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特表2024-536539BIERメッセージ転送方法、装置、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】BIERメッセージ転送方法、装置、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/00 20220101AFI20240927BHJP
【FI】
H04L45/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522695
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 CN2022110685
(87)【国際公開番号】W WO2023098132
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202111462084.7
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】徐本崇
(72)【発明者】
【氏名】張征
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HD03
5K030LB05
(57)【要約】
BIERメッセージ転送方法、装置、及び記憶媒体を開示する。BIERメッセージ転送方法は、第1ノードに適用され、第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む、第3ノードによって生成された第1BIERメッセージを受信するステップ(S510)と、第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップ(S520)と、第2BIERメッセージヘッダに対応する第2BIERメッセージを第2ノード情報に対応する第2ノードに転送するステップ(S530)と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む、第3ノードによって生成された第1BIERメッセージを受信するステップと、
前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップと、
前記第2BIERメッセージヘッダに対応する第2BIERメッセージを前記第2ノード情報に対応する第2ノードに転送するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップは、
前記BIERセグメントリスト中の前記第2ノード情報をポップアップするステップと、
前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記BIERセグメントリストは、第3ノード情報をさらに含み、前記BIERセグメントリスト中の前記第2ノード情報をポップアップする前記ステップは、
前記第2ノード情報及び前記第3ノード情報がこの順で配列されて含まれる前記BIERセグメントリストの先頭にある前記第2ノード情報をポップアップするステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2ノード情報は、BFR-idとBIERサブドメインIDを含み、前記BIERセグメントリストの先頭にある前記第2ノード情報をポップアップする前記ステップは、
前記BIERセグメントリスト中のBIERサブドメインセグメントリストの先頭にある前記第2ノード情報をポップアップするステップであって、前記BIERサブドメインセグメントリストは、同じ前記サブドメインIDを有するいくつかのBIERルーティングの前記BFR-idを含むステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記BIERセグメントリストは、第1BIERサブドメインセグメントリスト中の前記第2ノード情報と、第2BIERサブドメインセグメントリスト中の第4ノード情報とを含み、前記BIERセグメントリスト中のBIERサブドメインセグメントリストの先頭にある前記第2ノード情報をポップアップする前記ステップの後、
前記第1BIERサブドメインセグメントリストをポップアップし、前記第2BIERサブドメインセグメントリストを前記BIERサブドメインセグメントリストの先頭に移動させ、前記第4ノード情報を、前記第2ノードが転送する必要のあるターゲットノードに対応する情報に変更するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1BIERメッセージヘッダは、第1プロトコルをさらに含み、第3ノードによって生成された第1BIERメッセージを受信する前記ステップは、
前記第1プロトコルに従って前記BIERセグメントリストを解析して、第2ノード情報を得るステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記BIERセグメントリストは、第2プロトコルをさらに含み、前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得る前記ステップの後、
前記BIERセグメントリストが前記第2ノード情報を含まない場合、前記BIERセグメントリストをポップアップするステップと、
前記第1プロトコルを、前記第1BIERメッセージの後に位置するサービスメッセージのための前記第2プロトコルに変更するステップと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第3ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
指定転送経路に従って、第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む第1BIERメッセージを得るステップと、
前記第1BIERメッセージヘッダに従って、前記第1BIERメッセージを前記第1ノード情報に対応する第1ノードに転送するステップであって、前記第1ノードで生成された第2BIERメッセージは、前記第2ノード情報を含むステップと、を含む、方法。
【請求項9】
前記指定転送経路が、第3ノード、第1ノード、及び第2ノードがこの順で配列された経路である場合、指定転送経路に従って第1BIERメッセージを得る前記ステップは、
前記指定転送経路に従って、第3ノード情報、前記第1ノード情報、及び前記第2ノード情報がこの順で配列されて含まれるBIERセグメントリストを生成するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記指定転送経路が、第3ノード、前記第1BIERサブドメイン内に位置する第1ノード、及び前記第2BIERサブドメイン内に位置する第2ノードがこの順で配列された経路である場合、指定転送経路に従って第1BIERメッセージを得る前記ステップは、
前記指定転送経路に従って、前記第1ノードに対応する第1ノード情報を含む第1BIERサブドメインのセグメントリストと、前記第2ノードに対応する第2ノード情報を含む第2BIERサブドメインのセグメントリストとがこの順で配列されて含まれるBIERセグメントリストを生成するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
BIERルーティングが複数のサブドメインIDに対応する場合、
前記BIERルーティングに対応するターゲットサブドメインIDを前記転送経路に応じて決定するステップと、
前記ターゲットサブドメインIDに応じて、前記BIERルーティングを対応するBIERサブドメインセグメントリストに追加するステップと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
BIERネットワーク内の第5ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
第1BIERメッセージを受信するステップであって、前記第1BIERメッセージは第1BIERメッセージヘッダテーブルを含み、前記第1BIERメッセージヘッダは第1ノード情報を含むステップと、
前記第1ノード情報に基づいて、前記第5ノードが前記第1ノードであるか否かを判断するステップと、
前記第5ノードが前記第1ノードでない場合、前記第1ノードに前記第1BIERメッセージを転送するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含むBIERメッセージ転送装置であって、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~12のいずれか1項に記載のBIERメッセージ転送方法を実現する、装置。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか1項に記載のBIERメッセージ転送方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が202111462084.7、出願日が2021年12月2日の中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願の全ての内容はここで参考として本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、通信の技術分野に関し、具体的には、BIERメッセージ転送方法、装置、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
