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特表2024-536409シングルゲートの双方向GaN FET
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】シングルゲートの双方向GaN FET
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L27/04 H
H01L27/04 A
H01L29/06 301F
H01L29/80 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521013
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 US2022077731
(87)【国際公開番号】W WO2023060219
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/253,641
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521085021
【氏名又は名称】エフィシェント・パワー・コンバージョン・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェン-チア・リャオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンジュン・カオ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ビーチ
(72)【発明者】
【氏名】ジーカイ・タン
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・リー
【テーマコード(参考)】
5F038
5F102
【Fターム(参考)】
5F038BH05
5F038BH10
5F038BH15
5F038CA02
5F038EZ01
5F038EZ02
5F038EZ07
5F038EZ20
5F102GA01
5F102GA14
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GJ04
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR12
5F102GS10
(57)【要約】
共通ソースの2つのバックツーバックGaN FETから形成される双方向デバイスと並列にシングルゲート双方向GaN FETを集積することによって形成されるシングルゲートの双方向GaN FET。シングルゲート双方向GaN FETは集積回路ダイの大部分を占有しており、そのため集積デバイスは、低チャネル抵抗を有する一方で、バックツーバック双方向GaN FETデバイスの利点も獲得する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルゲートの双方向GaN FETスイッチであって、
並列に接続される第1のサブスイッチおよび第2のサブスイッチを備え、
前記第1のサブスイッチが、第1および第2の電源電極ならびに前記第1および第2の電源電極間の中央に位置するゲートを有するシングルゲートGaN電界効果トランジスタ(FET)を備え、
前記第2のサブスイッチが、バックツーバック構成に接続されかつ共通ソースおよび共通ゲートを有する第1のGaN FETおよび第2のGaN FETを備え、
前記第1のサブスイッチの前記シングルゲートGaN FETの前記ゲートが前記第2のサブスイッチの前記第1および第2のバックツーバックGaN FETの前記共通ゲートに電気接続されて前記双方向GaN FETスイッチの前記シングルゲートを形成する、双方向GaN FETスイッチ。
【請求項2】
前記スイッチが基板に形成され、前記基板が前記シングルゲートに電気接続される、請求項1に記載の双方向GaN FETスイッチ。
【請求項3】
前記スイッチが基板に形成され、前記基板が前記第2のサブスイッチの前記共通ソースに電気接続される、請求項1に記載の双方向GaN FETスイッチ。
【請求項4】
少なくとも1つのフィールドプレートを更に備え、前記少なくとも1つのフィールドプレートが前記第2のサブスイッチの前記共通ソースに接続される、請求項1に記載の双方向GaN FETスイッチ。
【請求項5】
前記第2のサブスイッチの前記共通ソースと前記シングルゲートとの間に保護回路網を更に備え、前記保護回路網が前記基板に電気接続されて、前記シングルゲートを過電圧から保護する、請求項2に記載の双方向GaN FETスイッチ。
【請求項6】
前記スイッチが基板に形成され、前記基板がそれぞれのダイオードによって前記デバイスの前記電源電極に電気接続される、請求項1に記載の双方向GaN FETスイッチ。
【請求項7】
各それぞれのダイオードと前記双方向GaN FETスイッチの前記シングルゲートとの間に接続されて前記シングルゲートのために過電圧保護を提供するツェナーダイオードを更に備える、請求項6に記載の双方向GaN FETスイッチ。
【請求項8】
前記スイッチが基板に形成され、前記第1および第2の電源電極と前記基板との間にそれぞれ接続される第1および第2のトランジスタに接続されるコンパレータを備える能動回路によって前記基板が前記デバイスの電源端子に電気接続され、前記コンパレータが、
前記第1および第2の電源電極の電位を比較し、
低い方の電位を有する前記電源電極に対応する前記第1および第2のトランジスタの一方をオンにするように構成される、請求項1に記載の双方向GaN FETスイッチ。
【請求項9】
前記スイッチが基板に形成され、前記基板がグランドに接続される、請求項1に記載の双方向GaN FETスイッチ。
