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特表2024-536608データ伝送方法及び装置、コンピュータ可読記憶媒体及び電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】データ伝送方法及び装置、コンピュータ可読記憶媒体及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/08 20090101AFI20240927BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240927BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20240927BHJP
   H04W 28/02 20090101ALI20240927BHJP
【FI】
H04W48/08
H04W84/12
H04W72/0446
H04W28/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524669
(86)(22)【出願日】2022-04-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 CN2022086808
(87)【国際公開番号】W WO2023071068
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111242438.7
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 炎
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH22
(57)【要約】
本開示の実施例は、データ伝送方法、データ伝送装置、コンピュータ可読記憶媒体及び電子装置を提供する。上記データ伝送方法は、アクセスポイント(AP)が、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)モードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、拡張型ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードに入り、拡張型HCCAモードでは、APがターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストして、すべてのAPがデータ伝送のために第1伝送機会(TXOP)を占有する必要があることを通知するステップと、第1TXOPが終了した後、APがデータ伝送を完了していないことが確定された場合、APがデータ伝送を完了するまで、APがすべてのSTAにターゲットフレームをブロードキャストして、APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることを通知するという操作を繰り返し実行するステップと、第1TXOPが終了した後、APがデータ伝送を完了したことが確定された場合、APがデータ伝送競合期間に入るステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ伝送方法であって、
アクセスポイント(AP)が、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)モードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、拡張型ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードに入り、前記拡張型HCCAモードでは、前記APが、ターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために第1伝送機会(TXOP)を占有する必要があることをすべての前記STAに通知するステップと、
前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了していないことが確定された場合、前記APがデータ伝送を完了するまで、前記APが、すべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するという操作を繰り返し実行するステップと、
前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了したことが確定された場合、前記APが、データ伝送競合期間(CP)に入るステップとを含む、データ伝送方法。
【請求項2】
前記APがターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストする前に、
前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定し、又はダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定する方式により、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、
前記APがすべての前記STAに含まれる第1STAによって送信された第1バッファステータスレポート(BSR)フレームを取得するステップと、
前記第1BSRフレームにターゲットフィールドが含まれることが確定され、前記ターゲットフィールドの値が第1値である場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップとを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、1回の評価サイクルで、
前記APが、毎回のTXOP時間内にアップリンクマルチユーザ(UL MU)データ伝送をトリガする場合のすべての前記STAに含まれる第2STAによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、
前記APが、連続した所定回数のTXOP時間内に前記第2STAによって完了されたアップリンク低遅延伝送のデータ総量が前記第2STAによって前記APに初めて報告された、バッファリングされた低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するという操作を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、
前記APが、連続した複数回の評価サイクルで前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップを含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記APが、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、1回の評価サイクルで、
前記APが、毎回のTXOP時間内にダウンリンクマルチユーザ(DL MU)データ伝送をトリガする場合の前記APによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、
前記APが、連続した所定回数のTXOP時間内に前記APによって完了されたダウンリンク低遅延伝送のデータ総量が前記APによって初めてバッファリングされたダウンリンク低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するという操作を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記APが、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、
前記APが、連続した複数回の評価サイクルで前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記所定回数は、
第2STAによって前記APに通知された低遅延データに必要な伝送時間M、及び前記AP側の最大TXOPの時間長Tを確定し、
前記伝送時間Mと前記時間長Tとの比を切り上げて前記所定回数を得る方式により確定されることを特徴とする、請求項4又は6に記載の方法。
【請求項9】
EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップと、
前記拡張型HCCAモードから前記EDCAモードに切り替え、前記EDCAモードでデータ伝送を実行するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定する前記ステップは、
前記APが、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップと、前記APが、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記APが、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップは、
前記APがすべての前記STAに含まれる第3STAによって送信された第2バッファステータスレポート(BSR)フレームを取得するステップと、
前記第2BSRフレームにターゲットフィールドが含まれることが確定され、前記ターゲットフィールドの値が第2値である場合、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記APが、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップは、
前記APが、連続した複数回の前記EDCAモードでの評価サイクルにおけるアップリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を確定し、前記最大値を第1最大値として確定するステップと、
前記APが、連続した複数回の前記拡張型HCCAモードでの評価サイクルにおけるアップリンクバッファリングデータ量が前記第1最大値より大きくない場合、前記EDCAモードでのアップリンククデータ伝送が前記低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記APが、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップは、
前記APが、連続した複数回の前記EDCAモードでの評価サイクルにおけるダウンリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を確定し、前記最大値を第2最大値として確定するステップと、
