(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】新規免疫調節因子
(51)【国際特許分類】
C07K 14/47 20060101AFI20240927BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20240927BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240927BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240927BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240927BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240927BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20240927BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240927BHJP
A61K 38/19 20060101ALI20240927BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240927BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240927BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240927BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240927BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240927BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240927BHJP
C12N 15/869 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
C07K14/47 ZNA
C12N15/12
C12N5/10
C12N1/21
C12N1/19
C12N1/15
C12N15/113 Z
A61K48/00
A61K38/19
A61P37/02
A61P37/08
A61P31/12
A61P35/00
A61P29/00
A61P25/28
C12N15/869 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520765
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2022077849
(87)【国際公開番号】W WO2023057589
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522387733
【氏名又は名称】ヴァイロセラ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ゴムペルズ、 アースラ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
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4B065CA45
4C084AA02
4C084AA03
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4C084ZB331
4C084ZB332
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
CCR4への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、並びにCCR5及び/又はCCR6への結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むケモカイン混合物であって、免疫応答の調節に適しているケモカイン混合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CCR4への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、並びにCCR5及び/又はCCR6への結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むケモカイン混合物であって、免疫応答の調節に適しているケモカイン混合物。
【請求項2】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む、請求項1に記載のケモカイン混合物。
【請求項3】
前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL5若しくはCCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む、請求項1又は2に記載のケモカイン混合物。
【請求項4】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号5、又は配列番号12に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、及び/又は前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号2、配列番号8、配列番号10、配列番号14又は配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のケモカイン混合物。
【請求項5】
前記ケモカイン混合物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCR5及びCCR6のうちの、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体とは異なるものへの結合に適している、請求項1から4のいずれか一項に記載のケモカイン混合物。
【請求項6】
前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む、請求項5に記載のケモカイン混合物。
【請求項7】
前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号8又は配列番号14に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項5又は6に記載のケモカイン混合物。
【請求項8】
a)前記第1のケモカインがCCL17を含み、前記第2のケモカインがCCL5又は配列番号26を含み、前記ケモカイン混合物が、CCL20を含む第3のケモカインを含むか、或いは
b)前記第1のケモカインがMet-CCL17を含み、前記第2のケモカインがMet-CCL5又は配列番号20を含み、前記ケモカイン混合物が、Met-CCL20を含む第3のケモカインを含むか、或いは
c)前記第1のケモカインがCCL17を含み、前記第2のケモカインがMet-CCL5又は配列番号20を含み、前記ケモカイン混合物、がCCL20を含む第3のケモカインを含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載のケモカイン混合物。
【請求項9】
a)前記第1のケモカインが配列番号5のアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカインが配列番号2又は配列番号26の配列を含み、前記ケモカイン混合物が、配列番号8のアミノ酸配列を含む第3のケモカインを含むか、或いは
b)前記第1のケモカインが配列番号12のアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカインが配列番号10又は配列番号20のアミノ酸配列を含み、前記ケモカイン混合物が、配列番号14のアミノ酸配列を含む第3のケモカインを含むか、或いは
c)前記第1のケモカインが配列番号5のアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカインが配列番号10又は配列番号20のアミノ酸配列を含み、前記第3のケモカインが、配列番号8のアミノ酸配列を含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載のケモカイン混合物。
【請求項10】
第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド混合物であって、前記第1のポリヌクレオチドが、CCR4への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、CCR5及び/又はCCR6への結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が、免疫応答の調節に適している、ポリヌクレオチド混合物。
【請求項11】
前記第1のポリヌクレオチドが、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む、請求項10に記載のポリヌクレオチド混合物。
【請求項12】
前記第2のポリヌクレオチドが、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つをコードする核酸配列を含む、請求項10又は11に記載のポリヌクレオチド混合物。
【請求項13】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号6及び配列番号13のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号3、配列番号9、配列番号11、配列番号15、配列番号16~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項10から12のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物。
【請求項14】
前記第2のケモカイン又はその機能性変異体がCCR5への結合に適しており、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドが、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含み、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体がCCR6への結合に適している、請求項10から13のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物。
【請求項15】
前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む、請求項14に記載のポリヌクレオチド混合物。
【請求項16】
前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号13又は配列番号15に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項13又は14に記載のポリヌクレオチド混合物。
【請求項17】
a)前記第1のポリヌクレオチドがCCL17をコードする核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、CCL5をコードするか、又は配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を有する核酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドがCCL20をコードする核酸配列を含むか、或いは
b)前記第1のポリヌクレオチドがMet-CCL17をコードする核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、Met-CCL5をコードするか、又は配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドがMet-CCL20をコードする核酸配列を含むか、或いは
c)前記第1のポリヌクレオチドがCCL17をコードするアミノ酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドがMet-CCL5をコードするか、又は配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドがCCL20をコードする核酸配列を含む、
請求項10から16のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物。
【請求項18】
a)前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号6に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号3及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号9に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含むか、或いは
b)前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号13に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号15に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含むか、或いは
c)前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号6に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号9に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む、
請求項10から17のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド配列。
【請求項19】
a)前記第1のポリヌクレオチドが配列番号6の配列を有する核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが配列番号3のうち一つの配列を有する核酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドが配列番号9の配列を有する核酸配列を含むか、或いは
b)前記第1のポリヌクレオチドが配列番号13の配列を有する核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが配列番号11の配列を有する核酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドが配列番号15の配列を有する核酸配列を含むか、或いは
c)前記第1のポリヌクレオチドが配列番号6の配列を有する核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが配列番号11の配列を有する核酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のポリヌクレオチドが配列番号9の配列を有する核酸配列を含む、
請求項18に記載のポリヌクレオチド混合物。
【請求項20】
CCR5、CCR4及び/又はCCR6への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチドを含み、並びにCCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの、前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体とは異なるものへの結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む組成物であって、免疫応答の調節に適している、組成物。
【請求項21】
前記第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCR4への結合に適している、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体の一方が、CCR4への結合に適しており、前記第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体のもう一方が、CCR5及び/又はCCR6への結合に適している、請求項20又は21に記載の組成物。
【請求項23】
前記第1のポリヌクレオチドが、CCL5、CCL17、CCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードするか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする、請求項20から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL5、CCL17、CCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項20から23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチドを含むか、或いは前記組成物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの、前記第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体のそれぞれとは異なるものへの結合に適している、請求項20から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL5、CCL17、CCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項20から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物が第2のポリヌクレオチドを含み、前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの、前記第1のポリヌクレオチドとは異なるものに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、前記組成物が、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む、請求項20から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号26に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体がCCL17であり、前記第3のケモカイン又はその機能性変異体がCCL20である、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号5に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第3のケモカイン又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号8に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体がMet-CCL17であり、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体がMet-CCL20である、請求項29に記載の組成物。
【請求項33】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号12に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号14に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは免疫応答の調節不全と関連付けられる疾患又は障害の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、ケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物であって、前記ケモカイン混合物が、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、及び第2のケモカイン、若しくはそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは前記ポリヌクレオチド混合物が、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチド、及び第2のケモカイン、若しくはそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチドを含み、前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニストの変異体が、第1のCCケモカイン受容体への結合に適しており、前記第1のCCケモカイン受容体が制御性T細胞のマーカーであり、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、第2のCCケモカイン受容体に結合するのに適しており、前記第2のCCケモカイン受容体が、活性化及び/又は調節性T細胞のマーカーであり、前記第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が互いに異なる、ケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項35】
CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは免疫応答の調節不全と関連付けられる疾患/状態の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、第1のCCケモカイン受容体への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチドを含み、また第2のCCケモカイン受容体への結合に適している、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む組成物であって、前記第1のCCケモカイン受容体が制御性及び/又は活性化T細胞のマーカーであり、前記第2のCCケモカイン受容体が制御性及び/又は活性化T細胞のマーカーであり、前記第1及び第2のケモカインが互いに異なる、組成物。
【請求項36】
前記疾患又は障害が、癌、ウイルス感染症、アルツハイマー病、自己免疫疾患、炎症性疾患又は状態、アレルギー又は過活動性免疫系若しくは暴走免疫応答と関連付けられる疾患又は状態である、請求項34に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物或いは請求項35に記載の使用のための組成物。
【請求項37】
前記第1のCCケモカイン受容体がCCR4であり、前記第2のCCケモカイン受容体がCCR5又はCCR6である、請求項34又は36に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項38】
前記第1のケモカインが、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む、請求項34、36及び37のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項39】
前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL5若しくはCCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体であるか、或いは配列番号20又は配列番号26に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項34、及び36から38のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項40】
それぞれ、前記ケモカイン混合物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは前記ポリヌクレオチド混合物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含み、前記第2のCCケモカイン受容体が活性化T細胞のマーカーであり、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、第3のCCケモカイン受容体への結合に適しており、前記第3のCCケモカイン受容体が制御性T細胞のマーカーであり、前記第1のCCケモカイン受容体とは異なる、請求項34及び36から39のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項41】
前記第2のCCケモカイン受容体がCCR5であり、前記第3のCCケモカイン受容体がCCR6である、請求項40に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項42】
前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む、請求項41に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項43】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号5に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号2、配列番号8又は配列番号26に対して少なくとも70%配列同一性を有する配列を含むアミノ酸配列を含み、前記疾患又は障害が、自己免疫疾患、炎症性疾患又は状態、アレルギー又は過活動性免疫系若しくは暴走免疫応答と関連付けられる疾患又は状態である、請求項34、及び36から42のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項44】
前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号2又は26に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、それぞれ、前記ケモカイン混合物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号8に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項43に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項45】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号12に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号10、配列番号14又は配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有する配列を含むアミノ酸配列を含む、癌、ウイルス感染症若しくはアルツハイマー病から選択される疾患又は障害の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、請求項34及び36から42のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項46】
前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号10又は配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、それぞれ、前記ケモカイン混合物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは前記ポリヌクレオチド混合物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号14に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項45に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項47】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号5又は配列番号8に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号10又は配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有する配列を含むアミノ酸配列を含む、癌、ウイルス感染症若しくはアルツハイマー病から選択される疾患又は障害の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、請求項34又は36に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項48】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号5に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号10又は配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有する配列を含むアミノ酸配列を含み、前記ケモカイン混合物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは前記ポリヌクレオチド混合物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含み、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、配列番号8に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項47に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物。
【請求項49】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号6に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号3及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号9に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項44に記載の使用のためのポリヌクレオチド混合物。
【請求項50】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号13に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号15に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸分子を含む、請求項46に記載の使用のためのポリヌクレオチド混合物。
【請求項51】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号6に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号9に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸分子を含む、請求項48に記載の使用のためのポリヌクレオチド混合物。
【請求項52】
前記第1及び第2のCCケモカイン受容体がそれぞれ独立して、CCR5、CCR4又はCCR6であり、前記第1のCCケモカイン受容体が、前記第2のCCケモカイン受容体とは異なる、請求項35又は36に記載の使用のための組成物。
【請求項53】
前記第1のCCケモカイン受容体がCCR5であり、前記第2のCCケモカイン受容体がCCR4又はCCR6である、請求項52に記載の使用のための組成物。
【請求項54】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL17若しくはCCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む、請求項52又は53に記載の使用のための組成物。
【請求項55】
