(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】スリットを切られた金属シートを備える、排ガス後処理のためのハニカム体
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20240927BHJP
B01J 35/57 20240101ALI20240927BHJP
【FI】
F01N3/28 311R
B01J35/57 311Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521812
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2022076784
(87)【国際公開番号】W WO2023061746
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102021211453.9
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519031896
【氏名又は名称】ヴィテスコ テクノロジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Vitesco Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 12,93055 Regensburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ヒルト
(72)【発明者】
【氏名】フェアディ クアト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル フォイト
【テーマコード(参考)】
3G091
4G169
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AB01
3G091GA03
3G091GA06
3G091GA08
3G091GA09
3G091GA14
3G091HA46
4G169AA11
4G169BB02A
4G169CA03
4G169DA06
4G169EA24
4G169EA25
4G169EB04
4G169EB07
(57)【要約】
スリットを切られた金属シートを備える、排ガス後処理のためのハニカム体。本発明は、内燃機関の排ガスを後処理するためのハニカム体(9)であって、ハニカム体(9)は複数の金属シート(1)から形成されており、金属シート(1)は、互いに上下に積層されて積層体を形成し、かつ少なくとも1つの回転点を中心にして巻成されており、積層体は、平滑な金属シート(1)と少なくとも部分的に構造化された金属シート(1)とから交互に形成されており、金属シート(1)はシート幅(5)およびシート長さ(3)を有しており、シート(1)の幅(5)は、ハニカム体(9)の主通流方向に沿ってガス流入側(11)からガス流出側(12)へと延びており、シート長さ(3)は、主通流方向に対して横方向に延びており、少なくとも個別の金属シート(1)が少なくとも個別のスリット(2,13)を有しており、スリット(2,13)は、それぞれの金属シート(1)を複数のセグメント(8,14,17,18,20)に分割している、ハニカム体(9)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排ガスを後処理するためのハニカム体(9)であって、該ハニカム体(9)は複数の金属シート(1)から形成されており、該金属シート(1)は、互いに上下に積層されて積層体を形成し、かつ少なくとも1つの回転点を中心として巻成されており、前記積層体は、平滑な金属シート(1)と少なくとも部分的に構造化された金属シート(1)とから交互に形成されており、前記金属シート(1)はシート幅(5)およびシート長さ(3)を有しており、前記シート(1)の前記幅(5)は、前記ハニカム体(9)の主通流方向に沿ってガス流入側(11)からガス流出側(12)へと延びており、かつ前記シート長さ(3)は、前記主通流方向に対して横方向に延びている、ハニカム体(9)において、
少なくとも個別の金属シート(1)が、少なくとも個別のスリット(2,13)を有しており、該スリット(2,13)は、前記それぞれの金属シート(1)を複数のセグメント(8,14,17,18,20)に分割していることを特徴とする、ハニカム体(9)。
【請求項2】
前記スリット(2,13)は前記シート長さ(3)の方向に延びていることを特徴とする、請求項1記載のハニカム体(9)。
【請求項3】
前記スリット(2,13)は、前記シート幅(5)に沿って互いに平行に配置されており、前記シート長さ(3)に沿って互いに離間して配置されていることを特徴とする、請求項1または2記載のハニカム体(9)。
【請求項4】
前記シート長さ(3)に沿って延びる1つの列における複数のスリット(2,13)が、ウェブ(6,7)によって互いに離間して配置されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のハニカム体(9)。
