(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】補強された構造及びそれを補強するための方法
(51)【国際特許分類】
A47B 45/00 20060101AFI20240927BHJP
F16B 5/07 20060101ALI20240927BHJP
F16B 5/04 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A47B45/00
F16B5/07 D
F16B5/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520805
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 IL2022051026
(87)【国際公開番号】W WO2023058014
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524126448
【氏名又は名称】ケター ホーム アンド ガーデン プロダクツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】パルマ-,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンズ,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ムアレム,ディクラ
【テーマコード(参考)】
3B054
3J001
【Fターム(参考)】
3B054AA03
3B054BA04
3B054BA10
3B054BA17
3B054BB03
3B054BB09
3B054BB16
3B054BC02
3B054BC06
3B054BC14
3B054CA03
3B054CA09
3B054EA02
3J001FA02
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA07
3J001HA09
3J001JD05
3J001JD33
3J001KA21
3J001KB03
(57)【要約】
本開示は、ポリマー製家具構造要素及びその補強を開示する。補強された家具要素(12)は、第1の面及び間隔をあけて配置された第2の面と、第1の面及び第2の面の間に延びる1つ又は複数の補強部材(36)と、第1の面及び第2の面の間で1つ又は複数の補強部材(36)を貫通して延びる複数の貫通スタッド受け入れボア(40)とを備えて構成された家具要素(20)であって;第1の面は補強要素当接表面を備えて構成され、第2の面はスタッド当接表面を備えて構成される、家具要素(20);ならびに、第1の面に当接する表面と、第1の面に当接する表面から延び、スタッド受け入れボア(40)の少なくともいくつかの位置と位置合わせされた状態で配置された複数のスタッド(50)とを備えて構成される補強要素(22)を備え、スタッドの自由端はスタッド当接表面上で密に当接するための当接ヘッド部を備えるように構成可能である。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具要素と少なくとも1つの補強要素とを備える補強された家具要素であって、
前記家具要素は、第1の面及び間隔を隔てた第2の面と、前記第1の面と前記第2の面との間に延びる1つ又は複数の補強部材と、前記第1の面と前記第2の面との間で前記1つ又は複数の補強部材を貫通して延びる複数の貫通スタッド受け入れボアとを備えて構成され、前記第1の面は、補強要素当接表面を備えて構成され、前記第2の面は、スタッド当接表面を備えて構成され、
前記補強要素は、第1の面に当接する表面と、第1の面に当接する表面から延びる複数のスタッドとを備えて構成され、前記スタッドは、前記スタッド受け入れボアの少なくともいくつかの位置と位置合わせされた状態で配置され、前記スタッドの自由端は、前記スタッド当接表面上に密に当接するための当接ヘッド部を備えて構成可能である、
補強された家具要素。
【請求項2】
前記補強要素が前記家具要素の上に適用され連結されると、前記補強要素がそこに固定され強固に留められるようになり、それにより前記補強された家具要素の弾性のモジュールを向上させ、それにより前記補強された家具要素の曲げ抵抗を向上させる、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項3】
前記スタッドに圧力がかけられ、それにより前記家具要素の前記第1の表面上に剥き出しになるように前記補強要素を引きつける感じで作用する引きつけ力が適用される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項4】
前記当接ヘッド部が、前記貫通スタッド受け入れボアの直径を超える直径を備えて構成される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項5】
前記当接ヘッド部がマッシュルーム状の形状に変形される、請求項4に記載の補強された家具要素。
【請求項6】
前記当接ヘッド部が、圧縮可能なマッシュルーム状のスナップ式ヘッド部である、請求項4に記載の補強された家具要素。
【請求項7】
前記家具要素の前記第1の面と前記第2の面が互いに平行に配置される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項8】
