(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】変異シグネチャ及び腫瘍サブタイプを識別するために電子画像を処理するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/40 20180101AFI20240927BHJP
G16H 30/00 20180101ALI20240927BHJP
G16B 40/00 20190101ALI20240927BHJP
G16B 20/00 20190101ALI20240927BHJP
【FI】
G16H10/40
G16H30/00
G16B40/00
G16B20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520690
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 US2022045293
(87)【国際公開番号】W WO2023064117
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518307592
【氏名又は名称】ペイジ.エーアイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PAIGE.AI, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ワン, イーカン
(72)【発明者】
【氏名】カナン, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ラシティ, パトリシア
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA26
(57)【要約】
本開示の様々な実施形態は、概して画像処理方法に関する。変異シグネチャを識別するための方法は、少なくとも1人の患者についての1つ以上のデジタル画像を電子ストレージに受信することと、各受信されたデジタル画像内の1つ以上の新生物を識別することと、各識別された新生物から1つ以上の視覚的特徴を抽出することと、訓練された機械学習システムを適用して1つ以上の抽出された視覚的特徴について変異シグネチャ比ベクトルを識別することと、を含み得る。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変異シグネチャを識別するためのコンピュータ実装方法であって、
少なくとも1人の患者についての1つ以上のデジタル画像を電子ストレージに受信することと、
各受信されたデジタル画像内の1つ以上の新生物を識別することと、
各識別された新生物から1つ以上の視覚的特徴を抽出することと、
訓練された機械学習システムを適用して前記1つ以上の抽出された視覚的特徴についての変異シグネチャ比ベクトルを識別することと、を含む、前記コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記抽出された視覚的特徴は、新生物埋め込みである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ以上の新生物を識別することは、各受信したデジタル画像をサブ領域にセグメント化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、各識別された変異シグネチャ比ベクトルについて、前記変異シグネチャ比ベクトルにおける最大値が所定の確実性閾値を下回るかどうかを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記変異シグネチャ比における前記最大値が前記所定の確実性閾値を下回ると判定することと、前記変異シグネチャ比に対応する変異シグネチャが未知であると判定することと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1人の患者についての1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み、前記訓練された機械学習システムを適用して前記変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み、前記方法は、前記複数の患者の中で未知の変異シグネチャを有する患者のセットを識別することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記識別された患者のセットについて抽出された視覚的特徴をクラスタリングすることをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の患者の中の各患者についての患者情報を受信することと、
前記受信された患者情報及びクラスタリングされ抽出された視覚的特徴に基づいて、前記未知のシグネチャのいずれかが変異原に関連付けられているかどうかを判定することと、をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1人の患者についての1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み、前記訓練された機械学習システムを適用して前記変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み、前記方法は、
前記複数の患者の中の各患者についての患者情報を受信することと、
類似の臨床表現型を有する患者のセットを決定することと、
前記決定された患者のセットの前記識別された変異シグネチャ比ベクトルに基づいて疾患サブタイプを決定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1人の患者についての1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み、前記訓練された機械学習システムを適用して前記変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み、前記方法は、
前記複数の患者の中の各患者についての処置情報を受信することと、
前記識別された変異シグネチャ比ベクトル及び受信された処置情報に基づいて処置応答を予測する機械学習システムを訓練することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1人の患者についての1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み、前記訓練された機械学習システムを適用して前記変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み、前記方法は、
前記複数の患者の各々の患者情報を受信することと、
各患者の地理的位置の指示を受信することと、
前記地理的位置の受信された前記指示に基づいて、前記変異シグネチャ比ベクトルのいずれかが特定の地理的位置に関連付けられているかどうかを判定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1人の患者についての1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み、前記訓練された機械学習システムを適用して前記変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み、前記方法は、
前記複数の患者について抽出された視覚的特徴をクラスタリングすることと、
前記識別された変異シグネチャ比ベクトルの中から、未知の変異原に対応する変異シグネチャ比ベクトルを決定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
電子医療画像を処理するためのシステムであって、前記システムは、
命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、
前記命令を実行して動作を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備え、前記動作は、
少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を電子ストレージに受信することと、
各受信されたデジタル画像内の1つ以上の新生物を識別することと、
各識別された新生物から1つ以上の視覚的特徴を抽出することと、
訓練された機械学習システムを適用して前記1つ以上の抽出された視覚的特徴についての変異シグネチャ比ベクトルを識別することと、を含む、前記システム。
【請求項14】
前記動作は、各識別された変異シグネチャ比ベクトルについて、前記変異シグネチャ比ベクトルにおける最大値が所定の確実性閾値を下回るかどうかを判定することをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記動作は、前記変異シグネチャ比における前記最大値が前記所定の確実性閾値を下回ると判定することと、前記変異シグネチャ比に対応する変異シグネチャが未知であると判定することと、をさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み、前記訓練された機械学習システムを適用して前記変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み、前記動作は、前記複数の患者の中で未知の変異シグネチャを有する患者のセットを識別することをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記動作は、前記識別された患者のセットについて抽出された視覚的特徴をクラスタリングすることをさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記動作は、
前記複数の患者の中の各患者についての患者情報を受信することと、
前記受信された患者情報及びクラスタリングされ抽出された視覚的特徴に基づいて、前記未知のシグネチャのいずれかが変異原に関連付けられているかどうかを判定することと、をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、電子医療画像を処理する動作を実施し、前記動作は、