【請求項10】
前記スイッチが基板に形成され、前記シングルゲートとグランドとの間に電気接続される分圧器を更に備え、前記分圧器が前記基板に電気接続され、そのため前記基板が、前記シングルゲートの電位の何分の1かで前記シングルゲートの前記電位に従う電位を有する、請求項1に記載の双方向GaN FETスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してスイッチに関し、より詳細には双方向GaN電界効果トランジスタ(FET)スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
エンハンスメントモードGaN FETは本来双方向性である-すなわち、それは両方向に電流を導通させる。しかしながら、GaN FETの電圧阻止能力は非対称的である-ドレインが高電圧を阻止できる一方で、ソースは低電圧を阻止できるだけである。
【0003】
米国特許第8,604,512号に開示されているような、デュアルゲートのバックツーバックGaN FETは、いずれの方向にも電流を導通させかつ高電圧を等しく阻止する能力を有する。しかしながら、デバイスを流れる電流は2つのゲートの下を流れなければならず(すなわち、電流は第1のFETのゲートおよび第2のFETのゲートの下を流れ)、不所望にもチャネル抵抗(RDS(ON))を増加させることがある。
【0004】
米国特許第7,465,997号にシングルゲート双方向GaN FETが開示されているが、このデバイスは浮遊基板を有しており、閾値電圧シフトおよび動的RDS(ON)を生じさせることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8604512号明細書
【特許文献2】米国特許第7465997号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、基板がソース電位かゲート電位かにある(すなわち、浮遊していない)シングルゲート双方向GaN FETを有することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、先行技術の上記の欠点を克服し、共通ソースの2つのバックツーバックGaN FETから形成される双方向デバイスと並列に単一のダイにシングルゲート双方向GaN FETが集積されるデバイスを提供することによって上記した目的を達成する。シングルゲート双方向GaN FETは集積回路ダイの領域の大部分を占有しており、そのため集積デバイスは、従来のシングルゲート双方向GaN FETデバイスの上記の欠点なしでシングルゲートデバイスの低チャネル抵抗を有する。
【0008】
本明細書に記載される以上および他の好ましい特徴が、要素の実装および組合せの様々な新規な詳細を含め、ここで添付図面を参照しつつより詳細に記載され、特許請求の範囲に指摘されることになる。特定の方法および装置は単に例示として示されており、特許請求の範囲の限定としてではないことが理解されるべきである。当業者によって理解されるであろうが、本明細書における教示の原理および特徴は、特許請求の範囲から逸脱することなく様々な多数の実施形態に利用され得る。
【0009】
本開示の特徴、目的および利点は、図面と併せて以下に述べる詳細な説明からより明らかになるであろうが、図中、同様の参照符号は全体を通して対応するとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1および第2のサブスイッチを含む、本発明の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの上面図である。
図1A】第1のサブスイッチの上面図である。
図1B】第2のサブスイッチの上面図である。
図2】本発明の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第1の実施形態の横断面図である。
図3A】双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの等価回路を示す図である。
図3B】双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの2つのサブスイッチの概略図である。
図3C】双方向エンハンスメントモードGaNスイッチのブロック図である。
図4】本発明の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第2の実施形態の横断面図である。
図5】本発明の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第3の実施形態の横断面図である。
図6】本発明の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第4の実施形態の横断面図である。
図7】本発明の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第5の実施形態の横断面図である。
図8】本発明の第6の実施形態に従う、双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第1のサブスイッチ、すなわちシングルゲートGaN FETの横断面図である。
図9】本発明の第7の実施形態に従う、双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第1のサブスイッチ、すなわちシングルゲートGaN FETの横断面図である。
図10】本発明の第8の実施形態に従う、双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第1のサブスイッチ、すなわちシングルゲートGaN FETの横断面図である。
