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特表2024-536453周辺観察システムのバーチャルカメラの位置と向きを定めるための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】周辺観察システムのバーチャルカメラの位置と向きを定めるための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240927BHJP
   B60R 1/31 20220101ALI20240927BHJP
   B60R 1/27 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B60R1/31
B60R1/27
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521287
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 DE2022200234
(87)【国際公開番号】W WO2023078514
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】102021212445.3
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】アイヒ・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シャーウプ・ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ファイ・ヴォルフガング
【テーマコード(参考)】
5C054
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FD02
5C054FD03
5C054FD07
5C054FE18
5C054HA30
(57)【要約】
本発明は、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに基づいて車両(1)の周辺部を、車両(1)の表示ユニット(2)上に表示できる様にするためにバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを決定するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに基づいて車両(1)の周辺部を、車両(1)の表示ユニット(2)上に表示できる様にするためにバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを決定するための方法であって、以下のステップを包含することを特徴とする方法:
- 車両(1)の複数のカメラ(3)によって車両周辺部を捕捉し、これらカメラ(3)の情報に基づいて最新の車両周辺情報作成するステップ(S10);
- 複数のデータセットが保存されているメモリユニット(4)を提供するステップ(S11)、但し、該データセットは、それぞれ、車両(1)の複数のカメラ(3)によって補足され、保存された車両周辺情報、及び、これら保存された車両周辺情報に帰属されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報を包含している;
- 最新の車両周辺情報と少なくとも一つのデータセットの保存されている車両周辺情報とを比較するステップ(S12);
- 少なくとも一つのデータセットに対する少なくとも一つの類似性パラメータを割り出すステップ(S13)、但し、該類似性パラメータは、それぞれ、最新の車両周辺情報の保存されている各々のデータセットの保存されている車両周辺情報との類似性の度合いを示すものである;
- 類似性パラメータが、予め定められている閾値よりも大きい場合は、保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションに関する情報を読み出し、バーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションを、読み出されたバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションの情報を基に決定するステップ(S14);
【請求項2】
最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報とを比較すると言うタスクに、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との間における画像類似性と画像特徴を比較することも包含されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該演算ユニットが、複数のデータセットに対する複数の類似性パラメータを割り出し、規定値との比較に最大類似性パラメータを用いるために、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において最大の一致度を示す最大類似性パラメータを決定し、最大類似性パラメータが得られた保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジションとオリエンテーションに関する情報を読み出すことができる様に構成されていることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項4】
該データセットが、それぞれ、位置と関連した周辺情報を有しており、少なくとも一つの類似性パラメータの割出しをするために実施される最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との比較、並びに、類似性パラメータと閾値との比較によって、車両(1)が、既に、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションが割り出されている車両ポジションにあるか否かが、割り出されることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
車両(1)が、センサベースの位置検出システム(6)を有しており、データセットがそれぞれ、該位置検出システム(6)から提供された各々の保存されている車両周辺情報が捕捉された地理学的位置を示すポジションデータを有していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
位置情報が、センサベースの位置検出システム(6)によって割り出され、該位置情報が、データセット内に保存されているポジションデータと比較され、位置情報と、データセット内に保存されているポジションデータとの比較によって、類似性パラメータを割り出すために用いられるデータセットの数が限定されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
車両の演算ユニット(5)が、カメラ(3)によって提供された情報から、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを基に、車両(1)の表示ユニット(2)上に空間的・遠近法的な周辺情報として表示される三次元周辺情報を作成することを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
空間的・遠近法的周辺情報が、車両(1)自体の遠近法的視像を包含していることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
