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特表2024-536599新規設置電池を含む電池システムの稼働計画立案装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】新規設置電池を含む電池システムの稼働計画立案装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20240927BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240927BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240927BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240927BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J7/00 Y
H02J7/00 X
H02J7/34 B
H02J7/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523961
(86)(22)【出願日】2023-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 KR2023010006
(87)【国際公開番号】W WO2024063281
(87)【国際公開日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0117636
(32)【優先日】2022-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スビン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェスン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ホンムン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ボン・ヒュク・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ギ・ドゥク・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジェスン・イム
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066AA09
5G066AE09
5G066HA13
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503DA07
5G503EA05
5G503EA08
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
本発明の一実施形態に係る稼働計画立案装置は、旧電池に新電池が併合される電池システムの稼働計画を立案する装置であって、少なくとも一つのプロセッサ、上記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリ、を含む。
ここで、上記少なくとも一つの命令は、所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて、電池システムに初期設置される第1の電池の個数を導出する命令、及び、上記最小要求放電エネルギー量と上記第1の電池の予想劣化度に基づいて、上記第1の電池に順次併合される第2の電池に対する、併合時点及び併合時点別の併合個数を含む稼働計画情報を導出する命令を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旧電池に新電池が併合される電池システムの稼働計画を立案する装置であって、
少なくとも一つのプロセッサ、及び
前記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリ、を含み、
前記少なくとも一つの命令は、
所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて、電池システムに初期設置される第1の電池の個数を導出する命令、及び
前記最小要求放電エネルギー量と前記第1の電池の予想劣化度に基づいて、前記第1の電池に順次併合される第2の電池に対する、併合時点及び併合時点別の併合個数を含む稼働計画情報を導出する命令、を含む、電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項2】
前記稼働計画情報を導出する命令は、
前記最小要求放電エネルギー量と既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量に基づいて、併合時点別の第2の電池の併合個数を決定する命令を含む、請求項1に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項3】
前記稼働計画情報を導出する命令は、
既設の電池とN回目に併合された第2の電池とが共に稼働する期間と定義されるN次併合稼働期間の間に対する、第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令を含む、請求項1に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項4】
前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令は、
既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、前記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令を含む、請求項3に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項5】
前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令は、
N次併合稼働期間終了時点での既設の電池の予想放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、前記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、N次併合稼働期間終了時点での前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令、及び
前記算出された放電エネルギー量及び放電量を、前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量として決定する命令、を含む、請求項4に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項6】
N次併合稼働期間の間第1の電池及び第2の電池が同一の放電時間で稼働するような、前記第1の電池及び前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を前記電池システムに伝達する命令をさらに含む、請求項4に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項7】
