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特表2024-536390風力タービンを含む、洋上の電力生産用のアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】風力タービンを含む、洋上の電力生産用のアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/32 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
E02D27/32 A
E02D27/32 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520925
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2022077813
(87)【国際公開番号】W WO2023057569
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】21306411.6
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522232558
【氏名又は名称】トタルエナジーズ ワンテク
【氏名又は名称原語表記】TOTALENERGIES ONETECH
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ブヌール,フランソワ
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046DA05
(57)【要約】
洋上の電力を生産するためのアセンブリにおいて:- 風力タービンと;- 風力タービンを完全に支持するために軸(V)に沿って延在するモノパイルであって、海底(16)に貫入するための下位端部(38)を含み、下位端部が外側管(52)を含み内部容積(54)を画定しているモノパイルと、を含むアセンブリ。下位端部は:内部容積中に延在し、下位開口部(58)を画定する内側管(56)であって、この内側管と外側管が環状容積を画定している、内側管と、- 内側管上に溶接され下位開口部を閉鎖する閉鎖プレート(60)と、- 環状容積内で延在し内側管および外側管上に溶接された翼プレート(62)であって、軸に沿って延在し、海底の一部分が区画に進入できるように適応された下位入口(72)を画定する複数の区画を画定している、翼プレート(62)とを含んでいる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋上の電力を生産するためのアセンブリ(10)において、
- 風力タービン(12)と、
- 垂直であるように意図された軸(V)に沿って延在しかつ風力タービン(12)を完全に支持するように適応されたモノパイル(14)であって、海底(16)に貫入するように適応された下位端部(38)を含み、下位端部(38)が、軸(V)に中心がある外側管(52)を含みモノパイル(14)の内部容積(54)を画定している、モノパイル(14)と、
を含むアセンブリであって、
下位端部(38)が、
- 軸(V)に中心があり内部容積(54)中に延在する内側管(56)であって、この内側管(56)が軸(V)に直交する下位開口部(58)を画定し、内側管(56)と外側管(52)が環状容積(68)を画定している、内側管(56)と、
- 内側管(56)上に溶接され下位開口部(58)を閉鎖する閉鎖プレート(60)と、
- 環状容積(68)内で延在し内側管(56)および外側管(52)上に溶接された複数の翼プレート(62)であって、環状容積(68)内の複数の区画(70)を画定し、これらの区画(70)がそれぞれ軸(V)に沿って延在し、海底(16)の一部分が前記区画(70)に進入できるように適応された下位入口(72)を画定している、翼プレート(62)と、
をさらに含んでいる、アセンブリ(10)。
【請求項2】
翼プレート(62)が、軸(V)との関係において半径方向平面(74)内で延在しており、軸(V)の周りに規則的に配分されている、請求項1に記載のアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記複数の翼プレート(62)が、4~8の範囲内の数の翼プレート(62)で構成されている、請求項1または2に記載のアセンブリ(10)。
【請求項4】
翼プレート(62)の各々が、両方共外側管(52)を内側管(56)に連結する最下位縁部(76)および最上位縁部(78)を含んでおり、最下位縁部(76)および最上位縁部(78)が軸(V)に対して傾斜しており、内側管(56)に向かってより低くなっている、請求項1から3のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項5】
外側管(52)が、半径方向厚み(E1)を有し、翼プレート(62)が外側管(52)の半径方向厚み(E1)の40%~60%の厚み(E2)を有する、請求項1から4のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項6】
