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特表2024-536438薬物送達デバイス又はそのサブコンポーネントの特性評価装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】薬物送達デバイス又はそのサブコンポーネントの特性評価装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20240927BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A61M5/31 520
A61M5/20 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521134
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022045303
(87)【国際公開番号】W WO2023064119
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/254,294
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モガッダム,セイエド・レザ・ミルハッサーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジャザイェリ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ハリリ,エドガルド
(72)【発明者】
【氏名】サルダナ,シンディ
(72)【発明者】
【氏名】バレンズエラ,セルジオ・ジョバンニ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066EE14
4C066HH02
4C066HH12
4C066QQ78
(57)【要約】
オートインジェクタ(AI)のリアサブアセンブリを特性評価する装置、システム、及び方法が提供される。オートインジェクタ(AI)の注入時間(IT)モデルを生成する装置、システム、及び方法も提供される。オートインジェクタ(AI)(例えば、機械式AI、ばね荷重式AI等)、AI内で使用するためのコンポーネント(例えば、プレフィルドシリンジ(PFS)、リアサブアセンブリ(RSA)等)、及び関連する方法は、シックスシグマ設計(DFSS)及び信頼性及び製造性考慮設計(DRM)と共に数学的モデリングを用いて、機械式オートインジェクタ(AI)の注入時間(IT)の確実性を確保する上流制御を確立することができる。例えば、解放及び押出(BLE)通知限界、リアサブアセンブリ(RSA)曲線下面積(AUC)、RSA最小力等が決定され、任意の所与のPFSに対するRSAを選択するために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアサブアセンブリ(RSA)出力力特性評価方法であって、
シリンジなし(SyFR)リアサブアセンブリ(RSA)動作装置を用意することと、
前記シリンジなし(SyFR)リアサブアセンブリ(RSA)動作装置を使用して、RSA出力力プロファイルデータを生成することであって、前記RSA出力力プロファイルデータは、リアサブアセンブリ(RSA)出力力プロファイルを表すものである、ことと、
前記RSA出力力プロファイルデータに基づいてRSA出力エネルギープロファイルを生成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
プランジャロッド変位量xの関数としての前記RSA出力力プロファイルデータは、
sp(x)=Ksp(Lcomp-x)
によって表され、
式中、Kspは、RSA有効ばね定数を表し、Lcompは、RSA有効圧縮長さを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リアサブアセンブリ(RSA)出力力プロファイルデータは、曲線下面積(AUC)を表す、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記リアサブアセンブリ(RSA)出力力プロファイルデータは、最小力を表す、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記リアサブアセンブリ(RSA)出力力プロファイルデータは、起動前の力を表す、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記リアサブアセンブリ(RSA)出力力プロファイルデータは、起動力を表す、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
薬物送達デバイス又は薬物送達デバイスのリアサブアセンブリの出力力を特性評価するための装置であって、
前記薬物送達デバイス又は前記リアサブアセンブリを当該装置に固定するように構成されたドライバホルダであって、前記薬物送達デバイス又は前記リアサブアセンブリは、圧縮位置と伸長位置とを有する駆動部材を含む、ドライバホルダと、
前記駆動部材が前記圧縮位置から前記伸長位置に移動する際に、前記駆動部材に関連する出力力データを測定するように構成された力センサと、
押出速度データを受け取るように構成された押出速度入力であって、前記押出速度データは、前記駆動部材の速度を表すものである、押出速度入力と、
前記出力力データ及び前記押出速度入力データを受け取り、前記出力力データに基づいて出力力プロファイルを生成するように構成されたコントローラであって、前記コントローラは更に、前記出力力プロファイルデータに基づいて出力エネルギープロファイルを生成するように構成されている、コントローラと、
を含む、装置。
【請求項8】
シリンジなし(SyFR)リアサブアセンブリ治具として構成されている、請求項7に記載のリアサブアセンブリ(RSA)特性評価装置。
【請求項9】
リアサブアセンブリ(RSA)を特性評価するように構成されており、RSA出力力プロファイルは機械的負荷に比例し、前記コントローラは更に、様々なRSAプランジャ運動を通して前記リアサブアセンブリに順次加えられる一連の機械的負荷に基づいてRSA特性評価データを生成するように構成されている、請求項7又は8に記載のリアサブアセンブリ(RSA)特性評価装置。
【請求項10】
リアサブアセンブリ(RSA)ベースを更に含む、請求項7~9のいずれか一項に記載のリアサブアセンブリ(RSA)特性評価装置。
【請求項11】
前記RSAに慣性力を与えるように構成された円板部を更に含む、請求項7~10のいずれか一項に記載のリアサブアセンブリ(RSA)特性評価装置。
【請求項12】
プロセッサによって実行されると、前記プロセッサにオートインジェクタの注入時間(IT)モデルを生成させるコンピュータ可読命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令の実行により、前記プロセッサに、
プレフィルドシリンジ(PFS)解放及び押出抵抗(BLER)データを受信させ、前記BLERデータは、各々の押出速度を達成するために必要な力の量を表すものであり、
リアサブアセンブリ(RSA)出力力プロファイルデータを受信させ、
前記BLERデータ及び前記RSA出力力プロファイルデータに基づいて前記オートインジェクタの注入時間(IT)モデルを生成させる、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記BLERデータは、全量注入を通して薬物製品(DP)を押し出すのに必要な力の量を表すものである、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記命令の更なる実行により、前記プロセッサに、
【数1】
(式中、
【数2】
は、押出速度を表し、Cは、前記PFSの二次減衰係数を表し、Cは、前記PFSの一次減衰係数を表し、Fは、前記PFSの低速滑動力を表し、Cは、前記PFS内の薬物製品(DP)の非ニュートン挙動を示す)
に基づいて、前記プレフィルドシリンジ(PFS)解放及び押出抵抗(BLER)データをパラメータ化させる、
請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
