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特表2024-536502電気素子および/または電子素子、特に磁気素子の接触面の位置合わせ方法
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  • 特表-電気素子および/または電子素子、特に磁気素子の接触面の位置合わせ方法 図1
  • 特表-電気素子および/または電子素子、特に磁気素子の接触面の位置合わせ方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】電気素子および/または電子素子、特に磁気素子の接触面の位置合わせ方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H05K1/18 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522259
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2022073642
(87)【国際公開番号】W WO2023061647
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102021211521.7
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】カプール,ジバン
【テーマコード(参考)】
5E336
【Fターム(参考)】
5E336AA04
5E336AA08
5E336AA09
5E336BB01
5E336BC25
5E336BC37
5E336CC22
5E336CC32
5E336CC42
5E336CC51
5E336DD16
5E336EE03
5E336GG09
(57)【要約】
電気素子および/または電子素子(1)、特に磁気素子の接触面(11,21)の位置合わせ方法が提案されている。本方法は、前記電気素子および/または電子素子(1)を提供するステップ(100)であって、前記電気素子および/または電子素子(1)が、前記電気素子および/または電子素子(1)と導体基板とを電気的に接触させるための導電性の少なくとも1つの第1の接触部材(10)を含み、
前記第1の接触部材(10)に、平坦な第1の接触面(11)が形成され、前記電気素子および/または電子素子(1)に、平坦な第2の接触面(21)がさらに形成され、前記第1の接触部材(10)が、保持部(4)によって前記電気素子および/または電子素子(1)に保持されるステップと、前記接触面(11,21)を位置合わせするステップ(300)であって、前記電気素子および/または電子素子(1)が、第1の当接面(51)および第2の当接面(52)を有するベースプレート(50)に対して押圧され、前記第1の接触面(11)が前記ベースプレート(50)の前記第1の当接面(51)に対して押圧され、前記第2の接触面(21)が前記ベースプレート(50)の前記第2の当接面(52)に対して押圧され、前記第1の接触面(11)および前記第2の接触面(12)は相対的に位置合わせされるステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気素子および/または電子素子(1)、特に磁気素子の接触面(11,21)の位置合わせ方法であって、
- 前記電気素子および/または電子素子(1)を提供するステップであって、前記電気素子および/または電子素子(1)が、前記電気素子および/または電子素子(1)と導体基板とを電気的に接触させるための導電性の少なくとも1つの第1の接触部材(10)を含み、
- 前記第1の接触部材(10)に、平坦な第1の接触面(11)が形成され、前記電気素子および/または電子素子(1)に、平坦な第2の接触面(21)がさらに形成され、前記第1の接触部材(10)が、保持部(4)によって前記電気素子および/または電子素子(1)に保持されるステップと、
- 前記接触面(11,21)を位置合わせするステップであって、前記電気素子および/または電子素子(1)が、第1の当接面(51)および第2の当接面(52)を有するベースプレート(50)に対して押圧され、前記第1の接触面(11)が前記ベースプレート(50)の前記第1の当接面(51)に対して押圧され、前記第2の接触面(21)が前記ベースプレート(50)の前記第2の当接面(52)に対して押圧され、前記第1の接触面(11)および前記第2の接触面(12)は相対的に位置合わせされるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の当接面(51)と前記第2の当接面(52)とが互いに同一平面上で配置され、前記電気素子および/または電子素子(1)の前記第1の接触面(11)と前記第2の接触面(21)とが、前記接触面(11,21)を位置合わせするステップにおいて、互いに同一平面上で位置合わせされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベースプレート(50)に少なくとも1つの凹部(53)が形成され、前記素子(1)の前記第1の接触面(11)を越えて、および/または前記第2の接触面(21)を越えて押圧方向(a)に突出する前記素子(1)の領域(6)が、前記ベースプレート(50)に接触