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特表2024-536518差圧電解による高圧水素製造用PEM電解セルおよびPEM電解セルスタック用フレーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】差圧電解による高圧水素製造用PEM電解セルおよびPEM電解セルスタック用フレーム
(51)【国際特許分類】
   C25B 9/00 20210101AFI20240927BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20240927BHJP
   C25B 9/07 20210101ALI20240927BHJP
   C25B 9/65 20210101ALI20240927BHJP
   C25B 13/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
C25B9/00 A
C25B1/04
C25B9/07
C25B9/65
C25B13/02 302
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522459
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2022078404
(87)【国際公開番号】W WO2023062081
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】21202604.1
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22162623.7
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22170344.0
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520032907
【氏名又は名称】アイガス エナジー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】iGas energy GmbH
【住所又は居所原語表記】Cockerillstrasse 100, 52222 Stolberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カール-ハインツ レンツ
(72)【発明者】
【氏名】エレナ ボーガート
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA01
4K021CA08
4K021CA09
4K021DB15
4K021DB49
(57)【要約】
本発明は、新規なPEM電解セル用フレームおよびPEM電解セルスタック用フレームに関する。本発明の目的は、本発明によるフレーム、PEM電解セル、およびスタック型PEM電解デバイスであって、本発明によるフレーム、予め組み立てられた構成要素、および予め組み立てられた構成要素およびスタック型PEM電解デバイスを製造するための方法を含む、PEM電解セル、およびスタック型PEM電解デバイスである。本発明によるフレーム、PEM電解セルおよびスタック型PEM電解装置は、薄いプロトン交換膜の使用と組み合わせた高圧水素の生成に適している。本発明は、新しいフレームとシールのコンセプトに基づいている。本発明はまた、スタック型PEM電解装置用カバーに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタック型PEM電解装置(23)用のPEM電解セル(2)のためのフレーム(1)であって、
フレーム(1)は、平面状の第1の表面を有する第1の側(4)と、平面状の第2の表面を有する第1の側(4)とは反対側の第2の側(5)と、陽極フレーム(8)および陰極フレーム(11)とを備え、
陽極フレームは、第1の側(4)と、陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)とは反対側の側と、多孔質輸送層(PTL)陽極(7)を受け入れるための第1の開口部(6)とを備え、第1の開口部(6)は、第1の側(4)から陽極フレーム(4’’)の反対側の側まで延びており、
陰極フレーム(11)は、第2の面(5)と、陰極フレーム(5’’)の第2の側(5)とは反対側の側と、PTL陰極(10)を受容するための第2の開口部(9)とを備え、第2の開口部(9)は、第2の側(5)から陰極フレーム(5’’)の反対側の側まで延びており、
陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)に対向する側と、陰極フレーム(5’’)の第2の側(5)に対向する側とは、互いに隣接して配置されており、
陽極フレーム(8)と陰極フレーム(11)は互いに接続されており、
第1の開口部(6)と第2の開口部(9)は互いに接続されており、
第1の開口部(6)が第2の開口部(9)よりも大きく、陽極フレーム(8)および陰極フレーム(11)が、陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)に対向する側と陰極フレーム(5’’)の第2の側(5)に対向する側とが、陽極フレーム(8)から陰極フレーム(11)への移行部において段差(12)を形成するように配置され、段差(12)が、触媒コーティング膜(CCM)(13)の支持面として平面状の第3の表面を形成し、陽極フレーム(8)が、コア(21’)およびシール材(22)からなるコーティングからなり、陰極フレーム(11)が、コア(21’’)およびシール材(22)からなるコーティングからなることを特徴とする、フレーム(1)。
【請求項2】
フレーム(1)内への水の輸送およびフレーム(1)外への水および気体の輸送のための1つまたは複数のチャネルタイプI(14)を含み、第1の開口部(6)内への水の輸送および第1の開口部(6)外への水および酸素の輸送のための1つまたは複数のチャネルタイプII(15)を含み、チャネルタイプI(14)が陽極フレーム(8)の第1の開口部(6)または陰極フレーム(11)の第2の開口部(9)に接続されておらず、
陽極フレーム(8)は、第1の側(4)の表面に、1つまたは複数のチャネルタイプI(14)に接続され、チャネルタイプI(14)と第1の開口部(6)とを接続する1つまたは複数のチャネルタイプII(15)を備え、フレーム(1)がPEM電解セル(2)またはスタック型PEM電解装置(23)に設置される場合、バイポーラプレート(BPP)(16)の方向に配置され、陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)に対向する側は、チャネルタイプII(15)がない、請求項1に記載のフレーム(1)。
【請求項3】
フレーム(1)内への水の輸送およびフレーム(1)外への水および気体の輸送のための1つまたは複数のチャネルタイプI(14)と、第2の開口部(9)からの水素の輸送のための1つまたは複数のチャネルタイプII(15)とを備え、チャネルタイプI(14)は、陽極フレーム(8)の第1の開口部(6)または陰極フレーム(11)の第2の開口部(9)と接続されておらず、
陰極フレーム(11)は、第2の側(5)の表面に、1つまたは複数のチャネルタイプI(14)に接続され、チャネルタイプI(14)と第2の開口部(9)とを接続する1つまたは複数のチャネルタイプII(15)を備え、フレーム(1)がPEM電解セル(2)またはスタック型PEM電解装置(23)に設置される場合、バイポーラプレート(BPP)(16)の方向に配置され、陰極フレーム(5’’)の第2の側(5)に対向する側にはチャネルタイプII(15)がない、請求項1又は2に記載のフレーム(1)。
【請求項4】
第1の開口部(6)が、第1の側(27)、第2の側(28)、第3の側(29)および第4の側(30)によって形成されており、
第1の開口部(6)を通る水の均一な流れのために、および第1の開口部(6)からの反応熱の一定の除去のために、第1の開口部(6)に接続される各チャネルタイプI(14)は、少なくとも2つのチャネルタイプII(15)によって第1の開口部(6)に接続されており、
チャネルタイプII(15)は、フレームの第1の側(4)に互いに隣接して配置され、第1の開口部の第1の側(27)における2つの隣接するチャネルタイプII(15)間の距離は、≦3mmであり、第1の開口部の第3の側(29)における2つの隣接するチャネルタイプII(15)間の距離は、≦3mmである、請求項2又は3に記載のフレーム(1)。
【請求項5】
第2の開口部(9)が、第1の側(27’)、第2の側(28’)、第3の側(29’)および第4の側(30’)によって形成され、第2の開口部(9)を通る水の均一な流れのために、および第2の開口部(9)からの反応熱の一定の除去のために、第2の開口部(9)に接続される各チャネルタイプI(14)が、少なくとも2つのチャネルタイプII(15)によって第2の開口部(9)に接続されており、
チャネルタイプII(15)は、フレームの第2の側(5)において互いに隣接して配置され、第2の開口部の第2の側(28’)において隣接する2つのチャネルタイプII(15)間の距離は≦3mmであり、第2の開口部の第4の側(30’)において隣接する2つのチャネルタイプII(15)間の距離は≦3mmである、請求項2から4までのいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項6】
第1の開口部の第1の側(27)と第1の開口部の第3の側(29)における隣接するチャネルタイプII(15)間の距離が等しく、任意に、第2の開口部の第2の側(28’)と第2の開口部の第4の側(30’)における隣接するチャネルタイプII(15)間の距離が等しい、請求項4又は5に記載のフレーム(1)。
【請求項7】
第1の開口部の第1の側(27)と、前記少なくとも2つのチャネルタイプII(15)によって第1の開口部(6)に接続されるチャネルタイプI(14)との間の少なくとも2つのチャネルタイプII(15)が扇形に配置され、
第1の開口部の第3の側(29)と、前記少なくとも2つのチャネルタイプII(15)によって第1の開口部(6)に接続されるチャネルタイプI(14)との間の少なくとも2つのチャネルタイプII(15)が扇形に配置され、
任意選択で、第2の開口部の第2の側(28’)と、これら少なくとも2つのチャネルタイプII(15)によって第2の開口部(9)に接続されるチャネルタイプI(14)との間の少なくとも2つのチャネルタイプII(15)は扇形に配置され、
第2の開口部の第4の側(30’)と、これら少なくとも2つのチャネルタイプII(15)によって第2の開口部(9)に接続されるチャネルタイプI(14)との間の少なくとも2つのチャネルタイプII(15)は扇形に配置される、請求項4から6までのいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項8】
陽極フレーム(8)のコア(21)が金属製であり、陰極フレーム(11)のコア(21)が金属製であり、
陽極フレーム(8)が構成するシール材製コーティング(22)がゴム製コーティングであり、陰極フレーム(11)が構成するシール材製コーティング(22)がゴム製コーティングである、請求項1から7までのいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項9】
接触圧力を低減するために、陽極フレーム(8)のシール材製コーティング(22)の一部は、シール材製コーティング(22)の層厚と比較して、減少した層厚のシール材製コーティング(22’’)を有し、および/または、接触圧力を低減するために陰極フレーム(11)のシール材製コーティング(22)の一部が、シール材製コーティング(22)の層厚と比較して、減少した層厚のシール材製コーティング(22’’)を有する、請求項1から8までのいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項10】
陽極フレーム(8)の一部におけるシール材製コーティング(22)が、シール効果を高めるために円周方向の高さ(26’)を有し、該円周方向の高さ(26’)が第1の開口部(6)を取り囲み、および/または、陰極フレーム(11)の一部におけるシール材製コーティング(22)が、シール効果を高めるために円周方向の高さ(26’)を有し、該円周方向の高さ(26’)が第2の開口部(9)を取り囲む、請求項9に記載のフレーム(1)。
【請求項11】
陽極フレーム(8)が、陰極フレーム(11)に接続するための1つまたは複数の接続要素、例えば1つまたは複数のピン(19)を備え、陰極フレーム(11)が、陽極フレーム(8)に接続するための1つまたは複数の接続要素、例えば1つまたは複数の穴(18)を備え、
接続要素は、陽極フレーム(8)および陰極フレーム(11)が互いに接続され得るように配置され、例えば、ピン(19)および穴(18)は、陰極フレーム(11)の穴(18)が陽極フレーム(8)のピン(19)に接続され得、陽極フレーム(8)および陰極フレーム(11)がそれによって互いに接続され得るように配置される、請求項1から10までのいずれか一項に記載のフレーム(1)。
【請求項12】
CCM(13)、PTL陽極(7)、PTL陰極(10)を含む、高圧水素を生成するための40バールまでの差圧下で作動するPEM電解セル(2)であって、
PEM電解セル(2)は、請求項1から11までのいずれか一項に記載のフレーム(1)を有し、
陽極フレーム(8)の第1の開口部(6)がPTL陽極(7)を構成し、陰極フレーム(11)の第2の開口部(9)がPTL陰極(10)を構成し、CCM(13)が陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)に対向する側と陰極フレーム(5’’)の第2の側(5)に対向する側との間に配置され、
CCM(13)の一方の側は、PTL陽極(7)上に載り、CCM(13)の他方の側は、段差(12)およびPTL陰極(10)上に載ることを特徴とする、PEM電解セル(2)。
【請求項13】
CCM(13)が80μm以下、例えば50μm以下の厚さを有する、請求項12に記載のPEM電解セル(2)。
【請求項14】
陽極フレーム(8)、陰極フレーム(11)、BPP(16)、PTL陽極(7)およびPTL陰極(10)からなるスタック型電解装置(23)を製造するための組立済モジュール(20)であって、
陽極フレーム(8)は、平面状の第1の表面を有する第1の側(4)と、陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)とは反対側の側と、PTL陽極(7)を受容するための第1の開口部(6)とを備え、第1の開口部(6)は、第1の側(4)から陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)とは反対側の側まで延びており、第1の開口部(6)が陽極フレーム(8)によって縁取られ、陽極フレーム(8)が陰極フレーム(11)に接続するための少なくとも1つの接続要素、好ましくはピン(19)を備え、
