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特表2024-536477高純度の芳香族を混合芳香族供給原料ストリームから生成するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】高純度の芳香族を混合芳香族供給原料ストリームから生成するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 7/04 20060101AFI20240927BHJP
   C07C 15/04 20060101ALI20240927BHJP
   C07C 15/06 20060101ALI20240927BHJP
   C07C 15/08 20060101ALI20240927BHJP
   C07C 4/18 20060101ALN20240927BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
C07C7/04
C07C15/04
C07C15/06
C07C15/08
C07C4/18
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522024
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 US2022046589
(87)【国際公開番号】W WO2023064483
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/255,812
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524060418
【氏名又は名称】ヴィレント,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】ブロメル,ポール ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ストラテン,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ダリ―,ブライス
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AB84
4H006AC26
4H006AD11
4H006BA21
4H006BA71
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC18
4H006BD40
4H006BD52
4H006BD60
4H006BD84
4H006BE20
4H006DA12
4H039CA41
4H039CG50
(57)【要約】
本開示は、芳香族化合物を高収率で混合芳香族供給原料ストリームから生成するためのシステムおよび方法を提供する。芳香族化合物を高収率で炭水化物、糖、糖アルコール、糖分解生成物などの酸素化炭化水素から生成するためのシステムおよび方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族化合物を混合芳香族供給原料ストリームから分離するための方法であって、
(i)C7~10芳香族炭化水素を含む混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて生成物ストリームを生成するステップであって、
前記芳香族処理触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒、またはそれらの組合せを含み、
前記混合芳香族供給原料ストリームが、前記混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して1wt%を超える非芳香族成分を含み、前記混合芳香族供給原料ストリームが、C12+芳香族を実質的に含まない、ステップと、
(ii)前記生成物ストリームを分留して芳香族化合物を前記生成物ストリームから分離するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して、前記混合芳香族供給原料ストリームが、
0.1wt%~45wt%のオレフィン、
0.1wt%~25wt%のナフテン、
0.1wt%~40wt%のナフテノ-オレフィン、
10ppm~10wt%の量のフェノール、および/または
10ppm~10wt%の量の酸素化物
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合芳香族供給原料ストリームが、少なくとも1mg Br/前記混合芳香族供給原料g~100mg Br/前記混合芳香族供給原料g未満の臭素価を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記混合芳香族供給原料ストリームが、ベンゼン、トルエン、およびそれらの組合せの共沸夾雑物を実質的に含まないか、または前記混合芳香族供給原料ストリームがC9~10芳香族を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(ii)が、C芳香族を含む前記生成物ストリームを、前記生成物ストリームを分留してC7-ストリームをC8+ストリームから分離する第1の蒸留塔に供給するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記C7-ストリームが、前記C7-ストリームをC6-ストリームおよびCストリームに分留する第2の蒸留塔に供給される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記Cストリームの少なくとも一部が、リサイクルされ、前記混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(ii)が、前記C8+ストリームを、前記C8+ストリームをCストリームおよびC9+ストリームに分留する第3の蒸留塔に供給するステップであって、前記Cストリームが前記C芳香族を含む、ステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記C9+ストリームが、前記C9+ストリームをC9~10ストリームおよびC11+ストリームに分留する第4の蒸留塔に供給され、前記C9~10ストリームが、リサイクルされ、前記混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(iii)前記Cストリームの少なくとも一部を異性体回収プロセスユニットに供して、キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成するステップと、
(iv)前記ラフィネートストリームを異性化触媒と接触させて異性化生成物ストリームを生成するステップであって、前記異性化生成物ストリームが少なくとも1種のキシレン異性体を含み、前記異性化生成物ストリームの少なくとも一部が、ステップ(i)において前記芳香族処理触媒から生成された前記生成物ストリームと組み合わされる、ステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記異性化生成物ストリームの少なくとも一部が、前記異性体回収プロセスユニットに入る前記Cストリームと組み合わされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記C8+ストリームの少なくとも一部が、前記異性体回収プロセスユニットに入る前記Cストリームと組み合わされる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(ii)が、前記生成物ストリームを分留してCストリーム、Cストリーム、およびC9~10ストリームを分離するステップであって、前記Cストリームが前記異性体回収プロセスユニットに供給され、前記Cストリームが、リサイクルされ、前記混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされ、前記C9~10ストリームがリサイクルされ、前記混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、ステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(ii)が、前記生成物ストリームを分留して、Cストリーム、Cストリーム、およびC9+ストリームを分離するステップであって、前記Cストリームが前記異性体回収プロセスユニットに供給され、前記Cストリームが、リサイクルされ、前記混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされ、前記C9+ストリームが生成物として回収される、ステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記異性体回収プロセスユニットが吸着ユニットまたは結晶化ユニットを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記芳香族処理触媒が、アルミノシリケート、タングステン酸アルミノシリケート、シリカ-アルミナリン酸塩、リン酸アルミニウム、非晶質シリカアルミナ、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン酸ジルコニア、炭化タングステン、炭化モリブデン、チタニア、酸性アルミナ、リン酸化アルミナ、タングステン酸アルミナ、リン酸化シリカ、タングステン酸シリカ、タングステン酸チタニア、タングステン酸リン酸塩、ニオビア、硫酸化炭素、リン酸化炭素、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、タングステン酸ヘテロポリ酸、無機酸、またはそれらの組合せを含む酸触媒を含み、前記酸触媒が、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Zn、Ga、In、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金、または組合せを含む金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(i)が、200℃~600℃の温度、100psig~1500psigの圧力、もしくは0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間の重量空間速度(WHSV)で行われるか、またはステップ(i)が、水素を混合芳香族供給原料1mol当たり少なくとも0.1molの水素の量で供給するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
芳香族化合物を混合芳香族供給原料ストリームから生成および分離するための方法であって、
(i)水および1種または複数の酸素化物を含む水性炭化水素原料を縮合触媒と接触させて、C4+化合物を含む縮合生成物ストリームを生成するステップであって、前記C4+化合物が、C4+アルコール、C4+ケトン、C4+アルカン、C4+アルケン、C5+シクロアルカン、C5+シクロアルケン、アリール、または縮合アリールを含む、ステップと、
(ii)前記縮合生成物ストリームを分留して軽質ストリームおよび重質ストリームを産生するステップであって、前記軽質ストリームが、ベンゼンまたはトルエンの共沸非芳香族夾雑物を含み、前記重質ストリームが、ベンゼンまたはトルエンの共沸非芳香族夾雑物を実質的に含まない、ステップと、
(iii)前記軽質ストリームを前記縮合触媒にリサイクルするステップと、
(iv)前記重質ストリームを、C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料に分留するステップと、
(v)前記混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて生成物ストリームを生成するステップであって、前記芳香族処理触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒、またはそれらの組合せを含む、ステップと
を含む方法。
【請求項19】
ステップ(iv)が、C7+芳香族を含む前記混合芳香族供給原料を(A)C7~10ストリームおよびC11+ストリームまたは(B)C9~10ストリームおよびC11+ストリームに分留するステップであって、前記C7~10ストリームまたは前記C9~10ストリームが前記芳香族処理触媒と接触する、ステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(iv)が、200℃~600℃の温度および100psig~1500psigの圧力で、および0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間の重量空間速度(WHSV)で行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
キシレン異性体を生成および分離するための方法であって、
(i)C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて、前記混合芳香族供給原料ストリームと比べて増加した濃度のC芳香族を含む生成物ストリームを生成するステップであって、前記芳香族処理触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒またはそれらの組合せを含む、ステップと、
(ii)蒸留塔を使用して、前記生成物ストリームをC7-ストリームおよびC8+ストリームに分留するステップと、
(iii)蒸留塔を使用して、前記C8+ストリームをCストリームおよびC9+ストリームに分留するステップと、
(iv)前記Cストリームの少なくとも一部を異性体回収プロセスユニットに供して、キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成するステップと、
(v)前記ラフィネートストリームを異性化触媒と接触させて異性化生成物ストリームを生成するステップであって、前記異性化生成物ストリームが少なくとも1種のキシレン異性体を含み、前記異性化生成物ストリームの少なくとも一部が、前記異性体回収プロセスユニットに入る前に前記Cストリームと組み合わされる、ステップと
を含む方法。
【請求項22】
前記キシレン異性体ストリームが、パラ-キシレン、オルト-キシレン、またはメタ-キシレンを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記C8+ストリームの少なくとも一部が、ステップ(iii)において前記蒸留塔を迂回し、前記異性体回収プロセスユニットに入る前に前記Cストリームと組み合わされる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
ステップ(i)の前に、
水および1種または複数の酸素化物を含む水性炭化水素原料を縮合触媒と接触させて、C4+化合物を含む縮合生成物ストリームを生成するステップであって、前記C4+化合物が、C4+アルコール、C4+ケトン、C4+アルカン、C4+アルケン、C5+シクロアルカン、C5+シクロアルケン、アリール、または縮合アリールを含む、ステップ、
前記縮合生成物ストリームを分留してC6-ストリームをC7+ストリームから分離するステップ、
前記C6-ストリームを前記縮合触媒にリサイクルするステップ、
前記C7+ストリームをC7~10ストリームおよびC11+ストリームに分留するステップであって、前記C7~10ストリームが前記混合芳香族供給原料ストリームを形成する、ステップ
を含み、
前記C8+ストリームの少なくとも一部が、ステップ(iii)において前記蒸留塔を迂回し、前記異性体回収プロセスユニットに入る前に前記Cストリームと組み合わされる、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年10月14日に出願された米国仮出願第63/255,812号明細書の優先権を主張し、その内容は、これによりその全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
芳香族炭化水素、特に、ベンゼン、トルエン、およびキシレンは、スチレン、フェノール、アニリン、ポリエステル、およびナイロンを含む、多数の化学物質、繊維、プラスチック、およびポリマーを生成するために使用される重要な工業製品である。典型的には、そのような芳香族炭化水素は、十分に確立されている精製または化学的プロセスを使用して石油原料から生成される。つい最近では、バイオマス、合成ガスおよび天然ガスなどの代替資源から芳香族炭化水素を得ることに関心が高まっている。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、本開示は、芳香族化合物を混合芳香族供給原料ストリームから分離するための方法を提供する。方法は、(i)C7~10芳香族を含む混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて生成物ストリームを生成するステップであって、芳香族処理触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒、またはそれらの組合せを含む、ステップを含み得る。混合芳香族供給原料は、混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して1wt%を超える非芳香族成分を含み得る。混合芳香族供給原料は、C12+芳香族を実質的に含まなくてもよい。方法は、(ii)生成物ストリームを分留して芳香族化合物を生成物ストリームから分離するステップをさらに含み得る。
【0004】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して、混合芳香族供給原料ストリームは、0.1wt%~45wt%のオレフィン、0.1wt%~25wt%のナフテン、0.1wt%~40wt%のナフテノ-オレフィン、10ppm~10wt%の量のフェノール、および/または10ppm~10wt%の量の酸素化物を含み得る。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリームは、少なくとも1mg Br/混合芳香族供給原料g~100mg Br/混合芳香族供給原料g未満の臭素価を有する。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリームは、ベンゼン、トルエン、およびそれらの組合せの共沸夾雑物を実質的に含まない。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリームはC10芳香族を含む。
