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特表2024-536575軌道レールにおける長手方向力を特定する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】軌道レールにおける長手方向力を特定する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   E01B 35/12 20060101AFI20240927BHJP
   E01B 27/20 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
E01B35/12
E01B27/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523543
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2022078944
(87)【国際公開番号】W WO2023066918
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】A50837/2021
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3, A-1010 Wien, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シェルハマー
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ダクスベルガー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス クヴィトナー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン コチュヴァラ
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン アウアー
【テーマコード(参考)】
2D057
【Fターム(参考)】
2D057AA03
2D057AB06
2D057AB24
2D057BA33
(57)【要約】
軌道レール(2)における長手方向力を特定する方法は、試験荷重(F)を加えることによって初期配置から試験配置に軌道レール(2)の少なくとも1つのレール部分(6)を移動させるステップと、試験配置において、試験荷重(F)と相関する力測定値の少なくとも1つを検出するステップと、少なくとも1つの力測定値に基づいて、少なくとも1つの軌道レール(2)における長手方向力を特定するステップと、を有しており、少なくとも1つの力測定値を検出する際に、レール部分(6)に少なくとも1つの軌道まくらぎ(8)を固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道レール(2)における長手方向力を特定する方法であって、
1.1 試験荷重(F)を加えることによって初期配置から試験配置に前記軌道レール(2)の少なくとも1つのレール部分(6)を移動させるステップと、
1.2 前記試験配置において、前記試験荷重(F)と相関する力測定値の少なくとも1つを検出するステップと、
1.3 少なくとも1つの前記力測定値に基づいて、少なくとも1つの前記軌道レール(2)における前記長手方向力を特定するステップと、
を有する方法において、
1.4 少なくとも1つの前記力測定値を検出する際に、前記レール部分(6)に少なくとも1つの軌道まくらぎ(8)を固定する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記レール部分(6)は、少なくとも1つの前記力測定値を検出する際に、走行可能な組付け状態を有することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記長手方向力に基づいて、少なくとも1つの前記軌道レール(2)の中立温度(T)を特定することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記初期配置と前記試験配置との間で少なくとも1つの前記軌道レール(2)の変位(w)と相関する少なくとも1つの距離測定値を検出することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
軌道工事機械(1)の扛上・整正ユニット(13)を用いて前記移動を行うことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記レール部分(6)の基礎に成す軌道バラスト(7)を突き固めることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記レール部分(6)の基礎に成す軌道バラスト(7)の道床剛性(k)を考慮して、前記長手方向力を特定することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記軌道バラスト(7)を突き固める際に検出した少なくとも1つの突固め測定値に基づいて、かつ/または前記試験荷重(F)と相関する少なくとも1つの前記力測定値に基づいて、前記道床剛性(k)を特定することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