車両(1)の周りに分散配置された複数のカメラ(3)、これらカメラ(3)から提供された情報を処理するための演算ユニット(5)、メモリユニット(4)、並びに、車両(1)の周辺情報を表示できる様に構成された表示ユニット(2)を包含しているシステムであって、該演算ユニット(5)が、以下のステップを実行できるように構成されていることを特徴とするシステム:
- 車両(1)の複数のカメラ(3)によって車両周辺部を捕捉し、これらカメラ(3)の情報に基づいて最新の車両周辺情報作成するステップ;
- 複数のデータセットをメモリユニット(4)に保存するステップ、但し、データセットは、それぞれ、車両(1)の複数のカメラ(3)によって補足され、保存された車両周辺情報、及び、これら保存された車両周辺情報に帰属されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報を包含している;
- 最新の車両周辺情報と少なくとも一つのデータセットの保存されている車両周辺情報とを比較するステップ;
- 少なくとも一つのデータセットに対する少なくとも一つの類似性パラメータを割り出すステップ、但し、該類似性パラメータは、それぞれ、最新の車両周辺情報の保存されている各々のデータセットの保存されている車両周辺情報との類似性の度合いを示すものである;
- 類似性パラメータが、予め定められている閾値よりも大きい場合は、保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションに関する情報を読み出し、バーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションを、読み出されたバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションの情報を基に決定するステップ;
【請求項10】
該演算ユニット(5)が、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報を比較するために、画像類似性を割出し、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において画像特徴を比較できるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
該演算ユニット(5)が、複数のデータセットに対する複数の類似性パラメータを割り出し、規定値との比較に最大類似性パラメータを用いるために、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において最大の一致度を示す最大類似性パラメータを決定し、最大類似性パラメータが得られた保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジションとオリエンテーションに関する情報を読み出すことができる様に構成されていることを特徴とする請求項9乃至10に記載のシステム。
【請求項12】
車両(1)が、センサベースの位置検出システム(6)を有しており、該演算ユニット(3)が、データセットに、該位置検出システム(6)から提供された各々の保存されている車両周辺情報が捕捉された地理学的位置を示すポジションデータを保存する様にコンフィグレーションされていることを特徴とする請求項9から11のうち何れか一項に記載のシステム。
【請求項13】
該センサベースの位置検出システム(6)が、地理学的位置情報を割り出すために構成されており、該演算ユニット(5)が、地理学的位置情報を、データセット内に保存されているポジションデータと比較し、この位置情報とデータセット内に保存されているポジションデータとの比較により、データセットを、それぞれ類似性パラメータの割出しが実施されるものだけに限定する様にコンフィグレーションされていることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
該演算ユニット(5)が、カメラ(3)によって提供された情報から、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを基に、車両(1)の表示ユニット(2)上に空間的・遠近法的な周辺情報として表示される三次元周辺情報を作成できる様にコンフィグレーションされていることを特徴とする請求項9から13のうち何れか一項に記載のシステム。
【請求項15】
該演算ユニット(5)が、空間的・遠近法的周辺情報に、車両(1)自体の遠近法的視像も描写できる様にコンフィグレーションされていることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の周辺観察システムの分野に関する。特に、本発明は、周辺観察システムのバーチャルカメラの位置と向きを定めるための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の周辺観察システムは、原則的に既知である。特には、三次元且つ遠近法的に車両周りの360°サラウンドビューを可能にする所謂3Dサラウンドビュー・システムである周辺観察システムが既知である。この様なシステムの場合、複数のカメラの画像情報が、サラウンドビュー描写につなげられ、空間的・遠近法的な描写を得るために三次元の表面にマッピングされる。車両の周辺部の空間的・遠近法的な描写は、既知のシステムでは、様々な視点から実施される。この様にすることで、バーチャルカメラの位置と向き、即ち、バーチャル観察者が、そのシーンを観察している位置と視線方向を、車両の周辺部の様々な領域を観察できるように、変更することができる。特に好ましくは、バーチャルカメラの位置と向きは、例えば、周辺領域のみならず、その周辺領域内において概車両が認識できる様に選択されることができる。
【0003】
従来の周辺観察システムは、バーチャルカメラの位置と向きは、ユーザによって、それぞれ状況に応じて、車両の表示ユニット上に重要な領域を表示できるように選択されなければならない。よって、車両ユーザは、車両の運転に集中できず、短所であると感じる、更には、事故の原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを起点とした本発明の課題は、周辺観察システムのバーチャルカメラの位置と向きを自動的に決定できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項1記載の特徴を持つ方法によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。周辺観察システムのバーチャルカメラの位置と向きを決定するためのシステムは、並列独立請求項9の対象である。
【0006】
第一アスペクトによれば、周辺観察システムのバーチャルカメラの位置と向きを決定するための方法が、開示される。このバーチャルなカメラポジションとカメラオリエンテーションに基づいて、車両の周辺情報が、車両の表示ユニット上に描写される。言い換えれば、バーチャルカメラの位置と向きを決定することにより、その方向から周辺情報が観察される視点が定義される。ここでは、概方法は、以下のステップを包含している:
【0007】
先ず、車両の複数のカメラによって車両周辺部が捕捉され、これらカメラの情報に基づいて最新の車両周辺情報が、作成される。特に好ましくは、これらカメラから提供された画像情報は、最新の車両周辺の360°サラウンドビューを可能にするために互いにつなげられる。
【0008】