【0005】
一部の実施形態では、本方法のステップ(ii)は、C芳香族を含む生成物ストリームを、生成物ストリームを分留してC7-ストリームをC8+ストリームから分離する第1の蒸留塔に供給するステップを含む。C7-ストリームは、C7-ストリームをC6-ストリームおよびCストリームに分留する第2の蒸留塔に供給され得る。一部の実施形態では、Cストリームの少なくとも一部は、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる。
【0006】
一部の実施形態では、ステップ(ii)は、C8+ストリームを、C8+ストリームをCストリームおよびC9+ストリームに分留する第3の蒸留塔に供給するステップをさらに含む。CストリームはC芳香族を含み得る。C9+ストリームは、C9+ストリームをC9~10ストリームおよびC11+ストリームに分留する第4の蒸留塔に供給され得る。C9~10ストリームは、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされ得る。
【0007】
一部の実施形態では、本方法は、(iii)Cストリームの少なくとも一部を異性体回収プロセスユニットに供して、キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成するステップと、(iv)ラフィネートストリームを異性化触媒と接触させて異性化生成物ストリームを生成するステップとをさらに含み得る。異性化生成物ストリームは、少なくとも1種のキシレン異性体を含み得る。異性化生成物ストリームの少なくとも一部は、ステップ(i)において芳香族処理触媒から生成された生成物ストリームと組み合わされ得る。
【0008】
一部の実施形態では、異性化生成物ストリームの少なくとも一部は、異性体回収プロセスユニットに入るCストリームと組み合わされる。
【0009】
一部の実施形態では、C8+ストリームの少なくとも一部は、異性体回収プロセスユニットに入るCストリームと組み合わされる。
【0010】
一部の実施形態では、本方法のステップ(ii)は、生成物ストリームを分留してCストリーム、Cストリーム、およびC9~10ストリームを分離するステップであって、Cストリームが異性体回収プロセスユニットに供給され、Cストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされ、C9~10ストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、ステップを含む。
【0011】
一部の実施形態では、ステップ(ii)は、生成物ストリームを分留してCストリーム、Cストリーム、およびC9+ストリームを分離するステップであって、Cストリームが異性体回収プロセスユニットに供給され、Cストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされ、C9+ストリームが生成物として回収される、ステップを含む。
【0012】
一部の実施形態では、異性体回収プロセスユニットは、吸着ユニットまたは結晶化ユニットを含む。
【0013】
本方法の芳香族処理触媒は酸触媒を含み得る。酸触媒は、アルミノシリケート、タングステン酸アルミノシリケート、シリカ-アルミナリン酸塩、リン酸アルミニウム、非晶質シリカアルミナ、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン酸ジルコニア、炭化タングステン、炭化モリブデン、チタニア、酸性アルミナ、リン酸化アルミナ、タングステン酸アルミナ、リン酸化シリカ、タングステン酸シリカ、タングステン酸チタニア、タングステン酸リン酸塩、ニオビア、硫酸化炭素、リン酸化炭素、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、タングステン酸ヘテロポリ酸、無機酸、またはそれらの組合せを含み得る。酸触媒は、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Zn、Ga、In、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金、または組合せを含む金属も含み得る。
【0014】
一部の実施形態では、本方法のステップ(i)は、200℃~600℃の温度で行われる。一部の実施形態では、本方法のステップ(i)は、100psig~1500psigの圧力で行われる。一部の実施形態では、本方法のステップ(i)は、0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間の重量空間速度(WHSV)で行われる。一部の実施形態では、本方法のステップ(i)は、水素を混合芳香族供給原料1mol当たり少なくとも0.1molの水素、例えば、混合芳香族供給原料1mol当たり少なくとも1molの水素の量で供給するステップを含む。
【0015】
他の態様では、本開示は、芳香族化合物を混合芳香族供給原料ストリームから生成および分離するための方法を提供する。方法は、(i)水および1種または複数の酸素化物を含む水性炭化水素原料を縮合触媒と接触させて、C4+化合物を含む縮合生成物ストリームを生成するステップを含み得る。C4+化合物は、例えば、C4+アルコール、C4+ケトン、C4+アルカン、C4+アルケン、C5+シクロアルカン、C5+シクロアルケン、アリール、または縮合アリールを含み得る。方法は、(ii)縮合生成物ストリームを分留して、軽質ストリームおよび重質ストリームを産生するステップをさらに含み得る。一部の実施形態では、軽質ストリームは、ベンゼンまたはトルエンの共沸非芳香族夾雑物を含み、重質ストリームは、ベンゼンまたはトルエンの共沸非芳香族夾雑物を実質的に含まない。方法は、(iii)軽質ストリームを縮合触媒にリサイクルするステップと、(iv)重質ストリームを、C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料に分留するステップとをさらに含み得る。方法は、(v)混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて生成物ストリームを生成するステップをさらに含み得る。芳香族処理触媒は、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒、またはそれらの組合せを含み得る。
【0016】
一部の実施形態では、ステップ(iv)は、C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料をC7~10ストリームおよびC11+ストリームに分留するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ステップ(iv)は、C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料をC9~10ストリームおよびC11+ストリームに分留するステップをさらに含む。C7~10ストリームまたはC9~10ストリームは、芳香族処理触媒と接触し得る。
【0017】
一部の実施形態では、ステップ(iv)は、200℃~600℃の温度および100psig~1500psigの圧力で、および0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間の重量空間速度(WHSV)で行われる。
【0018】
別の態様では、本開示は、キシレン異性体を生成および分離するための方法を提供する。方法は、(i)C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて、混合芳香族供給原料ストリームと比べて増加した濃度のC芳香族を含む生成物ストリームを生成するステップであって、芳香族処理触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒、またはそれらの組合せを含む、ステップを含み得る。方法は、(ii)蒸留塔を使用して、生成物ストリームをC7-ストリームおよびC8+ストリームに分留するステップと、(iii)蒸留塔を使用して、C8+ストリームをCストリームおよびC9+ストリームに分留するステップとをさらに含み得る。方法は、(iv)Cストリームの少なくとも一部を異性体回収プロセスユニットに供して、キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成するステップと、(v)ラフィネートストリームを異性化触媒と接触させて異性化生成物ストリームを生成するステップであって、異性化生成物ストリームが少なくとも1種のキシレン異性体を含む、ステップとをさらに含み得る。一部の実施形態では、C8+ストリームの少なくとも一部は、ステップ(iii)において蒸留塔を迂回し、異性体回収プロセスユニットに入る前にCストリームと組み合わされる。
【0019】
さらに別の態様では、本開示は、キシレン異性体を生成および分離するための方法を提供する。方法は、(i)C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて、混合芳香族供給原料ストリームと比べて増加した濃度のC芳香族を含む生成物ストリームを生成するステップであって、触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒、またはそれらの組合せを含む、ステップを含み得る。方法は、(ii)蒸留塔を使用して、生成物ストリームをC7-ストリームおよびC8+ストリームに分留するステップと、(iii)蒸留塔を使用して、C8+ストリームをCストリームおよびC9+ストリームに分留するステップとをさらに含み得る。方法は、(iv)Cストリームの少なくとも一部を異性体回収プロセスユニットに供して、キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成するステップと、(v)ラフィネートストリームを異性化触媒と接触させて異性化生成物ストリームを生成するステップであって、異性化生成物ストリームが少なくとも1種のキシレン異性体を含む、ステップとをさらに含み得る。一部の実施形態では、異性化生成物ストリームの少なくとも一部は、異性体回収プロセスユニットに入る前にCストリームと組み合わされる。
【0020】
キシレン異性体ストリームは、例えば、パラ-キシレン、オルト-キシレン、またはメタ-キシレンを含み得る。
【0021】
一部の実施形態では、C8+ストリームの少なくとも一部は、ステップ(iii)において蒸留塔を迂回し、異性体回収プロセスユニットに入る前にCストリームと組み合わされる。
【0022】
一部の実施形態では、ステップ(i)の前に、方法は、
水および1種または複数の酸素化物を含む水性炭化水素原料を縮合触媒と接触させて、C4+化合物を含む縮合生成物ストリームを生成するステップであって、C4+化合物が、C4+アルコール、C4+ケトン、C4+アルカン、C4+アルケン、C5+シクロアルカン、C5+シクロアルケン、アリール、または縮合アリールを含む、ステップ、
縮合生成物ストリームを分留して、C6-ストリームをC7+ストリームから分離するステップ、
6-ストリームを縮合触媒にリサイクルするステップ、
7+ストリームをC7~10ストリームおよびC11+ストリームに分留するステップであって、C7~10ストリームが混合芳香族供給原料ストリームを形成する、ステップ
を含み、
8+ストリームの少なくとも一部は、ステップ(iii)において蒸留塔を迂回し、異性体回収プロセスユニットに入る前にCストリームと組み合わされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の一部の実施形態に従う芳香族精製システムの概略図である。
図2】本開示の一部の実施形態に従う混合芳香族供給原料ストリームを形成するために酸素化炭化水素を変換するように構成されたプロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示がより容易に理解されるために、ある特定の用語がまず下記に定義される。以下の用語および他の用語に関する追加の定義は、本明細書全体で明記される。
【0025】
この出願では、文脈から特に明確でない限り、用語「1つの(a)」は、「少なくとも1つ」を意味すると理解され得る。この出願で使用される場合、用語「または」は、「および/または」を意味すると理解され得る。この出願では、用語「含む(comprising)」および「含む(including)」は、箇条書きされた成分またはステップを、それらだけで提示されていようが、1つまたは複数の追加の成分またはステップと一緒に提示されていようが包含すると理解され得る。特に述べられていない限り、用語「約」および「およそ」は、当業者により理解されるように、標準偏差(例えば、±10%)を許容すると理解され得る。範囲が本明細書で提供される場合、終点が含まれる。この出願で使用される場合、用語「含む(comprise)」ならびに「含む(comprising)」および「含む(comprises)」などの用語の変形は、他の添加物、成分、整数またはステップを除くことを意図しない。
【0026】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本発明が属する当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。全ての定義は、本明細書で定義および使用される場合、辞書の定義、参照により組み込まれる文書における定義、および/または定義された用語の通常の意味より優先することが理解されるべきである。
【0027】
本開示は、芳香族炭化水素を高い収率および純度で生成するためのシステムおよび方法を提供する。例示的な芳香族炭化水素は、これらに限定されないが、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、パラ-キシレン、メタ-キシレン、オルト-キシレン、ジメチルベンゼン、およびナフタレンを含む。提供されるシステムおよび方法は、高純度、例えば、少なくとも98.5%、または少なくとも99%、または少なくとも99.5%、または少なくとも99.9%を有する芳香族を生成し得る。
【0028】
提供されるシステムおよび方法は、様々な利点をもたらす。例えば、混合芳香族供給原料ストリームの処理は、典型的には、高純度の芳香族を生成するために抽出などの分離ステップを必要とする。一部の実施形態では、提供されるシステムおよび方法は、不純物を供給原料ストリームから除去するための抽出技術を実行することなく、高純度の芳香族を得る。抽出を分離スキームから除去することは、エネルギー必要量および資本コストを低減する。一部の芳香族生成物は、他と比較して分離するのが難しい。例えば、本開示の一部の実施形態では、キシレン異性体(例えば、パラ-キシレン)は、異性化段階および蒸留と一体となった異性体回収プロセスユニット(例えば、吸着または結晶化)を使用して精製され得る。結晶化および吸着プロセスは、キシレン異性体を中間生成物から分離するために、熱および電気の形態のかなりの量のエネルギーを必要とする。本開示の一態様では、システムおよび方法は、中間ストリームの一部を蒸留なしで直接異性体回収プロセスユニットに入らせるか、または蒸留ユニットの一部を迂回し、これにより、迂回された蒸留に関連するエネルギーを削減することによって、分離のエネルギー負荷を低減するために提供される。これは、全体のシステムエネルギー負荷を低減し、驚くべきことに、精製段階を迂回したにもかかわらず、許容可能な生成物純度を維持する。
【0029】
本開示の別の態様では、システムおよび方法は、ベンゼン、トルエン、およびそれらの組合せの共沸非芳香族夾雑物を含まないまたは実質的に含まない混合芳香族供給原料ストリームを生成するために提供される。本明細書で使用される場合、用語「実質的に含まない」は、特定のストリーム中の1%(w/w)未満の特定の化合物または化合物の混合物を指す。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリームは、ベンゼン、トルエン、およびそれらの組合せの1%(w/w)未満、または0.5%(w/w)未満、または0.1%(w/w)未満の共沸非芳香族夾雑物を含む。共沸非芳香族夾雑物がないまたは実質的にない混合芳香族供給原料ストリームをトランスアルキル化および/または脱アルキル化触媒上に供給することによって、非芳香族夾雑物を含む混合芳香族ストリームと比較すると高い純度および収率を有する芳香族生成物が得られる。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「共沸非芳香族夾雑物」は、蒸留によって、所望の生成物から分離できない、または大変苦労してようやく分離できる非芳香族種を指す。共沸非芳香族は、各所望の生成物によって異なり、炭化水素、酸素化物、硫黄含有種、および窒素含有種を含み得る。ベンゼン共沸範囲は、ここでは、メチルシクロペンタン(標準沸点71.8℃)以上、1,3ジメチルシクロペンタン、cisの標準沸点(標準沸点91℃)以下の標準沸点を有する全ての成分(ベンゼンを含む)と定義される。ベンゼンの例示的な共沸非芳香族夾雑物は、これらに限定されないが、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンテン、Cパラフィン、およびCオレフィンを含む。
【0031】
トルエンの共沸範囲は、ここでは、1,3ジメチルシクロペンタン、cis(沸点91℃)を含み、これを超え、trans1,2-ジメチル-シクロヘキサン(沸点123℃)を含み、これ未満の保持時間を有する全ての成分(トルエンを含む)と定義される。
【0032】