旧電池に新電池が併合される電池システムの稼働計画を立案する方法であって、
所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて、初期設置される第1の電池の個数を導出するステップ、及び
前記最小要求放電エネルギー量と前記第1の電池の予想劣化度に基づいて、前記第1の電池に順次併合される第2の電池に対する、併合時点及び併合時点別の併合個数を含む稼働計画情報を導出するステップ、を含む、電池システムの稼働計画立案方法。
【請求項8】
前記稼働計画情報を導出するステップは、
前記最小要求放電エネルギー量と既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量に基づいて、併合時点別の第2の電池の併合個数を決定するステップを含む、請求項7に記載の電池システムの稼働計画立案方法。
【請求項9】
前記稼働計画情報を導出するステップは、
既設の電池とN回目に併合された第2の電池とが共に稼働する期間と定義されるN次併合稼働期間の間に対する、第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップを含む、請求項7に記載の電池システムの稼働計画立案方法。
【請求項10】
前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップは、
既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、前記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップを含む、請求項9に記載の電池システムの稼働計画立案方法。
【請求項11】
前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップは、
N次併合稼働期間終了時点での既設の電池の予想放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、前記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有、N次併合稼働期間終了時点での前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップ、及び
前記算出された放電エネルギー量及び放電量を、前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量として決定するステップ、を含む、請求項10に記載の電池システムの稼働計画立案方法。
【請求項12】
N次併合稼働期間の間第1の電池及び第2の電池が同一の放電時間で稼働するような、前記第1の電池及び前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を前記電池システムに伝達するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
旧電池に新電池が併合される電池システムであって、
初期設置される第1の電池、及び
前記第1の電池に順次併合される第2の電池、を含み、
前記第1の電池は、所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて決定される個数だけ設置され、
前記第2の電池は、前記最小要求放電エネルギー量と前記第1の電池の予想劣化度に基づいて決定される併合時点及び併合時点別の併合個数にしたがって順次併合される、電池システム。
【請求項14】
前記第1の電池及び前記第2の電池は、
同一の放電時間を有するように事前定義される、それぞれの放電エネルギー量及び放電量によって稼働する、請求項13に記載の電池システム。
【請求項15】
前記それぞれの放電エネルギー量及び放電量は、
第1の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて決定される、請求項14に記載の電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年9月19日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0117636号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電池システムの稼働計画立案装置及び方法に関し、より具体的には、旧電池に新電池を併合(augment)して稼働させる電池システムの稼働計画立案装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System:ESS)は、再生可能エネルギー、電力を貯蔵した電池、そして既存の系統電力を連系させるシステムである。近年、スマートグリッド(smart grid)と再生可能エネルギーの普及が広がっており、電力系統の効率化と安定性が強調されることに伴って、電力供給及び需要の調節、及び電力品質の向上のために、エネルギー貯蔵システムに対する需要がますます増加しつつある。使用の目的によって、エネルギー貯蔵システムは、出力と容量が変わり、大容量エネルギー貯蔵システムを構成するために、複数の電池システムが互いに接続され得る。
【0004】
一般的に、エネルギー貯蔵システムは、特定の区画に設置されて長期間稼働する。エネルギー貯蔵システムが、該当稼働期間の間、顧客が要求する放電エネルギー量を満足させるためには、時間による電池の性能低下を考慮して、必要以上の多数の電池を初めに設置しなければならない。
【0005】
このような費用面での問題を解決するために、稼働初期には最小数量で設置した電池で稼働し、稼働期間中に新規電池が併合される、エネルギー貯蔵システムが提案されている。しかしながら、このようなエネルギー貯蔵システムの場合、時間が経過するにつれて既設の電池と新たに追加された電池との間の性能差が発生し、新規電池が既設の電池の性能に追従するようになるという問題が発生する。例えば、先に劣化が進行した既設の電池の放電が先に終了する場合、新規設置電池は、追加の放電が可能であるにもかかわらず、放電が終了する。このような電池間の不均衡の問題は、稼働期間が経過するほど深刻になり、要求放電エネルギー量を満たすために追加される新規電池の個数が必要以上に増加し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような問題点を解決するための本発明の目的は、新規設置電池を含む電池システムの稼働計画立案装置を提供することにある。
【0007】
上記のような問題点を解決するための本発明の別の目的は、新規設置電池を含む電池システムの稼働計画立案方法を提供することにある。
【0008】
上記のような問題点を解決するための本発明のまた別の目的は、立案された稼働計画によって稼働する新規設置電池を含む電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一実施形態に係る稼働計画立案装置は、旧電池に新電池が併合される電池システムの稼働計画を立案する装置であって、少なくとも一つのプロセッサ、及び、上記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリ、を含む。
【0010】