加えて、複数のデータセットを保存できるメモリユニットが提供される。該データセットは、それぞれ、車両の複数のカメラによって捕捉され、保存された車両周辺情報を包含している。加えて、これらのデータセットは、各々のデータセットに関して、保存されている車両周辺情報の、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションへの帰属が実施できる様に、それぞれバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報も包含している。これらのデータセットは、好ましくはドライバーによって、その走行状況中に、選択されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションが、車両周辺情報と共に保存されることによって、作成される。
【0009】
続いて、その時点において捕捉された該車両周辺情報は、メモリユニット内に保存されている少なくとも一つのデータセットの車両周辺情報と比較される。
【0010】
次いで、少なくとも一つのデータセットに対する少なくとも一つの類似性パラメータが、割り出される。類似性パラメータは、捕捉された最新の車両周辺情報の各々のデータセットに保存されている車両周辺情報に対する各々の類似性の度合いを与えるものである。
【0011】
最後に、類似性パラメータが、閾値と比較される。仮に、類似性パラメータが、予め定められている閾値よりも大きい場合、保存された車両周辺情報を包含するデータセットのバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報が、読み出される。加えて、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションは、読み出されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報を基に決定される、要するに、周辺情報の描写は、読み出されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報によって決定された視点から実施される。
【0012】
本方法は、過去においてバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションがその様に決定されたことがあり、これらのバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに基づいて、車両周辺部の描写が、車両の表示ユニット上に実施されるバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを、該車両周辺部用として、周辺観察システムが、自動的に選択できる様になると言う技術的長所を有している。これにより、ドライバーが、過去において決めたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを再度使用したい場合、周辺観察システムへのドライバーによる介入は、必要とされない。即ち、ドライバーは、周辺観察システムの操作によって気を取られなくなり、走行マヌーバに対してより集中できるため、ドライバーアシストシステムのユーザフレンドリー性がより向上する。
【0013】
ある実施例によれば、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報とを比較すると言うタスクには、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との間における画像類似性と画像特徴を比較することも包含されている。この方法をとれば、画像処理をすることにより、バーチャル・カメラポジションとバーチャル・カメラオリエンテーションに関する情報が既に存在している位置に車両がいるかいないかを割り出すことができる。
【0014】
ある実施例によれば、複数の異なるデータセット間に対して複数の類似性パラメータが割り出される。この際、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との間において最も一致度が高い、最も大きな類似性パラメータが割り出される。そして、該閾値との比較には、この最大・類似性パラメータが用いられる。バーチャル・カメラポジションとバーチャル・カメラオリエンテーションを決定するために、最大・類似性パラメータを得た保存されている車両周辺情報を包含するデータセットのバーチャル・カメラポジションとバーチャル・カメラオリエンテーションに関する情報が、読み出される。こうすることにより、複数のデータセットの車両周辺情報を調べることができ、バーチャル・カメラポジションとバーチャル・カメラオリエンテーションを決定するために、それに保存されている車両周辺情報が、最新の車両周辺情報と最も一致している乃至類似しているデータセットを用いることが可能になる。
【0015】
ある実施例によれば、データセットは、それぞれ位置と関連した周辺情報を有している。少なくとも一つの類似性パラメータの割出しをするために実施される最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との比較、並びに、類似性パラメータと閾値との比較によって、車両が、既に、バーチャル・カメラポジションとバーチャル・カメラオリエンテーションが割り出されている車両ポジションにあるか否かが、割り出される。これにより、カメラベースの周辺捕捉、並びに、既知の周辺情報との比較によって、過去に観察視点が定められた既知の車両周辺部との一致があるか否かが求められる。
【0016】
ある実施例によれば、車両は、センサベースの位置検出システム、例えば、GPSベースの位置検出システムを有している。データセットは、位置検出システムが、過去に提供したポジションデータを有している。それらのポジションデータは、各々の保存されている車両周辺情報が捕捉された地理学的位置を与える。該ポジションデータは、例えば、グローバル座標系の地理学的座標である。これにより、位置検出システムの最新の位置情報を得、該最新の位置情報とデータセットのポジションデータの比較から、各々のデータセットの関連度を、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報を比較する必要なく推定することができる。
【0017】
ある実施例によれば、該位置情報は、センサベースの位置検出システムによって割り出される。これらの位置情報は、データセットに保存されているポジションデータと比較される。位置情報とデータセットに保存されているポジションデータとの比較により、データセットが限定される、要するに、どのデータセット、乃至、各々のデータセット内に含まれ保存されているどの車両周辺情報に対して、それぞれ類似性パラメータの割出しが実施されるべきかが限定される。センサベースの位置検出システムは、その位置検出方法において、正確な位置検出を不可能とする不正確さ、乃至、アンシャープネスを有している。典型的な不正確さ乃至アンシャープネスは、数メートルのオーダーである。よって、センサベースの位置検出システムでは、車両の正確な位置検出は、不可能ではあるが、センサベースの位置検出システムによって、保存されているデータセットを基にした視覚的な位置検出をサポートすることは可能である、要するに、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との比較の実施を、現在の車両ポジションの領域において捕捉された関連度の高いデータセットに限定することが可能である。これにより、比較に必要な計算負荷を有意に低減できる。
【0018】
