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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】踏桟システム及び脚立
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/38 20060101AFI20240927BHJP
   E06C 1/22 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
E06C1/38 B
E06C1/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524406
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2022126994
(87)【国際公開番号】W WO2023071975
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111244414.5
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】393018130
【氏名又は名称】長谷川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003823
【氏名又は名称】弁理士法人柳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻村 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】謝長熊
【テーマコード(参考)】
2E044
【Fターム(参考)】
2E044BA04
2E044CA05
2E044CB04
2E044DA03
2E044DA09
2E044DC02
2E044DC07
2E044DC08
2E044DC09
2E044EB04
(57)【要約】
【課題】本発明は、支柱踏桟が使用者の足掛けに用いられ、使用者の高所作業を容易にするとともに、支柱に対して収納を実現することができる踏桟システムを提供する。
【解決手段】本発明は、踏桟システム及び脚立を開示している。踏桟システムは、支柱と、支柱に嵌めて設けられ、支柱により支持される支柱踏桟とを備える。支柱踏桟は、周方向に沿って支柱の周りを所定の角度で回転すること、或いは、支柱に対して折り畳むまたは開くことにより、異なる位置間で切り替わる。本発明に係る支柱踏桟は、使用者の足掛けに用いられ、使用者の高所作業を容易にするとともに、収納を実現することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、
前記支柱に嵌めて設けられ、前記支柱により支持される支柱踏桟とを備え、
前記支柱踏桟は、周方向に沿って前記支柱の周りを所定の角度で回転することにより、或いは、前記支柱に対して折り畳むまたは開くことにより、異なる位置間で切り替わる、踏桟システム。
【請求項2】
前記支柱踏桟は、前記支柱に対して折り畳むまたは開くことにより、収納位置と足掛位置とを含む異なる位置間で切り替わり、
前記収納位置では、前記支柱踏桟が前記支柱と平行となり、
前記足掛位置では、前記支柱踏桟が使用者の足掛けに用いられる、請求項1に記載の踏桟システム。
【請求項3】
前記支柱踏桟は、周方向に沿って前記支柱の周りを所定の角度で回転することにより、収納位置と足掛位置とを含む異なる位置間で切り替わり、
前記収納位置では、前記支柱踏桟が梯子に向かって設けられ、
前記足掛位置では、前記支柱踏桟が使用者の足掛けに用いられる、請求項1に記載の踏桟システム。
【請求項4】
前記足掛位置は、少なくとも2つである、請求項3に記載の踏桟システム。
【請求項5】
前記所定の角度は、0°より大きく360°以下である、請求項1、3または4のいずれか1項に記載の踏桟システム。
【請求項6】
前記所定の角度は、180°である、請求項5に記載の踏桟システム。
【請求項7】
前記支柱踏桟は、前記支柱の延伸方向に沿って上方に移動し、前記周方向に沿って前記支柱の周りを所定の角度で回転したのち、前記支柱の延伸方向に沿って下方に移動することで、異なる位置間で切り替わり、
前記異なる位置間で、切り替える前の前記支柱踏桟と切り替えた後の前記支柱踏桟とでは、前記周方向における動きが規制される、請求項1、3■6のいずれか1項に記載の踏桟システム。
