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特表2024-536617制動装置、制動システム、および車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】制動装置、制動システム、および車両
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/171 20060101AFI20240927BHJP
   B60T 8/36 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B60T8/171 Z
B60T8/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525671
(86)(22)【出願日】2021-10-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 CN2021127775
(87)【国際公開番号】W WO2023070628
(87)【国際公開日】2023-05-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ 宇▲ハオ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 永生
【テーマコード(参考)】
3D246
【Fターム(参考)】
3D246BA02
3D246CA02
3D246DA01
3D246GA25
3D246GB37
3D246HA03A
3D246LA04B
3D246LA17Z
3D246LA18A
3D246LA20B
3D246LA23A
3D246LA33B
(57)【要約】
本出願は、制動装置、制動システム、および車両に関する。車両は、インテリジェント車両、ハイブリッド電気車両、および新エネルギー車両などを含む。制動装置は、油圧ブロック、マスタシリンダ部、および移動センサを含む。油圧ブロックは、第1の溝および第2の溝を具備する。第2の溝は、第1の方向に延在する。マスタシリンダ部は、第2の溝内に位置し、第2の溝に摺接する。第2の溝内のマスタシリンダ部は、内部に永久磁石を具備する。移動センサは、第1の溝内に位置し、油圧ブロックに固定して接続され、永久磁石の動きの量を検出するように構成される。本出願では、永久磁石および移動センサの合理的なレイアウトによって、移動センサの信号精度が改善される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ブロック、マスタシリンダ部、および移動センサを備える制動装置であって、前記油圧ブロックは、第1の溝および第2の溝を具備し、前記第2の溝は第1の方向に延在し、前記マスタシリンダ部は、前記第2の溝内に位置し、前記第2の溝に摺接し、前記マスタシリンダ部は、内部に永久磁石を具備し、前記移動センサは、前記第1の溝内に位置し、前記油圧ブロックに固定して接続され、前記永久磁石の動きの量を検出するように構成される、制動装置。
【請求項2】
前記移動センサは検知素子を具備し、前記検知素子は前記第1の溝内に位置し、前記検知素子と前記永久磁石との距離は閾値未満である、請求項1に記載の制動装置。
【請求項3】
前記油圧ブロックは、内部に管路を具備し、前記管路は、ブレーキフルードを送るように構成され、前記管路は、前記第1の溝と前記第2の溝との間の領域を回避するように前記油圧ブロック内に配される、請求項2に記載の制動装置。
【請求項4】
前記第1の溝および前記第2の溝は密閉されて隔離される、請求項2に記載の制動装置。
【請求項5】
前記永久磁石は、第1の位置と第2の位置との間を動き、前記第1の位置と前記第2の位置との間の中心位置は、第2の方向において前記移動センサに垂直に投影され、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直である、請求項1から4のいずれか一項に記載の制動装置。
【請求項6】
前記制動装置は制御ユニットを備え、前記制御ユニットと前記油圧ブロックとは積み重ねて配置され、前記第1の溝の開口は、前記制御ユニットに面し、前記第1の溝は、前記制御ユニットの内部空間と連通し、前記移動センサは、前記制御ユニットの前記内部空間内に延在する、請求項1に記載の制動装置。
【請求項7】
前記制動装置は密閉構造を具備し、前記密閉構造は、前記制御ユニットと前記油圧ブロックとの間に位置する、請求項6に記載の制動装置。
【請求項8】
前記移動センサおよび前記マスタシリンダ部は、前記油圧ブロックと前記制御ユニットとが積み重ねられる方向に垂直な方向に配される、請求項6に記載の制動装置。
【請求項9】
前記第1の溝は、前記マスタシリンダ部と前記制御ユニットとの間に位置する、請求項6に記載の制動装置。
【請求項10】
前記移動センサはハウジングを具備し、前記ハウジングは、実装部および接続部を備え、前記実装部は、前記第1の溝内に位置し、前記油圧ブロックに固定して接続され、前記検知素子は、前記実装部内に位置し、前記接続部の一端は、前記実装部に接続され、前記接続部の他端は、前記制御ユニット内に延在する、請求項9に記載の制動装置。
【請求項11】
前記制動装置は構造スリーブを具備し、前記構造スリーブは、非強磁性材料で作製され、前記構造スリーブは、前記永久磁石を包み込み、前記マスタシリンダ部の内部に位置する、請求項1から10のいずれか一項に記載の制動装置。
【請求項12】
前記マスタシリンダ部は弾性構成要素を具備し、前記構造スリーブは本体部および案内部を備え、前記本体部は前記永久磁石を包み込み、前記弾性構成要素の一端は、前記案内部にスリーブ付けされ、前記本体部に当接する、請求項11に記載の制動装置。
【請求項13】
前記マスタシリンダ部は第1のピストンを備え、前記永久磁石および前記構造スリーブは両方とも前記第1のピストンの内部に位置し、前記本体部は本体および制限部を備え、前記制限部は、前記本体の外壁の周りを取り囲み、前記第1のピストンの内壁は、第1の領域および第2の領域を備え、前記本体は前記第1の領域に対応して配置され、前記制限部は前記第2の領域に対応して配置され、前記制限部は前記第1の領域の端部に当接する、請求項12に記載の制動装置。
【請求項14】
前記制動装置は回転防止機構を備え、前記回転防止機構は、前記永久磁石が前記永久磁石の周方向に回転することを防止するように構成される、請求項11に記載の制動装置。
【請求項15】
前記回転防止機構は、回転防止溝および回転防止リブを備え、前記マスタシリンダ部は第1のピストンを備え、前記永久磁石および前記構造スリーブは両方とも前記第1のピストンの内部に位置し、前記回転防止溝は前記構造スリーブ内に位置し、前記回転防止リブは前記第1のピストンの内壁に位置し、前記回転防止リブは前記回転防止溝に締結される、請求項14に記載の制動装置。
【請求項16】
前記制動装置は電磁弁を備え、前記電磁弁は、前記制御ユニット内に位置し、前記電磁弁は、前記移動センサから離れて配置され、前記電磁弁は、前記制御ユニットの制御基板に電気的に接続される、請求項1に記載の制動装置。
【請求項17】
