(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システムにおける流れ制御のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/485 20200101AFI20240927BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20240927BHJP
【FI】
A24F40/485
A24F40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024522496
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2022079435
(87)【国際公開番号】W WO2023067169
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】コンソランテ アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツェッリ ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】ポワンドロン シリル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC41
4B162AD28
(57)【要約】
エアロゾル発生システム(300)が提供される。エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体を収容する貯蔵区画(105)と、エアロゾル形成基体を保持するために適切な保持材料(115)と、保持材料に近接したエアロゾル発生要素(125)とを備える。エアロゾル発生システムは、貯蔵区画と保持材料の間に画定されたエアロゾル形成基体流路(110)と、流路内に位置付けられた強磁性体(120)と、電磁石(130)とを備える。電磁石への電力の印加は、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かし、第一の位置では、強磁性体は、エアロゾル形成基体の保持材料への流れを第二の位置におけるより大きい程度制限する。エアロゾル形成基体をエアロゾル発生システム内のエアロゾル発生要素へと供給する方法も、提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体を収容する貯蔵区画と、
エアロゾル形成基体を保持するために適切な保持材料と、
前記保持材料に近接するエアロゾル発生要素と、
前記貯蔵区画と前記保持材料との間に画定されるエアロゾル形成基体流路であって、前記第一の内径と、前記第一の内径より大きい第二の内径と、を備える、エアロゾル形成基体流路と、
流路内に位置付けられる強磁性体と、
電磁石と、
前記電磁石への電力の印加が、前記強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かし、前記第一の位置では、前記強磁性体が、エアロゾル形成基体の前記保持材料への流れを前記第二の位置におけるより大きい程度制限し、かつ前記第一の位置では、前記強磁性体が、前記第一の内径と整列し、かつ前記第二の位置では、前記強磁性体が、前記第二の内径と整列する、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記強磁性体の直径が、前記流路の前記第一の内径以上である、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記流路の内部表面が、前記第一の内径および前記第二の内径を形成する包囲壁によって画定される、請求項1または2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記包囲壁が、前記第二の内径から前記第一の内径へとテーパー状である、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記包囲壁が、前記第二の内径において溝を備える、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記電磁石が、前記流路の端を包囲する、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記強磁性体を前記第一の位置へと引き付けるように構成された永久磁石をさらに備える、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記電磁石に電力が印加される時、前記強磁性体が、前記第二の位置へと引き付けられる、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
ばねをさらに備える、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記電磁石に電力が印加される時、前記強磁性体が、前記ばねの前記弾性的な付勢に打ち勝って前記第一の位置に引き付けられる、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記強磁性体が、ステンレス鋼を含む球である、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記電磁石への電力の前記印加および前記強磁性体の前記動きを制御するように構成された制御電子機器をさらに備える、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル形成基体流路と前記保持材料との間にネットをさらに備える、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
エアロゾル発生システム内のエアロゾル発生要素にエアロゾル形成基体を供給する方法であって、前記システムが、エアロゾル形成基体を収容する貯蔵区画と、前記エアロゾル形成基体を保持するために適切な前記エアロゾル発生要素に近接する保持材料と、前記貯蔵区画と前記保持材料の間に画定されるエアロゾル形成基体流路であって、前記流路が、第一の内径および前記第一の内径より大きい第二の内径を備える、エアロゾル形成基体流路と、前記流路内に置かれた強磁性体と、電磁石と、を備え、前記方法が、
前記電磁石へと電力を印加することが、前記強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かし、前記第一の位置では、前記強磁性体が、エアロゾル形成基体の前記保持材料への流れを前記第二の位置におけるより大きい程度制限し、かつ前記第一の位置では、前記強磁性体が、前記第一の内径と整列し、かつ前記第二の位置では、前記強磁性体が、前記第二の内径と整列する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生システム、およびエアロゾル形成基体をエアロゾル発生システム内のエアロゾル発生要素へと供給する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。電気的に作動する喫煙システムの一つのタイプは、液体エアロゾル形成基体を貯蔵するための区画と、発熱体などの電気的に作動するエアロゾル発生要素とを備える手持ち式システムである。エアロゾル形成基体は、毛細管材料を使用してエアロゾル発生要素へと搬送されてもよい。システムはまた、エアロゾル発生要素へと供給するための電力源も備えてもよい。エアロゾル発生要素へと電力が供給される時、エアロゾル形成基体の蒸気が発生する。エアロゾル発生要素を通る、または通り過ぎる気流は、気流内で冷却されてエアロゾルを形成する蒸気を同伴する。エアロゾル発生システムはまた、ユーザーが、使用時にエアロゾルを自身の口の中へと引き出すために吸煙するマウスピースも備えてもよい。
【0003】
エアロゾル発生要素が使用されている時に毛細管材料がエアロゾル形成基体で十分に湿っていない場合、十分な基体がエアロゾル発生要素へと搬送されない。これは、発生したエアロゾル内に望ましくない構成成分が生成されることにつながる場合がある。
【0004】
エアロゾル発生システムが使用されていない時、エアロゾル形成基体は毛細管材料を介して搬送される場合があり、また発熱体を過ぎて、そして気流経路に入る場合がある。ユーザーがシステムを次に使用する時、ユーザーは、気化していない基体を自分の口の中へと吸い込む場合がある。
【0005】
使用される時に十分なエアロゾル形成基体をエアロゾル発生要素に提供するエアロゾル発生要素を提供することが望ましいことになる。また、使用されていない時に、エアロゾル発生基体の漏れを低減するエアロゾル発生システムを提供することも望ましいことになる。
【発明の概要】
【0006】
本開示の態様によると、エアロゾル形成基体を収容する貯蔵区画と、エアロゾル形成基体を保持するために適切な保持材料と、保持材料に近接したエアロゾル発生要素とを備えるエアロゾル発生システムが提供される。貯蔵区画と保持材料との間に画定されたエアロゾル形成基体流路も提供される。強磁性体は、流路内に位置付けられてもよい。エアロゾル発生システムは、電磁石を備えてもよい。電磁石への電力の印加は、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かす場合がある。第一の位置では、強磁性体は、エアロゾル形成基体の保持材料への流れを、第二の位置におけるより大きい程度まで制限する場合がある。