少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を電子ストレージに受信することと、
各受信されたデジタル画像内の1つ以上の新生物を識別することと、
各識別された新生物から1つ以上の視覚的特徴を抽出することと、
訓練された機械学習システムを適用して前記1つ以上の抽出された視覚的特徴についての変異シグネチャ比ベクトルを識別することと、を含む、前記非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記動作は、各識別された変異シグネチャ比ベクトルについて、前記変異シグネチャ比ベクトルにおける最大値が所定の確実性閾値を下回るかどうかを判定することをさらに含む、請求項19に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年10月12日に出願された米国仮特許出願第63/254,551号の優先権を主張するものであり、その開示全体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の様々な実施形態は、概して画像処理方法に関する。より具体的には、本開示の特定の実施形態は、変異シグネチャ及び腫瘍サブタイプを識別するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
がんは複数の変異からなり、特定の変異原に基づいて異なる変異の組み合わせが生じる可能性がある。これらは変異シグネチャとして知られている。
【0004】
がんゲノムにおける体細胞変異は、複数の変異プロセスの結果である。変異シグネチャは、デオキシリボ核酸(DNA)複製非忠実度、外因性(紫外線またはUV照射及びタバコ煙などの周知の変異原)及び内因性遺伝毒性物質(活性化DNAシチジンデアミナーゼ/アポリポタンパク質B編集複合体、活性化誘導シチジンデアミナーゼ/アポリポタンパク質B mRNA編集酵素触媒ポリペプチド様酵素もしくはタンパク質、またはAID/APOBECを含むものなど)曝露、欠陥DNA修復経路、及びDNA酵素編集などの特定の変異誘発プロセスから生じる変異タイプの特徴的な組み合わせである。
【0005】
全ゲノム配列決定またはエクソーム配列決定データからの変異シグネチャがあり、ヒトがんのスペクトルにわたって変異プロセスを特徴付けている。
【0006】
本明細書で提示されている背景の記述は、一般に、本開示のコンテキストを提示する目的のためである。本明細書に別段の指示がない限り、本節で説明される構成材料は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、本節に含めることで先行技術または先行技術を示唆するものであると認めることはない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある特定の態様によれば、変異シグネチャを識別するためのコンピュータ実装方法のためのシステム及び方法が開示される。本方法は、少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を電子ストレージに受信することと、受信した各デジタル画像内の1つ以上の新生物を識別することと、各識別された新生物から1つ以上の視覚的特徴を抽出することと、訓練された機械学習システムを適用して1つ以上の抽出された視覚的特徴の変異シグネチャ比ベクトルを識別することと、を含み得る。
【0008】
抽出された視覚的特徴は、新生物埋め込みを含み得る。1つ以上の新生物を識別することは、各受信されたデジタル画像をサブ領域にセグメント化することを含み得る。
【0009】
本方法は、各識別された変異シグネチャ比ベクトルに対して、変異シグネチャ比ベクトル内の最大値が所定の確実性閾値を下回るかどうかを判定することをさらに含み得る。本方法は、変異シグネチャ比の最大値が所定の確実性閾値を下回ると判定することをさらに含み得る。本方法は、変異シグネチャ比に対応する変異シグネチャが未知であると判定することを含み得る。
【0010】
少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み得る。訓練された機械学習システムを適用して変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み得る。本方法は、複数の患者の中で、未知の変異シグネチャを有する患者のセットを識別することを含み得る。
【0011】
本方法は、識別された患者のセットについて抽出された視覚的特徴をクラスタリングすることを含み得る。本方法は、複数の患者の中の各患者についての患者情報を受信することを含み得る。本方法は、受信された患者情報及びクラスタリングされた抽出された視覚的特徴に基づいて、未知のシグネチャのいずれかが変異原と関連付けられるかどうかを判定することを含み得る。
【0012】
少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み得る。訓練された機械学習システムを適用して変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み得る。本方法は、複数の患者の中の各患者についての患者情報を受信することと、類似の臨床表現型を有する患者のセットを決定することと、決定された患者のセットの識別された変異シグネチャ比ベクトルに基づいて疾患サブタイプを決定することと、をさらに含み得る。
【0013】
少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み得る。訓練された機械学習システムを適用して変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み得る。本方法は、複数の患者の中の各患者についての処置情報を受信することと、識別された変異シグネチャ比ベクトル及び受信された処置情報に基づいて処置応答を予測する機械学習システムを訓練することと、をさらに含み得る。
【0014】
少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み得る。訓練された機械学習システムを適用して変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み得る。本方法は、複数の患者の各々についての患者情報を受信すること、各患者の地理的位置の指示を受信することと、地理的位置の受信された指示に基づいて、変異シグネチャ比ベクトルのいずれかが特定の地理的位置に関連するか否かを判定することと、をさらに含み得る。
【0015】
少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み得る。訓練された機械学習システムを適用して変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み得る。本方法は、複数の患者について抽出された視覚的特徴をクラスタリングすることと、未知の変異原に対応する識別された変異シグネチャ比ベクトルの中から変異シグネチャ比ベクトルを決定することと、をさらに含み得る。
【0016】
本開示のある特定の態様によれば、電子画像を処理するためのシステム及び方法が開示される。電子画像を処理するためのシステムは、命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、命令を実行して動作を実施するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含み得る。動作は、少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を電子ストレージに受信することと、受信した各デジタル画像内の1つ以上の新生物を識別することと、各識別された新生物から1つ以上の視覚的特徴を抽出することと、訓練された機械学習システムを適用して1つ以上の抽出された視覚的特徴の変異シグネチャ比ベクトルを識別することと、を含み得る。
【0017】
動作は、各識別された変異シグネチャ比ベクトルについて、変異シグネチャ比ベクトルにおける最大値が所定の確実性閾値を下回るかどうかを判定することをさらに含み得る。動作は、変異シグネチャ比の最大値が所定の確実性閾値を下回ると判定することと、変異シグネチャ比に対応する変異シグネチャが未知であると判定することと、をさらに含み得る。
【0018】
少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を受信することは、複数の患者の複数のデジタル画像を受信することを含み得る。訓練された機械学習システムを適用して変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、複数の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み得る。動作は、複数の患者の中で未知の変異シグネチャを有する患者のセットを識別することをさらに含み得る。
【0019】
動作は、識別された患者のセットについて抽出された視覚的特徴をクラスタリングすることをさらに含み得る。動作は、複数の患者の中の各患者についての患者情報を受信することと、受信された患者情報及びクラスタリングされた抽出された視覚的特徴に基づいて、未知のシグネチャのいずれかが変異原と関連付けられるかどうかを判定することと、をさらに含み得る。
【0020】
本開示のある特定の態様によれば、電子画像を処理するためのシステム及び方法が開示される。非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されると、電子医療画像を処理する動作を実施する命令を記憶することができる。動作は、少なくとも1人の患者の1つ以上のデジタル画像を電子ストレージに受信することと、受信した各デジタル画像内の1つ以上の新生物を識別することと、各識別された新生物から1つ以上の視覚的特徴を抽出することと、訓練された機械学習システムを適用して1つ以上の抽出された視覚的特徴の変異シグネチャ比ベクトルを識別することと、を含み得る。動作は、各識別された変異シグネチャ比ベクトルについて、変異シグネチャ比ベクトルにおける最大値が所定の確実性閾値を下回るかどうかを判定することを含み得る。