前記複数のスタッドが、前記第1の面に当接する表面に対して垂直に延びる、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項9】
前記複数のスタッドが互いに平行に延びる、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項10】
前記補強部材が互いに平行に配置される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項11】
前記補強された家具要素が棚である、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項12】
それぞれ、前記第1の面が上面又は底面であり、前記第2の面が底面又は上面である、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項13】
前記補強要素が、前記家具要素の上面又は底面のどちらか又は両方に適用される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項14】
前記スタッド当接表面が前記第1の面に平行に配置される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項15】
前記スタッド当接表面が弾性である、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項16】
前記第1の面が、前記補強要素の少なくともいくつかの部分を少なくとも部分的に受け入れるための窪みを備えて構成される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項17】
前記第1の面及び前記第2の面が平坦であるか、又は前記補強要素の少なくともいくつかの部分を受け入れるための窪みを備えて構成される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項18】
前記補強された家具要素が、1つ又は複数の補強要素を備えて構成され、前記補強要素のそれぞれは前記家具要素に独立して連結されている、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項19】
前記家具要素及び前記補強要素がポリマー材料で作られる、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項20】
前記スタッドの前記当接ヘッド部が、前記スタッドの端部を溶融し、それによって幅広い断面のマッシュルーム状の形状に変形させることによって、前記スタッド当接表面上に当接するように構成される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項21】
前記補強要素の上面が前記家具要素の上面と面一である、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項22】
前記補強要素が前記家具要素の主表面を占める、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項23】
前記補強された家具要素が2つ以上の補強要素を備えて構成され、前記2つ以上の補強要素は、前記家具要素のどちらかの面において、及びその側面において構成される、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項24】
前記貫通スタッド受け入れボア及びそれぞれのスタッドが同じ長さ又は異なる長さである、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項25】
前記家具要素及び前記補強要素が剛性構造である、請求項1に記載の補強された家具要素。
【請求項26】
補強された家具要素を組み立てるための方法であって、
a.第1の面及び間隔をあけた第2の面と、前記第1の面と前記第2の面との間に延びる1つ又は複数の補強部材と、前記第1の面と前記第2の面との間に前記1つ又は複数の補強部材を貫通して延びる複数の貫通スタッド受け入れボアとを備えて構成された家具要素を入手するステップであって、前記第1の面は、補強要素当接表面を備えて構成され、前記第2の面は、スタッド当接表面を備えて構成される、入手するステップ;
b.第1の面に当接する表面と、第1の面に当接する表面から延びる複数のスタッドとを備えて構成された補強部材を入手するステップであって、前記スタッドは、前記スタッド受け入れボアの少なくともいくつかの位置と位置合わせされた状態で配置され、前記スタッドの自由端は当接ヘッド部を備えて構成可能である、入手するステップ;
c.前記補強要素の前記第1の面に当接する表面が前記家具要素の前記第1の面上に密に当接するまで前記スタッドの前記自由端をスタッド受け入れボア内に導入するステップであって、前記自由端は前記家具要素の前記第2の面の前記スタッド当接表面から突出する、導入するステップ;及び
d.前記スタッドの前記当接ヘッド部を、前記スタッド当接表面上に密に当接するように構成するステップ、
を含む方法。
【請求項27】
前記スタッドの端部を溶融することが、加熱装置によって、又は超音波堆積によって構成される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記家具要素及び前記補強要素が熱可塑性材料で作られ、超音波溶接によって前記スタッドを変形させると、前記スタッドが前記スタッド当接表面と分子結合する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