ある実施例によれば、車両の演算ユニットが、カメラによって提供された情報から、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを基に、車両の表示ユニット上に空間的・遠近法的な周辺情報として表示される三次元周辺情報を作成する。この際、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションが、そこから周辺情報が観察される視点、並びに、表示ユニット上に表示される周辺情報のセクタを与える。これにより、周辺把握システムによって、周辺情報を、ナチュラル且つユーザフレンドリーに描写することが可能になる。
【0019】
ある実施例によれば、空間的・遠近法的な周辺情報は、車両自体の遠近法的な視像も包含している。例えば、車両自体上部の周辺領域も、遠近法的に描写されることができる、即ち、遠近法的周辺情報には、車両の周辺部のみならず、車両の姿勢、乃至、周辺部内に包埋されているかも認識できる。これにより、ドライバーが、車両が周辺に対してどの様な相対的ポジションにあるのかを認識できるため、周辺把握システムによるより改善されたドライバーサポートが可能になる。
【0020】
更なるアスペクトによれば、本発明は、周辺観察システムのバーチャルカメラの位置と向きを決定するためのシステムに関する。該システムは、車両の周りに分散配置された複数のカメラ、これらカメラから提供された情報を処理するための演算ユニット、メモリユニット、並びに、車両の周辺情報を表示できる様に構成された表示ユニットを包含している。該演算ユニットは、以下のステップを実施できる様に構成されている:
- 複数の車載カメラによって車両周辺部を捕捉し、これらカメラの情報に基づいて最新の車両周辺情報作成するステップ;
- 複数のデータセットをメモリユニットに保存するステップ、但し、データセットは、それぞれ、複数の車載カメラによって補足され、保存された車両周辺情報、及び、これら保存された車両周辺情報に帰属されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報を包含している;
- 最新の車両周辺情報と少なくとも一つのデータセットの保存されている車両周辺情報とを比較するステップ;
- 少なくとも一つのデータセットに対する少なくとも一つの類似性パラメータを割り出すステップ、但し、該類似性パラメータは、それぞれ、最新の車両周辺情報の保存されている各々のデータセットの保存されている車両周辺情報との類似性の度合いを示すものである;
- 類似性パラメータが、予め定められている閾値よりも大きい場合は、保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションに関する情報を読み出し、バーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションを、読み出されたバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションの情報を基に決定するステップ;
【0021】
該システムのある実施例によれば、演算ユニットは、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報を比較するために、画像類似性を割出し、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において画像特徴を比較できるように構成されている。この方法をとれば、画像処理をすることにより、バーチャル・カメラポジションとバーチャル・カメラオリエンテーションに関する情報が既に存在している位置に車両がいるかいないかを割り出すことができる。
【0022】
該システムのある実施例によれば、演算ユニットは、複数のデータセットに対する複数の類似性パラメータを割り出し、規定値との比較に最大類似性パラメータを用いるために、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において最大の一致度を示す最大類似性パラメータを決定し、最大類似性パラメータが得られた保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジションとオリエンテーションに関する情報を読み出すことができる様に構成されている。こうすることにより、複数のデータセットの車両周辺情報を調べることができ、バーチャル・カメラポジションとバーチャル・カメラオリエンテーションを決定するために、それに保存されている車両周辺情報が、最新の車両周辺情報と最も一致している乃至類似しているデータセットを用いることが可能になる。
【0023】
該システムのある実施例によれば、該車両は、センサベースの位置検出システムを有している。該演算ユニットは、それぞれ位置検出システムから提供される、それぞれの保存されている車両周辺情報が捕捉された地理学的位置を示すポジションデータをデータセット内に保存する様にコンフィグレーションされている。それらのポジションデータは、各々の保存されている車両周辺情報が捕捉された地理学的位置を与える。該ポジションデータは、例えば、グローバル座標系の地理学的座標である。これにより、位置検出システムの最新の位置情報を基に、各々のデータセットの関連度を、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報を比較する必要なく推定することができる。
【0024】
該システムのある実施例によれば、センサベースの位置検出システムは、地理学的位置情報を割り出すために構成されている。該演算ユニットは、地理学的位置情報を、データセット内に保存されているポジションデータと比較し、この位置情報とデータセット内に保存されているポジションデータとの比較により、データセットを、それぞれ類似性パラメータの割出しが実施されるものだけに限定する様にコンフィグレーションされている。これにより、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との比較に必要な計算負荷を有意に低減できる。
【0025】
該システムのある実施例によれば、該演算ユニットは、複数のカメラから提供された情報から、バーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションに基づいて、車両の表示ユニット上に空間的・遠近法的周辺情報として表示するために三次元の周辺情報を生成する車両の演算ユニットが、カメラによって提供された情報から、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを基に、車両の表示ユニット上に空間的・遠近法的な周辺情報として表示される三次元周辺情報を作成することができる様にコンフィグレーションされている。これにより、周辺情報を、周辺把握システムによってナチュラル且つユーザフレンドリーに描写することが可能になる。
【0026】
該システムのある実施例によれば、該演算ユニットは、空間的・遠近法的な周辺情報に、車両自体の遠近法的な視像を示すことができる様にコンフィグレーションされている。これにより、ドライバーが、車両が周辺に対してどの様な相対的ポジションにあるのかを認識できるため、周辺把握システムによるより改善されたドライバーサポートが可能になる。
【0027】
本発明における「近似的に」、「実質的に」、或いは、「略」と言う様な表現は、正確な値から、それぞれ+/-10%、好ましくは、+/-5%以内の誤差、及び/或いは、機能に対して有意性のない誤差であると解釈される。
【0028】
