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特表2024-536540耳式体温計及びそれを用いた体温測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】耳式体温計及びそれを用いた体温測定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/01 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A61B5/01 350
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522706
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 KR2022015788
(87)【国際公開番号】W WO2023068715
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0139186
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0139187
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520424216
【氏名又は名称】エスエムディー ソリューション シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】SMDsolution Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】7F. 224 Changgyeonggung-ro, Jongno-gu, Seoul, Republic of Korea 03079
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュンキュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョンジョン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ソングォン
(72)【発明者】
【氏名】パク、キュチョル
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB01
4C117XC15
4C117XD09
4C117XE23
4C117XE48
(57)【要約】
【課題】
本発明は、耳式体温計及びこれを用いた体温測定方法に関する。
【解決手段】
本発明の一実施形態による耳式体温計の体温測定方法は、外耳道に挿入されて体温を測定する耳式体温計の体温測定方法において、外耳道に挿入された第1の光源が光を照射する段階;外耳道に挿入された検知部が反射された光の強度である第1の強度を測定する第1の測定段階;外耳道に挿入され、前記第1の光源とは異なる位置に配置された第2の光源が光を照射する段階;前記検知部が、反射された光の強度である第2の強度を測定する第2の測定段階;外耳道に挿入され、前記第1の光源及び前記第2の光源とは異なる位置に配置された第3の光源が光を照射する段階;前記検知部が、反射された光の強度である第3の強度を測定する第3の測定段階;及び前記第1の強度、前記第2の強度及び前記第3の強度の標準偏差を演算する段階を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外耳道に挿入されて体温を測定する耳式体温計の体温測定方法において、
外耳道に挿入された第1の光源が光を照射する第1の光源段階;
外耳道に挿入された検知部が反射された光の強度である第1の強度を測定する第1の測定段階;
外耳道に挿入され、前記第1の光源と異なる位置に配置された第2の光源が光を照射するステップ;
前記検知部が反射された光の強度である第2の強度を測定する第2の測定段階;
外耳道に挿入され、上記第1の光源及び上記第2の光源と異なる位置に配置された第3の光源が光を照射するステップ;
前記検知部が、反射された光の強度である第3の強度を測定する第3の測定段階;及び
前記第1の強度、前記第2の強度及び前記第3の強度の標準偏差を演算するステップを含む耳式体温計の体温測定方法。
【請求項2】
前記第1の光源、前記第2の光源、前記第3の光源をOFFにした状態で、前記検知部が体温を測定するステップをさらに含み、
前記標準偏差の大きさによって体温測定の信頼性(reliability)を判断する段階を含む請求項1に記載の耳式体温計の体温測定方法。
【請求項3】
前記制御部は、前記標準偏差に第1の重みを付与した第1の値と、前記平均値と予め定められた基準強度の差分値に第2の重みを付与した第2の値を演算し、
前記第1の値と前記第2の値の合計が低いほど、前記体温測定信頼度が高いと判断する請求項2に記載の耳式体温計の体温測定方法。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2の値が所定の値以下であれば、妥当性(validity)が高いと判断するステップをさらに含む請求項3に記載の耳式体温計の体温測定方法。
