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特表2024-536520ネイルステッカー、該ネイルステッカーの製造方法、該ネイルステッカーを含むネイルステッカーセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ネイルステッカー、該ネイルステッカーの製造方法、該ネイルステッカーを含むネイルステッカーセット
(51)【国際特許分類】
   A45D 31/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A45D31/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522475
(86)(22)【出願日】2023-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 KR2023006766
(87)【国際公開番号】W WO2023224407
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0062246
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0119370
(32)【優先日】2022-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524139817
【氏名又は名称】グルーガ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GLLUGA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オム,ジュンギル
(72)【発明者】
【氏名】アン,チェパク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョソプ
(57)【要約】
本発明は、紫外線によって硬化可能なネイルステッカーであって、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線によって硬化可能なネイルステッカーであって、
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含む、
ネイルステッカー。
【請求項2】
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、前記ネイルステッカーの中心部が前記床から離隔している、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項3】
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、25℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が4%以下である、
請求項1に記載のネイルステッカー。
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、
前記Bは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置されてから1時間後に測定したネイルステッカーの幅の最大値を意味する。
【請求項4】
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、25℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が2.1%以下である、
請求項1に記載のネイルステッカー。
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、
前記Bは、前記ネイルステッカーが平坦な床上に配置されてから1時間後に測定した前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味する。
【請求項5】
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、-10℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が0.2%以下である、
請求項1に記載のネイルステッカー。
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、
前記Bは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置されてから1時間後に測定した前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味する。
【請求項6】
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、40℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が6%以下である、
請求項1に記載のネイルステッカー。
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、
前記Bは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置されてから1時間後に測定した前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味する。
【請求項7】
前記ネイルステッカーは、少なくとも1つ以上のコーティング層を含み、
前記コーティング層は、紫外線硬化原料を含む、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項8】
前記ネイルステッカーは、基材層を含み、
前記基材層は、接着層を含む、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項9】
接着層は、前記ネイルステッカーの下側に位置し、前記ネイルステッカーの下面の少なくとも一部を構成する、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項10】
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーを平坦な床に置いて、前記ネイルステッカーの上面をIMADA社のPUSH GAGE装置を用いて10Nの力で押したとき、前記ネイルステッカーの中心部の下面が前記床に接する、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項11】
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記平坦な床上に前記ネイルステッカーを置いたとき、前記ネイルステッカーの縁のうち少なくとも一部は前記平坦な床に接する、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項12】
前記ネイルステッカーは、ソフト層を含み、
前記ソフト層は、ソフト層用樹脂を含み、
前記ソフト層用樹脂は、セルロースアセテートブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネートのうち少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項13】
ネイルステッカーの製造方法において、
前記ネイルステッカーの製造方法は、
紫外線によって硬化可能な予備ネイルステッカーを支持構造体に含まれた支持部上に配置する第1段階と、
前記予備ネイルステッカーの上面に向かって圧力を加えて、前記予備ネイルステッカーの下面を前記支持部の上面に密着させる第2段階と、を含み、
前記支持部は、上部に向かって凸の曲面を有し、
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含む、
ネイルステッカーの製造方法。
【請求項14】
前記第1段階において、
前記予備ネイルステッカーが前記支持部上に配置される前、
紫外線によって硬化される前の前記予備ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記平坦な床上に前記ネイルステッカーを置いたとき、前記予備ネイルステッカーの下面が平坦である、
請求項13に記載のネイルステッカーの製造方法。
【請求項15】
前記第2段階後、
前記支持部上に密着した予備ネイルステッカーに熱を加える第3段階をさらに含む、
請求項13に記載のネイルステッカーの製造方法。
【請求項16】
前記第3段階にて加えられる熱は、30℃~70℃の温度の熱である、
請求項15に記載のネイルステッカーの製造方法。
【請求項17】
支持部を含む支持構造体と、
前記支持部の上面に貼り付けされたネイルステッカーと、を含み、
前記支持部の上面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含み、
前記ネイルステッカーは、紫外線によって硬化可能であり、
紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含む、
ネイルステッカーセット。
【請求項18】
前記ネイルステッカーの下面の50%以上が前記支持部の上面と接している、
請求項17に記載のネイルステッカーセット。
【請求項19】
前記支持部から前記ネイルステッカーを剥がし、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、前記ネイルステッカーの中心部が前記床と離隔している、
請求項17に記載のネイルステッカーセット。
【請求項20】
前記支持部から前記ネイルステッカーを剥がし、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、25℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が4%以下である、
請求項17に記載のネイルステッカーセット。
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、
前記Bは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置されてから1時間後に測定した前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味する。
