(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】エアロゾル固定装置及びエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240927BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240927BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523516
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2022120304
(87)【国際公開番号】W WO2023065946
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111219813.6
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122524208.1
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】李東建
(72)【発明者】
【氏名】胡平
(72)【発明者】
【氏名】杜靖
(72)【発明者】
【氏名】卜桂華
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC34
(57)【要約】
本願は、エアロゾル固定装置(100)及びエアロゾル発生装置(200)を提供する。エアロゾル固定装置(100)は、エアロゾル発生基質(300)を入れる霧化キャビティ(104)を含む取付ベース(102)と、取付ベース(102)に設けられ、出力端が霧化キャビティ内(104)に位置するマイクロ波導入構造(106)と、取付ベース(102)に設けられ、少なくとも一部が霧化キャビティ(104)の側壁に位置する導体部材(108)と、を含む。導体部材(108)によって霧化キャビティ(104)内の磁場分布強度を変化させることにより、マイクロ波によるエアロゾル発生基質(300)への効率的な加熱を保証する一方、マイクロ波によるエアロゾル発生基質(300)への均一な加熱を保証することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基質を入れる霧化キャビティを含む取付ベースと、
前記取付ベースに設けられ、出力端が前記霧化キャビティ内に位置するマイクロ波導入構造と、
前記取付ベースに設けられ、少なくとも一部が前記霧化キャビティの側壁に位置する導体部材と、を含む、エアロゾル固定装置。
【請求項2】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの高さ方向に延在する、請求項1に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項3】
前記導体部材は、一端が前記霧化キャビティの底壁に設けられ、
前記霧化キャビティの高さ方向において、前記導体部材の寸法と、前記エアロゾル発生基質の寸法との比は、1/3以下である、請求項2に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項4】
前記導体部材の数は、少なくとも2つであり、少なくとも2つの前記導体部材は、前記霧化キャビティの周側に沿って分布する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項5】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの内壁に設けられ、及び/又は、
前記導体部材は、前記霧化キャビティの外壁に設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項6】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの側壁にストリップ状に分布し、前記霧化キャビティの頂部に向かって延在する金属ストリップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項7】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの側壁に螺旋状に分布し、前記霧化キャビティの頂部に向かって延在する金属コイルを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項8】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの側壁に設けられた第1金属層を含み、前記第1金属層の少なくとも一部には、透かし彫り領域が設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項9】
前記霧化キャビティの内壁に凸部が設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項10】
前記マイクロ波導入構造は、前記霧化キャビティの底壁に穿設され、及び/又は、
前記マイクロ波導入構造は、前記取付ベースと一体的な構造であり、及び/又は、
前記霧化キャビティの高さ方向において、前記霧化キャビティ内に位置する一部の前記マイクロ波導入構造の寸法は、前記エアロゾル発生基質の寸法よりも小さい、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項11】
内部に共振キャビティが設けられたハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記共振キャビティ内にマイクロ波を供給するマイクロ波アセンブリと、
第1端が前記共振キャビティのキャビティ底壁に接続される共振柱と、
請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置と、を含み、前記エアロゾル固定装置の少なくとも一部は前記共振キャビティ内に設けられ、前記マイクロ波導入構造の入力端は前記共振柱の第2端に接続される、エアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記共振柱の第2端に設けられた取付溝をさらに含み、前記マイクロ波導入構造の入力端は前記取付溝に接続される、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記エアロゾル発生装置の高さ方向において、前記共振キャビティ内に位置する一部の前記取付ベースの寸法は、前記エアロゾル発生基質の寸法以上である、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記マイクロ波アセンブリは、
前記ハウジングに設けられ、出力端が前記共振キャビティの底壁又は前記共振柱に向かうマイクロ波供給構造と、
前記マイクロ波供給構造の入力端に接続されたマイクロ波放射源と、を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、金属ハウジングであり、或いは、前記ハウジングの内壁には、第2金属層が設けられ、及び/又は、