【請求項8】
前記支柱の外表面には、前記周方向に沿って少なくとも2つの係止溝が設けられる固定座が突設され、
各前記係止溝は、前記支柱の延伸方向に沿って延伸するとともに、下端部に支持部が設けられ、
前記支柱踏桟の内壁には、前記係止溝に係止する少なくとも1つの係止ブロックが突設され、
前記異なる位置間で、切り替える前の前記支柱踏桟と切り替えた後の前記支柱踏桟とでは、前記支柱踏桟の内壁が前記固定座の外表面に嵌めて設けられ、前記係止ブロックが前記係止溝内に位置し、前記支持部により支持され、
前記支柱踏桟の内壁は、異なる位置間で切り替えるよう、前記係止ブロックと前記係止溝とが離れるまで、前記支柱の延伸方向に沿って前記固定座に対して上方に移動し、前記周方向に沿って前記支柱の外表面の周りを所定の角度で回転したのち、前記係止ブロックが前記支持部により支持されるまで、前記係止溝に沿って下方に移動する、請求項7に記載の踏桟システム。
【請求項9】
前記係止ブロックの数は、1つ、2つ、3つ、4つのいずれかである、請求項8に記載の踏桟システム。
【請求項10】
前記係止溝の数は、2つ、3つ、4つ、8つのいずれかである、請求項8または9に記載の踏桟システム。
【請求項11】
前記少なくとも2つの係止溝は、前記周方向に沿って等間隔に配置される、請求項10に記載の踏桟システム。
【請求項12】
前記固定座は、前記支柱の延伸方向に沿って所定の距離を移動したのち、前記支柱の外面に固着される、請求項8に記載の踏桟システム。
【請求項13】
前記支柱の延伸方向において、前記支柱踏桟から前記支柱の上端部までの距離は、250mm■500mmである、請求項1■12のいずれか1項に記載の踏桟システム。
【請求項14】
梯子と、
請求項1~13のいずれか1項に記載の踏桟システムと、を含み、
前記踏桟システムにおける前記支柱の上端部と前記梯子とが回動自在に接続されることで、折り畳んだ状態と展開状態とに切り替わる、脚立。
【請求項15】
前記梯子には、
前記梯子の下端部に設けられる2つの端具と、
前記梯子の上端部と前記2つの端具との間に設けられる梯子踏桟とが含まれ、
前記支柱の下端部には端具が設けられ、展開状態の際に該端具が接地する、請求項14に記載の脚立。
【請求項16】
前記梯子の上端部には、前記支柱の上端部と回動自在に接続される天板が設けられる、請求項14または15に記載の脚立。
【請求項17】
前記梯子及び前記支柱の材質は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、または鋼である、請求項14■16のいずれか1項に記載の脚立。
【請求項18】
前記支柱と前記梯子との間には、前記脚立の最大展開角度を規制する規制部材が設けられる、請求項14■17のいずれか1項に記載の脚立。
【請求項19】
前記規制部材は、両端がそれぞれ前記支柱と前記梯子とに接続されるチェーンである、請求項18に記載の脚立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚立の技術分野に関し、特に踏桟システム及び脚立に関する。
【背景技術】
【0002】
工場、庭園や果樹園、苗木や木の剪定等の高所作業において、脚立は高所で作業するための効果的なツールである。従来の脚立は、使用する際に占有される空間が大きいことから、使用上不便であり、使用者の高所作業にとって不利となっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の脚立では使用上不便であるという課題を解決することを目的としている。本発明は、踏桟システムを提供する。踏桟システムにおける支柱踏桟は、使用者の足掛けに用いられて高所作業を容易にするとともに、支柱に対して収納することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した技術的課題を解決するため、本願発明は、一実施形態として、支柱と、前記支柱に嵌めて設けられ、前記支柱により支持される支柱踏桟とを備える踏桟システムを開示する。前記支柱踏桟は、周方向に沿って前記支柱の周りを所定の角度で回転することにより、或いは、前記支柱に対して折り畳むまたは開くことにより、異なる位置間で切り替えることができる。
【0005】
上述した実施形態を用いれば、脚立における支柱踏桟は、使用者の足掛けに用いられ、使用者の高所作業を容易にするとともに、支柱に対して回転したり折り畳まれたりすることで収納を実現し、占有される空間を低減することができる。支柱踏桟は、収納されることで、転倒や衝撃による損傷を防ぐことができる。