【0007】
有利なことに、エアロゾル発生要素への基体の流れが望ましくない時には、流れは、強磁性体によって制限されてもよい。強磁性体が第一の位置にある時、エアロゾル形成基体の制限された流れは、エアロゾル形成基体の漏れの可能性を低減する。これは、より多孔性の(保持がより少ない)保持材料を使用することが可能にする。より多孔性の保持材料は、望まれる時に、より多くの基体をエアロゾル発生要素へと迅速に送達することを可能にする。
【0008】
エアロゾル発生システムは、使用されていない時に、漏れを低減し、そしてこれは有利なことに液体の無駄を低減する。これはまた、装置への損傷の可能性も低減し、また気化していない基体の大きい液滴をユーザーが不必要に吸入することの可能性も低減する。
【0009】
流路は、第一の内径および第二の内径を含んでもよい。第二の内径は、第一の内径より大きくてもよい。好ましくは、第一の位置では、強磁性体は、第一の内径と整列されてもよい。好ましくは、第二の位置では、強磁性体は、第二の内径と整列されてもよい。第一の内径は、第二の内径よりも保持材料に近くてもよい。第二の内径は、第一の内径よりも保持材料に近くてもよい。
【0010】
強磁性体の直径は、流路の第一の内径以上であってもよい。これは有利なことに、第一の位置にある時に、強磁性体がエアロゾル形成基体の流れを制限することを可能にする場合がある。第一の位置では、強磁性体は、エアロゾル形成基体の流れを部分的に制限する場合がある。第一の位置では、強磁性体は、エアロゾル形成基体の流れを完全に制限する場合がある。
【0011】
流路の内部表面は、第一の内径および第二の内径を形成する包囲壁によって画定されてもよい。
【0012】
包囲壁は、テーパーを備えてもよい。テーパーは、包囲壁の直径の緩やかな変化を含んでもよい。包囲壁は、第二の内径から第一の内径へとテーパー付きであってもよい。強磁性体が第一の位置にある時、強磁性体は、第一の内径と接触してもよい。強磁性体は、第一の位置にある時、テーパー内に置かれてもよい。強磁性体は、強磁性体が第一の位置にある時、保持材料の中へと流れるエアロゾル形成基体を制限してもよい。包囲壁は、円錐台状の円錐状形状を有してもよい。
【0013】
包囲壁は、第二の内径において溝を備えてもよい。流路は、第二の内径において流体バイパスチャネルを備えてもよい。
【0014】
第一の内径は、保持材料に隣接する流路の端において画定されてもよい。強磁性体が第一の位置にある時、強磁性体は、保持材料と接触してもよい。第一の内径は、貯蔵区画に隣接する流路の端において画定されてもよい。第一の内径は、流路に沿った任意の点において画定されてもよい。強磁性体が第一の位置にある時、保持材料と接触してもよい、または保持材料へと流れてもよいエアロゾル形成基体の体積は、保持材料によって保持されてもよいエアロゾル形成基体の体積と等しくてもよい。強磁性体が第一の位置にある時、保持材料と接触してもよい、または保持材料へと流れてもよいエアロゾル形成基体の体積は、保持材料によって保持されてもよいエアロゾル形成基体の体積より最大25パーセント、最大50パーセント、最大75パーセント、または最大100パーセント多くてもよい。
【0015】
電磁石は、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成されてもよい。電磁石は、強磁性体を第二の位置へと引き付けるように構成されてもよい。
【0016】
電磁石は、リング形状であってもよい。電磁石は、一つ以上の棒形状の電磁石を備えてもよい。電磁石は、流路を包囲してもよい。電磁石は、流路の端に位置付けられてもよい。電磁石は、流路の端を包囲してもよい。電磁石は、保持材料に隣接して位置付けられてもよい。電磁石は、貯蔵区画に隣接して位置付けられてもよい。電磁石は、保持材料に隣接する流路の端を包囲してもよい。電磁石は、貯蔵区画に隣接する流路の端を包囲してもよい。
【0017】
エアロゾル発生システムは、強磁性体を引き付けるように構成された永久磁石をさらに備えてもよい。永久磁石は、リング形状であってもよい。永久磁石は、一つ以上の棒形状の永久磁石を備えてもよい。永久磁石は、流路を包囲してもよい。永久磁石は、流路の端に位置付けられてもよい。具体的には、永久磁石は、流路の端を包囲してもよい。永久磁石は、保持材料に隣接して位置付けられてもよい。永久磁石は、貯蔵区画に隣接して位置付けられてもよい。永久磁石は、保持材料に隣接する流路の端を包囲してもよい。永久磁石は、貯蔵区画に隣接する流路の端を包囲してもよい。
【0018】
永久磁石は、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成されてもよい。いかなる電力も電磁石へと印加されない時、強磁性体は第一の位置へと引き付けられてもよい。これは、電磁石にいかなる電力も印加されていない時、エアロゾル形成基体の流れを制限する場合がある。強磁性体を第一の位置に維持するために、いかなる電力も必要としない場合がある。有利なことに、これは、システムを使用していない時、エアロゾル形成基体の漏れを低減する場合がある。電力が電磁石へと印加される時、強磁性体は第二の位置へと引き付けられてもよい。電磁石の磁気力は、永久磁石から離れるように強磁性体を引き付ける場合がある。電力が電磁石に印加される時、永久磁石によって磁気力が提供され、また磁気力は、強磁性体が第二の位置にある時に電磁石によって提供される磁気力と等しく、かつ反対向きであってもよい。
【0019】
永久磁石は、強磁性体を第二の位置へと引き付けるように構成されてもよい。その場合、電磁石は、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成されてもよい。
【0020】
エアロゾル発生システムは、永久磁石に加えて、またはその代わりにばねを備えてもよい。ばねは、弾性的に付勢されて、強磁性体を第二の位置に維持する場合がある。ばねの弾性的な付勢は、システムが任意の向きに保持されている時に、強磁性体を第二の位置に保持するために十分である場合がある。電力が電磁石へと印加される時、強磁性体は、ばねによって提供される力に打ち勝って、第一の位置へと引き付けられてもよい。
【0021】
ばねは、弾性的に付勢されて、強磁性体を第一の位置に保持する場合がある。電力が電磁石へと印加される時、強磁性体は、ばねによって提供される力に打ち勝って、第二の位置へと引き付けられてもよい。
【0022】
強磁性体は、球であってもよい。強磁性体は、ディスクであってもよい。強磁性体は、エアロゾル形成基体の保持材料への流れを制限するために適切な任意の形状であってもよく、第一の位置では、第二の位置におけるより大きい程度まで制限する場合がある。
【0023】
強磁性体は、磁性ステンレス鋼を含んでもよい。強磁性体は、磁性ステンレス鋼を含む球であってもよい。
【0024】
エアロゾル発生要素は、発熱体であってもよい。エアロゾル発生要素は、メッシュ発熱体であってもよい。エアロゾル発生要素は、穿孔された発熱体であってもよい。メッシュまたは穿孔された発熱体は、大きい加熱表面積を提供する場合がある。この大きい加熱表面積は、エアロゾル形成基体の効率的な気化を提供する場合がある。発熱体は、抵抗加熱されるように構成されてもよい。発熱体は、誘導加熱するように構成されてもよい。
【0025】
発熱体、またはその部分は、適切な電気的特性および機械的特性を有する任意の材料、例えば、適切な電気抵抗性材料を含んでもよく、またはそれらから形成されてもよい。適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporation(1999 Broadway Suite 4300, Denver Colorado)の登録商標である。複合材料では、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、絶縁材料中に包埋、絶縁材料に封入、もしくは絶縁材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。発熱体、またはその部分は、不活性材料の二つの層の間で絶縁された、金属のエッチングされた箔を含んでもよい。その場合、不活性材料はKapton(登録商標)、全層ポリイミド、またはマイカ箔を含んでもよい。Kapton(登録商標)は、E.I. du Pont de Nemours and Company(1007 Market Street, Wilmington, Delaware 19898, United States of America)の登録商標である。
【0026】
保持材料は、毛細管材料を含んでもよい。保持材料は、液体エアロゾル形成基体に浸漬された材料、もしくはエアロゾル形成基体に浸漬されるように構成された材料を含んでもよく、またはこうした材料であってもよい。保持材料は、繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。保持材料は、毛細管の束を備えてもよい。例えば、保持材料は、繊維、糸、および微細チューブのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0027】
