(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】制御方法および装置、LiDAR、ならびに端末デバイス
(51)【国際特許分類】
G01S 7/484 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G01S7/484
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521101
(86)(22)【出願日】2021-10-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 CN2021122756
(87)【国際公開番号】W WO2023056615
(87)【国際公開日】2023-04-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲イー▼▲倫▼
(72)【発明者】
【氏名】石 ▲現▼▲領▼
(72)【発明者】
【氏名】曹 国亮
(72)【発明者】
【氏名】黄 志臻
(72)【発明者】
【氏名】余 安亮
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AC02
5J084BA12
5J084BB11
5J084BB28
5J084CA03
5J084CA11
5J084CA12
5J084EA04
5J084EA07
(57)【要約】
パルス制御フィールドにおいてパルス検出の精度を改善するための、制御方法および装置、LiDAR、ならびに端末デバイスが提供される。本方法は、第1のパルス列および第2のパルス列を送信するように送信モジュールを制御することを含み、第1のパルス列は、少なくとも2つの第1タイプパルスおよび少なくとも1つの第2タイプパルスを含み、第2のパルス列は、少なくとも1つの第1タイプパルスおよび/または少なくとも1つの第2タイプパルスを含み、第1タイプパルスの電力は、第2タイプパルスの電力よりも大きい。高電力の第1タイプパルスは、ファーフィールドターゲットを検出するために使用され、低電力の第2タイプパルスは、ニアフィールドターゲットを検出するために使用され、それにより、ファーフィールドターゲットおよびニアフィールドターゲットを検出する精度が効果的に改善されることが可能であり、LiDARのポイントクラウド品質が改善されることが可能である。加えて、少なくとも2つの第1タイプパルスは第1のパルス列中で送信され、したがって、ファーフィールドターゲットは、少なくとも2つの第1タイプパルスを使用することによって検出されることが可能であり、それにより、ファーフィールドターゲットの検出効果およびファーフィールドポイントクラウドの品質をさらに改善する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパルス列を送信するように送信モジュールを制御するステップであって、前記第1のパルス列は、M
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルスを含み、M
1は、1よりも大きい整数であり、M
2は、正の整数である、ステップと、
第2のパルス列を送信するように前記送信モジュールを制御するステップであって、前記第2のパルス列は、M
3個の第1タイプパルスおよび/またはM
4個の第2タイプパルスを含み、M
3およびM
4は、正の整数である、ステップと
を含み、
前記第1タイプパルスの電力は、前記第2タイプパルスの電力よりも大きく、前記第2のパルス列および前記第1のパルス列は、異なる送信時間期間を有するか、または異なる送信サブモジュールに対応するか、または検出視野中の異なるピクセルに対応するか、または異なる検出視野に対応するか、または異なる受信サブモジュールに対応する、
制御方法。
【請求項2】
前記方法は、
少なくとも前記第1のパルス列および前記第2のパルス列に基づいてポイントクラウドを生成するステップ
をさらに含み、前記第1のパルス列および前記第2のパルス列は、異なるポイントクラウドに対応する
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記第1のパルス列は、第1のパルス列セットおよび第2のパルス列セットに属し、前記第1のパルス列セット中のパルス列のそれぞれは、前記第1タイプパルスを含み、前記第2のパルス列セット中のパルス列のそれぞれは、前記第2タイプパルスを含み、
前記第1のパルスセット中のいずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルス間の時間間隔が、ファーフィールド角度分解能に基づいて決定され、
前記第2のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第2タイプパルス間の時間間隔が、ニアフィールド角度分解能に基づいて決定される
請求項1または2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記第1のパルス列は、第3のパルス列セットに属し、前記第3のパルス列セット中のパルス列のそれぞれは、前記第1タイプパルスおよび前記第2タイプパルスを含み、
前記ニアフィールド角度分解能に対する前記ファーフィールド角度分解能の比が整数であるとき、前記第3のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、同じであるか、または
前記ニアフィールド角度分解能に対する前記ファーフィールド角度分解能の比が整数でないとき、前記第3のパルス列セット中の少なくとも2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、異なる
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記第1のパルス列のために、前記M
1個の第1タイプパルスは、同じ電力をもつM
1個の第1のパルスを含み、前記M
2個の第2タイプパルスは、K個のタイプの第2のパルスを含み、前記K個のタイプの第2のパルスの電力は、異なり、前記K個のタイプの第2のパルスの量の和は、M
2であり、Kは、正の整数である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記M
1個の第1タイプパルスおよび前記M
2個の第2タイプパルスは、複数の検出サイクル中で送信され、検出サイクルのそれぞれで送信されるパルス列は、前記第1のパルス、および/または前記K個のタイプの第2のパルスのうちの1つもしくは複数を含む請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
いずれか2つの検出サイクル中で送信されるパルス列が、同じである請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
いずれかの検出サイクル中で送信されるパルス列が、前記第1のパルス、および前記K個のタイプの第2のパルスのうちの1つまたは複数を含むとき、前記第1のパルスと隣接する第2のパルスとの間の時間間隔は、前記第1のパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔以上である請求項6または7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記制御方法は、
第1のエコー信号を受信するように受信モジュールを制御するステップと、
第3のパルス列を送信するように前記送信モジュールを制御するステップであって、前記第3のパルス列は、前記第1のパルス列とは異なる、ステップと
をさらに含む請求項1乃至8のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項10】
前記第3のパルス列は、M
5個の第1タイプパルスを含み、M
5の値は、M
1の値よりも大きい請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記第3のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと前記検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔は、前記第1のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと前記検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔とは異なり、および/または
前記第3のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時系列間隔は、前記第1のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時系列間隔とは異なる
請求項9または10に記載の制御方法。
【請求項12】
第3のパルス列を送信するように前記送信モジュールを制御する前記ステップの前に、前記方法は、
前記第1のエコー信号が有効信号を含まないかまたは複数の有効信号を含むと決定するステップ
をさらに含む請求項9乃至11のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項13】
前記第1のパルス列の第1タイプパルスと前記第1のパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔が、コーディングを通して取得される請求項9乃至12のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項14】
第4のパルス列を送信するように送信モジュールを制御するステップと、
第5のパルス列を送信するように前記送信モジュールを制御するステップと、
第6のパルス列を送信するように前記送信モジュールを制御するステップと
を含み、前記パルス列は、
前記第4のパルス列が、M
1個の第1タイプパルスを含み、前記第5のパルス列が、M
2個の第2タイプパルスを含み、前記第6のパルス列が、M
1個の第1タイプパルスを含むこと、または
前記第4のパルス列が、M
2個の第2タイプパルスを含み、前記第5のパルス列が、M
1個の第1タイプパルスを含み、前記第6のパルス列が、M
2個の第2タイプパルスを含むこと、および
前記M
1個の第1タイプパルスの電力が、前記M
2個の第2タイプパルスの電力よりも大きく、M
1が、1よりも大きい整数であり、M
2が、正の整数であること
のうちの1つを満たす、制御方法。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサおよびインターフェース回路を備える、制御装置であって、前記インターフェース回路は、前記少なくとも1つのプロセッサにデータまたはコード命令を提供するように構成されており、前記少なくとも1つのプロセッサは、論理回路を使用することまたは前記コード命令を実行することによって請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法を実装するように構成されている、制御装置。
【請求項16】
制御装置および送信モジュールを備える、LiDARであって、前記制御装置は、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の制御方法を実施するように構成されており、前記送信モジュールは、前記制御装置の制御下でパルス列を送信するように構成されている、LiDAR。
【請求項17】
前記LiDARは、走査機構をさらに備え、前記走査機構は、多面回転ミラー、振り子ミラー、微小電子機械システム(micro-electro-mechanical system, MEMS)走査ミラー、またはプリズムのうちの1つまたは複数を備える請求項16に記載のLiDAR。
【請求項18】
前記LiDARは、受信モジュールをさらに備え、前記受信モジュールは、エコー信号を受信するように構成されており、前記制御装置は、前記エコー信号に基づいてターゲット特徴を決定するようにさらに構成されている請求項16または17に記載のLiDAR。
【請求項19】
請求項16乃至18のいずれか一項に記載のLiDARを備える、端末デバイス。
【請求項20】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムが実行されたとき、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で動作されたとき、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法が実装される、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、感知技術の分野に関し、詳細には、パルス制御の分野に関し、制御方法および装置、LiDAR、ならびに端末デバイスを提供する。
【背景技術】
【0002】
LiDAR(光学検出および測距、LiDAR)は、光学測定デバイスである。LiDARは、物体にレーザー信号を送信し、物体によって反射されたターゲットエコー信号を受信し、次いで、ターゲットエコー信号をレーザー信号と比較して、物体の距離および速度などの関係するパラメータを取得することによって動作する。LiDARは、周囲の物体を正確に走査して、周囲の物体を迅速に識別しそれに関して意思決定するのに役立つ高解像度画像を形成することができ、インテリジェント車両、スマート輸送、3次元都市マッピングおよび、大気環境監視などのシナリオにおいて広く使用されている。
【0003】
LiDARは、ファーフィールドおよびニアフィールドターゲットを含む、視野中のすべてのターゲットを効果的に検出する必要がある。しかしながら、ファーフィールドターゲットを検出するために、LiDARは、通常、高電力送信パルスを構成し、送信パルスの高い電力は、システムにおける強い漂遊信号およびニアフィールドターゲットの強いエコー信号を引き起こし、これらの信号は、LiDARの受信範囲を越えやすく、検出精度の改善につながらない。したがって、現在、検出精度を改善するための制御方法がさらに使用される必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、検出精度を改善するための、制御方法および装置、LiDAR、ならびに端末デバイスを提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本出願は制御方法を提供し、本方法は、制御装置に適用可能であり、本方法は以下を含む。制御装置は、第1のパルス列を送信するように送信モジュールを制御することであって、第1のパルス列は、M1個の第1タイプパルスおよびM2個の第2タイプパルスを含むことと、第2のパルス列を送信するように送信モジュールを制御することであって、第2のパルス列は、M3個の第1タイプパルスおよび/またはM4個の第2タイプパルスを含み、第1タイプパルスの電力は、第2タイプパルスの電力よりも大きく、M1は、1よりも大きい整数であり、M2、M3、およびM4は、正の整数である。第2のパルス列および第1のパルス列は、異なる送信時間期間を有するか、または異なる送信サブモジュールに対応するか、または検出視野中の異なるピクセルに対応するか、または異なる検出視野に対応するか、または異なる受信サブモジュールに対応する。この設計によれば、第1のパルス列中の高電力の第1タイプパルスは、ファーフィールドターゲットを検出するために使用されてもよく、低電力の第2タイプパルスは、ニアフィールドターゲットを検出するために使用されてもよい。ファーフィールドターゲットおよびニアフィールドターゲットは、それぞれの一致したパルスを使用することによって検出され、したがって、ファーフィールドターゲットおよびニアフィールドターゲットを検出する精度は効果的に改善され、それにより、LiDARのポイントクラウド品質を改善することが可能である。加えて、少なくとも2つの第1タイプパルスは、第1のパルス列中で送信される。一態様では、ファーフィールドターゲットは、少なくとも2つの高電力パルスを使用することによって検出され、それにより、ファーフィールドターゲットの検出効果をさらに改善し、ファーフィールドポイントクラウドの品質をさらに改善することが可能である。別の態様では、第1タイプパルスの量は増加され、第1のパルス列に含まれる時間間隔の量は相応して増加されることが可能であり、したがって、より正確なパルス位置変調が、増加された時間間隔に基づいて少なくとも2つの第1タイプパルスに対して実施され、それにより、第1のパルス列の抗干渉性能を効果的に改善する。さらに別の態様では、検出されたターゲットが、1つの検出サイクルの測距範囲を超えるので、距離が不明瞭になるという問題は、複数の第1タイプパルスの共同測距を通してさらに解決されることが可能である。加えて、第1のパルス列および第2のパルス列が送信される前に、テストパルスは事前に送信される必要がなく、それにより、送信パルス利用率を改善する。
【0006】
可能な設計では、第1のパルス列および第2のパルス列は、同じポイントクラウドに対応し得る。言い換えれば、制御装置は、少なくとも第1のパルス列および第2のパルス列に基づいてポイントクラウドを生成して、複数のパルス列の検出結果を使用することによってより包括的な情報を取得し、それにより、ポイントクラウド構築品質を改善し得る。
【0007】
可能な設計では、第1のパルス列および第2のパルス列は、異なるポイントクラウドに対応し得る。言い換えれば、制御装置は、第1のパルス列および第2のパルス列に基づいて、第1のパルス列および第2のパルス列に対応するポイントクラウドを別々に生成して、ポイントクラウド構築効率を改善し得る。
【0008】
可能な設計では、第1のパルス列は、第1のパルス列セットおよび第2のパルス列セットに属し、第1のパルス列セット中のパルス列のそれぞれは、第1タイプパルスを含み、第2のパルス列セット中のパルス列のそれぞれは、第2タイプパルスを含む。第1のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、ファーフィールド角度分解能に基づいて決定されてもよく、第2のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第2タイプパルスの時間間隔は、ニアフィールド角度分解能に基づいて決定されてもよい。
【0009】
たとえば、上記の設計において、いずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、いずれか2つのパルス列に含まれるすべての第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間の間の時間間隔であることがあり、いずれか2つのパルス列に対応する第2タイプパルスの時間間隔は、いずれか2つのパルス列に含まれるすべての第2タイプパルスの中心的な送信の瞬間の間の時間間隔であることがある。たとえば、第1タイプパルスが例として使用される。パルス列1およびパルス列2が存在し、パルス列1は、第1タイプパルス1および第1タイプパルス2を含み、第1タイプパルス1の送信の瞬間は5nsであり、第1タイプパルス2の送信の瞬間は10nsであり、パルス列2は、第1タイプパルス3、第1タイプパルス4、および第1タイプパルス5を含み、第1タイプパルス3の送信の瞬間は20nsであり、第1タイプパルス4の送信の瞬間は22nsであり、第1タイプパルス5の送信の瞬間は26nsであると仮定される。この場合、パルス列1中の2つの第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間は7.5nsであり、パルス列2中の3つの第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間は23nsであり、パルス列1およびパルス列2に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、23nsから7.5nsを引いたもの、すなわち、15.5nsであると決定され得る。
【0010】
別の例では、第1のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に含まれるパルスおよびパルス配置方式が同じである場合、いずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、代替として、いずれか2つのパルス列中の第I1の第1タイプパルスの送信の瞬間の間の時間間隔であることがあり、いずれか2つのパルス列に対応する第2タイプパルスの時間間隔は、いずれか2つのパルス列中の第I2の第2タイプパルスの送信の瞬間の間の時間間隔であることがある。I1およびI2は、任意のパルス列に含まれるパルスの量以下である任意の正の整数である。
【0011】
上記の設計では、ファーフィールド角度分解能は、ファーフィールドターゲットを検出するために使用される角度分解能を指し、ニアフィールド角度分解能は、ニアフィールドターゲットを検出するために使用される角度分解能を指す。ファーフィールド角度分解能およびニアフィールド角度分解能は、LiDARの製品マニュアルまたは取り扱いマニュアルにおいて見つけられることが可能である。いくつかの場合には、2つの角度分解能は、固定値によって限定され、他の場合には、2つの角度分解能は、サポートされる範囲によってそれぞれ限定される。サポートされる範囲が限定のために使用されるとき、ファーフィールド角度分解能およびニアフィールド角度分解能の範囲は重複することがあるかまたは重複しないことがある。分解能が製品マニュアルまたは取り扱いマニュアルに記載されていない場合、任意選択で、ファーフィールド角度分解能およびニアフィールド角度分解能は、デフォルトで同じであってもよい。この設計では、高電力の第1タイプパルス間の時間間隔は、ファーフィールドターゲット検出のためのファーフィールド角度分解能を使用することによって限定され、それにより、高電力の第1タイプパルス間の時間間隔は、リモート測定要件とファーフィールド角度分解能要件との両方を満たす。低電力の第2タイプパルス間の時間間隔は、ニアフィールドターゲット検出のためのニアフィールド角度分解能を使用することによって限定され、それにより、低電力の第2タイプパルス間の時間間隔は、動的最適化要件とニアフィールド角度分解能要件との両方を満たす。これは、送信パルス列にLiDARの実際の製品要件を満たさせるのに役立つ。
【0012】
