IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イートン インテリジェント パワー リミテッドの特許一覧

特表2024-536486ファスナレス回路結合用のコネクタパッケージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ファスナレス回路結合用のコネクタパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522140
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2022025472
(87)【国際公開番号】W WO2023061625
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/255,106
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/338,248
(32)【優先日】2022-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド ノジマ
(57)【要約】
高電圧相互接続及びインタフェース用のシステムは、回路用のハウジングを含む回路用のパッケージと、ハウジングの外面の片面中央に位置付けられたゲートコネクタであり、パッケージ外の配線を複数の方向のいずれからもゲートコネクタに結合させることができるゲートコネクタとを含み得る。特定の実施形態では、ハウジング用のパッケージは、ハウジングの外面付近の加圧体をさらに含み、システムは、ハウジング内の回路からハウジングの開口を通り外面を越えて延びるリード線であり、加圧体が第2構造の接触面に対してリード線に圧力を加えることができるように外面において加圧体の上で変形することができるリード線をさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路用のハウジングを含む該回路用のパッケージと、
前記ハウジングの外面の片面中央に位置付けられたゲートコネクタであり、前記パッケージ外の配線を複数の方向のいずれからもゲートコネクタに結合させることができるゲートコネクタと
を備える、相互接続及びインタフェース用のシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは、前記パッケージ外の配線が前記複数の方向から前記ゲートコネクタに達するようにするリブを含むシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ゲートコネクタは回転可能であるシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、前記ゲートコネクタはL字形であるシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは、前記パッケージ外の配線が周面を通って前記ゲートコネクタに達するようにするリブを含むシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記回路用の前記パッケージは、
前記ハウジングの前記外面付近の加圧体と、
前記ハウジング内の前記回路から前記ハウジングの開口を通り前記外面を越えて延びるリード線であり、前記加圧体が第2構造の接触面に対してリード線に圧力を加えることができるように前記外面において前記加圧体の上で変形することができるリード線と
をさらに含むシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記加圧体は、前記ハウジングの前記外面付近に複数設けられ、前記回転可能なゲートコネクタに対して対称に位置決めされるシステム。
【請求項8】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記加圧体は積み重ねたベルビルワッシャを含むシステム。
【請求項9】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記第2構造は母線インタフェースであるシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記母線インタフェースは、一方の面に前記リード線に接触する前記接触面と、反対面に第2接触面とを含み、システムは、
第2回路用の第2パッケージであり、前記第2回路用の第2ハウジング及び該第2ハウジングの外面付近の第2加圧体を含む第2パッケージと、
前記第2ハウジング内の前記第2回路から前記第2ハウジングの第2開口を通り前記外面を越えて延びる第2リード線であり、前記第2加圧体が前記母線インタフェースの前記第2接触面に対して前記第2リード線に圧力を加えることができるように前記外面において前記第2加圧体の上で変形することができる第2リード線と
をさらに備えたシステム。