内側管(56)が、外径(D2)を有し、外側管(52)が、外径(D1)を有し、内側管(56)の外径(D2)が、外側管(52)の外径(D1)の25%~75%である、請求項1から5のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項7】
内側管(56)が、外側管(52)の外径(D1)よりも小さい軸方向延長部分(H2)を有する、請求項6に記載のアセンブリ(10)。
【請求項8】
閉鎖プレート(60)が、円形形状を有している、請求項1から7のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項9】
内側管(56)が、内側容積(66)を画定し、下位端部(38)が、内側容積(66)内に位置設定され軸(V)に沿った圧縮および曲げに対して閉鎖プレート(60)を補強するように適応された補強要素(64)をさらに含んでいる、請求項1から8のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項10】
補強要素(64)が、内側容積(66)全体を通して延在し軸方向で見て格子を形成しているプレート(80)を含む、請求項9に記載のアセンブリ(10)。
【請求項11】
内側管(56)、外側管(52)、翼プレート(62)および閉鎖プレート(60)が、355MPaより大きい降伏強度を有する鋼を含む、請求項1から10のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項12】
- 海底(16)に定着させられるように適応され軸(V)の周りでモノパイル(14)を取囲んでいる構造体(20)と、
- 構造体(20)上に固定され、軸(V)の周りでモノパイル(14)を取り囲んでいる一方で、モノパイル(14)との関係において垂直方向に自由である中央ガイド(22)であって、構造体(20)が、モノパイル(14)の曲げ運動に起因して中央ガイド(22)上にモノパイル(14)により印加される水平荷重(F2)に耐えるように適応されている、中央ガイド(22)と、
を含む海中ジャケット(18)をさらに含む、請求項1から11のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)。
【請求項13】
ジャケット(18)がさらに、構造体(20)上に固定され、軸(V)の周りでモノパイル(14)を取り囲んでいる一方で、モノパイル(14)との関係において垂直方向に自由である下位中央ガイド(40)を含んでおり、構造体(20)が、下位中央ガイド(40)上にモノパイル(14)により印加される水平荷重(F3)に耐えるように適応されている、請求項12に記載のアセンブリ(10)。
【請求項14】
中央ガイド(22)が、
- 間隔を伴ってモノパイル(14)を取り囲むリング(48)と、
- リング(48)とモノパイル(14)の間に位置設定され、軸(V)の周りで角度的に配分されている複数の摩擦パッド(50)と、
を含む、請求項12または13に記載のアセンブリ(10)。
【請求項15】
- 外側管(52)および内側管(56)を得るステップと、
- 外側管(52)が水平であり、内側管(56)が軸(V)に中心がある、外側管(52)により画定された内部容積(54)内に内側管(56)を位置付けするステップと、
- 翼プレート(62)を内側管(56)上および外側管(52)上に溶接し、閉鎖プレート(60)を内側管(56)上に溶接するステップと、
を含む、請求項1から14のいずれか一つに記載のアセンブリ(10)を構築する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンを含む洋上の電力を生産するためのアセンブリに関する。
【0002】
本発明は、このようなアセンブリを構築する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
現在のところ、洋上底面固定型風力タービンの大部分が、タービンタワーを上に固定するモノパイルまたはジャケットのいずれかを含んでいる。比較的規模は小さいが、重力式基礎構造(GBS)のいくつかの例も存在している。
【0004】
ジャケットは、0.5~1.5mの典型的直径を有する共に溶接された鋼管でできている。これらのジャケットは、水平および垂直の両方向で大きな応力に耐えることができ、大きな水深へのアクセスを可能にする。しかしながら、ジャケットは、オーダメイドで製作しなければならず、特に連続的に製造および設置するにはかなりコストがかかる。
【0005】
モノパイルは、洋上風力産業によって、風力タービンの連続的設備のための経済的な底面固定型コンセプトとして認識されており、したがって、可能な場合には常に選好される。設置されるMWあたりのそれらのコストは、サプライチェーンおよび製造プロセスが全く異なるジャケットのコストと比べて大幅に低いものとなり得る。
