(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】紡績工場の紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための電子装置および紡績工場の紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための方法
(51)【国際特許分類】
D01H 13/16 20060101AFI20240927BHJP
D01H 13/32 20060101ALI20240927BHJP
D01H 13/20 20060101ALI20240927BHJP
D01H 13/22 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
D01H13/16 B
D01H13/32
D01H13/16 D
D01H13/20
D01H13/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521094
(86)(22)【出願日】2022-09-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 IB2022058333
(87)【国際公開番号】W WO2023057835
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005597
【氏名又は名称】リーター アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Rieter AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstrasse 20, 8406 Winterthur, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アーダルベアト シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ゲラート キュスタース
(72)【発明者】
【氏名】ニティン パティル
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA01
4L056BE25
4L056EC03
4L056EC05
4L056EC18
4L056EC19
4L056FB17
(57)【要約】
本開示は、紡績工場の紡績・巻取りセクション(1)内の機能障害を位置特定するための電子装置(10)および方法に関する。紡績・巻取りセクション(1)は、精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)および巻取り機(7,7’,7’’,…)を含む。精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)は、巻取られた糸を有する複数の給糸ボビン(6)を生産するように構成されている。巻取り機(7,7’,7’’,…)は、糸ボビン(8)の生産のために、巻取られた糸を有する給糸ボビン(6)を受け取るように構成されている。電子装置(10)は、精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)から、生産された給糸ボビン(6)の紡績パラメータ(sp)を受け取るように構成されており、巻取り機(7,7’,7’’,…)から、糸ボビン(8)の生産に関連した巻取りパラメータ(wp)を受け取るように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡績工場の紡績・巻取りセクション(1)内の機能障害を位置特定(lc)するための電子装置(10)であって、
前記紡績・巻取りセクション(1)は、1つまたは複数の精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)および1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)を含み、前記1つまたは複数の精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)は、巻取られた糸を有する複数の給糸ボビン(6)を生産するように構成されており、前記1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)は、糸ボビン(8)の生産のために、前記1つまたは複数の精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)によって生産された、巻取られた糸を有する給糸ボビン(6)を受け取るように構成されており、
前記電子装置(10)は、
前記1つまたは複数の精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)から、生産された給糸ボビン(6)の紡績パラメータ(sp)を受け取るように構成されており、
前記1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)から、糸ボビン(8)の生産に関連した巻取りパラメータ(wp)を受け取るように構成されており、
巻取り異常を検出するために、前記少なくとも1つの巻取りパラメータ(wp)を、前記少なくとも1つの巻取りパラメータ(wp)の正常状態を規定するレベルと比較するように構成されており、
巻取り異常のケースにおいて、前記紡績・巻取りセクション(1)内の前記機能障害の位置特定(lc)のために、前記1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)において受け取られた給糸ボビン(6)の少なくとも1つの紡績パラメータ(sp)を決定し、前記少なくとも1つの紡績パラメータ(sp)の正常状態を規定するレベルと比較するように構成されている、
電子装置(10)。
【請求項2】
前記機能障害(lc)は、精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)に、または巻取り機(7,7’,7’’,…)に、または精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)から巻取り機(7,7’,7’’,…)への給糸ボビン(6)の搬送部に位置している、請求項1記載の電子装置(10)。
【請求項3】
前記1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)において受け取られた給糸ボビン(6)の紡績パラメータ(sp)は、給糸ボビン(6)の給糸ボビン識別子に基づいて決定される、請求項1または2記載の電子装置(10)。
【請求項4】
前記機能障害(lc)は、
前記紡績パラメータ(sp)が正常状態を有している場合には巻取り機(7,7’,7’’,…)に、または精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)から巻取り機(7,7’,7’’,…)への給糸ボビン(6)の搬送部に位置し、
前記紡績パラメータ(sp)が正常状態を有していない場合には精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)に位置する、請求項1から3までのいずれか1項記載の電子装置(10)。
【請求項5】
紡績パラメータ(sp)は、不完全性指数、毛羽、糸質量の変動係数、糸直径の変動指数、単位長さあたりの太い場所の数、単位長さあたりの細い場所の数、単位長さあたりの周期的な糸欠陥の数、単位長さあたりの糸番手変動の数および単位長さあたりの異物の数のうちの1つまたは複数に関連する、請求項1から4までのいずれか1項記載の電子装置(10)。
【請求項6】