IPマルチキャスト転送に続いて、ビットインデックス明示的複製(BIER:Bit Index Explicit Replication)が開発されつつある。従来のマルチキャストツリー技術とは異なり、BIERは、ターゲットノードを識別するBitstringをメッセージに含めることで受信者を識別し、これらのビットの転送テーブルエントリを通じてBIERによって転送されるターゲットノードを決定する。BIER技術自体は、様々なカプセル化タイプをサポートしており、複数のカプセル化タイプ間の互換性もサポートしている。
【0004】
現在、ネットワーク内の指定経路転送は、通常、セグメントルーティング(Segment Routing、略してSR)を通じて実装される。例えば、MPLSネットワークでは、SR-MPLSを通じて実装され、IPv6ネットワークでは、SRv6を通じて実装される。異なるプロトコルには異なる経路情報が対応し、異なるカプセル化技術を使用して実装されたセグメントルーティングは、対応するネットワーク内でのみ役割を果たすことができるが、メッセージがIPv6、IPv4、MPLSなどの複数のネットワークを通過する場合、既存のセグメントルーティングは機能できなくなり、したがって、様々なカプセル化タイプをサポートするBIERネットワークにセグメントルーティング機能を実装する方法が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下は、本明細書で詳細に説明される主題の概要である。この概要は、特許請求の範囲を制限するものではない。
【0006】
本願の実施例は、BIERメッセージ転送方法、装置、及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様では、本願の実施例は、
第1ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む第1BIERメッセージを受信するステップと、
前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップと、
前記第2BIERメッセージヘッダに対応する第2BIERメッセージを前記第2ノード情報に対応する第2ノードに転送するステップと、を含む、BIERメッセージ転送方法を提供する。
【0008】
第2態様では、本願の実施例は、
第3ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
指定転送経路に従って、第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む第1BIERメッセージを得るステップと、
前記第1BIERメッセージヘッダに従って、前記第1BIERメッセージを前記第1ノード情報に対応する第1ノードに転送するステップであって、前記第1ノードで生成された第2BIERメッセージは、前記第2ノード情報を含むステップと、を含む、BIERメッセージ転送方法を提供する。
【0009】
第3態様では、本願の実施例は、
BIERネットワーク内の第5ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
第1BIERメッセージを受信するステップであって、前記第1BIERメッセージは第1BIERメッセージヘッダテーブルを含み、前記第1BIERメッセージヘッダは第1ノード情報を含むステップと、
前記第1ノード情報に基づいて、前記第5ノードが前記第1ノードであるか否かを判断するステップと、
前記第5ノードが前記第1ノードでない場合、前記第1ノードに前記第1BIERメッセージを転送するステップと、を含む、BIERメッセージ転送方法を提供する。
【0010】
第4態様では、本願の実施例は、第1態様、第2態様、及び第3態様のいずれか1項に記載の実施例に記載のBIERメッセージ転送システムを含む、装置を提供する。
【0011】
第5態様では、本願の実施例は、第1態様、第2態様、及び第3態様のいずれか1項に記載の実施例に記載のBIERメッセージ転送方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
図面は、本願の技術案の更なる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成し、本願の実施例と共に本願の技術案を説明するために使用され、本願の技術案を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願の一実施例によるBIERサブドメインのネットワーキング図である。
図2】本願の別の実施例によるマルチBIERサブドメインのネットワーキング図である。
図3】本願の別の実施例によるBIERメッセージのBIERセグメントリスト構造におけるBIERサブドメインセグメントリストの構造図である。
図4】本願の別の実施例によるBIERメッセージのBIERセグメントリストの構造図である。
図5】本願の別の実施例によるBIERメッセージ転送方法のステップのフローチャートである。
図6】本願の別の実施例による図5のステップS520の詳細なステップのフローチャートである。
図7】本願の別の実施例による図6のステップS610の詳細なステップのフローチャートである。
図8】本願の別の実施例による図7のステップS710の詳細なステップのフローチャートである。
図9】本願の別の実施例による図8のステップS810の後の追加のステップのフローチャートである。
図10】本願の別の実施例によるBIERメッセージ転送方法の詳細なステップのフローチャートである。
図11】本願の別の実施例による図5のステップS520の後の追加のステップのフローチャートである。
図12】本願の別の実施例による第3ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法のステップのフローチャートである。
図13】本願の別の実施例による図12のステップS1210の詳細なステップのフローチャートである。
図14】本願の別の実施例による図12のステップS1210の別の詳細なステップのフローチャートである。
図15】本願の別の実施例による図12のBIERメッセージ転送方法の追加のステップのフローチャートである。
図16】本願の別の実施例による第5ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法のステップのフローチャートである。
図17】本願の別の実施例による第1ノードによるBIERメッセージ転送方法を例示する図である。
図18】本願の別の実施例によるBIERメッセージ転送装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では、図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。本明細書に記載された具体的な実施例は、本願を説明するためにのみ使用され、本願を限定するために使用されないことを理解されたい。
【0014】
なお、機能モジュール分割は装置の模式図に示され、論理的順序はフローチャートに示されているが、場合によっては、装置内のモジュール分割とは異なってもよく、又は示されたもくしは説明されたステップは、フローチャートに示された順序とは異なるもので実行されてもよい。明細書及び特許請求の範囲、並びに前述の図面における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために使用される。
【0015】
本願の実施例は、BIERメッセージ転送方法、装置、及び記憶媒体を提供する。BIERメッセージ転送方法は第1ノードに適用され、前記BIERメッセージ転送方法は、第3ノードによって生成された第1BIERメッセージを受信するステップであって、第1BIERメッセージは、第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含むステップと、第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップと、第2BIERメッセージヘッダに対応する第2BIERメッセージを第2ノード情報に対応する第2ノードに転送するステップと、を含む。BIERメッセージヘッダに転送経路情報をカプセル化してターゲットノードのアドレス情報を決定することにより、様々なカプセル化タイプをサポートするBIERネットワークにおいて、セグメントルーティングの効果や指定経路転送の機能を実現する。
【0016】
従来のIPマルチキャスト転送技術がマルチキャストツリーを通じてマルチキャストを行うのに対し、ビットインデックス明示的複製(Bit Index Explicit Replication、略してBIER)は、ターゲットノードを識別するBitstringをメッセージに含めることで受信者を識別し、例えばmpls、ipv6、etherなどの多種のカプセル化タイプ間の互換をサポートする特徴をBIER技術に持たせる。