前記共振柱は、導体柱であり、或いは、前記共振柱の外壁には、第3金属層が設けられる、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年10月20日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202111219813.6で、発明の名称が「エアロゾル固定装置及びエアロゾル発生装置」である中国特許出願の優先権を主張し、且つ、2021年10月20日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202122524208.1で、発明の名称が「エアロゾル固定装置及びエアロゾル発生装置」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、エアロゾルの技術分野に関し、具体的には、エアロゾル固定装置及びエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ波加熱は、加熱効率が高く、エアロゾルの発生が速いという利点を有する。
【0004】
従来技術において、エアロゾル発生基質を同軸キャビティの底部に直接挿入するとき、キャビティにおける導体柱の頂部に近い部分のマイクロ波電磁界が強いため、この部分に位置するエアロゾル発生基質を加熱して十分に炭化させることができるが、導体柱の頂部から離れた部分のマイクロ波電磁界が弱いため、該部分に位置するエアロゾル発生基質に対する加熱が不均一になり、かつ炭化が不完全であり、これにより、マイクロ波加熱の意味がなくなり、エアロゾル発生基質の利用率を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、従来技術に存在する技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本願の第1態様は、エアロゾル固定装置を提供する。
【0007】
本願の第2態様は、エアロゾル発生装置を提供する。
【0008】
本願の第1態様に係るエアロゾル固定装置は、エアロゾル発生基質を入れる霧化キャビティを含む取付ベースと、取付ベースに設けられ、出力端が霧化キャビティ内に位置するマイクロ波導入構造と、取付ベースに設けられ、少なくとも一部が霧化キャビティの側壁に位置する導体部材と、を含む。
【0009】
本願に係るエアロゾル固定装置は、取付ベースと、マイクロ波導入構造と、導体部材とを含む。取付ベースは、霧化キャビティを含み、霧化キャビティは、エアロゾル発生基質を取り付けて固定するものであり、具体的には、エアロゾル発生基質の少なくとも一部は、霧化キャビティ内に位置し、熱を受けてエアロゾルを発生させることができる。また、マイクロ波導入構造は、取付ベースに設けられ、かつマイクロ波導入構造の出力端が霧化キャビティの内部に位置し、マイクロ波導入構造は、霧化キャビティの内部にマイクロ波を導入して、霧化キャビティの内部に位置するエアロゾル発生基質を加熱するものである。また、マイクロ波によってエアロゾル発生基質を加熱することにより、エアロゾル発生基質への迅速かつ効率的な加熱を実現し、さらにエアロゾルの発生効率及び発生速度を向上させることができる。
【0010】
特に、エアロゾルを発生させる過程において、マイクロ波導入構造の出力端の箇所の磁場強度が最も強く、残りの位置の磁場強度が弱い。したがって、本願では、取付ベースに導体部材が設けられ、導体部材の少なくとも一部が霧化キャビティの側壁に設けられることを保証する。このように、本願は、導体部材によって霧化キャビティ内の磁場分布を変化させ、さらに霧化キャビティ内のエアロゾル発生基質への均一な加熱を実現することができる。また、本願は、霧化キャビティの側壁に少なくとも一部の導体部材を設ければよい。
【0011】
具体的には、エアロゾルを発生させる過程において、マイクロ波導入構造の出力端付近に強い電磁界があり、マイクロ波と、異なる物質との間の相互作用は、本質的にマイクロ波電磁界と材料との直接相互作用であり、高周波交番電界によって金属材料内部の自由電荷又は束縛電荷の繰り返し分極と激しい運動を引き起こし、分子間に衝突、摩擦及び内部消耗が発生し、最終的にマイクロ波エネルギーを熱エネルギーに変換する。したがって、本願では、取付ベースに導体部材が設けられ、導体部材は、良導体であり、マイクロ波加熱時に、導体部材の表面層内の渦電流が表皮効果によって導体部材の表面に集中して、マイクロ波との結合作用が発生し、導体部材は、マイクロ波エネルギーを熱エネルギーに変換することにより、エアロゾル発生基質をさらに効果的に加熱し、エアロゾル発生基質全体への効果的かつ均一な加熱を保証することができる。
【0012】
したがって、本願では、取付ベースに導体部材が設けられ、導体部材の少なくとも一部は霧化キャビティの側壁に位置し、さらに導体部材によって霧化キャビティ内の磁場分布強度を変化することにより、マイクロ波によるエアロゾル発生基質への効率的な加熱を保証する一方、マイクロ波によるエアロゾル発生基質への均一な加熱を保証することができる。
【0013】
いくつかの可能な設計において、導体部材は、霧化キャビティの高さ方向に延在する。
【0014】
該設計において、霧化キャビティの頂部に開口端が設けられ、エアロゾル発生基質は、開口端から霧化キャビティ内に挿入されてもよい。本願において、導体部材の延在方向がエアロゾル発生基質の挿入方向と同じになるように、導体部材は、霧化キャビティの高さ方向に沿って延在する。このように、エアロゾルを発生させる過程において、導体部材によって霧化キャビティ内の磁場分布強度を変化させ、磁場が霧化キャビティの高さ方向に均一に分布することを保証し、さらに霧化キャビティの高さ方向においてエアロゾル発生基質への均一かつ効率的な加熱を実現する。
【0015】
いくつかの可能な設計において、導体部材は、一端が霧化キャビティの底壁に設けられ、霧化キャビティの高さ方向において、導体部材の寸法と、エアロゾル発生基質の寸法との比は、1/3以下である。
【0016】
該設計において、導体部材は、一端が霧化キャビティの底壁に設けられ、他端が霧化キャビティの頂部の開口端に向かって延在する。また、霧化キャビティの高さ方向において、導体部材の寸法と、エアロゾル発生基質の寸法との比は、1/3以下である。このように、霧化キャビティの高さ方向において導体部材の寸法を合理的に設定することにより、霧化キャビティ内の磁場の強度分布をより合理的にし、さらに霧化キャビティの高さ方向においてマイクロ波によるエアロゾル発生基質への均一かつ効率的な加熱を向上させる。また、霧化キャビティの高さ方向において、導体部材の寸法と、エアロゾル発生基質の寸法との最小比は、実際のニーズに応じて設計することができるが、ここでは限定されない。
【0017】
いくつかの可能な設計において、導体部材の数は、少なくとも2つであり、少なくとも2つの導体部材は、霧化キャビティの周側に沿って分布する。
【0018】
該設計において、導体部材の数は、少なくとも2つである。少なくとも2つの導体部材は、霧化キャビティの周側に沿って分布し、具体的には、少なくとも2つの導体部材は、霧化キャビティの周側に沿って均一に分布する。特に、エアロゾルを発生させる過程において、各導体部材は、いずれもエアロゾル発生基質を加熱することができる。したがって、本願は、少なくとも2つの導体部材を霧化キャビティの周側に沿って分布させることにより、マイクロ波が霧化キャビティの周側でエアロゾル発生基質を均一かつ効率的に加熱することを保証する。