前記組成物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチドを含むか、或いは前記組成物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、前記第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、活性化及び/又は制御性T細胞のマーカーである第3のCCケモカイン受容体への結合に適しており、前記第3のCCケモカイン受容体が、前記第1及び第2のCCケモカイン受容体のそれぞれとは異なる、請求項35、36及び52から53のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項56】
前記第1のCCケモカイン受容体がCCR5であり、前記第2のCCケモカイン受容体がCCR4及びCCR6の一方であり、前記第3のCCケモカイン受容体がCCR4及びCCR6のもう一方である、請求項55に記載の使用のための組成物。
【請求項57】
前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20又は配列番号26に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記第2のケモカインが、CCL17及びCCL20の一方、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、前記第3のケモカインが、CCL17及びCCL20のもう一方、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む、請求項55又は56に記載の使用のための組成物。
【請求項58】
前記第1のケモカインが、Met-CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項57に記載の使用のための組成物。
【請求項59】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号10及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、前記第2のケモカインが、配列番号5及び配列番号8の一方に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記組成物が、配列番号5及び配列番号8のもう一方に対して少なくとも70%配列同一性を有する第3のケモカインを含む、請求項58に記載の使用のための組成物。
【請求項60】
前記疾患又は障害が、癌、ウイルス感染症又はアルツハイマー病から選択されるか、或いは前記組成物が、アジュバントとしての使用のためのものである、請求項35、36及び52から59のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項61】
請求項10から19のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物及び請求項10から19のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物;
請求項20から32のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物及び請求項25、26、28及び31のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物;
請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物及び請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物;又は
請求項35、36及び52から60のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物及び請求項55から58のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物
を含む核酸構築物混合物。
【請求項62】
請求項10から19のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物、請求項10から19のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物及び請求項14から19のいずれか一項に記載の第3のポリヌクレオチドを含む第3の核酸構築物;又は
請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物、請求項34及び36から51のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物及び請求項40から42、44、46及び48から51のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む第3の核酸構築物
を含む、請求項61に記載の核酸構築物混合物。
【請求項63】
請求項10から19のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチド及び請求項10から19のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチド;
請求項20から32のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチド及び請求項25又は26に記載の第2のポリヌクレオチド;
請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチド及び請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチド;又は
請求項35、36及び52から60のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチドを及び請求項55から58のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物
を含む核酸構築物。
【請求項64】
請求項10から19のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチド、請求項10から19のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチド及び請求項14から19のいずれか一項に記載の第3のポリヌクレオチド;又は
請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の第1のポリヌクレオチド、請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の第2のポリヌクレオチド及び請求項40から42、44、46及び48から51のいずれか一項に記載の第3のポリヌクレオチド
を含む、請求項63に記載の核酸構築物。
【請求項65】
請求項10から19のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物、請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の使用のためのポリヌクレオチド混合物、請求項61又は62に記載の核酸構築物混合物、或いは請求項63又は64に記載の核酸構築物を含む宿主細胞。
【請求項66】
請求項1から9のいずれか一項に記載のケモカイン混合物、請求項10から19のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物、請求項20から33のいずれか一項に記載の組成物、請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物、請求項35、36及び52から60のいずれか一項に記載の使用のための組成物、請求項61又は62に記載の核酸構築物混合物、請求項63又は64に記載の核酸構築物、或いは請求項65に記載の宿主細胞と、薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤とを含む医薬製剤。
【請求項67】
CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは異常免疫応答と関連付けられる疾患又は障害の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、請求項1から9のいずれか一項に記載のケモカイン混合物、請求項10から19のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物、請求項20から33のいずれか一項に記載の組成物、請求項1から9のいずれか一項に記載のケモカイン混合物、請求項10から19のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物、又は請求項20から33のいずれか一項に記載の組成物と、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む医薬組成物、請求項61又は62に記載の核酸構築物混合物、請求項63又は64に記載の核酸構築物、或いは請求項65に記載の宿主細胞。
【請求項68】
請求項1から9のいずれか一項に記載のケモカイン混合物、請求項10から19のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物、請求項20から33のいずれか一項に記載の組成物、請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物、請求項52から60のいずれか一項に記載の使用のための組成物、請求項61又は62に記載の核酸構築物混合物、請求項63又は64に記載の核酸構築物、請求項65に記載の宿主細胞或いは請求項66に記載の医薬製剤を含むキット。
【請求項69】
薬剤の製造における請求項1から9のいずれか一項に記載のケモカイン混合物、請求項10から19のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物、請求項20から33のいずれか一項に記載の組成物、請求項61又は62に記載の核酸構築物混合物、請求項63又は64に記載の核酸構築物、或いは請求項65に記載の宿主細胞の使用。
【請求項70】
前記薬剤が、CCR1、CCR4、CCR5、CCR6及びCCR8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする障害、或いは異常免疫応答と関連付けられる疾患又は障害の処置のためのものである、請求項69に記載の使用。
【請求項71】
CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは異常免疫応答と関連付けられる疾患又は障害を処置或いは防止する方法であって、請求項1から9のいずれか一項に記載のケモカイン混合物、請求項10から19のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物、請求項20から33のいずれか一項に記載の組成物、請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物、請求項35、36及び52から60のいずれか一項に記載の使用のための組成物、請求項61又は62に記載の核酸構築物混合物、請求項63又は64に記載の核酸構築物、請求項65に記載の宿主細胞或いは請求項66に記載の医薬製剤を、処置或いは防止を必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項72】
アジュバントを必要とする患者におけるアジュバントとしての、請求項1から9のいずれか一項に記載のケモカイン混合物、請求項10から19のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物、請求項20から33のいずれか一項に記載の組成物、請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物、請求項35、36及び52から60のいずれか一項に記載の使用のための組成物、請求項61又は62に記載の核酸構築物混合物、請求項63又は64に記載の核酸構築物、請求項65に記載の宿主細胞或いは請求項66に記載の医薬製剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫応答の調節に適しているケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物及び組成物、並びに相当する核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞、医薬組成物及びキットに関する。本発明はまた、疾患及び状態の処置のためのケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物及び組成物の使用、並びに本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物及び組成物を使用した処置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの疾患及び状態が、過剰な免疫応答、免疫応答の調節不全、又は異常免疫応答と関連付けられる。これらの例は、関節リウマチなどの自己免疫疾患、炎症性疾患、重症Covid若しくはインフルエンザ、又は慢性閉塞性肺疾患において見られるような抗体又はサイトカインストームなどの過剰な免疫応答と関連付けられる感染性疾患、並びに喘息及びアレルギーなどの状態である。現在、これらの疾患及び状態の有効な処置及び防止は限られている場合が多い。
【0003】
先進治療戦略を使用した免疫療法には、感染性疾患、癌及び自己免疫、炎症性疾患及び異常免疫系若しくは免疫系の調節不全と関連付けられる疾患又は状態を含む幅広い病理学の処置に大きな期待が寄せられている。
【0004】
適切な免疫応答は、感染性、炎症性又は腫瘍性を含む疾患の制御、並びに感染症若しくは癌を防止又は処置するための効率的な免疫化の中心となる。このため、適応免疫を媒介するものなどの従来のT細胞と、誘導された応答を弱めて自己免疫を防止する制御性T細胞(T-reg)との間に重要なバランスが存在する(Mohr, Atif et al. 2019)。適応免疫では、治療応答は、損傷又は感染した細胞を認識し、T細胞サブセットへの抗原提示により、自然免疫応答及び適応免疫応答の複雑な相互作用を通じて損傷又は感染した細胞を除去し、感染又は損傷した細胞を除去するよう刺激された特異的なメモリー細胞及びエフェクター細胞を生じる。同様に、この応答の調節は重要であり、病原体に感染した細胞又は癌細胞を無効にして除去した後、免疫応答は止められる必要があり、そうしないと病原性自己免疫応答の可能性があり、それらは同様に致命的となり得る。
【0005】
病原体に対する免疫化又は癌の処置に関する焦点は、アジュバントを使用して免疫応答を高めることであった。自己免疫の処置に関する焦点は、より限られており、例えば、Covid暴走応答用のデキサメタゾンなどのステロイドを使用して免疫応答を減少させることである。幾つかの病原体の免疫化、例えば、潜伏感染を樹立し得るヘルペスウイルス又はHIVなどの持続感染は成功していない。更に、応答の持続力が懸念されており、例えば、Covidに対する新たなRNAワクチンは、時間とともに効率が限られ、効率的な抗体応答について数ヶ月しか持続せず、ブースターワクチンを要する(Bar-On, Goldberg et al. 2021、Eyre, Taylor et al. 2021)。癌もまた免疫応答を回避するか、又は制御性白血球を誘引することができるため、癌に対する免疫化もまた同様に成功していない。その一方で、重症Covid、インフルエンザサイトカインストーム、クローン病、又は敗血症において見られるような暴走応答などの自己免疫応答の制限も同様に、効率的な処置を提供していない。
【0006】
新たな癌療法は、免疫応答の「チェックポイント」に対する阻害性抗体処置を提供することによって、「制御因子を調節する」ための戦略に向けられている。しかしながら、これらは少数の患者にのみ効果がある。それにもかかわらず、応答の調節に焦点を当てることは、自己免疫並びに免疫化に対する新たな解決策にも同様に適用可能であり得る。この中心となるのが、T-reg集団及び制御因子白血球の動員を媒介し得るケモカイン系である(Lu, Barbi et al. 2017、Luo and Li 2018、Mohr, Atif et al. 2019)。化学誘引性T-regは、異常免疫応答、例えば後期重症Covid又は関節炎若しくは皮膚炎症性状態などの炎症性状態を弱めることができる(Ikebuchi, Fujimoto et al. 2019、Mohr, Atif et al. 2019)。逆に、T-regの化学誘引を遮断することにより、例えば癌療法において、免疫刺激状態を、従来のT細胞媒介性適応免疫のバランスに有利に働くよう保つことができる(Ohue and Nishikawa 2019)。
【0007】
これまでの研究により、免疫サプレッサーの遮断は、抗体分子、即ち腫瘍学における「免疫チェックポイント阻害剤」の適用に関する明確に規定されたメカニズムであることが示される。それらは、例えば免疫寛容の破壊及び「自己免疫」反応の不利な自己免疫応答の解放を防止するために、通常は免疫シグナル伝達に「ブレーキ」を加える免疫抑制性Tリンパ球上のシグナル伝達分子の受容体又はリガンド対のいずれかを対象としている。この戦略は、末期癌患者に対して首尾よく使用されているが、この戦略は、固有の安全性リスクを有し、少数の患者(30%未満)のみに作用し(Ikebuchi, Fujimoto et al. 2019)、成功率は低分子開発にとって有利ではない。この戦略ではまた、腫瘍上の特異的受容体発現を介してこの方法に対する感受性を決定するために患者及びその癌の遺伝子プロファイリングに追加のリソースが求められる。したがって、より多くの人々に対する、且つより成功率の高い免疫療法を適用する新たな方法を開発する必要がある。
【0008】
ケモカインは、実験的なワクチン製剤における分子アジュバントとして、また潜在的な癌免疫療法の開発のために利用されている(Mohan, Zhu et al. 2018、Ohue and Nishikawa 2019)。ケモカインは、化学誘引を通じて免疫細胞サブセットを活性化及び動員し、疾患を処置するか、又は免疫化における免疫応答を増強させることができる(Bobanga et al., 2013)。ケモカインのウイルス修飾(virus modification)は、ワクチン免疫モジュレーターとして、又は癌などの疾患の免疫療法において、又は自己免疫において有用である特性の特有の組合せを提示する(Vilgelm et al., 2019)。アジュバントとしてのケモカインは、リンパ球のプライマー及びエフェクター機能のそれらの調節、及びそれらの発達によって防御免疫を増幅するのに使用されている(Mohan et al., 2018)。
【0009】
興味深いことに、ケモカインはまた、応答を高めるのとは対照的に、制御性白血球を化学誘引して免疫応答を抑制することもできる。したがって、ケモカインは、相互作用する白血球亜集団で提示しているケモカイン受容体に応じて、免疫応答を高めるか、又は減少させることによって免疫応答を調整することができる。T-regは、転写因子FOXP3などのマーカーを有し、サブセットは、CCケモカイン受容体CCR4、CCR5、CCR6又はCCR8を発現することが示されている(Bayry et al., 2008、Schlecker et al., 2012、Barsheshet et al., 2017、Ohue and Nishikawa 2019、Snelgrove et al., 2019)。これらの受容体に対するリガンドは、T-regを化学誘引して、免疫応答を弱めることができる。CCR5は、例えば、胎児の拒絶反応を防止するための妊娠中の免疫抑制のために、又は同様に移植中の移植片対宿主病において、T-regサブセットの活性化状態を示すことができる(Kallikourdis, Andersen et al. 2007、Schlecker, Stojanovic et al. 2012)。リガンド分泌単球性骨髄系由来サプレッサー細胞によるCCR5発現性T-regの誘引は、それにより、従来のT細胞の回避を介して腫瘍成長を促進した(Schlecker、Stojanovic et al.2012)。更に、CCR6発現性T-regは、胸腺及び同様に炎症を起こした内皮への輸送を調整することができる(Snelgrove, Abeynaike et al. 2019、Peligero-Cruz, Givony et al. 2020)。更に、CCR4及びCCR8発現性T-regは、抗腫瘍免疫応答を阻害することによって癌の免疫を調整することができ、CCR8発現性T-regは、自己免疫性脳炎を調整する(Barsheshet, Wildbaum et al. 2017、Villarreal, L'Huillier et al. 2018、Ohue and Nishikawa 2019)。WO2011/138785号は、CCL1がT-reg上のCCR8に特異的であり、炎症性疾患、自己免疫性疾患、脳炎などの神経炎症性疾患、及び移植関連の疾患、移植片対宿主病を処置することを開示している。
【0010】
活性化されたT-regのエフェクター部分は、他の白血球の活性化及び機能を抑制する多数のメカニズムを含み得る(Lu, Barbi et al. 2017、Mohr, Atif et al. 2019)。それらは、CTLA4及びLAG3などの共阻害性分子を発現するか、又は抗炎症性サイトカインを分泌することができ、並びにCD25との相互作用を介してIL-2などの増殖因子を枯渇させることができる。例えば、CCR4は、CD4+CD25+T-regで発現されることが示されている(Iellem, Mariani et al. 2001)。T-regは、免疫応答を弱める役割を果たし、自己寛容を可能にし、また感染に対する病原性の過剰応答を防止する(Miyara and Sakaguchi 2007、Lu, Barbi et al. 2017、Luo and Li 2018)。CCR4は、樹状細胞(DC)によって分泌されるケモカインCCL17及びCCL22の両方に結合し、T-regを化学誘引することができ、そこでそれらは、DC細胞とCCR4+T細胞との間の相互作用を増強する(Tang and Cyster 1999、Iellem, Mariani et al. 2001、Katou, Ohtani et al. 2001、Wu, Fang et al. 2001、Bayry, Tchilian et al. 2008、Snelgrove, Abeynaike et al. 2019)。T-regの種々のサブセットが、CCR4単独とともに、又はCCR6とともに存在する(Mohr 2018)。その一方で、CCR5は、例えば胎児に関する免疫寛容に有効な活性化された「エフェクター」T-reg(Kallikourdis, Andersen et al. 2007)又は炎症を起こした皮膚を調整するT-reg(Ikebuchi, Fujimoto et al. 2019)をマークすることが示されている。T-regは、DC成熟及び共刺激性分子発現を抑制し、それによりT細胞の活性化におけるそれらの役割を減少させ得る。したがって、T-regの化学誘引は、免疫応答を阻害することができ、一方、免疫化中にそれらの動員に拮抗することにより、免疫によって誘導される免疫応答を高めることができる。
【0011】
個々の受容体に対する修飾リガンド、例えばCCR8に対するCCL1は、免疫応答の抑圧において動物モデルでは幾らかの有用性を示している(Barsheshet, Wildbaum et al.2017)。しかしながら、系における冗長性に起因して、T-reg上の他の受容体は依然として機能することができ、この群の制御性細胞を介して作用する新規処置を開発する必要がある。
【0012】
また、修飾又は突然変異されたケモカインが開発されており、疾患の処置におけるそれらの効果について研究されてきた。例えば、Met-CCL5(Met-RANTESとしても既知)は、アミノ末端修飾された成熟CCL5タンパク質であり、メチオニン残基が成熟タンパク質のアミノ末端に付加されている。Met-CCL5は、大腸菌(E. coli)による成熟CCL5をコードするcDNAの組換え発現によって産生され(Proudfoot et al., 1996)、T細胞の遊走に拮抗し(Proudfoot et al., 1996)、単球遊走及びCCL5/RANTES誘導走化性に拮抗する(Proudfoot et al., 1999)ことが示されている。CCL5のアミノ末端のこの修飾は、受容体の内部移行などの事象につながる他の受容体活性化状態に影響を与えずに、或る特定のシグナル伝達事象を完全に活性化するその能力を妨害する(Proudfoot et al., 1999)。
【0013】
WO96/17935号は、CCL5/RANTESの修飾型が、CCL5/RANTESにおける相当する位置には存在しない1つ又は複数のN末端アミノ酸の存在に起因して、CCL5/RANTESに対するアンタゴニストとして作用することを開示している。修飾CCL5/RANTESは、Met-RANTES、Leu-RANTES又はGln-RANTESであり得る。
【0014】
CA2468790号は、CCケモカインのサブセットに共通するコンセンサス配列における単一の非保存的置換を含有するCCL5の突然変異体が、CCL5のアンタゴニストとして作用することを開示している。このコンセンサス配列を共有するヒトCCケモカインは、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL7、CCL11、CCL13及びCCL15である。
【0015】
WO2009/150433号は、樹状細胞媒介性ヒトT細胞増殖を増強するCCR4の低分子アンタゴニストを開示している。
【0016】
KR 20210003550号は、内膜細胞の増殖を改善することと、小胞体ストレス誘導性タンパク質の発現を低減させることとによって、不妊症を処置又は防止するためのCCL4、CCL5、CCL20及びCCL21のうちの1つ又は複数の組成物を開示している。
【0017】
US2013344119号は、組織損傷を処置するため、又は免疫応答を通じて組織再生を促進するためのIL-8、MIP-3α(別称、CCL20)及びそれらの誘導体のうちの少なくとも1つを含む植込み型組成物を開示している。
【0018】
上記の例は使用が限られており、したがって、免疫応答を調節することによって疾患に対する処置及びワクチンとして有用な更なる特異的でより有効な免疫療法の開発が必要とされている。特に、癌(Karin 2018、Ohue and Nishikawa 2019)、HIV感染症(Catusse, Parry et al. 2007)、自己免疫疾患及び炎症性疾患(Mohr, Atif et al. 2019)、サイトカインストーム、敗血症(Dong, Wang et al., 2020)、及びアレルギー(Mikhak et al., 2009)などの暴走免疫応答又は過剰免疫応答と関連付けられる疾患などの、異常免疫応答と関連付けられる幅広い疾患及び状態に対する更なる処置及びワクチンの開発が必要とされている。
【発明の概要】
【0019】
本発明者は、全てのT-regのアゴニストリガンドの適切な混合物を投与することにより、免疫応答を遮断することができ、逆に、アンタゴニストリガンドを用いた場合、T-regを遮断し、それにより適切な免疫応答を刺激することができると判断した。しかしながら、CCケモカインファミリー単独では少なくとも23個のケモカイン受容体及び51個のケモカインリガンドが存在することを考慮すると、正確な混合物は明らかではない(Hughes and Nibbs 2018、Mohan, Zhu et al.2018)。更に、異なる組織発現及び複数のケモカイン受容体利用を有するT-regの複数のサブセットが存在し、ともに異なるT-regサブセット並びにそれらの活性化状態をマークしている(Lu, Barbi et al. 2017、Luo and Li 2018、Mohr, Atif et al. 2019)。これを解読するために、発明者は、ヘルペスウイルスのゲノムを研究した。というのは、これらのウイルスがケモカイン及びケモカイン受容体に対する相同体でケモカイン系を調整することができるためである。ヒトベータヘルペスウイルス6A、HHV-6Aは、複数のケモカイン受容体に結合して活性化するケモカイン相同体、U83Aをコードする(Dewin, Catusse et al. 2006、Catusse, Parry et al. 2007)。US9,850,286号及びUS8,940,686号では、完全長U83Aの有用性は、免疫応答を高めることであることが開示されていた。これに続く研究により、ウイルス遺伝子の遺伝性ヒト適応型セットであるテロメアで組み込まれたヒト染色体におけるこのゲノムの内因性形態が同定される。これらは、一部の人々において発現されたウイルス完全長ケモカイン相同体のヒトに適応形態をコードする(Tweedy, Spyrou et al. 2015、Tweedy, Spyrou et al. 2016)。コードされるケモカイン受容体結合性及びシグナル伝達ドメインは保持され、CCR4、CCR5、CCR6及びCCR8に関する活性を組み合わせる(Dewin, Catusse et al. 2006、Catusse, Parry et al. 2007)。新規スプライシング形態が発明者によって同定され、これに関するcDNA、iciU83A-N(配列番号16、本明細書においてVIT1と称される)は、ケモカイン受容体結合性ドメインをコードするが、シグナル伝達ドメインを保持しない。したがって、VIT1は、これらのケモカイン受容体のアンタゴニストとして作用し得る。これらの受容体は、免疫刺激性白血球並びにT-reg細胞上に存在する(Hughes and Nibbs 2018、Mohan, Zhu et al.2018)。したがって、本発明者は、これらの受容体を刺激するためのヒトケモカイン混合物を検査し、新規ヒト化ウイルス遺伝子cDNAアンタゴニストに対する機能性活性をこれらの受容体と比較した。驚くべきことに、ケモカイン製剤を、十分に確立された既知の免疫原である糖タンパク質gDと組み合わせることを含むHSV2に対する免疫化についての前臨床モデルにおいて比較すると、新規アンタゴニストVIT1に関する結果は、防御免疫を刺激したのに対して、ヒトケモカインのアゴニスト混合物(本明細書においてVTL3と称される)は免疫を阻害した。このことは、生じた特異的抗体応答において反映された:新規アンタゴニストVIT1は、特異的抗体応答を誘導したが、新規ヒトケモカインアゴニスト混合物VTL3は、任意の抗体産生を完全に阻害した。これは、T-reg集団に関するCCR4、CCR5、CCR6及びCCR8を規定する最近の結果と一致しており、全てのこれらの受容体に対する複合活性は、全てのT-reg集団の動員を排除し、それによりヘルパー及びエフェクターT細胞増殖刺激性抗体及びエフェクター細胞傷害性T細胞産生を阻害し得る。その一方で、T-regの化学誘引を新規アンタゴニストで遮断することにより、従来の適応T細胞免疫を抑制されずに進行させることが可能となり、それにより細胞性免疫応答を改善する。アゴニスト混合物による宿主細胞免疫のこの効率的な遮断は、暴走病原性免疫応答を伴う自己免疫疾患又は炎症性疾患を処置することができる。
【0020】
新規ケモカイン又はケモカイン混合物によって制御性白血球との相互作用を調整することによって、これは、例えば自己免疫状態又は炎症における異常免疫応答を制御することができる。逆に、これらの相互作用が阻害される場合、これは、制御性白血球が免疫応答を弱めることを防ぐことによって、一過性の刺激を提供することができ、感染性疾患用のワクチンのため又は癌の免疫学的制御を誘導するための有用性を伴う。
【0021】