【0006】
しかしながら、モノパイルには独自の限界がある。第1に、効率良く得ることのできる最大直径は現在、おおよそ10~11mである。結果として、モノパイルは、相対的に細身であることから、浅い部域に限定され、概して、水深が30~40mを超えると、利用可能な設置船、土壌および局所的気象条件によってはジャケットに対抗できない。最大/最長のモノパイルは重量も大きく、陸上での取扱いや洋上サイトへの輸送が困難であり、最終的に、打設または掘削/グラウチングのいずれによる設置も難しい。
【0007】
風力タービン上に風によっておよび/または波浪および潮流によって印加される水平応力、および風力タービンの重量およびモノパイル重量に起因する垂直応力に耐える目的で、地下の特性に応じて、モノパイルの一定の貫入の深さが求められる。
【0008】
ごく最近、垂直摩擦無くモノパイルを誘導する目的で、海底に定着されモノパイルを取り囲む構造体を使用することが提案された。このような構造体は、アセンブリが水平応力に耐えるのを助ける。これにより、貫入の深さを、そしてモノパイルの直径を、或る程度まで削減することが可能となる。しかしながら、垂直応力はなおも残留する。
【0009】
モノパイルの垂直方向の能力は主として、地下とモノパイルの外周及び内周との間の摩擦に起因することから、一定の貫入の深さがひきつづき必要とされる。
【0010】
変形形態として、モノパイルは、吸引バケットを含み得るが、これは、いずれかの土壌条件、特に硬質土壌層には好適でない場合がある。
【0011】
その上、アセンブリが地震地域に位置設定される場合、地震により土壌が部分的に液状化して、摩擦が著しく低下する可能性がある。その結果として、モノパイルの沈下または転倒を防ぐために、追加の貫入の深さが必要となる場合がある。
【0012】
以上の理由から、局所的条件(水深、土壌特性、地震活動)に応じて、モノパイルを使用することができないか、または使用できても相変わらず高価であり、発電コストにマイナスの影響を及ぼすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、洋上の電力のコストを削減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的で、本発明は、洋上の電力を生産するためのアセンブリにおいて:
- 風力タービンと;
- 垂直であるように意図された軸に沿って延在しかつ風力タービンを完全に支持するように適応されたモノパイルであって、海底に貫入するように適応された下位端部を含み、下位端部が、軸に中心がある外側管を含みモノパイルの内部容積を画定している、モノパイルと、
を含むアセンブリであって、
下位端部が:
- 軸に中心があり内部容積中に延在する内側管であって、この内側管が軸に直交する下位開口部を画定し、内側管と外側管が環状容積を画定している、内側管と、
- 内側管上に溶接され下位開口部を閉鎖する閉鎖プレートと、
- 環状容積内で延在し内側管および外側管上に溶接された複数の翼プレートであって、環状容積内の複数の区画を画定し、これらの区画がそれぞれ軸に沿って延在し、海底の一部分が区画に進入できるように適応された下位入口を画定している、翼プレートと、
をさらに含んでいる、アセンブリを提案している。
【0015】
他の実施形態において、該アセンブリは、単独でまたは技術的に実現可能な任意の組合せの形で考慮した以下の特徴のうちの単数または複数のものを含む:
- 翼プレートは、軸との関係において半径方向平面内で延在しており、軸の周りに規則的に配分している:
- 前記複数の翼プレートは、4~8の範囲内の数の翼プレートで構成されている:
- 翼プレートの各々は、両方共外側管を内側管に連結する最下位縁部および最上位縁部を含んでおり、最下位縁部および最上位縁部が軸に対して傾斜しており、内側管に向かってより低くなっている;
- 外側管は、半径方向厚みを有し、翼プレートは、外側管の半径方向厚みの40%~60%の厚みを有する;
- 内側管は外径を有し、外側管は外径を有し、内側管の外径は、外側管の外径の25%~75%である;
- 内側管は、外側管の外径よりも小さい軸方向延長部分を有する;
- 閉鎖プレートは、円形形状を有している;
- 内側管は、内側容積を画定し、下位端部は、内側容積内に位置設定され軸に沿った圧縮および曲げに対して閉鎖プレートを補強するように適応された補強要素をさらに含んでいる;
- 補強要素は、内側容積全体を通して延在し軸方向で見て格子を形成しているプレートを含む;
- 内側管、外側管、翼プレートおよび閉鎖プレートは、355MPaより大きい降伏強度を有する鋼を含む;
- 該アセンブリは:
- 海底に定着させられるように適応され軸の周りでモノパイルを取囲んでいる構造体と、
- 構造体上に固定され軸の周りでモノパイルを取り囲んでいる一方で、モノパイルとの関係において垂直方向に自由である中央ガイドであって、構造体が、モノパイルの曲げ運動に起因して中央ガイド上にモノパイルにより印加される水平荷重に耐えるように適応されている、中央ガイドと、