前記紡績パラメータ(sp)は、ドッフィング時間、スピンドル速度、リングトラベラー速度、単位時間あたりの糸切れの数、空気温度および空気湿度のうちの1つまたは複数に関連する、請求項1から5までのいずれか1項記載の電子装置(10)。
【請求項7】
前記巻取りパラメータ(wp)は、糸張力、クリアリング動作の数、エネルギの消費量、単位時間あたりの生産された糸ボビンの数、不完全性指数および毛羽のうちの1つまたは複数に関連する、請求項1から6までのいずれか1項記載の電子装置(10)。
【請求項8】
精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)のコントローラ(50)および/または巻取り機(7,7’,7’’,7’’’)のコントローラ(70)にアクセスすることによって、紡績パラメータ(sp)および/または巻取りパラメータ(wp)を受け取るようにさらに構成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の電子装置(10)。
【請求項9】
前記機能障害の位置特定(lc)は、ニューラルネットワークアルゴリズムおよびファジー理論アルゴリズムのうちの1つまたは複数に基づく、請求項1から8までのいずれか1項記載の電子装置(10)。
【請求項10】
前記精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)、前記巻取り機(7,7’,7’’,…)、自動修理システムおよびコンピュータディスプレイのうちの1つまたは複数に前記機能障害の位置特定(lc)を通知するようにさらに構成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の電子装置(10)。
【請求項11】
信号線インタフェースをさらに含み、前記信号線インタフェースは、信号線(1s)を介して、前記1つまたは複数の精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)から紡績パラメータ(sp)を受け取り、前記1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)から巻取りパラメータ(wp)を受け取るようにさらに構成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の電子装置(10)。
【請求項12】
請求項13から15までのいずれか1項記載の方法を実施するように構成されているコンピュータシステムであって、
前記コンピュータシステムは、1つまたは複数のコンピュータを備え、前記1つまたは複数のコンピュータは、好ましくはグラフィカルユーザインタフェースを備える、
コンピュータシステム。
【請求項13】
紡績工場の紡績・巻取りセクション(1)内の機能障害を位置特定(lc)するための方法であって、
前記紡績・巻取りセクション(1)は、1つまたは複数の精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)および1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)を含み、前記1つまたは複数の精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)は、巻取られた糸を有する複数の給糸ボビン(6)を生産するように構成されており、前記1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)は、糸ボビン(8)の生産のために、前記1つまたは複数の精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)によって生産された、巻取られた糸を有する給糸ボビン(6)を受け取るように構成されており、
前記方法は、電子装置(10)またはコンピュータシステムによって実行されるステップ、すなわち、
前記1つまたは複数の精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)から、生産された給糸ボビン(6)の紡績パラメータ(sp)を受け取るステップ(S1)、
前記1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)から、糸ボビン(8)の生産に関連した巻取りパラメータ(wp)を受け取るステップ(S2)、
巻取り異常を検出するために、少なくとも1つの巻取りパラメータ(wp)を、前記少なくとも1つの巻取りパラメータ(wp)の正常状態を規定するレベルと比較するステップ(S4)、
巻取り異常のケースにおいて、前記紡績・巻取りセクション(1)内の前記機能障害の位置特定(lc)のために、前記1つまたは複数の巻取り機(7,7’,7’’,…)において受け取られた給糸ボビン(6)の少なくとも1つの紡績パラメータ(sp)を決定し、前記少なくとも1つの紡績パラメータ(sp)の正常状態を規定するレベルと比較するステップ
を含んでいる、
方法。
【請求項14】
前記機能障害(lc)は、精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)に、または巻取り機(7,7’,7’’,…)に、または精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)から巻取り機(7,7’,7’’,…)への給糸ボビン(6)の搬送部に位置している、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記機能障害(lc)は、
前記紡績パラメータ(sp)が正常状態を有している場合には巻取り機(7,7’,7’’,…)に、または精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)から巻取り機(7,7’,7’’,…)への給糸ボビン(6)の搬送部に位置し、
前記紡績パラメータ(sp)が正常状態を有していない場合には精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)に位置する、請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
前記機能障害の位置特定(lc)は、ニューラルネットワークアルゴリズムおよびファジー理論アルゴリズムのうちの1つまたは複数に基づく、請求項13から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記精紡機(5,5’,5’’,5’’’,…)、前記巻取り機(7,7’,7’’,…)、自動修理システムおよびコンピュータディスプレイのうちの1つまたは複数に前記機能障害の位置特定(lc)を通知することをさらに含む、請求項13から16までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、紡績工場の紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための電子装置および紡績工場の紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための方法に関する。
【0002】
背景技術
紡績工場は、天然繊維および合成繊維、ならびにそれらの混合物を糸に変えるための種々異なるタイプの繊維機械を備える様々なセクションを含む。紡績工場は、後続の製造ステップにおける適切な糸の性能を可能にする形態で糸を生産するように設計されている。この目的のために、糸が所定の品質パラメータに合致すること、および糸が後続の製造ステップのために適合させられた構成で生産されることが要求される。糸の品質パラメータは、質量、厚さ、フィラメントの数等に関連し得る。紡績工場によって生産される糸の構成は、効率的な搬送および使用のために大量の糸が巻上げられている糸ボビンに関連し得る。