【請求項11】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記回路はパワーエレクトロニクス回路であるシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記パワーエレクトロニクス回路はワイドバンドギャップトランジスタを含むシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは絶縁材料を含むシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、前記絶縁材料はポリフェニレンスルフィド樹脂であるシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムにおいて、ヒートシンクをさらに備えたシステム。
【請求項16】
相互接続及びインタフェース用のシステムであって、
回路用のパッケージであり、前記回路用のハウジング及び該ハウジングの外面付近の加圧体を含むパッケージと、
前記ハウジング内の前記回路から前記ハウジングの開口を通り前記外面を越えて延びるリード線であり、前記加圧体が第2構造の接触面に対してリード線に圧力を加えることができるように前記外面において前記加圧体の上で変形することができるリード線と
を備えたシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記ハウジングの前記外面の片面中央に位置付けられたゲートコネクタをさらに備えたシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは、前記パッケージ外の配線が複数の方向から前記ゲートコネクタに達するようにするリブを含むシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムにおいて、前記ゲートコネクタは回転可能であるシステム。
【請求項20】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記加圧体は、前記ハウジングの前記外面付近に複数設けられ、前記ゲートコネクタに対して対称に位置決めされるシステム。
【請求項21】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記回路はパワーエレクトロニクス回路であるシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、前記パワーエレクトロニクス回路はワイドバンドギャップトランジスタを含むシステム。
【請求項23】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記加圧体は積み重ねたベルビルワッシャを含むシステム。
【請求項24】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは絶縁材料を含むシステム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムにおいて、前記絶縁材料はポリフェニレンスルフィド樹脂であるシステム。
【請求項26】
請求項16に記載のシステムにおいて、ヒートシンクをさらに備えたシステム。
【請求項27】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは、前記パッケージ外の配線が周面を通ってゲートコネクタに達するようにするリブを含むシステム。
【請求項28】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記第2構造は母線インタフェースであるシステム。
【請求項29】
請求項28に記載のシステムにおいて、前記母線インタフェースは、一方の面に前記リード線に接触する前記接触面と、反対面に第2接触面とを含み、システムは、
第2回路用の第2パッケージであり、前記第2回路用の第2ハウジング及び該第2ハウジングの外面付近の第2加圧体を含む第2パッケージと、
前記第2ハウジング内の前記第2回路から前記第2ハウジングの第2開口を通り前記外面を越えて延びる第2リード線であり、前記第2加圧体が前記母線インタフェースの前記第2接触面に対して前記第2リード線に圧力を加えることができるように前記外面において前記第2加圧体の上で変形することができる第2リード線と
をさらに備えたシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載]
本発明は、DOEにより授与された契約番号DE-EE0009135に基づく政府の支援を受けて作成された。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
パワーエレクトロニクスでは、電圧はコンバータ回路により変換され、コンバータ回路は、バス又は他の相互接続若しくはインタフェース構造を介して他のコンポーネントに結合される。従来、シリコン系半導体がこのようなコンバータ回路に多用されてきた。しかしながら、より広範囲の温度、電圧、及び周波数での動作等の多くの優れた物理的特徴により、ワイドバンドギャップ半導体の使用がコンバータ回路で増加している。これを組み合わせると、よりコンパクトなアーキテクチャで実行可能な、より高速且つ効率的な設計が得られる。
【0003】