を含む海中ジャケットを含む;
- ジャケットはさらに、構造体上に固定され軸の周りでモノパイルを取り囲んでいる一方で、モノパイルとの関係において垂直方向に自由である下位中央ガイドを含んでおり、構造体が、下位中央ガイド上にモノパイルにより印加される水平荷重に耐えるように適応されている;
- 中央ガイドは:
- 間隔を伴ってモノパイルを取り囲むリングと、
- リングとモノパイルの間に位置設定され、軸の周りで角度的に配分されている複数の摩擦パッドと、
を含む。
【0016】
本発明はまた、上述のアセンブリを構築する方法において:
- 外側管および内側管を得るステップと、
- 外側管が水平であり、内側管が軸に中心がある、外側管により画定された内部容積内に内側管を位置付けするステップと、
- 翼プレートを内側管上および外側管上に溶接し、閉鎖プレートを内側管上に溶接するステップと、
を含む方法も提案している。
【0017】
本発明およびその利点は、添付図面を参考にして単に一例として提供されている以下の説明を読んだ時点でより良く理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るアセンブリの概略的側面図である。
図2図1に示されたアセンブリのモノパイルおよび海中ジャケットの概略的側面図である。
図3図1および2に示されたモノパイルの下位端部の概略的側面図である。
図4図3中に示された下位端部の概略的な軸上の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係るアセンブリ10についてここで、図1および2を参照しながら説明する。アセンブリ10は、洋上の電力を生産するために適応されている。
【0020】
アセンブリ10は、風力タービン12と、垂直軸Vに沿って延在し風力タービンを完全に支持し海底16に貫入しているモノパイル14とを含む。
【0021】
有利には、アセンブリ10はさらに、海底16に定着され軸Vの周りでモノパイル14を取り囲んでいる構造体20と、構造体20に対し機械的に連結され軸Vの周りでモノパイル14を取り囲んでいる一方で、モノパイルとの関係において垂直方向に自由である中央ガイド22(図2中で二重矢印により表されている)とを含む海中ジャケット18を含んでいる。
【0022】
風力タービン12は、モノパイル14の頂部に固定されたタワー24と、このタワー上に回転可能に取付けられたブレード26とを含む。
【0023】
有利には、タワー24は、モノパイル14に風力タービン12を機械的に連結するボルト締めフランジ28を有する。
【0024】
モノパイル14は例えば、海または湖などの水域30によって取り囲まれている。
【0025】
実施例において、モノパイル14は、円筒形の外側形状を有する下位部分32、円錐台形状を有する中位部分34、および円筒形状を有する上位部分36を有する。
【0026】
例えば、モノパイル14は、8.0~11.0メートルの範囲内の平均外径Dおよび、海底から頂部まで40メートル超の高さHを有する。
【0027】
モノパイル14は、風力タービン12の全重量を担持し、垂直荷重F1のための風力タービンの基礎となるように適応されている。モノパイル14は有利には、水平荷重F2、F3および転倒モーメントMを、ジャケット18または万一ジャケットが一切存在しない場合は海底に対して伝達するように適応されている。
【0028】
下位部分32は、ジャケット18のおかげで、有利には平均外部直径Dの2倍よりも小さい高さH1にわたり海底16に貫入する下位端部38を形成する。
【0029】
中位部分34は例えば、水域30の中にあり、一方で上位部分36は、例えば水域30から上に出ている。
【0030】
構造体20および中央ガイド22とは別に、ジャケット18は有利には、モノパイルとの関係において垂直方向に自由でありながら、構造体20に連結され軸Vの周りでモノパイル14を取り囲んでいる下位中央ガイド40(二重矢印で表されている)を含む。
【0031】
ジャケット18は、モノパイル14の設置中にガイドとして使用されるように適応されており、その後、風力タービン12に及ぼされる水平荷重F4およびモノパイル14に及ぼされる波浪および潮流荷重F5によって導入される転倒モーメントMのためのアセンブリ10の基礎となるように適応される。
【0032】
実施例において、ジャケット18は、モノパイル14の下位部分32の一部に沿って、垂直方向に延在する。
【0033】
構造体20は、有利には、モノパイル14の曲げ運動に起因して、中央ガイド22そして実施例中では下位中央ガイド40にモノパイルによって印加される水平荷重F2、F3に耐えるように適応されている。
【0034】
構造体20は、例えば海底16と中央ガイド22の間で軸Vに沿って、かつモノパイル14との関係において半径方向に延在する3本または4本の脚部42を含み、これらの脚部42は、モノパイル14の周りで角度的に配分されている。例えば、構造体20は、水平方向に見た場合にピラミッド形状を有する。
【0035】
構造体20は有利には、脚部42間に筋交い46を含む。