することなく前記ベースプレート(50)の前記凹部(53)に入り込むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が前記保持部(4)を加熱するステップをさらに含み、前記第1の接触面(11)を有する前記第1の接触部材(10)が前記電気素子および/または電子素子(1)の前記第2の接触面(21)に対して相対的に移動可能であるように、前記保持部(4)が加熱され、前記保持部(4)は特にプラスチック製であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記保持部(4)が、前記第1の接触部材(10)を通る電流によって加熱されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記保持部(4)がレーザによって加熱され、前記レーザは前記保持部(4)を直接加熱するか、前記保持部(4)によって保持された前記第1の接触部材(10)を加熱することを特徴とする、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記保持部(4)を固化させるためのステップをさらに含み、前記保持部(4)を固化させるために前記保持部(4)に空気流が向けられることを特徴とする、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、流動的かつ硬化性の物体(60)を導入するステップをさらに含み、前記ステップにおいて、前記流動的かつ硬化性の物体(60)が、前記保持部(4)と前記接触部材(10)との間の間隙(41)に導入されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の接触部材(10)が、導体基板上にピンを表面実装はんだ付けするための第1の脚部(15)を有するピンとして形成され、前記第1の接触面(11)が前記ピンの前記第1の脚部(15)に形成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の接触面(21)が前記電気素子および/または電子素子(1)の前記第2の接触部材(20)に形成され、前記第2の接触部材(20)を導体基板上に表面実装はんだ付けするための第2の脚部(25)が前記第2の接触部材(20)に形成され、前記第2の接触面(21)が前記第2の接触部材(20)の前記第2の脚部(25)に形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気素子および/または電子素子、特に磁気素子の接触面の位置合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気素子および/または電子素子、例えば誘導素子は、リフローはんだ付け処理用の表面実装部品として設計されていることが多い。このために、それらは、例えばはんだピンの形状の接触部材を有し、接触部材に、導体基板にはんだ付けされる接触面が形成されている。リフローはんだ付け処理を用いた表面実装部品を導体基板に取り付けるための重要な前提条件は、個々の接触部材の接触面間における適切な平坦度である。このための典型的な平坦度目標値は、複数の接触面を有するハウジングについて100μmである。平坦度は、通常、接触部材の接触面同士を機械的に位置合わせすることによって達成される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によれば、電気素子および/または電子素子、特に磁気素子の接触面の位置合わせ方法が提案される。
本方法は、電気素子および/または電子素子を提供するステップを含み、電気素子および/または電子素子は、電気素子および/または電子素子と導体基板とを電気的に接触させるための導電性の少なくとも1つの第1の接触部材を含む。第1の接触部材に、平坦な第1の接触面が形成されている。さらに、電気素子および/または電子素子に平坦な第2の接触面が形成され、第1の接触部材は、保持部によって電気素子および/または電子素子に保持される。本方法は、接触面を位置合わせするステップをさらに含み、電気素子および/または電子素子が、第1の当接面および第2の当接面を有するベースプレートに対して押圧され、第1の接触面はベースプレートの第1の当接面に対して押圧され、第2の接触面はベースプレートの第2の当接面に対して押圧され、したがって、第1の接触面および第2の接触面は相対的に位置合わせされる。
【0004】
従来技術と比べて、本発明に係る方法は、第1の接触面と第2の接触面とを、有利には小さい公差で、相対的に、特に互いに同一平面上で位置合わせできるという利点を有する。接触面を互いに対して有利には正確に位置合わせすることによって、導体基板への電気素子および/または電子素子の取付けが有利には容易になる。電気素子および/または電子素子は、表面実装はんだ付け処理によって導体基板に容易に取り付け、導体基板に接触させることができる。電気素子および/または電子素子の第1の接触面および第2の接触面は、小さい公差で互いに位置合わせすることによって、有利には良好に、リフローはんだ付けによって導体基板に取り付けることができる。
【0005】
本発明のさらなる有利な実施形態および改善形態は、引用形式請求項に記載された特徴によって可能になる。