【0003】
紡績工場の紡績・巻取りセクションは、1つまたは複数の精紡機および1つまたは複数の巻取り機を含んでいてよい。
【0004】
精紡機は、複数の紡績ポジションを含んでいる。紡績ポジションにおいて、上流の織物機械から粗糸ボビンが受け取られる。紡績ポジションにおいて、粗糸が粗糸ボビンから解舒され、引き伸ばされ、撚られ(紡がれ)、糸として、給糸ボビンを形成する管に巻取られる。給糸ボビンの生産中に、糸パラメータを監視することができる。
【0005】
巻取り機は、精紡機の下流に配置されており、精紡機によって生産された給糸ボビンを受け取る。
【0006】
巻取り機は、複数の巻取りポジションを含む。巻取りポジションでは、上流の精紡機によって生産された給糸ボビンが順次、綾巻きボビンに巻き返される。巻き返しの目的は、効率的な搬送および使用が可能な、大きな糸ボビンを生産することである。巻き返し中に、糸の特性を監視し、所定の品質基準と比較することができる。品質基準を満たしていない場合には、糸の不良部分を除去することができる。この目的のために、いわゆる糸クリアリングシステムが公知である(たとえば、各クリアリング動作を可能にする国際公開第2012/051730号を参照されたい)。
【0007】
糸ボビンは、後続の製造ステップのために適合させられた構成で巻取り機によって生産される。
【0008】
欧州特許出願公開第3305700号明細書は、糸巻取りシステムを開示しており、この糸巻取りシステムは、給糸ボビンから糸を巻取って、パッケージを形成するように構成されている自動ワインダならびに、自動ワインダに対する先行ステップにおいて紡績プロセスを実行するようにそれぞれ構成されている粗紡機および精紡機を含む。自動ワインダは、糸の走行状態を検出するように構成されている糸監視ユニットと、糸監視ユニットの監視結果の情報を粗紡機および精紡機へ伝送するように構成されたている伝送ユニットとを含む。粗紡機および精紡機は、自動ワインダから糸監視ユニットの監視結果に関する情報を受け取るように構成されている受け取りユニットを含む。精紡機は、給糸ボビンを形成するために糸を巻取る。自動ワインダは、給糸ボビンからの糸を巻取って、パッケージを形成する。ボビン搬送装置は、給糸ボビンに関する情報を格納するためのRF(RF:radio Frequency)タグを含んでいる各トレイを使用して、給糸ボビンを精紡機から自動ワインダに搬送し、かつ空のボビンを自動ワインダから精紡機に搬送する。ボビン搬送装置は、この給糸ボビンを形成した紡績ユニットを識別するためのユニット識別情報と、ドッフィングのタイミングを識別するためのドッフィング情報とを含んでいるRFタグに情報を書き込むためのRFライタを含む。自動ワインダは、この給糸ボビンを形成した紡績ユニットとドッフィングのタイミングとを識別するために、RFタグに書き込まれた情報を読み取るためのRFリーダを含む。
【0009】
米国特許出願公開第2021/148012号明細書には、複数の紡績ポジションを有するリング精紡機と、複数の巻取りポジションを有する巻取り機とを含む、リング紡績システムが開示されている。糸は、紡績ポジションのうちの1つの紡績ポジションで紡がれ、コップに巻上げられる。紡績パラメータの値が、コップの巻取り中の種々異なる時点で決定され、紡績データとして格納される。コップは、紡績ポジションから、巻取りポジションのうちの1つの巻取りポジションに搬送される。巻取りポジションでは、糸が、コップから糸ボビンへ巻き返される。糸パラメータの値が、コップの巻き返し中の種々異なる時間で決定され、糸データとして格納される。紡績データおよび糸データは、これらが同じ糸セクションに関連するように、互いに自動的に割り当てられる。互いに割り当てられた紡績データと糸データとに基づいて、リング精紡機において介入が行われる。
【0010】
米国特許第5100073号明細書は、自動織物ワインダを開示している。ワインダに供給される各紡績管には、たとえばラベルやマーキング等の形態の出所表示が関連付けられている。糸巻取り動作の品質関連パラメータを監視するために、各巻取りステーションに品質コントロール装置が設けられている。各巻取りステーションには別の装置が設けられており、この別の装置は、各品質管理装置と連動して、品質管理装置によって決定された品質関連パラメータの所定の値を糸が満たしている紡績管の表示を削除するが、そのような品質値を糸が満たしていない紡績管の表示は削除せずに残す。巻取りステーションから排出された各紡績管は、その紡績管に残っている表示を読み取る、または他の手法で検出するために検出ステーションに搬送される。このようにして、粗悪な糸や品質の劣る糸の出所を容易に識別することができる。
【0011】
独国特許出願公開第102016007779号明細書は、リング精紡機の紡績ポジションの正しい動作の監視に関連する。装置は紡績コップを識別し、紡績コップを、この紡績コップを生産した紡績ポジションにいつでも割り当てることを可能にする。下流の自動ワインダの巻取りポジションに配置されたセンサ装置は、後続の巻き返しプロセス中に紡績コップの糸を監視する。この発明によれば、紡績コップの走行糸が、糸張力センサとして設計されているセンサ装置によってスキャンされ、糸張力データが巻取りユニットコンピュータに送られて、予め決定可能な限界値を上回る糸張力データが決定され、これによって、問題があると解釈される、硬く巻取られた紡績コップが示される。次いで、糸張力データが、問題の紡績コップを製造したリング精紡機の紡績ユニットに割り当てられる。
【0012】
発明の簡単な概要
紡績工場の紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための電子装置ならびに紡績工場の紡績・巻取りセクションにおける機能障害を位置特定するための方法が要求され得る。精紡機において、または巻取り機において、または紡績工場の紡績・巻取りセクション内の精紡機から巻取り機への給糸ボビンの搬送部において、機能障害を位置特定するための電子装置が要求され得る。機能障害を迅速に位置特定することを可能にし、かつ機能障害を位置特定するためのより高い柔軟性をもたらす、精紡機において、または巻取り機において、または紡績工場の紡績・巻取りセクション内の精紡機から巻取り機への給糸ボビンの搬送部において、機能障害を位置特定するための電子装置が要求され得る。
【0013】
このような要求は、独立請求項の主題によって満たされ得る。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明の1つの態様は、紡績工場の紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための電子装置に関し、紡績・巻取りセクションは、1つまたは複数の精紡機および1つまたは複数の巻取り機を含み、1つまたは複数の精紡機は、巻取られた糸を有する複数の給糸ボビンを生産するように構成されており、1つまたは複数の巻取り機は、糸ボビンの生産のために、1つまたは複数の精紡機によって生産された、巻取られた糸を有する給糸ボビンを受け取るように構成されており、電子装置は、1つまたは複数の精紡機から、生産された給糸ボビンの紡績パラメータを受け取るように構成されており、1つまたは複数の巻取り機から、糸ボビンの生産に関連した巻取りパラメータを受け取るように構成されており、巻取り異常を検出するために、少なくとも1つの巻取りパラメータを、この少なくとも1つの巻取りパラメータの正常状態を規定するレベルと比較するように構成されており、巻取り異常のケースにおいて、紡績・巻取りセクション内の機能障害の位置特定のために、1つまたは複数の巻取り機において受け取られた給糸ボビンの少なくとも1つの紡績パラメータを決定し、この少なくとも1つの紡績パラメータの正常状態を規定するレベルと比較するように構成されている。