弧状面16の円弧線の曲率半径がRであり、1mm≦R≦5mmである。
【0068】
本実施例において、上壁102と弁チャンバ123の側壁との接続部位を弧状面16とし、弧状面16により弁チャンバ123に流れ込む流体をガイドし、弁チャンバ123内の流体の流れ抵抗を低減させ、流体が流れる効率を向上させる。弧状面16の曲率半径Rを限定するが、R<1mmであると、弧状面16の寸法が小さすぎて、導流する役割を果たすことができず、R>5mmであると、弧状面16が大きすぎて、弁チャンバ123の容積に影響を与えるため、Rを1mm~5mmの間に限定し、弁体10の構造全体に影響を与えない上で、弁チャンバ123に流れ込む流体を導流し、流量調節弁の性能を向上させる。そして、このように設計すると、弁口101及び弁チャンバ123を拡大することにより流量調節弁の性能を確保する必要がなく、流量調節弁の体積を減少させ、加工コストを低減させる。
【0069】
具体的には、弧状面16は球面の一部である。このように設計すると、曲率半径Rが球面の半径であり、弧状面16の加工が容易になる。
【0070】
流量調節弁は、一端が流通孔105内に設けられ、弁チャンバ123に連通され、軸線が弁体10の軸線に垂直に設けられ、弁体10の軸方向における内壁と上壁102との最短距離がAであり、A≦1mmである、第1接続パイプ31を更に含む。このように設計すると、Aの寸法を限定することで、第1接続パイプ31の弁チャンバ123に流れ込む流体の抵抗を低減させ、第1接続パイプ31の弁チャンバ123に流れ込む流体の流量を増加させ、流量調節弁の性能を向上させることができる。
【0071】
弁ヘッド20は、互いに接続されたガイドヘッド24、ロッド21及びシールヘッド22を有し、ロッド21の径方向の寸法がガイドヘッド24、シールヘッド22の径方向の寸法より小さく、弁体10は、弁チャンバ123に連通されたガイド孔セグメント122を更に有し、ガイドヘッド24がガイド孔セグメント122に制限係合され、シールヘッド22は弁口101を封止するために用いられ、弁口101が開いている場合に、ガイドヘッド24全体がガイド孔セグメント122内に位置する。
【0072】
本実施例において、弁口101が全開である場合、ガイドヘッド24の一部は弁チャンバ123内に位置し、ガイドヘッド24の径方向の寸法がロッド体21の径方向の寸法より大きく、流体が第1接続パイプ31から弁チャンバ123に流れ込んだ後に、それぞれガイドヘッド24、ロッド体21と接触することで、弁チャンバ123内の流体の流れ抵抗が大きくなってしまう。弁口101が開いている場合に、ガイドヘッド24全体がガイド孔セグメント122内に位置するようにするが、このように設計すると、弁チャンバ123内の流体の流れ抵抗を低減させ、流量調節弁の性能を更に向上させる。
【0073】
弁口101は、順に接続された導流孔セグメント114、封止孔セグメント112及びフローホールセグメント111を含み、導流孔セグメント114の径方向の寸法は、フローホールセグメント111から封止孔セグメント112に向かう方向において徐々に増大し、封止孔セグメント112の径方向の寸法は、フローホールセグメント111から封止孔セグメント112の方向に向かって徐々に増大し、弁口101が閉じている場合に、シールヘッド22が封止孔セグメント112に当接される。このように設計すると、流体は、導流孔セグメント114のガイド作用によって封止孔セグメント112を流れて最終的にフローホールセグメント111に流れ込み、導流孔セグメント114を設けることによって、流体の流れ効率を向上させ、且つ弁口101が閉じている場合に、シールヘッド22と弁口101の封止孔セグメント112とが密着して封止面を形成することで、弁口101を閉じ、封止の信頼性を確保する。
【0074】
選択的には、導流孔セグメント114の開口角度が封止孔セグメント112の開口角度より大きく、このように設計すると、封止の信頼性と流体の流れ効率とを同時に確保できる。
【0075】
ガイドヘッド24の外側壁に環状溝241を有し、流量調節弁は、環状溝241内に設けられた環状封止リング3を含み、環状封止リング3の外輪はガイド孔セグメント122の内側壁に封止係合される。
【0076】
具体的には、流量調節弁は、弁筒60を更に含み、弁筒60の一端が主弁座13の副弁座14から離れた一端に接続され、弁筒60のチャンバは封止チャンバ61であり、封止チャンバ61は弁チャンバ123に連通される。本実施例において、ガイドヘッド24の外側壁の環状溝241内に環状封止リング3が設けられて、弁チャンバ123内の流体がガイドヘッド24の外側壁と導流孔セグメント114の内側壁との間の隙間を介して弁筒60の封止チャンバ61内に入らないことを確保し、流量調節弁の信頼性を確保することができる。
【0077】
弁体10は、互いに接続された主弁座13と副弁座14とを含み、底壁104が副弁座14に位置し、上壁102が主弁座13に位置し、主弁座13の内側壁に第1段差1301を有し、副弁座14の外側壁に第2段差141を有し、第1段差1301が第2段差141に制限係合される。
【0078】