【0021】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、様々な実施形態を例解し、本明細書と一緒に、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】6つの置換サブタイプの例示的な表示及びメガベース当たりの変異(変異/MB)の計算を例解する。
【0023】
【
図1B-1】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-2】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-3】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-4】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-5】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-6】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-7】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-8】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-9】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-10】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-11】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【
図1B-12】
図1Aの6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を例解する例示的な一連の頻度チャートを示す。
【0024】
【
図1C】円グラフとして表示された対応する変異シグネチャの
図1Bの変異活性を示す。
【0025】
【
図2-1】様々ながんタイプにわたる変異シグネチャの例示的な組成を例解する。
【
図2-2】様々ながんタイプにわたる変異シグネチャの例示的な組成を例解する。
【
図2-3】様々ながんタイプにわたる変異シグネチャの例示的な組成を例解する。
【0026】
【
図3A-1】例示的な既知及び未知のシグネチャを例解する。
【
図3A-2】例示的な既知及び未知のシグネチャを例解する。
【
図3B】例示的な既知及び未知のシグネチャを例解する。
【0027】
【
図4A】本開示の例示的な実施形態による、スライドの質を変更するためにデジタルまたは電子スライド画像を合成的に拡張または修正するためのシステム及びネットワークの例示的なブロック図を例解する。
【0028】
【
図4B】本開示の例示的な実施形態による、疾患検出プラットフォームの例示的なブロック図を例解する。
【0029】
【
図4C】本開示の例示的な実施形態による、スライド解析ツールの例示的なブロック図を例解する。
【0030】
【
図5】本開示の例示的な実施形態による、新生物検出モジュールを訓練するためのプロセスを例解する例示的フローチャートである。
【0031】
【
図6】本開示の例示的な実施形態による、新生物検出モジュールを使用するためのプロセスを例解する例示的フローチャートである。
【0032】
【
図7】本開示の例示的な実施形態による、シグネチャ推論モジュールを訓練するためのプロセスを例解する例示的なフローチャートである。
【0033】
【
図8】本開示の例示的な実施形態による、シグネチャ推論モジュールを使用するためのプロセスを例解する例示的なフローチャートである。
【0034】
【
図9】本開示の例示的な実施形態による、がんサブタイプを決定するためのプロセスを例解する例示的なフローチャートである。
【0035】
【
図10】本開示の例示的な実施形態による、処置を推奨するようにシステムを訓練するためのプロセスを例解する、例示的フローチャートである。
【0036】
【
図11】本開示の例示的な実施形態による、処置を推奨するようにシステムを使用するためのプロセスを例解する、例示的フローチャートである。
【0037】
【
図12】本開示の例示的な実施形態による、新規変異シグネチャを識別するためのプロセスを例解する例示的なフローチャートである。
【0038】
【
図13】本開示の例示的な実施形態による、未知の変異原を識別するためのプロセスを例解する例示的なフローチャートである。
【0039】
【
図14】本開示の例示的な実施形態による、地理的位置固有シグネチャを識別するためのプロセスを例解する例示的なフローチャートである。
【0040】
【
図15】本開示の例示的な実施形態による、汎化の尺度を決定するためのプロセスを例解する例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここで、本開示の例示的な実施形態に対して詳しく参照が行われ、これらの実施例は添付図面に例解される。同一または同様の部分を指すために、可能な限り、図面を通して同一の参照番号が使用される。
【0042】
本明細書で開示されるシステム、デバイス、及び方法は、例として、図を参照して詳細に説明される。本明細書で考察される実施例は、単なる例であり、本明細書に記載される装置、デバイス、システム、及び方法の説明を補助するために提供される。図面に示される、または下記に考察される特徴もしくは構成要素のいずれも、特に必須と指定されない限り、これらのデバイス、システム、または方法のうちのいずれかに関わるいずれの特定の実施態様にも、必須であるとみなされるべきではない。
【0043】
また、説明される任意の方法に関して、方法がフロー図と併せて説明されるかどうかにかかわらず、文脈によって別様に規定または要求されない限り、方法の実行において実施されるステップの任意の明示的または暗示的順序付けは、それらのステップが提示される順序で行われなければならないことを暗示せず、代わりに、異なる順序で、または並行して行われてもよいことを理解されたい。
【0044】
本明細書で使用される「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例」という意味で使用される。さらに、本明細書における用語「a」及び「an」は、数量の制限を意味するのではなく、むしろ言及された項目のうちの1つ以上が存在することを意味する。
【0045】
ゲノムワイド配列決定データ解析は、コピー数シグネチャを含む、様々な曝露に関連する異なるゲノム変異体クラスからシグネチャを識別する。単一塩基置換、二重塩基置換、ならびに小さい挿入及び欠失に由来する変異シグネチャのレパートリーが確立されている。
【0046】
これらのゲノムクラスからシグネチャを抽出する一部のアプローチは、教師なし機械学習法である非負値行列因子分解(NMF)を含む。これらのアプローチは、内因性因子及び外因性因子のいかなる予備知識も必要とせずに、選択された数のパターンを提供するが、これらのパターンは、以前に既知の変異パターンまたは臨床データと遡及的に相関されて、シグネチャの根底にある潜在的な変異プロセスを明らかにする。しかしながら、よく知られている変異シグネチャ以外に、多くのシグネチャの原因、それらの根底にある機構、及び臨床的影響は未知のままである。
【0047】
組織病理学的パターンと、コピー数変異体、ドライバ遺伝子変異、ならびに遺伝子発現プロファイルを含む広範囲の遺伝子異常との間には、広範な関連がある。しかしながら、組織病理学的特徴がどのように変異プロセスと関連するかは、以前には定義されていない。
【0048】
本明細書に提示される技術は、どの変異シグネチャが患者の組織に存在するかを判定することができ、新しいシグネチャを識別することができるシステム及び方法を記載する。本明細書に開示されるシステム及び方法は、処置を誘導し、がんの原因への洞察を得て、稀な腫瘍サブタイプを識別することができる。本明細書に開示されるシステム及び方法は、デジタル医療画像から既知及び未知の変異シグネチャを推測することができる。
【0049】
本明細書に提示される技術は、人工知能(AI)を使用して、組織試料中の変異シグネチャを追跡し、新しいシグネチャを識別し、稀な腫瘍サブタイプを識別することができる。本明細書に提示される技術は、AIを使用して、問題試料または他の試料の全スライド画像(WSI)から既知及び未知の変異シグネチャを推測または決定することができる。
【0050】
図1A、
図1B、及び
図1Cを参照すると、解析は、全ゲノム配列決定またはエクソーム配列決定データから変異シグネチャを明らかにし、ヒトがんのスペクトルにわたって変異プロセスを特徴付けることができる。これらの変異シグネチャは、6つの置換サブタイプを使用して表示され得る。C>A、C>G、C>T、T>A、T>C、T>G(
図1A)、及びヒトゲノムにおけるトリヌクレオチド置換パターンの頻度から計算される(
図1B及び
図1C)。レトロスペクティブ解析を適用して、どの潜在的な変異プロセスがこれらのシグネチャと関連し得るかを明らかにすることができる。
【0051】
図1Aは、6つの置換サブタイプの例示的な表示及びメガベースあたりの変異(変異/MB)の計算を示す。レゴプロット100は、113個の非小細胞肺癌(NSCLC)試料における変異パターンを表すことができる。単一ヌクレオチド置換は、16個の周囲フランキング塩基を有する6つの置換サブタイプに分けることができる。円グラフ102は、変異パターンのサブタイプの割合を示すことができる。
【0052】
図1Bは、6つの置換サブタイプ、シグネチャ、及び寄与を示す例示的な一連の頻度チャートを例解する。特に、
図1Bは、対応する抽出された変異シグネチャ(シグネチャ2、4、6、7、16、26、及び非マッチ)の変異活性を示す。
図1Cは、円グラフとして表示された対応する変異シグネチャの変異活性を示す。
【0053】