巻取り機において検出された巻取り異常に基づいて、精紡機および巻取り機を含む紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定することができる。紡績パラメータおよび巻取りパラメータを、各信号線を介して、有線または無線のコンピュータネットワーク等を介して受け取ることができる。たとえば、所定の制限を超える巻取りエラーの数は、紡績・巻取りセクション内の機能障害を示している場合がある。機能障害の位置特定は、紡績パラメータを、正常状態を規定するレベルと比較することによって決定される。たとえば、過剰な数の巻取りエラーのケースにおいて、紡績パラメータを使用して、機能障害が巻取り機に位置するのか、または精紡機に位置するのか、または給糸ボビンの搬送部に位置するのかを決定することができる。たとえば、巻取りパラメータが、過剰な数の巻取りエラーの他に異常がないことを示すことがあるが、紡績パラメータは、回転速度等の紡績パラメータが異常なレベルであり得る特定の紡績ポジションで生産された給糸ボビンが巻取り機において受け取られたときに過剰な数の巻取りエラーの異常が発生することを示し、これによって、その紡績ポジションが紡績・巻取りセクション内の機能障害として位置特定される。この単純な例は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈され得ない。なぜなら、当業者は、受け取った各紡績パラメータおよび巻取りパラメータに基づいて紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための様々なシナリオを容易に規定することができるからである。
【0015】
給糸ボビンは、典型的には、管に巻取られた紡績された糸等の、適切なキャリヤに巻取られた紡績された糸を有している。管を、比較的少量の糸を搬送するように適合させることができる。キャリヤである管に巻取られた糸の量が比較的制限されている給糸ボビンはコップと呼ばれ得る。しかし、独立した、発明性のある概念とみなすこともできる本発明の1つの態様によれば、給糸ボビンが、たとえば、ロータ精紡機またはエアジェット精紡機によって生産された比較的大きな綾巻きボビンに関連することもあり、ここでは、巻取り機において受け取られると、単一の綾巻きボビンの紡績された糸が、各(綾巻き)糸ボビンに巻き返される。これは、たとえば、巻取り機の糸クリーニング装置、スプライス装置等を利用することによって糸の品質を向上させるために行われてよく、これによって、たとえば、糸の後続の染色のため、または綾巻きパッケージからの糸の迅速な除去を必要とする特別な織り機での使用のための、種々異なる適用が可能になる。このような巻き返しも、特に高品質の糸を有するボビンを得るために必要であり得る。
【0016】
幾つかの実施形態では、機能障害は、精紡機に、または巻取り機に、または精紡機から巻取り機への給糸ボビンの搬送部に位置している。機能障害は精紡機、巻取り機、搬送部のいずれかに位置し得る、または機能障害は精紡機と巻取り機と搬送部との組み合わせに位置し得る。
【0017】
幾つかの実施形態では、1つまたは複数の巻取り機において受け取られた給糸ボビンの紡績パラメータは、給糸ボビンの給糸ボビン識別子に基づいて決定される。給糸ボビンの生産中に、紡績パラメータが給糸ボビン識別子に割り当てられて格納される。巻取り機において給糸ボビンが受け取られると、紡績パラメータが給糸ボビン識別子に基づいて決定される。
【0018】
幾つかの実施形態では、機能障害は、紡績パラメータが正常状態を有している場合には巻取り機に、または精紡機から巻取り機への給糸ボビンの搬送部に位置し、紡績パラメータが正常状態を有していない場合には精紡機に位置する。巻取り機における異常が検出された後に、紡績パラメータを評価することによって、機能障害を位置特定することができる。たとえば、紡績パラメータは、特定の回転速度を有する紡績ポジションに関連し得る。この特定の回転速度が正常なレベルを有している場合、紡績・巻取りセクション内の機能障害が、巻取り機に位置している可能性がある。この特定の回転速度が正常なレベルを有していない場合には、機能障害が、この特定の回転速度を有する紡績ポジションを有する精紡機に位置している可能性がある。
【0019】
幾つかの実施形態では、紡績パラメータは、不完全性指数、毛羽、糸質量の変動係数、糸直径の変動指数、単位長さあたりの太い場所の数、単位長さあたりの細い場所の数、単位長さあたりの周期的な糸欠陥の数、単位長さあたりの糸番手変動の数および/または単位長さあたりの異物の数に関連する。紡績・巻取りセクションにおいて広く入手可能な紡績パラメータを、機能障害の位置特定のために使用することができる。
【0020】
幾つかの実施形態では、紡績パラメータは、ドッフィング時間、スピンドル速度、リングトラベラー速度、単位時間あたりの糸切れの数、空気温度および空気湿度のうちの1つまたは複数に関連する。紡績・巻取りセクションにおいて広く入手可能な紡績パラメータを、機能障害の位置特定のために使用することができる。
【0021】
幾つかの実施形態では、巻取りパラメータは、糸張力、クリアリング動作の数、エネルギの消費量、単位時間あたりの生産された糸ボビンの数、不完全性指数および毛羽のうちの1つまたは複数に関連する。紡績・巻取りセクションにおいて広く入手可能な巻取りパラメータを、機能障害の位置特定のために使用することができる。
【0022】
幾つかの実施形態では、電子装置は、精紡機のコントローラおよび/または巻取り機のコントローラにアクセスすることによって、紡績パラメータおよび/または巻取りパラメータを受け取るようにさらに構成されている。電子装置を、既存の紡績・巻取りセクションに容易に適合させることができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、機能障害の位置特定は、ニューラルネットワークアルゴリズムおよびファジー理論アルゴリズムのうちの1つまたは複数に基づく。紡績・巻取りセクションにおける機能障害を位置特定するために、パワーツールを使用することができる。
【0024】
幾つかの実施形態では、電子装置は、精紡機、巻取り機、自動修理システムおよびコンピュータディスプレイのうちの1つまたは複数に機能障害の位置特定を通知するようにさらに構成されている。電子装置は、紡績・巻取りセクション内の機能障害の自動的な修正、半自動的な修正または手動による修正をサポートすることができる。精紡機および/または巻取り機、たとえば各コントローラへの位置特定の通知は、たとえば各ロボットの作動による自動修正をサポートすることができる。コンピュータディスプレイへの機能障害の位置特定の通知は、半自動的な修正または手動による修正をサポートすることができる。
【0025】
幾つかの実施形態では、電子装置は、信号線インタフェースをさらに含み、信号線インタフェースは、信号線を介して、1つまたは複数の精紡機から紡績パラメータを受け取り、1つまたは複数の巻取りパラメータから巻取りパラメータを受け取るように構成されている。電子装置を、精紡機および巻取り機からそれぞれ離して、別個に配置することができる。
【0026】
本発明はまた、以降に規定する方法を実施するように構成されているコンピュータシステムにも関し、コンピュータシステムは、1つまたは複数のコンピュータを備え、1つまたは複数のコンピュータは、好ましくはグラフィカルユーザインタフェースを備える。コンピュータは、機械コントローラ、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等に関連し得る。グラフィカルユーザインタフェースは、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボードおよびマウスを有するディスプレイ等に関連し得る。コンピュータシステムは、精紡機および巻取り機の既存のコントローラ、紡績工場の既存のコントローラならびに/またはコンピュータ等を含むことができる。