ここで、上記少なくとも一つの命令は、所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて、電池システムに初期設置される第1の電池の個数を導出する命令、及び、上記最小要求放電エネルギー量と上記第1の電池の予想劣化度に基づいて、上記第1の電池に順次併合される第2の電池に対する、併合時点及び併合時点別の併合個数を含む稼働計画情報を導出する命令、を含むことができる。
【0011】
上記稼働計画情報を導出する命令は、上記最小要求放電エネルギー量と既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量に基づいて、併合時点別の第2の電池の併合個数を決定する命令を含むことができる。
【0012】
上記稼働計画情報を導出する命令は、既設の電池と、N回目に併合された第2の電池とが共に稼働する期間と定義されるN次併合稼働期間の間に対する、第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令を含むことができる。
【0013】
上記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令は、既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、上記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、上記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令を含むことができる。
【0014】
上記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令は、N次併合稼働期間終了時点での既設の電池の予想放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、上記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、N次併合稼働期間終了時点での上記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令、及び、上記算出された放電エネルギー量及び放電量を、上記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量として決定する命令、を含むことができる。
【0015】
上記少なくとも一つの命令は、N次併合稼働期間の間第1の電池及び第2の電池が同一の放電時間で稼働するような、上記第1の電池及び上記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を上記電池システムに伝達する命令をさらに含むことができる。
【0016】
上記別の目的を達成するための本発明の一実施形態に係る稼働計画立案方法は、旧電池に新電池が併合される電池システムの稼働計画を立案する方法であって、所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて、初期設置される第1の電池の個数を導出するステップ、及び、上記最小要求放電エネルギー量と上記第1の電池の予想劣化度に基づいて、上記第1の電池に順次併合される第2の電池に対する、併合時点及び併合時点別の併合個数を含む稼働計画情報を導出するステップ、を含むことができる。
【0017】
上記稼働計画情報を導出するステップは、上記最小要求放電エネルギー量と既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量に基づいて、併合時点別の第2の電池の併合個数を決定するステップを含むことができる。
【0018】
上記稼働計画情報を導出するステップは、既設の電池とN回目に併合された第2の電池とが共に稼働する期間と定義されるN次併合稼働期間の間に対する、第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップを含むことができる。
【0019】
上記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップは、既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、上記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、上記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップを含むことができる。
【0020】
上記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップは、N次併合稼働期間終了時点での既設の電池の予想放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、上記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、N次併合稼働期間終了時点での上記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップ、及び、上記算出された放電エネルギー量及び放電量を、上記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量として決定するステップ、を含むことができる。
【0021】
上記稼働計画立案方法は、N次併合稼働期間の間第1の電池及び第2の電池が同一の放電時間で稼働するような、上記第1の電池及び上記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を上記電池システムに伝達するステップをさらに含むことができる。
【0022】
上記また別の目的を達成するための本発明の一実施形態に係る電池システムは、旧電池に新電池が併合される電池システムであって、初期設置される第1の電池、及び、上記第1の電池に順次併合される第2の電池、を含む。ここで、上記第1の電池は、所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて決定される個数だけ設置され、上記第2の電池は、上記最小要求放電エネルギー量と上記第1の電池の予想劣化度に基づいて決定される併合時点及び併合時点別の併合個数にしたがって順次併合されてよい。
【0023】
上記第1の電池及び上記第2の電池は、同一の放電時間を有するように事前定義される、それぞれの放電エネルギー量及び放電量によって稼働することができる。
【0024】
上記それぞれの放電エネルギー量及び放電量は、第1の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて決定されてよい。
【発明の効果】
【0025】
上記のような本発明の実施形態によれば、電池システムの稼働期間の全体で電池システムに設置される電池の個数を最小限に抑えることができる。
【0026】
また、本発明の実施形態によれば、稼働期間の全体で電池システムに含まれた電池の不均衡問題を最小限に抑えて全体の効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】既存のエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
図2】既存の新規電池を含むエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る電池システムのブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る電池システムの稼働計画立案方法のフロー図である。