図2を参照すると、変異シグネチャの組成は、がんのタイプによって異なっている。
図2は、各がんタイプについての棒グラフを示す。各バーは、それぞれのがんタイプからの典型的な選択された試料を表すことができ、垂直軸は、メガベース当たりの変異の数を示すことができる。がん診断シグネチャの年齢は、ほとんどのがんタイプにおいて見ることができる。一部の変異シグネチャは、DNA修復機構の不全、例えば、相同組換え欠損(HRD)及びミスマッチ修復欠損(MMR)に関連し得る。HRD及びMMRシグネチャは、乳癌、卵巣癌、及び子宮内膜癌と高度に関連し得るが、タバコ喫煙関連シグネチャは、肺癌、肝臓癌、及び頭頸部癌と高度に関連し得る。UV光曝露関連シグネチャは、皮膚癌において顕著であり得る。
【0054】
これらのシグネチャは、ある範囲のがんタイプのための有用なバイオマーカーであり得、病因及び診断に影響を与える可能性がある。これらのシグネチャは、化学療法に対してより良好な処置応答を有し得るか、または化学療法抵抗性を発症し得る患者を識別するため、及び有効な処置戦略のためのターゲット療法を示唆するための有用なバイオマーカーであり得る。
【0055】
コピー数シグネチャ及びゲノム再編成シグネチャを含む、様々な曝露に関連する異なるゲノム変異体クラスからの一部のシグネチャが存在し、単一塩基置換、二重塩基置換ならびに小さい挿入及び欠失に由来する変異シグネチャのレパートリーが存在する。
図3A及び
図3Bを参照すると、一部の既知の変異シグネチャ以外に、多くのシグネチャの原因、それらの根底にある機構、及び臨床的影響は未知のままである。組織病理学的パターンと、コピー数多型、ドライバ遺伝子変異、及び遺伝子発現プロファイルを含む広範な遺伝子異常との間には広範な関連があるが、組織病理学的特徴が変異プロセスとどのように関連するかはまだ定義されていない。
【0056】
本明細書に開示される方法及びシステムは、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色された組織学的全スライド画像(WSI)から変異シグネチャを推測し、新しいシグネチャを発見するためのシステムを提供し得る。本明細書に開示される方法及びシステムは、コンピュータで学習された組織学的特徴を周知の変異シグネチャと相関させ、任意の新規シグネチャを形態、変異パターン、DNAメチル化、プロテオミクスプロファイリング、免疫浸潤、処置応答と関連付けることができる。
【0057】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、2つの主要な構成要素を有し得る。第1は、スライド上の全ての新生物を検出するための「新生物検出モジュール」であり得る。第2は、存在するシグネチャを推論し、未知のシグネチャにフラグ付ける「シグネチャ推論モジュール」であり得る。シグネチャ推論モジュールは、デジタル画像から存在するシグネチャをリストとして、または空間的に編成された表現として出力することが可能であり得る。本明細書に開示されるシステム及び方法は、病理学データ(多重、RGBなど)、放射線スキャンなどのホールスライド画像(WSI)であり得る、デジタル医療画像上で動作し得る。
【0058】
図4A、
図4B、及び
図4Cを参照すると、
図4A~
図4Cは、本開示の例示的な実施形態による、変異シグネチャ及び腫瘍サブタイプを識別するためのシステム及びネットワークを示す。
【0059】
詳細には、
図4Aは、病院、研究所、及び/または医師の事務所などにおけるサーバに接続され得る電子ネットワーク120を例解する。例えば、医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または研究所情報システム425などはそれぞれ、1つ以上のコンピュータ、サーバ、及び/またはハンドヘルドモバイルデバイスを介して、インターネットなどの電子ネットワーク420に接続され得る。本出願の例示的な実施形態によれば、電子ネットワーク420は、疾患検出プラットフォーム400を実装するように構成された処理デバイスを含み得るサーバシステム410に接続されてもよく、疾患検出プラットフォームは、本開示の例示的な実施形態による、デジタル病理画像(複数可)に関する標本特性または画像特性情報を決定し、疾患または感染因子が存在するかどうかを判定するために機械学習を使用するためのスライド解析ツール401を含む。スライド解析ツール401は、液体ベースの腫瘍調製物における「妥当性」の迅速な評価を可能にし、液体ベースの腫瘍調製物の診断(細胞診、血液学/血液病理学)を容易にし、液体ベースの調製物によって検出される様々な腫瘍において見出される可能性が最も高い分子所見を予測することができる。
【0060】
医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または研究所情報システム425は、1つ以上の患者の細胞診標本(複数可)、組織病理学標本(複数可)、細胞診標本(複数可)のスライド(複数可)、組織病理学標本(複数可)のスライド(複数可)のデジタル化された画像、またはそれらの任意の組み合わせの画像を作成するか、または別様に取得し得る。医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または検査室情報システム425はまた、年齢、病歴、がん処置歴、家族歴、過去の生検または細胞診情報などの患者特有の情報の任意の組み合わせを取得することができる。医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または検査室情報システム425は、電子ネットワーク420を経由して、デジタル化されたスライド画像及び/または患者特有の情報をサーバシステム410に伝送することができる。サーバシステム(複数可)410は、医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または検査室情報システム425のうちの少なくとも1つから受信された画像及びデータを記憶するための1つ以上のストレージデバイス409を含み得る。サーバシステム410はまた、ストレージデバイス409に記憶された画像及びデータを処理するための処理デバイスを含み得る。サーバシステム410は、1つ以上の機械学習ツール(複数可)または機能をさらに含み得る。例えば、処理デバイスは、一実施形態によれば、疾患検出プラットフォーム400のための機械学習ツールを含み得る。代替的に、または加えて、本開示(または本開示のシステム及び方法の一部)は、ローカル処理デバイス(例えば、ラップトップ)上で行われてもよい。
【0061】
医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または検査室情報システム425は、スライドの画像を精査するために病理学者によって使用されるシステムを指す。病院環境では、組織タイプ情報は、検査室情報システム425内に記憶され得る。
【0062】
図4Bは、機械学習を使用して、デジタル病理画像(複数可)に関する標本特性または画像特性情報を決定するための疾患検出プラットフォーム400の例示的なブロック図を例解する。疾患検出プラットフォーム400は、スライド解析ツール401と、データ取り込みツール402と、スライド取り込みツール403と、スライドスキャナ404と、スライドマネージャ405と、ストレージ406と、閲覧アプリケーションツール408と、を含み得る。
【0063】
スライド解析ツール401は、以下で説明するように、デジタル病理画像(複数可)に関するデータ変数特性または健康変数特性情報を決定するためのプロセス及びシステムを指す。機械学習は、例示的な実施形態によれば、画像を分類するために使用され得る。スライド解析ツール401は、以下の実施形態で説明するように、将来の関係を予測することもできる。
【0064】
データ取り込みツール402は、例示的な実施形態によれば、デジタル病理画像を分類及び処理するために使用される様々なツール、モジュール、構成要素、及びデバイスへのデジタル病理画像の転送を容易にすることができる。
【0065】
スライド取り込みツール403は、例示的な実施形態によれば、病理画像をスキャンし、それらをデジタル形式に変換することができる。スライドは、スライドスキャナ404を用いてスキャンされてもよく、スライドマネージャ405は、スライド上の画像をデジタル化された病理画像に処理し、デジタル化された画像をストレージ406に記憶してもよい。
【0066】
閲覧アプリケーションツール408は、例示的な実施形態によれば、デジタル病理画像(複数可)に関する標本特性または画像特性情報をユーザに提供することができる。情報は、様々な出力インターフェース(例えば、画面、モニタ、ストレージデバイス、及び/またはWebブラウザなど)を通して提供され得る。
【0067】
スライド解析ツール401及びその構成要素のうちの1つ以上は、デジタル化されたスライド画像及び/または患者情報を、ネットワーク420を経由して、サーバシステム410、医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または検査室情報システム425に伝送及び/または受信することができる。さらに、サーバシステム410は、スライド解析ツール401、データ取り込みツール402、スライド取り込みツール403、スライドスキャナ404、スライドマネージャ405、及び閲覧アプリケーションツール408のうちの少なくとも1つから受信された画像及びデータを記憶するためのストレージデバイスを含み得る。サーバシステム410はまた、ストレージデバイスに記憶された画像及びデータを処理するための処理デバイスを含み得る。サーバシステム410は、例えば、処理デバイスに起因して、1つ以上の機械学習ツール(複数可)または能力をさらに含み得る。代替的に、または加えて、本開示(または本開示のシステム及び方法の一部)は、ローカル処理デバイス(例えば、ラップトップ)上で行われてもよい。
【0068】
上記のデバイス、ツール、及びモジュールのいずれも、1つ以上のコンピュータ、サーバ、及び/またはハンドヘルドモバイルデバイスを介して、インターネットまたはクラウドサービスプロバイダなどの電子ネットワークに接続され得るデバイス上に位置することができる。
【0069】
