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特表2024-536345薬物送達デバイスのための衝撃作動型制動機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスのための衝撃作動型制動機構
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A61M5/32 510K
A61M5/32 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520567
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 US2022045717
(87)【国際公開番号】W WO2023059672
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/252,949
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スポーク,エミル・グラム
(72)【発明者】
【氏名】メランダー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ゲゲラシビリ,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヤンクン
(72)【発明者】
【氏名】ソンダービー,トーマス・ピーター
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066DD13
4C066FF05
4C066LL21
4C066NN04
(57)【要約】
薬物送達デバイスは、近位端及び遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線とを有するハウジングと、ハウジング内にその近位端において又は近位端の近傍において少なくとも部分的に配置された注入アセンブリと、ハウジングと摺動可能に結合されたシールドと、前記注入アセンブリ及び前記シールドと動作可能に結合された駆動アセンブリと、キャップとを含む。注入アセンブリは、針又はカニューレを含む。シールドは、その少なくとも近位端がハウジングの近位端を越えてある距離だけ延びる延出位置に位置決め可能である。駆動アセンブリは、注入アセンブリを介して薬剤を送達するように係合可能である。キャップは、シールド又はハウジングの少なくとも一方と脱着可能に結合され、駆動アセンブリが注入アセンブリを介して薬剤を送達することが抑制されるように、シールド及び/又はハウジングと結合されたときにシールドの移動を制限するように適合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延びる長手方向軸線とを有するハウジングと、
前記ハウジング内にその前記近位端において又は前記近位端の近傍において少なくとも部分的に配置された注入アセンブリであって、針又はカニューレを含む注入アセンブリと、
前記ハウジングと摺動可能に結合されたシールドであって、前記シールドの少なくとも近位端が前記ハウジングの前記近位端を越えてある距離だけ延びる延出位置に位置決め可能であるシールドと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、前記注入アセンブリ及び前記シールドと動作可能に結合された駆動アセンブリであって、前記注入アセンブリを介して薬剤を送達するように係合可能である駆動アセンブリと、
前記シールド又は前記ハウジングの少なくとも一方と脱着可能に結合されたキャップと
を含み、
前記キャップは、前記駆動アセンブリが前記注入アセンブリを介して前記薬剤を送達することが抑制されるように、前記シールド及び/又は前記ハウジングと結合されたときに前記シールドの移動を制限するように適合される、
薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記シールドが更に、前記ハウジングの前記近位端が前記シールドの前記近位端を越えてある距離だけ突出する後退位置に位置決め可能であり、前記シールドを前記後退位置に移動させることにより、前記注入アセンブリを介して前記薬剤を送達するように前記駆動アセンブリが係合される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記キャップが係止タブを含み、前記シールドが戻り止めを含み、前記キャップの前記係止タブの少なくとも一部分が、前記シールドの前記戻り止め内に位置決め可能であるように適合される、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記係止タブの前記一部分を前記戻り止め内に位置決めすることにより、前記シールドが前記後退位置に移動することが防止される、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ハウジングが、前記係止タブを前記戻り止め内に付勢するように適合された傾斜部を含む、請求項3又は4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記シールド及び前記ハウジングから前記キャップを取り外すと、前記ハウジングと前記シールドとの相対移動を可能にするように前記ハウジングと前記シールドとの間に隙間が形成される、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記シールドが、前記キャップを前記シールドに対して固定するためのスナップを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
薬物送達デバイスであって、
ハウジングであって、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延びる長手方向軸線とを有するハウジングと、
前記ハウジング内にその前記近位端において又は前記近位端の近傍において少なくとも部分的に配置された注入アセンブリであって、針又はカニューレを含む注入アセンブリと、
前記ハウジングと摺動可能に結合されたシールドであって、前記シールドの少なくとも近位端が前記ハウジングの前記近位端を越えてある距離だけ延びる延出位置に位置決め可能であるシールドと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、前記注入アセンブリ及び前記シールドと動作可能に結合された駆動アセンブリであって、前記注入アセンブリを介して薬剤を送達するように係合可能である駆動アセンブリと、
前記シールド又は前記ハウジングの少なくとも一方と脱着可能に結合されたキャップと
を含み、
前記ハウジングと前記シールドと前記キャップとが協働して、前記駆動アセンブリが作動して前記注入アセンブリを介して前記薬剤を送達することを防止するための制動機構を形成する、
薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記制動機構が、
前記ハウジングの前記近位端又は前記近位端の近傍に形成された傾斜部材と、
前記シールドの長さに沿って配置された戻り止めと、
前記キャップの一部分上に形成された係止タブと
を含み、
前記キャップが前記シールド又は前記ハウジングの少なくとも一方と結合されたときに、前記シールドが前記後退位置に向かって移動すると、前記ハウジングの前記傾斜部材が、前記シールドの前記戻り止めに係合するように前記少なくとも1つの係止タブを付勢して、前記シールドが前記後退位置に移動することを抑制する、
請求項8に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記シールド及び前記ハウジングから前記キャップを取り外すと、前記ハウジングと前記シールドとの相対移動を可能にするように前記ハウジングと前記シールドとの間に隙間が形成される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記シールドが、前記キャップを前記シールドに対して固定するためのスナップを更に含む、請求項8~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
制動機構を有する薬物送達デバイスであって、前記薬物送達デバイスは、
ハウジングであって、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延びる長手方向軸線と、前記近位端又は前記近位端の近傍に位置決めされた傾斜部材とを有するハウジングと、