【0036】
例えば、図3および4に示されているように、中央ガイド22は、軸Vの周りに間隔を伴ってモノパイル14を取り囲むリング48を含む。
【0037】
有利には、中央ガイド22は、リング48とモノパイル14の間に位置設定され軸Vの周りで角度的に配分された複数の摩擦パッド50を含む。
【0038】
下位中央ガイド40は、中央ガイド22と垂直方向に整列している。
【0039】
実施例において、下位中央ガイド40は、中央ガイド22に構造的に類似している。
【0040】
一変形形態(図示せず)として、下位中央ガイド40は中央ガイド22と異なっていてよい。
【0041】
例えば摩擦パッド50は、樹脂、潤滑剤そして任意には繊維を含む複合材料を含む。このような材料は例えば、それ自体Orkot(登録商標)またはErtalon(登録商標)の名称で知られている。
【0042】
図3および4を参照すると、モノパイル14の下位端部38は、軸Vに中心があり内部容積54を画定する外側管52および、同じく軸Vに中心があり内部容積内で延在する内側管56を含み、内側管は軸Vに直交する下位開口部58を画定している。
【0043】
下位端部38は、内側管56上に溶接され下位開口部58を閉鎖する閉鎖プレート60並びに、内側管56および外側管52上に溶接された複数の翼プレート62を含む。
【0044】
有利には、下位端部38はさらに、内側管によって画定された内側容積66内に位置設定された補強要素64を含む。
【0045】
内側管56と外側管52は、環状容積68を画定し、この中に翼プレート62が延在する。内側管56および外側管52は、例えば円筒形である。
【0046】
外側管52は、軸Vに沿って内側管56よりも長い。
【0047】
外側管52は、有利には、フランジ28まで上向きに延在し、風力タービンを支持するように適応されている。
【0048】
外側管52は有利には、モノパイル14の外側被覆を形成する。換言すると、モノパイル14、は主として外側管52によって形成されている。
【0049】
外側管52は、外径D1を有し、内側管56は外径D2を有し、外径D2は有利には、外径D1の25%~75%である。
【0050】
大きい外径D1は、内部容積54への容易なアクセスを提供し、このため、溶接作業が容易になっている。
【0051】
例えば、内側管56は、外側管52の外径D1よりも小さい軸方向延長部分H2を有する。
【0052】
内側管56は主として、軸Vに沿って外側管52内で延在する。
【0053】
例えば、内側管56の最下位部分および外側管52の最下位部分は同じ軸方向位置に設定されている。実施例において、内側管56は、完全に外側管52の内部で延在している。換言すると、内側管56の全体が外側管52内にある。
【0054】
内側管56は、閉鎖プレート60によってその下位側で閉鎖され、有利には、その上位側で開放して、内側管56上の静水圧を回避している。
【0055】
外側管52は、半径方向厚みE1を有する。外側管52は、その下位端部38でモノパイル14の外周を形成する。
【0056】
複数の翼プレート62は有利には、典型的に4~8個の数の翼プレートで構成されている。図示された実施例においては、8個の翼プレート62が存在する。
【0057】
例えば、翼プレート62は、環状容積68内で複数の区画70を画定しており、これらの区画はそれぞれ軸Vに沿って延在し、海底16の一部が区画内に進入できるように適応された下位入口72(図3)を画定している。
【0058】
有利には、翼プレート62はそれぞれ、軸Vとの関係において半径方向平面74内で延在しており、軸Vの周りに規則的に配分されている。
【0059】
変形形態(図示せず)によると、翼プレートは、半径方向ではない向きに方向づけられてよい。例えば、翼プレートは、それらが横断する半径方向平面に対して傾斜していてよい。
【0060】
翼プレート62の各々は、両方共が外側管52を内側管56に連結している最下位縁部76と最上位縁部78とを含み、最下位縁部および最上位縁部は例えば、軸Vに対して傾斜しており、内側管に向かってより低くなっている。
【0061】
例えば、翼プレート62は、外側管52の半径方向厚みE1の40%~60%の厚みE2を有する。
【0062】
例えば、閉鎖プレート60は円形形状を有する。閉鎖プレート60は、半径方向に内側管56を超えて延在しない。
【0063】
補強要素64は、軸Vに沿った圧縮に対して、そして先端の効果により生成される曲げ(図3で矢印Fにより表されている)に対して、閉鎖プレート60を補強するように適応されている。
【0064】
補強要素64は例えば、内側容積66全体を通して延在し軸方向で見て格子を形成しているプレート80を含む。
【0065】
実施例において、格子は直交している。
【0066】
他の実施形態(図示せず)において、補強要素は不在であってよく、あるいは、星様の形状といった異なる形状を有しているかまたは直交以外の別の形状を有する格子を形成してもよい。
【0067】
内側管56、外側管52、翼プレート62および閉鎖プレート60は、例えば、有利には355MPaより大きい降伏強度を有する鋼を含む。