前記APが、連続した複数回の前記拡張型HCCAモードでの評価サイクルにおけるダウンリンクバッファリングデータ量が前記第2最大値より大きくない場合、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記APがデータ伝送競合期間(CP)に入った後、前記APが前記CPで第2TXOPを競合した場合、すべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために前記第2TXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
アクセスポイント(AP)に適応されるデータ伝送装置であって、
拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)モードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、拡張型ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードに入り、前記拡張型HCCAモードでは、前記APが、ターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために第1伝送機会(TXOP)を占有する必要があることをすべての前記STAに通知するように構成されるブロードキャストモジュールと、
前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了していないことが確定された場合、前記APがデータ伝送を完了するまで、前記APが、すべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するという操作を繰り返し実行し、前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了したことが確定された場合、前記APが、データ伝送競合期間(CP)に入るように構成される実行モジュールと、を含む、データ伝送装置。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると請求項1-14のいずれか一項に記載のデータ伝送方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
メモリとプロセッサとを含み、このメモリには、コンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると請求項1-14のいずれか一項に記載のデータ伝送方法を実現する電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2021年10月25日に提出された中国特許出願NO.202111242438.7に対する優先権を主張し、その全て内容が参照により本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本開示の実施例は、通信分野に関し、具体的には、データ伝送方法及び装置、コンピュータ可読記憶媒体及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
拡張型分散チャネルアクセス(EDCA:Enhanced distributed channel access)ランダムチャネルアクセスモードでは、複雑な環境でのマルチユーザ伝送の場合、伝送遅延が制御可能であることを保証できず、即ち、アクセスポイント(AP:Access Point)によって競合された1回の伝送機会(TXOP:Transmission Opportunity)時間内にマルチユーザの低遅延データ伝送を完了することができないシナリオにおいて、EDCAランダムチャネルアクセスモードのランダムアクセス特性により、APがマルチユーザ伝送のためにTXOPを再度取得する時点が制御できず、その結果、低遅延データの伝送が所定の遅延要求内で完了されることを効果的に保証できなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施例によれば、アクセスポイント(AP)が、従来の拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)モードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、拡張型ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードに入り、前記拡張型HCCAモードでは、前記APがターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために第1伝送機会(TXOP)を占有する必要があることをすべての前記STAに通知するステップと、前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了していないことが確定された場合、前記APがデータ伝送を完了するまで、前記APがすべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するという操作を繰り返し実行するステップと、前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了したことが確定された場合、前記APがデータ伝送競合期間(CP)に入るステップとを含む、データ伝送方法が提供される。
【0004】
本開示の実施例によれば、従来の拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)モードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、拡張型ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードに入り、前記拡張型HCCAモードでは、前記APがターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために第1伝送機会(TXOP)を占有する必要があることをすべての前記STAに通知するように構成されるブロードキャストモジュールと、前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了していないことが確定された場合、前記APがデータ伝送を完了するまで、前記APがすべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するという操作を繰り返し実行し、前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了したことが確定された場合、前記APがデータ伝送競合期間に入るように構成される実行モジュールとを含む、データ伝送装置が提供される。
【0005】
本開示の実施例によれば、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると上記データ伝送方法のステップを実行するコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0006】
本開示の実施例によれば、メモリとプロセッサとを含み、前記メモリには、コンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると上記データ伝送方法のステップを実行する電子装置も提供される。
【0007】
ここで説明される図面は、本開示の技術案をさらに理解するようにするためのものであり、本出願の一部を構成し、本開示の例示的な実施例及びその説明は、本開示の技術案を解釈するためのものであり、本開示の技術案に対する不適切な限定を構成しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施例におけるハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードの概略図である。
図2】本開示の実施例のデータ伝送方法を実行する移動端末のハードウェア構造ブロック図である。
図3】本開示の実施例によるデータ伝送方法のフローチャートである。
図4】本開示の実施例による拡張型HCCAモードの概略図である。
図5】本開示の実施例におけるバッファステータスレポート(BSR)制御フィールドのフォーマットの概略図である。
図6】本開示の実施例によるBSR制御フィールドのフォーマットの概略図である。
図7】本開示の実施例によるデータ伝送装置の構造ブロック図である。
図8】本開示の実施例による電子装置の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者が本開示の解決策をより良く理解するように、以下に本開示の実施例の図面を組み合わせながら本開示の実施例における技術案を明確且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本開示の実施例の一部だけであり、全ての実施例ではない。本開示の実施例に基づき、当業者が創造的な労働をせずに得る全ての他の実施例は、本開示の保護範囲に属するべきである。
【0010】
なお、本開示の明細書、特許請求の範囲及び図面における用語「第1」、「第2」などは、類似するオブジェクトを区別するためのものであり、特定の順序又は順番を限定するものではない。このように用いられる用語は、ここで説明する本開示の実施例がここで図示又は記載される順序以外の順序で実施されることができるように、適切な場合で交換可能であると理解すべきである。また、用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、明確に列挙されたステップ又はユニットに限定されず、明確に列挙されないもの又はこれらのプロセス、方法、システム、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含むことができる。
【0011】
ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA:Hybrid Coordination Function Controlled Channel Access)モードは、非競合期間(CFP:contend free period)と競合期間(CP:)に分けられ、競合期間(CP)は、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA:Enhanced distributed channel access)に類似し、非競合期間(CFP)では、APは、QoS CF-Poll(Contend Free Poll)ユニキャストのポーリングフレームを送信し、これにより、送信のための各STAを指定し、あるワークステーションSTA(Station)に指定された伝送機会TXOP(Transmit Opportunity)に対して、時間は、アクセスポイントAP(Access Point)によって決定され、シングルユーザ(SU:single user)の伝送にのみ使用され、図1は本開示の実施例のHCCAモードの概略図であり、図1に示すように、