図5】本発明の実施形態に係る稼働計画情報導出方法のフロー図である。
図6】及び
図7】本発明の実施形態に係る稼働計画情報の例示である。
図8】本発明の比較例に係る電池システムの例示である。
図9】本発明の実施形態に係る電池システムの例示である。
図10】本発明の実施形態に係る稼働計画立案装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、種々の変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるのが、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明で詳しく説明する。これは、本発明を特定の実施形態に限定しようとするのではない。むしろ、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されたい。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用している。
【0029】
第1、第2、A、Bなどの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されてよいが、構成要素は、上記用語によって限定されてはいけない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されることができ、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名されてよい。「及び/又は」という用語は、複数の関連して記載された項目の組み合わせ又は複数の関連して記載された項目のうちのある項目を含む。
【0030】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及されたときには、当該他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されていることもあるが、中間に別の構成要素が存在することもできると理解されたい。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に別の構成要素が存在しないことと理解されたい。
【0031】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないことと理解されたい。
【0032】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含め、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的であるか過度に形式的な意味としては解釈されない。
【0033】
本明細書において使用される一部の用語を定義すれば、次の通りである。
【0034】
SOC(State of Charge:充電率)は、電池の現在充電された状態を割合[%]で表したものであり、SOH(State of Health:残存率)は、電池の現在の残存状態を割合[%]で表したものである。
【0035】
電池ラック(Rack)は、電池メーカーで設定したモジュール単位を直列/並列接続してBMSを通じてモニタリングと制御が可能な最小単一構造のシステムを意味し、複数の電池モジュールと1つのBPU又は保護装置を含んで構成されてよい。
【0036】
電池バンク(Bank)は、複数のラックを並列接続して構成される大きい規模の電池ラックシステムの集合群を意味することができる。電池バンク単位のBMSを通じて、電池ラック単位のラックBMS(RBMS)に対するモニタリングと制御を行うことができる。
【0037】
BSC(Battery System Controller:電池システム制御器)は、電池バンク(Bank)単位の電池システムを含む電池システムに対する最上位の制御を行う装置であって、複数のバンクレベル(Bank Level)構造の電池システムにおいて制御装置として使用されることもある。
【0038】
定格容量(Nominal Capacity: Nominal Capa.)は、電池メーカーが開発当初設定した電池の設定容量[Ah]を意味し得る。
【0039】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
図1は、既存のエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
【0041】
エネルギー貯蔵システム(ESS)で電力を貯蔵する役割を果たす電池の最小単位は、通常、電池セル(cell)である。電池セルの直列/並列の組み合わせが電池パックをなし、多数の電池パック(Battery Pack)が電池ラック(Rack)を構成することができる。すなわち、電池ラックは、電池パックの直列/並列の組み合わせであって、電池システムの最小単位になることができる。ここで、電池が使用される装置又はシステムによって、電池パックは電池モジュールと呼ばれ得る。
【0042】
図1を参照すれば、一つの電池ラック10は、複数の電池モジュールと一つのBPU又は保護装置を含むことができる。電池ラックは、RBMS(Rack BMS)を通じてモニタリングと制御が可能である。RBMSは、自機が管理する各電池ラックの電流、電圧及び温度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいて電池のSOC(Status Of Charge)を算出して充放電を制御する役割を果たすことができる。
【0043】
一方、BPU(Battery Protection Unit)は、電池ラック単位で異常電流と事故電流から電池を保護するための装置である。BPUは、メインコンタクタ(Main Contactor:MC)、ヒューズ、回路遮断器(Circuit Breaker:CB)又は断路器(Disconnect Switch:DS)などを含むことができる。BPUは、RBMSの制御によってメインコンタクタをオン/オフ制御してラック単位で電池システムを制御することができる。BPUはまた、短絡の発生時にヒューズを用いて短絡電流から電池を保護することができる。このように、既存の電池システムは、BPU、スイッチギヤのような保護装置を通じて制御されてよい。
【0044】
一方、多数の電池及び周辺回路、装置などを含んで構成された電池セクションのそれぞれには、電池システム制御器 (Battery System Controller:BSC)20が設けられ、電圧、電流、温度、遮断器といった制御の対象をモニタリングして制御することができる。BSCは、複数の電池ラックを含むバンク単位の電池システムを含む電池システムの最上位の制御装置であって、複数個のバンクレベル構造の電池システムにおいて制御装置として使用されることもある。
【0045】
また、電池セクション毎に設けられた電力変換システム(Power Conversion System:PCS)40は、EMS30からの充/放電指令に基づいて実質的な充放電を行う装置であって、電力変換部(DC/ACインバータ)及びコントローラを含んで構成されてよい。一方、各BPUの出力は、DCバスを介して発電装置(例:太陽光発電装置)及びPCS40に接続されてよく、PCS40は、グリッドと接続されてよい。また、EMS(Energy Management System)30又はPMS(Power Management System)は、ESSシステムを全体的に管理する。