したがって、ここで驚くべきことに、制御性T細胞又は単球性骨髄系由来サプレッサー細胞MDSCなどの他の制御性白血球上に存在するCCケモカイン受容体を標的とするケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体の混合物が、免疫応答を調節するのに使用され得ることが見出されたため、本発明が生まれる。例えば、MDSCは、ケモカインを分泌して、T-regを誘引することができる(Schlecker et al., 2012)。特にここで、CCR5アゴニスト並びにCCR4及び/又はCCR6アゴニストを含む混合物が、免疫応答を抑制することが意外にも見出された。これは、種々のケモカイン及びその変異体が、成功の何らかの合理的な期待を伴って、どのように相互作用するかを予測することは不可能であるため驚くべきことである。説明のため、種々のケモカイン受容体ケモカイン相互作用は種々の癌上に存在し、個々のケモカインは、活性化因子と制御性T細胞の両方のリガンドである(Korbecki, Grochans et al. 2020、Korbecki, Kojder et al. 2020、Hughes and Nibbs 2018、Mohan et al 2018)。上記で論述したように、ヒトヘルペスウイルスは、ケモカイン相同体U83Aをコードしており、これらの受容体に対する特異性は、それが別々に発現されたこれらの受容体に効果的に結合し、シグナル伝達することが実証されたため、アゴニストとして作用すると解釈される(Dewin, Catusse et al. 2006、Catusse, Parry et al. 2007)。実際には、開示されているように、有用性は、免疫応答を刺激するためのアゴニストとしての使用に基づいていた。US9,850,286 B2号及びUS8,940,686号。しかしながら、ここで驚くべきことに、受容体のこれらの同じセットに対するヒトケモカインアゴニストの混合物が、代わりに免疫抑制をもたらすことが見出された。更に、組み込まれたヒトHHV-6Aゲノム(VIT1)由来の新規cDNAは、結合性ドメインのみを有しており、その有用性は、T-reg細胞上の受容体に拮抗する優性活性に沿って、逆であること、即ち、免疫応答を刺激することが示されている。したがって、アゴニストによるT-reg上に存在するこれらの受容体の複合ターゲティングは、複合亜集団を化学誘引して、免疫応答の阻害をもたらす一方で、拮抗作用は、逆の、即ち免疫刺激をもたらす。
【0022】
標的とされるケモカイン受容体の群は、T-regサブセット上に存在する。CCR5は、制御性T細胞を含む活性化T細胞サブセット上に存在する一方で、CCR4、CCR8及びCCR6は、制御性T細胞サブセット上に存在する。この一連のケモカイン受容体は、制御性T細胞又は単球性亜集団上に特徴付けられるように存在するものを規定することができる一方で、これらの受容体は個別に、従来のT細胞上にも存在する(Hughes and Nibbs 2018、Mohan, Zhu et al.2018)。したがって、理論によって限定されるものではないが、本発明のアゴニスト又はアンタゴニストのケモカイン混合物は、制御性T細胞上に存在する受容体を刺激すること、それにより免疫応答を弱めるか、若しくは阻害するよう作用する制御性T細胞を動員することによって、又は制御性T細胞上に存在する受容体に拮抗することによって、それにより制御性T細胞の動員を防止し、免疫応答の誘導若しくは増強を引き起こすことによって、免疫応答を調整することができると考えられている。
【0023】
したがって、本発明の第1の態様では、CCR4への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、並びにCCR5及び/又はCCR6への結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むケモカイン混合物であって、免疫応答の調節に適しているケモカイン混合物が提供される。
【0024】
好ましくは、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0025】
利便性がよいことに、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5若しくはCCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0026】
好適には、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5、又は配列番号12に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、及び/又は第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号2、配列番号8、配列番号10、配列番号14又は配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0027】
好ましくは、ケモカイン混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、ここで第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR5及びCCR6のうちの、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体とは異なるものへの結合に適している。
【0028】
好適には、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0029】
利便性のよいことに、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号8又は配列番号14に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0030】
好ましくは、a)第1のケモカインはCCL17を含み、第2のケモカインはCCL5又は配列番号26を含み、ケモカイン混合物は、CCL20を含む第3のケモカインを含むか、或いは
b)第1のケモカインはMet-CCL17を含み、第2のケモカインはMet-CCL5又は配列番号20を含み、ケモカイン混合物は、Met-CCL20を含む第3のケモカインを含むか、或いは
c)第1のケモカインはCCL17を含み、第2のケモカインはMet-CCL5又は配列番号20を含み、ケモカイン混合物は、CCL20を含む第3のケモカインを含む。
【0031】
利便性のよいことに、a)第1のケモカインは配列番号5のアミノ酸配列を含み、第2のケモカインは配列番号2又は配列番号26の配列を含み、ケモカイン混合物は、配列番号8のアミノ酸配列を含む第3のケモカインを含むか、或いは
b)第1のケモカインが配列番号12のアミノ酸配列を含み、第2のケモカインは配列番号10又は配列番号20のアミノ酸配列を含み、ケモカイン混合物は、配列番号14のアミノ酸配列を含む第3のケモカインを含むか、或いは
c)第1のケモカインは配列番号5のアミノ酸配列を含み、第2のケモカインは配列番号10又は配列番号20のアミノ酸配列を含み、第3のケモカインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0032】
本発明の第2の態様では、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド混合物であって、前記第1のポリヌクレオチドが、CCR4への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含み、前記第2のポリヌクレオチドが、CCR5及び/又はCCR6への結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含み、前記ポリヌクレオチド混合物が、免疫応答の調節に適している、ポリヌクレオチド混合物が提供される。
【0033】
好ましくは、第1のポリヌクレオチドは、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む。
【0034】
好適には、第2のポリヌクレオチドは、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つをコードする核酸配列を含む。
【0035】
利便性のよいことに、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6及び配列番号13のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、ここで第2のポリヌクレオチドは、配列番号3、配列番号9、配列番号11、配列番号15、配列番号16~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0036】
好ましくは、第2のケモカイン又はその機能性変異体はCCR5への結合に適しており、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドは、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含み、ここで第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はCCR6への結合に適している。
【0037】
好適には、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0038】
利便性のよいことに、第3のポリヌクレオチドは、配列番号13又は配列番号15に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0039】
好ましくは、a)第1のポリヌクレオチドはCCL17をコードする核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、CCL5をコードするか、又は配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドはCCL20をコードする核酸配列を含むか、或いは
b)第1のポリヌクレオチドはMet-CCL17をコードする核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、Met-CCL5をコードするか、又は配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドはMet-CCL20をコードする核酸配列を含むか、或いは
c)第1のポリヌクレオチドはCCL17をコードする核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、Met-CCL5をコードするか、又は配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドはCCL20をコードする核酸配列を含む。
【0040】
好適には、a)第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号3及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含むか、或いは
b)第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドは、配列番号15に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含むか、或いは
c)第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0041】
利便性のよいことに、a)第1のポリヌクレオチドは配列番号6の配列を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは配列番号3の配列を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドは配列番号9の配列を有する核酸配列を含むか、或いは
b)第1のポリヌクレオチドは配列番号13の配列を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは配列番号11の配列を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドは配列番号15の配列を有する核酸配列を含むか、或いは
c)第1のポリヌクレオチドは配列番号6の配列を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは配列番号11の配列を有する核酸配列を含み、ポリヌクレオチド混合物は第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のポリヌクレオチドは配列番号9の配列を有する核酸配列を含む。
【0042】
本発明の第3の態様では、CCR5、CCR4及び/又はCCR6への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチドを含み、並びにCCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの、前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体とは異なるものへの結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む組成物であって、免疫応答の調節に適している組成物が提供される。
【0043】
好ましくは、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体の一方は、CCR4への結合に適している。
【0044】
好適には、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体の一方は、CCR4への結合に適しており、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体のもう一方は、CCR5及び/又はCCR6への結合に適している。
【0045】
利便性がよいことに、第1のポリヌクレオチドは、CCL5、CCL17、CCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードするか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする。
【0046】
好適には、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5、CCL17、CCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0047】
好ましくは、組成物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチドを含むか、或いは組成物が、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、ここで第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体のそれぞれとは異なるものへの結合に適している。
【0048】
好適には、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5、CCL17、CCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0049】
利便性がよいことに、第1のポリヌクレオチドは、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0050】
好ましくは、組成物は第2のポリヌクレオチドを含み、ここで第2のポリヌクレオチドは、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの、第1のポリヌクレオチドとは異なるものに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0051】
好適には、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、組成物は、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0052】
好ましくは、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号26に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はCCL17であり、第3のケモカイン又はその機能性変異体はCCL20である。
【0053】
好適には、第1のポリヌクレオチドは、配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0054】
利便性がよいことに、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はMet-CCL17であり、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はMet-CCL20である。
【0055】
好ましくは、第1のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号14に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0056】
本発明の第4の態様では、CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは免疫応答の調節不全と関連付けられる疾患又は障害の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、ケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物であって、前記ケモカイン混合物が、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、及び第2のケモカイン、若しくはそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは前記ポリヌクレオチド混合物が、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチド、及び第2のケモカイン、若しくはそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチドを含み、前記第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニストの変異体が、第1のCCケモカイン受容体への結合に適しており、前記第1のCCケモカイン受容体が、制御性T細胞のマーカーであり、前記第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が、第2のCCケモカイン受容体に結合するのに適しており、前記第2のCCケモカイン受容体が、活性化及び/又は調節性T細胞のマーカーであり、前記第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体が互いに異なる、ケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物が提供される。
【0057】
本発明の第5の態様では、CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは免疫応答の調節不全と関連付けられる疾患/状態の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、第1のCCケモカイン受容体への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチドを含み、また第2のCCケモカイン受容体への結合に適している、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む組成物であって、前記第1のCCケモカイン受容体が、制御性及び/又は活性化T細胞のマーカーであり、前記第2のCCケモカイン受容体が、制御性及び/又は活性化T細胞のマーカーであり、前記第1及び第2のケモカインが互いに異なる、組成物が提供される。
【0058】
好ましくは、疾患又は障害は、癌、ウイルス感染症、アルツハイマー病、自己免疫疾患、炎症性疾患又は状態、アレルギー又は過活動性免疫系若しくは暴走免疫応答と関連付けられる疾患又は状態である。
【0059】
好適には、第4の態様では、第1のCCケモカイン受容体はCCR4であり、第2のCCケモカイン受容体はCCR5又はCCR6である。
【0060】
利便性がよいことに、第4の態様では、第1のケモカインは、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0061】
好ましくは、第4の態様では、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5若しくはCCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体であるか、或いは配列番号20又は配列番号26に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0062】
好適には、第4の態様では、それぞれ、ケモカイン混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いはポリヌクレオチド混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第2のCCケモカイン受容体は、活性化T細胞のマーカーであり、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、第3のCCケモカイン受容体への結合に適しており、ここで第3のCCケモカイン受容体は制御性T細胞のマーカーであり、第1のCCケモカイン受容体とは異なる。
【0063】
利便性がよいことに、第4の態様では、第2のCCケモカイン受容体はCCR5であり、第3のCCケモカイン受容体はCCR6である。
【0064】
好ましくは、第4の態様では、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0065】
好適には、第4の態様では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号2、配列番号8又は配列番号26に対して少なくとも70%配列同一性を有する配列を含むアミノ酸配列を含み、疾患又は障害は、自己免疫疾患、炎症性疾患又は状態、アレルギー又は過活動性免疫系若しくは暴走免疫応答と関連付けられる疾患又は状態である。
【0066】
利便性がよいことに、第4の態様では、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号2又は26に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここでそれぞれ、ケモカイン混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、ポリヌクレオチド混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0067】
好ましいことに、第4の態様では、癌、ウイルス感染症若しくはアルツハイマー病から選択される疾患又は障害の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号10、配列番号14又は配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有する配列を含むアミノ酸配列を含む。
【0068】
好適には、第4の態様では、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号10又は配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここでそれぞれ、ケモカイン混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いはポリヌクレオチド混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号14に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0069】
利便性のよいことに、第4の態様では、癌、ウイルス感染症若しくはアルツハイマー病から選択される疾患又は障害の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5又は配列番号8に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号10又は配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有する配列を含むアミノ酸配列を含む。
【0070】
好ましくは、第4の態様では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号10又は配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有する配列を含むアミノ酸配列を含み、ケモカイン混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いはポリヌクレオチド混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含み、ここで第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0071】
好適には、第4の態様では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドが、配列番号3及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0072】
利便性がよいことに、第4の態様では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸分子を含む。
【0073】
好適には、第4の態様では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドが、配列番号9に対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸分子を含む。
【0074】
好ましくは、第5の態様では、第1及び第2のCCケモカイン受容体はそれぞれ独立して、CCR5、CCR4又はCCR6であり、ここで第1のCCケモカイン受容体は、第2のCCケモカイン受容体とは異なる。
【0075】
好適には、第5の態様では、第1のCCケモカイン受容体はCCR5であり、第2のCCケモカイン受容体はCCR4又はCCR6である。
【0076】
利便性がよいことに、第5の態様では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL17若しくはCCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0077】
好ましくは、第5の態様では、組成物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチドを含むか、或いは組成物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、ここで第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、活性化及び/又は制御性T細胞のマーカーである第3のCCケモカイン受容体への結合に適しており、ここで第3のCCケモカイン受容体は、第1及び第2のCCケモカイン受容体それぞれとは異なる。
【0078】
好適には、第5の態様では、第1のCCケモカイン受容体はCCR5であり、第2のCCケモカイン受容体はCCR4及びCCR6の一方であり、第3のCCケモカイン受容体はCCR4及びCCR6のもう一方である。
【0079】
利便性がよいことに、第5の態様では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20又は配列番号26に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカインは、CCL17及びCCL20の一方、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、第3のケモカインは、CCL17及びCCL20のもう一方、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0080】
好ましくは、第5の態様では、第1のケモカインは、Met-CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含むか、或いは配列番号20に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0081】
好適には、第5の態様では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号10及び配列番号16~配列番号18のうちの1つに対して少なくとも70%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のケモカインは、配列番号5及び配列番号8の一方に対して少なくとも70%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、組成物は、配列番号5及び配列番号8のもう一方に対して少なくとも70%配列同一性を有する第3のケモカインを含む。
【0082】
利便性がよいことに、第5の態様では、疾患又は障害は、癌、ウイルス感染症又はアルツハイマー病から選択されるか、或いは組成物は、アジュバントとしての使用のためのものである。
【0083】
本発明の第6の態様では、第2の態様の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物及び第2の態様の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物;
第3の態様の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物及び第3の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物;
第4の態様の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物及び第4の態様の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物;又は
第5の態様の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物及び第5の態様の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物
を含む核酸構築物混合物が提供される。
【0084】
好ましくは、核酸構築物混合物は、
第2の態様の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物、第2の態様の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物及び第2の態様の第3のポリヌクレオチドを含む第3の核酸構築物;又は
第4の態様の第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物、第4の態様のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物及び第4の態様のポリヌクレオチドを含む第3の核酸構築物
を含む。
【0085】
本発明の第7の態様では、核酸構築物混合物は、
第2の態様の第1のポリヌクレオチド及び第2の態様の第2のポリヌクレオチド;
第3の態様の第1のポリヌクレオチド及び請求項25又は26の第2のポリヌクレオチド;
第4の態様の第1のポリヌクレオチド及び第4の態様の第2のポリヌクレオチド;又は
第5の態様の第1のポリヌクレオチド及び第5の態様の第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物
を含む核酸構築物が提供される。
【0086】
好ましくは、核酸構築物は、
第2の態様の第1のポリヌクレオチド、第2の態様の第2のポリヌクレオチド及び第2の態様の第3のポリヌクレオチド;又は
第4の態様の第1のポリヌクレオチド、第4の態様の第2のポリヌクレオチド及び第4の態様の第3のポリヌクレオチドを含む。
【0087】
本発明の第8の態様では、第2の態様のポリヌクレオチド混合物、第4の態様の使用のためのポリヌクレオチド混合物、第6の態様の核酸構築物混合物、或いは第7の態様に記載の核酸構築物を含む宿主細胞が提供される。
【0088】
本発明の第9の態様では、第1の態様のケモカイン混合物、第2の態様のポリヌクレオチド混合物、第3の態様に記載の組成物、第4の態様の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物、第5の態様の使用のための組成物、第6の態様に記載の核酸構築物混合物、第7の態様の核酸構築物、或いは第8の態様に記載の宿主細胞と、薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤とを含む医薬製剤が提供される。
【0089】