組み立てられた位置において、前記スタッド当接表面上に密に当接するように前記当接ヘッド部を構成することが、前記家具要素と補強要素を密に隣接させ、それにより前記スタッドに応力が生じるように圧力を加えることと同時に行われる、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、補強された構造体及びそれを補強する方法の分野におけるものである。より詳細には、本開示は、ポリマー製家具構造要素及びその補強に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の参考文献は、本開示の主題の背景として関連性があると考えられ得る:
- JP3051780U
- WO2016056912A1
- US6725785
【0003】
JP3051780Uは、ABSやポリカーボネートなどの硬質樹脂で成形されたベースを開示しており、ベースの裏側には、下降壁と垂直リブで囲まれたフレームが形成されている。内部にはBSやポリカーボネートなどの硬質樹脂で成形された補強フレームが嵌め込まれ、補強フレームは超音波溶接、高周波溶接、又は接着剤によってベースに、実質的にベースの全長にわたって一体的に固定され、一対の補強フレームがベースの両側縁と一体化されている。このため、ベースの曲げに対する強度が向上し、ベースの変形が防止される。
【0004】
WO2016056912A1は、転動コンテナ用の棚、それを備える転動コンテナ、及び品物を輸送及び/又は保管する方法を開示している。本発明による棚は、-その上に品物を載置するのに適した載置表面と、-載置表面を支持する目的で載置表面の下側に使用時に配置される支持板と、-載置表面のコーナー地点又はその近傍に配置され、転動コンテナに取り付けるように構成された多数の接続フックとを備え、載置表面と支持板は、1つ又は複数の成形された縁部によって互いに接続されている。
【0005】
US6725785は、物品を保持するための平坦部分と、平坦部分の縁に接合された周囲壁とを含む、格子状の物品支持体の保護カバーを開示している。平坦部分の底側にはクリップ要素が設けられ、壁の内側にはフック要素が設けられている。カバーは、物品が物品支持体上に安定的に保持され得るように、クリップ要素が物品支持体の対応する金属バーにクリップ止めされ、フック要素が物品支持体の縁にフック止めされた状態で、物品支持体上にしっかりと取り付けられる。
【0006】
上記の参考文献を認めることは、これらが現在開示されている主題の特許性に何らかの形で関連していることを意味するものとして推論されるものではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
その態様の1つにおいて、本開示は、家具要素と少なくとも1つの補強要素とを備える補強された家具要素を提供する。家具要素は、第1の面及び間隔を隔てた第2の面と、第1の面と第2の面との間に延びる1つ又は複数の補強部材と、第1の面と第2の面との間で1つ又は複数の補強部材を貫通して延びる複数の貫通スタッド受け入れボアとを備えて構成され、前記第1の面は、補強要素当接表面を備えて構成され、第2の面は、スタッド当接表面を備えて構成される。補強要素は、第1の面に当接する表面と、第1の面に当接する表面から延びる複数のスタッドとを備えて構成され、前記スタッドは、スタッド受け入れボアの少なくともいくつかの位置と位置合わせされた状態で配置され、スタッドの自由端は、スタッド当接表面上に密に当接するための当接ヘッド部を備えて構成可能である。
【0008】
本明細書で使用される「家具」という用語は、広義に使用され、棚ユニット、テーブルトップ、仕切り壁、その他など、あらゆる形態の家具ユニット及びその構造要素を示す。
【0009】
この配置は、補強要素が家具要素の上に適用され連結されると、補強要素がそこに固定され強固に留められるようになり、それにより補強された家具要素の弾性のモジュールを向上させ、その結果、その曲げ抵抗を向上させるようなものである。
【0010】
スタッドの有効長さは、スタッドに沿って定義され、第1の面及び第1の面に当接する表面の接触レベルと、スタッド当接表面との間に延びる。補強部材の実際の長さは、貫通スタッド受け入れボアに沿って定義され、第1の面とスタッド当接表面との間である。
【0011】
本開示の特定の例によれば、有効長さは実際の長さよりもわずかに短く、組み立てられた位置において、スタッドには圧力がかけられ、それにより家具要素の第1の表面上に剥き出しになるように補強要素を引きつける感じで作用する引きつけ力が適用される。
【0012】
本開示の別の態様によれば、補強された家具要素を組み立てるための方法が提供され、この方法は以下のステップを含む:
a.第1の面及び間隔をあけた第2の面と、第1の面と第2の面との間に延びる1つ又は複数の補強部材と、第1の面と第2の面との間に1つ又は複数の補強部材を貫通して延びる複数の貫通スタッド受け入れボアとを備えて構成された家具要素を入手するステップであって、前記第1の面は、補強要素当接表面を備えて構成され、第2の面は、スタッド当接表面を備えて構成される、入手するステップ;