【請求項5】
前記第1の重みと前記第2の重みの合計は1に定められた請求項3に記載の耳式体温計の体温測定方法。
【請求項6】
前記第1の光源と前記検知部との距離であるd1と、前記第2の光源と前記検知部との距離であるd2と、前記第3の光源と前記検知部との距離であるd3は同じである請求項1に記載の耳式体温計の体温測定方法。
【請求項7】
前記標準偏差が基準値以下である場合、前記第1の強度、前記第2の強度および前記第3の強度の平均値またはいずれかの値または最も低い値を、次の体温検出時の信頼性判断の基礎となる基準強度として設定するステップを含む請求項2に記載の耳式体温計の体温測定方法。
【請求項8】
外耳道に挿入されて体温を測定する耳式体温計の体温測定方法において、
外耳道に挿入された第1の光源及び第2の光源をOFFした状態で、検知部が体温を測定する段階;
前記第2の光源をOFFした状態で、前記第1の光源が光を照射する段階;
前記検知部が、反射された光の強度である第1の強度を測定する第1の測定段階;
前記第1の光源をOFFした状態で、前記第2の光源が光を照射するステップ;
前記検知部が、反射された光の強度である第2の強度を測定する第2の測定段階;及び
前記第1の強度と前記第2の強度の差分値を基に、体温測定の信頼性(reliability)を判断するステップを含む耳式体温計の体温測定方法。
【請求項9】
外耳道に挿入されるハウジング;
前記ハウジングに配置されて光を照射する複数の光源;
前記複数の光源によって外耳道内部で反射された光の強度を測定する検知部;及び
前記光の強度を比較して体温測定の信頼性(reliability)または体温測定の妥当性(validity)を判断する制御部を含む耳式体温計。
【請求項10】
前記制御部は、前記複数の光源を順次点灯し、それぞれの光源による光の強度をそれぞれ判断する請求項9に記載の耳式体温計。
【請求項11】
前記制御部は、前記測定された光の強度の標準偏差が小さいほど体温測定の信頼性(reliability)が高いと判断する請求項9に記載の耳式体温計。
【請求項12】
前記制御部は、前記標準偏差が基準値以下であるとき、前記光の強度の平均値またはいずれかの値または最も低い値を基準強度に設定する請求項11に記載の耳式体温計。
【請求項13】
前記制御部は、前記光の強度の平均値と前記基準強度の差分が小さいほど体温測定の妥当性(validity)が高いと判断する請求項12に記載の耳式体温計。
【請求項14】
前記複数の光源を構成する各光源は、前記検知部を中心に互いに同じ角度を成して配置された請求項9に記載の耳式体温計。
【請求項15】
前記複数の光源を構成する各光源は、前記検知部との距離が全て同じである請求項9に記載の耳式体温計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳式体温計及びこれを用いた体温測定方法に関し、より詳細には、測定された体温の信頼性と妥当性を測定してユーザー又は第三者に情報を提供することができる耳式体温計及びこれを用いた体温測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線(IR)耳式体温モニタリング装置は、外耳道に部分的に挿入され、鼓膜の方向に向けられた体温センサーに接続された赤外線センサーを含む。赤外線センサは、赤外線の強度を測定する光電子デバイスであり、入力される赤外線の強度に応じて電圧を変更し、デジタル信号に変更し、最終的に出力温度の読み取り値を表示する。
【0003】
日本公開特許公報2011-056137(公開日:2011.03.24)は、ユーザーの耳に挿入する耳式体温計を開示している。このような耳の体温モニタリング装置は、取っ手を通して体温センサーを耳道(ear canal)に正確に挿入して温度を測定することができたが、耳道の形状と大きさは個人によって異なるため、定型化された体温センサーは体温測定の精度を低下させるという問題があった。
【0004】
一方、体温は健康な人の場合、36.5~37度である。体温が35度以下の場合、悪寒、判断力の低下、意識消失、不整脈の問題が発生する可能性がある。また、体温が37度を超えると、炎症性疾患、風邪、インフルエンザのような病気が発病したことを示している。したがって、正確な体温を測定し、体温が正常範囲を超えた場合、医療機関に情報を提供する必要がある。
【0005】
しかし、人によって外耳道の形態及び条件が異なるため、測定された体温は精度が低い場合が多い。したがって、測定時の信頼性と妥当性を一緒に判断できる体温計が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は以下の通りである。
【0007】
第一に、測定された体温の信頼性と妥当性を判断できる方法を提供することである。
【0008】
第二に、専門医療人でなくても正確な体温を測定できるようにすることである。
【0009】
第三に、第三者もユーザーが送信した体温の信頼性及び妥当性を判断できる情報を提供することである。
