IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セキラス ピーティーワイ リミテッドの特許一覧

特表2024-536381抗SARS-CoV-2抗体及びその使用II
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】抗SARS-CoV-2抗体及びその使用II
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/569 20060101AFI20240927BHJP
   C07K 16/10 20060101ALI20240927BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240927BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01N33/569 L
C07K16/10 ZNA
C12N15/13
G01N33/543 501B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520868
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 AU2022051203
(87)【国際公開番号】W WO2023056522
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】2021903206
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524127917
【氏名又は名称】セキラス ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ロックマン,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンデンバーグ,キルステン
(72)【発明者】
【氏名】ボードル,ジェシー
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA11
4H045AA30
4H045DA76
4H045EA53
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、抗SARS-COV-2抗体に関し、さらに試料中の無傷の多量体の及び/または無傷の三量体の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)スパイクタンパク質の検出における抗SARS-COV-2抗体の使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の無傷の多量体の及び/または無傷の三量体の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)スパイク(S)タンパク質を検出する方法であって、
(i)抗体可変領域を含む捕捉タンパク質を固体表面に固定化することと、
(ii)前記固体表面に固定化された抗体可変領域を含む捕捉タンパク質に前記試料を接触させることと、ここで前記固定化された捕捉タンパク質は、前記多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または前記三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第1のSタンパク質単量体単位上にある第1の受容体結合ドメイン(RBD)に結合してタンパク質複合体を形成するものであり、
(iii)抗体可変領域を含む検出タンパク質に前記タンパク質複合体を接触させることと、ここで前記検出タンパク質は、捕捉された前記多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または前記三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第2のSタンパク質単量体単位上にある第2のRBDに結合するものであり、かつ前記検出タンパク質は検出可能な標識を含んでおり、
(iv)前記標識を検出することと、を含み、ここで前記標識の存在によって、前記試料中に無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質が存在することが示される、前記方法。
【請求項2】
試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出する方法であって、
(i)抗体可変領域を含む捕捉タンパク質を固体表面に固定化することと、
(ii)前記固体表面に固定化された抗体可変領域を含む捕捉タンパク質に前記試料を接触させることと、ここで前記固定化された捕捉タンパク質は、前記多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または前記三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第1のSタンパク質単量体単位上にある第1のRBDに結合してタンパク質複合体を形成するものであり、
(iii)抗体可変領域を含む検出タンパク質に前記タンパク質複合体を接触させることと、ここで前記検出タンパク質は、捕捉された前記多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または前記三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第2のSタンパク質単量体単位上にある第2のRBDに結合するものであり、
(iv)前記検出タンパク質を抗体に接触させることと、ここで前記抗体は、前記検出タンパク質に結合するものでありかつ検出可能な標識を含んでおり、
(v)前記標識を検出することと、を含み、ここで前記標識の存在によって、前記試料中に無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質が存在することが示される、前記方法。
【請求項3】
工程(ii)の後に、前記固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去する、請求項1及び2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
工程(iii)の後に、前記固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記試料を、37Cで3時間、両性界面活性剤で前処理する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
両性界面活性剤を含む希釈剤中の前記捕捉タンパク質に前記試料を接触させる、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記捕捉タンパク質及び/または前記検出タンパク質は、可変フラグメント(Fv)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記捕捉タンパク質及び/または前記検出タンパク質は、
(i)一本鎖Fvフラグメント(scFv)、
(ii)二量体scFv(di-scFv)、
(iii)ダイアボディ、
(iv)トリアボディ、
(v)テトラボディ、
(vi)抗原結合フラグメント(Fab)、
(vii)F(ab’)
(viii)Fv、
(ix)抗体の定常領域、定常フラグメント(Fc)、または重鎖定常ドメイン(C)2及び/またはC3に連結された(i)~(viii)のうちの1つ、及び
(x)抗体、
からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記捕捉タンパク質及び/または前記検出タンパク質は抗体であり、
(i)前記抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)前記CDR1は、配列番号21、配列番号31、配列番号37、または配列番号54に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号22、配列番号32、配列番号38、または配列番号55に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号23、配列番号27、配列番号33、配列番号39、または配列番号56に示す配列を含み、
(ii)前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)前記CDR1は、配列番号24、配列番号28、配列番号34、配列番号40、または配列番号57に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号25、配列番号29、配列番号35、配列番号41、または配列番号58に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号26、配列番号30、配列番号36、配列番号42、または配列番号59に示す配列を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記捕捉タンパク質及び/または前記検出タンパク質は抗体であり、前記抗体は、
(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号49、または配列番号52に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号53に示す配列を含むVと、を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記捕捉タンパク質及び/または前記検出タンパク質は抗体であり、
(i)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号26に示す配列を含むか、または
(ii)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号30に示す配列を含むか、または
(iii)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号36に示す配列を含むか、または
(iv)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(i)前記CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(ii)前記CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(iii)前記CDR3は、配列番号42に示す配列を含むか、または
(v)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号54に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号55に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号56に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号57に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号58に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号59に示す配列を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載方法。
【請求項12】
前記捕捉タンパク質及び/または前記検出タンパク質は抗体であり、前記抗体は、
(i)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(ii)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iii)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iv)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(v)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものである、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記捕捉タンパク質と前記検出タンパク質は同じである。請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記捕捉タンパク質及び前記検出タンパク質は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む抗体である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記捕捉タンパク質と前記検出タンパク質とは異なる、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
(i)前記捕捉タンパク質は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む抗体であり、かつ前記検出タンパク質は、配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含む抗体であるか、または
(ii)前記捕捉タンパク質は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む抗体であり、かつ前記検出タンパク質は、配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含む抗体である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記検出可能な標識は、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識、補欠分子族、及び造影剤からなる群から選択される、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記検出可能な標識は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
抗SARS-CoV-2抗体であって、
(i)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号26に示す配列を含むか、または
(ii)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号30に示す配列を含むか、または
(iii)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号36に示す配列を含むか、または
(iv)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号42に示す配列を含むか、または
(v)前記抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号54に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号55に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号56に示す配列を含み、
前記抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)前記CDR1は、配列番号57に示す配列を含み、
(b)前記CDR2は、配列番号58に示す配列を含み、
(c)前記CDR3は、配列番号59に示す配列を含む、前記抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項20】
抗SARS-CoV-2抗体であって、
(i)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(ii)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iii)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iv)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(v)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものであるか、のいずれか1つである、前記抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項21】
抗SARS-CoV-2抗体であって、
(i)配列番号11を含む核酸から発現されるかまたは配列番号11を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号12を含む核酸から発現されるかまたは配列番号12を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものであるか、
(ii)配列番号13を含む核酸から発現されるかまたは配列番号13を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号14を含む核酸から発現されるかまたは配列番号14を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものであるか、
(iii)配列番号15を含む核酸から発現されるかまたは配列番号15を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号16を含む核酸から発現されるかまたは配列番号16を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものであるか、
(iv)配列番号17を含む核酸から発現されるかまたは配列番号17を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号18を含む核酸から発現されるかまたは配列番号18を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものであるか、
(v)配列番号50を含む核酸から発現されるかまたは配列番号50を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号51を含む核酸から発現されるかまたは配列番号51を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものであるかのいずれか1つである、前記抗SARS-CoV-2抗体。
【請求項22】
請求項19~21のいずれか1項に記載の抗SARS-CoV-2抗体をコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項23】
前記ポリヌクレオチドは、配列番号11~18、50、または51のいずれか1つに示す核酸配列を含む、請求項22に記載のポリヌクレオチド。
【請求項24】
(i)配列番号11に示す核酸配列を含むVと、配列番号12に示す核酸配列を含むVと、を含むものであるか、
(ii)配列番号13に示す核酸配列を含むVと、配列番号14に示す核酸配列を含むVと、を含むものであるか、
(iii)配列番号15に示す核酸配列を含むVと、配列番号16に示す核酸配列を含むVと、を含むものであるか、
(iv)配列番号17に示す核酸配列を含むVと、配列番号18に示す核酸配列を含むVと、を含むものであるか、
(v)配列番号50を含む核酸から発現されるかまたは配列番号50を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号51を含む核酸から発現されるかまたは配列番号51を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものである、請求項22または23に記載のポリヌクレオチド。
【請求項25】
試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出するためのキットまたはパネルであって、請求項19~21のいずれか1項に記載の1つ以上の抗体を含む、前記キットまたはパネル。
【請求項26】
SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質がSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに適しているかどうかを判定する方法であって、
(i)捕捉抗体を固体表面に固定化することと、ここで前記捕捉抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(e)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(ii)前記SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質に前記抗体を接触させてタンパク質複合体を形成することと、
(iii)前記固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することと、
(iv)前記タンパク質複合体を標識された検出抗体に接触させることと、ここで前記標識された検出抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(e)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(v)前記標識を検出することと、を含み、ここで前記標識を検出することによって、前記SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質が多量体でありかつSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに十分な構造であることが示される、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願データ
本出願は、「抗SARS-CoV-2抗体及びその使用II」と題する2021年10月7日に出願されたオーストラリア特許出願第2021903206号の優先権を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、電子書式の配列表と共に出願されている。配列表の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、抗SARS-COV-2抗体に関し、さらに試料中の無傷の多量体の及び/または無傷の三量体の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)スパイクタンパク質の検出における該抗体の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
2019年後半、中国で新たな重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスがヒトに感染していることが確認された。2019年12月以降、このウイルスは世界中のすべての国に広がり、世界保健機関は2020年3月11日にこの流行をパンデミックと宣言した。このウイルスによるヒトの感染は、高い伝播率を伴う幅広い臨床スペクトルを示している。世界の感染者数と死亡者数は増加し続けており、現在までの感染者数は6億1,500万人を超え、死者数は654万人を超えている。
【0005】
ワクチンはこの感染症を予防するための重要な保健的介入である。このパンデミックでは、前例のない多数のワクチン開発が行われ、8つのワクチンの完全使用が承認され、130を超えるワクチンが第1~3相臨床試験中である。開発されてきたワクチンの大部分は、SARS-COV-2スパイクタンパク質(すなわちSタンパク質)を認識するよう免疫系を誘発しようとするものである。これは、ハムスターチャレンジモデルにおける組換えSARS-CoVタンパク質の初期の研究で、このアプローチは免疫原性があり、防御的であることが実証されたからである。
【0006】