解析法を用いて、前記長手方向力の前記特定を行うことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
有限要素法を用いて、前記長手方向力の前記特定を行うことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
それぞれ相異なる試験配置における試験荷重(F)と相関する前記力測定値の少なくとも2つに基づいて、前記長手方向力を特定することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置(1)において、前記レール部分(6)を移動させるための、また少なくとも1つの前記力測定値を検出するための試験装置(5)を有することを特徴とする装置(1)。
【請求項13】
軌道(4)を走行するための走行車(3)を有しており、前記試験装置(5)が前記走行車(3)に固定されていることを特徴とする、請求項12記載の装置(1)。
【請求項14】
前記装置(1)は、前記走行車(3)を支持する、前記軌道レール(2)のレール部分(6)が、前記試験装置(5)によって移動可能であるように構成されていることを特徴とする、請求項13記載の装置(1)。
【請求項15】
前記レール部分(6)の基礎を成す軌道バラスト(7)を突き固めるためのタンピングユニット(19)を有することを特徴とする、請求項12から14までのいずれか1項記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道レールにおける長手方向力を特定する方法に関する。本発明はさらに、この方法を実施するための装置に関する。
【0002】
軌道レールにおける長手方向力を特定する方法であって、軌道まくらぎから完全に取り外される軌道レールを垂直方向に扛上させる方法が、明らかな以前の使用によって知られている。このために必要な試験荷重が検出される。この試験荷重に基づいて、軌道レールに存在する長手方向力が特定される。不利であるのは、軌道まくらぎからの軌道レールの取外しには時間およびコストがかかってしまうことである。この期間、軌道は、鉄道交通には使用されない。軌道まくらぎから取り外す際の軌道レールの歪みを回避するために、この方法はさらに、軌道レールの温度が中立温度を下回る場合にのみ実施可能である。
【0003】
本発明の課題は、特にとりわけフレキシブルに、時間効率的にかつ経済的に実施可能な、軌道レールにおける長手方向力を特定する改善された方法を提供することである。
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を備えた方法によって解決される。少なくとも1つの力測定値を検出する際に、初期配置と試験配置との間に試験荷重を加えることによって移動されるレール部分に、軌道まくらぎの少なくとも1つが固定される場合には、試験荷重と相関する少なくとも1つの力測定値に基づいて、特にフレキシブルに、時間効率的にかつ経済的に、少なくとも1つの軌道レールにおいて長手方向力の特定を行えることが確認されている。少なくとも1つの軌道まくらぎを軌道レールに固定したままにすることにより、取外しまたは結合の形成を省略することができる。軌道区間の封鎖時間は、短縮可能であるか、または完全に回避可能である。例えば、予想外に高いまたは急速に上昇する周囲温度に起因して、特に中立温度を上回るレール温度の際の軌道レールの歪みは、軌道まくらぎによって軌道レールの支持が存続することにより、確実に阻止することができる。
【0005】
軌道レールにおける長手方向力は、以下では、軌道レールに存在する応力と、軌道レールの長手方向に沿って作用する、軌道レールに作用する負荷と理解される。これらのような負荷は、例えば、外力および/または温度、特に温度変化である。対応する応力には、張力およびひずみが含まれる。
【0006】
試験荷重は、少なくとも1つの軌道レールのレール部分の試験配置への移動および/または試験配置におけるレール部分の保持を生じさせる力と理解される。試験荷重には、少なくとも1つの点荷重および/または少なくとも1つの線荷重が含まれていてよい。試験荷重は、好適には、個別の点荷重の形態でレール部分に作用する。少なくとも1つの点荷重は、例えばアクチュエータ、特に液圧式のアクチュエータを用いて発生させることができ、かつ/または、グリッパを用いてそれぞれのレール部分に伝達することができる。
【0007】
レール部分は、試験配置において初期配置に対して移動させられる、少なくとも1つの軌道レールの部分と理解される。レール部分は、軌道の長手方向に沿い、少なくとも、試験荷重が少なくとも1つの軌道レールにおいて加えられる箇所と重なる。レール部分は、好適には、長手方向に沿い、試験配置において初期配置に対して移動されることがない、少なくとも1つの軌道レールの部分によって画定されている。