ホイール制動ループと、ホイールブレーキと、請求項1から16のいずれか一項に記載の制動装置とを備える制動システムであって、前記ホイール制動ループは、前記油圧ブロックと前記ホイールブレーキとに接続される、制動システム。
【請求項18】
ホイールと、請求項17に記載の制動システムとを備える車両であって、前記ホイールブレーキは前記ホイールに作用する、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両技術の分野に関し、特に、制動装置、制動システム、および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の制動システムは、車両安全制御システムの重要な構成要素である。制動システムの主な機能は、移動中の車両を減速もしくはさらには停止させること、または下り坂を移動中の車両の速度を安定させ続けること、または停止中の車両が動かないようにしておくことである。
【0003】
制動システムは制動装置を含み、制動装置内の移動センサは一般に磁気誘導原理を使用する。ペダル移動の変化に伴って永久磁石が動くとき、移動センサ内の検知素子が磁界変化を検出し、磁界変化を電気信号に変換する。しかしながら、永久磁石と検知素子との距離(空隙)は、移動センサにおける磁界強度に大きな影響を及ぼす。より大きな空隙は、移動センサの信号精度を保証するのにより寄与しない。加えて、永久磁石と検知素子との間の多数の寸法の連鎖も、移動センサの信号精度レベルの品質制御に影響を及ぼす。
【0004】
したがって、永久磁石および移動センサのレイアウト設計は、移動センサの信号精度の制御にとって非常に重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態は、制動装置、制動システム、および車両を提供する。制動装置内の永久磁石および移動センサの合理的なレイアウトが行われ、これにより、永久磁石と移動センサ内の検知素子との間の寸法の連鎖が低減され、永久磁石と移動センサとの間の隙間が低減され、移動センサの信号精度が効果的に改善される。
【0006】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は制動装置を提供する。制動装置は、油圧ブロック、マスタシリンダ部、および移動センサを含む。油圧ブロックは、第1の溝および第2の溝を具備する。第2の溝は、第1の方向に延在する。マスタシリンダ部は、第2の溝内に位置し、第2の溝に摺接する。第2の溝内のマスタシリンダ部は、第1の方向において前後に動く。マスタシリンダ部は、内部に永久磁石を具備する。移動センサは、第1の溝内に位置し、油圧ブロックに固定して接続され、永久磁石の動きの量を検出するように構成される。マスタシリンダ部と移動センサとの両方が油圧ブロックに取り付けられ、第1の溝は第2の溝の近くに配置され、移動センサは第1の溝内に位置し、マスタシリンダ部は第2の溝内に位置する。すなわち、移動センサは、マスタシリンダ部の近くに配置される。
【0007】
マスタシリンダ部は、第1のピストンを含む。永久磁石は、第1のピストン内に配置される。第1のピストンは、第1のピストンの軸方向(すなわち、第1の方向)において前後に動き得る。永久磁石は、第1のピストンの内部に位置し、第1のピストンと共に同様に第1の方向において前後に動き得る。油圧ブロックは、内部に管路を具備する。管路内にはブレーキフルードがある。マスタシリンダ部は、ブレーキペダルに接続される。ブレーキペダルに加えられた操作力は、マスタシリンダ部を介して油圧ブロック内のブレーキフルードに伝えられる。ブレーキペダルに操作力を加えるプロセスにおいて、移動センサは、車両の速度の正確な制御を実施するために、油圧ブロックに対する永久磁石の移動を検出し、電気信号を出力し、最後にブレーキユニットを駆動するように構成される。
【0008】
本出願では、永久磁石および移動センサの合理的なレイアウトによって、移動センサの信号精度が改善される。永久磁石は、マスタシリンダ部の内部に配置され、永久磁石を別に取り付けるための孔部を油圧ブロックに配置する必要がない。これは、油圧ブロックの構造を簡素化し、油圧ブロック内に管路を配するためのより多くの空間を提供し、永久磁石と移動センサとの間の寸法の連鎖をさらに低減する。ここでの永久磁石と移動センサとの間の寸法の連鎖は、永久磁石と移動センサとの間の公差の累積として理解され得る。これは、制動装置の取付方法を簡素化するのに役立ち、制動装置の取付精度を改善し、制動装置の移動検出の精度も改善する。移動センサは、第1の溝内に取り付けられ、マスタシリンダ部の一方の側に位置し、永久磁石の近くに配置され、すなわち移動センサは油圧ブロックに直接固定される。これは、移動センサと永久磁石との間の寸法の連鎖を低減し、移動センサの信号精度を改善するのに役立つ。本出願の実施態様では、移動センサは、永久磁石と移動センサとの間の隙間を可能な限り小さくするために、永久磁石の近くに配置される。これは、移動センサの信号精度を効果的に改善する。
【0009】
可能な実施態様では、永久磁石は、第1の位置と第2の位置との間を動き、第1の位置と第2の位置との間の中心位置は、第2の方向において移動センサに垂直に投影され、第2の方向は、第1の方向に垂直である。言い換えれば、移動センサは、第2の方向において第1の位置と第2の位置との間の中心位置に正対する。すなわち、第1の位置と第2の位置とは、移動センサに対して対称である。正対することは、中心位置と移動センサ上の点との間の接続線が第2の方向に平行であることとして理解され得る。この実施態様では、中心位置は、永久磁石が前後に動くときに永久磁石と移動センサとの距離が過度に大きくならないように、第2の方向において移動センサに垂直に投影されるように設定される。この様態において、移動センサは、十分な磁界強度を検出することができる。これは、移動測定の精度を改善するのに役立ち、較正プロセスを簡素化する。
【0010】
一部の他の実施態様では、第2の方向における中心位置の垂直投影は、あるいは、移動センサ上になくてもよく、すなわち、第1の位置および第2の位置は、移動センサに対して非対称である。この様態において、高い磁界強度を有する移動間隔が選択されれば、移動センサの信号精度は保証されることができる。
【0011】