図1を参照すると、芳香族精製システム10は、本開示の一部の態様に従って説明される。明瞭性および簡潔性のために、芳香族精製システム10内の温度および流れを制御するための機器は図面から省略された。しかし、芳香族精製システム10は、図面から省略されたとしても、温度を制御するための様々な機器(例えば、プロセスストリームを加熱または冷却するための熱交換器、燃焼加熱器、冷却器、電気加熱器、またはそれらの組合せ)を含み得ることが理解されるべきである。芳香族精製システム10は、図面から省略されたとしても、これらに限定されないが、システム10全体の流体の流れを調節するためのポンプ、弁、コンプレッサー、送風機、またはそれらの組合せを含む、流体の流速を制御するための機器を含み得る。
【0033】
一部の態様では、芳香族精製システム10は、芳香族処理反応器12を混合芳香族供給原料ストリーム14と流体連結させる入口を有する芳香族処理反応器12を含む。ポンプは、リザーバーまたは上流プロセスユニットなどの混合芳香族供給原料源16からの混合芳香族供給原料ストリーム14を芳香族処理反応器12に輸送するために混合芳香族供給原料ストリーム14内に構成され得る。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14は、下記にさらに定義されるCストリーム36およびC9~10ストリーム46と任意選択で組み合わされる。
【0034】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、限定ではなく、バイオマス由来の酸素化物および縮合生成物、石油精製、炭化水素の熱もしくは接触クラッキング、石炭のコークス化、石油化学変換、またはそれらの組合せを含む様々な元の供給源に由来し得る、非芳香族化合物および芳香族化合物を含む。
【0035】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、0.1wt%~45wt%の非芳香族炭化水素、例えば、パラフィン、オレフィン、ナフテン、ナフテノ-オレフィン、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、炭化水素供給原料ストリームは、少なくとも0.1wt%の非芳香族炭化水素、または少なくとも1wt%、もしくは少なくとも2wt%もしくは少なくとも3wt%、もしくは少なくとも4wt%、もしくは少なくとも5wt%、もしくは少なくとも10wt%、もしくは少なくとも15wt%、もしくは少なくとも20wt%~25wt%未満、30wt%未満、もしくは35wt%未満、もしくは40wt%未満、もしくは45wt%未満を含む。一部の実施形態では、炭化水素供給原料ストリームは、C3~30パラフィン、C3~30オレフィン、C5~30ナフテン、またはそれらの組合せを含む。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「パラフィン」または「アルカン」は、C3~30飽和直鎖または分岐鎖炭化水素を指す。一部の実施形態では、パラフィンはC2n+2の一般式を有し、nは、3~30、3~25、3~20、3~15、3~10、または3~6の範囲であり得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「オレフィン」または「アルケン」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有するC3~30不飽和直鎖または分岐鎖炭化水素を指す。一部の実施形態では、オレフィンはC2nの一般式を有し、nは、3~30、3~25、3~20、3~15、3~10、または3~6の範囲であり得る。
【0038】
様々なパラフィンおよびオレフィンの例は、限定ではなく、プロパン、プロペン、ブタン、ブテン、ペンタン、ペンテン、2-メチルブタン、ヘキサン、ヘキセン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、ヘプタン、ヘプテン、オクタン、オクテン、2,2,4-トリメチルペンタン、2,3-ジメチルヘキサン、2,3,4-トリメチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、ノナン、ノネン、デカン、デセン、ウンデカン、ウンデセン、ドデカン、ドデセン、トリデカン、トリデセン、テトラデカン、テトラデセン、ペンタデカン、ペンタデセン、ヘキサデカン、ヘキサデセン、ヘプチルデカン、ヘプチルデセン、オクチルデカン、オクチルデセン、ノニルデカン、ノニルデセン、エイコサン、エイコセン、ウンエイコサン、ウンエイコセン、ドエイコサン、ドエイコセン、トリエイコサン、トリエイコセン、テトラエイコサン、テトラエイコセン、およびそれらの異性体を含む。
【0039】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、少なくとも0.1wt%のオレフィン、または少なくとも1wt%、もしくは少なくとも2wt%もしくは少なくとも3wt%、もしくは少なくとも4wt%、もしくは少なくとも5wt%、もしくは少なくとも10wt%、もしくは少なくとも15wt%、もしくは少なくとも20wt%~25wt%未満、30wt%未満、もしくは35wt%未満、もしくは40wt%未満、もしくは45wt%未満のオレフィンを含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「ナフテン」または「シクロアルカン」は、飽和環式、二環式、または架橋環式炭化水素基を指す。飽和環式、二環式、または架橋環式(例えば、アダマンタン)炭化水素基は、1つまたは複数の直鎖または分岐鎖アルキル基またはアルキレン基で置換されていてもよく、例えば、置換された基は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、直鎖または分岐鎖C3~12アルキレン、直鎖または分岐鎖C1~4アルキル、直鎖または分岐鎖C3~4アルキレンを含み得る。ナフテンは、一置換または多置換されていてもよい。一部の実施形態では、ナフテンは、C2nの一般式を有し、nは、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、または5~6の範囲であり得る。
【0041】
ナフテンの例は、限定ではなく、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチル-シクロペンタン、メチル-シクロペンテン、エチル-シクロペンタン、エチル-シクロペンテン、エチル-シクロヘキサン、エチル-シクロヘキセン、プロピル-シクロヘキサン、ブチル-シクロペンタン、ブチル-シクロヘキサン、ペンチル-シクロペンタン、ペンチル-シクロヘキサン、ヘキシル-シクロペンタン、ヘキシル-シクロヘキサン、デカリン、エチル-デカリン、ペンチル-デカリン、ヘキシル-デカリン、およびそれらの異性体を含む。
【0042】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、少なくとも0.1wt%のナフテン、または少なくとも1wt%、もしくは少なくとも2wt%もしくは少なくとも3wt%、もしくは少なくとも4wt%、もしくは少なくとも5wt%、もしくは少なくとも6wt%、もしくは少なくとも7wt%、もしくは少なくとも8wt%、もしくは少なくとも9wt%、もしくは少なくとも10wt%~11wt%未満、もしくは12wt%未満、もしくは13wt%未満、もしくは14wt%未満、もしくは15wt%未満、もしくは16wt%未満、もしくは17wt%未満、もしくは18wt%未満、もしくは19wt%未満、もしくは20wt%未満、もしくは21wt%未満、もしくは22wt%未満、もしくは23wt%未満、もしくは24wt%未満、もしくは25wt%未満のナフテンを含む。
【0043】
本明細書で使用される場合、用語「ナフテノ-オレフィン」は、炭化水素基に一置換オレフィンまたは多置換オレフィンを有する、飽和環式、二環式、または架橋環式炭化水素基を指す。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、少なくとも0.1wt%のナフテノ-オレフィン、または少なくとも1wt%、もしくは少なくとも2wt%もしくは少なくとも3wt%、もしくは少なくとも4wt%、もしくは少なくとも5wt%、もしくは少なくとも10wt%、もしくは少なくとも15wt%、もしくは少なくとも20wt%~25wt%未満、30wt%未満、もしくは35wt%未満、もしくは40wt%未満のナフテノ-オレフィンを含む。
【0044】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、10wt%~80wt%の芳香族炭化水素、例えば、アリール、縮合アリール、多環式化合物、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、炭化水素供給原料ストリームは、少なくとも10wt%の芳香族炭化水素、または少なくとも10wt%、もしくは少なくとも15wt%もしくは少なくとも20wt%、もしくは少なくとも25wt%、もしくは少なくとも30wt%、もしくは少なくとも35wt%、もしくは少なくとも40wt%、もしくは少なくとも45wt%~50wt%未満、55wt%未満、もしくは60wt%未満、もしくは65wt%未満、もしくは75wt%未満、もしくは80wt%未満の芳香族を含む。一部の実施形態では、炭化水素供給原料ストリームは、複数のC6~30アリール、C12~30縮合アリール、C12~30多環式化合物、またはそれらの組合せを含む。
【0045】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」および「芳香族」は、無置換(フェニル)、一置換、または多置換形態の芳香族炭化水素を指す。一置換および多置換化合物の場合、置換された基は、分岐C3+アルキル、直鎖C1+アルキル、分岐鎖C3+アルキレン、直鎖C2+アルキレン、またはそれらの組合せを含み得る。例として、置換された基の少なくとも1つは、分岐鎖C3+アルキル、直鎖C1~12アルキル、分岐鎖C3~12アルキレン、直鎖C2~12アルキレン、またはそれらの組合せを含む。さらなる例として、置換された基の少なくとも1つは、分岐C3~4アルキル、直鎖C1~4アルキル、分岐C3~4アルキレン、直鎖C2~4アルキレン、またはそれらの組合せを含む。様々なアリールの例は、限定ではなく、ベンゼン、トルエン、キシレン(ジメチルベンゼン)、エチルベンゼン、パラ-キシレン、メタ-キシレン、オルト-キシレン、C9+芳香族、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、およびそれらの異性体を含む。
【0046】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、フェノールを供給原料ストリームの総重量に対して少なくとも10ppm~10wt%未満の量で含む。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、供給原料ストリームの総重量に対して少なくとも10ppmのフェノール、または少なくとも50ppm、もしくは少なくとも100ppm、もしくは少なくとも200ppm、もしくは少なくとも300ppm、もしくは少なくとも400ppm、もしくは少なくとも500ppm、もしくは少なくとも600ppm、もしくは少なくとも700ppmもしくは少なくとも800ppm、もしくは少なくとも900ppm、もしくは少なくとも0.1wt%、もしくは少なくとも1wt%、もしくは少なくとも2wt%、もしくは少なくとも3wt%、もしくは少なくとも4wt%~5wt%未満、もしくは6wt%未満、もしくは7wt%未満、もしくは8wt%未満、もしくは9wt%未満、もしくは10wt%未満のフェノールを含む。
【0047】
本明細書で使用される場合、用語「縮合アリール」または「多核芳香族(PNA)」は、無置換、一置換、または多置換形態のいずれかの二環式および多環式芳香族炭化水素を指す。一置換および多置換化合物の場合、置換された基は、分岐鎖C3~12アルキル、直鎖C1~12アルキル、分岐鎖C3~12アルキレン、直鎖C2~12アルキレン、分岐鎖C3~4アルキル、直鎖C1~4アルキル、分岐鎖C3~4アルキレン、直鎖C2~4アルキレン、またはそれらの組合せを含み得る。様々な縮合アリールの例は、限定ではなく、ナフタレン、アントラセン、およびそれらの異性体を含む。
【0048】
本明細書で使用される場合、用語「多環式化合物」は、少なくとも1つの飽和または部分的飽和環を有する、無置換、一置換、または多置換形態のいずれかの二環式および多環式炭化水素を指す。一置換および多置換化合物の場合、置換された基は、分岐鎖C3~12アルキル、直鎖C1~12アルキル、分岐鎖C3~12アルキレン、直鎖C2~12アルキレン、分岐鎖C3~4アルキル、直鎖C1~4アルキル、分岐鎖C3~4アルキレン、直鎖C2~4アルキレン、またはそれらの組合せを含み得る。様々な多環式化合物の例は、限定ではなく、テトラリン(すなわちテトラヒドロナフタレン)、エチル-テトラリン、ペンチル-テトラリン、ヘキシル-テトラリン、およびそれらの異性体を含む。
【0049】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、少なくとも1mg Br/供給原料g~100Br/供給原料g未満の臭素価を有する。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、1mg Br/gを超える、または少なくとも5mg Br/g、または少なくとも10mg Br/g、または少なくとも15mg Br/g、または少なくとも20mg Br/g、または少なくとも25mg Br/g、または少なくとも30mg Br/g、または少なくとも40mg Br/g、または少なくとも50mg Br/g、または60mg Br/g未満、または70mg Br/g未満、または80mg Br/g未満、または90mg Br/g未満、または100mg Br/g未満の臭素価を有する。臭素価は、供給原料中の脂肪族不飽和の尺度である。臭素価は、ASTM D1159などの公知の方法を使用して決定され得る。
【0050】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、酸素化物を供給原料ストリームの総重量に対して10ppm~10wt%未満の量で含む。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、供給原料ストリームの総重量に対して少なくとも10ppmの酸素化物、または少なくとも50ppm、もしくは少なくとも100ppm、もしくは少なくとも200ppm、もしくは少なくとも300ppm、もしくは少なくとも400ppm、もしくは少なくとも500ppm、もしくは少なくとも600ppm、もしくは少なくとも700ppm もしくは少なくとも800ppm、もしくは少なくとも900ppm、もしくは少なくとも0.1wt%、もしくは少なくとも1wt%、もしくは少なくとも2wt%、もしくは少なくとも3wt%、もしくは少なくとも4wt%~5wt%未満、もしくは6wt%未満、もしくは7wt%、もしくは8wt%未満、もしくは9wt%未満、もしくは10wt%未満の酸素化物を含む。
【0051】
本明細書で使用される場合、用語「Cn+」は、化合物中にn個以上の炭素(例えば、少なくとも7つの炭素)を有する炭化水素化合物を指し、用語「Cn-」は、化合物中にn個以下の炭素(例えば、7つ未満の炭素原子)を有する炭化水素化合物を指す。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、C7+芳香族炭化水素を含む。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、C7~10芳香族、C8~10芳香族、またはC9~10芳香族からなる。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、C11+化合物などの重質芳香族を含まないまたは実質的に含まない。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15は、ベンゼン、トルエン、またはそれらの組合せの共沸夾雑物を含まないまたは実質的に含まない。
【0052】
図2を参照してより詳細に記載されるように、混合芳香族供給原料ストリーム14は、バイオマスに由来する水溶性糖から生成され得る。加えてまたは代替的に、混合芳香族供給原料ストリーム14は、これらに限定されないが、石油精製、炭化水素の熱もしくは接触クラッキング、石炭のコークス化、または石油化学変換を含む様々な元の供給源に由来し得る。
【0053】
再び図1を参照すると、芳香族処理反応器12は、芳香族処理反応器12を水素ストリーム18と流体連結させる水素入口を任意選択で含み得る。ガス輸送デバイスは、水素をリザーバーまたは上流プロセスユニットなどの水素供給源20から芳香族処理反応器12に輸送するために水素ストリーム18内に構成され得る。
【0054】
芳香族処理反応器12は、芳香族供給原料ストリーム14または組み合わされた芳香族供給原料ストリーム15と比べて増加した濃度のC芳香族を有する生成物ストリームを生成するために混合芳香族供給原料ストリーム14を改質するように構成される芳香族処理触媒22を含む。適切な芳香族処理触媒22は、これらに限定されないが、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒、またはそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、芳香族処理触媒22は、二機能性で酸性の金属含有触媒からなり得る。芳香族処理触媒22は、限定ではなく、カーバイド、ニトリド、ジルコニア、アルミナ、シリカ、アルミノシリケート、リン酸塩、ゼオライト(例えば、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35およびZSM-48)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、水酸化物、ヘテロポリ酸、無機酸、酸修飾樹脂、塩基修飾樹脂、およびそれらの組合せを含み得る。
【0055】
一部の実施形態では、芳香族処理触媒22は、上記を単独で、またはCe、La、Y、Sc、P、B、Bi、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、もしくはそれらの組合せなどの修飾剤と組み合わせて含み得る。芳香族処理触媒22は、金属機能性を提供するために、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金または組合せなどの金属も含み得る。