図11】2つのサブスイッチを異なるレイアウトで含む双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの上面図である。
図12】ゲート保護回路網を持つ双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの横断面図である。
図13】本発明の別の実施形態に従うゲート保護回路網を持つ双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの横断面図である。
図14】ゲート保護回路網と共に、図13の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第1のサブスイッチの横断面図である。
図15図6に図示される双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第1のサブスイッチに類似しているが、但し基板がゲート160に電気的に短絡されるよりもむしろ、電気的に接地される、第1のサブスイッチの横断面図である。
図16図6に図示される双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第1のサブスイッチに類似しているが、但し基板110の電位が分圧器205を通して低く制御された電圧においてゲート160に従う、第1のサブスイッチの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明において、一定の実施形態が参照される。これらの実施形態は、当業者がそれらを実施することを可能にするのに十分に詳細に記載される。他の実施形態が利用され得ること、ならびに様々な構造的、論理的および電気的変更がなされ得ることが理解されるはずである。
【0012】
図1および図2は、本発明の第1の実施形態に従う2つのサブスイッチを含む双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ100の、それぞれ、上面図および横断面図を示す。図2は、図1におけるC1-C1に沿った横断面図である。図3Aおよび図3Cは、それぞれ、双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ100の等価回路およびブロック図を示し、図3Bは、双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ100の2つのサブスイッチの概略図を示す。
【0013】
スイッチ100は2つのサブスイッチ、すなわち第1および第2のサブスイッチ(それぞれ、サブスイッチ#1および#2)から形成される。サブスイッチ#1がシングルゲートGaN FETから構成される一方で、サブスイッチ#2は2つのバックツーバックGaN FETから構成される。サブスイッチ#1およびサブスイッチ#2は共に単一のデバイスに集積され、それによって、以下に更に完全に記載されるように、両方の利益を獲得する。図1を参照して、本発明の実際の実装例において、サブスイッチ#1がダイ領域の大部分を占有する一方で、サブスイッチ#2はダイ領域の僅かな割合だけを占める。
【0014】
スイッチ100は、基板110、基板110上のGaN層120、GaN層120上のAlGaN層130、交互に配置されるサブ電極を有する第1のオーム電源電極140および第2のオーム電源電極150、第3のオーム電源電極170、ならびにゲート160を含む。第1のオーム電源電極140および第2のオーム電源電極150は、第1のサブスイッチのソース/ドレイン電極(電流フローの方向に応じて、S/DまたはD/S)としての役割をする。第1のオーム電源電極140および第2のオーム電源電極150は、第2のサブスイッチの2つのバックツーバック電界効果トランジスタ(FET)のソース/ドレイン電極(電流フローの方向に応じて、S/DまたはD/S)の役割もし、第3のオーム電源電極170は、第2のサブスイッチの2つのバックツーバックFETの共通ソース電極として動作する。
【0015】
第1のサブスイッチでは、ゲート160は、電圧阻止能力における対称性を達成するために第1および第2のオーム電源電極140、150から等距離だけ離間される。すなわち、ゲート160は、隣接する第1および第2のオーム電源電極140、150に対して中央に位置する。したがって、第1のサブスイッチは、いずれの方向(140から150への、または150から140への電流フロー)にも等しく高電圧を阻止できる。第2のサブスイッチも、バックツーバックFETにより、両方向に等しく高電圧を阻止できる。したがって、本発明のスイッチ100は、いずれのオーム電源電極140、150がより高い電位にあるかにかかわらず同じ電圧を阻止できる双方向エンハンスメントモードGaNスイッチである。
【0016】
第1のサブスイッチでは、高電圧を電流フローの両方向に(140から150へ、または150から140へ)等しく阻止できるだけでなく、加えて、電流は有利にも1つのゲートの下だけを流れる。第1のサブスイッチがダイの大部分を占有するので、第1のサブスイッチを第2のスイッチと集積することによって、スイッチ100のチャネル抵抗(RDS(ON))は、バックツーバックFETだけを含む双方向スイッチと比較すると、有意に低減される。第3のオーム電源電極170は、第2のサブスイッチの共通ソース電極として、応用シナリオに応じて、浮遊させておかれても(図6に図示されるように)、またはゲート160を駆動する基準として使用されても、またはゲートを保護するためにツェナーダイオードもしくは他のゲート保護回路に接続されてもよい。第1のサブスイッチを第2のサブスイッチと集積することによって、スイッチ100は、両方のサブスイッチの利点、すなわち低減されたチャネル抵抗およびゲート160を駆動する基準を有する。