可能な設計では、第1のパルス列は、第3のパルス列セットに属し、第3のパルス列セット中のパルス列のそれぞれは、第1タイプパルスおよび第2タイプパルスを含む。ニアフィールド角度分解能に対するファーフィールド角度分解能の比が整数であるとき、第3のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、同じである。ニアフィールド角度分解能に対するファーフィールド角度分解能の比が整数でないとき、第3のパルス列セット中の少なくとも2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、異なる。2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、一方のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間と第2タイプパルスの送信の瞬間との間の時間間隔と、他方のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間と第2タイプパルスの送信の瞬間の間の時間間隔との間の差である。可能な例では、任意のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中のすべての第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間であることがあり、任意のパルス列中の第2タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中のすべての第2タイプパルスの中心的な送信の瞬間であることがある。中心的な送信の瞬間の計算方式については、上記の設計を参照されたい。別の可能な設計では、いずれか2つのパルス列に含まれるパルスおよびパルス配置方式が同じであるとき、任意のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中の第1の第1タイプパルスの送信の瞬間であることがあり、任意のパルス列中の第2タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中の第1の第2タイプパルスの送信の瞬間であることがあるか、または任意のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中の最後の第1タイプパルスの送信の瞬間であることがあり、任意のパルス列中の第2タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中の最後の第2タイプパルスの送信の瞬間であることなどがある。これは特に限定されない。
【0013】
たとえば、上記の設計において、「同じ時間間隔オフセット」は、理想状態における同一性である。この同一性は、環境要因または別の要因による特定の偏差を伴う同一性をさらに含み得る。言い換えれば、時間間隔オフセットの値が正の偏差と負の偏差との間の範囲内に入る限り、時間間隔オフセットは、本出願のこの実施形態では同じであると考えられる。対応して、「異なる時間間隔オフセット」は、理想状態における差である。この差は、環境要因または別の要因によって引き起こされる特定の偏差を許容し得る。言い換えれば、本出願のこの実施形態では、時間間隔オフセットの値が正の偏差と負の偏差との間の範囲外にあるときのみ、時間間隔オフセットは異なると考えられる。上記の設計では、第1タイプパルスと第2タイプパルスとの間の時間間隔オフセットは、ニアフィールド角度分解能に対するファーフィールド角度分解能の比に関して決定され、したがって、パルス列中のパルスのそれぞれの相対位置は、角度分解能の現実の要件に基づいて正確に構成されることが可能であり、したがって、パルスのそれぞれは、検出サイクルのそれぞれにおける検出要件に基づいて送信され、それにより、検出効果を改善する。
【0014】
上記の設計において、第1のパルス列セット、第2のパルス列セット、および第3のパルス列セットのいずれか1つについて、パルス列セット中の2つの隣接するパルス列は、位置が不規則でない場合、隣接することがあるかまたは隣接しないことがあることに留意されたい。たとえば、連続的に配置されたパルス列1、パルス列2、パルス列3、およびパルス列4があり、パルス列1は、第1タイプパルスを含むが、第2タイプパルスを含まず、パルス列2は、第2タイプパルスを含むが、第1タイプパルスを含まず、パルス列3およびパルス列4はそれぞれ、第1タイプパルスおよび第2タイプパルスを含むと仮定される。この場合、第1のパルス列セットは、パルス列1、パルス列3、およびパルス列4を含み、第2のパルス列セットは、パルス列2、パルス列3、およびパルス列4を含み、第3のパルス列セットは、パルス列3およびパルス列4を含む。これに基づいて、パルス列1およびパルス列3は、第1のパルス列セット中の隣接するパルス列である。しかしながら、位置が不規則でない場合、パルス列1およびパルス列3がパルス列2によって離間されるので、パルス列1およびパルス列3は、隣接しないパルス列である。パルス列3およびパルス列4は、第1のパルス列セット中の隣接するパルス列であり、また、位置が不規則でないときの隣接するパルス列である。
【0015】
可能な設計では、第1のパルス列のために、M1個の第1タイプパルスは、同じ電力をもつM1個の第1のパルスを含み、M2個の第2タイプパルスは、K個のタイプの第2のパルスを含み、K個のタイプの第2のパルスの電力は、異なり、K個のタイプの第2のパルスの量の和は、M2であり、Kは、正の整数である。この設計では、同じ電力をもつM1個の第1のパルスは、LiDARのリモート測定要件を満たすため、ファーフィールドターゲットを検出するために使用されてもよく、K個のタイプの第2のパルスは、LiDARによって識別されることが可能なニアフィールドターゲットのエネルギーエコー範囲を増加させ、LiDARの動的最適化要件を満たすため、ニアフィールドターゲットを検出するために使用されてもよい。この設計における第1のパルス列は、LiDARのリモート測定要件と動的最適化要件との両方を満たすことができる、とわかることができる。
【0016】
可能な設計では、M1個の第1タイプパルスおよびM2個の第2タイプパルスは、複数の検出サイクル中で送信されてもよく、検出サイクルのそれぞれで送信されるパルス列は、第1のパルスおよび/またはK個のタイプの第2のパルスのうちの1つまたは複数を含む。1つの送信および1つの受信は、1つの検出サイクルと呼ばれる。1つのパルス列における検出サイクルのそれぞれの持続時間は、たとえば、500nsに等しくてもよいか、または少なくとも2つの検出サイクルは、持続時間の異なる長さに対応してもよく、たとえば、すべての検出サイクルの持続時間は、500ns、1000ns、1500ns、…、などである。好ましくは、検出サイクルのそれぞれの持続時間は、検出サイクル中で送信されるパルスの量、電力などに基づいて設定され得る。送信されるパルスの電力がより小さいか、または送信されるパルスの量がより小さいとき、検出サイクルの持続時間も、より小さくなるように設定され得る。このようにして、検出サイクルのそれぞれの持続時間は、パルス列を送信するための総時間が効果的に低減されることが可能であるように制御される。上記の設計では、制御装置は、複数の検出サイクル中で受信された複数の検出結果を使用することによってポイントクラウドを包括的に決定し、それにより、ポイントクラウド品質の改善を助け得る。
【0017】
可能な設計では、いずれか2つの検出サイクル中で送信されるパルス列に含まれるパルスの量およびタイプは、同じであり得る。このようにして、パルス送信を制御することの複雑さは低減されることが可能である。別の可能な設計では、いずれか2つの検出サイクル中で送信されるパルス列に含まれるパルスの量および/またはタイプは、異なり得る。このようにして、検出サイクルのそれぞれでパルスを送信することのフレキシビリティは改善されることが可能である。
【0018】
可能な設計では、検出サイクル内で送信されるパルス列は、第1のパルス、およびK個のタイプの第2のパルスのうちの1つまたは複数を含み、第1のパルスと隣接する第2のパルスとの間の時間間隔は、第1のパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔以上であり、すなわち、第1のパルスと隣接する第2のパルスとの間の時間間隔は、第1のパルスを送ることから、第1のパルスに対応するエコー信号を受信することまでの持続時間以上である。さらに、たとえば、時間間隔は、第1のパルスが送られた瞬間から、第1のパルスのエコー信号が受信された瞬間までの持続時間と、ランダム妨害持続時間との和に設定され得る。ランダム妨害持続時間は、ハードウェアなどの制御不能な要因によって引き起こされる(実験検証を通して取得され得る)追加の妨害持続時間、または目的(たとえば、抗干渉性能を改善するために妨害を加えること)のために設定された妨害持続時間を指す。第1のパルスが1つのエコー信号に対応しているとき、経過している持続時間は、第1のパルスを送ることから、エコー信号を受信することまでの持続時間である。第1のパルスが複数のエコー信号に対応しているとき、経過している持続時間は、第1のパルスを送ることから、複数のエコー信号中の第1のエコー信号を受信することまでの持続時間である。概して、パルス幅が10ns内である第1タイプパルスに対応するエコー信号または第1のエコー信号の持続時間は、概して1nsと50nsとの間の持続時間である。この設計では、第1のパルスを送るように送信モジュールを制御した後に、制御装置は、第1のパルスに対応するエコー信号を受信した後に第2のパルスを送る。これにより、第1のパルスまたは第1のパルスのエコー信号が第2のパルスの検出処理に影響を及ぼすことを効果的に防止し、ファーフィールド検出とニアフィールド検出との間の抗干渉を改善することができる。
【0019】
可能な設計では、第1のパルスおよび隣接する第2のパルス以外のいずれか2つの隣接するパルス、たとえば、検出サイクル中のいずれか2つの隣接する第2のパルス、検出サイクル中のいずれか2つの隣接する第1のパルス、パルス列中のいずれか2つの隣接する第2のパルス、もしくはパルス列中のいずれか2つの隣接する第1のパルス間の時間間隔、いずれかのパルス列の開始の瞬間とパルス列中の第1タイプパルスとの間の時間間隔、またはいずれかのパルス列中のいずれかの検出サイクルの開始の瞬間とパルス列中の第1タイプパルスとの間の時間間隔は、コーディングを通して取得され得る。コーディングは、時間間隔として乱数を生成するための方法を使用することによって数値範囲内の乱数を生成することを指す。たとえば、パルス列が第1のパルス列であるとき、第1のパルス列の開始の瞬間と第1のパルス列中の第1タイプパルスとの間の時間間隔、および第1のパルス列中のいずれか2つの隣接する第2のパルス間の時間間隔は、第1のパルス列の抗干渉性能を改善するために、異なるコーディングを通して生成された乱数に設定されてもよい。
【0020】
可能な設計では、第1のパルス列を送った後に、制御装置は、第1のエコー信号を受信するようにさらに受信モジュールを制御し、次いで、第3のパルス列を送信するように送信モジュールを制御してもよく、第3のパルス列は、第1のパルス列とは異なる。
【0021】
この設計では、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが異常であると決定された後に、送信モジュールは、第3のパルス列を送信するように制御されてもよい。第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが異常であることは、第1のエコー信号に対応するポイントクラウド上のピクセルもしくは視野が異常状態として表示されること、たとえば、干渉ポイント、ノイズポイント、もしくは空のポイントとして表示されること、または、ピクセルもしくは視野によって報告される距離、強度、もしくは反射率が後続の測定値を通して不正確であることなどを意味する。この設計では、制御装置は、第1のパルス列に対応する第1のエコー信号のポイントクラウドが異常であるとき、後続して送信されるパルス列が通常のポイントクラウドを生成できるように、後続して送信されるパルス列をさらに調整し、それにより、検出精度を改善することができる。
【0022】
可能な設計では、第1のパルス列に含まれるパルスが複数の検出サイクル中で送信されたとき、制御装置は、複数の検出サイクル中でサブエコー信号を受信し、次いで、複数の検出サイクル中でサブエコー信号において正常に検出されたパルスを蓄積して、第1のエコー信号を取得し得る。このようにして、第1のエコー信号は蓄積を通して取得され、したがって、第1のパルス列のすべての検出サイクル中のエコー信号に関するすべての情報が、後続の分析のために包括的に使用され、それにより、少量の一方的な情報を使用することによって分析を複数回実施することが回避され、後続の分析の効率の改善に役立つことが可能である。
【0023】
可能な設計では、第3のパルス列は、M5個の第1タイプパルスを含むことがあり、M5の値は、M1の値よりも大きい。このようにして、パルス列に含まれるパルスの量が増加するにつれて、パルス列に含まれるパルス間の時間間隔の量も相応に増加する。パルス間の時間間隔は、コーディングによって生成される乱数に関係するので、それは、パルス列に含まれ、乱数を使用することによって値が取得される時間間隔の量を増加させることと等価であり、これは、第3のパルス列の抗干渉性能を改善することに役立つ。第3のパルス列は、第1のパルス列に基づいて検出サイクルの量を増加させることおよび/または1つもしくは複数の検出サイクル中の第1タイプパルスの量を増加させることによって生成されてもよく、新たに追加された検出サイクルは、第1のパルス列における検出サイクルに合致して保持されてもよく、新たに追加された第1タイプパルスと別のパルスとの間の間隔は、特定の妨害によって制約されてもよい。
【0024】
たとえば、上記の設計において、第1のパルス列に対応するエコー信号に有効信号が存在しないと決定したとき、制御装置は、第1のパルス列中の第1タイプパルスの量よりも第1タイプパルスの量が大きい第3のパルス列を送信し得る。
【0025】
可能な設計では、第3のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと検出サイクルのそれぞれの開始の瞬間との間の時間間隔は、第1のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと検出サイクルのそれぞれの開始の瞬間との間の時間間隔とは異なることがあり、および/または第3のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時間間隔は、第1のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時間間隔とは異なることがある。
【0026】
たとえば、上記の設計において、第1のエコー信号に複数の有効信号があると決定したとき、制御装置は、検出サイクルの開始の瞬間と第1タイプパルスとの間の時間間隔が第1のパルス列のものとは異なる第3のパルス列を送信してもよく、それにより、第3のパルス列と第3のパルス列の隣接するパルス列との間の抗干渉特性は、第3のパルス列の時間間隔をリフレッシュすることによって増加される。
【0027】
可能な設計では、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが通常であると決定したとき、制御装置は、第1のパルス列と同じである第3のパルス列を送信して、比較的良好な列内抗干渉能力および比較的良好な列間抗干渉能力を有する第1のパルス列を使用することによって検出を実施し続けてもよい。第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが通常であることはまた、第1のエコー信号に単一の有効信号があることとして理解されてもよい。
【0028】
可能な設計では、第1のパルス列が送られた後に、受信された第1のエコー信号は、第1のパルス列に対応するサブエコー信号を含むことがあり、干渉パルスに対応するサブエコー信号をさらに含むことがある。したがって、制御装置は、第1のエコー信号中のサブエコー信号のそれぞれに対して以下の分析を実施して、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが異常であるかどうかを決定してもよい。
【0029】
パルス列中の時間間隔の比較:制御装置は、第1のパルス列中のいずれかの検出サイクル中のいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔を、サブエコー信号のそれぞれのいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔と比較し得る。比較が成功した場合、それは、サブエコー信号が第1のパルス列に完全に一致することができることを示し、サブエコー信号が、第1のパルス列に対応するサブエコー信号であり、サブエコー信号に対応するポイントクラウドが通常であることをさらに示す。比較が失敗した場合、それは、サブエコー信号が第1のパルス列に完全に一致することができないことを示し、サブエコー信号が異常エコー信号であり得ることをさらに示す。たとえば、サブエコー信号は、干渉パルスに対応するサブエコー信号であり得るか、または第1のパルス列に対応するサブエコー信号であり得るが、わずかな偏差を有する。この場合、制御装置は、サブエコー信号を「潜在的干渉信号」としてラベリングし得る。
【0030】
パルス列間の時間間隔の比較:第1のエコー信号中のすべてのサブエコー信号が比較された後に、制御装置は、「潜在的干渉信号」としてラベリングされたサブエコー信号のそれぞれについて、「潜在的干渉信号」としてラベリングされたサブエコー信号のそれぞれの第1タイプパルスのそれぞれとサブエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔と、第1のエコー信号の隣接するエコー信号中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔との間の差を計算し、第1のパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと第1のパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔と、第1のパルス列の隣接するパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔との間の差を計算し、この2つの差が、プリセットされた第1の偏差しきい値を超えないとき、「潜在的干渉信号」としてラベリングされたサブエコー信号のそれぞれの第1タイプパルスのそれぞれとサブエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔を、第1のパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと第1のパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔と比較し得る(または、第1のエコー信号の隣接するエコー信号中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔を、第1のパルス列の隣接するパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔と比較し得る)。この2つの時間間隔の間の差が、プリセットされた第2の偏差しきい値を超えない場合、制御装置は、サブエコー信号のラベルを「有効信号」に修正する。プリセットされた第1の偏差しきい値およびプリセットされた第2の偏差しきい値は、同じであってもよいか、または異なってもよく、当業者によって経験に基づいて設定されてもよいか、または実験に基づいて決定されてもよい。これは特に限定されない。
【0031】
ポイントクラウド確認:「潜在的干渉信号」としてラベリングされたすべてのサブエコー信号が分析された後に、すべてのサブエコー信号のラベルが修正されるわけではない場合、それは、第1のエコー信号に有効信号がなく、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが異常であることを示すか、またはただ1つのサブエコー信号のラベルが「有効信号」に修正された場合、それは、第1のエコー信号に単一の有効信号があり、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが通常であることを示す。少なくとも2つのサブエコー信号のラベルが「有効信号」に修正された場合、干渉信号も、上記のマッチング処理におけるエラーにより、有効信号として一致することがある。理論的には、一致している結果は不正確である。しかしながら、ポイントクラウドは、「有効信号」としてラベリングされた少なくとも2つのサブエコー信号を表示するので、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドも異常である。
【0032】
上記の設計において、サブエコー信号をラベリングすることは、識別方式の例にすぎないことに留意されたい。本出願は、LiDARが、マッチングを通して、潜在的干渉信号または有効信号として決定されたサブエコー信号を識別することができるという条件で、潜在的干渉信号または有効信号を識別するいかなる実装をも限定しない。
【0033】
上記の設計において、エコー信号に有効信号があるかどうか、およびエコー信号に1つの有効信号があるのか複数の有効信号があるのかは、パルス列内の視点およびパルス列間の視点という、2つの視点から包括的に決定される。これは、結果を参照して調整されるパルス列を現実の状況により適合させ、パルス調整の精度を効果的に改善するのに役立つ。
【0034】
第2の態様によれば、本出願は制御方法を提供する。本方法は、制御装置に適用可能であり、本方法は以下を含む。制御装置は、第4のパルス列、第5のパルス列、および第6のパルス列を送信するように送信モジュールを制御する。第4のパルス列は、M1個の第1タイプパルスを含み、第5のパルス列は、M2個の第2タイプパルスを含み、第6のパルス列は、M1個の第1タイプパルスを含むか、または第4のパルス列は、M2個の第2タイプパルスを含み、第5のパルス列は、M1個の第1タイプパルスを含み、第6のパルス列は、M2個の第2タイプパルスを含み、M1個の第1タイプパルスの電力は、M2個の第2タイプパルスの電力よりも大きく、M1は、1よりも大きい整数であり、M2は、正の整数である。この設計によれば、制御装置は、1つのパルス列中で少なくとも2つの第1タイプパルスを送信してファーフィールドターゲットの検出効果を改善することができるだけでなく、第4のパルス列の検出結果および第6のパルス列の検出結果を使用することによる差分方式で第5のパルス列中で消失した検出結果を取得して、ポイントクラウド構築プレシジョンを改善することもできる。