【0017】
ここで、例えば決定論的ネットワーク、コンピューティングパワーネットワーク、サービスチェーンなどの様々な新しいアプリケーションを実現するために、指定経路転送が必要になることがよくあり、通常の処理方法は、セグメントルーティング(Segment Routing、略してSR)を通じて指定経路転送機能を実現し、例えばMPLSネットワークでは、SR-MPLSを通じて指定経路転送を実現し、IPv6ネットワークではSRv6を通じて指定経路転送を実現する。
【0018】
BIER技術には、例えばmpls、ipv6、etherなどの多種のカプセル化タイプ間の互換をサポートする特徴があるため、BIERネットワーク中の対応するメッセージがIPv6、IPv4、MPLSなどのネットワークを通過する状況が存在し、現在のSRは、対応するカプセル化技術に応じてターゲットルーティングの経路アドレスを決定する必要があり、その結果、現在のSRは、BIERネットワークがIPv6、IPv4、MPLSなどのネットワークを通過する場合にターゲットルーティングの経路アドレスを決定してセグメントルーティング機能を実現することができない。
【0019】
上記の問題に対して、本願は、BIERネットワークがIPv6、IPv4、MPLSなどのネットワークを通過する場合にターゲットルーティングの経路アドレスを決定し、セグメントルーティング機能を実現する、BIERメッセージ転送方法を提案する。
【0020】
なお、BIER技術は、BIERメッセージヘッダのカプセル化方式を提供し、BIERメッセージヘッダ中のBitstringにターゲットノードのルーティング情報を持っており、現在のノードはBIERメッセージヘッダ中のBitstringによって受信ノードを識別し、ターゲットノードに対してソロキャスト又はマルチキャストを行う機能を実現することができる。
【0021】
BIER技術により転送する過程で、BIERルーティングはまた、ビット転送入口ルータ(Bit Forwarding Ingress Router、略してBFIR)、ビット転送ルータ(Bit Forwarding Router、略してBFR)、及びビット転送出口ルータ(Bit Forwarding Egress Router、略してBFER)を含み、BFIRは、トラフィックの入力ノードを表し、BFERは、トラフィックの出力ノードを表し、BFRは、中間転送トラフィックのノードを表し、BFIRとBFERは、BIERネットワークにおけるトラフィックの方向を表す。従来のBIER技術では、BIERメッセージにはBFERに対応するBFR-idが記憶されており、マルチキャスト又はソロキャストを行う前に、BIERドメインにおいてフラッディングを通じて関連データが予め生成されており、それにより、BFIRノードは、BFER情報を得るだけで、対応するターゲットノードに対してソロキャスト又はマルチキャストを行うことができるが、BFIRで生成されたBIERメッセージは、対応するBFERノードに対してしかソロキャスト又はマルチキャストを行うことができず、指定経路に従って転送することができないという問題がある。
【0022】
上記課題を解決するために、本願は、BIERメッセージ転送方法、装置、及び記憶媒体を提供する。以下、図面を参照して、本願の実施例についてさらに説明する。
【0023】
図1を参照すると、図1は、本願の一実施例によるBIERサブドメインのネットワーキング図である。
【0024】
BIERが転送過程で通過するノードがBIERドメインに複数存在する場合、指定経路転送となり、例えば、指定サービスメッセージ1は、指定経路R1、R2、R4、R6、R8を通じて転送する必要があり、その中でR1からR8は、いずれもBIERネットワーク機能を実現できるルーティングノードであり、サービスの転送過程では、R1からR2へ、R2からR4へ、R4からR6へ、R6からR8へのメッセージ転送が段階的に行われ、各ジャンプの過程で、メッセージ中のBFER情報に対応するターゲットノード情報は、それにより、指定経路転送が実現され、例えば、R2はR1のBFERノードに相当し、R8はR6のBFERノードに相当する。
【0025】
図1は、単一BIERサブドメインで指定経路転送を行うことに対応しており、転送中に、各ルーティングノードは、各ルーティングノードに対応するbfd-idで識別される。
【0026】
図2を参照すると、図2は、本願の一実施例によるマルチBIERサブドメインのネットワーキング図である。
【0027】
単一BIERサブドメインで指定経路転送を行う図1に対し、図2では、マルチBIERサブドメインで指定経路転送を行う。指定経路が複数のサブドメインにまたがる場合、例えば、図2においてノードR1の識別情報が(サブドメインid:1、bfd-id:1)、ノードR5の識別情報が(サブドメインid:2、bfd-id:5)となるように、サブドメインIDとbfd-idの両方によって各ノードのルーティングを識別する必要がある。
【0028】
サブドメインIDとルーティングID(bfd-id)により、具体的なターゲットルーティングが一意に特定され、また、図におけるID符号は、BIERネットワークの特性をより良く解釈するために過ぎず、一般的に、Bitstringに記憶されているノード情報は、すべてバイナリ文字列の形で存在する。
【0029】
図3を参照すると、図3は、本願の一実施例によるBIERメッセージのBIERセグメントリスト構造におけるBIERサブドメインセグメントリストの構造図である。
【0030】
図3のbfr-id-listメッセージ構造は、本願によるBIERメッセージ転送方法におけるBIERメッセージのBIERサブドメインセグメントリスト構造に対応しており、ここで、BIERサブドメインセグメントリスト構造は、このBIERサブドメイン内の指定転送経路上に位置するすべてのルーティングノードのルーティングID、すなわちbfr-idに対応しており、また、図3において、subdomain-idは、所属サブドメインidを表し、bfr-id-numは、後続のbfr-idの数を表す。
【0031】
図4を参照すると、図4は、本願の一実施例によるBIERメッセージのBIERセグメントリストの構造図である。
【0032】
図3は、BIERセグメントリストのメッセージ構造であり、BIERセグメントリストは、BIERメッセージのBIERメッセージヘッダの後に位置し、図3において、bfr-id-list-numは、BIERセグメントリストに含まれるBIERサブドメインセグメントリストの数を表し、protocolは、BIERメッセージの後に続くサービスメッセージを解析、処理するためのBIERセグメントリストのプロトコルフィールドである。
【0033】
図3及び図4の事前の説明は、本願による技術案をより良く解釈するために過ぎず、図3及び図4で提案されたメッセージ構造も本願の対応する発明点の1つに属し、本願で提案されたBIERメッセージ転送方法によって、指定経路転送の効果を達成できる。
【0034】
図5を参照すると、図5は、本願の一実施例によるBIERメッセージ転送方法のステップのフローチャートであり、第1ノードに適用されるが、このBIERメッセージ転送方法は、以下のステップS510~ステップS530を含むが、これらに限定されない。
【0035】
ステップS510:第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む、第3ノードによって生成された第1BIERメッセージを受信する。
【0036】
第1ノードは、BEIRネットワークがメッセージを転送する過程で通過を指定されたノードを表し、また、第1ノードは、第1BIERメッセージを解析し、第1BIERメッセージに含まれる情報を取得できる。
【0037】
第1BIERメッセージは、第1ノードがデータリンクから得られるデータグラムから解析されたメッセージを表し、第1BIERメッセージは、第1ノードに対応する情報をカプセル化したメッセージセグメントを表し、第1ノードのアドレス情報は第1BIERメッセージによって決定され、第1BIERメッセージは、第1ノードに対応するBIERメッセージヘッダである第1BIERメッセージヘッダと、セグメント転送経路を決定するために使用される後続のデータ情報を表すBIERセグメントリストとを含む。
【0038】
なお、BIERメッセージヘッダには、このBIERメッセージヘッダに対応するBIERメッセージがBFERノード情報に対応していることを表すターゲットノード情報が含まれ、BIERセグメントリストには、指定転送経路において第1ノードの後に指定されたノードを表す第2ノード情報が含まれ、第2ノードは、第1ノードで生成されたBIERメッセージに対応するBFERノードである。
【0039】
ステップS520:第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得る。
【0040】