がゼロよりも大きい場合、前記DPのせん断増粘挙動が推測される、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
がゼロよりも小さい場合、前記DPのせん断減粘挙動が推測される、請求項14又は15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
がほぼゼロに等しい場合、前記DPのニュートン挙動が推測される、請求項14~16のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
は、前記PFSの低速滑動力を表す、請求項14~17のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
は、注入中にプランジャストッパが移動し続けるような力の量である、請求項14~18のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
は、前記AIの失速を回避するような力の量である、請求項14~19のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2021年10月11日に出願された米国仮特許出願第63/254,294号明細書に対する優先権が主張され、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、自動薬物製品インジェクタに関する。より具体的には、本開示は、プレフィルドシリンジ(PFS)データ及びリアサブアセンブリ(RSA)データに基づいてオートインジェクタ(AI)の注入時間(IT)モデルを生成することに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの薬物製品が製造され、例えばオートインジェクタ(AI)に包装されている。AIは、プレフィルドシリンジ(PFS)と、AIがユーザによって起動されたときにPFSから薬物製品(DP)を自動的に押し出す力を提供するためのリアサブアセンブリ(RSA)とを含み得る。
【0004】
注入時間(IT)は、例えばDP製造者によって指定されることが多い。既知のAIでは、一貫したITの達成が問題となることが多い。特定のPFSに対するRSAの選択は、最善を尽くしても困難である。したがって、既知のAIは、指定された注入時間を確実に達成できないことが多い。
【0005】
オートインジェクタ(AI)のリアサブアセンブリを特性評価する装置、システム、及び方法も必要とされている。オートインジェクタ(AI)の注入時間(IT)モデルを生成する装置、システム、及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
リアサブアセンブリ(RSA)出力力特性評価方法は、シリンジなし(SyFR)リアサブアセンブリ(RSA)動作装置を用意することを含み得る。本方法はまた、シリンジなし(SyFR)リアサブアセンブリ(RSA)動作装置を使用して、RSA出力力プロファイルデータを生成することを含み得る。RSA出力力プロファイルデータは、リアサブアセンブリ(RSA)出力力プロファイルを表すものであり得る。本方法は、RSA出力力プロファイルデータに基づいてRSA出力エネルギープロファイルを生成することを更に含み得る。
【0007】
別の実施形態では、薬物送達デバイス又は薬物送達デバイスのリアサブアセンブリの出力力を特性評価するための装置は、薬物送達デバイス又はリアサブアセンブリを装置に固定するように構成されたドライバホルダを含み得る。薬物送達デバイス又はリアサブアセンブリは、圧縮位置と伸長位置とを有する駆動部材を含み得る。装置はまた、駆動部材が圧縮位置から伸長位置に移動する際に、駆動部材に関連する出力力データを測定するように構成された力センサを含み得る。装置は、押出速度データを受け取るように構成された押出速度入力を更に含み得る。押出速度データは、駆動部材の速度を表すものであり得る。装置は、出力力データ及び押出速度入力データを受け取り、出力力データに基づいて出力力プロファイルを生成するように構成されたコントローラをまた更に含み得る。コントローラは更に、出力力プロファイルデータに基づいて出力エネルギープロファイルを生成するように構成され得る。
【0008】
更なる実施形態では、プロセッサによって実行されると、プロセッサにオートインジェクタの注入時間(IT)モデルを生成させるコンピュータ可読命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体。命令の実行により、プロセッサにプレフィルドシリンジ(PFS)解放及び押出抵抗(BLER)データを受信させることができる。BLERデータは、各々の押出速度を達成するために必要な力の量を表すものであり得る。命令の更なる実行により、プロセッサにリアサブアセンブリ(RSA)出力力プロファイルデータを受信させることができる。命令の更なる実行により、プロセッサに、BLERデータ及びRSA出力力プロファイルデータに基づいてオートインジェクタの注入時間(IT)モデルを生成させることができる。
【0009】
本開示は、以下の説明を付属の図面と併せて解釈することで、より完全に理解されるものと考えられる。図面のいくつかは、他の要素をより明確に示す目的で、選択された要素の省略により簡略化されている場合がある。いくつかの図面における要素のこのような省略は、対応する記述された説明に明示的に規定されている場合を除き、複数の例示的な実施形態のいずれにおいても特定の要素の有無を必ずしも示すものではない。また、いずれの図面も、必ずしも正確な縮尺で示されているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】オートインジェクタ(AI)の例示的な注入時間(IT)モデルのブロック図を示す。
図2A】例示的なオートインジェクタ(AI)の様々な図を示す。
図2B】例示的なオートインジェクタ(AI)の様々な図を示す。
図2C】例示的なオートインジェクタ(AI)の様々な図を示す。
図3】オートインジェクタ(AI)のITモデルを生成するための例示的なシステムを示す。
図4】例示的なリアサブアセンブリ(RSA)試験治具を示す。
図5A】オートインジェクタ(AI)のITモデルを生成するための例示的なシステムを示す。
図5B】オートインジェクタ(AI)のITモデルを生成するための例示的なシステムを示す。
図5C】オートインジェクタ(AI)のITモデルを生成するための例示的なシステムを示す。
図5D】オートインジェクタ(AI)のITモデルを生成するための例示的なシステムを示す。
図5E】オートインジェクタ(AI)のITモデルを生成するための例示的なシステムを示す。
図6】プレフィルドシリンジ(PFS)の例示的な解放及び押出抵抗(BLER)プロファイルを示す。
図7】例示的なリアサブアセンブリ(RSA)出力力プロファイルを示す。
図8】ITモデルに使用される例示的な力平衡解析を示す。
図9】例示的な仮説的最大プレフィルドシリンジ(PFS)解放及び押出抵抗(BLER)プロファイルを示す。
図10】薬物製品押出の例示的な最小エネルギー曲線下面積(AUC)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明確化のために描かれているものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解するであろう。例えば、図中の要素のうちいくつかの寸法及び/又は相対位置は、本発明の様々な実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して誇張される場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用又は必要な、一般的ではあるが十分に理解されている要素は、これらの様々な実施形態の図をあまり妨げないようにするために示されないことが多い。更に、特定の行為及び/又は工程は、特定の発生順序で記載される又は示される場合があることは認識されるであろうが、当業者であれば、順序に関するこのような特定性は実際には必要ないことを理解するであろう。更に、特定の行為及び/又は工程は、特定の発生順序で記載される又は示される場合があることは認識されるであろうが、当業者であれば、順序に関するこのような特定性は実際には必要ないことを理解するであろう。また、本明細書で使用する用語及び表現が、本明細書で異なる特定の意味が別途明記されている場合を除き、上述の技術分野の当業者がそのような用語及び表現で認識する通常の技術的意味を有していることが理解されるであろう。