【0035】
第1の態様における設計は、第2の態様にも適用可能であることに留意されたい。詳細について本出願で再び説明されない。
【0036】
第3の態様によれば、本出願は、少なくとも1つのプロセッサおよびインターフェース回路を含む、制御装置を提供し、インターフェース回路は、少なくとも1つのプロセッサにデータまたはコード命令を提供するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、論理回路を使用することまたはコード命令を実行することによって第1の態様または第2の態様のいずれか1つによる方法を実装するように構成される。
【0037】
第4の態様によれば、本出願は、プロセッサおよびインターフェースを含む、チップを提供する。プロセッサは、インターフェースを使用することによって命令を読み取って、第1の態様または第2の態様のいずれか1つによる方法を実施するように構成される。
【0038】
第5の態様によれば、制御装置および送信モジュールを含む、LiDARが提供され、制御装置は、第1の態様または第2の態様のいずれか1つによる制御方法を実施するように構成され、送信モジュールは、制御装置の制御下でパルス列を送るように構成される。
【0039】
可能な設計では、LiDARは、走査機構をさらに含み、走査機構は、多面回転ミラー、振り子ミラー、微小電子機械システム(micro-electro-mechanical system, MEMS)走査ミラー、またはプリズムのうちの1つまたは複数を含む。
【0040】
可能な設計では、LiDARは、受信モジュールをさらに含み、受信モジュールは、エコー信号を受信するように構成され、制御装置は、エコー信号に基づいてターゲット特徴を決定するようにさらに構成される。
【0041】
第6の態様によれば、本出願は、第5の態様の任意の設計によるLiDARを含む、端末デバイスを提供する。たとえば、端末デバイスの例は、限定はされないが、スマートホームデバイス(テレビジョン、フロア掃除ロボット、スマートデスクランプ、音響システム、インテリジェント照明システム、電気的制御システム、ホームバックグラウンドミュージック、ホームシアターシステム、インターコムシステム、およびビデオ監視システムなど)、インテリジェント輸送デバイス(車、船舶、無人航空機、列車、貨物車両、およびトラックなど)、インテリジェント製造デバイス(ロボット、工業デバイス、インテリジェントロジスティックス、およびスマートファクトリーなど)、ならびにインテリジェント端末(携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、パームトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ヘッドセット、音響デバイス、ウェアラブルデバイス、車両搭載型デバイス、仮想現実デバイス、拡張現実デバイスなど)を含む。
【0042】
第7の態様によれば、本出願はコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムが実行されたとき、第1の態様または第2の態様のいずれか1つによる方法が実施される。
【0043】
第8の態様によれば、本出願はコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で動作したとき、第1の態様または第2の態様のいずれか1つによる方法が実装される。
【0044】
第2の態様から第8の態様の有益な効果については、第1の態様における対応する設計によって達成されることが可能な技術的効果を参照されたい。詳細について本明細書で再び説明されない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本出願の実施形態によるLiDARの適用シナリオの概略図の例を示す図である。
【
図2】本出願の実施形態によるLiDARの内部アーキテクチャの概略図の例を示す図である。
【
図3】本出願の実施形態による制御方法に対応する概略インタラクションフローチャートの例を示す図である。
【
図4】本出願の実施形態による検出視野の概略図の例を示す図である。
【
図5】本出願の実施形態による様々なパルス列の提示形態の概略図の例を示す図である。
【
図6】本出願の実施形態による検出サイクル中で送られるパルス列の提示形態の概略図の例を示す図である。
【
図7】本出願の実施形態によるパルス列を送信するための時間間隔の概略図の例を示す図である。
【
図8】本出願の実施形態による送信パルス調整方法の概略フローチャートの例を示す図である。
【
図9】本出願の実施形態による第1のパルス列および第1のエコー信号の提示形態の概略図の例を示す図である。
【
図10】本出願の実施形態によるパルス列の間の時間間隔比較の概略フローチャートの例を示す図である。
【
図11】本出願の実施形態による第1タイプパルスを追加する実装の概略図の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本出願で開示される制御方法は、パルス送信能力を有する端末デバイスに適用されてもよく、特に、レーザー送信能力を有する端末デバイスに適用可能である。端末デバイスは、限定はされないが、テレビジョン、フロア掃除ロボット、スマートデスクランプ、音響システム、インテリジェント照明システム、電気的制御システム、ホームバックグラウンドミュージック、ホームシアターシステム、インターコムシステム、およびビデオ監視システムなどのスマートホームデバイス、車、船舶、無人航空機、列車、貨物車両、およびトラックなどのインテリジェント輸送デバイス、ならびにロボット、工業デバイス、インテリジェントロジスティックス、およびスマートファクトリーなどのインテリジェント製造デバイスを含む、パルス送信能力を有するインテリジェントデバイスであり得る。代替として、端末デバイスは、パルス送信能力を有するコンピュータデバイス、たとえば、デスクトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ、またはサーバであり得る。端末デバイスは、代替として、パルス送信能力を有するポータブル電子デバイス、たとえば、携帯電話、タブレットコンピュータ、パームトップコンピュータ、ヘッドセット、音響デバイス、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチなど)、車両搭載型デバイス、仮想現実デバイス、または拡張現実デバイスであり得ることをさらに理解されたい。ポータブル電子デバイスの例は、限定はされないが、iOS(登録商標)オペレーティングシステム、Android(登録商標)オペレーティングシステム、Microsoft(登録商標)オペレーティングシステム、Harmony(登録商標)オペレーティングシステム、または別のオペレーティングシステムをもつポータブル電子デバイスを含む。ポータブル電子デバイスは、代替として、たとえば、タッチセンシティブ表面(たとえば、タッチパネル)をもつラップトップコンピュータ(ラップトップ)であり得る。
【0047】
以下で、特定の添付の図面を参照しながら本出願の実施形態における技術的解決策について詳細に説明する。
【0048】
特定の適用シナリオでは、制御方法はLiDARに適用され得る。
図1は、本出願の実施形態によるLiDARの適用シナリオの概略図の例を示す。この例では、LiDAR100は、車両に設置され、したがって、車両搭載型LiDARとも呼ばれる。車両搭載型LiDARに加えて、LiDARは、船舶に設置された船舶搭載型LiDARおよび機械に設置された機械搭載型LiDARをさらに含む。可能な例では、
図1に示されているように、LiDAR100は、車両のヘッド位置に特に設置され得る。車両の移動処理中に、LiDAR100はレーザー信号を送り得る。レーザー信号は、車両の前にある物体に照射された後に、その物体によって反射される。反射されたエコー信号は、LiDAR100によって受信され得る。次いで、LiDAR100は、エコー信号に基づいて、車両の前にある障害物に関する情報、たとえば障害物のサイズおよび距離などを検出して、この障害物情報を使用することによって、たとえば、限定はされないが、自律駆動または支援駆動を含む、車両の駆動機能を実装する。
【0049】
LiDAR100は、機械的LiDAR、液体LiDAR、ピュアソリッドステートLiDAR、もしくはハイブリッドソリッドステートLiDAR(セミソリッドステートLiDARとも呼ばれる)のうちの1つであり得るか、または別のタイプのLiDARであり得ることに留意されたい。これは、本出願の実施形態では特に限定されない。
【0050】
さらに、たとえば、
図2は、本出願の実施形態によるLiDARの内部アーキテクチャの概略図を示す。
図2に示されているように、この例では、LiDAR100は、制御装置110、送信モジュール120、走査機構130、および受信モジュール140を含み得る。送信モジュール120は、レーザー121および送信光学システム122を含み、受信モジュール140は、受信光学システム141および検出器142を含む。LiDAR100において、制御装置110は、信号制御および処理能力を有してもよく、コントローラエリアネットワーク(controller area network, CAN)バスを使用することによってまたは別の方式でLiDAR100中の別の構成要素に接続されてもよい。レーザー121は、レーザーを送信することが可能なデバイスであり、半導体レーザー、ガスレーザー、光ファイバーレーザー、ソリッドステートレーザー、色素レーザー、ダイオードレーザー、または、エキシマレーザーのいずれか1つであり得る。送信光学システム122および受信光学システム141は、光学要素を含むシステムである。光学要素は、限定はされないが、レンズ、光フィルタ、偏光子、反射体、ビームスプリッティングミラー、プリズム、ウィンドウ部分、散乱部分などを含む。走査機構130は、多面回転ミラー、振り子ミラー、微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system, MEMS)走査ミラー、またはプリズムのうちの1つまたは複数を含み得る。検出器142は、限定はされないが、アバランシェフォトダイオード(avalanche photo diode, APD)、単一光子アバランシェダイオード(single photon avalanche diode, SPAD)、フォトダイオード(positive intrinsic-negative、PIN)、シリコンフォトマルチプライヤー(silicon photo multiplier, SiPM)などを含み得る。
【0051】
実装では、制御装置110は、レーザーパルスを放出するようにレーザー121を制御し、レーザー121からレーザーパルスを送信するように送信光学システム122を制御してもよく、レーザーパルスを使用することによって検出エリアを走査およびトラバースするようにさらに走査機構130を制御してもよい。走査機構130は必須の構成要素ではなく、走査機構130によって実装されることが可能なトラバーサル機能は、本質的に、送信モジュールおよび受信モジュール内のアレイ設計ならびにアレイ制御装置を使用することによって実装され得ることに留意されたい。さらに、レーザーパルスは、検出エリア中の物体が走査された後に、物体によって反射され、反射されたエコー信号は、制御装置110の制御下で受信光学システム141によって受信され、検出器142に送信され、それにより、検出器142は、制御装置110の制御下で、エコー信号に対応する光スポットを提示し、光スポットに対応する電気信号を生成し、電気信号を制御装置110に送る。次いで、制御装置110は、電気信号を分析してポイントクラウドを生成し、ポイントクラウドは、物体の距離、向き、高さ、速度、姿態、およびさらには形状などのターゲット情報を取得するために使用されてもよく、その後、車両の他のセンサー情報を参照して車両の自律駆動または支援駆動をプランするためにさらに使用されてもよい。
【0052】
制御装置110の制御能力および処理能力は、実装のために1つの構成要素に統合され得るか、または複数の構成要素において別々に実装され得ることに留意されたい。たとえば、制御装置110は、特に集積回路チップであってもよく、たとえば、汎用プロセッサであり得るか、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)であり得るか、または特定用途向け集積チップ(application specific integrated circuit, ASIC)であり得るか、システムオンチップ(system on chip, SoC)であり得るか、ネットワークプロセッサ(network processor, NP)であり得るか、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)であり得るか、マイクロコントローラユニット(micro controller unit, MCU)であり得るか、またはプログラマブル論理デバイス(programmable logic device, PLD)、もしくは別のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、個別ハードウェア構成要素、もしくは別の集積チップであり得る。制御装置110は、中央処理ユニット(central processor unit, CPU)、ニューラルネットワーク処理ユニット(neural-network processing unit, NPU)、およびグラフィックス処理ユニット(graphics processing unit, GPU)を含んでもよく、アプリケーションプロセッサ(application processor, AP)、モデムプロセッサ、画像信号プロセッサ(image signal processor, ISP)、ビデオコーデック、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、および/またはベースバンドプロセッサをさらに含んでもよい。これは特に限定されない。
【0053】
上記の実装において、レーザーパルスは、検出エリア中の物体検出において重要な役割を果たす。概して、ニアフィールドターゲットとファーフィールドターゲットとの間の境界ポイントは20mである。検出エリアは、車両ヘッドから8m離れている歩行者a、車両ヘッドから10m離れている道標b、および車両ヘッドから30m離れている貨物車両cという、
図1に示されている以下の3つの物体を含むと仮定される。歩行者aと車両ヘッドに設置されたLiDAR100との間の距離と、道標bとLiDAR100との間の距離は、両方とも20m以内にあり、貨物車両cと車両ヘッドに設置されたLiDAR100との間の距離は20mを超えるので、歩行者aおよび道標bはニアフィールドターゲットであり、貨物車両cはファーフィールドターゲットである。ニアフィールドターゲットとファーフィールドターゲットとの両方はLiDAR100の検出エリア中に存在する、とわかることができる。ニアフィールドターゲットは、低電力レーザーパルスを使用することによって検出される必要があり、ファーフィールドターゲットは、高電力レーザーパルスを使用することによって検出される必要がある。現在、当業界では、ニアフィールドターゲットとファーフィールドターゲットとの両方が検出されることが可能であることを保証するために、比較的高い電力をもつレーザーパルスが通常構成される。しかしながら、レーザーパルスの電力が増加すると、LiDAR100中の構成要素のそれぞれがレーザーパルスを反射することを通して生成されるクラッター信号のエネルギーも増加し、ニアフィールドターゲットによって反射され戻されるエコー信号の電力も増加する。一態様では、強いクラッター信号と強いニアフィールドエコー信号とは互いに重複し、このことは、ニアフィールドターゲットの検出効果に劣化させ、さらにLiDAR100のポイントクラウド品質を低減させる。別の態様では、受信モジュール140は、特定の電力範囲内のエコー信号のみを受信することができる。ニアフィールドエコー信号の電力が過大に大きい場合、電力が、受信モジュール140によって受信されることが可能な電力の上限を超えるので、受信モジュール140は、ニアフィールドエコー信号を受信または識別することができない。結果的に、LiDAR100のポイントクラウド品質はさらに低減される。したがって、どのようにレーザーパルスを構成すべきかは、ファーフィールドおよびニアフィールドターゲットを正確に検出して高品質のポイントクラウドを取得することにおいて重要な役割を果たす。
【0054】
ファーフィールドターゲットおよびニアフィールドターゲットを正確に検出して高品質のポイントクラウドを取得するために、現在、通例使用される制御解決策は以下の通りである。制御装置は、最初に、テストパルスを送信するように送信モジュールを制御し、次いで、送信パルスは、テストパルスに対応するエコー信号の検出効果に基づいて送信される。たとえば、エコー信号のポイントクラウド品質が高くないとき、テストパルスのものよりも低い電力をもつ送信パルスが送信されて、送信パルスの電力を低減することによって、ニアフィールドにおいて検出されるクラッター信号を低減し、ポイントクラウド品質を改善する。この制御解決策は、現在の検出エリアに好適な送信パルスを適応的に決定することができるが、これはあるタイプのポストフィードバックであり、不時のフィードバックにより不時の調整を引き起こすことがあり、結果的に、検出精度が効果的に改善されることが不可能である。加えて、この制御解決策では、後続して送信される送信パルスが、エコー信号に基づいて決定される必要がある。エコー信号が特定のエラーを有するかまたは調整処理が特定のエラーを有するとき、調整結果は不正確であり、結果的に検出精度はさらに低減される。加えて、余分のテストパルスが送られ、このことは、送信パルスの利用率の改善に明らかにつながらない。当業界で提供される制御解決策は現在、ファーフィールドおよびニアフィールドターゲットを検出する精度を効果的に改善することができず、送信パルスの利用率を改善することができない、とわかることができる。
【0055】
この点から見て、本出願は、ファーフィールドおよびニアフィールドターゲットを検出する精度を改善し、送信パルスの利用率を改善するための、制御方法を提供する。
【0056】
本出願における制御方法は、LiDARに適用されてもよいか、またはLiDAR以外の別の装置、デバイス、またはチップに適用され、たとえば、LiDAR以外のパルス送信機能を有する別のインテリジェント端末に適用されてもよいか、もしくは別のインテリジェント端末の構成要素に適用されてもよいことに留意されたい。構成要素は、限定はされないが、コントローラ、チップ、またはカメラなどの別のセンサー、および別の構成要素を含む。代替として、本出願における制御方法は、上記の駆動シナリオに適用されてもよいか、または上記の駆動シナリオ以外の別のイメージングシステム、たとえば、3次元建築物モデリングシステム、地形マッピングシステム、またはランデブーおよびドッキングシステムに適用されてもよい。加えて、システムアーキテクチャの発展および新しいシナリオの出現とともに、本出願で提供される制御方法は、同様の技術的問題にも適用可能である。これは、本出願では特に限定されない。
【0057】
以下で、特定の実施形態を参照して本出願における制御方法の特定の実装について説明する。説明される実施形態は、本出願のいくつかの実施形態にすぎず、本出願のすべての実施形態とは限らないことが明らかである。
【0058】
本出願の実施形態における「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用されることがあることに留意されたい。「複数の」は、2つのまたは2つよりも多いことを意味する。「および/または」は、関連する対象間の関連付け関係を記述し、3つの関係が存在し得ることを表す。たとえば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する場合、AとBとの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合を表し得、AおよびBは、単数形または複数形であり得る。「以下の項目(部分)のうちの1つまたは複数」またはそれの同様の表現は、単数形の項目(部分)または複数形の項目(部分)の任意の組合せを含む、これらの項目の任意の組合せを意味する。たとえば、a、b、またはcのうちの1つまたは複数は、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、またはa、b、およびcを表し得、a、b、およびcは、単数形または複数形であり得る。
【0059】
加えて、別段に規定されていない限り、本出願の実施形態で述べられる「第1の」および「第2の」などの序数は、複数の対象を区別するために使用されるが、複数の対象の優先度または重要度を限定するために使用されるのではない。たとえば、第1のパルス列、第2のパルス列、第3のパルス列、第4のパルス列、第5のパルス列、および第6のパルス列は、異なるパルス列を区別するために使用されるにすぎず、これらのパルス列の異なる優先度、重要度などを示すのではない。
[実施形態1]
【0060】
図2に示されているLiDAR100に基づいて、
図3は、本出願の実施形態による制御方法に対応する概略インタラクションフローチャートの例を示す。
図3に示されているように、本方法は以下を含む。制御装置は、N個のパルス列を送信するように送信モジュールを制御し、N個のパルス列のいずれか1つは、少なくとも1つの第1タイプパルスおよび/または少なくとも1つの第2タイプパルスを含み、第1タイプパルスの電力は、第2タイプパルスの電力よりも大きく、Nは、正の整数である。制御装置は、走査方式に基づいて、1回または複数回の送信においてN個のパルス列を送るように送信モジュールを制御し得る。たとえば、走査方式がポイントスポット走査であるとき、制御装置は、物体上の1つのピクセルを検出するために、N回の送信においてN個のパルス列を送り、毎回N個のパルス列中の1つのパルス列を送るように送信モジュールを制御し得る。走査方式がラインスポット走査であるとき、制御装置は、物体上の線状エリアを検出するために、毎回、現在のラインスポットに対応する線状エリア中にある複数のパルス列を送信するように送信モジュールを制御し得る。走査方式が平面アレイ走査であるとき、制御装置は、物体上の平面エリアを検出するために、毎回、現在の平面アレイに対応する平面エリア中にある複数のパルス列を送信するように送信モジュールを制御し得る。