有利な実施例によれば、第1の当接面と第2の当接面とが互いに同一平面上で配置され、電気素子および/または電子素子の第1の接触面と第2の接触面とが、接触面を位置合わせするステップにおいて、互いに同一平面上で位置合わせされることが企図されている。こうして互いに同一平面上で位置合わせされた接触面は、例えばリフローはんだ付けによって導体基板に取り付けることができる。
【0006】
有利な実施例によれば、ベースプレートに少なくとも1つの凹部が形成され、電気素子および/または電子素子の第1の接触面を越えて、および/または第2の接触面を越えて押圧方向に突出する電気素子および/または電子素子の領域が、ベースプレートに接触することなくベースプレートの凹部に入り込むことが企図されている。これにより、電気素子および/または電子素子がベースプレートに押圧される際に、接触面がベースプレート上の当接面に接触し、当接面で位置合わせすることができる。
【0007】
有利な実施例によれば、本方法が、保持部を加熱するステップをさらに含み、第1の接触面を有する第1の接触部材が電気素子および/または電子素子の第2の接触面に対して相対的に移動可能であるように、保持部が加熱され、保持部は特にプラスチック製であることが企図されている。例えばプラスチック製である保持部を加熱することにより、保持部は軟化し、ひいては接触部材が移動可能となる。保持部は、特に、接触部材が保持部によって保持される領域でのみ加熱される。これは例えば、保持部が接触部材と直接接触している領域である。第1の接触面がベースプレートの第1の当接面に押圧されると、接触部材は軟化した保持部内で移動可能となり、接触部材の第1の接触面がベースプレートの第1の接触面上に当接するように接触部材が位置合わせされる。したがって、保持部を加熱することで、電気素子および/または電子素子全体がベースプレートに押圧されながら接触部材に弱い力を作用させることにより、第1の接触部材の必要な適度な位置調整が可能になる。その後、保持部をさらに加熱しなければ、保持部は再び固化し、接触部材は所望の位置で固定される。
【0008】
有利な実施例によれば、保持部が、第1の接触部材を通る電流によって加熱される。このようにして、有利には正確に、接触部材周囲の保持部の領域が加熱され、ひいては軟化される。したがって、第1の接触面がベースプレートに押圧されると、接触部材は保持部に対して特に良好に位置合わせされる。したがって、接触部材は保持部内で移動可能となり、同時に保持部は全体として安定的に保たれる。
【0009】
有利な実施例によれば、保持部がレーザによって加熱され、レーザは保持部を直接加熱するか、保持部によって保持された第1の接触部材を加熱することが企図されている。レーザによって、有利には的確に、接触部材周囲の保持部の領域のみを加熱し、軟化させることができる。したがって、接触部材は保持部内で移動可能となり、同時に保持部は全体として安定的に保たれる。
【0010】
有利な実施例によれば、本方法が、保持部を固化させるためのステップをさらに含み、保持部を固化させるために保持部に空気流が向けられることが企図されている。したがって、接触部材の位置合わせ後に保持部を再び迅速に固化させ、接触部材を保持部に固定することができる。
【0011】
有利な実施例によれば、本方法が、流動的かつ硬化性の物体を導入するステップをさらに含み、このステップにおいて、流動的かつ硬化性の物体が、保持部と接触部材との間の間隙に導入されることが企図されている。流動的かつ硬化性の物体は、導入後に硬化されて、接触部材が保持部に固定される。保持部と接触部材との間に間隙があることにより、接触部材は保持部に対して相対的にわずかに移動可能であり、第1の接触面がベースプレートの第1の当接面に当接することにより、接触面を位置合わせするステップの際に接触部材を位置合わせすることができる。流動的かつ硬化性の物体を硬化させることにより、接触部材は保持部に固定されて、保持部に対して相対的に移動不可能となる。
【0012】
有利な実施例によれば、第1の接触部材が、導体基板上にピンを表面実装はんだ付けするための第1の脚部を有するピンとして形成され、第1の接触面がピンの第1の脚部に形成されていることが企図されている。互いに位置合わせされた接触面は、例えばリフローはんだ付けによって、有利には良好に導体基板に取り付けることができる。
【0013】
有利な実施例によれば、第2の接触面が電気素子および/または電子素子の第2の接触部材に形成され、第2の接触部材を導体基板上に表面実装はんだ付けするための第2の脚部が第2の接触部材に形成され、第2の接触面が第2の接触部材の第2の脚部に形成されていることが企図されている。そして、2つの接触部材は、例えばリフローはんだ付け処理によって、有利には良好かつ容易に導体基板に取り付けられるように、互いに位置合わせされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施例を図示し、以下の説明で詳述する。
図1】電気素子および/または電子素子の接触面を位置合わせする方法の概略図である。