【0068】
ここで、アセンブリ10を構築する方法について説明する。これは、外側管52および内側管56を得るステップと、外側管が水平であり、内側管が軸Vに中心がある、外側管52により画定された内部容積54内に内側管56を位置付けするステップとを含む。この方法はさらに、翼プレート62を内側管56上および外側管52上に溶接するステップと、閉鎖プレート60を内側管56上に溶接するステップとを含む。
【0069】
実施例において、補強要素64は、内側容積66内にも追加される。
【0070】
先に図示された実施例において、ジャケット18は、海底16に定着されている。
【0071】
その後、油圧ハンマー(図示せず)でモノパイル14を打設することによってかまたは振動打設することによって、海底16にモノパイル14を導入するステップを実施してよい。このためには、モノパイル14をジャケット18の上方に持っていき、中央ガイド22を通して垂直位置に下降させる。その後、モノパイル14を海底に導入し、風力タービン12をモノパイルに固定する。
【0072】
下位端部38は、海底16の比較的軟質の層82を通って容易に貫入する。海底の比較的硬質の層84に入った時点で、図3で矢印Fによって表されている先端の効果が、閉鎖プレート60上の層84によって発揮される。
【0073】
アセンブリ10の寿命の間、モノパイル14は、風力タービン14の重量とモノパイルの自重によって生じる垂直荷重F1を、完全に支持する。オプションのジャケット18は、中央ガイド22および下位中央ガイド40がモノパイル14との関係において軸Vに沿って自由に移動できることから、これらの垂直荷重を全く支持しない。
【0074】
ジャケット18は、有利にも、水平荷重F2、F3そしてモノパイル14上に波浪、潮流および風が及ぼす転倒モーメントMに耐えうることができる。これらの水平荷重F2、F3は、実施例中の中央ガイド22、および下位中央ガイド40によって受けとめられ、ジャケット18の構造体20に伝達される。
【0075】
垂直荷重F1は、一方では下位端部38上、詳細には外側管52の外周上で摩擦(図3で矢印F4により表されている)によって、そして他方では下位端部38上、詳細には閉鎖プレート60上で先端の効果(矢印Fにより表されている)によって平衡が保たれている。
【0076】
地震の場合、軟質層82は部分的に液状化し得る。しかしながら、先端の効果のため、モノパイル14は海底16内に沈下しない。
【0077】
以上の特徴のおかげで、洋上の電力のコストは削減される。実際、部分的に閉鎖された下位端部38により硬質層84内への先端の効果が可能になる。こうして、海底16へのモノパイル14の貫入の深さH1は減少し、コストも削減される。モノパイル14の製造、輸送および設置コストは、土壌の特性を有効活用することによって削減される。
【0078】
同様に、内側管56の外径D2は土壌特性に合わせて調整されてよく、詳細には、海底16内への打設拒絶を導き得る過剰な先端の効果を回避するべく、求められる先端の効果の規模に合わせられてよい。
【0079】
補強要素64は有利にも、モノパイル14が先端の効果に耐えるのを助ける。
【0080】
翼プレート62の軸方向延在部分は有利には、内側管56からモノパイル14の残りの部分までのせん断による先端の効果の伝達を可能にするように設計されている。
【0081】
溶接のための内部容積54内へのアクセスを容易にするために、外側管52の大きい外径D1(典型的には8~11m)を有効に利用する。
【0082】
オプションのジャケット18により、他のことが全て同等である状態で、海底16へのモノパイル14の貫入H1、ひいてはその長さおよび重量をさらに制限し最適化することが可能になる。別の利点は、必要とされる平均外部直径Dおよび外径D1を制限または削減するという点にある。先端の効果を可能にする上述の特徴により、垂直荷重F1が下位端部38によって支持されることから、ジャケット18の存在を十分に有効活用することが可能である。
【0083】
モノパイル14の直径Dを妥当な数字内に保つことで、アセンブリ10は同様に、風力タービン12とモノパイル14の間のボルト締めフランジ28にも有利である。
【0084】
モノパイルの妥当な寸法内での維持に寄与することにより、本発明は、大規模ウィンドファームサイト全体にわたる水深および土壌条件の変動に対する設計および設置の柔軟性も提供し、こうして連続的製造を改善し、設置コストを削減する。
【0085】
概して、本発明は、ウィンドファーム開発プロジェクトにおける連続的製造および設置に適応している。本発明は、モノパイルおよび風力タービンの連続的設置用に設計されたHuisman社のWindfarms Installation Vesselといった近代的な設置船とも適合性があり、物流および操業コストを削減する。
【符号の説明】
【0086】
10 アセンブリ
12 風力タービン
14 モノパイル
56 内側管
60 閉鎖プレート
62 翼プレート