【0061】
上記の実装に基づいて、例を使用することによっていくつかの可能なパルス列送信方式について説明される。
【0062】
例では、制御装置は、第1のパルス列を送信するように送信モジュールを制御し得、第1のパルス列は、M1個の第1タイプパルスおよびM2個の第2タイプパルスを含み、第2のパルス列を送信するように送信モジュールを制御し、第2のパルス列は、M3個の第1タイプパルスおよび/またはM4個の第2タイプパルスを含む。M1は、2以上の正の整数であり、M2、M3、およびM4は、正の整数であり、M1およびM3の値は、同じであってもよくまたは異なってもよく、M2およびM4の値は、同じであってもよくまたは異なってもよい。これは特に限定されない。この例では、第1のパルス列中の高電力の第1タイプパルスは、ファーフィールドターゲットを検出するために使用されてもよく、低電力の第2タイプパルスは、ニアフィールドターゲットを検出するために使用されてもよい。ファーフィールドターゲットおよびニアフィールドターゲットは、それぞれの一致したパルスを使用することによって検出され、したがって、ファーフィールドターゲットおよびニアフィールドターゲットを検出する精度は効果的に改善され、それにより、LiDARのポイントクラウド品質を改善することが可能である。加えて、少なくとも2つの第1タイプパルスは、第1のパルス列中で送信される。一態様では、ファーフィールドターゲットは、少なくとも2つの高電力パルスを使用することによって検出され、それにより、ファーフィールドターゲットの検出効果をさらに改善し、ファーフィールドポイントクラウドの品質をさらに改善することが可能である。別の態様では、第1タイプパルスの量は増加し、第1のパルス列に含まれる時間間隔の量は相応して増加することが可能であり、したがって、より正確なパルス位置変調が、増加された時間間隔に基づいて少なくとも2つの第1タイプパルスに対して実施され、それにより、第1のパルス列の抗干渉性能を効果的に改善する。さらに別の態様では、検出されたターゲットが、1つの検出サイクルの測距範囲を超えるので、距離が不明瞭になるという問題は、複数の第1タイプパルスの共同測距を通してさらに解決されることが可能である。加えて、第1のパルス列および第2のパルス列が送信される前に、テストパルスは事前に送信される必要がなく、それにより、送信パルス利用率を改善する。
【0063】
別の例では、制御装置は、第4のパルス列、第5のパルス列、および第6のパルス列を送信するように送信モジュールを制御し得る。第4のパルス列は、M1個の第1タイプパルスを含み、第5のパルス列は、M2個の第2タイプパルスを含み、第6のパルス列は、M1個の第1タイプパルスを含むか、または第4のパルス列は、M2個の第2タイプパルスを含み、第5のパルス列は、M1個の第1タイプパルスを含み、第6のパルス列は、M2個の第2タイプパルスを含む。M1は、2よりも大きい正の整数であり、M2、M3、およびM4は、正の整数である。この例では、1つのパルス列中で少なくとも2つの第1タイプパルスを送信してファーフィールドターゲットの検出効果を改善することに加えて、第5のパルス列中の消失した検出結果は、第4のパルス列の検出結果および第6のパルス列の検出結果を使用することによる差分方式で取得されることが可能である。たとえば、第4のパルス列がM1個の第1タイプパルスを含み、第5のパルス列がM2個の第2タイプパルスを含み、第6のパルス列がM1個の第1タイプパルスを含むとき、第4のパルス列および第6のパルス列は、ファーフィールドターゲットを検出するために使用され、第5のパルス列は、ニアフィールドターゲットを検出するために使用される。第5のパルス列が高電力の第1タイプパルスを含まず、第5のパルス列がファーフィールドターゲットを直接検出することができない場合でも、第5のパルス列に隣接する第4のパルス列および第6のパルス列のファーフィールド検出結果の差分値は、第5のパルス列の検出結果として使用されて、第5のパルス列のファーフィールド検出結果を補足して、ファーフィールドポイントクラウドの構築プレシジョンを改善し得る。それどころか、第4のパルス列がM2個の第2タイプパルスを含み、第5のパルス列がM1個の第1タイプパルスを含み、第6のパルス列がM2個の第2タイプパルスを含むとき、第5のパルス列に隣接する第4のパルス列および第6のパルス列のニアフィールド検出結果の差分値は、第5のパルス列の検出結果として使用されて、第5のパルス列のニアフィールド検出結果を補足して、ニアフィールドポイントクラウドの構築プレシジョンを改善し得る。
【0064】
さらに別の例では、ファーフィールドポイントクラウドとニアフィールドポイントクラウドとの両方の構築プレシジョンを改善するために、制御装置は、代替として、送信モジュールを制御して、M1個の第1タイプパルスを含むパルス列1、M2個の第2タイプパルスを含むパルス列2、M1個の第1タイプパルスを含むパルス列3、およびM2個の第2タイプパルスを含むパルス列4を送信して、パルス列1およびパルス列3を使用することによる差分方式でパルス列2のファーフィールド検出結果を取得し、パルス列2およびパルス列4を使用することによる差分方式でパルス列3のニアフィールド検出結果を取得して、LiDARの全体的なポイントクラウド品質を改善し得る。代替として、制御装置は、送信モジュールを制御して、M2個の第2タイプパルスを含むパルス列5、M1個の第1タイプパルスを含むパルス列6、M2個の第2タイプパルスを含むパルス列7、およびM1個の第1タイプパルスを含むパルス列8を送信して、パルス列5およびパルス列7を使用することによる差分方式でパルス列6のニアフィールド検出結果を取得し、パルス列6およびパルス列8を使用することによる差分方式でパルス列7のファーフィールド検出結果を取得して、LiDARの全体的なポイントクラウド品質を改善し得る。
【0065】
差分演算を含む上記の2つの例において、パルス列の差分演算は、LiDARシステムのポイントクラウド構築プレシジョン要件に基づいてフレキシブルに構成され得ることに留意されたい。たとえば、現在のパルス列構成が、すべての時間期間、視野全体、およびすべてのフレームのポイントクラウド構築プレシジョン要件に到達したとき、差分処理は実施されないことがある。しかしながら、現在のパルス列構成におけるすべての時間期間もしくはいくつかの時間期間、すべての視野もしくはいくつかの視野、またはすべてのフレームもしくはいくつかのフレームのパルス列構成が、対応する時間期間、対応する視野、または対応するフレームのポイントクラウド構築プレシジョン要件を満たすことができなかったとき、差分処理は、対応する時間期間、対応する視野、または対応するフレーム上で実施されて、すべての時間期間、視野全体、およびすべてのフレームのポイントクラウド構築プレシジョン要件を満たしてもよい。
【0066】
可能な実装では、N個のパルス列のいずれか2つは、以下の条件のうちの1つまたは複数を満たし得る。
【0067】
条件1:2つのパルス列の送信時間期間が異なる。言い換えれば、2つのパルス列はシーケンスで送信され、2つのパルス列の送信時間期間はシーケンスである。たとえば、物体を走査するためにラインスポットが使用されるとき、レーザーは、最初に、2つのパルス列のうちの一方に基づいて、光を放出するように駆動されて、物体のエリアを走査するためのラインスポットを生成し、次いで、レーザーは、2つのパルス列のうちの他方に基づいて、光を放出するように駆動されて、物体の別のエリアを走査するための別のラインスポットを生成する。
【0068】
条件2:2つのパルス列が、異なる送信サブモジュールに対応する。たとえば、物体を走査するためにラインスポットが使用されるとき、複数の送信サブモジュールは、それぞれの対応するパルス列を同時に放出し、これらの同時に放出されたパルス列は、光を放出するようにレーザー管を駆動して、それにより、物体の特定のエリアを走査するためのラインスポットを提示する。
【0069】
条件3:2つのパルス列が、同じ検出視野中の異なるピクセルに対応する。検出視野は、物体についての、1つの検出において走査されることが可能なエリア、または対応して1つの検出において検出器に提示されるピクセルエリアである。たとえば、
図4は、本出願の実施形態による検出視野の概略図の例を示す。この例では、LiDARは、ラインスポットを使用することによって物体を走査する。ラインスポットが、Y軸に平行なラインスポットであり、X軸方向に沿って物体を走査する場合、検出視野は、
図4において斜線によってマークされた垂直な帯状エリアである。垂直な帯状エリアは、複数のピクセルを含み、ピクセルのそれぞれは、それぞれのパルス列に対応し、異なるピクセルに対応するパルス列は、同じであり得るかまたは異なり得る。これは特に限定されない。
【0070】
条件4:2つのパルス列が、異なる検出視野に対応する。たとえば、
図4が例としてなお使用される。2つのパルス列に対応するピクセルエリアは、異なる垂直な帯状エリアに属する。たとえば、一方のパルス列は、
図4において斜線でマークされた垂直な帯状エリア中のピクセルに対応し、他方のパルス列は、
図4において斜線でマークされていないエリア中のピクセルに対応する。
【0071】
条件5:2つのパルス列が、異なる受信サブモジュールに対応する。受信サブモジュールは、受信モジュール中の検出器または検出器グループであり得る。検出器グループが例として使用される。受信モジュールは、複数の検出器を含み、複数の検出器は、少なくとも2つの検出器グループに分割されることがあり、検出器グループのそれぞれは、1つのピクセルエリアに対応し、ピクセルエリアに送信される光スポットを提示するように構成される。受信サブモジュールが検出器であるとき、2つのパルス列に対応する2つの受信サブモジュールは、同じ検出器グループに属し得るか、または異なる検出器グループに属し得る。受信サブモジュールが検出器グループであるとき、2つのパルス列に対応する2つの受信サブモジュールは、異なる検出器グループに属する。
【0072】
上記の実装において、制御装置は、送信時間期間、送信サブモジュール、検出視野、ピクセル、または受信サブモジュールを含む1つまたは複数の要因に基づいてパルス列の間の関連付け関係を設定して、それにより、パルス列を設定するフレキシビリティの改善を助け、制御方法を様々なパルス列構成シナリオに適合させることができる。
【0073】
可能な実装では、制御装置は、N個のパルス列中の1つまたは複数のパルス列に基づいてポイントクラウドを生成し得る。たとえば、第1のパルス列および第2のパルス列を送信することが例として使用される。1つの方式では、制御装置は、少なくとも第1のパルス列および第2のパルス列に対応するエコー信号に基づいて(たとえば、第1のパルス列および第2のパルス列に基づいて、またはN個のパルス列中の第1のパルス列、第2のパルス列、および別のパルス列に基づいて)ポイントクラウドを生成し得る。このようにして、複数のパルス列の検出結果を使用することによってより包括的な情報が取得され得、ポイントクラウド構築品質が改善される。別の方式では、制御装置は、少なくとも第1のパルス列に対応するエコー信号に基づいて第1のポイントクラウドを生成し、少なくとも第2のパルス列に対応するエコー信号に基づいて第2のポイントクラウドを生成し得る。第1のポイントクラウドは、第2のポイントクラウドとは異なる。このようにして、パルス列が、異なるポイントクラウドに対応することを可能にすることによって、ポイントクラウド構築効率が改善されることが可能である。
【0074】
本出願のこの実施形態では、N個のパルス列中にあり、少なくとも1つの第1タイプパルスを含むパルス列について、これらのパルス列に含まれる少なくとも1つの第1タイプパルスは、同じであることがあり、たとえば、第1タイプパルスの量、電力、パルス幅、および持続時間は同じであるか、またはこれらのパルス列に含まれる少なくとも1つの第1タイプパルスは、互いに異なり、たとえば、第1タイプパルスの量、電力、パルス幅、もしくは持続時間のうちの少なくとも1つは異なる。対応して、N個のパルス列中にあり、少なくとも1つの第2タイプパルスを含むパルス列について、これらのパルス列に含まれる少なくとも1つの第2タイプパルスは、同じであることがあり、たとえば、第2タイプパルスの量、電力、パルス幅、および持続時間は同じであるか、またはこれらのパルス列に含まれる少なくとも1つの第2タイプパルスは、互いに異なり、たとえば、第2タイプパルスの量、電力、パルス幅、もしくは持続時間のうちの少なくとも1つは異なる。
【0075】
可能な実装では、少なくとも1つの第1タイプパルスの電力および量(またはパルス幅もしくは持続時間などの他の情報がさらに含まれ得る)は、リモート測定要件に基づいて決定されてもよく、少なくとも1つの第2タイプパルスの電力および量(またはパルス幅もしくは持続時間などの他の情報がさらに含まれ得る)は、動的最適化要件に基づいて決定されてもよい。リモート測定要件は、ファーフィールドターゲットを検出するための要件であり、限定はされないが、測定されることが予想される最も遠いファーフィールドターゲットまでの距離、ファーフィールドターゲットを測定することの信頼性などを含む。たとえば、測定されることが可能なファーフィールドターゲットまでの予想される最大距離がより大きくなり、ファーフィールドターゲットを測定することの信頼性がより高くなるとき、少なくとも1つの第1タイプパルスの電力は、より大きくなるように構成されることがあり、少なくとも1つの第1タイプパルスの量は、より大きくなるように構成されることがある。このようにして、より高電力の第1タイプパルスを送り、より高い電力を使用することによって、より高い検出信頼性およびより長い検出距離が実装されることが可能である。対応して、動的最適化要件は、ニアフィールドターゲットを検出するための要件であり、限定はされないが、測定されることが予想される最も近いニアフィールドターゲットのエコー信号強度、ニアフィールドターゲットを測定することの成功率、迷光の特徴などを含む。ニアフィールドターゲットのより強いエコー信号強度が測定されることが可能であり、ニアフィールドターゲットを測定することのより高い成功率が取得され、ニアフィールドターゲットのより強い迷光が検出されることが予想されるとき、それは、より低電力のパルスを送り、より高い電力範囲を使用することによって、より高い検出成功率およびより広い動的範囲が実装されることが可能であるように、より大きい動的要件が必要とされ、少なくとも1つの第2タイプパルスのより広い電力範囲が構成されてもよく、少なくとも1つの第2タイプパルスのより大きい量が構成されてもよいことを示す。パルスの電力および量を構成することに加えて、パルス幅および持続時間などの他の情報がさらに構成されてもよいことを理解されたい。これは、本出願では特に限定されない。
【0076】
たとえば、ファーフィールドターゲットのみが検出される必要があるとき、パルス列は、第1タイプパルスを含み得るが、第2タイプパルスを含まない。ニアフィールドターゲットのみが検出される必要があるとき、パルス列は、第2タイプパルスを含み得るが、第1タイプパルスを含まない。ファーフィールドターゲットとニアフィールドターゲットとの両方が検出される必要があるとき、パルス列は、第1タイプパルスと第2タイプパルスとの両方を含み得る。
【0077】
可能な実装では、N個のパルス列のそれぞれに実際に含まれるパルスのタイプおよび量は、LiDARの繰り返し周波数の限定、ファーフィールド角度分解能、およびニアフィールド角度分解能を参照して決定され得る。LiDARの繰り返し周波数は、LiDARが単位時間当たりにパルスを送信することができる時間の量を指す。たとえば、LiDARの繰り返し周波数は40Hzであり、これは、LiDARが単位時間当たりに40個のパルスを送信することができることを意味する。本明細書の単位時間は、概して1sに設定されることがある。ファーフィールド角度分解能は、ファーフィールドターゲットを検出するために使用される角度分解能を指し、ニアフィールド角度分解能は、ニアフィールドターゲットを検出するために使用される角度分解能を指す。ファーフィールド角度分解能およびニアフィールド角度分解能は、LiDARの製品マニュアルまたは取り扱いマニュアルにおいて見つけられることが可能である。いくつかの場合には、2つの角度分解能は、固定値によって限定され、他の場合には、2つの角度分解能は、サポートされる範囲によってそれぞれ限定される。サポートされる範囲が限定のために使用されるとき、ファーフィールド角度分解能およびニアフィールド角度分解能の範囲は重複することがあるかまたは重複しないことがある。分解能が製品マニュアルまたは取り扱いマニュアルに記載されていない場合、任意選択で、ファーフィールド角度分解能およびニアフィールド角度分解能は、デフォルトで同じであってもよい。加えて、LiDARのフレーム周波数、視野、距離などは、製品マニュアルにおいて指定されることがある。これらの要因は、LiDARの繰り返し周波数の限定を共同で決定する。たとえば、リモート測定要件および動的最適化要件に基づいて、M
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルスがパルス列のそれぞれにおいて構成される必要があると決定された場合、
図5を参照されたい。
図5は、本出願の実施形態による様々なパルス列の提示形態の概略図の例を示す。
【0078】
場合1:第1タイプパルスの量M
1および第2タイプパルスの量M
2がLiDARの繰り返し周波数によって限定されない(すなわち、単位時間当たりに送信される必要がある第1タイプパルスの量および第2タイプパルスの量の和が、単位時間当たりにLiDARによって送信されることが可能なパルスの量以下である)とき、それは、LiDARの繰り返し周波数の能力が、1つのパルス列に対応する時間期間中にM
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルスを送信することをサポートすることを意味する。この場合、
図5の(A)に示されているように、パルス列のそれぞれは、M
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルスを含むことがあり、したがって、ファーフィールド角度分解能とニアフィールド角度分解能との両方は、プレセットまたは構成された最適な角度分解能に到達することができる。リモート測定要件および動的最適化要件に基づいて決定されたN個のパルス列が、M
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルス、M
3個の第1タイプパルスおよびM
4個の第2タイプパルス、…、ならびにM
2N-1個の第1タイプパルスおよびM
2N個の第2タイプパルスを含み、パルス列のそれぞれに含まれるパルスの量の和が、LiDARの繰り返し周波数に限定されない場合、N個のパルス列の提示形態は
図5の(B)に示され得ることを理解されたい。M
1、M
3、…、およびM
2N-1の値は、同じであってもよく、または異なってもよく、M
2、M
4、…、およびM
2Nの値は、同じであってもよく、または異なってもよい。
【0079】
場合2:第1タイプパルスの量M
1および第2タイプパルスの量M
2がLiDARの繰り返し周波数によって限定され(すなわち、単位時間当たりに送信される必要がある第1タイプパルスの量および第2タイプパルスの量の和が、単位時間当たりにLiDARによって送信されることが可能なパルスの量よりも大きく)、限定の程度が、第1のプリセットされた程度よりも高くないとき、LiDARの繰り返し周波数の能力は、1つのパルス列の時間期間中にM
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルスを送信することができないが、LiDARの繰り返し周波数の限定の程度は比較的小さい。この場合、
図5の(C)に示されているように、制御装置は、N個のパルス列のうちの少なくとも1つが、M
1個の第1タイプパルスを含むが、M
2個の第2タイプパルスを含まないように構成し得、少なくとも1つのパルス列を除くすべての他のパルス列が、M
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルスをそれぞれ含んで、ニアフィールド角度分解能を低減することによってLiDARの繰り返し周波数の能力に一致し、最適なファーフィールド角度分解能を保証し、それにより、ファーフィールドポイントクラウド品質を保証する。
【0080】
場合3:第1タイプパルスの量M
1および第2タイプパルスの量M
2がLiDARの繰り返し周波数によって限定され、限定の程度が、第1のプリセットされた程度よりも高いとき、それは、LiDARの繰り返し周波数の限定の程度が比較的大きく、LiDARの繰り返し周波数の能力が、ニアフィールド角度分解能のみを放棄することによって一致されることが不可能であることを意味する。この場合、
図5の(D)に示されているように、制御装置は、N個のパルス列中の少なくとも3つの隣接するパルス列が、M
1個の第1タイプパルス、M
2個の第2タイプパルス、およびM
1個の第1タイプパルスの方式で、またはM
2個の第2タイプパルス、M
1個の第1タイプパルス、およびM
2個の第2タイプパルスの方式で配置されるように構成されてもよく、少なくとも3つの隣接するパルス列以外の別のパルス列は、M
1個の第1タイプパルスおよび/またはM
2個の第2タイプパルスを含む。このようにして、
図5の(D)に示されているように、左から右へ、第1のパルス列、第2のパルス列、および第3のパルス列は、M
1個の第1タイプパルス、M
2個の第2タイプパルス、およびM
1個の第1タイプパルスの方式で配置され、それにより、第2のパルス列のファーフィールド検出結果は、第1のパルス列および第3のパルス列の検出結果を使用することによって補間を通して取得され得る。このようにして、ファーフィールド角度分解能が保証されることが不可能であるとき、補間ファーフィールド角度分解能は補間方式で実装されることが可能である。同様に、
図5の(D)に示されているように、左から右へ、第2のパルス列、第3のパルス列、および第4のパルス列は、M