可能な実施態様では、移動センサは検知素子を具備し、検知素子は第1の溝内に位置し、検知素子と永久磁石との距離は閾値未満である。例えば、検知素子と永久磁石との距離は10mm未満である。この様態において、検知素子は、特定の磁気誘導強度を有する磁界を検知することができ、密閉および隔離の要件を満たすことができる。例えば、検知素子と永久磁石との距離は8mmであってもよく、これは、実験またはシミュレーションによって具体的に得られ得る。シミュレーションが例として使用される。検知素子と永久磁石との距離は、第1のピストンの寸法、および第1の溝と第2の溝との距離などに関係する。これらのデータがシミュレーションモデルに入力され、これにより、検知素子によって検知されることができる、10mTよりも大きい永久磁石の磁気誘導強度が得られる。検知素子はホール素子であってもよいし、または別の素子であってもよい。検知素子は、磁界変化に基づいて永久磁石の動きの量を得て、電気信号の形態で動きの量を制御ユニットに送信する。検知素子と永久磁石との距離が過度に大きい場合、検知素子における磁界強度が弱くなる。この様態において、磁界が変化するとき、検知素子が磁界の変化量を正確に検知することは困難であり、その結果、移動センサの信号精度が影響を受ける。この実施態様では、検知素子は、永久磁石の近くで第1の溝内に配置される。これは、移動センサの信号精度を保証するのに役立つ。検知素子が永久磁石の近くに配置されることは、制動装置の全体的な性能が保証される場合に検知素子と永久磁石との間の隙間が可能な限り小さいこととして理解され得る。具体的には、隙間は、実際の状況に基づいて配置されてもよい。移動センサを永久磁石の近くに配置することは、移動測定の精度を改善することができ、制動システムをより正確に制御するのに役立つことに留意されたい。しかしながら、移動センサは、永久磁石の外部に配置され、永久磁石と連通せず、これにより、移動センサがブレーキフルードに接触するリスクを低減することができ、移動センサの正常な作動を保証することができ、耐用寿命を延ばすことができる。
【0012】
可能な実施態様では、油圧ブロックは、内部に管路を具備し、管路は、ブレーキフルードを送るように構成され、管路は、第1の溝と第2の溝との間の領域を回避するように油圧ブロック内に配され、これにより、第1の溝と第2の溝との距離は十分に小さい範囲内に制御される。すなわち、管路は、第1の溝と第2の溝との間に配置されない。言い換えれば、第1の溝と第2の溝との間の隙間は小さく、管路は配置されることができない。この様態において、移動センサと永久磁石との距離が小さいことを保証することができる。これは、移動センサの信号精度を改善するのに役立ち、移動センサによって受信される信号に対する管路の影響も回避する。
【0013】
可能な実施態様では、第1の溝および第2の溝は密閉されて隔離され、すなわち、第1の溝の空間は、第2の溝内のブレーキフルードが第1の溝に流れ、制動装置の性能に影響を及ぼすことを防止するために、第2の溝の空間と連通しない。第1の溝と第2の溝との間の油圧ブロックの壁厚は、移動センサと永久磁石との距離が可能な限り小さいことを保証するために、密閉および隔離の最小要件を満たす。
【0014】
可能な実施態様では、移動センサは、ハウジングおよび検知基板をさらに含む。検知基板は、ハウジングの内部に固定され、検知素子は、検知基板上に配置され、検知素子は、検知基板に電気的に接続される。検知素子は、検知素子とマスタシリンダ部との距離が可能な限り小さいことを保証するために、検知基板の、マスタシリンダ部に近い側に位置する。
【0015】
一部の可能な実施態様では、移動センサと油圧ブロックとの固定方法は、ねじによる固定、スナップによる固定、締まり嵌めによる固定、または圧着による固定などであってもよい。これは本出願では制限されない。
【0016】
可能な実施態様では、制動装置は制御ユニットを含み、制御ユニットと油圧ブロックとは積み重ねて配置され、第1の溝の開口は、制御ユニットに面し、第1の溝は、制御ユニットの内部空間と連通し、移動センサは、移動センサの密閉を実施するように、制御ユニットの内部空間内に延在する。移動センサの一部は、第1の溝内に延在し、永久磁石に隣接して配置され、移動センサの他の部分は、制御ユニットの内部空間内に延在し、制御ユニットの制御基板に電気的に接続されるように構成される。油圧ブロックおよび制御ユニットは収容空間を形成し、移動センサは収容空間内に位置し、油圧ブロックおよび制御ユニットは、外部環境からの埃または水が移動センサに侵入して移動センサの性能に影響を及ぼすことを防止するために、移動センサに対する密閉機能を共同で果たす。移動センサは、油圧ブロックおよび制御ユニットによって形成された密閉環境内に常にあり、密閉保護を行う必要がなく(例えば、移動センサのハウジングの、永久磁石に面する側は開口を具備してもよく、ハウジングは、検知基板および検知素子を外部から完全に隔離しない)、これにより、コストが低減される。加えて、移動センサの検知基板および検知素子は、保護のために密閉される必要がない。これはまた、移動センサの体積を低減し、制動装置の内部空間を節約し、移動センサから永久磁石までの距離をさらに低減する。
【0017】
可能な実施態様では、制動装置は密閉構造を具備し、密閉構造は、制御ユニットと油圧ブロックとの間に位置する。密閉構造はシールリングであってもよく、シールリングは、積み重ねて配置された油圧ブロックと制御ユニットとの間を密閉し、これにより、厳重な防水および防塵レベルが達成され得、その結果、制御ユニットおよび移動センサの内部の構造を保護するのに役立つ。一部の実施態様では、密閉構造は、あるいはゴムであってもよく、油圧ブロックと制御ユニットとの間の密閉は、コーティングゴムによって実施されてもよい。制御ユニットと油圧ブロックとは密閉して接続され、これにより、移動センサは密閉され、制御ユニットは移動センサを外部環境から隔離する。この様態において、移動センサは、油圧ブロックおよび制御ユニットによって形成された密閉環境内に常にあり、密閉保護を行う必要がなく、これにより、コストが低減される。
【0018】
可能な実施態様では、移動センサおよび制御ユニットは分割構造である。本出願の実施態様では、移動センサは油圧ブロックに直接固定され、制御ユニットも油圧ブロックに直接固定され、これにより、移動センサと制御ユニットの制御基板との間の寸法の連鎖の数が少なくなり、寸法の連鎖は組み立てるのが容易である。移動センサと制御ユニットの制御基板との電気的接続は、構成要素の寸法および組立プロセスの制御を使用して良好な電気的接触を実施することができ、電気的接触には十分な設計寸法マージンがある(これは、良好な電気的接続を実施するために、移動センサと制御ユニットの制御基板との電気的接続の接触面積が小さくなるように設計され得る、または接触面積は不変のままであり、いくらかの位置ずれがあっても良好な電気的接続が実施されることができることとして理解され得る)。この様態において、構成要素の寸法および組立プロセスの要件が緩和され得、その結果、コストを低減し、組立歩留まり率を改善するのに役立つ。加えて、移動センサが油圧ブロックに直接固定され、これにより、移動センサと永久磁石との間の寸法の連鎖の数が少なくなる。これは、移動センサの信号精度を改善するのに役立つ。加えて、移動センサと永久磁石との間の寸法の連鎖の数が少なく、これにより、処理プロセスおよび時間が短縮される。これは、コストを低減するのに役立ち、組立歩留まり率を改善するのにも役立つ。
【0019】
可能な実施態様では、移動センサおよびマスタシリンダ部は、油圧ブロックと制御ユニットとが積み重ねられる方向に垂直な方向に配される。独立した移動センサは、マスタシリンダ部の一方の側に配置され、マスタシリンダ部に隣接して配置され、移動センサは、必要に応じてマスタシリンダ部のいずれの側に配置されてもよい。この実施態様では、移動センサは、油圧ブロックと制御ユニットとが積み重ねられる方向に垂直な方向においてマスタシリンダ部の一方の側に配置される。これは、移動センサの構造を簡素化する。第1の溝は深い溝であり、移動センサの検知素子は、第1の溝の奥にあり、制御ユニットの内部の電磁弁の磁気漏れの影響を受けにくい。これは、移動センサの信号精度を改善するのに役立つ。