本発明の第10の態様では、CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは異常免疫応答と関連付けられる疾患又は障害の処置或いは防止における使用のための、或いはアジュバントとしての使用のための、第1の態様のケモカイン混合物、第2の態様のポリヌクレオチド混合物、第3の態様の組成物、第1の態様のケモカイン混合物、第2の態様のポリヌクレオチド混合物、又は第3の態様の組成物と、薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤とを含む医薬組成物、第6の態様の核酸構築物混合物、第7の態様の核酸構築物、或いは第8の態様の宿主細胞が提供される。
【0090】
本発明の第11の態様では、第1の態様のケモカイン混合物、第2の態様のポリヌクレオチド混合物、第3の態様の組成物、第4の態様の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物、第5の態様の使用のための組成物、第6の態様の核酸構築物混合物、第7の態様の核酸構築物、第8の態様の宿主細胞或いは第9の態様の医薬製剤を含むキットが提供される。
【0091】
本発明の第12の態様では、薬剤の製造における第1の態様のケモカイン混合物、第2の態様のポリヌクレオチド混合物、第3の態様の組成物、第6の態様の核酸構築物混合物、第7の態様の核酸構築物、或いは第8の態様の宿主細胞の使用が提供される。
【0092】
好ましくは、薬剤は、CCR1、CCR4、CCR5、CCR6及びCCR8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする障害、或いは異常免疫応答と関連付けられる疾患又は障害の処置のためのものである。
【0093】
本発明の第13の態様では、CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは異常免疫応答と関連付けられる疾患又は障害を処置或いは防止する方法であって、請求項1から9のいずれか一項に記載のケモカイン混合物、請求項10から19のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド混合物、請求項20から33のいずれか一項に記載の組成物、請求項34及び36から51のいずれか一項に記載の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物、請求項35、36及び52から60のいずれか一項に記載の使用のための組成物、請求項61又は62に記載の核酸構築物混合物、請求項63又は64に記載の核酸構築物、請求項65に記載の宿主細胞或いは請求項66に記載の医薬製剤を、処置或いは防止を必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
【0094】
本発明の第14の態様では、アジュバントを必要とする患者におけるアジュバントとしての、第1の態様のケモカイン混合物、第2の態様のポリヌクレオチド混合物、第3の態様の組成物、第4の態様の使用のためのケモカイン混合物又はポリヌクレオチド混合物、第5の態様の使用のための組成物、第6の態様の核酸構築物混合物、第7の態様の核酸構築物、第8の態様の宿主細胞或いは第9の態様の医薬製剤の使用が提供される。
【0095】
定義
「タンパク質」という用語は、本明細書において使用される場合、ペプチド結合によって互いに連結された任意の長さの高分子形態のアミノ酸を指す。
【0096】
「核酸」、「核酸配列」、「ヌクレオチド」、「核酸分子」又は「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書において使用される場合、DNA分子(例えば、cDNA又はゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、天然に存在する、突然変異された、合成のDNA又はRNA分子、及びヌクレオチド類似体を使用して生成されたDNA又はRNAの類似体を含むと意図される。それは、一本鎖又は二本鎖であり得る。かかる核酸又はポリヌクレオチドとして、構造遺伝子のコード配列、アンチセンス配列、及びmRNA又はタンパク質産物をコードしない非コード制御性配列が挙げられるが、これらに限定されない。これらの用語はまた、遺伝子を包含する。「遺伝子」又は「遺伝子配列」という用語は、生物学的機能と関連付けられるDNA核酸を指すのに広く使用される。したがって、遺伝子は、ゲノム配列において見られるようなイントロン及びエクソンを含んでもよく、又はcDNAにおいて見られるようなコード配列のみを含んでもよく、及び/又は制御性配列と組み合わせてcDNAを含んでもよい。
【0097】
「アゴニスト変異体」という用語は、本明細書において使用される場合、化合物と同じ受容体に結合して、化合物と同じ受容体を活性化させ、それにより化合物の生物学的効果を模倣する化合物の変異体を指す。
【0098】
「アンタゴニスト変異体」という用語は、本明細書において使用される場合、化合物と同じ受容体に結合するが、それを活性化せず、それにより化合物の生物学的効果を防止又は低減させる化合物の変異体を指す。
【0099】
「変異体」という用語は、本明細書において使用される場合、変異体ヌクレオチド若しくはアミノ酸配列、又はそのヌクレオチド若しくはアミノ酸配列の一部(例えば、断片)を指す。変異体は、完全非変異体配列と同じ受容体に結合する能力を保持するが、完全非変異体と比較して、アゴニスト又はアンタゴニスト活性を有し得る。また、本明細書において示されるような野生型配列と比較して、例えば、非保存残基において、実質的に同一である、即ち、ほんの幾らかの配列変異を有し、非変異体結合活性を保持する変異体も包含される。コードされるポリペプチドの機能的特性に影響を及ぼさない所与の部位における異なるアミノ酸の産生をもたらす核酸配列の変化は、当該技術分野において周知されている。例えば、疎水性アミノ酸であるアミノ酸アラニンに対するコドンは、グリシンなどの別の疎水性の低い残基、又はバリン、ロイシン、若しくはイソロイシンなどのより疎水性の残基をコードするコドンによって置換されてもよい。同様に、ある負に帯電した残基の、別の残基に代わる置換、例えばアスパラギン酸の、グルタミン酸に代わる置換、又はある正に帯電した残基の、別の残基に代わる置換、例えばリジンの、アルギニンに代わる置換をもたらす変更もまた、機能的に等価な産物を産生することが予想され得る。変異体はまた、非変異体のアミノ酸配列への1つ又は複数のアミノ酸の付加、或いは非変異体のアミノ酸配列からの1つ又は複数のアミノ酸の欠失を含む可能性があり、及び/又は非変異体の化学修飾を含む可能性がある。提唱される修飾はそれぞれ、コードされる産物の生物活性の保持の決定と同様に、十分に当業者の日常的な技術の範囲内である。変異体は、本明細書において記載される非変異体核酸又はアミノ酸配列に対して少なくとも25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の全体的な配列同一性を有する。変異体は、非変異体核酸又はアミノ酸配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99%配列同一性を有する。
【0100】
或いは、変異体は、ストリンジェントな条件下で核酸又はアミノ酸配列にハイブリダイズする配列であり得る。「ストリンジェントな条件」又は「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、プローブが他の配列に対するよりも検出可能なほどより大きな度合いで(例えば、バックグラウンドを少なくとも2倍上回る)その標的配列にハイブリダイズする意図される条件である。ストリンジェントな条件は配列依存的であり、種々の状況で異なる。ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄条件のストリンジェンシーを制御することによって、プローブに100%相補的な標的配列を同定することができる(相同プロービング)。或いは、ストリンジェンシー条件を調節して、配列において幾つかのミスマッチングを許容することが可能であり、その結果、より低い度合いの類似性が検出される(異種プロービング)。概して、プローブは、約1000未満のヌクレオチド長、好ましくは500未満のヌクレオチド長である。
【0101】
通常、ストリンジェント条件は、塩濃度がpH 7.0~8.3で約1.5M未満のNaイオン、通常約0.01~1.0M Naイオン濃度(又は他の塩)であり、温度は、短いプローブ(例えば、10~50個のヌクレオチド)について少なくとも約30℃であり、長いプローブ(例えば、50個を超えるヌクレオチド)について少なくとも約60℃である条件である。ハイブリダイゼーションの持続時間は、一般に約24時間未満、通常約4~12時間である。ストリンジェント条件はまた、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加により達成され得る。
【0102】
「免疫応答」という用語は、本明細書において使用される場合、一部の態様では、T細胞性又はB細胞性媒介性免疫応答を指す。T細胞性媒介性免疫応答は、細胞表面の主要組織適合性(MHC)分子によるペプチドの提示時に起こり、特にペプチドの提示時のT細胞の活性化を指す。B細胞性媒介性免疫応答は、特に抗原の認識に応答した抗体の産生を指す。
【0103】
2つの配列間の「同一性」パーセントは、デフォルトパラメータを使用したBLASTPアルゴリズムバージョン2.2.2(Altschul, Stephen F., Thomas L. Madden, Alejandro A. Schaffer, Jinghui Zhang, Zheng Zhang, Webb Miller, and David J. Lipman (1997), "Gapped BLAST and PSI-BLAST: a new generation of protein database search programs", Nucleic Acids Res. 25:3389-3402)を使用して決定され得る。特に、BLASTアルゴリズムは、URL http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/を使用してインターネット上でアクセスすることができる。
【0104】
「医薬組成物」という用語は、本明細書において使用される場合、治療目的での意図されるヒト又は動物対象への投与に適した医薬調製物を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【
図1】組み込まれたiciHHV-6A iciU83A遺伝子の核酸及び相当するアミノ酸配列を示す図である。
【
図2】スプライシングされた組み込まれたiciHHV-6A U83AのDNA配列を示す図である。この図は、スプライシングが、3'スプライス部位近位の突然変異TGA-TGGにもかかわらず一過性遺伝子発現細胞におけるcDNA解析によって示されるように、DR、ダイレクトリピート、TACC、及び非コンセンサススプライスドナー/アクセプター対を介して行われること、並びに完全長遺伝子における非同義SNPが、循環性ウイルスとは異なりこのスプライシングされた産物を元のスプライシングされた終止コドンの突然変異に形質転換することの本発明者等の意外な見解を実証している。このcDNAは、一連のドナー由来の試料では観察されなかったため、非コンセンサススプライシングを崩壊させると考えられている(Tweedy et al., 2015, 2016)が、本発明のトランスフェクトされた細胞におけるin vitroでの解析(
図3及び
図4)は、これが意外にもここでは、示されているように疎水性相互作用特性を有する8個の更なるアミノ酸をコードするリードスルーを可能にすることを示している。
【
図3】iciU83Aの、iciU83A-Nへのスプライシングを伴う細胞におけるin vitroでの発現を示す図である。遺伝子iciU83Aをプラスミド発現構築物にクローニングし、HEK293細胞にトランスフェクトした。レーン1~レーン3は、陰性対照、オリゴヌクレオチドプライマーを有さない反応ミックス、オリゴヌクレオチドプライマーを有する反応ミックス、及び水のみの鋳型である。レーン4~レーン7は、プラスミドベクターpCMV由来のプライマーを使用して(また、iciU83A遺伝子を増幅するプライマーも用いて、図示せず)プライミングしたトランスフェクトされた細胞から抽出した総RNAの一工程RT-PCR反応である。レーン5及びレーン7は、DNaseで処置されておらず、トランスフェクションからの残留DNAを示す。レーン4及び6は、DNaseで処置されている。レーン4及び5は、逆転写酵素を含む。レーン5は完全長DNAを示し、レーン4は、発現されたスプライシングされたcDNA産物iciU83A-Nを示す。
【
図4】iciU83A-N cDNA(配列番号16)の細胞におけるin vitroでの発現を示す図である。iciU83A-NのcDNAをプラスミド発現構築物にクローニングし、HEK293細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの2日後に、総RNAを抽出した。RNAは、DNAse処置され(レーン2及びレーン3)、続いて逆転写酵素で処置される(レーン2)か、又は未処置である(レーン3)。レーン1における陰性対照は水鋳型のみである。レーン4はDNAマーカーを示す。
【
図5】急性感染からウイルスチャレンジの14日後までの疾患からの防御を評価するHSV2のin vivoでの前臨床モデルにおける、(A)VTL1と称される(本明細書においてVIT1又はVITとも称される)iciU83A-N DNA構築物、及び(B)VTL3タンパク質による免疫化の有効性を示す図である。VTL1又はVTL3は、既知の免疫原gDとともに、DNAとしてVTL1 DNA(VTL1016;配列番号17)を用いて、又はタンパク質としてVTL3タンパク質(配列番号2、配列番号5及び配列番号8)を用いて製剤化された。陰性対照(ワクチンなし)又は陽性対照(mpl/アラムアジュバントとともにgDタンパク質)と比較した。VTL1 DNA製剤はほぼ完全な防御を示した一方で、VTL3タンパク質製剤は、免疫原によって誘導された防御を除去している。
【
図6】急性感染由来の疾患の総重症度からの個体における防御を評価するHSV2のin vivoでの前臨床モデルにおいて、(A)VIT1 DNA、及び(B)VTL3タンパク質とともに
図5において見られるように製剤化された既知の免疫原gDの免疫化の有効性を示す図である。VIT1(A)を用いた場合、総平均急性病変は、動物の75%について総排除を示す。これは、陽性対照(gDタンパク質mpl/アラム免疫化)に類似している。その一方で、VTL3(配列番号2、配列番号5及び配列番号8)(B)を用いた場合、この効果は除去され、動物のわずか25%が急性病変を排除し、これは陰性対照(ワクチンなし)と有意に異ならない。
【
図7】急性感染からの防御に対する免疫化の効果を評価するためのHSV2のin vivoでの前臨床モデルにおける、それぞれDNA及びタンパク質として既知の免疫原gDと組み合わせた(A)VIT1 DNA及び(B)VTL3タンパク質を有する製剤の免疫化の有効性を示す図である。陽性対照(gDタンパク質+アジュバントMPL+アラム)による免疫化と比較を行った。
図7aは、陰性対照(ワクチンなし)と比較した、免疫化に続くウイルスチャレンジ後の個々の動物におけるウイルス量の陽性対照免疫化による有意な低減を示す。免疫モジュレーターの評価は、既知の免疫原gD DNAと組み合わせたVIT1 DNA(VTL1016;配列番号17)が、ウイルス量の低減に有効であったことを示している。
図7bは対照的に、VTL3による免疫化がこの効果を遮断し、陽性対照(gDサブユニットタンパク質)と比較して、感染の2日後にウイルス量の最小限の低減をもたらしたことを示している。
【
図8】再発性疾患からの防御における、HSV2のin vivoでの前臨床モデルにおいて評価された既知の免疫原gDと組み合わせたイムノモジュレーター、(A)VIT DNA、及び(B)VTL3タンパク質の免疫化の有効性を示す図である。
図8aは、VITが再発性疾患からの防御を提供し、再発性疾患の有意な低減が、免疫化に続くウイルスチャレンジ後の全ての動物における累積再発病変日数によって示されたことを示している。陰性対照(ワクチン処置なし)と比較した再発からの防御は、gD+VIT1(配列番号17)の組合せを用いた場合のみで示されているが、VIT1を除去した場合では除去された。したがって、VITは、gD免疫化による免疫調整を高め、再発性疾患からの防御を提供した。同様に、陽性対照(アジュバントMPL/アラムとともにgDタンパク質)による免疫化もまた、再発性疾患からの防御を示した。対照的に、
図8bは、VTL3ケモカイン製剤(配列番号2、配列番号5及び配列番号8)とのgDタンパク質の免疫化が、陽性対照と比較して再発性疾患からの防御を抑止し、ここでは免疫原に対する応答を陰性対照(ワクチンなし)に類似したものにさせたことを示している。
【
図9】それぞれDNA又はタンパク質として既知の免疫原gDと、製剤中で組み合わせて、また再発性疾患からの防御の提供におけるHSV2のin vivoでの前臨床モデルにおいて評価した(A)VIT1 DNA及び(B)VTL3タンパク質による免疫化の有効性を示す図である。
図9aは、VIT1による免疫化により、免疫化に続くウイルスチャレンジの15~63日後に再発した病変の総重症度として個々の動物において示される再発性疾患の有意な低減をもたらしたことを示している。陰性対照(ワクチン処置なし)と比較した再発からの有意な防御は、gD+VIT1(配列番号17)の組合せを用いた場合にのみ示されているが、VIT1を除去した場合では、gD免疫原単独による免疫化として防御の低減を示す。
図9bは、VTL3とともにgDタンパク質を使用した免疫化により、再発性疾患の任意の低減が完全に除去され、それを陰性対照(ワクチンなし)と類似したものにさせていることを示している。
【
図10】それぞれDNA又はタンパク質として既知の免疫原gDとともに製剤化され、定量的DNA PCR(qPCR)によって測定された場合の平均が示されている個々の動物における総再発によって示されるような、無症候性再発性シェディングウイルスの防止におけるHSV2のin vivoでの前臨床モデルにおいて評価されたイムノモジュレーター(A)VIT1 DNA及び(B)VTL3タンパク質による免疫化の有効性を示す図である。
図10aは、gD DNAとともにVIT1 DNA(VTL1016;配列番号17)による免疫化によってのみ、ウイルスシェディングの低減を示す。対照的に、
図10bは、gDとともにVTL3による免疫化が防御を提供せず、その結果は陰性対照(ワクチンなし)と類似していることを示している。
【
図11】それぞれDNA又はタンパク質として既知の免疫原gDとともに製剤化され、qPCRによって測定された場合の、動物の後根神経節(DRG)における潜伏感染の樹立からの防御の提供におけるHSV2のin vivoでの前臨床モデルにおいて評価されたイムノモジュレーター(A)VIT1 DNA(VTL1016;配列番号17)及び(B)VTL3タンパク質による免疫化の有効性を示す図である。
図11aは、VIT1製剤がDRGにおける潜伏感染の樹立からの有意な防御を提供し、陰性対照において検出されたものを半減させたことを示しているのに対して、
図11bは、VTL3製剤がいかなる防御も提供しなかったことを示している。
【
図12】それぞれが既知の免疫原gDとともに製剤化され、qPCRによって測定された場合の、個々の動物のDRGにおける潜伏感染の樹立からの防御の提供におけるHSV2のin vivoでの前臨床モデルにおいて評価された(A)VIT1 DNA(VTL1016;配列番号17)及び(B)VTL3タンパク質を使用した免疫化の有効性を示す図である。
図12aは、VIT1が有意な防御を提供し、半数を上回る動物が防御され、動物の58%においてDNAが検出不可能であったことを示している。
図12bは、gDとともに製剤化されたVTL3がDRGにおいて潜伏感染の樹立からの防御を提供しなかったことを示している。
【
図13】それぞれが既知の免疫原gDとともに製剤化され、qPCRによって測定された場合の、動物の脊髄における潜伏感染の樹立からの防御の提供におけるHSV2のin vivoでの前臨床モデルにおいて評価された(A)VIT1 DNA(VTL1016;配列番号17)及び(B)VTL3タンパク質を使用した免疫化の有効性を示す図である。
図13aは、VIT1が有意な防御を提供し、陰性対照(ワクチンなし)において検出されたものを半減させたことを示している。
図13bは、gDとともに製剤化されたVTL3が、陰性対照(ワクチンなし)と比較していかなる防御も提供しなかったことを示している。
【
図14】それぞれが既知の免疫原gDとともに製剤化され、qPCRによって測定された場合の、個々の動物の脊髄における潜伏感染の樹立からの防御の提供におけるHSV2のin vivoでの前臨床モデルにおいて評価された(A)VIT1 DNA(VTL1016;配列番号17)及び(B)VTL3タンパク質を使用した免疫化の有効性を示す図である。
図14aは、VIT1が、陰性対照(ワクチンなし)と比較して、個々の動物において有意な防御を提供し、半数の動物が防御され、動物の50%のDNAが検出不可能であったことを示している。
図14bは、VTL3が、陰性対照(ワクチンなし)と比較して、いかなる防御も提供しなかったことを示している。
【
図15】下記ワクチン製剤による2回の筋内免疫化後のモルモット血清中の単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)中和抗体力価を示すグラフである:免疫調節因子製剤VTL3と組み合わせたgDタンパク質;VIT1ともにgD DNA;MPL及びアラムと組み合わせたgDタンパク質;CCL5 DNAともにgD DNA及びワクチン処置なし。破線は検出限界を示す。***ワクチンなしと比較してP<0.001。中和抗体は、陰性対照(ワクチンなし)と比較して、CCL5又はVIT1と組み合わせたgDを使用して誘導されたが、VTL3タンパク質によって完全に阻害され、免疫応答は、陰性対照(ワクチンなし)と同様に検出不可能のままであった。
【発明を実施するための形態】
【0106】
本発明は概して、制御性T細胞を標的とする、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、及び第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニストを含むケモカイン混合物に関する。本発明はまた、制御性T細胞を標的とする、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチド、及び第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド混合物に関する。本発明は更に、制御性T細胞を標的とする、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチド、及び第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む組成物に関する。ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物及び組成物はそれぞれ、免疫応答を調整するのに適している。本発明の各態様では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、第1のCCケモカイン受容体への結合に適しており、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、第2のCCケモカイン受容体への結合に適している。存在する場合、第3のケモカインは、第3のCCケモカイン受容体への結合に適している。CCケモカイン受容体は、活性化された及び/又は制御性T細胞のマーカーであり、CCケモカイン受容体の少なくとも1つは、制御性T細胞のマーカーである。第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、並びに任意の更なるケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体の以下の説明は、本明細書において記載される本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物及び組成物のいずれかの、又はいずれかによってコードされたケモカインに適用される。したがって、第1及び第2、並びに任意選択の第3の、及び更なるケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体の任意の組合せが、本発明の任意のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物及び組成物に適用される。
【0107】
ケモカイン及びCCケモカイン受容体
ケモカインは、走化性を通じた細胞遊走、特に免疫細胞の動員において不可欠なシグナル伝達タンパク質の一種である。ヒトケモカインは、それらのアミノ酸組成に従って、特に保存されるテトラシステインモチーフのうちの最初の2つのシステイン残基に従って、4つの主なサブファミリーに分類されている:CXC、CC、CX3C及びC。しかしながら、ヒトケモカインの他のタイプ、例えば本明細書においてiciHHV-6Aと称されるヒトヘルペスウイルス(HHV-6A)の染色体に組み込まれたヒト内因性形態由来のケモカインが存在する。また、ケモカインには、感染された宿主細胞から分泌され、ケモカインアゴニスト又はアンタゴニストして作用し得るウイルスにコードされるタンパク質であるウイロカイン(virokine)も含まれる。
【0108】
ケモカインは、白血球の表面上で発現されたケモカイン受容体に結合することによってその効果を発揮する。ヒトでは、23個の既知のケモカイン受容体が存在し、これらは全て、7つの膜貫通ドメインを含有するGタンパク質共役受容体(GPCR)である。受容体は、それらが結合するケモカインのタイプに応じて4つのファミリーに分類される:CXC受容体(CXCR)はCXCケモカインに結合し、CC受容体(CCR)はCCケモカインに結合し、CX3C受容体1(CX3CR1)はCX3Cケモカイン(CX3CL1)のみに結合し、XC受容体1(XCR1)は、2つのCケモカインに結合する。特に、CC受容体ファミリーはCCR1~CCR10からなり、それらのリガンドを表1に示す(出典Mohan et al. 2018及びHughes and Nibbs 2018):
【0109】
【0110】
修飾ケモカイン
ケモカインはまた、アゴニスト又はアンタゴニスト変異体を形成するように修飾することができる。タンパク質修飾として、中でもとりわけ、単一アミノ酸の付加、欠失若しくは置換、又は化学部分の付加が挙げられ得る。Met-CCL5(Proudfoot et al., 1996、Proudfoot et al., 1999、WO96/17935号)、AOP-CCL5(Proudfoot et al., 1999)、Gln-RANTES及びLeu-RANTES(WO96/17935号)は、既知の修飾ケモカインの例である。Met-CCL5、Gln-RANTES及びLeu-RANTESは全て、そのN末端にアミノ酸付加を有している一方で、AOP-CCL5は、CCL5の化学修飾である。
【0111】
更に、ケモカインをコードするヌクレオチド配列は、例えば、機能性タンパク質の発現を促進するために、発現されたタンパク質の生物活性を改変するために、又はヌクレオチド配列の発現を安定化するために改変することができる。ヌクレオチド配列の改変は、当該技術分野において周知されており、かかる改変の具体例は、本発明における配列番号17、配列番号18及び配列番号21~配列番号24に示されている。
【0112】
したがって、当該のCCケモカイン受容体への結合及びその活性化に適しているケモカインの任意のアゴニスト変異体、又は当該のCCケモカイン受容体への結合に適しているが当該のCCケモカイン受容体を活性化しないケモカインの任意のアンタゴニスト変異体が、本発明において使用され得る。例えば、Proudfoot et al., 1996において記載されるものなどの、走化性アッセイ及び受容体結合アッセイを使用して分子の結合親和性及び生物活性を決定する方法が既知である。したがって、本発明において使用されるアゴニスト及びアンタゴニスト変異体は、本明細書において記載される具体例に限定されない。
【0113】
混合物
本発明において、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCケモカイン受容体への結合に適しており、ここで、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体とは異なるCCケモカイン受容体への結合に適している。第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はともに、制御性T細胞を標的とし、制御性T細胞の動員を促進又は防止し、それにより免疫応答を調整する。第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの1つへの結合に適している可能性があり、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの異なるものへの結合に適している可能性がある。一部の実施形態では、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体のうちの1つは、CCR4又はCCR6への結合に適している。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR4への結合に適しており、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR5及び/又はCCR6への結合に適している。他の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR4への結合に適しており、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR5への結合に適している。
【0114】
一部の実施形態では、CCR4への結合に適しているケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はまた、CCR8への結合にも適している。これは、以下に記載される混合物及び組成物のいずれにおいても、CCR4への結合に適している任意のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体に適用される。
【0115】
一部の実施形態では、ケモカイン混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、ポリヌクレオチド混合物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含み、及び/又は組成物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチドを含むか、或いは第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体それぞれとは異なるものへの結合に適している。したがって、第1、第2及び第3のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、表2に示される組合せのいずれにおいてもCCR5、CCR4及び/又はCCR6に結合にするのに適している可能性がある:
【0116】
【0117】
好ましい実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR4への結合に適している。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR4及びCCR8それぞれへの結合に適している。
【0118】