b.第1の面に当接する表面と、第1の面に当接する表面から延びる複数のスタッドとを備えて構成された補強部材を入手するステップであって、前記スタッドは、スタッド受け入れボアの少なくともいくつかの位置と位置合わせされた状態で配置され、スタッドの自由端は当接ヘッド部を備えて構成可能である、入手するステップ;
c.補強要素の第1の面に当接する表面が家具要素の第1の面上に密に当接するまでスタッドの自由端をスタッド受け入れボア内に導入するステップであって、自由端は家具要素の第2の面のスタッド当接表面から突出する、導入するステップ;及び
d.スタッドの当接ヘッド部を、スタッド当接表面上に密に当接するように構成するステップ。
【0013】
以下の特徴、設計、及び構成のいずれか1つ又は複数を、本開示のいずれかの態様に従う、補強された家具要素及び家具要素に、個別に、又はそれらの様々な組み合わせで適用することができる;
- 当接ヘッド部は、貫通スタッド受け入れボアの直径を超える直径を有するように構成することができる;
- 当接ヘッド部は、マッシュルーム状の形状に変形させることができる;
- 当接ヘッド部は、圧縮可能なマッシュルーム状のスナップ式ヘッド部であることができる;
- 家具要素の第1の面と第2の面は、互いに平行に配置することができる;
- 複数のスタッドは、第1の面に当接する表面に対して垂直に延びることができる;
- 複数のスタッドは互いに平行に延びることができる;
- 補強部材は互いに平行に配置することができる;
- 補強された家具要素は棚であることができる;
- それぞれ、第1の面は上面又は底面であることができ、第2の面は底面又は上面であることができる;
- 補強要素は、家具要素の上面又は底面のどちらかに適用することができる;
- スタッド当接表面は第1の面に平行に配置することができる;
- スタッド当接表面は弾性であることができる;
- 第1の面は、補強要素の少なくともいくつかの部分を少なくとも部分的に受け入れるための窪みを備えて構成することができる;
- 第1の面及び第2の面は平坦であることができ、又は補強要素の少なくともいくつかの部分を受け入れるための窪みを備えて構成することができる;
- 補強された家具要素は、1つ又は複数の補強要素を備えて構成することができ、補強要素のそれぞれは家具要素に独立して連結されている;
- 家具要素及び補強要素は、同じ材料で作ることも、作らないこともできる;
- 家具要素及び補強要素はポリマー材料で作ることができる;
- 家具要素及び補強要素は、異なる色及び異なるパターンを採用することができる;
- スタッドの当接ヘッド部は、スタッドの端部を溶融し、それによって幅広い断面のマッシュルーム状の形状に変形させることによって、スタッド当接表面上に当接するように構成することができる;
- スタッドの端部を溶融することは、加熱装置によって、又は超音波堆積によって構成可能である;
- 補強要素の上面は、家具要素の上面と面一であることができる;
- 補強された家具要素は棚である;
- 補強要素は、家具要素の主表面を占めることができる;
- 補強された家具要素は、2つ以上の補強要素を備えて構成することができ、前記2つ以上の補強要素は、家具要素のどちらかの面において、及びその側面において構成することができる;
- 貫通スタッド受け入れボア及びそれぞれのスタッドは、同じ長さであることも、異なる長さであることもできる;
- 家具要素及び補強要素は熱可塑性材料で作ることができ、超音波溶接によってスタッドを変形させると、スタッドがスタッド当接表面と分子結合する;
- 家具要素及び補強要素は剛性構造であることができる;
- 配置は、組み立てられた位置において、スタッド当接表面上に密に当接するように当接ヘッド部を構成することが、家具要素と補強要素を密に隣接させ、それによりスタッドに応力が生じるように圧力を加えることと同時に行われるようなものである。
【0014】
本発明を理解し、本発明が実際にどのように実施され得るかを見るために、次に、添付図面を参照して、もっぱら非限定的な例として、実施形態について記載する。図面に示された特徴は、特に暗黙的に示されない限り、本発明のほんのいくつかの実施形態の例示であることを意図している。図面中、対応する部品を示すために、同様の参照数字が使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の一例による、複数の補強された家具要素を備える棚システムの斜視図である。
【
図2A】補強された家具要素、すなわち
図1に見られる棚システムの棚の上面斜視図である。
【
図2B】補強要素のスタッドを留める前の、
図2Aに見られる棚の底面斜視図である。
【
図3A】
図2Aの分解斜視図である(補強要素のスタッドを留める前)。
【
図4A】
図2Aの線IV-IVに沿った断面図である(補強要素のスタッドを留める前)。
【
図6A】補強要素のスタッドを留めた後の、
図2Aに見られる棚の底面斜視図である。
【
図7C】
図4Bにおいて7Cと記された部分のさらなる拡大図である。
【
図8A-8B】超音波溶接によるスタッドの変形を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初に
図1及び2Aに注意を向けると、この具体的な非限定的な例において、コーナー支柱14の上に支持された、それぞれ12で示された5つの間隔をあけた棚を備える、全体的に10で示された棚システムが示されている。明確にするために、棚システムは単なる例であり、各棚は、本明細書では、補強された家具要素として考慮される。しかしながら、本開示による補強された家具要素は、任意の種類の物品であり得、任意の形状及び設計であり得る。