【0046】
図1に示すような従来のエネルギー貯蔵システムで多数個の電池ラックが電圧源の役割をし、PCSはCC(Constant Current)制御又はCP(Constant Power)制御を通じて電池ラックを充放電する。電池ラックの初期設置時には電池ラックの性能がほぼ類似(等価抵抗で表した場合、類似する抵抗値が現れる)しており、各ラックの充放電電流が類似する水準で現れる。しかしながら、時間が経過するにつれて一部のラックの性能低下が生じ得る。この場合、新規ラックを追加して性能を補うが、これをオーグメンテーション(augmentation)と言う。
【0047】
図2は、既存の新規電池を含むエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
【0048】
図2は、既存電池ラック10(Old Racks)を含むエネルギー貯蔵システム(例えば、図1に示すエネルギー貯蔵システム)に複数の新規電池ラック10’(New Racks)が併合(augmentation)された場合のシステムを示す。
【0049】
新規電池ラック10’は、既存電池ラック10に電気的に接続されて、エネルギー貯蔵システムの制御装置によって既存電池ラック10と共に充放電制御されてよい。このとき、新規電池ラック10’と既存電池ラック10との間には性能差が存在することがあり、新規電池ラック10’が既存電池ラック10の低下した性能に追従するようになるという問題が発生する。すなわち、新規でラックを追加したにもかかわらず、新規ラックが保有する最大性能(例えば、定格容量、使用期間など)を十分活用することができなくなる。
【0050】
このような電池ラック間の不均衡問題は、稼働期間が経過するほど深刻になり、要求放電エネルギー量を満たすために新規電池ラックをさらに追加しなければならず、結局、稼働期間の全体でエネルギー貯蔵システムに設置される電池ラックの個数が必要以上に増加し得る。
【0051】
本発明は、このような既存のエネルギー貯蔵システムで発生する問題を解消するために案出されたものであって、エネルギー貯蔵システムの稼働期間の全体で電池システムに設置される電池の個数を最小限に抑えると共に、新規電池と既設の電池との間の不均衡問題を最小限に抑えて電力効率を向上できる方策を提案する。
【0052】
以下では、図3図10を参照して、本発明の多様な実施形態に係る電池システムの稼働計画装置の方法と、立案された稼働計画情報によって稼働する電池システムについて説明する。
【0053】
図3は、本発明の実施形態に係る電池システムのブロック図である。
【0054】
図3を参照すれば、本発明の実施形態に係る電池システムは、複数の電池を含んで構成され、図1又は図2に示すエネルギー貯蔵システム内に位置することができる。一方、本発明において[電池]は、電池セル、電池モジュール、電池ラック又は電池バンクを意味することができる。
【0055】
電池システムは、初期設置電池100(第1の電池)と、電池システムの稼働過程で併合される電池200(第2の電池)とを含んで構成される。
【0056】
ここで、第2の電池200は、第1の電池100にN次にわたって順次併合されてよい。図3を参照すれば、第2の電池200は、1次からN次まで順次併合される、1次併合電池200-1~N次併合電池200-Nを含むことができる。
【0057】
電池システムは、後述する稼働計画立案装置によって導出される稼働計画情報に基づいて稼働することができる。本発明の実施形態に係る稼働計画情報は、第1の電池の設置数量、第2の電池の併合時点、併合時点別の第2の電池の併合数量、及び稼働区間別の第1及び第2の電池の放電エネルギー量(Wh)及び放電量(W)を含むことができる。
【0058】
第1の電池の設置数量、すなわち電池システムの初期設置電池の個数は、所定の最小要求放電エネルギー量(例えば、顧客要求放電エネルギー量)に基づいて決定されてよい。
【0059】
また、第2の電池の併合時点及び併合時点別の第2の電池の併合数量は、最小要求放電エネルギー量と電池の予想劣化度に基づいて決定されてよい。
【0060】
また、第1及び第2の電池の放電エネルギー量及び放電量は、N次併合稼働期間のそれぞれに対して定義されることができ、N次併合稼働期間のそれぞれで第1及び第2の電池が同一の放電時間を有するような値として決定されてよい。ここで、N次併合稼働期間は、既設の電池とN回目に併合された第2の電池とが共に稼働する期間を意味する。例えば、1次併合稼働期間は、第1の電池100及び1次併合電池200-1が共に稼働する期間であり、2次併合稼働期間は、第1の電池100、1次併合電池200-1及び2次併合電池200-2が共に稼働する期間であり、N次併合稼働期間は、第1の電池100と、1~N次併合電池200-1~200-Nとが共に稼働する期間を意味する。
【0061】
電池システムは、稼働計画情報に含まれた初期設置電池の個数にしたがって、第1の電池が設置されて稼働し、稼働計画情報に含まれたN次併合時点及び併合数量にしたがって、第2の電池200-1~200-Nが順次併合されてよい。その後、N次併合稼働期間の間、第1及び第2の電池は稼働計画情報に含まれた稼働期間別の放電エネルギー量及び放電量によって制御されてよい。ここで、稼働計画情報に含まれた放電エネルギー量及び放電量は、稼働期間のそれぞれで第1電池及び第2の電池が同一の放電時間を有するように事前導出された値であるので、併合稼働期間で第1電池及び第2の電池の性能不均衡現象が最小限に抑えられることができる。
【0062】
図4は、本発明の実施形態に係る電池システムの稼働計画立案方法のフロー図である。
【0063】
稼働計画立案装置は、電池システムに初期設置される第1の電池の個数を決定することができる(S410)。ここで、稼働計画立案装置は、所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて第1の電池の個数を決定することができる。例えば、最小要求放電エネルギー量が1000[MWh]に設定され、電池ラックのそれぞれが335[KWh]の容量を有する場合、初期稼働期間(第1の電池のみで稼働する期間)の間最小要求放電エネルギー量を満足するように、第1の電池の個数は3420個と決定されてよい。
【0064】
実施形態において、稼働計画立案装置は、最小要求放電エネルギー量と第1の電池の予想劣化度を考慮して、第1の電池の個数を決定することができる。例えば、第1の電池の個数は、(最小要求放電エネルギー量/電池1個当たりの放電エネルギー量)*aを超過する自然数の最小値と決定され、aは、1.1以上1.2以下の特定の値と定義されてよい。すなわち、初期稼働期間(例えば、5年)の間進行される第1の電池の劣化を考慮して、第1の電池の個数は、初期稼働期間の終了時点(例えば、5年経過時点)でも最小要求放電エネルギー量以上を放電できるようにする数量と決定されてよい。
【0065】
稼働計画立案装置は、第1の電池に順次併合される第2の電池の併合時点及び併合時点別の併合個数を決定することができる(S420)。ここで、稼働計画立案装置は、最小要求放電エネルギー量と第1の電池の予想劣化度に基づいて、第2の電池の併合時点及び併合時点別の併合個数を決定することができる。
【0066】