【請求項5】
前記主通流方向に沿って複数のスリット列(4,15,19)が互いに離間して配置されており、好適には1~20個のスリット列(4,15,19)が設けられており、特に好適には1~12個のスリット列(4,15,19)が設けられていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のハニカム体(9)。
【請求項6】
1つのスリット列(4,15,19)の前記スリット(2,13)同士の間に配置された前記ウェブ(6,7)は、0.5mm~20mmの長さ、特に好適には1mm~10mmの長さを有していることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のハニカム体(9)。
【請求項7】
それぞれの前記金属シートの中心および/または縁部領域に設けられた前記ウェブ(6)の前記長さが、前記金属シート(1)の中心と縁部領域との間の前記ウェブ(7)の長さよりも長いことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のハニカム体(9)。
【請求項8】
前記シート幅(5)の方向の前記スリット幅が、2mm未満、特に好適には1mm未満であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のハニカム体(9)。
【請求項9】
前記スリット列(15,19)は、前記シート幅(5)に沿って不均一に分配されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のハニカム体(9)。
【請求項10】
前記ガス流入側(11)の領域における前記スリット列の互いに対する間隔が、前記ガス流出側(12)における前記スリット列の互いに対する間隔とは異なっていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のハニカム体(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排ガスを後処理するハニカム体であって、ハニカム体は複数の金属シートから形成されており、金属シートは、互いに上下に積層されて積層体を形成し、かつ少なくとも1つの回転点を中心として巻成されており、積層体は、平滑な金属シートと少なくとも部分的に構造化された金属シートとから交互に形成されており、金属シートはシート幅およびシート長さを有しており、シートの幅は、ハニカム体の主通流方向に沿ってガス流入側からガス流出側へと延びており、シートの長さは、主通流方向に対して横方向に延びている、ハニカム体に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排ガスを排ガス後処理する目的で、特に排ガス中に含まれる有害物質を変換する目的で、排ガス区間には種々異なる触媒が組み込まれる。触媒は、通常、多数の流路に沿って通流可能なハニカム体を有しており、ハニカム体は、汚染物質との化学反応が行われて非臨界的な生成物を形成する触媒活性の表面を有している。
【0003】
金属製のハニカム体であって、ハニカム体は複数の金属シートから形成されており、金属シートは、互いに上下に積層されて積層体を形成し、かつ規定された長さに切断されている、ハニカム体が知られている。互いに上下に積層された金属シートは、少なくとも1つの回転点を中心として巻成されており、これによってハニカム体が形成される。ハニカム体のために、平滑な構造化されていない金属シートも、少なくとも区分的に構造化された金属シートも使用され、これらの金属シートは、好適には互いに上下に積層されている。金属シート同士の間にはいわゆるセルが形成され、これらのセルは、ハニカム体の、主通流方向に沿ってガス流入側からガス流出側へと通流可能な流路を形成している。
【0004】
次いで、支持体母材としても知られる、このように形成されたハニカム体は、支持体管として公知のケーシング内に押し込まれ、このケーシングにろう接される。完全に平滑な金属シートおよび少なくとも区分的に構造化された金属シートは、公知の触媒設計ではハニカム体の軸方向全長にわたって一貫して延びている。
【0005】
従来技術において公知の構成における欠点は、特に、公知のハニカム体が、その軸方向の延在長さに沿って一体的に構成されており、したがって、このハニカム体が、軸方向で制限された柔軟性しか有していないことである。迅速な加熱または迅速な冷却時に、金属シートと支持体管との熱容量に起因して、ハニカム体における半径方向および軸方向の温度差が発生する。この温度勾配により、軸方向の冷たい領域と温かい領域との間でハニカム体のねじり負荷が生じ、このねじり負荷は、接線方向の剪断力の形態で金属シートにわたって伝達される。
【0006】