保持材料は、海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。保持材料の構造は複数の小さい穴または管を形成してもよく、液体をそれを通して毛細管作用によって搬送することができる。
【0028】
保持材料は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料としては、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系または黒鉛系の材料、発泡金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料(例えば、紡糸繊維または押出成形繊維で作製された(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレン、もしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど))が挙げられるが、これらに限定されない。保持材料は、異なる物理的特性を有するエアロゾル形成基体とともに使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。
【0029】
エアロゾル形成基体は、保持材料内に吸収されることが好ましい。保持材料は、少なくとも0.02、0.05、0.1、0.2、または0.5mlのエアロゾル形成基体を貯蔵するように構成されてもよく、または貯蔵してもよい。保持材料は、2mlまたは5mlのエアロゾル形成基体を貯蔵するように構成されてもよく、または貯蔵してもよい。
【0030】
エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は、室温において液体であってもよい。
【0031】
エアロゾル発生システムは、制御電子機器をさらに備えてもよい。制御電子機器は、電磁石への電力の印加を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、強磁性体の動きを制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、エアロゾル発生要素への電力の供給を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、第一のコントローラを備えてもよい。第一のコントローラは、電磁石への電力の印加を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、第二のコントローラを備えてもよい。第二のコントローラは、エアロゾル発生要素への電力の供給を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、電磁石とエアロゾル発生要素との両方への電力の供給を制御するように構成されたコントローラを備えてもよい。
【0032】
制御電子機器は、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かすように構成されてもよい。制御電子機器は、強磁性体を、ユーザー入力に応答して、所定の回数、第一の位置と第二の位置との間で動かすように構成されてもよい。ユーザー入力に応答して、制御電子機器は、電磁石に所定の回数供給される電力を逐次的に増加および減少させるように構成されてもよい。例えば、制御電子機器は、電磁石に所定の回数供給される電力を逐次的に供給および切断するように構成されてもよい。ユーザー入力は、ユーザーがボタンを押すことを含んでもよい。ユーザー入力は、ユーザーが負の空気圧を空気出口に印加することを含んでもよい。強磁性体の第一の位置と第二の位置との間の所定の回数の動きは、送り出す効果を作り出す場合がある。送り出す効果は、強磁性体が第一の位置または第二の位置で静止しているのと比較して、保持材料へのエアロゾル形成基体の流れを増加する場合がある。制御電子機器は、強磁性体を、ユーザー入力に応答して、5回、第一の位置と第二の位置との間で動かすように構成されてもよい。制御電子機器は、強磁性体を、ユーザー入力に応答して、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、第一の位置と第二の位置との間で動かすように構成されてもよい。ユーザー入力に応答した、第一の位置と第二の位置との間の強磁性体の動きによる保持材料への所定の回数のエアロゾル形成基体の送達は、第一の内径が強磁性体の直径と等しく、かつ包囲壁が第二の内径に溝を含む時に、特に有効である場合がある。有利なことに、この構成は、保持材料へのエアロゾル形成基体の送達を改善する。
【0033】
制御電子機器は、エアロゾル発生要素が起動されていない時、強磁性体の動きを制御するように構成されてもよい。強磁性体は、エアロゾル発生要素が起動されていない時、第一の位置へと引き付けられてもよい。これは、エアロゾル発生システムがユーザーによって使用されていない時、エアロゾル形成基体の流れを制限する場合がある。制御電子機器は、エアロゾル発生要素が起動される前に、強磁性体の動きを制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、強磁性体を、ユーザー入力に応答して、エアロゾル発生要素が起動される前に、所定の回数、第一の位置と第二の位置との間で動かすように構成されてもよい。これは、エアロゾル発生要素の最初の使用の前であってもよい。これは、エアロゾル発生要素の任意の後続の使用セッションの前であってもよい。これは、有利なことに、エアロゾル発生要素が使用セッションのために起動される前に、エアロゾル形成基体を保持材料へと送達する場合がある。これは、ユーザーがシステムを使用する前に、保持材料を十分に湿潤することを可能にする場合がある。これは、望ましくない構成成分を含有するエアロゾルの形成を防止する場合がある。
【0034】
制御電子機器は、エアロゾル発生要素が起動される時、強磁性体の動きを制御するように構成されてもよい。強磁性体は、エアロゾル発生要素が起動される時、第一の位置へと引き付けられない場合がある。制御電子機器は、強磁性体を、ユーザー入力に応答して、エアロゾル発生要素が起動される時、所定の回数、第一の位置と第二の位置との間で動かすように構成されてもよい。これは、エアロゾル発生要素が起動される時、エアロゾル形成基体を保持材料へと送り出すことを可能にする場合がある。これは、エアロゾル発生システムの使用中に、十分な量のエアロゾル形成基体を、エアロゾル発生要素へと供給することを確実にする場合がある。
【0035】
エアロゾル発生システムは、空気吸込み口、空気出口、および空気吸込み口から空気出口への気流経路をさらに備えてもよい。
【0036】
エアロゾル発生要素は、気流経路を通る気流によって起動されるように構成されてもよい。エアロゾル発生システムは、気流センサーをさらに備えてもよい。気流センサーは、気流経路を通る気流を検出するように構成されてもよい。気流センサーは、エアロゾル発生要素を起動するように構成されてもよい。エアロゾル発生システムは、ユーザーがマウスピースへと陰圧を印加し、また気流経路を通して空気を引き出すことを可能にするように構成されたマウスピースをさらに備えてもよい。
【0037】
エアロゾル発生システムは、電源をさらに備えてもよい。電源は、電池であってもよい。電源は、電磁石へと電力を印加するように構成されてもよい。電源は、エアロゾル発生要素へと電力を供給するように構成されてもよい。電源は、制御電子機器を介して電磁石へと電力を印加するように構成されてもよい。電源は、制御電子機器を介してエアロゾル発生要素へと電力を供給するように構成されてもよい。
【0038】
エアロゾル発生システムは、ネットをさらに備えてもよい。ネットは、エアロゾル形成基体流路と保持材料との間に位置付けられてもよい。ネットは、エアロゾル形成基体流路の端に保持材料と隣接して位置付けられてもよい。ネットは、保持材料と物理的に接触していてもよい。エアロゾル形成基体は、ネットを通過して保持材料に到達してもよい。ネットは、フィルターとして作用してもよい。ネットは、保持材料に入るエアロゾル形成基体内の望ましくない粒子を濾過してもよい。ネットは、エアロゾル発生要素に到達する粒子の数を低減する場合がある。ネットは、保持材料と強磁性体との間に位置付けられてもよい。強磁性体は、ネットに物理的に接触してもよい。ネットは、保持材料を押すように構成されてもよい。ネットは、保持材料を均等に押すように構成されてもよい。ネットは、強磁性体の影響から保持材料を保護する場合がある。有利なことに、ネットは、エアロゾル発生要素に対する強磁性体の影響を低減する場合がある。ネットは弾性的であってもよい。強磁性体の影響は、ネットの弾性変形によって吸収される場合がある。ネットは、保持材料がエアロゾル形成基体と接触している時に、保持材料の密度を制御するように構成されてもよい。エアロゾル発生システムは、カートリッジおよび装置を備えてもよい。カートリッジは、装置へと取り外し可能なように連結されてもよい。
【0039】