【0008】
軌道には、好適には、軌道まくらぎと、互いに平行にかつ軌間に対応して離隔して配置された2つの軌道レールとが含まれている。本発明の一態様によると、試験荷重を加えることにより、軌道の長手方向において互いに完全に重なり合う、2つの軌道レールの平行な2つのレール部分を移動させる。特に、これらのレール部分の長手方向延在長さに対応する軌道部分は、試験荷重を加えることにより、初期配置から試験配置に移動可能である。
【0009】
少なくとも1つの軌道レールのレール部分の移動は、好適には、軌道の長手方向に対して垂直に、特に水平方向に、かつ/または垂直方向に、特にこれらの方向の1つにおいてのみ行われる。このために、力測定値は、水平成分および/または垂直成分を有することができる。少なくとも1つの力測定値の検出は、少なくとも1つの力測定手段、特に少なくとも1つのロードセルを用いて行うことができる。
【0010】
レール部分に固定された少なくとも1つの軌道まくらぎは、好適には、試験荷重を加えることにより、特にレール部分と共に、初期配置から試験配置に移動される。少なくとも1つの軌道レールのレール部分には、好適には、軌道まくらぎの少なくとも2つ、特に少なくとも3つ、特に少なくとも5つが固定される。
【0011】
本発明の別の一態様によると、レール部分、特に対になったレール部分、および/または軌道は、初期配置から、少なくとも2個の、特に少なくとも3個の、特に少なくとも5個の、かつ/または最大10個の試験配置に移動される。これらの試験配置では、それぞれの試験荷重と相関しているそれぞれ1つの力測定値を特定することができる。ここから、少なくとも1つの軌道レールにおける長手方向力を特定することができる。特に、少なくとも1個の試験配置に移動する際の少なくとも1つの力測定値の経過を特定することができる。少なくとも1つの力測定値の経過に基づき、少なくとも1つの軌道レールにおける長手方向力を複数回、特定することができる。複数回、特定した長手方向力の平均値を形成することができる。これにより、特に確実かつ正確に長手方向力を特定することができる。
【0012】
本発明の別の一態様によると、長手方向力の特定はさらに、少なくとも1つの軌道レールの、かつ/またはレール部分に固定された少なくとも1つの軌道まくらぎの重量に基づいて行うことができる。軌道レールの重量は、例えば、線荷重と仮定することができる。少なくとも1つの軌道まくらぎの重量も同様に、おおよそ線荷重として、かつ/または個別の点荷重の形態で長手方向力の特定に組み入れることができる。これにより、長手方向力を特に正確に特定することができる。
【0013】
本発明の一態様によると、初期配置から試験配置への移動、および/または少なくとも1つの力測定値の検出は、中立温度を上回るかつ/または下回るレール温度において行われる。中立温度は、それぞれの軌道レールにおける長手方向力、特に長手方向膨張がゼロに等しいレール温度と理解される。これによって有利に達成されるのは、本方法が、高い周囲温度においても、かつ/または中立温度がわからなくも実施できることである。このことは特に、軌道まくらぎから軌道レールを取り外す必要がないことによって可能になり、これにより、軌道レールはその位置が固定のままであり、これによって長手方向に対して横方向の歪みが回避される。これにより、本方法は、例えば不正確な気象予測または組付け遅れに起因する高いレール温度に対して極めてロバストである。
【0014】
本発明の別の一態様によると、少なくとも1つの軌道レールの温度と相関する温度測定値を検出する。温度測定値の検出は、好適には、接触式および/または非接触式に、特にパイロメータを用いて行われる。温度測定値の検出には、複数の個別測定にわたる平均値形成が含まれていてよい。好適には、レール部分の領域において、かつ/または少なくとも1つの力測定値を検出する時点に温度測定値を検出する。好適には、長手方向力と、関連する温度測定値との位置的かつ時間的な対応付け、特に組み合わせた記録を行う。
【0015】
請求項2記載の方法は特に、時間効率的にかつ経済的に実施可能である。軌道は、好適には、完全に組み付けられている。本方法は、軌道を作製した後、特に走行動作についての最初の作動許可の前に、かつ/または走行動作において、特にメンテナンス処置中に既に行われた使用の後に実施可能である。全ての軌道まくらぎへの軌道レールの固定は、好適には、特に走行動作のために設けられた状態と比べて、完全に維持されたままである。これにより、軌道区間の封鎖時間を短縮し、特に回避することができる。さらに、必要な組付けの手間が低減される。
【0016】
請求項3記載の方法は、特にフレキシブルに使用可能である。好適には、少なくとも1つの温度測定値と、求めた長手方向力、特に長手方向膨張とに基づいて中立温度を求める。既知の関係に対応し、長手方向における軌道レールの熱膨張係数を介して、特定の長手方向膨張を達成するために必要な温度差を推定することができる。この中立温度を介して、軌道レールの応力を特に明瞭に表現可能かつ比較可能である。特に、中立温度・境界値を設定することができる。中立温度・境界値を下回った、かつ/または上回った際には、好適には、メンテナンス処置が必要であることが特定される。この結果、通常の走行動作を制限するかまたは停止することができる。
