(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20240927BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20240927BHJP
F25D 21/14 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F25D23/00 307
F25D11/00 101A
F25D21/14 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522192
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2022108726
(87)【国際公開番号】W WO2023065763
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202122503829.1
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】青島海爾電氷箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No. 1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101, China
(71)【出願人】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】海爾智家股分有限公司
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong 266101, China
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】ドン リンユン
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チャンヂー
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジェンチュェン
【テーマコード(参考)】
3L045
3L048
【Fターム(参考)】
3L045AA04
3L045BA01
3L045DA02
3L045EA01
3L045PA04
3L048AA08
3L048BA01
3L048CB03
3L048FA00
3L048GA02
(57)【要約】
庫体、排水管、蒸発皿を備える、底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫である。庫体内に収納室が画定され、底部後方に放熱コンパートメントが設けられ、収納室の底部には蒸発器を配置するための冷凍室が形成され、排水管は冷凍室から放熱コンパートメントまで延び、蒸発皿は放熱コンパートメント内に配置され、蒸発皿には冷蔵庫の横幅に沿って複数の接続管部が設けられ、複数の接続管部のそれぞれは幅の異なる庫体の排水管の位置に適合され、複数の接続管部のうちで排水管の位置に対向する1つの接続管部を用いて排水管と接続することにより、蒸発皿は排水管から排出された水を受ける。本解決策により、蒸発皿の汎用性が向上し、部材コストおよび開発コストを削減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫であって、
内部に収納室が画定され、底部後方に前記放熱コンパートメントが設けられ、前記収納室の底部に蒸発器を配置するための冷凍室が形成された庫体と、
前記冷凍室から前記放熱コンパートメントまで延びた排水管と、
前記放熱コンパートメント内に配置された蒸発皿と、を備え、前記蒸発皿には、前記冷蔵庫の横幅に沿って複数の接続管部が設けられ、前記複数の接続管部のそれぞれは幅の異なる庫体の排水管の位置に適合され、前記複数の接続管部のうちで前記排水管の位置に対向する1つの接続管部を用いて前記排水管と接続することにより、前記蒸発皿は前記排水管から排出された水を受ける、冷蔵庫。
【請求項2】
前記放熱コンパートメントの横方向中間部に配置されたブロアアセンブリであって、前記放熱コンパートメントを前記庫体の横方向に沿って第1放熱空洞と第2放熱空洞に分割し、前記ブロアアセンブリの前記第1放熱空洞に面する側に放熱ファンが取り付けられ、前記ブロアアセンブリの前記第2放熱空洞に面する側に凝縮器が配置されたブロアアセンブリと、
前記第1放熱空洞内に取り付けられた圧縮機と、をさらに備え、
前記蒸発皿は前記第2放熱空洞内に取り付けられ、前記複数の接続管部は前記ブロアアセンブリに近接した位置に設けられている、請求項1に記載の底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫。
【請求項3】
前記接続管部は、幅寸法の異なる2つの前記庫体に適合するように2つ設けられている、請求項2に記載の底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫。
【請求項4】