【0012】
オートインジェクタ(AI)のリアサブアセンブリを特性評価する装置、システム、及び方法が提供される。オートインジェクタ(AI)の注入時間(IT)モデルを生成する装置、システム、及び方法も提供される。
【0013】
オートインジェクタ(AI)(例えば、機械式AI、ばね荷重式AIなど)、AI内で使用するためのコンポーネント(例えば、プレフィルドシリンジ(PFS)、リアサブアセンブリ(RSA)など)、及び関連する方法は、シックスシグマ設計(DFSS)及び信頼性及び製造性考慮設計(DRM)と共に数学的モデリングを用いて、機械式オートインジェクタ(AI)の注入時間(IT)の確実性を確保する上流制御を確立することができる。例えば、解放及び押出(BLE)通知限界、リアサブアセンブリ(RSA)曲線下面積(AUC)、RSA最小力等が決定され、任意の所与のPFSに対するRSAを選択するために使用され得る。
【0014】
オートインジェクタ(AI)(例えば、機械式AI、ばね荷重式機械式AI等)の注入時間(IT)性能の確実性を確保するために、上流制御(例えば、解放及び押出(BLE)通知限界、曲線下面積(AUC)、失速力等)が確立され得る。これらの制御により、AIの品質を確保することができ、コンポーネント仕様(例えば、PFS仕様、RSA仕様等)とユーザ仕様(例えば、注入時間(IT)等)との間のギャップを埋めることによって客の経験を向上させる可能性がある。将来の薬物製品(DP)及びオートインジェクタ(AI)に転用可能な持続可能且つ再現性のあるAI設計フレームワークが提供される。
【0015】
図1を参照すると、注入時間(IT)モデル生成システム100のブロック図は、解放及び押出(BLE)105通知限界106と、プレフィルドシリンジ(PFS)押出力107データ変換と、ITモデルパラメータ化111を伴う解放及び押出抵抗(BLER)110と、コンポーネント仕様116を有するリアサブアセンブリ115と、RSA特性評価プロファイルデータ117とを含み得、これらは、ユーザ仕様126を有する注入時間(IT)125に対する入力120として組み合わされる。注入時間(IT)モデル生成システム100は、例えば本明細書で詳述するような数学的モデルを使用してAIのIT性能を予測することができる。モデル生成システム100は、プレフィルドシリンジ(PFS)及びリアサブアセンブリ(RSA)の経験的データを使用してITを予測することができる。したがって、モデル生成システム100は、コンポーネント(PFS及びRSA)仕様をユーザ仕様(IT)に容易に接続することができる。PFS抵抗は、BLE並びに解放及び押出抵抗(BLER)力を使用して定量化され得る。RSAの機械的パフォーマンスは、RSA出力力測定値を使用して特性評価され得る。ITの数学的モデルに関する詳細は、本明細書中に含まれる。
【0016】
図2A図2Cを参照すると、注入時間(IT)モデル生成システム200a~cは、プレフィルドシリンジ(PFS)235a~cとリアサブアセンブリ(RSA)240a~c(例えば、機械式RSA、ばね荷重式RSAなど)とを有するオートインジェクタ(AI)230a~c(例えば、単回使用のばね荷重式AIなど)を含み得る。
【0017】
図3を参照すると、オートインジェクタ(AI)注入時間(IT)モデル生成システム300は、プレフィルドシリンジ(PFS)330の解放及び押出力データ331とRSA340及びRSA治具350からのリアサブアセンブリ(RSA)特性評価データ341とを受信することを含み得る。オートインジェクタ注入時間(IT)モデル生成システム300はまた、入力デバイス328と、ディスプレイデバイス374と、プリンタ379とを有するリモートデバイス370を含み得る。ディスプレイデバイス374は、例えば、オートインジェクタ(AI)の注入時間(IT)モデルを生成するように構成されたユーザインタフェース375を含み得る。
【0018】
図4を参照すると、オートインジェクタ(AI)注入時間(IT)モデル生成システム400は、リアサブアセンブリ(RSA)治具450(例えば、シリンジなし(SyFR)RSA試験治具など)とリアサブアセンブリ(RSA)440とを含み得る。RSA治具450は、ベース451と、円板部452と、シリンジドライバホルダ453と、RSA負荷適用部454とを含み得る。RSA治具は、負荷適用部454及びRSA440からリアサブアセンブリ(RSA)特性評価データを生成することができる。
【0019】
リアサブアセンブリ治具450は、薬物送達デバイス又は薬物送達デバイスのリアサブアセンブリの出力力を特性評価するように構成され得る。治具450は、薬物送達デバイス又はリアサブアセンブリを治具450に固定するように構成されたドライバホルダ453を含み得る。薬物送達デバイス又はリアサブアセンブリは、圧縮位置と伸長位置とを有する駆動部材を含み得る。装置はまた、駆動部材が圧縮位置から伸長位置に移動する際に、駆動部材に関連する出力力データを測定するように構成された力センサ456を含み得る。治具450は、駆動部材の押出速度を提供するように構成された押出速度センサ457を更に含み得る。治具450は、センサ456から出力力データを受け取り、出力力データに基づいて出力力プロファイルを生成するように構成されたコントローラ455をまた更に含み得る。コントローラ455は更に、出力力プロファイルデータ及び押出速度データに基づいて出力エネルギープロファイルを生成するように構成され得る。
【0020】
図5A図5Eを参照すると、オートインジェクタ注入時間(IT)モデル生成システム500a~eは、ネットワーク580aを介してリモートデバイス(例えばサーバ)570a、d、eと通信するプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cを含み得る。プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cは、例えば、図3のプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス350と同様であり得る。リモートデバイス570a、d、eは、例えば図1のリモートデバイス120と同様であり得る。
【0021】
オートインジェクタ注入時間(IT)モデル生成システム500a~eは、例えば、RSAデータ及び/又はPFSデータをPFS及びRSAデータベース576aを提供するために、プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cとリモートデバイス570a、d、e(例えば、リモートサーバ、クラウドベースのリソース等)との間で通信を実施することができる。
【0022】
例えば、オートインジェクタ注入時間(IT)モデル生成システム500a~eは、例えばプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cのユーザからプレフィルドシリンジデータ(例えば、プレフィルドシリンジ物理寸法データ、プレフィルドシリンジ光伝送データ、プレフィルドシリンジ製造データ等)を取得することができる。代替的又は追加的に、図5A図5Eには示されていないが、シリンジデータ及び/又はBLERデータは、第三者データソース(例えば、シリンジ製造者、薬剤製造者等)から自動的に得られてもよい。本明細書で詳述されるように、オートインジェクタ注入時間(IT)モデル生成システム500a~eは、オートインジェクタの注入時間(IT)モデル(AI)を例えばBLERデータ及びRSA特性評価データに基づいて自動的に生成することができる。
【0023】