1)、非競合期間開始段階において、APは、各STA及びAP自体に伝送機会(TXOP) を順次割り当て伝送し(簡略化のため、APによって自体に割り当てられたTXOPが図1に示されない)、AP又はSTAがTXOPを占有している時間内に、他の機器は、自体のネットワーク割り当てベクトル(NAV:Network Allocation Vector)を設定する必要があり、データをアクティブに送信できない。
【0012】
2)、非競合期間終了段階において、APのポーリングが完了し、CFPを終了しようとする場合、APは、QoS CF-Pollフレームをアクティブに送信し、このフレームにおけるRAアドレスがAP自体に設定され、Duration/IDフィールドが0に設定されると、すべてのSTAは、このQoS CF-Pollフレームを受信した後、自体のNAVを0に設定し、EDCAモードに入り、伝送機会(TXOP)の競合を開始する。
【0013】
3)、競合期間段階において、EDCAモードでは、APは、TXOPを競合した後、非競合期間モードに従ってポーリング伝送を実行することもできる。
【0014】
しかし、802.11AXネットワークが高密度環境でのマルチユーザ伝送シナリオに重点を置いているため、ユーザが多すぎると、HCCAモードでは、1つのbeacon期間内にすべてのSTAのポーリングスケジューリングを完了することができなく、及びユーザ数が増加すると、APでのユーザスケジューリング処理のオーバーヘッドが大幅に増加するため、802.11AXネットワークのマルチユーザ伝送には、上記機能が導入されない。以下、本開示の実施例について説明する。
【0015】
本出願の実施例による方法は、移動端末、コンピュータ端末又は同様の演算装置で実行されてもよい。本開示の実施例による方法が移動端末で実行されることを例とすると、図2は本開示の実施例のデータ伝送方法を実行する移動端末のハードウェア構造ブロック図であり、図2に示すように、この移動端末は、1つ又は複数(図2で1つだけ示される)のプロセッサ202(プロセッサ202はマイクロプロセッサMCU又はプログラマブルロジックデバイスFPGAなどの処理装置を含んでもよいが、これらに限定されない)と、データを記憶するためのメモリ204とを含むことができ、幾つかの実施形態では、上記移動端末は、通信機能のための伝送機器206及び入出力機器208をさらに含むことができる。当業者は、図2に示す構造が例示的だけであり、上記移動端末の構造を限定するためのものではないことを理解することができる。例えば、移動端末は、図2に示されるものより多く又はより少ない構成要素を含んでもよく、又は図2に示されるものとは異なる構成を有してもよい。
【0016】
メモリ204は、コンピュータプログラム、例えば、本開示の実施例におけるデータ伝送方法に対応するコンピュータプログラムなどのアプリケーションソフトウェアのソフトウェアプログラム及びモジュールを記憶するために使用されることができ、プロセッサ202は、メモリ204に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、様々な機能的アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち上記方法を実現する。メモリ204は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また、1つ又は複数の磁気記憶装置、フラッシュメモリ、又は他の不揮発性固体メモリなどの不揮発性メモリを含むこともできる。幾つかの実施形態では、メモリ204は、プロセッサ202に対して遠隔に設けられたメモリをさらに含むことができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して移動端末に接続されてもよい。上記ネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0017】
伝送装置206は、ネットワークを介してデータを受信又は送信するために使用される。
上述したネットワークの具体的な例は、移動端末の通信プロバイダーによって提供される無線ネットワークを含むことができる。幾つかの実施形態では、伝送装置206は、基地局を介して他のネットワーク機器に接続されてインターネットと通信できるネットワークアダプタ(Network Interface Controller、NICと略称)を含む。幾つかの実施形態では、伝送装置206は、インターネットと無線で通信するための無線周波数(RF:Radio Frequency、RF)であってもよい。
【0018】
本実施例でデータ伝送方法が提供され、図3は本開示の実施例によるデータ伝送方法のフローチャートであり、図3に示すように、このデータ伝送方法は、以下のステップS302及びS304を含む。
【0019】
ステップS302において、アクセスポイント(AP)は、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)モードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、拡張型ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードに入り、前記拡張型HCCAモードでは、前記APは、ターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために第1伝送機会(TXOP)を占有する必要があることをすべての前記STAに通知する。
【0020】
ステップS304において、前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了していないことが確定された場合、前記APがデータ伝送を完了するまで、前記APは、すべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するという操作を繰り返し実行し、前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了したことが確定された場合、前記APは、データ伝送競合期間(CP)に入る。
【0021】
上記ステップにより、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、アクセスポイント(AP)は、拡張型ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードに切り替え、拡張型HCCAモードでは、APは、すべてのSTAにターゲットフレームをブロードキャストして、APがデータ伝送のために第1TXOPを占有する必要があることをすべてのSTAに通知し、第1TXOPが終了した後、APがデータ伝送を完了しないことが確定された場合、APがデータ伝送を完了するまで、APは、すべてのSTAにターゲットフレームをブロードキャストして、APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることをすべてのSTAに通知するという操作を繰り返し実行する。APは、すべてのSTAにターゲットフレームを繰り返しブロードキャストすることにより、データ送信のためのTXOPを連続して何度も取得することを実現し、それによって低遅延ユーザの伝送遅延要求が保証される。したがって、データ伝送効率を高めるという効果が達成される。
【0022】
上記ステップの実行本体は、アクセスポイント、例えば802.11AXネットワークにおけるアクセスポイントであってもよく、上記ステップの実行本体は、同様の処理能力を備えた他の処理機器又は処理ユニットなどであってもよいが、これに限定されない。以下、アクセスポイントが上記操作を実行することを例(これは例示的な説明だけであり、実際の操作では、上記操作は、他の機器又はモジュールによって実行されてもよい)として説明する。
【0023】
上記ステップでは、アクセスポイント(AP)は、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、拡張型HCCAモードに入り、例えば、EDCAモードでは、APによって競合された1回のTXOP時間内にマルチユーザの低遅延データ伝送を完了できない場合、EDCAランダムチャネルアクセスモードのランダムアクセス特性により、APがマルチユーザ伝送のためにTXOPを再度取得する時点が制御できず、その結果、低遅延データの伝送が所定の遅延要求内で完了されることを効果的に保証できなくなる可能性があるが、拡張型HCCAモードに入った後、APは、ターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストし、例えば、拡張型HCCAモードの非競合期間に、改善されたQoS CF-Pollフレームを通じてこのBSSのすべてのSTAに通知し、それによってAPがデータ伝送のために第1伝送機会TXOPを占有する必要があることをすべてのSTAに通知し、第1TXOPが終了した後、APがデータ伝送を完了しないことが確定された場合、APがデータ伝送を完了するまで、APは、すべてのSTAにターゲットフレームをブロードキャストして、APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることをすべてのSTAに通知するという操作を繰り返し実行し、即ち、APは、改善されたQoS CF-Pollフレームを複数回呼び出して複数回のTXOP占有を実現することができ、第1TXOPが終了した後、APがデータ伝送を完了したことが確定された場合、APは、データ伝送競合期間(CP)に入る。本開示の実施例により、データ送信のためのTXOPを連続して何度も取得するという目的を達成することができ、それによってマルチユーザ伝送の遅延が制御可能であるという効果が達成される。
【0024】