カートリッジは、貯蔵区画と、保持材料と、エアロゾル発生要素と、エアロゾル形成基体流路と、強磁性体と、電磁石と、を備えてもよい。
【0040】
装置は、電源と制御電子機器と、を備えてもよい。
【0041】
カートリッジは、第一の対の電気接点を備えてもよい。第一の対の電気接点は、電磁石へと電気的に接続されてもよい。第一の対の電気接点は、電磁石へと電力を送達するように構成されてもよい。第一の対の電気接点は、エアロゾル発生要素へと電気的に接続されてもよい。第一の対の電気接点は、エアロゾル発生要素へと電力を送達するように構成されてもよい。第一の対の電気接点は、電源から電力を受けるように構成されてもよい。
【0042】
装置は、第二の対の電気接点を備えてもよい。第二の対の電気接点は、電源へと電気的に接続されてもよい。第二の対の電気接点は、電源から電力を受けるように構成されてもよい。第一の対の電気接点は、電源から第二の対の電気接点を介して電力を受けるように構成されてもよい。
【0043】
カートリッジが装置に連結される時、第一の対の電気接点は第二の対の電気接点と接触してもよい。第一の対および第二の対の電気接点は、電磁石へと電力を送達するように構成されてもよい。第一の対および第二の対の電気接点は、エアロゾル発生要素へと電力を送達するように構成されてもよい。
【0044】
電気接点は、スズ、銀、金、銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの鋼、リン青銅、アンチモンで合金化されたスズ、ジルコニウムで合金化されたスズ、ビスマスで合金化されたスズ、または有機酸に対する耐性を向上させる他の構成成分で合金化されたスズのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0045】
本開示の別の態様によると、エアロゾル発生システムのためのカートリッジが提供されてもよい。カートリッジは、エアロゾル形成基体を収容するための貯蔵区画と、電磁石と、電源から電力を受け、かつ電力を電磁石へと送達するように構成された電気接点とを備えてもよい。カートリッジは、エアロゾル形成基体を貯蔵区画からエアロゾル形成基体出口へと搬送するように構成されたエアロゾル形成基体流路と、流路内に置かれた強磁性体と、をさらに備えてもよい。電磁石への電力の印加は、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かす場合がある。第一の位置では、強磁性体は、エアロゾル形成基体のエアロゾル形成基体出口への流れを、第二の位置におけるより大きい程度まで制限する場合がある。
【0046】
カートリッジは、エアロゾル発生要素をさらに備えてもよい。
【0047】
カートリッジは、エアロゾル発生要素とエアロゾル形成基体出口との間に置かれた保持材料をさらに備えてもよい。第一の位置では、強磁性体は、エアロゾル形成基体の保持材料への流れを、第二の位置におけるより大きい程度まで制限する場合がある。
【0048】
エアロゾル形成基体流路は、第一の内径と、第一の内径より大きい第二の内径とを備えてもよい。第一の位置では、強磁性体は、第一の内径と整列されてもよい。第二の位置では、強磁性体は、第二の内径と整列されてもよい。第一の位置では、強磁性体は、第一の内径と整列されてもよい。第二の位置では、強磁性体は、第二の内径と整列されてもよい。強磁性体の直径は、流路の第一の内径以上であってもよい。
【0049】
流路の内部表面は、第一の内径および第二の内径を形成する包囲壁によって画定されてもよい。包囲壁は、テーパーを備えてもよい。テーパーは、包囲壁の直径の緩やかな変化を含んでもよい。包囲壁は、第二の内径から第一の内径へとテーパー付きであってもよい。包囲壁は、円錐台形状を有する。包囲壁は、第二の内径において溝を備えてもよい。流路は、第二の内径において流体バイパスチャネルを備えてもよい。
【0050】
電磁石は、流路の端を包囲してもよい。電磁石は、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成されてもよい。電磁石は、強磁性体を第二の位置へと引き付けるように構成されてもよい。
【0051】
カートリッジは、強磁性体を引き付けるように構成された永久磁石をさらに備えてもよい。永久磁石は、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成されてもよい。
【0052】
カートリッジは、ばねをさらに備えてもよい。電力が電磁石へと印加される時、強磁性体は、ばねの弾性的な付勢に打ち勝って、第一の位置へと引き付けられてもよい。
【0053】
強磁性体は、球であってもよい。強磁性体は、ステンレス鋼を含んでもよい。
【0054】
カートリッジは、空気吸込み口、空気出口、および空気吸込み口から空気出口への気流経路をさらに備えてもよい。
【0055】
本開示の第一の態様のエアロゾル発生システムの特徴は、本開示の任意の他の態様に適用されてもよい。具体的には、本開示の第二の態様のカートリッジは、本開示の第一の態様に関して記述されるエアロゾル発生システムの特徴を含んでもよい。
【0056】
本開示の別の態様によると、エアロゾル形成基体をエアロゾル発生システム内のエアロゾル発生要素へと供給する方法が提供される。システムは、エアロゾル形成基体を収容する貯蔵区画と、エアロゾル形成基体を保持するために適切なエアロゾル発生要素に近接した保持材料とを備えてもよい。システムは、貯蔵区画と保持材料の間に画定されたエアロゾル形成基体流路と、流路内に置かれた強磁性体と、電磁石とをさらに備えてもよい。方法は、電磁石へと電力を供給して、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かすことを含んでもよく、第一の位置では、強磁性体は、エアロゾル形成基体の保持材料への流れを、第二の位置におけるより大きい程度制限してもよい。
【0057】
方法は、強磁性体を、ユーザー入力に応答して、所定の回数、第一の位置と第二の位置との間で動かすことを含んでもよい。
【0058】
ユーザー入力は、ユーザーがボタンを押すことを含んでもよい。ユーザー入力は、ユーザーが、エアロゾル発生システム内の空気吸込み口から空気出口へと画定される気流経路の空気出口へと陰圧を印加することを含んでもよい。
【0059】
方法は、所定の回数、電磁石へと供給される電力を逐次的に増加および減少することを含んでもよい。方法は、所定の回数、電磁石へと供給される電力を逐次的に供給および切断することを含んでもよい。
【0060】
所定の回数は、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回であってもよい。
【0061】
方法は、第二のユーザー入力を受信することを含んでもよい。第二のユーザー入力は、ユーザーがボタンを押すことを含んでもよい。方法は、第二のユーザー入力に応答して、電磁石への電力を切断することをさらに含んでもよい。
【0062】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル」という用語は、気体中の固体粒子、または液滴、または固体粒子と液滴との組み合わせの分散を指す。エアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよい。エアロゾルは、室温において通常は液体または固体である物質の蒸気だけでなく、固体粒子もしくは液体の液滴、または固体粒子および液体の液滴の組み合わせも含んでもよい。
【0063】
本発明に関して本明細書で使用される場合、エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を振動可能な要素の通路を通して動かすことによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、液体構成成分と固体構成成分との両方を含んでもよい。
【0064】
エアロゾル形成基体は、一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体の実施例としては、グリセリンおよびプロピレングリコールが挙げられる。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンまたはプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%、例えば約2%、のニコチン濃度を有してもよい。
【0065】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、風味剤などのその他の添加剤および成分を含んでもよい。
【0066】
本明細書で使用される場合、「液体エアロゾル形成基体」という用語は、凝縮した形態にあるエアロゾル形成基体を指すために使用される。それ故に、「液体エアロゾル形成基体」は、液体、ゲル、またはペーストのうちの一つ以上であってもよく、またはそれを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体がゲルもしくはペーストである、またはゲルもしくはペーストを含む場合、ゲルもしくはペーストは加熱に伴い液体化する場合がある。例えば、ゲルまたはペーストは、摂氏50、75、100、150、または200度未満の温度への加熱に伴い、液体化する場合がある。