前記幅寸法の異なる2つの前記庫体はそれぞれ幅905mmの第1寸法庫体と幅830mmの第2寸法庫体であり、
前記第1寸法庫体の前記放熱コンパートメントの底板の幅は895mmであり、前記第2寸法庫体の前記放熱コンパートメントの底板の幅は820mmであり、
前記冷蔵庫の横方向における2つの前記接続管部の中心間距離は29mmである、請求項3に記載の底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫。
【請求項5】
前記放熱コンパートメントの底板における前記排水管の投影は前記庫体の前後方向に沿った直線であり、前記排水管は前から後へ下方に傾斜しており、重力により水を前記蒸発皿に排出させる、請求項4に記載の底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫。
【請求項6】
前記放熱コンパートメントの底板における前記排水管の投影の中心線を基準として、前記第2寸法庫体の前記放熱コンパートメントの底板は前記第1寸法庫体の前記放熱コンパートメントの底板の両側に比べてそれぞれ中心に37.5mmずつ後退している、請求項5に記載の底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫。
【請求項7】
前記放熱コンパートメントの底板には前記圧縮機を挟んでブロアアセンブリとは反対側に第1ローラが配置され、前記放熱コンパートメントの底板には前記蒸発皿を挟んで前記ブロアアセンブリとは反対側に第2ローラが配置され、
前記放熱コンパートメントの底板における前記排水管の投影の中心線を基準として、前記第2寸法庫体の前記第1ローラは前記第1寸法庫体の前記第1ローラに比べて、内側に29mm後退している、請求項6に記載の底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫。
【請求項8】
前記放熱コンパートメントの底板における前記排水管の投影の中心線を基準として、前記第2寸法庫体の前記圧縮機、前記ブロアアセンブリ、および前記蒸発皿はそれぞれ前記第1寸法庫体の対応部材に比べて前記第2放熱空洞の方向に29mm変位している、請求項7に記載の底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫。
【請求項9】
前記放熱コンパートメントの底板には前記第1放熱空洞および前記第2放熱空洞の前部にそれぞれ放熱空気入口および放熱空気出口が設けられ、
前記放熱ファンは、放熱気流の形成を促進するように構成され、前記放熱気流は放熱空気入口から放熱コンパートメントに入り、最初に前記圧縮機と熱交換し、その後前記放熱ファンおよび前記凝縮器を通過した後、前記蒸発皿内の水の蒸発を促進し、その後前記放熱空気出口から前記冷蔵庫下方に排出される、請求項2に記載の底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫。
【請求項10】
前記蒸発皿には前記複数の接続管部の前部に挿入防止バッフルが設けられ、前記挿入防止バッフルには前記複数の接続管部と1対1で対応する制限スロットが設けられ、前記制限スロットは、前記排水管を固定するために使用される、請求項1に記載の底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍装置の技術分野に属し、具体的に底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの先行技術の冷蔵庫、特にビルトイン冷蔵庫では、凝縮器、圧縮機および蒸発皿が庫体底部の放熱コンパートメント内に配置され、放熱ファンが冷蔵庫の外部から外気を取り込み、その空気を放熱コンパートメント内に流入させて、凝縮器および圧縮機からの熱を対流放熱させている。冷蔵庫はシリーズ制で販売されているため、各シリーズはハイエンド、ミディアムエンド、ローエンドのようにいくつかのモデルに分けられ、モデルによって構造寸法に多少の違いがある。放熱コンパートメントのスペースが狭いし、配置される機器の数も多いため。冷蔵庫の種類ごとに対応する部品構造やレイアウトを個別に設計すると、大幅なコストアップと開発効率の低下を招く。例えば、蒸発皿を冷蔵庫の機種毎に別々に設計すると、部品コストや開発コストの大幅な増加を招く。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの目的は蒸発皿の汎用性を向上させた冷蔵庫を提供することである。
【0004】
本発明のもう1つの目的は、製品コストを削減した底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫を提供することである。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明が提供する底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫は、
内部に収納室が画定され、底部後方に放熱コンパートメントが設けられ、収納室の底部に蒸発器を配置するための冷凍室が形成された庫体と、