【0017】
図2B~5Bをさらに参照すると、及び
図3A及び3Bで最もよく見ることができるように、補強された家具要素、すなわち各棚12は、家具要素20及び補強要素22を備え、家具要素20は、支柱14によって支持するように構成されたベース棚構造であり、補強要素22は、実質的に平坦な部材の形態であり、以下に説明されるように、家具要素20の上に当接するような大きさである。
【0018】
最初に家具要素20を詳細に参照すると、それは、第1の面(上面)26と、間隔をあけて配置された第2の面(底面)28とを有するように構成された剛性ポリマー矩形要素である。第1の面26は、周辺リム32によって画定された家具要素20の主要窪み部分である補強要素当接表面30を備えて構成され、第2の面28は、スタッド当接表面34を備えて構成される。複数の補強部材36、すなわち細長いリブが第1の面26と第2の面28との間に延びており、補強部材36のいくつかの部分は、第1の面26と第2の面28との間に延びる複数の貫通スタッド受け入れボア40を有するように構成されている。
【0019】
次に補強要素22に目を向けると、これは実質的に平坦な剛性ポリマー要素であり、第1の面に当接する表面44(すなわちその底面)及び上面46を有し、第1の面に当接する表面44から下方に延びる複数の剛性スタッド50を備えるように構成されている。この配置は、補強要素22が家具要素20の上に配置されたときに、スタッド50がスタッド受け入れボア40の位置に合わせて配置されるようなものであり、ここでスタッド50の初期長さLSはスタッド受け入れボア40の長さLBよりも大きく(LS>LB)、その結果、後述するように変形前の組み立て位置において、スタッド50の自由端52は補強部材36のスタッド当接表面34の下方に突出する。スタッド50は管状で円筒状の細長い部材であるが、他の構成も可能である(図示せず)。
【0020】
特定の例では、家具要素の補強部材は高さが等しくなく、短い補強部材36Sと長い補強部材36Lとを備えることが理解されるが、これは例に過ぎない。
【0021】
補強要素22が家具要素20の上に配置されると、補強要素22の当接表面44が家具要素20の第1の面(上面)26の上に当接し、スタッド50がそれぞれのスタッド受け入れボア40内に受け入れられる。この位置で、補強要素22は窪み部分内に受け入れられ、上表面46は周辺リム32と面一になる。
【0022】
図6A~7Cをさらに参照すると、家具要素20の補強は、スタッド50の自由端52をマッシュルーム状の当接ヘッド部60に構成されるように変形させ、補強部材36のスタッド当接表面34上に密に当接させることによって行われる。
【0023】
この配置は、スタッド当接表面34に密に当接するように当接ヘッド部60を構成することが、家具要素20と補強要素22とを密に隣接させる圧力を加え、それによりスタッド50に応力が生じるようにすることと同時に起こるようなものである。したがって、
図7Cに示されるように、補強された家具要素(棚12)の組み立てられた位置において、スタッドの有効長さE
Lは、補強部材の実際の長さA
Lよりもごくわずかに短く、E
L<A
Lである。有効長さE
Lは、スタッドに沿って定義され;第1の面及び第1の面に当接する表面の間の接触レベルと、スタッド当接表面との間に延び);実際の長さA
Lは、貫通スタッド受け入れボアに沿って定義され、第1の面とスタッド当接表面との間である。
【0024】
次に
図8A及び8Bを参照すると、本開示による補強された家具要素の製造ステップの例が表されている。まず
図8Aを参照すると、ステム50の自由端52にソノトロード70が適用され、前記ソノトロード70は、ステム端部52の内腔75に導入するように構成された貫入ヘッド72を有するように、また成形ヘッド部74を有するように構成され、成形ヘッド部74は堆積するように構成され、すなわち自由端52に熱を加えることによりそれを溶融させてヘッド部74の形状に適合するように再成形し、それにより冷却すると当接端部が
図8Bのようにスタッド当接表面34に対して当接されるマッシュルーム状の当接ヘッド60の形態をとるように構成される。
【0025】
図9A~9Eは、スタッド50の自由端52をマッシュルーム状の当接ヘッド部60に熱堆積する連続したステップを示している。
図9Aに示す最初のステップにおいて、ボア40を通る自由端52の位置を確認する。次に、加熱したアンビル/鉄76(
図8Aのソソトロード70と同じ形状)をスタッド50の自由端52まで進め(
図9B)、そこに熱を加え(
図9C)、自由端をスタッド当接表面34に当接するマッシュルーム状の当接ヘッド部60に変形させ、当接ヘッド部60が冷却される水がアンビル76に冷却を適用し(
図9D)、
図9Eに示すように、スタッド当接表面34に当接するマッシュルーム状の当接ヘッド部60の形態をとる。
【0026】
示される例では、当接ヘッド部は熱変形プロセスによってマッシュルーム状に構成されるが、組み立てられた位置でスタッド受け入れボア内のスタッドに圧力を加えるために他の配置が可能であることが理解される。1つのそのような例は、ボアを通して導入するように構成可能でありかつ補強部材36の底端を貫通するとスナップ式に自然に樹液係合するように構成可能であるスナップ式のマッシュルーム状の自由端を有するスタッドを予め形成することである。
【国際調査報告】