一部の実施形態では、CCR5への結合に適しているケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5、Met-CCL5、配列番号19、配列番号20、配列番号25若しくは配列番号26、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。一部の実施形態では、CCR4への結合に適しているケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL17、Met-CCL17、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。一部の実施形態では、CCR6への結合に適しているケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL20、Met-CCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。これらのケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体のいずれも、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体の組合せのいずれにおいても、並びに表2の組合せのいずれにおいても使用することができる。したがって、一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL17、Met-CCL17、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5、Met-CCL5、配列番号19、配列番号20、配列番号25、配列番号26、CCL20若しくはMet-CCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL17、Met-CCL17、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCL5、Met-CCL5、配列番号19、配列番号20、配列番号25若しくは配列番号26、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、第3のケモカインは、CCL20、Met-CCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0119】
一部の実施形態では、CCR5への結合に適しているケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はまた、配列番号1、配列番号2、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号25及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号2、配列番号10、配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号2、配列番号10、配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも90%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号2、配列番号10、配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも95%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号2、配列番号10、配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも99%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号2、配列番号10、配列番号20及び配列番号26のうちの1つと同一である。
【0120】
一部の実施形態では、CCR4への結合に適しているケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はまた、配列番号4、配列番号5及び配列番号12のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号5及び配列番号12のうちの1つに対して少なくとも90%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号5及び配列番号12のうちの1つに対して少なくとも95%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号5及び配列番号12のうちの1つに対して少なくとも99%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号5及び配列番号12のうちの1つと同一である。
【0121】
一部の実施形態では、CCR6への結合に適しているケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はまた、配列番号7、配列番号8及び配列番号14のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号8及び配列番号14のうちの1つに対して少なくとも90%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号8及び配列番号14のうちの1つに対して少なくとも95%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号8及び配列番号14のうちの1つに対して少なくとも99%配列同一性を有する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号8及び配列番号14のうちの1つと同一である。
【0122】
上記アミノ酸配列及びそれらに対する配列同一性パーセントはいずれも、第1及び第2のケモカインの組合せのいずれにおいても、並びに表2の組合せのいずれにおいても使用することができる。したがって、一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5及び配列番号12のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号2、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5及び配列番号12のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号2、配列番号10、配列番号20及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号8及び配列番号14のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。好ましくは、各ケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体の上記アミノ酸配列は、当該の配列番号に対して、少なくとも90%、95%又は99%、より好ましくは100%配列同一性を有する。
【0123】
アゴニストケモカイン混合物
一部の実施形態では、第1及び第2のケモカイン、又はそれらの変異体はそれぞれ、各々のCCケモカイン受容体のアゴニストである。換言すると、一部の実施形態では、第1及び第2のケモカイン、又はそれらの変異体は、関連するCCケモカイン受容体に結合してそれを活性化し、それにより制御性T細胞を動員する。したがって、一部の実施形態では、第1のケモカイン又はその変異体はCCR4アゴニストであり、第2のケモカイン又はその変異体はCCR5又はCCR6アゴニストである。一部の実施形態では、第1のケモカイン又はその変異体はCCR4アゴニストであり、第2のケモカイン又はその変異体はCCR5アゴニストであり、第3のケモカイン又はその変異体はCCR6アゴニストである。例えば、Proudfoot et al., 1996において記載されるものなどの、走化性アッセイ及び受容体結合アッセイを使用して分子の結合親和性及び生物活性を決定する方法は既知である。したがって、本発明において使用されるCCケモカイン受容体アゴニストは、本明細書において記載される具体例に限定されない。
【0124】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体はCCL17を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体はCCL5、配列番号26、CCL17又はCCL20を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体はCCL17を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体はCCL5又はCCL20を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体はCCL17を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は配列番号26又はCCL20を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体はCCL17を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体はCCL5又は配列番号26を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体はCCL20を含む。
【0125】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号2、配列番号8及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号2及び配列番号8のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号8及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号2及び配列番号26のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0126】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号5からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号2、配列番号8又は配列番号26からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号5からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号2又は配列番号8からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号25からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニストは、配列番号8又は配列番号26からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号5からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号2又配列番号26からなるアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト変異体は、配列番号8からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカインは、配列番号5からなり、第2のケモカインは、配列番号2又配列番号26からなり、第3のケモカインは、配列番号8からなる。第1のケモカインが配列番号5からなり、第2のケモカインが配列番号2からなり、第3のケモカインが配列番号8からなる1つの実施形態は、本明細書において「VTL3」と称される。特に、
図5b、
図6b、
図7b、
図8b、
図9b、
図10b、
図11b、
図12b、
図13b、
図14b、
図15b及び
図16bは、VTL3がウイルスチャレンジに対するいかなる防御も抑止したことを示し、
図17は、VTL3が抗体応答を阻害したことを示している。
【0127】
驚くべきことに、制御性T細胞を標的とし得るケモカインの混合物は、免疫応答を阻害する有用性があることが見出された。Proudfoot et al., 2016において論述されているように、ケモカイン間の相互作用は、予測不可能な種々の効果を有し得るため、これは驚くべきことである。更に、個々の受容体の個々のアゴニストは、例えば、樹状細胞又はヘルパーT細胞サブセットTH17(CCL20とのCCR6)又は皮膚ホーミングエフェクターTH2細胞(CCL17とのCCR4又はCCR8)を化学誘引することによって免疫刺激性であり得る(Hughes and Nibbs 2018、Mohan et al 2018)。具体的にVTL3に関して、CCL5などのCCR5アゴニストは免疫応答を誘導する一方で、CCR5、CCR4、CCR8及びCCR6を標的とするアゴニスト混合物の組合せは、免疫応答を阻害することが本明細書において示されている。逆に、新規アンタゴニスト分子であるCCR5、CCR4、CCR8及びCCR6の全てに特異的なVTL1(本明細書においてVIT1とも称される)は、免疫応答を誘導する。したがって、VTL1と他のアンタゴニストとの組合せは、これらの4つのCCケモカイン受容体を標的とするアゴニスト混合物に対して逆の効果があると予想される。
【0128】
アンタゴニストケモカイン混合物
一部の実施形態では、第1及び第2のケモカイン、又はそれらの変異体はそれぞれ、各々のCCケモカイン受容体のアンタゴニストである。換言すると、一部の実施形態では、第1及び第2のケモカイン、又はそれらの変異体は、関連するCCケモカイン受容体に結合するがそれを活性化せず、それにより制御性T細胞の動員を阻害し、その結果として、免疫応答を容認又は増強する。したがって、一部の実施形態では、第1のケモカイン又はその変異体はCCR4アンタゴニストであり、第2のケモカイン又はその変異体はCCR5アンタゴニスト又はCCR6アンタゴニストである。一部の実施形態では、第1のケモカイン又はその変異体はCCR4アンタゴニストであり、第2のケモカイン又はその変異体はCCR5アンタゴニストであり、第3のケモカイン又はその変異体はCCR6アンタゴニストである。
【0129】
活性化された制御性T細胞を標的とするCCケモカイン受容体のアンタゴニストの混合物は、免疫応答の誘導、増強又は容認に有効であると予想される。特に、上記で論述したように、図は、従来の制御性T細胞及び活性化された制御性T細胞の両方を標的とするCCケモカイン受容体アゴニストで構成されるケモカイン混合物VTL3が、驚くべきことに免疫応答を阻害することを示している。この混合物は、組み合わせたケモカイン受容体特異性を介して全てのT-regサブセットを標的とし、正味の影響は阻害的である。したがって、VTL3中に含有されるケモカインの1つ又は複数のアンタゴニストを含有する混合物、特にVTL3中に含有されるケモカイン全てのアンタゴニストを含む混合物は、逆の効果、即ち、免疫応答を高めるか、又は容認する効果を有すると予想される。
【0130】
上記で論述したように、多数のCCケモカイン受容体アンタゴニスト、例えば、Met-CCL5(Proudfoot et al., 1996、Proudfoot et al., 1999、WO96/17935号)、AOP-CCL5(Proudfoot et al., 1999)、Gln-RANTES及びLeu-RANTES(WO96/17935号)が既知である。これら4つの特異的CCL5変異体はN末端修飾されており、それがCCケモカイン受容体と相互作用するCCケモカインのN末端であるため(上記で論述したように)、ケモカインのN末端修飾、特にMet N末端修飾が活性を変化させ、Met-CCL5によって実証されたように、アゴニストをアンタゴニストに移行させると予想される。したがって、本発明において、ケモカインのアンタゴニスト変異体は、末端met修飾ケモカインなどのN末端修飾ケモカインを含む。
【0131】
更に、VTL1(本明細書においてVIT1とも称される)は、CCR4、CCR6及びCCR8と一緒に、CCケモカイン受容体、具体的にはCCR5のアンタゴニストであることが本明細書において示されている。これは、VTL1が結合特異性を保持するが、任意のシグナル伝達ドメインを欠如しているためである。VTL1は、VTL3と同じ受容体に特異的である。コードされるシグナル伝達ドメインは、これまでに特性化されている(Dewin et al., 2006、Catusse et al 2007)。VTL1をコードする新規cDNAは、スプライシングによってシグナル伝達ドメインが除去されているが、結合性ドメインを保持している。更に、VTL1は、既知の免疫原と一緒のワクチン接種によってHSV2感染症に対して防御することが示されている(
図5a、
図6a、
図7a、
図8a、
図9a、
図10a、
図11a、
図12a、
図13a、
図14a、
図15)。上述されるように、これは、VTL1がCCR5、並びにCCR4、CCR6及びCCR8に対して特異性を含む結合性ドメインを保持しており、したがって、シグナル伝達なしで結合することによってアンタゴニストとして作用し得るためである。したがって、VTL1は、Met-CCL5と同じであるか、又はそれと類似したCCR5アンタゴニスト特性を含むことが予想される。したがって、VTL1は、組み合わせたケモカイン受容体の活性により、完全なT-reg集団全体の化学誘引を阻害し、それにより従来のT細胞増殖のバランスを変化させ、より効率的な抗体及びエフェクターT細胞産生をもたらし得る。
【0132】
また、Met-CCL17及びMet-CCL20は、それぞれCCR4及びCCR6に拮抗することが予想される。特に、CCL17及びCCL20は、CCL5と類似した構造を有しており、上記で論述したように、それは、関連する受容体と相互作用するこれらのケモカインそれぞれのN末端である。Met-CCL5は、野生型CCLと比較して、そのN末端に更なるメチオニン残基を含み(Proudfoot et al, 1996)、CCL17及びCCL20の同じ修飾は、CCL5のメチオニル化と類似した効果、即ち、CCL17及びCCL20を、それぞれCCR4及びCCR6のアンタゴニストに変換する効果を有すると予測される。
【0133】
したがって、当該のCCケモカイン受容体への結合に適しているが、それを活性化しない任意の既知のCCケモカイン受容体アンタゴニストが使用され得る。更に、例えば、Proudfoot et al., 1996に記載されるものなどの、走化性アッセイ及び受容体結合アッセイを使用して分子の結合親和性及び生物活性を決定する方法が既知である。したがって、本発明において使用されるCCケモカイン受容体アンタゴニストは、本明細書において記載される具体例に限定されない。
【0134】
更に、混合物がCCR5アンタゴニストを含む場合、CCR5アンタゴニストは、CCR4及び/又はCCR6アゴニストと組み合わせることができ、依然として免疫応答を、拮抗、防止又は低減することができると予想される。これは、CCR5アンタゴニストが活性化された制御性T細胞の動員を防止するようにCCR5が活性化されたT細胞のマーカーであるためである。したがって、CCR4及び/又はCCR6アゴニストは、制御性T細胞の動員を促進するが、制御性T細胞が免疫応答を弱めるのに効果的ではないように、これらは、活性化された制御性T細胞であるとは予想されず、又は活性化された制御性T細胞になるとは予測されない。
【0135】
第1及び第2のケモカイン、並びに任意選択の第3のケモカイン又はそれらのアンタゴニスト変異体は、表3に示される組合せのいずれにおいても組み合わせることができる。ケモカイン又はその変異体はそれぞれ指定配列を含み、更なる修飾を含み得る。
【0136】
【0137】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はMet-CCL17を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はMet-CCL5又は配列番号20を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はCCL17を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、Met-CCL5又は配列番号20を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はMet-CCL17を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はMet-CCL20又は配列番号20を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はMet-CCL20を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はCCL17であり、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はMet-CCL5又は配列番号20であり、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はCCL20である。
【0138】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10、配列番号14及び配列番号20のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10及び配列番号20のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号14に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0139】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10又は配列番号20に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0140】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号14に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号20に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号14に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0141】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号14に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号20に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号14に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号20に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号20に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0142】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10、配列番号14又は配列番号20からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニストは、配列番号10又は配列番号20からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニストは、配列番号14からなるアミノ酸配列を含む。上記混合物の一部の実施形態では、ケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はそれぞれ、指定配列からなる。
【0143】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10又は配列番号20からなるアミノ酸配列を含む。上記混合物の一部の実施形態では、ケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はそれぞれ、指定配列からなる。
【0144】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10からなるアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号14からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号20からなるアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号14からなるアミノ酸配列を含む。上記混合物の一部の実施形態では、ケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はそれぞれ、指定配列からなる。
【0145】
一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10からなるアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号14からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号20からなるアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号14からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10からなるアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号8からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号20からなるアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号8からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号10からなるアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号8からなるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号5からなるアミノ酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号20からなるアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号8からなるアミノ酸配列を含む。上記混合物の一部の実施形態では、ケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体はそれぞれ、指定配列からなる。
【0146】
一部の実施形態では、第1のケモカインは配列番号12からなり、第2のケモカインは配列番号10からなり、第3のケモカインは配列番号14からなる。一部の実施形態では、第1のケモカインは配列番号5からなり、第2のケモカインは配列番号10からなり、第3のケモカインは配列番号8からなる。
【0147】
ポリヌクレオチド混合物
ケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体の上記混合物は、ポリヌクレオチドに含まれる核酸配列によってコードされ得る。そこで、本発明はまた、表3に示され、また上述される第1及び第2、並びに任意選択で第3のケモカイン、及びそれらのアゴニスト又はアンタゴニスト変異体の上記組合せのいずれかをコードする、第1及び第2、並びに任意選択で第3のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド混合物を提供する。ポリヌクレオチドは、DNA、cDNA又はRNAであってもよく、一部の実施形態では、ポリヌクレオチドはcDNAであることが好ましい。一部の実施形態では、またポリヌクレオチドはそれぞれ、翻訳タンパク質それぞれの、ヒト細胞などの細胞内部の成熟した機能性形態への正確なプロセシングに必要とされるシグナル配列をコードし得る。例えば、タンパク質が細菌において産生される場合、それはシグナル配列を必要とせず、成熟タンパク質は、その発現系で産生され得る。例えば、それらのシグナル配列を含むCCL5、CCL17及びCCL20それぞれのアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1、配列番号4及び配列番号7において示され、これらのタンパク質をコードする核酸配列は、それぞれ配列番号27~配列番号29において示される。CCL5、CCL17及びCCL20の成熟形態のアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号5及び配列番号8において示される。しかしながら、本発明において使用されるシグナル配列は、野生型シグナル配列である必要はなく、他の種由来のものを含む、他の分泌又は膜結合タンパク質由来のシグナル配列で置き換えられてもよい。Nielsen et al., 2019で論述されているように、シグナル配列は周知されており、例えば、プログラムSIgnalPを使用して予測することができる(Bendtsen et al., 2004)。更に、シグナル配列が、HSV gD又はIgE由来のシグナル配列などの他のタンパク質及び/又は他の種由来のシグナル配列で置き換えることができることは、当該技術分野において周知されている。
【0148】
したがって、本発明はまた、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド混合物を提供し、ここで、第1のポリヌクレオチドは、CCR4への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、CCR5及び/又はCCR6への結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含み、ここで、ポリヌクレオチド混合物は、免疫応答を調整するのに適している。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードし、第2のポリヌクレオチドは、CCL5若しくはCCL20、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、又は配列番号20若しくは配列番号26をコードする。
【0149】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチド混合物は、CCR4への結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチド、CCR5への結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチド、及びCCR20への結合に適している第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第3のポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、第1のポリペプチドは、CCL17、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードし、第2のポリヌクレオチドは、CCL5、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、又は配列番号20若しくは配列番号26をコードし、第3のポリペプチドは、CCL20、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする。
【0150】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6又は配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号3、配列番号9、配列番号11、配列番号15~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6又は配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号3、配列番号11、配列番号16~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6又は配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号9又は配列番号15のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0151】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6又は配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号3、配列番号11、配列番号16~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9又は配列番号15に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0152】
アゴニストポリヌクレオチド混合物