【請求項21】
前記支持部の上面の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびシリコーンからなる群から選択される少なくともいずれかを含む、
請求項17に記載のネイルステッカーセット。
【請求項22】
前記支持構造体は、2以上の支持部を含み、
前記ネイルステッカーセットは、2以上のネイルステッカーを含む、
請求項17に記載のネイルステッカーセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネイルステッカー、該ネイルステッカーの製造方法、該ネイルステッカーを含むネイルステッカーセットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒトが追求する身体的美しさを表現する方式の1つとして、美容産業は発達が加速化するとともに細分化している。特に、20世紀以来、急激な市場拡大とともに一般人に美容産業は大衆化し始めた。美容産業の中でも、ネイルアート(nail art)は、年齢や性別を問わず、身体に対する表現芸術に不可欠な要素として近年急激に発展を成し遂げている。
【0003】
本来、ネイルアートは、美容芸術の1つの分野であって、ヒトのボディーを美しく飾るための方法の1つであり、爪の長さや形状若しくは色は時代の文化の変化と価値を反映して表現されてきた。
【0004】
ネイルアートの中でも人工的に作製した指の爪または足の爪の形状のネイルステッカーが多くの人々に使われている。以前は、指の爪または足の爪の形状のように曲線を描き、湾曲した形状にネイルステッカーが製造され、消費者に供給された。このようなネイルステッカーは射出物として、硬く固まった状態で消費者に供給された。ただ、ヒトそれぞれ指の爪または足の爪の形状(特に曲率)が異なっているがため、もともと湾曲した形状を有するネイルステッカーと消費者の指の爪または足の爪が密接に接着しにくいという問題があった。
【0005】
これを解決するための方法として、紫外線硬化原料を含むネイルステッカーが最近になって脚光を浴びている。具体的には、紫外線硬化原料を含むネイルステッカーは、下面が平坦な形状を有しており、使用者(消費者)は自分の指の爪または足の爪に合わせて前記ネイルステッカーを変形させ、その後、紫外線を照射して前記ネイルステッカーを硬化させる。これによって消費者の指の爪または足の爪と前記ネイルステッカーを密接に接着させることができるため、前記ネイルステッカーの接着力を改善させることができる。このようなネイルステッカーはジェルネイルステッカーとも呼ばれる。
【0006】
なお、色んな理由により、ジェルネイルステッカーの厚さがやや厚くなることがある。例えば、ジェルネイルステッカーの長さが長くて、指の爪または足の爪と重畳する部分の外に、前記指の爪または足の爪の端部からさらに延びた形状を有するジェルネイルステッカーの場合、その形状を維持するために厚さが厚くなることがある。また、必ずしも前記のような理由でなくても、美容上の理由でジェルネイルステッカーの厚さをやや厚くすることがある。
【0007】
このようにジェルネイルステッカーの厚さが厚かった場合、使用者が自分の指の爪または足の爪に合わせてジェルネイルステッカーに力を加えて形状を変形させても、ジェルネイルステッカーが元の形に戻りやすくなる。そのため、自分の指の爪や足の爪の形状に合わせてジェルネイルステッカーを着用することが難しい。
【0008】
したがって、使用者が指の爪または足の爪により効果的にジェルネイルステッカーを着用することができる新たな技術が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2019-0014044号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする一課題は、使用者が自爪(指の爪または足の爪)の形状に合うように容易に成形することができるネイルステッカーを提供することである。
【0011】
本発明が解決しようとする他の課題は、前記ネイルステッカーを製造する製造方法を提供することである。
【0012】
本発明が解決しようとするまた他の課題は、前記ネイルステッカーを含むネイルステッカーセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例によれば、紫外線によって硬化可能なネイルステッカーにおいて、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むネイルステッカーが提供される。
【0014】
本発明の他の実施例によれば、ネイルステッカーの製造方法が提供され、前記ネイルステッカーの製造方法は、紫外線によって硬化可能な予備ネイルステッカーを支持構造体に含まれた支持部上に配置する第1段階;および、前記予備ネイルステッカーの上面に向かって圧力を加え、前記予備ネイルステッカーの下面を前記支持部の上面に密着させる第2段階;を含み、前記支持部は、上部に向かって凸の曲面を有し、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は、前記ネイルの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含む。
【0015】
本発明のまた他の実施例によれば、支持部を含む支持構造体;および、
前記支持部の上面に付着したネイルステッカー;を含み、前記支持部の上面は、前記ステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含み、前記ネイルステッカーは紫外線によって硬化可能であり、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むネイルステッカーセットが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、下面が平坦な既存のネイルステッカーに比べて、本発明の硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むため、使用者が自爪の形状に合うようにネイルステッカーをより容易に成形することができる。
【0017】
また、使用者がネイルステッカーを貼り付け、硬化させる一連の過程でも成形されたネイルステッカーが成形された形状を良好に維持することができるため、使用者が簡便に利用することができ、より使用者のネイルに合ったネイルステッカーの着用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例によるネイルステッカーの模式図である。
図2】本発明の一実施例によるネイルステッカーの写真である。
図3】本発明の一実施例によるネイルステッカーの上面図である。
図4図3のxx′に沿って確認したネイルステッカーの断面図である。
図5】支持部上に配置される前の予備ネイルステッカーの断面図である。
図6】本明細書にて述べる支持部の模式図である。
図7】本発明の他の実施例によるネイルステッカーの製造方法を説明するための模式図である。
図8】本発明の他の実施例によるネイルステッカーの製造方法を説明するための模式図である。
図9】本発明の他の実施例によるネイルステッカーの製造方法を説明するための模式図である。
図10】本発明の一実施例によるネイルステッカーセットの模式図である。
図11】本発明の一実施例によるネイルステッカーセットの写真である。
図12】本発明の一実施例によるネイルステッカーセットの写真である。
図13】本発明の実施例1によるネイルステッカーの写真であり、具体的に本発明にて述べるネイルステッカーの製造方法において、第1段階~第3段階を経て製造されたネイルステッカーをすぐに支持部から剥がした直後の写真である。
図14】本発明の実施例1によるネイルステッカーの写真であり、具体的に本発明にて述べるネイルステッカーの製造方法において、第1段階および第2段階を経た後、ネイルステッカーを支持部から剥がしてから24時間放置した写真である。
図15】本発明の実施例2によるネイルステッカーの写真であり、具体的に本発明にて述べるネイルステッカーの製造方法において、第1段階および第2段階を経て製造されたネイルステッカーをすぐに支持部から剥がした直後の写真である。
図16】本発明の実施例2によるネイルステッカーの写真であり、具体的に本発明にて述べるネイルステッカーの製造方法において、第1段階および第2段階を経た後、ネイルステッカーを支持部から剥がしてから24時間放置した写真である。
図17】本発明の比較例1によるネイルステッカーの写真であり、製造されたネイルステッカーをすぐに支持部から剥がした直後の写真である。
図18】本発明の比較例1によるネイルステッカーの写真であり、具体的に本発明にて述べるネイルステッカーの製造方法において、第1段階および第2段階を経た後、ネイルステッカーを支持部から剥がしてから24時間放置した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができることから、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明に詳しく説明する。
【0020】
しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に対して限定することを意図するものではなく、本発明の思想および技術の範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むことを理解すべきである。本発明の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0021】
本出願にて使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに他に意味するものでない限り、複数の表現を含む。
【0022】
本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものであることを理解すべきである。
【0023】
本発明において、「上」に配置または位置するとは、直接当接した状態で対象の上に存在することだけでなく、離隔した状態で対象の上に配置または位置することを意味することができる。
【0024】
本明細書におけるネイル(nail)とは、指の爪および/または足の爪を意味する。
【0025】
本発明にて測定される厚さは、keyenceのVHX-970F装置を介して確認することができる。
【0026】