冷凍室から放熱コンパートメントまで延びた排水管と、
放熱コンパートメント内に配置された蒸発皿と、を備え、蒸発皿には、冷蔵庫の横幅に沿って複数の接続管部が設けられ、複数の接続管部のそれぞれは幅の異なる庫体の排水管の位置に適合され、複数の接続管部のうちで排水管の位置に対向する1つの接続管部を用いて排水管と接続することにより、蒸発皿は排水管から排出された水を受ける。
【0006】
選択的に、上記底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫は、
放熱コンパートメントの横方向中間部に配置されたブロアアセンブリであって、放熱コンパートメントを庫体の横方向に沿って第1放熱空洞と第2放熱空洞に分割し、ブロアアセンブリの第1放熱空洞に面する側に放熱ファンが取り付けられ、ブロアアセンブリの第2放熱空洞に面する側に凝縮器が配置されたブロアアセンブリと、
第1放熱空洞内に取り付けられた圧縮機と、をさらに備え、
蒸発皿は第2放熱空洞内に取り付けられ、複数の接続管部はブロアアセンブリに近接した位置に設けられる。
【0007】
選択的に、接続管部は、幅寸法の異なる2つの庫体に適合するように2つ設けられる。
【0008】
選択的に、幅寸法の異なる2つの庫体はそれぞれ幅905mmの第1寸法庫体と幅830mmの第2寸法庫体であり、
第1寸法庫体の放熱コンパートメントの底板の幅は895mmであり、第2寸法庫体の放熱コンパートメントの底板の幅は820mmであり、冷蔵庫の横方向における2つの接続管部の中心間距離は29mmである。
【0009】
選択的に、放熱コンパートメントの底板における排水管の投影は庫体の前後方向に沿った直線であり、排水管は前から後へ下方に傾斜しており、重力により水を蒸発皿に排出させる。
【0010】
選択的に、放熱コンパートメントの底板における排水管の投影の中心線を基準として、第2寸法庫体の放熱コンパートメントの底板は第1寸法庫体の放熱コンパートメントの底板の両側に比べてそれぞれ中心に37.5mmずつ後退している。
【0011】
選択的に、放熱コンパートメントの底板には圧縮機を挟んでブロアアセンブリとは反対側に第1ローラが配置され、放熱コンパートメントの底板には蒸発皿を挟んでブロアアセンブリとは反対側に第2ローラが配置されている。
放熱コンパートメントの底板における排水管の投影の中心線を基準として、第2寸法庫体の第1ローラは第1寸法庫体の第1ローラに比べて、内側に29mm後退している。
【0012】
選択的に、放熱コンパートメントの底板における排水管の投影の中心線を基準として、第2寸法庫体の圧縮機、ブロアアセンブリ、および蒸発皿はそれぞれ第1寸法庫体の対応部材に比べて第2放熱空洞の方向に29mm変位している。
【0013】
選択的に、放熱コンパートメントの底板は第1放熱空洞および第2放熱空洞の前部にそれぞれ放熱空気入口および放熱空気出口が設けられ、
放熱ファンは、放熱気流の形成を促進するように構成され、放熱気流は放熱空気入口から放熱コンパートメントに入り、最初に圧縮機と熱交換し、その後放熱ファンおよび凝縮器を通過した後、蒸発皿内の水の蒸発を促進し、その後放熱空気出口から冷蔵庫下方に排出される。
【0014】
選択的に、蒸発皿には複数の接続管部の前部に挿入防止バッフルが設けられ、挿入防止バッフルには複数の接続管部と1対1で対応する制限スロットが設けられ、制限スロットは、排水管を固定するために使用される。
【0015】
前述の説明に基づいて、当業者は、本発明に記載の技術的解決策において、冷蔵庫の横幅に沿って複数の接続管部が設けられ、複数の接続管部のそれぞれが幅の異なる庫体の排水管の位置に適合され、複数の接続管部のうちで排水管の位置に対向する1つが排水管に接続され、蒸発皿が排水管から排出された水を受けることができるように、蒸発皿が放熱コンパートメント内に配置されている。複数の接続管部によって異なる幅の庫体の排水管を接続することにより、蒸発皿の汎用性が向上し、部材コストと開発コストを削減することができる。
【0016】
さらに、本発明の冷蔵庫では、放熱コンパートメント内の圧縮機、ファン、凝縮器、蒸発皿などの部材のレイアウトを最適化することにより、異なる幅寸法の庫体の場合、構造変更が小さく、量産に適する。
【0017】
以下、添付図面と併せて本発明の具体的な実施例を詳細に説明し、本発明の上記およびその他の目的、利点および特徴は当業者にとってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、添付図面を参照して本発明の一部の実施例を説明する。同一符号は異なる添付図面において同じまたは類似の部材または部分を示し、本発明の添付図面は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことは当業者にとって理解されるべきである。
【0019】
【
図1】本発明のいくつかの実施例による底部放熱コンパートメント内に蒸発皿が配置された冷蔵庫の底部局所構造の前面上方軸方向側面図である。
【
図2】
図1に示す底部局所構造の後面上方軸方向側面図である。
【
図3】