本発明の発展形態、長所、及び、応用範囲は、実施例と図面に関する以下の説明によって示される。その際、全ての記述されている、及び/或いは、図示されている特徴は、それぞれにおいて、並びに、任意な組合せにおいて、各請求項、或いは、その参照元との組合せからは独立して、本発明の対象である。尚、請求項の内容も明細書の構成要素とする。
【0029】
以下本発明を、図面と実施例に基づいて詳しく説明する。図の説明:
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、周辺情報を表示ユニット上に描写するためのシステムを備えた車両の概略的な上視図を例示しており;
図2図2は、周辺情報を遠近法的に描写するためにその上に車両の周辺領域の周辺情報がマッピングされる3Dボールとしての半球の描写を例示しており;
図3図3は、車両の周辺領域内の周辺情報を遠近法的に描写するために、バーチャルカメラのポジションとオリエンテーションを決定するためのシステムの概略的ブロック図を例示しており;そして、
図4図4は、車両の周辺領域内の周辺情報を遠近法的に描写するために、バーチャルカメラのポジションとオリエンテーションを決定するための方法のステップを明示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、車両1の周辺領域を表示ユニット2上に三次元的に描写するための、以下3Dサラウンドビュー・システムとも呼ばれるシステムを有する車両1を概略的に例示している。表示ユニット2は、特に好ましくは車内に設けられており、例えば、バック走行や駐車スペース内に駐車するなどの走行マヌーバ時にドライバーをサポートする役割を担っている。
【0032】
車両1は、車両1の外部、且つ、車両1の周りに分散して設けられている複数のカメラ3を有している。例えば、該車両1は、フロントカメラ、リアカメラ、及び、各々少なくとも一台のサイドカメラを有している。カメラ3は、好ましくは、各々のカメラ3から提供された画像を合成することにより、一枚の車両1周辺領域360°描写とすることが可能な様に配置され、コンフィグレーションされている。
【0033】
車両1は、好ましくは、少なくとも二台のカメラ3から提供された画像情報から、表示ユニット2上に空間的・遠近法的な周辺情報として表示される三次元の周辺情報が生成できる様に構成されている。
【0034】
図2は、車両1の周辺領域内の三次元空間の遠近法的な描写を例示している。この様な描写は、例えば、3Dボールと呼ばれる。カメラ3から提供された画像情報から、車両に設けられている演算ユニット5によって、空間的・遠近法的な周辺情報が算出される。この空間的・遠近法的周辺情報の場合、好ましくは、車両1自体を、乃至、その輪郭を認識可能である。この様な種類の遠近法的なサラウンドビュー描写は、上視的描写(鳥瞰図)とは異なり、車両1の周辺領域を、以下カメラポジションと証する特定の基準点、乃至、観察点から遠近法的に観察することを可能にしている。その際、カメラポジションは、バリアブルである、即ち、そこから車両1とその周辺を観察するバーチャル・ポジションを変更することができる(3Dボール内におけるバーチャルな移動)。これにより、車両1の周辺領域の現実的な描写が可能になる。
【0035】
加えて、設定されているカメラポジションから、カメラオリエンテーション、即ち、車両1乃至車両1の周辺部を該カメラポジションから観察する角度を変更することもできる。
【0036】
車両1は、カメラポジションとカメラオリエンテーションを自動的に決定できる様に構成されている、要するに、該車両1は、車両1が、その時点において、車両ユーザによって既にカメラポジションとカメラオリエンテーションが定められている位置にいるか否かを割出すことができる様にコンフィグレーションされているバーチャル・周辺認識システムを有している。その際、バーチャル・周辺認識システムは、カメラ3によって提供された画像情報を用い、それらから、最新の車両周辺情報を生成し、これらを、車両ユーザが、そこにおいて、カメラポジションとカメラオリエンテーションを既に定めた、保存されている車両周辺情報と比較する。
【0037】
図1に概略的に示唆した如く、車両は、それによってカメラポジションとカメラオリエンテーションの自動決定が実施される演算ユニット5を包含している。図3は、概略的ブロック図に、カメラポジションとカメラオリエンテーションを自動的に決定するためのシステムの構成を例示している。車両の演算ユニット5は、例えば、バーチャル・周辺認識システム7と3Dサラウンドビュー・システム8を実装している。周辺認識システム7は、車両1のカメラ3とつながれており、それらの画像情報を受信する。続いて、個々のカメラ3の画像情報は、合成され、最新の車両周辺情報に加工される。例えば、個々のカメラ3の画像情報は、360°サラウンドビューが完成するように互いにつなぎ合わされることができる。
【0038】
周辺認識システム7は、メモリユニット4と接続されている。メモリユニット4は、一つの、好ましくは、複数のデータセットを保存する様に構成されている。その際、一つのデータセットは、過去のある時点において、カメラ3の画像情報に基づいて割り出された車両周辺情報を包含している。ここでは、該車両周辺情報は、特に好ましくは、周辺認識システム7によっても、複数のカメラ3の画像情報を合成することによって得られることができる。加えて、該データセットは、それぞれ、車両ユーザによってその時点における車両周辺部内において、既に用いられることのあるバーチャル・カメラポジションとバーチャル・カメラオリエンテーションに関する情報も有している。言い換えれば、メモリユニット4は、ある特定の位置、例えば、車両ユーザが頻繁に訪問する場所におけるユーザによるバーチャル・カメラポジション情報とバーチャル・カメラオリエンテーション情報を保存する役割を担っている。
【0039】
周辺認識システム7は、最新の補足された車両周辺情報と、車両1のメモリユニット4に保存されているデータセット内に保存されている車両周辺情報とを比較することにより、車両1が、既にバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションが、車両ユーザによって決定されている位置にいるか否かを認識できる様にコンフィグレーションされている。
【0040】
詳しくは、最新の捕捉された車両周辺情報は、画像類似度及び/或いは特徴一致度を割り出すことにより、保存されている車両周辺情報と比較される。捕捉された車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との比較を基に、最新の捕捉された車両周辺情報が、保存されている車両周辺情報と同じ車両ポジションにおいて撮影された確率を与える類似性パラメータが割り出される。類似性パラメータが、予め定められている閾値を超えた場合、最新の車両ポジションは、保存されている車両周辺情報が撮影されたのと同じ場所であると認められる。このケースでは、保存されている車両周辺情報に帰属されているバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションに関する情報が、メモリユニット4から読み出され、それに基づいて、現時点の車両ポジションにおけるバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを定めるために用いられる。
【0041】
読み出されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションは、特に好ましくは、これらを基に最新の車両周辺情報を車両1の表示ユニット2上に描写することを促す3Dサラウンドビュー・システム8に伝達される。