第1ノード情報は、第1BIERメッセージのターゲットノード情報を表し、ターゲットノード情報は、BIERメッセージに対応するBFERノード情報であり、第1ノードに対応するBFERノードは第2ノードである。第1BIERメッセージヘッダのターゲットノード情報を第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得、この第2BIERメッセージヘッダに従って、対応するターゲットノードにメッセージをセグメント転送する機能を実現する。
【0041】
なお、BIERヘッダをカプセル化する動作は、BIER標準動作であり、RFC8296に詳細に記述されており、本願の発明点ではなく、また、BIERヘッダのprotocolフィールドはBIERセグメントリストタイプに対応しており、BIERセグメントリストデータはBIERヘッダのprotocolフィールドによって解析され得る。
【0042】
一実施例では、転送経路において、最終的なターゲットノードを除いた各BIERルーティングノードは、第1ノードとして、BIERメッセージヘッダを介して対応するターゲットノードにメッセージを転送することができ、これにより、セグメントルーティング機能が実現される。
【0043】
ステップS530:第2BIERメッセージヘッダに対応する第2BIERメッセージを第2ノード情報に対応する第2ノードに転送する。
【0044】
ターゲットノードを識別するBitstringをメッセージに含めることで受信者を識別するというBIERの特徴によって、異なるカプセル化技術を使用する場合に、ターゲットルーティングアドレスを決定することができ、BIERセグメントリスト中のセグメント情報と組み合わせると、BIERネットワークがIPv6、IPv4、MPLSなどのネットワークを通過する場合にターゲットルーティングの経路アドレスを決定し、セグメントルーティング機能を実現できる。
【0045】
BIERネットワークで転送を行う過程では各リンクのBIERカプセル化方式が異なってもよい。
【0046】
一実施例では、セグメントに基づいて転送されるたびに、前の第1ノードに対応するターゲットノードが現在の第1ノードとなり、また、BIERセグメントリスト中の現在の第1ノードに対応するターゲットノードの第2ノード情報に基づいて、メッセージヘッダを再カプセル化し、第2ノードに対応する第2BIERメッセージヘッダを得、第2BIERメッセージヘッダに従って、第2ノードへのセグメントジャンプを実現する。例えば、図1を参照すると、指定されたサービスが指定経路R1、R2、R4、R6、R8を介して転送される必要があり、R1、R2、R4、R6のいずれも第1ノードであり、ノードR2が第1ノードとしてノードR1により転送された第1BIERメッセージを受信する場合、この第1BIERメッセージの第1BIERメッセージヘッダには、ノードR2に対応するノード情報が含まれ、この第1BIERメッセージのBIERセグメントリストには、R2、R4、R6、R8情報が含まれる。この第1BIERメッセージの第1BIERメッセージヘッダのノードR2に対応するノード情報をR4に対応するノード情報に変更し、この第1BIERメッセージのBIERセグメントリストに含まれるR2情報をポップアップし、R4に対応する第2BIERメッセージヘッダを得、この第2BIERメッセージヘッダに従ってノードR4にメッセージを転送し、R4がメッセージを受信した後に新たな第1ノードとなって、上記の方法で転送を継続し、このように、セグメントルーティング機能が実現される。
【0047】
図6を参照すると、一実施例では、図5に示す実施例のステップS520は、以下のステップS610とステップS620を含むが、これらに限定されない。
【0048】
ステップS610:BIERセグメントリスト中の第2ノード情報をポップアップする。
【0049】
ステップS620:第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得る。
【0050】
一実施例では、BIERセグメントリスト中の第2ノード情報をポップアップし、また、第1BIERメッセージヘッダのターゲットノード情報を第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得る。BIERセグメントリストは、図4に示すメッセージ構造を含み、BIERセグメントリストは、転送経路における後で通過すべき各ノードに対応するルーティングノード情報を含む。第1BIERメッセージヘッダのターゲットノード情報を第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るたびに、BIERセグメントリストを通じて第2ノード情報を得、第1BIERメッセージヘッダのターゲットノード情報を第2ノード情報に変更し、再度第2BIERメッセージヘッダを得、また、BIERセグメントリスト中の第2ノード情報をポップアップし、これは、転送経路における、現在対応するターゲットノード以外の後で通過すべき各ノードに対応するルーティングノード情報がBIERセグメントリストに含まれていることを示す。また、BIERセグメントリストは、第2ノードが第1ノードである場合に第2ノードに対応するターゲットノード情報を含むものとして理解されてもよい。
【0051】
メッセージ転送の過程でBIERセグメントリストはBIERメッセージが通過するBIERルーティングノードの進行に応じて変化し、セグメントルーティング機能を実現する。
【0052】
図7を参照すると、一実施例では、BIERセグメントリストは第3ノード情報をさらに含み、図6に示す実施例のステップS610は、以下のステップS710を含むが、これに限定されない。
【0053】
ステップS710:第2ノード情報と第3ノード情報とがこの順で配列されて含まれるBIERセグメントリストの先頭にある第2ノード情報をポップアップする。
【0054】
一実施例では、BIERセグメントリストは第3ノード情報をさらに含み、第3ノード情報に対応する第3ノードは、第2ノードが第1ノードである場合に対応するターゲットノードである。BIERセグメントリストが第3ノード情報をさらに含む場合、BIERセグメントリスト中の第2ノード情報及び第3ノード情報は、転送経路のノード指定順序で配列され、ここで、転送経路のノード指定順序は、プロセッサがサービスに従って指定した転送経路上の各ルーティングノードの順序を指す。例えば、図1において、サービス1が指定経路R1、R2、R4、R6、R8を介して転送される必要がある場合、R1、R2、R4、R6、R8はノード指定順序であり、BIERセグメントリストの先頭にある第2ノード情報をポップアップすると、ターゲットノードに対応する第2ノード情報がBIERセグメントリストの先頭に位置し、BIERセグメントリスト中のノード情報がノード指定順序で前から後にソートされることを表す。
【0055】
なお、BIERセグメントリストには、転送経路がその通過を指定するノードである複数のノード情報が含まれている。
【0056】
BIERセグメントリストが複数のノード情報を含む場合、BIERセグメントリスト中の第2ノード情報及び第3ノード情報は転送経路のノード指定順序で配列され、BIERセグメントリストの先頭にある第2ノード情報をポップアップすることにより、各第1ノードに対応するターゲットノードをセグメント化して決定することができ、BIERネットワークにおけるセグメントルーティング機能を実現する。
【0057】
図8を参照すると、一実施例では、第2ノード情報は、BFR-idとBIERサブドメインIDを含み、図7に示す実施例のステップS710は、以下のステップS810を含むが、これに限定されない。
【0058】
ステップS810:BIERセグメントリスト中のBIERサブドメインセグメントリストの先頭にある第2ノード情報をポップアップし、BIERサブドメインセグメントリストは、同じサブドメインIDを有するいくつかのBIERルーティングのBFR-idを含む。
【0059】
一実施例では、各ノード情報は、BFR-idとBIERサブドメインIDを含み、図3及び図4を参照すると、単一BIERサブドメインでセグメント転送を行う場合、ノード情報は、図4のメッセージ構造で存在し、BIERセグメントリストにはBIERサブドメインセグメントリスト(bfr-id-list)が1つ含まれ、BIERサブドメインセグメントリストは図3に示され、図3のsubdomain-idはBIERサブドメインidに対応する。ターゲットルーティングアドレスがBIERメッセージヘッダのBFR-id及びBIERサブドメインIDに応じて決定され、転送が行われる。
【0060】
BIERサブドメインセグメントリストが同じサブドメインIDを有するいくつかのBIERルーティングのBFR-idを含むことは、単一BIERサブドメインでセグメント転送を行うBIERルーティングノードを表す。
【0061】
一実施例では、BIERセグメントリストは、第1BIERサブドメインセグメントリストと第2BIERサブドメインセグメントリストをさらに含む。BIERセグメントリストの先頭にある第1BIERサブドメインセグメントリストの先頭にある第2ノード情報をポップアップし、BIERセグメントリストの第1BIERサブドメインセグメントリスト及び第2BIERサブドメインセグメントリストを、転送経路のノード指定順序で配列する。
【0062】