【0067】
本明細書で使用される場合、「強磁性」という用語は、強磁性および強磁性材料の両方を含む、磁界と相互作用することができる材料を指すために使用される。
【0068】
本明細書で使用される場合、「直径」という用語は、円、球、または円筒の円形断面の中心を通過する直線を指し、線の終点は、円、球、または円筒の円形断面の周囲にある。
【0069】
下記に、非限定的な実施例を非網羅的に提供する。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【0070】
実施例1.エアロゾル発生システムであって、
エアロゾル形成基体を収容する貯蔵区画と、
エアロゾル形成基体を保持するために適切な保持材料と、
保持材料に近接するエアロゾル発生要素と、
貯蔵区画と保持材料との間に画定されたエアロゾル形成基体流路と、
流路内に位置付けられる強磁性体と、
電磁石と、
電磁石への電力の印加が、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かし、第一の位置では、強磁性体が、エアロゾル形成基体の保持材料への流れを第二の位置におけるより大きい程度制限する、エアロゾル発生システム。
【0071】
実施例2.流路が、第一の内径と、第一の内径より大きい第二の内径と、を備える、実施例1によるエアロゾル発生システム。
【0072】
実施例3.第一の位置では、強磁性体が第一の内径と整列し、また第二の位置では、強磁性体が第二の内径と整列する、実施例2によるエアロゾル発生システム。
【0073】
実施例4.強磁性体の直径が、流路の第一の内径以上である、実施例2または実施例3によるエアロゾル発生システム。
【0074】
実施例5.流路の内部表面が、第一の内径および第二の内径を形成する包囲壁によって画定される、実施例2~実施例4のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0075】
実施例6.包囲壁が、テーパーを備える、実施例5によるエアロゾル発生システム。
【0076】
実施例7.包囲壁が、第二の内径から第一の内径へとテーパー状である、実施例6によるエアロゾル発生システム。
【0077】
実施例8.包囲壁が、円錐台形状を有する、実施例6または実施例7によるエアロゾル発生システム。
【0078】
実施例9.包囲壁が、第二の内径において溝を備える、実施例5~実施例8のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0079】
実施例10.流路が、第二の内径において流体バイパスチャネルを備える、実施例2~実施例9のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0080】
実施例11.第一の内径が、保持材料に隣接する流路の端において画定される、実施例2~実施例10のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0081】
実施例12.電磁石が、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成される、実施例1~実施例11のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0082】
実施例13.電磁石が、強磁性体を第二の位置へと引き付けるように構成される、実施例1~実施例11のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0083】
実施例14.電磁石がリング形状である、実施例1~実施例13のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【0084】
実施例15.電磁石が、流路の端を包囲する、実施例1~実施例14のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0085】
実施例16.電磁石が保持材料に隣接して位置付けられる、実施例実施例1~実施例15のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0086】
実施例17.電磁石が貯蔵区画に隣接して位置付けられる、実施例実施例1~実施例15のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0087】
実施例18.強磁性体を引き付けるように構成された永久磁石をさらに備える、実施例1~実施例17のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0088】
実施例19.永久磁石がリング形状である、実施例18によるエアロゾル発生システム。
【0089】
実施例20.永久磁石が、流路を包囲する、実施例18または実施例19によるエアロゾル発生システム。
【0090】
実施例21.永久磁石が、流路の端に位置付けられる、実施例18~実施例20のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0091】
実施例22.永久磁石が保持材料に隣接して位置付けられる、実施例18~実施例21のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0092】
実施例23.永久磁石が貯蔵区画に隣接して位置付けられる、実施例18~実施例21のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0093】
実施例24.永久磁石が、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成される、実施例18~実施例23のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0094】
実施例25.永久磁石が、強磁性体を第二の位置へと引き付けるように構成される、実施例18~実施例23のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0095】
実施例26.電磁石にいかなる電力も印加されない時、強磁性体が、第一の位置へと引き付けられる、実施例24によるエアロゾル発生システム。
【0096】
実施例27.電磁石に電力が印加される時、強磁性体が、第二の位置へと引き付けられる、実施例25によるエアロゾル発生システム。
【0097】
実施例28.ばねをさらに備える、実施例1~実施例17のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0098】
実施例29.ばねが弾性的に付勢されて、強磁性体を第二の位置に維持する、実施例28によるエアロゾル発生システム。
【0099】
実施例30.電磁石に電力が印加される時、強磁性体が、ばねの弾性的な付勢に打ち勝って第一の位置に引き付けられる、実施例29によるエアロゾル発生システム。
【0100】
実施例31.ばねが弾性的に付勢されて、強磁性体を第一の位置に保持する、実施例28によるエアロゾル発生システム。
【0101】
実施例32.電磁石に電力が印加される時、強磁性体が、ばねの弾性的な付勢に打ち勝って第二の位置に引き付けられる、実施例31のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0102】
実施例33.強磁性体が、球である、実施例1~実施例32のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0103】
実施例34.強磁性体が、ディスクである、実施例1~実施例32のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0104】
実施例35.強磁性体が、ステンレス鋼を含む、実施例1~実施例34のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0105】
実施例36.エアロゾル発生要素が発熱体である、請求項実施例1~実施例35のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0106】
実施例37.エアロゾル発生要素が、メッシュ発熱体である、実施例36によるエアロゾル発生システム。
【0107】
実施例38.保持材料が、毛細管材料を含む、実施例1~実施例37のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0108】
実施例39.保持材料が、繊維状構造を有する、実施例1~実施例38のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0109】
実施例40.エアロゾル形成基体が、液体である、実施例1~実施例39のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0110】