本明細書において、ある構成の「最大厚さ」とは、当該構成の下面の任意の支点から垂直方向に沿って測定された前記構成の厚さのうち、最も厚い肉厚を意味する。
【0027】
本明細書におけるネイルステッカーの上面は、図1および図4のR方向を上部方向としたとき、前記上部方向に向かって露出した面を意味する。具体的には、前記ネイルステッカーの上面は、コーティング層が外部に露出する面であることができる。本明細書におけるネイルステッカーの下面は、図1および図4のR′方向を下部方向としたとき、前記下部方向に向かって露出した面を意味する。具体的には、前記ネイルステッカーの上面は、基材層(具体的には基材層の接着層)が外部に露出する面であることができる。
【0028】
本明細書において、変形率を確認するためのテストは、図2のように平坦な床上にネイルステッカーを置いた状態で行うことができる。
【0029】
本発明のネイルステッカーは、使用者本人のネイルに当接するようにネイルステッカーの形状を使用者が任意に変形させることができ、ネイルステッカーを使用者のネイルに貼り付けた状態で、紫外線照射によって硬化され得るネイルステッカーを意味することができる。このようなネイルステッカーは、ジェルネイルステッカー(gel nail sticker)とも呼ばれる。
【0030】
したがって、本発明のネイルステッカーは、紫外線によって硬化されない(使用者が紫外線を照射していない状態)状態のネイルステッカーを意味することができる。言い換えれば、本発明の一実施例のネイルステッカー、本発明の他の実施例のネイルステッカーの製造方法にて製造されるネイルステッカー、本発明のまた他の実施例のネイルステッカーセットに含まれているネイルステッカーの全部、紫外線によって硬化されていない(使用者が紫外線を照射していない状態)状態のネイルステッカーを意味することができる。
【0031】
本明細書において、紫外線照射によってネイルステッカーを硬化させる際、前記紫外線照射の条件は、100nm~400nm波長の紫外線を100W~1800Wの出力で10秒~40秒間照射することを意味することができる。
【0032】
<ネイルステッカー>
前記ネイルステッカーとは、ネイル(指の爪および/または足の爪)に貼り付ける用途として製造された人工的な積層構造体を意味する。貼り付ける用途として考慮する際、ネイルアート、ネイルアートステッカーとも呼ばれる。
【0033】
具体的には、消費者が前記ネイルステッカーを供給されると、消費者は前記ネイルステッカーをネイル上に密着するように前記ネイルステッカーの形態を変形させながら前記ネイルアートをネイル上に貼り付けて、その後、紫外線を照射して前記ネイルステッカーを硬化させることができる。
【0034】
本発明の一実施例によるネイルステッカーは、紫外線によって硬化可能なネイルステッカーであり、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むことができる。
【0035】
図1は、本発明の一実施例によるネイルステッカーの模式図であり、図2は、前記ネイルステッカーの写真である。図1および図2を参照すると、本発明の一実施例によるネイルステッカーはネイル形状であることができる。前記ネイルステッカーは、下面が平坦でなく、上に凸に湾曲した形状を有する。
【0036】
図3は、本発明の一実施例によるネイルステッカーの上面図である。図3を参照すると、前記ネイルステッカーは長軸と短軸を含むことができる。前記長軸は、前記ネイルステッカーをネイルに着用する際に、ネイルがネイルの根元からネイルの末端(指先が終わる支点に隣接した末端)に向かう方向において、ネイルステッカーの最長手に対応する仮想の線分を含む軸に該当する(図3のy-y′)。
【0037】
ここで、ネイルステッカーの長さとは、ネイルステッカーをネイルに着用する際に、ネイルがネイルの根元からネイルの末端(指先が終わる支点に隣接した末端)に向かう方向において、ネイルステッカーの大きさを意味する。前記短軸は前記長軸に垂直であり、前記ネイルステッカーをネイルに着用する際に、ネイルの幅(ネイルの両側面に隣接するネイルステッカーの両縁間の距離)に対応する仮想の線分を含む軸に該当し、前記短縮によって前記ネイルステッカーの長さを正確に二分することができる。ネイルステッカーの中心部100aは、前記ネイルの長軸と短軸とが交差する支点を意味する。
【0038】
図1図4を改めて参照すると、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面100bは、前記ネイルステッカーの中心部100aが上部に向かうように湾曲した曲面を含むことができる。すなわち、本発明のネイルステッカーは、平坦な下面が外力によって曲がり、ネイルステッカーの中心部100aが上部に向かって湾曲した形態を有することができる。
【0039】
また、前記ネイルステッカーの上面も同様に前記ネイルステッカーの中心部100aが上部に向かうように湾曲した曲面を含むことができる。より具体的には、紫外線によって硬化される前のネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、前記ネイルステッカーの中心部100aが前記床から離隔していてもよい。
【0040】
ここで、ネイルステッカーの下面100bとは、使用者の爪に向かう面を意味することができ、具体的には接着層が外部に露出した面を含む面であることができる。紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記平坦な床上に前記ネイルステッカーを置いたとき、前記ネイルステッカーの縁のうち少なくとも一部は前記平坦な床と接することができる。
【0041】
このような形態は、紫外線によって硬化可能な従来のネイルステッカーからはあまり見られない形態である。具体的には、射出成形された硬いネイルステッカーの場合、ネイル型の金型を使用すれば、ネイルステッカーの下面がネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むように製造可能である。しかしながら、紫外線によって硬化可能なネイルステッカーは、使用者が自爪の形に合うように成形が可能な柔軟性を有しなければならないため、ソフト(soft)な性質の材料を使用するしかない。
【0042】
そのような材料を使用する際、ネイル型の金型を介してネイルステッカーを製造すると、金型内で材料が焦げてしまう問題が発生する。また、従来のネイルステッカーの製造方法によれば、ネイルステッカーは、平坦な床上でネイルステッカーを構成する層を積み上げて製造するようになり、この過程で必然とネイルステッカーの下面が平たくならざるを得ない。紫外線によって硬化可能な従来のネイルステッカーの下面が上述した曲面を与えるために製造された「下面が平坦なネイルステッカー」に外力を加えると、外力が加えられた瞬間に形が変形されるが、外力を除去するや否や平坦な形に戻りやすくなる。
【0043】
すなわち、従来の技術では、紫外線によって硬化可能なネイルステッカー(ジェルネイルステッカー)をネイル状のような湾曲した形状に製造することは決して可能ではなかった。
【0044】
しかしながら、本発明のネイルステッカーの場合、従来にはなかった層が含まれるため、ネイル状のように湾曲した形状を有することができる。さらに、「湾曲した形状を有することができる」とは、ネイルステッカーが湾曲した形状の状態を相当レベルに保つことを意味することができる。
【0045】
また、本発明のネイルステッカーは、場合によって、従来にはなかった製造方法によって製造することができるため、ネイルステッカーが湾曲した形状の状態をより一層効果的に保つことができる。
【0046】
要するに、本発明のネイルステッカーは、任意の外力(重力等の自然力を除く)を意図的にネイルステッカーに加えなくても、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうようにする湾曲した曲面を含むことができるという点で大きな特徴がある。
【0047】
例えば、本発明のネイルステッカーは、ネイルステッカーの下面の中心部が上部に向かうように湾曲しており、平坦な床上にネイルステッカーの下面を前記床に向かうようにしてネイルステッカーを配置したとき、24時間が経っても前記ネイルステッカーの下面の中心部が前記平坦な床と当接しないことが可能である。
【0048】
前記ネイルステッカーは、ソフト層を含むことができる。前記ソフト層はソフト層用樹脂を含むことができる。前記ソフト層用樹脂は、セルロースアセテートブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネートのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0049】
これにより、本発明の一実施例によるネイルステッカーの製造過程において、前記ネイルステッカーを容易にネイル状に変形させることができ、変形されたネイルステッカーの形状を効果的に維持することができる。すなわち、ソフト層の使用は、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むことができるようにする主な要因に該当する。
【0050】
また、使用者がネイルステッカーを貼り付ける過程で所定の力を加えると、ネイルとネイルステッカーとの間の浮き空間をソフト層で埋めることができ、埋められた形態を効果的に維持することができる。これにより、使用者が感じる異物感が軽減され、ネイルステッカーの接着力を高めることができる。
【0051】
さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域から外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をすることもできる。また、ネイル表面に凹凸があっても、所定の力を加えることでネイル表面の凹部分上にはより多くのソフト層が配置されるように変形させることができる。
【0052】
これによってネイル表面に凹凸があっても、貼り付けたネイルステッカーの表面は滑らかな形状を有することができ、審美性が向上されることができる。さらに、前記セルロースアセテートブチレートおよび前記セルロースアセテートプロピオネートは、他の物質に比べて衝撃吸収に優れた利点がある。
【0053】
より具体的には、前記ソフト層用樹脂は、セルロースアセテートブチレートを含むことができ、例えば、前記ソフト層用樹脂はセルロースアセテートブチレートであってもよい。この場合、衝撃吸収能力と耐久性に優れ、ソフト層用紫外線硬化原料と混合される際、延性が増し、外部衝撃によるソフト層の変形が衝撃吸収能力効果により非可逆的な形で示し、一度変形した形がより容易に維持され得る。したがって、使用者にネイル形状を有するネイルステッカーを提供することができる。