【0010】
本発明の課題は、上記で述べた課題に限定されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するために、本発明の一実施形態による耳式体温計の体温測定方法は、外耳道に挿入されて体温を測定する耳式体温計の体温測定方法において、外耳道に挿入された第1の光源が光を照射するステップ;外耳道に挿入された検知部が反射された光の強度である第1の強度を測定する第1の測定ステップ;外耳道に挿入され、前記第1の光源とは異なる位置に配置された第2の光源が光を照射するステップ;前記検知部が反射された光の強度である第2の強度を測定する第2の測定段階;外耳道に挿入され、前記第1の光源及び前記第2の光源と異なる位置に配置された第3の光源が光を照射する段階;前記検知部が反射された光の強度である第3の強度を測定する第3の測定段階;及び前記第1の強度、前記第2の強度及び前記第3の強度の標準偏差を演算する段階を含む。
【0012】
また、本発明の一実施例による耳式体温計の体温測定方法は、外耳道に挿入されて体温を測定する耳式体温計の体温測定方法において、外耳道に挿入された第1の光源及び第2の光源をOFFした状態で、検知部が体温を測定するステップ;上記第2の光源をOFFした状態で、上記第1の光源が光を照射するステップ;前記検知部が反射された光の強度である第1の強度を測定する第1の測定段階;前記第1の光源をOFFした状態で、前記第2の光源が光を照射する段階;前記検知部が反射された光の強度である第2の強度を測定する第2の測定段階;及び前記第1の強度と前記第2の強度の差分値を基に、体温測定の信頼性(reliability)を判断する段階を含む。
【0013】
また、本発明の一実施例による耳式体温計は、外耳道に挿入されるハウジング;前記ハウジングに配置されて光を照射する複数の光源;前記複数の光源によって外耳道内部で反射された光の強度を測定する検知部;及び前記光の強度を比較して体温測定の信頼性(reliability)又は体温測定の妥当性(validity)を判断する制御部を含む。
【0014】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、次のような効果があります。
【0016】
第一に、測定された体温の信頼性と妥当性を判断することができます。
【0017】
第二に、専門の医療従事者でなくても、正確な体温を測定することができます。
【0018】
第三に、第三者も使用者が送信した体温の信頼性と妥当性を判断する情報を提供することができます。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態による耳式体温計のブロック図である。
図2a図2aは、本発明の一実施形態による耳式体温計で外耳道に挿入される部分を表現した正面図、図2bは斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施例による耳式体温計で照射される光の強度が障害物の位置によって変化することを示した図面である。
図4図4は、本発明の一実施例による耳式体温計が外耳道で最も理想的な位置に挿入されて体温を測定することを表現した図面である。
図5図5は、本発明の一実施例による基準強度設定方法を示す図である。
図6図6は、本発明の一実施例による信頼度及び妥当性判断方法である。
図7図7は、本発明の一実施例による信頼度及び妥当性判定方法である。
図8図8は、本発明の一実施例による信頼度判定方法である。 図9a乃至図9fは基準強度、第1の強度及び第2の強度を比較したものであって、
図9a図9aは最も理想的な位置に挿入された場合で、第1の強度と第2の強度が類似している場合であり、
図9b図9bは第2の強度が第1の強度より非常に大きい場合で、第2の光源方向の挿入方向が不適切な場合であり、
図9c図9cは第1の強度が第2の強度より非常に大きい場合で、第1の光源方向の挿入方向が不適切な場合であり、
図9d図9dは図2bと結果は似ているが、異物除去が必要な場合であり、
図9e図9eは下方向に過度に挿入された例であり、
図9f図9fは上方向に過度に挿入された例を表現したものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述する実施例を参照することにより明らかになるであろう。
【0021】
しかしながら、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、異なる様々な形態で実施することができ、これらの実施形態は、本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野における当業者に本発明のカテゴリーを完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項のカテゴリーによって定義されるだけである。本明細書全体を通して、同一の参照符号は同一の構成要素を指す。