明確にするために、図5Aには、1つのプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cのみが示されている。図5Aは、1つのプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cのみを示すが、任意の数のプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cが支持され得ることは理解されたい。プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cは、それぞれモジュール552aを格納及び実行するためのメモリ551a及びプロセッサ553aを含み得る。コンピュータ可読命令セットとしてメモリ551aに格納されるモジュール552aは、AIのITモデルを自動的に生成するためのアプリケーションに関連し得る。
【0024】
本明細書で詳述されるように、モジュール552aは、関連するプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cとリモートデバイス570a、d、eとの間の相互作用を促進し得る。例えば、プロセッサ553aは、モジュール552aを更に実行して、ネットワークインタフェース556a、通信リンク581a、ネットワーク580a、リモートデバイス通信リンク582a、及びリモートデバイスネットワークインタフェース577aを介したリモートデバイス570a、d、eとプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cとの間の通信を促進し得る。
【0025】
プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cは、ユーザ入力デバイスと共に、ユーザインタフェース554aを含んでもよく、ユーザインタフェース554aは、タッチスクリーンディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、陰極線管(CRT)ディスプレイ、又は任意の他のタイプの既知の若しくは好適な電子ディスプレイなどの任意のタイプの電子ディスプレイデバイスであってもよい。ユーザインタフェース554aは、リモートデバイス570a、d、eと通信するようにプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cを構成するためのユーザインタフェースを示すユーザインタフェース(例えば、任意のユーザインタフェース375等)を呈し得る。
【0026】
ネットワークインタフェース580aは、例えば無線LAN、MAN若しくはWAN、WiFi、インターネット、又はこれらの任意の組み合わせを含む任意の無線通信ネットワーク580aを介して、プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cとリモートデバイス570a、d、eとの間の通信を促進するように構成され得る。更に、プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cは、例えば無線LAN及びWAN、衛星及びセルラー電話通信システム等を含む無線通信ネットワークなどの無線通信構造を使用するものを含む、任意の一般公開されている又は私有の通信ネットワークなどの任意の適切な通信システムを介して、リモートデバイス570a、d、eに通信可能に接続されてもよい。プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cは、例えば、プレフィルドシリンジデータ及び/又はRSAデータを、例えばリモートデバイス570a、d、e、メモリ571a並びに/又はリモートPFS及びRSAデータベース576aに送信させ、格納させることができる。
【0027】
プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cは、PFSデータソース531a及びRSAデータソース541aを含み得る。本明細書で詳述されるように、プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cは、例えば、プロセッサ543aにPFSデータ331及び/又はRSAデータ341を取得させるように構成され得る。
【0028】
リモートデバイス450b、eは、モジュール572aをそれぞれ格納及び実行するためのユーザインタフェース574a、メモリ571a、及びプロセッサ573aを含み得る。コンピュータ可読命令セットとしてメモリ571aに格納されるモジュール572aは、AIのITモデルを自動的に生成することに関連するアプリケーションを促進し得る。モジュール572aはまた、ネットワークインタフェース577a及びネットワーク580a及び他の機能及び命令を介した、リモートデバイス570a、d、eとプレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cとの間の通信を促進し得る。
【0029】
リモートデバイス570a、d、eは、プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cに通信可能に結合され得る。図5Aには、プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550aは、リモートデバイス570aに通信可能に結合されているものとして示されているが、PFS及びRSAデータベース576aは、リモートデバイス570a、d、eに通信可能に結合された別個のリモートサーバ(又は任意の他の適切なコンピューティングデバイス)内に位置してもよいことは理解されたい。任意選択的に、PFS及びRSAデータベース576aの一部は、プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cのメモリ551aなどの、互いに別個のメモリモジュールに関連付けられ得る。
【0030】
プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cは、ユーザインタフェース生成モジュール552b、プレフィルドシリンジデータ受信モジュール553b、BLERパラメータ化モジュール554b、RSAシリンジなしデータ受信モジュール555b、PFSデータ送信モジュール556b、及びRSAデータ送信モジュール557bを含んでもよく、これらは、例えば、コンピュータ可読命令セットとしてメモリ551bに格納されている。いずれにしても、モジュール552b~557bは、例えば、図5Aのモジュール552aと同様であり得る。
【0031】
プレフィルドシリンジ(PFS)及び/又はシリンジなしリアサブアセンブリデバイス550a~cを動作させる方法は、例えばモジュール552b~557bの少なくとも一部を実行する第1のプロセッサ(例えば、プロセッサ553a)によって実施され得る。特に、プロセッサ553aは、ユーザインタフェース生成モジュール552bを実行して、プロセッサ553aに、例えばユーザインタフェース375を生成させてもよい(ブロック552e)。ユーザインタフェースは、ユーザが、例えばプレフィルドシリンジデータ及び/又はRSAデータを入力することを可能にし得る。
【0032】
プロセッサ553aは、シリンジデータ受信モジュール553bを実行して、プロセッサ553aに、例えば、プレフィルドシリンジ製造者、薬剤製造者等からプレフィルドシリンジデータを受信させてもよい(ブロック553c)。プロセッサ553aは、BLERパラメータ化モジュール554bを実行して、プロセッサ553aに、例えば、シリンジデータをパラメータ化させてもよい(ブロック554c)。プロセッサ553aは、RSAシリンジなしデータ受信モジュール555bを実行して、プロセッサ553aに、例えば、RSAシリンジなしデータを受信させてもよい(ブロック555c)。プロセッサ553aは、PFSデータ送信モジュール556bを実行して、プロセッサ553aに、例えば、PFSデータを送信させてもよい(ブロック556c)。プロセッサ553aは、RSAデータ送信モジュール557bを実行して、プロセッサ553aに、例えば、RSAデータを送信させてもよい(ブロック556c)。
【0033】