【0020】
可能な実施態様では、第1の溝は、マスタシリンダ部と制御ユニットとの間に位置する。言い換えれば、移動センサは、マスタシリンダ部の、制御ユニットに近い側に位置し、独立した移動センサは、マスタシリンダ部の一方の側に配置され、マスタシリンダ部に隣接して配置され、移動センサは、必要に応じてマスタシリンダ部のいずれの側に配置されてもよい。この実施態様では、移動センサは、マスタシリンダ部の、制御ユニットに近い側に位置し、すなわち、第1の溝は浅い溝である。これは、油圧ブロックの内部に垂直および水平に配される管路のより合理的なレイアウトの実現可能性を改善するのに役立ち、油圧ブロックの内部の管路配置との干渉が少なく、制動装置の小型化および処理の利便性を促進する。
【0021】
可能な実施態様では、移動センサはハウジングを具備し、ハウジングは、実装部および接続部を含み、実装部は、第1の溝内に位置し、油圧ブロックに固定して接続され、検知素子は、実装部内に位置し、接続部の一端は、実装部に接続され、接続部の他端は、制御ユニット内に延在する。実装部と接続部とは、夾角をなして配置される。例えば、実装部と接続部とはL字形構造であってもよく、すなわち、実装部と接続部との夾角は直角である。L字形構造の接続部および実装部を配置することは、永久磁石に隣接する検知素子の配置を実施するのに役立ち、移動検出精度を改善し、検知基板と制御基板との電気的接続を実施する。第1の溝が、マスタシリンダ部と制御ユニットとの間に位置するとき、すなわち、移動センサが、マスタシリンダ部の、制御ユニットに近い側に位置するとき、移動センサの検知基板と制御ユニットの制御基板との電気的接続を容易にするために、移動センサのハウジングは、L字形構造として設計されてもよく、すなわち、実装部および接続部はL字形構造を形成する。この様態において、検知素子は、マスタシリンダ部の近くに配置されることができ、検知基板と制御基板との効果的な電気的接続が実施されることができ、これにより、検知素子によって生成される電気信号が制御ユニットに送信される。移動センサと制御基板との電気的接続は、コネクタクリップ、ばね接点、または金属パッド接点などであってもよい。これは本出願では制限されない。
【0022】
可能な実施態様では、制動装置は構造スリーブを具備し、構造スリーブは、非強磁性材料で作製され、構造スリーブは、永久磁石を包み込み、マスタシリンダ部の内部に位置する。マスタシリンダ部の一部の構造、例えばばねおよびプッシュロッドは、通常、強磁性材料で作製される。ばねは永久磁石と協働し、プッシュロッドは、第1のピストンおよび永久磁石の前後の動きのために第1のピストンと協働する。これらの強磁性材料で作製された構造は、永久磁石の磁界を変化させ、移動センサによって受信される信号に影響を及ぼし、移動センサの信号精度を改善するのに寄与しない。本出願のこの実施態様では、非強磁性材料(例えば、プラスチックまたはアルミニウム)で作製された構造スリーブは、永久磁石を包み込むために使用され、すなわち、永久磁石は、ばねおよびプッシュロッドなどの強磁性材料の、永久磁石の磁界への影響を回避するために、ばねおよびプッシュロッドなどの強磁性材料から隔離される。これは、移動センサの信号精度を改善するのに役立つ。
【0023】
一部の可能な実施態様では、永久磁石とばねとの距離、および永久磁石とプッシュロッドとの距離は、大きくなるように設定されてもよい。この様態において、ばねおよびプッシュロッドなどの強磁性材料の、永久磁石の磁界への影響も回避されることができる。あるいは、ばねおよびプッシュロッドなどの強磁性材料の、永久磁石の磁界への影響を回避するために、非強磁性材料で作製された、いくつかのガスケットが、永久磁石とばねとの間および永久磁石とプッシュロッドとの間に配置される。
【0024】
可能な実施態様では、マスタシリンダ部は弾性構成要素を具備し、構造スリーブは本体部および案内部を含み、本体部は永久磁石を包み込み、弾性構成要素の一端は、案内部にスリーブ付けされ、本体部に当接する。本体部と案内部とは、第1の方向に配され、全体として接続されている。例えば、案内部の端面寸法は、本体部の端面寸法よりも小さくなるように設定されてもよく、小さい寸法を有する案内部は、弾性構成要素の組付けを案内して拘束するように構成される。これは、マスタシリンダ部の前後の動きのプロセスにおける弾性構成要素の撓みまたは摺動などの問題を回避するのに役立つ。
【0025】
ブレーキペダルに加えられた操作力はプッシュロッドに伝達され、プッシュロッドは、第1のピストンに作用して第1のピストンを押して動かし、弾性構成要素は圧縮され、磁石アセンブリ(永久磁石および構造スリーブが磁石アセンブリを形成する)に弾性力を加える。弾性構成要素によって磁石アセンブリに加えられる力は、プッシュロッドによって第1のピストンに加えられる力の方向とは反対である。したがって、第1のピストンおよび磁石アセンブリは、弾性構成要素およびプッシュロッドの共同作用下で前後に動く。
【0026】
可能な実施態様では、マスタシリンダ部は第1のピストンを含み、永久磁石および構造スリーブは両方とも第1のピストンの内部に位置し、本体部は本体および制限部を含み、制限部は、本体の外壁の周りを取り囲み、第1のピストンの内壁は、第1の領域および第2の領域を含み、本体は第1の領域に対応して配置され、制限部は第2の領域に対応して配置され、制限部は第1の領域の端部に当接する。永久磁石は、通常、射出成形または締まり嵌めなどの形態で構造スリーブに固定され、構造スリーブおよび永久磁石は磁石アセンブリを形成する。第1の領域の内径は、第2の領域の内径よりも小さい。この様態において、磁石アセンブリが第1のピストンの内部に取り付けられるとき、制限部が、第1の領域の端部に当接して第1のピストン内の磁石アセンブリの位置を制限し、これにより、磁石アセンブリが位置ずれして取り付けられたときに移動センサと永久磁石との距離が増加し、これが移動センサにおける磁界に影響を及ぼし、移動センサの信号精度を改善するのに寄与しないという問題を防止するために、磁石アセンブリは予め設定された位置に取り付けられる。
【0027】
可能な実施態様では、制動装置は回転防止機構を含み、回転防止機構は、永久磁石が永久磁石の周方向に回転することを防止するように構成される。永久磁石が検知素子に対して直線的に動くときに永久磁石が周方向にさらに回転する場合、移動センサの磁気偏向角と較正状態の移動センサの磁気偏向角との整合性が変化し、その結果、センサの信号精度に影響を及ぼす。本出願のこの実施態様では、回転防止機構は、永久磁石が永久磁石の周方向に回転することを防止するように配置される。これは、移動センサの検出精度を改善するのに役立つ。
【0028】