幾つかの実施形態では、前記データ伝送方法は、前記APがターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストする前に、前記APが、次の方式によりEDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップをさらに含み、即ち、前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定し、又は、前記APが、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定する。即ち、APは、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定すること、又はダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することにより、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができる。上記実施形態により、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしているか否かを確定するという目的を達成することができる。
【0025】
幾つかの実施形態では、前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、前記APがすべての前記STAに含まれる第1STAによって送信された第1バッファステータスレポート(BSR)フレームを取得するステップと、前記第1BSRフレームにターゲットフィールドが含まれることが確定され、前記ターゲットフィールドの値が第1値である場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップとを含む。即ち、APは、STAによって送信された第1BSRフレームを取得し、第1BSRフレームに含まれるターゲットフィールドの値が第1値であるか否かに基づいて、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすかどうかを確定し、例えば、BSR制御フィールドにターゲットフィールドを追加し、ターゲットフィールドの値が1又は0又は他の値である場合、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができる。上記実施形態により、BSRフレームにおける新しいターゲットフィールドの値に基づいて、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすか否かを確定するという目的を達成する。
【0026】
幾つかの実施形態では、前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、1回の評価サイクルで以下の操作を実行するステップを含み、即ち、前記APは、毎回のTXOP時間内にアップリンクマルチユーザ(UL MU)データ伝送をトリガする場合のすべての前記STAに含まれる第2STAによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、前記APは、連続した所定回数のTXOP時間内に前記第2STAによって完了されたアップリンク低遅延伝送のデータ総量が前記第2STAによって前記APに初めて報告された、バッファリングされた低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定する。上記実施形態では、1回の評価サイクルで、APは、毎回のTXOP時間内にUL MUデータ伝送(例えば、UL-OFDMA及びUL-MU MIMO)をトリガする場合のSTAによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、APは、連続した所定回数のTXOPにおいてSTAによって完了されたアップリンク低遅延伝送のデータ総量を確定し、所定回数がN回(3回、5回又は他の回数など)であってもよく、STAによって完了されたアップリンク低遅延伝送のデータ総量がSTAによってAPに初めて報告された、バッファリングされた低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができる。実際のアプリケーションでは、APは、低遅延情報を予め収集することができ、例えば、STAは、APにバッファリングされた低遅延データ情報、例えば、低遅延データに必要な伝送時間M(例えば、単位がミリ秒である)及びデータサイズを明示的に通知することができ、APでは、伝送キューには、各STAに伝送される低遅延データ情報がバッファリングされる。
【0027】
上記実施形態により、1回の評価サイクルにおけるアップリンク低遅延伝送のデータ量の評価によりアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしているか否かを確定するという目的を達成する。
【0028】
幾つかの実施形態では、前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、前記APが、連続した複数回の評価サイクルで、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップを含む。上記実施形態では、APが連続した複数の評価サイクルで、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、例えば、連続した3回又は5回又は他の回数の評価サイクルで、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、連続したデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができる。実際のアプリケーションでは、上記の1回の評価サイクルで、アップリンクデータ送信が低遅延要求を満たしていないことが判断された場合、バーストデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができ、連続した複数回の評価サイクルでアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが判断された場合、連続したデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができ、バーストデータ伝送が低遅延要求を満していない可能性があるシナリオを排除することができ、上記実施形態により、データ伝送が低遅延要求を満たしているか否かの判断精度を向上させるという目的を達成できる。
【0029】
幾つかの実施形態では、前記APが、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、1回の評価サイクルで以下の操作を実行するステップを含み、即ち、前記APは、毎回のTXOP時間内にダウンリンクマルチユーザ(DL MU)データ伝送をトリガする場合の前記APによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、前記APは、連続した所定回数のTXOP時間内に前記APによって完了されたダウンリンク低遅延伝送のデータ総量が前記APによって初めてバッファリングされたダウンリンク低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定する。上記実施形態では、1回の評価サイクルで、APは、毎回のTXOP時間内にDL MUデータ伝送(例えば、DL-OFDMA及びDL-MU MIMO)をトリガする場合のAPによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、APは、連続した所定回数のTXOPにおいてAPによって完了されたダウンリンク低遅延伝送のデータ総量を確定し、所定回数がN回(例えば、3回、5回又は他の回数)であってもよく、APによって完了されたダウンリンク低遅延伝送のデータ総量がAPによって初めてバッファリングされたダウンリンク低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができる。実際のアプリケーションでは、APは、低遅延情報を予め収集することができ、例えば、STAは、APにバッファリングされた低遅延データ情報、例えば、低遅延データに必要な伝送時間M(例えば、単位がミリ秒である)及びデータサイズを明示的に通知することができ、APでは、伝送キューには、各STAに伝送される低遅延データ情報がバッファリングされる。上記実施形態により、1回の評価サイクルにおける低遅延伝送のデータ量の評価によりダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしているか否かを確定するという目的を達成する。
【0030】
幾つかの実施形態では、前記APが、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、前記APが、連続した複数回の評価サイクルで、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップを含む。上記実施形態では、APが連続した複数の評価サイクルで、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、例えば、連続した3回又は5回又は他の回数の評価サイクルで、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、連続したデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができる。実際のアプリケーションでは、上記の1回の評価サイクルで、ダウンリンクデータ送信が低遅延要求を満たしていないことが判断された場合、バーストデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができ、連続した複数回の評価サイクルでダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが判断された場合、連続したデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができ、バーストデータ伝送が低遅延要求を満していない可能性があるシナリオを排除することができ、上記実施形態により、データ伝送が低遅延要求を満たしているか否かの判断精度を向上させるという目的を達成できる。
【0031】
幾つかの実施形態では、前記所定回数は、第2STAによってAPに通知された低遅延データに必要な伝送時間M、及び前記AP側の最大TXOPの時間長Tを確定すること、及び前記伝送時間Mと前記時間長Tとの比を切り上げて前記所定回数を得ることにより確定される。上記実施形態では、まず、第2STAによってAPに通知された低遅延データに必要な伝送時間M、及びAP側の最大TXOPの時間長Tを確定し、次に伝送時間Mと時間長Tとの比を切り上げることにより、前記所定回数を得ることができ、上記実施形態により、所定回数を確定する目的を達成する。
【0032】