炭化ケイ素MOSFET等のより高速なワイドバンドギャップ半導体トランジスタに対処するために、コンバータ回路は、寄生成分(例えば、インダクタンス及びキャパシタンスを導入する成分)を大幅に、10分の1以下に低減しなければならない。最新の相互設続構造は、パッケージへの接続をボルト、ナット、及びねじに依存している。ボルト及びナットの挿入は、電気絶縁及び機械的配置に必要な寸法許容差により、電力密度の損失を引き起こす。さらに、大型のボルト、ナット、及びねじの使用により、パッケージハウジング設計で半導体スイッチ電源端子を整列させざるを得ないことで、相互接続構造の導電板の配置時にさらなる寸法増加が生じる。これらの寸法増加は、寄生成分を増加させると共に、半導体スイッチ性能を低下させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ファスナレス回路結合用のコネクタパッケージが提供される。孔及びそれに対応するねじ又はナットを用いて端子を接続するのではなく、端子は、相互接続又はインタフェース構造に直接接触及び圧力により接続することができる。ファスナを必要としないパッケージは、コンパクトで低寄生のアーキテクチャを提供するだけでなく、ファスナベースのパッケージングに比べて下地回路の幾何学的形状及び端子位置の柔軟性を高めることもできる。記載するコネクタパッケージ構成は、異なるワイヤ/パッケージ接続構成に合うようにパッケージ全体を回転可能にすることができる。
【0005】
高電圧相互接続及びインタフェース用のシステムは、回路用のパッケージであり、回路用のハウジング及びハウジングの外面付近の加圧体を含むパッケージと、ハウジング内の回路からハウジングの開口を通り外面を越えて延びるリード線であり、加圧体が第2構造の接触面に対してリード線に圧力を加えることができるように外面において加圧体の上で変形することができるリード線とを含むことができる。
【0006】
この概要は、以下の「詳細な説明」においてさらに説明する種々の概念を簡略化した形態で紹介するために提供されている。この概要は、特許請求の範囲に記載の主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、特許請求の範囲に記載の主題の範囲を限定するために用いることを意図したものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】高電圧相互接続及びインタフェース用のシステムを示す。
図1B】高電圧相互接続及びインタフェース用のシステムを示す。
図2】母線インタフェースを挟む2つのアセンブリのシステムを示す。
図3A】高電圧相互接続及びインタフェース用のシステムの加圧体の例を示す。
図3B】高電圧相互接続及びインタフェース用のシステムの加圧体の例を示す。
図4A】パッケージのハウジングの例を示す。
図4B】パッケージのハウジングの例を示す。
図5A】パッケージのさらに別の実施形態を示す。
図5B】パッケージのさらに別の実施形態を示す。
図5C】パッケージのさらに別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ファスナレス回路結合用のコネクタパッケージが提供される。孔及びそれに対応するねじ又はナットを用いて端子を接続するのではなく、端子は、相互接続又はインタフェース構造に直接接触及び圧力により接続することができる。ファスナを必要としないパッケージは、コンパクトで低寄生のアーキテクチャを提供するだけでなく、ファスナベースのパッケージングに比べて下地回路の幾何学的形状及び端子位置の柔軟性を高めることもできる。記載するコネクタパッケージ構成は、異なるワイヤ/パッケージ接続構成に合うようにパッケージ全体を回転可能にすることができる。
【0009】
記載のコネクタパッケージは、圧縮により(例えば、ナット、ボルト、及びねじ等のファスナを用いずに)相互接続又はインタフェース構造に直接接続することができる。この特徴により、パッケージのハウジングが任意の幾何学的形状を自由に用いることができ、電源端子及び制御端子が筐体内のどこにあってもよく、位置合わせの要件も所与のスイッチの端子の数の制限もない。これらの要因から、パッケージには、寄生成分を低減し、電源接続とゲート端子及びケルビン端子等の制御接続との両方に対するスイッチダイ間の伝送線路効果のバランスを取るための、最適なフレームワークが与えられる。実際に、異なるワイヤ/パッケージ接続構成に合うようにパッケージ全体を回転可能にすることが可能である。
【0010】
有利なこととして、回路全体の寄生成分を、場合によっては1桁以上低減することが可能である。さらに、現在の解決手段では片面配置しか可能でないが、記載のパッケージでは、相互接続又はインタフェース構造の両面に端子を配置することができる。その結果、寄生成分が10分の1に低減されるだけでなく、従来にない電力密度を達成することもできる。
【0011】
記載のパッケージは、ワイドバンドギャップの炭化ケイ素及び窒化ガリウム並びに超ワイドバンドギャップのダイヤモンドの半導体スイッチを組み込んだ技術に適している。場合によっては、記載のパッケージは、0.6kV~60kVの電圧範囲の高電圧相互接続及びインタフェースに適している。したがって、本明細書で用いる「高電圧」は、600V以上の電圧を指す。