陰極フレーム(11)が、平面状の第2の表面を有する第2の側(5)と、陰極フレーム(5’’)の第2の側(5)とは反対側の側と、PTL陰極(10)を受容するための第2の開口部(9)とを備えており、第2の開口部(9)は、第2の側(5)から陰極フレーム(5’’)の第2の側(5)とは反対側の側まで延びており、第2の開口部(9)が陰極フレーム(10)によって縁取られており、陰極フレーム(11)が陽極フレーム(8)に接続するための少なくとも1つの接続要素、好ましくはピン(19)を受容するための穴(18)を備え、
BPP(16)は、第1の側(4)と第2の側(5)との間に配置されており、
陽極フレーム(8)は、コア(21)と、シール材製コーティング(22)、好ましくはゴム製コーティングとからなり、好ましくはBPP(16)がPTL陽極(7)に接続されてBPP/PTL陽極(36)を形成し、PTL陽極(7)が第1の開口部(6)に挿入または押圧され、陽極フレーム(8)によって縁取られており、
陰極フレーム(10)は、コア(21)と、シール材製コーティング(22)、好ましくはゴム製コーティングとからなり、PTL陰極(10)は、第2の開口部(9)に挿入または押圧され、陰極フレーム(11)によって縁取られており、
陽極フレーム(8)の接続要素が陰極フレーム(11)の接続要素に接続され、好ましくは、少なくとも1つのピン(19)が少なくとも1つの穴(18)に挿入され、陽極フレーム(8)と陰極フレーム(11)がそれによって互いに接続され、
第1の開口部(6)が第2の開口部(9)よりも大きく、陽極フレーム(8)および陰極フレーム(11)は、第1の側(4)および第2の側(5)が陽極フレーム(8)から陰極フレーム(11)への移行部で段差(12)を形成するように配置され、段差(12)がCCM(13)の支持面として平面状の第3の表面を形成し、
BPP(16)は、一方ではPTL陽極(7)および陽極フレーム(8)上に載り、他方ではPTL陰極(10)、陰極フレーム(11)および段差(12)上に載る、ことを特徴とする組立済モジュール(20)。
【請求項15】
以下のa)~f)のステップを有することを特徴とする組立済モジュール(20)の製造方法。
a)金属製のコア(21)が陽極フレーム(8)のために製造され、コア(21)が、平面状の第1の表面を有する第1の側(4)と、陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)に対向する側とを備える、陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)および第1の側(4)に対向する側が、第1の側(4)から陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)に対向する側まで延び、陽極フレーム(8)によって縁取られる第1の開口部(6)を構成し、陽極フレーム(8)に、水および気体の供給および除去のための1つまたは複数のチャネルタイプI(14)が形成され、チャネルタイプI(14)が陽極フレーム(8)の第1の開口部(6)に接続されず、陽極フレーム(8)が、陰極フレーム(11)に接続するための少なくとも1つの接続要素、好ましくは少なくとも1つのピン(19)を備える、
b)a)に従って製造された金属製のコア(21)の表面の全部または一部、好ましくはa)に従って製造された金属製のコア(21)の表面の少なくとも90%が、加硫によってゴム製コーティングを形成するための陽極フレーム(8)のために、天然ゴムまたは合成ゴムで完全にまたは部分的にコーティングされ、その後加硫され、それによってゴム製コーティングがシール材(22)として金属製のコア(21)上に形成される、ゴム製コーティングにおいて、1つまたは複数のチャネルタイプII(15)が第1の側(4)の表面に形成され、このチャネルタイプII(15)は、1つまたは複数のチャネルタイプI(14)に接続され、チャネルタイプI(14)と第1の開口部(6)とを接続し、陽極フレーム(8)がPEM電解セル(2)またはスタック型PEM電解装置(23)に設置される場合、BPP(16)の方向に配置され、陽極フレーム(4’’)の第1の側(4)に対向する側のゴム製コーティングには、チャネルタイプII(15’)は形成されない、
c)a)およびb)に従って製造された陽極フレーム(8)にPTL陽極(7)を配置または押し込み、PTL陽極(7)は、好ましくはBPP(16)に接続され、BPP/PTL陽極(36)を形成する、
d)金属製のコア(21)が陰極フレーム(11)のために製造され、金属製のコア(21)は、平面状の第2の表面を有する第2の側(5)と、陰極フレーム(5’’)の第2の側(5)に対向する側とを備える、該第2の側(5)および該陰極フレーム(5’’)の該第2の側(5)に対向する側は、該第2の側(5)から該陰極フレーム(5’’)の該第2の側(5)に対向する側まで延び、かつ該陰極フレーム(11)によって縁取られる第2の開口部(9)を構成し、陰極フレーム(11)に、水および気体の供給および除去のための1つまたは複数のチャネルタイプI(14)が形成され、チャネルタイプI(14)は、陰極フレーム(11)の第2の開口部(9)に接続されず、陰極フレーム(11)は、陽極フレーム(8)に接続するための少なくとも1つの接続要素、好ましくは少なくとも1つの穴(18)を備える、
e)d)に従って製造された金属製のコア(21)の表面の全部または一部、好ましくは、加硫によってゴム製コーティングを形成するための陰極フレーム(11)のためのd)に従って製造された金属製のコア(21)の表面の少なくとも90%が、天然ゴムまたは合成ゴムで完全にまたは部分的に被覆され、その後加硫され、それによってゴム製コーティングがシール材(22)として金属製のコア(21)上に形成され、ゴム製コーティングにおいて、1つまたは複数のチャネルタイプII(15’’)が第2の側(5)の表面に形成され、このチャネルタイプIIは、1つまたは複数のチャネルタイプI(14)に接続され、チャネルタイプI(14)と第2の開口部(9)とを接続する、陰極フレーム(11)は、PEM電解セル(2)またはスタック型PEM電解装置(23)に設置される場合、BPP(16)の方向に配置され、陰極フレーム(5’’)の第2の側(5)に対向する側のゴム製コーティングには、チャネルタイプII(15’’)は形成されない、
f)d)およびe)に従って製造された陰極フレーム(11)は、陰極フレーム(11)の少なくとも1つの接続要素、好ましくは少なくとも1つの穴(19)によって、陽極フレーム(8)の少なくとも1つの接続要素によって、a)からc)に従って製造された陽極フレーム(8)に接続される、好ましくは、少なくとも1つのピン(18)、好ましくは少なくとも1つの穴(19)は、少なくとも1つのピン(18)上に差し込まれ、陰極フレーム(11)は、それによって陽極フレーム(8)に接続され、BPP(16)が第1の側(4)と第2の側(5)との間に配置され、PTL陰極(10)が陰極フレーム(11)に挿入または押圧され、第1の開口部(6)が第2の開口部(9)よりも大きく、陽極フレーム(8)および陰極フレーム(11)は、陽極フレーム(4)の第1の側(4’’)に対向する側と陰極フレーム(5)の第2の側(5’’)に対向する側とが、陽極フレーム(8)から陰極フレーム(11)への移行部で段差(12)を形成するように配置される。
【請求項16】
高圧水素を製造するために差圧下で運転するスタック型PEM電解装置(23)の製造方法であって、以下のa)~c)のステップを有することを特徴とするスタック型PEM電解装置(23)の製造方法。
a)請求項14による少なくともx個の組立済モジュール(20)または請求項15による製造可能な少なくともx+1個のCCM(13)が互いの上に交互に積み重ねられ、組立済モジュールのスタック(3)が製造され、組立済モジュール(3)のスタックにおいて、1つの組立済モジュール(20)と1つのCCM(13)とが交互に互いの上に積み重ねられ、1つのCCM(13)が組立済モジュール(3)のスタックの上側と下側とに配置され、1つのCCM(13)が隣接する各2つの組立済モジュール(20)の間に配置される、
b)ハーフセル陽極、好ましくは単一陽極(7’)および陽極フレーム(8)は、組立済モジュール(3)のスタックの一方の側で外側CCM(13)に平行に配置され、ハーフセル陰極、好ましくは単一陰極(10’)および陰極フレーム(11)は、組立済モジュール(3)のスタックの他方の側で外側CCM(13)に平行に配置される、
c)エンドプレート(33)がハーフセル陽極に平行に、ハーフセル陰極に平行に配置され、形成されたスタックが2つのエンドプレート(33)の間で圧縮され、スタック型装置(23)が形成される、
ここでxは整数、≧2である。
【請求項17】
高圧水素を生成するために差圧下で作動するスタック型PEM電解装置(23)であって、
請求項14に記載のx個の組立済モジュール(20)または請求項15に記載の製造可能なx+1個のCCM(13)と、単一の陽極と、単一の陰極と、2枚のエンドプレート(33)とを備え、
x個の組立済モジュール(20)とx+1個のCCM(13)とが交互に互いの上に積み重ねられて組立済モジュール(3)のスタックが形成されており、1つの組立済モジュール(20)と1つのCCM(13)とが、組立済モジュール(3)のスタック内で交互に1つずつ上に積み重ねられ、
1つのCCM(13)が組立済モジュール(3)のスタックの上側と下側に1つずつ配置され、1つのCCM(13)が2つの隣接する組立済モジュール(20)の間に配置され、
単一の陽極が、組立済モジュール(3)のスタックの一方の側で外側のCCM(13)と平行に配置され、単一の陰極が、組立済モジュール(3)のスタックの他方の側で外側のCCM(13)と平行に配置され、
エンドプレート(33)は、それぞれ、単一の陽極に平行に、かつ単一の陰極に平行に配置され、形成されたスタックが、2つのエンドプレート(33)の間で圧縮されて、スタック型PEM電解装置(23)が形成されていることを特徴とする、スタック型PEM電解装置(23)。
ここで、xは整数であり、かつ≧2である。
【請求項18】
高圧水素を生成するための差圧下で作動するスタック型電解装置(23)であって、
x+1個のCCM(13)およびx-1個のBPP(16)と、上側エンドプレート(38)および下側エンドプレート(44)とを有する請求項12または13に記載のx+1個のPEM電解セル(2)を備え、
x+1個のPEM電解セル(2)およびx-1個のBPP(16)が交互に1つずつ他方の上に積み重ねられ、スタックにおいて、1つのPEM電解セル(2)と1つのBPP(16)とが交互に互いの上に積み重ねられ、1つのBPP(16)がスタックの上側と下側とに配置され、1つのBPP(16)が2つの隣接するPEM電解セル(2)の間に配置され、
スタックの上側でBPP(16)と平行に上側エンドプレート(38)が配置され、スタックの下側でBPP(16)と平行に下側エンドプレート(44)が配置され、形成されたスタックが上側エンドプレート(38)と下側エンドプレート(44)との間で圧縮されて、スタック型PEM電解装置(23)が形成されることを特徴とする、スタック型PEM電解装置(23)
ここで、xは整数、≧2である。
【請求項19】
請求項17または18に記載のスタック型PEM電解装置(23)、または、請求項16に従って製造可能なスタック型PEM電解装置において、
スタック型PEM電解装置(23)におけるx+1個のCCM(13)の各々は、80μm以下の厚さを有し、好ましくは50μm以下の厚さを有する、スタック型PEM電解装置(23)。
【請求項20】
2つのエンドプレート(33)からなり、好ましくは上部エンドプレート(38)がスタックの上側に配置され、下部エンドプレート(44)がスタックの下側に配置され、少なくとも1つのエンドプレート(33)、好ましくは上部エンドプレート(38)は、水の導入のための少なくとも1つの水接続部(39)と、水の排出のための少なくとも1つの水接続部(40)と、少なくとも2つの分配器カバー(41)とを備え、
水のための空間を提供するための少なくとも1つのエンドプレート(33)が、少なくとも1つのエンドプレート(33)内に水の分配のための少なくとも2つの空間を有し、
少なくとも2つの分配器カバー(41)の各々は、分配器カバー(43)内に水の分配のための空間を有し、
スタック型PEM電解装置(23)への水の導入のための少なくとも1つの分配器カバー(43)は、水の導入のための少なくとも1つの水接続部(39)およびエンドプレート(42)内の水の分配のための空間に接続されており、
スタック型PEM電解装置(23)からの水の排出のための少なくとも1つのさらなる分配器カバー(43)は、水の排出のための少なくとも1つの水接続部(40)およびエンドプレート(42)内の水の分配のための空間に接続されている、請求項17から19までのいずれか一項に記載のスタック型PEM電解装置(23)。
【請求項21】
エンドプレート(33)、例えば上部エンドプレート(38)が、スタック型PEM電解装置(23)内に水を導入するための少なくとも1つの水接続部(39)と、スタック型PEM電解装置(23)から水を排出するための少なくとも1つの水接続部(40)と、少なくとも2つの分配器カバー(41)とを備える請求項17から19までのいずれか一項に記載のスタック型PEM電解装置用の蓋(37)であって、
エンドプレート(33)には、水のための空間を提供するための少なくとも2つの分配のための空間が設けられており、
少なくとも2つの分配器カバー(41)の各々は、分配器カバー(43)内に水の分配のための空間を有し、
スタック型PEM電解装置(23)への水の導入のための少なくとも1つの分配器カバー(43)は、水の導入のための少なくとも1つの水接続部(39)と、エンドプレート(33)内に水の分配のための空間とを有し、
スタック型PEM電解装置(23)からの水の排出のための少なくとも1つのさらなる分配器カバー(43)は、水の排出のための少なくとも1つの水接続部(40)およびエンドプレート(33)内の水の分配のための空間に接続されている、スタック型PEM電解装置用の蓋(37)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なPEM電解セル用フレームおよびPEM電解セルスタック用フレームに関する。本発明の目的は、本発明によるフレーム、本発明によるPEM電解セルおよび本発明によるPEM電解セルスタック(=スタックタイプのPEM電解装置)であって、本発明によるフレーム、予め組み立てられたモジュール、予め組み立てられたモジュールの製造方法およびPEM電解セルスタックの製造方法を含むPEM電解セル、PEM電解セルスタックである。本発明によるフレーム、本発明によるPEM電解セル、および本発明によるPEM電解セルスタックは、薄いプロトン交換膜の使用と組み合わせた差圧電解による高圧水素の生成に適している。本発明は、新しいフレームとシールのコンセプトに基づいている。本発明はまた、スタックタイプのPEM電解装置用カバーに関する。
【0002】
