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特表2024-536606エアマットレス及びエアマットレスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】エアマットレス及びエアマットレスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/08 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A47C27/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524584
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 KR2022015476
(87)【国際公開番号】W WO2023068649
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0141876
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524151004
【氏名又は名称】ヤン、クワン-シク
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、クワン-シク
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB04
(57)【要約】
本発明は、下敷きとして用いるときに2枚の気密性生地とこれらの生地間の接合線により形成された密閉空間に吹き込まれた空気が使用者の体重を支持することにより使用者と床面との間の断熱とクッション効果を提供し、使用しないときには空気を抜いてかさが減り、折り畳まれて取り扱い易いエアマットレスにおいて、下シート110と上シート120との間に袋系吸排気口201、チューブ系吸排気口301、チューブ部材310を並べ、押し潰して熱融着させた熱融着線400と、チューブ部材310を境目として袋系吸排気口201、空気袋210と空気袋間の連結部220を構成要素として使用者の体重を支持する役割を果たす袋系200と、チューブ系吸排気口301、チューブ部材310と連通部320を構成要素として空気袋210の相互間の空気の流れを遮断する役割を果たすチューブ系300と、に分けられてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下敷きとして用いるときに2枚の気密性生地とこれらの生地間の接合線により形成された密閉空間に吹き込まれた空気が使用者の体重を支持することにより使用者と床面との間の断熱とクッション効果を提供し、使用しないときには空気を抜いてかさが減り、折り畳まれて取り扱い易いエアマットレスにおいて、
下シート(110)と上シート(120)との間に袋系吸排気口(201)、チューブ系吸排気口(301)、チューブ部材(310)を並べ、押し潰して熱融着させた熱融着線(400)と、チューブ部材(310)を境目として袋系吸排気口(201)、空気袋(210)と空気袋間の連結部(220)を構成要素として使用者の体重を支持する役割を果たす袋系(200)と、チューブ系吸排気口(301)、チューブ部材(310)と連通部(320)を構成要素として空気袋(210)の相互間の空気の流れを遮断する役割を果たすチューブ系(300)と、に分けられてなり、
袋系(200)に空気を先に注入すれば、空気流通孔(225)とマット部材(100)とチューブ部材(310)との間の隙間に空気袋(210)の相互間の空気の流れが許容されて袋系(200)の全体が空気により満たされ、次いで、チューブ系(300)に袋系(200)よりも高い圧力にて空気を注入すれば、チューブ部材(310)が膨張して空気流通孔(225)とマット部材(100)とチューブ部材(310)との間の隙間を閉塞して相互間の空気の流れが遮断された状態の空気袋(210)をして使用者の体重を支持せしめて体重が乗った部分が過剰に垂れ下がり過ぎてしまう現象を緩和することにより、使用者と床面との間の断熱とクッション効果が提供され、体重が乗って垂れ下がった部分と風船効果により膨れ上がった体重が乗っていない部分との高さ差と使用者とエアマットレスとの接触(摩擦)面積が減ってエアマットレス上において使用者の寝所移動や寝返りなどがさらに手軽に行われることを特徴とする、エアマットレス。
【請求項2】
エアマットレスそれ自体の一部分が空気ポンプ(230)(240)(330)(340)としての役割を果たして空気を口で吹き込んだり、別途の空気ポンプを設けたりしなくても済むことを特徴とする、請求項1に記載のエアマットレス。