【0056】
一部の実施形態では、芳香族処理反応器12は、任意選択の水素および芳香族供給原料ストリーム14が、芳香族処理反応器12に取り込まれ、芳香族処理触媒22の固定床を越えて下方へ流される、気相反応器として稼働される。代替的に、芳香族処理反応器12は、放射状流または上昇流反応器として稼働する。他の実施形態では、反応器12は、任意選択の水素および組み合わされた芳香族供給原料ストリームが、反応器12に取り込まれ、触媒22の固定床を越えて下方へ流される、固定トリクルベッド反応器として稼働される。水素導管18および組み合わされた芳香族ストリーム15は、図1において並流方向で示されているが、向流の向きが実行され得ることが理解されるべきである。
【0057】
一部の実施形態では、芳香族処理反応器12は、200℃~600℃、250℃~550℃、または300℃~500℃の温度で稼働する。一部の実施形態では、芳香族処理反応器12の圧力は、大気圧~1500psigの範囲である。一部の実施形態では、反応器12は、0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間の重量空間速度(WHSV)または0.5~8WHSVで稼働する。
【0058】
生成物ストリーム24は、芳香族を凝縮するために冷却される反応器出口を通って芳香族処理反応器12を出て、未反応水素および非凝縮性化合物を生成物ストリーム24から除去する分離器25に輸送される。反応器出口のストリーム24の冷却は、1つまたは複数の熱交換器を使用して遂行され得る。未反応水素の一部は、ガス出口29により、任意選択でリサイクルされ、水素ストリーム18と組み合わされ得る。未反応水素のリサイクルは、コンプレッサーまたは送風機などのガス輸送デバイスの使用により達成され得る。分離器25からの液体生成物ストリーム27は、次いで、様々な生成物留分を回収するために蒸留に供される。留分が回収される順番は、実行詳細に応じて異なり得る。
【0059】
一実施形態では、分離器25からの液体生成物ストリーム27は、第1の蒸留塔26に向かう。ポンプは、液体生成物ストリーム27の輸送を促進するために液体生成物ストリーム27内に構成されてもよく、熱交換器は、第1の蒸留塔26に入る液体生成物ストリームの温度を制御するために液体生成物ストリーム27内に構成されてもよい。弁は、流れを調節するために生成物ストリーム27内に配置され得る。第1の蒸留塔26は、液体生成物ストリーム27をC7-ストリーム28およびC8+ストリーム30に分留する。図1は、第1の蒸留塔26を単一の塔として示しているが、液体生成物ストリーム27をC7-ストリーム28およびC8+ストリーム30に分留することは、複数の蒸留塔にわたって行われ得ることが理解されるべきである。
【0060】
一部の実施形態では、C7-ストリーム28は、C7-ストリーム28をC6-ストリーム34およびCストリーム36に分留する第2の蒸留塔32に供給される。一部の実施形態では、C6-ストリーム34は、プロセスから収集または廃棄される。C6-ストリーム34は、生成物をC6-ストリーム34から単離するために、芳香族精製ユニットにおいて任意選択でさらに処理され得る。例えば、C6-ストリーム34は、ベンゼンをC6-ストリーム34から単離するために、さらなる蒸留、結晶化、または吸着に供され得る。一部の実施形態では、C6-ストリーム34の少なくとも一部は、より多くのC芳香族または他の所望の芳香族を生成するために、酸縮合触媒などの上流プロセスユニットにリサイクルされる。
【0061】
一部の実施形態では、Cストリーム36が、芳香族処理触媒22上でさらに反応し得るように、Cストリーム36の少なくとも一部は、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリーム14と組み合わされて、組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15を形成する。加えてまたは代替的に、Cストリーム36の少なくとも一部は、プロセスから収集または廃棄され得る。Cストリーム36の収集または廃棄された部分は、生成物をCストリーム36から単離するために、芳香族精製ユニットにおいて任意選択でさらに処理され得る。例えば、Cストリーム36は、トルエンをCストリーム36から単離するために、さらなる蒸留、結晶化、または吸着に供され得る。
【0062】
一部の実施形態では、第1の蒸留塔26から出るC8+ストリーム30は、第3の蒸留塔38に供給される。第3の蒸留塔38は、C8+ストリーム30をCストリーム40およびC9+ストリーム42に分留する。一部の実施形態では、C8+ストリーム30の一部が、第3の蒸留塔38から出るCストリーム40と組み合わされるように、C8+ストリーム30の少なくとも一部は、第3の蒸留塔38を任意選択で迂回する。迂回ストリームは、様々な利点をもたらす。まず、第3の蒸留塔38を迂回することは、蒸留塔38を通過する材料の流量を減らすことによって全体のシステムエネルギー負荷を低減し、これにより稼働コストを減らす。さらに、本出願人は、驚くべきことに、また予想外に、迂回ストリームを組み込むことが、蒸留塔38を迂回しているにもかかわらず、依然として許容可能な生成物純度を維持しながら、稼働コストを減らすことを見出した。
【0063】
一部の実施形態では、C9+ストリーム42は第4の蒸留塔44に供給される。第4の蒸留塔は、C9+ストリーム42をC9~10ストリーム46およびC11+ストリーム48に分留する。一部の実施形態では、C9~10ストリーム46が、芳香族処理触媒22上でさらに反応し得るように、C9~10ストリーム46の少なくとも一部は、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリーム14と組み合わされて、組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム15を形成する。加えてまたは代替的に、C9~10ストリーム46の少なくとも一部は、プロセスから収集または廃棄され得る。C9~10ストリーム46の収集または廃棄された部分は、生成物をC9~10ストリーム46から単離するために、芳香族精製ユニットにおいて任意選択でさらに処理され得る。例えば、ナフタレンをC9~10ストリーム46から単離するために、C9~10ストリーム46は、さらなる蒸留、結晶化、または吸着に供され得る。一部の実施形態では、C11+ストリーム48は、システムから廃棄されるか、または下流プロセスユニットにおいてさらに処理される。例えば、C11+ストリームは、収集され得るか、あるいはディーゼル燃料用途のためにまたは潤滑油もしくは燃料油としてさらに分離され得る。加えてまたは代替的に、C11+ストリームは、クラッキングされ、分離され、さらなる処理のために混合芳香族供給原料ストリームまたは酸縮合触媒のどちらかにリサイクルされ得る。
【0064】
一部の実施形態では、Cストリーム40は、異性体回収プロセスユニット50に供給される。異性体回収プロセスユニット50は、キシレン異性体ストリーム52および未回収のC化合物を含むラフィネートストリーム54を生成するように構成される。例示的な異性体回収プロセスユニット50は、これらに限定されないが、キシレン異性体をCストリーム40から選択的に精製するように構成されている、結晶化ユニット、吸着ユニット、またはそれらの組合せを含む。異性体回収プロセスユニット50は、パラ-キシレン、オルト-キシレン、またはメタ-キシレンをCストリーム40から精製するように構成され得る。
【0065】
一部の実施形態では、未回収のC化合物を含むラフィネートストリーム54は、異性化反応器56に供給される。ポンプおよび弁は、異性化反応器56へのラフィネートの流れを調節するために、ラフィネートストリーム54内に構成され得る。異性化反応器56は、より軽質およびより重質な生成物への最小の変換を有する、増加した濃度の所望のキシレン異性体(例えば、パラ-キシレン、オルト-キシレン、またはメタ-キシレン)を含む異性化生成物ストリームを生成するように構成された異性化触媒58を含む。異性化反応器56は、異性化反応器56を水素ストリーム59と流体連結させる水素入口を任意選択で含み得る。ガス輸送デバイスは、水素をリザーバーまたは上流プロセスユニットなどの水素供給源57から異性化反応器56に輸送するために、水素ストリーム59内に構成され得る。一部の実施形態では、水素供給源20、57は、同じリザーバーまたは上流プロセスユニットに由来する。
【0066】
一部の実施形態では、異性化触媒58は、アルミナ、シリカ、アルミノシリケート、ゼオライト(例えば、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35およびZSM-48)、およびそれらの組合せからなる。一部の実施形態では、異性化触媒58は、上記を単独で、またはCe、La、Y、Sc、P、B、Bi、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、およびそれらの組合せなどの修飾剤と組み合わせて含む。異性化触媒58は、金属機能性を提供するために、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金および組合せなどの金属も含み得る。異性化反応器56は、固定トリクルベッド反応器としてまたはスラリー反応器として稼働され得る。一部の実施形態では、異性化反応器56は、100℃~500℃の温度で、大気圧~1500psigの圧力で、および0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間のWHSVで稼働される。
【0067】
一部の実施形態では、異性化生成物ストリーム60の少なくとも一部は、生成物を凝縮するために冷却される反応器出口を通って出て、未反応水素および非凝縮性化合物を異性化生成物ストリーム60から除去する分離器61に輸送される。異性化生成物ストリーム60の冷却は、1つまたは複数の熱交換器を使用して遂行され得る。未反応水素の一部または全ては、ガス出口63により、任意選択でリサイクルされ、水素ストリーム59と組み合わされ得る。未反応水素のリサイクルは、コンプレッサーまたは送風機などのガス輸送デバイスの使用により達成され得る。分離器61からの液体生成物ストリーム65は、分留のために第1の蒸留塔26に輸送される。一部の実施形態では、分離器61からの液体生成物ストリーム65は、第1の蒸留塔26に輸送される前に、任意選択でリサイクルされ、分離器25からの液体生成物ストリーム27と組み合わされる。
【0068】
一部の実施形態では、異性化生成物60の少なくとも一部は、任意選択でリサイクルされ、第3の蒸留塔38から出るCストリーム40と組み合わされる。例えば、液体生成物ストリーム65の一部は、ストリーム62に分かれてもよく、次いでこれは、輸送され、Cストリーム40と組み合わされる。迂回ストリーム62は、様々な利点をもたらす。上述の通り、蒸留塔26、32、38を迂回することは、蒸留塔を通過する材料の流量を減らすことによって全体のシステムエネルギー負荷を低減し、これにより稼働コストを減らす。さらに、本出願人は、驚くべきことに、また予想外に、迂回ストリーム62を組み込むことが、蒸留塔26、32および38を迂回しているにもかかわらず、依然として許容可能な生成物純度を維持しながら、稼働コストを減らすことを見出した。例えば、迂回ストリーム30および62の一方または両方で稼働した場合、少なくとも98.5%、または少なくとも99%、または少なくとも99.5%の生成物純度が、キシレンストリーム52において得られ得る。
【0069】
一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム14は、バイオマス由来の酸素化炭化水素から生成され得る。混合芳香族供給原料ストリーム14をバイオマス由来の酸素化炭化水素から生成するための例示的なシステム100は図2に示される。一部の実施形態では、システム100は、原料溶液供給源104および水素供給源106と流体連結した水素化脱酸素(HDO)反応器102を含む。
【0070】
一部の実施形態では、原料溶液供給源104は、バイオマスに由来する水溶性糖を含む原料溶液を含む。本明細書で使用される場合、用語「バイオマス」は、限定ではなく、植物(例えば、葉、根、種子および茎)によって生成される有機物質、ならびに微生物および動物代謝廃棄物を指す。一般的なバイオマス供給源は、(1)トウモロコシの茎、藁、種子の殻、サトウキビかす、バガス、堅果の殻、ならびに畜牛、家禽、および肉豚からの糞尿などの農業廃棄物、(2)木または樹皮、おがくず、材木の破片、およびミルスクラップなどの木質材料、(3)紙くずおよび庭の刈り取った草などの一般廃棄物、ならびに(4)ポプラ、ヤナギ、スイッチグラス、ムラサキウマゴヤシ、プレーリーブルーステム、トウモロコシ、ダイズなどのエネルギー作物などを含む。
【0071】
様々な糖処理方法は、当技術分野で周知であり、バイオマスから糖液を生成するために大規模に、商業的に実施される。例えば、サトウキビを使用するプロセスでは、スクロース、フルクトース、およびグルコースがリッチな水性のバイオマス由来中間原料ストリームを単離し、得るために、サトウキビは、一般的に、洗浄され、押しつぶされるかまたは拡散され、石灰で清澄化される。テンサイを使用するプロセスでは、スクロース、フルクトース、およびグルコースがリッチな水性のバイオマス由来中間原料ストリームを単離し、得るために、テンサイは、同様に、洗浄され、スライスされ、抽出され、清澄化される。穀粒を含むプロセスについて、穀粒は、洗われ、次いで、湿式粉砕デンプン(トウモロコシ)または乾式粉砕/粉にしたデンプン(トウモロコシ、コムギ、オオムギ、モロコシ粒)を得るために処理される。単離された糖液は、所望の糖濃度を得るために調整されてもよく、例えば、原料溶液104を得るために濃縮または水で希釈され得る。一般的に、適切な濃度は約5%~約70%の範囲内にあり、約40%~70%の範囲が、工業利用ではより一般的である。
【0072】
リグノセルロースバイオマスの生の原料について、バイオマス供給原料は、複雑なバイオポリマーから糖および可溶性酸素化物に分解されて原料溶液104を形成し得る。一実施形態では、生のリグノセルロース原料(例えば、トウモロコシの葉茎)は、希酸熱化学的前処理による分解、水酸化アンモニウム、石灰、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基によるpH調整および酵素加水分解を受けて可溶性の糖を形成する。任意選択の変換前方法は、原料の収穫での分別、ふるい分けによる分別、望ましくない成分を浸出させるための化学的前処理、白色腐朽菌による処理などの発酵的前処理、水蒸気爆砕、焙焼、またはペレット形成などの機械的方法を含む。分解の代替手段は、自己加水分解(熱水のみ)、アルカリ(例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、酸化(例えば、過酸化水素、酸素、空気)、オルガノソルブ(例えば、エタノール、酢酸、触媒由来溶媒)、およびイオン性液体による熱化学的前処理を含む。リグノセルロースバイオマスの処理ステップは、切り刻まれた、細断された、圧縮された、粉にされたまたは変換に適したサイズに処理されたバイオマスを得るために、追加の処理も含み得る。
【0073】
一部の実施形態では、原料溶液104は、前述のプロセスのうちの1種または複数を使用して形成されてもよく、前述のバイオマス供給源のうちの1種または複数に由来してもよい。原料溶液は、現在公知のもしくは将来開発される任意の手段によってバイオマスから作製され得るか、または単純に他のプロセスの副産物であり得る。
【0074】
一部の実施形態では、原料溶液は、1種または複数の酸素化炭化水素を含む。用語「酸素化炭化水素」は、3つ以上の炭素原子および2つ以上の酸素原子を含有する水溶性炭化水素、例えば、炭水化物(例えば、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、およびデンプン)、糖(例えば、グルコース、スクロース、キシロースなど)、糖アルコール(例えば、ジオール、トリオール、およびポリオール)、および糖分解生成物(例えば、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)、レブリン酸、ギ酸、およびフルフラール)を指し、これらの各々は、本明細書でC3+2+と表される。本明細書で使用される場合、用語「酸素化化合物」または「酸素化物」は、2つ以上の炭素原子および1つまたは複数の酸素原子を有する分子(すなわちC2+1+)を指し、用語「一酸素化物」は、2つ以上の炭素原子および1つの酸素原子を含有する炭化水素分子(すなわちC2+)を指し、用語「二酸素化物」は、2つ以上の炭素原子および2つの酸素原子を含有する炭化水素分子(すなわちC2+)を指し、用語「ポリ酸素化物」は、2つ以上の炭素原子および3つ以上の酸素原子を含有する炭化水素分子(すなわちC2+3+)を指す。
【0075】
酸素化炭化水素に加えて、原料は、リグニン、1種もしくは複数の抽出物、1種もしくは複数の灰成分、または1種もしくは複数の有機種(例えば、リグニン誘導体)も含み得る。抽出物は、テルペノイド、スチルベン、フラボノイド、フェノール類、脂肪族、リグナン、アルカン、タンパク様物質、アミノ酸、および他の無機生成物を含む。灰成分は、Al、Ba、Ca、Fe、K、Mg、Mn、P、S、Si、Znなどを含む。他の有機種は、4-エチルフェノール、4-エチル-2-メトキシフェノール、2-メトキシ-4-プロピルフェノール、バニリン、4-プロピルシリンゴール、ビタミンE、ステロイド、長鎖炭化水素、長鎖脂肪酸、スチルベノイドなどを含む。
【0076】
一部の実施形態では、原料溶液104は、水素化脱酸素反応器102内での変換前に任意選択で水素化される。例えば、原料溶液は、水素化生成物ストリームを生成するために、水素化温度および水素化圧力で、反応器(図示せず)内で水素化触媒と接触し得る。カルボン酸を水素化するための様々なプロセスが公知である。水素化触媒は、一般的に、Fe、Ru、Co、Pt、Pd、Ni、Re、Cu、およびそれらの合金もしくは組合せを単独で、またはAg、Au、Cr、Zn、Mn、Mg、Ca、Cr、Sn、Bi、Mo、W、B、P、およびそれらの合金もしくは組合せなどの促進剤と共に含む。水素化触媒は、触媒の所望の機能性に応じて、いくつかの担体のうちの任意の1種も含み得る。そのような担体は、炭素、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、バナジア、セリア、シリカ-アルミネート、ゼオライト、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、クロミア、およびそれらの混合物を含み得る。