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋上の電力を生産するためのアセンブリにおいて、
- 風力タービンと
- 垂直であるように意図された軸に沿って延在しかつ風力タービンを完全に支持するように適応されたモノパイルであって、海底に貫入するように適応された下位端部を含み、下位端部が軸に中心がある外側管を含みモノパイルの内部容積を画定している、モノパイルと
を含むアセンブリであって、
下位端部が
軸に中心があり内部容積中に延在する内側管であって、この内側管が軸に直交する下位開口部を画定し、内側管と外側管が環状容積を画定している、内側管と
- 内側管上に溶接され下位開口部を閉鎖する閉鎖プレートと
- 環状容積内で延在し内側管および外側管上に溶接された複数の翼プレートであって、環状容積内の複数の区画を画定し、これらの区画がそれぞれ軸に沿って延在し、海底の一部分が前記区画に進入できるように適応された下位入口を画定している、翼プレートと
をさらに含んでいる、アセンブリ。
【請求項2】
翼プレートが軸との関係において半径方向平面内で延在しており、軸の周りに規則的に配分されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記複数の翼プレートが、4~8の範囲内の数の翼プレートで構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
翼プレートの各々が、両方共外側管を内側管に連結する最下位縁部および最上位縁部を含んでおり、最下位縁部および最上位縁部が軸(V)に対して傾斜しており、内側管に向かってより低くなっている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
外側管が、半径方向厚みを有し、翼プレートが外側管の半径方向厚みの40%~60%の厚みを有する、請求項1から4のいずれか一つに記載のアセンブリ。
【請求項6】
内側管が、外径を有し、外側管が、外径を有し、内側管の径が、外側管の径の25%~75%である、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ。
【請求項7】
内側管が、外側管の径よりも小さい軸方向延長部分を有する、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
閉鎖プレートが、円形形状を有している、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ。
【請求項9】
内側管が、内側容積を画定し、下位端部が、内側容積内に位置設定され軸に沿った圧縮および曲げに対して閉鎖プレートを補強するように適応された補強要素をさらに含んでいる、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ。
【請求項10】
補強要素が、内側容積全体を通して延在し軸方向で見て格子を形成しているプレートを含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
内側管、外側管、翼プレートおよび閉鎖プレートが、355MPaより大きい降伏強度を有する鋼を含む、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ。
【請求項12】
- 海底に定着させられるように適応され軸の周りでモノパイルを取囲んでいる構造体と
- 構造体上に固定され、軸の周りでモノパイルを取り囲んでいる一方で、モノパイルとの関係において垂直方向に自由である中央ガイドであって、構造体が、モノパイルの曲げ運動に起因して中央ガイド上にモノパイルにより印加される水平荷重に耐えるように適応されている、中央ガイドと
を含む海中ジャケットをさらに含む、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリ。
【請求項13】
ジャケットがさらに、構造体上に固定され、軸の周りでモノパイルを取り囲んでいる一方で、モノパイルとの関係において垂直方向に自由である下位中央ガイドを含んでおり、構造体が、下位中央ガイド上にモノパイルにより印加される水平荷重に耐えるように適応されている、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
中央ガイドが
- 間隔を伴ってモノパイルを取り囲むリングと
- リングとモノパイルの間に位置設定され、軸の周りで角度的に配分されている複数の摩擦パッドと
を含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項15】
- 外側管および内側管を得るステップと、
- 外側管が水平であり、内側管が軸に中心がある、外側管により画定された内部容積内に内側管を位置付けするステップと、
- 翼プレートを内側管上および外側管上に溶接し、閉鎖プレートを内側管上に溶接するステップと、
を含む、請求項1からのいずれか一つに記載のアセンブリを構築する方法。
【国際調査報告】