【0042】
ある実施例によれば、車両1は、センサベースの位置検出システム6を有している。このセンサベースの位置検出システム6は、例えば、衛生サポートのGPSシステム(GPS: Global Positioning System)であることができる。この位置検出システム6を用いることで、車両1の位置情報を割り出すことが可能である。これらの位置情報は、それにより、車両が現在どこにいるのかを示すことができる、特に好ましくは、グローバルな座標系における座標である。
【0043】
この位置情報は、画像の周辺情報を基にした視覚的な位置特定をサポートするために用いることができる。特に、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との一致に関して調べられるデータセットを限定することに用いることができる。この様にすることで、データセットは、保存されている車両周辺情報に加えて、位置検出システム6から得られた位置情報も有していることができる。要するに、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報とを比較する前に、車両1の現在地に近いポジションにおいて得られたデータセットを割り出すことで、車両1の現在地に近いポジションにおいて取得されたデータセットの保存された車両周辺情報のみを最新の車両周辺情報と比較することが可能になる。
【0044】
好ましくは、メモリユニット4に保存されているデータセットは、車両ユーザのプロファイルに帰属される。こうすることにより、バーチャルカメラの位置と向きを車両ユーザに依存させて保存し、バーチャルカメラの位置と向きを決定する際に、その時点のユーザプロファイルに依存して、これらを用いることができる様になる。
【0045】
図4は、バーチャルカメラの位置と向きを定めるための方法のステップを示すブロック図が描かれている。
【0046】
先ず、車両の複数のカメラによって車両周辺部が捕捉され、これらカメラの情報に基づいて最新の車両周辺情報が、作成される(S10)。
【0047】
更に、複数のデータセットを保存できるメモリユニットが提供される。該データセットは、それぞれ、車両の複数のカメラによって捕捉され、保存された車両周辺情報を包含している。加えて、これらのデータセットは、保存されている車両周辺情報が帰属されているバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報も包含している(S11)。
【0048】
続いて、最新の車両周辺情報は、保存されている少なくとも一つのデータセットの車両周辺情報と比較される(S12)。
【0049】
次いで、少なくとも一つのデータセットに対する少なくとも一つの類似性パラメータが、割り出される。類似性パラメータは、最新の車両周辺情報の各々のデータセットに保存されている車両周辺情報に対する各々の類似性の度合いを与えるものである(S13)。
【0050】
仮に、類似性パラメータが、予め定められている閾値よりも大きい場合、保存された車両周辺情報を包含するデータセットのバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報が、読み出される。読み出されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報に基づいて、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションが決定される(S14)。
【0051】
本発明は、上記実施例によって説明された。しかしながら、特許請求項に定義されている請求範囲を逸脱することなく、数多くの変更やバリエーションが可能であることは、言うまでも無いことである。
【符号の説明】
【0052】
1 車両
2 表示ユニット
3 カメラ
4 メモリユニット
5 演算ユニット
6 位置検出システム
7 周辺認識システム
8 3Dサラウンドビュー・システム
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-04-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
本発明は、上記実施例によって説明された。しかしながら、特許請求項に定義されている請求範囲を逸脱することなく、数多くの変更やバリエーションが可能であることは、言うまでも無いことである。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.
バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに基づいて車両(1)の周辺部を、車両(1)の表示ユニット(2)上に表示できる様にするためにバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを決定するための方法であって、以下のステップを包含することを特徴とする方法:
- 車両(1)の複数のカメラ(3)によって車両周辺部を捕捉し、これらカメラ(3)の情報に基づいて最新の車両周辺情報作成するステップ(S10);
- 複数のデータセットが保存されているメモリユニット(4)を提供するステップ(S11)、但し、該データセットは、それぞれ、車両(1)の複数のカメラ(3)によって補足され、保存された車両周辺情報、及び、これら保存された車両周辺情報に帰属されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報を包含している;
- 最新の車両周辺情報と少なくとも一つのデータセットの保存されている車両周辺情報とを比較するステップ(S12);
- 少なくとも一つのデータセットに対する少なくとも一つの類似性パラメータを割り出すステップ(S13)、但し、該類似性パラメータは、それぞれ、最新の車両周辺情報の保存されている各々のデータセットの保存されている車両周辺情報との類似性の度合いを示すものである;
- 類似性パラメータが、予め定められている閾値よりも大きい場合は、保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションに関する情報を読み出し、バーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションを、読み出されたバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションの情報を基に決定するステップ(S14)。
2.
最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報とを比較すると言うタスクに、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との間における画像類似性と画像特徴を比較することも包含されていることを特徴とする上記1に記載の方法。
3.
該演算ユニットが、複数のデータセットに対する複数の類似性パラメータを割り出し、規定値との比較に最大類似性パラメータを用いるために、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において最大の一致度を示す最大類似性パラメータを決定し、最大類似性パラメータが得られた保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジションとオリエンテーションに関する情報を読み出すことができる様に構成されていることを特徴とする上記1又は2に記載の方法。
4.