図2中の底部局所構造のA-A方向に沿った断面図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施例による冷蔵庫の放熱コンパートメント内の主要部材分布の概略図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施例の冷蔵庫のブロアアセンブリと放熱ファン、凝縮器の組立構造の構造分解図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施例の冷蔵庫中の蒸発皿の構造図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施例の冷蔵庫の2つの庫体寸法の放熱コンパートメントのレイアウトの比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下で説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、本発明のすべての実施例ではなく、一部の実施例は本発明の技術的原理を解釈するために使用され、本発明の保護範囲を限定するものではないことを、当業者は理解すべきである。本発明によって提供される実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【0021】
なお、本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「頂部」「底部」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語で指示された方向または位置関係は、添付図面に示す方向または位置関係に基づくものであり、説明の便宜のために使用され、前記装置またはデバイスが必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成および操作される必要があることを指示または暗示するものではないため、本発明の限定として理解されない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を指示または暗示するものではない。
【0022】
また、本発明の説明において、特に明確に規定および限定しない限り、「取付」、「連結」、「接続」などの用語は広義的に理解されるべきであり、例えば、固定してもよく、着脱可能に接続してもよく、または一体形成してもよいし、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、直接に連結してもよく、中間媒体を介して間接的に連結してもよく、2つのデバイスの内部連通であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解すればよい。
【0023】
図1は、本発明のいくつかの実施例による底部に放熱コンパートメントが設けられた冷蔵庫の底部局所構造の前面上方軸方向側面図である。
図2は、
図1に示す底部局所構造の後面上方軸方向側面図である。
図3は
図2中の底部局所構造のA-A方向に沿った断面図である。
【0024】
図1~
図3に示すように、本発明のいくつかの実施例では、冷蔵庫は主に庫体1、圧縮機2、ブロアアセンブリ3、蒸発皿4および蒸発器5を備える。
【0025】
引き続き
図1~
図3を参照すると、庫体1には、収納室11、放熱コンパートメント12および冷凍室13が画定されている。ここで、収納室11は
図1および
図2に示す2つに限定されず、必要に応じて他の数、例えば1つまたは複数であってもよい。収納室11が1つである場合、収納室11は冷凍室、温度可変室または冷蔵室であってもよい。収納室11が2つまたは2つ以上である場合、複数の収納室11は冷凍室、温度可変室および冷蔵室中の少なくとも1つまたは複数を含んでもよい。本発明の技術的解決策を具体的に実施する際に、当業者は必要に応じて収納室11の数およびその機能を設定すればよい。
【0026】
引き続き
図1~
図3を参照すると、庫体1の底部後方に放熱コンパートメント12が配置されている。いくつかの実施例では、収納室11の底部に蒸発器を配置するための冷凍室13が設けられている。すなわち、冷凍室13は放熱コンパートメント12の前方かつ上方に設けられ、蒸発器底部搭載型冷蔵庫を実現することができる。冷凍室13はインナーライナーの底部領域を占め、収納室11を高くし、ユーザが収納室11にアクセスして物品を操作する際の屈伸程度を軽減し、ユーザの使用体験を向上させる。蒸発器5は冷凍室13内に取り付けられ、収納室11内に冷気を供給するために使用される。
【0027】
空間を分割するために放熱コンパートメント12はブロアアセンブリ3によって第1放熱空洞121と第2放熱空洞122に分割されて、それぞれ異なる部材が配置されている。
【0028】
図4は、本発明のいくつかの実施例による冷蔵庫の放熱コンパートメント12内の主要部材分布の概略図であり、放熱コンパートメント12内には冷蔵庫の横方向に沿って左から右へ、順次、圧縮機2、ブロアアセンブリ3および蒸発皿4が配置されている。