図2】電気素子および/または電子素子の保持部の実施例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本方法によって第1の接触面11と第2の接触面21とを相対的に位置合わせすることができる電気素子および/または電子素子1の実施例を示す。ここに示される電気素子および/または電子素子1は、磁気素子として形成され、例えば、図示しない磁気コアと、磁気コアに巻回された図示しない導電体とを含み、導電体は、例えば撚り線として形成されていてもよい。導体の端部は接触部材10に導電的に接続することができる。接触部材10はピン状、特に表面実装ピンである。第1の接触部材10は、例えば銅やアルミニウムなどの導電性金属から形成されている。導体の端部は、例えばピンとして形成されて接触部材10に巻回されている。接触部材10は、導体と導体基板とを電気的に接触させるために設けられている。このために、接触部材10は、例えば、導体基板にはんだ付けされ、ひいては接触部材10と導体基板の導体トラックとの間に導電接続を確立することができる。導体基板は、例えば、プリント回路基板またはIMS基板として形成してもよい。接触部材10には、導体基板にはんだ付けするために接触面11が形成されている。接触面11は接触部材10の脚部15に形成されている。接触面11は導体基板に面している。接触部材10は、例えば、平坦なピンの形状に形成されており、導体基板に面する一端が脚部15に向かって曲げられている。電気素子および/または電子素子1は、第2の接触面21をさらに有する。第2の接触面21は、この実施例では、第2の接触部材20に形成されている。第2の接触部材20は、電気素子および/または電子素子1と導体基板とを電気的に接触させるために設けられている。第2の接触部材20は、この実施例では鉢状であり、鉢状ケースの態様で磁気コアを覆っている。第2の接触面21は、第2の接触部材20の第2の脚部25に形成されている。第2の接触部材20は、例えば銅やアルミニウムなどの導電性金属から形成されている。第2の接触部材20の第2の脚部25は、鉢状ケースと導体基板、例えばIMS基板とを接触させ、鉢状ケースと導体基板との間の電気的および熱的接続を確立するために設けられている。しかし、第2の接触部材20は、他の形状を有してもよく、例えば、第1の接触部材10のようにピン状としてもよい。基本的には、少なくとも1つの第1の接触面11と少なくとも1つの第2の接触面21とを有する様々な種類の電気素子および/または電子素子1を、本方法によって加工することができ、ひいては接触面11,21を相対的に位置合わせすることができる。接触面11,21は、特に、電気素子および/または電子素子1の導電性素子の面であり、電気素子および/または電子素子1の電気的接触のために使用され、および/または、例えば表面実装技術によって導体基板に取り付けられるように構成されている。しかしながら、第2の接触面21は、例えば電気素子および/または電子素子1のハウジングの非導電性面としてもよい。第2の接触面21は、第1の接触面11が位置合わせされる基準面として使用される。
【0016】
図1は、第2の接触面21に対して第1の接触面11を相対的に位置合わせする方法を示す。第1の接触面11は、第2の接触面21に対して同一平面に位置合わせされる。第1の接触面11と第2の接触面21は、電気素子および/または電子素子1に形成されている。接触面11,21は、導体基板、特に導体基板の導体路に電気素子および/または電子素子1を電気的に接触させるために設けられている。このために、接触面11,21は、互いに略平行に配置されている。第1の接触面11は、第1の接触部材10の第1の脚部15上に形成されている。第2の接触面12は、第2の接触部材20の第2の脚部15に形成されている。接触部材10,20は、例えばピン状に形成されていてもよい。接触部材10,20は、導電性材料、例えば銅などの金属から形成されている。ここで、第1の接触部材10はピン状であり、ピンは接触部材10の第1の脚部15に向かって一端が曲げられている。この実施例では、第2の接触部材20は鉢状である。しかしながら、第2の接触部材20は、例えば第1の接触部材10と同様にピン状であるか、または他の形状を有していてもよい。
【0017】
第1の接触部材10は保持部4によって保持されている。このために、保持部4には切欠き部が設けられ、この切欠き部を接触部材10が貫通している。接触部材10の中央部は保持部4に嵌め込まれている。接触部材10の両端は、例えば略ピン状であり、保持部4から突出している。保持部4は、例えば電気素子および/または電子素子1から突出している。保持部4は接触部材10を囲み、それによって接触部材10を電気素子および/または電子素子1に保持する。保持部4は、例えばプラスチック製である。保持部4は熱により軟化させることができ、これにより接触部材10は保持部4内でわずかに移動可能となる。
【0018】
図1に示すように、本方法において、電気素子および/または電子素子1は、ベースプレート50に対して押圧方向aに押圧される。ベースプレート50に第1の当接面51が形成され、この第1の当接面51に対して電気素子および/または電子素子1の第1の接触面11が押圧される。さらに、ベースプレート50に第2の当接面52が形成され、この第2の当接面52に対して電気素子および/または電子素子1の第2の接触面21が押圧される。第1の当接面51および第2の当接面52は平坦であり、互いに平面平行に形成されている。さらに、ベースプレート50には、例えば第1の当接面51と第2の当接面52との間や、ベースプレート50の他の箇所に凹部53が形成されていてもよい。