一実施例では、BIERセグメントリスト及びBIERサブドメインセグメントリストは、いずれもキューのデータ構造で記憶され、先頭にあるノード情報がポップアップされると、BIERセグメントリスト及びBIERサブドメインセグメントリスト中の当該ノード情報の後に続く情報は、先頭に向かってインデントされて新しい先頭になる。
【0063】
一実施例では、図4を参照すると、BIERセグメントリストが複数のBIERサブドメインセグメントリストを含む場合、BIERセグメントリスト中の各BIERサブドメインセグメントリストは、転送経路のノード指定順序で配列され、BIERセグメントリストの先頭にある第1BIERサブドメインセグメントリストの先頭にある第2ノード情報をポップアップすると、各第1ノードに対応するターゲットノードをセグメント化して決定することができ、BIERネットワークにおけるセグメントルーティング機能を実現することができる。
【0064】
図9を参照すると、一実施例では、図8に示す実施例のステップS810の後に、以下のステップS910を含むが、これに限定されない。
【0065】
ステップS910:第1BIERサブドメインセグメントリストをポップアップし、第2BIERサブドメインセグメントリストをBIERサブドメインセグメントリストの先頭に移動させ、第4ノード情報を、第2ノードが転送する必要のあるターゲットノードに対応する情報に変更する。
【0066】
一実施例では、BIERセグメントリストは、いくつかのBIERサブドメインセグメントリストを含み、BIERサブドメインセグメントリストがノード情報を含まない場合、このBIERサブドメインセグメントリスト。
【0067】
第1ノードが第1BIERメッセージを受信した後、BIERセグメントリストの先頭BIERサブドメインセグメントリストがいずれも対応する第2ノード情報を含むようにするために、BIERサブドメインセグメントリストが第2ノード情報を含まない場合、BIERサブドメインセグメントリストをポップアップし、それによって、第1ノードが第1BIERメッセージを受信した後、BIERセグメントリストの先頭BIERサブドメインセグメントリストを読み取ることによって対応する第2ノード情報を直接取得できることを確保し、セグメント転送機能を実現する。
【0068】
図10を参照すると、一実施例では、図5図9に示すいずれかの実施例では、第1BIERメッセージヘッダは、第1プロトコルをさらに含み、ステップS510は、以下のステップS1010を含むが、これに限定されない。
【0069】
ステップS1010:第1プロトコルに従ってBIERセグメントリストを解析して、第2ノード情報を得る。
【0070】
一実施例では、BIERメッセージヘッダのprotocolは、BIERヘッダの後にBIERセグメントリストがあることを示すBIERセグメントリストタイプを追加する。第1ノードが第1BIERメッセージを受信した後、第1BIERメッセージヘッダに含まれる第1プロトコルに従ってBIERセグメントリストを解析して、第2ノード情報を得る。第1プロトコルはBIERセグメントリストのカプセル化タイプに対応する任意のプロトコルであってもよく、当業者は実際の状況に応じて調整してもよい。
【0071】
一実施例では、メッセージ転送中にBIERセグメントリストのタイプは固定される。
【0072】
図11を参照すると、一実施例では、図10に示す実施例のステップS1010の後に、以下のステップS1110及びステップS1120を含むが、これらに限定されない。
【0073】
ステップS1110:BIERセグメントリストが第2ノード情報を含まない場合、BIERセグメントリストをポップアップする。
【0074】
ステップS1120:第1プロトコルを、第1BIERメッセージの後に位置するサービスメッセージのための第2プロトコルに変更する。
【0075】
第1ノードがサービスメッセージを受信した後、BIERセグメントリストの先頭ノード情報がいずれも対応する第2ノード情報を含むようにするために、BIERセグメントリストが第2ノード情報を含まない場合、BIERセグメントリストをポップアップし、それによって、第1ノードがサービスメッセージを受信した後、BIERセグメントリストの先頭ノード情報を読み取ることにより対応する第2ノード情報を直接取得できることを確保し、セグメント転送機能を実現する。
【0076】
一実施例では、BIERメッセージの後にサービスメッセージが続き、このサービスメッセージは、最終的なターゲットノードが処理すべきメッセージであり、例えば、図1を参照すると、サービス1は指定経路R1、R2、R4、R6、R8を介して転送される必要がある場合、R8は、最終的なターゲットノードである。また、第1プロトコルは、第1BIERメッセージの後に位置するサービスメッセージのための第2プロトコルに変更され、後続のサービス処理に備えられる。
【0077】
一実施例では、BIERセグメントリストがポップアップされた場合、BIERメッセージヘッダの第1プロトコルに従ってサービスメッセージを解析してサービス情報を得、サービス情報に従ってサービス処理を実行する。
【0078】
一実施例では、第1ノードがサービスメッセージを受信した後、BIERセグメントリストが空か否かをチェックし、BIERセグメントリストが空の場合、サービスメッセージが最終的なターゲットノードに到達し、現在の第1ノードが最終的なターゲットノードであることを表し、その場合、BIERメッセージヘッダの第1プロトコルに従ってサービスメッセージを解析してサービス情報を得、サービス情報に従ってサービス処理を行い、このサービスメッセージは、セグメントルーティング機能によって処理する必要がある任意のメッセージであってもよい。
【0079】
一実施例では、BIERルーティングが複数のサブドメインIDに対応する場合、BIERルーティングに対応するターゲットサブドメインIDを転送経路に応じて決定し、BIERルーティングをターゲットサブドメインIDに応じて対応するBIERルーティングセグメントリストに追加する。
【0080】
一実施例では、1つのBIERルーティングが複数のサブドメインIDに対応する場合、BIERルーティングに対応するターゲットサブドメインIDを転送経路に応じて決定し、BIERルーティングをそのターゲットサブドメインIDに応じて対応するBIERルーティングセグメントリストに追加し、BIERセグメントリスト中の各BIERルーティングが一意のBFR-id及びサブドメインIDに対応することを確保する。
【0081】
一実施例では、BIERルーティングに対応するターゲットサブドメインIDを転送経路に応じて決定し、BIERルーティングをターゲットサブドメインIDに応じて対応するBIERルーティングセグメントリストに追加する。例えば、図2において、サービス1は、指定経路R1、R2、R4、R5、R6を介して転送される必要があり、R1、R2、R4はBIERサブドメイン1に属し、R5、R6はBIERサブドメイン2に属し、R4はサブドメイン1及び2に対応する。処理を容易にするために、サブドメイン1をR4に対応するターゲットサブドメインIDとして、R4をサブドメイン1に対応するBIERルーティングセグメントリストに追加する。
【0082】
なお、標準によれば、異なるBIERサブドメインのデバイスbfr-idが同じであってもよいが、ここでは説明の便宜のために、それに異なるbfr-idを割り当てる。
【0083】
一実施例では、図3及び図4を参照すると、BIERセグメントリストは、転送経路内で完全に通過していないサブドメインの数を表すサブドメインの数をさらに含み、サブドメインIDリストは、対応するサブドメインのサブドメインID及び対応するドメイン内のルーティングの数をさらに含む。
【0084】
一実施例では、第1ノード及び第2ノードに対応する転送経路は、BIERネットワークにおいて第1ノード及び第2ノードが直接隣接していることを表す厳密経路と、BIERネットワークにおいて第1ノード及び第2ノードの間にいくつかの非転送経路指定BIERルーティングが存在することを表すルーズ経路とを含む。
【0085】
図12を参照すると、図12は、本願の別の実施例によるBIERメッセージ転送方法のステップのフローチャートであり、このBIERメッセージ転送方法は、第3ノードに適用され、以下のステップS1210及びステップS1220を含むが、これらに限定されない。
【0086】
ステップS1210:指定転送経路に従って、第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む、第1BIERメッセージを得る。
【0087】
ステップS1220:第1BIERメッセージヘッダに従って、第1BIERメッセージを第1ノード情報に対応する第1ノードに転送し、第1ノードで生成された第2BIERメッセージは、第2ノード情報を含む。
【0088】
一実施例では、第3ノードは、指定転送経路のソースノードであり、例えば、図1を参照すると、サービス1は、指定経路R1、R2、R4、R6、R8を介して転送される必要があり、R1は第3ノードである。
【0089】