可能な実施態様では、回転防止機構は、回転防止溝および回転防止リブを含み、マスタシリンダ部は第1のピストンを含み、永久磁石および構造スリーブは両方とも第1のピストンの内部に位置し、回転防止溝は構造スリーブ内に位置し、回転防止リブは第1のピストンの内壁に位置し、回転防止リブは回転防止溝に締結される。移動センサの検知素子は、検知された磁界角度変化に基づいて永久磁石の直線移動位置を決定する。しかしながら、磁化のプロセスにおいて、永久磁石は、一般に5°以内である、軸線に対する磁気偏向角を必然的に有する。永久磁石が検知素子に対して直線的に動き、周方向にも回転する場合、移動センサの磁気偏向角と較正状態の移動センサの磁気偏向角との整合性が変化し、その結果、センサの信号精度に影響を及ぼす。本出願では、永久磁石と構造スリーブとの両方が、第1のピストンと同軸に配置される。本出願のこの実施態様では、構造スリーブが第1のピストン内の構造スリーブの周方向に回転することを防止する、すなわち、永久磁石が第1のピストン内の永久磁石の周方向に回転することを防止するために、回転防止リブが、回転防止溝に締結される。これは、測定精度を改善するのに役立ち、複数回の前後の動きにおける測定精度の一貫性を保証する。回転防止溝と回転防止リブとが協働する構造が配置され、これにより、構造スリーブを第1のピストンに取り付けるプロセスにおいて、取付効率を改善するために、回転防止リブが回転防止溝に締結されるならば、初期位置決めおよび取付けが実施されることができる。加えて、永久磁石の不均一な磁化によって生じる移動測定誤差も回避されることができる。
【0029】
回転防止リブおよび回転防止溝は、磁石アセンブリが第1のピストン内の磁石アセンブリの周方向に回転することを防止する実施態様にすぎず、回転防止リブと回転防止溝との組合せの別の設計構造があることに留意されたい。あるいは、一部の実施態様では、締まり嵌め、スナップ、圧着、および接着剤充填などの回転防止設計形態が使用されてもよい。
【0030】
一部の可能な実施態様では、構造スリーブと第1のピストンとは非同軸に配置されてもよく、構造スリーブは移動センサの一方の側に配置される。あるいは、永久磁石と構造スリーブとが非同軸に配置されてもよく、永久磁石が移動センサの一方の側に配置される。この様態において、永久磁石から移動センサまでの距離が低減され、移動センサの信号精度が改善される。
【0031】
磁石アセンブリにおいて、永久磁石が構造スリーブに対して回転しないことを保証するために、永久磁石は、通常、射出成形または締まり嵌めなどの形態で構造スリーブに固定される。加えて、第1のピストンおよび油圧ブロックも、直接的または間接的に同様の回転防止構造を有する。具体的には、プッシュロッドが第1のピストンおよび永久磁石を押して前後に動かすプロセスにおいて、永久磁石の磁気偏向角が検知素子の磁気偏向角と常に一致することを保証するために、すなわち、移動センサの精度の一貫性を保証するために、永久磁石と構造スリーブとの間、構造スリーブと第1のピストンとの間、および第1のピストンと油圧ブロックとの間には、直接的または間接的に回転防止の制約がある。
【0032】
可能な実施態様では、制動装置は電磁弁を含み、電磁弁は、制御ユニット内に位置し、電磁弁は、移動センサから離れて配置され、電磁弁は、制御ユニットの制御基板に電気的に接続される。油圧ブロックの内部には複数の油圧管路があり、電磁弁は、油圧ブロックの内部の管路の開閉を制御するために使用される。電磁弁が作動するとき、強い電磁界が発生し、磁気漏れが、永久磁石によって検知素子に送信される磁界信号と干渉する。その結果、移動センサの出力信号の精度が影響を受ける。本出願のこの実施態様では、安全距離の値は、電磁弁から検知素子までの直線距離に基づいて設定される。これは、電磁弁の、検知素子への影響を回避するのに役立ち、移動センサの信号精度を改善する。安全距離の値は、電磁弁の磁気漏れシミュレーション解析および検知素子の精度シミュレーション解析によって得られる。すなわち、電磁弁は、移動センサの検知素子から離れて配置される必要があり、具体的には必要に応じて配置される。
【0033】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は制動システムを提供する。制動システムは、ホイール制動ループ、ホイールブレーキ、および第1の態様のいずれか1つによる制動装置を含む。ホイール制動ループは、油圧ブロックとホイールブレーキとに接続される。制動システムの作動プロセスでは、ホイール制動ループは、車両の制動を実施し、最終的に車両の速度の正確な制御を実施するために、油圧ブロックおよび制御ユニットの共同調整下で油圧ブレーキフルードをホイールブレーキに供給する。ホイールブレーキは、ディスクブレーキまたはドラムブレーキなどであってもよい。これは本出願では制限されない。
【0034】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は、ホイールと、第3の態様による制動システムとを含む車両を提供する。ホイールブレーキは、ホイールに取り付けられる。制動システムは、車両の制動を実施するためにホイールを制御する。車両は、ガソリン車両または電気車両、例えば、純電気車両、長距離電気車両、ハイブリッド電気車両、燃料電池車両、もしくは新エネルギー車両であってもよい。これは本出願では制限されない。
【0035】
加えて、本出願の一実施形態は、制動装置の取付方法を提供する。本方法は、
油圧ブロックを製造するステップであって、油圧ブロックは、第1の溝および第2の溝を具備する、ステップと、
マスタシリンダ部を製造するステップであって、マスタシリンダ部の一部は、第2の溝内に配置され、油圧ブロックに摺動可能に接続され、第2の溝は第1の方向に延在し、マスタシリンダ部は、第1の方向において前後に動き、マスタシリンダ部は、内部に永久磁石を具備する、ステップと、
移動センサを製造するステップであって、移動センサは、第1の溝内に配置され、油圧ブロックに固定して接続され、移動センサは、永久磁石の周囲に配置され、永久磁石の動きの量を検出するように構成される、ステップと
を含む。
【0036】
本出願では、永久磁石と移動センサとの間の寸法の連鎖が低減され、永久磁石および移動センサの合理的なレイアウトによって、移動センサの信号精度が改善される。本出願における制動装置は、単純な構造を有する。これは、実際の組立ての複雑さを大幅に簡素化する。永久磁石が、マスタシリンダ部の第1のピストン内に配置され、マスタシリンダ部は油圧ブロックに取り付けられ、移動センサは油圧ブロックに固定され、これにより、組立時間が短くなり、組立効率が高くなり、組立歩留まり率が高くなり、コストが低くなる。これは、制動装置の産業化に寄与する。移動センサとマスタシリンダ部の第1のピストンとの両方が、油圧ブロックに直接配置される。これは、移動センサと永久磁石との間の寸法の連鎖を低減し、移動センサの信号精度を改善するのに役立つ。
【0037】