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号3に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0153】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号3及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号3に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0154】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは配列番号6を含む核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号3を含む核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号3からなる核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは配列番号9からなる核酸配列を含む。
【0155】
アンタゴニストポリヌクレオチド混合物
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドはMet-CCL17をコードし、第2のポリヌクレオチドはMet-CCL20、Met-CCL5又は配列番号20をコードする。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドはCCL17をコードし、第2のポリヌクレオチドはMet-CCL5又は配列番号20をコードする。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドはMet-CCL17をコードし、第2のポリヌクレオチドはMet-CCL5又は配列番号20をコードし、第3のポリヌクレオチドはMet-CCL20をコードする。
【0156】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11及び配列番号15~配列番号18のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号15に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号17に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0157】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号13又は配列番号17に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0158】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号17に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0159】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号17に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号17に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号17に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含む。
【0160】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11及び配列番号15~配列番号18のうちのいずれか1つからなる核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つ、好ましくは配列番号17からなる核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号15からなる核酸配列を含む。
【0161】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11及び配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つからなる核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11又は配列番号17からなる核酸配列を含む。
【0162】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11からなる核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15からなる核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つ、好ましくは配列番号17からなる核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15からなる核酸配列を含む。
【0163】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11からなる核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15からなる核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つ、好ましくは配列番号17からなる核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号15からなる核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11からなる核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9からなる核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号13からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つ、好ましくは配列番号17からなる核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9からなる核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号11からなる核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9からなる核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号6からなる核酸配列を含み、第2のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つ、好ましくは配列番号17からなる核酸配列を含み、第3のポリヌクレオチドは、配列番号9からなる核酸配列を含む。
【0164】
ポリペプチド+ケモカイン組成物
一部の実施形態では、少なくとも1つのポリヌクレオチド及び少なくとも1つのケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む組成物が提供され、ここで、組成物は、上述のケモカイン混合物及びポリヌクレオチド混合物に相当する。したがって、CCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの1つへの結合に適している第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第1のポリヌクレオチドを含み、またCCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体とは異なるものへの結合に適している第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む組成物が提供され、ここで、組成物は、免疫応答を調整するのに適している。第1のポリヌクレオチドは、上述の任意のポリヌクレオチドであってもよく、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、上述の任意のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体であってもよい。組成物はまた、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする核酸配列を含む第2のポリヌクレオチドを含んでもよく、或いは組成物は、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含んでもよく、ここで、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、CCR5、CCR4及び/又はCCR6のうちの、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体とは異なるものへの結合に適している。第2のポリヌクレオチドは、上述の任意のポリヌクレオチドであってもよく、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、上述の任意のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体であってもよい。
【0165】
したがって、一部の実施形態では、組成物は、第1及び第2のポリヌクレオチドを含み、それぞれが、第1及び第2のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をそれぞれコードし、それらのケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。他の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、第2及び第3のケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。
【0166】
一部の実施形態では、組成物は、表4に示される任意の組合せに従って、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチド、及び第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。第1のポリヌクレオチドは、上述の関連するポリヌクレオチドのいずれかに相当し、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、上述の関連するケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体のいずれかに相当する。
【0167】
【0168】
一部の実施形態では、組成物は、表5に示される組合せのいずれかに従って(ここで、列3は「第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニストの変異体」と表示され、これは、第2のポリヌクレオチドによってコードされたケモカインを含む)、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチド、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含み、また第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする第2のポリヌクレオチドを含むか、或いは第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニストの変異体を含む。第1及び第2のポリヌクレオチドは独立して、上述のポリヌクレオチドのいずれかに相当し、ケモカイン、又はそれらのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体はそれぞれ独立して、上述のケモカイン、又はアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体のいずれかに相当する。
【0169】
【0170】
一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチド、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体、及び第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号3、配列番号11、配列番号16~配列番号18及び配列番号21~配列番号24のうちの1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、95%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5又は配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号8又は配列番号14に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0171】
アゴニスト組成物
一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン又はそのアゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチド、第2のケモカイン又はそのアゴニスト変異体及び第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号21~配列番号24のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のケモカイン又はそのアゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0172】
一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン又はそのアゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、ここで、第1のポリヌクレオチドは、配列番号21~配列番号24のうちのいずれか1つを含む核酸配列を含み、第2のケモカイン又はそのアゴニスト変異体は、配列番号5のアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体は、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0173】
一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン又はそのアゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチド(ここで、第1のポリヌクレオチドは、配列番号21~配列番号24のうちのいずれか1つからなる核酸配列を含む)、配列番号5からなる第2のケモカイン又はそのアゴニスト変異体、及び配列番号8からなる第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体を含む。
【0174】
アンタゴニスト組成物
一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチド、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体、及び第3のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号14に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0175】
一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号17に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は、配列番号12に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号14に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、配列番号17に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有する核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号5に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン、又はそのアゴニスト若しくはアンタゴニスト変異体は、配列番号8に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0176】
一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、ここで、第1のポリヌクレオチドは配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つを含む核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は配列番号12のアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体は配列番号14のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、ここで、第1のポリヌクレオチドは配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つを含む核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は配列番号5のアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体は配列番号8のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、ここで、第1のポリヌクレオチドは配列番号17を含む核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は配列番号12のアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体は配列番号14のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、ここで、第1のポリヌクレオチドは配列番号17を含む核酸配列を含み、第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体は配列番号5のアミノ酸配列を含み、第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体は配列番号8のアミノ酸配列を含む。
【0177】
一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、ここで、第1のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18のうちのいずれか1つからなる核酸配列、配列番号12からなる第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体、及び配列番号14からなる第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体を含む。一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチド(ここで、第1のポリヌクレオチドは、配列番号16~配列番号18からなる核酸配列を含む)、配列番号5からなる第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体、及び配列番号8からなる第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体を含む。一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチド(ここで、第1のポリヌクレオチドは、配列番号17からなる核酸配列を含む)、配列番号12からなる第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体、及び配列番号14からなる第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体を含む。一部の実施形態では、組成物は、第1のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体をコードする第1のポリヌクレオチド(ここで、第1のポリヌクレオチドは、配列番号17からなる核酸配列を含む)、配列番号5のアミノ酸配列からなる第2のケモカイン、又はそのアンタゴニスト変異体、及び配列番号8のアミノ酸配列からなる第3のケモカイン又はそのアゴニスト変異体を含む。
【0178】
核酸構築物混合物
また、上述のポリヌクレオチド混合物及び組成物に相当する核酸構築物混合物も本明細書において提供される。特に、本発明の核酸構築物混合物は、本発明のポリヌクレオチド混合物及び組成物それぞれにおけるポリヌクレオチドに相当する核酸構築物を含む。例えば、ポリヌクレオチド混合物が第1及び第2のポリヌクレオチドを含む場合、核酸構築物混合物は、第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物、及び第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物を含む。ポリヌクレオチド混合物がまた、第3のポリヌクレオチドも含む場合、核酸構築物混合物は、第3のポリヌクレオチドを含む第3の核酸構築物を含む。同様に、組成物が第1及び第2のポリヌクレオチドを含む場合、核酸構築物混合物は、第1のポリヌクレオチドを含む第1の核酸構築物、及び第2のポリヌクレオチドを含む第2の核酸構築物を含む。
【0179】
核酸構築物
また、それぞれが本発明のポリヌクレオチド混合物又は組成物中のポリヌクレオチド全てをコードする核酸構築物が、本明細書において提供される。したがって、本発明のポリヌクレオチド混合物が第1及び第2のポリヌクレオチドを含む場合、核酸構築物は、第1及び第2のポリヌクレオチドの両方を含む。本発明のポリヌクレオチド混合物が第1、第2及び第3のポリヌクレオチドを含む場合、核酸構築物は、第1、第2及び第3のポリヌクレオチドを含む。本発明の組成物が第1のポリヌクレオチドを含む場合、核酸構築物は第1のポリヌクレオチドを含む。本発明の組成物が第1及び第2のポリヌクレオチドを含む場合、核酸構築物は、第1及び第2のポリヌクレオチドを含む。
【0180】
核酸構築物混合物中の上述の核酸構築物はそれぞれ、その中に含まれるポリヌクレオチド(複数可)の発現に必要とされる更なる要素を含んでもよい。例えば、核酸構築物はそれぞれ、ポリヌクレオチドに操作可能に連結されている発現の開始用のプロモーター、及び/又は発現の終結用のポリアデニル化部位を含んでもよい。核酸構築物が1つよりも多いポリヌクレオチドを含む場合、ポリヌクレオチドそれぞれに操作可能に連結されているプロモーターが存在し得るか、又はポリヌクレオチド全ての発現を可能にするような方法で操作可能に連結されている単一のプロモーターが存在し得る。
【0181】
宿主細胞
一部の実施形態では、上述のポリヌクレオチド混合物、核酸構築物混合物又は核酸構築物を含む宿主細胞が提供される。宿主細胞は、原核生物又は真核生物であってもよく、細菌細胞、酵母などの真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞、又は哺乳動物細胞を含み得る。好ましい実施形態では、哺乳動物細胞はヒト細胞である。好ましくは、宿主細胞は、その中に含まれるポリヌクレオチド(複数可)を発現する。
【0182】
医薬組成物
一部の実施形態では、本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、又は宿主細胞を含む医薬組成物が提供される。医薬組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を更に含む。適切な医薬担体は、E. W. Martinによる「Remington's Pharmaceutical Sciences」, 1995に記載されている。医薬組成物の例として、経口、局所若しくは非経口投与用の任意の固体(錠剤、丸剤、カプセル、顆粒など)又は液体(溶液、懸濁液、エマルジョンなど)組成物が挙げられる。
【0183】
一部の実施形態では、医薬組成物は、治療薬若しくは予防薬、及び/又はアジュバントを更に含む。アジュバントは、当該技術分野において既知の任意のアジュバント、例えば、GM-CSF又はG-CSFであってもよい。
【0184】
使用
本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、免疫賦活薬又は免疫抑制薬としての使用のためのものである。特に、本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、免疫応答を調整する制御性T細胞を標的とする。一部の実施形態では、本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、CCR1、4、5、6、及び8若しくはそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは免疫応答の調節不全と関連付けられる疾患又は障害の処置或いは防止における使用のためのものである。一部の実施形態では、処置は、アジュバントとして、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物を使用することを含む。
【0185】
一部の実施形態では、疾患又は障害は、癌、ウイルス感染症、アルツハイマー病、自己免疫疾患、炎症性疾患又は状態、アレルギー或いは免疫応答の調節不全と関連付けられる疾患又は状態である。
【0186】
ウイルス感染症は、HIV感染、HIV/AIDS、HSV感染症、例えば、HSV1若しくはHSV2、インフルエンザ、コロナウイルス感染症、例えば、SARS-CoV-2若しくはSARS様ウイルスなどのヒトコロナウイルス感染症、ヒトサイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、ライノウイルス感染症又はB型若しくはC型肝炎ウイルスであり得る。
【0187】
癌は、前立腺癌、乳癌又はリンパ腫などの固形腫瘍であり得る。
【0188】
自己免疫疾患は、関節リウマチなどの関節炎、クローン病又は慢性閉塞性肺疾患であり得る。
【0189】
免疫応答の調節不全は、アルツハイマー病又は多発性硬化症などの自然応答、又は伝染性単核症などの感染症に対する過剰応答の特徴を有すると考えられる状態を含み得る。免疫応答の調節不全と関連付けられる疾患及び状態はまた、暴走免疫応答と関連付けられる疾患及び状態、例えば、SARS-CoV-2などのサイトカインストームを含む。免疫応答の調節不全と関連付けられる疾患及び状態はまた、関節リウマチ又はCNS又は肺炎症性疾患も含み得る。
【0190】
アレルギーとして、猫アレルギー、イエダニアレルギー及び花粉症が挙げられ得る。一部の実施形態では、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、アレルゲンに対する耐性を誘導するか、又はアレルゲンに対する免疫応答を減少させるように、ネコの毛のアレルゲンなどのアレルゲンとともに注射され得る。
【0191】
一部の実施形態では、本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、免疫応答を低減又は防止するための免疫抑制薬として使用される。これらの実施形態では、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物又は組成物は、活性化された制御性T細胞を標的とし、続いて、それがT細胞応答又は抗体応答などの免疫応答をダウンレギュレートする。したがって、上述のアゴニスト混合物及び組成物は、活性化されたT細胞を標的とし、それらを動員することによって、かかる免疫抑制薬として使用することができる。これらの実施形態では、処置されるべき疾患及び/又は状態は、好ましくは、過剰若しくは暴走免疫応答と関連付けられるものであるか、又は自己免疫疾患、炎症性疾患及びアレルギーである。これらの疾患の具体例は、上述されている。
【0192】
一部の実施形態では、本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、免疫賦活薬として使用される。これらの実施形態では、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物又は組成物は、制御性T細胞を標的とするが、活性化された制御性T細胞の動員を遮断する。このことは、活性化された制御性T細胞のマーカーであるCCケモカイン受容体に拮抗することによるか、又は制御性T細胞のマーカーであるCCケモカイン受容体(例えば、CCR4、CCR8及びCCR6)を刺激させるが、活性化されたT細胞のマーカーであるCCケモカイン受容体(例えば、CCR5)に拮抗することによるものであり得る。この後者の実施形態では、制御性T細胞が動員されるが、それらは活性化されず、その結果、それらは免疫応答を抑制しない。制御性T細胞のこの遮断により、T細胞応答又は抗体応答などの免疫応答が可能となる。したがって、上述のアンタゴニスト混合物及び組成物は、制御性T細胞を標的とし、それらを遮断することによって免疫賦活薬として使用することができる。これらの実施形態では、処置されるべき疾患及び/又は状態は、好ましくは癌、ウイルス感染症又はアルツハイマー病であり、これらの疾患及び状態の具体例は上述されている。これらのアンタゴニスト混合物及び組成物はまた、アジュバントとして使用されてもよく、それにより治療的又は予防的処置によって誘導される免疫応答を高める。
【0193】
処置方法
一部の実施形態では、処置を必要とする患者の処置方法が提供され、ここで、方法は、患者に、本発明による上述のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞又は医薬組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、患者は、ヒト又は非ヒト動物、好ましくはヒトである。一部の実施形態では、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、治療的又は予防的処置として投与される。他の実施形態では、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、アジュバントとして投与される。処置は、上述されるような、CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは異常免疫応答と関連付けられる疾患若しくは障害であり得る。したがって、一部の実施形態では、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞又は医薬組成物は、制御節性T細胞を刺激して、免疫応答を抑制又は防止する。他の実施形態では、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞又は医薬組成物は、制御性T細胞に拮抗し、免疫応答を容認するか、又は高める。
【0194】
投与
本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、当業者に既知の任意の適切な方法によって投与され得る。例えば、投与は、経口的に又は非経口的に遂行され得る。非経口送達の方法として、局所、動脈内、筋内、皮下、髄内、髄腔内、脳室内、静脈内、腹腔内、粘膜又は鼻腔内投与が挙げられる。一部の実施形態では、例えば、関節炎の処置において、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、処置されるべき関節に直接注入されてもよい。一部の実施形態では、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、アレルギーの処置又は防止のためのものである場合、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、エピペンのスタイルで皮下注射されてもよい。ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物が、サイトカインストームと関連付けられる呼吸器疾患(例えばSARS-CoV-2及びインフルエンザ)の疾患又は状態の処置のためのものである実施形態では、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、吸入器を用いて肺に投与されてもよい。
【0195】