一実施例では、第3ノードにおいて指定転送経路に従って第1BIERメッセージを取得し、第1BIERメッセージは、第1BIERメッセージヘッダと、BIERセグメントリストとを含み、第1BIERメッセージヘッダのターゲットノード情報は第1ノード情報を含み、BIERセグメントリストは第2ノード情報を含む。第1BIERメッセージヘッダに従って第1BIERメッセージを第1ノード情報に対応する第1ノードに転送し、第1ノードで生成された第2BIERメッセージのターゲットノード情報は第2ノード情報を含み、それにより、BIERネットワークにおけるセグメントルーティング機能が実現される。
【0090】
一実施例では、別のBIERセグメントリスト構造メッセージの編成方法が提供され、BIERセグメントリスト構造にはprotocolフィールドが有しなく、BIERセグメントリストは汎用セグメントヘッダに配置され、BIERヘッダ内のprotocolフィールドには汎用セグメントヘッダのプロトコルタイプが入力され、汎用セグメントヘッダ内のNext Headerにはサービスメッセージのタイプが入力され、それによって、BIERセグメントリストを解析する効果やサービスメッセージを解析する効果を達成し、セグメントルーティング機能を実現する。
【0091】
図13を参照すると、図13は、本願の別の実施例による図12のステップS1210の詳細なステップのフローチャートであり、BIERセグメントリストが第1BIERサブドメインセグメントリストと第2BIERサブドメインセグメントリストをさらに含み、セグメントリストが第2ノード情報と第3ノード情報を含む場合、このBIERメッセージ転送方法は、以下のステップS1310を含むが、これに限定されない。
【0092】
ステップS1310:指定転送経路に従って、第3ノード情報、第1ノード情報、及び第2ノード情報がこの順で配列されて含まれるBIERセグメントリストを生成する。
【0093】
図14を参照すると、図14は、本願の別の実施例による図12のステップS1210の詳細なステップのフローチャートであり、このBIERメッセージ転送方法は、以下のステップS1410を含むが、これに限定されない。
【0094】
ステップS1410:指定転送経路に従って、第1ノードに対応する第1ノード情報を含む第1BIERサブドメインセグメントリストと、第2ノードに対応する第2ノード情報を含む第2BIERサブドメインセグメントリストとがこの順で配列されて含まれるBIERセグメントリストを生成する。
【0095】
一実施例では、各ノード情報は、BFR-idとBIERサブドメインIDを含み、図3及び図4を参照すると、複数のBIERサブドメインでセグメント転送を行う場合、ノード情報は、図4のメッセージ構造で存在し、BIERセグメントリストには複数のBIERサブドメインセグメントリスト(bfr-id-list)が含まれ、BIERサブドメインセグメントリストは図3に示され、図3のsubdomain-idはBIERサブドメインidに対応する。ターゲットルーティングアドレスがBIERメッセージヘッダのBFR-id及びBIERサブドメインIDに応じて決定され、転送が行われる。
【0096】
一実施例では、BIERセグメントリストは、第1BIERサブドメインセグメントリストと第2BIERサブドメインセグメントリストを含み、BIERセグメントリスト中の第1BIERサブドメインセグメントリスト及び第2BIERサブドメインセグメントリストは、転送経路のノード指定順序で配列される。ここで、転送経路のノード指定順序は、プロセッサがサービスに従って指定した転送経路上の各ルーティングノードに対応するサブドメインIDの順序である。例えば、図2において、サービス1は、指定経路R1、R2、R4、R5、R6を介して転送される必要があり、R1、R2、R4、R6、R8はノード指定順序であり、R1、R2、R4、R6、R8の対応するBIERサブドメイン1、BIERサブドメイン2はサブドメインIDの順序に対応している。BIERセグメントリストの先頭にある第1BIERサブドメインセグメントリストの先頭にある第2ノード情報をポップアップすると、対応するターゲットノードの第1BIERサブドメインセグメントリストの先頭にある第2ノード情報がBIERセグメントリストの先頭に位置し、BIERセグメントリストのノード情報がノード指定順序で前から後にソートされることを表す。
【0097】
図15を参照すると、図15は、本願の別の実施例による図12の方法の追加のステップのフローチャートであり、このBIERメッセージ転送方法は、以下のステップS1510とステップS1520を含むが、これらに限定されない。
【0098】
ステップS1510:BIERルーティングに対応するターゲットサブドメインIDを転送経路に応じて決定する。
【0099】
ステップS1520:BIERルーティングをターゲットサブドメインIDに応じて対応するBIERサブドメインセグメントリストに追加する。
【0100】
一実施例では、1つのBIERルーティングが複数のサブドメインIDに対応する場合、転送経路に従ってBIERルーティングに対応するターゲットサブドメインIDを決定し、BIERルーティングをターゲットサブドメインIDに応じて対応するBIERルーティングセグメントリストに追加し、BIERセグメントリスト中の各BIERルーティングが一意のBFR-id及びサブドメインIDに対応することを確保する。
【0101】
一実施例では、BIERルーティングに対応するターゲットサブドメインIDを転送経路に応じて決定し、BIERルーティングをターゲットサブドメインIDに応じて対応するBIERルーティングセグメントリストに追加する。例えば、図2において、サービス1は、指定経路R1、R2、R4、R5、R6を介して転送される必要があり、R1、R2、R4はBIERサブドメイン1に属し、R5、R6はBIERサブドメイン2に属し、R4はサブドメイン1及び2に対応する。処理を容易にするために、サブドメイン1をR4に対応するターゲットサブドメインIDとして、R4をサブドメイン1に対応するBIERルーティングセグメントリストに追加する。
【0102】
なお、標準によれば、異なるBIERサブドメインのデバイスbfr-idが同じであってもよいが、ここでは説明の便宜のために、それに異なるbfr-idを割り当てる。
【0103】
図16を参照すると、図16は、本願の別の実施例によるBIERメッセージ転送方法のステップのフローチャートであり、このBIERメッセージ転送方法は、第5ノードに適用され、以下のステップS1610~ステップS1630を含むが、これらに限定されない。
【0104】
ステップS1610:第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダを含む第1BIERメッセージを受信する。
【0105】
ステップS1620:ターゲットノード情報に基づいて、第5ノードが第1ノードであるか否かを判断する。
【0106】
ステップS1630:第5ノードが第1ノードでない場合、第1ノードに第1BIERメッセージを転送する。
【0107】
BIERネットワーク転送の過程で、サービスのみを転送し、サービスを処理しないBFRルーティングが存在する場合、第5ノードはこのBFRルーティングであり、このようなBFRルーティングとBFERである第1ノードルーティングを区別するために、ターゲットノード情報と現在のノード情報を比較することにより、ルーティングノードが第1ノードであるか否かを判断する。
【0108】
一実施例では、第1BIERメッセージヘッダテーブルを含む第1BIERメッセージを受信し、BIERメッセージヘッダのターゲットノード情報は第1ノード情報を含む。ターゲットノード情報に基づいてルーティングノードが第1ノードであるか否かを判断し、ルーティングノードが第1ノードでない場合、第1ノードに第1BIERメッセージを転送し、第1ノードで第1BIERメッセージを処理し、それによって、セグメントルーティング機能を実現する。
【0109】
図17を参照すると、図17は、本願の別の実施例によるBIERメッセージ転送方法における指定経路を介した転送を例示する図であり、以下のステップS1710~ステップS1770を含むが、これらに限定されない。
【0110】
ステップS1710:BIERメッセージを受信する。
【0111】
ステップS1720:BIERメッセージのBIERメッセージヘッダのBFR-idが現在のノードに対応するか否かを判断し、そうであれば、ステップS1730を実行する。
【0112】
ステップS1730:BIERメッセージのBIERセグメントリストを解析することによって。
【0113】
ステップS1740:BIERサブドメインセグメントリスト中の最初のBIERサブドメインセグメントリストの最初のBFR-idに応じてBIERメッセージヘッダをカプセル化すると同時に、このBFR-idをポップアップする。
【0114】
ステップS1750:BIERサブドメインセグメントリストが空の場合、このBIERサブドメインセグメントリストをポップアップする。
【0115】
ステップS1760:BIERセグメントリストが空の場合、そのセグメントリストをポップアップする。
【0116】
ステップS1770:BIERメッセージに従って転送する。
【0117】