しかし、SARS-Cov-2の拡散に対抗する(及び関連する重篤な感染性コロナウイルス病2019(COVID-19)を治療する)ための効果的なワクチンの開発は、変性タンパク質や単量体タンパク質(免疫原として不十分であると考えられる)のレベルと無傷のタンパク質のレベルとを識別する能力に依存している。これまでに、そのようなアッセイは存在しない。したがって、当業者には明らかなように、Sタンパク質を含む免疫原性組成物を検出する十分な感度と特異性を備え、特に無傷のタンパク質と変性または単量体タンパク質とを識別する十分な感度と特異性を備えた検査が依然として必要である。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、無傷の多量体SARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質に結合する抗体可変領域を含むタンパク質を本発明者らが作製したことに基づいている。さらに、本発明者らは、本開示のタンパク質を使用して無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出するELISAに基づく捕捉検出アッセイを開発した。重要なことに、発明者らは、本開示のタンパク質が、免疫原として不十分であると考えられる変性Sタンパク質や単量体Sタンパク質を検出しないものであることを見出した。かくして、これらの知見に基づき、本発明者らは、Sタンパク質を含む免疫原性組成物の効力を決定する方法も開発した。
【0008】
本発明者らの知見は、試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出する方法の基礎となっている。本発明者らの知見は、Sタンパク質を含む免疫原性組成物の効力を決定する方法の基礎にもなっている。さらに、本発明者らの知見は、無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質に結合する抗体可変領域を含むタンパク質についての基礎にもなっている。
【0009】
したがって、本開示は、試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出する方法を提供し、該方法は、
(i)固体表面に固定化された抗体可変領域を含む捕捉タンパク質に試料を接触させることと、ここで該固定化された捕捉タンパク質は、該多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第1のSタンパク質単量体単位上にある第1の受容体結合ドメイン(RBD)に結合してタンパク質複合体を形成するものであり、
(ii)抗体可変領域を含む検出タンパク質に該タンパク質複合体を接触させることと、ここで該検出タンパク質は、捕捉された多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第2のSタンパク質単量体単位上にある第2のRBDに結合するものでありかつ該検出タンパク質は検出可能な標識を含んでおり、
(iii)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識の存在によって、該試料中に無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質が存在することが示される。
【0010】
したがって、本開示は、試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出する方法を提供し、該方法は、
(i)抗体可変領域を含む捕捉タンパク質を固体表面に固定化することと、
(ii)該固体表面に固定化された抗体可変領域を含む捕捉タンパク質に該試料を接触させることと、ここで該固定化された捕捉タンパク質は、該多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第1のSタンパク質単量体単位上にある第1の受容体結合ドメイン(RBD)に結合してタンパク質複合体を形成するものであり、
(iii)抗体可変領域を含む検出タンパク質に該タンパク質複合体を接触させることと、ここで該検出タンパク質は、捕捉された多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第2のSタンパク質単量体単位上にある第2のRBDに結合するものでありかつ該検出タンパク質は検出可能な標識を含んでおり、
(iv)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識の存在によって、該試料中に無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質が存在することが示される。
【0011】
本開示はさらに、試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出する方法を提供し、該方法は、
(i)抗体可変領域を含む捕捉タンパク質を固体表面に固定化することと、
(ii)該固体表面に固定化された抗体可変領域を含む捕捉タンパク質に該試料を接触させることと、ここで該固定化された捕捉タンパク質は、該多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第1のSタンパク質単量体単位上にある第1のRBDに結合してタンパク質複合体を形成するものであり、
(iii)抗体可変領域を含む検出タンパク質に該タンパク質複合体を接触させることと、ここで該検出タンパク質は、捕捉された多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第2のSタンパク質単量体単位上にある第2のRBDに結合するものであり、
(iv)該検出タンパク質を抗体に接触させることと、ここで該抗体は、該検出タンパク質に結合するものでありかつ検出可能な標識を含んでおり、
(v)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識の存在によって、該試料中に無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質が存在することが示される。
【0012】
本開示はさらに、試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出する方法を提供し、該方法は、
(i)固体表面に固定化された抗体可変領域を含む捕捉タンパク質に該試料を接触させることと、ここで該固定化された捕捉タンパク質は、該多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第1のSタンパク質単量体単位上にある第1のRBDに結合してタンパク質複合体を形成するものであり、
(ii)抗体可変領域を含む検出タンパク質に該タンパク質複合体を接触させることと、ここで該検出タンパク質は、捕捉された多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の第2のSタンパク質単量体単位上にある第2のRBDに結合するものであり、
(iii)該検出タンパク質を抗体に接触させることと、ここで該抗体は、該検出タンパク質に結合するものでありかつ検出可能な標識を含んでおり、
(iv)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識の存在によって、該試料中に無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質が存在することが示される。
【0013】
一例では、該方法は、該試料を供給することをさらに含む。
【0014】
一例では、該方法は、工程(ii)の後に、該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することをさらに備える。例えば、該固体表面に固定化された抗体可変領域を含む捕捉タンパク質に該試料を接触させた後、該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去する。
【0015】
一例では、該方法は、工程(iii)の後に、該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することをさらに備える。例えば、抗体可変領域を含む検出タンパク質に該タンパク質複合体を接触させた後、該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去する。
【0016】
一例では、試料を、両性界面活性剤、非両性界面活性剤、または非界面活性スルホベタインで前処理する。例えば、試料を両性界面活性剤で前処理する。一例では、該両性界面活性剤は、スルホン化両性界面活性剤である。別の一例では、該両性界面活性剤は、非スルホン化両性界面活性剤である。一例では、試料を非両性界面活性剤で前処理する。さらなる一例では、試料を非界面活性スルホベタインで前処理する。
【0017】
一例では、試料を、37Cで3時間、両性界面活性剤で前処理する。本開示の発明者らは、Sタンパク質を含む試料を37Cで3時間前処理すると、試料中の三量体比が常態に戻ることを見出した。さらに、本開示の発明者らは、試料を両性界面活性剤で前処理すると、凝集体の三量体への形成が低減及び/または阻害されることを見出した。例えば、試料を、固体表面への添加の前に、少なくとも約0.025%の両性界面活性剤で前処理する。一例では、試料を、少なくとも約0.025%、または約0.030%、または約0.035%、または約0.040%、または約0.045%、または約0.050%、または約0.055%、または約0.060%、または約0.065%、または約0.070%の両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.030~0.035%の両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.065%の両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。別の一例では、試料を、少なくとも約0.100%、または約0.105%、または約0.110%、または約0.115%、または約0.120%、または約0.125%、または約0.130%の両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.125%の両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。さらなる一例では、試料を、少なくとも約0.15%、または約0.20%、または約0.25%、または約0.30%の両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.25%の両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。
【0018】
一例では、試料を、非両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、固体表面に添加する前に、少なくとも約0.025%の非両性界面活性剤で前処理する。一例では、試料を、少なくとも約0.025%、または約0.030%、または約0.035%、または約0.040%、または約0.045%、または約0.050%、または約0.055%、または約0.060%、または約0.065%、または約0.070%の非両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.030~0.035%の非両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.065%の非両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。別の一例では、試料を、少なくとも約0.100%、または約0.105%、または約0.110%、または約0.115%、または約0.120%、または約0.125%、または約0.130%の非両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.125%の非両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。さらなる一例では、試料を、少なくとも約0.15%、または約0.20%、または約0.25%、または約0.30%の非両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.25%の非両性界面活性剤で37Cにおいて3時間前処理する。
【0019】
一例では、試料を、非界面活性スルホベタインで37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、固体表面に添加する前に、少なくとも約0.025%の非界面活性スルホベタインで前処理する。一例では、試料を、少なくとも約0.025%、または約0.030%、または約0.035%、または約0.040%、または約0.045%、または約0.050%、または約0.055%、または約0.060%、または約0.065%、または約0.070%の非界面活性スルホベタインで37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.030~0.035%の非界面活性スルホベタインで37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.065%の非界面活性スルホベタインで37Cにおいて3時間前処理する。別の一例では、試料を、少なくとも約0.100%、または約0.105%、または約0.110%、または約0.115%、または約0.120%、または約0.125%、または約0.130%の非界面活性スルホベタインで37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.125%の非界面活性スルホベタインで37Cにおいて3時間前処理する。さらなる一例では、試料を、少なくとも約0.15%、または約0.20%、または約0.25%、または約0.30%の非界面活性スルホベタインで37Cにおいて3時間前処理する。例えば、試料を、約0.25%の非界面活性スルホベタインで37Cにおいて3時間前処理する。
【0020】
本発明者らはまた、両性界面活性剤の存在下で試料を固体表面に添加すると、高分子量(HMW)凝集体が三量体になることを低減することを見出した。一例では、両性界面活性剤の存在下で試料を固体表面に添加する。例えば、試料を、両性界面活性剤を含む希釈剤中で固体表面に添加する。一例では、試料を、少なくとも約0.100%、または約0.105%、または約0.110%、または約0.115%、または約0.120%、または約0.125%、または約0.130%の両性界面活性剤を含む希釈剤中で固体表面に添加する。例えば、試料を、0.125%の両性界面活性剤を含む希釈剤中で固体表面に添加する。
【0021】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は、可変フラグメント(Fv)を含む。例えば、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は、
(i)一本鎖Fvフラグメント(scFv)、
(ii)二量体scFv(di-scFv)、
(iii)ダイアボディ、
(iv)トリアボディ、
(v)テトラボディ、
(vi)抗原結合フラグメント(Fab)、
(vii)F(ab’)
(viii)Fv、
(ix)抗体の定常領域、定常フラグメント(Fc)、または重鎖定常ドメイン(C)2及び/またはC3に連結された(i)~(viii)のうちの1つ、及び
(x)抗体からなる群から選択される。
【0022】
一例では、捕捉タンパク質はFvを含む。例えば、捕捉タンパク質は、
(i)scFv、
(ii)di-scFv、
(iii)ダイアボディ、
(iv)トリアボディ、
(v)テトラボディ、
(vi)Fab、
(vii)F(ab’)
(viii)Fv、
(ix)抗体の定常領域、Fc、またはCH及び/またはCHに連結された(i)~(viii)のうちの1つ、及び
(x)抗体、からなる群から選択される。
【0023】
一例では、検出タンパク質はFvを含む。例えば、検出タンパク質は、
(i)scFv、
(ii)di-scFv、
(iii)ダイアボディ、
(iv)トリアボディ、
(v)テトラボディ、
(vi)Fab、
(vii)F(ab’)
(viii)Fv、
(ix)抗体の定常領域、Fc、またはCH及び/またはCHに連結された(i)~(viii)のうちの1つ、及び
(x)抗体、からなる群から選択される。
【0024】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体である。例えば、捕捉タンパク質は抗体である。別の一例では、検出タンパク質は抗体である。例示的な抗体は、完全長抗体及び/または裸の抗体である。
【0025】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は、組換え型、キメラ型、CDR移植型、ヒト化型、類似ヒト化(synhumanized)型、霊長類化型、脱免疫化型、またはヒト型である。
【0026】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、
a.配列番号1のアミノ酸26~33、または
b.配列番号3のアミノ酸26~33、または
c.配列番号5のアミノ酸26~34、または
d.配列番号7のアミノ酸26~33、または
e.配列番号49のアミノ酸26~33、または
f.配列番号52のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、
a.配列番号1のアミノ酸51~58、または
b.配列番号3のアミノ酸51~58、または
c.配列番号5のアミノ酸52~58、または
d.配列番号7のアミノ酸51~58、または
e.配列番号49のアミノ酸51~58、または
f.配列番号52のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、
a.配列番号1のアミノ酸97~110、または
b.配列番号3のアミノ酸97~110、または
c.配列番号5のアミノ酸97~108、または
d.配列番号7のアミノ酸97~106、または
e.配列番号49のアミノ酸97~110、または
f.配列番号52のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、
a.配列番号2のアミノ酸27~32、または
b.配列番号4のアミノ酸27~31、または
c.配列番号6のアミノ酸27~38、または
d.配列番号8のアミノ酸27~37、または
e.配列番号53のアミノ酸27~36に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、
a.配列番号2のアミノ酸50~52、または
b.配列番号4のアミノ酸49~51、または
c.配列番号6のアミノ酸56~58、または
d.配列番号8のアミノ酸55~57、または
e.配列番号53のアミノ酸54~56に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、
a.配列番号2のアミノ酸89~97、または
b.配列番号4のアミノ酸88~96、または
c.配列番号6のアミノ酸95~103、または
d.配列番号8のアミノ酸94~102、または
e.配列番号53のアミノ酸93~101に示す配列を含む。
【0027】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、
a.配列番号1のアミノ酸26~33、または
b.配列番号3のアミノ酸26~33、または
c.配列番号5のアミノ酸26~34、または
d.配列番号7のアミノ酸26~33、または
e.配列番号49のアミノ酸26~33、または
f.配列番号52のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、
a.配列番号1のアミノ酸51~58、または
b.配列番号3のアミノ酸51~58、または
c.配列番号5のアミノ酸52~58、または
d.配列番号7のアミノ酸51~58、または
e.配列番号49のアミノ酸51~58、または
f.配列番号52のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、
a.配列番号1のアミノ酸97~110、または
b.配列番号3のアミノ酸97~110、または
c.配列番号5のアミノ酸97~108、または
d.配列番号7のアミノ酸97~106、または
e.配列番号49のアミノ酸97~110、または
f.配列番号52のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、
a.配列番号2のアミノ酸27~32、または
b.配列番号4のアミノ酸27~31、または
c.配列番号6のアミノ酸27~38、または
d.配列番号8のアミノ酸27~37、または
e.配列番号53のアミノ酸27~36に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、
a.配列番号2のアミノ酸50~52、または
b.配列番号4のアミノ酸49~51、または
c.配列番号6のアミノ酸56~58、または
d.配列番号8のアミノ酸55~57、または
e.配列番号53のアミノ酸54~56に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、
a.配列番号2のアミノ酸89~97、または
b.配列番号4のアミノ酸88~96、または
c.配列番号6のアミノ酸95~103、または
d.配列番号8のアミノ酸94~102、または
e.配列番号53のアミノ酸93~101に示す配列を含む。
【0028】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、
a.配列番号1のアミノ酸26~33、または
b.配列番号3のアミノ酸26~33、または
c.配列番号5のアミノ酸26~34、または
d.配列番号7のアミノ酸26~33、または
e.配列番号49のアミノ酸26~33、または
f.配列番号52のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、
a.配列番号1のアミノ酸51~58、または
b.配列番号3のアミノ酸51~58、または
c.配列番号5のアミノ酸52~58、または
d.配列番号7のアミノ酸51~58、または
e.配列番号49のアミノ酸51~58、または
f.配列番号52のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、
a.配列番号1のアミノ酸97~110、または
b.配列番号3のアミノ酸97~110、または
c.配列番号5のアミノ酸97~108、または
d.配列番号7のアミノ酸97~106、または
e.配列番号49のアミノ酸97~110、または
f.配列番号52のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、
a.配列番号2のアミノ酸27~32、または
b.配列番号4のアミノ酸27~31、または
c.配列番号6のアミノ酸27~38、または
d.配列番号8のアミノ酸27~37、または
e.配列番号53のアミノ酸27~36に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、
a.配列番号2のアミノ酸50~52、または
b.配列番号4のアミノ酸49~51、または
c.配列番号6のアミノ酸56~58、または
d.配列番号8のアミノ酸55~57、または
e.配列番号53のアミノ酸54~56に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、
a.配列番号2のアミノ酸89~97、または
b.配列番号4のアミノ酸88~96、または
c.配列番号6のアミノ酸95~103、または
d.配列番号8のアミノ酸94~102、または
e.配列番号53のアミノ酸93~101に示す配列を含む。
【0029】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号1のアミノ酸26~33に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号1のアミノ酸51~58に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号1のアミノ酸97~110に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号2のアミノ酸27~32に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号2のアミノ酸50~52に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号2のアミノ酸89~97に示す配列を含む。
【0030】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号1のアミノ酸26~33に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号1のアミノ酸51~58に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号1のアミノ酸97~110に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号2のアミノ酸27~32に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号2のアミノ酸50~52に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号2のアミノ酸89~97に示す配列を含む。