前記ハウジングと摺動可能に結合されたシールドであって、前記シールドが、前記シールドの少なくとも近位端が前記ハウジングの前記近位端を越えてある距離だけ延びる延出位置と、前記ハウジングの前記近位端が前記シールドの前記近位端を越えてある距離だけ突出する後退位置との間で移動可能であり、前記シールドが、前記シールドの長さに沿って配置された戻り止めを含む、シールドと、
前記シールド又は前記ハウジングの少なくとも一方と脱着可能に結合されたキャップであって、少なくとも1つの係止タブを含むキャップと
を含み、
前記キャップが前記シールド又は前記ハウジングの少なくとも一方と結合されたときに、前記シールドが前記後退位置に向かって移動すると、前記ハウジングの前記傾斜部材が、前記シールドの前記戻り止めに係合するように前記少なくとも1つの係止タブを付勢して、前記シールドが前記後退位置に移動することを抑制する、
薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記シールド及び前記ハウジングから前記キャップを取り外すと、前記傾斜部と前記シールドとの相対移動を可能にするように前記傾斜部と前記シールドとの間に隙間が形成される、請求項12に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
駆動アセンブリと注入アセンブリとを更に含み、前記シールドを前記後退位置に移動させることにより、前記注入アセンブリを介して薬剤を送達するように前記駆動アセンブリが係合される、請求項12又は13に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
前記シールドが、前記キャップを前記シールドに対して固定するためのスナップを更に含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2021年10月6日に出願された米国仮特許出願第63/252,949号明細書に対する優先権が主張され、この明細書の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、薬物送達デバイスに関し、より具体的には、薬物送達デバイスのための衝撃作動型制動機構に関する。
【背景技術】
【0003】
インジェクタなどの薬物送達デバイスは、患者に液剤を送達するために使用される。作動されると、薬物送達デバイスは、内部リザーバ内に貯蔵された薬物を、針、カニューレ、又は他の送達部材を通して患者内に排出する。ペン型オートインジェクタなどのいくつかの薬物送達デバイスは、ある期間にわたって注入針又はそれ以外の手段により薬物を送達するために患者の皮膚に隣接して位置決めされてもよい。薬物送達デバイスは、患者の腹部、大腿部、腕、又は患者の身体の他の部分の組織の近傍に位置決めされてもよい。
【0004】
いくつかのデバイスは欠点を有してもよい。具体的には、使用者は露出した注入針を恐れる場合がある又は注入を本質的に実行することができないと感じる場合がある。露出した針に対する嫌悪のみならず、関与し得る健康及び安全性の問題から、使用者が注入を実行するのを補助し、薬剤の信頼性の高い送達を確実にし、患者の安全性を確保するために、使用者から針を隠し、注入作業を自動化するための様々な種類のインジェクタ及び他のデバイスが開発されている。
【0005】
典型的には、皮下シリンジによって患者に薬物を注入するときには以下の3つの作業、即ち、1)患者への針の挿入、2)シリンジから患者への薬物の注入、及び3)注入完了後の針の抜去が実施されてもよい。一般に、シールドで作動するデバイスでは、手動による針挿入技術が使用され、それによって使用者は、シールドをデバイスの残り部分に対して後退させる動作を通じて同時に針を挿入して投与を開始する。これらのデバイスでは、デバイスを手動で作動させると針が自動的に挿入され得る。典型的に、ボタンで作動するデバイスでは、自動化された針挿入機構が使用され、それによって針が機械的に挿入されて、正しいデバイス状態が得られるまで投与機構による開放を自動的に遅らせる。これらのデバイスのいずれか又は全ては、手動及び/又は自動の抜去機構を使用して針を後退させ、典型的には、作業を実施するのに必要な力を発生させるのにばね又は他の動力源に依存し得る。時折、使用前に使用者がデバイスを不用意に取り扱うか又は落下させることがある。このような状況では、特定の向きでデバイスを落とした場合、慣性力により内部構成要素が互いに対して移動する可能性があり、これにより、デバイスの不用意な時期尚早の作動が生じることがある。このような時期尚早の作動により、実際に所望の薬物の一部又は全てが使用者に送達されることがあり、このことは、使用者及び/又は他の人にとって無駄であり、潜在的に有害である場合がある。
【0006】
本開示は、既存の薬物送達デバイスに対する有利な代替案を具体化し、本明細書で述べる課題又は必要性のうちの1つ以上に対処し得る、薬物送達デバイスについて記述する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、薬物送達デバイスは、近位端及び遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線とを有するハウジングと、ハウジング内にその近位端又は近位端の近傍において少なくとも部分的に配置された注入アセンブリと、ハウジングと摺動可能に結合されたシールドと、注入アセンブリ及びシールドと動作可能に結合された駆動アセンブリと、キャップとを含む。注入アセンブリは、針又はカニューレを含む。シールドは、その少なくとも近位端がハウジングの近位端を越えてある距離だけ延びる延出位置に位置決め可能である。駆動アセンブリは、注入アセンブリを介して薬剤を送達するように係合可能である。キャップは、シールド又はハウジングの少なくとも一方と脱着可能に結合され、駆動アセンブリが注入アセンブリを介して薬剤を送達することが抑制されるように、シールド及び/又はハウジングと結合されたときにシールドの移動を制限するように適合される。
【0008】
いくつかの例では、シールドは更に、ハウジングの近位端がシールドの近位端を越えてある距離だけ突出する後退位置に位置決め可能であってもよい。このような例では、シールドを後退位置に移動させることにより、注入アセンブリを介して薬剤を送達するように駆動アセンブリが係合される。
【0009】
いくつかの手法では、キャップは係止タブを含んでもよく、シールドは戻り止めを含んでもよい。キャップの係止タブの少なくとも一部分は、戻り止め内に位置決め可能であってもよい。このような手法では、係止タブの一部分を戻り止め内に位置決めすることにより、シールドが後退位置に移動することが防止されてもよい。更に、これらの及び他の例では、ハウジングは、係止タブを戻り止め内に付勢する傾斜部を含んでもよい。いくつかの例では、シールド及びハウジングからキャップを取り外すと、ハウジングとシールドとの相対移動を可能にするようにハウジングとシールドとの間に隙間が形成される。
【0010】
これらの例のいずれかでは、シールドは、キャップをシールドに対して固定するためのスナップを更に含んでもよい。
【0011】
第2の態様によれば、薬物送達デバイスは、近位端及び遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線とを有するハウジングと、ハウジング内にその近位端又は近位端の近傍において少なくとも部分的に配置された注入アセンブリと、ハウジングと摺動可能に結合されたシールドと、注入アセンブリ及びシールドと動作可能に結合された駆動アセンブリと、キャップとを含む。注入アセンブリは、針又はカニューレを含む。シールドは、その少なくとも近位端がハウジングの近位端を越えてある距離だけ延びる延出位置に位置決め可能である。駆動アセンブリは、注入アセンブリを介して薬剤を送達するように係合可能である。ハウジングとシールドとキャップは協働して、駆動アセンブリが作動して注入アセンブリを介して薬剤を送達することを防止するための制動機構を形成する。
【0012】
第3の態様によれば、制動機構を有する薬物送達デバイスは、近位端及び遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸線と、近位端及び近位端の近傍に位置決めされた傾斜部材とを有するハウジングと、ハウジングと摺動可能に結合されたシールドと、シールド又はハウジングの少なくとも一方に脱着可能に結合されたキャップとを含む。シールドは、シールドの少なくとも近位端がハウジングの近位端を越えてある距離だけ延びる延出位置と、ハウジングの近位端がシールドの近位端を越えてある距離だけ突出する後退位置との間で移動可能である。シールドは、その長さに沿って配置された戻り止めを更に含む。キャップは、少なくとも1つの係止タブを含むことができる。キャップがシールド又はハウジングの少なくとも一方と結合されたときに、シールドが後退位置に向かって移動すると、ハウジングの傾斜部材は、シールドの戻り止めに係合するように少なくとも1つの係止タブを付勢して、シールドが後退位置に移動することを抑制する。