プロトン交換膜(PEM)水電解は、再生可能エネルギー源の電力を使って水素を製造する魅力的な技術である。これは、再生可能エネルギー源から得られる電力が十分でない場合に備えて、エネルギー・キャリアである水素のエネルギーを貯蔵しておくことができることを意味し、脱炭素化に貢献する。PEM電解の重要な利点は、加圧下で水素を製造できることである。すべての潜在的な用途において、水素は圧縮された状態で利用可能でなければならない。つまり、PEMシステム(PEM電解セルやPEM電解セルスタックなど)は、産業界のニーズに特に適しているのである。エネルギーを節約するためには、PEM電解を直接加圧下で行うのが有利である。通常、水素のみが使用されるため、酸素は圧力をかけずに安価に製造することができ、これは差圧電解と呼ばれる。少なくとも30バールの差圧が現在の技術水準であるが、これは現在、少なくとも約120μmの厚さの電解質膜を使用した場合のみ可能である。
【0003】
利用可能な電力で可能な限り多くの水素を製造するためには、PEM電解セルの効率が最も重要である。エネルギー損失のかなりの部分は、特に電解質膜のオーミック抵抗によって引き起こされる。PEM膜には触媒コーティング膜(CCM)が使用される。薄いPEM膜を使用することで、膜抵抗を大幅に低減することができる。
【0004】
PEM電解セルの古典的な構造を図1に示す。
【0005】
古典的なPEM電解槽は、反応が行われる触媒コーティング膜(CCM)から構成される。アノード側とカソード側では、多孔質輸送層(PTL)が水をCCMに向けて輸送し、多孔質輸送層(PTL)が生成ガスをCCMから遠ざける。バイポーラプレート(BPP)はアノード側とカソード側を空間的に分離する。ガスと水の流入と流出は、従来の金属または高強度プラスチック(PEEK)製のフレームによって確保されている。CCMとPTLコンポーネントはこのフレームに挿入される。フレームは、Oリング、またはフラットガスケットやインジェクションシールなどの他のシールによって横方向にシールされ、ガスがPEM電解セルから流出するのを防ぎます。
【0006】
PEM電解セルおよびフレームからなるPEM電解セルスタックは従来技術で知られている。
【0007】
US 6,669,826 B1は、電解セルに均一な接触圧を加えることで、PEM電解セルスタックの密閉を達成する方法を開示している。このプロセスでは、それぞれが双極配置で直列に配置された複数のPEM電解セルからなるサブスタックが、エンドプレート、中間支持体、タイロッド、およびプレストレス手段の助けを借りて圧縮される。
【0008】
US 6,852,441 B1には、電解セルスタックの周囲を取り囲む補強要素によって、電解セルスタック内のPEM電解セルのフレームを安定させることが開示されている。
【0009】
EP 1 356 134 B1には、PEM電解セル用のフレームが開示されており、電解セルが二極配置でコンパクトに積み重ねられ、積み重ねられたフレームは仕切り壁によって分離されている。フレームは、2つの対向する平面と、ポリフェニレンオキシドストリップの熱圧着によって膜がフレームに保持される開口部、電解液の入口と生成ガスの出口となる孔を有する。ガスと電解液はシールリングによって密閉され、スタックは各フレームの溝に配置されたシールリングによって密閉される。内圧に対抗してスタック内の隣接するフレーム間のシールリングの完全性を維持するため、PEM電解セルスタックは、ねじ式の連結ロッドで一緒に保持された2枚のステンレス鋼プレートの間に封入され、圧縮されている。
【0010】
US 8,282,811 B2は、高圧で水素を発生させるための電解セルを開示しており、膜電極アセンブリと水素分離器または酸素分離器として機能するセパレータの間にフレームが配置され、水、酸素、水素を流すための開口部が設けられている。ガスケットがフレームをセパレータにシールし、膜が反対側のフレームをシールする。隣接するセパレータ間の圧力パッドと、圧力パッドを囲むプラスチック製マニホールドガスケットは、スタック内の個々の電解セル間の開口部を密閉する。
【0011】
US 7,507,493 B2は、シール付きバイポーラプレートを含むPEM電解セルを開示している。シールは、フレームと多孔質ガス拡散層の端部との間に配置されている。さらに、この電解セルは、シールと膜電極配置の間に、プロトン交換膜を保護するための保護要素を備えている。これにより、セルは持続的な高圧、低い比抵抗、改善されたクリープ保護で作動できるはずである。
【0012】
US 8,349,151 B2は、水電解槽の陽極フレームおよび陰極フレームとして使用するためのフレームを開示しており、陽極フレームおよび陰極フレームは同一構造であり、中央開口部および複数の横方向開口部を有するユニバーサルセルフレームからなる、ここで、横方向開口部の嵌合セットは、約90度または180度間隔を空けて配置され、各々、少なくとも1つの内部半径方向通路によって中央開口部に流体的に接続または非接続であり、陽極フレームおよび陰極フレームは、一連の電解槽が開口部を介して流体的に相互接続されるように、互いに対して90度回転される。
【0013】
EP 3 462 528 A1は、膜電極配置と、膜電極配置の両側に平坦面を有するフロー構造体(一方の平坦面は他方の平坦面より大きい)とを備えた高圧水素生成用の電気化学セルを開示しており、バイポーラプレートと、補強層と、より小さい表面を有するフロー構造体に隣接してバイポーラプレートと電解質膜との間に配置されたシールリングを有するシールとを備えている。
【0014】
DE 10 2014 010 813 A1は、高圧水素製造用のスタック型電解装置用のフレームを開示しており、このフレームは、流体ガイドと外縁との間に配置され、フレーム構造内に埋め込まれた一体化された補強材と、シールを受けるために補強材と流体ガイドとの間に半径方向に配置された凹部とを含む。
【0015】
EP 3 699 323 A1 は、例えば電解槽の電極スタックの電極供給に関する。
【0016】
DE 25 33 728 A1 は、並んで配置されたバイポーラ電極と、電解セルの少なくとも1つのチャンバを囲む外枠を備えた電解セルに関する。
【0017】
EP 3 770 303 A1 は、バイポーラプレート、2枚の電極プレート、およびバイポーラプレートと電極プレートとの間に配置された2つの電流伝達構造を備えた電気化学リアクターのスタック構造用の電極パッキングユニットに関する。
【0018】
WO 2020/039218 A1は、カソードプレート、アノードプレート、電解スタック、エンドプレートおよび流路シール配置を有する、水の電気分解のためのスタック型電解装置に関する。
【0019】
US 202009906 A1は、水電解槽用の触媒コーティング膜に関する。
【0020】
古典的なPEM電解セルで一般的に起こる困難は以下の通りである。
1.PEM電解セルスタック、すなわちスタックタイプのPEM電解装置では、多数のPEM電解セルのフレームが積み重ねられており、フレームやその他の部品に使用される各材料には製造公差があるため、気密性が問題となる。その結果、使用されるOリングやその他のシールは、フレーム上のある箇所では十分な接触圧が得られないことがある。特に、水素が加圧下または差圧下で製造される場合、公知のシールでは密閉を達成することが困難または不可能である。
2.フレームの機械的安定性高圧水素が発生すると、プラスチックフレームは変形する(図2)。
3.PTLとフレーム1の間には小さな隙間17が残る。CCM13は圧縮モードでこの隙間17に押し込まれる。その結果、CCM13が隙間17に這い出す24(いわゆる粘弾性挙動)が生じる。機械的安定性が低いためにフレーム1が変形すると(ポイント2参照)、この効果は強まり、隙間17が大きくなる(図2)。
4.フレームには、水とガスの供給と除去のための溝がある。水路はフレームから、つまり金属やプラスチック部分から切り出されるため、コストが高くなる。
【0021】
PEM電解を用いて工業用水素を高圧下で製造するためには、高圧下および差圧下で運転でき、上記のような欠点がない改良型PEM電解セルが必要である。
【0022】
この問題は、請求項1から21までの発明によって解決される。
【0023】
本発明の課題は、スタック型23のPEM電解装置用のPEM電解セル2用のフレーム1であって、フレーム1は、平面状の第1の表面を有する第1の側面4と、平面状の第2の表面を有する第1の側面4と対向する第2の側面5と、陽極フレーム8および陰極フレーム11とを備えるフレーム1と
ここで、陽極フレームは、第1の側面4と、陽極フレーム4’’の第1の側面4とは反対側の側面と、多孔質輸送層(PTL)陽極7を受け入れるための第1の開口部6とを備え、第1の開口部6は、第1の側面4から陽極フレーム4’’の反対側の側面まで延びている、
ここで、カソード(陰極)フレーム11は、第2の側面5と、カソードフレーム5’’の第2の側面5とは反対側の側面と、PTLカソード(陰極)10を受け入れるための第2の開口部9とを備え、第2の開口部9は、第2の側面5からカソードフレーム5’’の反対側の側面まで延びている、
ここで、陽極フレーム4’’の第1の側面4に対向する側面と、陰極フレーム5’’の第2の側面5に対向する側面とが、互いに隣接して配置されている、
陽極フレーム8と陰極フレーム11が互いに接続されている、
ここで、第1の開口部6と第2の開口部9は互いに接続されている、
ここで、第1の開口部6は第2の開口部9よりも大きく、陽極フレーム8および陰極フレーム11は、陽極フレーム4’’の第1の側面4に対向する側面および陰極フレーム5’’の第2の側面5に対向する側面が、陽極フレーム8から陰極フレーム11への移行部において段差12を形成するように配置される。
【0024】
本発明によるフレーム1において、段差12は好ましくは陰極フレーム11の一部である。本発明によるフレーム1において、段差12は好ましくは第2の開口部9に隣接する。本発明によるフレーム1において、段差12は好ましくは第2の開口部9を縁取る。本発明によるフレーム1において、段差12は、好ましくは、触媒被覆膜(CCM)13の支持面として平面状の第3の面を形成する。本発明によるフレーム1において、段差12は好ましくはカソードフレーム11の一部であり、膜13の支持面として平面状の第3の面を形成する。本発明によるフレーム1において、段差12は、好ましくはカソードフレーム11の一部であり、第2の開口部9に隣接し、第2の開口部9を縁取り、触媒被覆膜(CCM)13の支持面として平面状の第3の面を形成する。
【0025】
陽極フレーム8は、コア21と、シール材22からなるコーティングとからなる。好ましくは、陽極フレーム8は、金属または他の適切な材料からなるコア21からなり、好ましくは、陽極フレーム8は、シール材22からなるコーティングからなり、シール材は、好ましくはゴムである(=ゴムからなるコーティングを有するコア21)。カソードフレーム11は、コア21と、シール材22からなるコーティングとからなる。好ましくは、陰極フレーム11は、金属または他の適切な材料からなるコア21と、シール材22からなるコーティングとからなり、シール材は好ましくはゴム(=ゴムからなるコーティングを有するコア21)である。金属製のコア21のコーティングとしては、任意のシール材が適しており、例えばゴム、特にエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が挙げられる。シール材22からなるコーティングは、好ましくは、PEM電解セル2またはスタック型PEM電解装置23のシールであるか、またはシールとして機能する。
【0026】
本発明の対象は、好ましくは金属製のコア21を備えたPEM電解セル2用のフレーム1であり、コア21はシール材、好ましくはゴム、例えばEPDMで被覆されている(図3aおよび3b)。陽極フレーム8のコア21は、シール材22、特にシールで完全にまたは部分的に被覆されている。正極フレーム11のコア21は、シール材22、特にシールで完全にまたは部分的に被覆されている。シール材としては、例えばゴム、特にエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)など、任意のシール材が適している。例えば、シールはEPDMで構成されるか、EPDMで構成される。
【0027】
陽極枠8のコア21は、好ましくは金属からなるか、金属からなる。正極枠11のコア21は、好ましくは金属からなるか、金属からなる。金属製のコア21は、良好な機械的安定性を提供する。あるいは、同様の機械的特性を有する他の材料をコア21に使用することもできる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、特に強化PTFEまたは分子強化PTFEである。シール材22、好ましくはゴム、例えばエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)でできたコーティングは、シール効果を生み出し、すなわちシール材がシールとして機能する。
【0028】
好ましい実施形態では、陽極フレーム8のコア21の表面全体がシール材22からなるコーティングで被覆されている。さらに好ましい実施形態では、負極フレーム8のコア21の表面の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%以上が、シール材22からなるコーティングで被覆されている。好ましい実施形態では、正極フレーム11のコア21の表面全体が、シール材22からなるコーティングで被覆される。さらに好ましい実施形態では、正極フレーム11のコア21の表面の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%以上が、シール材22からなるコーティングで被覆される。これらの実施形態では、シール面は非常に大きい。
【0029】
代替実施形態では、陽極フレーム8のコア21の表面の90%未満が、シール材22からなるコーティングで被覆されている。さらなる代替実施形態では、正極フレーム11のコア21の表面の90%未満が、シール材22からなるコーティングで被覆される。しかしながら、これらの代替実施形態では、陽極フレーム8のコア21および/または陰極フレーム11のコア21の表面の領域は、PEM電解セル2の完全なシールを提供するために必要なシール材22からなるコーティングで被覆される。好ましくは、これらの代替実施形態では、陽極フレーム8のコア21および/または陰極フレーム11のコア21の表面の少なくとも、第1の開口部6および/または第2の開口部9を取り囲む領域が、シール材22からなるコーティングで被覆される。例えば、陽極枠8のコア21の表面の、第1の開口部6を直接取り囲む0.5cm~2.5cm、好ましくは1cm~2cm、例えば1.5cmの領域(図10b~図10dおよび図14参照)。例えば、正極枠11のコア21の表面の面積は、第2の開口部9を直接囲む0.5cmから2.5cm、好ましくは1cmから2cm、例えば1.5cmである。
【0030】
金属は良好な機械的安定性をもたらし、一方、シール材22、好ましくはゴム、例えばEPDMからなるコーティングはシール効果をもたらす。陽極フレーム8の金属からなるコア21の表面の好ましくは全体もしくは少なくとも90%、例えば少なくとも95%以上が、または陰極フレーム11の金属からなるコア21の表面の好ましくは全体もしくは少なくとも90%、例えば少なくとも95%以上が、シール材、好ましくはゴム、例えばEPDMで被覆されているという事実は、シール面が非常に大きいことを意味する。