【0006】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記支柱踏桟は、前記支柱に対して折り畳むまたは開くことにより、収納位置と足掛位置とを含む異なる位置間で切り替わる。前記収納位置では、前記支柱踏桟が前記支柱と平行となり、前記足掛位置では、前記支柱踏桟が使用者の足掛けに用いられる。
【0007】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記支柱踏桟は、周方向に沿って前記支柱の周りを所定の角度で回転することにより、収納位置と足掛位置とを含む異なる位置間で切り替わる。前記収納位置では、前記支柱踏桟が梯子に向かって設けられ、前記足掛位置では、前記支柱踏桟が使用者の足掛けに用いられる。
【0008】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記足掛位置は、少なくとも2つである。
【0009】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記所定の角度は、0°より大きく360°以下である。
【0010】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記所定の角度は、180°である。
【0011】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記支柱踏桟は、前記支柱の延伸方向に沿って上方に移動し、前記周方向に沿って前記支柱の周りを所定の角度で回転したのち、前記支柱の延伸方向に沿って下方に移動することで、異なる位置間で切り替わる。この際、前記異なる位置間で切り替える前の前記支柱踏桟と、切り替えた後の前記支柱踏桟とは、前記周方向における動きが規制される。
【0012】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記支柱の外表面には、前記周方向に沿って少なくとも2つの係止溝が設けられる固定座が突設される。前記係止溝はそれぞれ、前記支柱の延伸方向に沿って延伸するとともに、下端部に支持部が設けられる。前記支柱踏桟の内壁には、前記係止溝に係止する少なくとも1つの係止ブロックが突設される。前記異なる位置間で切り替える前の前記支柱踏桟と切り替えた後の前記支柱踏桟とは、前記支柱踏桟の内壁が前記固定座の外表面に嵌めて設けられ、前記係止ブロックが前記係止溝内に位置し、前記支持部により支持される。前記支柱踏桟の内壁は、異なる位置間で切り替えるよう、前記係止ブロックと前記係止溝とが離れるまで、前記支柱の延伸方向に沿って前記固定座に対して上方に移動し、前記周方向に沿って前記支柱の外表面の周りを所定の角度で回転したのち、前記係止ブロックが前記支持部により支持されるまで、前記係止溝に沿って下方に移動する。
【0013】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記係止ブロックの数は、1つ、2つ、3つ、4つのいずれかである。
【0014】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記係止溝の数は、2つ、3つ、4つ、8つのいずれかを含む。
【0015】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記少なくとも2つの係止溝は、前記周方向に沿って等間隔に配置される。
【0016】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記固定座は、前記支柱の延伸方向に沿って所定の距離を移動すると、前記支柱の外表面に固着される。
【0017】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記支柱の延伸方向において、前記支柱踏桟から前記支柱の上端部までの距離は、250mm~500mmである。
【0018】
本発明は、梯子と、上述したいずれかの踏桟システムと、を含み、前記踏桟システムにおける前記支柱の上端部と前記梯子とが回動自在に接続されることで、折り畳んだ状態と展開状態とに切り替わる脚立を更に提供する。