可能な実施態様では、制御ユニットが製造され、制御ユニットと油圧ブロックとは積み重ねて配置され、第1の溝の開口は、制御ユニットに面し、第1の溝は、制御ユニットの内部空間と連通し、移動センサは、移動センサの密閉を実施するように、制御ユニットの内部空間内に延在する。マスタシリンダ部が油圧ブロックに取り付けられ、移動センサが油圧ブロックに固定された後、制御ユニットは、案内工具によって油圧ブロックに直接組み付けられ固定され、これにより、全体的な密閉および電気的接触が実施され得る。移動センサの一部は、第1の溝内に延在し、永久磁石に隣接して配置され、移動センサの他の部分は、制御ユニットの内部空間内に延在し、制御ユニットの制御基板に電気的に接続されるように構成される。油圧ブロックおよび制御ユニットは、外部環境からの埃または水が移動センサに侵入して移動センサの性能に影響を及ぼすことを防止するために、移動センサに対する密閉機能を共同で果たす。移動センサは、油圧ブロックおよび制御ユニットによって形成された密閉環境内に常にあり、密閉保護を行う必要がなく(例えば、移動センサのハウジングの、永久磁石に面する側は開口を具備してもよく、ハウジングは、検知基板および検知素子を外部から完全に隔離しない)、これにより、コストが低減される。加えて、移動センサの検知基板および検知素子は、保護のために密閉される必要がない。これはまた、移動センサの体積を低減し、制動装置の内部空間を節約し、移動センサから永久磁石までの距離をさらに低減する。
【0038】
本出願では、永久磁石および移動センサの合理的なレイアウトによって、永久磁石と移動センサとの間の寸法の連鎖が低減される。これは、移動センサの信号精度を改善するのに役立つ。加えて、移動センサは、永久磁石と移動センサとの間の隙間を可能な限り小さくするために、永久磁石の近くに配置される。これは、移動センサの信号精度を効果的に改善する。
【0039】
本発明の実施形態または背景技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下は、本発明の実施形態または背景技術で使用される必要がある添付の図面について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本出願の実施態様による車両の構造の概略図である。
図2】本出願の実施態様による車両の内部の制動システムの構造の概略図である。
図3】本出願の実施態様による制動装置の構造の概略図である。
図4図3に示されている制動装置の上面図である。
図5図4に示されている制動装置のA-Aに沿った断面図である。
図6図4に示されている制動装置のB-Bに沿った断面図である。
図7】本出願の実施態様による制動装置の構造の概略図である。
図8】本出願の実施態様によるマスタシリンダ部の構造の概略分解図である。
図9】本出願の実施態様による第1のピストンの構造の概略図である。
図10】本出願の実施態様による制動装置の構造の概略図である。
図11図10に示されている制動装置の上面図である。
図12図11に示されている制動装置のC-Cに沿った断面図である。
図13図11に示されている制動装置のD-Dに沿った断面図である。
図14】本出願の実施態様による制動装置の取付方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下は、本出願の実施形態における添付の図面を参照して、本出願の実施形態における技術的解決策を明確かつ完全に説明する。説明されている実施形態は、本出願の実施形態の全部ではなく一部であることは明らかである。創造的な努力なしに本出願の実施形態に基づいて当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本出願の保護範囲内にあるものとする。
【0042】
図1および図2に示されているように、図1は、本出願の一実施形態による車両100の可能な構造の概略図であり、図2は、車両100の内部の制動システム20の可能な構造の概略図である。車両100は、ガソリン車両または電気車両、例えば、純電気車両、長距離電気車両、ハイブリッド電気車両、燃料電池車両、もしくは新エネルギー車両であってもよい。これは本出願では制限されない。車両100は、ホイール10および制動システム20を含む。制動システム20は、車両100の制動を実施するためにホイール10の動きを制御する。
【0043】
本出願の実施形態で提供される制動装置は、制動システムに適用され得る。可能な実施態様では、制動システム20は、オイル缶21と、ブレーキペダル22と、制動装置23と、ホイール制動ループ24と、ホイールブレーキ25とを含む。オイル缶21は、制動装置23内の管路に接続され、ブレーキペダル22は、制動装置23のプッシュロッドに接続され、ホイール制動ループ24は、制動装置23の油圧ブロックおよびホイールブレーキ25に接続される。制動プロセスでは、ホイールブレーキ25がホイール10に作用する。オイル缶21は、制動装置23にブレーキフルードを提供する。運転者がブレーキペダル22を踏んだとき、制動装置23は作動し始める。ホイール制動ループ24は、制動装置23の油圧ブロックおよび制御ユニットの共同調整下で正確な油圧のブレーキフルードをホイールブレーキ25に供給する。ホイールブレーキ25は、車両100の制動を実施するためにホイール10の動きを制御し、最終的に車両100の速度を制御する。一部の可能な実施態様では、ホイールブレーキは、ディスクブレーキまたはドラムブレーキなどであってもよい。これは本出願では制限されない。
【0044】
本出願の実施形態における制動装置23は、図2に示されている制動システム20に適用され得るだけでなく、別の電気油圧制動システムにも適用され得る。本出願の実施形態では、制動装置23の移動センサは、あるいは、別の直線移動検出分野に適用されてもよい。
【0045】
図3図4、および図5に示されているように、図3は、制動装置23の可能な構造の概略図であり、図4は、図3に示されている制動装置23の上面図であり、図5は、図4に示されている制動装置23のA-Aに沿った断面図である。制動装置23は、油圧ブロック231、マスタシリンダ部232、および移動センサ233を含む。油圧ブロック231は、ブレーキフルードを収容するように構成される。例えば、油圧ブロック231は内部に管路(図3には示されていない)を具備し、管路内にはブレーキフルードがある。マスタシリンダ部232は油圧ブロック231に取り付けられ、移動センサ233は油圧ブロック231に取り付けられる。一部の可能な実施態様では、マスタシリンダ部232は、プッシュロッド2323と、第1のピストン2321と、第1の弾性構成要素2325と、第2のピストン2327と、第2の弾性構成要素2326とを含む。マスタシリンダ部232は、ブレーキフルードが正確な油圧を得るようにブレーキフルードを圧縮するよう構成される。
【0046】
図5および図6に示されているように、図6は、図4に示されている制動装置23のB-Bに沿った断面図である。油圧ブロック231は、第1の溝2311-1および第2の溝2311-2を具備する。移動センサ233は、第1の溝2311-1内に位置し、油圧ブロック231に固定して接続される。移動センサ233と油圧ブロック231との固定方法は、ねじによる固定、スナップによる固定、締まり嵌めによる固定、または圧着による固定などであってもよい。これは本出願では制限されない。第2の溝2311-2は、第1の方向A1に延在し、マスタシリンダ部232は、第2の溝2311-2内に位置し、第2の溝2311-2に摺接する。マスタシリンダ部232は油圧ブロック231に摺動可能に接続されることも理解され得る。ここでの摺動接続は、マスタシリンダ部232が第1の方向A1において前後に動くことができることを意味する。本出願のこの実施態様では、第1の溝2311-1および第2の溝2311-2は密閉されて隔離され、すなわち、第1の溝2311-1の空間は、第2の溝2311-2内のブレーキフルードが第1の溝2311-1に流れ、制動装置23の性能に影響を及ぼすことを防止するために、第2の溝2311-2の空間と連通しない。本出願の実施態様では、第1の溝2311-1および第2の溝2311-2の形状は制限されず、第1の溝2311-1および第2の溝2311-2は、円形、正方形、または他の形状であってもよいことに留意されたい。