高い熱負荷を受ける用途では、金属シートの材料のそれぞれの降伏限界を超過した場合の接線方向の剪断力の消滅は、金属シートの塑性変形につながる。この塑性変形は、とりわけハニカム体の半径方向の縁部領域またはハニカム体の中心で生じるが、中心と半径方向の縁部領域との間に位置する中間領域においても生じる。この塑性変形の結果、触媒活性のコーティングの剥離に起因して、触媒の転化率が低下してしまう。さらに、エンジン出力が、ハニカム体における逆圧の上昇によって不都合に損なわれてしまう。さらに、機能制限が生じ、最悪の場合には流れ方向において下流側に位置する構成部材の破壊が生じ得る。なぜならば、剥離された触媒活性のコーティングの一部、特にコーティングに含まれる貴金属が、下流側に位置する構成部材と望ましくない化学的な相互作用を惹起してしまうからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、軸方向で高められた柔軟性を有し、これによって高い熱負荷が加えられる用途において金属シートの塑性変形が減じられるハニカム体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ハニカム体に関する課題は、請求項1に記載の特徴を有するハニカム体によって解決される。
【0009】
本発明の一実施例は、内燃機関の排ガスを後処理するためのハニカム体であって、ハニカム体は複数の金属シートから形成されており、金属シートは、互いに上下に積層されて積層体を形成し、かつ少なくとも1つの回転点を中心として巻成されており、積層体は、平滑な金属シートと少なくとも部分的に構造化された金属シートとから交互に形成されており、金属シートはシート幅およびシート長さを有しており、シートの幅は、ハニカム体の主通流方向に沿ってガス流入側から一方のガス流出側へと延びており、かつシート長さは、主通流方向に対して横方向に延びており、少なくとも個別の金属シートが、少なくとも個別のスリットを有しており、スリットは、それぞれの金属シートを複数のセグメントに分割している、ハニカム体に関する。
【0010】
シートは薄い金属薄板から形成されており、これらの金属薄板は、それぞれの金属薄板の厚さよりも大幅に長い長さおよび幅を有している。本発明によるハニカム体では、金属シートの幅は、巻成されたハニカム体の軸方向の延在長さを意味している。金属シートの長さは、幅に対して直交する方向に延びており、巻成されたハニカム体においてハニカム体の周方向に延びている。金属シートはスリットを有しており、これらのスリットは、金属シートを少なくとも区分的に分離し、これによって金属シートひいてはハニカム体のセグメント化が生じる。スリットによって、個別のセグメントの互いに対する機械的な切り離しが行われ、これによりハニカム体の柔軟性が高まり、同時にハニカム体の構造的な完全性が保証されたままとなる。なぜならば、ハニカム体の完全な分離が行われないからである。
【0011】
スリットがシート長さの方向に延びていると、特に有利である。スリットはシート長さに沿って延びており、これにより、軸方向で相並んだ複数のセグメントが生じるようにセグメント化が行われる。金属シートの巻取りによって、スリットはハニカム体内でハニカム体の周方向に延びている。これらの軸方向のセグメントは、特にハニカム体の高まった柔軟性を形成し、ハニカム体内の熱によって誘導される応力を補償し、特に金属シート上に被着されるウォッシュコート、つまり触媒活性のコーティングの破断および破損を阻止するために有利である。
【0012】
スリットは、シート幅に沿って互いに平行に配置され、シート長さに沿って互いに離間して配置されていても有利である。
【0013】
シート長さに沿って延びる複数のスリットは、スリット列を形成する。1つのスリット列内のスリットは互い離間しているので、金属シートの完全な分離は行われない。
【0014】
複数のスリット列が、シート幅に沿って互いに離間して、かつ互いに平行に配置されており、これにより、巻き取られたハニカム体において個別の軸方向のセグメントが形成される。
【0015】
好適な一実施例は、シート長さに沿って延びる1つの列における複数のスリットが、ウェブによって互いに離間して配置されていることを特徴とする。ウェブは、スリットがその長さで金属シート全体を切断し、これによって金属シートが不安定になるか、または破壊されないようにするために寄与する。ウェブ幅を介して、それぞれの金属シートの強度に影響を与えることができる。
【0016】
主通流方向に沿って複数のスリット列が互いに離間して配置されており、好適には1~20個のスリット列、特に好適には1~12個のスリット列が設けられていても好適である。
【0017】
乗用車の排ガス後処理の分野のためのハニカム体は、通常、30mm~180mmの軸方向長さを有しており、したがって、広範な調査では、一方では触媒活性のコーティングの破断を阻止するために十分な柔軟性を形成し、他方では積層体内での十分な安定性を有するために、1~20個であるスリット列の個数、または好適には1~12個であるスリット列が特に有利であり、巻取りスピンドルを中心とした巻取りの機械的なプロセスは金属シートの損傷をもたらさないことが判った。