図4Cは、本開示の例示的な実施形態による、スライド解析ツール101の例示的なブロック図を例解する。スライド解析ツール401は、訓練画像プラットフォーム431及び/またはターゲット画像プラットフォーム436を含み得る。
【0070】
一実施形態によれば、訓練画像プラットフォーム431は、訓練画像取り込みモジュール432と、データ解析モジュール433と、新生物検出モジュール434と、シグネチャ推論モジュール435と、を含み得る。代替的に、またはそれに加えて、新生物検出モジュール434及びシグネチャ推測モジュール435は、1つのモジュール(例えば、シグネチャ識別モジュール)として組み合わせられてもよく、及び/またはスライド取り込みツール403内に、もしくはデータ取り込みツール402の一部として含まれてもよい。
【0071】
訓練データプラットフォーム431は、一実施形態によれば、デジタル病理画像を効果的に解析及び分類するように機械学習モデルを訓練するために使用される訓練画像を作成または受信することができる。例えば、訓練画像は、サーバシステム410、医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または検査室情報システム425のうちのいずれか1つまたは任意の組み合わせから受信されてもよい。訓練に使用される画像は、実際のソース(例えば人間、動物など)に由来し得るか、または合成ソース(例えばグラフィックレンダリングエンジン、3Dモデルなど)に由来し得る。デジタル病理画像の例としては、(a)H&E、ヘマトキシリン単独、IHC、分子病理学など(これらに限定されない)の種々の染色剤で染色されたデジタル化スライド、及び/または(b)マイクロCTなどの3D撮像デバイスからのデジタル化組織試料を挙げることができる。
【0072】
訓練画像取り込みモジュール432は、1つ以上の健康変数及び/または1つ以上のデータ変数に対応する1つ以上の訓練データセットを含むデータセットを作成または受信することができる。例えば、訓練データセットは、サーバシステム410、医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または検査室情報システム425のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせから受信されてもよい。このデータセットは、デジタルストレージデバイスに保持されてもよい。データ解析モジュール433は、エリアが関心領域または顕著領域に属するか、あるいはデジタル化された画像の背景に属するかを識別することができる。
【0073】
データ解析モジュール433、新生物検出モジュール434、及び/またはシグネチャ推測モジュール435は、デジタル化された画像を解析し、試料内の領域がさらなる解析を必要とするかどうかを判定してもよい。かかる識別は、ユーザへのアラートをトリガすることができる。新生物検出モジュール434は、
図5~
図6を参照してより詳細に説明されるように、新生物を識別または検出することができる。シグネチャ推論モジュール435は、
図6~
図7を参照してより詳細に説明されるように、シグネチャ及び/または腫瘍サブタイプを識別または決定することができる。
【0074】
一実施形態によれば、ターゲット画像プラットフォーム436は、ターゲット画像取り込みモジュール436と、標本検出モジュール437と、出力インターフェース438と、を含み得る。ターゲット画像プラットフォーム436は、ターゲット画像を受信し、受信したターゲット画像に機械学習モデルを適用して、ターゲットデータセットの特性を決定することができる。例えば、ターゲットデータは、サーバシステム410、医師サーバ421、病院サーバ422、臨床試験サーバ423、研究所サーバ424、及び/または検査室情報システム425のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせから受信されてもよい。ターゲット画像取り込みモジュール436は、ターゲット健康変数またはデータ変数に対応するターゲットデータセットを受信することができる。標本検出モジュール437は、機械学習モデルをターゲットデータセットに適用して、ターゲット健康変数またはデータ変数の特性を決定することができる。例えば、標本検出モジュール437は、ターゲット関係の傾向を検出することができる。標本検出モジュール437はまた、機械学習モデルをターゲットデータセットに適用して、ターゲットデータセットの品質スコアを決定してもよい。さらに、標本検出モジュール437は、機械学習モデルをターゲット画像に適用して、ターゲット要素が決定された関係で存在するかどうかを判定することができる。
【0075】
出力インターフェース438は、ターゲットデータ及び決定された関係についての情報を(例えば、スクリーン、モニタ、ストレージデバイス、Webブラウザなどに)出力するために使用され得る。出力インターフェース438は、解析されたスライドの識別された顕著領域、検出された新生物、検出されたシグネチャ、腫瘍サブタイプなどを表示することができる。一部の例では、出力インターフェース438は、
図1A~
図1Cに例示されるような円グラフ、棒グラフ、レゴチャートなどを出力することができる。
【0076】
新生物検出モジュール434
全ての腫瘍(例えば、がん)は新生物であり、これは、細胞が増殖し、通常よりも多く分裂するときに形成されるか、またはそれらが死滅すべきときに死滅しない組織の異常な塊である。新生物は、良性または悪性(すなわち、がん)であり得るが、一部の良性新生物は、後に元の新生物の悪性サブクローンになり得ると仮定されている。
【0077】
新生物検出モジュール434は、新生物を有するスライドの領域を識別することができる。この識別は、バイナリ方式(新生物対非新生物)で生じ得るか、代替的に、マルチクラスシステム(非新生物対新生物1型対新生物2型など)を用いて領域中の新生物のタイプを決定することを含み得る。マルチクラスアプローチに関して、乳癌を有する例は、浸潤性小葉癌、浸潤性腺管癌、非浸潤性腺管癌、非浸潤性小葉癌、異型腺管過形成などに関する別個の出力である。
【0078】
新生物検出モジュール434は、特定の組織タイプ、例えば、乳房に対する新生物を識別、検出、または推測するように訓練されてもよい。代替的に、新生物検出モジュール434は、複数の組織タイプ(乳房、前立腺、膀胱など)に対して動作するように、汎癌であるように訓練され得る。
【0079】
図5を参照すると、新生物検出モジュールを訓練するための方法500は、1つ以上のデジタル画像(例えば、組織構造)をデジタルまたは電子ストレージデバイス(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAMなど)の中に受信するステップ502を含み得る。方法500は、任意の新生物の存在及び/または不在の指示を受信するステップ504を含み得る。方法500は、新生物を有する1つ以上のデジタル画像の各々に存在する新生物のタイプを受信するステップ、及び/またはバイナリピクセルマスク、ポリゴンなどで示すことができる各新生物の空間位置を受信するステップ506を含み得る。
【0080】
方法500は、各デジタル画像をサブ領域に分割またはセグメント化するステップ508を含み得る。領域は、画像のタイルの作成、エッジ/コントラストに基づくセグメンテーション、色差を介したセグメンテーション、エネルギー最小化に基づくセグメンテーション、機械学習モデルによる教師あり決定、EdgeBoxes、SharpMaskなどを含む、種々の方法で指定され得る。
【0081】
方法500は、デジタル画像を入力として取り込み、新生物の有無及び/または存在する新生物のタイプ及び/または位置を推測する機械学習システムを訓練するステップ510を含み得る。方法500は、訓練された機械学習システムをデジタルまたは電子ストレージに保存及び/または出力するステップ512を含み得る。
【0082】
訓練を含むステップ510において、弱い監視、バウンディングボックスまたはポリゴンベースの監視、及び/またはピクセルレベルまたはボクセルレベルのラベリングを含む多くの方法を使用することができる。
【0083】
弱い教師は、デジタル画像または画像の集合の弱いラベリングを使用する多重インスタンス学習(MIL)を使用して、機械学習モデル(例えば、多層パーセプトロンまたはMLP、畳み込みネットワークまたはCNN、トランスフォーマ、グラフニューラルネットワーク、サポートベクターマシンまたはSVM、ランダムフォレストなど)を訓練することを含み得る。この手法は、空間位置が画像に対して指定されなかった場合に使用され得る。
【0084】
バウンディングボックスまたはポリゴンベースの教師は、デジタル画像のサブ領域を指定する境界ボックスまたはポリゴンを使用して、機械学習モデル(例えば、領域ベースの畳み込みネットワークまたはR-CNN、Faster R-CNN、Selective Searchなど)を訓練することを含み得る。
【0085】
ピクセルレベルまたはボクセルレベルのラベル付け(例えば、セマンティックまたはインスタンスセグメント化)は、機械学習モデル(例えば、Mask R-CNN、U-Net、完全畳み込みネットワーク、Transformersなど)を訓練することを含むことができ、個々のピクセル及び/またはボクセルは、新生物及び/またはある種の新生物として識別される。ピクセルレベル及び/またはボクセルレベルのラベル付けは、人間の注釈者からのものであってもよく、または位置合わせされた画像からのものであってもよい。
【0086】
図6を参照すると、新生物検出モジュール434を使用するための方法600は、1つ以上のデジタル画像(例えば、医療または組織学画像)をデジタルまたは電子ストレージデバイス(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAMなど)の中に受信するステップ602を含み得る。方法600は、訓練からのアプローチを使用して、各デジタル画像をサブ領域に分割またはセグメント化するステップ604を含み得る。方法600は、画像が新生物を有するかどうか、画像のどの領域が新生物であるか、及び/または存在する新生物のタイプを推測または検出するために、訓練された機械学習システム(例えば、方法500を使用して訓練された機械学習システム)を各受信されたデジタル画像に適用または実行するステップ606を含み得る。