【0031】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号1のアミノ酸26~33に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号1のアミノ酸51~58に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号1のアミノ酸97~110に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号2のアミノ酸27~32に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号2のアミノ酸50~52に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号2のアミノ酸89~97に示す配列を含む。
【0032】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号1のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号1のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号1のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号2のアミノ酸27~32に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号2のアミノ酸50~52に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号2のアミノ酸89~97に示す配列を含む。
【0033】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号1のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号1のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号1のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号2のアミノ酸27~32に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号2のアミノ酸50~52に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号2のアミノ酸89~97に示す配列を含む。
【0034】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号1のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号1のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号1のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号2のアミノ酸27~32に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号2のアミノ酸50~52に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号2のアミノ酸89~97に示す配列を含む。
【0035】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号2のアミノ酸27~32に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号2のアミノ酸50~52に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号2のアミノ酸89~97に示す配列を含む。
【0036】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号2のアミノ酸27~32に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号2のアミノ酸50~52に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号2のアミノ酸89~97に示す配列を含む。
【0037】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号2のアミノ酸27~32に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号2のアミノ酸50~52に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号2のアミノ酸89~97に示す配列を含む。
【0038】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号3のアミノ酸26~33に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号3のアミノ酸51~58に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号3のアミノ酸97~110に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号4のアミノ酸27~31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号4のアミノ酸49~51に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号4のアミノ酸88~96に示す配列を含む。
【0039】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号3のアミノ酸26~33に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号3のアミノ酸51~58に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号3のアミノ酸97~110に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号4のアミノ酸27~31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号4のアミノ酸49~51に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号4のアミノ酸88~96に示す配列を含む。
【0040】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号3のアミノ酸26~33に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号3のアミノ酸51~58に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号3のアミノ酸97~110に示す配列を含むか、または配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号4のアミノ酸27~31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号4のアミノ酸49~51に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号4のアミノ酸88~96に示す配列を含む。
【0041】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号3のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号3のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号3のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号4のアミノ酸27~31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号4のアミノ酸49~51に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号4のアミノ酸88~96に示す配列を含む。
【0042】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号3のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号3のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号3のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号4のアミノ酸27~31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号4のアミノ酸49~51に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号4のアミノ酸88~96に示す配列を含む。
【0043】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号3のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号3のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号3のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号4のアミノ酸27~31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号4のアミノ酸49~51に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号4のアミノ酸88~96に示す配列を含む。
【0044】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号4のアミノ酸27~31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号4のアミノ酸49~51に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号4のアミノ酸88~96に示す配列を含む。
【0045】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号4のアミノ酸27~31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号4のアミノ酸49~51に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号4のアミノ酸88~96に示す配列を含む。
【0046】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号49のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号49のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号49のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号4のアミノ酸27~31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号4のアミノ酸49~51に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号4のアミノ酸88~96に示す配列を含む。
【0047】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号5のアミノ酸26~34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号5のアミノ酸52~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号5のアミノ酸97~108に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号6のアミノ酸27~38に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号6のアミノ酸56~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号6のアミノ酸95~103に示す配列を含む。
【0048】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号5のアミノ酸26~34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号5のアミノ酸52~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号5のアミノ酸97~108に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号6のアミノ酸27~38に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号6のアミノ酸56~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号6のアミノ酸95~103に示す配列を含む。
【0049】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号5のアミノ酸26~34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号5のアミノ酸52~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号5のアミノ酸97~108に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号6のアミノ酸27~38に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号6のアミノ酸56~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号6のアミノ酸95~103に示す配列を含む。
【0050】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号7のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号7のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号7のアミノ酸97~106に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号8のアミノ酸27~37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号8のアミノ酸55~57に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号8のアミノ酸94~102に示す配列を含む。
【0051】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号7のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号7のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号7のアミノ酸97~106に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号8のアミノ酸27~37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号8のアミノ酸55~57に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号8のアミノ酸94~102に示す配列を含む。
【0052】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号7のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号7のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号7のアミノ酸97~106に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号8のアミノ酸27~37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号8のアミノ酸55~57に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号8のアミノ酸94~102に示す配列を含む。
【0053】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号52のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号52のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号52のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号53のアミノ酸27~36に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号53のアミノ酸54~56に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号53のアミノ酸93~101に示す配列を含む。
【0054】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号52のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号52のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号52のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号53のアミノ酸27~36に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号53のアミノ酸54~56に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号53のアミノ酸93~101に示す配列を含む。
【0055】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号52のアミノ酸26~33に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号52のアミノ酸51~58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号52のアミノ酸97~110に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号53のアミノ酸27~36に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号53のアミノ酸54~56に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号53のアミノ酸93~101に示す配列を含む。
【0056】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、相補性決定領域(CDR)1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号21、配列番号31、または配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22、配列番号32、または配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23、配列番号27、配列番号33、または配列番号39に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号24、配列番号28、配列番号34、または配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25、配列番号29、配列番号35、または配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26、配列番号30、配列番号36、または配列番号42に示す配列を含む。
【0057】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21、配列番号31、または配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22、配列番号32、または配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23、配列番号27、配列番号33、または配列番号39に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24、配列番号28、配列番号34、または配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25、配列番号29、配列番号35、または配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26、配列番号30、配列番号36、または配列番号42に示す配列を含む。
【0058】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21、配列番号31、または配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22、配列番号32、または配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23、配列番号27、配列番号33、または配列番号39に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24、配列番号28、配列番号34、または配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25、配列番号29、配列番号35、または配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26、配列番号30、配列番号36、または配列番号42に示す配列を含む。
【0059】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む重鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号21、配列番号31、配列番号37、または配列番号54に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22、配列番号32、配列番号38、または配列番号55に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23、配列番号27、配列番号33、配列番号39、または配列番号56に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含む軽鎖可変領域(V)を含み、
(a)該CDR1は、配列番号24、配列番号28、配列番号34、配列番号40、または配列番号57に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25、配列番号29、配列番号35、配列番号41、または配列番号58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26、配列番号30、配列番号36、配列番号42、または配列番号59に示す配列を含む。