【0013】
上記ニーズは、特に図面と併せて研究される、以下の詳細な説明に記載される薬物送達デバイスのための衝撃作動型制動機構の提供によって少なくとも一部満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】様々な実施形態による例示的な薬物送達デバイスの斜視図を示す。
図2】様々な実施形態による図1の例示的な薬物送達デバイスの断面図を示す。
図3A】様々な実施形態による図1及び図2の例示的な薬物送達デバイスの例示的な後部サブアセンブリの断面図を示す。
図3B】様々な実施形態による図1図3Aの例示的な薬物送達デバイスの例示的な薬物貯蔵容器の断面図を示す。
図3C】様々な実施形態による図1図3Bの例示的な薬物送達デバイスの例示的な前部サブアセンブリの断面図を示す。
図4】様々な実施形態による図1図3Cの例示的な薬物送達デバイスの例示的なキャップの断面図を示す。
図5】様々な実施形態による、作動前状態にある図1図4の例示的な薬物送達デバイスの例示的な制動機構の断面図を示す。
図6】様々な実施形態による、制動状態にある図1図5の例示的な薬物送達デバイスの例示的な制動機構の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明確化のために描かれているものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを認識するであろう。例えば、図中の要素のうちのいくつかの要素の寸法及び/又は相対位置は、本発明の様々な実施形態の理解を向上させるのに役立つように他の要素に対して誇張されている場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用又は必要である、一般的であるが、十分に理解されている要素は、これら様々な実施形態の図をあまり妨げないようにするために示されないことが多い。更に、特定の動作及び/又はステップは、特定の発生順序で記載される又は示される場合があることが認識されるであろうが、当業者であれば、順序に関するこのような特定性は実際には必要ないことを理解するであろう。本明細書で使用される用語及び表現は、異なる特定の意味が本明細書で説明される場合を除き、上述のように、こうした用語及び表現に当業者が与えるような通常の技術的な意味を有することも理解されるであろう。
【0016】
一般的に言えば、これらの様々な実施形態に従って、不用意な落下の間と落下後の両方でのデバイスの時期尚早の作動を防止する薬物送達デバイスが提供される。本明細書で提供される薬物送達デバイスは、落下に関連する力が発生し得る場合にデバイスを作動させるために使用される構成要素を保持する制動機構を組み込んでいる。落下したデバイスが、表面(例えば、床、テーブルなど)との接触に起因して停止すると、通常、これらの慣性力に起因して内部構成要素が動く。しかしながら、デバイスの作動に関与するデバイスの構成要素は、同程度移動することが防止され、この移動の相対的な違いを利用して、制動機構は、デバイスから運動エネルギーを除去してもよい。衝撃を受けた後、内部構成要素は、既定の位置に戻り、デバイスは意図したように機能する。
【0017】
図に移ると、本明細書では薬剤又は医薬品と呼ばれることもある、薬物を送達するための薬物送達デバイス10が提供される。薬物は、ペプチド、ペプチボディ、又は抗体等の様々な生物学的物質であってもよいが、これらに限定されない。薬物は、流体又は液体形態であってもよいが、本開示は特定の状態に限定されない。ある特定の液体製剤において、薬物は、およそ(例えば、±10%)1~13センチポアズ(cP)、およそ(例えば、±10%)1~30cP、およそ(例えば、±10%)1~60cPの粘度、又は他の好適な粘度プロファイルを有してもよい。他の例も可能である。
【0018】
薬物送達デバイス10の様々な実現形態及び構成が可能である。例えば、図1図3Cは第1の例示的なデバイス10を示しているが、説明した制動機構の特徴は、異なる配置を有する任意の数の代替的な送達デバイスに組み込まれてもよい。本薬物送達デバイス10は、1回使用の使い捨てインジェクタの形態である。他の実施形態において、薬物送達デバイス10は、多重使用の再利用可能なインジェクタとして構成されてもよい。薬物送達デバイス10は、患者による自己投与ために、又は介護者若しくは正式に訓練された医療提供者(例えば、医師又は看護師)による投与のために操作可能である。更に、図示の例では、薬物送達デバイス10は、オートインジェクタ又はペン型インジェクタの形態をとり、そのため、薬物送達又は投与の期間にわたって使用者の手に保持され得る。
【0019】
薬物送達デバイス10に含まれる様々な構成要素の構成は、薬物送達デバイス10の動作状態に依存し得る。薬物送達デバイス10は、送達前又は貯蔵状態、送達又は投与状態、及び送達後状態を有し得るが、より少ない又はより多い状態が可能である。送達前状態は、組み立てに続く、使用者による作動前の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。いくつかの実施形態では、送達前状態は、薬物送達デバイス10が製造施設を出たときと患者又は使用者が薬物送達デバイス10の駆動アセンブリを作動させるときとの間の時間に存在し得る。送達状態は、薬物送達が進行している間の薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。送達前状態及び送達状態からの移行中に、使用者が、任意の二次パッケージから薬物送達デバイス10を取り外し、薬物送達デバイス10を注入部位に対して位置決めし始めることが認識される。送達後状態は、薬物送達の完了後及び/又はストッパが薬物貯蔵容器内の投与終了位置に配置されたときの薬物送達デバイス10の構成に相当し得る。本開示の目的のために、偶発的な及び/又は意図しない落下又は接触が生じた場合に、本明細書で説明する制動機構が、薬物送達デバイス10を送達前状態に維持するように機能するため、本明細書では送達前状態及び送達状態の一部のみを説明する。
【0020】
薬物送達デバイス10は、外部ケーシング又はハウジング12を含む。いくつかの実施形態において、ハウジング12は、人が片手でインジェクタ10を把持することが可能なように寸法決めされ寸法設定されてもよい。ハウジング12は、円筒形状などの略細長形状を有し、近位端12aと遠位端12bとの間に長手方向軸線Aに沿って延びてもよい。薬物送達デバイス10は、注入アセンブリ15と駆動アセンブリ30とを更に含む。注入アセンブリ15及び駆動アセンブリ30はそれぞれ、少なくとも部分的にハウジング12内に配置されてもよい。注入アセンブリ15は、針又はカニューレの形態の送達部材16を含む。送達部材16の挿入端16aがハウジング12の外側に(即ち、ハウジング12の長さを越えて)延びることを可能にするために、開口部14が遠位端に形成されてもよい。
【0021】
薬物貯蔵容器23(注入アセンブリ15の一部でもある)を含む、薬物送達デバイス10内の構成要素を使用者が見ることを許容するために、透明又は半透明の検査窓17がハウジング12の壁に位置決めされてもよい。窓17を通して薬物貯蔵容器23を見ることによって、使用者が、薬物送達が進行中であること及び/又は完了したことを確認することが可能になり得る。脱着可能なキャップ18は、薬物送達デバイス10の使用前に開口部14を覆ってもよく、いくつかの実施形態では、送達部材16の挿入端16a上に装着された滅菌バリア21(例えば、強固な針シールド(RNS)、柔軟な針シールド(FNS)など)の取り外しを支援するように構成されたグリッパ21aを含んでもよい。グリッパ21aは、使用者が脱着可能なキャップ18をハウジング12から分離するときに、脱着可能なキャップ18と共に滅菌バリア21を引くために、滅菌バリア21に摩擦的に又は他の方法で機械的に係合する1つ以上の内向きに突出しているバーブ又はアームを含んでもよい。したがって、脱着可能なキャップ18を取り外すことは、送達部材16から滅菌バリア21を取り外す作用を有する。
【0022】
図3図5に示すように、キャップ18は、その遠位端に位置決めされた任意の数の係止タブ19を含む略中空部材の形態である。更に、キャップ18は、いくつかの例では、係止タブ19に隣接して位置決めされる開口部20を含む。キャップ18は、ハウジング12、及び/又は、以下に更に詳細に説明するように、シールド32と脱着可能に結合されてもよい。より具体的には、図4及び図5の図示の例では、キャップ18の一部分は、ハウジング12によって形成された開口部14に挿入可能である。
【0023】