図6は、本発明の実施形態に係る稼働計画情報の例示である。図6を参照すれば、稼働計画立案装置は、所定の総稼働期間(20年)の単位期間(year)のそれぞれに対する第1の電池(初期設置電池)の予想放電エネルギー量(1145.284, 1144.138, …, 789.100)を算出することができる。ここで、予想放電エネルギー量は、第1の電池のそれぞれの容量(335KWh)、第1の電池の総数量(3420個)及び既定義の第1の電池の予想劣化度によって算出されてよい。予想劣化度は、実験的に事前導出されるか、劣化モデルを用いて事前導出されて、記憶装置に格納されてよい。
【0067】
稼働計画立案装置は、図6に示すように、第1の電池の予想放電エネルギー量が最小要求放電エネルギー量(1000MHh)未満となる時点(6年目)を、1次併合時点として決定することができる。
【0068】
稼働計画立案装置は、1次併合時点で併合される1次併合電池の数量を決定することができる。ここで、稼働計画立案装置は、最小要求放電エネルギー量と電池の予想劣化度による予想放電エネルギー量に基づいて、1次併合電池の数量を決定することができる。図6を参照すれば、1次併合稼働期間は、5年と事前定義されることができ、このとき、稼働計画立案装置は、1次併合稼働期間終了時点(10年目)での予想総放電エネルギー量が最小要求放電エネルギー量(1000[MHh])を超過するような、第2の電池の個数(270個)を決定することができる。
【0069】
その後、稼働計画立案装置は、上記のような方法で、N次併合時点で併合されるN次併合電池の数量を決定することができる。図6に示す例示では、1次併合時点が6年目、1次併合個数は270個と決定され、2次併合時点が11年目、2次併合個数は270個と決定され、3次併合時点が16年目、3次併合個数は235個と決定されたことを確認することができる。
【0070】
稼働計画立案装置は、ステップS410及びS420で決定された第1の電池の個数、第2の電池の併合時点(1~N次併合時点)、及び併合時点別の第2の電池の併合数量を含む稼働計画情報を生成することができる(S430)。
【0071】
稼働計画立案装置は、生成された稼働計画情報を管理者端末に伝達して、電池システムが稼働計画情報によって初期設計及び稼働ようにすることができる。
【0072】
図5は、本発明の実施形態に係る稼働計画情報導出方法のフロー図である。以下では、図5を参照して、N次併合稼働区間のそれぞれに対する第1及び第2の電池の放電エネルギー量(Wh)及び放電量(W)を算出する方法について具体的に説明する。
【0073】
稼働計画立案装置は、N次併合稼働期間を確認することができる(S510)。具体的に、稼働計画立案装置は、事前設定された次数別の併合稼働期間を確認することができる。例えば、1次併合稼働期間~N次併合稼働期間は、図6に示すように、それぞれ5年に設定されてよい。
【0074】
ここで、稼働計画立案装置は、N次併合稼働期間に基づいて、N次併合時点を決定することができる。例えば、次数別の併合時点は、図6に示すように、6年目(1次併合時点)、11年目(2次併合時点)及び16年目(3次併合時点)と決定されてよい。
【0075】
稼働計画立案装置は、N次併合時点での併合数量を算出することができる(S520)。ここで、稼働計画立案装置は、最小要求放電エネルギー量と既設の電池の予想劣化度による予想放電エネルギー量に基づいて、併合電池の数量を決定することができる。
【0076】
稼働計画立案装置は、N次併合稼働期間に対する第1及び第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出することができる(S530)。ここで、稼働計画立案装置は、既設の電池の予想放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、第1及び第2の電池が同一の放電時間を有するような第1及び第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出することができる。
【0077】
実施形態において、稼働計画立案装置は、下記数式1に基づいてN次併合稼働期間に対する第1及び第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出することができる
[数式1]
(E_(n-1) / T_backup) + (E_(n) / T_backup) = P_total
ここで、E_(n-1)は、N次併合稼働期間終了時点での既設の電池の予想放電エネルギー量であり、E_(n)は、N次併合稼働期間終了時点でのN次併合電池の放電エネルギー量であり、T_backupは、放電時間であり、P_totalは、総放電量を意味する。
【0078】
稼働計画立案装置は、上記数式1に基づいて、N次併合稼働期間での総放電エネルギー量が最小要求放電エネルギー量を超過する条件を満足する、N次併合電池の放電エネルギー量(E_(n))及び放電時間(T_backup)を導出することができる。稼働計画立案装置は、導出された値を用いて、N次併合稼働期間に対する第1及び第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出することができる。
【0079】
図7は、本発明の実施形態に係る稼働計画情報の例示である。図7を参照すれば、すべての併合稼働区間での総放電量は、300[MW]に事前設定されてよい。1次併合電池の個数は、図4及び図6を参照して説明したように、270個と決定されてよい。
【0080】
稼働計画立案装置は、上記数式1に基づいて、1次併合稼働期間に対する第1及び第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出することができる
(E_(0) / T_backup) + (E_(1) / T_backup) = P_total
ここで、E_(0)は、1次併合稼働期間終了時点での既設の電池(すなわち、初期設置電池)の予想放電エネルギー量である925.389[MWh]であり、P_totalは、300[MW]である。
【0081】
稼働計画立案装置は、上記数式1を満足する値として、1次併合稼働期間での総放電エネルギー量(初期設置電池及び1次併合電池の放電エネルギー量の合計)が最小要求放電エネルギー量(1000[MWh])を超過する条件を満足する、1次併合電池の放電エネルギー量(E_(1))と放電時間(T_backup)を導出する。ここで、稼働計画立案装置は、E_(1)とT_backupを変更させながら上記数式1と条件に代入する過程を繰り返して、数式1と条件を満足する値が導出されれば、算出過程を終了することができる。
【0082】
図6及び図7を参照すれば、上記算出過程によって、1次併合電池の放電エネルギー量(E_(1))は、80.923[MWh]、放電時間(T_backup)は3.35[hr]と導出されたことを確認することができる。
【0083】
稼働計画立案装置は、導出された値を用いて、第1の電池の放電量(275.87537[MW])を算出(E_(0) / T_backup)し、1次併合電池の放電量(24.12463[MW])を算出(E_(1) / T_backup)することができる。
【0084】
その後、稼働計画立案装置は、上記のような方法で、2次及び3次併合稼働期間に対する第1の電池(初期設置電池)及び第2の電池(1~3次併合電池)の放電エネルギー量及び放電量を算出することができる(図7を参照)。
【0085】