【0017】
請求項4記載の方法により、特に確実かつ正確な仕方で長手方向力の特定が保証される。少なくとも1つの距離測定値は、レール部分に沿った任意の位置において、しかしながら好適には、レール部分に作用する試験荷重の領域、特に箇所において特定可能である。少なくとも1つの距離測定値は、初期配置と試験配置との間のレール部分の垂直方向変位および/または水平方向変位と相関していてよい。距離測定値の検出とは代替的に、例えば、固定の端部ストッパを備えた移動機構を用いて、特にトグルレバーを用いて、あらかじめ設定した試験位置にレール部分を移動させてもよい。
【0018】
請求項5記載の方法は特に、実施において時間効率的かつ経済的である。扛上・整正ユニットは、実際軌道配置から目標軌道配置に軌道を移動させるための装置と理解される。扛上・整正ユニットは、好適には、長手方向に対して横方向に、特に垂直方向および/または水平方向に軌道を移動させるように構成されている。扛上・整正ユニットは、軌道工事のためにしばしば既に利用可能である。これにより、レール部分を移動させるための付加的な装置の調達が省略可能である。本方法は特に、軌道を扛上させかつ/または目標軌道配置に移動させる方法と時間的に並行して実施可能である。
【0019】
請求項6記載の方法は特に、実施において時間効率的かつ経済的である。レール部分の基礎を成す軌道バラストの突固めは、好適には、初期配置から試験配置へと移動することによって少なくとも部分的に到達される、レール部分の加工配置において行われる。これにより、突固めプロセスに必要な軌道の扛上は、長手方向力の特定と時間的に並行して利用可能である。少なくとも1つの力測定値の検出は、好適には、突固め過程、特にバラスト道床へのタンピングツールの突き入れからは時間的に切り離して行われる。これにより、測定誤差、特に力測定値の検出への妨害的な影響に起因する測定誤差を回避することができる。
【0020】
請求項7記載の方法により、特に確実かつ正確な仕方で長手方向力の特定が保証される。長手方向力の特定に対する道床剛性の影響を考慮することによって、特に軌道バラストの性質が相異なる際に,確実かつ正確に長手方向力を特定できることが保証される。道床剛性は、例えば、Winklerによる道床モジュール法に基づく道床モデルに組み入れることができる。
【0021】
請求項8記載の方法は、特にフレキシブルに適用可能であり、特に正確な仕方で長手方向力の特定を保証する。好適には、レール部分の基礎を成す軌道バラストの道床剛性と相関する道床測定値を検出する。道床測定値は、長手方向力の特定に使用可能である。これにより、長手方向力の特定に対する相異なる道床剛性の影響を考慮することができる。道床測定値は、例えば、突固め測定値の形態で、特にタンピングユニットを用いて検出される測定値に基づいて、かつ/または、試験荷重と相関する少なくとも1つの力測定値に基づいて、求めることができる。突固め測定値は特に、道床バラストの突固めの際の軌道バラストと、タンピングユニットのタンピングツールとの間の反力と相関する。
【0022】
請求項9記載の方法により、特にフレキシブルかつ時間効率的な仕方で長手方向力の特定が保証される。本方法を実施するために必要な計算能力は比較的少ない。少なくとも1つの力測定値に基づく長手方向力の特定は特に、従来のマイクロコントローラおよび/または従来のデスクトップPCを備えた評価装置を用いて行うことができる。適切な解析法には、例えば、少なくとも1つの軌道レールが、特に軌道まくらぎと共に梁として、特に弾性的に埋め込まれる梁としてモデル化されている構造モデルが含まれている。対応する解析法は、例えば、ベルヌーイによる線形の梁理論または非線形の梁理論に基づいていてよい。
【0023】
本発明の1つの、特に独立した態様によると、対応するレール部分の基礎を成す軌道バラストの道床剛性を考慮して、軌道レールにおける長手方向力の特定を行う。特に、軌道まくらぎの、特に少なくとも1つの軌道レールに結合された軌道まくらぎの特性、特に軌道まくらぎの重量に基づいて長手方向力を特定することができる。
【0024】
請求項10記載の方法により、特にフレキシブルかつロバストな仕方で長手方向力の特定が保証される。初期配置から試験配置にレール部分を移動させる試験荷重と相関する少なくとも1つの力測定値に基づき、有限要素法(FEM)をベースにしており、軌道レールにおける長手方向力を特定することは特に、本発明の1つの独立した態様である。FEMは、長手方向力の特定に間接的に利用可能である。代替的には、長手方向力を特定する解析法のパラメータを特定するためにFEMを利用することができる。対応する方法は、半解析法とも称される。FEMは、好適には、ラグランジュ多項式を用いた少なくとも1つの軌道レールのモデル化に、さらに好適には、非一様有理Bスプライン(NURBS)を用いたモデル化に基づいている。軌道レールにおける長手方向力の特に正確な特定は、軌道および/または軌道バラストの構造モデルのIGA(Isogeometrische Analysis)によって可能となる。