【0077】
一般的に、水素化反応は、約80℃~350℃の間の水素化温度および約50psig~5000psigの範囲内の水素化圧力で行われる。反応において使用される水素は、反応器内で順次または並行して生じる他の反応から産生されるその場の水素、外部のH、リサイクルされたH、またはそれらの組合せを含み得る。
【0078】
一部の実施形態では、原料溶液104は、水素化され得るカルボン酸を含む。カルボン酸原料ストリームが水素化される程度は、水素化中に消費される分子水素の量によって測定することができ、供給原料中のカルボン酸基1モルにより消費される0.05~2.0モルの分子水素の範囲であり得る。一般的に、反応は、触媒上でのカルボン酸原料の滞留時間が、所望の酸素化物を産生するのに適当である条件下で行われるべきである。例えば、滞留時間は、0.01~30の間、または0.05~10の間、または0.1~5の間の重量空間速度(WHSV)で確立され得る。
【0079】
再び図2を参照すると、原料溶液104は、水素の存在下で脱酸素化触媒108と接触して、1種または複数の酸素化物の混合物を含む脱酸素化生成物ストリーム110を生成する。脱酸素化生成物ストリーム110は、0.5以上2未満、または0.8~1.8、または1~1.6、または1.2~1.6のH:Ceff比を含み得る。一部の実施形態では、H:Ceff比は、少なくとも0.5、または少なくとも0.6、または少なくとも0.7、または少なくとも0.8、または少なくとも0.9、または少なくとも1、または少なくとも1.1、または少なくとも1.2~1.3未満、または1.4未満、または1.5未満、または1.6未満、または1.8未満、または1.9未満、または2.0未満である。
【0080】
本明細書で使用される場合、用語「H:Ceff比」は、供給原料中の炭素、酸素および水素の量に基づき、以下の通りに計算される:
【0081】
【数1】
(式中、Hは水素原子数を表し、Oは酸素原子数を表し、Cは炭素原子数を表す)。水および分子水素(2原子水素、H)は計算から除かれる。H:Ceff比は、個々の成分および成分の混合物の両方に当てはまるが、炭素、水素、および酸素以外の原子を含有する成分には有効でない。混合物について、C、H、およびOは、水および分子水素を除く全ての成分に関して合計される。用語「水素」は、任意の水素原子を指すが、用語「分子水素」は、2原子水素、Hに限定される。一部の実施形態では、H:Ceff比は、水素化および水素化脱酸素触媒ならびに稼働条件(例えば、温度、圧力、WHSV、供給原料源の選択および濃度)を変えることによって制御またはモジュレートされ得る。
【0082】
一部の実施形態では、脱酸素化生成物ストリーム110は、アルコール、ケトン、アルデヒド、フラン、ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸、ジオールおよびトリオールなどの1つまたは複数の炭素原子および1~3つの間の酸素原子を有する化合物であるC1+1~3炭化水素を含む。一部の実施形態では、C1+1~3炭化水素は、1~6つの炭素原子、または2~6つの炭素原子、または3~6つ炭素原子を有する。C1+1~3炭化水素に加えて、脱酸素化生成物ストリーム110は、酸素元素を有しない炭化水素を含み得る。
【0083】
脱酸素化生成物ストリーム110中の例示的なアルコールは、限定ではなく、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ブタノール、ペンタノール、シクロペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、2-メチル-シクロペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、およびそれらの異性体などの第一級、第二級、直鎖状、分岐状、または環式C1+アルコールを含み得る。例示的なケトンは、限定ではなく、ヒドロキシケトン、環式ケトン、ジケトン、アセトン、プロパノン、2-オキソプロパナール、ブタノン、ブタン-2,3-ジオン、3-ヒドロキシブタン-2-オン、ペンタノン、シクロペンタノン、ペンタン-2,3-ジオン、ペンタン-2,4-ジオン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、2-メチル-シクロペンタノン、ヘプタノン、オクタノン、ノナノン、デカノン、ウンデカノン、ドデカノン、メチルグリオキサール、ブタンジオン、ペンタンジオン、ジケトヘキサン、およびそれらの異性体を含み得る。例示的なアルデヒドは、限定ではなく、ヒドロキシアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、およびそれらの異性体を含み得る。例示的なカルボン酸は、限定ではなく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2-ヒドロキシブタン酸および乳酸などのヒドロキシル化誘導体を含むそれらの異性体および誘導体を含み得る。例示的なジオールは、限定ではなく、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、およびそれらの異性体を含み得る。例示的なトリオールは、限定ではなく、グリセロール、1,1,1トリス(ヒドロキシメチル)-エタン(トリメチロールエタン)、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、およびそれらの異性体を含み得る。例示的なフランおよびフルフラールは、限定ではなく、フラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、2-フランメタノール、2-メチル-テトラヒドロフラン、2,5-ジメチル-テトラヒドロフラン、2-メチルフラン、2-エチル-テトラヒドロフラン、2-エチルフラン、ヒドロキシルメチルフルフラール、3-ヒドロキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロ-3-フラノール、2,5-ジメチルフラン、5-ヒドロキシメチル-2(5H)-フラノン、ジヒドロ-5-(ヒドロキシメチル)-2(3H)-フラノン、テトラヒドロ-2-フロン酸、ジヒドロ-5-(ヒドロキシメチル)-2(3H)-フラノン、テトラヒドロフルフリルアルコール、1-(2-フリル)エタノール、ヒドロキシメチルテトラヒドロフルフラール、およびそれらの異性体を含む。
【0084】
一部の実施形態では、脱酸素化触媒108は、酸素原子のうちの1つまたは複数を原料溶液から取り出して1種または複数の酸素化物を生成するための水素と原料溶液104との反応を触媒することができる、1種または複数の材料を有する不均一系触媒からなる。一部の実施形態では、脱酸素化触媒108は、担体に付着した1種または複数の金属からなり、限定ではなく、Cu、Re、Fe、Ru、Ir、Co、Rh、Pt、Pd、Ni、W、Os、Mo、Ag、Au、それらの合金および組合せを含み得る。脱酸素化触媒は、これらの元素を単独でまたはMn、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Y、La、Sc、Zn、Cd、Ag、Au、Sn、Ge、P、Al、Ga、In、Tl、およびそれらの組合せと組み合わせて含み得る。一実施形態では、脱酸素化触媒は、Pt、Ru、Cu、Re、Co、Fe、Ni、WまたはMoを含む。さらに別の実施形態では、脱酸素化触媒は、FeまたはReおよびIr、Ni、Pd、P、Rh、またはRuから選択される少なくとも1種の遷移金属を含む。別の実施形態では、触媒は、Fe、Reおよび少なくともCuまたは1種のVIIIB族遷移金属を含む。担体は、ニトリド、炭素、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、バナジア、セリア、酸化亜鉛、クロミア、窒化ホウ素、ヘテロポリ酸、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、およびそれらの混合物を含む、下記にさらに記載される担体の任意の1種であり得る。
【0085】
脱酸素化温度は80℃~300℃の範囲であり得る。一部の実施形態では、反応温度は、約120℃~600℃の間、または約200℃~280℃の間、または約220℃~260℃の間である。脱酸素化圧力は、72psig~1300psigの範囲であり得る。一部の実施形態では、脱酸素化圧力は、72~1200psig、または145~1200psig、または200~725psig、または365~700psig、または600~650psigの間の範囲である。
【0086】
一部の実施形態では、脱酸素化反応のWHSVは、1時間当たり、触媒1グラム当たり、0.1グラムの酸素化炭化水素(g/g-hr)~40g/g-hrの範囲である。一部の実施形態では、WHSVは、少なくとも0.25、少なくとも0.5、少なくとも0.75、少なくとも1.0、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2.0、少なくとも2.1、少なくとも2.2、少なくとも2.3、少なくとも2.4、少なくとも2.5、少なくとも2.6、少なくとも2.7、少なくとも2.8、少なくとも2.9、少なくとも3.0、少なくとも3.1、少なくとも3.2、少なくとも3.3、少なくとも3.4、少なくとも3.5、少なくとも3.6、少なくとも3.7、少なくとも3.8、少なくとも3.9、少なくとも4.0、少なくとも4.1、少なくとも4.2、少なくとも4.3、少なくとも4.4、少なくとも4.5、少なくとも4.6、少なくとも4.7、少なくとも4.8、少なくとも4.9、少なくとも5.0~6未満、7未満、8未満、9未満、10未満、11未満、12未満、13未満、14未満、15未満、20未満、25未満、30未満、35未満、または40g/g hr未満である。
【0087】
一部の実施形態では、脱酸素化反応器102に供給される水素の量は、原料中の酸素化炭化水素の総モル数に対して、0~2400%、5~2400%、10~2400%、15~2400%、20~2400%、25~2400%、30~2400%、35~2400%、40~2400%、45~2400%、50~2400%、55~2400%、60~2400%、65~2400%、70~2400%、75~2400%、80~2400%、85~2400%、90~2400%、95~2400%、98~2400%、100~2400%、200~2400%、300~2400%、400~2400%、500~2400%、600~2400%、700~2400%、800~2400%、900~2400%、1000~2400%、1100~2400%、または1150~2400%、または1200~2400%、または1300~2400%、または1400~2400%、または1500~2400%、または1600~2400%、または1700~2400%、または1800~2400%、または1900~2400%、または2000~2400%、または2100~2400%、または2200~2400%、または2300~2400%の範囲であり、これらの間の全ての間隔を含む。水素は、外部の水素またはリサイクルされた水素であり得る。用語「外部のH」は、原料溶液に由来しないが、外部の供給源から反応器システムに添加される水素を指す。用語「リサイクルされたH」は、収集され、次いでさらなる使用のためにリサイクルされて反応器システムに戻る未消費の水素を指す。
【0088】
一部の実施形態では、生成物ストリーム110は、生成物ストリーム110を非凝縮ガスストリーム112、有機生成物ストリーム114、および水性生成物ストリーム116に分離するために、3相分離器111を通過する。非凝縮ガスストリーム112は、水素、二酸化炭素、メタン、エタンおよびプロパンからなり得る。非凝縮ガスは、除去され、燃焼してプロセス熱(すなわち、脱酸素化反応器内の反応を駆動するための熱)を作り得るか、またはリサイクルして水素ストリーム106に戻すために水素が回収され得る分離システムに送られ得る。部分的脱酸素化炭化水素を含有する水性生成物ストリーム116は、リサイクルされて脱酸素化反応器102の入口に戻り得る。一部の一酸素化物(例えば、アルコール)を含む水性パージストリーム118は、反応器システム内の水の蓄積を防止するために使用され得る。水性パージストリーム118は、有機生成物ストリーム114と組み合わされ得るか、またはプロセスから廃棄され得る。
【0089】
一部の実施形態では、酸素化物を含む有機生成物ストリーム114は、縮合触媒122を含む縮合反応器120を通過する。酸素化物は、縮合触媒122によって触媒される縮合反応により、C4+化合物を含む縮合生成物ストリーム124に変換される。任意の特定の理論に限定されないが、縮合反応は、一般的に、(a)酸素化物からアルケンへの脱水、(b)アルケンのオリゴマー化、(c)クラッキング反応、(d)芳香族を形成するための、より大きなアルケンの環化、(e)アルカン異性化、(f)アルカンを形成するための水素移動反応を含む一連のステップからなると考えられる。反応はまた、(1)β-ヒドロキシケトンまたはβ-ヒドロキシアルデヒドを形成するためのアルドール縮合、(2)共役エノンを形成するためのβ-ヒドロキシケトンまたはβ-ヒドロキシアルデヒドの脱水、(3)さらなる縮合反応またはアルコールもしくは炭化水素への変換に関与し得るケトンまたはアルデヒドを形成するための共役エノンの水素化、および(4)カルボニルからアルコールへの水素化またはその逆を含む一連のステップからなり得る。アルドール縮合、プリンス反応、酸のケトン化、およびディールス・アルダー縮合を含む他の縮合反応が並行して生じ得る。
【0090】
縮合触媒122は、一般的に、新しい炭素-炭素結合により、2つの酸素含有種または他の官能化された化合物(例えば、オレフィン)を連結することによってより長い鎖の化合物を形成し、得られた化合物を炭化水素、アルコールまたはケトンに変換することができる触媒である。縮合触媒は、限定ではなく、カーバイド、ニトリド、ジルコニア、アルミナ、シリカ、アルミノシリケート、リン酸塩、ゼオライト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、水酸化物、ヘテロポリ酸、無機酸、酸修飾樹脂、塩基修飾樹脂、およびそれらの組合せを含み得る。縮合触媒は、上記を単独で、またはCe、La、Y、Sc、P、B、Bi、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、およびそれらの組合せなどの修飾剤と組み合わせて含み得る。縮合触媒は、金属機能性を提供するために、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金および組合せなどの金属も含み得る。
【0091】
ある特定の実施形態では、縮合触媒は、限定ではなく、カーバイド、ニトリド、ジルコニア、アルミナ、シリカ、アルミノシリケート、リン酸塩、ゼオライト(例えば、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35およびZSM-48)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、水酸化物、ヘテロポリ酸、無機酸、酸修飾樹脂、塩基修飾樹脂、およびそれらの組合せを含み得る。縮合触媒は、金属機能性を提供するために、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、Ga、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金および組合せなどの金属も含み得る。
【0092】
縮合触媒122は、自立型であり得るか(すなわち、触媒は、担体として働く別の材料を必要としない)、または触媒を反応物ストリーム中に懸濁するのに適した別個の担体を必要とし得る。ある特定の実施形態では、担体は、アルミナ、シリカ、またはジルコニアから選択される。他の実施形態では、特に縮合触媒が粉末である場合、触媒系は、触媒を望ましい触媒形状に形成するのを補助するための結合剤を含み得る。適用可能な形成プロセスは、押出し、ペレット化、油滴下、または他の公知のプロセスを含む。酸化亜鉛、アルミナ、および解膠剤が一緒に混合され、押し出されて、形成された材料を生成することもできる。乾燥後、この材料は、通常は350℃を超える温度を必要とする、触媒として活性な相の形成に適当な温度でか焼される。他の触媒担体は、下記にさらに詳細に記載されるものを含み得る。
【0093】
縮合触媒は、シリカ-アルミナのかごのような構造を含む、1種または複数のゼオライト構造を含み得る。ゼオライトは、明確な細孔構造を有する結晶性ミクロ多孔質物質である。ゼオライトは、ゼオライト骨格内に産生され得る活性部位、通常は酸部位を含有する。活性部位の強度および濃度は、特定の利用に合わせられ得る。第二級アルコールおよびアルカンを縮合するのに適したゼオライトの例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,702,886号明細書に記載されるような、Ga、In、Zn、Mo、およびそのようなカチオンの混合物などのカチオンで任意選択で修飾されるアルミノシリケートを含み得る。当技術分野で認識されているように、特定の1種または複数のゼオライトの構造は、生成物混合物中に異なる量の様々な炭化水素種をもたらすために変更され得る。ゼオライト触媒の構造に応じて、生成物混合物は、様々な量の芳香族および環式炭化水素を含有し得る。
【0094】