稼働計画立案装置は、1~N次併合稼働期間のそれぞれに対する第1及び第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を含む稼働計画情報を生成し、電池システムの制御装置に伝達して、電池システムが稼働計画情報によって稼働するようなことができる。これによって、電池システムは、すべての併合稼働期間の間旧電池及び新電池が同一の放電時間を有するように制御されて、電池間の性能不均衡現象が最小限に抑えられ、電力効率が向上することができる。
【0086】
図8は、本発明の比較例に係る電池システムの例示であり、図9は、本発明の実施形態に係る電池システムの例示である。
【0087】
図8の電池システムは、新電池が併合されず、初期設置電池でのみ稼働する電池システムである。比較例に係る電池システムは、総稼働期間(20年)の間単位期間別の最小要求放電エネルギー量(1000[MHh])を満足させるために、それぞれ335[KWh]の容量を有する4500個の電池ラックが初期に設置されなければならない。
【0088】
これに対し、図9の本発明の実施形態に係る電池システムは、初期稼働期間の間3420個の電池ラックで稼働することによって、比較例に比べて24%低い電池ラックの個数で初期システムの設計が可能である。
【0089】
また、本発明の実施形態に係る電池システムは、6年目に270個、11年目に270個、16年目に235個が順次設置されて稼働され、総稼働期間の間4195個の電池ラックが設置されて、比較例に比べて6.7%低い電池ラックの個数で稼働が可能である。
【0090】
図10は、本発明の実施形態に係る稼働計画立案装置のブロック図である。
【0091】
本発明の実施形態に係る稼働計画立案装置1000は、少なくとも一つのプロセッサ1010、上記プロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリ1020及びネットワークと接続されて通信を行う送受信装置1030を含むことができる。
【0092】
上記少なくとも一つのプロセッサによって実行される上記少なくとも一つの命令は、所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて、電池システムに初期設置される第1の電池の個数を導出する命令、及び、上記最小要求放電エネルギー量と上記第1の電池の予想劣化度に基づいて、上記第1の電池に順次併合される第2の電池に対する、併合時点及び併合時点別の併合個数を含む稼働計画情報を導出する命令、を含むことができる。
【0093】
上記稼働計画情報を導出する命令は、上記最小要求放電エネルギー量と既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量に基づいて、併合時点別の第2の電池の併合個数を決定する命令を含むことができる。
【0094】
上記稼働計画情報を導出する命令は、既設の電池とN回目に併合された第2の電池とが共に稼働する期間と定義されるN次併合稼働期間の間に対する、第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令を含むことができる。
【0095】
上記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令は、既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、上記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、上記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令を含むことができる。
【0096】
上記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令は、N次併合稼働期間終了時点での既設の電池の予想放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、上記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、N次併合稼働期間終了時点での上記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令、及び、上記算出された放電エネルギー量及び放電量を、上記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量として決定する命令、を含むことができる。
【0097】
上記少なくとも一つの命令は、N次併合稼働期間の間第1の電池及び第2の電池が同一の放電時間で稼働するような、上記第1の電池及び上記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を上記電池システムに伝達する命令をさらに含むことができる。
【0098】
稼働計画立案装置1000はまた、入力インターフェース装置1040、出力インターフェース装置1050、記憶装置1060などをさらに含むことができる。稼働計画立案装置1000に含まれたそれぞれの構成要素は、バス(bus)1070によって接続されて互いに通信を行うことができる。
【0099】
ここで、プロセッサ1010は、中央処理装置(central processing unit, CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(graphics processing unit, GPU)、又は本発明の実施形態に係る方法が行われる専用のプロセッサを意味することができる。メモリ(又は記憶装置)は、揮発性記憶媒体及び不揮発性記憶媒体のうちの少なくとも一つから構成されてよい。例えば、メモリは、読み出し専用メモリ(read only memory, ROM)及びランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)のうちの少なくとも一つから構成されてよい。
【0100】
本発明の実施形態に係る方法の動作は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードとして具現化することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み込まれることができるデータが保存されるすべての種類の記録装置を含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散して、分散方式でコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードが保存されて実行されてよい。
【0101】
本発明の一部の側面は、装置の文脈で説明されたが、それは、対応する方法による説明も示すことができ、ここで、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法の文脈で説明された側面は、対応するブロック又はアイテム又は対応する装置の特徴で示すことができる。方法ステップのいくつか又は全部は、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ又は電子回路のようなハードウェア装置によって(又は用いて)行われることができる。いくつかの実施形態において、最も重要な方法ステップの一つ以上は、このような装置によって行われることができる。
【0102】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0103】