【0012】
図1A及び図1Bは、高電圧相互接続及びインタフェース用のシステムを示す。図1Aは、リード線がどのように位置するかを見せる側面図を示す。図1Bは、リード線だけでなく加圧体の位置決めを示す上面図を示す。図1Aを参照すると、高電圧相互接続及びインタフェース用のシステムは、回路105用のパッケージを含むことができる。パッケージは、回路105用のハウジング100と、ハウジング100の外面付近の加圧体110とを含むことができる。パッケージはさらに、ハウジング100内の回路105からハウジング100の開口120を通り外面を越えて延びるリード線115を含むことができ、リード線115は、加圧体110が図2に見られる母線インタフェース等の第2構造の接触面に対してリード線115に圧力を加えることができるように、外面において加圧体110の上で変形することができる。回路105は、ワイドバンドギャップトランジスタを含むパワーエレクトロニクス回路等のパワーエレクトロニクス回路であり得る。リード線115は、回路と任意の外部要素、例えば第2構造との間の接続部であり得る。リード線115は、例えばワイヤとすることができ、リード線115の一部に絶縁被覆を含むことができる。リード線115は、加圧体110の作用を受けた場合のリード線115の損傷を防止するために少なくとも部分的により耐久性の高い材料で作ることができる、ハウジング外のリード線パッケージも含むことができる。
【0013】
図1Bを参照すると、ハウジング100の外面全体に離間した少なくとも1つの加圧体110があり得る。加圧体110は、例えば、外面全体にわたって等間隔であり得る。4つの加圧体110が見えるが、より少ない加圧体又はより多くの加圧体を用いることができる。1つ又は複数の加圧体110は、リード線115をハウジング100の表面に貫通させる対応する開口120の近位に配置され得る。図1Bでは、リード線の1つのみが図1Aの右側に見えるように加圧体110の上で変形して示されている。
【0014】
図2は、母線インタフェースを挟む2つのアセンブリのシステムを示す。図2を参照すると、アセンブリ200を複数のパッケージ205から形成することができる。各パッケージは、一例として図1A及び図1Bに関して説明したように構成することができる。アセンブリはさらにヒートシンク210を含み得る。ヒートシンク210は、パッケージ毎に個別のヒートシンクから形成されてもよく、又はアセンブリの複数のパッケージが結合される大きなヒートシンクであってもよい。アセンブリ200は、母線インタフェース215に結合される。母線インタフェースを用いて、(例えば、パッケージ205に収容された)1つ又は複数の回路を外部のバス又はシステムと結合することができる。したがって、パッケージ205のリード線220は、パッケージハウジングの外面において対応する加圧体によりその上で変形したリード線220に対して加わる圧力により、母線インタフェース215上の導電パッドの形態の第2構造の接触面と物理的且つ電気的に接触する。リード線220は、ねじ及びボルトを用いるのではなく加圧体が加える機械的圧力により母線インタフェース215に接続することができるので、異なるワイヤ/パッケージ接続構成に合うようにパッケージ全体を回転可能にすることが可能である
【0015】
少なくとも第2パッケージ235から形成された第2アセンブリ230は、母線インタフェース215を間に挟んで第1アセンブリ200に対向し得る。第2アセンブリ230は、例えば第2パッケージ235及びヒートシンク240を含むことが第1アセンブリ200と同一又は同様であり得る。第2パッケージ235は、図1A及び図1Bに関して説明したように構成することができる。例えば、第2パッケージ235は、第2回路用の第2ハウジングと、第2ハウジングの外面付近の第2加圧体と、第2ハウジング内の第2回路から第2ハウジングの開口を通り外面を越えて延びる第2リード線245とを含むことができ、第2リード線245は、第2加圧体が母線インタフェース215の第2接触面250に対して第2リード線245に圧力を加えることができるように外面において第2加圧体の上で変形する(この場合、第2接触面は、第1アセンブリ200が接触するのとは反対側の母線インタフェース215の表面である)。
【0016】
図3A及び図3Bは、高電圧相互接続及びインタフェース用のシステムの加圧体の例を示す。図3Aは、システム及びハウジングから独立した加圧体の図を示す。加圧体は、ある種のインサート302と、位置エネルギーを蓄える装置304と、ベース306とを含むことができる。インサート302は、接触を向上させるために一端の円周をより広くすることができる。インサート302は、真鍮等の導電材料及び非導電材料を含む様々な材料で作ることができる。位置エネルギーを蓄える装置304は、図示のように、さまざまな異なるタイプの装置、例えば積み重ねたベルビルワッシャとすることができる。他のばねシステム又は空気圧システムを用いることができる可能性がある。ベース306を用いて、加圧体をハウジングに対して固定するか、又は撓むことで蓄えられたエネルギーを減少させることのない硬質の表面を提供することにより位置エネルギーをより良好に維持することができる。図3Bを参照すると、ハウジング内の加圧体用の支持部に収容された加圧体の断面図を見ることができる。図1A及び図1Bに関して説明したように、リード線308が、加圧体の上で変形する結果として加圧体から圧力を受けることができる。