【0027】
本発明は、紡績工場の紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための方法にも関し、紡績・巻取りセクションは、1つまたは複数の精紡機および1つまたは複数の巻取り機を含み、1つまたは複数の精紡機は、巻取られた糸を有する複数の給糸ボビンを生産するように構成されており、1つまたは複数の巻取り機は、糸ボビンの生産のために、1つまたは複数の精紡機によって生産された、巻取られた糸を有する給糸ボビンを受け取るように構成されており、この方法は、電子装置またはコンピュータシステムによって実行されるステップ、すなわち、1つまたは複数の精紡機から、生産された給糸ボビンの紡績パラメータを受け取るステップ、1つまたは複数の巻取り機から、糸ボビンの生産に関連した巻取りパラメータを受け取るステップ、巻取り異常を検出するために、少なくとも1つの巻取りパラメータを、この少なくとも1つの巻取りパラメータの正常状態を規定するレベルと比較するステップ、巻取り異常のケースにおいて、紡績・巻取りセクション内の機能障害の位置特定のために、1つまたは複数の巻取り機において受け取られた給糸ボビンの少なくとも1つの紡績パラメータを決定し、この少なくとも1つの紡績パラメータの正常状態を規定するレベルと比較するステップを含んでいる。
【0028】
幾つかの実施形態では、機能障害は、精紡機に、または巻取り機に、または精紡機から巻取り機への給糸ボビンの搬送部に位置している。
【0029】
幾つかの実施形態では、機能障害は、紡績パラメータが正常状態を有している場合には巻取り機に、または精紡機から巻取り機への給糸ボビンの搬送部に位置し、紡績パラメータが正常状態を有していない場合には精紡機に位置する。
【0030】
幾つかの実施形態では、機能障害の位置特定は、ニューラルネットワークアルゴリズムおよびファジー理論アルゴリズムのうちの1つまたは複数に基づく。
【0031】
幾つかの実施形態では、方法は、精紡機、巻取り機、自動修理システムおよびコンピュータディスプレイのうちの1つまたは複数に機能障害の位置特定を通知することをさらに含む。
【0032】
本発明は、図によって示された例として与えられた実施形態の説明の助けを借りてよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】精紡機および巻取り機を配置した紡績工場の例示的な紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための電子装置を概略的に示す図である。
【
図2】複数の精紡機および複数の巻取り機を配置した紡績工場の例示的な紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定する電子装置を概略的に示す図である。
【
図3】紡績工場の紡績・巻取りセクション内の機能障害を位置特定するための方法の可能な方法ステップを概略的に示す図である。
【0034】
発明の詳細な説明
上述の概要ならびに好ましい実施形態の後述の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでよりよく理解される。本発明を説明する目的で、同様の数字が図面の幾つかの図を通して同様の部分を表す実施形態は現時点では好ましいが、本発明が、開示された特定の方法および手段に限定されないことを理解されたい。
【0035】
図1は、精紡機5および巻取り機7を配置した紡績工場の例示的な紡績・巻取りセクション1内の機能障害を位置特定するための電子装置10を概略的に示す。典型的な紡績工場では、紡績・巻取りセクション1は、複数の精紡機および複数の巻取り機(
図1には示されていない)を含む。
【0036】
図1に示されているように、精紡機5が、巻取り機7の上流に配置されている。相応に、巻取り機7が、精紡機5の下流に配置されている。典型的な紡績工場の紡績・巻取りセクションでは、複数の精紡機および複数の巻取り機がそれぞれ配置されている。
【0037】
精紡機5は、リング精紡機に関連し得る。しかし、本出願の文脈において、精紡機5は、典型的には、比較的長さが制限された糸セクションを生産する別のタイプの精紡機にも関連していてよく、これらの糸セクションは次いで、十分な長さの糸を備えるボビンを形成するために巻取り機によって巻き返される。たとえば、精紡機5は、ポット精紡機であってもよい。しかし、本明細書でも説明されているように、本発明の変形例によれば、精紡機はロータ精紡機またはエアジェット精紡機であってもよい。
【0038】
精紡機5は、上流の粗紡機3(典型的には、複数の粗紡機が配置されている)によって生産された粗糸4を受け取り、巻取られた糸を有する給糸ボビン6(キャリヤ)を生産する。精紡機5は、複数の紡績ポジション51,52,53を含む。各紡績ポジション51,52,53において、粗糸41,42,43が受け取られる。たとえば、粗糸41,42,43が、ボビンまたは別のタイプのキャリヤ、たとえば特定の寸法の容器に配置されていてよい。各紡績ポジション51,52,53は、紡績ユニット511,521,531を含む。各紡績ユニット511,521,531は、ドラフティング装置および撚糸装置を含むことができ、ここで、ドラフティング装置は、粗糸をドラフティングするように構成されており、撚糸装置は、ドラフティングされた粗糸を、紡績された糸に紡ぐように、かつ紡績された糸を給糸ボビンに巻取るように構成されている。各紡績ポジション51,52,53において、それぞれ、紡績された糸を特定量巻上げた給糸ボビン61,62,63が生産される。典型的には、特定の時間において、給糸ボビン61,62,63が、後続の処理のために紡績ポジション51,52,53からドッフィングされる。
【0039】
巻取り機7は、上流の精紡機5(典型的には、複数の上流の精紡機が配置されている)によって生産された給糸ボビン6を受け取って、糸ボビン8を生産する。巻取り機7は、複数の巻取りポジション71,72を含む。各巻取りポジション71,72において、給糸ボビン61,65,63,68が受け取られる。各巻取りポジションは、巻取りユニット711,721を含む。各巻取りユニット711,721は、巻取り装置、張力付与装置、糸監視装置、上側糸捕捉装置、下側糸捕捉装置、スプライシング装置、所定の品質基準に合致していない糸を除去するためのクリアリングシステム等を含んでいてよい。各巻取りポジション71,72において、1つまたは複数の給糸ボビン61,65,63,69を受け取ることができる。
図1に示された例では、各巻取りポジション71,72において、2つの給糸ボビン61,65,63,68が受け取られる。しかし、より多いまたはより少ない給糸ボビンが、巻取り機の巻取りポジションにおいて受け取られてよい。各巻取りポジション71,72において、糸が給糸ボビン61,65,63,68から解舒されて、糸ボビン81,82に巻取られる。特定の時間において、糸ボビンが、後続の製造ステップのために巻取りポジション71,72から降ろされる。
【0040】
典型的には、精紡機5の紡績ポジション51,52,53の数および巻取り機7の巻取りポジション71,72の数は多く、
図1に概略的に示されている紡績ポジションおよび巻取りポジションの少ない数を大幅に超える。
【0041】