幾つかの実施形態では、前記データ伝送方法は、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップと、拡張型HCCAモードから前記EDCAモードに切り替え、前記EDCAモードでデータ伝送を実行するステップとをさらに含む。上記実施形態では、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることが確定された場合、APは、拡張型HCCAモードから従来のEDCAモードに切り替える。実際のアプリケーションでは、EDCAモードでのアップリンクデータ伝送及びダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を同時に満たしていることが判断され、EDCAモードへの切り替えが可能であることが確定された場合、現在の拡張型HCCAモードでの伝送が完了してCP段階に入った後、QoS CF-Pollフレームを呼び出しないことができ、システムは、EDCAモードに入る。上記実施形態により、拡張型HCCAモードからEDCAモードへの切り替えが可能となるという目的を達成する。
【0033】
幾つかの実施形態では、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定する前記ステップは、前記APが、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が前記低遅延要求を満たすことができることを確定するステップと、前記APが、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が前記低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含む。上記実施形態では、APが従来のEDCAモードでのアップリンクデータ伝送及びダウンリンクデータ伝送の両方が低遅延要求を満たすことができることが確定された場合、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定できる。上記実施形態により、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすか否かを確定するという目的を達成する。
【0034】
幾つかの実施形態では、前記APが前記EDCAモードでのアップリングデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップは、前記APがすべての前記STAに含まれる第3STAによって送信された第2バッファステータスレポートBSRフレームを取得するステップと、前記第2BSRフレームにターゲットフィールドが含まれることが確定され、前記ターゲットフィールドの値が第2値である場合、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含む。上記実施形態では、APは、STAによって送信された第2BSRフレームを取得し、第2BSRフレームに含まれるターゲットフィールドの値が第2値であるか否かに基づいて、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすか否かを確定し、例えば、BSR制御フィールドにターゲットフィールドを追加し、ターゲットフィールドの値が0又は1又は他の値である場合、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことを確定するスことができる。実際のアプリケーションでは、第2値が0である場合、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定し、第2値が1である場合、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができないことを確定するように設定できる。上記実施形態により、BSRフレームにおける新しいターゲットフィールドの値に基づいて、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすか否かを確定するという目的を達成する。
【0035】
幾つかの実施形態では、前記APが、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップは、前記APが、連続した複数回の前記EDCAモードでの評価サイクルにおけるアップリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を確定し、この最大値を第1最大値として確定するステップと、前記APが、連続した複数回の前記拡張型HCCAモードでの評価サイクルにおけるアップリンクバッファリングデータ量が前記第1最大値より大きくないことが確定された場合、前記EDCAモードでのアップリンククデータ伝送が前記低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含む。例えば、APは、EDCAモードでの連続した複数回(3回、5回、又は他の回数など)の評価サイクルにおけるアップリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を記録し、この最大値を第1最大値として確定し、拡張型HCCAモードでの連続した複数回(3回又は5回、又は他の回数など)の評価サイクルにおけるアップリンクバッファリングデータ量が第1最大値よりも大きくないことが以降で確定された場合、EDCAモードが現在のアップリンクバッファリングデータの伝送をサポートできると考えられてもよい。上記実施形態により、EDCAモードがアップリンクバッファリングデータの伝送をサポートできるか否かを判断するという目的を達成する。
【0036】
幾つかの実施形態では、前記APが、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップは、前記APが、連続した複数回の前記EDCAモードでの評価サイクルにおけるダウンリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を確定し、この最大値を第2最大値として確定するステップと、前記APが、連続した複数回の前記拡張型HCCAモードでの評価サイクルにおけるダウンリンクバッファリングデータ量が前記第2最大値より大きくないことが確定された場合、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含む。例えば、APは、EDCAモードでの連続した複数回(3回、5回、又は他の回数など)の評価サイクルにおけるダウンリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を記録し、この最大値を第2最大値として確定し、拡張型HCCAモードでの連続した複数回(3回又は5回、又は他の回数など)の評価サイクルにおけるダウンリンクバッファリングデータ量が第2最大値よりも大きくないことが以降で確定された場合、EDCAモードが現在のダウンリンクバッファリングデータの伝送をサポートできると考えられてもよい。上記実施形態により、EDCAモードがダウンリンクバッファリングデータの伝送をサポートできるか否かを判断するという目的を達成する。
【0037】
幾つかの実施形態では、前記データ伝送方法は、前記APがデータ伝送競合期間(CP)に入った後、前記APが前記CPで第2TXOPを競合した場合、前記APがすべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために前記第2TXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するステップをさらに含む。上記実施形態では、APがデータ伝送競合期間(CP)に入った後、APがCPで第2TXOPを競合した場合、APは、すべてのSTAにターゲットフレームをブロードキャストして、APがデータ伝送のために第2TXOPを占有必要があることをすべてのSTAに通知する。実際のアプリケーションでは、マルチユーザ伝送の遅延の制御可能性を保証するために、APは、CFP期間にSU伝送を実行せず、CP期間にTXOPを競合すると、(下位互換性を実現するために)SU伝送を実行することができる。
【0038】
明らかに、上述した実施形態は、本開示の実施形態の一部だけであり、すべての実施形態ではない。以下に具体的な実施例を参照しながら本開示を具体的に説明する。
【0039】
図4は本開示の実施例による拡張型HCCAモードの概略図であり、図4に示すように、非競合期間にTXOPを制御及びスケジュールするHCCAモードの機能と、802.11AXネットワークにおけるマルチユーザ伝送とを組み合わせて、次の4つの特徴を主に持つ拡張型HCCAモードを提案する。
【0040】
1)、非競合期間において、APが伝送のためにTXOPを占有することを、改善されたQoS CF-Pollフレーム(上記ターゲットフレームに対応)を通じてこのBSSのすべてのSTAに通知し、TXOPが終了した後、APは、改善されたQoS CF-Pollフレームを再度呼び出して複数回のTXOP占有を実現することができる。
【0041】
2)、APによって占有されたTXOP時間内に、UL/DL MU-MIMO及びUL/DL OFDMAを含む、802.11AXネットワークによってサポートされるマルチユーザ伝送を実行する。
【0042】
3)、マルチユーザ伝送の遅延の制御可能性を保証するために、APは、競合期間にSU伝送を実行せず、CP期間にTXOPを競合するとSU伝送(下位互換性)を実行することができる。
【0043】
4)、非競合期間においてマルチユーザ伝送伝動がAPによってトリガされるため、マルチユーザシナリオに存在する問題(例えば、802.11AXネットワークが高密度環境でのマルチユーザ伝送シナリオに重点を置き、ユーザの数が多すぎると、HCCAが1つのビーコン(beacon)サイクルですべてのSTAのポーリングスケジューリングを完了することができず、又は、ユーザの数が増加すると、APでのユーザスケジューリング処理のオーバーヘッドが大幅に増加する)がない。
【0044】
以下、本開示の実施例のEDCAモードと拡張型HCCAモードの間の切り替えについて説明する。
【0045】
具体的な例1は、EDCAモードから拡張型HCCAへの切り替えフローチャートである。
【0046】
以下、低遅延情報の収集、伝送状態の判断基準及び伝送状態の判断モードの3つの方面から説明する。
【0047】
1)低遅延情報の収集
アップリンク方向において、STAは、APにバッファリングされた低遅延データ情報(低遅延データに必要な伝送時間M(例えば、単位がミリ秒である)及びデータサイズ)を明示的に通知することができる。
【0048】
ダウンリンク方向において、APでは、送信キューには、各STAに伝送される低遅延データ情報がにバッファリングされる。