2個の第2タイプパルス、M
1個の第1タイプパルス、およびM
2個の第2タイプパルスの方式で配置され、それにより、第3のパルス列のニアフィールド検出結果は、第2のパルス列および第4のパルス列の検出結果を使用することによって補間を通して取得され得る。このようにして、ニアフィールド角度分解能が保証されることが不可能であるとき、補間ニアフィールド角度分解能は補間方式で実装されることが可能である。
【0081】
ファーフィールド角度分解能およびニアフィールド角度分解能が範囲形態で提示されるとき、ニアフィールド角度分解能またはファーフィールド角度分解能を断念することは、ニアフィールド角度分解能またはファーフィールド角度分解能が、範囲内の最大値を満たすことがもはや保証されないが、最終的に範囲内の最小値以上になり、したがって、繰り返し周波数の状況に基づいて調整されたパルス列が、LiDARの最小角度分解能要件を依然として満たすことができることを意味することに留意されたい。
【0082】
可能な実装では、第1タイプパルスの電力は同じであってもよく、または異なってもよく、第2タイプパルスの電力は同じであってもよく、または異なってもよい。たとえば、第1タイプパルスの電力は同じになるように設定されてもよく、第2タイプパルスの電力は異なるように設定されてもよい。このようにして、送信処理においてLiDARによって実施されるファーフィールド検出パルスを処理することの複雑さは簡略化されることが可能であり、ニアフィールド検出の動的範囲は増加されることが可能である。たとえば、第1のパルス列の構成処理が例として使用される。実装において、制御装置は、リモート検出要件に基づいて、リモート検出要件を満たす第1タイプパルスの電力および量を決定し得る。M1個の第1のパルスTX1が決定され、それぞれがP1の電力をもつと仮定される。加えて、動的最適化要件を満たす第2タイプパルスのタイプ、電力、および量が、動的最適化要件に基づいて決定される。たとえば、P21の電力をもつタイプ1の第2のパルスTx21が最初に構成され、P21<P1である。タイプ1の第2のパルスTx21が動的最適化要件を満たすのに十分であるかどうかが決定され、そうでない場合、P22の電力をもつタイプ2の第2のパルスTx22が構成され、P22<P21<P1またはP21<P22<P1である。タイプ1の第2のパルスTx21およびタイプ2の第2のパルスTx22が動的最適化要件を満たすのに十分であるかどうかが決定され、そうでない場合、動的最適化要件を満たすK個のタイプの第2のパルスTx21からTx2Kが見つけられるまで、P23の電力をもつタイプ3の第2のパルスTx23が構成され、P23<P22<P21<P1、またはP23<P21<P22<P1、またはP22<P21<P23<P1、またはP22<P23<P21<P1、またはP21<P22<P23<P1、またはP21<P23<P22<P1などである。K個のタイプの第2のパルスTx21からTx2Kの総量はM2であり、Kは正の整数である。このようにして、第1のパルス列が構成された後に、第1のパルス列中のM1個の第1タイプパルスは、同じ電力をもつM1個の第1のパルスを含み、第1のパルス列中のM2個の第2タイプパルスは、異なる電力をもつK個のタイプの第2のパルスを含み、K個のタイプの第2のパルスの量の和は、M2であり、Kは、正の整数である。
【0083】
さらに、たとえば、第1のパルス列に含まれるパルスは、複数の検出サイクル中で送信されることがあり、検出サイクルのそれぞれにおいて送信されるパルス列は、第1のパルスTx1、および/またはK個のタイプの第2のパルスTx21からTx2Kのうちの1つもしくは複数を含む。1つの送信および1つの受信は、1つの検出サイクルと呼ばれる。このようにして、制御装置は、複数の検出サイクル中で受信された複数の検出結果を使用することによってポイントクラウドを包括的に決定し、それにより、ポイントクラウド品質の改善を助け得る。1つのパルス列における検出サイクルのそれぞれの持続時間は、たとえば、500nsに等しくてもよいか、または少なくとも2つの検出サイクルは、持続時間の異なる長さに対応してもよく、たとえば、すべての検出サイクルの持続時間は、500ns、1000ns、1500ns、…、などである。好ましくは、検出サイクルのそれぞれの持続時間は、検出サイクル中で送信されるパルスの量、電力などに基づいて設定され得る。送信されるパルスの電力がより小さいか、または送信されるパルスの量がより小さいとき、検出サイクルの持続時間も、より小さくなるように設定され得る。このようにして、検出サイクルのそれぞれの持続時間は、パルス列を送信するための総時間が効果的に低減されることが可能であるように制御される。
【0084】
可能な方式では、いずれか2つの検出サイクル中で送信されるパルス列は、同じ量のパルスを含むことがあり、パルスタイプも同じであり得る。このようにして、パルス送信を制御することの複雑さは低減されることが可能である。別の可能な方式では、少なくとも2つの検出サイクル中で送信されるパルス列に含まれるパルスの量および/またはパルスタイプは、異なる。このようにして、検出サイクルのそれぞれにおいてパルスを送信することのフレキシビリティは改善されることが可能である。たとえば、第2タイプパルスが、タイプ1の第2のパルスTx21およびタイプ2の第2のパルスTx22を含むが、別の第2のパルスを含まない場合、任意の検出サイクル中で送られるパルス列は、
図6に示されている提示形態のうちの1つであり得る。
【0085】
提示形態1:検出サイクル中で送られるパルス列は、第1のパルスTx1、タイプ1の第2のパルスTx21、およびタイプ2の第2のパルスTx22を含む。送信方式は以下の通りであり得る。第1のパルスTx1、タイプ1の第2のパルスTx21、およびタイプ2の第2のパルスTx22は、
図6の(A)に示されているように連続的に送信されるか、または第1のパルスTx1、タイプ2の第2のパルスTx22、およびタイプ1の第2のパルスTx21は、
図6の(B)に示されているように連続的に送信されるか、またはタイプ2の第2のパルスTx22、第1のパルスTx1、およびタイプ1の第2のパルスTx21は、
図6の(C)に示されているように連続的に送信されるか、またはタイプ2の第2のパルスTx22、タイプ1の第2のパルスTx21、および第1のパルスTx1は、
図6の(D)に示されているように連続的に送信されるか、またはタイプ1の第2のパルスTx21、第1のパルスTx1、およびタイプ2の第2のパルスTx22は、
図6の(E)に示されているように連続的に送信されるか、またはタイプ1の第2のパルスTx21、タイプ2の第2のパルスTx22、および第1のパルスTx1は、
図6の(F)に示されているように連続的に送信される。
【0086】
提示形態2:検出サイクル中で送られるパルス列は、第1のパルスTx1、タイプ1の第2のパルスTx21、またはタイプ2の第2のパルスTx22のうちの1つを含む。たとえば、
図6の(G)に示されているように、第1のパルスTx1は含まれ得るが、タイプ1の第2のパルスTx21およびタイプ2の第2のパルスTx22は含まれないか、または
図6の(H)に示されているように、タイプ1の第2のパルスTx21は含まれ得るが、第1のパルスTx1およびタイプ2の第2のパルスTx22は含まれないか、または
図6の(I)に示されているように、タイプ2の第2のパルスTx22は含まれ得るが、第1のパルスTx1およびタイプ1の第2のパルスTx21は含まれない。
【0087】
提示形態3:検出サイクル中で送られるパルス列は、タイプ1の第2のパルスTx21およびタイプ2の第2のパルスTx22を含む。送信方式は以下の通りであり得る。
図6の(J)に示されているように、タイプ2の第2のパルスTx22およびタイプ1の第2のパルスTx21は連続的に送信されるか、または
図6の(K)に示されているように、タイプ1の第2のパルスTx21およびタイプ2の第2のパルスTx22は連続的に送信される。
【0088】
提示形態4:検出サイクル中で送られるパルス列は、第1のパルスTX1、ならびにタイプ1の第2のパルスTX21およびタイプ2の第2のパルスTX22のうちの1つを含む。送信方式は以下の通りであり得る。
図6の(L)に示されているように、第1のパルスTX1およびタイプ1の第2のパルスTx21は連続的に送信されるか、または
図6の(M)に示されているように、第1のパルスTX1およびタイプ2の第2のパルスTx22は連続的に送信されるか、または
図6の(N)に示されているように、タイプ1の第2のパルスTx21および第1のパルスTX1は連続的に送信されるか、または
図6の(O)に示されているように、タイプ2の第2のパルスTx22および第1のパルスTX1は連続的に送信される。
【0089】
以下で、
図6に示されている検出サイクルに対応するパルス列提示形態に基づいて、例として
図5におけるN個のパルス列のいくつかの可能なパルス実装について説明する。
【0090】
図5の(A)または
図5の(B)に示されているN個のパルス列では、パルス列のそれぞれは、第1タイプパルスおよび第2タイプパルスを含む。この場合、任意のパルス列は、
図6の(A)から(F)のいずれか1つと、
図6の(G)および
図6の(J)と、
図6の(G)および
図6の(K)と、
図6の(G)、
図6の(H)、および
図6の(I)と、
図6の(L)および
図6の(I)と、
図6の(M)および
図6の(H)と、
図6の(N)および
図6の(I)と、
図6の(O)および
図6の(H)と、という構成の1つまたは組合せを使用することによって実装され得る。検出サイクル中のパルスのより小さい量は、検出サイクルのより小さい総持続時間を示す。
図6の(A)から(F)の検出サイクルのそれぞれにおいて3つのパルスが送信され、
図6の(J)から(O)の検出サイクルのそれぞれにおいて2つのパルスが送信され、
図6の(G)から(I)の検出サイクルのそれぞれにおいて1つのパルスが送信される。したがって、
図6の(A)から(F)のいずれかのパルス列を使用すると、最も短い検出時間が生じることがあり、
図6の(G)、(H)、および(I)を使用すると、最も長い検出時間が生じることがあり、
図6の(G)および(J)、
図6の(G)および(K)、
図6の(L)および(I)、
図6の(M)および(H)、
図6の(N)および(I)、または
図6の(O)および(H)を使用すると、中程度の検出時間が生じることがある。
【0091】
図5の(C)に示されているN個のパルス列では、第1タイプパルスおよび第2タイプパルスを含むパルス列は、上記の構成の1つまたは組合せに従って実装されることがあり、第1タイプパルスを含むが第2タイプパルスを含まないパルス列は、
図6の(G)に従って実装されることがある。
【0092】
図5の(D)に示されているN個のパルス列では、第1タイプパルスを含むが第2タイプパルスを含まないパルス列は、
図6の(G)に従って実装されることがあり、第2タイプパルスを含むが第1タイプパルスを含まないパルス列は、
図6の(H)および(I)と、
図6の(J)と、
図6の(K)と、という1つまたは組合せに従って実装されることがある。
【0093】
本出願のこの実施形態では、(第1タイプパルスを含むが第2タイプパルスを含まないパルス列、ならびに第1タイプパルスおよび第2タイプパルスを含むパルス列を含む)第1タイプパルスを含むパルス列は、第1のパルス列セットにグループ化され、(第2タイプパルスを含むが第1タイプパルスを含まないパルス列、ならびに第1タイプパルスおよび第2タイプパルスを含むパルス列を含む)第2タイプパルスを含むパルス列は、第2のパルス列セットにグループ化され、第1タイプパルスおよび第2タイプパルスを含むパルス列は、第3のパルス列セットにグループ化される。第1のパルス列セットと第2のパルス列セットとの間に交差セットがあることがあるか、または第1のパルス列セットと第2のパルス列セットとの間に交差セットがないことがあり、第3のパルス列セットと第1のパルス列セットとの間もしくは第3のパルス列セットと第2のパルス列セットとの間に交差セットがある。加えて、第1のパルス列セット、第2のパルス列セット、および第3のパルス列セットのいずれか1つについて、パルス列セット中の2つの隣接するパルス列は、位置が不規則でない場合、隣接することがあるかまたは隣接しないことがある。たとえば、連続的に配置されたパルス列1、パルス列2、パルス列3、およびパルス列4があり、パルス列1は、第1タイプパルスを含むが、第2タイプパルスを含まず、パルス列2は、第2タイプパルスを含むが、第1タイプパルスを含まず、パルス列3およびパルス列4はそれぞれ、第1タイプパルスおよび第2タイプパルスを含むと仮定される。この場合、第1のパルス列セットは、パルス列1、パルス列3、およびパルス列4を含み、第2のパルス列セットは、パルス列2、パルス列3、およびパルス列4を含み、第3のパルス列セットは、パルス列3およびパルス列4を含む。これに基づいて、パルス列1およびパルス列3は、第1のパルス列セット中の隣接するパルス列である。しかしながら、位置が不規則でない場合、パルス列1およびパルス列3がパルス列2によって離間されるので、パルス列1およびパルス列3は、隣接しないパルス列である。パルス列3およびパルス列4は、第1のパルス列セット中の隣接するパルス列であり、また、位置が不規則でないときの隣接するパルス列である。これに基づいて、以下で、例を使用することによって、パルス列のそれぞれに含まれるいずれか2つのパルス間の時間間隔およびいずれか2つのパルス列中の2つのパルス間の時間間隔のいくつかの可能な設定方式について説明する。2つのパルス間の時間間隔は、2つのパルスの送信時間の間の時間間隔である。制御装置は、パルス列のそれぞれに対応する決定された時間間隔に基づいてパルス列のそれぞれを生成し得る。
【0094】
パルス列中の時間間隔
【0095】
LiDARが第1タイプパルスを放出した後に、LiDARにおいて迷光信号がさらに生成されることがある。迷光信号の持続時間は、第1タイプパルスのパルス幅および電力などの要因に関係し、持続時間の最大値は、概して第1タイプパルスのパルス幅によって決定される。概して、パルス幅が概して10ns内である第1タイプパルスによって生成される迷光信号の持続時間は、1nsと50nsとの間にわたる。迷光信号の持続時間は、第1タイプパルスが送られる時間から迷光信号が受信される時間までの持続時間である。迷光信号が存在するLiDARでは、第1タイプパルスに対応する第1のエコー信号は通常、迷光信号である。これに基づいて、本出願では、第1タイプパルスが送られる時間から、第1タイプパルスに対応する第1のエコー信号が受信される時間までの持続時間は、第1タイプパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔と呼ばれる。さらに、第3のパルス列セット中の任意のパルス列について、パルス列は、第1タイプパルスおよび第2タイプパルスを含む。第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時間間隔を設定するとき、LiDARは、第1タイプパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔を参照してその時間間隔を設計し得る。たとえば、パルス列中の第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時間間隔は、第1タイプパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔以上になるように設定され、たとえば、時間間隔は、第1タイプパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔とランダム妨害持続時間との和に設定され得る。たとえば、
図6の(A)に示されている検出サイクル中の第1のパルスTx1とタイプ2の第2のパルスTx22との間の時間間隔は、第1のパルスTx1の検出ブラインドエリアに対応する時間間隔とランダム妨害持続時間との和に設定される。ランダム妨害持続時間は、ハードウェアなどの制御不能な要因によって引き起こされる(実験検証を通して取得され得る)追加の妨害持続時間、または目的(たとえば、抗干渉性能を改善するために妨害を加えること)のために設定された妨害持続時間を指す。このようにして、送信モジュールがパルス列を送るように制御されたとき、第1タイプパルスを送った後に、制御装置は、第1タイプパルスに対応するエコー信号を受信した後に第2タイプパルスを送る。これにより、第1タイプパルスまたは第1タイプパルスのエコー信号が第2タイプパルスの検出処理に影響を及ぼすことが効果的に防止され、ファーフィールド検出とニアフィールド検出との間の抗干渉性能が改善されることが可能である。
【0096】
本出願のこの実施形態では、第2タイプパルスのパルス幅、電力などは、第2タイプパルスによって相応して生成される迷光信号が比較的弱くなって、無視できる程度を達成して、第2タイプパルスに対応する検出ブラインドエリアを生成することが回避されるように、特別に設計されることに留意されたい。しかしながら、LiDAR中の第2タイプパルスが、いくつかの要因により対応する検出ブラインドエリアをも実際に有する場合、第2タイプパルスと隣接する第1タイプパルスとの間の時間間隔は、第2タイプパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔を参照してさらに設定されてもよく、たとえば、第2タイプパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔とランダム妨害持続時間との和に設定されてもよい。第2タイプパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔の関係する内容については、第1タイプパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔の関係する説明を参照されたい。詳細について本明細書で再び説明されない。
【0097】
さらに、第1タイプパルスおよび隣接する第2タイプパルス以外のいずれか2つの隣接するパルス、たとえば、第3のパルス列セット中のいずれかのパルス列中のいずれか2つの隣接する第2タイプパルス、第1のパルス列セット中にあり、第1タイプパルスを含むが第2タイプパルスを含まないパルス列中のいずれか2つの隣接する第1タイプパルス、または第2のパルス列セット中にあり、第2タイプパルスを含むが第1タイプパルスを含まないパルス列中のいずれか2つの隣接する第2タイプパルス間の時間間隔、ならびにいずれかのパルス列中のいずれかの検出サイクルの開始の瞬間と検出サイクル中の第1タイプパルスとの間の時間間隔は、コーディングを通して取得され得る。コーディングは、時間間隔として乱数を生成するための方法を使用することによって乱数が値範囲内で生成されることを意味する。たとえば、
図6の(A)に示されている検出サイクルが例として使用される。制御装置は、コーディングを通して乱数を生成し、検出サイクルの開始の瞬間と第1のパルスTx1との間の時間間隔としてこの乱数を設定し、コーディングを通して別の乱数を生成し、タイプ2の第2のパルスTx22とタイプ1の第2のパルスTX21との間の時間間隔としてこの別の乱数を設定し得る。これらの2つの乱数はランダムに生成され、同じであるかまたは異なってもよく、これは特に限定されない。
【0098】
パルス列間の時間間隔
【0099】
可能な例では、第1のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、ファーフィールド角度分解能に基づいて決定され得る。いずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、いずれか2つのパルス列に含まれるすべての第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間の間の時間間隔であり得る。たとえば、パルス列1およびパルス列2が存在し、パルス列1は、第1タイプパルス1および第1タイプパルス2を含み、第1タイプパルス1の送信の瞬間は5nsであり、第1タイプパルス2の送信の瞬間は10nsであり、パルス列2は、第1タイプパルス3、第1タイプパルス4、および第1タイプパルス5を含み、第1タイプパルス3の送信の瞬間は20nsであり、第1タイプパルス4の送信の瞬間は22nsであり、第1タイプパルス5の送信の瞬間は26nsであると仮定される。この場合、パルス列1中の2つの第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間は7.5nsであり、パルス列2中の3つの第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間は23nsであり、パルス列1およびパルス列2に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、23nsから7.5nsを引いたもの、すなわち、15.5nsであると決定され得る。別の例では、第1のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に含まれるパルスおよびパルス配置方式が同じである場合、いずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、代替として、いずれか2つのパルス列中の第I1の第1タイプパルスの送信の瞬間の間の時間間隔であることがあり、I1は、任意のパルス列に含まれるパルスの量以下である任意の正の整数である。
【0100】