実施例41.電磁石およびエアロゾル発生要素へと電力を送達するように構成された電気接点をさらに備える、実施例1~実施例40のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0111】
実施例42.電磁石への電力の印加および強磁性体の動きを制御するように構成された制御電子機器をさらに備える、実施例1~実施例41のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0112】
実施例43.制御電子機器が、エアロゾル発生要素への電力の供給を制御するように構成される、実施例42によるエアロゾル発生システム。
【0113】
実施例44.制御電子機器が、電磁石への電力の印加を制御するように構成された第一のコントローラを備える、実施例42または実施例43によるエアロゾル発生システム。
【0114】
実施例45.制御電子機器が、エアロゾル発生要素への電力の供給を制御するように構成される第二のコントローラを備える、実施例44によるエアロゾル発生システム。
【0115】
実施例46.制御電子機器が、電磁石およびエアロゾル発生要素への電力の供給を制御するように構成されるコントローラを備える、実施例42または43によるエアロゾル発生システム。
【0116】
実施例47.制御電子機器が、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かすように構成される、実施例42~実施例46のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0117】
実施例48.制御電子機器が、ユーザー入力に応答して、所定の回数、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かすように構成される、実施例47によるエアロゾル発生システム。
【0118】
実施例49.制御電子機器が、電磁石に供給される電力を所定の回数逐次的に供給および切断するように構成される、実施例42~実施例48のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0119】
実施例50.制御電子機器が、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で5回動かすように構成される、実施例48または実施例49によるエアロゾル発生システム。
【0120】
実施例51.制御電子機器が、エアロゾル発生要素が起動されていない時、強磁性体の動きを制御するように構成される、実施例42~実施例50のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0121】
実施例52.制御電子機器が、エアロゾル発生要素が起動される前に、強磁性体の動きを制御するように構成される、実施例51によるエアロゾル発生システム。
【0122】
実施例53.制御電子機器が、エアロゾル発生要素が起動された時、強磁性体の動きを制御するように構成される、実施例42~実施例50のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0123】
実施例54.空気吸込み口、空気出口、および空気吸込み口から空気出口への気流経路をさらに備える、実施例1~実施例53のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0124】
実施例55.エアロゾル発生要素が、気流経路を通る気流によって起動されるように構成される、実施例54によるエアロゾル発生システム。
【0125】
実施例56.気流経路を通る気流を検出し、そしてエアロゾル発生要素を起動するように構成される気流センサーをさらに備える、実施例55によるエアロゾル発生システム。
【0126】
実施例57.ユーザーがマウスピースへと陰圧を印加し、そして気流経路を通して空気を引き出すことを可能にするように構成されるマウスピースをさらに備える、実施例54~実施例56のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0127】
実施例58.電源をさらに備える、実施例1~実施例57のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0128】
実施例59.エアロゾル形成基体流路と保持材料との間にネットをさらに備える、実施例1~実施例58のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0129】
実施例60.カートリッジおよび装置を備える、実施例1~実施例59のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0130】
実施例61.カートリッジが、装置へと取り外し可能なように連結される、実施例60によるエアロゾル発生システム。
【0131】
実施例62.カートリッジが、貯蔵区画と、保持材料と、エアロゾル発生要素と、エアロゾル形成基体流路と、強磁性体と、電磁石と、を備える、実施例60または実施例61によるエアロゾル発生システム。
【0132】
実施例63.装置が、電源および制御電子機器を備える、実施例60~実施例62のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0133】
実施例64.カートリッジが、電磁石へと電力を送達するように構成された第一の電気接点を備える、実施例60~実施例63のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0134】
実施例65.装置が、構成された第二の電気接点を備える、実施例60~実施例64のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0135】
実施例66.エアロゾル発生システム用のカートリッジであって、
エアロゾル形成基体を収容するための貯蔵区画と、
電磁石と、
電源から電力を受け、かつ電力を電磁石へと送達するように構成された電気接点と、
エアロゾル形成基体を貯蔵区画からエアロゾル形成基体出口へと搬送するように構成されたエアロゾル形成基体流路と、
流路内に置かれた強磁性体と、を備え、
電磁石への電力の印加が、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かし、第一の位置では、強磁性体が、エアロゾル形成基体のエアロゾル形成基体出口への流れを第二の位置におけるより大きい程度制限する、カートリッジ。
【0136】
実施例67.エアロゾル発生要素をさらに備える、実施例66によるカートリッジ。
【0137】
実施例68.エアロゾル発生要素と基体出口との間に置かれた保持材料をさらに備える、実施例67によるカートリッジ。
【0138】
実施例69.流路が、第一の内径と、第一の内径より大きい第二の内径と、を備える、実施例66または実施例68によるカートリッジ。
【0139】
実施例70.第一の位置では、強磁性体が第一の内径と整列し、また第二の位置では、強磁性体が第二の内径と整列する、実施例69によるカートリッジ。
【0140】
実施例71.強磁性体の直径が、流路の第一の内径以上である、実施例69または実施例70によるカートリッジ。
【0141】
実施例72.流路の内部表面が、第一の内径および第二の内径を形成する包囲壁によって画定される、実施例69~実施例70のいずれかによるカートリッジ。
【0142】
実施例73.包囲壁が、テーパーを備える、実施例72によるカートリッジ。
【0143】
実施例74.包囲壁が、第二の内径から第一の内径へとテーパー状である、実施例73によるカートリッジ。
【0144】
実施例75.包囲壁が、円錐台形状を有する、実施例73または実施例74によるカートリッジ。
【0145】
実施例76.包囲壁が、第二の内径において溝を備える、実施例72~実施例75のいずれかによるカートリッジ。
【0146】
実施例77.流路が、第二の内径において流体バイパスチャネルを備える、実施例72~実施例76のいずれかによるカートリッジ。
【0147】
実施例78.電磁石が、流路の端を包囲する、実施例66~実施例77によるカートリッジ。
【0148】
実施例79.電磁石が、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成される、実施例66~実施例78のいずれかによるカートリッジ。
【0149】
実施例80.電磁石が、強磁性体を第二の位置へと引き付けるように構成される、実施例66~実施例78のいずれかによるカートリッジ。
【0150】
実施例81.強磁性体を引き付けるように構成された永久磁石をさらに備える、実施例66~実施例80のいずれかによるカートリッジ。
【0151】
実施例82.永久磁石が、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成される、実施例81によるカートリッジ。
【0152】
実施例83.ばねをさらに備える、実施例66~実施例80のいずれかによるカートリッジ。
【0153】
実施例84.電磁石に電力が印加される時、強磁性体が、ばねの弾性的な付勢に打ち勝って第一の位置へと引き付けられる、実施例83によるカートリッジ。
【0154】