特に図4及び図5を参照すると、ハウジング12の内側壁は、その近位端12a又は近位端12aの近傍に配置された任意の数の傾斜部13を含む。図示の例では、ハウジング12は、内側壁の両側に間隔をおいて配置された2つの傾斜部13を含むが、他の配置も可能である。傾斜部13は、ハウジングの近位端12aからハウジングの遠位端12bに向かって進むにつれて内側壁の内径を減少させるテーパ状又は角度付き突出部の形態である。いくつかの例では、傾斜部13はハウジング12と一体形成されてもよい。他の例では、傾斜部13は、例えば接着剤、融着、摩擦嵌め結合などの、任意の数の適切な手法によってハウジング12と動作可能に結合されてもよい。他の例も可能である。
【0024】
ハウジング12は、中空の略円筒状又は管状形状を有してもよく、開放端と閉鎖端とを備えた略半球形状又は中空円筒形状を有する後部カバーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング、及びハウジング内に収容される任意の構成要素は、互いに組み付けられて、様々なサブアセンブリ(例えば、図2Aに示すような後部サブアセンブリ及び図2Cに示すような前部サブアセンブリ)を画定してもよい。いくつかの実施形態において、後部及び前部サブアセンブリは互いに独立して組み立てられ、次いで、互いに、並びに薬物貯蔵容器23と組み合わされて、完全に組み立てられた薬物送達デバイス10を形成する。特定のかかる実施形態において、前述した組み立て段階の一部又は全てが、異なる製造施設又は環境で実施されてもよい。代替実施形態では、ハウジング12は、ハウジング12が単一のモノリシック構造によって画定されるように単一の部品で構築されてもよい。
【0025】
薬物貯蔵容器23は、ハウジング12の内部空間内に配置され、薬物24を収容するように構成される。薬物貯蔵容器23は、例えば製造業者により、予め充填され、薬物貯蔵容器23が薬物送達デバイス10の残りの部分と組み合わせられる場所に発送されてもよい。ハウジング12は、例えば、製造業者によって薬物貯蔵容器23と共に事前に装着されてもよい、或いは薬物送達デバイス10の使用前に使用者によって薬物貯蔵容器23と共に装着されてもよい。薬物貯蔵容器23は、内部ボア即ちリザーバを画定する剛性壁を含んでもよい。壁は、ガラス製又はプラスチック製であってもよい。ストッパ25は、薬物貯蔵容器23の遠位端と近位端との間で長手方向軸線Aに沿って軸方向に移動できるように、薬物貯蔵容器23内に移動可能に配置されてもよい。ストッパ25は、ゴム又は任意の他の適切な材料で作られてもよい。ストッパ25は、ストッパ25が移動しているときに薬物24がストッパ25を越えて漏れることを防止又は阻止するように、薬物貯蔵容器23の壁の内表面に摺動可能に且つ密封的に接触してもよい。ストッパ25の近位移動により、薬物貯蔵容器23のリザーバから送達部材16に薬物24が排出される。
【0026】
薬物貯蔵容器23の遠位端は、プランジャ26が薬物貯蔵容器23内に延びてストッパ25を近位方向に押すことを可能にするために、開放していてもよい。本実施形態において、プランジャ26及びストッパ25は、最初は隙間により互いに間隔をおいて配置されている。駆動アセンブリ30が作動すると、プランジャ26は近位方向に移動して隙間を閉じ、ストッパ25に接触する。その後のプランジャ26の近位移動により、近位方向にストッパ25を駆動する。代替実施形態では、ストッパ25及びプランジャ26は、それらがプランジャ26の移動の開始から共同して移動するように、例えば、ねじ式結合を介して互いに結合されてもよい。ストッパ25は一旦動くと、薬物貯蔵容器23の壁の内表面の遠位側に面する部分に接触するまで、近位方向に移動し続けてもよい。ストッパ25のこの位置は、投与終了位置と呼ばれることもあり、患者への薬物24の送達が完了した又は実質的に完了したときに対応し得る。
【0027】
送達部材16は、薬物貯蔵容器23のリザーバと流体連通して接続されるか又は接続されるように動作可能である。送達部材16の近位端は、送達部材16の挿入端16aを画定してもよい。挿入端16aは、他の尖状形状の鋭利な先端を含み、送達部材16の挿入中に挿入端16aが患者の皮膚及び皮下組織を穿刺することを可能にしてもよい。送達部材16は、中空であり且つ内部通路を有してもよい。薬物が送達部材16から流出して患者の中に入ることを可能にするために、1つ以上の開口部が挿入端16aに形成されてもよい。
【0028】
本実施形態において、薬物貯蔵容器23は事前充填されたシリンジであり、送達部材16のための固定式の中空の金属製針を有する。ここでは、針は薬物貯蔵容器23の壁に対して固定され、薬物貯蔵容器23のリザーバと恒久的に流体連通している。他の実施形態において、薬物貯蔵容器23は針のないカートリッジであってもよく、したがって最初は、送達部材16と流体連通していなくてもよい。そのような実施形態では、薬物貯蔵容器23は、送達部材16の遠位端が薬物貯蔵容器23の開口部を覆う隔壁を貫通して、それにより薬物貯蔵容器23のリザーバとの流体連通を確立するように、薬物送達デバイス10の操作中に送達部材16の遠位端に向かって、又はその逆に移動してもよい。
【0029】
薬物貯蔵容器23は、薬物貯蔵容器23がハウジング12内に設置された時点でハウジング12に対して移動しないようにハウジング12に対して固定されてもよい。このように、送達部材16の挿入端16aは、送達前、送達、及び送達後の状態において、ハウジング12の開口部14を通って永久的に延びる。本実施形態において、容器ホルダ31が、薬物貯蔵容器23の位置をハウジング12内で固定する。容器ホルダ31は、中空の略円筒状又は管状形状を有してもよく、薬物貯蔵容器23は部分的又は全体的に容器ホルダ31内に配置されてもよい。容器ホルダ31の近位端は、薬物貯蔵容器23のネックに当接する内側に突出したフランジ31aを含み、それにより薬物貯蔵容器23の近位移動を防止してもよい。薬物送達デバイス10の操作中に容器ホルダ31がハウジング12に対して移動することが防止されるように、容器ホルダ31はハウジング12に固定的に取り付けられてもよい。
【0030】
代替実施形態において、薬物送達デバイス10の動作中に薬物貯蔵容器23がハウジング12に対して移動することが可能なように、薬物貯蔵容器23はハウジング12に移動可能に結合されてもよい。特定のかかる代替実施形態において、送達部材16の挿入端16aを、送達前状態において、ハウジング12の開口部14の内側に後退させていてもよい。続いて、注入デバイス10の操作中に、送達部材16の挿入端16aは、患者への挿入のために、ハウジング12の開口部14を通して展開されてもよい。この動きは、いくつかの実施形態において、薬物貯蔵容器23がハウジング12に対して近位方向に駆動された結果であり得る。
【0031】
プランジャ26は、複数の相互接続された部品で構築されてもよい、又は代替的に、1つの部品の構成を有してもよい。本実施形態において、プランジャ26は、ねじ切りの外面66を有するロッド65と、ロッド65の近位端に強固に取り付けられたワッシャ又は円板68とを含む。円板68は、駆動アセンブリ30が作動されるとき、ストッパ25に衝突してストッパ25を押してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、円板68は、衝突事象に関連するいかなる衝撃又は振動も減衰させる緩衝特性を有してもよい。
【0032】
薬物送達デバイス10は、薬物送達デバイス10が注入を投与するために使用されていないときに送達部材16の挿入端16aとの接触を防止するためのガード機構を更に含んでもよい。ガード機構は、開口部14に隣接してハウジング12の近位端12aに移動可能に配置されたシールド32を含んでもよい。シールド32は、中空の略円筒状又は管状形状を有してもよい。シールド32は、ハウジング12内に収容された遠位端を有してもよく、シールド32の近位端がハウジング12の開口部14を通って延びる延出位置と、シールド32の近位端をハウジング12の開口部14中に完全に又は部分的に後退させる後退位置との間でハウジング12に対して移動するように構成されてもよい。少なくとも延出位置では、シールド32は、送達部材16の挿入端16aを越えて延び、挿入端16aを取り囲んでもよい。いくつかの実施形態では、シールド32を後退位置に向けて移動させることにより、送達部材16の挿入端16aが露出してもよい。更に、いくつかの実施形態では、シールド32は、シールド32がハウジング12及び/又は容器ホルダ31に対して直線方向に移動できるが、ハウジング12及び/又は容器ホルダ31に対して回転することが防止されるように、例えば、ピンスロット配置を介してハウジング12及び/又は容器ホルダ31に結合されてもよい。
【0033】