【0031】
例えば金属製の安定したコア21およびシール材22からなるコーティングのさらなる利点は、PTL陽極7およびPTL陰極10のような構成要素をフレーム1、特に陽極フレーム8および陰極フレーム11に圧入(プレスフィット)できることである、このため、PEM電解セル2またはスタック型PEM電解装置23において、高圧または差圧下での電解、例えば最大40バールの差圧で行われる電解の際に、フレーム1の変形がなく、フレーム1内の個々の構成要素間、例えばPTLカソード間により大きな隙間17が形成されることがない。例えば、PTL陰極10とフレーム1の間、および/またはPTL陽極7とフレーム1の間(図8)。
【0032】
陽極フレーム8および/または陰極フレーム11のコア21に使用される金属は、ステンレス鋼、例えば厚さ0.5mmのステンレス鋼とすることができる。陽極フレーム8の被覆コア21、すなわちコア21とシール材22からなる被覆を合わせた厚さは、1~5mm、好ましくは2~3mm、例えば2.2mmとすることができる。正極フレーム11のコーティングされたコア21、すなわちコア21とシール材22からなるコーティングを合わせた厚さは、1~5mm、好ましくは2~3mm、例えば2.2mmとすることができる。同等の特性を有する材料、例えば高度に強化されたプラスチック、例えばPTFE、分子強化PTFEもコア21に適している。
【0033】
シール材22からなるコーティングは層厚を有する。シール材22からなる被膜の層厚は、例えば1~4.5mm、例えば2~3mmである。好ましくは、陽極枠8のコア21を囲むシール材22からなる被膜の層厚は、どこでも同じである。好ましくは、正極フレーム11のコア21を囲むシール材22からなるコーティングの層厚は、どこでも同じである。特定の実施形態では、陽極枠8のコア21は、シール材22からなる被膜の層厚と比較して、シール材22からなる被膜の層厚が減少した領域22’’を有する(図10b~図10d、図14)。特定の実施形態では、正極フレーム11のコア21は、封止材22’’からなるコーティングの層厚に比べて、封止材22からなるコーティングの層厚が減少した領域を有する。例えば、封止材22’’からなる被膜の層厚。封止材22からなる被膜の層厚に比べて、封止材22からなる被膜の層厚が1mm減少している。例えば、シール材22からなる被膜の層厚は4mmであり、シール材22’’からなる被膜の低減された層厚は3mである。例えば、シール材22からなる被膜の層厚は10mm以下であり、好ましくは5mm、3mm、2mm以下、1.5mm以下、1mm以下である。例えば、シール材22からなる塗膜の減厚は9mm以下、好ましくは4mm、2.8mm、1.9mm以下1.45mm、0.95mm以下である。例えば、シール材22からなる塗膜の層厚と、シール材22’’からなる塗膜の減少した層厚との層厚の差は、1mm、0.7mm、0.5mm以下であり、例えば、0.3mm、0.2mm、0.1mm、0.05mm以下である。
【0034】
例えば、第1の開口部6は、第2の開口部9よりも少なくとも0.5mmまたは1mm、例えば2mm以上、0.5cm、好ましくは1cm、特に好ましくは1.5cm以上大きく、好ましくは、大きい第1の開口部6と小さい第2の開口部9とによって陰極フレーム11の内側に形成される段差12は、どこでも同じ幅を有する(図7b、図11)。あるいは、段差12は様々な場所で異なる幅を有することができる。段差12の幅、ひいてはCCM13を保持するための平面状の第3の面の幅は、様々な場所で同じ幅を有することも、異なる幅を有することもできる。
【0035】
陽極フレーム8は、例えば、20~70cm×20~70cm、例えば50cm×50cmまたは35cm×35cmの外形寸法を有することができる。第一開口部6は、例えば11~51cm×11~51cm、例えば21cm×21cmまたは15cm×15cmの寸法を有することができる(図9b)。陰極フレーム11は、例えば、20~70cm×20~70cm、例えば50cm×50cmまたは35cm×35cmの外形寸法を有することができる。第2の開口部9は、10~50cm×10~50cm、例えば20cm×20cmまたは14cm×14cmの寸法を有することができる(図9a)。好ましくは、陽極フレーム8と陰極フレーム11には同じ外形寸法が選択される。第1の開口部6と第2の開口部9の寸法は、第1の開口部9が第2の開口部9より大きくなるように選択され、陽極フレーム8と陰極フレーム1がフレーム1として相互作用するとき、段差12が形成されるようにする、
当業者には様々なフレーム形状が知られており、フレーム1、陽極フレーム8および陰極フレーム11は、例えば正方形、長方形、円形に設計することができる。フレーム1の形状を自由に選択できるという事実により、フレーム1の特定の領域における接触圧力は、フレームの厚さを増加または減少させることによって、好ましくはシール材22からなるコーティングの厚さを減少させることによって調整することができる。シール材22によるコーティングの厚みを増すこともできる。これにより、コア21上のシール材22からなるコーティングの層厚が陽極フレーム8または陰極フレーム11の他の領域よりも厚い領域を形成することができる。シール材22からなるコーティングの層厚を薄くすることができる。その結果、コア21上のシール材22からなるコーティングの層厚が陽極フレーム8または陰極フレーム11の他の領域よりも小さい領域を形成することができる。シール材22からなるコーティングの層厚が異なる領域は、本発明によるフレーム1の機能を引き継ぐことができる。
【0036】
横漏れを回避するために、活性領域上の圧力は、例えば、円周方向のゴムの増加のような、シール材22からなるコーティングの層厚における円周方向の高さ26’’によって増加させることができる。シール材22からなるコーティングの層厚における周方向の高さ26’’は、例えば1mmの幅を有することができる。シール材22からなるコーティングと周方向隆起部26’’との間の層厚の差は、例えば、1mm、0.5mm、0.1mm、0.05mmとすることができる。
【0037】
本発明の主題は、陽極フレーム8の特定の領域および/または陰極フレーム11の特定の領域におけるシール材22からなるコーティングが、例えば接触圧力を低減するために、シール材22からなるコーティングの層厚に比べて減少した層厚22’’を有するフレーム1である。
【0038】
本発明の課題は、フレーム1であって、陽極フレーム8の特定の領域において、シール材22からなるコーティングが、例えばシール効果を高めるために、第1の開口部6を取り囲む円周方向の高さ26’’を有するフレーム1である。本発明の課題は、フレーム1であって、正極フレーム11の特定の領域において、シール材22からなるコーティングが、例えばシール効果を高めるために、第2の開口部9を取り囲む円周方向の隆起部26’’を有するフレーム1である。
【0039】
正方形の陽極フレーム8では、第1の開口部6は、第1の辺27、第2の辺28、第3の辺29および第4の辺30によって形成することができる。正方形の陰極フレーム11では、第2の開口部9は、第1の辺27’’、第2の辺28’’、第3の辺29’’および第4の辺30’’によって形成することができる。
【0040】
PEM電解セル2またはスタックタイプのPEM電解装置23の一部であるさらなる構成部品は、フレーム1、陽極フレーム8、陰極フレーム11に構造体として設置することにより節約することができ、特に陽極フレーム8と陰極フレーム11のコア21がコーティングされたシール材製コーティング22を使用することができる。例えば、シール材からなるコーティング22は、ゴムからなるコーティングとすることができ、例えば、個々の電圧測定のための接続部の領域に配置されるゴムリップ25からなる。このようにして、絶縁箔を節約することができる。本発明は、陽極フレーム8のシール材からなる被覆22および/または陰極フレーム11のシール材からなる被覆22が、シール機能に加えてさらなる機能を引き継ぐフレーム1に関する。この目的のために、陽極フレーム8および/または陰極フレーム11のシール材22からなるコーティングは、対応する実施形態、例えばゴムリップ25からなる。
【0041】
その他の必要な部品は、シール材22からなる被膜から直接製造することができるので、PEM電解セル2またはスタックタイプ23のPEM電解装置を製造するのに必要な個々の部品の数を減らすことができる。これにより、スタックタイプ23のPEM電解装置の組み立てに必要な労力が大幅に削減される。同様に、陽極フレーム8および陰極フレーム11を接続するための手段、例えばピン19および穴18を陽極フレーム8および/または陰極フレーム11に挿入することにより、追加の組立補助具が不要になる。
【0042】
好ましい実施形態では、シール材22からなるコーティングは、1つ以上のチャネルタイプII15を含んでいる。チャネルタイプII15は、シーリング材22からなるコーティングの層厚さ、シーリング材22からなるコーティングの層厚さに比べて減少したシーリング材22からなるコーティングの領域として設計される。従って、チャネルタイプII15は、シール効果に寄与しないシール材22でできたコーティングの窪みまたは凹みである。隣接する個々のチャネルII型15は、高台26によって分離されている。高台26は、例えば、2つの隣接する流路タイプII15の間の領域であり、その領域では、コア21は、低減された層厚を有しないシール材22からなるコーティングを有する。個々のチャネルタイプII15が配置された領域におけるシール材22’’からなるコーティングの低減された層厚は、コア21を取り囲むコーティングの他の領域におけるシール材22’’からなるコーティングの低減された層厚とは独立して選択され得、この領域は、コーティングの低減された層厚を有し得る。特定の実施形態では、コア21は、1つまたは複数のチャネルタイプII15を表す1つまたは複数の領域において、シール材22からなるコーティングを有さない。
【0043】
好ましい実施形態では、陽極フレーム8によって縁取られる第1の開口部6と、陰極フレーム11によって縁取られる第2の開口部9とは、異なる大きさである(図7b、8、9aおよび9b)。例えば、正極フレーム11は小さく、負極フレーム8は大きい。このことは、差圧、例えば40barの差圧、すなわち電気化学セル2のカソード側のみが加圧下で運転される場合、またはスタック型23のPEM電解装置のカソード側のみが加圧下で運転される場合、PEM電解中にカソードで発生する水素圧は、アノード(陽極)フレーム8とPTLアノード(陽極)7との間のギャップ17を押圧しないか、または押圧できないことを意味する。CCM13は、PTL陽極7に押し付けられ、PTL陽極7に機械的に支持されるだけである。このようにして、フレーム1、例えば陽極フレーム8とPTL陽極7との間の隙間17へのCCM13の這い上がり24を防止することができる。
【0044】
好ましい実施形態では、本発明によるフレーム1は、水およびガスの供給および除去のための2つの異なるタイプの流路を備える。好ましくは、フレーム1は、フレーム1内に水を輸送するため、およびフレーム1から水およびガスを輸送するための1つまたは複数の流路タイプI14cを備える。好ましくは、I型流路14は、陽極フレーム8の第1の開口部6または陰極フレーム11の第2の開口部9に直接接続されていない。好ましくは、陽極フレーム8のコア21は、1つまたは複数のチャネルI型14からなる。好ましくは、正極フレーム11のコア21は、1つまたは複数のI型チャネル14からなる。好ましくは、I型チャネル14は、シール材22からなるコーティングで被覆されている。
【0045】
さらに、フレーム1は、好ましくは、第1の開口部6に水を輸送し、第1の開口部6から水と酸素を輸送し、第2の開口部9から水素を輸送するための1つ以上のチャネルII型15を備える。好ましくは、II型流路15は、I型流路14を第1開口部6に接続する。好ましくは、II型チャネル15は、I型チャネル14を第2開口部9に接続する。
【0046】
好ましい実施形態では、陽極枠8の全体または一部が被覆されたシール材22からなる被覆は、1つまたは複数のII型チャネル15からなる。他の実施形態では、陽極フレーム8のコア21は、1つまたは複数のII型チャネル15からなる。好ましい実施形態では、正極フレーム11の全体または一部が被覆されるシール材22からなる被覆は、1つまたは複数のII型チャネル15からなる。他の実施形態では、正極フレーム11のコア21は、1つまたは複数のII型チャネル15からなる。この実施形態の利点は、製造コストである。好ましい実施形態では、チャネルタイプII15は、各陽極フレーム8および各陰極フレーム11から削り出されるのではなく、工具に一旦移される。好適な工具は、例えば、陽極フレーム8のネガまたは陰極フレーム11のネガである。例えば、チャネルタイプII15の配置、直径、長さ、および必要に応じて他のパラメータがツールに転送される。ツールは、例えば、スタンプを使用してシール材、好ましくはゴム、例えばEPDMにスタンプされるように、チャネルタイプII15をシール22に転写するために使用することができる。工具を使用して、陽極フレーム8のコア21または陰極フレーム11のコア21を加硫する。
【0047】
好ましい実施形態では、陽極フレーム8は、第1の側面4の表面上に、1つまたは複数のI型チャネル14に接続され、I型チャネル(単数または複数)14を第1の開口部6に接続し、フレーム1がPEM電解セル2またはスタック型PEM電解装置23に設置されるとき、バイポーラプレート(BPP)16に向かう方向に配置される1つまたは複数のII型チャネル15を含み、陽極フレーム4’’の第1の側面4と反対側の側面は、II型チャネル15を有さない。
【0048】
好ましい実施形態では、カソードフレーム11は、第2の側面5の表面上に、1つまたは複数のチャネルタイプI14に接続され、チャネルタイプI14を第2の開口部9に接続し、フレーム1がPEM電解セル2またはスタックタイプ23のPEM電解装置に設置されるとき、バイポーラプレート(BPP)16に向かって配置される1つまたは複数のチャネルタイプII15を構成し、第2の側面5に対向するカソードフレーム5’’の側面は、チャネルタイプII15を有さない。
【0049】
好ましい実施形態では、本発明によるフレーム1は、水およびガスを供給および除去するための1つまたは複数の流路タイプI14と、1つまたは複数の流路タイプII15とを備え、流路タイプI14は、陽極フレーム8の第1の開口部6または陰極フレーム11の第2の開口部9に接続されていない。フレーム1の好ましい実施形態では、陽極フレーム8は、第1の側面4の表面上に、チャネルタイプI14に接続され、チャネルタイプI14を第1の開口部6に接続し、フレーム1がPEM電解セル2またはスタックタイプ23のPEM電解装置に設置されたときに、BPP16に向かう方向に配置される1つまたは複数のチャネルタイプII15を含み、陽極フレーム4’’の第1の側面4と反対側の側面は、チャネルタイプII15を含まない。フレーム1の好ましい実施形態では、カソードフレーム11は、第2の側面5の表面に、1つまたは複数のチャネルタイプI14に接続され、チャネルタイプI14を第2の開口部9に接続し、フレーム1がPEM電解セル2またはスタックタイプ23のPEM電解装置に設置されたときに、BPP16に向かう方向に配置されるチャネルタイプII15を構成し、第2の側面5に対向するカソードフレーム5’’の側面にはチャネルタイプII15がない。