【0087】
ステップ606において新生物が存在すると判定された場合、ステップ606は、新生物の空間的位置または領域を識別し、それらにフラグ付けることをさらに含み得る。領域を検出することは、各サブ領域についての予測を生成するために画像サブ領域に対して機械学習モデルを実行すること、及び/またはクラス活性化マップなどの詳細なヒートマップを作成するために機械学習視覚化ツールを使用すること、次いで、関連領域を抽出することを含む、種々の方法を使用して行われ得る。
【0088】
シグネチャ推論モジュール435
シグネチャ推論モジュール435は、患者の新生物に存在するシグネチャを推論することができる。腫瘍は、患者が独立して生じた腫瘍サブクローンまたは複数の腫瘍を有し得るという点で異種であり得るため、シグネチャ推論モジュール435は、存在する変異シグネチャの空間マップをさらに生成することができる。
【0089】
しばしば、腫瘍は、種々のレベルの複数のシグネチャを有し得る。シグネチャは、所与のレベルで発現される各既知のシグネチャとのパーセンテージとして処置され得る。例えば、患者は、最も高いシグネチャとしてHRDを有し得るが、他のシグネチャは、より低いレベルで同時に存在し得る。シグネチャのレベルを表現するために、シグネチャをプロポーションとして処置することができる。
【0090】
図7を参照すると、シグネチャ推論モジュール435を訓練するための方法700は、1人以上の患者(例えば、患者の集合)の1つ以上のデジタル画像(例えば、医療画像)をデジタルまたは電子ストレージデバイス(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAMなど)に受信するステップ702を含み得る。方法700は、例えば、新生物検出モジュール434を使用して、各患者の受信されたデジタル画像内の1つ以上の(例えば、全ての)新生物または新生物領域を識別するステップ704を含み得る。ステップ706は、各新生物の空間的位置を識別することを含み得る。
【0091】
方法700は、各受信されたデジタル画像についての変異シグネチャをデジタルまたは電子ストレージデバイスに受信するステップ706を含み得る。シグネチャ及び/または画像のこの受信は、患者レベル、画像レベル、または局所レベル(例えば、変異シグネチャを有する注釈付きピクセル及び/またはボクセル)のいずれかで行われ得る。シグネチャは、合計して1になるk次元ターゲットベクトルとして提示され得、これは、各既知のシグネチャまたは最も存在するシグネチャ(すなわち、ワンホットベクトル)のみの割合を表すことができる。このターゲットベクトルの各要素は、別個のシグネチャ、例えば喫煙を示すことができる。
【0092】
方法700は、各識別された新生物または新生物領域から1つ以上の視覚的特徴(例えば、埋め込み)を抽出するステップ708を含み得る。この抽出は、生のピクセル/ボクセルを用いて、または、教師ありまたは自己教師あり学習で訓練された畳み込みネットワークまたは変換器などの埋め込みのための特徴抽出器を使用して行われてもよい。この抽出は、視覚的情報を、各新生物を表す特徴のベクトルに変換することができる。
【0093】
方法700は、抽出された視覚的特徴(例えば、新生物埋め込み)から変異シグネチャターゲットベクトルを検出または推測する機械学習システムを訓練することを含み得る。訓練は、ランダムフォレスト、複数のインスタンス学習で訓練されたCNN、ビジョントランスフォーマニューラルネットワークなどの任意の機械学習システムで行われ得る。ニューラルネットワークの場合、シグネチャターゲットベクトルを推論することは、シグネチャターゲットベクトルを「ソフトターゲット」として処置することと、k次元ベクトルを出力するソフトマックス活性化関数を用いてクロスエントロピー損失でネットワークを訓練することとを含む、複数の方法で行われ得る。「ソフトターゲット」手法は、簡単な手法であり得る。
【0094】
ステップ710は、機械学習システムが未知の変異シグネチャについてのその出力を抑制することを可能にするために、オープンセット認識技術を用いて機械学習システムを訓練することを含み得る。この訓練は、Tempered Mixupなどの手法を用いて行われ得る。データ拡張のこの形態は、全ての値が可能な限り小さくなり得る(例えば、未知のシグネチャについての最大エントロピーに近くなり得る)ように、機械学習システムに、未知のシグネチャについての一様分布により近いベクトルを出力することを強制し得る。
【0095】
方法700は、訓練された機械学習システム(例えば、訓練された機械学習システムのニューラルネットワークの学習されたパラメータ)を電子ストレージに保存及び/または出力するステップ712を含み得る。
【0096】
シグネチャ推論モジュール435を使用するための方法800は、患者のためのデジタルストレージデバイス(例えば、ハードドライブ、ネットワークドライブ、クラウドストレージ、RAMなど)の中に1つ以上のデジタル画像(例えば、医療画像)を受信するステップ802を含み得る。方法800は、(例えば、新生物検出モジュール434を使用することによって)患者の全ての受信画像上の1つ以上の(例えば、全ての)新生物または新生物領域を識別するステップ804を含み得る。ステップ804は、識別された新生物の全ての空間位置を識別することを含み得る。
【0097】
方法800は、各識別された新生物または新生物領域から1つ以上の視覚的特徴(例えば、埋め込み)を抽出するステップ806を含み得る。この抽出は、生のピクセル及び/またはボクセルを用いて、あるいは教師ありまたは自己教師あり学習で訓練された畳み込みネットワークまたは変換器などの埋め込みのための特徴抽出器を使用して行われてもよい。この抽出は、視覚的情報を、各新生物を表す特徴のベクトルに変換することができる。
【0098】
方法800は、訓練された機械学習システム(
図7を参照して説明される方法を使用して訓練された機械学習システムなど)を適用または実行し、抽出された視覚的特徴(例えば、新生物埋め込み)の全てに対する変異シグネチャ比ベクトルを検出または推測するステップ808を含み得る。方法800は、変異シグネチャ比ベクトルの最大値が所定の確実性閾値または所定の確実性(例えば、0~1の実数)を下回るかどうかを判定するステップ810を含み得る。シグネチャベクトルの最大値が確実性閾値を下回ると判定された場合、方法800は、患者及び/または任意の関連する新生物もしくは領域を未知のシグネチャを有する可能性があるものとして示すかまたは出力する(例えば、フラグ付けするかまたは表記する)ステップ812を含み得る。
【0099】
方法800は、解析を実施する、及び/または解析(例えば、識別された既知のシグネチャならびに新しい及び/または未知のシグネチャ)を電子またはデジタルストレージに出力するステップ814を含み得る。ステップ804は、色分けなどで識別された各変異シグネチャを有する画像上に出力オーバーレイ(例えば、ヒートマップ)を生成することを含み得る。以下に説明するように、ステップ814は、診断、がんサブタイプの指示、類似の臨床表現型を有する患者のサブグループまたはセットの指示、処置選択肢の決定木、特定の療法または処置に対する応答者または非応答者としての患者の分類、及び/または特定のタイプの療法に対する臨床的利益の可能性を出力することを含み得る。これらの追加の出力のうちの一部は、疾患検出プラットフォーム400内の他のモジュールによるさらなる解析に基づき得る。方法700及び/または800は、変異シグネチャにおける変化を検出するために、複数回(例えば、処置または療法の前及び後)適用され得る。
【0100】
加えて、ステップ802~812は、複数の患者にわたって繰り返されてもよく、ステップ814は、ステップ812において未知のシグネチャを有すると示された任意の患者、新生物、または新生物領域について、これらの患者にわたる視覚的埋め込み及び/またはパターンを出力することを含み得る。ステップ814は、例えば凝集クラスタリングを使用して、これらの視覚的埋め込み及び/またはパターンをクラスタリングすることを含み得る。その後、クラスタリングされたパターン及び/または埋め込みは、患者の病歴及び試験情報(ゲノミクス試験を含む)と相関させて、これらの形態学的シグネチャのいずれかが未知の変異原に関連する新しいシグネチャに対応するかどうかを識別することができる。
【0101】
ステップ814は、
図9~
図14を参照して説明されるステップまたはプロセスのうちのいずれかを含み得る。
【0102】
がんサブタイプに基づくシグネチャの解析
がんは、異なる組織及び細胞型において発生し得る不均一な疾患である。1つのがんタイプ内でさえ、疾患は、異なる組織学及び変異パターンに基づいて区別される複数のサブタイプを有し得、これは、異なる臨床転帰をもたらす可能性がある。本明細書に開示されるシステム及び方法は、がんサブタイプ固有シグネチャを構築するために使用され得る。HRD/喫煙のようなシグネチャと関連付けられる一般的な患者群以外に、本明細書に開示されるシステム及び方法は、新規かつ稀な腫瘍サブタイプを識別することができる。有病率は低い可能性があるが、数百の病院によって使用される計算病理学システムでは、同様の臨床表現型(所定の閾値内の同様の変異シグネチャ比を含む)を有する患者のかかるサブグループまたはセットは、有効な療法モダリティについてフラグ付けされ得る。
【0103】
例えば、
図9を参照すると、がんサブタイプを決定する方法900は、複数の患者の複数のデジタル画像を電子ストレージに受信するステップ902を含み得る。ステップ902はまた、各患者についての患者情報(例えば、病歴、ゲノミクス試験などの試験情報、年齢、体重、診断、病歴、臨床共変量など)を受信することを含み得る。複数の患者は、同じタイプのがんを有し得るが、おそらく異なる腫瘍、疾患、またはがんサブタイプを有し得る。方法900は、(例えば、
図8を参照して記載されるシグネチャ推論モジュール435及び/または方法800を使用して)各患者についての変異シグネチャ比ベクトルを識別するステップ904を含み得る。代替的に、変異シグネチャ比ベクトルは、各デジタル画像について識別され得る。方法900は、類似の臨床表現型(類似の変異シグネチャを含む)を有する患者のセットを決定する及び/または識別するステップ906、ならびにフラグ付けされた患者の識別された変異シグネチャ比ベクトルを使用して疾患(例えば、がん)サブタイプを決定するステップ908を含み得る。