リモートデバイス570a、d、eは、ユーザインタフェース生成モジュール572d、シリンジデータ受信モジュール573d、RSAデータ受信モジュール574d、PFSデータパラメータ化モジュール575d、RSA特性評価モジュール576d、注入時間(IT)モデル生成モジュール577d、解放及び押出(BLE)通知限界決定モジュール578d、BLE抵抗(BLER)力決定モジュール579d、RSA曲線下面積(AUC)データ生成モジュール580d、及びRSA最小力決定モジュール581dを含んでもよく、これらは、例えば、コンピュータ可読命令セットとしてメモリ571dに格納される。いずれにしても、モジュール572d~581dは、例えば、図5Aのモジュール552aと同様であり得る。
【0034】
リモートデバイス500eを動作させる方法は、例えばモジュール572d~581dの少なくとも一部を実行するプロセッサ(例えば、プロセッサ573a)によって実施されてもよい。特に、プロセッサ573aは、ユーザインタフェース生成モジュール572dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、ユーザインタフェース375等を生成させてもよい(ブロック572e)。
【0035】
プロセッサ573aは、シリンジデータ受信モジュール573dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、ユーザインタフェースを介してユーザから及び/又は第三者プレフィルドシリンジデータベースからプレフィルドシリンジデータを受信させてもよい(ブロック573e)。プロセッサ573aは、RSAデータ受信モジュール574dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、RSAデータを受信させてもよい(ブロック574e)。
【0036】
プロセッサ573aは、PFSデータパラメータ化モジュール575dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、PFSデータをパラメータ化させてもよい(ブロック575e)。プロセッサ573aは、RSA特性評価モジュール576dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、RSAを特性評価させてもよい(ブロック576e)。プロセッサ573aは、注入時間(IT)モデル生成モジュール577dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、AIのITモデルを生成させてもよい(ブロック577e)。プロセッサ573aは、解放及び押出(BLE)通知限界決定モジュール578dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、解放及び押出(BLE)通知限界を決定させてもよい(ブロック578e)。
【0037】
プロセッサ573aは、BLE抵抗(BLER)力決定モジュール579dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、BLER力を決定させてもよい(ブロック579e)。プロセッサ573aは、RSA曲線下面積(AUC)データ生成モジュール580dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、RSA AUCデータを生成させてもよい(ブロック580e)。プロセッサ573aは、RSA最小力決定モジュール581dを実行して、プロセッサ573aに、例えば、RSA最小力を決定させてもよい(ブロック581e)。
【0038】
図6を参照すると、注入時間(IT)モデル生成システム600は、Repatha(登録商標)PFSのBLER方法を使用して測定した力のグラフ表現601を生成するために使用したデータに基づいてITモデルを生成することができる。この試験方法は、単一シリンジ内で様々な速度にわたって試験を実施することにより、単一PFSの注入挙動を特性評価し得る。そこで使用される試験速度は、ばね荷重式機械式オートインジェクタ(AI)を介した例えば薬物製品(DP)の注入中に発生する速度プロファイルを表すものであり得る。様々な速度におけるPFSの抵抗を完全に特性評価することで、BLE通知限界を例えば注入時間(IT)の数学的モデルによって定義することが可能になる。更に、この(BLER)特性評価をPFSに対して実施することで、PFS押出力がAI出力力にどのように関連するかについてのより深い洞察がもたらされる可能性がある。
【0039】
BLER試験方法で収集するプレフィルドシリンジデータを利用して、BLERプロファイル(例えば、図6のBLERプロファイル601等)が、注入時間(IT)の数学的モデル内での使用のためにパラメータ化され得る。プレフィルドシリンジ(PFS)BLERプロファイルは、例えば、押出速度の二次関数としてパラメータ化され得る(例えば、図6のグラフ601に示されるデータ等)。BLER力プロファイル(Fpfs)は、
【数1】
によりパラメータ化され得る。
【0040】
式1中、
【数2】
は、押出速度を表し、C、C、及びFは、それぞれPFSの二次及び一次減衰係数並びに低速滑動力を表す。Cは、シリンジ内のDPの非ニュートン挙動を示す。Cがゼロよりも大きい場合、DPのせん断増粘挙動が推測される。他方で、Cがゼロよりも小さい場合、DPのせん断減粘挙動が推測される。Cがゼロに近い場合、線形曲線が予想され、したがって、DPのニュートン挙動が推測される。Fは、PFSの低速滑動力を表し、注入中にプランジャストッパが移動し続け、関連するAIの失速を回避するのに必要な力の量と推測される。
【0041】
式1は、ITを予測するためのITの数学的モデル内で使用され得る。BLER方法は、全量注入を通して生じる様々な押出速度において薬物製品(DP)を押し出すのに必要な力の量の定量的測定値を提供し得る。
【0042】
リアサブアセンブリ(RSA)出力力特性評価方法(例えば、シリンジなし(SyFR)放出試験法等)は、RSAの出力力に関する定量的情報を、例えば、AIのRSAのみが存在する状態での曲線下面積(AUC)、最小力、起動前の力、及び起動力の形態で収集し得る。これらの測定値は、関連するオートインジェクタ(AI)の注入時間(IT)を予測するために使用され得る。SyFR方法は、関連するリアサブアセンブリ(RSA)のアクチュエータスリーブの動きを拘束しない可能性があり、RSAのプランジャロッドの移動中に生じる可能性のある摩擦力を十分に考慮に入れることによってより正確な測定を可能にし得る。SyFR方法は、全ての機械式AIに適用され得る。
【0043】
図7を参照すると、注入時間(IT)モデル生成システム700は、2.9kgfのRSAに関してシリンジなし試験治具450を使用して測定したRSA出力力プロファイル701を含み得る。SyFR試験治具を使用して収集され、式2を使用してパラメータ化された図7の出力力プロファイル701は、RSAのプランジャロッドがプランジャストッパに作用する力を、プランジャロッド変位量の関数として表したものであり得る。xとxとの間に定義される間隔は、DP押出中の関心領域であり、ITを計算するときに使用される。この間隔は、プランジャロッドの伸長量を表すものであり、プランジャロッドがプランジャストッパに圧力を加える時点に開始し、プランジャストッパがシリンジの円錐体領域上で底に達した時点で終了する(投与の終了)。注入を完了するためにRSAが示す利用可能なエネルギー(注入エネルギー)は、設定された間隔内のAUCと定義される。AUCは、この間隔にわたって出力力プロファイルを積分することにより計算され得る。AUCは、ITと強い相関があるため、AIの注入性能に寄与する因子である。
sp(x)=Ksp(Lcomp-x) 式2
【0044】
式2中、Fsp(x)は、プランジャロッド変位量の関数としてのRSA力、Kspは、RSA有効ばね定数を表し、Lcompは、RSA有効圧縮長さを表す。
【0045】
図7に示される注入間隔にわたる最小出力力は、薬物製品(DP)押出中にプランジャロッドがプランジャストッパに作用する最小力を表し得る。リアサブアセンブリ(RSA)は、例えば、関連するオートインジェクタ(AI)が全量注入中に失速を経験することのないようにするために、最小力を加えるように構成され得る。
【0046】