【0054】
前記ソフト層用樹脂は、前記ソフト層内に10重量%~90重量%で含まれていてもよく、具体的には15重量%~75重量%、より具体的には30重量%~65重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たす場合、ソフト層を体温レベルで容易に変形させることができ、変形されたソフト層の形態を維持することができる。したがって、使用者にネイル形状を有するネイルステッカーを提供することができる。
【0055】
前記ソフト層は、ソフト層用紫外線硬化原料をさらに含むことができる。これにより、前記ソフト層は紫外線照射によって硬化され得る。
【0056】
前記ソフト層用紫外線硬化原料は、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、ポリエーテルアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ポリカーボネートアクリレート系オリゴマー、シリコーンアクリレート系オリゴマー、およびアクリルアクリレート系オリゴマーからなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。
【0057】
具体的には、前記ソフト層用紫外線硬化原料は、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、およびエポキシアクリレート系オリゴマーのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0058】
前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、紫外線による硬化が容易であり、硬化後にも所定の柔軟な物性を有することができるため有利である。また、ヘイズ現象を最小限に抑えることができるため、コーティング層の透明性を維持することができる。前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、二官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、四官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、六官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、および九官能性ウレタンアクリレート系オリゴマーのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0059】
具体的には、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPU210、PU280、PU640、SC2404、SATOMER社製品であるCN9033、CN9047からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記ウレタンアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、1,000g/mol~1,000,000g/molであってもよく、具体的には1,000g/mol~100,000g/molであってもよい。前記範囲を満たす場合、作業性を大幅に改善させることができる。
【0060】
前記エポキシアクリレート系オリゴマーの場合、高反応性を有しており、高硬度および研磨性等が良好で、硬化しやすく、柔軟性に優れ、酸素との接触にも硬化が安定的に進められ得る。前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、官能基1個または2個の官能基を有していてもよく、官能基1個の場合、延性を示し、官能基の数が高いほど剛性または熱的安定性に有利である。
【0061】
具体的には、前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPE210、PE2120、PE250からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記エポキシアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、100g/mol~10,000g/molであってもよく、具体的には500g/mol~6,000g/molであってもよい。ソフト層形成用組成物の固形分と粘度を考慮したとき、前記範囲であることが好ましい。
【0062】
前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、反応性に優れ、ウレタンアクリレート系オリゴマーおよびエポキシアクリレート系オリゴマーより接着性に優れた性質を有している。前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、官能基が4個または6個を有するオリゴマーであってもよい。
【0063】
具体的には、前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPS4040、PS460、PS6300 Etermer 6311-100、6312-100、6314C-60からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、500g/mol~50,000g/molであってもよく、具体的には1,500g/mol~38,000g/molであってもよい。前記範囲を満たす場合、工程性および接着力を改善させることができる。
【0064】
前記ソフト層内において、前記ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して、前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、1重量部~10重量部で含まれていてもよく、具体的には1重量部~3重量部で含まれていてもよい。前記ソフト層内において、前記ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して、前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、10重量部~20重量部で含まれていてもよく、具体的には2重量部~8重量部で含まれていてもよい。前記組成を満たすとき、空気中に前記ソフト層が露出しても急速な硬化が発生せず、ネイルステッカー付着後にも耐久性を維持することができる。
【0065】
これとは異なり、前記ソフト層用紫外線硬化原料は、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーを含むことができ、具体的には、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーからなることができる。
【0066】
前記ソフト層用紫外線硬化原料は、前記ソフト層内に10重量%~90重量%で含まれていてもよく、具体的には15重量%~75重量%、より具体的には30重量%~65重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たす場合、ソフト層が紫外線照射前には柔軟な物性を維持していたが、紫外線照射による硬化後には非常に硬い物性を有する。
【0067】
前記ソフト層において、前記ソフト層用紫外線硬化原料および前記ソフト層用樹脂の重量比は、10:90~90:10であってもよく、具体的には20:80~80:20、より具体的には30:70~70:30であってもよい。前記範囲を満たしたとき、ソフト層用樹脂の衝撃吸収性質とソフト層用紫外線硬化原料の粘性とが混合され、外部衝撃エネルギー吸収能力がより高くなる効果がある。
【0068】
前記ソフト層用光開始剤は、紫外線照射により重合反応を開始する役割をする。具体的には、前記光開始剤は紫外線光開始剤であってもよい。
【0069】
前記ソフト層用光開始剤は、200nm~600nm範囲の吸収波長帯域を有するものであってもよい。
【0070】
前記ソフト層用光開始剤は、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド(Trimethylbenzoyl Phosphnie oxide)、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(Phenylbis(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine oxide)、および2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-4(4-モホリニル)フェニル]-1-ブタノン(2-Benzyl-2-(dimethylamino)-1-[4-(4-morpholinyl)phenyl]-1-butanone)からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができ、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0071】
前記ソフト層用光開始剤は、前記ソフト層中に1重量%~10重量%で含まれていてもよく、具体的には1重量%~8重量%、より具体的には2重量%~7重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たすとき、使用者が前記ネイルステッカーを硬化させる際、前記ネイルステッカーは適切な硬度を有することができる。
【0072】
前記ソフト層の最大厚さは250μm~2500μmであってもよく、具体的には700μm~2400μm、より具体的には1000μm~2000μmであってもよい。前記範囲を満たすとき、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含む本発明のネイルステッカーを容易に製造することができる。
【0073】
また、前記範囲を満たすとき、ネイルステッカーとネイル間の浮きを最小限に抑えられるように十分な量のソフト層の一部を移動させることができる。さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域から外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をより効果的に行うことができる。