【0050】
好ましい実施形態では、本発明によるフレーム1は、水およびガスを供給および除去するための少なくとも2つの流路タイプI14と、少なくとも2つの流路タイプII15とを備え、流路タイプI14は、陽極フレーム8の第1の開口部6または陰極フレーム11の第2の開口部9に接続されていない。フレーム1の好ましい実施形態では、陽極フレーム8は、第1の側面4の表面上に、少なくとも2つのチャネルタイプI14に接続され、チャネルタイプI14を第1の開口部6に接続し、フレーム1がPEM電解セル2またはスタックタイプ23のPEM電解装置に設置されるとき、BPP16に向かう方向に配置される少なくとも2つのチャネルタイプII15を含み、陽極フレーム4’’の第1の側面4と反対側の側面は、チャネルタイプII15を含まない。好ましくは、陽極フレーム7の第1の側面4に配置された複数のチャネルタイプII15は、チャネルタイプI14を第1の開口部6に接続する。フレーム1の好ましい実施形態では、カソードフレーム11は、第2の側面5の表面上に、少なくとも2つのチャネルタイプI14に接続され、チャネルタイプI14を第2の開口部9に接続し、フレーム1がPEM電解セル2またはスタックタイプ23のPEM電解装置に設置されるとき、BPP16に向かう方向に配置され、第2の側面5とは反対側のカソードフレーム5’’の側面がチャネルタイプII15を含まない、少なくとも2つのチャネルタイプII15から構成される。好ましくは、カソードフレーム11の第2の側面5に配置される複数のチャネルタイプII15は、チャネルタイプI14を第2の開口部9に接続する。
【0051】
I型チャネル14と第1の開口部6および第2の開口部9とを接続するII型チャネル15、すなわちPEM電解セルにおいてPTLアノード7およびPTLカソード10と水およびガスの供給および除去のためのI型チャネル14とを接続するII型チャネル15は、アノードフレーム8および/またはカソードフレーム11において、BPP16の方向を向き、CCM13の方向を向かないように配置される。CCM13が載置されている陽極フレーム7の側面および陰極フレーム11の側面には、II型15、すなわち、CCM13が配置され、電解中に最大40バールの差圧に曝される領域において、第1の開口部6または第2の開口部9のすぐ近傍に流路がないため、電解中にガスおよび水がI型14の流路を流れても、CCM13はこの影響を受けない。CCM13は、溝のない滑らかな平坦面上に載るため、40バールまでの差圧でも十分に支持される。同時に、アノード室(アノード室はアノードフレーム7、CCM13、BPP16によって形成される)、カソード室(カソード室はカソードフレーム11、CCM13、BPP16によって形成される)、PEM電解セル2全体は、40バールまでの差圧でも完全に密閉され、ガスや水が漏れることはない。
【0052】
例示的な実施形態では、フレーム1は、2個から1000個以上のチャネルタイプII15、例えば少なくとも100個のチャネルタイプII15、好ましくは少なくとも200個のチャネルタイプII15、またはそれ以上またはそれ以下、例えば50個以下のチャネルタイプII15で構成される。好ましくは、I型流路14の少なくとも半分がII型流路15によって第1開口部6または第2開口部9に接続されている。
【0053】
好ましくは、少なくとも2つ以上、例えば4つ、10個以上のII型チャネル15が、I型チャネル14を第1開口部6に接続する。好ましくは、少なくとも2つ以上、例えば4つ、10個以上のII型チャネル15が、I型チャネル14を第2開口部9に接続する。
【0054】
例えば、第1の開口部6に接続されるチャネルタイプII15は、フレーム4の第1の側で互いに隣接して配置される。隣接する2つのチャネルタイプII15間の距離は、例えば、≦5mm、≦3mm、好ましくは≦2mm以下である。例えば、チャネルタイプI14と第1の開口部6との間のチャネルタイプII15は、フレーム4の第1の側に扇形に配置される。
【0055】
例えば、第2の開口部9に接続されるチャネルタイプII15は、フレーム5の第2の側で互いに隣接して配置される。隣接する2つのチャネルタイプII15間の距離は、例えば、≦5mm、≦3mm、好ましくは、≦2mm以下である。例えば、チャネルタイプI14と第2の開口部9との間のチャネルタイプII15は、フレーム5の第2の側に扇形に配置される。
【0056】
フレーム1の流路は、スタックタイプ23のPEM電解装置内で流路タイプI14を介して液体が分配され、流路タイプII15を介して液体が個々のPEM電解セル2に入るように設計されている。流路I型14は、好ましくは、陽極フレーム8の第1開口部6に沿って、または第1開口部6と平行に、一定の間隔で配置される。I型チャネル14は、好ましくは、正極フレーム11の第2開口部9に沿って、または正極フレーム11の第2開口部9と平行に、一定の間隔で配置される。例えば、正方形の第1の開口部6の各辺または正方形の第2の開口部9の各辺に20本以上またはそれ以下、例えば5本のI型チャネル14がある。
【0057】
特に好ましい実施形態では、流路I型14は、それぞれが電気化学セル2の第1の開口部6および第2の開口部9、またはスタック型23のPEM電解装置の第1の開口部6および第2の開口部9の同じ部分、したがって同じ領域に水を供給するように配置される。
【0058】
特に好ましい実施形態では、好ましくは5mm以下、特に好ましくは<2mmの一定の開口径を有する連続チャネルII型15が、各チャネルI型14またはチャネルI型14の一部から、第1の開口部6または第2の開口部9に通じている。これらのチャネルII型15は、例えば、チャネルII型15が第1の開口部6または第2の開口部9上に均等に分布するように、扇形に配置される。第1の開口部6または第2の開口部と、チャネルタイプII15を通過するチャネルタイプI14との間の領域におけるチャネルタイプII15の他の配置も可能である。チャネルタイプII15の幅を5mm以下、好ましくは2mm以下に制限することにより、チャネルタイプII15の領域において十分な接触圧が対向フレーム1に伝達される。
【0059】
第一開口部6に沿って、または第二開口部9に沿って、フレーム1の全幅にわたって、例えば第一開口部27の第一側面の全幅に沿って、および第一開口部29の第三側面の全幅に沿って(図10a)、チャネルタイプI14およびタイプII15の均一な分布は、電気化学セル2の活性セル領域(=第一開口部6+第二開口部9)全体にわたって水を特に良好に分布させる。水はPEM電解セル2内を均一に流れる。流入する水の大部分は冷却に使用されるため、II型流路15の均等な分布は均質な放熱につながる。このような流路II型15の配置により、PEM電解中に発生する熱を均一に放散させることができる。反応熱の放散は、PEM電解セル2またはスタックタイプ23のPEM電解装置にとって重要なパラメータである。
【0060】
本発明によれば、設計や構造が異なるスタックタイプ23のPEM電解装置が含まれる。
【0061】
フレーム1、PEM電解セル2、事前に組み立てられたモジュール20、スタックタイプ23のPEM電解デバイスが含まれ、個々の流路タイプII15は、それぞれのフレーム1、それぞれの電気化学セル2、スタックタイプ23のそれぞれのPEM電解デバイスの他の流路タイプII15と比較して、水の流れにおいてより高いまたはより低い圧力損失を提供するように適合される。例えば、外部流路II型15はそれに応じて適合される、例えば、フレーム4の第1の側の流路タイプII15の配置の端部に配置された流路タイプII15、例えば、第1の開口部27の第1の側に関して流路タイプII15の配置の端部に配置された流路タイプII15は、フレーム1、電気化学セル2、組立済みモジュール20、スタックタイプ23のPEM電解装置の他の流路タイプII15と比較して、流れる水の圧力損失が高いか低いかのいずれかが生じるように適合される。これは、例えば、II型流路15の開口断面を小さくすることによって達成することができる。これは、例えば、流路タイプI14の圧力損失が均一でなく、流路タイプII15が均一である場合、活性セル領域(活性セル領域=第1の開口部6+第2の開口部9)のうち、当該流路タイプII15を流れる水の体積流量がより多い特定の領域が、流れる水がより高い圧力を有する流路タイプI14に接続されている場合に必要である。II型流路15を適合させなければ、活性細胞領域の冷却は、例えば、水が流れることによって、より不均一になる可能性がある。これは、II型流路15を適合させることで補うことができる。流路タイプII15の断面積は、例えば、流路タイプI14内の水圧の差を補正するために、小さくすることができる。好ましくは、均一または均質な水圧が、活性細胞領域全体にわたって生成される。例えば個別に適合され、例えば異なる開口断面積を有する流路II型15を用いると、流路I型14内の異なる圧力損失を補償することができ、全ての流路II型15を通る流れを均一化することができる。
【0062】
本発明の対象となるのは、フレーム1、PEM電解セル2、組立済みモジュール20、およびスタックタイプ23のPEM電解装置であり、該当するフレーム1、該当する電気化学セル2、該当する組立済みモジュール20、スタックタイプ23の該当するPEM電解装置の個々の流路タイプII15は、各流路タイプII15が活性セル領域と同じ大きさの領域に水を供給するように配置されている。
【0063】
本発明が対象とするのは、フレーム1、PEM電解セル2、組立済みモジュール20、およびスタック型23のPEM電解装置であり、それぞれのフレーム1、それぞれのPEM電解セル2、それぞれの組立済みモジュール20、およびスタック型23のそれぞれのPEM電解装置の個々の流路II型15は、すべての流路II型15が同時に同じ量の水を輸送できるように、すなわちすべての流路II型15が同じであるように設計されている。これは、例えば、全ての流路タイプII15が、水が流れることができる同じ断面を有することによって達成することができる。好ましくは、流路II型15は、各流路II型15が活性細胞領域と同じ大きさの領域に水を供給するように配置される。特に好ましくは、各流路II型15が活性細胞領域の同じ大きさの領域に水を供給し、全ての流路II型15が同じであるように、流路II型15が配置される。このようにすることで、活性細胞領域全体に均等に水を供給することができる。
【0064】
I型チャネル14の数、形状および配置、ならびにI型チャネル14に関するその他のパラメータ、ならびにII型チャネル15の数、形状および配置、ならびにII型チャネル15に関するその他のパラメータは、必要に応じて、例えば使用されるフレーム形状に合わせて適合させることができる。
【0065】
本発明によるフレーム1では、陽極フレーム8と陰極フレーム11が接続要素を介して互いに接続されている。対応する接続要素は当業者に公知である。フレーム1の好ましい実施形態では、陽極フレーム8は、1つまたは複数の接続要素、例えばピン19から構成され、陰極フレーム11は、1つまたは複数の接続要素、例えば孔18から構成され、ピンまたはピン19および孔または孔18は、陰極フレーム11の孔または孔18が陽極フレーム8のピンまたはピン19に差し込まれ、陽極フレーム8および陰極フレーム11がそれによって互いに接続され得るように配置される。
【0066】
本発明の主題は、高圧水素を生成するための40バールまでの差圧下で作動するPEM電解セル2であって、CCM13を有するPEM膜電極配置と、PTLアノード7と、PTLカソード10とを備え、PEM電解セル2が、本発明によるフレーム1を構成する、PEM電解セル2である、アノードフレーム8の第1の開口部6がPTLアノード7を構成し、カソードフレーム11の第2の開口部9がPTLカソード10を構成し、CCM13が、第1の側面4に対向するアノードフレーム4’’の側面と第2の側面5に対向するカソードフレーム5’’の側面との間に配置され、CCM13の一方の側面がPTLアノード7上に載り、CCM13の他方の側面が段差12およびPTLカソード10上に載る(図7bおよび図7c)。PEM電解セル2が差圧下で運転されると、アノードフレーム8とPTLアノード7との間の隙間17の領域では、差圧がCCM13に作用しない。これにより、CCM13が隙間7に這い回る24のを防ぐことができる(図8および8a)。
【0067】
好ましい実施形態において、本発明によるPEM電解セル2は、80μm以下の厚さを有するCCM13、例えば50μm以下の厚さを有するCCM13からなる。
【0068】
本発明によるPEM電解セル2では、陽極フレーム8のシール材22、例えばゴムからなるコーティング、好ましくはEPDMからなるコーティング、陰極フレーム11のシール材22、例えばゴムからなるコーティング、好ましくはEPDMからなるコーティング、好ましくは、カソードフレーム11のEPDM製のコーティング、および段差12は、CCM13(図7cおよび図8a)と相互作用し、CCM13のクロール24がアノードフレーム8とPTLアノード7との間の隙間17に入ることなく、PEM電解セル2およびアノードコンパートメントとカソードコンパートメントとを完全にシールする。II型流路15の特別な配置により、水とガスの供給と除去の両方が完全に保証されるとともに、CCM13の安定性と電解質膜セル2の完全な密閉が保証される。従って、本発明によるフレーム1は、厚さ80μm以下、例えば厚さ50μm以下(=薄いCCM13)のCCM13の使用を可能にする。本発明によるフレーム1により、PEM電解セル2は、従来技術における通常よりも薄いCCM13で製造することができる。さらに、これらのPEM電解セル2は、CCM13を損傷したりPEM電解セル2がリークしたりすることなく、カソード側に最大40バールの差圧を発生させるように水素を蓄積するように運転することができる。
【0069】