【0060】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21、配列番号31、配列番号37、または配列番号54に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22、配列番号32、配列番号38、または配列番号55に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23、配列番号27、配列番号33、配列番号39、または配列番号56に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24、配列番号28、配列番号34、配列番号40、または配列番号57に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25、配列番号29、配列番号35、配列番号41、または配列番号58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26、配列番号30、配列番号36、配列番号42、または配列番号59に示す配列を含む。
【0061】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21、配列番号31、配列番号37、または配列番号54に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22、配列番号32、配列番号38、または配列番号55に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23、配列番号27、配列番号33、配列番号39、または配列番号56に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24、配列番号28、配列番号34、配列番号40、または配列番号57に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25、配列番号29、配列番号35、配列番号41、または配列番号58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26、配列番号30、配列番号36、配列番号42、または配列番号59に示す配列を含む。
【0062】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26に示す配列を含むか、または
(ii)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号30に示す配列を含むか、または
(iii)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号36に示す配列を含むか、または
(iv)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号42に示す配列を含む。
【0063】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26に示す配列を含むか、または
(ii)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号30に示す配列を含むか、また
(iii)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号36に示す配列を含むか、または
(iv)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号42に示す配列を含むか、または
(v)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号54に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号55に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号56に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号57に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号59に示す配列を含む。
【0064】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26に示す配列を含む。
【0065】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26に示す配列を含む。
【0066】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26に示す配列を含む。
【0067】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号30に示す配列を含む。
【0068】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号30に示す配列を含む。
【0069】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号30に示す配列を含む。
【0070】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号36に示す配列を含む。
【0071】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号36に示す配列を含む。
【0072】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号36に示す配列を含む。
【0073】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号42に示す配列を含む。
【0074】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号42に示す配列を含む。
【0075】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(i)該CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(ii)該CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(iii)該CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号42に示す配列を含む。
【0076】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号54に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号55に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号56に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号57に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号59に示す配列を含む。
【0077】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号54に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号55に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号56に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(d)該CDR1は、配列番号57に示す配列を含み、
(e)該CDR2は、配列番号58に示す配列を含み、
(f)該CDR3は、配列番号59に示す配列を含む。
【0078】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号54に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号55に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号56に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号57に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号59に示す配列を含む。
【0079】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号49に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号8に示す配列を含むVと、を含む。
【0080】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号49に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号8に示す配列を含むVと、を含む。
【0081】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号49に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号8に示す配列を含むVと、を含む。
【0082】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号49、または配列番号52に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号53に示す配列を含むVと、を含む。
【0083】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号49、または配列番号52に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号53に示す配列を含むVと、を含む。
【0084】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号49、または配列番号52に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、または配列番号53に示す配列を含むVと、を含む。
【0085】
一例では、VCDR3のアミノ酸配列は、配列番号49に示すコンセンサス配列を含み、該アミノ酸配列は、24位にアラニン(A)もしくはバリン(V)、及び/または、34位にメチオニン(M)もしくはイソロイシン(I)、及び/または、94位にシステイン(C)もしくはチロシン(Y)、及び/または、98位にグリシン(G)もしくはセリン(S)、及び/または、100位にロイシン(L)もしくはチロシン(Y)、及び/または、106位にアラニン(A)もしくはセリン(S)、及び/または、107位にプロリン(P)もしくはトリプトファン(W)を含む。
【0086】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号49に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2に示す配列を含むVと、を含む。
【0087】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号49に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2に示す配列を含むVと、を含む。
【0088】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号49に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2に示す配列を含むVと、を含む。
【0089】
一例では、VCDR3のアミノ酸配列は、配列番号49に示す配列を含み、該アミノ酸配列は、24位にアラニン(A)、34位にイソロイシン(I)、94位にシステイン(C)、98位にグリシン(G)、100位にロイシン(L)、106位にアラニン(A)、及び107位にプロリン(P)を含む。
【0090】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号49に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号4に示す配列を含むVと、を含む。
【0091】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号49に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号4に示す配列を含むVと、を含む。
【0092】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号49に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号4に示す配列を含むVと、を含む。
【0093】
一例では、VCDR3のアミノ酸配列は、配列番号49に示す配列を含み、該アミノ酸配列は、24位にバリン(V)、34位にメチオニン(M)、94位にチロシン(Y)、98位にセリン(S)、100位にチロシン(Y)、106位にセリン(S)、及び107位にトリプトファン(W)を含む。
【0094】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(ii)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iii)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iv)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものである。
【0095】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(e)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものである。
【0096】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0097】
一例では、捕捉タンパク質は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0098】
一例では、検出タンパク質は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0099】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2に示す配列を含むVと、を含む。
【0100】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2に示す配列を含むVと、を含む。
【0101】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号1に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号2に示す配列を含むVと、を含む。
【0102】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号3に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号4に示す配列を含むVと、を含む。
【0103】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号3に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号4に示す配列を含むVと、を含む。
【0104】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号3に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号4に示す配列を含むVと、を含む。
【0105】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号5に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号6に示す配列を含むVと、を含む。
【0106】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号5に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号6に示す配列を含むVと、を含む。
【0107】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号5に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号6に示す配列を含むVと、を含む。
【0108】
一例では、捕捉タンパク質及び/または検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号7に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号8に示す配列を含むVと、を含む。
【0109】
一例では、捕捉タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号7に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号8に示す配列を含むVと、を含む。
【0110】
一例では、検出タンパク質は抗体であり、該抗体は、
(i)配列番号7に示す配列を含むVと、
(ii)配列番号8に示す配列を含むVと、を含む。
【0111】
一例では、捕捉タンパク質と検出タンパク質とは同じである。一例では、捕捉タンパク質と検出タンパク質の両方が抗体(つまり、同じ抗体)である。
【0112】
一例では、捕捉タンパク質及び検出タンパク質が、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0113】
一例では、捕捉タンパク質及び検出タンパク質が、配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0114】
一例では、捕捉タンパク質及び検出タンパク質が、配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0115】
一例では、捕捉タンパク質及び検出タンパク質が、配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0116】
一例では、捕捉タンパク質及び検出タンパク質が、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0117】
一例では、捕捉タンパク質と検出タンパク質とが異なっている。一例では、捕捉タンパク質と検出タンパク質とは、両方とも抗体であるが、異なる抗体である。
【0118】
一例では、捕捉タンパク質は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む抗体であり、かつ検出タンパク質は、配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0119】
一例では、捕捉タンパク質は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む抗体であり、かつ検出タンパク質は、配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0120】
一例では、捕捉タンパク質は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む抗体であり、かつ検出タンパク質は、配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含む抗体である。
【0121】
一例では、検出可能な標識は、放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識、補欠分子族、及び造影剤からなる群から選択される。
【0122】
一例では、検出可能な標識は放射性標識である。
【0123】
一例では、検出可能な標識は酵素である。例えば、酵素は西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)である。
【0124】
一例では、検出可能な標識は蛍光標識である。
【0125】
一例では、検出可能な標識は発光標識である。
【0126】
一例では、検出可能な標識は生物発光標識である。
【0127】
一例では、検出可能な標識は磁気標識である。
【0128】
一例では、検出可能な標識は補欠分子族である。
【0129】
一例では、検出可能な標識は造影剤である。
【0130】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26に示す配列を含むか、または
(ii)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号30に示す配列を含むか、または
(iii)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号36に示す配列を含むか、または
(iv)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号42に示す配列を含む。
【0131】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26に示す配列を含むか、または
(ii)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号30に示す配列を含むか、または
(iii)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号36に示す配列を含むか、または
(iv)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号42に示す配列を含むか、または
(v)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号54に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号55に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号56に示す配列を含み、
該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号57に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号58に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号59に示す配列を含む。
【0132】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号23に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号24に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号25に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号26に示す配列を含む。
【0133】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号21に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号22に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号27に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号28に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号29に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号30に示す配列を含む。