【0018】
さらに、1つのスリット列のスリット同士の間に配置されたウェブが、0.5mm~20mm、特に好適には1mm~10mmの長さを有していると有利である。このような寸法は、柔軟性と安定性との間のバランスを達成するために、ハニカム体のために通常使用されるサイズに関しても特に有利であることが判った。
【0019】
さらに、それぞれの金属シートの中心および/または縁部領域に設けられたウェブの長さが、金属シートの中心と縁部領域との間のウェブの長さよりも長いと有利である。
【0020】
シート幅の方向のスリット幅が、2mm未満、特に好適には1mm未満であっても有利である。スリットの目的は、主に熱負荷下で生じる剪断力の遮断であり、さらに、スリットによって排ガス案内作用が影響されるべきではないので、スリットをできる限り細く保持すると有利である。
【0021】
スリットは、有利には、例えば部分的に破断した転動するカッタを用いて形成することができる。代替的には、転動ナイフが、シート平面内への制御された進入を行うこともできる。スリットは、レーザ溶接によって形成することもできる。
【0022】
さらに、スリット列が、シート幅に沿って不均一に分配されていると有利である。スリット列の不均一な分配によって、特別な組込み状況に特に簡単に応じることができる。したがって、互いに異なるハニカム体において互いに異なる温度経過を達成することができるので、ハニカム体の個別の領域における剪断力の中断は、別の領域よりも高い程度で行われなければならない。スリット列の意図的な配置によって、ここでは、使用事例に個別に適合された解決手段を達成することができる。
【0023】
さらに、ガス流入側の領域におけるスリット列の互いに対する間隔は、ガス流出側におけるスリット列の互いに対する間隔とは異なっていると有利である。
【0024】
このことは、ガス流入側とガス流出側とで発生する温度が互いに異なり得るので、特に有利である。温度は、運転時間にわたり同化されるものの、最初は、ガス流入側において、ガス流出側におけるよりも速くより高い温度が生じるので、ここでも付加的な温度勾配が生じる。
【0025】
スリットの別の利点は、ハニカム体を通る軸方向の熱伝導の低減であり、これによりハニカム体のより良好な加熱特性が達成される。
【0026】
スリット切り工程は、好適には従来のハニカム体の製造プロセスに直接組み込まれており、切断された個別の金属シートまたは無端の金属シートにおいて実施することができる。特に好適には、平滑な金属シートにも、少なくとも区分的に構造化された金属シートにも、スリットが設けられる。少なくとも部分的に構造化された金属シートの場合、スリット切り工程は、構造化プロセスに前置される。特に少なくとも区分的に構造化された金属シートでは、スリットおよびウェブ長さは、それぞれの構造、例えば波状構造に対して有効な短縮係数に合わせて適合される。
【0027】
本発明の有利な改良形は、従属請求項および以下の図面の説明に記載してある。
【0028】
以下に、本発明を複数の実施例に基づき図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】金属シートを上から見た平面図であり、シート幅に沿って離間したスリット列と、スリット列内でシート長さに沿って配置されたスリットが示されている。
【
図2】支持体管内のハニカム体の断面図であり、主通流方向に沿って均一に離間した複数のスリット列が配置されている。
【
図3】支持体管内のハニカム体の断面図であり、主通流方向に沿って不均一に離間した複数のスリット列が配置されている。
【
図4】支持体管内のハニカム体の断面図であり、主通流方向に沿って不均一に離間した複数のスリット列が配置されており、ガス流入側のスリット列とガス流出側のスリット列との間隔が互いに異なっている。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、金属シート1を上から見た平面図を示している。示された金属シート1は、構造を有しない平滑な金属シートである。以下でこの平滑な金属シート1に関して説明することは、少なくとも区分的に構造化された金属シートにとっても同程度に該当し得る。
【0031】
金属シート1は、シート長さ3に沿って延びる複数のスリット2を有している。個別のスリット列4は、シート幅5の方向で互いに平行に離間して配置されている。スリット列4によって、金属シート1は複数のセグメント8に分割されている。セグメント8は、完成したハニカム体の軸方向で互いに隣接して配置されている。
【0032】
スリット列4の個別のスリット2同士の間には、ウェブ6,7が配置されている。金属シート1の中心のウェブ6および外側の縁部領域におけるウェブ6は、
図1に示した実施例では、中間領域に設けられたウェブ7よりも広幅に構成されている。
【0033】
金属シート1は、次いで巻成されてハニカム体を形成する積層体において、個別の層を形成する。
【0034】