【0019】
いくつかの可能な設計において、導体部材は、霧化キャビティの内壁に設けられ、及び/又は、導体部材は、霧化キャビティの外壁に設けられる。
【0020】
該設計において、導体部材は、霧化キャビティの内壁に設けられてもよく、霧化キャビティの外壁に設けられてもよく、霧化キャビティの内壁と外壁の両方に設けられてもよい。導体部材の具体的な位置は、実際の状況に応じて設計することができる。例えば、霧化キャビティの体積に基づいて設計することができ、霧化キャビティの体積が小さい場合、導体部材を霧化キャビティの外壁に設けて、導体部材が霧化キャビティ内の空間をさらに占有することを回避することができ、霧化キャビティの体積が大きい場合、導体部材を霧化キャビティの内壁に設けて、導体部材によってエアロゾル発生基質を直接かつ効率的に加熱することができる。
【0021】
いくつかの可能な設計において、導体部材は、霧化キャビティの側壁にストリップ状に分布し、霧化キャビティの頂部に向かって延在する金属ストリップを含む。
【0022】
該設計において、導体部材は、霧化キャビティの側壁にストリップ状に分布し、霧化キャビティの底壁から霧化キャビティの頂部の開口端に向かって延在する金属ストリップを含む。特に、金属ストリップは、良導体であり、さらに霧化キャビティ内の磁場分布を変化させることができ、マイクロ波によるエアロゾル発生基質への効率的な加熱を保証する一方、マイクロ波によるエアロゾル発生基質への均一な加熱を保証することができる。
【0023】
また、霧化キャビティの高さ方向において、金属ストリップの寸法と、エアロゾル発生基質の寸法との比は、1/3以下であり、且つ、導体部材は、霧化キャビティの周側に沿って間隔をあけて分布する少なくとも2つの金属ストリップを含む。
【0024】
いくつかの可能な設計において、導体部材は、霧化キャビティの側壁に螺旋状に分布し、霧化キャビティの頂部に向かって延在する金属コイルを含む。
【0025】
該設計において、導体部材は、霧化キャビティの側壁に螺旋状に分布し、霧化キャビティの底壁から霧化キャビティの頂部の開口端に向かって延在する金属コイルを含む。特に、金属コイルは、良導体であり、さらに霧化キャビティ内の磁場分布を変化させることができ、マイクロ波によるエアロゾル発生基質への効率的な加熱を保証する一方、マイクロ波によるエアロゾル発生基質への均一な加熱を保証することができる。
【0026】
また、霧化キャビティの高さ方向において、金属コイルの寸法と、エアロゾル発生基質の寸法との比は、1/3以下である。また、導体部材は、霧化キャビティの周側に沿って間隔をあけて分布する少なくとも2つの金属コイルを含む。また、霧化キャビティの高さ方向において、隣接する2つの螺旋コイルの間の距離は、等しい。
【0027】
いくつかの可能な設計において、導体部材は、霧化キャビティの側壁に設けられた第1金属層を含み、第1金属層の少なくとも一部には、透かし彫り領域が設けられる。
【0028】
該設計において、導体部材は、第1金属層を含む。第1金属層は、霧化キャビティの側壁に分布し、霧化キャビティの底壁から霧化キャビティの頂部の開口端に向かって延在する。また、第1金属層に透かし彫り領域が設けられ、さらに霧化キャビティ内の磁場分布を調整することができる。特に、第1金属層は、良導体であり、さらに霧化キャビティ内の磁場分布を変化させることができ、マイクロ波によるエアロゾル発生基質への効率的な加熱を保証する一方、マイクロ波によるエアロゾル発生基質への均一な加熱を保証することができる。
【0029】
また、霧化キャビティの高さ方向において、第1金属層の寸法と、エアロゾル発生基質の寸法との比は、1/3以下である。
【0030】
いくつかの可能な設計において、霧化キャビティの内壁に凸部が設けられる。
【0031】
該設計において、霧化キャビティの内壁に凸部が設けられる。凸部は、霧化キャビティの内側壁に設けられ、作動時に、エアロゾル発生基質と接触することができる。このように、エアロゾルを発生させる過程において、エアロゾル発生基質と霧化キャビティの内壁との間に一定の隙間があり、さらに霧化キャビティ内に発生したエアロゾルが隙間を介して霧化キャビティからスムーズに排出されやすくなる。
【0032】
いくつかの可能な設計において、マイクロ波導入構造は、霧化キャビティの底壁に穿設される。
【0033】
該設計において、マイクロ波導入構造は、霧化キャビティの底壁に穿設される。マイクロ波導入構造の入力端は、霧化キャビティの外部に位置し、マイクロ波導入構造の出力端は、霧化キャビティの内部に位置する。このように、使用過程において、マイクロ波導入構造は、外部のマイクロ波を霧化キャビティ内に導入して、霧化キャビティ内のエアロゾル発生基質を加熱することができる。具体的には、マイクロ波導入構造は、霧化キャビティの底壁の中心位置に穿設される。
【0034】
いくつかの可能な設計において、マイクロ波導入構造は、取付ベースと一体的な構造である。
【0035】
該設計において、マイクロ波導入構造は、取付ベースと一体的な構造である。このように、接続部材を用いてマイクロ波導入構造と取付ベースとを接続する必要がない一方、マイクロ波導入構造と取付ベースとの間の接続強度を保証し、さらにエアロゾル固定装置の耐用年数を向上させる。
【0036】
いくつかの可能な設計において、霧化キャビティの高さ方向において、霧化キャビティ内に位置する一部のマイクロ波導入構造の寸法は、エアロゾル発生基質の寸法よりも小さい。
【0037】
該設計において、霧化キャビティの高さ方向において、霧化キャビティ内に位置する一部のマイクロ波導入構造の寸法は、エアロゾル発生基質の寸法よりも小さい。即ち、使用過程において、エアロゾル発生基質が霧化キャビティに挿入された後、マイクロ波導入構造の出力端がエアロゾル発生基質の内部に挿入され、かつマイクロ波導入構造の出力端がエアロゾル発生基質から露出しないことを保証する。このように、マイクロ波導入構造の出力端によってエアロゾル発生基質の内部位置を加熱することができる。
【0038】
さらに、マイクロ波導入構造の出力端は、エアロゾル発生基質の内部に位置してエアロゾル発生基質の内部位置を加熱し、導体部材は、エアロゾル発生基質の外部に位置するとともに、エアロゾル発生基質の周側に位置してエアロゾル発生基質の周側位置を加熱する。このように、上記マイクロ波導入構造と導体部材との協働により、エアロゾル発生基質に対する全面加熱を実現し、エアロゾル発生基質に対する加熱効率及び加熱均一性を保証することができる。
【0039】
本願の第2態様に係るエアロゾル発生装置は、内部に共振キャビティが設けられたハウジングと、ハウジングに設けられ、共振キャビティ内にマイクロ波を供給するマイクロ波アセンブリと、第1端が共振キャビティのキャビティ底壁に接続される共振柱と、上記設計のいずれかのエアロゾル固定装置と、を含み、エアロゾル固定装置の少なくとも一部は共振キャビティ内に設けられ、マイクロ波導入構造の入力端は共振柱の第2端に接続される。
【0040】
本願に係るエアロゾル発生装置は、上記設計のいずれかのエアロゾル固定装置を含むため、上記エアロゾル固定装置の全ての作用効果を有し、ここでは詳述しない。