【0049】
2)低遅延伝送状態の判断基準
判断基準1
アップリンク方向において、1回のTXOP時間内にUL MU伝送(UL-OFDMA及びUL-MU MIMOを含む)をトリガする場合のSTAによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、連続したN回(上記の連続した所定回数に対応)のTXOPにSTAによって完了されたアップリンク低遅延伝送のデータ総量がAPに初めて報告された、バッファリングされた低遅延データ量よりも小さい場合、現在のSTAアップリンク伝送が低遅延要求を満たしないと考えられる。
【0050】
ダウンリンク方向において、同様に、連続したN回のTXOPにおけるダウンリンク伝送の低遅延データ総量を記録し、APで初めてバッファリングされたダウンリンク低遅延データ量と比較して、記録されたデータ総量がバッファリングされたデータ量より少ない場合、STAに対する現在のダウンリンク伝送が遅延要求を満たしないと考えられる。
【0051】
なお、N=ceiling(M/Tmax)、ceiling()が切り上げ演算(AP側の最大TXOP時間がTmaxであり、複雑なユーザシナリオにおいて、N回のTXOP伝送間隔で低遅延データの伝送を完了できない場合、低遅延要求を満たしないと考えられる)を表し、連続したN回のTXOPは、1つの評価サイクルとして機能する。
【0052】
判定基準1におけるアップリンク方向又はダウンリンク方向のいずれかの条件を満たしない場合、バーストデータ伝送が低遅延要求を満たしないと判断される。
【0053】
判断基準2
判断基準1では、バーストデータ伝送が低遅延要求を満たしないシナリオが存在する可能性があり、このシナリオを排除するために、次の判断基準2が提案される。
【0054】
判定基準1に従い、直近の3回(上記の連続した複数回に対応)の評価サイクルにおけるアップリンク伝送及びダウンリンク伝送のデータ量の状況を記録し、判断基準1に従っていずれかのアップリンク方向又はダウンリンク方向に対して、伝送総量が3回連続してバッファリングデータ量よりも少ない場合、連続したデータ伝送が低遅延要求を満たしないと判断される。
【0055】
3)伝送状態の判断モード
1.AP側による独立判断
アップリンク方向及びダウンリンク方向は、判断基準2に従ってAPによって評価される。
【0056】
2.AP側とSTA側による総合的な判断
AP側のオーバーヘッドを削減するために、アップリンク方向は、STA側によって処理される。
【0057】
アップリンク方向において、STA側は、判断基準2に従ってアップリンク方向を評価し、連続した低遅延データ伝送の要求を満たしない場合、以降のフレームにおけるBSR制御フィールドにRFEHフィールドを追加することでAPに通知する。
【0058】
具体的には、拡張型HCCAモードリクエストRFEH(Request For Enhanced HCCA)フィールドを1に設定すると、STAが現在のアップリンクの連続低遅延データ伝送が低遅延要求を満たしないことを判断したことを示し、拡張型HCCAモードに切り替えることが推奨され、0に設定すると、低遅延要求を満たすことを示し、EDCAモードに切り替えることが推奨され、このRFEHフィールドが存在しないと、STAに推奨事項がないことを示す。
【0059】
図5は本開示の実施例におけるBSR制御フィールドのフォーマットの概略図であり、図5に示すように、802.11AXネットワークは、ACI上位(High)フィールドによって様々なQoSアクセスカテゴリを標識し、キューサイズ上位(Queue Size High)フィールドによって具体的なバッファ(Buffer)情報をフィードバックし、802.11AXネットワーク端末は、図5のACIビットマップ(Bitmap)フィールド、TID変数(Delta TID)フィールド及びすべてのキューサイズ(Queue Size All)フィールドによってフィードバックされる複数のQoSカテゴリのバッファ状況を報告することもでき、ACIビットマップ(Bitmap)フィールドィールドとDelta TIDフィールドは、複数のQoSアクセスカテゴリを識別し、すべてのキューサイズ(Queue Size All)フィールドは、それらに対応するバッファ状況を標識し、スケール係数(Scaling Factor)フィールドは、拡大縮小係数を表し、バッファの単位サイズを示すために使用され、図6は本開示の実施例によるBSR制御フィールドのフォーマットの概略図であり、図6に示すように、遅延タグ(delay tag)フィールドが1に設定されると、バッファリングされたデータが低遅延データであることを示し、遅延タグフィールドが0に設定すると、バッファリングされたデータが非低遅延データであることを示し、遅延時間(delay time)フィールドは、STAに要求される、バッファリングされた低遅延データの最大伝送完了時間であり、単位がミリ秒であり、遅延タグ(delay tag)フィールドが0に設定されると、遅延時間(delay time)フィールドは、有効にならない。
【0060】
アップリンク方向において、AP側は、判断基準2に従ってダウンリンク方向を評価する。
【0061】
なお、上記RFEHフィールドと遅延タグ(delay tag)フィールド及び遅延時間(delay time)フィールドによって記述されるバッファ情報は、必ずしも関連していなく、即ち、RFEHフィールドは、STAが現在のバッファ情報情報に対してモード切り替え要求を行わないが、履歴バッファ情報に対してモード切り替え要求を行うことを示す。
【0062】
上記実施例により、アップリンク又はダウンリンクの連続低遅延データ伝送要求を満たしない場合、チャネルアクセスモードは、EDCAモードから拡張型HCCAモードに切り替えられる。
【0063】
具体的な例2は、拡張型HCCAモードからEDCAモードへの切り替えフローチャートである。
【0064】
以下、伝送状態の判断基準及び伝送状態の判断モードの2つの方面から説明する。
1)低遅延伝送状態の判断基準
判断基準3
アップリンク方向において、EDCAモードでの直近の3回(上記の連続した回数に対応)評価サイクルにおけるアップリンク方向の伝送に成功したデータ量を記録し、その最大値をアップリンクマルチユーザデータ閾値(UL MU threshold)(上記第1最大値に対応)に設定し、以降、拡張型HCCAモードでの連続した3回の評価サイクルにおけるアップリンクバッファデータ量がアップリンクマルチユーザデータ閾値(UL MU threshold)よりも大きくない場合、EDCAモードが現在のアップリンクバッファデータの伝送をサポートできると考えられる。
【0065】
ダウンリンク方向において、EDCAモードでの直近の3回の評価サイクルにおけるダウンリンク方向の伝送に成功したデータ量を記録し、その最大値をダウンリンクマルチユーザデータ閾値(DL MU threshold値に対応)に設定し、以降、拡張型HCCAモードでの連続した3回の評価サイクルにおけるダウンリンクバッファデータ量がダウンリンクマルチユーザデータ閾値(DL MU threshold1)(上記第2最大値に対応)よりも大きくない場合、EDCAモードが現在のダウンリンクバッファデータの伝送をサポートできると考えられる。
【0066】
2)伝送状態の判断モード
1.AP側による独立判断
AP側は、判断基準3に従ってアップリンク及びダウンリンク方向を評価する。
【0067】
2.AP側とSTA側による総合的な判断
AP側は、判断基準3に従ってダウンリンク方向を評価する。
【0068】
STA側は、判断基準3に従ってアップリンク方向を評価し、評価結果を上記RFEHフィールドでAPに通知する。
【0069】
上記実施例により、EDCAモードでのアップリンクデータ伝送及びダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を同時に満たしていることが判断され、EDCAモードへの切り替えが可能であることが確定された場合、今回の拡張型HCCAモードでの伝送が完了してCP段階に入った後、QoS CF-Pollフレームを呼び出せず、システムは、EDCAモードに入る。
【0070】
なお、本公開の実施例における判断基準は、デフォルトですべてのSTAに適用され、即ち、低遅延データを伝送するSTA1からSTAnまでの合計n個のSTAがあり、少なくとも1つのSTAが判断基準2を満たす場合、APは、拡張型HCCAモードに切り替える必要があり、同様に、これらのn個のSTAがすべて判断基準3を満たす場合のみ、APは、EDCAモードに切り替えることができる。
【0071】
本開示の実施例により、HCCAモードで、改善されたQoS CF-Pollフレームが導入され、APは、マルチユーザ伝送のためにTXOPを連続して複数回取得することができ、チャネルアクセス方面において、APによってスケジューリングを制御するため、低遅延ユーザの伝送遅延要求が保証され、同時に、マルチユーザ伝送シナリオにおいてユーザの数が多すぎると、HCCAモードが1つのビーコンサイクルですべてのSTAのポーリングスケジューリングを完了できなく、及びユーザの数が増加すると、APでのユーザスケジューリング処理のオーバーヘッドが大幅に増加するという問題が回避される。
【0072】
以上の実施形態の説明により、当業者は、上記実施例による方法がソフトウェアと一般的なハードウェアプラットフォームを組み合わせることにより実現されてもよく、当然、ハードウェアだけで実現されてもよく、多くの場合で前者がより良い実施形態であることを明確に理解することができる。このような理解に基づき、本開示の技術案は、実質的に又は従来技術に貢献を与える部分がソフトウェア製品の形で具現することができ、このコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなど)に記憶されてもよく、端末機器(携帯電話、コンピュータ、サーバー又はネットワーク機器など)に本開示で記載される方法を実行させるための幾つかの命令を含む。
【0073】
本開示の実施例では、データ伝送装置も提供され、この装置は、アクセスポイント(AP)に適用されてもよく、この装置は、上記実施例及び実施形態を実現するために使用され、既に説明された内容について再度説明しない。以下で使用されるように、「モジュール」という用語は、所定の機能を備えたソフトウェア及び/又はハードウェアの組み合わせを実現することができる。以下の実施例で説明される装置は、好ましくはソフトウェアで実現されるが、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせの実現も考えられる。
【0074】