【0074】
また、ネイル表面に凹凸があっても、ソフト層の移動によってネイルの凹部上にはより多くのソフト層が十分に位置することができるため、貼り付けたネイルステッカーの表面がより滑らかな形態を有することができる。
【0075】
また、ソフト層が外部の衝撃によっても変化率が高くないこともあり得るため、前記効果を円滑に維持することができる。前記ソフト層の最大厚さは、前記ソフト層の下面の任意の支点から垂直な方向に測定された前記ソフト層の厚さのうち最も厚さが大きいことを意味することができる。
【0076】
前記ソフト層は単層であってもよく、これとは異なり、2以上の層からなるものであってもよい。
【0077】
前記ネイルステッカーは、基材層をさらに含むことができる。前記ソフト層は前記基材層上に配置されることができる。
【0078】
図4を参照すると、前記基材層120の上面と前記ソフト層110の下面は対向することができ、具体的に接することもできる。すなわち、前記基材層120上に前記ソフト層110を位置させることができる。
【0079】
前記基材層は接着層を含むことができる。前記接着層は、前記ネイルステッカーがネイルに付着されるようにする化学的接着力を付与する。前記接着層は前記ネイルステッカーの下方に位置し、前記ネイルステッカーの下面の少なくとも一部を構成することができる。
【0080】
前記接着層は、前記ネイルステッカーの最下面の少なくとも一部を構成することができる。前記接着層は接着成分を含み、これは当該技術分野で通常使用される接着成分に該当することができる。
【0081】
前記基材層は、デザイン層をさらに含むことができる。前記デザイン層は、前記接着層と前記ソフト層との間に位置することができる。前記デザイン層は、カラー層および印刷層のうち少なくともいずれかを含むことができる。前記デザイン層は、前記ネイルステッカーに色を付与する顔料を含むことができる。前記印刷層は、形状を表現するための粒子、雲母などの審美性のための多様な材料を含むことができる。
【0082】
前記基材層の下面上には基材フィルムを配置することができる。前記基材フィルムは、前記接着層の汚染を防止し、前記ネイルステッカーを使用する前までに接着力を維持させる役割をし、前記ネイルステッカー使用時に除去される構成に該当する。前記基材フィルムは、当該技術分野で通常使用される成分を含むことができる。
【0083】
前記ネイルステッカーは、コーティング層をさらに含むことができる。
【0084】
図4を参照すると、前記ネイルステッカー100内で、前記コーティング層130は前記ソフト層110上に位置することができる。
【0085】
前記コーティング層は、コーティング層用紫外線硬化原料、コーティング層用樹脂を含むことができる。
【0086】
前記コーティング層用紫外線硬化原料が前記コーティング層に含まれることによって、使用者は自爪と密着するように前記ネイルステッカーを変形させた後、紫外線を照射して変形されたネイルステッカーの形状通りにネイルステッカーを硬化させることができる。これにより、前記ネイルステッカーと指の爪/足の爪とが完全に密着した状態で互いに接合され得るため、ネイルステッカーの接着力が改善されることができる。
【0087】
前記コーティング層用紫外線硬化原料は、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、ポリエーテルアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ポリカーボネートアクリレート系オリゴマー、シリコーンアクリレート系オリゴマー、およびアクリルアクリレート系オリゴマーからなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。
【0088】
具体的には、前記コーティング層用紫外線硬化原料は、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、およびエポキシアクリレート系オリゴマーのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0089】
前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、紫外線による硬化が容易であり、硬化後にも所定の柔軟な物性を有することができるため有利である。また、ヘイズ現象を最小限に抑えることができるため、コーティング層の透明性を維持することができる。
【0090】
前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、二官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、四官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、六官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、および九官能性ウレタンアクリレート系オリゴマーのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0091】
具体的には、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPU210、PU280、PU640、SC2404、SATOMER社製品であるCN9033、CN9047からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記ウレタンアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、1,000g/mol~1,000,000g/molであってもよく、具体的には1,000g/mol~100,000g/molであってもよい。前記範囲を満たす場合、作業性を大幅に改善させることができる。
【0092】
前記エポキシアクリレート系オリゴマーの場合、高反応性を有しており、高硬度および研磨性等が良好で、硬化されやすく、柔軟性に優れ、酸素との接触にも硬化が安定的に進められ得る。前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、官能基1個または2個の官能基を有していてもよく、官能基1個の場合、延性を示し、官能基数が高いほど剛性または熱的安定性に有利である。
【0093】
具体的には、前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPE210、PE2120、PE250からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記エポキシアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、100g/mol~10,000g/molであってもよく、具体的には500g/mol~6,000g/molであってもよい。コーティング層形成用組成物の固形分と粘度を考慮したとき、前記範囲であることが好ましい。
【0094】
前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、反応性に優れ、ウレタンアクリレート系オリゴマーおよびエポキシアクリレート系オリゴマーよりも接着性に優れた性質を有している。前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、官能基が4個または6個を有するオリゴマーであってもよい。具体的には、前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPS4040、PS460、PS6300 Etermer 6311-100、6312-100、6314C-60からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。
【0095】
前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、500g/mol~50,000g/molであってもよく、具体的には1,500g/mol~38,000g/molであってもよい。前記範囲を満たす場合、工程性および接着力を改善させることができる。
【0096】
前記コーティング層内において、前記ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して、前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、1重量部~10重量部で含まれていてもよく、具体的には1重量部~3重量部で含まれていてもよい。
【0097】
前記コーティング層内において、前記ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して、前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、10重量部~20重量部で含まれていてもよく、具体的には2重量部~8重量部で含まれていてもよい。
【0098】
前記組成を満たすとき、空気中に前記コーティング層が露出しても急速な硬化が発生せず、ネイルステッカー付着後にも耐久性を維持することができる。
【0099】
これとは異なり、前記コーティング層用紫外線硬化原料は、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーを含むことができ、具体的には、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーからなることができる。
【0100】
前記コーティング層用紫外線硬化原料は、前記コーティング層内に10重量%~90重量%で含まれていてもよく、具体的には10重量%~60重量%、より具体的には20重量%~50重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たす場合、コーティング層が紫外線照射前には柔軟な物性を維持していたが、紫外線照射による硬化後には非常に硬い物性を有する。
【0101】
前記コーティング層用樹脂は、前記コーティング層の流動性を制御して形態を維持させる役割をすることができる。また、前記コーティング層用樹脂により前記コーティング層を形成するためのコーティング層形成用組成物が適切な粘度を有することができるため、前記コーティング層を所望の形態で製造することができる。