実施例85.強磁性体が、ステンレス鋼を含む球である、実施例84によるカートリッジ。
【0155】
実施例86.空気吸込み口、空気出口、および空気吸込み口から空気出口への気流経路をさらに備える、実施例66~実施例85のいずれかによるカートリッジ。
【0156】
実施例87.エアロゾル発生システム内のエアロゾル発生要素にエアロゾル形成基体を供給する方法であって、システムが、エアロゾル形成基体を収容する貯蔵区画と、エアロゾル形成基体を保持するために適切なエアロゾル発生要素に近接する保持材料と、貯蔵区画と保持材料の間に画定されるエアロゾル形成基体流路と、流路内に置かれた強磁性体と、電磁石と、を備え、方法が、
電磁石へと電力を供給して、強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かすことを含み、第一の位置では、強磁性体は、エアロゾル形成基体の保持材料への流れを、第二の位置におけるより大きい程度制限する、方法。
【0157】
実施例88.強磁性体を、ユーザー入力に応答して、所定の回数、第一の位置と第二の位置との間で動かすことを含む、実施例87による方法。
【0158】
実施例89.ユーザー入力が、ユーザーがボタンを押すことを含む、実施例88による方法。
【0159】
実施例90.ユーザー入力が、ユーザーがエアロゾル発生システム内の空気吸込み口から空気出口へと画定される気流経路の空気出口へと陰圧を印加することを含む、実施例88または実施例89による方法。
【0160】
実施例91.所定の回数、電磁石へと供給される電力を逐次的に増加および減少することをさらに含む、実施例88~実施例90のいずれかによる方法。
【0161】
実施例92.所定の回数、電磁石へと供給される電力を逐次的に供給および切断することを含む、実施例91による方法。
【0162】
実施例93.所定の回数が、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回である、実施例88~実施例91のいずれかによる方法。
【0163】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【
図1】
図1は、本開示の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図を示す。
【
図2a】
図2aは、本開示の第一の実施形態によるカートリッジの一部分の概略図を示す。
【
図2b】
図2bは、本開示の第一の実施形態によるカートリッジの一部分の概略図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図を示す。
【
図4a】
図4aは、本開示の第三の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図4b】
図4bは、本開示の第三の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図5a】
図5aは、本開示の第四の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図5b】
図5bは、本開示の第四の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図6a】
図6aは、本開示の第五の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図6b】
図6bは、本開示の第五の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図7a】
図7aは、本開示の第六の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図7b】
図7bは、本開示の第六の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図8a】
図8aは、本開示の第七の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図8b】
図8bは、本開示の第七の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
【
図9】
図9は、エアロゾル形成基体を本開示のエアロゾル発生システム内のエアロゾル発生要素へと供給する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0165】
図1は、本開示の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図である。システムは、カートリッジ100および装置200を備え、これらは取り外し可能なように一緒に連結されてエアロゾル発生システムを形成する。エアロゾル発生システムは携帯型であり、また従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。カートリッジ100は、エアロゾル形成基体を収容する貯蔵区画105を備える。この実施例ではエアロゾル形成基体は、液体である。保持材料115は、エアロゾル形成基体を保持するために適切である。保持材料は、繊維状の構造を有する毛細管材料である。エアロゾル発生要素125は、保持材料115に近接して位置する。エアロゾル発生125要素は、メッシュ発熱体である。貯蔵区画105と保持材料115との間に画定されたエアロゾル形成基体流路110がある。ネット118は、保持材料115とエアロゾル形成基体流路110との間に位置付けられる。ステンレス鋼ボールなどの強磁性体120は、流路110内に位置付けられる。エアロゾル発生システムは、
図1に示すように、強磁性体120の上流に位置付けられた電磁石130を備える。別の方法として、電磁石は、強磁性体120の下流に位置付けられてもよい。エアロゾル発生システム300は、永久磁石160をさらに備える。永久磁石は、強磁性体120を第一の位置へと引き付けるように構成される。カートリッジ100は、エアロゾル発生要素125および電磁石130を装置200の電気接点へと電気的に接続するように構成された電気接点(図示せず)を備える。
【0166】
装置200は、電源220と、エアロゾル発生要素125および電磁石130へと電力を供給するように構成された制御電子機器240と、をさらに備える。制御電子機器240および電源220は、装置200上の電気接点を介してエアロゾル発生要素125および電磁石130へと電気的に接続され、電気接点は、
図1では図示されていない。装置200上の電気接点は、装置200がカートリッジ100へと取り付けられた時に、カートリッジ100上の電気接点と電気的な接触の状態になるように構成されてもよい。
【0167】
電磁石130への電力の印加は、強磁性体120を第一の位置と第二の位置との間で動かす。第一の位置では、
図1に示すように、強磁性体120は、保持材料115へのエアロゾル形成基体の流れを、第二の位置におけるより大きい程度まで制限する。
【0168】
図1に示すように、流路は、第一の内径135と、第一の内径135より大きい第二の内径140とを備える。強磁性体120、この実施例ではステンレス鋼を含む球は、流路の第一の内径135と整列する第一の位置に示される。流路の内部表面は、第一の内径135および第二の内径140を形成する包囲壁によって画定される。
図1に示すように、包囲壁は、円錐台形状を有して、第二の内径140から第一の内径135へとテーパー状である。第一の内径135は、保持材料115に隣接する流路の端において画定される。永久磁石160は、リング形状であり、また保持材料115に隣接する流路の端を包囲する。永久磁石は、強磁性体120を第一の位置へと引き付けるように構成される。電磁石130へと電力が印加される時、強磁性体120は、第二の位置へと引き付けられ、ここで強磁性体は、エアロゾル形成基体の流れを第一の位置におけるより小さい程度へと制限する。
【0169】
エアロゾル発生システム300は、空気吸込み口145、空気出口150、および空気吸込み口145と空気出口150との間に画定された気流経路を備える。
【0170】
使用されていない時、および電磁石130に電力が印加されていない時、強磁性体120は、永久磁石160によって引き付けられるため、第一の位置にある。使用時、ユーザーは、システム300の空気出口150を吸煙する。同時に、ユーザーは、エアロゾル発生装置200上のボタン(図示せず)を押す。このボタンを押すことは、制御電子機器240へと信号を送り、これは、電池220から、装置の電気接点およびカートリッジの電気接点を介してエアロゾル発生要素125へと電力が供給される結果をもたらす。これは、電流を発熱体125を通して流れさせ、それによってエアロゾル発生要素125の抵抗加熱を生じさせる。カートリッジの電気接点は、エアロゾル発生要素125および電磁石130の両方に電力を供給するように構成される。電力が電磁石130へと印加される時、電磁石130の磁気力は、強磁性体120を第二の位置へと引き付けるように構成される。他の実施例では、気流センサー、または圧力センサーが、カートリッジ200内に位置特定され、そしてコントローラ240へと電気的に接続される。気流センサーまたは圧力センサーは、ユーザーがシステム300の空気出口150を吸煙していることを検出し、そして信号を制御電子機器240へと送信して、電力を発熱体125および電磁石130へと提供する。したがって、これらの実施例では、発熱体125を加熱するためにユーザーはボタンを押す必要がない。