【0104】
処置推奨
本明細書に開示されるシステム及び方法は、がん患者の優勢シグネチャに基づいて、処置選択肢のための決定木を構築することなどによって、処置推奨を提供するために使用され得る。例えば、シグネチャの組成物は、患者を2つの群:ある特定のタイプの療法(例えば、ネオアジュバント化学療法)に対する応答者、及び療法の副作用(例えば、化学療法の毒性副作用)を免れ得る非応答者に分類することができる。化学療法抵抗性を発症すると予測される患者の群について、それらの患者の一次シグネチャは、免疫療法または他のターゲット療法からの臨床的利益の可能性をさらに決定するのに役立ち得る。
【0105】
本明細書に開示されるシステム及び方法はまた、処置前及び処置後のシグネチャの変化を追跡し、臨床試験における患者の薬物応答を予測し、化学-免疫-耐性表現型のための化学療法または免疫療法に対する応答を回復させるための潜在的な新しいターゲットを明らかにし得る。
【0106】
例えば、
図10を参照すると、処置を推奨するようにシステムを訓練する方法1000は、複数の患者の複数のデジタル画像を電子ストレージに受信するステップ1002を含んでもよい。ステップ1002はまた、各患者についての患者情報(例えば、病歴、ゲノミクス試験などの試験情報、年齢、体重、診断、病歴、臨床共変量など)を受信することを含み得る。方法1000は、各患者についての処置情報を受信するステップ1004を含み得る。処置情報は、患者が療法または副作用にどのように反応するかを含んでもよい。例えば、処置情報は、患者の処置がどの程度成功したかに相関する処置スコアを含み得る。別の例として、処置情報は、患者が療法に反応したか否かの指示を含み得る。方法1000は、(例えば、
図8を参照して記載されるシグネチャ推論モジュール435及び/または方法800を使用して)各患者についての変異シグネチャ比ベクトルを識別するステップ1006を含み得る。代替的に、変異シグネチャ比ベクトルは、各デジタル画像について識別され得る。
【0107】
方法1000は、入力としてデジタル画像を取得するようにシステムを訓練し、識別された変異シグネチャ比ベクトルに基づいて処置応答を決定するステップ1008を含み得る。方法1000は、訓練された機械学習システムを電子ストレージに出力するステップ1010を含み得る。方法1000はまた、変異シグネチャ比ベクトルと処置応答との間の学習された関係を(例えば、ディスプレイに)出力することができる。
【0108】
方法1000を使用して訓練されたシステムは、経時的に精緻化されてもよい。例えば、方法1000は、特定の患者についての更新処置情報を受信することによって、ステップ1004を繰り返してもよい。システムは、薬物応答を予測するか、または免疫療法の可能性を決定するように訓練されてもよい。
【0109】
図11を参照すると、かかるシステムを使用する方法1100は、患者のための電子ストレージに1つ以上のデジタル画像を受信するステップ1102を含み得る。ステップ1102はまた、患者についての患者情報(例えば、病歴、ゲノミクス試験などの試験情報、年齢、体重、診断、病歴、臨床共変量など)を受信することを含み得る。方法1100は、訓練されたシステム(例えば、
図10を参照して説明される方法1000を使用して訓練されたシステム)を適用して、1つ以上の処置に対する処置応答を決定するステップ1104を含み得る。ステップ1104は、訓練されたシステム及び/または別の訓練されたシステムを介して、各患者の変異シグネチャ比ベクトルを識別することを含み得る。方法1000は、決定された処置応答に基づいて、処置推奨を決定するステップ1006と、処置推奨を(例えば、電子ストレージ及び/または電子ディスプレイに)出力するステップ1008と、を含み得る。例えば、ステップ1004が、複数の処置に対する処置応答を決定することを含む場合、ステップ1006は、決定された処置応答に基づいて(例えば、決定された処置スコア、副作用の数、副作用の重症度、または副作用スコアなどに基づいて)、複数の処置の中から最良または最も成功した処置を決定することを含み得る。ステップ1004が、1つの処置に対する処置応答を決定することを含む場合、ステップ1006は、その処置を推奨するかどうかを判定することを含み得る。
【0110】
新規変異シグネチャの識別
本明細書に開示されるシステム及び方法は、新規変異シグネチャを識別することができる。以前に説明されたように、識別は、本明細書に開示されるオープンセット認識能力を有するシステムを大規模なデータセットに対して実行し、任意の既存のシグネチャに属さない患者にわたる任意の新生物を識別することによって行われてもよい。その後、新生物検出モジュール434から出力され、シグネチャ推論モジュール435によって未知のシグネチャを有すると識別された、これらの患者にわたる視覚的埋め込み及び/またはパターンが、例えば、凝集クラスタリングを使用してクラスタリングされ得る。その後、クラスタリングされたパターン及び/または埋め込みは、患者の病歴及び試験情報(ゲノミクス試験を含む)と相関させて、これらの形態学的シグネチャのいずれかが未知の変異原に関連する新しいシグネチャに対応するかどうかを識別することができる。
【0111】
例えば、
図12を参照すると、新規変異シグネチャを識別する方法1200は、複数の患者の複数のデジタル画像を電子ストレージに受信するステップ1202、及び各患者についての患者情報(例えば、病歴、試験情報(例えば、ゲノミクス試験)、年齢、体重、診断、病歴、臨床共変量など)を受信するステップ1204を含み得る。
【0112】
方法1200は、(例えば、
図8を参照して記載されるシグネチャ推論モジュール435及び/または方法800を使用して)各患者についての変異シグネチャ比ベクトルを識別するステップ1206を含み得る。代替的に、変異シグネチャ比ベクトルは、各デジタル画像について識別され得る。前述のように、変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、各識別された新生物または新生物領域から1つ以上の視覚的特徴を抽出することを含み得る。
【0113】
方法1200は、識別された変異シグネチャ比ベクトルに基づいて、複数の患者の中から、既存のシグネチャを有さない患者、及び/または未知のシグネチャを有する患者を識別するステップ1208を含み得る。
【0114】
方法1200は、未知のシグネチャを有する識別された患者の抽出された視覚的特徴をクラスタリングするステップ1210を含み得る。視覚的特徴は、ステップ1206において抽出されたものであってもよく、あるいは別個に抽出されたものであってもよい。視覚的特徴は、埋め込みまたはパターンを含んでもよい。
【0115】
方法1200は、受信された患者情報及びクラスタリングされ抽出された視覚的特徴に基づいて、未知のシグネチャのいずれかが変異原に関連付けられているかどうかを判定するステップ1212を含み得る。変異原は未知であってもよい。ステップ1212は、例えば、同一または類似の変異シグネチャ比ベクトルを有する患者について類似の特徴及び/または患者特性を認識すること、ならびにそれらの変異シグネチャ比ベクトルが未知の変異原の存在を示し得ると判定することを含み得る。
【0116】
変異原の識別
多くの腫瘍シグネチャは、既知の変異原(例えば、喫煙)によって引き起こされ得る。しかし、多くの腫瘍シグネチャは、既知の変異原と関連していない。本明細書に開示されるシステム及び方法は、腫瘍シグネチャに関連する可能性のある変異原を識別することができる。
【0117】
シグネチャの現在のリポジトリは、依然としてシグネチャの原因に関して未知のものを有する。本明細書に開示されるシステム及び方法は、新しいまたは古いシグネチャのためのデータをマイニングし、シグネチャを患者についての臨床情報とより良好に相関させ、臨床共変量において知られていないがんのリスクを明らかにし得る。
【0118】
例えば、
図13を参照すると、未知の変異原を識別する方法1300は、未知のシグネチャを識別する方法1200と同様であり得る。方法1300は、複数の患者の複数のデジタル画像を電子ストレージに受信するステップ1302と、各患者の患者情報(例えば、病歴、ゲノミクス試験などの試験情報、年齢、体重、診断、病歴、臨床共変量など)を受信するステップ1304とを含み得る。
【0119】
方法1300は、(例えば、
図8を参照して記載されるシグネチャ推論モジュール435及び/または方法800を使用して)各患者についての変異シグネチャ比ベクトルを識別するステップ1306を含み得る。代替的に、変異シグネチャ比ベクトルは、各デジタル画像について識別され得る。前述のように、変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、各識別された新生物または新生物領域から1つ以上の視覚的特徴を抽出することを含み得る。
【0120】
方法1300は、同一または類似の変異シグネチャ比ベクトルを有する患者の少なくとも1つのセットを決定するステップ1308を含み得る。ステップ1308は、抽出された特徴をクラスタリングすること、または各患者について抽出された特徴間の類似性を決定することを含み得る。
【0121】
方法1300は、患者の少なくとも1つのセットの各々が未知の変異原に対応する変異シグネチャ比ベクトルを有するかどうかを判定するステップ1310を含み得る。方法1300は、少なくとも1セットの患者の各々に関連する変異原を決定するステップ1320を含み得る。
【0122】
地理などに基づく集団健康モニタリング
本明細書で開示するシステム及び方法は、地理的位置固有シグネチャを構築することができる。本明細書に開示されるシステム及び方法は、疾患リスク因子、ならびにライフスタイル、環境曝露の性質、及び遺伝学などのリスクががんの発症にどのように関係するかを理解するのに役立ち得る。本明細書に開示されるシステム及び方法は、がん予防のための戦略を拡大することに関する意思決定を支援し得る。
【0123】
例えば、