図7は本開示の実施例によるデータ伝送装置の構造ブロック図であり、この装置は、アクセスポイント(AP)に適用されてもよく、図7に示すように、この装置は、ブロードキャストモジュール702と実行モジュール704とを含む。
【0075】
ブロードキャストモジュール702は、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)モードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、拡張型HCCAモードに入り、前記拡張型ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードでは、前記APがターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために第1伝送機会(TXOP)を占有する必要があることをすべての前記STAに通知するように構成される。
【0076】
実行モジュール704は、前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了していないことが確定された場合、前記APがデータ伝送を完了するまで、前記APがすべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するという操作を繰り返し実行し、前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了したことが確定された場合、前記APがデータ伝送競合期間(CP)に入るように構成される。
【0077】
幾つかの実施形態では、上記データ伝送装置は、前記APがターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストする前に、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定すること、又は、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することにより、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するように構成される第1確定モジュールをさらに含む。
【0078】
幾つかの実施形態では、上記第1確定モジュールは、すべての前記STAに含まれる第1STAによって送信された第1バッファステータスレポート(BSR)フレームを取得すること、及び前記第1BSRフレームにターゲットフィールドが含まれることが確定され、前記ターゲットフィールドの値が第1値である場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することにより、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしないことを確定することができる。
【0079】
幾つかの実施形態では、上記第1確定モジュールは、次の方式によりアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしないことを確定することができ、即ち、1回の評価サイクルで、毎回のTXOP時間内にアップリンクマルチユーザ(UL MU)データ伝送をトリガする場合のすべての前記STAに含まれる第2STAによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、連続した所定回数のTXOP時間内に前記第2STAによって完了されたアップリンク低遅延伝送のデータ総量が前記第2STAによって前記APに初めて報告された、バッファされた低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定する操作を実行する。
【0080】
幾つかの実施形態では、上記第1確定モジュールは、次の方式によりアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定することができ、即ち、連続した複数回の評価サイクルで、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定する。
【0081】
幾つかの実施形態では、上記第1確定モジュールは、次の方式によりダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしないことを確定することができ、即ち、1回の評価サイクルで、毎回のTXOP時間内にダウンリンクマルチユーザ(DL MU)データ伝送をトリガする場合の前記APによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、連続した所定回数のTXOP時間内に前記APによって完了されたダウンリンク低遅延伝送のデータ総量が前記APによって初めてバッファされたダウンリンク低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定する。
【0082】
幾つかの実施形態では、上記第1確定モジュールは、次の方式によりダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしないことを確定することができ、即ち、連続した複数回の評価サイクルで、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定する。
【0083】
幾つかの実施形態では、上記の所定回数は、第2STAによってAPに通知された低遅延データに必要な伝送時間M、及び前記AP側の最大TXOPの時間長Tを確定すること、及び前記伝送時間Mと前記時間長Tとの比を切り上げて前記所定回数を得ることにより確定される。
【0084】
幾つかの実施形態では、上記データ伝送装置は、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するように構成される第2確定モジュールと、前記拡張型HCCAモードから前記EDCAモードに切り替え、前記EDCAモードでデータ伝送を実行するように構成される切り替えモジュールとをさらに含む。
【0085】
幾つかの実施形態では、上記第2確定モジュールは、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するように構成される第1確定ユニットと、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するように構成される第2確定ユニットとを含む。
【0086】
幾つかの実施形態では、上記第1確定ユニットは、すべての前記STAに含まれる第3STAによって送信された第2バッファステータスレポート(BSR)フレームを取得するように構成される第1取得サブユニットと、前記第2BSRフレームにターゲットフィールドが含まれることが確定され、前記ターゲットフィールドの値が第2値である場合、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するように構成される第1確定サブユニットとを含む。
【0087】
幾つかの実施形態では、上記第1確定ユニットは、連続した複数回の前記EDCAモードでの評価サイクルにおけるアップリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を確定し、この最大値を第1最大値として確定するように構成される第2確定サブユニットと、連続した複数回の前記拡張型HCCAモードでの評価サイクルにおけるアップリンクバッファデータ量が前記第1最大値より大きくないことが確定された場合、前記EDCAモードでのアップリンククデータ伝送が前記低遅延要求を満たすことができることを確定するように構成された第3確定サブユニットと、を含む。
【0088】
幾つかの実施形態では、上記第2確定ユニットは、連続した複数回の前記EDCAモードでの評価サイクルにおけるダウンリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を確定し、この最大値を第2最大値として確定するように構成される第4確定サブユニットと、連続した複数回の前記拡張型HCCAモードでの評価サイクルにおけるダウンリンクバッファデータ量が前記第2最大値より大きくないことが確定された場合、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するように構成される第5確定サブユニットと、を含む。
【0089】
幾つかの実施形態では、上記データ伝送装置は、前記APがデータ伝送競合期間(CP)に入った後、前記CPで第2TXOPを競合した場合、すべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために前記第2TXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するように構成される処理モジュールをさらに含む。
【0090】
なお、上記各モジュールは、ソフトウェア又はハードウェアで実現されてもよく、ハードウェアの場合、次の方式(これに限定されず)により実現されてもよく、即ち、上記モジュールは、すべて同一のプロセッサに位置し、又は、上記各モジュールは、いずれかの組み合わせで異なるプロセッサにそれぞれ位置する。
【0091】
本開示の実施例は、コンピュータプログラムが記憶され、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると上記データ伝送方法のステップを実行するコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【0092】
幾つかの実施形態では、上記コンピュータ可読記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROMと略称)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称)、モバイルハードディスク、磁気ディスク又は光ディスク等のコンピュータプログラムを記憶できる様々な媒体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0093】
本開示の実施例は、図8に示すように、メモリ801とプロセッサ802とを含み、このメモリ801にコンピュータプログラムが記憶され、このプロセッサ802がコンピュータプログラムを実行すると上記データ伝送方法のステップを実行する電子装置をさらに提供する。
【0094】
幾つかの実施形態では、上記電子装置は、伝送機器と入出力機器とをさらに含むことができ、この伝送機器は、上記プロセッサ802に接続され、この入出力機器は、上記プロセッサ802に接続される。
【0095】
具体的な例について上記実施例及び例示的な実施形態で説明される例を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0096】