【0041】
また、エアロゾル発生装置は、ハウジングと、マイクロ波アセンブリと、共振柱とをさらに含む。ハウジング内に共振キャビティが設けられ、マイクロ波アセンブリは、ハウジングに設けられ、作動時に、共振キャビティ内にマイクロ波を供給することができる。共振柱は、共振キャビティ内に設けられ、共振柱の第1端が共振キャビティのキャビティ底壁に接続される。エアロゾル固定装置が取り付けられた後、エアロゾル固定装置の少なくとも一部は、共振キャビティ内に位置し、マイクロ波導入構造の入力端は、共振柱の第2端に接続される。このように、共振キャビティ内に供給されたマイクロ波による霧化キャビティ内のエアロゾル発生基質への加熱を保証することができる。
【0042】
いくつかの可能な設計において、エアロゾル発生装置は、共振柱の第2端に設けられた取付溝をさらに含み、マイクロ波導入構造の入力端は取付溝に接続される。
【0043】
該設計において、エアロゾル発生装置は、取付溝をさらに含む。取付溝は、共振柱の第2端に設けられ、かつ共振柱に応じて設けられる。エアロゾル固定装置を取り付けるとき、エアロゾル固定装置の少なくとも一部を共振キャビティ内に位置させ、マイクロ波導入構造の導入端を取付溝内に挿入することで、エアロゾル固定装置の位置方式を保証する一方、マイクロ波導入構造と共振柱との間の電気的な接続を保証する。
【0044】
いくつかの可能な設計において、エアロゾル発生装置の高さ方向において、共振キャビティ内に位置する一部の取付ベースの寸法は、エアロゾル発生基質の寸法以上である。
【0045】
該設計において、エアロゾル発生装置の高さ方向において、共振キャビティ内に位置する一部の取付ベースの寸法は、エアロゾル発生基質の寸法以上である。このように、使用過程において、エアロゾル発生基質が完全に取付ベースの内部に位置することを保証し、エアロゾル発生基質が完全に共振キャビティの内部に位置することを保証することができる。
【0046】
いくつかの可能な設計において、マイクロ波アセンブリは、ハウジングに設けられ、出力端が共振キャビティの底壁又は共振柱に向かうマイクロ波供給構造と、マイクロ波供給構造の入力端に接続されるマイクロ波放射源と、を含む。
【0047】
該設計において、マイクロ波アセンブリは、マイクロ波供給構造及びマイクロ波放射源を含む。マイクロ波供給構造は、ハウジングに設けられ、出力端が共振キャビティの底壁又は共振柱に向かっており、入力端がマイクロ波放射源に接続される。このように、エアロゾル発生装置が作動するとき、マイクロ波放射源が発生したマイクロ波は、マイクロ波供給構造を介して共振キャビティ内に供給される。
【0048】
具体的には、共振柱は、導体として機能することができ、金属材料で製造されてもよく、例示的には、共振柱は、銅、アルミニウム、鉄など又はその合金で製造される。共振柱がマイクロ波を伝送し、マイクロ波の伝送速度を向上させるものであり、これにより、マイクロ波は、共振キャビティ内に伝導する際に減衰しにくい。
【0049】
いくつかの可能な設計において、ハウジングは、金属ハウジングであり、或いは、ハウジングの内壁には、第2金属層が設けられる。
【0050】
該設計において、ハウジングは、金属ハウジングを用いてもよい。また、ハウジングは、非金属ハウジングを用い、ハウジングの内壁に第2金属層を有してもよい。
【0051】
いくつかの可能な設計において、共振柱は、導体柱であり、或いは、共振柱の外壁には、第3金属層が設けられる。
【0052】
該設計において、共振柱は、導体柱を用いてもよい。また、共振柱は、非導体柱を用い、共振柱の外壁に第3金属層を有してもよい。
【0053】
具体的には、共振柱は、ハウジングに電気的に接続され、導体部材は、共振柱に電気的に接続されない。
【0054】
本願の追加の態様及び利点は、以下の説明において明らかになるか、又は本願の実施により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本願の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照した実施例の説明から明らかになり、理解しやすくなる。
【
図1】本願の一実施例に係るエアロゾル発生装置の構造概略図(その1)である(使用状態下)。
【
図2】本願の一実施例に係るエアロゾル発生装置の構造概略図(その2)である(使用状態下)。
【
図3】本願の一実施例に係るエアロゾル発生装置の断面図である(使用状態下)。
【
図4】本願の一実施例に係るエアロゾル発生装置におけるエアロゾル固定装置の位置関係の概略図(その1)である。
【
図5】本願の一実施例に係るエアロゾル発生装置におけるエアロゾル固定装置の位置関係の概略図(その2)である。
【
図6】本願の一実施例に係るエアロゾル発生装置におけるエアロゾル固定装置の位置関係の概略図(その3)である。
【
図7】本願の一実施例に係るエアロゾル発生装置におけるエアロゾル固定装置の位置関係の概略図(その4)である。
【
図8】本願の一実施例に係るエアロゾル発生装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本願の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、図面及び具体的な実施形態を参照して本願をさらに詳細に説明する。なお、本願における実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0057】
本願を十分に理解するために、以下の説明において多くの具体的な詳細が記載されているが、本願は、本明細書で説明されるものとは異なる他の形態で実施可能であるため、本願の保護範囲は、以下に開示される具体的な実施例によって限定されるものではない。
【0058】
以下、
図1~
図8を参照して、本願のいくつかの実施例に係るエアロゾル固定装置100及びエアロゾル発生装置200を説明する。
【0059】
本願の第1実施例は、取付ベース102と、マイクロ波導入構造106と、導体部材108とを含むエアロゾル固定装置100を提供する。
【0060】
図1、
図2及び
図3に示すように、取付ベース102は、霧化キャビティ104を含み、霧化キャビティ104は、エアロゾル発生基質300を取り付けて固定するものであり、具体的には、エアロゾル発生基質300の少なくとも一部は、霧化キャビティ104内に位置し、熱を受けてエアロゾルを発生させることができる。また、マイクロ波導入構造106は、取付ベース102に設けられ、かつマイクロ波導入構造106の出力端は、霧化キャビティ104の内部に位置し、マイクロ波導入構造106は、霧化キャビティ104の内部にマイクロ波を導入して、霧化キャビティ104の内部に位置するエアロゾル発生基質300を加熱するものである。また、マイクロ波によってエアロゾル発生基質300を加熱することにより、エアロゾル発生基質300への迅速かつ効率的な加熱を実現し、さらにエアロゾルの発生効率及び発生速度を向上させることができる。
【0061】
特に、エアロゾルを発生させる過程において、マイクロ波導入構造106の出力端の箇所の磁場強度が最も強く、残りの位置の磁場強度が弱い。したがって、
図4及び