図5及び図6に示すように、シールド32は、戻り止め33aを含む。戻り止め33aは、シールド32の長さに沿って位置決めされ、その外表面の全体又は一部分の周囲に延び得る溝又は空洞部分を画定する。更に、いくつかの例では、シールド32はスナップ33bを含む。戻り止め33aと同様に、いくつかの例では、スナップ33bは、シールド32の長さに沿って位置決めされる。戻り止め33bは、シールド32の外表面の全体又は一部分の周囲に延び得る突出部又は隆起部を画定する。スナップ33bは、図5及び図6に示すように、角度付き遠位面と略水平な近位面とを有する部材の形態であってもよい。図示の例では、スナップ33bは、戻り止め33aに対して近位方向に配置されると同時に、戻り止め33aに隣接して位置決めされる。他の配置又は構成も可能である。
【0034】
シールド32の遠位端及び近位端はそれぞれ、アクティベータ部分34と皮膚接触部分36とを含んでもよい(図3)。いくつかの実施形態では、戻り止め33a、スナップ33b、アクティベータ部分34、及び皮膚接触部分36は、単一のモノリシック構造を画定するように一体に形成されてもよい。他の実施形態では、戻り止め33a、スナップ33b、アクティベータ部分34、及び皮膚接触部分36は、互いに動かないように及び/又は動くときには共同して動くように、互いに固定的に取り付けられた物理的に別個の構造であってもよい。シールド32の少なくとも皮膚接触部分36は、中空の略円筒状又は管状形状を有してもよく、いくつかの実施形態では、薬物送達デバイス10の長手方向軸線Aを中心としてもよい。
【0035】
延出位置から後退位置へのシールド32の移動は、注入部位にて患者の皮膚に皮膚接触部分36を押し付けることによって達成されてもよい。送達部材16が送達前又は貯蔵状態においてハウジング12の開口部14から突出する実施形態において、この動きは、患者の皮膚への送達部材16の挿入端16aの挿入をもたらしてもよい。
【0036】
ガード機構は、ガード付勢部材35を更に含んでもよい。ガード付勢部材35は、シールド32に対して近位方向の付勢力を作用させることによって延出位置に向けてガード32を付勢して又は促してもよい。いくつかの例(例えば、図1図2C)では、ガード付勢部材35は圧縮ばねの形態である。他の例(例えば、図4及び図5)では、ガード付勢部材35は、ねじりばね又は他の形態のばねの形態であってもよい。いずれにせよ、使用者は、注入部位にシールド32を押し付けることによってこの付勢力を克服してもよい。注入が完了し、薬物送達デバイス10が注入部位から離されると、ガード付勢部材35は、シールド32を延出位置に戻し、それにより送達部材16の挿入端16aを覆ってもよい。いくつかの実施形態では、ガード付勢部材35は、軸方向において、シールド32の遠位対向内面と係止部40の近位対向内面又は外面との間でその両方に接触して位置決めされてもよい。シールド32が圧縮ばねである実施形態において、遠位方向におけるシールド32の移動により、ガード付勢部材35がシールド32と係止部40との間で圧縮されてもよい。いくつかの実施形態では、ガード付勢部材35は、シールド32の後退前に部分的に圧縮され、それにより送達前状態においてシールド32及び係止部40の両方に対して付勢力を作用させてもよい。
【0037】
先述のように、薬物送達デバイス10は、ハウジング12内に部分的に又は完全に配置された駆動アセンブリ30を更に含んでもよい。概して、駆動アセンブリ30は、エネルギーを保存し、使用者による駆動アセンブリ30の作動時に又は使用者による駆動アセンブリ30の作動に応答して、そのエネルギーを放出又は出力し、注入アセンブリ15(即ち、送達部材16、薬物貯蔵容器23、ストッパ25、及びプランジャ26)を駆動して、薬物貯蔵容器23から送達部材16を通して患者に薬物24を排出するように構成されてもよい。本例において、駆動アセンブリ30は、機械的ポテンシャルエネルギーを保存するように構成されるが、駆動アセンブリ30の代替実施形態は、別様に構成されてもよく、例えば、駆動アセンブリ30が電気的又は化学的ポテンシャルエネルギーを保存する。駆動アセンブリ30の作動時に、駆動アセンブリ30は、ポテンシャルエネルギーを、プランジャ26を動かすための運動エネルギーに変換してもよい。
【0038】
概して、駆動アセンブリ30は、回転式付勢部材50と、回転式付勢部材ハウジング52と、トリガリング54と、機械的リンク機構56とを含んでもよい。回転式付勢部材50は、最初に付勢状態で保持されるねじりばね(例えば、スパイラルねじりばね、螺旋ねじりばねなど)であってもよい。付勢状態において、回転式付勢部材50は、ねじれているか又は巻かれ、機械的リンク機構56を介してトリガリング54によってねじれた又は巻かれた構成に保持されてもよい。解放されるとき、回転式付勢部材50は、その自然な長さ又は形状に戻ろうとし、結果として、機械的リンク機構56を回転させる付勢力を作用させることになる。更に、機械的リンク機構56は、プランジャ26を近位方向に駆動するために回転運動を直線運動に変換してもよい。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構56は、回転式付勢部材50からの回転運動を、プランジャ26を近位方向に駆動するための直線運動及び長手方向軸線Aを中心とするプランジャ26の回転運動に変換してもよい。
【0039】
代替実施形態は、回転式付勢部材とは異なるエネルギー源を利用し得る。ある特定の代替実施形態は、例えば、解放されるときにプランジャ26の移動方向に力を出力する、直線的付勢部材(例えば、螺旋圧縮ばね、螺旋引張りコイルばねなど)を利用してもよい。付勢部材に加えて又はその代わりに、他の実施形態は、プランジャ26に結合された電動モータ及び/又はソレノイド並びに駆動列若しくは動力伝達装置を含む電気機械的配置、或いはプランジャ26を推進する加圧ガス若しくは流体を生成するか若しくは放出するか又はストッパ25を移動させて薬物貯蔵容器23に通してそこから薬物24を排出するためにストッパ25に直接的に作用する配置のいずれか1つ又は組み合わせを含んでもよい。薬物貯蔵容器23及び/又は送達部材16がハウジング12に対して移動可能である実施形態において、駆動アセンブリ30は、送達部材16の挿入端16aが患者に挿入されるように作動時に薬物貯蔵容器23及び/又は送達部材16を近位方向に駆動してもよい。したがって、ある特定の実施形態では、駆動アセンブリ30は、送達部材16を患者に挿入すること及び薬物24を薬物貯蔵容器23から排出することの両方に必要な駆動力を提供してもよい。
【0040】
機械的リンク機構56は、プランジャガイド60とナット62とを含んでもよい。プランジャガイド60は、中空の略円筒又は管状形状を有してもよい。プランジャ26の近位端は、少なくとも送達前状態においてプランジャガイド60の内部に配置されてもよい。プランジャガイド60の遠位延出は、回転式付勢部材50の中心を通って延出してもよく、回転式付勢部材50が解放されるときにプランジャガイド60が回転式付勢部材50と共同して回転するように回転式付勢部材50に結合されてもよい。プランジャガイド60の内面は、回転式付勢部材50が解放されるときにプランジャ26がプランジャガイド60と共同して回転する一方で、プランジャガイド60に対するプランジャ26の軸方向の移動を可能にするようにプランジャ26の外面に結合される。プランジャガイド60とプランジャ26との間の結合は、例えば、スプライン機構を介して達成されてもよく、プランジャガイド60の内面又はプランジャ26の外面のうちの一方の長手方向突出部は、プランジャ26の外面又はプランジャガイド60の内面のうちの他方の長手方向スロットに摺動可能に収容される。ナット62は、略環状形状を有してもよく、且つ送達前状態においてプランジャ26の近位端の周りに配置されてもよい。ナット62は、ナット62が後部ハウジング27に対して動かないように固定的に装着されてもよい。更に、ナット62は、プランジャ26のねじ切りの外面66に係合するねじ切りの内面64を有してもよい。このねじ式係合の結果として、ナット62に対するプランジャ26の回転が、プランジャ26を近位方向に直線的に駆動してもよい。更に、これによって、プランジャ26が、挿入された送達部材16を介して薬物24を貯蔵容器23から患者に排出するように近位方向にストッパに作用してストッパを押す。
【0041】
シールド32は、シールド32が延出位置から後退位置に移動するときに駆動アセンブリ30と相互作用するように構成されてもよい。この相互作用は、駆動アセンブリ30を作動させて、プランジャ26を駆動するのに必要なエネルギーを出力して、薬物24を薬物貯蔵容器23から排出し且つ/又は送達部材16の挿入端16aを患者の皮膚に挿入し得る。本実施形態において、延出位置から後退位置へのシールド32の移動は、付勢状態から回転式付勢部材50を解放し、それにより回転式付勢部材50が、機械的リンク機構56を介してプランジャ26を消勢し且つ駆動して、薬物24を薬物貯蔵容器23から排出することを可能にする。より具体的には、送達前状態において、トリガリング54は、それがプランジャガイド60の外表面に係止係合し、それにより回転式付勢部材50の付勢力下でプランジャガイド60が回転することを防止する初期位置に配置されてもよい。結果として、回転式付勢部材50は、消勢を妨げられる。シールド32が、患者の皮膚に対して押し付けられた結果として延出位置から後退位置に移動するとき、シールド32のアクティベータ部分34は、トリガリング54がプランジャガイド60から外れる解放位置までトリガリング54を遠位方向に押す。結果として、プランジャガイド60は、回転式付勢部材50の付勢力下で回転し、且つプランジャ26とナット62との間のねじ式接続によってプランジャ26を近位方向に駆動することができる。