明らかに、当業者は、上記の本開示の各モジュール又は各ステップが汎用コンピューティング装置によって実現されてもよいことを理解すべきであり、それらは、単一のコンピューティング装置に集中することができ、又は複数のコンピューティング装置からなるたネットワークに分散することができ、それらは、コンピューティング装置で実行可能なプログラムコードで実現されてもよく、そのため、それらは、記憶装置に記憶されてコンピューティング装置で実行されてもよく、且つ幾つかの場合、本開示で示されるか、又は説明されたステップは、本開示で示され又は説明された順序とは異なる順序で実行されてもよく、又は、それらは、それぞれ各集積回路モジュールに作られてもよく、又は、それらのうちの複数のモジュール又はステップは、単一の集積回路モジュールに作られて実現されてもよい。本開示は、いかなる特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されない。
【0097】
上記は、本開示の実施例の一部に過ぎず、本開示を制限するためのものではなく、当業者であれば、本開示に対して様々な修正及び変更を行うことができる。本開示の原則内で行われるいかなる修正、同等置換と改善などはいずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-07-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ伝送方法であって、
アクセスポイント(AP)が、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)モードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、拡張型ハイブリッド制御チャネルアクセス(HCCA)モードに入り、前記拡張型HCCAモードでは、前記APが、ターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために第1伝送機会(TXOP)を占有する必要があることをすべての前記STAに通知するステップと、
前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了していないことが確定された場合、前記APがデータ伝送を完了するまで、前記APが、すべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために他のTXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するという操作を繰り返し実行するステップと、
前記第1TXOPが終了した後、前記APがデータ伝送を完了したことが確定された場合、前記APが、データ伝送競合期間(CP)に入るステップとを含む、データ伝送方法。
【請求項2】
前記APがターゲット基地局サブシステム(BSS)に含まれるすべてのステーション(STA)にターゲットフレームをブロードキャストする前に、
前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定し、又はダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定する方式により、EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、
前記APがすべての前記STAに含まれる第1STAによって送信された第1バッファステータスレポート(BSR)フレームを取得するステップと、
前記第1BSRフレームにターゲットフィールドが含まれることが確定され、前記ターゲットフィールドの値が第1値である場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップとを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、1回の評価サイクルで、
前記APが、毎回のTXOP時間内にアップリンクマルチユーザ(UL MU)データ伝送をトリガする場合のすべての前記STAに含まれる第2STAによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、
前記APが、連続した所定回数のTXOP時間内に前記第2STAによって完了されたアップリンク低遅延伝送のデータ総量が前記第2STAによって前記APに初めて報告された、バッファリングされた低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するという操作を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記APが、アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、
前記APが、連続した複数回の評価サイクルで前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、前記アップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップを含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記APが、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、1回の評価サイクルで、
前記APが、毎回のTXOP時間内にダウンリンクマルチユーザ(DL MU)データ伝送をトリガする場合の前記APによって完了された低遅延伝送のデータ量を記録し、
前記APが、連続した所定回数のTXOP時間内に前記APによって完了されたダウンリンク低遅延伝送のデータ総量が前記APによって初めてバッファリングされたダウンリンク低遅延データ量よりも少ないことが確定された場合、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するという操作を実行するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記APが、ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップは、
前記APが、連続した複数回の評価サイクルで前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことが確定された場合、前記ダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たしていないことを確定するステップを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記所定回数は、
第2STAによって前記APに通知された低遅延データに必要な伝送時間M、及び前記AP側の最大TXOPの時間長Tを確定し、
前記伝送時間Mと前記時間長Tとの比を切り上げて前記所定回数を得る方式により確定されることを特徴とする、請求項4又は6に記載の方法。
【請求項9】
EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップと、
前記拡張型HCCAモードから前記EDCAモードに切り替え、前記EDCAモードでデータ伝送を実行するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
EDCAモードでのデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定する前記ステップは、
前記APが、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップと、前記APが、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記APが、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップは、
前記APがすべての前記STAに含まれる第3STAによって送信された第2バッファステータスレポート(BSR)フレームを取得するステップと、
前記第2BSRフレームにターゲットフィールドが含まれることが確定され、前記ターゲットフィールドの値が第2値である場合、前記EDCAモードでのアップリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含み、
又は、
前記APが、連続した複数回の前記EDCAモードでの評価サイクルにおけるアップリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を確定し、前記最大値を第1最大値として確定するステップと、
前記APが、連続した複数回の前記拡張型HCCAモードでの評価サイクルにおけるアップリンクバッファリングデータ量が前記第1最大値より大きくない場合、前記EDCAモードでのアップリンククデータ伝送が前記低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記APが、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップは、
前記APが、連続した複数回の前記EDCAモードでの評価サイクルにおけるダウンリンク方向の伝送に成功したデータ量の最大値を確定し、前記最大値を第2最大値として確定するステップと、
前記APが、連続した複数回の前記拡張型HCCAモードでの評価サイクルにおけるダウンリンクバッファリングデータ量が前記第2最大値より大きくない場合、前記EDCAモードでのダウンリンクデータ伝送が低遅延要求を満たすことができることを確定するステップとを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記APがデータ伝送競合期間(CP)に入った後、前記APが前記CPで第2TXOPを競合した場合、すべての前記STAに前記ターゲットフレームをブロードキャストして、前記APがデータ伝送のために前記第2TXOPを占有する必要があることをすべての前記STAに通知するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると請求項1に記載のデータ伝送方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
メモリとプロセッサとを含み、このメモリには、コンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると請求項1に記載のデータ伝送方法を実現する電子装置。
【国際調査報告】