注入時間(IT)の数学的モデリングは、図8に記載されているように、PFSのプランジャストッパに関する準定常力平衡解析によって導出された非線形常微分方程式(式3)を数値的に解くことによって動作し得る。式3は、式1と式2を等価とすることによって導出され得る。式の右辺は、本文書で前述した定数を含むことに留意されたい。ITモデルは、PFSから全量のDPを押し出すために、プランジャストッパがシリンジ内で必要な長さを移動するのにかかる時間量を提供する。
【0047】
pfsは、例えば、BLER試験方法及びPFSBLERプロファイル(例えば、図6のプロファイル601等)のパラメータ化を使用して特性評価され得る。
【0048】
spは、例えば、RSA出力力試験方法及びRSA出力力プロファイル(例えば、図7のプロファイル701等)のパラメータ化を使用して特性評価され得る。
【数3】
【0049】
図8を参照すると、注入時間(IT)モデル生成システム800は、プロファイル801によって示されるようなITモデルに使用される力平衡解析を実施し得る。ITの数学的モデルを使用して、RSA性能の99%下限許容区間(TI)(SyFR方法を使用して特性評価され、(RSA母集団の99%下限TIと組み合わされた場合(図7)DPを15秒未満のITで押し出すことができる最大BLERプロファイルを使用してパラメータ化される)が特性評価される。この仮説的BLERプロファイルから、BLE(通常、MET-406768に従って205mm/minの押出速度で測定される)は、抽出され、DP PFSのBLE通知限界として実現され得る。また、この仮説的最大BLERプロファイルから、最大低速滑動力が抽出され得る。図9のグラフ901は、例えば、図10に提供されるようなRSAデータに基づく、プレフィルドシリンジ(PFS)(例えば、Repatha PFS等)に対するこの手法の実施を示す。グラフ1001によって示されるように、それぞれ、14NのBLE通知限界及び2.5Nの最大滑動力が推測され得る。
【0050】
図9を更に参照すると、RSAプロファイルの99%下限TI母集団と組み合わされた場合(図7に示される)に15秒未満のITを可能にする仮説的最大Repatha BLERプロファイル901(図6からスケールアップ)が示されている。抽出されたBLE通知限界には、アスタリスクが付されている。抽出された最大低速滑動力にも、アスタリスクが付されている。
【0051】
所望の注入時間に達するために、最小曲線下面積(AUC)が定義される。BLE通知限界が設定されると、次いで、BLE通知限界よりも小さいBLE値を示す任意のPFSに関して指定したITでのDPの注入に必要な最小エネルギー(AUC)を、ITモデルを使用して特性評価することができる。式4は、AUC、C、C、F、及びΔx(x-x)の関数としてのITの表現を提供し得る。
【0052】
図10を更に参照すると、Repatha PFSが14NのBLE通知限界よりも小さいBLE値を示すことを前提とした、15秒未満のITでRepathaを押し出すのに必要なAUCの特性評価である。本明細書中に記載のアプローチを使用すると、BLE通知限界よりも小さいBLE値が、式4を用いて導出された物理学に基づく限界(例えば、Repatha PFSに関しては0.31J(図10)等)よりも大きいAUCを示すRSAと組み合わされた場合、注入時間(IT)は、関連するIT仕様未満(例えば、Repatha PFSに関しては15秒(図10)等)であることが理論的には保証され得るものと推測される。そのPFS BLE及びAUCを前提として、関連するIT仕様を確実に満たすために、オートインジェクタ(AI)の設計空間が特定され得る。
【数4】
【0053】
図10は、15秒未満のITでRepathaを押し出すための最小エネルギー(AUC)が、14NのBLE通知限界よりも小さいBLE値を示す全てのPFSに関して、0.31Jとして特性評価されていることを示す。AIのITモデルは、例えば、注入の失速を回避するための最小力を定義し得る。注入間隔の終了時の最小力(x)は、RSAが提供することができる最小量の力であると推測され得る。セクション2.d.で説明したアプローチを使用すると、最大低速滑動力は、注入中にプランジャストッパが停止することを防止するのに必要な力の量として特性評価される。図10の最小力が図9の最大滑動力よりも大きい場合、注入の失速の回避が保証され得ることになる。したがって、仮説的最大BLERの最大滑動力を、注入の失速を回避するためにRSAが必要とする最小力として設定することができる。
【0054】
上述の説明では、プレフィルドシリンジ等の薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、要素、サブシステム、及び使用方法について記述している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法、又は薬物送達デバイス(即ち、プレフィルドシリンジ)はまた、以下で特定する薬物だけでなく、それらの後発医薬品及びバイオシミラー対応物を含むがこれらに限定されない薬物を含む、又は当該薬物と併せて使用され得る。本明細書で使用される場合、薬物という用語は、他の類似の用語と交換可能に使用でき、伝統的及び非伝統的な医薬品、栄養補助食品、サプリメント、生物学的製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的同等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、小分子、及びジェネリック医薬品を含む、任意の種類の薬剤又は治療用材料を指すために使用することができる。非治療的な注入可能材料も含まれる。薬物は、液状、凍結乾燥形態、又は凍結乾燥形態から再構成された形態であり得る。下記の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0055】
薬物は、例えば、プレフィルドシリンジ内のリザーバに収容される。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物が充填又は事前充填される一次容器である。一次容器は、バイアル、カートリッジ、又はプレフィルドシリンジであり得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されてもよい、又はそれらと共にデバイスを使用することができる。このようなG-CSF製剤には、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルグラスチム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006;ペグフィルグラスチム-bmez)又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が含まれるが、それらに限定されない。
【0057】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容してもよい、又はこれ共に使用されてもよい。ESAは、赤血球造血を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態では、ESAは、赤血球造血刺激タンパク質である。本明細書で使用する場合、「赤血球造血刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、若しくは誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質としては、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、並びにそれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