【0042】
代替実施形態では、トリガリング54は除外されてもよく、且つシールド32のアクティベータ部分34は、シールド32が延出位置にあるとき、プランジャガイド60の外表面に係止係合して、それが回転することを防止してもよい。したがって、シールド32は、そのような実施形態において付勢状態で回転式付勢部材50を保持してもよい。シールド32が延出位置から後退位置に移動するとき、シールド32のアクティベータ部分34は、プランジャガイド60から外れ、それによりプランジャガイド60を付勢部材50の付勢力下で回転するように解放してもよい。
【0043】
回転式付勢部材ハウジング52は、ハウジング12内に配置され、ハウジング12に強固に取り付けられてもよい。回転式付勢部材ハウジング52は、中空の略円筒状又は管状形状を有してもよく、回転式付勢部材ハウジング52が回転式付勢部材50を取り囲むか又は部分的に取り囲むように、回転式付勢部材50を完全に又は部分的に収容してもよい。回転式付勢部材ハウジング52は、解放されるときに回転式付勢部材50を押し出すための支持具又は台座として機能してもよい。
【0044】
薬物送達デバイス10の一般的な構成及び動作を説明してきたが、ハウジング12の遠位端12bに向かうシールド32の軸方向の移動が、駆動アセンブリ30を作動させて注入アセンブリ15を介して薬物24を送達するように機能し得ることが認識される。しかしながら、場合により、作動前状態の間のある時点で、使用者は、キャップ18が、デバイス10と結合されているときに、シールド32をハウジング12の遠位端12bに向けて付勢し得るように、薬物送達デバイス10を不用意に落下させるか又は押しやることがある。図4及び図5に示すように、作動前状態では、キャップ18は、ハウジング12の近位端12a内に少なくとも部分的に配置される一方で、シールド32の一部分を少なくとも部分的に取り囲む。より具体的には、この構成では、キャップ18は、ハウジング12及び/又はシールド32と脱着可能に結合されてもよい。この作動前状態では、シールド32のスナップ33bは、キャップ18とハウジング12及び/又はシールド32との結合を維持するために、キャップ18に形成された開口部20内に位置決めされる。この配置では、薬物投与の準備をするために、使用者は、キャップ18をデバイス10から離れる方向に近位方向12aに引っ張って、開口部20とスナップ33bとの結合を解除する。特に、この配置では、ハウジング12の傾斜部13は、キャップ18上に形成された係止タブ19に隣接して位置決めされる。
【0045】
使用者が薬物投与を始めることを決定する前に、ハウジング12とキャップ18とシールド32が協働して、駆動アセンブリ30が作動することを防止する制動機構を形成する。より具体的には、キャップ18がハウジング12及び/又はシールド32と結合される場合、これらの構成要素の相互接続によって、シールド32が遠位方向において軸方向に移動することが防止される。図6を参照すると、デバイス10の偶発的な落下及び/又は押し合いが生じた場合、慣性力及び/又は接触力により、キャップ18がハウジング12の遠位端12bに向かって軸方向に移動することがある。このような移動が生じると、係止タブ19は、傾斜部13に係合して傾斜部13に沿って摺動し、係止タブ19を長手方向軸線Aに向けて径方向内方に付勢する。この相対移動により、係止タブ19が戻り止め33aに係合し、戻り止め33aに少なくとも部分的に挿入され、したがって、係止タブ19は、シールド32がハウジングの遠位端12bに向かって軸方向に更に前進することを抑制又は防止する。いくつかの例では、係止タブ19は、戻り止め32a内に係止タブ19を保持して位置決めするのを補助し得るレッジ13aに追加的に係合してもよい。
【0046】
ある期間の経過後に、内部構成要素が互いに対する移動を停止し、既定の位置に戻り、キャップ18及び係止タブ19がシールド32の戻り止め33aから外れ、それにより、デバイス10が所望通りに使用されることを可能にする(即ち、作動前状態のままである及び/又はキャップ18を取り外して送達状態又は投与状態に移行する)。ここでは、
【0047】
使用者は、開口部20とスナップ33bとの間の保持力に打ち勝つのに十分な力で、脱着可能なキャップ18をハウジング12から引っ張って取り外してもよい。この動きの結果として、グリッパ21aは、滅菌バリア21を薬物貯蔵容器23から引っ張って取り外し得る。これにより、送達部材16の挿入端16aを露出させてもよい。それにもかかわらず、送達部材16の挿入端16aは、この段階でシールド32によって取り囲まれたままになる。使用者は、所望の注入部位の上にシールド32の皮膚接触部分36を位置決めし、次いで注入部位に皮膚接触部分36を押し付けてもよい。使用者によって加えられる力は、ガード付勢部材35の付勢力を克服することになり、それにより、シールド32が延出位置から後退位置へと遠位方向に移動して開口部14の中に後退する。特に、キャップ18がデバイス10から取り外されたときに、ハウジング12上に形成された傾斜部13とシールド32との間に隙間が形成され、したがって、傾斜部13がシールド32に接触せず又は他の方法で係合せず、それにより、傾斜部13とシールド32との相対移動を可能にする。送達部材16は、シールド32の後退移動の間、ハウジング12に対して静止したままである。
【0048】
シールド32の後退により、任意の数の動作が発生し得る。送達部材16は、シールド32の後退中にハウジング12に対して静止したままであるため、送達部材16の挿入端16aは、シールド32の皮膚接触部分36の開口部を通して突出させられ、それにより注入部位において患者の皮膚を突き刺し、患者の皮下組織に貫通する。また、シールド32の後退により、駆動アセンブリ30が作動し得る。より具体的には、シールド32の後退により、アクティベータ部分34がトリガリング54に遠位方向に係合して、トリガリング54がプランジャガイド60から外れる解放位置に達し、それにより、駆動アセンブリ30を作動させて、注入アセンブリ15を介して薬物24を送達し得る。
【0049】
そのように構成されると、制動機構は、デバイスを落とした場合のデバイスの不用意な作動を防止する役割を果たす。ハウジング12の内側の角度付き傾斜部13は、キャップ18及びシールド32が遠位方向にデバイス10内に過度に深く入った場合に、キャップの係止タブ19を内方に付勢し、シールド32上に挟着する。かかる制動機構は、シールドからエネルギーを除去して、デバイスが既定の作動前状態に戻ることを可能にする。
【0050】
上記の説明は、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び使用方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法、又は薬物送達デバイスは、以下に特定される薬物並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー均等品を含むが、それらに限定されない薬物を更に含むことができ、又はそれらと共に使用することができる。薬物という用語は、本明細書で使用される場合、他の類似の用語と交換可能に使用することができ、伝統的及び非伝統的な薬剤、栄養補助食品、サプリメント、生物製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的均等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、小分子、及びジェネリック薬剤を含む、任意の種類の薬剤又は治療用材料を指すために使用することができる。非治療的な注入可能材料も包含される。薬物は、液体形態であってもよく、凍結乾燥形態であってもよく、又は凍結乾燥形態から再構成されたものであってもよい。下記の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0051】