図5に示すように、本願では、取付ベース102に導体部材108が設けられ、導体部材108の少なくとも一部が霧化キャビティ104の側壁110に設けられることを保証する。このように、本願は、導体部材108によって霧化キャビティ104内の磁場分布を変化させ、さらに霧化キャビティ104内のエアロゾル発生基質300への均一な加熱を実現することができる。
【0062】
具体的には、エアロゾルを発生させる過程において、マイクロ波導入構造106の出力端付近に強い電磁界があり、マイクロ波と、異なる物質との間の相互作用は、本質的にマイクロ波電磁界と材料との直接相互作用であり、高周波交番電界によって金属材料内部の自由電荷又は束縛電荷の繰り返し分極と激しい運動を引き起こし、分子間に衝突、摩擦及び内部消耗が発生し、最終的にマイクロ波エネルギーを熱エネルギーに変換する。
【0063】
したがって、
図4及び
図5に示すように、本願では、取付ベース102に導体部材108が設けられ、導体部材108は、良導体であり、マイクロ波加熱時に、導体部材108の表面層内の渦電流が表皮効果によって導体部材108の表面に集中して、マイクロ波との結合作用が発生し、導体部材108は、マイクロ波エネルギーを熱エネルギーに変換することにより、エアロゾル発生基質300をさらに効果的に加熱し、エアロゾル発生基質300全体への効果的かつ均一な加熱を保証することができる。
【0064】
したがって、
図4及び
図5に示すように、本実施例では、取付ベース102に導体部材108が設けられ、導体部材108の少なくとも一部は霧化キャビティ104の側壁110に位置し、さらに導体部材108によって霧化キャビティ104内の磁場分布強度を変化することにより、マイクロ波によるエアロゾル発生基質300への効率的な加熱を保証する一方、マイクロ波によるエアロゾル発生基質300への均一な加熱を保証することができる。
【0065】
具体的には、
図1、
図2及び
図3に示すように、使用過程において、エアロゾル発生基質300は、取付ロッド400の内部に設けられ、取付ロッド400を介して霧化キャビティ104内に挿入される。
【0066】
本願の第2実施例は、エアロゾル固定装置100を提供し、第1実施例に基づいて、さらに、
図4及び
図5に示すように、霧化キャビティ104の頂部には開口端が設けられ、エアロゾル発生基質300は、開口端から霧化キャビティ104内に挿入されてもよい。
【0067】
本実施例において、導体部材108の延在方向がエアロゾル発生基質300の挿入方向と同じになるように、導体部材108は、霧化キャビティ104の高さ方向に沿って延在する。このように、エアロゾルを発生させる過程において、導体部材108によって霧化キャビティ104内の磁場分布強度を変化させ、磁場が霧化キャビティ104の高さ方向に均一に分布することを保証し、さらに霧化キャビティ104の高さ方向においてエアロゾル発生基質300への均一かつ効率的な加熱を実現する。
【0068】
当該実施例において、さらに、
図4及び
図5に示すように、導体部材108は、一端が霧化キャビティ104の底壁112に設けられ、他端が霧化キャビティ104の頂部の開口端に向かって延在する。また、霧化キャビティ104の高さ方向において、導体部材108の寸法と、エアロゾル発生基質300の寸法との比は、1/3以下である。
【0069】
このように、霧化キャビティ104の高さ方向において導体部材108の寸法を合理的に設定することにより、霧化キャビティ104内の磁場の強度分布をより合理的にし、さらに霧化キャビティ104の高さ方向においてマイクロ波によるエアロゾル発生基質300への均一かつ効率的な加熱を向上させる。また、霧化キャビティ104の高さ方向において、導体部材108の寸法と、エアロゾル発生基質300の寸法との最小比は、実際のニーズに応じて設計することができるが、ここでは限定されない。
【0070】
本願の第3実施例は、エアロゾル固定装置100を提供し、第1実施例に基づいて、さらに、
図4及び
図5に示すように、導体部材108の数は、少なくとも2つである。少なくとも2つの導体部材108は、霧化キャビティ104の周側に沿って分布し、具体的には、少なくとも2つの導体部材108は、霧化キャビティ104の周側に沿って均一に分布する。特に、エアロゾルを発生させる過程において、各導体部材108は、いずれもエアロゾル発生基質300を加熱することができる。
【0071】
したがって、本実施例では、少なくとも2つの導体部材108は霧化キャビティ104の周側に沿って分布することにより、マイクロ波が霧化キャビティ104の周側でエアロゾル発生基質300を均一かつ効率的に加熱することを保証する。
【0072】
具体的には、導体部材108の数は、2~10個であり、好ましくは、2~4個である。
【0073】
本願の第4実施例は、エアロゾル固定装置100を提供し、第1実施例に基づいて、さらに、
図4及び
図5に示すように、導体部材108は、霧化キャビティ104の内壁に設けられてもよく、霧化キャビティ104の外壁に設けられてもよく、霧化キャビティ104の内壁及び外壁の両方に設けられてもよい。
【0074】
具体的には、導体部材108の設置位置は、実際の状況に応じて設計することができる。例えば、霧化キャビティ104の体積に基づいて設計することができ、霧化キャビティ104の体積が小さい場合、導体部材108を霧化キャビティ104の外壁に設けて、導体部材108が霧化キャビティ104内の空間をさらに占有することを回避することができ、霧化キャビティ104の体積が大きい場合、導体部材108を霧化キャビティ104の内壁に設けて、導体部材108によってエアロゾル発生基質300を直接かつ効率的に加熱することができる。
【0075】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、
図4に示すように、導体部材108は、金属ストリップを含む。金属ストリップは、霧化キャビティ104の側壁110にストリップ状に分布し、霧化キャビティ104の底壁112から霧化キャビティ104の頂部の開口端に向かって延在する。特に、金属ストリップは、良導体であり、さらに霧化キャビティ104内の磁場分布を変化させることができ、マイクロ波によるエアロゾル発生基質300への効率的な加熱を保証する一方、マイクロ波によるエアロゾル発生基質300への均一な加熱を保証することができる。
【0076】
また、霧化キャビティ104の高さ方向において、金属ストリップの寸法と、エアロゾル発生基質300の寸法との比は、1/3以下である。また、導体部材108は、少なくとも2つの金属ストリップを含み、少なくとも2つの金属ストリップは、霧化キャビティ104の周側に沿って間隔をあけて分布する。
【0077】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、
図5に示すように、導体部材108は、金属コイルを含む。金属コイルは、霧化キャビティ104の側壁110に螺旋状に分布し、霧化キャビティ104の底壁112から霧化キャビティ104の頂部の開口端に向かって延在する。特に、金属コイルは、良導体であり、さらに霧化キャビティ104内の磁場分布を変化させることができ、マイクロ波によるエアロゾル発生基質300への効率的な加熱を保証する一方、マイクロ波によるエアロゾル発生基質300への均一な加熱を保証することができる。