一実施例では、BIERメッセージが単一BIERサブドメインで生成されてから転送されるまでの過程は次の通りである。図3に示すように、subdomain-id(bierサブドメインID)、bfr-id-num(次に続くbfr-idの数を表す)、bfr-idリストを含むがこれに限定されないbfr-id-list構造を定義し、図4に示すように、bfr-id-list-num(後のbfr-id-listの数を表す)、protocol(セグメントリスト構造の後のメッセージタイプを表す)、bfr-id-listリストを含むがこれに限定されないBIERセグメントリスト構造を定義する。BIERメッセージヘッダのprotocolは、BIERメッセージヘッダの後にBIERセグメントリストがあることを示すBIERセグメントリストタイプを追加する。図1に示す単一BIERサブドメインのネットワーキング図では、サブドメインIDを1とし、ノードR1~R8のbfr-idをそれぞれ1~8とする。R1からR8まで、指定経路1はR1、R2、R4、R6、R8であり、指定経路2はR1、R3、R5、R7、R8である。サービス1のメッセージは、R1からR8へ転送され、コントローラ又はネットワークマネージャー又はデバイス構成インタフェースを介して、サービス1のメッセージが経路1を介して転送されると指定すると、R1デバイスでメッセージが構築される。経路1の最初のノードR1を検索したところ、現在のノードであることを発見し、スキップする。BIERメッセージヘッダの後にはBIERセグメントリストヘッダが続き、ここで、bfr-id-list-numフィールドには1、protocolフィールドにはサービス1のメッセージのプロトコルタイプが入力される。その後にbfr-id-list構造が続き、subdomain-idフィールドは1であり、bfr-id-numは3であり、その後に3つのbfr-idが続き、値は順に4、6、8である。bfr-id-list構造の後にサービスメッセージが続く。BIERメッセージがR2に到着すると、メッセージ中のbfr-idが現在のノードであることを発見すると、後続のBIERセグメントリストを解析し続け、BIERサブドメインID 1を取り出し、最初のbfr-id 4を取り出し、BIERメッセージヘッダを構築してBIER転送を続けるとともに、BIERセグメントリスト中のbfr-id-list構造については、bfr-id-numを2に変更し、bfr-id 4をポップアップし、bfr-id 6、8のみを残す。BIERメッセージがR4に到着すると、ステップ10を繰り返し、BIERセグメントリスト中のbfr-id-list構造については、bfr-id-numを1に変更し、bfr-id 6をポップアップし、bfr-id 8のみを残す。BIERメッセージがR6に到着すると、ステップ10を繰り返し、最後のbfr-id 8がポップアップされた後、bfr-id-listが空になり、このbfr-id-listをポップアップする。さらに、BIERセグメントリストが空の場合、BIERセグメントリストもポップアップする。BIERメッセージヘッダのprotocolフィールドには、サービスメッセージのプロトコル識別子が入力され、このとき、メッセージはBIERメッセージヘッダ+サービスメッセージとなる。BIERメッセージがR8に到着すると、メッセージ中のbfr-idが現在のノードであることを発見すると、引き続きサービスメッセージを解析し、サービスメッセージ処理を行う。ここで、サービス2のメッセージについて、経路2から上記のステップを繰り返すように指定してもよい。
【0118】
BIERメッセージが単一BIERサブドメインで生成されてから転送されるまでの過程に対応して、BIERメッセージがマルチBIERサブドメインで生成されてから転送されるまでの過程は次の通りである。図2に示すマルチBIERサブドメインのネットワーキングシナリオでは、BIERサブドメイン1のサブドメインIDを1、BIERサブドメイン2のサブドメインIDを2、BIERサブドメイン3のサブドメインIDを3とする。デバイスR3はBIERサブドメイン1とサブドメイン3の両方にあり、R4はBIERサブドメイン1とサブドメイン2の両方にあり、デバイスR7はBIERサブドメイン2とサブドメイン3の両方にあり、R1~R9のbfr-idはそれぞれ1~9である。図2に示すマルチBIERサブドメインのネットワーキングシナリオでは、R1からR6への経路1はR1、R2、R4、R5、R6であり、経路2はR1、R3、R8、R7、R5、R6であることが指定される。サービス1のメッセージは、R1からR6へ転送され、コントローラ又はネットワークマネージャー又はデバイス構成インタフェースを介して、サービス1のメッセージが経路2を介して転送されることを指定すると、R1デバイスでメッセージを構築する。経路2の最初のノードを検索したところ、現在のノードである場合、スキップする。経路2の2番目のノードを検索し、R3のBIER転送情報(BIERサブドメイン1、bfr-id 3)を見つけ、BIERメッセージヘッダをカプセル化する(このBIERメッセージヘッダをカプセル化する動作はBIER標準動作であり、RFC8296に詳細に記述されており、本願の発明点ではない)。ここで、BIERメッセージヘッダのprotocolフィールドにはBIERセグメントリストタイプが入力され、BIERメッセージヘッダの後にBIERセグメントリストヘッダが続く。経路の後のノードは2つのBIERサブドメインにあるので、2つのbfr-id-listを持ち、セグメントリストヘッダのbfr-id-list-numフィールドには2、protocolフィールドにはサービス1のメッセージのプロトコルタイプが入力される。後に2つのbfr-id-list構造が続く。最初のbfr-id-listでは、subdomain-idは3であり、bfr-id-numは2であり、その後に2つのbfr-idが続き、値は順に8、7である。2番目のbfr-id-listでは、subdomain-idフィールドは2であり、bfr-id-numは2であり、その後に2つのbfr-idが続き、値は順に5、6である。残りの過程は、上記のBIERメッセージが単一BIERサブドメインで生成されてから転送されるまでの過程の実施例と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0119】
さらに、図18を参照すると、本願の一実施例は、メッセージ転送装置1800を提供する。メッセージ転送装置1800は、メモリ1820と、プロセッサ1810と、メモリ1820に記憶され、プロセッサ1810で実行可能なコンピュータプログラムとを含み、プロセッサ1810は、コンピュータプログラムを実行すると、上記のいずれかのメッセージ転送方法を実現し、例えば、上記の図5の方法ステップS510~S530、図6の方法ステップS610~S620、図7の方法ステップS710、図8の方法ステップS810、図9の方法ステップS910、図10の方法ステップS1010、図11の方法ステップS1110~ステップS1120、図12の方法ステップS1210~S1230、図13の方法ステップS1310、図14の方法ステップS1410、図15の方法ステップS1510~S1520、図16の方法ステップS1610~S1630、図17の方法ステップS1710~S1770を実行する。
【0120】
さらに、本願の一実施例は、コンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、このコンピュータ実行可能命令は、1つ又は複数の制御プロセッサによって実行されると、例えば、上記の図5の方法ステップS510~S530、図6の方法ステップS610~S620、図7の方法ステップS710、図8の方法ステップS810、図9の方法ステップS910、図10の方法ステップS1010、図11の方法ステップS1110~ステップS1120、図12の方法ステップS1210~S1230、図13の方法ステップS1310、図14の方法ステップS1410、図15の方法ステップS1510~S1520、図16の方法ステップS1610~S1630、図17の方法ステップS1710~S1770を実行する。
【0121】
本願の実施例は、BIERメッセージ転送方法、装置、及び記憶媒体を提供する。前記BIERメッセージ転送方法は第1ノードに適用され、前記方法は、第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む、第3ノードによって生成された第1BIERメッセージを受信するステップと、前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップと、前記第2BIERメッセージヘッダに対応する第2BIERメッセージを前記第2ノード情報に対応する第2ノードに転送するステップと、を含む。BIERメッセージヘッダのカプセル化転送経路情報に基づいてターゲットノードの特性を決定し、BIERメッセージヘッダの後にセグメントリストを追加する方式を通じて、セグメント転送の過程でターゲットノードを変更することにより、各種のカプセル化タイプをサポートするBIERネットワークにおけるセグメントルーティング機能を実現し、BIERネットワークにおける指定経路転送の効果を達成する。
【0122】