【0019】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記梯子は、前記梯子の下端部に設けられた2つの端具と、前記梯子の上端部と前記2つの端具との間に設けられた梯子踏桟とが含まれる。前記支柱の下端部には端具が設けられ、展開状態の際に該端具によって接地する。
【0020】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記梯子の上端部には、前記支柱の上端部と回動自在に接続される天板が設けられる。
【0021】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記梯子及び前記支柱の材質は、アルミニウム合金、マグネシウム合金または鋼である。
【0022】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記支柱と前記梯子との間には、前記脚立の最大展開角度を規制する規制部材が設けられる。
【0023】
本発明に係る他の具体的な実施形態によれば、前記規制部材は、両端がそれぞれ前記支柱と前記梯子とに接続されるチェーンである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例に係る脚立を示す斜視図1である。
図2】本発明の実施例に係る脚立を示す斜視図2である。
図3】本発明の実施例に係る脚立を示す斜視図3である。
図4】本発明の実施例に係る脚立の使用状態を示す模式図である。
図5】本発明の実施例に係る脚立の支柱を示す斜視図1である。
図6】本発明の実施例に係る脚立の支柱を示す斜視図2である。
図7】本発明の実施例に係る脚立の支柱踏桟の構造を示す模式図である。
図8】本発明の実施例による脚立の支柱の固定座の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、特定の具体的な実施例を挙げて本発明の実施形態について説明することで、当業者であれば、本明細書の記載内容から本発明のその他の利点や効果を容易に理解することができる。本発明については好ましい実施例を用いて説明するが、これは本発明の特徴が当該実施形態に限定されることを意味するものではない。むしろ、実施形態を用いて本発明を説明する目的は、本発明の特許請求の範囲に基づいて発展する他の選択または改良を網羅することである。以下の説明では、本発明についてより深い理解を促すため、多くの具体的な詳細を含めている。本発明は、当該詳細な説明を用いずとも実施することができる。また、本発明の要点に対する誤解や曖昧を生じさせないため、いくつかの具体的な詳細に関する説明は省略している。また、本発明の実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0026】
なお、本明細書において、同様の記号及びアルファベットは以下の図において同様のものを表すため、ある図で一度定義されると、その後の図における更なる定義や説明は省略される。
【0027】
本発明の目的、実施形態及び利点をより明確にするために、以下では、図面を参照しつつ本発明の実施形態に対して更に詳しく説明する。
【0028】
図1図3を参照すると、本願は、脚立1を提供する。三脚の折り畳み脚立を例に、本願の脚立1について説明するが、三脚の折り畳み脚立に限定されるものではなく、後述する踏桟システムを取り付けることができるのであれば、例えば、四脚の脚立といった他のタイプの脚立であってもよい。脚立1は、梯子10と、踏桟システムの支柱20とを備える。梯子10及び支柱20の材質は、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金または鋼である。本願の梯子10は、例えば、梯子10の下端部に設けられる2つの端具11と、梯子10の上端部と2つの端具11との間に設けられる梯子踏桟12とを備える。本願の梯子踏桟12の形状及び数量について限定せず、図1及び図3では4つの梯子踏桟12が示されている。いくつかの可能な実施形態において、高所作業の需要に応じて他の設置数で梯子踏桟12を設けてもよい。4つの梯子踏桟12の場合、互いに平行に設置される。上記梯子踏桟12の両端は、梯子10の梯子支柱にそれぞれ接続され、梯子支柱は、例えば梯子10の下端部から上端部まで延伸している。
【0029】
上記支柱20の上端部は、梯子10と回動自在に接続されることで、脚立1が折り畳んだ状態と展開状態(図1及び図3に示す)とに切り替わり、支柱20の下端部には、1つの端具21が設けられる。支柱20は、例えば、梯子10と相対的に回動することで、展開状態から折り畳んだ状態へと切り替わる。