適切なゼオライト触媒の例は、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35およびZSM-48を含む。ゼオライトZSM-5およびその従来の調製は、全てが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,702,886号明細書、Re.29,948(高シリカZSM-5)、米国特許第4,100,262号明細書および同第4,139,600号明細書に記載されている。ゼオライトZSM-11およびその従来の調製は、また参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,709,979号明細書に記載されている。ゼオライトZSM-12およびその従来の調製は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,832,449号明細書に記載されている。ゼオライトZSM-23およびその従来の調製は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,076,842号明細書に記載されている。ゼオライトZSM-35およびその従来の調製は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,016,245号明細書に記載されている。ZSM-35の別の調製は、米国特許第4,107,195号明細書に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。ZSM-48およびその従来の調製は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,375,573号明細書によって教示されている。ゼオライト触媒の他の例は、また参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,019,663号明細書および米国特許第7,022,888号明細書に記載されている。例示的な縮合触媒は、Cu、Pd、Ag、Pt、Ru、Re、Ni、Sn、またはそれらの組合せで修飾されたZSM-5ゼオライトである。
【0095】
米国特許第7,022,888号明細書に記載されているように、縮合触媒は、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Zn、Cd、In、Rh、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金および組合せの群からの少なくとも1種の金属元素、またはIn、Zn、Fe、Mo、Au、Ag、Y、Sc、Ni、P、Ta、ランタニド、およびそれらの組合せの群からの修飾剤を含む二機能性ペンタシルゼオライト触媒であり得る。ゼオライトは、強酸性部位を有してもよく、580℃未満の温度で、酸素化炭化水素を含有する反応物ストリームと共に使用され得る。二機能性ペンタシルゼオライトは、多数の5員酸素環(すなわちペンタシル環)からなる、ZSM-5、ZSM-8またはZSM-11型の結晶構造を有し得る。一実施形態では、ゼオライトは、ZSM-5型構造を有する。
【0096】
代替的に、リン酸塩、塩化物、シリカ、および他の酸性酸化物で修飾されたアルミナなどの固体酸触媒が、プロセスにおいて使用され得る。また、硫酸化ジルコニア、リン酸化ジルコニア、チタニアジルコニア、またはタングステン酸ジルコニアは、必要な酸度を提供し得る。ReおよびPt/Re触媒も、酸素化物からC5+炭化水素および/またはC5+一酸素化物への縮合を促進するのに有用である。Reは、酸触媒縮合を促進するのに十分酸性である。ある特定の実施形態では、酸度はまた、硫酸塩またはリン酸塩の添加により、活性炭に付加され得る。
【0097】
生成される特定のC4+化合物は、限定ではなく、反応物ストリーム中の酸素化化合物の種類、縮合温度、縮合圧力、触媒の反応性、ならびに空間速度、GHSV、LHSV、およびWHSVに影響を与えることから反応物ストリームの流速を含む様々な因子に依存する。ある特定の実施形態では、反応物ストリームは、所望の炭化水素生成物を生成するのに適当なWHSVで、縮合触媒と接触する。一実施形態では、WHSVは、1時間当たり、触媒1グラム当たり、反応物ストリーム中の少なくとも0.1グラムの揮発性(C2+1~3)酸素化物である。別の実施形態では、WHSVは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10g/g hrのWHSVおよびそれらの間の増加分を含む、0.1~10.0g/g hrの間である。
【0098】
ある特定の実施形態では、縮合反応は、提案された反応の熱力学が良好である温度および圧力で行われる。揮発性C2+1~3酸素化物について、反応は、揮発性酸素化物の蒸気圧が少なくとも0.1atm(好ましくは、さらに高い)である温度で行われ得る。縮合温度は、酸素化化合物の特定の組成に応じて変わる。縮合温度は、一般的に、80℃、または100℃、または125℃、または150℃、または175℃、または200℃、または225℃、または250℃を超え、500℃、または450℃、または425℃、または375℃、または325℃、または275℃未満である。例えば、縮合温度は、80℃~500℃の間、または125℃~450℃の間、または250℃~425℃の間であり得る。縮合圧力は、一般的に、0psig、または10psig、または100psig、または200psigを超え、2000psig、または1800psig、または1600psig、または1500psig、または1400psig、または1300psig、または1200psig、または1100psig、または1000psig、または900psig、または700psig未満である。例えば、縮合圧力は、0.1atmを超え得るか、または0~1500psigの間、または0~1200psigの間であり得る。
【0099】
本開示の縮合反応は、C4+アルカン、C4+アルケン、C5+シクロアルカン、C5+シクロアルケン、アリール、縮合アリール、多環式化合物、C4+アルコール、C4+ケトン、C4+フランおよびそれらの混合物の生成において使用することができ、アリールの割合が有利に高く、アルカンの割合が低い。特に、酸素化物の上記の混合物の使用は、水性原料炭素の50%以上の炭素分率(CF)のアリール収率および水性原料炭素の20%以下のCFのC4+アルカン収率をもたらす。ある特定の実施形態では、アリール収率は、水性原料炭素の55wt%以上、60%以上のCF、または65%以上のCFであり得る。ある特定の実施形態では、C4+アルカン収率は、水性原料炭素の15%以下のCF、10%以下のCF、または5%以下のCFである。ある特定の他の実施形態では、生成物はC1~3アルカンをさらに含んでもよく、総C1+アルカン収率は、水性原料炭素の20%以下のCF、15%以下のCF、10%以下のCF、または5%以下のCFである。
【0100】
本明細書で使用される場合、互換的に使用され得る用語「炭素分率」および「CF」は、成分の炭素の質量(例えば、アリール中の炭素の質量)を供給原料中の炭素の質量で割って100を掛けることによって計算され得る。代替的に、%CFは、供給原料炭素百分率、炭素百分率、または他の同様の専門語として報告され得る。
【0101】
ある特定の実施形態では、アリール収率は、水性原料炭素の55%以上のCFであり、C4+アルカン収率は、水性原料炭素の15%以下のCFである。別の実施形態では、アリール収率は、水性原料炭素の60%以上のCFであり、C4+アルカン収率は、水性原料炭素の10%以下のCFである。さらなる実施形態では、アリール収率は、水性原料炭素の55%以上のCFであり、C1+アルカン収率は、水性原料炭素の15%以下のCFである。さらに他の実施形態では、アリール収率は、水性原料炭素の60%以上のCFであり、C1+アルカン収率は、水性原料炭素の10%以下のCFである。
【0102】
4+アルカンおよびC4+アルケンは、4~30個の炭素原子を有し(C4+アルカンおよびC4+アルケン)、分岐または直鎖アルカンまたはアルケンであり得る。C4+アルカンおよびC4+アルケンは、それぞれ、C4~9、C7~14、C12~24アルカンおよびアルケンの留分も含んでもよく、C4~9留分はガソリン用であり、C7~16留分はジェット燃料用であり、C11~24留分はディーゼル燃料および化学物質などの他の工業利用用である。様々なC4+アルカンおよびC4+アルケンの例は、限定ではなく、ブタン、ブテン、ペンタン、ペンテン、2-メチルブタン、ヘキサン、ヘキセン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、ヘプタン、ヘプテン、オクタン、オクテン、2,2,4,-トリメチルペンタン、2,3-ジメチルヘキサン、2,3,4-トリメチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、ノナン、ノネン、デカン、デセン、ウンデカン、ウンデセン、ドデカン、ドデセン、トリデカン、トリデセン、テトラデカン、テトラデセン、ペンタデカン、ペンタデセン、ヘキサデカン、ヘキサデセン、ヘプチルデカン、ヘプチルデセン、オクチルデカン、オクチルデセン、ノニルデカン、ノニルデセン、エイコサン、エイコセン、ウンエイコサン、ウンエイコセン、ドエイコサン、ドエイコセン、トリエイコサン、トリエイコセン、テトラエイコサン、テトラエイコセン、およびそれらの異性体を含む。
【0103】
5+シクロアルカンおよびC5+シクロアルケンは、5~30個の炭素原子を有し、無置換、一置換または多置換であり得る。一置換および多置換化合物の場合、置換された基は、分岐C3+アルキル、直鎖C1+アルキル、分岐C3+アルキレン、直鎖C2+アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含み得る。例として、置換された基の少なくとも1つは、分岐C3~12アルキル、直鎖C1~12アルキル、分岐C3~12アルキレン、直鎖C1~12アルキレン、直鎖C2~12アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含む。さらなる例として、置換された基の少なくとも1つは、分岐C3~4アルキル、直鎖C1~4アルキル、分岐C1~4アルキレン、直鎖C1~4アルキレン、直鎖C2~4アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含む。望ましいC5+シクロアルカンおよびC5+シクロアルケンの例は、限定ではなく、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチル-シクロペンタン、メチル-シクロペンテン、エチル-シクロペンタン、エチル-シクロペンテン、エチル-シクロヘキサン、エチル-シクロヘキセン、プロピル-シクロヘキサン、ブチル-シクロペンタン、ブチル-シクロヘキサン、ペンチル-シクロペンタン、ペンチル-シクロヘキサン、ヘキシル-シクロペンタン、ヘキシル-シクロヘキサン、およびそれらの異性体を含む。
【0104】
アリールは、一般的に、無置換(フェニル)、一置換または多置換形態の芳香族炭化水素からなる。一置換および多置換化合物の場合、置換された基は、分岐C3+アルキル、直鎖C1+アルキル、分岐C3+アルキレン、直鎖C2+アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含み得る。例として、置換された基の少なくとも1つは、分岐C3+アルキル、直鎖C1~12アルキル、分岐C3~12アルキレン、直鎖C2~12アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含む。さらなる例として、置換された基の少なくとも1つは、分岐C3~4アルキル、直鎖C1~4アルキル、分岐C3~4アルキレン、直鎖C2~4アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含む。様々なアリールの例は、限定ではなく、ベンゼン、トルエン、キシレン(ジメチルベンゼン)、エチルベンゼン、パラキシレン、メタキシレン、オルトキシレン、C9+芳香族、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、およびそれらの異性体を含む。
【0105】
縮合アリールは、一般的に、無置換、一置換、または多置換形態の二環式および多環式芳香族炭化水素からなる。一置換および多置換化合物の場合、置換された基は、分岐C3+アルキル、直鎖C1+アルキル、分岐C3+アルキレン、直鎖C2+アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含み得る。例として、置換された基の少なくとも1つは、分岐C3~4アルキル、直鎖C1~4アルキル、分岐C3~4アルキレン、直鎖C2~4アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含む。様々な縮合アリールの例は、限定ではなく、ナフタレン、アントラセン、およびそれらの異性体を含む。
【0106】
多環式化合物は、一般的に、無置換、一置換、または多置換形態の二環式および多環式炭化水素からなる。多環式化合物は、一般的に、縮合アリールを含むが、本明細書で使用される場合、多環式化合物は、一般的に、少なくとも1つの飽和または部分的飽和環を有する。一置換および多置換化合物の場合、置換された基は、分岐C3+アルキル、直鎖C1+アルキル、分岐C3+アルキレン、直鎖C2+アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含み得る。例として、置換された基の少なくとも1つは、分岐C3~4アルキル、直鎖C1~4アルキル、分岐C3~4アルキレン、直鎖C2~4アルキレン、フェニルまたはそれらの組合せを含む。様々な縮合アリールの例は、限定ではなく、テトラヒドロナフタレンおよびデカヒドロナフタレン、ならびにそれらの異性体を含む。
【0107】
4+アルコールはまた、環式、分岐または直鎖であってもよく、4~30個の炭素原子を有する。一般的に、C4+アルコールは、式R-OHに従う化合物であり得、Rは、分岐C4+アルキル、直鎖C4+アルキル、分岐C4+アルキレン、直鎖C4+アルキレン、置換C5+シクロアルカン、無置換C5+シクロアルカン、置換C5+シクロアルケン、無置換C5+シクロアルケン、アリール、フェニルまたはそれらの組合せから選択されるメンバーである。望ましいC4+アルコールの例は、限定ではなく、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプチルデカノール、オクチルデカノール、ノニルデカノール、エイコサノール、ウンエイコサノール、ドエイコサノール、トリエイコサノール、テトラエイコサノール、またはそれらの異性体を含む。
【0108】
4+ケトンはまた、環式、分岐または直鎖であってもよく、4~30個の炭素原子を有する。一般的に、C4+ケトンは、式
【0109】
【化1】
(式中、RおよびRは、独立に、分岐C3+アルキル、直鎖C1+アルキル、分岐C3+アルキレン、直鎖C2+アルキレン、置換C5+シクロアルカン、無置換C5+シクロアルカン、置換C5+シクロアルケン、無置換C5+シクロアルケン、アリール、フェニルまたはそれらの組合せから選択されるメンバーである)に従う化合物であり得る。望ましいC4+ケトンの例は、限定ではなく、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、ヘプタノン、オクタノン、ノナノン、デカノン、ウンデカノン、ドデカノン、トリデカノン、テトラデカノン、ペンタデカノン、ヘキサデカノン、ヘプチルデカノン、オクチルデカノン、ノニルデカノン、エイコサノン、ウンエイコサノン、ドエイコサノン、トリエイコサノン、テトラエイコサノン、またはそれらの異性体を含む。
【0110】
一部の実施形態では、C4+化合物を含む縮合生成物ストリーム124は、ガソリン、ジェット燃料(ケロシン)、ディーゼル燃料、および芳香族などの様々な生成物ストリームに分留され得る。縮合生成物ストリーム124は、縮合生成物ストリーム124を酸縮合ガスストリーム128、有機ストリーム130、および水性ストリーム132に分離するために、3相分離器126を通過し得る。有機ストリーム130および水性ストリーム132は、密度差によって分離されるが、非凝縮ガスを含む酸縮合ガスストリーム128は、酸縮合反応器120にリサイクルされて追加のC4+化合物を産生する。一部の実施形態では、送風機またはコンプレッサーなどのガス輸送デバイスは、リサイクル圧力を制御するために、酸縮合ガスストリーム128内に構成される。一部の実施形態では、任意選択のパージストリーム134も、酸縮合ガスストリーム128内のリサイクルループの圧力を管理するために使用され得る。一部の実施形態では、水性ストリーム132は、プロセスから廃棄されるか、または下流プロセスユニットにおいてさらに処理される。
【0111】
一部の実施形態では、有機ストリーム130は、有機ストリーム130を軽質生成物ストリーム138および重質生成物ストリーム140に分離するために、蒸留塔136で分留される。一部の実施形態では、蒸留ユニット136は、ベンゼン、トルエン、またはそれらの組合せの共沸夾雑物を除去するように構成される。記載したように、トランスアルキル化および/または脱アルキル化触媒22上での処理前に、ベンゼンおよび/またはトルエンの共沸夾雑物を除去することは、所望の芳香族生成物のより高い純度および収率などの驚くべき予想外の利点をもたらす。
【0112】
一部の実施形態では、蒸留塔136は、ベンゼンの共沸非芳香族夾雑物を含まないまたは実質的に含まない重質ストリーム140を産生するように構成される。蒸留塔136は、軽質生成物ストリーム138により、有機ストリーム130を、ベンゼン、ベンゼンの共沸非芳香族夾雑物、およびより軽質の生成物を含むC6-ストリームに分留することによって、ベンゼンの共沸非芳香族夾雑物を除去し得る。蒸留塔136は、有機ストリーム130を、C7+化合物を含む重質生成物ストリーム140にさらに分留し得る。
【0113】
一部の実施形態では、蒸留塔136は、トルエンの共沸非芳香族夾雑物を含まないまたは実質的に含まない重質ストリーム140を産生するように構成される。蒸留塔136は、軽質生成物ストリーム138により、有機ストリーム130を、トルエン、トルエンの共沸非芳香族夾雑物、およびより軽質の生成物を含むC7-またはC8-ストリームに分留することによって、トルエンの共沸非芳香族夾雑物を除去し得る。蒸留塔136は、有機ストリーム130を、C8+またはC9+化合物を含む重質生成物ストリーム140にさらに分留し得る。
【0114】