【0017】
図2、第1の実施形態を参照すると、本発明のデバイスは4つの端子:ゲート160、D/S140、S/D150およびソース170を有する。フィールドプレート180(フィールドプレート181および182を備える)ならびに基板110がサブスイッチ#2のソース170に電気的に短絡される。サブスイッチ#1のオーム電源電極140とオーム電源電極150との間のチャネルに沿って、ゲートが1つだけある。したがって、ダイの大部分を占有する、サブスイッチ#1のチャネル抵抗は、2つのゲートを有するデバイスと比較すると、低減される。
【0018】
図3Aに図示されるように、第1および第2のサブスイッチは等価回路において並列に接続される。図3Bの上部は、図1に標記されるような経路P1-P2に沿った第1のサブスイッチの概略図であり、第1のオーム電源電極140と第2のオーム電源電極150との間で、第1のサブスイッチが、電流フローの方向に応じて、ソース-ゲート-ドレインまたはドレイン-ゲート-ソース構成を有することを図示する。図3Bの下部は、図1に標記されるような経路P3-P4に沿った第2のサブスイッチの概略図であり、第2のサブスイッチが第1のオーム電源電極140と第2のオーム電源電極150との間でドレイン-ゲート-ソース-ゲート-ドレイン構成、すなわち共通ソースのバックツーバックFETを有することを図示する。
【0019】
図4は、本発明の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第2の実施形態の横断面図を示す。スイッチ200は4つの端子:ゲート160、D/S140、S/D150およびソース170を有する。フィールドプレート180(フィールドプレート181および182)はサブスイッチ#2のソース170に短絡される。
【0020】
図5は、本発明の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第3の実施形態の横断面図を示す。スイッチ300は4つの端子:ゲート160、D/S140、S/D150およびソース170を有する。フィールドプレート180はゲート160に短絡される。基板110はサブスイッチ#2のソース170に短絡される。
【0021】
図6は、本発明の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第4の実施形態400の横断面図を示す。スイッチ400は3つの端子:D/S140、S/D150およびゲート160を有する。ソース170は浮遊している。
【0022】
図7は、本発明の第5の実施形態に従う双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ500の横断面図を示す。スイッチ500は、図5に図示されるスイッチ300に類似しているが、但しスイッチ500では、ゲート160を過電圧によって生じる損傷から保護するためにゲート160とソース170との間にツェナーダイオード191(または他の適切なゲート保護回路網)が加えられる。ゲートが過電圧を受けると、ツェナーダイオード191が破壊してゲート160を保護する。
【0023】
図8は、本発明の第6の実施形態に従う第1のサブスイッチ600の横断面図を示す。スイッチ600はスイッチ400の第1のサブスイッチに類似しているが、但しサブスイッチ600では、ゲート160と基板110との間に接続されるツェナーダイオード192(または任意の他の適切なゲート保護回路網)がゲート160を過電圧によって生じる損傷から保護する。
【0024】
図9は、本発明の第7の実施形態に従う第1のサブスイッチ700の横断面図を示す。サブスイッチ700はサブスイッチ600に類似しているが、但しサブスイッチ700では、基板110が、ダイオード192のような受動素子によってオーム電源電極140、150のいずれかの低い方の電位に接続される。
【0025】
図10は、本発明の第8の実施形態に従う第1のサブスイッチ800の横断面図を示す。サブスイッチ800はサブスイッチ600に類似しているが、但しサブスイッチ800では、基板110が、能動回路の使用によって、オーム電源電極140、150の低電位の方に接続される。図10に図示されるように、スイッチ800はトランジスタ194、195およびコンパレータ196を更に含む。トランジスタ194は、トランジスタ194のゲートがオンにされるとオーム電源電極140に基板110を接続する。トランジスタ195は、トランジスタ195のゲートがオンにされるとオーム電源電極150に基板110を接続する。コンパレータ196は、オーム電源電極140および150、ならびにトランジスタ194および195のゲートに電気接続されて、電極140、150の電位に従って第1および第2のトランジスタを制御する。コンパレータ196は、オーム電源電極140および150の電位を比較してオーム電源電極140および150のいずれの方が低い電位を有するかを判定し、そしてオーム電源電極140および150の判定された低電位の方に従ってトランジスタ194またはトランジスタ195をオンにし、かつ他方のトランジスタ194または195をオフにする。したがって、基板110は、オーム電源電極140および150の低電位の方に電気接続される。
【0026】