【0017】
図4A及び図4Bは、パッケージのハウジングの例を示す。図4Aは、ハウジングの周辺下部構造を示し、図4Bは、完成ハウジングを示す。図4Aを参照すると、ハウジングの周辺下部構造は、リブ405と、取付部410と、加圧体用の支持部415とを含むことができる。ハウジングは、ポリフェニレンスルフィド樹脂等の絶縁材料から少なくとも部分的に構成されることができる。
【0018】
リブ405により、ワイヤ又は他の材料をハウジングの周りに引き回すことができる。リブ405は、表面に沿った沿面距離を最大化することもできる。取付部410により、ハウジング、ひいてはパッケージ全体を別の表面、例えばベースプレート又は蓋に取り付けることができる。ハウジングを取り付けることで、安定化の向上、追加のヒートシンクへのアクセス、又はモジュール、例えば測定ツールの追加を可能にすることができる。取付部410は、例えばねじ孔及び対応するねじであり得る。加圧体用の支持部415は、加圧体を収容し、パッケージの他の内部部品を加圧体から分離することでクリアランスを確保することができる。支持部415は、剛性を保つ堅い表面を提供することにより対応する加圧体が及ぼす力を増加させることで、最大力が外面に向けて加えられることを確実にすることもできる。図4Bを参照すると、完成ハウジングを見ることができる。加圧体420及び関連するリード線425が見られる。外面は、さらなる配線を可能にするようにディボット及びスリット430を含むことができる。周面では、レーザマーキングを用いて特定のシステムにラベルを付けることができる。
【0019】
図5A図5Cは、パッケージのさらなる実施形態を示す。図5Aを参照すると、図1Aに見られる回路図にどのようにゲートコネクタを追加できるかを示す概略図を見ることができる。パッケージ500内の回路505は、ハウジングの開口を貫通するリード線510によりパッケージ500のハウジングの外部に延びることができる。しかしながら、回路505は、回路505をパッケージ500の外部で結合させる開口としても働くゲートコネクタ515に接続される内部配線に結合することもできる。
【0020】
図5Bを参照すると、ゲートコネクタ515をパッケージ500の設計で見ることができる。ゲートコネクタ515は、図5Bに見られるように雌ゲートコネクタ520であり得る。ゲートコネクタ515は、パッケージ500の片面中央に位置付けることができ、加圧体と同じ外面に位置付けられ得る。パッケージ500は、パッケージ外からの配線が周面を通って例えば複数の方向からゲートコネクタ515に達するようにするリブ(例えば、図4Aのリブ405)を特徴とすることができる。図5Cを参照すると、ゲートコネクタ515は、代替として雄ゲートコネクタ525とすることができる。ゲートコネクタ515は回転可能とすることができる。雌ゲートコネクタ520は、例えば特定の向きを必要としない円形のアクセプタを有することにより、いずれの方向からも雄コネクタ/配線による接続を可能にするよう構成され得る。雄ゲートコネクタ525は、「L」字形が任意の方向の(例えば、表面のリブからの)接続を可能にするように回転し得る。
【0021】
有利なこととして、パッケージ500の中心位置にゲートコネクタ515を組み込むことにより、パッケージハウジング内の回路(例えば、回路105)間のインピーダンス分布をワイドバンドギャップ回路及び超ワイドバンドギャップ回路に適した形で最適化することができる。さらに、リブにより、ゲート接続がどの方向からもアクセス可能となることで、その駆動装置までのゲート接続の長さが最小化される。さらに、ゲートコネクタの回転可能性は、様々な方向からの接続を支援する。実際に、図5Bに見られるように、雌ゲートコネクタ520(又は図5Cに見られる雄ゲートコネクタ525)を、少なくとも4つの方向530A、530B、530C、及び530Dからの接続を支援するために回転させることができる。さらに、(例えば、雌ゲートコネクタ520及び/又は雄ゲートコネクタ525の)ゲートコネクタ515構成は、加圧体ベースの相互接続を含まないパッケージに適用することができる。
【0022】
上述のように、パッケージ全体は、異なるワイヤ/パッケージ接続構成に合うように回転可能である。例えば、図1B及び図5Bに示すように、パッケージは、中心軸(例えば、ゲートコネクタ)に対して対称に位置決めされる4つの加圧体(それぞれが対応するリード線を有し得る)を有することができる。パッケージを例えば90°回転させた場合、パッケージを回転前のように母線インタフェースに容易に接続することができる。ゲートコネクタの回転能力は、パッケージの回転能力を支援することができる。
【0023】