本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物が予防的処置として使用される場合、それは少なくとも1回、少なくとも2回又は少なくとも3回投与されてもよく、投与はそれぞれ、少なくとも1週間、少なくとも2週間又は少なくとも3週間空けてもよい。好ましくは、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞又は医薬組成物は2回投与され、投与はそれぞれ、3週間空けてもよい。
【0196】
ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物が治療的処置として使用される場合、それは毎週1回、2週毎に1回、3週毎に1回、又は毎月1回投与されてもよい。例えば、ケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞及び医薬組成物は、疾患若しくは状態の発生又は診断時に投与されてもよく、その後、維持スケジュールで2週毎に投与されてもよい。
【0197】
薬剤の製造における使用
一部の実施形態では、本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞又は医薬組成物は、薬剤の製造において使用される。薬剤は、上述されるように、CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは異常免疫応答と関連付けられる疾患又は障害の処置或いは防止における使用のためのものであるか、或いは免疫賦活薬又は免疫抑制薬としての使用のためのものである。
【0198】
キット
一部の実施形態では、本発明のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物、核酸構築物、宿主細胞又は医薬組成物を含むキットが提供される。キットは、上述されるように、CCR1、4、5、6、及び8又はそれらの結合性ケモカインのレベルの変化を特徴とする疾患又は障害、或いは異常免疫応答と関連付けられる疾患又は障害の処置或いは防止における使用のものであってもよく、或いは免疫賦活薬又は免疫抑制薬としての使用のためのものである。
【0199】
一部の実施形態では、キットは、本発明の既製のケモカイン混合物、ポリヌクレオチド混合物、組成物、核酸構築物混合物又は医薬組成物を含む。他の実施形態では、キットは、別々の容器中に別々のケモカイン、ポリヌクレオチド又は核酸構築物を含む。続いて、本発明の混合物及び組成物は、適切な量のケモカイン、ポリヌクレオチド又は核酸構築物それぞれを一緒に混合することによってキットから調製される。キットはまた、適当な量で混合物又は組成物と組み合わせることができる薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含み、医薬組成物を形成し得る。
【実施例】
【0200】
実施例1
ヒトヘルペスウイルスHHV-6A及びHHV-6Bは、宿主ゲノムのテロメア領域において組み込むことができ、ヒト集団の約1%に、ほぼ等しい比率:HHV-6A 0.2%及びHHV-6B 0.4%で組み込まれる(Tweedy, 2016 #18)。これらは古代の事象のようであり、メンデルの遺伝系譜につながっており、したがって、これらの組込みは内因性ウイルスゲノムのよう見える。染色体に組み込まれた遺伝性ヒトHHV-6B(iciHHV-6B)ゲノムは、循環性ウイルスHHV-6Bと同時分離するようである一方で、染色体に組み込まれた遺伝性HHV-6A(iciHHV-6A)ゲノムは別個であるようである(Tweedy, 2015、Tweedy, 2016、Greninger, 2018)。ディープ次世代シーケンシングによる本発明者等の解析により、染色体17pのテロメアにおける組込み事象に関連する最古の系譜の1つが示された。驚くべきことに、ゲノムの本発明者等の解析により、全ての遺伝子が無傷であること、及びウイルスの複製に必要とされる既知のシス作用性配列が示された。本明細書において記載されるように、コードされる免疫調節遺伝子は、意外にも別個の特性を有する新規のスプライシングされた産物を有するものを含む(
図2に示されるような)。
【0201】
循環性HHV-6Aウイルスにおいて、U83A遺伝子はケモカイン様分子をコードし、それは一連のヒトケモカイン受容体との相互作用を介して、特有の特異性で免疫細胞走化性を媒介し得る(Catusse, 2009、Catusse 2007、Clark, 2013、Dewin, 2006)。この特異性は、任意の他のヒトケモカイン又は微生物ペプチドの特異性とは異なっていた。本発明者等は、組み込まれたゲノムがホモサピエンス又はヒト科の祖先に感染した祖先ウイルスに由来する場合、免疫調節遺伝子は別個である可能性があると仮定した。本発明者等は、免疫調節遺伝子であるケモカインU83Aにおいて、遺伝子構造がゲノムにわたって維持されていることを見出した一方で、本発明者等は意外にも、iciHHV-6A、iciU83Aにおいて(
図1)、転写物が異なり(cDNA、
図2)、変化したタンパク質産物をコードしていることを見出した(
図2)。
【0202】
循環性ウイルスU83A遺伝子は、TACC内の異常なダイレクトリピート配列CT-AC内に含有されるノンカノニカルスプライスドナー及びアクセプター部位を使用してスプライシングされる(French, 1999、Tweedy, 2015)。iciHHV-6Aゲノムにおいて、これらのシス作用性要素は維持されているが、暫定的なスプライスアクセプター部位の近位に別個の非同義SNPが存在し、これがアクセプタースプライシング配列のコンセンサス部位に影響を及ぼし、したがって、異常なスプライシング事象を崩壊させるよう配置されていた(
図1)。更に、本発明者等の先の結果により、心臓病を患う2名の個体において発現された完全長のスプライシングされていない転写物及び組み込まれたiciHHV-6Aに関する証拠が示されている(Tweedy, 2015)。したがって、いかなるスプライシング事象もiciHHV-6Aにおけるこの遺伝子座で行われたかどうかは明らかでなかった。これは、完全長遺伝子産物のみが示されているiciHHV-6Aに関する最初のゲノム配列について本発明者等のアノテーションにおいて示されている(HHV-6AについてはNCBI NC_001664.4参照ゲノム配列、及びiciHHV-6AについてはKT895199.1)。意外なことに、ウイルスでは完全長U83Aが完全シグナル配列をコードし、成熟した分泌産産物を生じるが、これは実際には、循環性ウイルスではめったに発現されない。このことは、フレームシフト突然変異を付与することによって遺伝子の発現を崩壊するポリTトラクトにおける変異に起因し、したがって、シグナル配列は作製されず、産物は分泌されない。しかしながら、iciHHV-6Aゲノムでは、iciU83A遺伝子は遺伝的に固定され、固定長のポリTトラクトを有する完全シグナル配列をコードする(Tweedy et al., 2015)。更に、いかなるスプライシングもこの祖先iciU83A遺伝子で行われたかどうかは明らかでなかった。循環性ウイルス遺伝子発現に関するRNAseqを使用したトランスクリプトミクス解析により、U83遺伝子座へのスプライシングされたアンチセンス転写物マッピング又は組み込まれたiciHHV-6A/Bゲノムにおける制限された遺伝子発現のみが同定され、遺伝子制御に関与する最初期遺伝子で構成されており、U83Aについて更には記載されていなかった(Peddu;, 2019)。ウイルスケモカインに関する先の概説は、制限された遺伝子発現に注目し、またiciHHV-6Aゲノムを保有する人々において同定された転写物におけるスプライシングU83Aの欠如にも注目し、2つのiciHHV-6が組み込まれたゲノムを言及している本発明者等のこれまでのゲノム解析を言及しており、U83Aの完全長転写物発現は、2名の患者ドナーにおいてのみ検出された(Pontejo et al., 2018、Tweedy et al., 2015)。
【0203】
本発明者等は、トランスフェクトされた細胞における個々の遺伝子発現をin vitroで研究することによって、本明細書において記載されるように、組み込まれたU83A遺伝子(iciU83A)が発現及びスプライシングされ得ることを示した。これは、ゲノム予測を使用することによって、また細胞にトランスフェクトされた発現ベクターにおけるciU83A遺伝子のcDNA解析によって同定され、次にRT-PCR、続く配列決定を使用して特性化された。これにより、iciHHV-6A個体のこれまでのin vivoでの特性化及び細胞の特性化にもかかわらず、またスプライスドナー部位の近位にあるSNPにもかかわらず、非コンセンサススプライシングを利用することができることが示された(
図2)。この突然変異は、ウイルスでは、組み込まれた完全長ヒトiciU83A遺伝子においてGAT(Asp)からGGT(Gly)へのコード突然変異を引き起こす(
図1及び
図2)。更に、驚くべきことに本発明者等は、スプライシングに起因したフレームシフトからのこの同じコード突然変異が、ウイルスU83A遺伝子の切断型であるU83A-Nに至ったスプライシングされた終止コドンを正確に崩壊させる(それのみが分子のコードされるN末端の半分を含むため)ことを見出した(
図2)。
【0204】
ウイルスゲノムでは、U83A及びU83A-Nは、それぞれ、スプライシングされた遺伝子からの完全長及び切断型タンパク質産物をコードする(Dewin et al., 2006)。これらは、U83Aケモカインの対のアゴニスト及びアンタゴニスト型として機能し、ウイルス拡散又は免疫回避のためのウイルス複製部位への免疫細胞誘引を調整する中心となる。驚くべきことに、染色体に組み込まれたヒトHHV-6A(iciU83A)では、スプライシングされた産物を、この部位で切断することはできない。代わって、それはここでは下流の終止コドンまで伸長し、伸長された切断産物iciU83A-Nを生じる(
図2)。これはここでは、8個のアミノ酸の疎水性タグを有する(
図2)。これは、膜と結合するか、又は多量体を媒介するよう作用することができ、安定化及び提示の変化を引き起こす。
【0205】
スプライシングされた産物は、個別の機能性ドメインを有する。本発明者等はこれまで、コードされたN末端ドメインがケモカイン受容体相互作用の特異性を決定づけることを実証してきた(Dewin et al., 2006)。これは、17アミノ酸ペプチド領域に描出することができ、CCR2とCCR5との相互作用間の特異性の決定因子は、単一のアルギニン残基によって決定される(Clark et al., 2013)。iciU83A-N分子において、このN末端ドメインは、依然として無傷のままであり(
図1及び
図2)、これまでに規定されたように受容体特異性を表している。実際に、スプライシングされたウイルスU83A-N分子と完全長U83Aとの比較では、受容体特異性は全て維持され、C末端シグナル伝達ドメインのみが、スプライシングされた切断型分子において抑止された。この機能性N末端ドメインはまた、iciU83A-N分子においても保存されており、コードされるN末端結合性ドメインは完全に無傷であるが、C末端シグナル伝達ドメインは除去されている。しかしながら、驚くべきことに、iciU83A-N分子は切断されているだけでなく、それは疎水性伸長を構成する8個のアミノ酸のC末端伸長も有する(
図2)。これは、芳香族残基リッチなドメインで構成されており、それは複数のトリプトファン残基を介して、膜結合及び分子の特有な多量体形成を増加することができる。かかるトリプトファンの「タギング」は、共有結合ペプチドの安定性及び多量体形成を実験上増加させ、また脂質膜相互作用を崩壊させ、殺菌活性を高め、多量体形成を促進した(Kamei et al., 2018、Singh et al., 2017、Yau et al., 1998)。したがって、iciU83A-Nコードされた分子におけるこの疎水性C末端タグは、他のウイルスコードされたケモカイン分子よりも優れた別個の活性を提供する。
【0206】
維持されたN末端ドメインに由来する報告されている特異性は、CCR1、4、5、6及び8受容体を標的とすることを含む(Catusse et al., 2009、Catusse et al., 2007、Dewin et al., 2006)。この特有の組合せにより、特にCCR4及びCCR6を介して、免疫抑制性T制御因子リンパ球の標的が可能となる。ヒトCCR6は、CCL20に対して単一特異的である。したがって、CCR6を含む受容体相互作用の拡張は、iciU83A-N分子の特有の特性である。iciU83A-Nの特有の用途は、これらの受容体のアンタゴニストとして作用する能力にある。これは、C末端シグナル伝達部分が存在しないためである。CCR4の拮抗作用は特に、標的抗原に対する免疫力を高めるための新しいメカニズムとして実証されており(Bayry et al., 2008)、腫瘍微小環境を変化させることによって腫瘍に対する免疫反応性を明らかにする上でも有用である(Vilgelm et al., 2019)。
【0207】
iciU83A及びiciU83A-N遺伝子は、幾つかの異常なシス作用性の特徴を有する。本発明者等はこれまでに、ウイルスU83A遺伝子がN末端コード領域に対するポリTモチーフを有することを示してきた。このことは、T塩基の数の変動がフレームシフト突然変異を引き起こす可能性があり、それが、コードされたペプチドの未熟終結を引き起こし、それによりU83A遺伝子の発現を制御するため、遺伝子の5'末端の不安定性を生じる(
図1)(Dewin et al., 2006、Tweedy et al., 2015)。これは、ヘルペスウイルスDNA編集メカニズムによって制御されているようであり、これが多数のヒトヘルペスウイルスにおける変異を促進する。例えば、単純ヘルペスウイルス、ヒトアルファヘルペスウイルス1型及び2型では、DNA編集は、ポリC又はGトラクトで行われ、これはこのGCリッチなゲノムで起こる可能性があり、これらは、ホモポリマートラクトにおける個体差に起因して生じるホモポリマーフレームシフト突然変異(HFM)を引き起こし、対照的に、ATリッチゲノムを有するHHV-6では、HFMはここではポリTトラクトにおいて行われる(Tweedy et al., 2016、Tweedy et al., 2017、Dewin et al., 2006、Tweedy et al., 2015)。ポリT塩基のインフレームセットを有する場合のみ、完全遺伝子を発現させることができ、それは次に、小胞体への同時翻訳挿入に必要とされるN末端シグナル配列をコードし、続いて成熟U83Aケモカイン様分子の分泌のための切断及びプロセシングが行われる。循環性ウイルスでは、ほとんどがポリTトラクトを介してU83A遺伝子を崩壊させているため、これは稀な変異体であり、これが単独感染中に変化する可能性があるという証拠が提示されている(Dewin et al., 2006、Tweedy et al., 2015)。しかしながら、ウイルスとは異なり、サブテロメア/テロメア領域にある17p遺伝子座にて組み込まれたciU83AゲノムであるiciHHV-6Aの組み込まれたゲノムのみが、完全長ciU83A分子が産生されるのを可能にするポリTトラクトを有する。ディープシーケンシングにより、これは循環性ウイルスとは異なり、優勢又は唯一の形態であることが示される(Tweedy et al., 2015、Tweedy et al., 2015、Tweedy et al., 2016、Tweedy., 2017)。この形態iciU83Aは、非同義SNPを2つのみ有しており、循環性ウイルスU83Aと比較してコードの変更をもたらす(
図2)。これらの一方はN末端領域に存在するが、外因性ウイルスにおける自然変異の一部である(Clark et al., 2013)。2つ目は、スプライスアクセプター部位の近位での突然変異である(
図2)。N末端領域がウイルスU83Aと比較して維持されるため、これは受容体特異性の共有を示している。C末端シグナル伝達ドメインのみが、この単一の非同義突然変異を有する。
【0208】
株変異体及び他の組み込まれたウイルスゲノムにおけるポリTトラクトの長さの解析により、ポリTトラクトが崩壊されている場合にのみ、完全長遺伝子を安定化することができることが示されている。したがって、本発明者等は、遺伝子を、完全長のコードされる機能性型で固定するために、同じコドン使用及びコーディング能力を保持しながら、このポリTトラクトを突然変異させた。本発明者等は、これが遺伝子を、機能性型で固定し、シグナル配列をコードし、その結果、成熟産物が分泌され得ることを発見し(
図1)、本発明者等はここで、それをiciU83A及びiciU83A-Nに関する機能のために導入した(配列番号17、配列番号21及び配列番号23、
図6a)。
【0209】
U83A及びiciU83Aは、遺伝子発現に影響を及ぼすそれらの遺伝子構造における2つの他の新規特徴を共有している。まず、ともに、この遺伝子にとって新規であるダイレクトリピートTACCを含有している。更に、TACCモチーフは、非コンセンサススプライスドナー及びアクセプター対CT-ACの一部を成し、本発明者等はこれまでにそれを、崩壊されたより小さな遺伝子産物において同定した(French et al., 1999)。しかしながら、循環性ウイルス遺伝子U83Aにおけるスプライスドナー/アクセプター対は、ヒト細胞系において個別に発現された場合にそれがスプライシングされるため、細胞スプライシング装置によって、おそらくマイナースプライセオソームを介して認識される(French et al., 1999、Lin et al., 2010)。これらの特徴はともに、iciU83A遺伝子中に存在するが、予測されるスプライシング効果は完全に異なる。U83A遺伝子は特徴的に、スプライス部位に終止コドンを導入するようスプライシングされ、完全長産物の半分のサイズの切断型U83A-N産物を生じる。しかしながら、この終止コドンであるTGAは、iciU83A-NにおいてTGGに突然変異され(
図1及び
図2)(一方で、完全長iciU83A遺伝子とインフレームで、これはコード突然変異Asp-Glyを生じる、
図2)、これはスプライスアクセプター部位の近位に存在するため、スプライシングを崩壊させる可能性もある。
【0210】
本発明者等は、ヒトサイトメガロウイルスIE遺伝子プロモーター及びSV40ウイルスポリアデニル化部位を含有するプラスミドDNA発現ベクターを使用して、この産物をクローニングし、トランスフェクション試薬を使用して細胞系HEK293に形質導入した。RNAを抽出した後、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって解析した。結果により、このスプライスドナー部位が利用され、更にスプライシングされた産物が、前の終止コドンの部位をリードスルーし、上述されるようにコード領域を異常にも8アミノ酸伸長させることが示された(
図3及び
図4)。
【0211】
循環性ウイルスにおいて、コードされる完全長U83Aは、遺伝子を崩壊させるポリTトラクト、並びに完全長産物を切断する非コンセンサス細胞スプライシングの両方による制御に起因して稀である。感染の後期では、スプライシングを抑制することができ、完全長遺伝子産物のリードスルーをもたらす(Dewin et al., 2006、Tweedy et al., 2015)。循環性ウイルス遺伝子発現によって発揮される制御の非存在下でこの効果をシミュレートするために、ダイレクトリピート及びスプライスドナー/アクセプター対の両方を突然変異させることができる。これは、本明細書において示されるように、コドン使用及びコーディング能力の両方を維持しながら、iciU83A遺伝子に対して行われた。配列番号21~配列番号23において、本発明者等は、本明細書において記載される使用のために発現を安定化させるよう完全長iciU83Aを改変した。配列番号21はN末端の不均一性を除去し、配列番号22はスプライシングを防止し、配列番号23はN末端の不均一性を除去し、且つスプライシングを防止する。したがって、これらの産物はここで、Pontejo et al. 2018で概説されるように、及び以下に示されるように免疫刺激の有用性のために、不均一性を除去するよう(配列番号21及び配列番号23)、又は完全長型を固定するよう(配列番号22及び配列番号23)を一意的に固定されている。
【0212】
上述されるように、組み込まれたiciHHV-6Aゲノムは、ヒト宿主のAT組成偏りとは異なるAT組成偏りを保持する。偏った組成がヒト宿主の組成と適合される場合、タンパク質発現の増加が、他のウイルス遺伝子について実証されている。これを行うため、本発明者等は、最新のコンパイル及び予測プログラムに従い、U83A及びiciU83A、並びにU83A-N及びiciU83A-NのcDNAの両方について、コドン使用をヒトゲノムのコドン使用に適合するように変更した(HIVE dbとしての公開データベースを利用することを含む)。次に、これらを更に改変して、ポリTトラクト、並びにTACCモチーフの任意の残部及び非コンセンサスドナー/アクセプター部位を調節した。最適な発現タンパク質濃度が例えば本明細書において記載される(
図6a)使用に必要とされる場合、配列番号24に、これらの遺伝子構築物を使用することができる(配列番号24は、N末端の不均一性を防止し、TACCダイレクトリピートを崩壊させ、スプライスドナー/アクセプター部位を除去して、最大化したヒトコドン使用を有する安定な完全長アゴニスト形態で遺伝子発現を固定するよう突然変異させたiciU83Aを示している(HIVE dbを使用することを含む))。
【0213】
実施例2
iciU83A-Nに由来する新規ウイロカイン(本明細書において「VTL1」、「VIT1」又は「VIT」と称される)並びにCCL5、CCL17及びCCL20を含む新規ケモカインカクテル(本明細書において「VTL3」と称される)の、免疫調節因子及び免疫療法薬としての有効性を評価するために、防御免疫の誘導又は阻害に対する効果を区別するようこれらを感染性疾患の前臨床モデルで治験を行った。
【0214】
急性疾患、潜伏、再発及びウイルス感染に対する応答の調節におけるケモカインカクテルVTL3(即ち、成熟CCL5(配列番号2)、成熟CCL17(配列番号5)及び成熟CCL20(配列番号8)の混合物)の有用性を評価するために、モルモットモデルを使用してアッセイを行った。
【0215】
2.1 材料及び方法
ウイルス
チャレンジウイルスは、記載されたように(Bernstein 1986)、初代ウサギ初代腎臓細胞を低継代で繁殖させ、続いてウサギ腎臓細胞単層で滴定したHSV-2株MS(ATCC-VR540)(Gudnadottir 1964)を使用した。
【0216】
ワクチン
HSV2サブユニットタンパク質ワクチンは、G. Cohen(ペンシルベニア大学)によってSf9(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda))細胞(GIBCO BRL社)から製剤化されたように切断型gD2(306)から構成され、これを、Willis 1998に記載されているように、このgD2タンパク質を発現する組換えバキュロウイルスに感染させた。Bourne 2003においてこれまで記載されたように、gD2タンパク質5μgを、水性製剤として作製され(Ballridge 1999)、且つgD2タンパク質に添加するまで4℃で保管されたアジュバントMPL(Sigma-Aldrich L6895)50μgと混合し、水酸化アルミニウム500μg、アルハイドロゲル(Alhydrogel)(Accurate Chemical & Scientific社)に吸着させた。gD2タンパク質はまた、滅菌生理食塩水中でケモカインCCL5、CCL17及びCCL20(Peprotech社)とともに製剤化した。CCL5、CCL17及びCCL20のこの混合物を、本明細書においてVTL3と称する。
【0217】
VTL1ワクチンについて、gD DNA(本明細書においてVTL2gDと称される)200μgを、VTL1(配列番号17)100μgとともに製剤化した。VTL1をコードするDNA構築物(突然変異されたiciU83A-N、配列番号17)を、記載されるように0.25%ブピバカインとともに製剤化した(Bernstein, 1999 #120)。
【0218】
DNA免疫化は、gDをコードするHSV2糖タンパク質遺伝子の製剤を含み、ヒトCMV転写5'エンハンサー、プロモーター及び開始部位、またSV40 3'ポリアデニル化部位(Origene社)を含有するpCMV6neo発現プラスミドベクターで構築された独立したプラスミドから、ヒトCCL5遺伝子が合成、配列検証及び発現された。
【0219】
動物
病原体を含まない雌Hartleyモルモット(Charles River Laboratories社)を使用した(250~350g)。
【0220】
免疫化
予防ワクチンVTL3を評価する際、n=12匹/群のコホートを下記の通りに使用した:群1-ワクチンなし、群2-gD2タンパク質5μg+MPL/アラム、群3-gD2タンパク質5μg+VTL3(CCL5、CCL17及びCCL20それぞれ5μg、エンドトキシンを含まない、Peprotech社)、群4及び5-完全長HSV2 gD DNA(VTL2gD 200μg)をVTL1 DNA(群4)又はCCL5 DNA(群5)100μgとともに含有する発現プラスミドのDNA製剤。DNA免疫化は全て、Bernstein, Tepe et al., 1999に記載されるように、0.25%ブピバカイン中で製剤化された。免疫化は全て、筋内に、即ちi.m.で注射し、続いて3週置いた後に同一のブーストを行った。
【0221】
ウイルスチャレンジの前臨床モデル
ウイルスチャレンジの前日に、足の爪を切ることによって動物を出血させ、続いて分離した血清を-20℃で保管した。2回目の免疫化の3週後、Bernstein 2010に記載されるように、動物にウイルスを膣内に、即ちi.vag.でチャレンジした。ウイルスチャレンジについて、急性及び再発性疾患、急性及び再発性のウイルス複製、潜伏感染の樹立及び中和抗体の発達に対する効果によってアッセイされたようにワクチン製剤由来の免疫の誘導又は阻害の証拠を検査するために、アルギン酸カルシウムで湿らせた綿棒を使用して、HSV2株MSの106個のプラーク形成単位PFUのウイルス懸濁液0.1mlを投薬して、膣閉鎖の破裂を通じて動物にウイルスを接種した。Stanberry 1987に記載されたように、子宮頸膣部分泌物を、接種後(PI)1、2、3、8日目にスワブで収集した後、BME(GIBCO社)及び10%FBS(Hyclone、Thermo Fisher Scientific社)中で培養されたウサギ腎臓細胞に関するウイルスPFUのアッセイ用に保管した。
【0222】
モルモットをそれぞれ、毎日検査して、原発性生殖器皮膚疾患についてスコアリングを行った。スコアリングスケールは0から4であり、0は疾患なし、1は発赤又は腫脹、2は1個~3個の小さな小胞、3は3個を超える大きな融合病変、4は浸軟を伴う幾つかの大きな潰瘍を示した。動物はまた、ウイルスチャレンジ後14~63日目から評価し、病変日数をスコアリングして、また合計することによって任意の再発性ヘルペス性病変を検出し、並びに週に3回の膣スワブによってウイルスの再発性シェディングを評価した。スワブは、ウイルスシェディングに関するマーカーとしてPCR解析用に加工処理されるまで、-80℃で保管した。研究の完了時に、モルモットを屠殺し、後根神経節(DRG)を無菌状態で取り出し、潜伏ウイルス感染の証拠についてのPCRによる評価のためのDNA抽出まで-80℃で保管した。
【0223】
中和抗体アッセイ
血清試料は、96ウェルマイクロタイタープレートにおいて1ウェルあたり50μlで段階2倍希釈で調製した。次に、3log10のPFUを含有するHSV-2株MS 50μlを各ウェルに添加した後、5log10のBHK細胞の懸濁液0.1mlとともに37℃で1時間インキュベートした。プレートを5%CO2のインキュベーター中で37℃にて3日間インキュベートした。培養培地を取り出し、細胞をクリスタルバイオレットで染色し、洗浄し、ウイルスプラークについて検査した。有効な中和力価を、CPE、細胞変性効果からの100%の防御を示すウイルスプラークなしの最大血清希釈の逆数として決定した。
【0224】
PCRによるウイルスDNAの定量化
PCRによるDNA定量化は、膣スワブ及びDRG DNAで実施した。DNA抽出は、Bernstein et al 2010に記載されるように、2%FBS BME 500μl中の氷上で均質化した組織及び膣スワブ培地中のスワブを使用して、製造業者のプロトコールに従ってQIAamp DNAミニキット(QIAGEN社)を使用して行った。ウイルス複製を検出するために、Jerome 2002及びBernstein 2010に記載されるように、各PCR反応において精製DNA 50ng、各プライマー100pmol、反応容量25μl中のPromega Masterミックス(PROMEGA社)を用いて、gB遺伝子を、2組のプライマーを使用した35サイクルのPCRによって増幅した。
【0225】
統計
統計は、種々のワクチン処置対ワクチンなしに対する多重比較についてDunnett検定を使用して一元配置ANOVAで、Graphpad Prismを使用してin vivoでの例全てについて実施した。非ガウス分布の場合、ウィルコクソン検定を使用したノンパラメトリック比較を使用した。有意性は、P値<0.05(*)、<0.01(**)、<0.001(***)とした。免疫化を、ワクチンなしの対照と比較した。フィッシャーの正確検定は、両側比較で発生率データに使用された。
【0226】
2.2 結果
急性疾患の発生率及び重症度
図5及び
図6は、それぞれ、日毎の平均病変スコア及び総平均病変スコアを示す。
図5aは、経験した総病変が、陰性対照と比較してVTL1免疫化動物において有意に低減又は排除されたことを示している。免疫化なしのものは、0.67(SD 1.48)の陽性対照gDタンパク質ワクチン、及び0.33(SD 0.62)の免疫原製剤VTL2gD+VTL1イムノモジュレーターのVTL1ワクチンと比較して、8.29(SD6.57)の重症度に関する平均総病変スコアを有した(接種の4~14日後)。これらの結果は、gDサブユニットタンパク質陽性対照免疫化よりも良好であり、陰性対照と比較して非常に有意でほぼ完全な防御を示した(p<0.0001)。gDサブユニットタンパク質は、ワクチンとして臨床試験が行われており、部分的な防御を示し、したがって、この陽性対照を使用して、免疫化製剤全てを比較する。これらはまた、類似したプロトコールを使用して単独で発現された完全長HSV2gD2プラスミドを使用したこれまでの実験よりも著しく改善され、それはその実験の陰性対照の5.9(+/-0.5)と比較して、2.7(+/-0.7)の総病変スコアを示した(Strasser et al 2000)。
図6aはまた、陰性対照と比較してVTL1で免疫化した動物について、有意に低減された総平均病変スコアを示し、VIT1ワクチンは、ほぼ完全な防御を示している。したがって、染色体に組み込まれたウイルスにコードされたヒトケモカイン様分子であるウイロカインのcDNAを含有するVTL1 DNAワクチンは、臨床試験でこれまでに使用されたアジュバント入りのサブユニットタンパク質ワクチンの防御を超える効率的な防御を示した。
【0227】
図5b及び
図6bは、VTL3が免疫化動物において日平均病変又は総平均病変を有意に減少させないことを示している。したがって、VTL3は、急性感染に対するgD2(陽性対照)によって誘導された免疫を遮断する。VTL3ワクチン処置は、gDのみのタンパク質ワクチンと比較して、gDを有するVTL3製剤と関連付けられる有意に低減されたスコアによって示される、gDによって誘発された免疫応答を除去した。
【0228】
ウイルスの膣複製に対する効果
ウイルスチャレンジ後の病変発達に対するgDを有するVTL1及びVTL3製剤によるgDによる免疫化の効果に関する結果を、原発性疾患中のウイルスシェディングに対する効果と比較した。VTL1について、有意に低減された膣ウイルス量の解析は、示された疾患防御と相関し、gDのみのタンパク質製剤(陽性対照)と類似してウイルスシェドの対数減少に近い。陽性対照(gD2/MPL-Alumタンパク質製剤)。ウイルスチャレンジの8日後までに、VIT1ワクチン製剤は、ほぼ全ての動物において検出不可能なレベルにまでウイルスシェディングを有意に減少させた(p<0.01)(
図7a)。
【0229】
対照的に、ウイルスチャレンジの2日後でさえ、VTL3ワクチンは、陽性対照(gDのみ、mpl/アラムとともに製剤化)で観察されたウイルスシェディング効果の低減を完全に遮断した(
図7b)。ウイルス複製を防止するためのgDに対して誘導された免疫が遮断される。
【0230】
再発性疾患に対する効果