【0030】
梱包輸送や使用していない際、脚立1は折り畳んだ状態となり、支柱20と梯子10とが接し合うことで、占有される空間が低減される。脚立1を使用する際、脚立1は展開状態となり、上記端具によって接地を実現する。脚立1が展開状態の場合、支柱20の延伸方向(図1に示すX方向)と梯子10の延伸方向(図1に示すY方向)との夾角が鋭角になる。上記支柱20は、例えば、円筒状または楕円状である。
【0031】
引き続き図1図3を参照すると、本発明の脚立1は、支柱20に嵌めて設けられ、支柱20により支持される踏桟システムの支柱踏桟30を更に備える。支柱踏桟30は、例えば、支柱20に対して垂直である。ここで、支柱踏桟30は、周方向(図2におけるB方向)に沿って支柱20の周りを所定の角度で回転することで、異なる位置間で切り替わる。支柱踏桟30は、使用者の足掛けに用いられ、脚立1が展開状態になると、例えば、庭園や果樹園、苗木や木の剪定等の高所作業の際、一方の足を梯子10の梯子踏桟12に掛け、もう一方の足を支柱踏桟30に掛けることができることから、高所作業が容易となる。
【0032】
また、支柱20の延伸方向において、支柱踏桟30は、支柱20の上端部までの距離が250mm以上500mm以下である。このパラメータ範囲内であれば、使用者は支柱踏桟30に容易に足を掛けることができる。
【0033】
また、上記異なる位置は、収納位置(図1に示す)と足掛位置(図3に示す)とを含む。支柱踏桟30は、回転により、収納位置から足掛位置に切り替わったり、足掛位置から収納位置に切り替わったりする。そのうち、足掛位置とは、脚立1が展開状態にある際に、使用者の足掛けに用いられる位置であり、収納位置とは、脚立1が折り畳んだ状態にある際に、収納状態となる位置である。
【0034】
このようにすることで、脚立1は、梱包輸送や使用されていない際、支柱踏桟30を回転させて収納位置に収めることにより、占有される空間を低減することができる。また、収納された支柱踏桟30は、転倒や衝撃による損傷を防ぐことができる。
【0035】
また、図1を参照すると、支柱踏桟30は、上記収納位置では、梯子10に向かって設置される。図3を参照すると、支柱踏桟30は、足掛位置において、使用者の足掛けに用いられる。
【0036】
いくつかの可能な実施形態において、支柱踏桟30は、支柱20に対して折り畳む、または開くことで、異なる位置間で切り替わる。同様に、上記の異なる位置は、収納位置と、足掛位置とを含む。ここで、収納位置では支柱踏桟30が支柱20と平行となり、足掛位置では支柱踏桟30が使用者の足掛けに用いられる。
【0037】
本願は、支柱踏桟30が支柱20の周りを回転して異なる位置間で切り替わることを一例として説明する。
【0038】
いくつかの可能な実施形態において、上記支柱踏桟30が支柱20の周りを回転する所定の角度は、0°から360°の間で、0°は含まれない。即ち、支柱踏桟30は、周方向に沿って支柱20の周りを0°を含まない0°から360°の間のいずれかの角度で回転することで、異なる位置間で切り替わる。所定の角度は、例えば、30°、45°、60°、90°、120°、180°、210°等が挙げられる。
【0039】
本願では、所定の角度を180°として説明する。図1及び図3を参照すると、支柱踏桟30は、周方向に沿って支柱20の周りを180°で回転することで、収納位置か足掛位置かに切り替わる。即ち、支柱踏桟30が収納位置(図1に示す)にある場合、周方向に沿って支柱20の周りを180°で回転すると、足掛位置(図3に示す)になる。また、支柱踏桟30が足掛位置(図3に示す)にある場合、周方向に沿って支柱20の周りを180°回転すると、収納位置(図1に示す)になる。上記支柱踏桟30は、周方向に沿って支柱20の周りを順方向又は逆方向に180°で回転することで、収納位置か足掛位置かに切り替えることができる。このようにすることで、使用者の足掛けに対する利便性と安定性とを向上させることができる。
【0040】
いくつかの可能な実施形態において、足掛位置は、少なくとも2つが設けられる。即ち、支柱踏桟30は、収納位置から異なる足掛位置まで周方向に回転することで、使用者は、高所作業の需要に応じて足掛位置を容易に調整することができる。以下、足掛位置が3つあることを例として説明する。例えば、支柱踏桟30は、収納位置から周方向に沿って支柱20の周りを90°で回転すると、第1の足掛位置に切り替える。また、支柱踏桟30は、収納位置から周方向に沿って支柱20の周りを120°で回転すると、第2の足掛位置に切り替える。また、支柱踏桟30は、収納位置から周方向に沿って支柱20の周りを180°で回転すると、第3の足掛位置に切り替える。