ある場合には、相互接続及びインタフェース用のシステムは、回路用のパッケージと、ハウジングの外面の片面中央に位置付けられたゲートコネクタとを含む。パッケージは、回路用のハウジングを含む。ゲートコネクタは、パッケージ外の配線を複数の方向(例えば、4つの方向530A、530B、530C、及び530D)のいずれからもゲートコネクタに結合させることができる。
【0024】
場合によっては、こうした場合のいずれのハウジングも、パッケージ外の配線が複数の方向からゲートコネクタに達するようにするリブを含む。場合によっては、上記場合のいずれかのゲートコネクタは回転可能である。場合によっては、上記場合のいずれかのゲートコネクタはL字形である。場合によっては、上記場合のいずれかのハウジングは、パッケージ外の配線が周面を通ってゲートコネクタに達するようにするリブを含む。
【0025】
場合によっては、上記場合のいずれかの回路のパッケージはさらに、ハウジングの外面付近の加圧体と、ハウジング内の回路からハウジングの開口を通り外面を越えて延びるリード線とを含み、リード線は、加圧体が第2構造の接触面に対してリード線に圧力を加えることができるように外面において加圧体の上で変形することができる。場合によっては、上記場合のいずれかの加圧体は、ハウジングの外面付近に複数設けられ、回転可能なゲートコネクタに対して対称に位置決めされる。場合によっては、上記場合のいずれかの加圧体は、積み重ねたベルビルワッシャを含む。
【0026】
場合によっては、上記場合のいずれかの第2構造は母線インタフェースである。場合によっては、上記場合のいずれかの母線インタフェースは、一方の面にリード線に接触する接触面と、反対面に第2接触面とを含み、上記場合のいずれかのシステムはさらに、第2回路用の第2パッケージと、第2ハウジング内の第2回路から第2ハウジングの第2開口を通り外面を越えて延びる第2リード線とを含む。第2パッケージは、第2回路用の第2ハウジングと、第2ハウジングの外面付近の第2加圧体とを含む。第2リード線は、第2加圧体が母線インタフェースの第2接触面に対して第2リード線に圧力を加えることができるように外面において第2加圧体の上で変形することができる。
【0027】
場合によっては、上記場合のいずれかの回路はパワーエレクトロニクス回路である。場合によっては、上記場合のいずれかのパワーエレクトロニクス回路はワイドバンドギャップトランジスタを含む。場合によっては、上記場合のいずれかのハウジングは絶縁材料を含む。場合によっては、上記場合のいずれかの絶縁材料はポリフェニレンスルフィド樹脂である。場合によっては、上記場合のいずれかのシステムはさらにヒートシンクを含む。
【0028】
主題を構造的特徴及び/又は動作に特有の文言で記載したが、添付の特許請求の範囲に記載の主題が上述の特定の特徴又は動作に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例として開示されており、他の同等の特徴及び動作が特許請求の範囲内にあることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
【手続補正書】
【提出日】2024-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路用のハウジングを含む該回路用のパッケージと、
前記ハウジングの外面の片面中央に位置付けられたゲートコネクタであり、前記パッケージ外の配線を複数の方向のいずれからもゲートコネクタに結合させることができるゲートコネクタと
を備える、相互接続及びインタフェース用のシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは、前記パッケージ外の配線が前記複数の方向から前記ゲートコネクタに達するようにするリブを含むシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ゲートコネクタは回転可能であるシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、前記ゲートコネクタはL字形であるシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは、前記パッケージ外の配線が周面を通って前記ゲートコネクタに達するようにするリブを含むシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記回路用の前記パッケージは、
前記ハウジングの前記外面付近の加圧体と、
前記ハウジング内の前記回路から前記ハウジングの開口を通り前記外面を越えて延びるリード線であり、前記加圧体が第2構造の接触面に対してリード線に圧力を加えることができるように前記外面において前記加圧体の上で変形することができるリード線と
をさらに含むシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記加圧体は、前記ハウジングの前記外面付近に複数設けられ、前記ゲートコネクタに対して対称に位置決めされるシステム。
【請求項8】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記加圧体は積み重ねたベルビルワッシャを含むシステム。