図1に示されているように、精紡機5は、精紡機5の動作をコントロールするための紡績コントローラ50を含む。紡績コントローラ50は、信号線5sを介して、紡績ポジション51,52,53に配置された紡績ユニット511,521,531のコントロールユニット510,520,530に接続されている。コントロールユニット510,520,530は、紡績コントローラ50から、信号線5sを介してコントロール信号を受け取り、粗糸41,42,43から所望の仕様の給糸ボビン61,62,63を生産するための紡績ユニット511,521,531の動作をコントロールする。給糸ボビン61,62,63の所望の仕様は、糸の品質、糸の量、単位時間あたりの生産された給糸ボビン61,62,63の数等に関連し得る。コントロール信号は、紡績ユニット511,512,513の動作パラメータ、たとえば、スピンドル速度、ドラフティングレート、リングベンチおよび/またはスピンドルベンチの動きのモード、紡績ポットの回転速度、駆動されている紡績リングの回転速度、コントロールされている回転している紡績リングの回転速度、リングトラベラー速度等を調整することを可能にする。コントロール信号を、精紡機の補助モジュールをコントロールするために使用することもできる。たとえば、補助モジュールは、精紡機のスピンドルモニタまたは精紡機のサービスロボットであってよい。たとえば、コントロール信号によって、サービスロボットに、特定の紡績ポジションまで進み、紡績ポジションのより詳細な分析を実行するように、かつ/または特定のメンテナンス動作(たとえば、リングトラベラーの交換またはドラフティング装置のローラのクリーニング)を実行するように指示することができる。コントロールユニット510,520,530は、信号線5sを介して紡績コントローラ50にモニタ信号を伝送する。モニタ信号は、紡績ユニット511,521,531(たとえば、スピンドル速度、リングトラベラー速度、ドラフティングレート等に関連した信号)、粗糸41,42,43(たとえば、特定の紡績ポジション(たとえば、リング精紡機のスピンドルポジション)における粗糸の存在および/または量、粗糸キャリヤの識別子等に関連した信号)、紡績ユニット511,521,531における紡がれた糸(たとえば、糸の不完全性指数、毛羽等に関連した信号)、給糸ボビン61,62,63(たとえば、給糸ボビン識別子等)等に関連し得る。モニタ信号は、各センサによって生成された信号に基づいていてよい、またはこれらの信号から導出されてよい。モニタ信号は、給糸ボビン識別子(以降の詳細な説明を参照されたい)、不完全性指数、毛羽、紡績ポジション、ドッフィング時間(次のドッフィングまでの残りの時間)、スピンドル速度、単位時間あたりの糸切れの数、リングトラベラー速度、紡績ポットの回転速度、駆動されている紡績リングの回転速度、コントロールされている回転している紡績リングの回転速度、単位時間あたりの糸切れの数、単位糸長さあたりの糸切れの数、空気温度、空気湿度等に関連し得る。
【0042】
図1に示されているように、巻取り機7は、巻取り機7の動作をコントロールするための巻取りコントローラ70を含む。巻取りコントローラ70は、信号線7sを介して、巻取りポジション71,72に配置された巻取りユニット711,721のコントロールユニット710,720に接続されている。コントロールユニット710,720は、巻取りコントローラ70から、信号線7sを介してコントロール信号を受け取り、給糸ボビン61,65,63,68から所望の仕様の糸ボビン81,82を生産するための巻取りユニット711,721の動作をコントロールする。糸ボビン81,82の所望の仕様は、糸ボビン81,82あたりの糸の量、単位時間あたりの生産された糸ボビン81,82の数、糸ボビン81,82の生産に必要なエネルギの量等に関連し得る。コントロール信号は、巻取り速度、アクティブな巻取りポジションの数、真空システムのパワー、アクティブな給糸ボビン(ボビン)準備ステーションの数等の、巻取りユニット711,721,731の動作パラメータを調整することを可能にする。コントロールユニット710,720は、信号線7sを介してモニタ信号を巻取りコントローラ70に伝送する。モニタ信号は、巻取りユニット711,721、給糸ボビン61,65,63,68、給糸ボビン61,65,63,68から解舒されて糸ボビン81,82に巻取られた糸、糸ボビン81,82等に関連し得る。モニタ信号は、各センサ、特に1つの糸クリアラ、または複数の糸クリアラ(たとえば異なるタイプの糸クリアラ)の各センサによって生成された信号に基づいていてよい、またはこれらの信号から導出されてよい。モニタ信号は、巻取りユニットにおいて受け取られた給糸ボビンの給糸ボビン識別子(以降の詳細な説明を参照されたい)、糸張力、クリアリングシステムによって実行されたクリアリング動作の数、エネルギの消費量、単位時間あたりの生産された糸ボビンの数等に関連し得る。1つの糸クリアラまたは複数の糸クリアラによって提供された、または1つの糸クリアラまたは複数の糸クリアラから導出されたモニタ信号は、糸の番手、太い場所、細い場所、撚りレベル、糸の強さ、糸の伸び特性、引張強さ、撚りおよび番手、糸の毛羽、糸の不完全性指数、糸の色等に関連し得る。
【0043】
精紡機5によって給糸ボビン6が生産されると、各紡績パラメータspが適用される。次いで、給糸ボビン6が、巻取り機7へ搬送され、次いで、巻取り機7において受け取られる。巻取り機7において受け取られた給糸ボビン6の紡績パラメータspを決定するために、給糸ボビン6は、RFIDタグ(RFID: Radio Frequency Identifier)のような識別ユニットを含むことができ、この識別ユニットは、たとえば固有の識別番号の形態の給糸ボビン識別子を格納している。精紡機5の紡績ポジション51,52,53および巻取り機7の巻取りポジション71,72には、RFIDリーダ等のリーダユニットが配置されていてよく、巻取りポジション71,72において、それぞれ紡績ポジション51,52,53に配置された給糸ボビン6の給糸ボビン識別子を、各給糸ボビン6に取り付けられている識別ユニットから固有の識別番号を読み取ることによって決定することができる。したがって、電子装置10は、精紡機5によって生産された給糸ボビン6の紡績パラメータspと、その給糸ボビン識別子とを受け取り、格納することができる。さらに、電子装置10は、巻取り機7において受け取られた給糸ボビン6の紡績パラメータを、その給糸ボビン識別子に基づいて決定することができる。
【0044】
代替的または付加的に、たとえば、給糸ボビン6を搬送するためのレールシステムが配置されている場合、精紡機5から巻取り機7へ給糸ボビン6を搬送するための所定の搬送計画が適用され得る。電子装置10は、この搬送計画に割り当てられた、生産された給糸ボビン6の紡績パラメータspを受け取り、格納することができる。電子装置10は、割り当てられた紡績パラメータspを伴う搬送計画に基づいて、巻取り機7において受け取られた給糸ボビン6の紡績パラメータspを決定することができる。
【0045】
図1に各参照番号によって示されているように、精紡機5が、参照番号61,62,63を有する給糸ボビンを生産し、巻取り機7は、異なる参照番号61,65,63,68を有する給糸ボビン糸を受け取っている。参照番号の違いは、巻取り機において受け取られた給糸ボビンが、様々な上流の精紡機の様々な紡績ポジションで生産された給糸ボビンに関連し得ることを示している。
【0046】
図1に示されているように、電子装置10が配置されている。電子装置10は、信号線1sを介して電子装置10を精紡機5の紡績コントローラ50および巻取り機7の巻取りコントローラ70の各信号線インタフェース(図示せず)に接続するための信号線インタフェース(図示せず)を含む。典型的に、電子装置は、複数の精紡機および複数の巻取り機に接続されている。
図1に示されているように、電子装置10は、信号線1sを介して、粗紡機3等のさらなる上流の機械に接続され得る。
【0047】