in vivoでの前臨床HSV2モデルは、ワクチン製剤による2回の免疫化スケジュール後、ウイルスチャレンジの63日後まで追跡を延長した。HSV2感染のこのモルモット前臨床モデルでは、急性一次感染のクリアランス後、ウイルスは潜伏から再賦活し、ヒトにおいて見られるような再発性疾患を引き起こし得る。試料に対して実施されたアッセイとして、膣シェディングスワブのDNA PCR及び潜伏感染に関する部位、即ち、後根神経節(DRG)及び脊髄のDNA PCRが挙げられる。有効性評価項目は、再発性疾患、無症候性シェディング及び潜伏ウイルス負荷量に対する効果であった。検出限界を、0.7log pfu/mLでのウイルス定量化及び0.5logのマイクログラムコピーDNA/mlでの検出限界未満の検出不可能なqPCRに関してマークし、測定した。したがって、VTL3は、gDタンパク質によって誘導され得る防御免疫を遮断することが可能であったが、ここで再発性感染症に対する免疫も遮断するその能力を検査して、VIT(本明細書において「VTL1」とも称される)と比較した。
【0231】
再発性病変及び病変日数における効果
疾患再発に対するワクチン(VTL3)処置の効果を、HSV2ウイルスによる感染チャレンジの15日後から63日後に解析した。累積日病変をプロットし、個体1人あたりの総平均病変スコアを比較した。
【0232】
これにより、VTL2gD DNAワクチンはVIT1と組み合わせた場合にのみ再発性疾患を防止することができることが示され、再発性疾患を防止する免疫を誘導する治療薬としてのVIT1(即ち、VTL1)の有用性を実証した。明らかに、VTL2gD DNA免疫化へのVIT1ケモカインDNAの添加は、再発性病変の有効な制御を誘導した(p<0.05)。これは、陽性対照gDタンパク質サブユニットワクチン製剤(p<0.01)に類似しており、臨床的有用性を示した(
図8a及び
図9a)。VTL2gD DNA+VIT1及びgDタンパク質サブユニットワクチン製剤(陽性対照)はともに、疾患を有するものにおける病変日数を低減し(
図8a)、その一方でほとんどの動物が任意の疾患の再発から完全に防御された(7/12、58%、
図9a)。
【0233】
対照的に、
図8b及び
図9bは、gD免疫原の存在にもかかわらず、陰性対照(ワクチンなし)と比較して、病変日数を低減するか、又は再発性病変の数を有意に低減させる免疫の誘導が見られなかったため、VTL3+gD製剤による免疫化がこの効果を除去したことを示している。対照的に、陰性対照(ワクチン処置なし)と比較して、病変日数の増加が見られた(
図8b)。
【0234】
無症候性シェディングによって示されるウイルス再賦活に対する効果
ワクチン処置の効果は、ウイルスチャレンジの20日後のウイルス再賦活に関する証拠の後に、再発性ウイルスシェディングに関する低減について検査した。これを行うために、定量的PCRによって膣スワブにおいてアッセイされたDNA量をウイルス分泌の代替物として使用した。
【0235】
ワクチン接種していない動物と比較したワクチン接種した動物における、再発性シェディング事象における再賦活されたウイルス及び総平均量の解析を実行した。gDタンパク質サブユニットワクチンは効果がなかったのに対して、VTL2gD DNA+VIT製剤についてウイルスシェディングの低減の傾向が見られ、VIT1ワクチンを付与した動物は、量全体のほぼ半分(p=0.1)及びシェディング事象の3分の1(20%が14回の再発にまで低減された)を有していた。この低減は、陽性対照(gDのみのタンパク質ワクチン)と比較して有意であった(
図10a)。
【0236】
VIT1+gD免疫効果とは対照的に、VTL3+gDの免疫化は、このワクチンが陰性対照と比較して再発性シェディングにおいて有意な変更を示さなかったため、ウイルスシェディングに対して効果がなかった(ワクチンなし、
図10b)。
【0237】
潜伏ウイルス負荷量への効果
後根神経節(DRG)及び脊髄における部位にある潜伏の樹立に対するVIT1+gD及びVTL3+gD製剤による免疫化の効果をアッセイした。研究の終了時に、ウイルスチャレンジの63日後に、存在するDNAを、潜伏のこれらの部位でqPCRを使用して定量化した。ウイルス分泌の傾向と同様に、総平均DRG量の解析により、陽性対照及びVTL2gD DNA+VIT1ワクチンは、陰性対照と比較して免疫を有意に誘導してレベルを低減させ、VTL2gD DNA+VIT1ワクチンはp<0.01で量を半減することが示された(
図11a)。gD DNA+VIT1で処置された動物の半数を上回って、ワクチンが付与されなかった動物の20%未満と比較して、DRGにおいて検出可能なDNAから防御された(
図12a)。
【0238】
対照的に、VTL3+gDワクチン製剤による免疫化は、DRG潜伏DNA量を有意に低減させず(
図11b)、VTL3は、DRGにおいて検出可能なDNAを低下するよう免疫を誘導しなかった(
図12b)。陰性対照でさえ、動物によっては免疫化なしの自然感染後に潜伏から防御され、この効果はVTL3による免疫化によって除去されることを示した。
【0239】
脊髄において検出された潜伏DNAの解析により類似の効果を示し、陽性対照(gDタンパク質サブユニット)及びVIT1+gDワクチン製剤はともに、免疫を有意に誘導して、脊髄における潜伏DNA量(p<0.05、
図13a)、並びに潜伏ウイルスDNAを保有する動物の数(
図14a)を低減させた。
【0240】
対照的に、VTL3は、陽性対照で見られた脊髄における潜伏DNA量の有意な低減を完全に抑止した(p<0.05、
図13b)。更に、潜伏感染DRG解析で示されるように、既知の効率的な免疫原gD2タンパク質への曝露にもかかわらず、VTL3で処置された動物は全て、陰性対照(ワクチンなし)と同じ潜伏感染を樹立していた(
図14b)。したがって、VTL3を有するgD2免疫原の製剤は、この前臨床モデルにおいて免疫の誘導全てを完全に阻害した。
【0241】
中和抗体の誘導に対する効果
VIT1及びVTL3 gD免疫化は、急性及び再発性疾患の防御並びに急性又は再発性ウイルス複製の阻害によってアッセイされたように、モルモットウイルスチャレンジ実験における免疫の誘導に対する効果において正反対であった。したがって、本発明者等は更に、VTL1+gD及びVTL3+gD製剤の、抗体産生を誘導又は阻害する能力を直接検査した。gDタンパク質免疫原(膜貫通領域が欠失された切断型gDタンパク質)は、抗体を有効に誘導することがこれまでに示されていた一方で、CpG、アラム又はmpl/アラムの添加は、同様に中和抗体を誘導する(Bourne et al 2003、Awasthi et al 2017、Ghiasi et al 1994)。中和抗体の誘導は、mpl/アラムを有するgDタンパク質製剤(ASO4と呼ぶ)のこれまでの臨床試験における防御の相関物として示され、部分的な防御を示した(Belshe et al., 2014)。これは、ここでは動物モデルにおける陽性対照として使用され、このモデルにおいて中和抗体を誘導することがこれまでに示されてきた(Bourne et al 2003)。同じモルモットモデルにおける免疫化のこれまでの比較では、gD単独及びmpl/アラムを有するgDは、類似したレベルの中和抗体を誘導した(Bernstein et al 2010)。本明細書において解析された製剤による免疫化において、gDタンパク質+mp/アラム製剤を陽性対照として使用し、それは、これまでに実証されたように有効な中和抗体を誘導した一方で、陰性対照(ワクチンなし)は、検出可能なウイルス中和抗体を誘導しなかった(
図15)。
【0242】
VTL1+gD及びVTL3+gD製剤による免疫化の有効性を、上記の材料及び方法の項に記載されるように、既知の免疫原gD(陽性対照)と比較して評価した。
【0243】
結果(
図15)は、陽性対照(gD2)又はVIT1(即ち、VTL1)を用いて製剤化したgD2 DNAのいずれかで免疫化した後、高レベルの中和抗体を示した。見事なことに、VTL3製剤は、抗体応答を完全に抑止した。VTL3処置を用いた場合、抗体誘導は見られず、これにより陰性対照(ワクチン処置なし)と類似した検出不可能なレベルが得られた。このことは、VTL3が強力な免疫調節因子として作用し、強力な免疫原の存在下でさえ抗体刺激を防ぐことができることを実証している。gD及びVTL3における3つのケモカインのうちの唯一のCCL5による免疫化は依然として免疫賦活効果をもたらすため、このことは、混合物としての特異的な阻害剤であるように思われる。三価サイトカイン製剤VTL3のみが、免疫応答の完全な抑止を示した。更に、VTL1アンタゴニスト分子は、VTL3が結合するケモカイン受容体を遮断し、免疫刺激の維持につながる。
【0244】
かかる強力な免疫調節因子製剤は、自己免疫疾患において見られるような、免疫応答の調節不全又は異常な免疫応答の状態において、関節リウマチなどの自己免疫抗体応答によって悪化した状態を有する患者において、又はCOVID-19などの慢性感染症、ライノウイルスで悪化した慢性閉塞性肺疾患若しくは他の炎症状態後に明確な用途を有する。他の潜在的な用途として、アレルゲンに対するアレルギー反応の処置又は防止が挙げられ、そこであるタイプの免疫寛容を誘導するワクチンにおいて、アレルゲンをVTL3製剤とともに使用して、アレルゲンに対する免疫応答を除去することができる。これらの状態に対する治療用製剤は、増大する満たされていない医療ニーズを満たし、この新たな製剤の有用性は、それに対処することができる。
【0245】
2.3 まとめ
陽性対照は、ウイルスチャレンジからの防御を示し、中和抗体を効率的に誘導した。前臨床動物モデルにおいて、gD2がそれ自体で免疫原として、タンパク質又はDNAとして効率的に機能すること、並びにその免疫原性がMPL及びアラムなどのアジュバントで適度に高めることができることが十分に確立されている(Bernstein et al. 1999、Bourne et al. 2003、Bernstein et al. 2010)。臨床試験では、MPL及びアラムを有するgDサブユニットタンパク質ワクチンは、部分的な防御を示した(Belshe, Leone et al.2012)。
【0246】
対照的に、ここでの評価は、ヒトケモカインカクテルVTL3が、gD2のこれらの活性に対して遮断効果を有することを示した。VTL3は、ケモカイン受容体CCR5、CCR4及びCCR6の天然ケモカインリガンド、即ちCCL5(配列番号2)、CCL17(配列番号5)及びCCL20(配列番号8)を含むよう製剤化された。したがって、VTL3は、これらのコグネートケモカイン受容体を遮断するのではなく、活性化することによってT制御性サブセットを化学誘引する。代わって結果により、既知の免疫原gDタンパク質によって刺激された全ての防御効果の完全な遮断が示されている。
【0247】
対照的に、VTL1製剤は、急性の原発性疾患及びウイルス複製に対して非常に有効であった。VTL1ワクチンは、ウイルス感染の再賦活に対して効果があり、再発性ウイルスシェディングを低減させた。これはタンパク質サブユニットワクチン陽性対照では見られず、この陽性対照はこれまでに臨床試験において幾らか有効性を有していたが、より大きな活性を必要とし、それはVTL1製剤によって本明細書において提供されるものであった。また、VTL1を用いた場合、VTL1の非存在下では見られなかった原発性疾患及び再発性疾患の両方における低減、並びに潜伏負荷量の検出における有意な低減が見られ、半数を上回る動物が完全に防御された。免疫化による有害な副作用は見られず、この研究では1匹のみの動物がウイルス感染自体の影響で死亡し、陰性対照(ワクチンなし)群は1匹のみが死亡し、この陰性対照(ワクチンなし)群では更に2匹の動物が、試料収集を妨げる重度のウイルス感染を患った。比較して、VTL1及びVTL3製剤化ワクチンは安全であり、有害な副作用を伴わずに、感染及び疾患の防御、又は誘導免疫の除去のいずれかを示した。
【0248】
上記結果を表6にまとめる。
【0249】
【0250】
ウイロカイン(VTL1)が提供する細胞動員は、再発に対する効果の増強を示している。細胞性免疫がヘルペスウイルス潜伏を制御することは十分に確立されている。本事例では、既知の免疫原gDを伴う細胞性イムノモジュレーターVLT1による免疫化は、免疫賦活作用を高め、それはVTL1分子の、T-reg上のケモカイン受容体全てに拮抗する能力と一致しており、それにより免疫応答を弱めるためのそれらの動員を防止する。この作用機序は、制御性T細胞サブセット上に存在する受容体を遮断することができ、したがって、調節因子を阻害することにより、免疫原の刺激を高めることができる。逆に、制御性T細胞サブセット上の受容体の活性化因子(即ち、VTL3におけるケモカイン)のアゴニスト混合物は、免疫原の(gD)効果の阻害をもたらし、免疫応答の誘導を除去した。
【0251】
抗体効果は初期感染を防止することができ、適切な抗原提示、例えば、上記実施例において使用されたgD2の提示によって刺激することができる。VTL3免疫制御性製剤は、中和抗体の誘導を完全に遮断するのに有効であった。これはまた、本明細書において示されたように、初期の急性又は再発性感染からの任意の誘導免疫の遮断におけるVTL3の効果とも一致していた。
【0252】
VTL1はヒト適合分子であり、したがって、本明細書において使用される場合のモルモットではなく、ヒト設定におけるその効果は、転帰を更に改善する可能性が高い。VTL1における結合性ドメインに対する親和性と、ヒトケモカインの親和性との比較により、例えば、ex vivoでのヒト細胞をケモカイン受容体の供給源として使用したとしても、相互作用が10~100倍増加することが示された(Catusse et al 2007)。VTL3の顕著な阻害効果とは対照的に、VTL1は、既知の免疫原gD2とともに中和抗体を有効に誘導した。したがって、ヒト系における防御効果又は阻害効果は、ヒトケモカインの混合物として、VTL1に関して、及びVTL3に関してより高い可能性がある。
【0253】
上記で論述したように、VTL3による処置は、既知の免疫原gD2に対する免疫応答及び関連活性の遮断をもたらす。これは、自己免疫又は炎症性疾患などにおける免疫刺激及び他の暴走免疫応答を防止するための予防的及び治療的処置として、臨床環境における更なる研究を正当化する。特に、VTL3は、上記実施例において示されるように、制御性T細胞によって、既知の臨床的に有効な免疫原(即ち、gD2)に対する免疫応答の阻害を誘引及び誘導する。
【0254】
VTL3に関する使用の例として、過剰な免疫応答を伴う病原性状態の処置が挙げられる。例えば、関節リウマチでは、CCR5を保有する免疫細胞を、関節にある疾患の部位に動員することができる。したがって、制御性T細胞を誘導することによって、CCR5+活性化免疫細胞のこの動員を遮断することは、有益な処置として使用され得る。更に、アレルゲンなどの既知の免疫原と組み合わせて、望ましくない免疫応答、例えばアナフィラキシーは、制御性応答を誘導し、病原性応答を阻害するように個体にVTL3製剤と一緒にアレルゲンで免疫化することによる個体の脱感作によって防止することができる。標的とされ得るネコの毛の免疫原などのアレルゲン、並びに花粉症に関するか、又は喘息発作を誘発する一般的な免疫原は十分に記載されている。
【0255】
VTL3に関する使用のための別の例は、感染性疾患に対する暴走免疫応答の処置に存し得る。例えば、慢性閉塞性肺疾患では、気道の閉塞をもたらすライノウイルスなどのウイルス免疫原に対する免疫応答が存在する。この場合、疾患を防止するために、ライノウイルス由来の既知の免疫原を、VTL3製剤による免疫化のために選択することができる。更に、SARS-CoV2などの感染では、重篤な後期疾患は、自己抗体、暴走免疫応答及びサイトカインストームを含む高レベルの抗体を特徴としており、これらをVTL3などの免疫調節剤で処置して、制御性応答を促進することができる。これは、肺における局所的な暴走免疫応答を防止するために、例えば吸入器を用いてエアロゾルとして投与することができ、又はそれは全身応答を防止するようここで示されるように、筋内に投与することができる。
【0256】
配列リストの説明
配列番号1は、CCL5タンパク質前駆物質のアミノ酸配列である。
MKVSAAALAVILIATALCAPASASPYSSDTTPCCFAYIARPLPRAHIKEYFYTSGKCSNPAVVFVTRKNRQVCANPEKKWVREYINSLEMS
【0257】
配列番号2は、CCL5成熟タンパク質のアミノ酸配列である。
SPYSSDTTPCCFAYIARPLPRAHIKEYFYTSGKCSNPAVVFVTRKNRQVCANPEKKWVREYINSLEMS
【0258】
配列番号3は、CCL5成熟タンパク質をコードするcDNAのヌクレオチド配列である。フリーテキスト:成熟CCL5 cDNA。
tccccatatt cctcggacac cacaccctgc tgctttgcct acattgcccg cccactgccc cgtgcccaca tcaaggagta tttctacacc agtggcaagt gctccaaccc agcagtcgtc tttgtcaccc gaaagaaccg ccaagtgtgt gccaacccag agaagaaatg ggttcgggag tacatcaact ctttggagat gagctag
【0259】
配列番号4は、CCL17タンパク質前駆物質のアミノ酸配列である。
MAPLKMLALVTLLLGASLQHIHAARGTNVGRECCLEYFKGAIPLRKLKTWYQTSEDCSRDAIVFVTVQGRAICSDPNNKRVKNAVKYLQSLERS
【0260】
配列番号5は、CCL17成熟タンパク質のアミノ酸配列である。
ARGTNVGRECCLEYFKGAIPLRKLKTWYQTSEDCSRDAIVFVTVQGRAICSDPNNKRVKNAVKYLQSLERS
【0261】
配列番号6は、CCL17成熟タンパク質をコードするcDNAのヌクレオチド配列である。フリーテキスト:成熟CCL17 cDNA。
gccccactga agatgctggc cctggtcacc ctcctcctgg gggcttctct gcagcacatc cacgcagctc gagggaccaa tgtgggccgg gagtgctgcc tggagtactt caagggagcc attcccctta gaaagctgaa gacgtggtac cagacatctg aggactgctc cagggatgcc atcgtttttg taactgtgca gggcagggcc atctgttcgg accccaacaa caagagagtg aagaatgcag ttaaatacct gcaaagcctt gagaggtctt ga
【0262】
配列番号7は、CCL20タンパク質前駆物質のアミノ酸配列である。
MCCTKSLLLAALMSVLLLHLCGESEAASNFDCCLGYTDRILHPKFIVGFTRQLANEGCDINAIIFHTKKKLSVCANPKQTWVKYIVRLLSKKVKNM
【0263】
配列番号8は、CCL20成熟タンパク質のアミノ酸配列である。
ASNFDCCLGYTDRILHPKFIVGFTRQLANEGCDINAIIFHTKKKLSVCANPKQTWVKYIVRLLSKKVKNM
【0264】
配列番号9は、CCL20成熟タンパク質をコードするcDNAのヌクレオチド配列である。フリーテキスト:成熟CCL20 cDNA。
gcaagcaact ttgactgctg tcttggatac acagaccgta ttcttcatcc taaatttatt gtgggcttca cacggcagct ggccaatgaa ggctgtgaca tcaatgctat catctttcac acaaagaaaa agttgtctgt gtgcgcaaat ccaaaacaga cttgggtgaa atatattgtg cgtctcctca gtaaaaaagt caagaacatg taa
【0265】
配列番号10は、Met-CCL5のアミノ酸配列である。フリーテキスト:Met-CCL5。
MSPYSSDTTPCCFAYIARPLPRAHIKEYFYTSGKCSNPAVVFVTRKNRQVCANPEKKWVREYINSLEMS
【0266】
配列番号11は、Met-CCL5をコードするcDNAのヌクレオチド配列である。フリーテキスト:Met-CCL5 cDNA。
atgtccccat attcctcgga caccacaccc tgctgctttg cctacattgc ccgcccactg ccccgtgccc acatcaagga gtatttctac accagtggca agtgctccaa cccagcagtc gtctttgtca cccgaaagaa ccgccaagtg tgtgccaacc cagagaagaa atgggttcgg gagtacatca actctttgga gatgagctag
【0267】
配列番号12は、Met-CCL17のアミノ酸配列である。フリーテキスト:Met-CCL17。
MARGTNVGRECCLEYFKGAIPLRKLKTWYQTSEDCSRDAIVFVTVQGRAICSDPNNKRVKNAVKYLQSLERS
【0268】
配列番号13は、Met-CCL17をコードするcDNAのヌクレオチド配列である。フリーテキスト:Met-CCL17 cDNA。
atggctcgag ggaccaatgt gggccgggag tgctgcctgg agtacttcaa gggagccatt ccccttagaa agctgaagac gtggtaccag acatctgagg actgctccag ggatgccatc gtttttgtaa ctgtgcaggg cagggccatc tgttcggacc ccaacaacaa gagagtgaag aatgcagtta aatacctgca aagccttgag aggtcttga
【0269】
配列番号14は、Met-CCL20のアミノ酸配列である。フリーテキスト:Met-CCL20。
MASNFDCCLGYTDRILHPKFIVGFTRQLANEGCDINAIIFHTKKKLSVCANPKQTWVKYIVRLLSKKVKNM
【0270】
配列番号15は、Met-CCL20をコードするcDNAのヌクレオチド配列である。フリーテキスト:Met-CCL20 cDNA。
atggcaagca actttgactg ctgtcttgga tacacagacc gtattcttca tcctaaattt attgtgggct tcacacggca gctggccaat gaaggctgtg acatcaatgc tatcatcttt cacacaaaga aaaagttgtc tgtgtgcgca aatccaaaac agacttgggt gaaatatatt gtgcgtctcc tcagtaaaaa agtcaagaac atgtaa
【0271】
配列番号16は、VTL101 iciU83A-N cDNAのヌクレオチド配列である。フリーテキスト:VTL101。
gtcgaaatgt ccattcggct ttttattggt tttttttata cggcatatat tggtatggct atcggattta tatgtagttc ccccgatgcg gagctgtttt ccgaaaaatc acgtatttcg tcttctgtct tgttaggatg tttgttgtgt tgcatggatt ggtccgctgc cgtacccgtc tggtttggag cagggctcga tgtgtga
【0272】
配列番号17は、それ自体のコザック配列を有するポリTトラクトにおいて突然変異されたVTL101 iciU83A-NのVTL1016変異体の塩基配列である。フリーテキスト:VTL1変異体VTL1016又はVIT1。
gtcgaaatgt ccattcggct ttttattggt ttcttttata cggcatatat tggtatggct atcggattta tatgtagttc ccccgatgcg gagctgtttt ccgaaaaatc acgtatttcg tcttctgtct tgttaggatg tttgttgtgt tgcatggatt ggtccgctgc cgtacccgtc tggtttggag cagggctcga tgtgtga
【0273】
配列番号18は、ヒトコドン最適化され、ポリTなし及びTACCなしの手動で調節されたVTL101 iciU83A-NのVTL1017変異体のヌクレオチド配列である。フリーテキスト:VTL1変異体VTL1017。
gtcgaaatgt ccatccgcct tttcattggc ttcttttaca cagcatacat cgggatggct ataggcttca tttgctcctc tccagacgcg gagctgtttt cagagaaaag ccggatatct agtagcgtgc tgctcggatg tctgctctgt tgcatggact ggtccgctgc cgtcccagtg tggttcggcg ctggactgga tgtgtga
【0274】
配列番号19は、ヒト内因性の染色体に組み込まれたヒトベータヘルペスウイルス6A VTL1によってコードされたアミノ酸配列、並びにそのVTL1016及びVTL1017変異体であり、8アミノ酸の更なるC末端伸長を示す。
MSIRLFIGFFYTAYIGMAIGFICSSPDAELFSEKSRISSSVLLGCLLCCMDWSAAVPVWFGAGLD
【0275】
配列番号20は、成熟分泌産物を付与する、シグナル配列後に切断された、VTL101、VTL1016及びVTL1017によってコードされたアミノ酸配列である。
FICSSPDAELFSEKSRISSSVLLGCLLCCMDWSAAVPVWFGAGLDV
【0276】
配列番号21は、ポリT領域を崩壊させるよう突然変異されており、またそれ自体のコザック配列を保持するVTL101 iciU83A-NのVTL1018変異体のヌクレオチド配列である。フリーテキスト:VTL1変異体VTL1018。
gtcgaaatgt ccattcggct ttttattggt ttcttttata cggcatatat tggtatggct atcggattta tatgtagttc ccccgatgcg gagctgtttt ccgaaaaatc acgtatttcg tcttctgtct tgttaggatg tttgttgtgt tgcatggatt ggtccgctgc cgtacctggg aaaacagagc cttttagaaa actttttgat gcaatcatga ttaaaaagct aaaaagttgt tctgctgctt acccgtctgg tttggagcag ggctcgatgt gtgatatggc agatgcatcg ccgacaagtc ttgaattagg attgtcgaaa ttagacaaag aatcatga
【0277】
配列番号22は、ダイレクトリピートTACC及びスプライスドナー/アクセプター部位を介してスプライシングを崩壊させるよう突然変異されており、またコザックコンセンサス部位を保持するVTL101 iciU83A-NのVTL1019変異体のヌクレオチド配列である。フリーテキスト:VTL1変異体VTL1019。
gtcgaaatgt ccattcggct ttttattggt tttttttata cggcatatat tggtatggct atcggattta tatgtagttc ccccgatgcg gagctgtttt ccgaaaaatc acgtatttcg tcttctgtct tgttaggatg tttgttgtgt tgcatggatt ggtccgctgc cgtgccaggg aaaacagagc cttttagaaa actttttgat gcaatcatga ttaaaaagct aaaaagttgt tctgctgctt atccatctgg tttggagcag ggctcgatgt gtgatatggc agatgcatcg ccgacaagtc ttgaattagg attgtcgaaa ttagacaaag aatcatga
【0278】
配列番号23は、ポリT領域及びスプライシングを崩壊させるよう突然変異されており、またそれ自体のコザック配列を保持するVTL101 iciU83A-NのVTL1020変異体のヌクレオチド配列である。フリーテキスト:VTL1変異体VTL1020。
gtcgaaatgt ccattcggct ttttattggt ttcttttata cggcatatat tggtatggct atcggattta tatgtagttc ccccgatgcg gagctgtttt ccgaaaaatc acgtatttcg tcttctgtct tgttaggatg tttgttgtgt tgcatggatt ggtccgctgc cgtgccaggg aaaacagagc cttttagaaa actttttgat gcaatcatga ttaaaaagct aaaaagttgt tctgctgctt atccatctgg tttggagcag ggctcgatgt gtgatatggc agatgcatcg ccgacaagtc ttgaattagg attgtcgaaa ttagacaaag aatcatga
【0279】
配列番号24は、ヒトコドン使用のために最大化されており、また下線を付したようにスプライシングを崩壊させるよう、またコザック配列を保持するよう手動で調節されたVTL101 iciU83A-NのVTL1021変異体のヌクレオチド配列である。フリーテキスト:VTL1変異体VTL1021。
gtcgaaatga gcatcagact gttcatcggc ttcttctaca ccgcctacat cggcatggcc atcggcttca tctgcagcag ccccgacgcc gagctgttca gcgagaagag cagaatcagc agcagcgtgc tgctgggctg cctgctgtgc tgcatggact ggagcgccgc cgtgccaggc aagaccgagc ccttcagaaa gctgttcgac gccatcatga tcaagaagct gaagagctgc agcgccgcct atcctagcgg cctggagcag ggcagcatgt gcgacatggc cgacgccagc cccaccagcc tggagctggg cctgagcaag ctggacaagg agagctga
【0280】
配列番号25は、VTL1018、VTL1019、VTL1020及びVTL201によってコードされたアミノ酸配列である。フリーテキスト:VTL1アゴニストタンパク質。
MSIRLFIGFFYTAYIGMAIGFICSSPDAELFSEKSRISSSVLLGCLLCCMDWSAAVPGKTEPFRKLFDAIMIKKLKSCSAAYPSGLEQGSMCDMADASPTSLELGLSKLDKES
【0281】
配列番号26は、VTL1018、VTL1019、VTL1020及びVTL201によってコードされ、シグナル配列が切断されて成熟分泌産物を付与するアミノ酸配列である。フリーテキスト:VTL1アゴニスト成熟タンパク質。
FICSSPDAELFSEKSRISSSVLLGCLLCCMDWSAAVPGKTEPFRKLFDAIMIKKLKSCSAAYPSGLEQGSMCDMADASPTSLELGLSKLDKES
【0282】
配列番号27は、シグナル配列を含むCCL5タンパク質前駆物質をコードするヌクレオチド配列である。
ATGAAGGTCTCCGCGGCAGCCCTCGCTGTCATCCTCATTGCTACTGCCCTCTGCGCTCCTGCATCTGCCTCCCCATATTCCTCGGACACCACACCCTGCTGCTTTGCCTACATTGCCCGCCCACTGCCCCGTGCCCACATCAAGGAGTATTTCTACACCAGTGGCAAGTGCTCCAACCCAGCAGTCGTCTTTGTCACCCGAAAGAACCGCCAAGTGTGTGCCAACCCAGAGAAGAAATGGGTTCGGGAGTACATCAACTCTTTGGAGATGAGCTAG
【0283】
配列番号28は、シグナル配列を含むCCL17タンパク質前駆物質をコードするヌクレオチド配列である。
ATGGCCCCACTGAAGATGCTGGCCCTGGTCACCCTCCTCCTGGGGGCTTCTCTGCAGCACATCCACGCAGCTCGAGGGACCAATGTGGGCCGGGAGTGCTGCCTGGAGTACTTCAAGGGAGCCATTCCCCTTAGAAAGCTGAAGACGTGGTACCAGACATCTGAGGACTGCTCCAGGGATGCCATCGTTTTTGTAACTGTGCAGGGCAGGGCCATCTGTTCGGACCCCAACAACAAGAGAGTGAAGAATGCAGTTAAATACCTGCAAAGCCTTGAGAGGTCTTGA
【0284】
配列番号29は、シグナル配列を含むCCL20タンパク質前駆物質をコードするヌクレオチド配列である。
ATGTGCTGTACCAAGAGTTTGCTCCTGGCTGCTTTGATGTCAGTGCTGCTACTCCACCTCTGCGGCGAATCAGAAGCAGCAAGCAACTTTGACTGCTGTCTTGGATACACAGACCGTATTCTTCATCCTAAATTTATTGTGGGCTTCACACGGCAGCTGGCCAATGAAGGCTGTGACATCAATGCTATCATCTTTCACACAAAGAAAAAGTTGTCTGTGTGCGCAAATCCAAAACAGACTTGGGTGAAATATATTGTGCGTCTCCTCAGTAAAAAAGTCAAGAACATGTAA
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【配列表】
【国際調査報告】