【0102】
前記コーティング層用樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が30℃~200℃、具体的には50℃~120℃の熱可塑性コーティング層用樹脂であってもよい。前記範囲を満たすとき、常温では前記コーティング層用樹脂の移動性が高くないが、ネイルステッカーの製造過程において乾燥炉内で前記コーティング層用樹脂が前記紫外線硬化原料と適宜混合され、ネイルステッカーの横ラインが滑らかに形成されることができる。
【0103】
前記コーティング層用樹脂は、アクリル系コーティング層用樹脂、ニトロセルロースコーティング層用樹脂、エポキシ系コーティング層用樹脂、ポリエステルコーティング層用樹脂、ポリビニルコーティング層用樹脂、ウレタンコーティング層用樹脂、および酢酸ビニルコーティング層用樹脂からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。
【0104】
特に、前記コーティング層用樹脂は、アクリル系コーティング層用樹脂およびニトロセルロースコーティング層用樹脂を含むことができる。前記アクリル系コーティング層用樹脂のガラス転移温度(Tg)は、30℃~200℃、具体的には50℃~120℃であってもよい。前記ニトロセルロースコーティング層用樹脂は、韓国CNC HRS1/8~20SS type 1/8~1/2を含むことができる。
【0105】
前記ニトロセルロースコーティング層用樹脂の窒素含有量は11.5%~12.2%であってもよく、具体的には粘度に応じて1/8秒~20秒に分けることができる。前記範囲を満たす場合、低粘度が維持されることができ、固形分含有量を高めることができる。
【0106】
前記コーティング層用樹脂は、前記コーティング層中に10重量%~90重量%で含まれていてもよく、具体的には15重量%~75重量%、より具体的には15重量%~70重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たすとき、常温で取り扱っても問題がないほどに粘着性がなくなり、ラウンド形状をなすことができる。
【0107】
一方、前記コーティング層用樹脂は、熱硬化性コーティング層用樹脂と熱開始剤とを含むこともできる。
【0108】
前記コーティング層は、コーティング層用光開始剤をさらに含むことができる。
【0109】
前記光開始剤は、紫外線照射により重合反応を開始する役割をする。具体的には、前記光開始剤は紫外線光開始剤であってもよい。
【0110】
前記光開始剤は、200nm~600nm範囲の吸収波長帯域を有するものであってもよい。
【0111】
前記光開始剤は、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド(Trimethylbenzoyl Phosphnie oxide)、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(Phenylbis(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine oxide)、および2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-4(4-モホリニル)フェニル]-1-ブタノン(2-Benzyl-2-(dimethylamino)-1-[4-(4-morpholinyl)phenyl]-1-butanone)からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができ、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0112】
前記光開始剤は、前記コーティング層中に1重量%~10重量%で含まれていてもよく、具体的には1重量%~8重量%、より具体的には2重量%~7重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たすとき、使用者が前記コーティング層を硬化させる際、前記コーティング層が適切な硬度を有することができる。
【0113】
場合によっては、前記コーティング層は溶媒を含むこともできる。前記溶媒は、前記コーティング層を製造するためのコーティング層形成用組成物を形成する際に使用された溶媒に相当し、前記コーティング層の製造過程で乾燥によって除去される。ただし、前記コーティング層に一部溶媒が非常に低い含有量で残留することもある。
【0114】
前記ネイルステッカーは、前記コーティング層上に配置されたデザイン表現層をさらに含むことができる。前記デザイン表現層は、艶なしといった表現をすることができ、立体的なラインや円錐、円形ドームなどのような厚膜型立体図形などを表現することができる。
【0115】
前記ネイルステッカーの最大厚さは500μm~2,500μmであってもよく、具体的には700μm~2,000μm、より具体的には1,000μm~1,800μmであってもよい。前記範囲を満たすとき、審美性が高く、紫外線硬化の際、ネイルステッカーが割れず、ネイルを締め付ける現象が減少する効果がある。
【0116】
前記ネイルステッカーにおいて、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、25℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が4%以下であってもよく、具体的には0%~3%、より具体的には0%~2.1%であってもよい。
【0117】
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、前記Bは前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置されてから1時間後に測定した前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味することができる。本明細書において「平坦な床上」とは、平たい床の真上を意味することができる。
【0118】
前記ネイルステッカーは、25℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が30%以下であるため、使用者に製品が供給される過程でも前記ネイルステッカーの形状を最大限に維持することができる。また、使用者が自爪の形状に合うようにネイルステッカーをより容易に成形することができる。
【0119】
また、使用者がネイルステッカーを貼り付けして、硬化させる一連の過程でも成形されたネイルステッカーが成形された形状を良好に維持することができるため、使用者が簡便に利用することができ、使用者のネイルにより合ったネイルステッカーの着用が可能である。
【0120】
前記変形率は、従来の紫外線硬化可能なネイルステッカーに比べて非常に低い数値に相当する。本実施例のネイルステッカーがソフト層を含むことは、このような低い変形率が示される主な理由であることができる。
【0121】
より具体的には、25℃の温度の雰囲気では、前記ネイルステッカーの変形率は2.2%以下であってもよく、具体的には0%~2.2%、0%~2.1%であってもよい。ソフト層の使用に加えて、ネイルステッカーの製造過程で前記ネイルステッカーをネイル状に変形させた後、熱を加える工程を用いることは、このようにより低い変形率が示される主な理由であることができる。
【0122】
前記ネイルステッカーにおいて、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、-10℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が0.2%以下であってもよく、具体的には0%~0.2%、より具体的には0%~0.1%であってもよい。
【0123】
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、前記Bは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置されてから1時間後に測定した前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味する。
【0124】
前記ネイルステッカーは-10℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が0.2%以下であるため、前記ネイルステッカーを低い温度(例えば、気温が低いところや冬に保管時)でも前記ネイルステッカーの形状が維持されることができる。したがって、使用者に製品が供給される過程でも、前記ネイルステッカーの形状を最大限に維持することができる。
【0125】
前記ネイルステッカーにおいて、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、40℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が6%以下であってもよく、具体的には4.5%以下、より具体的には0%~4.3%、例えば0%~3%であってもよい。
【0126】
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、前記Bは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置されてから1時間後に測定した前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味する。
【0127】
前記ネイルステッカーは、40℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が6%以下であるため、前記ネイルステッカーを高温(例えば、気温が高いところや夏に保管時)でも前記ネイルステッカーの形状を維持することができる。したがって、使用者に製品が供給される過程でも、前記ネイルステッカーの形状を最大限に維持することができる。
【0128】
前記ネイルステッカーにおいて、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、60℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が8%以下であってもよく、具体的には7%以下、より具体的には0%~7%、例えば0%~5%であってもよい。