【0047】
マスタシリンダ部232は第1のピストン2321を含み、第1のピストン2321は、第2の溝2311-2内に位置し、油圧ブロック231に摺動可能に接続される。可能な実施態様では、第1のピストン2321は内部に永久磁石2322を具備し、すなわち、マスタシリンダ部232は内部に永久磁石2322を具備する。第1のピストン2321は、第1の方向A1において前後に動き得、永久磁石2322は、第1のピストン2321と共に第1の方向A1において前後に動き得る。永久磁石2322および第1のピストン2321は比較的静止したままである。移動センサ233は、永久磁石2322の周囲に配置され、移動センサ233および第1の溝2311-1は、永久磁石2322の近くに配置される。移動センサ233を永久磁石2322の近くに配置することは、移動測定の精度を改善することができ、制動システムをより正確に制御するのに役立つことに留意されたい。しかしながら、移動センサ233は、永久磁石2322の外部に配置され、永久磁石2322と連通せず、これにより、移動センサ233がブレーキフルードに接触するリスクが低減されることができ、移動センサ233の正常な作動が保証されることができ、耐用寿命を延ばすことができる。
【0048】
油圧ブロック231は管路(図3には示されていない)を具備し、管路内にはブレーキフルードがある。管路は、ブレーキフルードを送るように構成される。マスタシリンダ部232は、ブレーキペダル22に接続される。ブレーキペダル22に加えられた操作力は、マスタシリンダ部232を介して油圧ブロック231内のブレーキフルードに伝えられる。ブレーキペダル22に操作力を加えるプロセスにおいて、移動センサ233は、第1のピストン2321の動きの量を決定するために永久磁石2322の動きの量を検出するように構成され、すなわち、車両100の速度の正確な制御を実施するために、油圧ブロック231に対する永久磁石2322および第1のピストン2321の移動を検出し、電気信号を出力し、最後にブレーキユニットを駆動するように構成される。
【0049】
本出願では、永久磁石2322および移動センサ233の合理的なレイアウトによって、移動センサ233の信号精度が改善される。永久磁石2322は、第1のピストン2321の内部に配置され、油圧ブロック231に、永久磁石2322を取り付けるための孔部を配置する必要がない。これは、油圧ブロック231の構造および組立プロセスを簡素化し、油圧ブロック231内に管路を配するためのより多くの空間を提供し、永久磁石2322と移動センサ233との間の寸法の連鎖をさらに低減する。ここでの永久磁石2322と移動センサ233との間の寸法の連鎖は、永久磁石2322と移動センサ233との間の公差の累積として理解され得る。これは、制動装置23の取付方法を簡素化するのに役立ち、制動装置23の取付精度を改善し、制動装置23の移動検出精度も改善する。移動センサ233は、第1の溝2311-1内に取り付けられ、マスタシリンダ部232の一方の側に位置し、永久磁石2322の近くに配置される。例えば、可能な実施態様では、移動センサ233は、油圧ブロック231に直接固定されてもよい。この配置方法では、移動センサ233と永久磁石2322との間の寸法の連鎖が低減される。これは、移動センサ233によって実行される移動測定の精度を改善するのに役立つ。本出願の実施態様では、移動センサ233は、永久磁石2322と移動センサ233との間の隙間を可能な限り小さくするために、永久磁石2322の近くに配置される。これは、移動センサ233の信号精度を効果的に改善する。
【0050】
可能な実施態様では、第2の方向A2は第1の方向A1に垂直であり、第2の方向A2はまた、マスタシリンダ部232と移動センサ233との配置方向であり、永久磁石2322は、第1の位置2371と第2の位置2372との間を前後に動く。可能な実施態様では、永久磁石2322が第1の位置2371と第2の位置2372との間で前後に動くことは、ブレーキペダルが踏まれていないとき、第1の弾性構成要素2325が自然状態にあり、この場合、永久磁石2322が、図6に示されている最左端2371に位置することとして理解され得る。制動ペダルが最大移動範囲まで踏み込まれたとき、すなわち第1の弾性構成要素2325の圧縮量が最大であるとき、永久磁石2322は、図6に示されている最右端2372に位置する。第2の方向A2における、第1の位置2371と第2の位置2372との間の中心位置2373の垂直投影は、移動センサ233上に位置する。これは、移動測定の精度を改善するのに役立ち、較正プロセスを簡素化する。中心位置2373の投影は、移動センサ233上に位置しなくてもよく、これは、実際の設計要件に基づいて決定されてもよいことに留意されたい。第1の位置2371、第2の位置2372、および中心位置2373は、点として理解されてもよいし、または線として理解されてもよい。言い換えれば、移動センサ233は、第2の方向A2において中心位置2373と正対する。すなわち、第1の位置2371と第2の位置2372とは、移動センサ233に対して対称である。正対することは、中心位置2373と移動センサ233上の点との間の接続線が第2の方向A2に平行であることとして理解され得る。この実施態様では、中心位置2373は、永久磁石2322が前後に動くときに永久磁石2322と移動センサ233との距離が過度に大きくならないように、第2の方向A2において移動センサ233に垂直に投影されるように設定される。この様態において、移動センサ233は、十分な磁界強度を検出することができる。これは、移動センサ233の信号精度を改善するのに役立つ。
【0051】
一部の他の実施態様では、第2の方向A2における中心位置2373の垂直投影は、あるいは、移動センサ233上になくてもよく、すなわち、第1の位置2371および第2の位置2372は、移動センサ233に対して非対称である。この様態において、高い磁界強度を有する移動間隔が選択されれば、移動センサ233の信号精度を保証することができる。
【0052】
図5を参照されたい。移動センサ233は、ハウジング2331、検知基板2332、および検知素子2333を含む。検知基板2332は、ハウジング2331の内部に固定され、検知素子2333は、検知基板2332上に固定され、検知基板2332に電気的に接続され、検知素子2333は、検知基板2332の、マスタシリンダ部232に近い側に位置する。可能な実施態様では、検知素子2333は、スズはんだ付け方法で検知基板2332に電気的に接続されてもよい。ハウジング2331の一部は、第1の溝2311-1内に延在し、油圧ブロック231に固定される。検知素子2333は、第1の溝2311-1内に位置し、永久磁石2322の近くに配置される。検知素子2333と永久磁石2322との距離は、閾値未満である。例えば、検知素子2333と永久磁石2322との距離は10mm未満である。この様態において、検知素子2333は、特定の磁気誘導強度を有する磁界を検知することができ、密閉および隔離の要件を満たすことができる。例えば、検知素子2333と永久磁石2322との距離は8mmであってもよく、これは、実験またはシミュレーションによって具体的に得られ得る。シミュレーションが例として使用される。検知素子と永久磁石との距離は、第1のピストンの寸法、および第1の溝と第2の溝との距離などに関係する。これらのデータがシミュレーションモデルに入力され、これにより、検知素子によって検知されることができる、10mTよりも大きい永久磁石の磁気誘導強度が得られ、密閉および隔離の要件を保証することができる。