電気素子および/または電子素子1は、第1の接触面11がベースプレート50の第1の当接面51上に平坦に当接し、同時に第2の接触面12がベースプレート50の第2の当接面51上に平坦に当接するように、ベースプレート50に対して押圧方向aに押圧される。第1の接触部材10が保持部4内でわずかに移動可能であることにより、接触部材10は、第1の接触面11が第1の当接面51上に平坦に当接し、第2の接触面21が第2の当接面52上に平坦に当接するように、保持部4内で位置合わせされる。第1の当接面51および第2の当接面52が互いに平面平行に配置されていることにより、電気素子および/または電子素子1の第1の接触面11および第2の接触面12も互いに平面平行に位置合わせされる。したがって、ベースプレート50の第1の当接面51および第2の当接面52は、第1の接触面11および第2の接触面21が互いに同一平面上で位置合わせされる同一平面上の基準面として使用される。押圧方向aに接触面11,21を越えて突出する電気素子および/または電子素子1の領域6は、突出領域6がベースプレート50に接触することなく、ベースプレート50の凹部53に入り込むことができる。したがって、本方法によって、第1の接触面11および第2の接触面21を第1の当接面51および第2の当接面52に対して押圧し、ひいてはこれらを互いに同一平面上で位置合わせすることが保証される。特に、押圧方向aは、第2の当接面52に対して垂直にすることができる。電気素子および/または電子素子1を押圧する力は、電気素子および/または電子素子1、特に接触部材10に所定の力を作用させる金属噴射のような単純な機械的手段および工具によって加えることができる。
【0019】
電気素子および/または電子素子1がベースプレート50に押圧される前および/またはその間に、保持部4を加熱してもよい。保持部4を加熱することにより、保持部4の材料が軟化し、保持部4によって保持される第1の接触部材10は、軟化した保持部4内を移動することができる。電気素子および/または電子素子1がベースプレート50に押圧されると、接触部材10は、加熱された保持部4内で、第1の接触面11がベースプレート50の第1の当接面51上に平坦に当接し、同時に第2の接触面21がベースプレート50の第2の当接面52上に平坦に当接するように位置合わせされる。第1の接触部材10は、最初はベースプレート50に接触できず、保持部4の加熱により第1の接触部材10が移動可能となって初めてベースプレート50に押圧され、ひいてはベースプレート50に位置合わせされる。
【0020】
保持部4は、特に、保持部4が第1の接触部材10を囲む領域12において加熱される。例えば、保持部4が第1の接触部材10を囲む領域12が意図的に加熱されるように、加熱が第1の接触部材10を通る電流によって行われてもよい。さらに、保持部4は、例えばレーザによって加熱されてもよい。レーザは、保持部4を直接加熱してもよく、または保持部4によって保持された第1の接触部材10を加熱してもよい。接触部材10が加熱されると、接触部材10の周囲の保持部4の領域12が間接的に加熱される。さらに、保持部4の加熱は、例えば接触部材10のはんだ付けまたは溶接処理によって行われてもよく、その際、接触部材10は、電気素子および/または電子素子1内で、例えば導体32の端部33に接触する。例えば、撚り線として形成されていてもよい導線32の端部33が、接触部材10のフォーク状の端部に溶接またははんだ付けされると、接触部材10の周囲の領域12において保持部4を加熱し、上述の方法によって接触面11,21を互いに同一平面上で位置合わせするために、発生する熱を使用することができる。
【0021】
保持部4の加熱が完了すると、保持部4は再び固化し、接触部材10は保持部4に固定される。保持部4を固化させるために、先に加熱された保持部4の領域12に向けられた空気流を使用してもよい。保持部4が再び固化した後、第1の接触面11も第2の接触面21に対して固定される。
【0022】
さらに、本方法は、保持部4と接触部材10との間の間隙41に流動的かつ硬化性の物体60を導入するステップを含んでもよい。図2において、図1の保持部4の実施例を通る横断面が、押圧方向aに垂直な面において示されている。保持部4には切欠き部が形成され、この切欠き部を接触部材10が貫通している。この実施例では、接触部材10は、両側が保持部4に直接接触している。接触部材10は、例えば、両側が保持部4に嵌め込まれている。これにより、接触部材10は保持部4に保持され、ひいては電気素子および/または電子素子1に保持される。保持部4と接触部材10との間には、接触部材10の両側に、接触部材10と保持部4との間の間隙41が形成されている。保持部4は、間隙41によって接触部材10から離間している。間隙41により、接触部材10は保持部4に対してわずかに可撓性を有し、保持部4内でわずかに移動することができる。したがって、保持部4がこのように形成されている場合、電気素子および/または電子素子1がベースプレート50に押圧されると、接触部材10は、第1の接触面11が第1の当接面51上に平坦に当接し、同時に第2の接触面21が第2の当接面52上に当接するように移動することができる。さらに、電気素子および/または電子素子1がベースプレート50に押圧される前または後に、流動的かつ硬化性の物体60を、保持部4と接触部材10との間の間隙41に導入してもよい。流動的かつ硬化性の物体60は、例えば接着剤として形成されていてもよい。保持部4と接触部材10との間の間隙41は、例えば、流動的かつ硬化性の物体60が毛管力によって間隙41に引き込まれるように狭く形成してもよい。電気素子および/または電子素子1をベースプレート50に押圧した後、流動的かつ硬化性の物体60を、保持部と接触部材10との間の間隙41で硬化させてもよい。硬化は、例えば光誘導によって行われてもよい。流動的かつ硬化性の物体60の硬化により、接触部材10が保持部4に固定され、電気素子および/または電子素子1の第1の接触面11と第2の接触面21も互いに相対的に固定される。