好ましい実施形態では、陽極7は、BPP16が陽極7に接続されるように設計され、これは本発明に従ってBPP/陽極36と呼ばれる。BPP/陽極36の使用は、組み立てを容易にするだけでなく、個々の部品間の接触抵抗を低減する。好ましい実施形態では、陽極7は、プロセス媒体、特に水のために、少なくとも1つの粗い分配器と少なくとも1つの細かい分配器とを備える。粗い分配器は、セル領域全体(すなわち、第1の開口部および第2の開口部6+9)に水を効率的に分配する。微細ディストリビューターは、水をCCM13に輸送し、CCM13との良好な電気的接触を可能にし、同時にCCM13を機械的に支持する。PTL陽極7用の粗い分配器として、例えばエキスパンドメタルを使用することができる。PTL陽極7の微細ディストリビューターとしては、例えば焼結粉末からなるプレートを使用することができる。粗配電子と細配電子、例えばエキスパンドメタルと焼結金属を、例えば抵抗溶接によって接合し、PTL陽極7を製造することができる。あるいは、粉末をエキスパンドメタル上に直接焼結してPTL陽極7を製造することもできる。PTL陽極7はBPP16に接続することができる。好ましくは、BPP16はPTL陽極7と同じ材料からなる。特に好ましい実施形態では、BPP16およびPTL陽極7はチタンからなる。代替的な好ましい実施形態では、BPP16とPTL陽極7は少なくとも80%が同じ材料、例えばチタンからなる。BPP16とPTLアノード7との接続は、例えば抵抗溶接によって、好ましくは数カ所で実現することができる。BPP/PTL陽極36において、BPP16の表面はフレーム1の外面に対応し、またはBPP/PTL陽極36の表面は本質的にフレーム1の外面に対応する。BPP/PTLアノード36のPTLアノード7の表面は、第1の開口部6を満たすように、または第1の開口部6に収まるように適合される。2つの部品(BPP16とPTL陽極7)の代わりに、BPP/PTL陽極36という1つの部品だけが組み立てに必要です。つまり、部品が1つ節約できる。
【0070】
水またはガスのいずれが電極を介して輸送されるかに応じて、陽極フレーム8の第1の開口部6に沿った一側または二側のチャネルタイプI14は、陽極フレーム8の第1の開口部に沿った他の側のチャネルタイプI14よりも著しく小さくすることもできる(図10b参照)。例えば、正極側のチャネルタイプI14は、負極側よりも著しく小さくすることができる(図10b~図10d参照)。スペースを節約し、フレーム1の機械的安定性を確保するために、チャネルタイプI14は、例えば、丸穴の代わりにスロットとして設計することができる。I型チャネル14には、様々な形状とそれに対応する適応が可能である。
【0071】
本発明の目的は、本発明によるフレーム1からなるスタック型23の電解装置を製造するための組立済みサブモジュール20である。本発明の目的は、例えば、陽極フレーム8、陰極フレーム11、BPP16、PTL陽極7およびPTL陰極10からなるスタック型23の電解装置を製造するための組立済みモジュール20である、
ここで、陽極フレーム8は、平面状の第1の表面を有するフレーム1の第1の側面4と、陽極フレーム4’’の第1の側面4と反対側の側面と、PTL陽極7を受け入れるための第1の開口部6とを備え、第1の開口部6は、第1の側面4から陽極フレーム4’’の第1の側面4と反対側の側面まで延び、第1の開口部6は、陽極フレーム8によって取り囲まれ、陽極フレーム8は、陰極フレーム11に接続するための少なくとも1つの接続要素、例えばピン19を備える、
ここで、カソードフレーム11は、平面状の第2の表面を有するフレーム1の第2の側面5と、カソードフレーム5’’の第1の側面5と反対側の側面と、PTLカソード10を受け入れるための第2の開口部9とを備える、ここで、第2の開口部9は、第2の側面5から陰極フレーム5’’の第2の側面5の反対側まで延び、陰極フレーム10によって囲まれており、陰極フレーム11は、陽極フレーム8に接続するための少なくとも1つの接続要素、例えば、陽極フレーム8のピン19を受けるための穴18から構成されている、
ここで、BPP16はフレーム1の第1の側面4とフレーム1の第2の側面5との間に配置され、BPP16はBPP/PTL陽極36の一部とすることができる、
陽極フレーム8が、例えば金属からなるか金属からなるコア21と、例えばゴムからなるコーティング、好ましくはEPDMからなるコーティングなどのシール材22からなるコーティングとからなり、コア21がシール材22からなるコーティングで完全にまたは部分的に被覆されている、および、好ましくはBPP16がPTL陽極7に接続されてBPP/PTL陽極36を形成し、PTL陽極7またはBPP/PTL陽極36が第1の開口部6に挿入または押圧され、PTL陽極7が陽極フレーム8によって縁取られる、
カソードフレーム10は、例えば金属からなるか金属からなるコア21と、例えばゴムからなるコーティング、好ましくはEPDMからなるコーティングのようなシール材22からなるコーティングとからなり、コア21がシール材22からなるコーティングで完全にまたは部分的に被覆され、PTLカソード10が第2の開口部9に挿入または押圧され、カソードフレーム11によってフレーム化される、
ここで、陽極フレーム8および陰極フレーム11は、陽極フレーム8および陰極フレーム11の接続要素を介して接続され、例えば、陽極フレーム8のピン19が陰極フレーム11の孔18に挿入され、陽極フレーム8および陰極フレーム11がそれによって互いに接続される、
ここで、第1の開口部6は第2の開口部9よりも大きく、陽極フレーム8および陰極フレーム11は、第1の側面4および第2の側面5が陽極フレーム8から陰極フレーム11への移行部において段差12を形成するように配置される、ここで、好ましくは、段差12は、好ましくは第2の開口部9に隣接し、好ましくは第2の開口部9を縁取るカソードフレーム11の部分であり、段差12は、好ましくは、CCM13の支持面として平面状の第3の面を形成し、BPP/PTLアノード36のBPP16またはBPP16は、一方の側でPTLアノード7およびアノードフレーム8に載り、他方の側でPTLカソード10、カソードフレーム11および段差12に載る。予め組み立てられたモジュール20は、好ましくは、水およびガスの供給および除去のために、本願明細書に記載された流路タイプI14およびタイプII15から構成され、これらは記載されたように配置することができる。
【0072】
本発明の課題は、本発明によるフレーム1からなる組立済みモジュール20の製造方法である。本発明の課題は、例えば、組立済みモジュール20の製造方法であって、以下のステップを含む方法である。
a)陽極フレーム8のために、好ましくは金属製のコア21が製造され、コア21は、平面状の第1の表面を有する第1の側面4と、陽極フレーム4’’の第1の側面4とは反対側の側面とを備え、第1の側面4および陽極フレーム4’’の第1の側面4とは反対側の側面は、第1の側面4から陽極フレーム4’’の第1の側面4とは反対側の側面まで延び、陽極フレーム8によって縁取られる第1の開口部6を構成する、そして、水およびガスの供給および除去のための1つ、2つまたはそれ以上のI型流路14を備え、I型流路14は、陽極フレーム8の第1の開口部6に接続されておらず、陽極フレーム8は、陰極フレーム11に接続するための少なくとも1つの接続要素、例えば、ピン19を備える。例えばピン19、
b)アノードフレーム8のためのa)に従って製造されたコア21の表面は、加硫によるシール材22からなるコーティングとしてゴムからなるコーティングを製造するために、アノードフレーム8のためのa)に従って製造されたコア21の表面の完全または部分的、例えば少なくとも90%が、天然ゴムまたは合成ゴムで被覆され、次いで加硫され、ゴムからなるコーティングがそれによってコア21の表面全体または表面の一部に製造され、好ましくはEPDMからなるコーティングであり、ゴムからなるコーティングにおいて、1.タイプIの1つ、2つまたはそれ以上のチャネル14に接続され、タイプIの1つまたはそれ以上のチャネル14と第1の開口部6とを接続する、タイプIIの2つまたはそれ以上のチャネル15が、第1の側面4の表面上に生成される、アノードフレーム8がPEM電解セル2またはスタックタイプ23のPEM電解装置に設置される場合、BPP16またはBPP/PTLアノード36のBPP側の方向に配置され、アノードフレーム4’’の第1の面4に対向する側のゴムからなるコーティングにおいて、II型15のチャネルは生成されない、
c)PTLアノード7とBPP16またはBPP/PTLアノード36は、a)とb)に従って製造されたアノードフレーム8に配置またはプレスされる、
d)好ましくは金属製のコア21が、カソードフレーム11のために製造され、コア21は、平面状の第2の面を有する第2の側面5と、カソードフレーム5’’の第2の側面5とは反対側の側面とを備え、第2の側面5およびカソードフレーム5’’の第2の側面5とは反対側の側面は、第2の側面5からカソードフレーム5’’の第2の側面5とは反対側の側面まで延び、カソードフレーム11によって縁取られる第2の開口部9を構成する、水およびガスの供給および除去のための1つ、2つまたはそれ以上のI型流路14を備え、I型流路14は陰極フレーム11の第2の開口部9に接続されておらず、陰極フレーム11は陽極フレーム8に接続するための少なくとも1つの接続要素、例えば例えば穴18、
e)d)に従って製造された陰極フレーム11のためのコア21の表面は、加硫によるシール材22からなるコーティングとしてゴムからなるコーティングを製造するために、d)に従って製造された陰極フレーム11のためのコア21の表面の完全または部分的、例えば少なくとも90%が、天然ゴムまたは合成ゴムで被覆され、次いで加硫され、それにより、コア21の表面全体または表面の一部にゴムからなるコーティング、好ましくはEPDMからなるコーティングが製造され、ゴムからなるコーティングにおいて、1.タイプIの1つ、2つまたはそれ以上のチャネル14に接続され、タイプIの1つまたはそれ以上のチャネル14と第2の開口部9とを接続する、タイプIIの2つまたはそれ以上のチャネル15が、第2の側面5の表面上に生成される、カソードフレーム11がPEM電解セル2またはスタックタイプ23のPEM電解装置に設置される場合、BPP16またはBPP/PTLアノード36のBPP側の方向に配置され、カソードフレーム5’’の第2の面5とは反対側のゴムからなるコーティングでは、II型15のチャネルは生成されない、
f)d)およびe)に従って製造されたカソードフレーム11は、例えば、カソードフレーム11がアノードフレーム8に差し込まれ、BPP16が第1の側面4と第2の側面5との間に配置され、その後、PTLカソード10がカソードフレーム11に挿入または押し込まれることによって、アノードフレーム8に接続される。
【0073】
本発明の主題は、高圧水素を生成するために差圧下で動作するスタックタイプ23のPEM電解装置の製造方法であって、本発明によるフレーム1、本発明による予め組み立てられたモジュール20、電気化学セル2を含む。本発明の主題は、例えば、高圧水素を生成するために差圧下で動作するスタックタイプ23のPEM電解装置の製造方法であって、方法ステップを含む方法である、
a)本発明による少なくともx個の予備組立済みモジュール20と少なくともx+1個のCCM13とが交互に1つずつ上に積み重ねられ、予備組立済みモジュール3のスタックが製造され、予備組立済みモジュール3のスタックにおいて、1つの予備組立済みモジュール20と1つのCCM13とが交互に1つずつ上に積み重ねられ、1つのCCM13が予備組立済みモジュール3のスタックの上側に1つ、下側に1つ配置され、1つのCCM13が隣接する各2つの予備組立済みモジュール20の間に配置され、そして
b)次に、単一の陽極、好ましくは単一のPTL陽極7’が、予備組立モジュール3のスタックの一方の側で外側CCM13に平行に配置され、単一の陰極、好ましくは単一のPTL陰極10’が、予備組立モジュール3のスタックの他方の側で外側CCM13に平行に配置される、
c)エンドプレート33が単一の陽極に平行に、かつ単一の陰極に平行に配置され、生成されたスタックが2つのエンドプレート33の間で圧縮されて、スタックタイプ23のPEM電解デバイスが形成され、xは整数であり、≧2である。
【0074】
本発明によるスタック型23のPEM電解装置の製造方法の好ましい実施形態では、スタック型23のPEM電解装置におけるx+1個のCCM13のうちの1個または、好ましくは各々が、80μm以下の厚さ、xは整数であり、≧2である。特に好ましくは、スタック型23のPEM電解装置におけるx+1個のCCM13の複数、好ましくは各々は、50μm以下の厚さを有する、xは整数であり、≧2である。
【0075】
本発明の主題は、高圧水素を生成するための差圧下で動作するスタックタイプ23のPEM電解装置であって、本発明による1つまたは複数のフレーム1を備えるPEM電解装置である。本発明の課題は、本発明による1つまたは複数の予め組み立てられたモジュール20を含む、スタックタイプ23のPEM電解装置である。本発明の課題は、本発明による1つまたは複数のPEM電解セル2からなるスタックタイプ23のPEM電解装置である。
【0076】
本発明の対象は、例えば、高圧水素を生成するための差圧下で動作するスタック型23のPEM電解装置であって、本発明によるx個の予備組立モジュール20と、x+1個のCCM13と、単一の陽極と、単一の陰極と、2枚のエンドプレート33とを備え、x個の予備組立モジュール20とx+1個のCCM13とが交互に互いの上に積み重ねられて予備組立モジュール3のスタックを形成する、PEM電解装置である、ここで、1つの予備組立モジュール20と1つのCCM13が、予備組立モジュール3のスタックにおいて交互に互いの上に積み重ねられ、1つのCCM13が予備組立モジュール3のスタックの上側と下側に配置され、1つのCCM13が2つの隣接する予備組立モジュール20の間に配置される、単一の陽極、好ましくは単一のPTL陽極7’が、予備組立モジュール3のスタックの一方の側で外側CCM13に平行に配置され、単一の陰極、好ましくは単一のPTL陰極10’が、予備組立モジュール3のスタックの他方の側で外側CCM13に平行に配置される、
ここで、1つのエンドプレート33は単一の陽極に平行に配置され、1つのエンドプレート33は単一の陰極に平行に配置され、生成されたスタックは2つのエンドプレート33の間で圧縮され、スタックタイプ23のPEM電解デバイスを形成し、xは整数であり、≧2である。
【0077】
本発明によるスタック型23のPEM電解装置の好ましい実施形態では、スタック型23のPEM電解装置におけるx+1個のCCM13の1個以上、好ましくは各CCM13は、80μm以下の厚さ、好ましくは50μm以下の厚さを有し、xは整数であり、≧2である。
【0078】
要求に応じて、スタックタイプ23のPEM電解装置内の適切な位置にさらなる構成要素を設置することができ、例えば、CCM13とエンドプレート33との間に絶縁プレート32を設置することができる。これらの位置の絶縁板32は、例えば、ネジが使用される場合などに、エンドプレート33が短絡するのを防止する。対応する部品は当業者に公知である。当業者は、製造方法を適宜適合させることができる。
【0079】
本発明の主題は、高圧水素を生成するための差圧下での操作のためのスタックタイプ23のPEM電解装置であって、本発明によるx個の予備組立モジュール20と、x+1個のCCM13と、単一の陽極、好ましくは単一のPTL陽極7’と、単一の陰極、好ましくは単一のPTL陰極10’と、2枚のエンドプレート33とを備え、x個の予備組立モジュール20およびx+1個のCCM13は、予備組立モジュール3のスタックを形成するように互いの上に交互に積み重ねられる、PEM電解装置である、ここで、組立済みモジュール3のスタックにおいて、各場合に、1つの組立済みモジュール20と1つのCCM13とが交互に1つずつ他方の上に積み重ねられ、各場合に、1つのCCM13が組立済みモジュール3のスタックの上側と下側とに配置され、各場合に、1つのCCM13が2つの隣接する組立済みモジュール20の間に配置される、単一の陽極が、組立済みモジュール3のスタックの一方の側で外側CCM13と平行に配置され、単一の陰極が、組立済みモジュール3のスタックの他方の側で外側CCM13と平行に配置される、