【請求項3】
2つの袋系空気吸い込みポンプ(230)、2つのチューブ系空気吸い込みポンプ(330)、1つの袋系空気排出ポンプ(240)と1つのチューブ系空気排出ポンプ(340)がそれぞれペアをなしていて、ペアをなしているポンプに交互に圧力を加えることにより、連続して空気を注入しかつ排出することが可能であることを特徴とする、請求項1に記載のエアマットレス。
【請求項4】
空気袋(210)の平面上の真ん中の一ヵ所または一定の間隔を隔てたいくつかの個所のマット部材(100)を押し潰して熱融着させた熱融着点(500)があることから、空気により満たされたエアマットレスの高さを適度の高さにすることにより、踏み込んだ者がバランスを失って転倒するリスクを減らしていることを特徴とする、請求項1に記載のエアマットレス。
【請求項5】
請求項4に記載の熱融着点(500)にマット部材(100)を貫通して水切りを補助する穴または隙間(600)があることから、気密性生地製のエアマットレスを洗濯するときに脱水が円滑に行われることを特徴とする、請求項1に記載のエアマットレス。
【請求項6】
下シート(110)を敷き広げておくステップと、
吸排気口(201)(301)または空気ポンプ吸込口(232)(242)(332)(342)、排気口(233)(243)(333)(343)、弾性体(234)(244)(334)(344)とチューブ部材(310)を並べて固定するステップと、
上シート(120)を重ねるステップと、
マット部材(100)を押し潰して熱融着させるステップと、
マット部材(100)の余白とエアマットレスを洗濯するときに水切りを補助する穴または隙間(600)を切り出すステップと、
吸排気口(201)(301)または空気吸い込みポンプ吸気口(232)(332)と空気排出ポンプ排気口(243)(343)を閉塞する栓体またはクリップ(700)を取り付けるステップと、
出来上がったエアマットレスの両空気系の両方を空気により満たし、液体に浸漬して外部における気泡の発生有無をもって気密性を確認するステップと、
出来上がったエアマットレスの一方の空気系は空気を抜き、残りの他方の空気系にのみ空気を注入して空気を抜いた空気系が膨れ上がるか否かをもって両空気系の間の気密性を確認するステップと、
を含む、エアマットレスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下敷きとして用いるときに2枚の気密性生地とこれらの生地間の接合線により形成された密閉空間に吹き込まれた空気が使用者の体重を支持することにより使用者と床面との間の断熱とクッション効果を提供し、使用しないときには空気を抜いてかさが減り、折り畳まれて取り扱い易いエアマットレス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エアマットレスは、気密性の布地から一定の高さを有する四角い形状に密閉状に形成し、ここに空気を注入する弁を1つ以上設けたものであって、弁を介して空気を注入し、かつ排出することにより、搬送及び移動を行い易いことから、山登り、旅行などのレジャー用はもとより、床ずれ防止用の医療機器としても用いられ、このエアマットレスは、単に内部に空気層のみを形成することなく、内部に上下を結ぶ補強桟を立てたり、上下に貫通する繊維糸を連続して稠密に形成したりして、使用に際して、ねじれ及び滑りなどを防ぎ、うねりのある人体に触れやすくする。
【0003】
しかしながら、前述した通常のエアマットレスは、内部に補強桟が形成された場合、補強桟が脱落し、修理し難く、内部において補強桟が放置されてクッション感を低下させ、多数本の繊維糸を形成した場合、繊維糸が絡み合ってエアマットレスの平坦性が低下し、繊維糸が一部途切れながら連続して引き抜かれると、密閉性が低下するという問題があった。
【0004】
本発明の背景技術は、大韓民国特許庁に出願されて登録された大韓民国登録実用新案公報第20-0388951号に2005年06月28日付けで掲載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20-0388951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来のエアマットレスにおいて使用者の体重が乗った部分が過剰に垂れ下がり過ぎてしまう現象に起因して使用者と床面との間の断熱とクッション効果を十分に提供することができず、体重が乗った部分と風船効果によって膨れ上がった体重が乗っていない部分との大きな高さ差と使用者とエアマットレスとの広い接触(摩擦)面積によってエアマットレス上において使用者の寝所の移動し難さや寝返