【0041】
このように、使用者は、作業の需要に応じて支柱踏桟30を収納位置から第1の足掛位置、第2の足掛位置、または第3の足掛位置のいずれかに切り替わる。
【0042】
引き続き図1図3を参照しつつ、図4図8で示したことと併せると、本願の支柱踏桟30は、支柱20の延伸方向に沿って上方(図2及び図4に示すA方向)に移動し、周方向(図2及び図4に示すB方向)に沿って支柱20の周りを所定の角度で回転したのち、支柱20の延伸方向に沿って下方(図3及び図4に示すC方向)に移動することで、異なる位置間で切り替わる。そのうち、支柱踏桟30が異なる位置間で切り替える前と、支柱踏桟30が異なる位置間で切り替えた後とにおいて、支柱踏桟30は周方向における動きが規制される。
【0043】
つまり、本願の支柱踏桟30を異なる位置間で切り替える過程において、まず、支柱踏桟30を上方に持ち上げ(図4に示す工程1)、次に、周方向に沿って所定の角度で回転し、最後に、支柱踏桟30を下方に降ろす(図4に示す工程2)。支柱踏桟30は、異なる位置間での切り替りが終わる、即ち、収納位置または足掛位置といった対応する位置になると、支柱踏桟30が支柱20で支持され、支柱20に対する周方向の動きがなくなる。これにより、支柱20における支柱踏桟30の接続の安定性が向上し、支柱踏桟30の位置が容易に変化することなく、異音(例えば、支柱踏桟30と支柱20または梯子10との接触による音)が発生することがない。
【0044】
支柱踏桟30と支柱20との接続方法は限定されず、上記移動動作(図4に示す)を実現することができるのであれば、本願の保護範囲に含まれる。
【0045】
いくつかの可能な実施形態において、図2図5図7及び図8を参照すると、本願支柱20の外表面には、周方向に沿って少なくとも2つの係止溝221が設けられる固定座22が突設され、各係止溝221は、支柱20の延伸方向に沿って延伸するとともに、下端部に支持部222が設けられる。支柱踏桟30の内壁には、係止溝221に係止する少なくとも1つの係止ブロック31が突設される。支柱踏桟30が異なる位置間で切り替える前と、支柱踏桟30が異なる位置間で切り替えた後とにおいて、支柱踏桟30の内壁が固定座22の外表面に嵌めて設けられ、係止ブロック31が係止溝221内に位置し、支持部222により支持される。
【0046】
支柱踏桟30の内壁は、係止ブロック31と係止溝221とが離れるまで(図2に示す)、支柱20の延伸方向に沿って固定座22に対して上方に移動し、係止ブロック31もこれに応じて係止溝221に対して上方に移動する。支柱踏桟30が周方向に沿って支柱20の外表面の周りを所定の角度で回転したのち、係止ブロック31を係止溝221に合わせ、係止ブロック31が支持部222によって支持されるまで、係止溝221に沿って下方に移動することで、異なる位置間で切り替わる。
【0047】
つまり、支柱踏桟30を使用する、即ち収納位置から足掛位置へと切り替える際には、支柱踏桟30を固定座22から上方に持ち上げ、外向きに回転させたのち、下方に降ろして固定座22に嵌め込んで固定させる。
【0048】
支柱踏桟30を使用しない、即ち足掛位置から収納位置へと切り替える際には、支柱踏桟30を固定座22から上方に持ち上げ、内向きに回転させたのち、下方に降ろして固定座22に嵌め込んで固定させる。
【0049】
図7(a)~図7(d)は、係止ブロック31の数が1つ、2つ、3つ、及び4つであることをそれぞれ示している。図8(a)~図8(d)は、係止溝221の数が2つ、3つ、4つ、及び8つであることをそれぞれ示している。本願における係止ブロック31及び係止溝221の数は、これに限定されず、支柱踏桟30が周方向に回転する角度に応じて設けられてもよい。
【0050】
本願において、図1図6で示したように、支柱踏桟30が周方向に回転する角度が180°であり、係止ブロック31の数が4つであり(図7(d)に示す)、係止溝221の数も4つである(図8(c)に示す)。4つの係止溝221は、周方向に沿って等間隔に配置されている。支柱踏桟30が収納位置及び足掛位置にあるとき、4つの係止ブロック31はそれぞれ対応する4つの係止溝221内に位置する。したがって、3つの足掛位置がある。例えば、支柱踏桟30は、収納位置から周方向に沿って支柱20の周りを90°で順方向に回転させると、第1の足掛位置に切り替わる。また、支柱踏桟30は、収納位置から周方向に沿って支柱20の周りを180°で順方向に回転させると、第2の足掛位置に切り替わる。また、支柱踏桟30は、収納位置から周方向に沿って支柱20の周りを270°を順方向に回転させると、第3の足掛位置に切り替わる。