ここで、エンドプレート33は、それぞれ、単一の陽極に平行に、かつ単一の陰極に平行に配置され、生成されたスタックは、2つのエンドプレート33の間で圧縮され、スタックタイプ23のPEM電解デバイスを形成し、xは整数であり、≧2である。
【0080】
ハーフセルアノードは、電気化学セル2のカソード側ではなく、電気化学セル2のアノード側のみで構成される。好ましい実施形態において、ハーフセルアノードは、単一のアノード7’とアノードフレーム8とから構成される。好ましい実施形態では、ハーフセルアノードは、単一のアノード7’とアノードフレーム8とから構成される。ハーフセルアノードは、組立済みモジュール20または組立済みモジュール3のスタック内の電気化学セル2を完成させる。
【0081】
ハーフセルカソードは、電気化学セル2のカソード側のみを構成し、電気化学セル2のアノード側を構成しない。好ましい実施形態において、ハーフセルカソードは、単一のカソード10’とカソードフレーム11とから構成される。好ましい実施形態では、ハーフセルカソードは、単一のカソード10’とカソードフレーム8から構成される。ハーフセルカソードは、組立済みモジュール20または組立済みモジュール3のスタック内の電気化学セル2を完成させる。
【0082】
好ましい実施形態では、スタックタイプ23のPEM電解装置は、本発明による少なくとも2個または3個または5個以上、例えば10個、50個、100個、500個、1000個またはそれ以上の予備組立モジュール20から構成される。好ましくは、本発明によるスタックタイプ23のPEM電解装置は、本発明によるx個の予備組立モジュール20(xは整数であり、≧2である)に加えて、カソードフレーム11、CCM13、アノードフレーム8および2枚のエンドプレート33を備える。好ましくは、本発明によるスタックタイプ23のPEM電解装置において、最初のPEM電解セル2と最後のPEM電解セル2とは、その間に位置するものとは異なる。例えば、スタックタイプ23のPEM電解装置を製造するために、カソードフレーム11上にCCM13が配置され、x個の予め組み立てられたモジュール20とx個のCCM13とが交互にCCM13上に積層され、その上にアノードフレーム8が積層される。スタックはエンドプレート33の間で圧縮され、スタック型23のPEM電解装置を形成し、xは整数であり、≧2である。
【0083】
スタックタイプ23のPEM電解装置において、好ましくは、2つのエンドプレート33の一方は、例えばスタックタイプ23のPEM電解装置において上部に配置される上部エンドプレート38である。スタック型23のPEM電解装置において、好ましくは、2つの端部プレート33のうちの一方は、例えばスタック型23のPEM電解装置において下部に配置される下部端部プレート44である。
【0084】
スタックタイプ23のPEM電解装置は、電解モードのフローリアクターとして運転される。スタック型23のPEM電解装置に水が連続的に供給され、スタック型23のPEM電解セルから水が排出される。水は、スタックタイプ23のPEM電解装置の水導入用接続口(=水接続口投入口)39から流路タイプI14に分配されなければならない。同時に、I型水路14から、水を排出するための水接続口(=水接続口)40に水を送らなければならない。これは、例えば、エンドプレート33が厚くなりすぎ、エンドプレート33が厚くなりすぎるとスタックタイプ23のPEM電解装置が重くなりすぎるため、エンドプレート33に利用できない可能性のあるスペースを必要とする。
【0085】
発明が解決しようとする課題
本発明は、スタック型23のPEM電解装置用の蓋37である。本発明による蓋37は、エンドプレート33全体を不必要に厚くすることなく、水のためにできるだけ多くの空間を形成する構造を有する。
【0086】
本発明の主題は、スタックタイプ23のPEM電解装置のための蓋37であって、エンドプレート33、例えば上部エンドプレート38が、水の導入のための少なくとも1つの水接続部39と、水の排出のための少なくとも1つの水接続部40と、少なくとも2つの分配器カバー41とを備え、水のための空間を形成するための上部エンドプレート38が、エンドプレート42に少なくとも2つの水の分配のための空間を有し、少なくとも2つの分配器カバー41のそれぞれが、分配器カバー43に水の分配のための空間を有する、蓋37である、スタックタイプ23のPEM電解装置への水の導入のための少なくとも1つの分配器カバー43が、水の導入のための少なくとも1つの水接続部39およびエンドプレート42内の水の分配のための空間に接続され、スタックタイプ23のPEM電解装置からの水の排出のための少なくとも1つのさらなる分配器カバー43が、水の排出のための少なくとも1つの水接続部40およびエンドプレート42内の水の分配のための空間に接続される。
【0087】
本発明の主題は、本発明による蓋37からなる、本発明によるスタックタイプ23のPEM電解装置である。本発明の主題は、本発明による蓋37からなる、本発明によるスタックタイプ23のPEM電解装置である。
【0088】
電気化学セル2の個々のフレーム1およびスタックタイプ23のPEM電解装置の個々のフレーム1を、特に高圧または高い差圧で完全にシールするためには、エンドプレート33または上部エンドプレート38および下部エンドプレート44を、十分なボルト力または接触圧で支承しなければならない。その後、シール材22からなるコーティングがシールとして機能し、個々のフレーム1、陽極フレーム8および陰極フレーム11を完全にシールする。大きなフレーム表面を持つフレーム1を使用する場合、エンドプレート33を完全にシールするようにクランプするのに必要な接触圧力はさらに高くなる。大きなフレーム面積を有するフレーム1の場合、陽極フレームのコア21および陰極フレームのコア21がシール材22からなるコーティングで完全に被覆されている場合、接触圧は特に高く、すなわち陽極フレーム8の第1の面4上のシール材22からなるコーティングの面積が大きく、かつ大きな第1の開口部6を有し、すなわち第1の開口部27の第1の面が長く、場合によっては第1の開口部28の第2の面が長い。大きなフレーム面積とは、例えば、1600cmまたはそれ以上を意味する。好ましい実施形態では、陽極フレーム8のフレーム表面全体がシールのために必要なわけではない。特定の実施形態では、正極フレーム11のフレーム表面全体がシールのために必要ではない。接触圧力を低減するために、シール材22からなるコーティングの厚さは、コア21の表面のうちシールに必要でない領域において低減することができる。対応する陽極フレーム8または陰極フレーム11は、シール材22からなるコーティングが層厚を有するコア21上の領域と、シール材22’’からなるコーティングがシール材22からなるコーティングの層厚と比較して低減された層厚を有するコア21上の領域(図10b、図14)とから構成される。コア21の表面の、シールに必要とされない領域におけるシール材22’’からなるコーティングの層厚は、コア21の表面の、活性領域(活性領域=第1および第2の開口部6+9)およびチャネルタイプIおよびタイプII14+15のシールに必要とされる領域におけるシール材22からなるコーティングの層厚よりも0.05mm以上、例えば0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上小さい。接触圧力を低減するために、シール材22からなるコーティングの厚さは、正極フレーム11または負極フレーム8用のコア21の表面の領域のうち、シールに必要でない領域、例えば、以下の領域で低減することができる。例えば、コア21の表面のうち、活性領域(第1および第2の開口部6+9)およびチャネルタイプIおよびタイプII14+15のシールに必要でない領域において、シール材22’’からなるコーティングの層厚を0.05mm以上、例えば0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上減少させる。
【0089】
陽極枠8および/または陰極枠11の芯金21の表面のうち、シール材22からなる皮膜の層厚が減少していない領域は、スタック型電解装置23をクランプした際に主に圧力を受ける(図1、10~15MPa)。コア21の表面上のシール材22からなるコーティングが低減されていない層厚を有するシール領域は、例えば、第1の内側開口部6または第2の内側開口部9の周囲、およびチャネルタイプI14およびチャネルタイプII15の周囲(図10b、図14)において、0.2mm以上、例えば0.5mmまたは1mm以上、好ましくは1.5mmまたは2mm以上の距離で配置されるコア21の表面の領域のように定義することができる。距離は様々である。第1の開口部6、第2の開口部9、I型流路14の配置、II型流路15までの距離は、シール材22からなるコーティングが非減少層厚を有する場合、同じでも異なっていてもよい。特定の実施形態では、シーリング材からなるコーティング22は、シーリング材からなるコーティング22’’が低減された層厚を有するアノードフレーム8またはカソードフレーム11のコア21の表面の領域または表面の領域の一部において、ゼロの層厚を有することができる、すなわち、特定の実施形態では、表面のこの領域において、コア21はシーリング材からなるコーティング22’’で被覆されない。陽極フレーム8または陰極フレーム11のコア21の表面の特定の領域において、シール材22’’からなるコーティングの層厚を減少させることにより、コア21の表面を同じ層厚で完全に被覆するシール材22からなるコーティングと比較して、圧縮されなければならない領域を例えば50%減少させることができる。これにより、スタックタイプ23のPEM電解装置のフレーム1を押圧するのに必要な接触圧力も最大50%低減される。
【0090】
本発明の有利な実施形態のさらなる利点は、製造コストである。チャネルタイプII15は、各陽極フレーム8および各陰極フレーム11から削り出されるのではなく、一旦工具に移される。ある工具は陽極フレーム8のネガであり、別の工具は陰極フレーム11のネガである。II型チャネル15は、工具に移され、スタンプのように、シール材22、好ましくはゴム、例えばEPDMからなるコーティングに仮想的に挿入される。工具の助けを借りて、金属コア21は、加硫により、シール材、好ましくはゴム、例えばEPDMで被覆され、チャネルタイプII15は、本発明に従って、陽極フレーム8および/または陰極フレーム11の所望の領域に同時に製造される。陽極枠8および/または陰極枠11の加硫により製造された成形部品またはゴム成形部品は、直接使用することができ、低コストで大量に製造することができる。別の方法として、例えば射出成形や3D印刷が知られている。
【0091】
スタックタイプ23のPEM電解装置は、好ましくは、CCM13に電圧ピークが生じないように、すべての構成要素が滑らかで均質な表面を有するように設計される。ガス圧下でCCM13がPTLアノード7および/またはPTLカソード10の細孔24に這入らないようにするために、例えば、細孔直径<0.1mmのPTLアノード7および/またはPTLカソード10が使用される。例えば、いわゆる「マイクロポーラス層」、すなわち特に均質な表面を有するPTLを、PTLアノード7および/またはPTLカソード10として使用することができる。
【0092】
好ましくは、本発明によるスタックタイプ23のPEM電解装置は、摂氏10度から95度の温度範囲、好ましくは摂氏40度から80度の温度範囲、特に好ましくは摂氏68度から72度の温度範囲の水の電気分解のために使用される。本発明によるスタックタイプ23のPEM電解装置はまた、スタックの一方の側から他方の側への温度差が、好ましくは最大0~10℃、好ましくは最大3~7℃、特に好ましくは最大4℃であるという利点を有する。
【0093】
陽極フレーム8および陰極フレーム11は、封止および陽極フレーム8または封止および陰極フレーム11がそれぞれ1つの部品で構成されているため、容易に接合して組立済みモジュール20を形成することができる。好ましくは、PTL陽極7に接続されたBPP16、すなわちBPP/陽極36が、組立済みモジュール20を製造するために使用される。例えば、BPP16とPTLアノード7が溶接され、BPP16とPTLアノード7が1つの部品BPP/PTLアノード36として存在する。組立済みモジュール20を製造するには、まず陽極フレーム8をBPP/PTL陽極36の陽極7またはPTL陽極7に挿入または押し付けます。例えば、陽極フレーム8は、陰極フレーム11への接続手段としての第1のピン19に加えて、BPP16またはBPP/PTL陽極36への接続手段としての第2のピン19も有することができ、BPP16に挿入することができる。この目的のために、BPP16またはBPP/PTL陽極36のBPP16は、陽極フレーム8に接続するための対応する手段、好ましくは穴18を備えている。挿入または圧入されたPTL陽極7およびBPP16またはBPP/PTL陽極36を有する陽極フレーム8は、次に裏返され、陰極フレーム11も、陽極フレームへの接続手段、好ましくは孔18を有する陽極フレーム8の反対側に挿入され、それによって陽極フレーム8に接続され得る。その後、PTLカソード10をカソードフレーム11に挿入または圧入する(図6)。組立済みモジュール20が得られる。組立済みモジュール20は、組立済みモジュール3のスタックまたはスタックタイプ23のPEM電解装置を製造するために、例えばセンタリングピンを介してCCM13と交互に積み重ねることができる。
【0094】
参考標識
フレーム 1
PEM電解セル 2
組み立て済みモジュールのスタック20 3
フレーム1の第1面 4
陽極枠8の第一面4と反対側の面 4’’
フレーム1の第2面 5
カソードフレーム11の第2面5とは反対側の面 5’’
最初のオープニング 6
多孔質輸送層(PTL)陽極 7
シングルPTLアノード 7’
陽極フレーム 8
セカンド・オープニング 9
多孔質輸送層(PTL)カソード 10
シングルPTLカソード 10’
カソードフレーム 11
ステップ 12
触媒コーティング膜(CCM) 13
チャネル・タイプI 14
チャネル・タイプII 15
バイポーラプレート(BPP) 16
ギャップ 17
穴 18
ピン 19
組み立て済みモジュール 20
コア 21
シール材によるコーティング 22
シール材22のコーティングの層厚を薄くした。 22’’
スタック型PEM電解装置 23
クロール 24
ラバーリップ 25
2つの水路の間の標高タイプII15 26
活動領域周辺の密閉効果を高める円周方向の隆起26 26’’
陽極枠8の第1開口部6の第1側面 27
カソードフレーム11の第2開口部9の第1側面 27’
陽極枠8の第一開口部6の第二側面 28
カソードフレーム11の第2開口部9の第2側面 28’
陽極枠8の第一開口部6の第三側面 29
カソードフレーム11の第2開口部9の第3側面 29’
陽極枠8の第1開口部6の第4側面 30
正極枠11の第2開口部9の第4側面 30’
チャネル・エッジ・タイプI14 31
断熱パネル 32
エンドプレート 33
タイロッド 34