可能な例では、第1のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、走査速度に対するファーフィールド角度分解能の比であり得る。走査速度は、LiDAR中のプリセットパラメータであり得るか、またはLiDAR中の別のパラメータに基づいて計算を通して取得され得る。この別のパラメータは、限定はされないが、LiDARのフレーム周波数、繰り返し周波数などを含む。加えて、走査速度は、LiDAR中の走査機構を使用することによって実装され得るか、またはLiDAR中の送信モジュールもしくは受信モジュール内のアレイ設計およびアレイ制御装置を使用することによって実装され得る。たとえば、ファーフィールド角度分解能が1°であり、走査速度が1°/msであるとき、いずれか2つの隣接するパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、1msであり得る。時間間隔が、いずれか2つの隣接するパルス列に含まれるすべての第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間の間の時間間隔であるとき、前者のパルス列中のすべての第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間が7.5msである場合、後者のパルス列中のすべての第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間は、8.5msである。時間間隔が、いずれか2つの隣接するパルス列に含まれる第1の第1タイプパルスの送信の瞬間の間の時間間隔であるとき、前者のパルス列中の第1の第1タイプパルスの送信の瞬間が5nsである場合、後者のパルス列中の第1の第1タイプパルスの送信の瞬間は、1ms+5nsである。加えて、ファーフィールド角度分解能は、選択された後に固定値のままであるので、第1のパルス列セット中のいずれか2つの隣接するパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、同じであり、すなわち、いずれか2つの隣接するパルス列に対応する第1タイプパルスの送信の瞬間の間の時間間隔は、同じである。「同じ時間間隔」は、理想状態における同一性である。この同一性は、環境要因または別の要因によって引き起こされる特定の偏差を伴う同一性をさらに含み得る。言い換えれば、時間間隔の値が正の偏差と負の偏差との間の範囲内に入る限り、時間間隔は、本出願のこの実施形態では同じであると考えられる。
【0101】
可能な例では、第2のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第2タイプパルスの時間間隔は、ニアフィールド角度分解能に基づいて決定され、たとえば、走査速度に対するニアフィールド角度分解能の比であり得る。たとえば、LiDARの走査速度が1°/msであり、ニアフィールド角度分解能が3°である場合、いずれか2つの隣接するパルス列に対応する第2タイプパルスの時間間隔は、3msであり得る。いずれか2つのパルス列に対応する第2タイプパルスの時間間隔は、いずれか2つのパルス列に含まれるすべての第2タイプパルスの中心的な送信の瞬間の間の時間間隔であり得るか、またはいずれか2つのパルス列に含まれるパルスおよびパルス配置方式が同じであるとき、いずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスの時間間隔は、代替として、いずれか2つのパルス列中の第I2の第2タイプパルスの送信の瞬間の間の時間間隔であり得る。I2は、任意のパルス列に含まれるパルスの量以下である任意の正の整数である。加えて、ニアフィールド角度分解能は、選択された後に固定値のままであるので、第2のパルス列セット中のいずれか2つの隣接するパルス列に対応する第2タイプパルスの時間間隔は、同じである。
【0102】
可能な例では、ニアフィールド角度分解能に対するファーフィールド角度分解能の比が整数であるとき、第3のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、同じである。2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、第1のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間と第2タイプパルスの送信の瞬間との間の時間間隔と、第2のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間と第2タイプパルスの送信の瞬間の間の時間間隔との間の差である。たとえば、任意のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中のすべての第1タイプパルスの中心的な送信の瞬間であることがあり、任意のパルス列中の第2タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中のすべての第2タイプパルスの中心的な送信の瞬間であることがあるか、またはいずれか2つのパルス列に含まれるパルスおよびパルス配置方式が同じであるとき、任意のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中の第1の第1タイプパルスの送信の瞬間であることがあり、任意のパルス列中の第2タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中の第1の第2タイプパルスの送信の瞬間であることがあるか、または任意のパルス列中の第1タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中の最後の第1タイプパルスの送信の瞬間であることがあり、任意のパルス列中の第2タイプパルスの送信の瞬間は、パルス列中の最後の第2タイプパルスの送信の瞬間であることなどがある。これは特に限定されない。
【0103】
上記の例では、「同じ時間間隔オフセット」は、理想状態における同一性である。この同一性は、環境要因または別の要因によって引き起こされる特定の偏差を伴う同一性をさらに含み得る。言い換えれば、時間間隔オフセットの値が正の偏差と負の偏差との間の範囲内に入る限り、時間間隔オフセットは、本出願のこの実施形態では同じであると考えられる。2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、ファーフィールド角度分解能とニアフィールド角度分解能との間の整数関係に基づいて設定されてもよい。たとえば、上記の例におけるファーフィールド角度分解能と第1タイプパルスの時間間隔との間の相関、およびニアフィールド角度分解能と第2タイプパルスの時間間隔との間の相関に基づいて、走査速度が1°/msであるとき、ファーフィールド角度分解能が1°であり、ニアフィールド角度分解能が3°である場合、いずれか2つの隣接するパルス列中の第1タイプパルスの時間間隔は、1msであり、いずれか2つの隣接するパルス列中の第2タイプパルスの時間間隔は、3msである。特定の配置方式については、
図7の(A)を参照されたい。あらゆる3×M
1個の第1タイプパルスは、1×M
2個の第2タイプパルスに対応することがあり、M
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルスを含むパルス列のそれぞれは、
図7の(A)における構成1を参照して構成されることがあり、M
1個の第1タイプパルスを含むがM
2個の第2タイプパルスを含まないパルス列のそれぞれは、
図7の(A)における構成2を参照して構成されることがある。いずれか2つの隣接するパルス列中の第1タイプパルスの時間間隔および第2タイプパルスの時間間隔が複数の関係にあるとき、いずれか2つの隣接するパルス列中の第1タイプパルスと第2タイプパルスとの間の位置関係は、同じであり、すなわち、いずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、同じであり、すなわち、
図7の(A)に示されている異なるパルス列中の第2タイプパルスと第1タイプパルスとの間の位置関係は、固定である、とわかることができる。
【0104】
可能な例では、ニアフィールド角度分解能に対するファーフィールド角度分解能の比が整数でないとき、第3のパルス列セット中の少なくとも2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、異なる。「同じ時間間隔オフセット」に対応して、「異なる時間間隔オフセット」も、理想状態における差である。この差は、環境要因または別の要因によって引き起こされる特定の偏差を許容し得る。言い換えれば、本出願のこの実施形態では、時間間隔オフセットの値が正の偏差と負の偏差との間の範囲外にあるときのみ、時間間隔オフセットは異なると考えられる。上記の例におけるファーフィールド角度分解能と第1タイプパルスの時間間隔との間の相関、およびニアフィールド角度分解能と第2タイプパルスの時間間隔との間の相関に基づいて、走査速度が1°/msであるとき、ファーフィールド角度分解能が1°であり、ニアフィールド角度分解能が1.8°である場合、いずれか2つの隣接するパルス列中の第1タイプパルスの時間間隔は、1msであり、いずれか2つの隣接するパルス列中の第2タイプパルスの時間間隔は、1.8msである。特定の配置方式については、
図7の(B)を参照されたい。あらゆる1.8×M
1個の第1タイプパルスは、1×M
2個の第2タイプパルスに対応することがあり、M
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルスを含むパルス列のそれぞれは、
図7の(B)における構成3を参照して構成されることがあり、M
1個の第1タイプパルスを含むがM
2個の第2タイプパルスを含まないパルス列のそれぞれは、
図7の(B)における構成2を参照して構成されることがある。いずれか2つの隣接するパルス列中の第1タイプパルスの時間間隔および第2タイプパルスの時間間隔が複数の関係にないとき、非整数比は、異なるパルス列中の第1タイプパルスが時系列において整合されることを不可能にする、と理解されることができる。その結果、いくつかのパルス列中の第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは異なり、すなわち、
図7の(B)に示されている異なるパルス列におけるtrに対するtgの比は異なる。
【0105】
上記の構成1は、
図6における(G)および(J)の2つのパルス構成の組合せを使用し、上記の構成3は、
図6における(G)および(A)の2つのパルス構成の組合せを使用することに留意されたい。これは構成方式の例にすぎない。別の例では、
図6に示されている他のパルスは、
図7に示されている時間間隔が満たされるとすれば、組み合わされた構成のために代替として使用されてもよい。詳細は、本出願では1つずつ列挙されない。
【0106】
上記の実装において、第1タイプパルスおよび/または第2タイプパルス間の時間間隔は、ファーフィールド角度分解能および/またはニアフィールド角度分解能を参照して決定され、したがって、パルス列中のパルスのそれぞれの相対位置は、角度分解能の現実の要件に基づいて正確に構成されることが可能であり、したがって、パルスのそれぞれは、検出サイクルのそれぞれにおける検出要件に基づいて送信され、それにより、検出効果を改善する。
【0107】
上記の実施形態1では、送信パルス制御方法の特定の実装処理について説明している。本出願は、送信パルス調整方法をさらに提供する。以下で、説明のための例として上記の実施形態1における第1のパルス列を使用し、第1のパルス列を参照して別のパルス列が実施されてもよい。
[実施形態2]
【0108】
図8は、本出願の実施形態による送信パルス調整方法の概略フローチャートの例を示す。
図8に示されているように、本方法は以下のステップを含む。
【0109】
ステップ801:制御装置が、第1のパルス列を送信するように送信モジュールを制御し、第1のパルス列は、M1個の第1タイプパルスおよびM2個の第2タイプパルスを含み、第1タイプパルスの電力は、第2タイプパルスの電力よりも大きく、M1は、1よりも大きい正の整数であり、M2は、正の整数である。
【0110】
ステップ802:制御装置は、第1のエコー信号を受信するように受信モジュールを制御する。
【0111】
任意選択の実装では、
図9は、本出願の実施形態による第1のパルス列および第1のエコー信号の提示形態の概略図の例を示す。この例では、第1のパルス列に含まれるパルスはR個(Rは2以上の正の整数である)の検出サイクル中で送信され、R個の検出サイクルのうちのいずれか2つの検出サイクル中で送信されるパルスの量、タイプ、および時間間隔は同じであると仮定される。たとえば、検出サイクルのそれぞれにおいて送信されるパルスは、第1のパルスTX1、第2の第2のパルスTX22、および第1の第2のパルスTX21を含み、第1のパルスTX1と第2の第2のパルスTX22との間の時間間隔は、Δt
1であり、第2の第2のパルスTX22と第1の第2のパルスTX21との間の時間間隔は、Δt
2である。この場合、制御装置は、R個の検出サイクル中でサブエコー信号を連続的に受信するように受信モジュールを制御し、次いで、R個の検出サイクル中でサブエコー信号において正常に検出されたパルスを蓄積して、第1のエコー信号を取得し得る。このようにして、第1のエコー信号は蓄積を通して取得され、したがって、第1のパルス列のすべての検出サイクル中のエコー信号に関するすべての情報が包括的に分析されることが可能であり、少量の一方的な情報を使用することによって分析を複数回実施する必要がなく、それにより、後続の分析の効率の改善に役立つ。
【0112】
ステップ803:制御装置は、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが異常であるかどうかを決定し、いいえの場合、ステップ804を実施するか、またははいの場合、ステップ805を実施する。
【0113】
上記のステップ803では、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが異常であることは、第1のエコー信号に対応するポイントクラウド上のピクセルもしくは視野が異常状態として表示されること、たとえば、干渉ポイント、ノイズポイント、もしくは空のポイントとして表示されること、または、ピクセルもしくは視野によって報告される距離、強度、もしくは反射率が後続の測定値を通して不正確であることなどを意味する。
【0114】
可能な実装では、第1のパルス列が送られた後に、受信された第1のエコー信号は、第1のパルス列に対応するサブエコー信号を含むことがあり、干渉パルスに対応するサブエコー信号をさらに含むことがある。したがって、制御装置は、第1のエコー信号中のサブエコー信号のそれぞれに対して以下の分析を実施して、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが異常であるかどうかを決定してもよい。
【0115】
パルス列中の時間間隔の比較
【0116】
パルス列中の時間間隔の比較では、第1のエコー信号中のサブエコー信号のそれぞれについて、制御装置は、第1のパルス列中のいずれかの検出サイクル中のいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔を、サブエコー信号のそれぞれにおけるいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔と比較し得る。比較が成功した場合、それは、サブエコー信号が第1のパルス列に完全に一致することができることを示し、サブエコー信号が、第1のパルス列に対応するサブエコー信号であり、サブエコー信号に対応するポイントクラウドが通常であることをさらに示す。比較が失敗した場合、それは、サブエコー信号が第1のパルス列に完全に一致することができないことを示し、サブエコー信号が異常エコー信号であり得ることをさらに示す。たとえば、サブエコー信号は、干渉パルスに対応するサブエコー信号であり得るか、または第1のパルス列に対応するサブエコー信号であり得るが、わずかな偏差を有する。この場合、制御装置は、サブエコー信号を「潜在的干渉信号」としてラベリングし得る。
【0117】
たとえば、
図9に示されている第1のパルス列および第1のエコー信号が例としてなお使用される。第1のパルス列は、
図9に示されている第1のエコー信号のみに対応し、別のエコー信号には対応しないと仮定される。この場合、蓄積を通して第1のエコー信号を取得した後に、制御装置は、第1のエコー信号中のいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔を計算し得る。第1のエコー信号中の第1のパルスと第2のパルスとの間の時間間隔はΔt
31であり、第2のパルスと第3のパルスとの間の時間間隔はΔt
41であると仮定される。この場合、制御装置は、第1のパルス列中のいずれかの検出サイクル中のいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔を、第1のエコー信号中のいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔と比較し、すなわち、第1のパルス列のいずれかの検出サイクル中の第1のパルスTX1と第2の第2のパルスTX22との間の時間間隔Δt
1を、第1のエコー信号中の第1のパルスと第2のパルスとの間の時間間隔Δt
31と比較し、第1のパルス列のいずれかの検出サイクル中の第2の第2のパルスTX22と第1の第2のパルスTX21との間の時間間隔Δt
2を、第1のエコー信号中の第2のパルスと第3のパルスとの間の時間間隔Δt
41と比較し得る。2つの比較における時間間隔が同じである場合、それは、第1のエコー信号中のパルス間の時間間隔が、第1のパルス列中のパルス間の時間間隔と同じであり、第1のエコー信号が、第1のパルス列に完全に一致することができ、第1のエコー信号が、第1のパルス列に対応する有効エコー信号であり、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが、通常であることを示す。反対に、2つの比較のうちの少なくとも1つにおける時間間隔が異なる場合、それは、第1のエコー信号中の少なくとも2つのパルス間の時間間隔が、第1のパルス列中の少なくとも2つのパルス間の時間間隔とは異なり、第1のエコー信号が、第1のパルス列に完全に一致することができないことを示す。この場合、「潜在的干渉信号」のラベルが第1のエコー信号に追加されてもよく、その後、第1のエコー信号が有効エコー信号であるのか干渉信号であるのかが、パルス列間の時間間隔を比較することによって決定される必要がある。
【0118】
上記の設計において、潜在的干渉信号としてラベリングすることは、識別方式の例にすぎないことに留意されたい。本出願は、LiDARが、マッチングを通して、潜在的干渉信号として決定されたサブエコー信号を識別することができるという条件で、潜在的干渉信号を識別するいかなる実装も限定しない。
【0119】
パルス列間の時間間隔の比較
【0120】
第1のエコー信号中のすべてのサブエコー信号を比較した後に、制御装置は、「疑わしい干渉信号」としてラベリングされたサブエコー信号のそれぞれについてパルス列間の時間間隔比較を実施し得る。特定の処理は以下の通りである。
【0121】
制御装置は、「潜在的干渉信号」としてラベリングされたサブエコー信号のそれぞれにおける第1タイプパルスのそれぞれとサブエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔と、第1のエコー信号の隣接するエコー信号中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔との間の差を計算し、第1のパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと第1のパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔と、第1のパルス列の隣接するパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔との間の差を計算し、この2つの差が、プリセットされた第1の偏差しきい値を超えないとき、「潜在的干渉信号」としてラベリングされたサブエコー信号のそれぞれにおいて第1タイプパルスのそれぞれとサブエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔を、第1のパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと第1のパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔と比較し得る(または、第1のエコー信号の隣接するエコー信号中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔を、第1のパルス列の隣接するパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔と比較し得る)。この2つの時間間隔の間の差が、プリセットされた第2の偏差しきい値を超えない場合、制御装置は、サブエコー信号のラベルを「有効信号」に修正する。この動作では、隣接するエコー信号がただ1つのサブエコー信号を含む場合、隣接するエコー信号の1つのサブエコー信号のみが比較される必要があるか、または隣接するエコー信号が複数のサブエコー信号を含む場合、隣接するエコー信号のサブエコー信号のそれぞれが比較される必要があることに留意されたい。1つのサブエコー信号は、プリセットされた第1の偏差しきい値を差が超えず、プリセットされた第2の偏差しきい値を差が超えないことを満たす限り、ラベルは修正され得る。プリセットされた第1の偏差しきい値およびプリセットされた第2の偏差しきい値は、同じであってもよいか、または異なってもよく、当業者によって経験に基づいて設定されてもよいか、または実験に基づいて決定されてもよい。これは特に限定されない。
【0122】
たとえば、制御装置はパルス列1およびパルス列2を連続的に送信し、パルス列1に対応するエコー信号はサブエコー信号1およびサブエコー信号2を含み、パルス列2に対応するエコー信号はサブエコー信号3のみを含むと仮定される。この場合、サブエコー信号1について、制御装置は、サブエコー信号1中の第1タイプパルスのそれぞれとサブエコー信号1の開始の瞬間との間の時間間隔と、サブエコー信号3中の第1タイプパルスのそれぞれとサブエコー信号3の開始の瞬間との間の時間間隔との間の差を計算し、パルス列1中の第1タイプパルスのそれぞれとパルス列1の開始の瞬間との間の時間間隔と、パルス列2中の第1タイプパルスのそれぞれとパルス列2の開始の瞬間との間の時間間隔との間の差を計算する。2つの差のいずれも、プリセットされた第1の偏差しきい値以上であるとき、サブエコー信号1中の第1タイプパルスのそれぞれとサブエコー信号1の開始の瞬間との間の時間間隔は、パルス列1中の第1タイプパルスのそれぞれとパルス列1の開始の瞬間との間の時間間隔と比較される(またはサブエコー信号3中の第1タイプパルスのそれぞれとサブエコー信号3の開始の瞬間との間の時間間隔は、パルス列2中の第1タイプパルスのそれぞれとパルス列2の開始の瞬間との間の時間間隔と比較される)。2つの差が、プリセットされた第2の偏差しきい値を超えない場合、サブエコー信号1のラベルは、「有効信号」に修正される。サブエコー信号2の比較処理はサブエコー信号1のものと合致し、詳細について本明細書で再び説明されないことに留意されたい。