【0051】
いくつかの可能な実施形態において、図8(a)で示したように、係止溝221の数は2つであり、2つの係止溝221が周方向に沿って等間隔に配置され、係止ブロック31の数を1つ(図7(a)に示す)、足掛位置を1つとすることができる。若しくは、係止ブロック31の数を2つ(図7(b)に示す)、足掛位置を1つとすることができる。
【0052】
いくつかの可能な実施形態において、図8(b)で示したように、係止溝221の数は3つであり、3つの係止溝221が周方向に沿って等間隔に配置され、係止ブロック31の数を1つ(図7(a)に示す)、足掛位置を2つとすることができる。若しくは、係止ブロック31の数を3つ(図7(c)に示す)、足掛位置を2つとすることができる。
【0053】
いくつかの可能な実施形態において、図8(d)で示したように、係止溝221の数は8つであり、8つの係止溝221が周方向に沿って等間隔に配置され、係止ブロック31の数を1つ(図7(a)に示す)、足掛位置を7つとすることができる。若しくは、係止ブロック31の数を2つ(図7(b)に示す)、足掛位置を7つとすることができる。または、係止ブロック31の数を3つ(図7(c)に示す)とすることができる。さらにまた、係止ブロック31の数を4つ(図7(d)に示す)とすることができる。
【0054】
また、上記固定座22及び支持部222は、溶接によって支柱20の外表面と接続されるため、工程が簡略で、加工が容易である。しかし、本願はこれに限定されず、いくつかの可能な実施形態において、ネジ、リベット、ポップリベット、プレスアンダーカットなどによって固定座22及び支持部222と、支柱20の外面との接続を実現することができる。
【0055】
いくつかの可能な実施形態において、固定座22は、支柱20の延伸方向に沿って所定の距離を移動したのち、支柱20の外表面に固着することができる。即ち、固定座22は、支柱20における位置を変更することができるため、支柱踏桟30の支柱20における位置を変更することができる。これにより、使用者の身長に合わせて支柱踏桟30を設置する位置を決めることで、使用者が支柱踏桟30に足を掛け易くなり、高所作業が容易に実現する。
【0056】
いくつかの可能な実施形態において、支柱20には、複数の支柱踏桟30が設けられ、例えば、図6で示したように、支柱20には、2つの支柱踏桟30が設けられる。このように、使用者に対して複数の足掛位置を提供することで、使用者の高所作業を容易にする。
【0057】
いくつかの可能な実施形態において、図1図3を参照すると、本願梯子10の上端部には、支柱20の上端部と回動可能に接続される天板13が設けられる。これにより、脚立1の折り畳みが容易になり、占有される空間が低減される。
【0058】
いくつかの可能な実施形態において、図1図3を参照すると、支柱20と梯子10との間には、脚立1の最大展開角度を規制する規制部材40が設けられる。つまり、規制部材40の作用により、支柱20と梯子10との間の夾角が制御され、支柱20と梯子10とが過度な角度で展開し、脚立1が安定して地面に設置されないことを防止している。
【0059】
また、上記規制部材40は、両端が支柱20と梯子10とにそれぞれ接続されるチェーンである。チェーンは、支柱20と梯子10とをそれぞれ引っ張ることで、脚立1の最大展開角度を規制している。脚立1の最大展開角度は、例えば、30°、45°等の鋭角である。
【0060】
いくつかの好ましい実施形態を介し、本発明に対して図示及び説明を行ったものの、当業者であれば、上記内容は、具体的な実施形態を用いて本発明に対してより詳細な説明を行ったに過ぎず、本発明の具体的な実施がこれらの説明に限定されるものではない。当業者は、いくつかの簡易な推知または置換を行うことを含め、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形式上及び細部に対して様々な変更を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】