【0134】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号31に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号32に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号33に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号34に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号35に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号36に示す配列を含む。
【0135】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、
(i)該抗体は、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号37に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号38に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号39に示す配列を含み、
(ii)該抗体はさらに、CDR1と、CDR2と、CDR3と、を含むVを含み、
(a)該CDR1は、配列番号40に示す配列を含み、
(b)該CDR2は、配列番号41に示す配列を含み、
(c)該CDR3は、配列番号42に示す配列を含む。
【0136】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、該抗体は、
(i)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(ii)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iii)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iv)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるかのいずれか1つである。
【0137】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、該抗体は、
(i)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(ii)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iii)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(iv)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(v)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものであるかのいずれか1つである。
【0138】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、該抗体は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含む。
【0139】
一例では、本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、該抗体は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む。
【0140】
一例では、本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、該抗体は、配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含む。
【0141】
一例では、本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、該抗体は、配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含む。
【0142】
一例では、本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、該抗体は、配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含む。
【0143】
一例では、該タンパク質または該抗体は、上記タンパク質または抗体のいずれかをコードする核酸によりコードされるタンパク質または抗体の任意の形態である。
【0144】
本開示は、抗SARS-CoV-2抗体を提供し、該抗体は、
(i)配列番号11を含む核酸から発現されるかまたは配列番号11を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号12を含む核酸から発現されるかまたは配列番号12を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものであるか、
(ii)配列番号13を含む核酸から発現されるかまたは配列番号13を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号14を含む核酸から発現されるかまたは配列番号14を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものであるか、
(iii)配列番号15を含む核酸から発現されるかまたは配列番号15を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号16を含む核酸から発現されるかまたは配列番号16を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものであるか、
(iv)配列番号17を含む核酸から発現されるかまたは配列番号17を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号18を含む核酸から発現されるかまたは配列番号18を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含むものであるかのいずれか1つである。
【0145】
一例では、本開示は、配列番号11を含む核酸から発現されるかまたは配列番号11を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号12を含む核酸から発現されるかまたは配列番号12を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含む抗SARS-CoV-2抗体を提供する。
【0146】
一例では、本開示は、配列番号13を含む核酸から発現されるかまたは配列番号13を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号14を含む核酸から発現されるかまたは配列番号14を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含む抗SARS-CoV-2抗体を提供する。
【0147】
一例では、本開示は、配列番号15を含む核酸から発現されるかまたは配列番号15を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号16を含む核酸から発現されるかまたは配列番号16を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含む抗SARS-CoV-2抗体を提供する。
【0148】
一例では、本開示は、配列番号17を含む核酸から発現されるかまたは配列番号17を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号18を含む核酸から発現されるかまたは配列番号18を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含む抗SARS-CoV-2抗体を提供する。
【0149】
一例では、本開示は、配列番号50を含む核酸から発現されるかまたは配列番号50を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、配列番号51を含む核酸から発現されるかまたは配列番号51を含む核酸によりコードされる配列を含むVと、を含む抗SARS-CoV-2抗体を提供する。
【0150】
一例では、本開示は、本明細書に記載の抗SARS-CoV-2抗体をコードするポリヌクレオチドを提供する。例えば、該ポリヌクレオチドは、配列番号11~18のいすれか1つに示す核酸を含む。
【0151】
一例では、該ポリヌクレオチドは、
(i)配列番号11に示す核酸配列を含むVと、配列番号12に示す核酸配列を含むVと、を含むか、または
(ii)配列番号13に示す核酸配列を含むVと、配列番号14に示す核酸配列を含むVと、を含むか、または
(iii)配列番号15に示す核酸配列を含むVと、配列番号16に示す核酸配列を含むVと、を含むか、または
(iv)配列番号17に示す核酸配列を含むVと、配列番号18に示す核酸配列を含むVと、を含む。
【0152】
一例では、該ポリヌクレオチドは、
(i)配列番号11に示す核酸配列を含むVと、配列番号12に示す核酸配列を含むVと、を含むか、または
(ii)配列番号13に示す核酸配列を含むVと、配列番号14に示す核酸配列を含むVと、を含むか、または
(iii)配列番号15に示す核酸配列を含むVと、配列番号16に示す核酸配列を含むVと、を含むか、または
(iv)配列番号17に示す核酸配列を含むVと、配列番号18に示す核酸配列を含むVと、を含むか、または
(v)配列番号50に示す核酸配列を含むVと、配列番号51に示す核酸配列を含むVと、を含む。
【0153】
一例では、該ポリヌクレオチドは、配列番号11に示す核酸配列を含むVと、配列番号12に示す核酸配列を含むVと、を含む。
【0154】
一例では、該ポリヌクレオチドは、配列番号13に示す核酸配列を含むVと、配列番号14に示す核酸配列を含むVと、を含む。
【0155】
一例では、該ポリヌクレオチドは、配列番号15に示す核酸配列を含むVと、配列番号16に示す核酸配列を含むVと、を含む。
【0156】
一例では、該ポリヌクレオチドは、配列番号17に示す核酸配列を含むVと、配列番号18に示す核酸配列を含むVと、を含む。
【0157】
一例では、該ポリヌクレオチドは、配列番号50に示す核酸配列を含むVと、配列番号51に示す核酸配列を含むVと、を含む。
【0158】
本開示はまた、試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出するためのキットまたはパネルを提供し、該キットまたはパネルは、本明細書に開示する1つ以上のタンパク質または抗体を含む。
【0159】
本開示はまた、SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質がSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに適しているかどうかを判定する方法を提供し、該方法は、
(i)固体表面に固定化された捕捉抗体を、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質に接触させて、タンパク質複合体を形成することと、ここで該捕捉抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(ii)該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することと、
(iii)該タンパク質複合体を標識された検出抗体に接触させることと、ここで該標識された検出抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(vi)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識を検出することによって、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質が多量体でありかつSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに十分な構造であることが示される。
【0160】
本開示はまた、SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質がSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに適しているかどうかを判定する方法を提供し、該方法は、
(i)固体表面に固定化された捕捉抗体を、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質に接触させて、タンパク質複合体を形成することと、ここで該捕捉抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(e)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(ii)該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することと、
(iii)該タンパク質複合体を標識された検出抗体に接触させることと、ここで該標識された検出抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(e)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(iv)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識を検出することによって、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質が多量体でありかつSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに十分な構造であることが示される。
【0161】
本開示はまた、SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質がSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに適しているかどうかを判定する方法を提供し、該方法は、
(i)固体表面に固定化された捕捉抗体を、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質に接触させて、タンパク質複合体を形成することと、ここで該捕捉抗体は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含み、
(ii)該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することと、
(iii)該タンパク質複合体を標識された検出抗体に接触させることと、ここで該標識された検出抗体は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含み、
(iv)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識を検出することによって、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質が多量体でありかつSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに十分な構造であることが示される。
【0162】
本開示はまた、SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質がSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに適しているかどうかを判定する方法を提供し、該方法は、
(i)捕捉抗体を固体表面に固定化することと、ここで該捕捉抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(ii)該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質に該抗体を接触させてタンパク質複合体を形成することと、
(iii)該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することと、
(iv)該タンパク質複合体を標識された検出抗体に接触させることと、ここで該標識された検出抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(v)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識を検出することによって、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質が多量体でありかつSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに十分な構造であることが示される。
【0163】
本開示はまた、SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質がSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに適しているかどうかを判定する方法を提供し、該方法は、
(i)捕捉抗体を固体表面に固定化することと、ここで該捕捉抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(e)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(ii)該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質に該抗体を接触させてタンパク質複合体を形成することと、
(iii)該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することと、
(iv)該タンパク質複合体を標識された検出抗体に接触させることと、ここで該標識された検出抗体は、
(a)配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(b)配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(c)配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含むものであるか、
(d)配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含むものであるか、または
(e)配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含むものであり、
(v)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識を検出することによって、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質が多量体でありかつSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに十分な構造であることが示される。
【0164】
本開示はまた、SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質がSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに適しているかどうかを判定する方法を提供し、該方法は、
(i)捕捉抗体を固体表面に固定化することと、ここで該捕捉抗体は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含み、
(ii)該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質に該抗体を接触させてタンパク質複合体を形成することと、
(iii)該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することと、
(iv)該タンパク質複合体を標識された検出抗体に接触させることと、ここで該標識された検出抗体は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含み、
(v)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識を検出することによって、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質が多量体でありかつSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに十分な構造であることが示される。
【0165】
一例では、該捕捉抗体は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む。
【0166】
一例では、該捕捉抗体は、配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含む。
【0167】
一例では、該捕捉抗体は、配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含む。
【0168】
一例では、該捕捉抗体は、配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含む。
【0169】
一例では、該捕捉抗体は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含む。
【0170】
一例では、該検出抗体は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含む。
【0171】
一例では、該検出抗体は、配列番号3に示す配列を含むVと、配列番号4に示す配列を含むVと、を含む。
【0172】
一例では、該検出抗体は、配列番号5に示す配列を含むVと、配列番号6に示す配列を含むVと、を含む。
【0173】
一例では、該検出抗体は、配列番号7に示す配列を含むVと、配列番号8に示す配列を含むVと、を含む。
【0174】
一例では、該検出抗体は、配列番号52に示す配列を含むVと、配列番号53に示す配列を含むVと、を含む。
【0175】
一例では、本開示は、SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質がSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに適しているかどうかを判定する方法を提供し、該方法は、
(i)固体表面にある捕捉抗体を、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質に接触させて、タンパク質複合体を形成することと、ここで該捕捉抗体は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含み、
(ii)該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することと、
(iii)該タンパク質複合体を標識された検出抗体に接触させることと、ここで該標識された検出抗体は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含み、
(iv)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識を検出することによって、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質が多量体でありかつSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに十分な構造であることが示される。
【0176】
一例では、本開示は、SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質がSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに適しているかどうかを判定する方法を提供し、該方法は、
(i)捕捉抗体を固体表面に固定化することと、ここで該捕捉抗体は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含み、
(ii)該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質に該抗体を接触させてタンパク質複合体を形成することと、
(iii)該固体表面を洗浄して未結合のタンパク質を除去することと、
(iv)該タンパク質複合体を標識された検出抗体に接触させることと、ここで該標識された検出抗体は、配列番号1に示す配列を含むVと、配列番号2に示す配列を含むVと、を含み、