【0078】
また、霧化キャビティ104の高さ方向において、金属コイルの寸法と、エアロゾル発生基質300の寸法との比は、1/3以下である。また、導体部材108は、少なくとも2つの金属コイルを含み、少なくとも2つの金属コイルは、霧化キャビティ104の周側に沿って間隔をあけて分布する。また、霧化キャビティ104の高さ方向において、隣接する2つの螺旋コイルの間の距離は、等しい。
【0079】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、導体部材108は、第1金属層(図示せず)を含む。第1金属層は、霧化キャビティ104の側壁110に分布し、霧化キャビティ104の底壁112から霧化キャビティ104の頂部の開口端に向かって延在する。また、第1金属層に透かし彫り領域が設けられてもよく、さらに霧化キャビティ104内の磁場分布を調整する。特に、第1金属層は、良導体であり、さらに霧化キャビティ104内の磁場分布を変化させることができ、マイクロ波によるエアロゾル発生基質300への効率的な加熱を保証する一方、マイクロ波によるエアロゾル発生基質300への均一な加熱を保証することができる。
【0080】
また、霧化キャビティ104の高さ方向において、第1金属層の寸法と、エアロゾル発生基質300の寸法との比は、1/3以下である。
【0081】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、霧化キャビティ104の内壁に凸部(図示せず)が設けられる。凸部は、霧化キャビティ104の内側壁に設けられ、作動時に、エアロゾル発生基質300と接触することができる。このように、エアロゾルを発生させる過程において、エアロゾル発生基質300と霧化キャビティ104の内壁との間に一定の隙間があり、さらに霧化キャビティ104内に発生したエアロゾルが隙間を介して霧化キャビティ104からスムーズに排出されやすくなる。
【0082】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、
図2及び
図3に示すように、マイクロ波導入構造106は、霧化キャビティ104の底壁112に穿設される。マイクロ波導入構造106の入力端は、霧化キャビティ104の外部に位置し、マイクロ波導入構造106の出力端は、霧化キャビティ104の内部に位置する。このように、使用過程において、マイクロ波導入構造106は、外部のマイクロ波を霧化キャビティ104内に導入して、霧化キャビティ104内のエアロゾル発生基質300を加熱することができる。具体的には、マイクロ波導入構造106は、霧化キャビティ104の底壁112の中心位置に穿設される。
【0083】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、
図2及び
図3に示すように、マイクロ波導入構造106は、取付ベース102と一体的な構造である。このように、接続部材を用いてマイクロ波導入構造106と取付ベース102とを接続する必要がない一方、マイクロ波導入構造106と取付ベース102との間の接続強度を保証し、さらにエアロゾル固定装置100の耐用年数を向上させる。
【0084】
具体的には、マイクロ波導入構造106と取付ベース102とは、隙間なく緊密に接続される。
【0085】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、
図3に示すように、霧化キャビティ104の高さ方向において、霧化キャビティ104内に位置する一部のマイクロ波導入構造106の寸法は、エアロゾル発生基質300の寸法よりも小さい。
【0086】
このように、使用過程において、エアロゾル発生基質300が霧化キャビティ104に挿入された後、マイクロ波導入構造106の出力端がエアロゾル発生基質300の内部に挿入され、かつマイクロ波導入構造106の出力端がエアロゾル発生基質300から露出しないことを保証する。このように、マイクロ波導入構造106の出力端によってエアロゾル発生基質300の内部位置を加熱することができる。
【0087】
さらに、
図3に示すように、マイクロ波導入構造106の出力端は、エアロゾル発生基質300の内部に位置してエアロゾル発生基質300の内部位置を加熱し、導体部材108は、エアロゾル発生基質300の外部に位置するとともに、エアロゾル発生基質300の周側に位置してエアロゾル発生基質300の周側位置を加熱する。このように、上記マイクロ波導入構造106と導体部材108との協働により、エアロゾル発生基質300に対する全面加熱を実現し、エアロゾル発生基質300に対する加熱効率及び加熱均一性を保証することができる。
【0088】
具体的には、霧化キャビティ104内に位置する一部のマイクロ波導入構造106の寸法は、5mm~25mmであってもよく、好ましくは、12mm~13mmである。
【0089】
また、マイクロ波導入構造106は、金属構造又は他の高導電性構造、好ましくは、金属構造(例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなど)を用いてもよい。非金属構造の外表面に金属薄膜層など(例えば、金メッキ、銀メッキ、銅メッキなど)をメッキしてもよい。
【0090】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、取付ベース102は、非導電性取付ベース102である。具体的には、取付ベース102の材質は、PEEK材料、PTFE、マイクロ波透明セラミックス、ガラス、炭化ケイ素、アルミナなどの低誘電損失の非導電性材料である。
【0091】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、
図2及び
図3に示すように、マイクロ波導入構造106は、プローブ又は導電性シートである。なお、マイクロ波導入構造106は、金属導入構造(銅、アルミニウム、ステンレスなど)であってもよいし、非金属導入構造を用い、非金属導入構造の外表面に第4金属層(例えば、金メッキ、銀メッキ、銅メッキなど)を設けてもよい。
【0092】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、
図2及び
図3に示すように、霧化キャビティ104は、円柱形キャビティ214であり、かつ霧化キャビティ104の内径は、エアロゾル発生基質300の直径と等しいか、又はそれよりやや大きい。具体的には、霧化キャビティ104の直径は、5mm~20mmであってもよく、好ましくは、6.5mm~7.5mmである。
【0093】
第1実施例~第4実施例に基づいて、さらに、導体部材108は、金属材料(例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなど)を用いて製造されてもよく、他の高導電性材料を用いて製造されてもよい。
【0094】
使用過程において、エアロゾル発生基質300は、取付ロッド400内に取り付けられる。
【0095】
また、
図6及び
図7に示すように、本願は、エアロゾル固定装置100とエアロゾル発生基質300とを一体的な構造として構成し、全体が閉塞部材であってもよい。このように、洗浄フリーを実現することができ、エアロゾル発生基質300を完全に使用するたびに、新しいものに交換すればよい。このとき、エアロゾル発生基質300を取り付ける取付ロッド400には、発生したエアロゾルの流出を保証する通気口402が設けられる。