特に例示的なタンパク質には、融合体、断片、類似体、変異体又はそれらの誘導体を含む、以下に列挙する特異性タンパク質が含まれる。完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質など;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活性を阻害する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体などのヒトCD22特異IgG抗体を特に含むが、それに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むが、それに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるが、それに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むが、それに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むが、それに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むが、それに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のその天然の受容体であるICOSとの相互作用を阻害するものを含むが、それに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」並びにB7H2、ICOSL、B7h及びCD275とも称される);例えば145c7など、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むが、それらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体などのIL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ヒトIFNガンマ特異抗体を含むが、それに限定されない、且つ完全ヒト抗IFNガンマ抗体を含むが、それに限定されないIFNガンマ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体などのHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質など;TGF-ベータ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アミロイド-ベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むが、それに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-スレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-スレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新しい赤血球造血刺激タンパク質(NESP);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ又はエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-ベータ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Kanjinti(商標)(トラスツズマブ-anns)抗HER2モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー又は乳癌若しくは胃癌の治療のためのトラスツズマブを含有する別の製品;Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Mvasi(商標)(ベバシズマブ-awwb);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthrax(商標);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン);VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチマイブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツズマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル(C.difficile)毒素A並びに毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEA
K mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;及び抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)。
【0059】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS 804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後の骨粗鬆症及び/又は骨折治癒の治療のためのロモソズマブを含有する別の製品などであるがそれらに限定されないスクレロスチン抗体、並びに他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)、を収容し得る、又はこれらと共に使用され得る。このようなPCSK9特異抗体としては、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容してもよい、又はこれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むが、それらに限定されない、黒色腫又は他の癌の治療のためのIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填され得る、又はそれらと共にデバイスを使用することができる。いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスは、TIMP-3などであるがそれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を収容し得る、又はこれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)又は片頭痛の治療のためのエレヌマブを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。エレヌマブ並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子などであるが、それらに限定されないヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体も本開示の薬物送達デバイスを用いて送達され得る。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)などであるがそれらに限定されない二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体を、本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体などであるがそれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容し得る、又はこれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が、本開示の薬物送達デバイス内で、又はこれと共に使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNF αモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)のバイオシミラー(Janssen Biotech,Inc.)