薬物はリザーバ内に収容されることになる。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物が充填されるか又は予め充填されるかのいずれかである一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又はプレフィルドシリンジであってもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されてもよく、又はそれらと共にデバイスを使用することができる。そのようなG-CSF製剤として、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルグラスチム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006;ペグフィルグラスチム-bmez)、又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。ESAは、赤血球造血を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態では、ESAは、赤血球造血刺激タンパク質である。本明細書で使用される場合、「赤血球造血刺激タンパク質」は、例えば、受容体に結合して受容体の二量化を引き起こすことにより、エリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質として、エリスロポエチン受容体に結合して活性化させるエリスロポエチン、及びその変異体、類似体若しくは誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合して活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質として、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、並びにこれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、下記で説明する特定のタンパク質がある:完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質等;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活性を阻害する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体等のヒトCD22特異IgG抗体を特に含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるがそれに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むがそれに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のその天然の受容体であるICOSとの相互作用を阻害するものを含むがそれに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(「B7RP-1」並びにB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される);例えば145c7等のHuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体等のIL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;ヒトIFNガンマ特異抗体を含むがそれに限定されない、且つ完全ヒト抗IFNガンマ抗体を含むがそれに限定されないIFNガンマ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体等のHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質など;TGF-ベータ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アミロイド-ベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むが、それに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-スレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-スレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新しい赤血球造血刺激タンパク質(NESP);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ又はエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-ベータ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Kanjinti(商標)(トラスツズマブ-anns)抗HER2モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー又は乳癌若しくは胃癌治療用のトラスツズマブを含有する別の製品;Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Mvasi(商標)(ベバシズマブ-awwb);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthrax(商標);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン);VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチマイブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツズマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル(C.difficile)毒素A並びに毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;及び、抗ZP3
mAb(HuMax-ZP3)。
【0055】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS 804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後の骨粗鬆症及び/又は骨折治癒の処置のためのロモソズマブを含有する別の製品などが挙げられるがこれらに限定されないスクレロスチン抗体、並びに他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)を収容してもよい、又はこれらと共に使用されてもよい。そのようなPCSK9特異抗体として、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブニリン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容してもよい、又はこれらと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがこれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の処置用のIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填されてもよい、又はこれらと共にデバイスを使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、TIMP-3などが挙げられるがこれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)、又は片頭痛の処置のためのエレヌマブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。エレヌマブ、並びにヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子等が挙げられるがこれらに限定されないCGRP受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達されてもよい。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)等が挙げられるがこれらに限定されない二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子を、本開示の薬物送達デバイスで使用することができ、又はこれと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体が挙げられるがこれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が、本開示の薬物送達デバイスで使用されるか、又はこれと共に使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNFαモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)(Janssen Biotech,Inc.)