本実施例において、主弁座13の内壁に第1段差1301を有し、副弁座14の外壁に第2段差141を有し、第2段差141が第1段差1301に制限係合される。第1段差1301は、主弁座13の軸方向における第1段差面と主弁座13の径方向における第2段差面とを含み、第1段差面及び第2段差面が第1段差1301を構成し、第2段差141は、副弁座14の軸方向における第3段差面と副弁座14の径方向における第4段差面とを含み、第3段差面及び第4段差面が第2段差141を構成し、第1段差面が第3段差面に制限係合され、第2段差面が第4段差面に制限係合される。2つの段差の間の制限係合により、主弁座13と副弁座14との軸方向及び径方向における制限係合を実現することができる。
【0079】
副弁座14は、互いに接続された副弁体142とガスケット143とを含み、弁口101がガスケット143に設けられ、副弁体142の一端に第1取り付け溝を有し、ガスケット143が第1取り付け溝内に設けられる。このように設計すると、主弁座13を使用してガスケット143を制限する必要がないため、主弁座13の肉厚を比較的薄くすることができ、流量調節弁のコストを低減させる。
【0080】
具体的には、副弁体142は、順に接続された筒体、環状ボス及びフランジ構造を含み、フランジ構造は、環状構造であり、ガスケット143に制限係合される。フランジ構造を設けることにより、フランジによってガスケット143の取り付けを実現し、組み立てや操作が簡単であり、取り付けが確実である。
【0081】
更に、副弁体142の他端に第2取り付け溝145を有し、流量調節弁は、一端が第2取り付け溝145内に挿設され、弁口101に連通される第2接続パイプ35を更に含む。
【0082】
本実施例において、流体は、第1接続パイプ31から弁チャンバ123内に流れ込み、更に弁チャンバ123に連通される弁口101を介して第2接続パイプ35に流れ込み、最後に第2接続パイプ35から流れ出る。具体的には、流通孔105は弁チャンバ123の内側壁に設けられ、第1接続パイプ31と第2接続パイプ35との軸線は垂直に設けられる。このように設計すると、流体の流動力を向上させて、流量調節弁の性能を向上させることができる。
【0083】
流量調節弁は、スクリュ51、軸受52及びブッシュ53を含むスピンドル構造50を更に含み、スクリュ51は、順に接続され且つ径方向の寸法が順に大きくなる第1ロッドセグメント511、第2ロッドセグメント512及び第3ロッドセグメント513を含み、軸受52は第2ロッドセグメント512に嵌合され、ブッシュ53は第1ロッドセグメント511に嵌合され且つ第1ロッドセグメント511に固定接続され、軸受52の内輪の2つの端面はそれぞれ第3ロッドセグメント513の端面及びブッシュ53の端面に当接され、軸受52及びブッシュ53はいずれも弁ヘッド20のチャンバ内に位置する。
【0084】
本実施例において、第1ロッドセグメント511はブッシュ53の取り付けセグメントであり、ブッシュ53の内孔とはクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、ブッシュ53の一端は軸受52の内輪に当接され、溶接によりスクリュ51に固定されて一体になることができ、第2ロッドセグメント512は軸受52の取り付けセグメントであり、軸受52の内輪とはクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、軸受52の内輪の両端はそれぞれ第3ロッドセグメント513の端面及びブッシュ53に当接され、このようにブッシュ53により軸受52の内輪に対する軸方向での制限を実現し、軸受52の内輪が他の制限形態を採用する際に受ける力が大きすぎて変形が発生することを回避し、軸受52の信頼性を確保し、調節弁の性能を向上させる。
【0085】
本出願の他の実施例において、流量調節弁は、収容室11を有する主弁座13と、互いに接続された副弁座142及びガスケット143を含み、主弁座13に接続され、ガスケット143は弁口101を有し、弁口101が収容室11に連通され、副弁体142の弁口101から離れた一端に第2取り付け溝145を有する副弁座14と、収容室11内に移動可能に設けられて弁口101を開閉する弁ヘッド20と、一端が第2取り付け溝145内に設けられ、弁口101に連通される第2接続パイプ35とを含み、ここで、弁口101の流れ面積がS1であり、第2接続パイプ35の流れ面積がS2であり、|S1-S2|≦0.15S1である。
【0086】
本実施例において、弁口101の流れ面積S1と第2接続パイプ35の流れ面積S2との関係を限定することで、収容室11内の流体が弁口101を介して第2接続パイプ35に入る場合の流れ抵抗を低減させ、流体の流動性を向上させ、流体の流量を増大させ、更に、流量調節弁の性能を向上させることができる。そして、このように設計すると、弁口101及び収容室11を拡大することによって流量調節弁の性能を確保する必要がなく、流量調節弁の体積を減少させ、加工コストを低減させる。
【0087】
副弁体142は、接続孔212及び第1取り付け溝144を更に有し、ガスケット143は第1取り付け溝144内に設けられ、弁口101、接続孔212及び第2接続パイプ35は順に連通され、接続孔212の流れ面積がS3であり、|S1-S3|≦0.15S1である。
【0088】