(v)該標識を検出することと、を含み、ここで該標識を検出することによって、該SARS-CoV-2Sタンパク質のRBDを含むタンパク質が多量体でありかつSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導するのに十分な構造であることが示される。
【0177】
一例では、対象は、哺乳動物、例えばヒトなどの霊長類である。
【図面の簡単な説明】
【0178】
図1】適合性についての捕捉/検出ELISAスクリーニングを示すグラフである。
図2A】捕捉抗体30B8を使用する捕捉検出を示すグラフである(DEV2-DPは、SEC-HPLCによる約20%高分子量種(HMWS)のフルフラクションCSL451抗原であり、精製三量体は、DEV2-DSからSECにより精製されたHMWS含量<5%のものである)。
図2B】捕捉抗体6G6を使用する捕捉検出を示すグラフである(DEV2-DPは、SEC-HPLCによる約20%高分子量種(HMWS)のフルフラクションCSL451抗原であり、精製三量体は、DEV2-DSからSECにより精製されたHMWS含量<5%のものである)。
図2C】捕捉抗体33E10を使用する捕捉検出を示すグラフである(DEV2-DPは、SEC-HPLCによる約20%高分子量種(HMWS)のフルフラクションCSL451抗原であり、精製三量体は、DEV2-DSからSECにより精製されたHMWS含量<5%のものである)。
図2D】捕捉抗体31G11を使用する捕捉検出を示すグラフである(DEV2-DPは、SEC-HPLCによる約20%高分子量種(HMWS)のフルフラクションCSL451抗原であり、精製三量体は、DEV2-DSからSECにより精製されたHMWS含量<5%のものである)。
図3A】CSL451抗原を0.1%(w/v)SDS及び0.125%Zwittergent(対照)で37°Cにおいて3時間処理した後、相同30B8捕捉/検出EIAにより評価した結果を示すグラフである。
図3B】CSL451抗原を0.1%(w/v)SDS及び0.125%Zwittergent(対照)で37°Cにおいて3時間処理した後、非相同30B8捕捉/33E10検出ELISAで評価した結果を示すグラフである。
図3C】同じ濃度のSDSで処理したCSL451抗原をSEC-HPLCにより分析した結果、スパイク三量体及び高次三量体複合体の単量体サブユニットへの分解が明らかになったことを示すグラフである。
図4A】ストレス条件及びアジュバントまたは防腐剤の存在に対する捕捉検出ELISA法を示す一連のグラフにおいて、熱ストレスを受けた抗原(43及び90℃)及び防腐剤(チオメルサール)の添加について示すグラフである。
図4B】ストレス条件及びアジュバントまたは防腐剤の存在に対する捕捉検出ELISA法を示す一連のグラフにおいて、pH4.0に低下させ再緩衝してpH7.0とするpHストレス(T=0)と、pH4.0で72時間後(T=3d)とについて示すグラフである。
図4C】ストレス条件及びアジュバントまたは防腐剤の存在に対する捕捉検出ELISA法を示す一連のグラフにおいて、Hを添加する酸化ストレスと回復(T=0)、その後72時間後(T=3d)について示すグラフである。
図4D】ストレス条件及びアジュバントまたは防腐剤の存在に対する捕捉検出ELISA法を示す一連のグラフにおいて、MF59アジュバントの添加混合(T=0)と72時間後(T=3d)とについて示すグラフである。
図5】0.2mg/mLのCSL451DPのアリコートをそれぞれ45°C、50°C、55°C、60°C、65°C、70°C、及び75°Cで混合しながら1時間保持した結果を示す一連のグラフである。また対照として、アリコートを室温で1時間保持した。試料を前処理(0.18mg/mLの抗原あたり0.125%Zwittergent、37°C/3時間で保持)した後、30B8捕捉/検出EIAにより評価した。(A)独立した4連の平均効力を、4パラメータPLAロジスティックフィッティングを用い、対照試料に対し、各ストレスを受けた試料について求めた。(B)低下百分率を、対照試料の効力に対する低下の百分率として求めた。熱ストレスの増加と対照に対する効力回復率(%)との相関関係を、線形回帰によって評価し、相関係数(R)を求めた。
図6】SARS-CoV-2Sクランプ抗原に対する抗体30B8の結合親和性の測定を示す一連のグラフである。(A)はアッセイ法を示し、(B)はセンサーグラムを示し、(C)は結合キネティクスデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0179】
【表1-1】
【表1-2】
【0180】
全般
本明細書全体を通して、具体的に別段明記されない限り、または文脈上他の意味に解すべき場合を除き、単一のステップ、単一の組成物、ステップ群、または組成物群への言及は、それらのステップ、それらの組成物、ステップ群、または組成物群のうちの1つ及び複数(すなわち1つ以上)を包含すると解釈すべきである。
【0181】
当業者には明らかなとおり、本開示は、具体的に記載されているもの以外への変形及び変更が容易に可能である。当然のことながら、本開示は、そのような変形及び変更をすべて含むものである。本開示はまた、個別にまたは包括的に本明細書で言及しまたは示しているステップ、特徴、組成物、及び化合物の全てを含むものであり、さらに、それらのステップまたはそれらの特徴の任意の2つ以上の任意のもの及びそれらのステップまたはそれらの特徴の任意の2つ以上の組み合わせすべてを含むものである。
【0182】
本開示は、本明細書に記載の特定の実施例によって範囲を限定されるものではなく、そのような特定の実施例が目的するところは、単なる例示である。機能的に等価の物、組成物、及び方法が本開示の範囲内にあることは明らかなことである。
【0183】
本開示のいかなる例も、別段の具体的な記載がない限り、本開示の任意の他の例に準用できると解釈すべきである。つまり、本開示の任意の特定の例は、本開示の他の任意の特定の例と組み合わせることができる(相互に排他的である場合を除く)。
【0184】
特定の特徴または特徴のグループ、あるいは方法または方法のステップを開示する本開示のいかなる例も、特定の特徴または特徴のグループ、あるいは方法または方法のステップを請求の範囲から除くための明示的な裏付けとなっていると解釈すべきである。
【0185】
別段の具体的な定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当該技術分野の(例えば、細胞培養、分子遺伝学、免疫学、免疫組織化学、タンパク質化学、及び生化学における)当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有するものと解釈すべきである。
【0186】
別途指定されない限り、本開示で利用される組換えタンパク質、細胞培養、及び免疫学的技法は、当業者に周知の標準的手順である。かかる技法は、例えば、以下の出典における文献に記載説明されている。J.Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning,John Wiley and Sons(1984)、J.Sambrook et al. Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory Press(1989),T.A.Brown(editor)、Essential Molecular Biology:A Practical Approach,Volumes 1 and 2,IRL Press(1991),D.M.Glover and B.D.Hames(editors)、DNA Cloning:A Practical Approach,Volumes 1-4,IRL Press(1995 and 1996)、及びF.M.Ausubel et al.(editors),Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience(1988、これまでの更新をすべて含む)、Ed Harlow and David Lane(editors)、Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory,(1988)、及びJ.E.Coligan et al.(editors)Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons(これまでの更新をすべて含む)。
【0187】
「及び/または」、例えば、「X及び/またはY」という用語は、「X及びY」または「XまたはY」のいずれかを意味すると解されるものであり、両方の意味またはいずれかの意味を明確に支持していると解釈すべきである。
【0188】
本明細書を通じて、単語「含む(comprise)」、または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」のような変化形は、記載された要素、完結物、もしくはステップ、または記載された要素群、完結物群、もしくはステップ群を包含することを意味する一方、任意の他の要素、完結物、もしくはステップ、または任意の他の要素群、完結物群、もしくはステップ群を除外することを意味していないと解釈すべきである。
【0189】
本明細書で使用される「に由来する」という用語は、特定される完結物が、特定の供給源から得られる一方、必ずしもその供給源から直接得られるものとは限らないことを示していると解すべきである。同様に「に基づく」という用語は、特定される完結物が、特定の供給源からもたらされるかまたは使用されるものである一方、必ずしもその供給源から直接もたらされるかまたは使用されるものとは限らないことを示していると解すべきである。
【0190】
選択された定義
本明細書で使用される「重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)」(「2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)」及び「ヒトコロナウイルス2019(HCoV-19またはhCoV-19)」としても知られている)という用語は、コロナウイルス病2019(COVID-19)を引き起こすコロナウイルス株を指すと解されるものである。
【0191】
本明細書において使用される「検出」または「検出する」という用語は、試料中にSARS-COV-2スパイクタンパク質が存在することまたは含まれていることを特定することを指す。
【0192】
本明細書において、多量体タンパク質及び/または三量体タンパク質に関して使用される「無傷の」という表現は、構造的に無傷の免疫原を指している。この用語には、Sタンパク質の切断の結果として形成されるものは含まれない。
【0193】
本明細書において、抗体と抗原の相互作用に関して使用される「結合する」という用語は、その相互作用が抗原上の特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存することを意味する。例えば、抗体は通常、タンパク質全体ではなく、特定のタンパク質構造を認識してそれに結合する。ある抗体がエピトープ「A」に結合する場合、エピトープ「A」(または遊離の標識されていない「A」)を含む分子が存在すれば、標識された「A」及び当該抗体を含む反応において、当該抗体に結合する標識された「A」の量は減少する。
【0194】
本明細書で使用される「特異的に結合する」または「特異的結合」という用語は、本開示の抗体が、ある特定の抗原(例えば、Sタンパク質またはRBD)に対し、それに代わる抗原に比べて、より高頻度に、より速く、より長い持続時間で、及び/またはより高い親和性で、反応または結合することを意味していると解されるものである。例えば、ある抗体は、Sタンパク質またはRBDに結合する場合、他の抗原(例えば、多反応性天然抗体(すなわち、ヒトに天然に存在するさまざまな抗原に結合することが知られている天然抗体)によって一般的に認識される抗原)に結合する場合よりも、実質的により高い親和性(例えば、20倍または40倍または60倍または80倍または100倍または150倍または200倍高い親和性)または親和力で、より速く、及び/またはより長い持続時間で、結合する。一般に、必ずしもではないが、結合についての言及は、特異的結合を意味し、また各用語は、他の用語を明確に支持しているものとして解されるものである。
【0195】
本明細書で使用される「両性界面活性剤」または「両性イオン界面活性剤」という用語は、ベタインを含み、スルホン酸基を有するかまたは有しない一群の界面活性剤(すなわち、スルホン化両性イオン界面活性剤または非スルホン化両性イオン界面活性剤)を指していると解されるものである。そのような分子は、両性(両性イオン)特性を非常に広い範囲で保持し、標的タンパク質の電荷を変化させることなく、標的タンパク質の本来の状態を保持する。例示的な非スルホン化両性イオン界面活性剤としては、EMPIGEN BB(n-ドデシル-N,N-ジメチルグリシン)が挙げられる。
【0196】
本明細書において使用される「非両性界面活性剤」または「非両性イオン界面活性剤」という用語は、荷電されていない頭部基を有する一群の界面活性剤を指していると解されるものである。
【0197】
本明細書で使用される「非界面活性スルホベタイン」または「NDSB」という用語は、親水性スルホベタイン頭部基と、両性イオン界面活性剤よりも短い疎水性鎖とを含む両性イオン様添加物を指していると解されるものである。
【0198】
「組換え」という用語は、人工的な遺伝子組換えの産物を意味すると解されるものである。したがって、組換え抗体の文脈では、この用語は、B細胞の成熟中に発生する自然な組換えの産物である、対象の体内で自然に発生する抗体は含まない。しかし、そのような抗体が単離される場合、それは、抗体可変領域を含む単離されたタンパク質とみなすべきである。同様に、タンパク質をコードする核酸が単離され、組み換え手段を使用して発現される場合、得られるタンパク質は抗体可変領域を含む組み換えタンパク質である。組換えタンパク質には、例えば、それが発現される細胞、組織、または対象物内にある場合に、人為的組換え手段によって発現されるタンパク質も含まれる。
【0199】
本明細書で使用する「ヌクレオチド配列」または「核酸配列」という用語は、ホスホジエステル骨格に共有結合した一連の連続するヌクレオチド(または塩基)を意味すると解されるものである。
【0200】
「タンパク質」という用語は、単一のポリペプチド鎖、すなわち、ペプチド結合により連結された一連の連続するアミノ酸、または互いに共有結合によりもしくは非共有結合的に連結された一連のポリペプチド鎖(すなわち、ポリペプチド複合体)を包含すると解されるものである。例えば、一連のポリペプチド鎖は、適当な化学結合またはジスルフィド結合により共有結合させることができる。非共有結合の例には、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力、及び疎水性相互作用が挙げられる。
【0201】
「ポリペプチド」または「ポリペプチド鎖」という用語は、上記パラグラフから、ペプチド結合によって連結された一連の連続したアミノ酸を意味すると解される。
【0202】
当業者には明らかなとおり、「抗体」は、通常、複数のポリペプチド鎖(例えば、軽鎖可変領域(V)を含むポリペプチド及び重鎖可変領域(V)を含むポリペプチド)で構成される可変領域を含むタンパク質であると考えられる。抗体は一般に定常ドメインも含み、定常ドメインの一部は、定常領域に配置され得、定常領域には、重鎖の場合、定常フラグメントまたは結晶化可能フラグメント(Fc)が含まれる。VとVは相互作用してFvを形成する。このFvは、1つまたはいくつかの密接に関連した抗原に特異的に結合できる抗原結合領域を含んでいる。一般に、哺乳類由来の軽鎖は、κ軽鎖またはλ軽鎖のいずれかであり、哺乳類由来の重鎖は、α、δ、ε、γ、またはμである。抗体は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、クラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、及びIgA)、またはサブクラスのものとすることができる。「抗体」という用語は、ヒト化抗体、霊長類化抗体、ヒト抗体、類似ヒト化抗体、及びキメラ抗体も包含する。
【0203】
「全長抗体」、「無傷の抗体」、または「全抗体」という用語は、実質的に無傷の形態にある抗体を指して同義的に使用され、これは、抗体の抗原結合フラグメントと対照的な意味である。具体的には、全抗体は、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を有するものを含む。定常ドメインは、野生型配列の定常ドメイン(例えば、ヒト野生型配列の定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列変異型であり得る。
【0204】
本明細書で使用される「可変領域」という用語は、本明細書に規定されるように、抗原に特異的に結合することができかつ相補性決定領域(CDR)(すなわち、CDR1、CDR2、及びCDR3)ならびにフレームワーク領域(FR)のアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖及び/または重鎖の部分を指す。例示的な可変領域は、3つまたは4つのFR(例えば、FR1、FR2、FR3、及び場合によりFR4)を3つのCDRとともに含んでいる。Vとは重鎖の可変領域を指す。Vとは軽鎖の可変領域を指す。
【0205】
本明細書で使用される「相補性決定領域」(同義語CDR、すなわち、CDR1、CDR2、及びCDR3)という用語は、抗原結合にその存在が必要な抗体可変ドメインのアミノ酸残基を指す。各可変ドメインは通常、CDR1、CDR2、及びCDR3として識別される3つのCDR領域を有する。CDR及びFRに割り当てられるアミノ酸の位置は、本開示の実施において、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1987 and 1991に従い規定することができ、あるいは、その他の番号付けシステム、例えば、Chothia and Lesk J.Mol Biol.196:901-917,1987、Chothia et al.Nature 342,877-883,1989、及び/またはAl-Lazikani et al.,J Mol Biol 273:927-948,1997の標準的番号付けシステム、Lefranc et al.,Devel.And Compar.Immunol.,27:55-77,2003のIMGT番号付けシステム、またはHonnegher and Plukthun J.Mol.Biol.,309:657-670,2001のAHO番号付けシステムにより規定することができる。
【0206】
「フレームワーク領域」(FR)は、CDR残基以外の可変ドメイン残基である。
【0207】
本明細書で使用される「Fv」という用語は、複数のポリペプチドで構成されているか単一のポリペプチドで構成されているかにかかわらず、VとVが結合して、抗原結合部位を有する(すなわち抗原に特異的に結合することができる)複合体を形成する任意のタンパク質を意味すると解されるものである。抗原結合部位を形成するV及びVは、単一のポリペプチド鎖内にあってもよく、異なるポリペプチド鎖内にあってもよい。さらに、本開示のFv(及び本開示の任意のタンパク質)は、複数の抗原結合部位を有してもよく、それらは、同じ抗原に結合する場合もあれば、同じ抗原に結合しない場合もある。この用語は、抗体に直接由来するフラグメントのほか、組換え手段を使用して生成されるそのようなフラグメントに対応するタンパク質をも包含すると解されるものである。いくつかの例では、Vは、重鎖定常ドメイン(C)1に連結されておらず、及び/または、Vは、軽鎖定常ドメイン(C)に連結されていない。例示的なFv含有ポリペプチドまたはタンパク質としては、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、scFv、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、もしくはさらに高次の複合体、または定常領域もしくはそのドメイン(例えばC2またはC3ドメイン)に連結された上記のいずれか(例えばミニボディ)が挙げられる。「Fabフラグメント」は、抗体の一価の抗原結合フラグメントから構成されるものである。「Fabフラグメント」は、酵素パパインによる全抗体の消化によって無傷の軽鎖と重鎖の一部から構成されるフラグメントを得ることにより作製でき、あるいは、組換え手段を使用して作製できる。抗体の「Fab’フラグメント」は、全抗体をペプシンで処理し、続いて還元して無傷の軽鎖と、V及び単一の定常ドメインを含む重鎖の一部と、から構成される分子を作製することによって得ることができる。この方法で処理した抗体ごとに2つのFab’フラグメントが得られる。Fab’フラグメントは、組換え手段によっても作製することができる。抗体の「F(ab’)2フラグメント」は、2つのジスルフィド結合によって結合された2つのFab’フラグメントの二量体から構成され、全抗体分子を酵素ペプシンで処理することにより(その後、還元を行わないで)得られる。「Fab」フラグメントは、組換えフラグメントであり、これは、例えばロイシンジッパーまたはC3ドメインを使用して連結された2つのFabフラグメントを含む。「単鎖Fv」または「scFv」は、抗体の可変領域フラグメント(Fv)を含む組換え分子である。この組換え分子において、軽鎖の可変領域と重鎖の可変領域は、適当な可動性ポリペプチドリンカーによって共有結合されている。
【0208】
本明細書において使用される「定常領域」という用語は、抗体の重鎖または軽鎖の可変領域以外の部分を指す。重鎖において、定常領域は一般に複数の定常ドメインとヒンジ領域とを含み、例えばIgG定常領域は、以下の連結された構成要素、定常重鎖(C)1、リンカー、C2、及びC3を含む。重鎖では、定常領域はFcを含む。軽鎖では、定常領域は通常、1つの定常ドメイン(C1)を含む。
【0209】
「結晶化可能なフラグメント」または「Fc」または「Fc領域」または「Fc部分」(本明細書で同義的に使用可能)という用語は、少なくとも1つの定常ドメインを含み、一般的に(必ずしもそうではないが)グリコシル化されており、1つ以上のFc受容体及び/または補体カスケードの成分に結合できる抗体の領域を指す。重鎖定常領域は、5つのアイソタイプのいずれか、すなわち、α、δ、ε、γ、またはμから選択できる。さらに、さまざまなサブクラスの重鎖(重鎖のIgGサブクラスなど)が、種々のエフェクター機能を担っているため、必要な重鎖定常領域を選択することで、必要なエフェクター機能を有するタンパク質を作製することができる。例示的な重鎖定常領域は、ガンマ1(IgG)、ガンマ2(IgG)、及びガンマ3(IgG)、またはそれらのハイブリッドである。
【0210】
抗体の「抗原結合フラグメント」は、無傷の抗体の1つ以上の可変領域を含む。抗体フラグメントの例としては、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、Fvフラグメント、二重特異性抗体(ダイアボディ)、直鎖状抗体、単鎖抗体分子、半抗体、及び抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられる。
【0211】
本明細書で使用される「対象」という用語は、ヒトを含む任意の動物(例えば哺乳動物)を意味すると解されるものである。例示的な対象としては、ヒト及び非ヒト霊長類が挙げられるが、これらに限定されない。一例では、対象はヒトである。
【0212】
SARS-CoV-2スパイクタンパク質
本開示は、無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出する方法を提供する。
【0213】
SARS-CoV-2は、エンベロープ型のポジティブセンス一本鎖RNAウイルスのコロナウイルス科の一種である。SARS-CoV-2タンパク質は、4つの構造タンパク質、すなわちスパイク(S)、膜(M)、ヌクレオカプシド(N)、エンベロープ(E)で構成されている。
【0214】
Sタンパク質は、標的のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体を認識し、ウイルスと標的細胞膜の融合を媒介する役割を担っており、これが感染プロセスの鍵と考えられる。Sタンパク質は、高度にグリコシル化された大きなI型膜貫通タンパク質である。これには、S1とS2の2つのサブユニットが含まれている。S1サブユニットには、2つの重要なドメインがある。これらは、N末端ドメイン(NTD)として知られるものと、ACE2への結合を担う受容体結合ドメイン(RBD)として知られるものである。S2には、それぞれヘプタッドリピート(HR)、セントラルヘリックス(CH)、コネクタドメイン(CD)と呼ばれる3つのドメインがある。さらに、S1/S2にはフューリン切断部位がある。
【0215】