【0129】
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、前記Bは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置されてから1時間後に測定した前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味する。
【0130】
前記ネイルステッカーは、60℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が6%以下であるため、前記ネイルステッカーを高温(例えば、気温が高いところや夏に保管時)でも前記ネイルステッカーの形状が維持されることができる。したがって、使用者に製品が供給される過程でも、前記ネイルステッカーの形状を最大限に維持することができる。
【0131】
前記ネイルステッカーにおいて、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーを平坦な床に置いて、前記ネイルステッカーの上面の中心部を含む領域をIMADA社のPUSH GAGE装備を用いて10Nの力で押したとき、前記ネイルステッカーの中心部の下面が前記床に接することができる。すなわち、前記ネイルステッカーは硬い成形物ではなく、柔軟なため、外力が加わると、変形されやすいネイルステッカー(いわゆる、ジェルネイルステッカー)であることがわかる。
【0132】
<ネイルステッカーの製造方法>
本発明の他の実施例によるネイルステッカーの製造方法は、紫外線によって硬化可能な予備ネイルステッカーを支持構造体に含まれた支持部上に配置する第1段階;および前記予備ネイルステッカーの上面に向かって圧力を加えて、前記予備ネイルステッカーの下面を前記支持部の上面に密着させる第2段階;を含み、前記支持部は上部に向かって凸の曲面を有し、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むことができる。
【0133】
前記第1段階において、紫外線によって硬化可能な前記予備ネイルステッカー100′は、支持部上に配置される前に、図5のような形状を有することができる。すなわち、予備ネイルステッカー100′は、下面が平坦であったり、屈曲を有していたりしても一般的なネイルに比べて曲がり程度が決してひどくない状態であることができる。
【0134】
すなわち、前記予備ネイルステッカー100′が前記支持構造体上に配置される前に、紫外線によって硬化される前の前記予備ネイルステッカー100′の下面が平坦な床に向くように前記平坦な床上に前記ネイルステッカーを置いたとき、前記予備ネイルステッカーの下面は平坦であることができる。
【0135】
前記予備ネイルステッカー100′はソフト層110を含むことができ、ひいては基材層120をさらに含むことができる。または、前記予備ネイルステッカーは、ソフト層110、基材層120、およびコーティング層130を含むことができる。ここで、前記ソフト層、前記基材層、および前記コーティング層は、それぞれ上述した一実施例のネイルステッカーを含むものとして説明したソフト層、基材層、およびコーティング層の構成が同一であるところ、説明を省略する。
【0136】
図7を参照すると、前記第1段階において、紫外線によって硬化可能な(まだ紫外線硬化が行われていない状態)予備ネイルステッカー100′を上部に向かって凸の曲面を有する支持部210を含む支持構造体200上に配置することができる。図6は、前記支持構造体200の模式図である。
【0137】
前記支持構造200は、1以上の支持部210を含むことができ、具体的には2以上の支持部210を含むことができる。前記支持部210は上部に向かって凸の曲面を有することができ、具体的には前記支持部210はネイル形態を有することができる。前記予備ネイルステッカー100′の下面が前記支持部210の上面と接するように、前記予備ネイルステッカー100′を前記支持部210上に配置することができる。
【0138】
前記支持部の上面の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびシリコーンからなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができ、具体的にはポリエチレンを含むことができ、より具体的には前記支持部の上面は、ポリエチレンから構成されることができる。前記支持部の上面がポリエチレンを含むため、前記ネイルステッカーと前記支持部の接着力があまり大きくないため、前記ネイルステッカーを支持部から分離する際、ネイルステッカーの意図しなかった変形を最小化することができる。
【0139】
図8を参照すると、第2段階では、前記予備ネイルステッカーの上面に向かって圧力を加えて前記予備ネイルステッカーの下面を前記支持部の上面に密着させることができる。
【0140】
具体的には、ネイル状に凹んだ凹部を有する圧着部材を用いて、前記予備ネイルステッカーの上面に圧力を加えて、前記予備ネイルステッカーを支持部210に密着させることができる。
【0141】
しかし、必ずしもこのような方法に限定されるものではなく、予備ネイルステッカーを支持部210に密着させることができる他の方法も可能である。前記第2段階により本発明の一実施例によるネイルステッカー100を製造することができる。すなわち、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むことができる。
【0142】
図9を参照すると、場合によって、前記ネイルステッカーの製造方法は、前記第2段階後、前記支持部210上に密着した予備ネイルステッカー100′に熱を加える第3段階をさらに含むことができる。
【0143】
これにより、前記ネイルステッカーがネイル形状(紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含む)をより効果的に維持することができる。前記第3段階にて加えられる熱は、30℃~70℃の温度の熱であってもよく、具体的には45℃~55℃の温度の熱であってもよい。前記範囲を満たすとき、柔軟な性質を維持しながら製品保存時、製品の形状が変化する程度が著しく低くなる効果がある。
【0144】
前記熱を加えることは20秒~3分、具体的には30秒~2分間行うことができる。前記熱は、熱風を加えたり、近赤外線などを加えたりする方式で加えることができる。
【0145】
<ネイルステッカーセット>
本発明のまた他の実施例によるネイルステッカーセットは、支持部を含む支持構造体;および前記支持部の上面に貼り付けされたネイルステッカー;を含み、前記支持部の上面は前記ステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含み、前記ネイルステッカーは紫外線によって硬化可能であり、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの外面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むことができる。
【0146】
ここで、ネイルステッカーは、上述した一実施例のネイルステッカーと同じであるため、上述した一実施例のネイルステッカーの物性は、本実施例にて言及されるネイルステッカー(支持構造体から剥がしたネイルステッカー)の物性と同じであることができる。また、図10を参照すると、前記支持構造200は、上述した他の実施例にて述べた支持構造体と同じであることができる。
【0147】
図10を参照すると、前記ネイルステッカーセット300において、前記ネイルステッカー100は前記支持部210上に配置されている。前記ネイルステッカー100と前記支持部210はいずれもネイル形状を有し、互いに重なっていてもよい。すなわち、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面は、前記ネイルステッカーの中心部が上部に向かうように湾曲した曲面を含むことができ、前記支持部も同様に同一形状を有することができる。
【0148】
図11および図12は、本発明の一実施例によるネイルステッカーセットの写真である。前記ネイルステッカーの下面の50%以上、具体的には70%以上、より具体的には90%~100%、例えば、95%~100%は前記支持部の上面と接していてもよい。これは、本発明にて説明するネイルステッカーがネイル形状を効果的に維持することができるため、使用者にネイルステッカーが伝達される過程でネイルステッカーの下面と支持構造体とが互いに離脱することを最小限に抑えることができることを意味する。
【0149】
前記支持部から前記ネイルステッカーを剥がし、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、前記ネイルステッカーの中心部が前記床から離隔していてもよい。これにより、使用者が自爪の形状に合うようにネイルステッカーをより容易に成形することができる。
【0150】
また、使用者がネイルステッカーを貼り付けし、硬化させる一連の過程でも成形されたネイルステッカーが成形された形状を良好に維持することができるため、使用者が簡便に利用することができ、使用者のネイルにより合ったネイルステッカーの着用が可能である。
【0151】
前記支持部から前記ネイルステッカーを剥がし、紫外線によって硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が平坦な床に向くように前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、25℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が4%以下であってもよく、具体的には0%~3%、より具体的には0%~2.1%であってもよい。
【0152】
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1中、
前記Aは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味し、前記Bは、前記ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置されてから1時間後に測定した前記ネイルステッカーの横長さの最大値を意味する。
【0153】