図14を参照すると、地理的位置固有シグネチャを識別する方法1400は、方法1200と同様であってもよい。方法1400は、複数の患者の複数のデジタル画像を電子ストレージに受信するステップ1402と、各患者の患者情報(例えば、病歴、ゲノミクス試験などの試験情報、年齢、体重、診断、病歴、臨床共変量など)を受信するステップ1404とを含み得る。方法1400はまた、各患者の地理的位置の指示を受信するステップ1406を含み得る。ステップ1406はまた、各地理的位置の特性(例えば、天候、高度、汚染レベル)などを受信することを含み得る。
【0124】
方法1400は、(例えば、
図8を参照して記載されるシグネチャ推論モジュール435及び/または方法800を使用して)各患者についての変異シグネチャ比ベクトルを識別するステップ1408を含み得る。代替的に、変異シグネチャ比ベクトルは、各デジタル画像について識別され得る。前述のように、変異シグネチャ比ベクトルを識別することは、各識別された新生物または新生物領域から1つ以上の視覚的特徴を抽出することを含み得る。
【0125】
方法1400は、識別された変異シグネチャ比ベクトルに基づいて、複数の患者の中から、既存のシグネチャを有さない患者、及び/または未知のシグネチャを有する患者を識別するステップ1408を含み得る。
【0126】
方法1400は、同一または類似の変異シグネチャ比ベクトルを有する患者の少なくとも1つのセットを決定するステップ1410を含み得る。ステップ1410は、抽出された特徴をクラスタリングすること、または各患者について抽出された特徴間の類似性を決定することを含み得る。
【0127】
方法1400は、地理的位置の受信された指示に基づいて、変異シグネチャ比ベクトルのいずれかが、特定の地理的位置または特定の地理的特性と関連付けられるかどうかを判定するステップ1412を含み得る。例えば、ステップ1412は、同一または類似の変異シグネチャ比ベクトルを有する患者のセットが、同一または類似の地理的位置または地理的特性と関連付けられるかどうかを判定することを含み得る。方法1400は、特定の地理的位置または特定の地理的特性に関連すると判定された変異シグネチャ比ベクトルを(例えば、電子ストレージ及び/または電子ディスプレイに)出力するステップ1414を含み得る。
【0128】
UV形態学的変異シグネチャに対応する皮膚癌の識別
本明細書に開示されるシステム及び方法は、どの皮膚癌が紫外線(UV)曝露に関連するかを識別することができる。本明細書に開示されるシステム及び方法はまた、UV形態学的変異シグネチャにも対応する他の皮膚癌を識別することができる。例えば、
図12及び
図13を参照して説明される方法1200及び/または1300は、特定の皮膚癌、がんの特定のサブタイプなどと、UV曝露または他の物質への曝露の特定のタイプまたは長さとの間の関係を判定するために使用されてもよい。
【0129】
がん転移の予測
がんの転移パターンは、空間的にも時間的にも変化する。本明細書に開示されるシステム及び方法は、経時的に進化する新しいシグネチャが存在するかどうか(及び/またはこれらの新しいシグネチャがどのように進化するか)を追跡し、変異シグネチャの空間マップを作成し、クローン増殖を検出し、がん転移をさらに予測することができる。例えば、
図12を参照して説明される方法1200は、ステップ1204においてより多くの情報が受信されるにつれて、新しいシグネチャを決定する、及び/または経時的にシグネチャを追跡する、及び/またはがん転移と識別されたシグネチャ及び/または変化との間の関係を決定するために使用されてもよい。加えて、方法1200(及び/または方法800~1400のいずれか)は、変異シグネチャ(例えば、ステップ1206及び/または1212で識別されるような)検出された変化、クローン増殖、疾患(例えば、がん転移)の予測などの空間マップを出力することを含み得る。
【0130】
図15を参照すると、デバイス1500は、中央処理装置(CPU)1520を含み得る。CPU1520は、例えば、任意のタイプの専用または汎用マイクロプロセッサデバイスを含む、任意のタイプの処理デバイスであってもよい。当業者には理解されるように、シングルプロセッサ1520はまた、マルチコア/マルチプロセッサシステム内のCPUであってもよく、かかるシステムは、単独で動作するか、またはクラスタもしくはサーバファーム内で動作するコンピューティングデバイスのクラスタ内で動作する。CPU1520は、データ通信インフラストラクチャ1510、例えば、バス、メッセージキュー、ネットワーク、またはマルチコアメッセージパッシングスキームに接続され得る。
【0131】
デバイス1500はまた、メインメモリ1540、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよく、また、2次メモリ1530を含んでもよい。2次メモリ1530、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)は、例えば、ハードディスクドライブまたはリムーバブルストレージドライブであり得る。かかるリムーバブルストレージドライブは、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気ドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含み得る。この例におけるリムーバブルストレージドライブは、周知の方法でリムーバブルストレージユニットから読み出し、及び/またはそこに書き込む。リムーバブルストレージは、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テ-プ、光学ディスクなどを含み得、リムーバブルストレージドライブによって読み出され、書き込まれる。当業者によって理解されるように、かかるリムーバブルストレージユニットは、概して、コンピュータソフトウェア及び/またはデータを記憶したコンピュータ使用可能記憶媒体を含む。
【0132】
代替的な実施態様では、2次メモリ1530は、コンピュータプログラムまたは他の命令がデバイス1500にロードされることを可能にするための同様の手段を含み得る。かかる手段の例には、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに見られるものなど)、取り外し可能メモリチップ(EPROMまたはPROMなど)及び関連するソケット、ならびにソフトウェア及びデータをリムーバブルストレージユニットからデバイス1500に転送することを可能にする他のリムーバブルストレージユニット及びインターフェースが含まれ得る。
【0133】
デバイス1500はまた、通信インターフェース(「COM」)1560を含み得る。通信インターフェース1560は、ソフトウェア及びデータがデバイス1500と外部デバイスとの間で転送されることを可能にする。通信インターフェース1560は、モデル、ネットワークインターフェース(イーサネット(登録商標)カードなど)、通信、PCMCIAスロット及びカードなどを含み得る。通信インターフェース1560を介して転送されるソフトウェア及びデータは、通信インターフェース1560によって受信されることが可能な電子、電磁、光学、または他の信号であり得る、信号の形態であってもよい。これらの信号は、例えば、ワイヤまたはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、または他の通信チャネルを使用して実装され得る、デバイス1500の通信経路を介して、通信インターフェース1560に提供され得る。
【0134】
このような機器のハードウェア要素、オペレーティングシステム、及びプログラミング言語は、本質的に従来のものであり、当業者はこれらに十分に精通していると推定される。デバイス1500はまた、キーボード、マウス、タッチスクリーン、モニタ、ディスプレイなどの入力及び出力デバイスと接続するための入力及び出力ポート1550を含み得る。当然ながら、様々なサーバ機能は、処理負荷を分散させるために、一部の同様のプラットフォーム上に分散された方法で実装され得る。代替的に、サーバは、1つのコンピュータハードウェアプラットフォームの適切なプログラミングによって実装されてもよい。
【0135】
本開示全体を通して、構成要素またはモジュールに対して言及することは、一般に、論理的に一緒にグループ化されて、機能または関連する機能のグループを実行し得る項目を指す。同様の参照符号は、一般に、同じまたは同様の構成要素を指すことを意図する。構成要素及び/またはモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェア及び/またはハードウェアの組み合わせで実装され得る。
【0136】
上記で説明したツール、モジュール、及び/または機能は、1つ以上のプロセッサによって実施され得る。「ストレージ」タイプの媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、または様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールのいずれかまたは全てを含み得、これらは、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的な記憶をもたらすことができる。
【0137】
ソフトウェアは、インターネット、クラウドサービスプロバイダ、または他の電気通信ネットワークを介して、通信され得る。例えば、通信は、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のものへのソフトウェアのロードを可能にし得る。本明細書で使用する場合、非一時的で有形の「記憶」媒体に限定されていなければ、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を与えることに関与する任意の媒体を示している。
【0138】
前述の一般的な説明は、例示及び解説に過ぎず、本開示を限定するものではない。本発明の他の実施形態は、本明細書の考慮及び本明細書に開示される本発明の実施から、当業者に明らかであり得る。本明細書及び実施例は、例示としてのみ考慮されることが意図される。
【国際調査報告】