Sタンパク質は、融合前と融合後の2つの異なる立体構造を持つホモ三量体としてウイルス表面から突き出ている。ビリオン表面上のSタンパク質の三量体集合体が、ビリオンに独特の「コロナ」すなわち王冠のような外観を与えている。RBDのACE2への結合は、融合前から融合後への構造変化を引き起こし、その結果、S1サブユニットとS2サブユニットが解離し、S2サブユニットが非常に安定した融合後の立体構造に変換される。
【0216】
一例では、該方法は、無傷の三量体Sタンパク質を検出することを含む。例えば、Sタンパク質をS1サブユニットとS2サブユニットとに切断または解離させない。当業者には明らかなとおり、無傷の三量体Sタンパク質(すなわち、ホモ三量体)は、該三量体の各単量体サブユニット(すなわち、S1サブユニット)上にRBDを含む。三量体Sタンパク質の明確な説明を容易にするため、特定のコンポーネントを、例えば「第1のRBD」及び「第2のRBD」のように呼ぶ。当然のことながら、特に指定がない限り、第1のRBDと第2のRBDは任意の順序や配向で存在することができ、「第1」、「第2」などの語によって特定の順序や配向が意図されることはない。
【0217】
一例では、無傷の三量体Sタンパク質の結合は、1:1結合である。例えば、捕捉タンパク質は、三量体Sタンパク質の第1の単量体サブユニット上にある第1のRBDに結合し、検出タンパク質は、三量体Sタンパク質の第2の単量体サブユニット上にある第2のRBDに結合し、三量体Sタンパク質の第3の単量体サブユニット上にある第3のRBDへの結合はない。
【0218】
一例では、無傷の三量体Sタンパク質の結合は、1:2結合である。例えば、捕捉タンパク質は、三量体Sタンパク質の第1の単量体サブユニット上にある第1のRBDに結合し、検出タンパク質は、三量体Sタンパク質の第2及び第3の単量体サブユニット上にある第2及び第3のRBDに結合する。
【0219】
SARS-CoV-2Sタンパク質の検出
本開示は、試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質を検出する方法を提供する。
【0220】
当業者には理解されるとおり、本開示の方法は、捕捉酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)または酵素免疫測定法(EIA)に基づいている。本明細書で使用される「ELISA」または「サンドイッチELISA」または「捕捉ELISA」または「EIA」という用語は、捕捉抗体(抗原に特異的)を固体支持体上に固定化したものにある量の抗原を添加することを指す。次いで、結合した抗原を、捕捉抗体が結合する領域とは異なる抗原上の領域を認識する第2の抗体(すなわち検出抗体)によって検出する。捕捉された抗原は、酵素に共有結合できる検出抗体によって検出されるか、または、酵素に結合した二次抗体を添加することによってそれ自体を検出することができる。
【0221】
一例では、試料中の無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-COV-2Sタンパク質を検出する方法は、捕捉ELISAを含む。
【0222】
抗体可変領域を含むタンパク質
本開示は、抗体可変領域を含む捕捉タンパク質を提供する。本開示はまた、抗体可変領域を含む検出タンパク質を提供する。
【0223】
一例では、抗体可変領域は、Sタンパク質RBDに特異的に結合する。例えば、捕捉タンパク質の抗体可変領域は第1のSタンパク質RBDに結合し、検出タンパク質の抗体可変領域は第2のSタンパク質RBDに結合する。
【0224】
抗体
本開示は、例えば本明細書に記載の可変領域を含む抗SARS-CoV-2抗体を提供する。例えば、本開示は、抗SARS-CoV-2捕捉抗体を提供する。本開示はまた、抗SARS-CoV-2検出抗体を提供する。
【0225】
一例では、該抗体は組換え抗体である。例えば、抗体またはその可変領域を含むタンパク質は、例えば当該技術分野で知られている、または本明細書に簡単に説明されているような標準的な方法を使用して作製される。
【0226】
モノクローナル抗体は、本開示が意図する例示的な抗体である。「モノクローナル抗体」または「mAb」または「MAb」という用語は、同じ抗原(複数可)に対して、例えば、抗原内の同じエピトープに対して結合可能である均質な抗体集団を指す。この用語は、抗体の供給源や抗体の作製法について限定されるものではない。
【0227】
脱免疫化タンパク質、キメラタンパク質、ヒト化タンパク質、類似ヒト化タンパク質、霊長類化タンパク質、及びヒトタンパク質
本開示のタンパク質は、ヒト化タンパク質であってもよい。
【0228】
「ヒト化タンパク質」という用語は、ヒト抗体からのFRに移植または挿入された非ヒト種(例えば、マウスまたはラットまたは非ヒト霊長類)由来の抗体からのCDRを含むヒト様可変領域を含むタンパク質(このタイプの抗体は「CDR移植抗体」とも呼ばれる)を指していると解されるものである。ヒト化タンパク質には、ヒトタンパク質の1つ以上の残基が1つ以上のアミノ酸置換によって修飾されている、及び/またはヒトタンパク質の1つ以上のFR残基が対応する非ヒト残基によって置き換えられている、タンパク質も含まれる。また、ヒト化タンパク質は、ヒト抗体にも非ヒト抗体にも存在しない残基を含んでもよい。タンパク質の任意のさらなる領域(例えば、Fc領域)は通常ヒトのものである。ヒト化は、当該技術分野で知られている方法、例えば、米国特許第5225539号、米国特許第6054297号、米国特許第7566771号、または米国特許第5585089号の方法を用いて実施することができる。「ヒト化タンパク質」という用語は、例えば、米国特許第7732578号に記載のスーパーヒト化タンパク質も包含する。
【0229】
本開示のタンパク質は、ヒトタンパク質であってもよい。本明細書で使用される「ヒトタンパク質」という用語は、可変抗体領域と、必要に応じて、定常抗体領域とを有し、それらの領域がヒト(例えば、ヒトの生殖系細胞または体細胞)に存在するものであるかまたはそのような領域を用いて作られるライブラリーに由来するものである、タンパク質を指す。「ヒト」抗体は、ヒト配列によってコードされないアミノ酸残基、例えば、ランダム突然変異または部位特異的突然変異によりインビトロで導入される変異(特に、タンパク質の少数の残基、例えば、タンパク質の残基のうち1、2、3、4、または5個の保存的置換または変異を伴う変異)を含むことができる。このような「ヒト抗体」は、必ずしもヒトの免疫応答の結果として生成される必要はない。むしろ、このような「ヒト抗体」は、組換え手段(例えば、ファージディスプレイライブラリーのスクリーニング)を用いて、及び/または、ヒト抗体定常領域及び/またはヒト抗体可変領域をコードする核酸を含むトランスジェニック動物(例えば、マウス)により、及び/または(例えば、米国特許該5565332号に記載されるように)誘導性選択(guided selection)を用いて、生成させることができる。この用語は、このような抗体の親和性成熟型の形態も包含する。本開示の目的のため、ヒトタンパク質には、ヒト抗体からのFRを含むタンパク質、またはヒトFRのコンセンサス配列からの配列を含むFRを含むタンパク質であって、CDRの1つ以上がランダムまたはセミランダムであるもの(例えば、米国特許第6300064号及び/または米国特許第6248516号に記載されるように)が含まれると考えられる。
【0230】
本開示のタンパク質は、類似ヒト化タンパク質であってもよい。「類似ヒト化タンパク質」という用語は、WO2007/019620に記載の方法により調製されるタンパク質を指す。類似ヒト化タンパク質は、抗体の可変領域を含むものであり、そこにおいて可変領域は、新世界霊長類抗体可変領域からのFRと非新世界霊長類抗体可変領域からのCDRとを含むものである。例えば、類似ヒト化タンパク質は、抗体の可変領域を含むものであり、そこにおいて可変領域は、新世界霊長類抗体可変領域からのFRとマウス抗体またはラット抗体からのCDRとを含むものである。
【0231】
本開示のタンパク質は、霊長類化タンパク質であってもよい。「霊長類化タンパク質」は、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル)の免疫化の後に生成された抗体からの可変領域(複数可)を含む。必要に応じて、非ヒト霊長類抗体の可変領域を、ヒト定常領域に連結して霊長類化抗体を作製する。霊長類化抗体を作製するための例示的な方法は、米国特許第6113898号に記載されている。
【0232】
一例では、本開示のタンパク質はキメラタンパク質である。「キメラタンパク質」という用語は、タンパク質であって、ある抗原結合ドメインが特定の種(例えば、マウスもしくはラットのようなネズミ科動物)に由来するかまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属するものである一方、その残りの部分が別の種(例えば、ヒトまたは非ヒト霊長類)に由来するかまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属するタンパク質からのものである、タンパク質を指す。一例では、キメラタンパク質は、非ヒト抗体(例えば、ネズミ科動物抗体)からのV及び/またはVを含むキメラ抗体であり、その抗体の残りの領域はヒト抗体からのものである。このようなキメラタンパク質の作製は当該技術分野で知られており、標準的な手段(例えば、米国特許第6331415号、米国特許第5807715号、米国特許第4816567号、及び米国特許第4816397号に記載の手段)によって達成することができる。
【0233】
本開示は、例えばWO2000/34317及びWO2004/108158に記載されているような、脱免疫化タンパク質も意図する。脱免疫化抗体及び脱免疫化タンパク質は、1つ以上のエピトープが除かれており、例えば、B細胞エピトープまたはT細胞エピトープが除かれており(すなわち、変異しており)、そのため対象が当該抗体またはタンパク質に対して免疫応答を引き起こす可能性が低くなっている。
【0234】
抗体フラグメント
単鎖Fv(scFv)フラグメント及び二量体scFv(di-scFv)
当業者には明らかなとおり、scFvは、単一のポリペプチド鎖にV領域及びV領域を含む。このポリペプチド鎖は、VとVとの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これにより、scFvは、抗原結合のための必要な構造を形成することができる(すなわち、単一ポリペプチド鎖のV及びVが互いに結合してFvを形成する)。例えば、リンカーは12個以上のアミノ酸残基を含み、(GlySer)は、scFvにとってより好ましいリンカーの1つである。
【0235】
本開示はまた、ジスルフィド安定化Fv(すなわちdiFvまたはdsFV)を意図する。ジスルフィド安定化Fvにおいて、単一のシステイン残基が、VのFR及びVのFRにそれぞれ導入されており、該システイン残基は、ジスルフィド結合によって連結されて安定なFvを生成する(例えば、Brinkmann et al.,1993を参照のこと)。
【0236】
代替的にまたは追加的に、本開示は、二量体scFv、すなわち、非共有結合または共有結合によって(例えばロイシンジッパードメイン(例えば、FosまたはJunに由来する)によって)連結された2つのscFv分子を含むタンパク質を提供する(例えば、Kruif and Logtenberg,1996を参照のこと)。あるいは、2つのscFvは、例えば米国特許出願公開第20060263367号に記載されているように、十分な長さのペプチドリンカーにより連結されており、両方のscFvの形成及び抗原への結合が可能になっている。
【0237】
scFvのレビューについては、Pluckthun(1994)を参照のこと。
【0238】
ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ
抗体抗原結合ドメインを含む例示的なタンパク質は、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、及びより高次のタンパク質複合体、例えばWO98/044001及びWO94/007921に記載のものである。
【0239】
例えば、ダイアボディは、2つの結合したポリペプチド鎖を含むタンパク質であり、ここで各ポリペプチド鎖は構造V-X-VまたはV-X-Vを含み、この構造中、Vは、抗体軽鎖可変領域であり、Vは、抗体重鎖可変領域であり、Xは、単一ポリペプチド鎖内でV及びVを結合させる(またはFvを形成する)には不十分な残基を含むリンカーであるか、または存在せず、さらにここで一方のポリペプチド鎖のVは他方のポリペプチド鎖のVに結合して抗原結合部位を形成する、すなわち、1つ以上の抗原に特異的に結合可能なFv分子を形成する。V及びVは、各ポリペプチド鎖で同じであってもよく、あるいはV及びVは、各ポリペプチド鎖で異なっており二重特異性ダイアボディ(すなわち、異なる特異性を有する2つのFvを含む)を形成してもよい。
【0240】
ミニボディ
当業者には明らかなとおり、ミニボディは、抗体のVドメイン及びVドメインが抗体のC2ドメイン及び/またはC3ドメインに融合されているものである。場合によって、ミニボディは、VとVとの間にヒンジ領域を含み、この立体構造はフレックスミニボディと呼ばれることもある。ミニボディは、C1やCを含まない。一例では、Vドメイン及びVドメインは、抗体のヒンジ領域及びC3ドメインと融合されている。当該ミニボディの可変領域の少なくとも1つが、本開示の態様でSタンパク質RBDに結合する。例示的なミニボディ及びその作製方法は、例えば、WO94/09817に記載されている。
【0241】
定常ドメインの融合
本開示は、可変領域及び定常領域またはそれらのドメイン(複数可)(例えば、Fc、C2ドメイン、及び/またはC3ドメイン)を含むタンパク質を包含する。定常領域及び定常ドメインという用語の意味は、本明細書の開示及び本明細書に示す参考文献に基づき、当業者には明らかである。
【0242】
本開示のタンパク質の作製に有用な定常領域の配列は、複数の異なる供給源から取得することができる。いくつかの例では、タンパク質の定常領域またはその部分は、ヒト抗体に由来する。さらに、定常ドメインまたはその部分は、IgM、IgG、IgD、IgA、及びIgEを含む任意の抗体クラス、ならびにIgG、IgG、IgG、及びIgGを含む任意の抗体アイソタイプに由来し得る。
【0243】
さまざまな定常領域の遺伝子配列が、公的にアクセス可能な供託物の形態で入手可能であるか、またはその配列が公的に入手可能なデータベースから入手可能である。定常領域としては、特定のエフェクター機能を有するもの(もしくは特定のエフェクター機能が欠如したもの)、または免疫原性を低減するための特定の修飾を伴うものが選択され得る。
【0244】
本開示は、例えば米国特許第7217797号、米国特許第7217798号、または米国出願公開第20090041770号(半減期が増加したもの)、または米国出願公開第2005037000号(ADCCの増加)に記載されているような、変異型定常領域または変異型定常ドメインを含むタンパク質も意図する。
【0245】
タンパク質の作製
一例では、本開示のタンパク質または抗体は、当該タンパク質を作製するのに十分な条件下で、細胞株を培養することによって(例えば、本明細書に記載されるように、及び/または、当該技術分野で知られているように)作製される。
【0246】
組換え発現
組換えタンパク質の場合、組換えタンパク質をコードする核酸を1つ以上の発現コンストラクト(例えば、発現ベクター(複数可))に入れ、次いでそれ/それらを宿主細胞(例えば、ジスルフィド架橋または結合をもたらし得る細胞、例えば、E.coli細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳類細胞)にトランスフェクトする。例示的な哺乳類細胞としては、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または他の場合には免疫グロブリンタンパク質を産生しない骨髄腫細胞が挙げられる。このような目的を達成するための分子クローニング技術は当該技術分野で知られており、例えば、AusubelまたはSambrookに記載されている。さまざまなクローニング及びインビトロ増幅法が組換え核酸の構築に好適である。組換え抗体を作製する方法も当該技術分野で知られている。例えば、米国特許第4816567号、米国特許第7923221号、及び米国特許第7022500号を参照のこと。
【0247】
本開示のタンパク質をコードする核酸は、単離の後、さらなるクローニング(DNAの増幅)のため、または無細胞系もしくは細胞内で発現させるために、発現コンストラクトまたは複製可能なベクター内に挿入される。例えば、核酸は、プロモーターに作動可能に連結される。
【0248】
本明細書で使用される「プロモーター」という用語は、最も広い文脈で解釈するものとし、ゲノム遺伝子の転写制御配列を含むものである。そのような配列には、TATAボックスまたは開始エレメント(的確な転写開始に必要とされる)がある。それは、例えば、発生刺激及び/または外部刺激に応答してあるいは組織特異的態様で核酸の発現を改変する、追加の制御エレメント(例えば、上流活性化配列、転写因子結合部位、エンハンサー、及びサイレンサー)を伴う場合もあれば、伴わない場合もある。また、本文脈において「プロモーター」という用語は、組換え核酸、合成核酸、もしくは融合核酸、または誘導体を示すためにも使用される。そのような組換え核酸、合成核酸、もしくは融合核酸、または誘導体は、プロモーターが作動可能に連結された核酸の発現をもたらし、活性化し、または強化するものである。例示的なプロモーターは、当該核酸の発現をさらに強化し、及び/または、当該核酸の空間的発現及び/または時間的発現を改変するための、1つ以上の特定の制御エレメントのさらなるコピーを含むことができる。
【0249】
本明細書で使用される「作動可能に連結」という用語は、核酸の発現がプロモーターによって制御されるように核酸に対してプロモーターを配置することを意味する。
【0250】
細胞内での発現のために多くのベクターが利用可能である。通常、ベクター構成要素には、シグナル配列、本開示のタンパク質をコードする配列(例えば、本明細書で提供される情報に由来する)、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列の1つ以上が含まれるが、これらに限定されるものではない。タンパク質の発現に好適な配列は、当業者には明らかなものである。例えば、例示的なシグナル配列としては、原核生物分泌シグナル(例えば、pelB、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、Ipp、もしくは熱安定性エンテロトキシンII)、酵母分泌シグナル(例えば、インベルターゼリーダー、α因子リーダー、もしくは酸性ホスファターゼリーダー)、または哺乳類分泌シグナル(例えば、単純ヘルペスgDシグナル)が挙げられる。
【0251】
例示的なプロモーターとしては、原核生物において活性なプロモーター(例えば、phoAプロモーター、β-ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系、ならびにハイブリッドプロモーター、例えば、tacプロモーター)が挙げられる。
【0252】
哺乳類細胞において活性な例示的なプロモーターとしては、サイトメガロウイルス最初期プロモーター(CMV-IE)、ヒト伸長因子1-αプロモーター(EF1)、小核RNAプロモーター(U1a及びU1b)、α-ミオシン重鎖プロモーター、サルウイルス40プロモーター(SV40)、ラウス肉腫ウイルスプロモーター(RSV)、アデノウイルス主要後期プロモーター、β-アクチンプロモーター、CMVエンハンサー/β-アクチンプロモーターもしくは免疫グロブリンプロモーターまたはその活性断片を含むハイブリッド制御エレメントが挙げられる。有用な哺乳類宿主細胞株の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、AUSTRALIAN CELL BANK CRL 1651)、ヒト胚腎臓株(293細胞または懸濁培養下での成長のためにサブクローニングされた293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、AUSTRALIAN CELL BANK CCL 10)、またはチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)である。
【0253】
酵母細胞(例えば、Pichia pastoris、Saccharomyces cerevisiae、及びS.pombeからなる群より選択される酵母細胞)内での発現に適した典型的なプロモーターとしては、ADH1プロモーター、GAL1プロモーター、GAL4プロモーター、CUP1プロモーター、PHO5プロモーター、nmtプロモーター、RPR1プロモーター、またはTEF1プロモーターが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0254】
単離された核酸分子またはそのような核酸分子を含む遺伝子コンストラクトを発現のため細胞内に導入する手段は、当業者に知られている。所定の細胞に使用する技法は、好結果を収めている既知の技法に依存する。組換えDNAを細胞内に導入するための手段としては、マイクロインジェクション、DEAE-デキストラン媒介のトランスフェクション、例えば、リポフェクタミン(Gibco、MD、USA)及び/またはセルフェクチン(Gibco、MD、USA)の使用によるリポソーム媒介のトランスフェクション、PEG媒介のDNA取込み、エレクトロポレーション、ウイルス形質導入(例えば、レンチウイルスを用いる形質導入)、ならびに微粒子衝撃(例えば、とりわけ、DNAでコーティングされたタングステン粒子または金粒子(Agracetus Inc.,WI,USA)の使用による微粒子衝撃)が挙げられる。
【0255】
本開示のタンパク質の作製に使用される宿主細胞は、使用する細胞タイプに応じてさまざまな培地で培養され得る。市販の培地、例えば、Ham’s Fl0(Sigma)、最小必須培地((MEM)(Sigma)、RPMl-1640(Sigma))、及びダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma)などは、哺乳類細胞の培養に好適である。本明細書で言及される他の細胞タイプを培養するための培地は、当該技術分野で知られている。
【0256】
タンパク質の単離
本開示のタンパク質または抗体は、単離、精製することができる。
【0257】
本開示のタンパク質または抗体を精製するための方法は、当該技術分野で知られており、及び/または本明細書に記載されている。
【0258】
組換え技法を使用する場合、本開示のタンパク質または抗体は、細胞内または細胞周辺腔で産生させることができ、あるいは、培地中に直接分泌させることができる。タンパク質を細胞内で産生させる場合、第1のステップとして、微粒子状デブリである宿主細胞または溶解断片を、例えば、遠心分離または限外濾過により除去する。タンパク質を培地中に分泌させる場合、最初に、このような発現系からの上清を市販のタンパク質濃縮フィルター(例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニット)を使用して濃縮することができる。タンパク質分解を阻害するためにPMSFのようなプロテアーゼ阻害物質が前述のステップのうちのいずれかに含まれていてもよく、さらに外来性汚染微生物の増殖を防止するために抗生物質が含まれていてもよい。
【0259】
細胞から調製されるタンパク質を、例えば、イオン交換、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィーもしくはプロテインGクロマトグラフィー)、または以上の任意の組合せにより精製することができる。これらの方法は当該技術分野で知られており、例えば、WO99/57134またはZola(1997)に記載されている。
【0260】
また、当業者には明らかなとおり、本開示のタンパク質を修飾して、精製または検出を容易にするためのタグ、例えば、ポリヒスチジンタグ、例えば、ヘキサヒスチジンタグ、またはインフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)タグ、またはサルウイルス5型(V5)タグ、またはFLAGタグ、またはグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)タグを含むようにしてもよい。例えば、該タグはヘキサ-hisタグである。次いで、得られたタンパク質を、当該技術分野で知られている方法、例えば、親和性精製により精製する。例えば、ヘキサ-hisタグを含むタンパク質を精製するため、当該タンパク質を含む試料を、固体または半固体支持体上に固定したヘキサ-hisタグと特異的に結合するニッケル-ニトリロ三酢酸(Ni-NTA)に接触させ、試料を洗浄して非結合タンパク質を除去し、次いで結合タンパク質を溶離させる。代替的または追加的に、タグに結合するリガンドまたは抗体を、親和性精製法で使用する。
【0261】