【0025】
請求項11記載の方法により、特にロバストかつ正確な仕方で長手方向力の特定が保証される。好適には、少なくとも2個、特に少なくとも3個、特に少なくとも5個、特に少なくとも10個の力測定値に基づいて長手方向力の特定を行う。力測定値は、好適には、軌道の長手方向に沿った同じ位置および/または異なる位置において検出される。複数の力測定値にわたって平均値を形成することができる。さらに、長手方向力を計算するために必要な既知のパラメータの個数を少なくすることができる。本方法は、特にフレキシブルに使用可能であり、特に正確な結果をもたらす。
【0026】
本発明の別の課題は、軌道レールにおける長手方向力を特定するための、特に上で説明した方法を実施するための改善された装置であって、とりわけフレキシブルに、時間効率的にかつ経済的に使用可能な装置を創出することにある。
【0027】
この課題は、請求項12の特徴を備えた装置によって解決される。本装置の利点は、上で説明した方法の利点に対応する。本装置は、好適には、本方法に関連して上で説明した特徴の少なくとも1つによって改善される。試験装置は、好適には、試験荷重を加えることによって初期配置から試験配置に少なくとも1つの軌道レール、特に2つの軌道レール、特に軌道部分のそれぞれのレール部分を移動させるために、少なくとも1つの試験アクチュエータ、特に扛上アクチュエータおよび/または整正アクチュエータを有している。少なくとも1つの試験アクチュエータは、垂直方向および/または水平方向にレール部分を移動させるように構成可能である。
【0028】
試験装置は、少なくとも1つの力測定値を検出するために、好適には、少なくとも1つの力測定手段を有することができる。試験装置は、少なくとも1つの距離測定値を検出するための少なくとも1つの距離測定手段を有することができる。
【0029】
本発明の一態様によると、本装置は軌道工事機械として、特に軌道を作製および/またはメンテナンスするために構成されている。
【0030】
請求項13記載の装置は、特にフレキシブルでありかつ時間効率的に使用可能である。走行車は、双方向車両として形成されていてよい。走行車は、走行原動機を有していてもよいし、走行駆動装置のない被牽引車として構成されていてもよい。試験装置は、好適には、取外し不能または取外し可能に走行車に取り付けられている。試験装置は、取外し可能に走行車に結合するための連結部を有することができる。
【0031】
請求項14記載の装置は、特にフレキシブルかつ経済的に使用可能である。試験装置を用いて、好適には、走行車が配置されているレール部分において、特に軌道の長手方向に沿って走行車が重なっているレール部分において長手方向力を特定することができる。本装置を用いて付加的または代替的に、隣接する軌道のレール部分における長手方向力を特定することができる。このために、本装置は、走行車に結合された位置決め装置であって、軌道に対して垂直に試験装置を移動させるための位置決め装置を有していてよい。
【0032】
請求項15記載の装置は特に、作動においてフレキシブルでありかつ経済的である。初期配置から試験配置にレール部分を移動させるための少なくとも1つの試験アクチュエータは好適には、長手方向力を特定するために、特に特に試験荷重を作用させるためにも、またレール部分の基礎を成す軌道バラストを突き固めるためにも使用される。別の扛上アクチュエータは省略可能である。軌道バラストの突固めと、軌道レールにおける長手方向力の特定とは、時間的に少なくとも部分的に並行化可能である。
【0033】
本発明の別の特徴、詳細および利点は、図面に基づく、実施例の以下の説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】レール部分を移動させるための試験装置を有する、レールにおける長手方向力を特定するための装置であって、レール部分が、初期配置に配置されている装置、特に軌道工事機械を示す側面図である。
図2】試験装置によって試験荷重がレール部分に作用し、レール部分が試験配置に配置されている、図1の装置の側面図である。
図3】少なくとも1つの力測定値に基づいて長手方向力を特定するための、図2のレール部分の構造モデルを示す図である。
図4】切断境界に作用する切断力を有する、図3の構造モデルの部分の自由断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1図4に基づき、軌道レール2における長手方向力を特定するための装置1の1つの実施例を説明する。装置1は、軌道4を走行するための走行車3と、少なくとも1つの軌道レール2のレール部分6を移動させ、少なくとも1つの力測定値を検出するための試験装置5とを有している。
【0036】
軌道4は、軌道バラスト7、特にバラスト道床に配置されている。互いに平行にかつ離間して配置された2つの軌道レール2は、軌道まくらぎ8に固定されている。軌道まくらぎ8は、軌道バラスト7に載置されている。軌道4は、走行可能な組付け状態を有している。
【0037】