【0096】
図1及び
図8に示すように、本願の第5実施例は、上記いずれかの実施例におけるエアロゾル固定装置100を含むエアロゾル発生装置200を提供する。したがって、エアロゾル発生装置200は、上記エアロゾル固定装置100の全ての作用効果を有するため、ここでは詳述しない。
【0097】
また、
図1及び
図8に示すように、エアロゾル発生装置200は、ハウジング202と、マイクロ波アセンブリと、共振柱206とをさらに含む。
図1、
図2及び
図3に示すように、ハウジング202内に共振キャビティ204が設けられ、マイクロ波アセンブリは、ハウジング202に設けられ、作動時に、共振キャビティ204内にマイクロ波を供給することができ、共振柱206は、共振キャビティ204内に設けられ、共振柱206の第1端が共振キャビティ204のキャビティ底壁に接続される。エアロゾル固定装置100が取り付けられた後、エアロゾル固定装置100の少なくとも一部は、共振キャビティ204内に位置し、マイクロ波導入構造106の入力端は、共振柱206の第2端に接続される。このように、共振キャビティ204内に供給されたマイクロ波による霧化キャビティ104内のエアロゾル発生基質300への加熱を保証することができる。
【0098】
本願の第6実施例は、エアロゾル発生装置200を提供し、第5実施例に基づいて、さらに、
図2、
図4及び
図5に示すように、エアロゾル発生装置200は、取付溝208をさらに含む。取付溝208は、共振柱206の第2端に設けられ、かつ共振柱206に応じて設けられる。エアロゾル固定装置100を取り付けるとき、エアロゾル固定装置100の少なくとも一部を共振キャビティ204内に位置させ、マイクロ波導入構造106の導入端を取付溝208内に挿入することで、エアロゾル固定装置100の位置方式を保証する一方、マイクロ波導入構造106と共振柱206との間の電気的な接続を保証する。
【0099】
具体的には、取付ベース102の底部から突出する導体部材108は、取付溝208に複数回挿抜可能であり、取付溝208は、導体部材108に緊密に接触して係止され、電気的な接続を実現する。
【0100】
該実施例において、さらに、
図2、
図4及び
図5に示すように、エアロゾル発生装置200の高さ方向において、共振キャビティ204内に位置する一部の取付ベース102の寸法は、エアロゾル発生基質300の寸法以上である。このように、使用過程において、エアロゾル発生基質300が完全に取付ベース102の内部に位置することを保証し、エアロゾル発生基質300が完全に共振キャビティ204の内部に位置することを保証することができる。
【0101】
具体的には、共振キャビティ204内の一部の取付ベース102の寸法は、5mm~25mmであってもよく、好ましくは、12mm~13mmである。
【0102】
第5実施例及び第6実施例に基づいて、さらに、
図1、
図3及び
図8に示すように、マイクロ波アセンブリは、マイクロ波供給構造210及びマイクロ波放射源(図示せず)を含む。マイクロ波供給構造210は、ハウジング202に設けられ、出力端が共振キャビティ204の底壁又は共振柱206に向かっており、入力端がマイクロ波放射源に接続される。このように、エアロゾル発生装置200が作動するとき、マイクロ波放射源が発生したマイクロ波は、マイクロ波供給構造210を介して共振キャビティ204内に供給される。
【0103】
具体的には、共振柱206は、導体として機能することができ、金属材料で製造されてもよく、例示的には、共振柱206は、銅、アルミニウム、鉄など又はその合金で製造される。共振柱206がマイクロ波を伝送し、マイクロ波の伝送速度を向上させるものであり、これにより、マイクロ波は、共振キャビティ204内に伝導する際に減衰しにくい。
【0104】
第5実施例及び第6実施例に基づいて、さらに、ハウジング202は、金属ハウジングを用いてもよい。また、ハウジング202は、非金属ハウジングを用い、ハウジング202の内壁に第2金属層を有してもよい。
【0105】
具体的には、共振キャビティ204の内壁は、導電性であり、ハウジング202は、導電性材料、好ましくは、金属(例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなど)を用いてもよく、ハウジング202の内部の内壁に導電性コーティング(例えば、金メッキ、銀メッキ、銅メッキなど)を設けてもよい。
【0106】
具体的には、
図1、
図2及び
図3に示すように、ハウジング202は、円柱状のキャビティ214及びカバー212を含む。キャビティ214の内壁は、導電性であり、カバー212は、機械的強度の高いプラスチック製品、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリ乳酸(PLA)などを用いる。
【0107】
第5実施例及び第6実施例に基づいて、さらに、共振柱206は、導体柱を用いてもよい。また、共振柱206は、非導体柱を用い、共振柱206の外壁に第3金属層を有してもよい。
【0108】
具体的には、導体柱は、中空又は中実構造であり、外壁が導電性である。導体柱は、金属材料又は他の高導電性材料、好ましくは、金属(例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなど)を用いてもよく、非金属材料の外表面に金属薄膜層など(例えば、金メッキ、銀メッキ、銅メッキなど)をメッキしてもよい。
【0109】
第5実施例及び第6実施例に基づいて、さらに、共振柱206は、ハウジング202に電気的に接続される。
【0110】
したがって、本願では、霧化キャビティ104の側壁110の周囲に導体部材108が設けられ、導体部材108は、共振柱206と電気的に接続されず、導体部材108によってマイクロ波電磁界の分布を変化させることにより、エアロゾル発生基質300を全体的に均一に加熱することができる。また、エアロゾル固定装置100を共振柱206の先端に挿入して通電後、マイクロ波導入構造106の先端付近に強い電磁界が存在するため、エアロゾル発生基質300の中上段が迅速に加熱されて霧化される。また、マイクロ波導入構造106と取付ベース102とが隙間なく緊密に接続されるため、エアロゾル発生基質300が加熱されるときに発生したエアロゾルは、共振キャビティ204の内部構造を汚染せず、エアロゾル固定装置100の内部構造を拭くだけでよく、洗浄しやすい。また、マイクロ波導入構造106と取付ベース102は、一体化されるため、マイクロ波導入構造106が不用意に損傷されると、取付ベース102を交換すればよく、エアロゾル発生装置200によるエアロゾル発生基質300への正常な加熱効果に影響を与えず、操作しやすく、コストが低く、共振キャビティ204のメンテナンスに有利であり、エアロゾル発生装置200の耐用年数を延長する。
【0111】