りの打ち難さなどがある点、口で空気を吹き込んだり別途の空気ポンプを設けたりすることを余儀なくされる点、空気ポンプにより空気を注入したり排出したりするときに連続して行えない点、空気により満たされたエアマットレスが高いが故に踏み込んだ者がバランスを失って転倒するリスクがある点、エアマットレスが気密性生地から作製されて洗濯をするときに脱水し難い点を改善したエアマットレスとその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、エアマットレスに満たされている空気の相互間の流れを許容することもできれば、遮断することもできる多数の空気袋210から構成し、これらの空気袋210をして満たされた空気の相互間の流れが遮断された状態で使用者の体重を支持せしめることにより、従来のエアマットレスにおいて見られる使用者の体重が乗った部分が過剰に垂れ下がってしまう現象を改善して使用者と床面との間の断熱とクッション効果を提供し、体重が乗って垂れ下がった部分と風船効果により膨れ上がった体重が乗っていない部分との高さ差と使用者とエアマットレスとの接触(摩擦)面積を減らしてエアマットレス上において使用者の寝所移動や寝返りなどがより一層手軽に行われ、エアマットレスそれ自体の一部分に空気ポンプ230、240、330、340の機能を与えることにより、口で空気を吹き込んだり別途の空気ポンプを設けたりする必要がなく、2つの袋系空気吸い込みポンプ230、2つのチューブ系空気吸い込みポンプ330、1つの袋系空気排出ポンプ240と1つのチューブ系空気排出ポンプ340がそれぞれペアをなしていて、交互に圧力を加えることにより、連続して空気を注入したり排出したりすることができ、空気袋210の平面上の真ん中の一ヵ所または一定の間隔を隔てたいくつかの個所のマット部材100を押し潰して熱融着させた熱融着点500があることから、空気により満たされたエアマットレスの高さを適度の高さにすることにより、踏み込んだ者がバランスを失って転倒するリスクが減り、熱融着点500に水切りを補助する穴または隙間600があることから、気密性生地製のエアマットレスを洗濯するときに脱水が円滑に行えるところに特徴があるエアマットレスとその製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るエアマットレスは、従来のエアマットレスにおいて見られる体重が乗った部分の過剰な垂れ下がり現象が緩和されて使用者と床面との間の断熱とクッション効果が提供され、体重が乗った部分と風船効果により膨れ上がった体重が乗っていない部分との高さ差と使用者とエアマットレスとの接触(摩擦)面積が減ってエアマットレス上において使用者の寝所移動と寝返りなどがより一層手軽に行われ、口で空気を吹き込んだり別途の空気ポンプを設けたりしなくても済み、連続して空気を注入したり排出したりすることができ、空気により満たされたエアマットレスを踏み込んだ者がバランスを失って転倒するリスクが減り、洗濯をするときに脱水が円滑に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の請求項1の一実施形態に係るエアマットレスを示す平面図。
図2】本発明の請求項1の一実施形態に係るエアマットレスを示す斜視図。
図3】本発明の請求項1の一実施形態に係るエアマットレスを示す分解斜視図。
図4】本発明の請求項1に適用される袋系200の空気の流れを示す平面図。
図5】本発明の請求項1に適用されるチューブ系300の空気の流れを示す平面図。
図6】(a)、(b)及び(c)は、本発明の請求項1に適用される空気袋間の連結部220における空気の流れを示す図。
図7】(a)、(b)及び(c)は、本発明の請求項1に適用される空気袋間の連結部220における空気の流れが遮断された状態を示す図。
図8】本発明の請求項2、請求項3、請求項4、請求項5の一実施形態に係るエアマットレスを示す平面図。
図9】本発明の請求項2と請求項3に適用される空気ポンプ230、240、330、340の構成を示す図。
図10】本発明の請求項6のエアマットレスの製造過程を示す手順図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に基づいて、本発明について詳しく説明する。
【0011】
図1から図3に示すように、本発明の一実施形態に係るエアマットレスは、下シート110と上シート120との間に袋系吸排気口201、チューブ系吸排気口301とチューブ部材310を図示のように並べ、押し潰して熱融着させた熱融着線400と、チューブ部材310を境目として袋系吸排気口201、空気袋210と空気袋間の連結部220を構成要素として使用者の体重を支持する役割を果たす図4に示されているような空気の流れの空気系(袋系200と称する)と、チューブ系吸排気口301、チューブ部材310と連通部320を構成要素として空気袋210の相互間の空気の流れを遮断する役割を果たす図5に示されているような空気の流れの空気系(チューブ系300と称する)と、に分けられてなる。