本実施例において、接続孔212が弁口101と第2接続パイプ35との間に位置し、接続孔212の流れ面積S3と弁口101の流れ面積S1との関係を限定することで、弁口101を介して接続孔212内に流れ込む流体の抵抗を低減させ、接続孔212が弁口101を通過する流体に影響を与えないことを確保し、流量調節弁内の流体の流動性を向上させ、流量調節弁の性能を向上させる。
【0089】
弁口101の最小直径がD2であり、第2接続パイプ35の内径がD4であり、接続孔212の内径がD3であり、D3≧D2、D3≧D4である。このように設計すると、第2取り付け溝145及び接続孔212により形成される第1段差面が、第2接続パイプ35の挿入される深さを制限できることを確保し、第1取り付け溝144及び接続孔212により形成される第2段差面が、ガスケット143の挿入される深さを制限できることを確保するとともに、取り付け過程においてガスケット143と第2接続パイプ35とが干渉することを防止し、流量調節弁の安定性及び信頼性を確保する。また、接続孔212が流体の流れを妨げることはない。
【0090】
具体的には、流れ面積S1はD2がある位置の面積であり、流れ面積S2はD4がある位置の面積であり、流れ面積S3はD3がある位置の面積である。
【0091】
更に、副弁体142は、本体1421及び本体1421に設けられる環状ボス1422を含み、副弁体142は、フランジ構造1423を更に含み、フランジ構造1423は環状ボス1422に接続され、本体1421の一部と環状ボス1422とが取り囲んで第1取り付け溝144を形成し、フランジ構造1423の肉厚が環状ボス1422の肉厚より小さく、フランジ構造1423がガスケット143に制限係合される。
【0092】
本実施例において、ガスケット143は、フランジ構造1423により本体1421及び環状ボス1422内に固定されて、ガスケット143が副弁体142内で揺れたり、回転することを回避するとともに、ガスケット143が大きな径方向の力を受けて変形することも回避し、また、このように設計すると、主弁座13を使用してガスケット143を制限する必要がないため、主弁座13の肉厚を比較的薄くすることができ、且つフランジを採用すると組み立てや操作が容易になり、流量調節弁のコストを低減させる。
【0093】
具体的には、環状ボス1422の肉厚が本体1421の肉厚より小さいが、このように設計すると、環状ボス1422の肉厚がフランジ構造1423の肉厚より大きく且つ本体1421の肉厚より小さくなって、フランジ構造1423のフランジングがスムーズになることを確保し、フランジングするときにガスケット143に影響を与えることを回避し、且つガスケット143が力を受けて変形しにくくなる。
【0094】
フランジ構造1423は、環状構造であり且つガスケット143に密着され、フランジ構造1423の内周面と弁口101との間の距離がa2であり、0.2mm≦a2≦2mmである。
【0095】
本実施例において、a2を限定することで、フランジ構造1423の信頼性を確保する。a2<0.2mmであれば、フランジ構造1423が長すぎて、フランジ構造1423のフランジングや折り曲げを行った位置が損傷しやすくなり、a2>2mmであれば、フランジ構造1423が短すぎて、フランジ構造1423がフランジングされた後にガスケット143との密着面積が小さすぎて、ガスケット143に対する押し付けを確保できず、副弁座の信頼性を低下させる。
【0096】
具体的には、フランジ構造1423の内周面は、フランジ構造1423とガスケット143とが密着した後に、フランジ構造1423の弁口101の軸線に向かう環状面である。
【0097】
弁ヘッド20は収容孔を有し、スピンドル構造50は、順に接続され且つ径方向の寸法が順に大きくなる第1ロッドセグメント511、第2ロッドセグメント512及び第3ロッドセグメント513を含むスクリュ51と、第1ロッドセグメント511に嵌合され且つ第1ロッドセグメント511に固定接続され、収容孔内に位置するブッシュ53と、第2ロッドセグメント512に嵌合され、内輪の両端がそれぞれ第3ロッドセグメント513の端面及びブッシュ53の端面に当接され、側壁が収容孔の側壁に制限係合される軸受52と、収容孔が固定接続され、一端が軸受52の外輪が第3ロッドセグメント513に向かう端面に当接される押圧スリーブ54とを含む。
【0098】
本実施例において、第1ロッドセグメント511はブッシュ53の取り付けセグメントであり、ブッシュ53の内孔とはクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、ブッシュ53の一端は軸受52の内輪に当接され、溶接によりスクリュ51に固定されて一体になることができ、第2ロッドセグメント512は軸受52の取り付けセグメントであり、軸受52の内輪とはクリアランスフィット、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットされ、軸受52の内輪の両端はそれぞれ第3ロッドセグメント513の端面及びブッシュ53に当接され、このようにブッシュ53により軸受52の内輪に対する軸方向での制限を実現し、軸受52の内輪が他の制限形態を採用する際に受ける力が大きすぎて変形が発生することを回避し、軸受52の信頼性を確保し、調節弁の性能を向上させる。
【0099】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】