【0022】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【0023】
体内の酵素は活動条件が敏感であるため、40℃付近まで上がるだけでも効率が極端に低下したり、細胞が死滅して身体活動を適切に維持することができない。38℃だけ上がっても健康を脅かすレベルになり、40℃を超えると生命を脅かすレベルになる。一般的に体温が37~38℃なら微熱、38℃以上なら発熱または高熱と定義する。
【0024】
逆に35℃以下を低体温症に分類するが、34℃程度までは毛布をかけたり、温かいお茶を飲むなど、適切な措置をとれば短期間で体温を回復する可能性が高い。このように体温は重要な健康情報であり、遠隔診療の重要な一要素である。
【0025】
本発明は、健康情報の一つである体温の信頼性及び妥当性を判断する耳式体温計及び判断方法を提供する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による耳式体温計のブロック図である。図2aは、本発明の一実施形態による耳式体温計で外耳道に挿入される部分を表現した正面図、図2bは斜視図である。
【0027】
図1図2a及び図2bを参照すると、本発明の一実施例による耳式体温計は、外耳道に挿入されるハウジング(25);ハウジング(25)に配置されて光を照射する複数の光源(10);複数の光源(10)によって外耳道内部で反射された光の強度を測定する検知部(50);及び光の強度を比較して体温測定の信頼性(reliability)を判断する制御部(30)を含む。
【0028】
複数の光源(10)は、第1の光源(11)、第2の光源(12)、第3の光源(13)及び第4の光源(14)を含む。制御部(30)は、複数の光源(10)を制御する。制御部(30)は、複数の光源(10)をオン/オフする。複数の光源(10)は、赤外線を照射することができ、レーザーダイオードまたはLEDであることができる。レーザー光源は、光ファイバーケーブルを用いたファイバーレーザーであってもよい。複数の光源(10)の前方には、直進光を作るためのコリメータ(23)が配置されることができる。
【0029】
検知部(50)は、赤外線センサーであってもよい。検知部(50)は、体温を検知する。検知部(50)は、複数の光源(10)によって照射された光が反射されたものを測定する。検知部(50)は、光の強度を測定する。検知部(50)は、制御部(30)に測定したデータを送信する。
【0030】
制御部(30)は、検知部(50)から複数の光源(10)によって発生した光の強度、体温に関するデータを転送される。
【0031】
制御部(30)は、決定した体温データ、信頼度及び妥当性を無線通信部(80)を通じてユーザーの端末に情報を送信することができる。他の例として、ユーザーの端末は、制御部(30)が決定した体温を周期的に送信されることもある。
【0032】
ユーザーの端末は、送信された体温が基準値以上であれば、体温が基準値以上であることを医療機関に通知することができる。ユーザーの端末は、体温情報と体温測定の妥当性と体温測定の信頼性を一緒に医療機関に送信することができる。医療機関は、送信された体温情報を基に、ユーザーの健康情報及び疾病感染の有無を判断することができる。一例として、医療機関は、ユーザーの体温情報を基に、コロナウイルス(COVID-19)感染を疑い、精密検査のためにユーザーに連絡したり、自己診断キットの使用を要請することができる。
【0033】
ユーザの端末は、モバイルデバイス(90)であってもよい。モバイルデバイス(90)は、携帯電話、タブレットPC、スマートウォッチ(Smart watch)、腕時計(Wrist watch)またはスマートグラス(Smart Glass)、HMD(Head-Mounted Display)であることができる。
【0034】
無線通信部(80)は、無線で通信するためにRF(Radio Frequency)信号を送受信するRF回路を含むことができる。無線通信部(80)は、Bluetooth(登録商標)のような方式でモバイルデバイス(90)と無線通信を行うことができ、無線LAN、WiFiなどの方式で無線ネットワークを介してサーバー(95)と直接無線通信を行うこともできる。
【0035】
サーバ(95)は、受信した体温情報(最高温度、最低温度、体温変化速度、変化周期)と個人情報及び潜伏期間を考慮して、感染症の種類及び感染経路を推定することができる。
【0036】
図3は、本発明の一実施例による耳式体温計で照射された光の強度が障害物の位置によって変化することを示した図である。図4は、本発明の一実施例による耳式体温計が外耳道で最も理想的な位置に挿入されて鼓膜の温度を測定することを表現した図面である。
【0037】
図3ないし図4を参照すると、外耳道内部には、光の経路を妨げる様々な要素が存在する。外耳道の形態は人によって異なり、概ね曲面で形成され、内部に異物も存在する。これらの要素は、検知部(50)が正確な体温を測定することを妨げる。
【0038】