集電板 35
BPP16とPTLアノード7が接続されている(=BPP/PTLアノード) 36
スタック型PEM電解装置用蓋23 37
アッパーエンドプレート 38
水導入のための水接続(=水接続入力) 39
放水用水接続口(=水接続口) 40
ディストリビューターカバー 41
上部エンドプレート38の配水用スペース 42
ディストリビューターカバー内の配水スペース 43
下部エンドプレート 44
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1】フレーム1、触媒コーティング膜(CCM)13、バイポーラプレート(BPP)16、PTLアノード7、フレーム1とPTLアノード7およびフレーム1とPTLカソード10の間にギャップ17を有するPTLカソード10を備えた、最新技術によるPEM電解セルの古典的構造。フレーム1には、水とガスを供給および除去するためのI型チャネル14が設けられている。
図2】フレーム1が変形し、フレーム1とPTL陽極7およびフレーム1とPTL陰極10との間に大きな隙間17が形成され、フレーム1とPTL陽極7およびフレーム1とPTL陰極10との間の拡大された隙間17にCCM13のクロール24が入った図1によるフレーム1。
図3a】本発明によるフレーム1の一部を示し、このフレーム1は、シール材22からなるコーティングで被覆されたコア21からなり、シール材22からなるコーティングにチャネルタイプII15が形成されている。
図3b】本発明によるフレーム1の一部を示す。フレーム1は、シール材22でできたコーティングでコーティングされたコア21と、シール材22でできたコーティング内のチャネルタイプIIの一部15からなる。
図4】ここに示す本発明による陰極フレーム11は、陰極フレーム11の第1の側面27’、第2の側面28’、第3の側面29’および第4の側面30’によって縁取られる第2の開口部9を有する。カソードフレーム11は、アノードフレーム8と接続するための接続要素としての2つの穴18と、20のチャネルタイプI14とから構成される。カソードフレーム11は、第2の側面5上に、第2の開口部9を10個のチャネルタイプI14に接続する複数のチャネルタイプII15を有し、各チャネルタイプI14は、複数のチャネルタイプII15によって第2の開口部9に接続される。陰極フレーム5’’の第二の側面5とは反対側の側面には、I型チャネル14と第二の開口部9とを接続するII型チャネル15は存在しない。
図5】ここに示す本発明による陽極フレーム8は、陽極フレーム8の第1の側面27、第2の側面28、第3の側面29および第4の側面30によって縁取られた第1の開口部6を有する。陽極フレーム8は、陰極フレーム11に接続するための接続要素としての2つのピン19と、この具体例では、さらに、I型14の20の流路とからなり、陽極フレーム8と陰極フレーム11とが接続されたときに、水およびガスの供給および除去のために陰極フレーム11のI型14の20の流路と相互作用できるように配置されている。陽極枠8は、第一面4にII型チャネル15を有し、第一開口部6をI型チャネル14の10本のチャネルと接続している。陽極フレーム4’’の第1の側面4と反対側の側面には、I型チャネル14と第1の開口部6とを接続するII型チャネル15はない。陽極フレーム8は、シール材22、好ましくはゴムからなるコーティングで構成されている。この陽極フレーム8は、シール材製のリップ、好ましくはゴム製のリップ25を備えている。
図6】工程ステップを有する組立済みモジュール20の製造方法を概略的に示すa)初期位置:b)第1ステップ:陽極フレーム8のピン19をBPP/PTL陽極36の穴19に挿入する。c)第2ステップ:b)からの配置を裏返すと、BPP/PTL陽極36のBPP16側が見える。d)第3ステップ:陰極フレーム11を配置に挿入する。e)第4ステップ:PTL陰極10を第2の開口部9に挿入する。
図7】組立済みモジュール20の分解斜視図。組立済みモジュール20を構成する部品を見ることができる:カソードフレーム11、アノードフレーム8、BPP/PTLアノード36、PTLカソード10、組立済みモジュール20におけるカソードフレーム11、アノードフレーム8、BPP/PTLアノード36、PTLカソード10の配置を示す。個々の部品が好ましくは組み立てられる順序も示されている。カソードフレーム11のタイプIIチャネル15は、カソードフレーム11の見える側とは反対側に配置されている。これはフレーム5の第2面である。この視点からは見えない。フレーム5の第2面におけるそれらの配置は、陰極フレーム5’’の第2面とは反対側の面に薄い灰色で示されている。
図7a】組立済みモジュール20を平面図で示す。組立済みモジュール20に属する4つの部品がすべて見える:カソードフレーム11、アノードフレーム8、BPP/PTLアノード(36)、PTLカソード10。II型チャネル15はすべてBPP/PTLアノード36の方向に配置されており、したがって組立済みモジュール20の内部に配置されているため、組立済みモジュール20では見えない。モジュール20内部のチャネルタイプII15の配置は、カソードフレーム11の見える側(=カソードフレームの第2の側=5’’と反対側のフレームの側)に薄い灰色で示されている。
図7b】組立済みモジュール20の側面図。陽極フレーム8と陰極フレーム11が接続されている。PTL陽極7は陽極フレーム8に挿入され、PTL陰極10は陰極フレーム11に挿入される。BPP16は陽極フレーム8と陰極フレーム11の間に配置されている。陽極フレーム8と陰極フレーム11は、第1の開口部6が第2の開口部9よりも大きいため、段差12を形成する。BPP16は、PTL陰極10、段差12および陰極フレーム11上に配置され、その反対側をPTL陽極7および陽極フレーム8上に載せる。
図7c図7bの組立済みモジュール20の一部の拡大断面図であり、ステップ12が明確に示されている。
図8】本発明によるスタックタイプのPEM電解装置、すなわち組立済みモジュール3のスタックの概略構造の断面を示す。この配置は、3つのPEM電解セル2を備えたスタックを示している。矢印は、40バールの差圧下で行われる高圧水素電解中のガス圧の方向を示す。
図8a】段差12を有するPEM電解槽2の一部の拡大断面図。矢印は、差圧でCCM13に増大した圧力が作用する方向を示す。
図9a】陰極フレーム11の例示的な寸法。チャネルタイプII15は、第2の開口部9をチャネルタイプI14と接続し、これらは第2の開口部28’の第2の側面に沿って、および第2の開口部30’の第4の側面に沿って配置される。それぞれの場合において、複数のII型チャネル15が第2開口部9とI型チャネル14とを接続している。個々のII型流路15は、高台26によって互いに分離されている。
図9b図9aに示したカソードフレーム11に一致するアノードフレーム8の例示的な寸法。チャネルタイプII15は、第1の開口部6をチャネルタイプI14と接続しており、これらのチャネルタイプI14は、第1の開口部27の第1の側面に沿って、および第1の開口部29の第3の側面に沿って配置されている。それぞれの場合において、幾つかのII型チャネル15が第一開口部6とI型チャネル14とを接続している。個々のII型流路15は、高台26によって互いに分離されている。
図10a】陽極フレーム8の実施形態を示す。陽極フレーム8は、I型チャネル14とII型チャネル15とからなり、II型チャネル14はフレーム4の第1面に扇形に配置されている。この実施形態では、陽極フレーム8は四角形であり、四角形の第1の開口部6と20個のチャネルタイプI14とから構成され、チャネルタイプI14のうちの5個が陽極フレームの4つの側面のそれぞれに配置されている、すなわち、第1の開口部27の第1の側面は5個のチャネルタイプI14から構成され、第1の開口部28の第2の側面は5個のチャネルタイプI14から構成され、第1の開口部29の第3の側面は5個のチャネルタイプI14から構成され、第1の開口部30の第4の側面は5個のチャネルタイプI14から構成されている。陽極フレーム8の対向する2つの側面において、5つのチャネルタイプII14はそれぞれ8つのチャネルタイプII15に接続されている。各流路II型15は、流路I型14及び第一開口部6に接続されている。II型チャネル15は、フレーム4の第1側面に扇形に配置され、第1開口部27の第1側面と第1開口部29の第3側面に沿って等間隔に配置されている。
図10b】陽極フレーム8を示す。陽極フレーム8は、チャネルタイプI14からなり、チャネルタイプI14の一部は円形形状を有し、チャネルタイプI14の一部は楕円形状を有する。陽極フレーム8は、陽極フレーム8のコア21(コアは図示せず)上に配置されたシール材からなるコーティング22を備える。シール材22からなる被膜は層厚を有し、この層厚は縁取り領域として示されている。縁取りされた領域を囲む線は、活性領域26’’の周囲の密封効果を高めるための周方向高さ26である。チャネルタイプI14およびチャネルタイプII15と第1の開口部6とを囲む負極フレーム8の領域は、層厚のシール材22からなるコーティングで被覆されている。陽極枠8のこの領域における芯材21上のシール材からなる被覆22の厚さは1.2mmである。陽極フレーム6のコア21の残りの部分(境界線の外側に示され、22’と表示されている)は、シール材22からなるコーティングの層厚に比べて、シール材22からなるコーティングの層厚が減少した22’’を有する。陽極フレーム8のこの領域におけるコア21上のシール材22’’からなるコーティングの減少した層厚は0.3mmである。
図10c】陽極フレーム8を斜視側面図で示す。これは、陽極フレーム8のこの領域で定義された層厚を有するシール材22でできたコーティングの窪みとして設計されたチャネルタイプII15を示す。II型15の個々の隣接するチャネルは、高台(=定義された層厚を有する封止材22からなるコーティングを有する領域)によって分離されている。
図10d図10cの陽極フレーム8の断面を示す。
図10e】陰極フレーム11を示す。カソードフレーム11はI型チャネル14からなり、I型チャネル14の一部は丸い形状を有し、I型チャネル14の一部は楕円形の形状を有する。楕円形のI型チャネル14は、II型チャネル15を介して第2の開口部9に接続されている。カソードフレーム11は、単一電圧測定を隔離するためのゴムリップ25から構成される。陽極フレーム8も同様の配置を有することができる。
図11】カソードフレーム11とアノードフレーム8からなる組立済みモジュール20(PTLカソード10なし、CCM13なしで示す)の一実施形態を示す。段差12は、第1の開口部6と第2の開口部9の大きさが異なることによって形成されている。段差12の一部にはII型チャネル15が配置されているが、正極フレーム11に覆われているため、部分的にしか見えない。
図12】PEM電解セル2のスタック、絶縁プレート32、エンドプレート33、タイロッド34および集電プレート35を備えた、本発明によるスタックタイプ23のPEM電解装置を示す。
図13】PTL陽極7の好ましい実施形態を示しており、BPP16が陽極7に接続されてBPP/PTL陽極36を形成している。
図14図10bに示すようなアノードフレーム8を有する本発明によるPEM電解セル2内の圧力分布を示す。このセルは、2枚のエンドプレート33の間に規定のトルクで締め付けられた。アノードフレーム8と適合するカソードフレーム11の間には、CCM13の代わりに、異なる圧力で異なるトリガーを発する感圧箔が配置された。感圧フォイルを評価することにより、陽極フレーム8のどの領域でどの圧力が優勢であるかが決定された。10~15MPaの最も高い圧力は、コア21がシール材22からなるコーティングで被覆されている陽極フレーム8の領域、すなわち、例えば、第1の開口部27の第1の側に沿って、および第1の開口部29の第2の側に沿って、およびチャネルタイプI14の周囲の領域にある。陽極フレーム8のこの領域は、シール材22’’からなるコーティングの層厚が減少した領域よりも0.2mm厚い層厚を有する。第1の開口部6をチャネルタイプI14に接続するチャネルタイプII15および高台26が配置される領域は、ここから除外される。この領域では、圧力はわずか1~2MPaである。陽極枠8の外縁部において、コア21がシール材22からなる被覆に比べて減少した層厚(=シール材22’’からなる被覆の減少した層厚)で被覆されている領域では、圧力はさらに低く、0.1~0.5MPaである。
図15a】スタックタイプ23のPEM電解装置用の本発明による蓋37を示す。蓋37はエンドプレート33、例えば上部エンドプレート38で構成され、このエンドプレート33は2つの分配器カバー41に接続され、1つの分配器カバー41、入力39用の水接続部を構成し、もう1つの分配器カバー41は排出口40用の水接続部を構成する。
図15b】スタックタイプ23のPEM電解装置の蓋37を、エンドプレート42内の配水空間およびエンドプレート42内の配水空間に接続されたI型流路14がエンドプレート33内に見えるように、分配器カバー41を取り外した状態で示している。
図15c】スタックタイプ23のPEM電解装置用の、本発明による蓋37用の分配器カバー41を示し、分配器カバー43内の水分配用の空間が見える。
図15d】本発明による蓋37内で水がどのように分配されるかをシミュレーションした図である。この図には、蓋37の異なる箇所と、I型流路14への移行部における異なる流速も示されている。
図16】I型チャネル14とII型チャネル15、およびシール材22でコーティングされた領域と層厚を薄くしたシール材22’’でコーティングされた領域を配置した陽極フレーム7を示す。II型チャネル15は、I型チャネル14の一部と第1開口部6とを接続しています。これらの流路は、第一開口部27の第一側面に沿って、および第一開口部29の第三側面に沿って、一定の間隔で配置されており、各流路II型15が第一開口部6または活性領域の同じ領域に水を導入するか、または水およびガスを排出するようになっている。
図16a図16の陽極フレームの拡大断面図である。
図16b図16の陽極フレームの拡大断面図である。
図16c図16の陽極フレームの拡大断面図である。
図17】I型チャネル14とII型チャネル15、およびシール材22でできたコーティングが施された領域と層厚を薄くしたシール材22’’でできたコーティングが施された領域を配置したカソードフレーム11を示す。II型チャネル15は、I型チャネル14の一部と第2開口部9とを接続しています。これらは、第2の開口部28’の第2の側面に沿って、および第2の開口部30’の第4の側面に沿って、一定の間隔で配置されており、各流路II型15が、第1の開口部6または活性領域の同じ領域に水を導入するか、または水およびガスを排出するようになっている。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6a)】
図6b)】
図6c)】
図6d)】
図6e)】
図7
図7a
図7b-7c】
図8
図8a
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図15c
図15d
図16
図16a
図16b
図16c
図17
図17a
図17b
図17c
【国際調査報告】