走行車3は、軌道4を走行するために軌道レール2に配置されている。走行車3は、2つの台車9と、この台車9に取り付けられた支持フレーム10とを有している。台車9は、レールガイド可能な車輪11を有している。走行車3の少なくとも1つの走行原動機12により、軌道4に沿った移動に必要な駆動力が加えられる。
【0038】
試験装置5には、扛上・整正ユニット13が含まれている。扛上・整正ユニット13は、軌道レール2を可逆的に把持するためのグリッパ14を有している。垂直方向zに沿ってレール部分6を移動させるために、軌道レール2毎にそれぞれ1つの扛上アクチュエータ15が設けられている。図示していない整正アクチュエータは、軌道4の長手方向xに対して垂直に方向付けられた水平方向yに少なくとも1つの軌道レール2を移動させるように構成されている。それぞれの扛上アクチュエータ15およびそれぞれの整正アクチュエータは、流体式、特に液圧式のアクチュエータとして構成されている。扛上アクチュエータ15および/または整正アクチュエータは、好適には、特にグリッパ14を介して、それぞれの軌道レール2に試験荷重Fを作用させるように構成されている。
【0039】
扛上・整正ユニット13は力測定手段16を有しており、この力測定手段16は、初期配置と試験配置との間で少なくとも1つのレール部分6を移動させるための試験荷重Fと相関する力測定値を検出するように構成されている。力測定手段16は、好適には、ロードセルとして構成されている。扛上・整正ユニット13はさらに、それぞれ1つの距離測定値wを検出するために、扛上アクチュエータ15毎にまた整正アクチュエータ毎に1つの距離測定手段を有しており、この距離測定値wは、特にグリッパ14の領域において初期配置と試験配置の間で、少なくとも1つの軌道レール2の、特にレール部分6の垂直方向変位および/または水平方向変位と相関している。それぞれの距離測定手段17は、好適には、それぞれの扛上アクチュエータ15および/またはそれぞれの整正アクチュエータの移動量を検出するために少なくとも1つの移動量センサ、特にポテンショメータを有している。
【0040】
扛上・整正ユニット13は、支持フレーム10に取り付けられている。装置1の供給装置18により、装置1を作動させるために必要な電力と、流体出力、特にそれぞれの扛上アクチュエータ15および整正アクチュエータを作動させるために必要な液圧出力とが供給される。
【0041】
装置1は、軌道4の基礎を成す軌道バラスト7を突き固めるためのタンピングユニット19を有している。タンピングユニット19は、垂直方向に方向付けられたリニアガイド20を介してユニット支持体21に取り付けられている。ユニット支持体21は、支持フレーム10に固定されている。垂直方向駆動部22は、リニアガイド20に沿ってタンピングユニット19を移動させるように構成されている。
【0042】
タンピングユニット19は、2つのタンピングツール23および1つのタンピング駆動部24を有している。タンピング駆動部24は、水平方向のタンピングツール軸25の周りにタンピングツール23を旋回させるように構成されている。タンピングツール23には、タンピング駆動部24を用いて、それぞれのタンピングツール軸25の周りに、組み合わされた旋回運動と振動運動とが伝達される。タンピング駆動部24には、電気的かつ/または流体式、特に液圧式のアクチュエータが含まれている。タンピング駆動部24は、電力が伝達されるように供給装置18に接続されている。供給装置18を用いて、タンピングユニット19に必要な電力および/または流体出力が供給される。
【0043】
装置1は、制御装置26を有している。制御装置26は、扛上・整正ユニット13と、タンピングユニット19と、特にさらに走行車3と、供給装置18と信号接続されている。制御装置26は、扛上・整正ユニット13を用いて、軌道4、特に少なくとも1つの軌道レール2の配置を制御するように構成されている。制御装置26はさらに、タンピングユニット19を用いて、軌道バラスト7の突固めを制御するように構成されている。制御装置26は特に、供給装置18および/または軌道4に沿った走行車3の走行移動を制御するように構成されている。
【0044】
タンピングユニット19は、反力測定値を検出するための、図示しない反力測定手段を有しており、この反力測定値は、軌道バラスト7とタンピングツール23との間に作用するバラスト力と相関している。反力測定手段は、例えば、タンピング駆動部24の液圧式アクチュエータにおける液圧を検出するための圧力センサとして構成されていてよい。反力測定手段は、好適には、反力測定値を検出するように構成されており、この反力測定値は,少なくとも1つのタンピングツール23が軌道バラスト7に、特に垂直方向に突き入る際に、かつ/または周期的な運動、特に少なくとも1つのタンピングツール23と軌道バラスト7との間の少なくとも1つのタンピングツール23の振動運動の際に、発生する。反力測定値は、対応して、少なくとも1つのタンピングツール23に作用する突き入る力と、かつ/また突固めの際に少なくとも1つのタンピングツール23に作用する振動力と相関していてよい。
【0045】