【0123】
さらに、たとえば、
図9に示されている第1のパルス列および第1のエコー信号が例としてなお使用される。「潜在的干渉信号」のラベルは、パルス列中の時間間隔を比較するための上記の方法に従って第1のエコー信号に付けられ、プリセットされた第1の偏差しきい値とプリセットされた第2の偏差しきい値の両方は6nsであると仮定される。
図10は、本出願の実施形態によるパルス列の間の時間間隔比較の概略フローチャートの例を示す。
図10に示されているように、実装では、制御装置は、最初に、第1のエコー信号の隣接するエコー信号を取得し得る。隣接するエコー信号は、第1のエコー信号の前に受信されたサブエコー信号の最後のバッチによって形成される(第1のパルス列の前に送信される最後のパルス列に対応する)前のエコー信号と、第1のエコー信号の後に受信されたサブエコー信号の第1のバッチによって形成される(第1のパルス列の後に送信される第1のパルス列に対応する)次のエコー信号とを含む。次いで、制御装置は、第1のエコー信号中の第1タイプパルスのそれぞれと第1のエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔Δt
51と、いずれかの隣接するエコー信号中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔との間の差を計算し(隣接するエコー信号が前のエコー信号である場合、差はΔt
51-Δt
52であるか、または隣接するエコー信号が次のエコー信号である場合、差はΔt
51-Δt
53である)、第1のエコー信号に対応する送信パルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと送信パルス列の開始の瞬間との間の時間間隔と、隣接するパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔との間の差を計算し得る。さらに、第1のエコー信号の第1タイプパルスと第1のエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔が50nsであり、第1のエコー信号の隣接するエコー信号の第1タイプパルスと隣接するエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔が100nsである場合、差は50nsとして計算され得る。対応して、第1のエコー信号に対応する送信パルス列の第1タイプパルスと送信パルス列の開始の瞬間との間の時間間隔が55nsであり、送信パルス列の隣接する送信パルス列中の第1タイプパルスと隣接する送信パルス列の開始の瞬間との間の時間間隔が101nsである場合、差は46nsとして計算され得る。2つの差の間の差は4nsであるとわかることができ、これは6nsよりも小さい。したがって、2つの差は、プリセットされた第1の偏差しきい値を超えないと決定される。さらに、制御装置は、第1のエコー信号の第1タイプパルスのそれぞれと第1のエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔を、第1のエコー信号に対応する送信パルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと送信パルス列の開始の瞬間との間の時間間隔とさらに比較し(または第1のエコー信号に対応する隣接するエコー信号中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔を、第1のエコー信号に対応する送信パルス列の隣接するパルス列中の第1タイプパルスのそれぞれと隣接するパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔と比較する)、すなわち、第1のエコー信号の第1タイプパルスと第1のエコー信号の開始の瞬間との間の時間間隔50nsを、第1のエコー信号に対応する送信パルス列の第1タイプパルスと送信パルス列の開始の瞬間との間の時間間隔55nsと比較し得る。2つの時間間隔の間の差は5nsであるとわかることができ、これは6nsよりも小さい。したがって、2つの時間間隔は、プリセットされた第2の偏差しきい値を超えないと決定される。したがって、制御装置は、第1のエコー信号のラベルを「有効信号」に修正し得る。
【0124】
上記の設計において、有効信号をラベリングすることは、識別方式の例にすぎないことに留意されたい。本出願は、LiDARが、マッチングを通して、有効信号として決定されたサブエコー信号を識別することができるという条件で、有効信号を識別するいかなる実装をも限定しない。
【0125】
ポイントクラウド確認
【0126】
「潜在的干渉信号」としてラベリングされたすべてのサブエコー信号が、パルス列の間の時間間隔に基づいて比較および分析された後に、すべてのサブエコー信号のラベルが修正されない場合、それは、第1のエコー信号に有効信号がなく、第1のエコー信号が第1のパルス列に一致することができないことを示す。したがって、それは、第1のパルス列の抗干渉効果が不十分であり、結果的に、第1のパルス列に対応するエコー信号が理論的には干渉信号によってカバーされることを示す。この場合、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドは、異常状態として表示される。ただ1つのサブエコー信号のラベルが「有効信号」に修正された場合、それは、第1のエコー信号に単一の有効信号があることを示し、第1のエコー信号が第1のパルス列に厳密に一致することができることをさらに示す。この場合、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドは、通常状態として表示される。少なくとも2つのサブエコー信号のラベルが「有効信号」に修正された場合、干渉信号も、上記のマッチング処理におけるエラーにより、有効信号として一致することがある。理論的には、一致している結果は不正確である。ポイントクラウドは、「有効信号」としてラベリングされた少なくとも2つのサブエコー信号を表示するので、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドも異常状態として表示される。
【0127】
ステップ804:制御装置は、第1のパルス列を送信し続けるように送信モジュールを制御し、次いで、ステップ802を実施する。
【0128】
ステップ804において、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが通常であるとき、たとえば、第1のエコー信号に単一の有効信号があるとき、それは、第1のパルス列の時間間隔が適切に設定されており、基本的にエコー信号干渉が引き起こされないことを示す。この場合、制御装置は、その後、第1のパルス列を送信し続け、第1のパルス列を送信した後に再びエコー信号を受信し得る。エコー信号のポイントクラウドが通常であり続ける場合、制御装置は、第1のパルス列を送信し続け得る。
【0129】
ステップ805:制御装置は、第3のパルス列を送信するように送信モジュールを制御し、第3のパルス列は、第1のパルス列とは異なり、次いで、ステップ802を実施する。
【0130】
ステップ805において、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが異常であるとき、たとえば、第1のエコー信号が有効信号を有しないかまたは第1のエコー信号が複数の有効信号を有するとき、それは、第1のパルス列の時間間隔が適切に設定されておらず、一層厳しいエコー信号干渉が生成されることを示す。この場合、制御装置は、その後、第1のパルス列とは異なる第3のパルス列を送信し、第3のパルス列を送信した後にエコー信号を受信することがあり、エコー信号のポイントクラウドが依然として異常である場合、制御装置は、通常のポイントクラウドをもつエコー信号が受信されるまで、送信パルス列を調整し続け得る。このようにして、送信パルス列は調整されて、通常のポイントクラウドを生成できる送信パルス列を見つけることに役立ち、検出精度を改善する。
【0131】
可能な実装では、第1のエコー信号に有効信号がないとき、送信パルス列の抗干渉性能を改善するために、制御装置は、送信パルス列に含まれる第1タイプパルスの量を増加させることによって、パルス列に含まれるパルス間の時間間隔の量を相応に増加させてもよい。パルス間の時間間隔は、コーディング中に生成される乱数に関係するので、それは、パルス列に含まれ、乱数を使用することによって取得される時間間隔の量を増加させることと等価であり、これは、送信パルス列の抗干渉性能を改善することに役立つ。たとえば、第1のパルス列がM
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第1タイプパルスを含むとき、制御装置による制御下で送信される第3のパルス列は、M
5個の第1タイプパルスおよびM
2個の第1タイプパルスを含むことがあり、M
5の値は、M
1の値よりも大きい。第3のパルス列は、第1のパルス列に基づいて検出サイクルの量を増加させることおよび/または1つもしくは複数の検出サイクル中の第1タイプパルスの量を増加させることによって生成されてもよく、新たに追加された検出サイクルは、第1のパルス列における検出サイクルに合致して保持されてもよく、新たに追加された第1タイプパルスと別のパルスとの間の間隔は、特定の妨害によって制約されてもよい。たとえば、
図11は、本出願の実施形態による第1タイプパルスを追加する実装の概略図の例を示す。
図11の(A)は、第1のパルス列を示す。第1のパルス列は、3つの検出サイクルを含み、検出サイクルのそれぞれは、1つの第1タイプパルスおよび2つの第2タイプパルスを含む、と理解されることができる。
図11の(B)は、検出サイクルの量を増加させることによって生成される第3のパルス列を示す。第3のパルス列は、4つの検出サイクルを含み、検出サイクルのそれぞれは、1つの第1タイプパルスおよび2つの第2タイプパルスを含むと、理解されることができる。
図11の(C)は、1つまたは複数の検出サイクルに含まれる第1タイプパルスの量を増加させることによって生成される第3のパルス列を示す。第3のパルス列は、3つの検出サイクルをなお含むが、第1の検出サイクルおよび第3の検出サイクルはそれぞれ、2つの第1タイプパルスおよび2つの第2タイプパルスを含み、第2の検出サイクルは、1つの第1タイプパルスをなお含む、と理解されることができる。
【0132】
可能な実装では、第1のエコー信号に複数の有効信号があるとき、制御装置は、第1のパルス列に対応するいずれかの検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔をリフレッシュして、たとえば、第1のパルス列および第1のパルス列の隣接するパルス列のいずれかの検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔をリフレッシュして、第3のパルス列および第3のパルス列の隣接するパルス列を生成し得る。さらに、たとえば、3つの乱数がコーディング方式で再決定されてもよく、乱数のうちの1つは、前のパルス列のいずれかの検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の(前のエコー信号および前のパルス列が同じ時間間隔を有するとき
図10に示されているΔt
52に対応する)時間間隔に割り当てられて、第3のパルス列の前のパルス列を取得し、別の乱数は、第1のパルス列のいずれかの検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の(第1のエコー信号および第1のパルス列が同じ時間間隔を有するとき
図10に示されているΔt
51に対応する)時間間隔に割り当てられて、第3のパルス列を取得し、最後の乱数は、次のパルス列のいずれかの検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の(次のエコー信号および次のパルス列が同じ時間間隔を有するとき
図10に示されているΔt
53に対応する)時間間隔に割り当てられて、第3のパルス列の次のパルス列を取得する。このようにして、制御装置は、その後、それらの時間間隔がリフレッシュされる第3のパルス列および第3のパルス列の隣接するパルス列を使用することによって、エコー信号が送信パルス列に完全に一致することができるターゲットパルス列が見つけられるまで、検出を実施し続け得る。
【0133】
1つの検出サイクルが複数の第1タイプパルスを含むとき、制御装置は、検出サイクル中のいずれか1つまたは複数の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔をリフレッシュし得ることに留意されたい。たとえば、制御装置は、検出サイクル中の第1タイプパルス(たとえば、第1の第1タイプパルス)と検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔のみをリフレッシュし得る。このようにして、検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔は変化するが、いずれか2つの他のパルス間の時間間隔は変化しないままであり、したがって、検出サイクル中の第1タイプパルスのそれぞれと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔は変化する。加えて、検出サイクル中の時間間隔は、検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔、検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクル中の隣接する第2タイプパルスとの間の時間間隔、および検出サイクル中の第2タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔を含む。検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔がリフレッシュされた後に、検出サイクル中の第1タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔は変化するが、検出サイクル中の第2タイプパルスと検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔は変化しないままである。したがって、検出サイクル中の第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時間間隔も変化する。すなわち、第1のエコー信号に複数の有効信号があるとき、第3のパルス列中の各検出サイクル中で送信される第1タイプパルスと各検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔は、第1のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと検出サイクルのそれぞれの開始の瞬間との間の時間間隔とは異なることがあり、および/または第3のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時間間隔は、第1のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時間間隔とは異なる。
【0134】
上記の実施形態2では、第1のパルス列に対応する第1のエコー信号のポイントクラウドが異常であるとき、後続して送信されるパルス列は、後続して送信されるパルス列が通常のポイントクラウドを生成することができるように調整され、それにより、検出精度を改善する。加えて、エコー信号に対して列内時間間隔比較および列間時間間隔比較を実施することによって、送信パルス列の列内抗干渉性能および列間抗干渉性能は正確に決定されることが可能であり、したがって、後続して送信されるパルス列は、列内抗干渉性能および列間抗干渉性能を参照して調整されることが可能であり、したがって、後続して送信されるパルス列は、より良い列内抗干渉効果およびより良い列間抗干渉効果を達成し、それにより、検出精度を効果的に改善し、後続して構築されるポイントクラウドの品質を改善することができる。
【0135】
本出願で提供される制御方法は、物体を正確に検出する必要がある任意の情報システムにさらに拡張され得ることを理解されたい。本出願で提供される制御解決策を使用することによって正確な検出を実装するためのすべての技術的解決策は、本出願の保護範囲内に入り、本出願では1つずつ列挙されないことを理解されたい。
【0136】
本出願の実施形態で提供される制御解決策によれば、本出願は、少なくとも1つのプロセッサおよびインターフェース回路を含む、制御装置をさらに提供する。インターフェース回路は、少なくとも1つのプロセッサにデータまたはコード命令を提供するように構成され、少なくとも1つのプロセッサは、論理回路を使用することまたはコード命令を実行することによって、上記の制御装置によって実施される方法を実装するように構成される。
【0137】
本出願の実施形態で提供される制御解決策によれば、本出願は、制御装置および送信モジュールを含む、LiDARをさらに提供する。制御装置は、上記の制御装置によって実施される制御方法を実施するように構成され、送信モジュールは、制御装置の制御下でパルス列を送るように構成される。
【0138】
可能な設計では、LiDARは、走査機構をさらに含み、走査機構は、多面回転ミラー、振り子ミラー、MEMS走査ミラー、またはプリズムのうちの1つまたは複数を含む。
【0139】
可能な設計では、LiDARは、受信モジュールをさらに含み、受信モジュールは、エコー信号を受信するように構成され、制御装置は、エコー信号に基づいてターゲット特徴を決定するようにさらに構成される。
【0140】
本出願の実施形態で提供される制御解決策によれば、本出願は、上記の内容で説明されたLiDARを含む、端末デバイスをさらに提供する。端末デバイスの例は、限定はされないが、スマートホームデバイス(テレビジョン、フロア掃除ロボット、スマートデスクランプ、音響システム、インテリジェント照明システム、電気的制御システム、ホームバックグラウンドミュージック、ホームシアターシステム、インターコムシステム、およびビデオ監視システムなど)、インテリジェント輸送デバイス(車、船舶、無人航空機、列車、貨物車両、およびトラックなど)、インテリジェント製造デバイス(ロボット、工業デバイス、インテリジェントロジスティックス、およびスマートファクトリーなど)、ならびにインテリジェント端末(携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、パームトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ヘッドセット、音響デバイス、ウェアラブルデバイス、車両搭載型デバイス、仮想現実デバイス、拡張現実デバイスなど)を含む。
【0141】
本出願の実施形態で提供される制御解決策によれば、本出願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムが実行されたとき、上記の内容における制御装置によって実施される方法が実施される。
【0142】
本出願の実施形態で提供される制御解決策によれば、本出願は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品がプロセッサ上で動作したとき、上記の内容における制御装置によって実施される方法が実装される。
【0143】
本明細書で使用される「構成要素」、「モジュール」、および「システム」などの用語は、コンピュータ関連エンティティ、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組合せ、ソフトウェア、または実行されているソフトウェアを示すために使用される。たとえば、構成要素は、限定はされないが、プロセッサ上で実行される処理、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得る。図を使用することによって示されているように、コンピューティングデバイスと、コンピューティングデバイス上で動作されるアプリケーションとの両方が構成要素であり得る。1つまたは複数の構成要素は、処理および/または実行スレッド内に存在してもよく、構成要素は、1つのコンピュータ上に位置しおよび/または2つ以上のコンピュータ間で分散されてもよい。加えて、これらの構成要素は、様々なデータ構造を記憶する様々なコンピュータ可読媒体によって実行され得る。構成要素は、ローカル処理および/またはリモート処理を使用することによって、ならびに、たとえば、1つまたは複数のデータパケットを有する信号(たとえば、信号を使用することによって、ローカルシステム中の、分散システム中の、および/または他のシステムとインタラクトするインターネットなどのネットワーク上の、別の構成要素とインタラクトする2つの構成要素からのデータ)に基づいて通信し得る。
【0144】
当業者は、本明細書で開示される実施形態で説明される例示的な論理ブロック(illustrative logical block)と組み合わせて、ステップ(step)が、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって実装され得ることに気づき得る。機能がハードウェアによって実施されるのか、またはソフトウェアによって実施されるのかは、特定の適用および技術的解決策の設計制約条件に依存する。当業者は、特定の適用例ごとに説明される機能を実装するために異なる方法を使用し得るが、実装が本出願の範囲を越えると考えられるべきではない。
【0145】
便宜的で簡単な説明のために、上記のシステム、装置、およびユニットの詳細な作業処理については、上記の方法実施形態における対応する処理を参照されたいことが、当業者には明確に理解され得る。詳細について本明細書で再び説明されない。
【0146】