該データセットが、それぞれ、位置と関連した周辺情報を有しており、少なくとも一つの類似性パラメータの割出しをするために実施される最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との比較、並びに、類似性パラメータと閾値との比較によって、車両(1)が、既に、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションが割り出されている車両ポジションにあるか否かが、割り出されることを特徴とする上記1~3のうち何れか一つに記載の方法。
5.
車両(1)が、センサベースの位置検出システム(6)を有しており、データセットがそれぞれ、該位置検出システム(6)から提供された各々の保存されている車両周辺情報が捕捉された地理学的位置を示すポジションデータを有していることを特徴とする上記1~4のうち何れか一つに記載の方法。
6.
位置情報が、センサベースの位置検出システム(6)によって割り出され、該位置情報が、データセット内に保存されているポジションデータと比較され、位置情報と、データセット内に保存されているポジションデータとの比較によって、類似性パラメータを割り出すために用いられるデータセットの数が限定されることを特徴とする上記5に記載の方法。
7.
車両の演算ユニット(5)が、カメラ(3)によって提供された情報から、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを基に、車両(1)の表示ユニット(2)上に空間的・遠近法的な周辺情報として表示される三次元周辺情報を作成することを特徴とする上記1~6のうち何れか一つに記載の方法。
8.
空間的・遠近法的周辺情報が、車両(1)自体の遠近法的視像を包含していることを特徴とする上記7に記載の方法。
9.
車両(1)の周りに分散配置された複数のカメラ(3)、これらカメラ(3)から提供された情報を処理するための演算ユニット(5)、メモリユニット(4)、並びに、車両(1)の周辺情報を表示できる様に構成された表示ユニット(2)を包含しているシステムであって、該演算ユニット(5)が、以下のステップを実行できるように構成されていることを特徴とするシステム:
- 車両(1)の複数のカメラ(3)によって車両周辺部を捕捉し、これらカメラ(3)の情報に基づいて最新の車両周辺情報作成するステップ;
- 複数のデータセットをメモリユニット(4)に保存するステップ、但し、データセットは、それぞれ、車両(1)の複数のカメラ(3)によって補足され、保存された車両周辺情報、及び、これら保存された車両周辺情報に帰属されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報を包含している;
- 最新の車両周辺情報と少なくとも一つのデータセットの保存されている車両周辺情報とを比較するステップ;
- 少なくとも一つのデータセットに対する少なくとも一つの類似性パラメータを割り出すステップ、但し、該類似性パラメータは、それぞれ、最新の車両周辺情報の保存されている各々のデータセットの保存されている車両周辺情報との類似性の度合いを示すものである;
- 類似性パラメータが、予め定められている閾値よりも大きい場合は、保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションに関する情報を読み出し、バーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションを、読み出されたバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションの情報を基に決定するステップ。
10.
該演算ユニット(5)が、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報を比較するために、画像類似性を割出し、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において画像特徴を比較できるように構成されていることを特徴とする上記9に記載のシステム。
11.
該演算ユニット(5)が、複数のデータセットに対する複数の類似性パラメータを割り出し、規定値との比較に最大類似性パラメータを用いるために、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において最大の一致度を示す最大類似性パラメータを決定し、最大類似性パラメータが得られた保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジションとオリエンテーションに関する情報を読み出すことができる様に構成されていることを特徴とする上記9又は10に記載のシステム。
12.
車両(1)が、センサベースの位置検出システム(6)を有しており、該演算ユニット(3)が、データセットに、該位置検出システム(6)から提供された各々の保存されている車両周辺情報が捕捉された地理学的位置を示すポジションデータを保存する様にコンフィグレーションされていることを特徴とする上記9から11のうち何れか一つに記載のシステム。
13.
該センサベースの位置検出システム(6)が、地理学的位置情報を割り出すために構成されており、該演算ユニット(5)が、地理学的位置情報を、データセット内に保存されているポジションデータと比較し、この位置情報とデータセット内に保存されているポジションデータとの比較により、データセットを、それぞれ類似性パラメータの割出しが実施されるものだけに限定する様にコンフィグレーションされていることを特徴とする上記12に記載のシステム。
14.
該演算ユニット(5)が、カメラ(3)によって提供された情報から、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを基に、車両(1)の表示ユニット(2)上に空間的・遠近法的な周辺情報として表示される三次元周辺情報を作成できる様にコンフィグレーションされていることを特徴とする上記9~13のうち何れか一つに記載のシステム。
15.