前記ネイルステッカーは、25℃の温度の雰囲気で下記式1による変形率が4%以下であるため、使用者に製品が供給される過程でも前記ネイルステッカーの形状を最大限維持することができる。また、使用者が自爪の形状に合うようにネイルステッカーをより容易に成形することができる。また、使用者がネイルステッカーを貼り付けし、硬化させる一連の過程でも成形されたネイルステッカーが成形された形状を良好に維持することができるため、使用者が簡便に利用することができ、使用者のネイルにより合ったネイルステッカーの着用が可能である。
【0154】
前記支持部の上面の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびシリコーンからなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができ、具体的にはポリエチレンを含むことができ、より具体的には前記支持部の上面はポリエチレンから構成されることができる。前記支持部の上面がポリエチレンを含むため、前記ネイルステッカーと前記支持部の接着力があまり大きくないため、前記ネイルステッカーを支持部から分離する際、ネイルステッカーの意図しなかった変形を最小化することができる。
【0155】
前記支持構造体は、1以上、具体的には2以上の支持部を含み、前記ネイルステッカーセットは、1以上、具体的には2以上のネイルステッカーを含むことができる。
【0156】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、前記実施例は本記載を例示するものに過ぎず、本記載の範疇および技術思想の範囲内で多様な変更および修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、このような変形および修正が添付された特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0157】
<実施例および比較例>
実施例1
(1)予備ネイルステッカーの準備
接着層およびデザイン層が含まれた基材層(最大厚さ:150μm)、前記基材層上に配置されたソフト層(最大厚さ:2000μm)、前記ソフト層上に配置されたコーティング層(最大厚さ:65μm)を含むネイルステッカーを準備した。
【0158】
前記ソフト層は、ソフト層用樹脂であるセルロースアセテートブチレートを60重量%、ソフト層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレートオリゴマーを38重量%、ソフト層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドを2重量%含む。
【0159】
前記コーティング層は、コーティング層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレート、コーティング層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、コーティング層用樹脂であるニトロセルロースを含む。
【0160】
(2)予備ネイルステッカーの成形
一方、爪の上面のように中心部が凸とした形状の上面を有する支持部を含む支持構造体を準備した。前記支持部の上面に前記予備ネイルステッカーを配置した。このとき、前記予備ネイルステッカーの下面の接着層が前記支持部の上面と接した。
【0161】
その後、前記予備ネイルステッカーの上面に向かって圧力を加えて、前記予備ネイルステッカーの下面を、支持構造体に含まれた支持部の上面と密着するようにした。これにより、前記支持部によって支持された前記予備ネイルステッカーは、爪のように中心部が上を向くように湾曲した形状を有する。
【0162】
前記支持構造体上に配置された予備ネイルステッカーに近赤外線を照射し、50℃の温度の熱を2分間加えて、ネイルステッカーおよび支持構造体を含むネイルステッカーセットを製造した。製造過程で紫外線を照射して硬化させる工程は存在しなかった。
【0163】
実施例2
(1)予備ネイルステッカーの準備
接着層およびデザイン層が含まれた基材層(最大厚さ:150μm)、前記基材層上に配置されたソフト層(最大厚さ:2000μm)、前記ソフト層上に配置されたコーティング層(最大厚さ:65μm)を含むネイルステッカーを準備した。
【0164】
前記ソフト層は、ソフト層用樹脂であるセルロースアセテートブチレートを60重量%、ソフト層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレートオリゴマーを38重量%、ソフト層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドを2重量%含む。
【0165】
前記コーティング層は、コーティング層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレート、コーティング層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、コーティング層用樹脂であるニトロセルロースを含む。
【0166】
(2)予備ネイルステッカーの成形
一方、爪の上面のように中心部が凸形状の上面を有する支持部を含む支持構造体を準備した。前記支持部の上面に前記予備ネイルステッカーを配置した。このとき、前記予備ネイルステッカーの上面に向かって圧力を加えて、前記予備ネイルステッカーの下面の接着層を前記支持部の上面と接した。これにより、前記支持部によって支持される前記予備ネイルステッカーは、爪のように中心部が上を向くように湾曲した形状を有する。
【0167】
前記支持部によって支持されている前記予備ネイルステッカーを常温で2時間放置して、ネイルステッカーおよび支持構造体を含むネイルステッカーセットを製造した。製造過程で紫外線を照射して硬化させる工程は存在しなかった。
【0168】
比較例1
(1)予備ネイルステッカーの準備
接着層およびデザイン層が含まれた基材層(最大厚さ:150μm)、前記基材層上に配置された第1コーティング層(最大厚さ:2000μm)、前記第1コーティング層上に配置された第2コーティング層(最大厚さ:65μm)を含むネイルステッカーを準備した。
【0169】
前記第1コーティング層は、第1コーティング層用樹脂であるニトロセルロース60重量%、第1コーティング層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレートオリゴマーを38重量%、第1コーティング層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドを2重量%含む。
【0170】
前記第2コーティング層は、第2コーティング層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレート、第2コーティング層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、第2コーティング層用樹脂であるニトロセルロースを含む。
【0171】
(2)予備ネイルステッカーの成形
一方、爪の上面のように中心部が凸形状の上面を有する支持部を含む支持構造体を準備した。前記支持部の上面に前記予備ネイルステッカーを配置した。このとき、前記予備ネイルステッカーの下面の接着層が前記支持部の上面と接した。この後、前記予備ネイルステッカーの上面に向かって外力を加え、前記予備ネイルステッカーの下面が前記支持構造体に含まれた支持部の上面と密着されるようにした。これにより、前記支持部によって支持された前記予備ネイルステッカーは、爪のように中心部が上を向くように湾曲した形状を有する。
【0172】
前記支持部によって支持されている前記予備ネイルステッカーを常温で2時間放置して、ネイルステッカーおよび支持構造体を含むネイルステッカーセットを製造した。
【0173】
製造過程で紫外線を照射して硬化させる工程は存在しなかった。
【0174】
実験例1:形態を維持するか否かおよび変形率の評価
(1)25℃での評価
前記実施例1のネイルステッカーを支持部から分離した直後、平坦な床上に前記ネイルステッカー(紫外線によって硬化されていない状態)を置いた。具体的には、硬化される前の前記ネイルステッカーの下面が下を向くように、硬化される前の前記ネイルステッカーを平坦な床上に配置したとき、前記ネイルステッカーの中心部が前記床から離隔して、前記中心部が上を向くように前記ネイルステッカーが湾曲した形態が維持された。
【0175】
具体的な結果を表1および図13図18に示す。
【0176】
図13は実施例1のネイルステッカーが製造された直後の写真であり、図14は製造された実施例1のネイルステッカーを24時間放置した後の写真である。図15は実施例2のネイルステッカーが製造された直後の写真であり、図16は製造された実施例2のネイルステッカーを24時間放置した後の写真である。図17は比較例1のネイルステッカーが製造された直後の写真であり、図18は製造された比較例1のネイルステッカーを24時間放置した後の写真である。
【0177】
実施例1と実施例2のネイルステッカーは24時間後にもその形状を維持したが、比較例1のネイルステッカーは24時間後に形状を維持することができないことがわかる。
【0178】
(2)-10℃、40℃、60℃での評価
前記と同様の実験を-10℃、40℃、60℃でそれぞれ行い、表1に示す。
【0179】
【表1】
【0180】
前記「形状を維持するか否か」とは、平坦な床上に配置して24時間を放置したとき、ネイルステッカーの中心部が上を向くように湾曲した形態(ネイルステッカーの下面の中心部が床から離隔している状態を維持するか否か)を示す。すなわち、消費者に供給される過程で湾曲した形態が維持されるか否かを示すものである(維持された場合はO、維持されなかった場合はX)。前記変形率は、下記式1により計算された。
【0181】
[式1]
変形率=[(B-A)/A]×100
前記式1および表1において、前記A値は、ネイルステッカーが前記平坦な床上に配置された直後に測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値である。前記B値は、ネイルステッカーが平坦な床上に配置された状態で1時間放置した後、測定された前記ネイルステッカーの幅の最大値を意味する。
【符号の説明】
【0182】
100:ネイルステッカー
110:ソフト層
120:基材層
130:コーティング層
200:支持構造体
210:支持部
300:ネイルステッカーセット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】