【請求項9】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記第2構造は母線インタフェースであるシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記母線インタフェースは、一方の面に前記リード線に接触する前記接触面と、反対面に第2接触面とを含み、システムは、
第2回路用の第2パッケージであり、前記第2回路用の第2ハウジング及び該第2ハウジングの外面付近の第2加圧体を含む第2パッケージと、
前記第2ハウジング内の前記第2回路から前記第2ハウジングの第2開口を通り前記外面を越えて延びる第2リード線であり、前記第2加圧体が前記母線インタフェースの前記第2接触面に対して前記第2リード線に圧力を加えることができるように前記外面において前記第2加圧体の上で変形することができる第2リード線と
をさらに備えたシステム。
【請求項11】
請求項6に記載のシステムにおいて、前記回路はパワーエレクトロニクス回路であるシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記パワーエレクトロニクス回路はワイドバンドギャップトランジスタを含むシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは絶縁材料を含むシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、前記絶縁材料はポリフェニレンスルフィド樹脂であるシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムにおいて、ヒートシンクをさらに備えたシステム。
【請求項16】
相互接続及びインタフェース用のシステムであって、
回路用のパッケージであり、前記回路用のハウジング及び該ハウジングの外面付近の加圧体を含むパッケージと、
前記ハウジング内の前記回路から前記ハウジングの開口を通り前記外面を越えて延びるリード線であり、前記加圧体が第2構造の接触面に対してリード線に圧力を加えることができるように前記外面において前記加圧体の上で変形することができるリード線と
を備えたシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記ハウジングの前記外面の片面中央に位置付けられたゲートコネクタをさらに備えたシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは、前記パッケージ外の配線が複数の方向から前記ゲートコネクタに達するようにするリブを含むシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムにおいて、前記ゲートコネクタは回転可能であるシステム。
【請求項20】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記加圧体は、前記ハウジングの前記外面付近に複数設けられ、前記ゲートコネクタに対して対称に位置決めされるシステム。
【請求項21】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記回路はパワーエレクトロニクス回路であるシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、前記パワーエレクトロニクス回路はワイドバンドギャップトランジスタを含むシステム。
【請求項23】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記加圧体は積み重ねたベルビルワッシャを含むシステム。
【請求項24】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは絶縁材料を含むシステム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムにおいて、前記絶縁材料はポリフェニレンスルフィド樹脂であるシステム。
【請求項26】
請求項16に記載のシステムにおいて、ヒートシンクをさらに備えたシステム。
【請求項27】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記ハウジングは、前記パッケージ外の配線が周面を通ってゲートコネクタに達するようにするリブを含むシステム。
【請求項28】
請求項16に記載のシステムにおいて、前記第2構造は母線インタフェースであるシステム。
【請求項29】
請求項28に記載のシステムにおいて、前記母線インタフェースは、一方の面に前記リード線に接触する前記接触面と、反対面に第2接触面とを含み、システムは、
第2回路用の第2パッケージであり、前記第2回路用の第2ハウジング及び該第2ハウジングの外面付近の第2加圧体を含む第2パッケージと、
前記第2ハウジング内の前記第2回路から前記第2ハウジングの第2開口を通り前記外面を越えて延びる第2リード線であり、前記第2加圧体が前記母線インタフェースの前記第2接触面に対して前記第2リード線に圧力を加えることができるように前記外面において前記第2加圧体の上で変形することができる第2リード線と
をさらに備えたシステム。
【国際調査報告】