図2は、外壁管10内に配置されているハニカム体9の断面図を示している。ハニカム体9は、ガス流入側11からガス流出側12に向かって、金属シートにより形成された流路16に沿って通流可能である。符号13により、ハニカム体9を複数のセグメント14に分割しているスリットが図示されている。
図2に示した実施例では、スリット列15は、ハニカム体9の軸方向の延在長さにわたって等間隔に配置されている。
【0035】
図3は、外壁管10内のハニカム体9を示している。ハニカム体9は、
図2に示したハニカム体9の構造に相当する。符号は、同一の要素に関して一致している。
【0036】
図2とは異なり、スリット列15は不均一に分配されているので、ガス流入側11の領域には細いセグメント17が形成されており、この細いセグメント17には、等しい幅の複数のセグメント18が続いている。
【0037】
図4は、ハニカム体9の代替的な構成を示している。スリット列19は、セグメント20がガス流入側11からガス流出側12に向かって連続的に広幅になるように配置されている。
【0038】
個別の実施例の互いに異なる特徴は、互いに組み合わせることもできる。スリット列の配置を、図面に示した実施例とは異なるように行うこともできる。したがって、セグメントを、例えばガス流出側からガス流入側に向かってより広幅にまたはより狭幅に形成することもできる。
【0039】
図1から
図4に示した実施例は、特に制限をする性質を有しておらず、本発明の思想を明確にするために役立つ。
【符号の説明】
【0040】
1 金属シート
2 スリット
3 シート長さ
4 スリット列
5 シート幅
6 ウェブ
7 ウェブ
8 セグメント
9 ハニカム体
10 支持体管
11 ガス流入側
12 ガス流出側
13 スリット
14 セグメント
15 スリット列
16 流路
17 セグメント
18 セグメント
19 スリット列
20 セグメント
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排ガスを後処理するためのハニカム体(9)であって、該ハニカム体(9)は複数の金属シート(1)から形成されており、該金属シート(1)は、互いに上下に積層されて積層体を形成し、かつ少なくとも1つの回転点を中心として巻成されており、前記積層体は、平滑な金属シート(1)と少なくとも部分的に構造化された金属シート(1)とから交互に形成されており、前記金属シート(1)はシート幅(5)およびシート長さ(3)を有しており、前記シート(1)の前記幅(5)は、前記ハニカム体(9)の主通流方向に沿ってガス流入側(11)からガス流出側(12)へと延びており、かつ前記シート長さ(3)は、前記主通流方向に対して横方向に延びている、ハニカム体(9)において、
少なくとも個別の金属シート(1)が、少なくとも個別のスリット(2,13)を有しており、該スリット(2,13)は、前記それぞれの金属シート(1)を複数のセグメント(8,14,17,18,20)に分割していることを特徴とする、ハニカム体(9)。
【請求項2】
前記スリット(2,13)は前記シート長さ(3)の方向に延びていることを特徴とする、請求項1記載のハニカム体(9)。
【請求項3】
前記スリット(2,13)は、前記シート幅(5)に沿って互いに平行に配置されており、前記シート長さ(3)に沿って互いに離間して配置されていることを特徴とする、請求項1または2記載のハニカム体(9)。
【請求項4】
前記シート長さ(3)に沿って延びる1つの列における複数のスリット(2,13)が、ウェブ(6,7)によって互いに離間して配置されていることを特徴とする、請求項
1記載のハニカム体(9)。
【請求項5】
前記主通流方向に沿って複数のスリット列(4,15,19)が互いに離間して配置されており、好適には1~20個のスリット列(4,15,19)が設けられており、特に好適には1~12個のスリット列(4,15,19)が設けられていることを特徴とする、請求項
1記載のハニカム体(9)。
【請求項6】
1つのスリット列(4,15,19)の前記スリット(2,13)同士の間に配置された前記ウェブ(6,7)は、0.5mm~20mmの長さ、特に好適には1mm~10mmの長さを有していることを特徴とする、請求項
1記載のハニカム体(9)。
【請求項7】
それぞれの前記金属シートの中心および/または縁部領域に設けられた前記ウェブ(6)の前記長さが、前記金属シート(1)の中心と縁部領域との間の前記ウェブ(7)の長さよりも長いことを特徴とする、請求項
1記載のハニカム体(9)。
【請求項8】
前記シート幅(5)の方向の前記スリット幅が、2mm未満、特に好適には1mm未満であることを特徴とする、請求項
1記載のハニカム体(9)。
【請求項9】
前記スリット列(15,19)は、前記シート幅(5)に沿って不均一に分配されていることを特徴とする、請求項
1記載のハニカム体(9)。
【請求項10】
前記ガス流入側(11)の領域における前記スリット列の互いに対する間隔が、前記ガス流出側(12)における前記スリット列の互いに対する間隔とは異なっていることを特徴とする、請求項
1記載のハニカム体(9)。
【国際調査報告】