上記で開示された方法におけるステップの全部又は一部、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実装されてもよい。物理的構成要素の一部又はすべては、中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、又はハードウェアとして、又は特定用途向け集積回路などの集積回路として実装されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)及び通信媒体(又は一時的媒体)を含んでもよいコンピュータ読み取り可能な媒体上に配布してもよい。当業者に周知のように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えば、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な、及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、通常、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波や他の送信機構のような変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含み得ることが、当業者には周知である。
【0123】
以上は、本願の好ましい実施形態を具体的に説明したが、本願は上記の実施形態に限定されるものではなく、当業者は、本願の精神に反しない共有の条件の下で、様々な均等な変形又は置換を行ってもよく、これらの均等な変形又は置換は、すべて本願の特許請求の範囲によって定められた範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む、第3ノードによって生成された第1BIERメッセージを受信するステップと、
前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップと、
前記第2BIERメッセージヘッダに対応する第2BIERメッセージを前記第2ノード情報に対応する第2ノードに転送するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップは、
前記BIERセグメントリスト中の前記第2ノード情報をポップアップするステップと、
前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記BIERセグメントリストは、第3ノード情報をさらに含み、前記BIERセグメントリスト中の前記第2ノード情報をポップアップする前記ステップは、
前記第2ノード情報及び前記第3ノード情報がこの順で配列されて含まれる前記BIERセグメントリストの先頭にある前記第2ノード情報をポップアップするステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2ノード情報は、BFR-idとBIERサブドメインIDを含み、前記BIERセグメントリストの先頭にある前記第2ノード情報をポップアップする前記ステップは、
前記BIERセグメントリスト中のBIERサブドメインセグメントリストの先頭にある前記第2ノード情報をポップアップするステップであって、前記BIERサブドメインセグメントリストは、同じ前記サブドメインIDを有するいくつかのBIERルーティングの前記BFR-idを含むステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記BIERセグメントリストは、第1BIERサブドメインセグメントリスト中の前記第2ノード情報と、第2BIERサブドメインセグメントリスト中の第4ノード情報とを含み、前記BIERセグメントリスト中のBIERサブドメインセグメントリストの先頭にある前記第2ノード情報をポップアップする前記ステップの後、
前記第1BIERサブドメインセグメントリストをポップアップし、前記第2BIERサブドメインセグメントリストを前記BIERサブドメインセグメントリストの先頭に移動させ、前記第4ノード情報を、前記第2ノードが転送する必要のあるターゲットノードに対応する情報に変更するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1BIERメッセージヘッダは、第1プロトコルをさらに含み、第3ノードによって生成された第1BIERメッセージを受信する前記ステップは、
前記第1プロトコルに従って前記BIERセグメントリストを解析して、第2ノード情報を得るステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記BIERセグメントリストは、第2プロトコルをさらに含み、前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得る前記ステップの後、
前記BIERセグメントリストが前記第2ノード情報を含まない場合、前記BIERセグメントリストをポップアップするステップと、
前記第1プロトコルを、前記第1BIERメッセージの後に位置するサービスメッセージのための前記第2プロトコルに変更するステップと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第3ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
指定転送経路に従って、第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む第1BIERメッセージを得るステップと、
前記第1BIERメッセージヘッダに従って、前記第1BIERメッセージを前記第1ノード情報に対応する第1ノードに転送するステップであって、前記第1ノードで生成された第2BIERメッセージは、前記第2ノード情報を含むステップと、を含む、方法。
【請求項9】
前記指定転送経路が、第3ノード、第1ノード、及び第2ノードがこの順で配列された経路である場合、指定転送経路に従って第1BIERメッセージを得る前記ステップは、
前記指定転送経路に従って、第3ノード情報、前記第1ノード情報、及び前記第2ノード情報がこの順で配列されて含まれるBIERセグメントリストを生成するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記指定転送経路が、第3ノード、前記第1BIERサブドメイン内に位置する第1ノード、及び前記第2BIERサブドメイン内に位置する第2ノードがこの順で配列された経路である場合、指定転送経路に従って第1BIERメッセージを得る前記ステップは、
前記指定転送経路に従って、前記第1ノードに対応する第1ノード情報を含む第1BIERサブドメインのセグメントリストと、前記第2ノードに対応する第2ノード情報を含む第2BIERサブドメインのセグメントリストとがこの順で配列されて含まれるBIERセグメントリストを生成するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
BIERルーティングが複数のサブドメインIDに対応する場合、
前記BIERルーティングに対応するターゲットサブドメインIDを前記転送経路に応じて決定するステップと、
前記ターゲットサブドメインIDに応じて、前記BIERルーティングを対応するBIERサブドメインセグメントリストに追加するステップと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
BIERネットワーク内の第5ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
第1BIERメッセージを受信するステップであって、前記第1BIERメッセージは第1BIERメッセージヘッダテーブルを含み、前記第1BIERメッセージヘッダは第1ノード情報を含むステップと、
前記第1ノード情報に基づいて、前記第5ノードが前記第1ノードであるか否かを判断するステップと、
前記第5ノードが前記第1ノードでない場合、前記第1ノードに前記第1BIERメッセージを転送するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含むBIERメッセージ転送装置であって、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~12のいずれか1項に記載のBIERメッセージ転送方法を実現する、装置。
【請求項14】
プロセッサによって実行されると、請求項1~12のいずれか1項に記載のBIERメッセージ転送方法を実現するコンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
第1態様では、本願の実施例は、
第1ノードに適用されるBIERメッセージ転送方法であって、
第1ノード情報を含む第1BIERメッセージヘッダと、第2ノード情報を含むBIERセグメントリストとを含む、第3ノードによって生成された第1BIERメッセージを受信するステップと、
前記第1BIERメッセージヘッダの第1ノード情報を前記第2ノード情報に変更して、第2BIERメッセージヘッダを得るステップと、
前記第2BIERメッセージヘッダに対応する第2BIERメッセージを前記第2ノード情報に対応する第2ノードに転送するステップと、を含む、BIERメッセージ転送方法を提供する。
【国際調査報告】