【0171】
ユーザーがシステム300の空気出口150を吸煙するにつれて、空気は空気吸込み口145の中へと引き込まれる。次いで、この空気は気流経路を通して進む。この空気は、エアロゾル発生要素125の表面を横切って、かつ空気出口150に向かって進む。この空気の流れは、エアロゾル形成基体を加熱する発熱体125によって形成される蒸気を同伴する。この同伴された蒸気は、その後冷却され、そして凝縮してエアロゾルを形成する。次いで、このエアロゾルは、空気出口150を介してユーザーへと送達される。保持材料115内のエアロゾル形成基体が加熱されるにつれて、気化され、そして気流内に同伴される。
【0172】
貯蔵区画105からのエアロゾル形成基体は、強磁性体120が第二の位置にある時に、エアロゾル形成基体流路110を介して、ネット118を通して保持材料115へと進む。貯蔵区画105からのこのエアロゾル形成基体は、気化したエアロゾル形成基体を効果的に置き換える。貯蔵区画からのエアロゾル形成基体は、少なくとも部分的に毛細管作用によって保持材料115の中へと引き出されてもよい。これは、保持材料115が、繊維状または海綿体状の構造を有する毛細管材料であるためである。エアロゾル形成基体は、強磁性体の動きによって貯蔵区画105から保持材料115へとさらに搬送されてもよい。制御電子機器240は、電磁石への電力の印加を制御するように構成される。ユーザー入力、例えば、ユーザーがボタンを押すことに応答して、制御電子機器240は、電磁石130へと供給される電力の量を逐次的に増加および低減し、それによってエアロゾル形成基体流れチャネル内で強磁性体120を前後に動かすように構成される。この前後の動きは、保持材料115へのエアロゾル形成基体の供給を増加させるための送り出す効果を作り出す。
【0173】
図2aおよび
図2bは、本開示の第一の実施形態によるカートリッジの一部分の概略図を示す。
図2aおよび
図2bに示すエアロゾル発生システムの一部分は、永久磁石160、電磁石130、強磁性体120、およびエアロゾル形成基体流路110、保持材料115、貯蔵部分105、およびエアロゾル発生要素125を備える。
図2aは、強磁性体120が第二の位置であることを示す。
図2bは、第一の位置にある強磁性体120を示す。
図2aおよび
図2bでは、電磁石130は、強磁性体120を第二の位置へと引き付けるように構成される。
図2aおよび
図2bに示すようなエアロゾル発生システムの一部分は、強磁性体120を第一の位置へと引き付けるように構成された永久磁石160を備える。
図2aは、電力が電磁石130へと印加されている時の実施形態を示す。
図2bは、電力が電磁石130に印加されていない時の実施形態を示す。
【0174】
図3は、本開示の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの概略図を示す。この実施形態の多くの特徴は、
図3について記述したものと同じである。
図1のシステムと
図3のシステムとの間の差異は、電磁石430および永久磁石460の配設である。
図3に示すように、永久磁石460は、強磁性体420を第二の位置へと引き付けるように構成される。電力が電磁石430へと印加される時、電磁石は、強磁性体を第一の位置へと引き付けるように構成される。電磁石230は、強磁性体420を第一の位置へと引き付けるように構成される。いかなる電力も電磁石430へと印加されない時、強磁性体420は第二の位置へと引き付けられる。
【0175】
図4aおよび
図4bは、本開示の第三の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。この部分は、
図2aおよび
図2bで示される部分と交換可能であり、また
図1または
図3に示すシステムなどのエアロゾル発生システムのカートリッジの一部であってもよい。
図4aおよび
図4bに示すような実施形態は、永久磁石を備えないが、ばね770は備える。
図4aでは、ばね770は、延びている。
図4bでは、ばね770は、圧縮されている。
【0176】
図4aおよび
図4bに示すようなばねは、弾性的に付勢されて、強磁性体720を第二の位置に維持する。ばね770の弾性的な付勢は、システムが任意の向きに保持されている時に、強磁性体720を第二の位置に保持するために十分であってもよい。電磁石730へと電力が印加される時、強磁性体720は、ばね770の弾性的な付勢に打ち勝って第一の位置へと引き付けられ、そしてばねは、
図4bに示すように圧縮される。ばね770の弾性的な付勢は、強磁性体に対する電磁石730の引力より小さい強度を有する。
【0177】
図5aは、本開示の第四の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
図5aに示す実施形態は、ばね870を備える。
図5aでは、ばねは、圧縮されている。電磁石830は、強磁性体820を第二の位置へと引き付けるように構成される。
図5aは、電力が電磁石へと印加されている時の実施形態を示す。
【0178】
図5bは、ばね870が延びている時の第四の実施形態を示す。ばね870は、弾性的に付勢されて、強磁性体820を第一の位置に保持する。電磁石830は、強磁性体820を第二の位置へと引き付けるように構成される。
図5bは、電力が電磁石830へと印加されていない時の実施形態を示す。電磁石830へと電力が印加される時、強磁性体820は、ばね870の弾性的な付勢に打ち勝って第二の位置へと引き付けられる。
【0179】
図6aは、本開示の第五の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
図6aに示すように、エアロゾル形成基体流路910は、第二の内径において溝912を備える周囲壁を備える。溝は、流路の増加した内径の領域を提供し、液体が強磁性体を通ることを可能にする。
図6aに示すように、電力が電磁石930へと印加されない時、強磁性体920は第二の位置にある。
【0180】
図6bは、本開示の第五の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。
図6aでは、包囲壁は、第二の内径において溝を備え、また電力が電磁石930へと印加された時、強磁性体920は、第一の位置にある。
【0181】
図7aは、本開示の第六の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。包囲壁は、溝およびテーパーを備える。強磁性体は、第二の位置にある。
【0182】
図7bは、本開示の第六の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。包囲壁は、溝およびテーパーを備える。強磁性体は、第一の位置にある。
【0183】
図8aおよび
図8bは、本開示の第七の実施形態によるエアロゾル発生システムの一部分の概略図を示す。電磁石1130は、保持材料1115に隣接して位置付けられ、また電磁体1120を第二の位置へと引き付けるように構成される。永久磁石1160は、強磁性1120体を第一の位置へと引き付けるように構成される。エアロゾル形成基体流路の包囲壁は、テーパーを備える。テーパーは円錐台形状を有し、また第一の直径および第二の直径を備え、第一の直径は第二の直径より小さい。
図8aおよび
図8bに示すように、永久磁石1160は、第一の直径に隣接し、また貯蔵区画1105に隣接する。
図8aは、強磁性体1120が第二の位置にあることを示す。
図8bは、強磁性体1120が第一の位置にあることを示す。
【0184】
図9は、エアロゾル形成基体を本開示のエアロゾル発生システム内のエアロゾル発生要素へと供給する方法のフローチャートを示す。方法は、ユーザー入力10を受信することを含む。この実施例では、ユーザー入力は、ユーザーがボタンを押すことを含む。次いで、方法は、工程20において、電磁石に電力を供給して、ユーザー入力に応答して強磁性体を第一の位置と第二の位置との間で動かす工程を含む。第一の位置では、強磁性体は、エアロゾル形成基体の保持材料への流れを、第二の位置におけるより大きい程度まで制限する。方法は、ステップ30において、所定の回数、例えば、少なくとも5回、電磁石に供給される電力を逐次的に増加および減少することをさらに含む。次いで、方法は、第二のユーザー入力を受信する工程40と、第二のユーザー入力に応答して、工程50において電磁石への電力を切断する工程50とを含む。
【0185】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的については、別段の表示がない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数は、すべての事例において「約」という用語によって修飾されることが理解される。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数Aは、A±Aの10パーセントとして理解される。
【国際調査報告】