【0023】
当然ながら、図示された実施例の他の実施例や混合形態も可能である。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気素子および/または電子素子(1)、特に磁気素子の接触面(11,21)の位置合わせ方法であって、
- 前記電気素子および/または電子素子(1)を提供するステップであって、前記電気素子および/または電子素子(1)が、前記電気素子および/または電子素子(1)と導体基板とを電気的に接触させるための導電性の少なくとも1つの第1の接触部材(10)を含み、
- 前記第1の接触部材(10)に、平坦な第1の接触面(11)が形成され、前記電気素子および/または電子素子(1)に、平坦な第2の接触面(21)がさらに形成され、前記第1の接触部材(10)が、保持部(4)によって前記電気素子および/または電子素子(1)に保持されるステップと、
- 前記接触面(11,21)を位置合わせするステップであって、前記電気素子および/または電子素子(1)が、第1の当接面(51)および第2の当接面(52)を有するベースプレート(50)に対して押圧され、前記第1の接触面(11)が前記ベースプレート(50)の前記第1の当接面(51)に対して押圧され、前記第2の接触面(21)が前記ベースプレート(50)の前記第2の当接面(52)に対して押圧され、前記第1の接触面(11)および前記第2の接触面(12)は相対的に位置合わせされるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の当接面(51)と前記第2の当接面(52)とが互いに同一平面上で配置され、前記電気素子および/または電子素子(1)の前記第1の接触面(11)と前記第2の接触面(21)とが、前記接触面(11,21)を位置合わせするステップにおいて、互いに同一平面上で位置合わせされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベースプレート(50)に少なくとも1つの凹部(53)が形成され、前記素子(1)の前記第1の接触面(11)を越えて、および/または前記第2の接触面(21)を越えて押圧方向(a)に突出する前記素子(1)の領域(6)が、前記ベースプレート(50)に接触することなく前記ベースプレート(50)の前記凹部(53)に入り込むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が前記保持部(4)を加熱するステップをさらに含み、前記第1の接触面(11)を有する前記第1の接触部材(10)が前記電気素子および/または電子素子(1)の前記第2の接触面(21)に対して相対的に移動可能であるように、前記保持部(4)が加熱され、前記保持部(4)は特にプラスチック製であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記保持部(4)が、前記第1の接触部材(10)を通る電流によって加熱されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記保持部(4)がレーザによって加熱され、前記レーザは前記保持部(4)を直接加熱するか、前記保持部(4)によって保持された前記第1の接触部材(10)を加熱することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記保持部(4)を固化させるためのステップをさらに含み、前記保持部(4)を固化させるために前記保持部(4)に空気流が向けられることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、流動的かつ硬化性の物体(60)を導入するステップをさらに含み、前記ステップにおいて、前記流動的かつ硬化性の物体(60)が、前記保持部(4)と前記接触部材(10)との間の間隙(41)に導入されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の接触部材(10)が、導体基板上にピンを表面実装はんだ付けするための第1の脚部(15)を有するピンとして形成され、前記第1の接触面(11)が前記ピンの前記第1の脚部(15)に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の接触面(21)が前記電気素子および/または電子素子(1)の前記第2の接触部材(20)に形成され、前記第2の接触部材(20)を導体基板上に表面実装はんだ付けするための第2の脚部(25)が前記第2の接触部材(20)に形成され、前記第2の接触面(21)が前記第2の接触部材(20)の前記第2の脚部(25)に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【国際調査報告】