のバイオシミラー、又は自己免疫疾患の治療用のインフリキシマブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド、又は多発性骨髄腫の治療用のカルフィルゾミブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、若しくは様々な炎症性疾患の治療のためのアプレミラストを含有する別の製品を含有してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)又は血液透析を受ける慢性腎臓病(KD)の患者などの二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の治療用のエテルカルセチドHClを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補、若しくは抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGF拮抗薬などのVEGF拮抗薬、及び/又はアフリベルセプトなどのVEGFトラップ(IgG1のFcドメインに縮合した、VEGFR1からのIgドメイン2及びVEGFR2からのIgドメイン3)を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補、若しくは補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ICOSL及びBAFF活性を同時に遮断する新規の二重特異性抗体-ペプチドコンジュゲートであるロジバフスプアルファ(以前はAMG 570)を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、心臓の収縮機構を直接的に標的化するオメカムチブメカルビル、小分子選択的心筋ミオシン活性化因子、若しくはミオトロープ、又は小分子選択的心筋ミオシン活性化因子を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(旧AMG510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤、又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、テゼペルマブ、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するヒトモノクローナル抗体、又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、インターロイキン-15(IL-15)に結合するAMG 714、ヒトモノクローナル抗体又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を減らすAMG 890、低分子干渉RNA(siRNA)、又はリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトIgG1カッパ抗体を含有し及び/又はヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)又はAmgevita(商標)(旧ABP501)(モノクローナル抗体抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトモノクローナル抗体抗TNFヒトIgG1を包含する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 160、又は半減期延長(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 133、又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 171、又は増殖分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 176、又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 199、又は半減期延長(HLE)二重特異性T細胞エンゲージャーコンストラクト(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 256、又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞においてインターロイキン21(IL-21)経路を選択的に活性化するように設計された抗PD-1×IL21ムテイン及び/若しくはIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 330、又は抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 404、又は固形腫瘍を有する患者のための治療として調査されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 427、又は半減期延長(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 430又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 506、又は固形腫瘍のための治療として研究されている多重特異性FAP×4-1BB標的化DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 509、又は二価T細胞エンゲージャーを含有し及びXmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計される別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 562、又は半減期延長(HLE)CD19×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T
細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバリューキンアルファ(以前はAMG 592)又はIL-2ムテインFc融合タンパク質を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 596、又はCD3×上皮増殖因子受容体vIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)分子を含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 673、又は半減期延長(HLE)抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 701、又は半減期延長(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 757、又は半減期延長(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 910、又は半減期延長(HLE)上皮細胞タイトジャンクション構成タンパク質クローディン18.2×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれと共に使用されてもよい。
【0056】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらは、例示的な実施形態に限定されるものではない。詳細な説明は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現行の技術又は本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、様々な代替実施形態を実施することができるが、このような実施形態は、本明細書に開示された本発明を定義する特許請求の範囲内に依然として含まれる。
【0057】
当業者であれば、本明細書に開示された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する多様な修正、変更及び組み合わせがなされ得ること、及びそのような修正、変更及び組み合わせが本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
【国際調査報告】