装置1にはさらに、少なくとも1つの軌道レール2の温度を特定するための温度測定手段27が含まれている。温度測定手段27は、パイロメータとして構成されている。この温度測定手段27は、制御装置26に信号接続されている。
【0046】
装置1の評価装置28は、力測定手段16の信号に基づいて、特にさらにそれぞれの距離測定手段17、反力測定手段および/または温度測定手段27の信号に基づいて、少なくとも1つの軌道レール2における長手方向力を特定するように構成されている。
【0047】
軌道レール2における長手方向力を特定するための装置1の作動の仕方は、次の通りである。
【0048】
図1には、装置1が第1作業位置で示されている。第1作業位置では、装置1は軌道4に配置されている。タンピングユニット19のタンピングツール23は、軌道バラスト7と係合していない。対を成して配置された2つのレール部分6は、長手方向xに沿って、扛上・整正ユニット13と、2つのグリッパ14と、タンピングユニット19とに重なっている。扛上・整正ユニット13は、2つのグリッパ14を介して、レール部分6に形状結合で結合されている。扛上・整正ユニット13は、第1作業位置において、軌道4、特に軌道レール2のレール部分6に力を作用しない。2つの軌道レール2,特にレール部分6は、初期配置に位置している。
【0049】
2つの軌道レール2における長手方向力を特定するために、制御装置26により、2つの扛上アクチュエータ15をアクティブ化するための信号が供給装置18に供給される。扛上アクチュエータ15は、試験荷重Fを加え、レール部分6と共に2つのグリッパ14を垂直方向zに上方に向かって移動させる。装置1は、図2に示された第2作業位置にある。2つの軌道レール2、特にレール部分6は、試験配置に位置している。
【0050】
垂直方向の変位wは、試験荷重Fを導入した箇所における、つまりそれぞれのグリッパ14における初期配置と試験配置との間のそれぞれのレール部分6の間隔によって特定される。扛上・整正ユニット13のそれぞれの距離測定手段17により、関連する扛上アクチュエータ15の移動量と相関し、対応して垂直方向の変位wと相関する距離測定値が検出される。力測定手段16によって力測定値が検出され、この力測定値は、それぞれのグリッパ14を介してそれぞれの軌道レール2に作用する試験荷重Fと相関する。
【0051】
軌道レール2は、試験配置において、特に少なくとも1つの力測定値を検出する際に、軌道まくらぎ8に固定されている。試験配置では、軌道4は、特に少なくとも1つのレール部分6の領域において走行可能な組付け状態にある。
【0052】
温度測定手段27により、特に非接触で、それぞれの軌道レール2の温度と相関する温度測定値が検出される。
【0053】
制御装置26により、軌道バラスト7の突固めを開始するための信号が供給される。タンピングユニット19は、垂直方向駆動部22を用いて降下させられる。タンピングツール23は、軌道バラスト7に突き入る。タンピングツール23は、それぞれのタンピングツール軸25の周りに旋回され、振動運動が加えられる。軌道バラスト7のバラストは、タンピングユニット19の下側の領域で突き固められる。軌道バラスト7を突き固める際に、反力測定手段を用いて反力測定値が検出される。突固め過程は終了し、タンピングユニット19は再び第1作業位置に移動させられる。
【0054】
軌道レール2における長手方向力、特に垂直力Nは、検出した力測定値、距離測定値、温度測定値および反力測定値に基づいて特定される。評価装置28には、軌道レール2の長手方向重量qに起因する重量ベースの線荷重についての情報が格納されている。評価装置28にはさらに、長手方向xに沿った軌道まくらぎ8の、結果として得られる長手方向重量qについての情報が含まれている。軌道まくらぎ8のこの長手方向重量qは、特にレール部分6内の個々の軌道まくらぎ8の平均重量と、隣り合う2つの軌道まくらぎ8の中心長手方向軸線間の平均間隔lとからの商に対応する。評価装置28には同様に、軌道レール2の弾性率E、横断面積Aおよび熱膨張係数α、ならびに水平方向の横軸y周りの、かつ/または垂直軸z周りの、軌道レール2の面積慣性モーメントIについての情報が格納されている。少なくとも1つの軌道レール2における長手方向力は、好適には、垂直方向zにレール部分6が移動する際の、水平方向の横軸y周りの軌道レール2の面積慣性モーメントIに基づいて、かつ/または水平方向yにレール部分6が移動する際の、垂直軸z周りの軌道レール2の面積慣性モーメントIに基づいて特定される。
【0055】
軌道バラスト7の道床モジュールkは、評価装置28に格納されている。道床モジュールkは、垂直方向zにおける軌道バラスト7の剛性に対応する。道床モジュールkは、反力測定値に基づいて特定され、特に適合される。
【0056】
上で説明した情報に基づいて、軌道レール2における長手方向力、特に垂直力N、垂直応力σ、および/または長手方向膨張εΝが計算される。この計算は、第1実施例によると、評価装置28に格納されているFEMモデルだけに基づいて行われる。
【0057】