本願の説明において、用語「複数」とは、別段の明確な限定がない限り、2つ又は2つ以上を意味する。「上」、「下」などの用語で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係であり、本願を説明しやすい、又は説明を簡単にするだけに用いられ、示している装置又は部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位構造と操作を有することを表す又は暗示することではないため、本願を限定するものと解釈されるべきではない。「接続」、「取り付け」、「固定」などの用語は、広義的に理解されるべきであり、例えば、「接続」は、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよく、或いは、一体的な接続であってもよく、直接的に接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願中の具体的な意味を理解することができる。
【0112】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体例」などの用語を参照した説明は、該実施例又は例に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指してはいない。さらに、具体的な特徴、構造、材料、又は特性を、1つ以上の実施例又は例において任意の適切なやり方で組み合わせることができる。
【0113】
以上は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者であれば、本発明に対する様々な変更と変化を行うことができる。本願の精神及び原則内で行われるいかなる修正、同等置換及び改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【0114】
図1~
図8における符号と部品名称との対応関係は、以下のとおりである。
【符号の説明】
【0115】
100 エアロゾル固定装置、102 取付ベース、104 霧化キャビティ、106 マイクロ波導入構造、108 導体部材、110 側壁、112 底壁、200 エアロゾル発生装置、202 ハウジング、204 共振キャビティ、206 共振柱、208 取付溝、210 マイクロ波供給構造、212 カバー、214 キャビティ、300 エアロゾル発生基質、400 取付ロッド、402 通気口。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基質を入れる霧化キャビティを含む取付ベースと、
前記取付ベースに設けられ、出力端が前記霧化キャビティ内に位置するマイクロ波導入構造と、
前記取付ベースに設けられ、少なくとも一部が前記霧化キャビティの側壁に位置する導体部材と、を含む、エアロゾル固定装置。
【請求項2】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの高さ方向に延在する、請求項1に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項3】
前記導体部材は、一端が前記霧化キャビティの底壁に設けられ、
前記霧化キャビティの高さ方向において、前記導体部材の寸法と、前記エアロゾル発生基質の寸法との比は、1/3以下である、請求項2に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項4】
前記導体部材の数は、少なくとも2つであり、少なくとも2つの前記導体部材は、前記霧化キャビティの周側に沿って分布する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項5】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの内壁に設けられ、及び/又は、
前記導体部材は、前記霧化キャビティの外壁に設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項6】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの側壁にストリップ状に分布し、前記霧化キャビティの頂部に向かって延在する金属ストリップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項7】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの側壁に螺旋状に分布し、前記霧化キャビティの頂部に向かって延在する金属コイルを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項8】
前記導体部材は、前記霧化キャビティの側壁に設けられた第1金属層を含み、前記第1金属層の少なくとも一部には、透かし彫り領域が設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項9】
前記霧化キャビティの内壁に凸部が設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項10】
前記マイクロ波導入構造は、前記霧化キャビティの底壁に穿設され、及び/又は、
前記マイクロ波導入構造は、前記取付ベースと一体的な構造であり、及び/又は、
前記霧化キャビティの高さ方向において、前記霧化キャビティ内に位置する一部の前記マイクロ波導入構造の寸法は、前記エアロゾル発生基質の寸法よりも小さい、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル固定装置。
【請求項11】
内部に共振キャビティが設けられたハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記共振キャビティ内にマイクロ波を供給するマイクロ波アセンブリと、
第1端が前記共振キャビティのキャビティ底壁に接続される共振柱と、
請求項1に記載のエアロゾル固定装置と、を含み、前記エアロゾル固定装置の少なくとも一部は前記共振キャビティ内に設けられ、前記マイクロ波導入構造の入力端は前記共振柱の第2端に接続される、エアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記共振柱の第2端に設けられた取付溝をさらに含み、前記マイクロ波導入構造の入力端は前記取付溝に接続される、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記エアロゾル発生装置の高さ方向において、前記共振キャビティ内に位置する一部の前記取付ベースの寸法は、前記エアロゾル発生基質の寸法以上である、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記マイクロ波アセンブリは、
前記ハウジングに設けられ、出力端が前記共振キャビティの底壁又は前記共振柱に向かうマイクロ波供給構造と、
前記マイクロ波供給構造の入力端に接続されたマイクロ波放射源と、を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、金属ハウジングであり、或いは、前記ハウジングの内壁には、第2金属層が設けられ、及び/又は、
前記共振柱は、導体柱であり、或いは、前記共振柱の外壁には、第3金属層が設けられる、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【国際調査報告】