【0012】
袋系200に空気を先に注入すれば、空気袋間の連結部220に意図的に熱融着を飛ばして形成された空気流通孔225とマット部材100とチューブ部材310との間の隙間に、図6に示すように空気袋210の相互間の空気の流れが許容されて袋系200の全体が空気により満たされ、次いで、チューブ系300に袋系200よりも高い圧力にて空気を注入すれば、チューブ部材310が膨張して空気袋間の連結部220に意図的に熱融着を飛ばして形成された空気流通孔225とマット部材100とチューブ部材310との間の隙間を閉塞して、図7に示すように相互間の空気の流れが遮断された状態の空気袋210をして使用者の体重を支持せしめて従来のエアマットレスにおいて見られる体重が乗った部分が過剰に垂れ下がてしまう現象を緩和することにより、使用者と床面との間の断熱とクッション効果が提供され、体重が乗った部分と風船効果により膨れ上がった体重が乗っていない部分との高さ差と使用者とエアマットレスとの接触(摩擦)面積が減ってエアマットレス上において使用者の寝所移動や寝返りなどがより一層手軽に行われる。
【0013】
図9に示すように、マット部材100間の熱融着線400により形成された特定の空間を弾性体234、244、334、344により満たし、当該空間を形成する熱融着線400を横切って一方向にのみ空気の流れを許容する逆止め弁からなる吸気口232、242、332、342と排気口233、243、333、343を設けて弾性体234、244、334、344に圧力を加えると、弾性体234、244、334、344が内包していた空気を排気口233、243、333、343に送り出し、弾性体234、244、334、344にかかっていた圧力を取り除くと、復元力によって吸気口232、242、332、342により空気を吸い込むことを繰り返し行うことにより、ポンプの役割を果たす空気ポンプ230、240、330、340が、図8に示すように、エアマットレスそれ自体に存在することから、エアマットレスに空気を口で吹き込んだり別途の空気ポンプを設けたりしなくても済む。
【0014】
図8に示すように、2つの袋系空気吸い込みポンプ230、2つのチューブ系空気吸い込みポンプ330、1つの袋系空気排出ポンプ240と1つのチューブ系空気排出ポンプ340がそれぞれペアをなしていて交互に圧力を加えることにより、連続して空気を注入しかつ排出することができる。
【0015】
図8に示すように、空気袋210の平面上の一ヵ所または一定の間隔を隔てたいくつかの個所のマット部材100を押し潰して熱融着させた熱融着点500があることから、空気により満たされたエアマットレスの高さを適度の高さにすることにより、空気により満たされたエアマットレスを踏み込んだ者がバランスを失って転倒するリスクが減ることができる。
【0016】
図8に示すように、熱融着点500内にマット部材100を貫通して水切りを補助する穴または隙間600があることから、気密性合成樹脂生地製のエアマットレスを洗濯するときに脱水が円滑に行われる。
【0017】
図10に示すように、本発明のエアマットレスの製造方法は、下シート110を敷き広げておくステップ(S10)と、吸排気口201、301または空気ポンプ吸気口232、242、332、342、排気口233、243、333、343、弾性体234、244、334、344とチューブ部材310を並べて固定するステップ(S20)と、上シート120を重ねるステップ(S30)と、マット部材100を押し潰して熱融着させるステップ(S40)と、マット部材100の余白とエアマットレスを洗濯するときに水切りを補助する穴または隙間600を切り出すステップ(S50)と、吸排気口201、301または空気吸い込みポンプ吸気口232、332と空気排出ポンプ排気口243、343を閉塞する栓体またはクリップ700を取り付けるステップ(S60)と、出来上がったエアマットレスの両空気系の両方を空気により満たし、液体に浸漬して外部における気泡の発生有無をもって気密性を確認するステップ(S70)と、出来上がったエアマットレスの一方の空気系は空気を抜き、残りの他方の空気系にのみ空気を注入して空気を抜いた空気系が膨れ上がるか否かをもって両空気系の間の気密性を確認するステップ(S80)と、からなる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】