若しくは自己免疫疾患の治療のためのインフリキシマブを含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド又は多発性骨髄腫の治療のためのカルフィルゾミブを含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、若しくは様々な炎症性疾患の治療のためのアプレミラストを含有する別の製品を収容し得る、又はこれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)若しくは血液透析中の慢性腎疾患(KD)を有する患者などにおける二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の治療のためのエテルカルセチドHClを含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補又は抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGF拮抗薬などのVEGF拮抗薬及び/又はアフリベルセプトなどのVEGFトラップ(IgG1のFcドメインに縮合した、VEGFR1からのIgドメイン2及びVEGFR2からのIgドメイン3)を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補又は補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ICOSL及びBAFF活性を同時に遮断する新しい二重特異性抗体-ペプチドコンジュゲートであるロジバフスプアルファ(旧AMG 570)を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、心臓の収縮機構を直接的に標的化するオメカムチブメカルビル、小分子選択的心筋ミオシン活性化因子若しくはミオトロープ又は小分子選択的心筋ミオシン活性化因子を含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(旧AMG 510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するテゼペルマブ、ヒトモノクローナル抗体又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、インターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体であるAMG 714又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を減らすAMG 890、低分子干渉RNA(siRNA)又はリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補若しくはヒトIgG1カッパ抗体を含有し、且つ/又はヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)若しくはAmgevita(商標)(旧ABP 501)(mab抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補又はヒトmab抗TNFヒトIgG1を含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 160又は半減期延長(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はそれらと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 133又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 171又は増殖分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 176又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 199又は半減期延長(HLE)二重特異性T細胞エンゲージャーコンストラクト(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 256又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞においてインターロイキン21(IL-21)経路を選択的に活性化するように設計された抗PD-1×IL21ムテイン及び/若しくはIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 330又は抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 404又は固形腫瘍を有する患者のための治療として調査されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 427又は半減期延長(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 430又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 506又は固形腫瘍のための治療として研究されている多重特異性FAP×4-1BB標的化DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を収容し得る、又はこれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 509又は二価T細胞エンゲージャーを含有し及びXmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計される別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 562又は半減期延長(HLE)CD19×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバリューキンアルファ(以前にはAMG 592)又はIL-2ムテインFc融合タンパク質を含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では
、薬物送達デバイスは、AMG 596又はCD3×上皮増殖因子受容体vIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)分子を含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 673又は半減期延長(HLE)抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 701又は半減期延長(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 757又は半減期延長(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 910又は半減期延長(HLE)上皮細胞タイトジャンクション構成タンパク質クローディン18.2×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャー)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はそれと共に使用され得る。
【0060】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム及び方法を例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらに限定されない。詳細な説明は、単に例示として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替実施形態を実施することができるが、このような実施形態は、依然として、本明細書に開示される本発明を定義する請求項の範囲内に入る。
【0061】
詳細な説明は、単に例示として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替実施形態を実施することができるが、このような実施形態は、依然として、本明細書に開示される本発明を定義する請求項の範囲内に入る。当業者であれば、本明細書に開示される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する多様な修正形態、変更形態及び組み合わせがなされ得ることと、そうした修正形態、変更形態及び組み合わせが本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】