電子装置10、紡績コントローラ50、巻取りコントローラ70、信号線インタフェース(図示せず)、信号線1s,5s,7s等は、コンピュータ化された装置、コンピュータ化されたネットワークインタフェースおよびコンピュータ化されたネットワークに関連し得る。コンピュータ化されたネットワークは、有線コンピュータネットワーク、無線コンピュータネットワーク等に関連し得る。コンピュータ化されたネットワークインタフェース(図示せず)は、有線コンピュータネットワークインタフェース、無線コンピュータネットワークインタフェース等に関連し得る。コンピュータ化されたネットワークインタフェース、コンピュータ化されたネットワークは、インターネット・プロトコル・スイート、IEEE802規格、イーサネット技術、無線LAN(WLANまたはWiFiとして広く知られている)等のプロトコルを可能にし得る。コンピュータ化されたネットワークおよびコンピュータ化されたネットワークインタフェースは、各装置、コントローラ、ユニット等の間のコントロール信号、モニタ信号等の伝送を可能にする。コンピュータ化された装置は、マイクロコントローラ、コンピュータ等に関連し得る。コンピュータ化された装置は、1つまたは複数のプロセッサと、メモリに格納されているプログラム命令とを含んでいてよく、プログラム命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、本開示に記載されているように機能を提供する。装置、コントローラ、ユニット等は、オペレータへのステータス情報の表示を可能にするために、かつ/またはオペレータからのコマンドの受け取りを可能にするために、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)等のユーザインタフェースを含んでいてよい。たとえば、電子装置10は、紡績工場のコントロールおよび監視装置に関連し得る。
【0048】
粗糸4または給糸ボビン6は、自動的に、半自動的にまたは手動で、粗紡機3から精紡機5(または複数のこのような機械)へ、または精紡機5から巻取り機7(または複数のこのような機械)へ搬送され得る。糸ボビン8は、自動的に、半自動的にまたは手動で、巻取り機7から離れるように搬送され得る。
【0049】
電子装置10は、精紡機5から、給糸ボビン6の生産に関連した紡績パラメータspを受け取るように構成されている。この目的のために、紡績コントローラ50は、たとえば、電子装置10による要求に応じて、紡績ユニット511,521,531のコントロールユニット510,520,530の各情報にアクセスすることによって、紡績パラメータspを、信号線1sを介して電子装置10に伝送する。生産された各給糸ボビン61,62,63に対して、各紡績パラメータsp(これは各紡績ポジション51,52,53を含み得る)が受け取られ、給糸ボビン61,62,63の給糸ボビン識別子に割り当てて格納され得る。
【0050】
電子装置10は、巻取り機7から、糸ボビン8の生産に関連した巻取りパラメータwpを受け取るように構成されている。この目的のために、巻取りコントローラ70は、たとえば、電子装置10による要求に応じて、巻取りユニット711,721のコントロールユニット710,720の各情報にアクセスすることによって、巻取りパラメータwpを、信号線1sを介して電子装置10に伝送する。生産された糸ボビン81,82に対して、各巻取りパラメータwpが受け取られ、格納され得る。
【0051】
電子装置10は、巻取り異常を検出するために、少なくとも1つの巻取りパラメータwpを、この少なくとも1つの巻取りパラメータwpの正常状態を規定するレベルと比較するように構成されている。たとえば、所定の時間間隔が経過した後、比較を繰り返し行うことができる。たとえば、単位時間あたりのクリアリング動作の数、単位時間あたりの巻取りエラーの数等を、単位時間あたりのクリアリング動作、巻取りエラー等の正常な数を規定するレベルと比較することができる。たとえば、正常なレベルからの偏差が閾値を超える場合、巻取り異常が検出される。
【0052】
電子装置10は、巻取り異常のケースにおいて、紡績・巻取りセクション1内の機能障害の位置特定lcのために、巻取り機7において受け取られた給糸ボビンの少なくとも1つの紡績パラメータspを決定し、この少なくとも1つの紡績パラメータの正常状態を規定するレベルと比較するように構成されている。たとえば、所定の制限を下回る、巻取り機7におけるクリアリング動作の数が、正常動作を示すことがある。たとえば、所定の制限を上回る、クリアリング動作の数が、巻取り異常を示すことがある。巻取り異常のケースにおいて、電子装置10は、巻取り機7において受け取られた給糸ボビン61,62,63の紡績パラメータspを決定し、紡績パラメータを、この紡績パラメータの正常状態を規定するレベルと比較する。たとえば、不完全性指数が、正常状態を示すレベルと比較される。不完全性指数が正常状態を有していない場合、精紡機5において機能障害が決定される。不完全性指数が正常状態を有している場合、巻取り機7において機能障害が決定される。たとえば、巻取りパラメータwpは、異常な数のクリアリングを伴う巻取りポジション71の識別を含むことができる。たとえば、給糸ボビン識別子に基づいて、巻取りポジション71において受け取られた給糸ボビン6を決定することができる。たとえば、給糸ボビン識別子に基づいて、巻取りポジション71において受け取られた給糸ボビン6の不完全性指数を決定することができる。たとえば、巻取りポジション71において受け取られた給糸ボビン6の不完全性指数が正常状態を有している場合、電子装置10が、紡績・巻取りセクション1内の機能障害の位置として、この巻取りポジション71を位置特定するように構成されていてよい。巻取りポジション71において受け取られた給糸ボビン6の不完全性指数が正常状態を有していない場合、たとえば、巻取りポジション71において受け取られた給糸ボビン6の不完全性指数が異常状態を有している場合、電子装置10が、紡績パラメータspから、この給糸ボビン6を生産した紡績ポジション52を決定し、紡績・巻取りセクション1内の機能障害の位置として、この紡績ポジション52を位置特定するように構成されていてよい。
【0053】
図2は、複数の精紡機5,5’,5’’,5’’’,…および複数の巻取り機7,7’,7’’,…を配置した紡績工場の例示的な紡績・巻取りセクション1内の機能障害を位置特定するための電子装置10を概略的に示している。精紡機5,5’,5’’,5’’’,…の上流には、粗糸4を生産するために、複数の粗紡機3,3’,…が配置可能である。粗糸4は、巻取られた糸を有する給糸ボビン6を生産するために精紡機5,5’,5’’,5’’’,…において受け取られる。巻取られた糸を有する給糸ボビン6が、糸ボビン8を生産するために巻取り機7,7’,7’’,…において受け取られる。
【0054】
上述のように、電子装置10は、1つまたは複数の精紡機5,5’,5’’,5’’’,…から、給糸ボビン6の生産に関連した紡績パラメータspを受け取るように構成されている。さらに、たとえば、生産された給糸ボビン6の給糸ボビン識別子を受け取り、各紡績パラメータspと共に格納することができる。
【0055】
この目的のために、たとえば、
図2に示されているように、各給糸ボビン6は、RFIDタグ(RFID: Radio Frequency Identifier)またはバーコード等の識別ユニットidを含むことができ、精紡機5,5’,5’’,5’’’,…は、上述のように、識別ユニットidから固有の識別番号を読み取ることによって給糸ボビン識別子を決定するように構成されていてよい。
【0056】