100:第1の電池(初期設置電池)
200:第2の電池(併合電池)
200-N:N次併合電池
1000:稼働計画立案装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旧電池に新電池が併合される電池システムの稼働計画を立案する装置であって、
少なくとも一つのプロセッサ、及び
前記少なくとも一つのプロセッサを通じて実行される少なくとも一つの命令を格納するメモリ、を含み、
前記少なくとも一つの命令は、
所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて、電池システムに初期設置される第1の電池の個数を導出する命令、及び
前記最小要求放電エネルギー量と前記第1の電池の予想劣化度に基づいて、前記第1の電池に順次併合される第2の電池に対する、併合時点及び併合時点別の併合個数を含む稼働計画情報を導出する命令、を含む、電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項2】
前記稼働計画情報を導出する命令は、
前記最小要求放電エネルギー量と既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量に基づいて、併合時点別の第2の電池の併合個数を決定する命令を含む、請求項1に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項3】
前記稼働計画情報を導出する命令は、
既設の電池とN回目に併合された第2の電池とが共に稼働する期間と定義されるN次併合稼働期間の間に対する、第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令を含む、請求項1に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項4】
前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令は、
既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、前記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令を含む、請求項3に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項5】
前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令は、
N次併合稼働期間終了時点での既設の電池の予想放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、前記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、N次併合稼働期間終了時点での前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出する命令、及び
前記算出された放電エネルギー量及び放電量を、前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量として決定する命令、を含む、請求項4に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項6】
N次併合稼働期間の間第1の電池及び第2の電池が同一の放電時間で稼働するような、前記第1の電池及び前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を前記電池システムに伝達する命令をさらに含む、請求項4に記載の電池システムの稼働計画立案装置。
【請求項7】
旧電池に新電池が併合される電池システムの稼働計画を立案するためにコンピュータにより実行される方法であって、
所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて、初期設置される第1の電池の個数を導出するステップ、及び
前記最小要求放電エネルギー量と前記第1の電池の予想劣化度に基づいて、前記第1の電池に順次併合される第2の電池に対する、併合時点及び併合時点別の併合個数を含む稼働計画情報を導出するステップ、を含む、方法。
【請求項8】
前記稼働計画情報を導出するステップは、
前記最小要求放電エネルギー量と既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量に基づいて、併合時点別の第2の電池の併合個数を決定するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記稼働計画情報を導出するステップは、
既設の電池とN回目に併合された第2の電池とが共に稼働する期間と定義されるN次併合稼働期間の間に対する、第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップは、
既設の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、前記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有するような、前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップは、
N次併合稼働期間終了時点での既設の電池の予想放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて、前記既設の電池と同一の放電時間(Back-up time)を有、N次併合稼働期間終了時点での前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を算出するステップ、及び
前記算出された放電エネルギー量及び放電量を、前記N次併合稼働期間の間に対する第2の電池の放電エネルギー量及び放電量として決定するステップ、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
N次併合稼働期間の間第1の電池及び第2の電池が同一の放電時間で稼働するような、前記第1の電池及び前記第2の電池の放電エネルギー量及び放電量を前記電池システムに伝達するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
旧電池に新電池が併合される電池システムであって、
初期設置される第1の電池、及び
前記第1の電池に順次併合される第2の電池、を含み、
前記第1の電池は、所定の最小要求放電エネルギー量に基づいて決定される個数だけ設置され、
前記第2の電池は、前記最小要求放電エネルギー量と前記第1の電池の予想劣化度に基づいて決定される併合時点及び併合時点別の併合個数にしたがって順次併合される、電池システム。
【請求項14】
前記第1の電池及び前記第2の電池は、
同一の放電時間を有するように事前定義される、それぞれの放電エネルギー量及び放電量によって稼働する、請求項13に記載の電池システム。
【請求項15】
前記それぞれの放電エネルギー量及び放電量は、
第1の電池の予想劣化度による放電エネルギー量と、所定の総放電量に基づいて決定される、請求項14に記載の電池システム。
【請求項16】
請求項7から12のうちのいずれか一項に係る方法を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【国際調査報告】