一部の実施形態では、重質生成物ストリーム140は、C7+化合物、C8+化合物、またはC+化合物を含む重質生成物ストリーム140を混合芳香族供給原料ストリーム16および重質生成物供給原料ストリーム144に分離するために、蒸留塔142で分留される。一部の実施形態では、蒸留塔142は、重質生成物ストリーム140を、C7+化合物を含む混合芳香族供給原料ストリーム16およびC11+化合物を含む重質生成物供給原料ストリーム144に分留するように構成される。一部の実施形態では、混合芳香族供給原料ストリーム16は、C7+化合物、またはC8+化合物、またはC9+化合物、またはC7~10化合物、またはC8~10化合物、またはC9~10化合物を含む。混合芳香族供給原料ストリーム16は、図1に記載されるプロセスのための入口供給原料として利用され得る。
【0115】
一部の実施形態では、重質ストリーム144は、ケロシン(例えば、ジェット燃料用途としてのC11~14)、ディーゼル燃料用途(例えば、C12~24)、および潤滑油または燃料油(例えば、C25+)として使用するためにさらに分離され得る。代替的に、重質ストリーム144は、ガソリン、ケロシン、芳香族、および/またはディーゼル留分で使用するための追加留分を生成するためにクラッキングされ得る。
【0116】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。全ての定義は、本明細書で定義および使用される場合、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、および/または定義された用語の通常の意味より優先することが理解されるべきである。
【0117】
本発明は、1つまたは複数の好ましい実施形態に関して記載され、明示的に述べられたものとは別に、多くの均等物、代替、変形、および改良が可能であり、本発明の範囲内にあることが理解されるべきである。
【実施例
【0118】
以下の実施例は、当業者が本開示の原理をより容易に理解することを可能にする。以下の実施例は、例示のために提示され、決して限定することを意図しない。
【0119】
実施例1:混合芳香族供給原料からの高純度の芳香族の生成
~C10芳香族を含有し、実質的なベンゼン共沸非芳香族夾雑物を欠く混合芳香族供給原料ストリーム(MAF)をニッケル含有ZSM-5触媒で、375℃、100psigで、およそ4の水素対炭化水素比で、および1の重量空間速度で処理した。供給原料は0.1%未満のベンゼンを含有したが、生成物は、生成物ストリームの総重量に対して7.04wt%のベンゼンを含有した。ベンゼンの潜在的な純度は、ベンゼンの量をベンゼン共沸物質(ベンゼンを含む)の合計で割って100を掛けることによって推定される。ベンゼン共沸範囲は、ここでは、ガスクロマトグラフ(GC)で測定した場合、メチルシクロペンタン(標準沸点71.8℃)を含み、これを超え、1,3ジメチルシクロペンタン、cis(沸点91℃)を含み、これ未満の保持時間を有する全ての成分(ベンゼンを含む)と定義される。生成物中の推定ベンゼン純度は99.8wt%であった。供給原料は実質的なベンゼンを含有しなかったので、供給原料中のベンゼンの純度は推定できなかった。
【0120】
比較例1:共沸夾雑物を含有する混合芳香族供給原料からのベンゼンの生成
~C10芳香族を含有し、実質的なベンゼン共沸非芳香族夾雑物を含有するMAFを実施例1と同じ条件下で処理した。生成物中の推定ベンゼン純度は98%であった。これは、供給原料の推定ベンゼン純度31%より実質的に高いが、実施例1の生成物と比較して、およそ10×のベンゼン共沸夾雑物が、比較例1の生成物中にまだ存在し、供給原料中の共沸夾雑物を排除することの利点を説明する。
【0121】
実施例2:混合芳香族供給原料ストリームからの高純度の芳香族の生成
~C10芳香族を含有し、実質的なベンゼンまたはトルエン共沸非芳香族夾雑物を欠くMAFを、圧力を200から250psigに増加させ、トランスアルキル化触媒を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件下で処理した。生成物中の推定ベンゼン純度は99.87%であった。実施例1においてベンゼン純度を決定するために定義されたものと同様の方法を使用して、トルエンの共沸範囲は、ここでは、ガスクロマトグラフ(GC)で測定した場合、1,3ジメチルシクロペンタン、cis(沸点91℃)を含み、これを超え、trans1,2-ジメチル-シクロヘキサン(沸点123℃)を含み、これ未満である保持時間を有する全ての成分(トルエンを含む)と定義される。トルエン以外の検出可能な成分は、この分析を使用して、この沸点範囲内では見出されず、ほぼ100%のトルエン推定純度を示す。
【0122】
比較例2:共沸夾雑物を含有する混合芳香族供給原料ストリームからの芳香族の生成
MAFを生成した。生成プロセスの生の炭化水素生成物を蒸留ステップに供して、一般的に11個以上の炭素原子を含有する重質成分を除去した。より低い収率の芳香族を産生した、得られたC~C10MAFは、この発明と共に使用するのに適していない。
【0123】
実施例3:混合芳香族供給原料ストリームからの高純度の芳香族の生成
MAFを生成した。生成プロセスの生の炭化水素生成物を2つの蒸留ステップに供した。第1のステップにおいて、生の炭化水素を蒸留して、ベンゼンを含む、主に6つ以下の炭素原子を含有する成分を含有するオーバーヘッド生成物を生成した。オーバーヘッド生成物を芳香族化セクションにリサイクルした。驚くべきことに、軽質生成物を反応セクションにリサイクルすることによって、芳香族の総収率が増加した。次いで、脱ヘキサンされた芳香族を蒸留して、一般的に11個以上の炭素原子を含有する重質成分を除去した。得られたC~C10MAFは、純粋なベンゼンを生成するために、この発明と共に使用するのに適している。
【0124】
実施例4:水性炭化水素ストリームからのMAFの生成
酸素化物の水性混合物をニッケル含有ZSM-5縮合触媒で、375℃、150psigで、および0.5の重量空間速度で処理した。得られた縮合生成物を軽質ストリームおよび重質ストリームに分留し、軽質ストリームは、リサイクルされて縮合触媒に戻るC~C成分からなった。重質ストリームを分留して、主にC~C10芳香族のMAFを生成した。代表的なMAF生成物は表1に示される。
【0125】
【表1】
【0126】
実施例5:混合芳香族供給原料からの混合キシレンの生成
実質的なキシレン共沸非芳香族夾雑物を含有する実施例4からのMAFをトランスアルキル化触媒で、344℃、430psigで、およそ3.8の水素対炭化水素比で、および3.3の重量空間速度で処理した。生成物を、表2に示されるように、ベンゼンリッチ、トルエンリッチ、キシレンリッチ、C芳香族リッチ、およびC10+芳香族リッチストリームに分留した。トルエンおよびC芳香族ストリームをリサイクルしてトランスアルキル化触媒に戻してキシレン生成を最大化した。キシレンリッチストリームを異性体回収プロセスユニットに送り、パラ-キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成した。ラフィネートストリームを異性化触媒で、340℃、150psigで、およそ1.5の水素対炭化水素比で、および3.3の重量空間速度で処理した。異性化生成物ストリームを生成し、次いでこれをキシレンストリームと組み合わせ、再び異性体回収プロセスユニットに送り戻した。この連続稼働は、1月当たり457キログラムの異性体回収プロセスユニットからの>99.7%のパラ-キシレンの生成率をもたらした。
【0127】
【表2】
【0128】
実施例6:混合芳香族供給原料からのベンゼンの生成
実施例4と同じ様式で生成されたベンゼンリッチストリームをトランスアルキル化触媒上で、375℃、40psigで、およそ0.4の水素対炭化水素比で、および1の重量空間速度でさらに処理した。生成物ストリームを分留して、表3に示される生成物組成を有する>99.9%純度の精製されたベンゼンストリームを回収した。
【0129】
【表3】
【0130】
実施例7:混合芳香族供給原料からのトルエンの生成
99.8%のトルエン純度を達成するためにより最適化された分留条件を用いて、トルエンリッチストリームを実施例4と同じ様式で生成した。トルエンリッチストリームは、リサイクルしてトランスアルキル化に戻してキシレン生成を最大化するのではなく、表4に示されるような組成を有する生成物として回収した。
【0131】
【表4】
【0132】
実施例8:混合芳香族供給原料からの高純度のパラ-キシレンの生成
~C10芳香族を含有し、実質的なキシレン共沸非芳香族夾雑物を含有するMAFを分留してC~C化合物を除去した。C~C10芳香族を含有する得られたMAFをトランスアルキル化触媒で、360℃、430psigで、およそ3.6の水素対炭化水素比で、および2.7の重量空間速度で処理した。パラ-キシレンの生成は、異性化生成物ストリームの一部に分留を迂回させ、異性体回収プロセスユニットに入る前にそれをC8ストリームと組み合わせることによって増加した。1分当たり150グラムが迂回し、1分当たり20グラムが分留を受けた。得られたパラ-キシレン生成は、1月当たり457キログラムから1月当たり830キログラムに増加した。代表的なパラ-キシレン生成物の組成は表5に示され、異なるプロセスからの結果は表6に示される。
【0133】
【表5】
【0134】
【表6】
【0135】
本発明は、ある特定の実施形態を参照してかなり詳細に記載されたが、当業者は、本発明が、限定ではなく例示の目的で提示された、記載された実施形態の代替の実施形態で使用され得ることを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲は、本明細書に含まれる実施形態の記載に限定されるべきでない。
【0136】
完全にするために、本発明の様々な態様が、以下の番号付きの条項において明記される。
【0137】
条項1.芳香族化合物を混合芳香族供給原料ストリームから分離するための方法であって、
(i)C7~10芳香族炭化水素を含む混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて生成物ストリームを生成するステップであって、
芳香族処理触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒、またはそれらの組合せを含み、
混合芳香族供給原料ストリームが、混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して1wt%を超える非芳香族成分を含み、混合芳香族供給原料ストリームが、C12+芳香族を実質的に含まない、ステップと、
(ii)生成物ストリームを分留して芳香族化合物を生成物ストリームから分離するステップと
を含む方法。
【0138】
条項2.混合芳香族供給原料ストリームが、混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して0.1wt%~45wt%のオレフィンを含む、条項1に記載の方法。
【0139】
条項3.混合芳香族供給原料ストリームが、混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して0.1wt%~25wt%のナフテンを含む、条項1に記載の方法。
【0140】
条項4.混合芳香族供給原料ストリームが、混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して0.1wt%~40wt%のナフテノ-オレフィンを含む、条項1に記載の方法。
【0141】
条項5.混合芳香族供給原料ストリームが、少なくとも1mg Br/混合芳香族供給原料g~100mg Br/混合芳香族供給原料g未満の臭素価を有する、条項1に記載の方法。
【0142】
条項6.混合芳香族供給原料ストリームが、フェノールを混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して10ppm~10wt%の量で含む、条項1に記載の方法。
【0143】
条項7.混合芳香族供給原料が、酸素化物を混合芳香族供給原料ストリームの総重量に対して10ppm~10wt%ppmの量で含む、条項1に記載の方法。
【0144】
条項8.C7~10芳香族炭化水素が、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ナフタレン、またはそれらの組合せを含む、条項1に記載の方法。
【0145】
条項9.ステップ(ii)が、生成物ストリームを分留してCストリームをステップ(i)の生成物ストリームから分離するステップをさらに含み、
方法が、
(iii)Cストリームの少なくとも一部を異性体回収プロセスユニットに供して、キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成するステップと、
(iv)ラフィネートストリームを異性化触媒と接触させて異性化生成物ストリームを生成するステップであって、異性化生成物ストリームが、少なくとも1種のキシレン異性体を含み、異性化生成物ストリームの少なくとも一部が、ステップ(i)において芳香族処理触媒から生成された生成物ストリームと組み合わされる、ステップと
をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0146】
条項10.混合芳香族供給原料ストリームがC9~10芳香族を含む、条項1に記載の方法。
【0147】
条項11.異性化生成物ストリームの少なくとも一部がリサイクルされ、異性体回収プロセスユニットに入るCストリームと組み合わされる、条項9に記載の方法。
【0148】
条項12.混合芳香族供給原料ストリームが、ベンゼン、トルエン、およびそれらの組合せの共沸夾雑物を含まない、条項1に記載の方法。
【0149】
条項13.ステップ(ii)が、C芳香族を含む生成物ストリームを、生成物ストリームを分留してC7-ストリームをC8+ストリームから分離する第1の蒸留塔に供給するステップをさらに含む、条項1に記載の方法。
【0150】
条項14.C7-ストリームが、C7-ストリームをC6-ストリームおよびCストリームに分留する第2の蒸留塔に供給される、条項13に記載の方法。
【0151】
条項15.Cストリームの少なくとも一部が、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、条項14に記載の方法。
【0152】
条項16.C8+ストリームの少なくとも一部が、リサイクルされ、異性体回収プロセスユニットに入るC芳香族と組み合わされる、条項9に記載の方法。
【0153】
条項17.ステップ(ii)が、C8+ストリームを、C8+ストリームをCストリームおよびC9+ストリームに分留する第3の蒸留塔に供給するステップであって、CストリームがC芳香族を含む、ステップをさらに含む、条項13に記載の方法。
【0154】
条項18.C9+ストリームが、C9+ストリームをC9~10ストリームおよびC11+ストリームに分留する第4の蒸留塔に供給され、C9~10ストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、条項17に記載の方法。
【0155】
条項19.ステップ(ii)が、生成物ストリームを分留してCストリーム、Cストリーム、およびC9~10ストリームを分離するステップであって、Cストリームが異性体回収プロセスユニットに供給され、Cストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされ、C9~10ストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、ステップをさらに含む、条項9に記載の方法。
【0156】
条項20.ステップ(ii)が、生成物ストリームを分留してCストリーム、Cストリーム、およびC9+ストリームを分離するステップであって、Cストリームが異性体回収プロセスユニットに供給され、Cストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされ、C9+ストリームが生成物として回収される、ステップをさらに含む、条項9に記載の方法。
【0157】
条項21.異性体回収プロセスユニットが吸着ユニットを含む、条項9に記載の方法。
【0158】
条項22.異性体回収プロセスユニットが結晶化ユニットを含む、条項9に記載の方法。
【0159】
条項23.芳香族処理触媒が酸触媒を含む、条項1に記載の方法。
【0160】
条項24.酸触媒が、アルミノシリケート、タングステン酸アルミノシリケート、シリカ-アルミナリン酸塩、リン酸アルミニウム、非晶質シリカアルミナ、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン酸ジルコニア、炭化タングステン、炭化モリブデン、チタニア、酸性アルミナ、リン酸化アルミナ、タングステン酸アルミナ、リン酸化シリカ、タングステン酸シリカ、タングステン酸チタニア、タングステン酸リン酸塩、ニオビア、硫酸化炭素、リン酸化炭素、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、タングステン酸ヘテロポリ酸、無機酸またはそれらの組合せから選択される、条項23に記載の方法。
【0161】
条項25.酸触媒が、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Zn、Ga、In、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金または組合せから選択される金属を含む、条項23に記載の方法。
【0162】
条項26.ステップ(i)が200℃~600℃の温度で行われる、条項1に記載の方法。
【0163】
条項27.ステップ(i)が100psig~1500psigの圧力で行われる、条項1に記載の方法。
【0164】
条項28.ステップ(i)が、0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間の重量空間速度(WHSV)で行われる、条項1に記載の方法。
【0165】
条項29.ステップ(i)が、水素を混合芳香族供給原料1mol当たり少なくとも0.1molの水素の量で供給するステップを含む、条項1に記載の方法。
【0166】
条項30.ステップ(1)が、水素を混合芳香族供給原料1mol当たり少なくとも1molの水素の量で供給するステップを含む、条項1に記載の方法。
【0167】
条項31.芳香族化合物を混合芳香族供給原料ストリームから生成および分離するための方法であって、