【0029】
ブロアアセンブリ3は放熱コンパートメント12の横方向中間部に配置され、放熱コンパートメント12は庫体1の横方向に沿って第1放熱空洞121と第2放熱空洞122に分割され、ブロアアセンブリ3の第1放熱空洞121に面する側にファン固定構造が設けられ、ブロアアセンブリ3の第2放熱空洞122に面する側に凝縮器固定構造が設けられている。圧縮機2と蒸発皿4はそれぞれ第1放熱空洞121と第2放熱空洞122内に配置されている。
【0030】
圧縮機2は第1放熱空洞内に位置し、冷凍管路(図示せず)を介して凝縮器(
図4ではブロアアセンブリ3によって遮断され、図示しない)に接続されている。
【0031】
蒸発皿4は第2放熱空洞122内に取り付けられ、冷凍室13に接続された排水管41から排出された水を受けるために使用される。排水管41は冷凍室13から放熱コンパートメント12まで延びている。すなわち、排水管41の上端は冷凍室13の底部と連通し、排水管41の下端は蒸発皿4まで延びている。排水管41は冷蔵庫の解凍水を蒸発皿4内に排出させ、蒸発皿4によって水を環境空気に蒸発させるために使用される。
【0032】
放熱コンパートメント12の底板には、第1放熱空洞121と第2放熱空洞122の前部にそれぞれ放熱空気入口321および放熱空気出口322が設けられている。冷蔵庫下部の環境空気が放熱空気入口321から放熱コンパートメント12に入り、最初に圧縮機2と熱交換した後、放熱ファンおよび凝縮器を通過した後、蒸発皿4内の水の蒸発を促進し、次に放熱空気出口322から冷蔵庫下方に排出される。放熱気流がスムーズになり、各部材の放熱効率が向上する。冷蔵庫の底板の下面に放熱空気入口321と放熱空気出口322を仕切るための仕切り部材がさらに設けられ、排出された放熱後の空気が再度吸い込まれることを回避する。
【0033】
放熱コンパートメント12の底板は圧縮機支持板とも呼ばれ、その左右両側にそれぞれ第1ローラ51と第2ローラ52が配置されている。すなわち、放熱コンパートメント12の底板には圧縮機2を挟んでブロアアセンブリ3とは反対側に第1ローラ51が配置され、放熱コンパートメント12の底板には蒸発皿4を挟んでブロアアセンブリ3とは反対側に第2ローラ52が配置されている。第1ローラ51と第2ローラ52は冷蔵庫を移動させる際に転がせるために使用される。
【0034】
図5は、本発明のいくつかの実施例の冷蔵庫のブロアアセンブリ3と放熱ファン32、凝縮器31の組立構造中の構造分解図である。
【0035】
ブロアアセンブリ3と放熱ファン32、凝縮器31は予め組み立てられた一体物を形成し、放熱気流を通過させるためのブロア構造を形成することで、気流が全体的に凝縮器31を流れるようになり、放熱効率を向上させると同時に、構造がよりコンパクトになり、組立工程が簡略化される。
【0036】
ブロアアセンブリ3は放熱コンパートメント12の横方向中間部に配置され、放熱コンパートメント12は庫体1の横方向に沿って第1放熱空洞121と第2放熱空洞122に分割されている。ブロアアセンブリ3の第1放熱空洞121に面する側にファン固定構造が設けられ、ブロアアセンブリ3の第2放熱空洞122に面する側に凝縮器固定構造が設けられている。すなわちファン固定構造は圧縮機2の側に面し、凝縮器固定構造は蒸発皿4の側に面する。ブロアアセンブリ3は前後方向に沿って配置されている。ファン固定構造と凝縮器固定構造はそれぞれ係合構造であってもよく、それぞれ放熱ファン32のハウジングおよび凝縮器31に係合されている。
【0037】
放熱ファン32はファン固定構造に取り付けられ、庫体外部から入り第1放熱空洞121と第2放熱空洞122を通過した後庫体から排出される放熱気流の形成を促進するために使用される。凝縮器31は凝縮器固定構造に取り付けられ、放熱気流によって冷却される。気流が順次圧縮機2、凝縮器31および蒸発皿4を通過して、各部材を順次放熱させ、放熱効率が向上する。
【0038】
ブロアアセンブリ3は両側にそれぞれファン固定構造と凝縮器固定構造が設けられ、放熱ファン32および凝縮器31を組み立て、一体型ブロア構造を形成し、放熱ファン32と凝縮器31の占用空間がより小さくなる。放熱コンパートメント内の部材の配置構造がよりコンパクトになり、圧縮機2および蒸発皿4により大きな配置空間を提供し、放熱効率の向上に有利である。先行技術において凝縮器を蒸発皿4の上方に設ける解決策と比較すると、本実施例の構造は、放熱コンパートメント12の高さ方向のサイズを縮小する。
【0039】
ブロアアセンブリ3はブラケット本体33と風防34から構成される。ブラケット本体33は角筒形状であり、庫体1の横方向に沿って、すなわち左右方向に沿って延びている。ブラケット本体の筒形は、放熱気流の通過に利用される。風防34はブラケット本体33の前端から延びており、第1放熱空洞121と第2放熱空洞122の前部領域を封鎖し、放熱気流の還流を回避し、気流がブラケット本体33の筒部のみを通過して吹き出されるようになっている。
【0040】