該演算ユニット(5)が、空間的・遠近法的周辺情報に、車両(1)自体の遠近法的視像も描写できる様にコンフィグレーションされていることを特徴とする上記14に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに基づいて車両(1)の周辺部を、車両(1)の表示ユニット(2)上に表示できる様にするためにバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを決定するための方法であって、以下のステップを包含することを特徴とする方法:
- 車両(1)の複数のカメラ(3)によって車両周辺部を捕捉し、これらカメラ(3)の情報に基づいて最新の車両周辺情報作成するステップ(S10);
- 複数のデータセットが保存されているメモリユニット(4)を提供するステップ(S11)、但し、該データセットは、それぞれ、車両(1)の複数のカメラ(3)によって補足され、保存された車両周辺情報、及び、これら保存された車両周辺情報に帰属されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報を包含している;
- 最新の車両周辺情報と少なくとも一つのデータセットの保存されている車両周辺情報とを比較するステップ(S12);
- 少なくとも一つのデータセットに対する少なくとも一つの類似性パラメータを割り出すステップ(S13)、但し、該類似性パラメータは、それぞれ、最新の車両周辺情報の保存されている各々のデータセットの保存されている車両周辺情報との類似性の度合いを示すものである;
- 類似性パラメータが、予め定められている閾値よりも大きい場合は、保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションに関する情報を読み出し、バーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションを、読み出されたバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションの情報を基に決定するステップ(S14)
【請求項2】
最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報とを比較すると言うタスクに、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との間における画像類似性と画像特徴を比較することも包含されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該演算ユニットが、複数のデータセットに対する複数の類似性パラメータを割り出し、規定値との比較に最大類似性パラメータを用いるために、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において最大の一致度を示す最大類似性パラメータを決定し、最大類似性パラメータが得られた保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジションとオリエンテーションに関する情報を読み出すことができる様に構成されていることを特徴とする請求項1は2に記載の方法。
【請求項4】
該データセットが、それぞれ、位置と関連した周辺情報を有しており、少なくとも一つの類似性パラメータの割出しをするために実施される最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報との比較、並びに、類似性パラメータと閾値との比較によって、車両(1)が、既に、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションが割り出されている車両ポジションにあるか否かが、割り出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
車両(1)が、センサベースの位置検出システム(6)を有しており、データセットがそれぞれ、該位置検出システム(6)から提供された各々の保存されている車両周辺情報が捕捉された地理学的位置を示すポジションデータを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
位置情報が、センサベースの位置検出システム(6)によって割り出され、該位置情報が、データセット内に保存されているポジションデータと比較され、位置情報と、データセット内に保存されているポジションデータとの比較によって、類似性パラメータを割り出すために用いられるデータセットの数が限定されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
車両の演算ユニット(5)が、カメラ(3)によって提供された情報から、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを基に、車両(1)の表示ユニット(2)上に空間的・遠近法的な周辺情報として表示される三次元周辺情報を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
空間的・遠近法的周辺情報が、車両(1)自体の遠近法的視像を包含していることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
車両(1)の周りに分散配置された複数のカメラ(3)、これらカメラ(3)から提供された情報を処理するための演算ユニット(5)、メモリユニット(4)、並びに、車両(1)の周辺情報を表示できる様に構成された表示ユニット(2)を包含しているシステムであって、該演算ユニット(5)が、以下のステップを実行できるように構成されていることを特徴とするシステム:
- 車両(1)の複数のカメラ(3)によって車両周辺部を捕捉し、これらカメラ(3)の情報に基づいて最新の車両周辺情報作成するステップ;
- 複数のデータセットをメモリユニット(4)に保存するステップ、但し、データセットは、それぞれ、車両(1)の複数のカメラ(3)によって補足され、保存された車両周辺情報、及び、これら保存された車両周辺情報に帰属されたバーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションに関する情報を包含している;
- 最新の車両周辺情報と少なくとも一つのデータセットの保存されている車両周辺情報とを比較するステップ;
- 少なくとも一つのデータセットに対する少なくとも一つの類似性パラメータを割り出すステップ、但し、該類似性パラメータは、それぞれ、最新の車両周辺情報の保存されている各々のデータセットの保存されている車両周辺情報との類似性の度合いを示すものである;
- 類似性パラメータが、予め定められている閾値よりも大きい場合は、保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションに関する情報を読み出し、バーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションを、読み出されたバーチャル・カメラポジション及びカメラオリエンテーションの情報を基に決定するステップ
【請求項10】
該演算ユニット(5)が、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報を比較するために、画像類似性を割出し、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において画像特徴を比較できるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
該演算ユニット(5)が、複数のデータセットに対する複数の類似性パラメータを割り出し、規定値との比較に最大類似性パラメータを用いるために、最新の車両周辺情報と保存されている車両周辺情報間において最大の一致度を示す最大類似性パラメータを決定し、最大類似性パラメータが得られた保存されている車両周辺情報を包含しているデータセットのバーチャル・カメラポジションとオリエンテーションに関する情報を読み出すことができる様に構成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
車両(1)が、センサベースの位置検出システム(6)を有しており、該演算ユニット(3)が、データセットに、該位置検出システム(6)から提供された各々の保存されている車両周辺情報が捕捉された地理学的位置を示すポジションデータを保存する様にコンフィグレーションされていることを特徴とする請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項13】
該センサベースの位置検出システム(6)が、地理学的位置情報を割り出すために構成されており、該演算ユニット(5)が、地理学的位置情報を、データセット内に保存されているポジションデータと比較し、この位置情報とデータセット内に保存されているポジションデータとの比較により、データセットを、それぞれ類似性パラメータの割出しが実施されるものだけに限定する様にコンフィグレーションされていることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
該演算ユニット(5)が、カメラ(3)によって提供された情報から、バーチャル・カメラポジションとカメラオリエンテーションを基に、車両(1)の表示ユニット(2)上に空間的・遠近法的な周辺情報として表示される三次元周辺情報を作成できる様にコンフィグレーションされていることを特徴とする請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項15】
該演算ユニット(5)が、空間的・遠近法的周辺情報に、車両(1)自体の遠近法的視像も描写できる様にコンフィグレーションされていることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【国際調査報告】