複合体(コンジュゲート)
本開示はまた、任意の例に従う本明細書に記載のタンパク質の複合体(コンジュゲート)を提供する。例えば、抗体可変領域を含むタンパク質は、検出可能な標識に結合される。
【0262】
本明細書で使用する「複合体」または「複合体化」という用語は、間接的結合及び直接的結合の両方を包含すると解されるものである。例えば、直接的な複合体化には、化学結合があり、これは、非共有結合、または共有結合、または遺伝的結合(「融合」とも呼ばれる)であり得る。一例では、複合体化は共有結合、例えばジスルフィド結合である。
【0263】
本明細書で使用される「検出可能な標識」とは、分子タグもしくは原子タグまたは分子マーカーもしくは原子マーカーであって、視覚的にまたは適切な検出器を使用することによって検出できる光学的シグナルもしくは光学的生成物または他のシグナルまたは生成物を生成するかまたは生成するように誘導できるタグまたはマーカーをいう。検出可能な標識は、当該技術分野で周知であり、例えば放射性標識、酵素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、磁気標識、補欠分子族、造影剤、及び超音波剤を含む。
【0264】
一般的に使用される蛍光標識には、Alexa、シアニン(例えばCy5及びCy5.5)、インドシアニン、及びフルオレセインイソチオシアネート(FITC)などがあるが、これらに限定されるものではない。本開示の実施に有用な蛍光標識として以下のものが挙げられるが、それらに限定されるものではない。1,5-IAEDANS、1,8-ANS、4-メチルウンベリフェロン、5-カルボキシ-2,7-ジクロロフルオレセイン、5-カルボキシフルオレセイン(5-FAM)、5-カルボキシナフトフルオレセイン(pH10)、5-カルボキシテトラメチルローダミン(5-TAMRA)、5-FAM(5-カルボキシフルオレセイン)、5-HAT(ヒドロキシトリプタミン)、5-ヒドロキシトリプタミン(HAT)、5-ROX(カルボキシ-X-ローダミン)、5-TAMRA(5-カルボキシテトラメチルローダミン)、6-カルボキシローダミン6C、6-CR 6G、6-JOE、7-アミノ-4-メチルクマリン、7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)、7-ヒドロキシ-4-メチルクマリン、9-アミノ-6-クロロ-2-メトキシアクリジン、ABQ、酸性フクシン、ACMA(9-アミノ-6-クロロ-2-メトキシアクリジン)、アクリジンオレンジ+DNA、アクリジンオレンジ+RNA、アクリジンオレンジ、DNAとRNAの両方、アクリジンレッド、アクリジンイエロー、アクリフラビン、アクリフラビンフォイルゲンSITSA、エクオリン(光タンパク質)、Alexa Fluor350、Alexa Fluor430、Alexa Fluor488、Alexa Fluor532、Alexa Fluor546、Alexa Fluor568、Alexa Fluor594、Alexa Fluor633、Alexa Fluor647、Alexa Fluor660、Alexa Fluor680、アリザリンコンプレクソン、アリザリンレッド、アロフィコシアニン(APC)、AMC、AMCA-S、AMCA(アミノメチルクマリン)、AMCA-X、アミノアクチノマイシンD、アミノクマリン、アミノメチルクマリン(AMCA)、アニリンブルー、アントロシルステアレート、APC(アロフィコシアニン)、APC-Cy7、APTRA-BTC=Ratio Dye,Zn2+、APTS、アストラゾンブリリアントレッド4G、アストラゾンオレンジR、アストラゾンレッド6B、アストラゾンイエロー7GLL、アタブリン、ATTO-TAG CBQCA、ATTO-TAG FQ、オーラミン、オーロホスフィンG、オーロホスフィン、BAO9(ビスアミノフェニルオキサジアゾール)、BCECF(高pH)、BCECF(低pH)、ベルベリン硫酸塩、ベータラクタマーゼ、BFPブルーシフトGFP(Y66H)、青色蛍光タンパク質、BFP/GFP FRETビマン、ビスベンザミド、ビスベンズイミド(Hoechst)、ビス-BTC=Ratio Dye,Zn2+、ブランコフォアFFG、ブランコフォアSV、BOBO-1、BOBO-3、ボディピー492/515、ボディピー493/503、ボディピー500/510、ボディピー505/515、ボディピー530/550、ボディピー542/563、ボディピー558/568、ボディピー564/570、ボディピー576/589、ボディピー581/591、ボディピー630/650-X、ボディピー650/665-X、ボディピー665/676、ボディピーFl、ボディピーFL ATP、ボディピーFl-セラミド、ボディピーR6G SE、ボディピーTMR、ボディピーTMR-X複合体、ボディピーTMR-X、SE、ボディピーTR、ボディピーTR ATP、ボディピーTR-X SE、BO-PRO-1、BO-PRO-3、ブリリアントスルフォフラビンFF、BTC-Ratio Dye Ca2+、BTC-5N-atio Dye,Zn2+、カルセイン、カルセインブルー、カルシウムクリムゾン、カルシウムグリーン、カルシウムグリーン-1 Ca2+染料、カルシウムグリーン-2 Ca2+、カルシウムグリーン-5N Ca2+、カルシウムグリーン-C18 Ca2+、カルシウムオレンジ、カルコフロールホワイト、カルボキシ-X-ローダミン(5-ROX)、カスケードブルー、カスケードイエロー399、カテコールアミン、CCF2(GeneBlazer)、CFDA、CFP--シアン蛍光タンパク質、CFP/YFP、FRET、クロロフィル、クロモマイシンA、クロモマイシンA、CL-NERF(Ratio Dye、pH)、CMFDA、セレンテラジン、セレンテラジンcp(Ca2+染料)、セレンテラジンf、セレンテラジンfcp、セレンテラジンh、セレンテラジンhcp、セレンテラジンip、セレンテラジンn、セレンテラジンO、クマリンファロイジン、C-フィコシアニン、CPMメチルクマリン、CTC、CTCフォルマザン、Cy2、Cy3.18、Cy3.5、Cy3、Cy5.18、Cy5.5、Cy5、Cy7、シアンGFP、サイクリックAMPフルオロセンサー(FiCRhR)、CyQuant細胞増殖アッセイ、ダブシル、ダンシル、ダンシルアミン、ダンシルカダベリン、塩化ダンシル、ダンシルDHPE、フッ化ダンシル、DAPI、ダポキシル、ダポキシル2、ダポキシル3、DCFDA、DCFH(ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート)、DDAO、DHR(ジヒドロローダミン123)、ジ-4-ANEPPS、ジ-8-ANEPPS(non-ratio)、DiA(4-ジ-16-ASP)、ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート(DCFH)、DiD-親油性トレーサー、DiD(DiIC18(5))、DIDS、ジヒドロローダミン123(DHR)、DiI(DiIC18(3))、ジニトロフェノール、DiO(DiOC18(3))、DiR、DiR(DiIC18(7))、DM-NERF(高pH)、DNP、ドーパミン、DsRed、赤色蛍光タンパク質、DTAF、DY-630-NHS、DY-635-NHS、EBFP、ECFP、EGFP、ELF97、エオシン、エリスロシン、エリスロシンITC、臭化エチジウム、エチジウムホモダイマー-1(EthD-1)、ユークリシン(Euchrysin)、EukoLight、塩化ユーロピウム(III)、EYFP、ファストブルー、FDA、フォイルゲン(パラローズアニリン)、FIF(ホルムアルデヒド誘起蛍光)、FITC、FITC抗体、フラゾオレンジ、Fluo-3、Fluo-4、フルオレセイン(FITC)、フルオレセインジアセテート、フルオロエメラルド、フルオロゴールド(ヒドロキシスチルバミジン)、フルオロルビー、FluorX、FM1-43、FM4-46、フラレッド(高pH)、フラレッド/Fluo-3、Fura-2,高カルシウム、Fura-2,低カルシウム、Fura-2/BCECF、Genacryl Brilliant Red B、Genacryl Brilliant Yellow 10GF、Genacryl Pink 3G、Genacryl Yellow 5GF、GeneBlazer(CCF2)、GFP(S65T)、GFPレッドシフト(rsGFP)、GFP野生型非UV励起(wtGFP)、GFP野生型UV励起(wtGFP)、GFPuv、グロキサル酸(Gloxalic Acid)、グラニュラーブルー、ヘマトポルフィリン、Hoechst33258、Hoechst33342、Hoechst34580、HPTS、ヒドロキシクマリン、ヒドロキシスチルバミジン(FluoroGold)、ヒドロキシトリプタミン、Indo-1高カルシウム、Indo-1低カルシウム、インドジカルボシアニン(DiD)、インドトリカルボシアニン(DiR)、Intrawhite Cf、JC-1、JO-JO-1、JO-PRO-1、LaserPro、Laurodan、LDS751(DNA)、LDS751(RNA)、Leucophor PAF、Leucophor SF、Leucophor WS、リサミンローダミン、リサミンローダミンB、LIVE/DEADキット動物細胞、カルセイン/エチジウムホモダイマー、LOLO-1、LO-PRO-1、ルシファーイエロー、リソトラッカーブルー、リソトラッカーブルーホワイト、リソトラッカーグリーン、リソトラッカーレッド、リソトラッカーイエロー、リソセンサーブルー、リソセンサーグリーン、リソセンサーイエロー/ブルー、Mag Green、マグダラレッド(フロキシンB)、Mag-Fura Red、Mag-Fura-2、Mag-Fura-5、Mag-Indo-1、マグネシウムグリーン、マグネシウムオレンジ、マラカイトグリーン、マリーナブルー、マキシロンブリリアントフラビン10GFF、マキシロンブリリアントフラビン8GFF、メロシアニン、メトキシクマリン、ミトトラッカーグリーンFM、ミトトラッカーオレンジ、ミトトラッカーレッド、ミトラマイシン、モノブロモビマン、モノブロモビマン(mBBr-GSH)、モノクロロビマン、MPS(メチルグリーンピロニンスチルベン)、NBD、NBDアミン、ナイルレッド、ニトロベンゾキサジドール、ノルアドレナリン、ニュークリアファストレッド、ニュークリアイエロー、ナイロサンブリリアントイアビンE8G、オレゴングリーン、オレゴングリーン488-X、オレゴングリーン、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514、パシフィックブルー、パラローズアニリン(フォイルゲン)、PBFI、PE-Cy5、PE-Cy7、PerCP、PerCP-Cy5.5、PE-テキサスレッド[レッド613]、フロキシンB(マグダラレッド)、Phorwite AR、Phorwite BKL、Phorwite Rev、Phorwite RPA、ホスフィン3R、フォトレジスト、フィコエリトリンB[PE]、フィコエリトリンR[PE]、PKH26(Sigma)、PKH67、PMIA、ポントクロムブルーブラック、POPO-1、POPO-3、PO-PRO-1、PO-PRO-3、プリムリン、プロシオンイエロー、ヨウ化プロピジウム(PI)、PyMPO、ピレン、ピロニン、ピロニンB、ピロザールブリリアントフラビン7GF、QSY7、キナクリンマスタード、レッド613[PE-テキサスレッド]、レゾルフィン、RH414、Rhod-2、ローダミン、ローダミン110、ローダミン123、ローダミン5GLD、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミンB200、ローダミンBエクストラ、ローダミンBB、ローダミンBG、ローダミングリーン、ローダミンファリシジン、ローダミンファロイジン、ローダミンレッド、ローダミンWT、ローズベンガル、R-フィコシアニン、R-フィコエリトリン(PE)、rsGFP、S65A、S65C、S65L、S65T、サファイアGFP、SBFI、セロトニン、セブロンブリリアントレッド2B、セブロンブリリアントレッド4G、セブロンブリリアントレッドB、セブロンオレンジ、セブロンイエローL、sgBFP、sgBFP(スーパーグローBFP)、sgGFP、sgGFP(スーパーグローGFP)、SITS、SITS(プリムリン)、SITS(スチルベンイソチオスルホン酸)、SNAFLカルセイン、SNAFL-1、SNAFL-2、SNARFカルセイン、SNARF1、Sodium Green、SpectrumAqua、SpectrumGreen、SpectrumOrange、Spectrum Red、SPQ(6-メトキシ-N-(3-スルホプロピル)キノリニウム)、スチルベン、スルホローダミンB、C、スルホローダミンGエクストラ、SYTO11、SYTO12、SYTO13、SYTO14、SYTO15、SYT、SYTO17、SYTO18、SYTO20、SYTO21、SYTO22、SYTO23、SYTO24、SYTO25、SYTO40、SYTO41、SYT
O42、SYTO43、SYTO44、SYTO45、SYTO59、SYTO60、SYTO61、SYTO62、SYTO63、SYTO64、SYTO80、SYTO81、SYTO82、SYTO83、SYTO84、SYTO85、SYTOXブルー、SYTOXグリーン、SYTOXオレンジ、テトラサイクリン、テトラメチルローダミン(TRITC)、テキサスレッド、テキサスレッド-X複合体、チアジカルボシアニン(DiSC3)、チアジンレッドR、チアゾールオレンジ、チオフラビン5、チオフラビンS、チオフラビンTCN、チオライト、チオゾールオレンジ、チノポールCBS(カルコフロールホワイト)、TMR、TO-PRO-1、TO-PRO-3、TO-PRO-5、TOTO-1、TOTO-3、TriColor(PE-Cy5)、TRITC(テトラメチルローダミン-イソチオシアネート)、True Blue、TruRed、Ultralite、ウラニンB、Uvitex SFC、wt GFP、WW781、X-ローダミン、XRITC、キシレンオレンジ、Y66F、Y66H、Y66W、イエローGFP、YFP、YO-PRO-1、YO-PRO-3、YOYO-1、及びYOYO-3。
【0265】
一例では、検出可能な標識は酵素である。本開示に有用な酵素の例には、アルカリホスファターゼ及び西洋ワサビペルオキシダーゼが含まれるが、これらに限定されない。代替的にまたは追加的に、酵素は、例えば、ルシフェラーゼであってもよい。酵素は、従来の化学的方法によって抗体に結合させてもよく、あるいは、融合タンパク質として抗体と共に発現させてもよい。一例では、酵素は西洋ワサビペルオキシダーゼである。
【0266】
本開示において検出可能な標識として有用な放射性同位体は、当該技術分野で周知であり、H、11C、18F、35S、64Cu、67Ga、68Ga、99mTc、111In、123I、124I、125I、及び131Iを含み得る。
【0267】
パネルまたはキット
本開示の別の一例は、本明細書に記載される任意の方法(例えば、無傷の多量体SARS-CoV-2Sタンパク質及び/または無傷の三量体SARS-CoV-2Sタンパク質の検出)において使用するための、本開示のタンパク質または抗体を含むキットを提供する。
【0268】
一例では、本明細書に記載のパネルまたはキットは、生体外分析用である。一例では、キットは、全血、血漿、血清、及び/または痰の試料用に使用するのに適している。
【0269】
一例では、本明細書に記載のパネルまたはキットは、ハイスループットスクリーニングに適している。「ハイスループットスクリーニング」という用語は、一度に複数の試料を試験または評価するのに使用でき、複数の試料の試験にかかる時間を短縮できるスクリーニング法を指す。一例では、そのような方法は、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも50個、少なくとも70個、少なくとも90個、少なくとも150個、少なくとも200個、少なくとも300個の試料を一度に試験または評価するのに適している。このようなハイスループットスクリーニング法は、例えば、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、または少なくとも10時間で、複数の試料を迅速に分析することができる。ハイスループットスクリーニングでは、液体処理装置の使用が必要になる場合もある。一例では、ハイスループット分析を自動化してもよい。
【0270】
本開示には、以下の非限定的な実施例が含まれる。
【実施例
【0271】
実施例1:モノクローナル抗体の開発
急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)スパイクタンパク質に対するモノクローナル抗体を、10μgのHEK293 SARS-C0V2Sタンパク質(S1サブユニット、Hisタグ(Sino Biological))とそれに等容量の完全フロイントアジュバントとの混合物でBalb/cマウスを免疫することにより作製した。膝窩リンパ節をBalb/c免疫マウスから採取し、記述されたようにリンパ球を融合かつ選択し(Pietrzykowski et al.,Antibody Responses to HPV6b E Polyproteins and Production of Monoclonal Antibodies Hybridoma and Hybridomics.2002)、ハイブリドーマ細胞株を生成させた。ハイブリドーマ細胞のクローン化及びスクリーニングを4μg/mlのSARS-C0V2スパイクタンパク質(S1サブユニット、RBD Hisタグ(バキュロウイルスで発現(Sino Biological))及び固相ELISAを使用して行った。哺乳類発現RBDを含有するタンパク質を使用し、続いてバキュロウイルスRBDタンパク質でスクリーニングすることで、SARS CoV2 RBDに結合するが、バキュロウイルスから哺乳類系までのいずれかで発現されるグリコシル化プロファイルの違いに反応しない抗体を特定することができた。
【0272】
哺乳類発現RBDへの反応性の確認は、その後の固相ELISAを使用した2019nCoVSタンパク質RBD、Fcタグ(Acro Biosystems)による抗体分泌ハイブリドーマのスクリーニングにより行った。各クローン化モノクローナル抗体のアイソタイプ(重鎖/軽鎖)を、製造元の説明書に従いRoche IsoStripマウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(Merck11493027001)を使用して決定した。
【0273】
実施例2:捕捉検出ELISAにおける抗体候補のスクリーニング
モノクローナル抗体は、単一のB細胞に由来する抗体であるため、あるタンパク質上の単一のエピトープを認識する。抗原、例えば、3つの同一タンパク質(通常、非共有結合している)によって形成される高分子複合体であるホモ三量体については、ほとんどの場合、3つのタンパク質エピトープが存在する。本ELISA法で機能するには、三量体の隣接する単量体単位上にある2つのRBDの結合部位が、ある配向で利用可能になっている必要がある。その配向は、捕捉抗体と検出抗体の両方が、立体的に互いを妨げることなく結合できるような配向である。
【0274】
モノクローナル抗体がSARS CoV2タンパク質抗原の定量に適合するかどうか判定するため、モノクローナル抗体をレポーター分子である西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と結合させた。簡単に説明すると、クローン上清を、収集して濃縮し、マイクロコンジュゲートし、CSL451GMPバッチTC20-02-08(サブロットVS20200615A)からのSクランプ抗原を使用して捕捉検出ELISAで試験した。非結合モノクローナル抗体を、Ca+及びMg+を含まないダルベッコPBS(Sigma、CAT#MFCD00131855)中ウェルあたり0.14mcgで、96ウェルプレート(NUNC MaxiSorp(商標)CAT#NUN439454)にコーティングし、2~8°Cで一晩置いた。Sクランプ抗原を、シグモイドモデリングに適した濃度でプレートに滴下し、その後、同じクローンのHRP結合mAbとインキュベートした。未結合の抗原を洗い流した後、TMB基質(SeraCare、CAT#5120-0050)とのペルオキシダーゼ比色反応を生じさせた。比色反応を0.55M硫酸で停止させ、その後450nmで分光光度計による測定を行った。すべての抗体が捕捉検出ELISAスクリーニングで機能したわけではなかった。最適化されていない捕捉/検出ELISAの例を図1に示す。アッセイに対して利用可能なモノクローナル抗体の濃度を増加させた後、最終候補リストとして4つの候補抗体(6G6、39E7、33E10、及び30B8)が相同捕捉検出ELISA法での使用に適していることが判明した。
【0275】
実施例3.相同捕捉検出ELISA及び非相同捕捉検出ELISAにおける候補抗体の評価
モノクローナル抗体を相同捕捉/検出用及び非相同捕捉/検出用に準備し、各モノクローナル抗体の適合性を評価した。SクランプSARS CoV2タンパク質は3つのRBDを発現した。したがって、1つのモノクローナル抗体で捕捉し、もう1つのモノクローナル抗体で検出すれば、非検出(結合の妨害)、1:1結合(1つの抗体が捕捉し、2つのRBDのうちの1つにもう1つの抗体が結合して検出が行われるが、3つ目のRBDの検出または結合は可能にならない)、1:2(1つのRBDが捕捉され、他の2つが結合可能な状態で残っている)、または1:3(RBDが捕捉されるが、3つのRBDすべてが結合可能な状態で残っており、したがって結合への妨害が全くない)のいずれかが起こり得る。
【0276】
図2Aは、これらの反応のそれぞれを示しており、30B8による捕捉に対し、31G11による検出(妨害及び非検出)、30B8による検出(1:1反応性)、33E10による検出(1:2反応性)、及び6G6による検出(1:3反応性)を示している。6G6による捕捉を分析した結果(図2B)、3:1シグナルを確認したが、このアッセイでは弱く、6G6、2:1による捕捉検出は、6G6による捕捉及び2:1反応性での33E10による検出と同様であった。これらの観察結果が確認されたのは、33E10で捕捉したとき(図2C)であり、30B8と6G6は同じレベル(2:1)で反応した。一方、31G11(図2D)はどの態様でも捕捉も検出もできず、RBD結合を検出するこの別のモノクローナル抗体の立体障害が明らかになった。
【0277】
30B8捕捉/検出モノクローナル抗体ELISAの適合性を確認するために、三量体SクランプSARS CoV2タンパク質を、異なる界面活性剤(0.1%SDSまたは0.125%Zwittergent(対照))で処理して、三量体を単量体にした。この三量体を対照界面活性剤(Zwittergent)で処理した場合、30B8捕捉/検出ELISAは、予想された用量反応を示した(図3A)。この抗原(SARS CoV2 Sクランプ)を0.1%SDSで処理すると、この捕捉/検出法では三量体を検出できなくなった。これらの界面活性剤処理したタンパク質を、非相同である捕捉抗体(30B8)と検出抗体(33E10)のセットで分析したところ、処理した抗原の両方を同等に検出することができた(図3B)。サイズ排除クロマトグラフィーによって確認されたとおり、0.1%SDS処理後、抗原はほぼ完全に単量体の形態になり、これに対し、未処理の抗原はその大部分が三量体または多量体であった(図3C)。これにより、30B8を使用した捕捉/検出ELISAによって無傷の三量体及び高次のものを検出できることが確認された。
【0278】
実施例4:捕捉検出ELISA法において安定性を示す可能性についての候補抗体の評価
最終選考に残った5つの抗体を、熱処理したSクランプ抗原を用いる捕捉検出ELISAで試験し、安定性を示す能力及び分解または変性した抗原を識別する能力について調べた(図4A及び図5)。すべての抗体が、43℃及び90℃のどちらで処理された抗原に対しても、ある程度の反応の低下を示した。抗体30B8は、これらの処理に対して最も高い感度を示していると考えられる。30B8による捕捉/検出ELISAに対する温度の計測可能な効果は、45℃から75℃まで直線的であることが明らかになった。pHを変化させても、0時間、72時間後、いずれの捕捉検出Mabでも抗原に対する影響はなかった(図4B)。27%(v/v)Hによる酸化処理を行うと、無傷の抗原のレベルは、30分後低下し、72時間後さらに低下した(図4C)。防腐剤(チオメルサール)の添加は、抗原の定量に影響せず(図4A(作り直した図6Aを提供する予定))、アジュバントMF59の添加も抗原の定量に影響しなかった(図4D)。
【0279】
実施例5:抗体30B8はSクランプ抗原に高い効率と親和性で結合する
さらに、抗体30B8のCSL451Sクランプ抗原に対する結合親和性について特徴を調べた結果、抗体30B8は約15pMという非常に高い親和性で結合することがわかった(図6)。
【0280】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
【配列表】
2024536381000001.xml
【国際調査報告】