(i)水および1種または複数の酸素化物を含む水性炭化水素原料を縮合触媒と接触させて、C4+化合物を含む縮合生成物ストリームを生成するステップであって、C4+化合物が、C4+アルコール、C4+ケトン、C4+アルカン、C4+アルケン、C5+シクロアルカン、C5+シクロアルケン、アリール、または縮合アリールを含む、ステップと、
(ii)縮合生成物ストリームを分留して軽質ストリームおよび重質ストリームを産生するステップであって、軽質ストリームが、ベンゼンまたはトルエンの共沸非芳香族夾雑物を含み、重質ストリームが、ベンゼンまたはトルエンの共沸非芳香族夾雑物を実質的に含まない、ステップと、
(iii)軽質ストリームを縮合触媒にリサイクルするステップと、
(iv)重質ストリームを、C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料に分留するステップと、
(v)混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて生成物ストリームを生成するステップであって、芳香族処理触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒、またはそれらの組合せを含む、ステップと
を含む方法。
【0168】
条項32.生成物ストリームを分留してCストリームを生成物ストリームから分離するステップ、
ストリームの少なくとも一部を異性体回収プロセスユニットに供して、キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成するステップ、
ラフィネートストリームを異性化触媒と接触させて異性化生成物ストリームを生成するステップであって、異性化生成物ストリームが少なくとも1種のキシレン異性体を含み、異性化生成物ストリームの少なくとも一部が、芳香族処理触媒から生成された生成物ストリームと組み合わされる、ステップ
をさらに含む条項31に記載の方法。
【0169】
条項33.ステップ(iv)からのC7+ストリームをC7~10ストリームおよびC11+ストリームに分留するステップであって、C7~10ストリームが芳香族処理触媒と接触する、ステップをさらに含む、条項31に記載の方法。
【0170】
条項34.ステップ(iv)からのC9+ストリームをC9~10ストリームおよびC11+ストリームに分留するステップであって、C9~10ストリームが触媒と接触する、ステップをさらに含む、条項31に記載の方法。
【0171】
条項35.異性化生成物ストリームの少なくとも一部が、リサイクルされ、異性体回収プロセスユニットに入るCストリームと組み合わされる、条項32に記載の方法。
【0172】
条項36.ステップ(v)からの生成物ストリームを分留してベンゼンストリーム、トルエンストリーム、またはナフタレンストリームを産生するステップをさらに含む、条項31に記載の方法。
【0173】
条項37.生成物ストリームを、生成物ストリームをC8+ストリームからC7-ストリームに分留する第1の蒸留塔に供給するステップをさらに含む、条項32に記載の方法。
【0174】
条項38.C7-ストリームを、C7-ストリームをC6-ストリームおよびCストリームに分留する第2の蒸留塔に供給するステップをさらに含む、条項37に記載の方法。
【0175】
条項39.Cストリームの少なくとも一部が、リサイクルされ、C7+ストリームと組み合わされる、条項38に記載の方法。
【0176】
条項40.C8+ストリームの少なくとも一部が、リサイクルされ、異性体回収プロセスユニットに入るC芳香族と組み合わされる、条項37に記載の方法。
【0177】
条項41.C8+ストリームを、C8+ストリームをCストリームおよびC9+ストリームに分留する第3の蒸留塔に供給するステップであって、CストリームがC芳香族を含む、ステップをさらに含む、条項37に記載の方法。
【0178】
条項42.C9+ストリームが、C9+ストリームをC9~10ストリームおよびC11+ストリームに分留する第4の蒸留塔に供給され、C9~10ストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、条項41に記載の方法。
【0179】
条項43.生成物ストリームを分留してCストリーム、Cストリーム、およびC9~10ストリームを分離するステップであって、Cストリームが異性体回収プロセスユニットに供給され、Cストリームが、リサイクルされ、C7+ストリームと組み合わされ、C9~10ストリームが、リサイクルされ、C7+ストリームと組み合わされる、ステップをさらに含む、条項32に記載の方法。
【0180】
条項44.異性体回収プロセスユニットが吸着ユニットを含む、条項32に記載の方法。
【0181】
条項45.異性体回収プロセスユニットが結晶化ユニットを含む、条項32に記載の方法。
【0182】
条項46.芳香族処理触媒が酸触媒を含む、条項31に記載の方法。
【0183】
条項47.酸触媒が、アルミノシリケート、タングステン酸アルミノシリケート、シリカ-アルミナリン酸塩、リン酸アルミニウム、非晶質シリカアルミナ、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン酸ジルコニア、炭化タングステン、炭化モリブデン、チタニア、酸性アルミナ、リン酸化アルミナ、タングステン酸アルミナ、リン酸化シリカ、タングステン酸シリカ、タングステン酸チタニア、タングステン酸リン酸塩、ニオビア、硫酸化炭素、リン酸化炭素、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、タングステン酸ヘテロポリ酸、無機酸およびそれらの組合せから選択される、条項31に記載の方法。
【0184】
条項48.酸触媒が、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Zn、Ga、In、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金および組合せから選択される金属を含む、条項47に記載の方法。
【0185】
条項49.ステップ(iv)が、200℃~600℃の温度および100psig~1500psigの圧力で、および0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間の重量空間速度(WHSV)で行われる、条項31に記載の方法。
【0186】
条項50.キシレン異性体を生成および分離するための方法であって、
(i)C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて、混合芳香族供給原料ストリームと比べて増加した濃度のC芳香族を含む生成物ストリームを生成するステップであって、芳香族処理触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒またはそれらの組合せを含む、ステップと、
(ii)蒸留塔を使用して、生成物ストリームをC7-ストリームおよびC8+ストリームに分留するステップと、
(iii)蒸留塔を使用して、C8+ストリームをCストリームおよびC9+ストリームに分留するステップと、
(iv)Cストリームの少なくとも一部を異性体回収プロセスユニットに供して、キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成するステップと、
(v)ラフィネートストリームを異性化触媒と接触させて異性化生成物ストリームを生成するステップであって、異性化生成物ストリームが少なくとも1種のキシレン異性体を含む、ステップと
を含み、
8+ストリームの少なくとも一部が、ステップ(iii)において蒸留塔を迂回し、異性体回収プロセスユニットに入る前にCストリームと組み合わされる、方法。
【0187】
条項51.キシレン異性体が、パラキシレン、オルトキシレン、またはメタキシレンから選択される、条項50に記載の方法。
【0188】
条項52.異性化生成物ストリームの少なくとも一部が、ステップ(i)において触媒から生成された生成物ストリームと組み合わされる、条項50に記載の方法。
【0189】
条項53.混合芳香族供給原料ストリームが、ベンゼン、トルエン、およびそれらの組合せの共沸夾雑物を実質的に含まない、条項50に記載の方法。
【0190】
条項54.C7-ストリームが、C7-ストリームをC6-ストリームおよびCストリームに分留する蒸留塔に供給される、条項50に記載の方法。
【0191】
条項55.Cストリームの少なくとも一部が、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、条項54に記載の方法。
【0192】
条項56.C9+ストリームが、C9+ストリームをC9~10ストリームおよびC11+ストリームに分留する蒸留塔に供給され、C9~10ストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、条項50に記載の方法。
【0193】
条項57.異性体回収プロセスユニットが吸着ユニットを含む、条項50に記載の方法。
【0194】
条項58.異性体回収プロセスユニットが結晶化ユニットを含む、条項50に記載の方法。
【0195】
条項59.芳香族処理触媒が酸触媒を含む、条項50に記載の方法。
【0196】
条項60.酸触媒が、アルミノシリケート、タングステン酸アルミノシリケート、シリカ-アルミナリン酸塩、リン酸アルミニウム、非晶質シリカアルミナ、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン酸ジルコニア、炭化タングステン、炭化モリブデン、チタニア、酸性アルミナ、リン酸化アルミナ、タングステン酸アルミナ、リン酸化シリカ、タングステン酸シリカ、タングステン酸チタニア、タングステン酸リン酸塩、ニオビア、硫酸化炭素、リン酸化炭素、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、タングステン酸ヘテロポリ酸、無機酸またはそれらの組合せから選択される、条項59に記載の方法。
【0197】
条項61.酸触媒が、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Zn、Ga、In、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金または組合せから選択される金属を含む、条項59に記載の方法。
【0198】
条項62.ステップ(i)が200℃~600℃の温度で行われる、条項50に記載の方法。
【0199】
条項63.ステップ(i)が100psig~1500psigの圧力で行われる、条項50に記載の方法。
【0200】
条項64.ステップ(i)が0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間の重量空間速度(WHSV)で行われる、条項50に記載の方法。
【0201】
条項65.ステップ(i)の前に、
水および1種または複数の酸素化物を含む水性炭化水素原料と縮合触媒を接触させて、C4+化合物を含む縮合生成物ストリームを生成するステップであって、C4+化合物が、C4+アルコール、C4+ケトン、C4+アルカン、C4+アルケン、C5+シクロアルカン、C5+シクロアルケン、アリール、または縮合アリールを含む、ステップ、
縮合生成物ストリームを分留してC6-ストリームをC7+ストリームから分離するステップ、
6-ストリームを縮合触媒にリサイクルするステップ、
7+ストリームをC7~10ストリームおよびC11+ストリームに分留するステップであって、C7~10ストリームが混合芳香族供給原料ストリームを形成する、ステップ
を含む、条項50に記載の方法。
【0202】
条項66.キシレン異性体を生成および分離するための方法であって、
(i)C7+芳香族を含む混合芳香族供給原料ストリームを芳香族処理触媒と接触させて、混合芳香族供給原料ストリームと比べて増加した濃度のC芳香族を含む生成物ストリームを生成するステップであって、芳香族処理触媒が、トランスアルキル化触媒、脱アルキル化触媒、ハイドロクラッキング触媒またはそれらの組合せを含む、ステップと、
(ii)蒸留塔を使用して、生成物ストリームをC7-ストリームおよびC8+ストリームに分留するステップと、
(iii)蒸留塔を使用して、C8+ストリームをCストリームおよびC9+ストリームに分留するステップと、
(iv)Cストリームの少なくとも一部を異性体回収プロセスユニットに供して、キシレン異性体ストリームおよび未回収のC化合物を含むラフィネートストリームを生成するステップと、
(v)ラフィネートストリームを異性化触媒と接触させて異性化生成物ストリームを生成するステップであって、異性化生成物ストリームが少なくとも1種のキシレン異性体を含み、
異性化生成物ストリームの少なくとも一部が、異性体回収プロセスユニットに入る前にCストリームと組み合わされる、ステップと
を含む方法。
【0203】
条項67.キシレン異性体が、パラキシレン、オルトキシレン、またはメタキシレンを含む、条項66に記載の方法。
【0204】
条項68.C8+ストリームの少なくとも一部が、ステップ(iii)において蒸留塔を迂回し、異性体回収プロセスユニットに入る前にCストリームと組み合わされる、条項66に記載の方法。
【0205】
条項69.混合芳香族供給原料ストリームが、ベンゼン、トルエン、およびそれらの組合せの共沸夾雑物を実質的に含まない、条項66に記載の方法。
【0206】
条項70.C7-ストリームが、C7-ストリームをC6-ストリームおよびCストリームに分留する蒸留塔に供給される、条項66に記載の方法。
【0207】
条項71.Cストリームの少なくとも一部がリサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、条項70に記載の方法。
【0208】
条項72.C9+ストリームが、C9+ストリームをC9~10ストリームおよびC11+ストリームに分留する蒸留塔に供給され、C9~10ストリームが、リサイクルされ、混合芳香族供給原料ストリームと組み合わされる、条項66に記載の方法。
【0209】
条項73.異性体回収プロセスユニットが吸着ユニットを含む、条項66に記載の方法。
【0210】
条項74.異性体回収プロセスユニットが結晶化ユニットを含む、条項66に記載の方法。
【0211】
条項75.芳香族処理触媒が酸触媒を含む、条項66に記載の方法。
【0212】
条項76.酸触媒が、アルミノシリケート、タングステン酸アルミノシリケート、シリカ-アルミナリン酸塩、リン酸アルミニウム、非晶質シリカアルミナ、ジルコニア、硫酸化ジルコニア、タングステン酸ジルコニア、炭化タングステン、炭化モリブデン、チタニア、酸性アルミナ、リン酸化アルミナ、タングステン酸アルミナ、リン酸化シリカ、タングステン酸シリカ、タングステン酸チタニア、タングステン酸リン酸塩、ニオビア、硫酸化炭素、リン酸化炭素、酸性樹脂、ヘテロポリ酸、タングステン酸ヘテロポリ酸、無機酸またはそれらの組合せから選択される、条項75に記載の方法。
【0213】
条項77.酸触媒が、Cu、Ag、Au、Pt、Ni、Fe、Co、Ru、Rh、Zn、Ga、In、Pd、Ir、Re、Mn、Cr、Mo、W、Sn、Os、それらの合金または組合せから選択される金属を含む、条項75に記載の方法。
【0214】
条項78.ステップ(i)が200℃~600℃の温度で行われる、条項66に記載の方法。
【0215】
条項79.ステップ(i)が100psig~1500psigの圧力で行われる、条項66に記載の方法。
【0216】
条項80.ステップ(i)が、0.1~10の供給原料質量/触媒質量/時間の重量空間速度(WHSV)で行われる、条項66に記載の方法。
【0217】
条項81.ステップ(i)の前に、
水および1種または複数の酸素化物を含む水性炭化水素原料を縮合触媒と接触させて、C4+化合物を含む縮合生成物ストリームを生成するステップであって、C4+化合物がC4+アルコール、C4+ケトン、C4+アルカン、C4+アルケン、C5+シクロアルカン、C5+シクロアルケン、アリール、または縮合アリールを含む、ステップと、
縮合生成物ストリームを分留してC6-ストリームをC7+ストリームから分離するステップと、
6-ストリームを縮合触媒にリサイクルするステップと、
7+ストリームをC7~10ストリームおよびC11+ストリームに分留するステップであって、C7~10ストリームが混合芳香族供給原料ストリームを形成する、ステップと
を含み、
8+ストリームの少なくとも一部がステップ(iii)において蒸留塔を迂回し、異性体回収プロセスユニットに入る前にCストリームと組み合わされる、条項66に記載の方法。
【符号の説明】
【0218】
10 芳香族精製システム
12 芳香族処理反応器
14 混合芳香族供給原料ストリーム
15 組み合わされた混合芳香族供給原料ストリーム
16 混合芳香族供給原料源
18 水素ストリーム
20 水素供給源
22 芳香族処理触媒
24 生成物ストリーム
25 分離器
26 第1の蒸留塔
27 液体生成物ストリーム
28 C7-ストリーム
29 ガス出口
30 C8+ストリーム、迂回ストリーム
32 第2の蒸留塔
34 C6-ストリーム
36 Cストリーム
38 第3の蒸留塔
40 Cストリーム
42 C9+ストリーム
44 第4の蒸留塔
46 C9~10ストリーム
48 C11+ストリーム
50 異性体回収プロセスユニット
52 キシレン異性体ストリーム
54 ラフィネートストリーム
56 異性化反応器
57 水素供給源
58 異性化触媒
59 水素ストリーム
60 異性化生成物ストリーム
61 分離器
62 迂回ストリーム
63 ガス出口
65 液体生成物ストリーム
100 システム
102 水素化脱酸素(HDO)反応器
104 原料溶液供給源
106 水素供給源
108 脱酸素化触媒
110 脱酸素化生成物ストリーム
112 非凝縮ガスストリーム
111 3相分離器
114 有機生成物ストリーム
116 水性生成物ストリーム
118 水性パージストリーム
120 縮合反応器
122 縮合触媒
124 縮合生成物ストリーム
128 酸縮合ガスストリーム
126 3相分離器
130 有機ストリーム
132 水性ストリーム
134 パージストリーム
136 蒸留塔
138 軽質生成物ストリーム
140 重質生成物ストリーム
142 蒸留塔
144 重質生成物供給原料ストリーム
図1
図2
【国際調査報告】