電子装置10は、それぞれ紡績コントローラ50をコントロールし、紡績コントローラ50にアクセスすることによって、給糸ボビン6の給糸ボビン識別子を受け取ることができる。電子装置10は、給糸ボビン6のさらなる紡績パラメータspにアクセスし、給糸ボビンのこのさらなる紡績パラメータspに割り当てられた、給糸ボビン6の給糸ボビン識別子を格納することができる。給糸ボビン6の生産中、電子装置10は、所定の時間間隔の経過の後、所定の糸の量の生産の後等に、紡績パラメータspを格納することができる。この時間間隔、糸の量等は変更可能である。たとえば、給糸ボビン6の生産の第1の段階の間に、第2の段階の間とは異なる時間間隔、糸の量等が選択されてよい。たとえば、給糸ボビン6の生産の初期段階の間に、給糸ボビン6の生産の最終段階の間よりも短い時間間隔が選択されてよい。たとえば、給糸ボビン6に巻取られた糸に従って、電子装置10は、給糸ボビン6に巻取られた糸の異なるセクションに対して、異なる不完全性指数、毛羽値等を格納していてよい。したがって、電子装置10は、生産された各給糸ボビン6に対して、給糸ボビン6に巻取られた糸および/または糸のセクションに割り当てられた紡績パラメータspを、給糸ボビン6の給糸ボビン識別子と共に格納していてよい。紡績パラメータspは、精紡機5,5’,5’’,5’’’,…の識別、紡績ポジション51,52,51’,52’,…の識別等を含むことができる。
【0057】
したがって、各巻取りポジションに対して給糸ボビン6が巻取り機7,7’,7’’,…において受け取られている場合、電子装置10は、給糸ボビン6の紡績パラメータspを決定するために、給糸ボビン識別子を受け取ることができる。さらに、電子装置は、巻取り機7,7’,7’’,…から、糸ボビン8の生産に関連した巻取りパラメータwpを受け取ることができる。巻取りパラメータwpは、巻取り機7,7’,7’’,…の巻取りポジションに関連していてよい。
【0058】
この目的のために、たとえば、電子装置10は、巻取り機7,7’,7’’,7’’’,…の巻取りポジション711,721のコントロールユニット710,720からの各情報を受け取るために、巻取り機7,7’,7’’,…の巻取りコントローラ70にアクセスすることができる。
【0059】
電子装置10は、巻取り異常を検出するために、上述のように、少なくとも1つの巻取りパラメータwpを、この少なくとも1つの巻取りパラメータwpの正常状態を規定するレベルと比較するように構成されている。
【0060】
電子装置10は、巻取り異常のケースにおいて、上述のように、紡績・巻取りセクション1内の機能障害の位置特定lcのために、巻取り機7,7’,7’’,…において受け取られた給糸ボビン6の紡績パラメータを決定し、この紡績パラメータの正常状態を規定するレベルと比較するように構成されている。
【0061】
たとえば、特定の巻取りポジションに対して、巻取り異常が結果として生じ、かつ紡績パラメータが異常状態を有する場合がある。電子装置10は、給糸ボビン識別子および紡績ポジションを含む紡績パラメータspに基づいて、各紡績ポジションにおいて、機能障害を位置特定することができる。
【0062】
たとえば、特定の巻取りポジションに対して、巻取り異常が結果として生じ、かつ紡績パラメータが正常状態を有する場合がある。電子装置10は、その巻取りポジションにおいて、機能障害を位置特定することができる。
【0063】
たとえば、電子装置10が特定の紡績ポジションで機能障害を位置特定した場合、電子装置10は、不完全性指数、毛羽等の類似の紡績パラメータspを有する給糸ボビン6を生産するさらなる紡績ポジションを決定することができ、これらの紡績ポジションを、巻取りパラメータwpがまだこれらの紡績ポジションで生産された給糸ボビン6に対する異常を示していない場合でも、可能性のある機能障害として位置特定することができる。
【0064】
たとえば、巻取りパラメータwpは、巻取り機7,7’,7’’,…において決定された不完全性指数、毛羽等のパラメータを含むことができる。機能障害の位置特定は、各紡績パラメータspおよび巻取りパラメータwp、たとえば不完全性指数、毛羽等の合致に基づくことができる。したがって、特定の不完全性指数、毛羽等の、特定レベルのパラメータを有する給糸ボビン6が異常状態を結果としてもたらす場合、その特定レベルのパラメータを有する給糸ボビン6を生産するすべての紡績ポジションを識別するために紡績パラメータspを使用することができ、これによって機能障害を位置特定することができる。たとえば、機械パラメータが紡績ポジションのセットに対して誤って調整されている可能性がある。
【0065】
たとえば、巻取りパラメータwpは、巻取り機7,7’,7’’,…において決定された不完全性指数、毛羽等のパラメータを含むことができる。電子装置10は、給糸ボビン識別子に基づいて、各給糸ボビン6に対して、各紡績パラメータspと巻取りパラメータwpとの間の差を決定することができる。この差が所定の閾値よりも大きい場合、精紡機5,5’,5’’,5’’’,…から巻取り機7,7’,7’’,…への給糸ボビン6の搬送部が、機能障害として位置特定され得る。たとえば、搬送中、給糸ボビン6が、高い空気湿度レベルを有する空気に曝された可能性がある。
【0066】
電子装置10は、受け取った各紡績パラメータspおよび巻取りパラメータwpに基づいて紡績・巻取りセクション1内の機能障害を位置特定するために、ニューラルネットワークアルゴリズム、ファジー理論アルゴリズム等を含んでいてよい。
【0067】
図3は、紡績工場の紡績・巻取りセクション1内の機能障害を位置特定するための方法の可能な方法ステップを概略的に示している。紡績・巻取りセクション1は、1つまたは複数の精紡機5,5’,5’’,5’’’,…および1つまたは複数の巻取り機7,7’,7’’,…を含む。1つまたは複数の精紡機5,5’,5’’,5’’’,…は、巻取られた糸を有する複数の給糸ボビン6を生産するように構成されている。1つまたは複数の巻取り機7,7’,7’’,…は、糸ボビン8を生産するために、1つまたは複数の精紡機5,5’,5’’,5’’’,…によって生産された巻取られた糸を有する給糸ボビン6を受け取るように構成されている。方法は、電子装置10またはコンピュータシステムにおいて、ステップS1において、1つまたは複数の精紡機5,5’,5’’,5’’’から、生産された給糸ボビン6の紡績パラメータspを受け取るステップを実行すること、ステップS2において、1つまたは複数の巻取り機7,7’,7’’,…から、糸ボビン8の生産に関連した巻取りパラメータを受け取るステップを実行すること、ステップS3において、巻取り異常を検出するために、少なくとも1つの巻取りパラメータwpを、この少なくとも1つの少なくとも1つの巻取りパラメータwpの正常状態を規定するレベルと比較するステップを実行すること、ステップS4において、巻取り異常のケースにおいて、紡績・巻取りセクション1内の機能障害の位置特定lcのために、少なくとも1つの紡績パラメータspを決定し、この少なくとも1つの紡績パラメータspの正常状態を規定するレベルと比較するステップを実行することを含む。
【0068】
給糸ボビン6,61,…は、特に任意のタイプのキャリヤに巻取られた、紡績された糸に関連していてよい。糸ボビン8,81,…は、巻き返された糸に関連していてよく、これは特に、任意のタイプのキャリヤに巻き返された、紡績された糸に関連している。
【符号の説明】
【0069】
1 紡績工場の紡績・巻取りセクション
10 電子装置
1s,5s,7s 信号線
id 粗糸、給糸ボビン、糸ボビンの識別ユニット
3,3’ 粗紡機
4,41,42,43 粗糸
5,5’,5’’,5’’’ 精紡機
50 紡績コントローラ
51,52,53 紡績ポジション
511,521,531 紡績ユニット
510,520,530 紡績ユニットのコントロールユニット
6,61,62,63,65,68 巻取られた糸を有する給糸ボビン
7,7’,7’’,7’’’ 巻取り機
70 巻取りコントローラ
71,72,73 巻取りポジション
711,721,731 巻取りユニット
710,720,730 巻取りユニットのコントロールユニット
8,81,82 糸ボビン
sp 紡績パラメータ
wp 巻取りパラメータ
lc 機能障害の位置特定
【国際調査報告】