凝縮器31としては好ましくはマイクロチャンネル凝縮器を使用することができ、凝縮器31の占用空間を節約し、ブラケット本体33との嵌合を容易にする。マイクロチャンネル凝縮器のマイクロチャンネル間の隙間の方向は放熱気流の方向と一致しているため、放熱気流はすべて凝縮器31を通過する必要があり、熱交換効率が向上する。
【0041】
組立時、まず凝縮器31、放熱ファン32とブロアアセンブリ3を予め組み立て、一体型組立済アセンブリを形成し、その後全体を庫体1内に取り付けることができる。
【0042】
図6は、本発明のいくつかの実施例の冷蔵庫中の蒸発皿4の構造図である。蒸発皿4は放熱コンパートメント12内に配置され、蒸発皿4には冷蔵庫の横幅に沿って複数の接続管部42が設けられている。複数の接続管部42のそれぞれは幅の異なる庫体1の排水管41の位置に適合されている。複数の接続管部42中の排水管41の位置に対向する1つの接続管部を利用して排水管41に接続され、蒸発皿4が排水管41から排出された水を受ける。
【0043】
蒸発皿4には複数の接続管部42の前部に挿入防止バッフル43が設けられている。挿入防止バッフル43には複数の接続管部42と1対1で対応する制限スロット431が設けられている。制限スロット431は排水管41を固定するために使用され、排水管41の揺れを防止する一方、排水管41の支持強度を増加させる。
【0044】
図6に示す接続管部42は2つであり、幅寸法の異なる2つの庫体に適合している。具体的に実施する際に、当業者は必要に応じて接続管部42の数を設定し、接続管部42を介して異なる寸法の庫体に適合させることができる。
【0045】
以下、幅905mmと830mmの2つの通常の冷蔵庫の庫体幅を例にして説明する。
図7は本発明のいくつかの実施例の冷蔵庫の2つの庫体寸法の放熱コンパートメント12のレイアウトの比較図である。
図7において、上方は幅905mmの第1寸法庫体であり、下方は幅830mmの第1寸法庫体である。ここで、第1寸法庫体の放熱コンパートメントの底板の幅は895mmであり、第2寸法庫体の放熱コンパートメントの底板の幅は820mmであり、2つの接続管部42の中心間の冷蔵庫の横方向に沿った距離は29mmである。
【0046】
放熱コンパートメント12の底板における排水管41の投影は庫体1の前後方向に沿った直線であり、排水管41は前から後へ下方に傾斜しており、重力により水を蒸発皿4に排出させる。庫体1に対する排水管41の位置は冷凍室13の構造および冷凍室13の排水口の位置に応じて決定される。排水を容易にするために、排水管41を可能な限り短縮させ、庫体1の横方向中心位置に近接させることができる。
【0047】
放熱コンパートメント12の底板における排水管41の投影の中心線を基準として、第2寸法庫体の放熱コンパートメント12の底板は第1寸法庫体の放熱コンパートメント12の底板と比較して両側がそれぞれ中心に37.5mm後退している。第2寸法庫体の第1ローラ51は第1寸法庫体の第1ローラ51と比較して内側に29mm後退している。第2寸法庫体の圧縮機2、ブロアアセンブリ3、および蒸発皿4はそれぞれ第1寸法庫体の対応部材と比較して第2放熱空洞の方向に向かって29mm変位、すなわち右側に29mmずれている。
【0048】
すなわち、830幅と905幅の庫体は放熱コンパートメント12の底板の横方向に沿って配置され、排水管41の位置を基準原点とする(排水管41の左右横方向の位置移動は蒸発器底部搭載型冷蔵庫の蒸発器5の設置高さに影響を与え、蒸発器5の高さ変化は排水管51の排水角度などの重要なパラメータに影響を与えるため、蒸発器底部搭載型冷蔵庫の幅が変化しても蒸発器5の高さは相対的に一定である)。第2寸法庫体(830幅)は第1寸法庫体(905幅)の底板を基準として2つの辺がそれぞれ37.5mmずつ縮小され、第2寸法庫体の第1ローラ51は第2寸法庫体を基準として左側に29mm変位しており、ローラが高さ方向に圧縮機2と干渉しないようにするために、37.5mmのままで変位させることができない。
【0049】
これに対応して、第2寸法庫体の圧縮機2、ブロアアセンブリ3および蒸発皿4はいずれも第2庫体を基準として29mmだけ右側に変位している。第2寸法庫体の蒸発皿4の2つの接続管部42の左右間隔も29mmである。
【0050】
上記の説明に基づいて、当業者が理解するように、圧縮機2、ブロアアセンブリ3および蒸発皿4を庫体1の左右方向に順次放熱コンパートメント12内に配置し、蒸発皿4に複数の接続管部42を設けることにより、異なる幅の庫体に適合させることができ、汎用化を実現し、部材コストと開発コストを大幅に削減することができる。
【0051】
ここまで、上述した複数の実施例と併せて本発明の技術的解決策を説明したが、当業者は理解されるように、本発明の保護範囲はこれらの具体的な実施例に限定されない。本発明の技術的原理から逸脱しない限り、当業者は上記各実施例中の技術的解決策を分解して組み合わせることができるし、関連技術的特徴に対して等価変更や置換を行うことができ、本発明の技術的思想および/または技術的原理内でなされた任意の変更、等価置換、改良は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【国際調査報告】