図11は、本発明の別の実施形態に従う2つのサブスイッチを含む双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ900の上面図を示す。スイッチ100に類似して、スイッチ900は2つのサブスイッチ、すなわち第1および第2のサブスイッチ(それぞれ、サブスイッチ#1および#2)を含む。しかしながら、スイッチ900は、スイッチ100と比較して異なるレイアウトを有する。例えば、スイッチ900の共通ソース170は、スイッチ100においてデバイスの4つの側を占有する代わりに、デバイスの1つの側にある。それらのレイアウトの相違にもかかわらず、スイッチ900は、スイッチ100と同じ等価回路(図3A)および同じブロック図(図3B)を有する。
【0027】
図12は、図6に図示される双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ400に類似している双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの横断面図であり、一定の相違が下記される。図12において、ゲート160は、2つの/デュアルツェナーダイオード201または他の保護デバイスによって過電圧から保護されており、その各個がゲート160と第1のオーム電源電極140との間またはゲート160と第2のオーム電源電極150との間にある。デバイスの破壊電圧を上昇させるために、双方向スイッチの破壊電圧以上である高破壊電圧のダイオード202が2つのツェナーダイオード201と直列に接続される。pnダイオードと比較して、その低順電圧降下、高破壊電圧、およびGaNデバイスプラットフォームへのより容易な集積のためにショットキーダイオードが好ましい。ダイオード201の代わりに高電圧GaN FETを用いることができる。第1のサブスイッチの各ドレイン-ゲートまたはソース-ゲート経路における2つのバックツーバックダイオード201、202は集積する、コパッケージする、および/または外付けであることができる。第3のオーム電源電極170(共通ソース電極)は、図6におけるように浮遊している。
【0028】
図13は、図6に図示される双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ400に類似の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの横断面図であり、一定の相違が下記される。ゲート160は、ゲート160と第1のオーム電源電極140との間およびゲート160と第2のオーム電源電極150との間に接続される2つの並列高電圧ダイオード204と直列に接続されるツェナーダイオード203によって過電圧から保護される。再び、ショットキーダイオードが好ましい。過電圧保護は高電圧GaN FETによって提供されてもよい。第1のサブスイッチの各ドレイン-ゲートまたはソース-ゲート経路における2つのバックツーバックダイオードは集積する、コパッケージする、および/または外付けであることができる。
【0029】
図14は、図13の双方向エンハンスメントモードGaNスイッチの第1のサブスイッチの横断面図である。
【0030】
図15は、図6に図示される双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ400の第1のサブスイッチに類似しているが、但し図15においては、基板110がゲート160に電気的に短絡されるよりもむしろ、電気的に接地される、第1のサブスイッチの横断面図である。
【0031】
図16は、図6に図示される双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ400の第1のサブスイッチに類似しているが、但し図16においては、基板110の電位が分圧器205を通して低く制御された電圧においてゲート160に従う、第1のサブスイッチの横断面図である。これは、さもなければデバイスがオフになるとオーム電源電極140とオーム電源電極150との間の高オフ状態リークを生じさせ得る高Vgdの故障条件中のバッファにおける正孔注入および捕獲を最小限に抑える。
【0032】
上の説明および図面は、単に本明細書に記載される特徴および利点を達成する、具体的な実施形態の例示であると考えられるはずである。具体的なプロセス条件の変更および置換を行うことができる。したがって、本発明の実施形態は、以上の説明および図面によって限定されるとは考えられない。
【符号の説明】
【0033】
100 双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ
110 基板
120 GaN層
130 AlGaN層
140 第1のオーム電源電極
150 第2のオーム電源電極
160 ゲート
170 第3のオーム電源電極
180 フィールドプレート
181 フィールドプレート
182 フィールドプレート
191 ツェナーダイオード
192 ダイオード
194 トランジスタ
195 トランジスタ
196 コンパレータ
200 双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ
201 ツェナーダイオード
202 ダイオード
203 ツェナーダイオード
204 高電圧ダイオード
205 分圧器
300 双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ
400 双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ
500 双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ
600 第1のサブスイッチ
700 第1のサブスイッチ
800 第1のサブスイッチ
900 双方向エンハンスメントモードGaNスイッチ
図1
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】