本出願で提供されるいくつかの実施形態では、開示されるシステム、装置、および方法は別の方式で実装され得ることを理解されたい。たとえば、説明された装置実施形態は例にすぎない。たとえば、ユニットへの分割は論理的な機能分割にすぎず、実際の実装では他の分割であってもよい。たとえば、複数のユニットまたは構成要素は組み合わされてもよくもしくは別のシステムに統合されてもよいか、またはいくつかの特徴は無視されてもよくもしくは実施されなくてもよい。加えて、表示または説明された相互結合もしくは直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを通して実装されてもよい。装置またはユニット間の間接的結合または通信接続は、電気的、機械的、または別の形態で実装されてもよい。
【0147】
別個の部分として説明されたユニットは、物理的に別個であることもあり、またはそうでないこともあり、ユニットとして表示された部分は、物理ユニットであることもあり、またはそうでないこともあり、1つの位置に位置し得るか、または複数のネットワークユニット上に分散され得る。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために実際の要件に基づいて選択されてもよい。
【0148】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットは1つの処理ユニットに統合されてもよいか、ユニットのそれぞれは物理的に単独で存在してもよいか、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0149】
機能が、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売または使用されるとき、機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本質的に本出願の技術的解決策、または従来技術に寄与する部分、または技術的解決策の一部は、ソフトウェア製品の形態で実装され得る。ソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本出願の実施形態において説明される方法のステップのすべてまたは一部を実施するようにコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスであり得る)に命令するためのいくつかの命令を含む。上記の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)、磁気ディスク、または光学ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0150】
上記の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図されたものではない。本出願で開示される技術範囲内で当業者によって容易に想到されるいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内に入るものである。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従わなければならないものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパルス列を送信するように送信モジュールを制御するステップであって、前記第1のパルス列は、M
1個の第1タイプパルスおよびM
2個の第2タイプパルスを含み、M
1は、1よりも大きい整数であり、M
2は、正の整数である、ステップと、
第2のパルス列を送信するように前記送信モジュールを制御するステップであって、前記第2のパルス列は、M
3個の第1タイプパルスおよび/またはM
4個の第2タイプパルスを含み、M
3およびM
4は、正の整数である、ステップと
を含み、
前記第1タイプパルスの電力は、前記第2タイプパルスの電力よりも大きく、前記第2のパルス列および前記第1のパルス列は、異なる送信時間期間を有するか、または異なる送信サブモジュールに対応するか、または検出視野中の異なるピクセルに対応するか、または異なる検出視野に対応するか、または異なる受信サブモジュールに対応する、
制御方法。
【請求項2】
前記方法は、
少なくとも前記第1のパルス列および前記第2のパルス列に基づいてポイントクラウドを生成するステップ
をさらに含み、前記第1のパルス列および前記第2のパルス列は、異なるポイントクラウドに対応する
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記第1のパルス列は、第1のパルス列セットおよび第2のパルス列セットに属し、前記第1のパルス列セット中のパルス列のそれぞれは、前記第1タイプパルスを含み、前記第2のパルス列セット中のパルス列のそれぞれは、前記第2タイプパルスを含み、
前記第1のパルスセット中のいずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルス間の時間間隔が、ファーフィールド角度分解能に基づいて決定され、
前記第2のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第2タイプパルス間の時間間隔が、ニアフィールド角度分解能に基づいて決定される
請求項1または2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記第1のパルス列は、第3のパルス列セットに属し、前記第3のパルス列セット中のパルス列のそれぞれは、前記第1タイプパルスおよび前記第2タイプパルスを含み
、
ニアフィールド角度分解能に対す
るファーフィールド角度分解能の比が整数であるとき、前記第3のパルス列セット中のいずれか2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、同じであるか、または
前記ニアフィールド角度分解能に対する前記ファーフィールド角度分解能の比が整数でないとき、前記第3のパルス列セット中の少なくとも2つのパルス列に対応する第1タイプパルスおよび第2タイプパルスの時間間隔オフセットは、異なる
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記第1のパルス列のために、前記M
1個の第1タイプパルスは、同じ電力をもつM
1個の第1のパルスを含み、前記M
2個の第2タイプパルスは、K個のタイプの第2のパルスを含み、前記K個のタイプの第2のパルスの電力は、異なり、前記K個のタイプの第2のパルスの量の和は、M
2であり、Kは、正の整数である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記M
1個の第1タイプパルスおよび前記M
2個の第2タイプパルスは、複数の検出サイクル中で送信され、検出サイクルのそれぞれで送信されるパルス列は、前記第1のパルス、および/または前記K個のタイプの第2のパルスのうちの1つもしくは複数を含む請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
いずれか2つの検出サイクル中で送信されるパルス列が、同じである請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
いずれかの検出サイクル中で送信されるパルス列が、前記第1のパルス、および前記K個のタイプの第2のパルスのうちの1つまたは複数を含むとき、前記第1のパルスと隣接する第2のパルスとの間の時間間隔は、前記第1のパルスの検出ブラインドエリアに対応する時間間隔以上である請求項6または7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記制御方法は、
第1のエコー信号を受信するように受信モジュールを制御するステップと、
第3のパルス列を送信するように前記送信モジュールを制御するステップであって、前記第3のパルス列は、前記第1のパルス列とは異なる、ステップと
をさらに含む請求項1乃至8のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項10】
前記第3のパルス列は、M
5個の第1タイプパルスを含み、M
5の値は、M
1の値よりも大きい請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記第3のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと前記検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔は、前記第1のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと前記検出サイクルの開始の瞬間との間の時間間隔とは異なり、および/または
前記第3のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時系列間隔は、前記第1のパルス列中の検出サイクルのそれぞれで送信される第1タイプパルスと隣接する第2タイプパルスとの間の時系列間隔とは異なる
請求項9または10に記載の制御方法。
【請求項12】
第3のパルス列を送信するように前記送信モジュールを制御する前記ステップの前に、前記方法は、
前記第1のエコー信号が有効信号を含まないかまたは複数の有効信号を含むと決定するステップ
をさらに含む請求項9乃至11のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項13】
前記第1のパルス列の第1タイプパルスと前記第1のパルス列の開始の瞬間との間の時間間隔が、コーディングを通して取得される請求項9乃至12のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサおよびインターフェース回路を備える、制御装置であって、前記インターフェース回路は、前記少なくとも1つのプロセッサにデータまたはコード命令を提供するように構成されており、前記少なくとも1つのプロセッサは、論理回路を使用することまたは前記コード命令を実行することによって請求項1乃至
13のいずれか一項に記載の方法を実装するように構成されている、制御装置。
【請求項15】
制御装置および送信モジュールを備える、LiDARであって、前記制御装置は、請求項1乃至
13のいずれか一項に記載の制御方法を実施するように構成されており、前記送信モジュールは、前記制御装置の制御下でパルス列を送信するように構成されている、LiDAR。
【請求項16】
前記LiDARは、走査機構をさらに備え、前記走査機構は、多面回転ミラー、振り子ミラー、微小電子機械システム(micro-electro-mechanical system, MEMS)走査ミラー、またはプリズムのうちの1つまたは複数を備える請求項
15に記載のLiDAR。
【請求項17】
前記LiDARは、受信モジュールをさらに備え、前記受信モジュールは、エコー信号を受信するように構成されており、前記制御装置は、前記エコー信号に基づいてターゲット特徴を決定するようにさらに構成されている請求項
15または
16に記載のLiDAR。
【請求項18】
請求項
15乃至
17のいずれか一項に記載のLiDARを備える、端末デバイス。
【請求項19】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムが実行されたとき、請求項1乃至
13のいずれか一項に記載の方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
命令を含むコンピュータプログラ
ムであって、
前記命令が、プロセッサ
によって実行されたとき、請求項1乃至
13のいずれか一項に記載の方法
を前記プロセッサに実行させる、コンピュータプログラ
ム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
制御装置110の制御能力および処理能力は、実装のために1つの構成要素に統合され得るか、または複数の構成要素において別々に実装され得ることに留意されたい。たとえば、制御装置110は、特に集積回路チップであってもよく、たとえば、汎用プロセッサであり得るか、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)であり得るか、または特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit, ASIC)であり得るか、システムオンチップ(system on chip, SoC)であり得るか、ネットワークプロセッサ(network processor, NP)であり得るか、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)であり得るか、マイクロコントローラユニット(micro controller unit, MCU)であり得るか、またはプログラマブル論理デバイス(programmable logic device, PLD)、もしくは別のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、個別ハードウェア構成要素、もしくは別の集積チップであり得る。制御装置110は、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)、ニューラルネットワーク処理ユニット(neural-network processing unit, NPU)、およびグラフィックス処理ユニット(graphics processing unit, GPU)を含んでもよく、アプリケーションプロセッサ(application processor, AP)、モデムプロセッサ、画像信号プロセッサ(image signal processor, ISP)、ビデオコーデック、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、および/またはベースバンドプロセッサをさらに含んでもよい。これは特に限定されない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
可能な実装では、第1タイプパルスの電力は同じであってもよく、または異なってもよく、第2タイプパルスの電力は同じであってもよく、または異なってもよい。たとえば、第1タイプパルスの電力は同じになるように設定されてもよく、第2タイプパルスの電力は異なるように設定されてもよい。このようにして、送信処理においてLiDARによって実施されるファーフィールド検出パルスを処理することの複雑さは簡略化されることが可能であり、ニアフィールド検出の動的範囲は増加されることが可能である。たとえば、第1のパルス列の構成処理が例として使用される。実装において、制御装置は、リモート検出要件に基づいて、リモート検出要件を満たす第1タイプパルスの電力および量を決定し得る。M1個の第1のパルスTx1が決定され、それぞれがP1の電力をもつと仮定される。加えて、動的最適化要件を満たす第2タイプパルスのタイプ、電力、および量が、動的最適化要件に基づいて決定される。たとえば、P21の電力をもつタイプ1の第2のパルスTx21が最初に構成され、P21<P1である。タイプ1の第2のパルスTx21が動的最適化要件を満たすのに十分であるかどうかが決定され、そうでない場合、P22の電力をもつタイプ2の第2のパルスTx22が構成され、P22<P21<P1またはP21<P22<P1である。タイプ1の第2のパルスTx21およびタイプ2の第2のパルスTx22が動的最適化要件を満たすのに十分であるかどうかが決定され、そうでない場合、動的最適化要件を満たすK個のタイプの第2のパルスTx21からTx2Kが見つけられるまで、P23の電力をもつタイプ3の第2のパルスTx23が構成され、P23<P22<P21<P1、またはP23<P21<P22<P1、またはP22<P21<P23<P1、またはP22<P23<P21<P1、またはP21<P22<P23<P1、またはP21<P23<P22<P1などである。K個のタイプの第2のパルスTx21からTx2Kの総量はM2であり、Kは正の整数である。このようにして、第1のパルス列が構成された後に、第1のパルス列中のM1個の第1タイプパルスは、同じ電力をもつM1個の第1のパルスを含み、第1のパルス列中のM2個の第2タイプパルスは、異なる電力をもつK個のタイプの第2のパルスを含み、K個のタイプの第2のパルスの量の和は、M2であり、Kは、正の整数である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
提示形態4:検出サイクル中で送られるパルス列は、第1のパルスT
x1、ならびにタイプ1の第2のパルスT
x21およびタイプ2の第2のパルスT
x22のうちの1つを含む。送信方式は以下の通りであり得る。
図6の(L)に示されているように、第1のパルスT
x1およびタイプ1の第2のパルスTx21は連続的に送信されるか、または
図6の(M)に示されているように、第1のパルスT
x1およびタイプ2の第2のパルスTx22は連続的に送信されるか、または
図6の(N)に示されているように、タイプ1の第2のパルスTx21および第1のパルスT
x1は連続的に送信されるか、または
図6の(O)に示されているように、タイプ2の第2のパルスTx22および第1のパルスT
x1は連続的に送信される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
さらに、第1タイプパルスおよび隣接する第2タイプパルス以外のいずれか2つの隣接するパルス、たとえば、第3のパルス列セット中のいずれかのパルス列中のいずれか2つの隣接する第2タイプパルス、第1のパルス列セット中にあり、第1タイプパルスを含むが第2タイプパルスを含まないパルス列中のいずれか2つの隣接する第1タイプパルス、または第2のパルス列セット中にあり、第2タイプパルスを含むが第1タイプパルスを含まないパルス列中のいずれか2つの隣接する第2タイプパルス間の時間間隔、ならびにいずれかのパルス列中のいずれかの検出サイクルの開始の瞬間と検出サイクル中の第1タイプパルスとの間の時間間隔は、コーディングを通して取得され得る。コーディングは、時間間隔として乱数を生成するための方法を使用することによって乱数が値範囲内で生成されることを意味する。たとえば、
図6の(A)に示されている検出サイクルが例として使用される。制御装置は、コーディングを通して乱数を生成し、検出サイクルの開始の瞬間と第1のパルスTx1との間の時間間隔としてこの乱数を設定し、コーディングを通して別の乱数を生成し、タイプ2の第2のパルスTx22とタイプ1の第2のパルスT
x21との間の時間間隔としてこの別の乱数を設定し得る。これらの2つの乱数はランダムに生成され、同じであるかまたは異なってもよく、これは特に限定されない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
任意選択の実装では、
図9は、本出願の実施形態による第1のパルス列および第1のエコー信号の提示形態の概略図の例を示す。この例では、第1のパルス列に含まれるパルスはR個(Rは2以上の正の整数である)の検出サイクル中で送信され、R個の検出サイクルのうちのいずれか2つの検出サイクル中で送信されるパルスの量、タイプ、および時間間隔は同じであると仮定される。たとえば、検出サイクルのそれぞれにおいて送信されるパルスは、第1のパルスT
x1、第2の第2のパルスT
x22、および第1の第2のパルスT
x21を含み、第1のパルスT
x1と第2の第2のパルスT
x22との間の時間間隔は、Δt
1であり、第2の第2のパルスT
x22と第1の第2のパルスT
x21との間の時間間隔は、Δt
2である。この場合、制御装置は、R個の検出サイクル中でサブエコー信号を連続的に受信するように受信モジュールを制御し、次いで、R個の検出サイクル中でサブエコー信号において正常に検出されたパルスを蓄積して、第1のエコー信号を取得し得る。このようにして、第1のエコー信号は蓄積を通して取得され、したがって、第1のパルス列のすべての検出サイクル中のエコー信号に関するすべての情報が包括的に分析されることが可能であり、少量の一方的な情報を使用することによって分析を複数回実施する必要がなく、それにより、後続の分析の効率の改善に役立つ。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
たとえば、
図9に示されている第1のパルス列および第1のエコー信号が例としてなお使用される。第1のパルス列は、
図9に示されている第1のエコー信号のみに対応し、別のエコー信号には対応しないと仮定される。この場合、蓄積を通して第1のエコー信号を取得した後に、制御装置は、第1のエコー信号中のいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔を計算し得る。第1のエコー信号中の第1のパルスと第2のパルスとの間の時間間隔はΔt
31であり、第2のパルスと第3のパルスとの間の時間間隔はΔt
41であると仮定される。この場合、制御装置は、第1のパルス列中のいずれかの検出サイクル中のいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔を、第1のエコー信号中のいずれか2つの隣接するパルス間の時間間隔と比較し、すなわち、第1のパルス列のいずれかの検出サイクル中の第1のパルスT
x1と第2の第2のパルスT
x22との間の時間間隔Δt
1を、第1のエコー信号中の第1のパルスと第2のパルスとの間の時間間隔Δt
31と比較し、第1のパルス列のいずれかの検出サイクル中の第2の第2のパルスT
x22と第1の第2のパルスT
x21との間の時間間隔Δt
2を、第1のエコー信号中の第2のパルスと第3のパルスとの間の時間間隔Δt
41と比較し得る。2つの比較における時間間隔が同じである場合、それは、第1のエコー信号中のパルス間の時間間隔が、第1のパルス列中のパルス間の時間間隔と同じであり、第1のエコー信号が、第1のパルス列に完全に一致することができ、第1のエコー信号が、第1のパルス列に対応する有効エコー信号であり、第1のエコー信号に対応するポイントクラウドが、通常であることを示す。反対に、2つの比較のうちの少なくとも1つにおける時間間隔が異なる場合、それは、第1のエコー信号中の少なくとも2つのパルス間の時間間隔が、第1のパルス列中の少なくとも2つのパルス間の時間間隔とは異なり、第1のエコー信号が、第1のパルス列に完全に一致することができないことを示す。この場合、「潜在的干渉信号」のラベルが第1のエコー信号に追加されてもよく、その後、第1のエコー信号が有効エコー信号であるのか干渉信号であるのかが、パルス列間の時間間隔を比較することによって決定される必要がある。
【国際調査報告】