第1の光源(11)と第2の光源(12)が照射した光は障害物にぶつかり、反射される光の強度は移動距離の2乗に反比例する。制御部(30)は、光の強度が弱いほど、検知部(50)が鼓膜に向けて配置されると判断することができる。制御部(30)は、複数の光源(10)を順次ONさせ、検知部(50)が鼓膜を向く程度を判断する。制御部(30)は、検知部(50)の周辺に配置された複数の光源(10)を通じて、検知部(50)が鼓膜を向く程度を判断する。
【0039】
制御部(30)は、以下のような式に従って外耳道に挿入された耳式体温計の状態を判断する。A及びαは試験を通じて決定することができる。
【数1】
【0040】
制御部(30)は、複数の光源(10)を順次点灯し、それぞれの光源による光の強度をそれぞれ判断する。
【0041】
制御部(30)は、光の強度の標準偏差を基に体温測定の信頼性を判断する。制御部(30)は、測定された光の強度の標準偏差が小さいほど体温測定信頼度(reliability)が高いと判断する。
【0042】
制御部(30)は、標準偏差が基準値以下の場合、光の強度の平均値またはいずれかの値または最も低い値を基準強度に設定する。
【0043】
制御部(30)は、光の強度の平均値と基準強度の差分値を基に体温測定の妥当性(validity)を判断する。制御部(30)は、光の強度の平均値と基準強度の差分が小さいほど体温測定の妥当性(validity)が高いと判断する。
【0044】
複数の光源(10)を構成する各光源は、検知部(50)を中心に互いに同じ角度を成して配置される。複数の光源(10)を構成する各光源は、検知部(50)との距離が全て同じであってもよい。第1の光源(11)と検知部(50)との距離であるd1と第2の光源(12)と検知部(50)との距離であるd2と第3の光源(13)と検知部(50)との距離であるd3は同じであってもよい。第1の光源(11)と検知部(50)との距離であるd1と第2の光源(12)と検知部(50)との距離であるd2は同じであってもよい。
【0045】
本発明の一実施形態による耳式体温計は、光源に配置されて光線を平行にするコリメータ(23)を含む。
【0046】
本発明の一実施例による耳式体温計は、外耳道に挿入されるハウジング(25);ハウジング(25)に配置されて光を照射する複数の光源(10);複数の光源(10)によって外耳道内部で反射された光の強度を測定する検知部(50);及び光の強度を比較して体温測定の妥当性(validity)を判断する制御部(30)を含む。
【0047】
制御部(30)は、光の強度の平均値と予め定められた基準強度の差分値を基に体温測定の妥当性(validity)を判断する。
【0048】
図5は、本発明の一実施例による基準強度設定方法である。
【0049】
図5を参照すると、本発明の一実施例による耳式体温計の体温測定方法は、外耳道に挿入されて体温を測定する耳式体温計の体温測定方法において、外耳道に挿入された第1の光源(11)が光を照射する段階(S110);外耳道に挿入された検知部(50)が反射された光の強度である第1の強度を測定する第1の測定段階(S112);外耳道に挿入され、第1の光源(11)と異なる位置に配置された第2の光源(12)が光を照射する段階(S121);検知部(50)が反射された光の強度である第2の強度を測定する第2の測定段階(S122);外耳道に挿入され、第1の光源(11)及び第2の光源(12)と異なる位置に配置された第3の光源(13)が光を照射する段階(S131);検知部(50)が反射された光の強度である第3の強度を測定する第3の測定段階(S132);及び第1の強度、第2の強度及び第3の強度の標準偏差を演算し、標準偏差が基準値以下であれば、第1の強度、第2の強度及び第3の強度の平均値又はいずれかの値又は最も低い値を、次の体温検出時の信頼性判断の基礎となる基準強度として設定する段階(S140)を含む。
【0050】
基準強度は予め測定することができ、毎回体温を測定した後に更新することもできる。
【0051】
図6は、本発明の一実施例による信頼性及び妥当性判定方法である。
【0052】
図6を参照すると、本発明の一実施例による耳式体温計の体温測定方法は、外耳道に挿入されて体温を測定する耳式体温計の体温測定方法において、外耳道に挿入された第1の光源(11)が光を照射する段階(S211);外耳道に挿入された検知部(50)が反射された光の強度である第1の強度を測定する第1の測定段階(S212);外耳道に挿入され、第1の光源(11)と異なる位置に配置された第2の光源(12)が光を照射する段階(S221);検知部(50)が、反射された光の強度である第2の強度を測定する第2の測定段階(S222);外耳道に挿入され、第1の光源(11)及び第2の光源(12)と異なる位置に配置された第3の光源(13)が光を照射する段階(S231);検知部(50)が反射された光の強度である第3の強度を測定する第3の測定段階(S232);及び第1の強度、第2の強度及び第3の強度の標準偏差を演算し、標準偏差の大きさによって体温測定の信頼性(reliability)を判断する段階(S260)を含む。
【0053】
標準偏差に第1の重みを付与した第1の値及び平均値と予め定められた基準強度の差分に第2の重みを付与した第2の値を演算し、第1の値と第2の値の合計が低いほど信頼性が高いと判断する。