さらに、それぞれの軌道レール2の中立温度Tを特定する。中立温度Tは、軌道レール2における長手方向力、特に垂直力Nがゼロになる温度と理解される。このためには、少なくとも1つの力測定値を検出する際に生じている温度測定値に基づいて、軌道レール2の試験温度Tを特定する。それぞれのレール部分6の中立温度Tは、ここから、次のように特定される。すなわち、
=T+N/EAα
である。
【0058】
試験温度Tを特定するために、それぞれのレール部分6にわたって通過する間に、好適には複数回、温度測定手段27を用いて温度測定値を検出する。複数の測定値から、試験温度Tの特に正確な特定を可能にする平均値を特定することができる。平均化により、局所的な温度変動および測定偏差を補償することができる。
【0059】
代替的な1つの実施形態によると、それぞれの軌道レール2における長手方向力、特に垂直力N、垂直応力σ、および長手方向膨張εΝは、解析法に基づいて特定可能である。それぞれの軌道レール2は、ベルヌーイによる線形梁理論に基づいて、弾性的に埋め込まれた梁としてモデリングされる。軌道バラストは、Winklerによる既知の道床モジュール法に基づいてモデル化される。長手方向xに沿った垂直方向変位wについての境界値問題は、次のように表すことができる。すなわち、
【数1】
である。
【0060】
扛上・整正ユニット13に最も近い車輪11の載置点は、長手方向xについての固定支承部とみなされ、ここから、
【数2】
となる。
【0061】
R1およびFR2は、車輪11において軌道レール2に作用する、垂直方向の横方向力である。γは、
【数3】
であり、したがって特定される試験荷重Fに基づく、道床破壊についての指標関数である。
【0062】
道床パラメータλは、軌道バラスト7に載置されている、レール部分6の領域と、軌道バラスト7と接触していない、レール部分6の領域との間の移行を表す。好適には、道床パラメータλは、垂直方向変位wの最大に生じる値よりも格段に大きく仮定される。垂直方向変位w(x)を特定するために、上の微分方程式を数値的に解くことができる。これに基づいて、横方向力Q=Q(x=x)、Q=Q(x=x)がゼロに等しい位置xおよびxが特定される。これらの位置において、軌道レール2の傾斜に対応する軌道レール角α、βが次のように、すなわち、
【数4】
に特定される。
【0063】
垂直方向における力の釣合いにより、特定対象の垂直力Nが、
【数5】
にしたがって得られる。
【0064】
代替的には、軌道レール角α,βは、垂直方向変位wと、経験的に求められる長さ値との商として近似的に特定することができ、この長さ値は、位置x,x間の間隔と相関する。垂直力Nに基づき、垂直応力σを次のように特定することができる。すなわち、
σ=N/A
である。
【0065】
長手方向膨張εΝは、次のように計算可能であり、すなわち、
ε=N/EA
である。
【0066】
好適には、試験荷重Fと相関する少なくとも1つの力測定値が、少なくとも2つの相異なる垂直方向変位wにおいて検出される。特に、垂直方向変位wにわたる、少なくとも1つの力測定値の経過を特定することができる。これにより、特に、初期配置と試験配置との間でレール部分6が移動する間に、それぞれの軌道レール2における長手方向力を複数回、特定することができる。これらの複数の長手方向力にわたる平均値を形成することにより、精度を向上させることができる。これによってさらに、それぞれの軌道レール2および/または軌道まくらぎ8の重量を推定することができる。これにより、軌道レール2における長手方向力を特に確実かつ正確に特定することができる。
【0067】
好適には、上で説明した方法を実施するためのコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、記憶ユニットに、特に評価装置28に格納されていてよい。
【0068】
本方法が、軌道4の走行可能な組付け状態で実施可能であることにより、軌道レール2における長手方向力の特定は、特に時間効率的にかつ経済的に行うことができる。レール部分6に固定された少なくとも1つの軌道まくらぎ8は、上で説明したように、特に、その重量と、それに作用する軌道バラスト7とを考慮することにより、長手方向力を特定する際に取り入れられる。長手方向力を特定するために軌道レール2と軌道まくらぎ8との間の結合が外れてしまうことは、回避可能である。軌道4の非破壊試験が可能になる。本方法は特に、中立温度Tと試験温度Tとの間の差分に依存することなく実施可能である。特に、本方法を実施するための試験温度Tは、中立温度Tよりも高くてよい。というのは、軌道まくらぎ8に対して軌道レール2が移動してしまうことを心配する必要がないからである。
【0069】
本方法が装置1を用いて、特に軌道工事機械を用いて実施されることにより、長手方向力の特定を特に経済的に行うことができる。対応する装置1は、特に幅広い使用領域を有している。軌道バラスト7の突固めおよび長手方向力の特定は、装置1を用い、時間的に少なくとも部分的に並行して、ひいては特に時間効率的に行うことができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】