【0054】
本発明の一実施例による耳式体温計の体温測定方法は、第2の値が所定の値以下であれば、妥当性(validity)が高いと判断する段階(S270)を含む。
【0055】
第1の重み付けと第2の重み付けの合計は、1とすることができる。第1の重み付けが決まれば、第2の重み付けも一緒に決まる。第1の重みは、試験結果によって予め決められていてもよい。
【0056】
本発明の一実施例による耳式体温計の体温測定方法は、第1の光源(11)、第2の光源(12)、第3の光源(13)をオフした状態で、検知部(50)が体温を測定する段階(S250)を含む。
【0057】
図7は、本発明の一実施例による信頼性及び妥当性判定方法である。
【0058】
図7を参照すると、本発明の一実施例による耳式体温計の体温測定方法は、外耳道に挿入されて体温を測定する耳式体温計の体温測定方法において、外耳道に挿入された複数の光源(10)が光を順次照射する段階(S310);外耳道に挿入された検知部(50)が、複数の光源(10)の照射段階に応じてそれぞれ光の強度を測定する複数の測定段階(S330);複数の光源(10)をオフした状態で検知部(50)が体温を測定する段階(S350);及び複数の測定段階でそれぞれ測定された強度の標準偏差、強度の平均値を基に体温測定の信頼性を判断する段階(S370)を含む。
【0059】
本発明の一実施例による耳式体温計の体温測定方法は、平均値と予め定められた基準強度の差分が定められた値以下であれば、測定された体温の妥当性が高いと判断する段階(S390)を含む。
【0060】
図8は、本発明の一実施例による信頼度判定方法である。
【0061】
図8を参照すると、本発明の一実施例による耳式体温計の体温測定方法は、外耳道に挿入されて体温を測定する耳式体温計の体温測定方法において、外耳道に挿入された第1の光源(11)及び第2の光源(12)をoffした状態で、検知部(50)が体温を測定する段階(S401);第1の光源(11)が光を照射する段階(S411);検知部(50)が反射された光の強度である第1の強度を測定する第1の測定段階(S412);第1の光源(11)をoffした状態で、第2の光源(12)が光を照射する段階(S421);検知部(50)が反射された光の強度である第2の強度を測定する第2の測定段階(S422);及び第1の強度と第2の強度の差分値を基に体温測定の信頼性(reliability)を判断する段階(S430)を含む。
【0062】
本発明の一実施例による耳式体温計の体温測定方法は、強度差値が基準値以下であれば、ユーザーに挿入位置のリセットを要求するメッセージ送信段階(S450)を含む。メッセージ送信は、モバイルデバイス(90)または耳式体温計に直接表示することができる。メッセージ送信は、音声メッセージであってもよい。
【0063】
図9a乃至図9fは基準強度、第1の強度及び第2の強度を比較したもので、図9aは最も理想的な位置に挿入された場合で、第1の強度と第2の強度が類似した場合、図9bは第2の強度が第1の強度より非常に大きい場合で、第2の光源(12)方向の挿入方向が不適切な場合である、図9cは、第1の強度が第2の強度より非常に大きい場合で、第1の光源(11)方向の挿入方向が不適切な場合、図9dは、図2bと結果は似ているが、異物除去が必要な場合、図9eは下方向に間違って挿入された例であり、図9fは上方向に間違って挿入された例を表現したものである。
【0064】
図9a乃至図9fを参照すると、制御部(30)は、基準強度、複数の光源(10)を通じて測定した第1の強度、第2の強度、第3の強度及び第4の強度を通じて信頼性と妥当性を評価することができる。
【0065】
最初の基準強度を設定するために、医療スタッフは直接、ユーザーの耳に体温計を挿入することができる。このように基準強度が設定されると、ユーザーは耳式体温計を常時または一時的に使用します。測定された体温、信頼性、妥当性は、モバイルデバイスを介してサーバーに送信されます。評価された信頼性と妥当性は、検出された体温と一緒に医療スタッフに伝達することができ、医療スタッフは送信された信頼性と妥当性を基にユーザーに再測定を要求することもできる。信頼性及び妥当性は、ユーザーが正確な測定を行うように誘導することができる。また、医療スタッフもユーザーの正確な体温測定活動をモニタリングすることができる。測定された体温は、ユーザーの感染症診断及び健康状態のモニタリングに活用することができる。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施例について示して説明したが、本発明は、上述した特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって種々の変形実施が可能であることは勿論であり、これらの変形実施は、本発明の技術思想や展望から個別に理解されるべきものではない。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
【国際調査報告】