【0053】
移動センサ233の信号精度を改善するために、第1の溝2311-1と第2の溝2311-2との距離は、十分に小さい範囲内に制御される。例えば、第1の溝2311-1と第2の溝2311-2との距離は、1.5mmよりも大きく2mm未満であるか、または第1の溝2311-1と第2の溝2311-2との距離は、1.5mm未満である。この場合、第1の溝2311-1と第2の溝2311-2との間の油圧ブロックは過度に薄く、その結果、ブレーキフルードが漏れてしまう。第1の溝2311-1と第2の溝2311-2との距離は2mmよりも大きい。この場合、移動センサ233によって検出されることができる、永久磁石2322の磁気誘導強度は弱い。すなわち、移動センサ233とマスタシリンダ部232との距離は十分に小さい範囲内に制御される。
【0054】
加えて、油圧ブロック231内の管路は、第1の溝2311-1と第2の溝2311-2との間の領域を回避するように油圧ブロック231内に配され、すなわち、油圧ブロック231内の管路は、第1の溝2311-1と第2の溝2311-2との間に配置されないことに留意されたい。図6を参照されたい。第1の方向A1において、管路は、移動センサ233に対応する領域に配される代わりに、移動センサ233の両側に配されてもよい。第1の溝2311-1と第2の溝2311-2との間の隙間は小さく、管路または他の構造は配置されない。この様態において、移動センサ233と永久磁石2322との距離が小さいことを保証することができる。これは、移動センサ233の信号精度を改善するのに役立ち、移動センサによって受信される信号に対する管路の影響も回避する。可能な実施態様では、第1の溝と第2の溝との間の油圧ブロックは、移動センサと永久磁石との距離が可能な限り小さいことを保証するために、密閉および隔離の最小要件を満たす。
【0055】
可能な実施態様では、検知素子2333はホール素子であってもよいし、または別の素子であってもよい。制動装置23の作動プロセスでは、第1のピストン2321および第1のピストン2321の内部の永久磁石2322が前後に動き、検知素子2333における磁界が変化する。検知素子2333は、磁界の変化に基づいて永久磁石2322の動きの量を得て、第1のピストン2321の動きの量を決定し、電気信号の形態で動きの量を制御ユニットに送信する。検知素子2333と永久磁石2322との距離が過度に大きい場合、検知素子2333における磁界強度が弱くなる。この様態において、磁界が変化するとき、検知素子2333が磁界の変化量を正確に検知することは困難であり、その結果、移動センサ233の信号精度が影響を受ける。この実施態様では、検知素子2333は永久磁石2322の近くに配置される。これは、移動センサ233の信号精度を保証するのに役立つ。
【0056】
一部の可能な実施態様に関して、図3および図5を参照されたい。制動装置23は、制御ユニット234を具備し、制御ユニット234は、ハウジング2341および制御基板2342を含み、制御基板2342は、ハウジング2341の内部に固定される。制御ユニット234と油圧ブロック231とは積み重ねて配置され、制御ユニット234は油圧ブロック231に固定される。可能な実施態様では、制御ユニット234と油圧ブロック231との固定方法は、ねじによる固定またはボルトによる固定などであってもよい。具体的な接続構造は示されていない。これは本出願では制限されない。可能な実施態様では、制御ユニット234と油圧ブロック231とは密閉して接続され、すなわち、移動センサ233は、制御ユニット234と油圧ブロック231との間の密閉された移動空間内で制動装置の外部の埃または水蒸気などの影響を受けないことに留意されたい。
【0057】
図5を参照されたい。第1の溝2311-1の開口は制御ユニット234に面し、第1の溝2311-1は制御ユニット234の内部空間と連通し、移動センサ233は、移動センサ233の密閉を実施するように、制御ユニット234の内部空間内に延在する。言い換えれば、移動センサ233の一部は、第1の溝2311-1内に延在し、永久磁石2322に隣接して配置され、移動センサ233の他の部分は、制御ユニット234の内部空間内に延在し、制御基板2342に電気的に接続されるように構成される。これは、油圧ブロック231および制御ユニット234が閉じられた収容空間238を形成し、移動センサ233が収容空間238内に位置することとしても理解され得る。油圧ブロック231および制御ユニット234は、外部環境からの埃または水が移動センサ233に侵入して移動センサ233の性能に影響を及ぼすことを防止するために、移動センサ233に対する密閉機能を共同で果たす。移動センサ233は、油圧ブロック231および制御ユニット234によって形成された密閉環境内に常にあり、密閉保護を行う必要がなく(例えば、移動センサ233のハウジング2331の、マスタシリンダ部232に面する側は開口を具備してもよく、ハウジング2311-1は、検知基板2332および検知素子2333を外部から完全に隔離しないが、油圧ブロック231および制御ユニット234によって、検知基板2332および検知素子2333に対する密閉保護機能を果たす)、これにより、コストが低減される。加えて、移動センサ233の検知基板2332および検知素子2333は、保護のために密閉される必要がない。これはまた、移動センサ233の体積を低減し、制動装置23の内部空間を節約し、移動センサ233から永久磁石2322までの距離を低減する。
【0058】
一部の実施態様では、図7は、制動装置23の構造の概略図である。制動装置23は密閉構造235を具備し、密閉構造235は、制御ユニット234と油圧ブロック231との間に位置し、制御ユニット234と油圧ブロック231とを密閉して接続するためのものであり、これにより、移動センサ233は、外部環境からの埃または水などが移動センサ233に侵入して移動センサ233の性能に影響を及ぼすことを防止するために、制御ユニット234および油圧ブロック231によって形成された密閉環境内に位置する。制御ユニット234と油圧ブロック231とは密閉して接続され、これにより、移動センサ233は密閉され、制御ユニット234は移動センサ233を外部環境から隔離する。この様態において、移動センサ233は、油圧ブロック231および制御ユニット234によって形成された密閉環境内に常にあり、密閉保護を行う必要がなく、これにより、コストが低減される。
【0059】
例えば、密閉構造235はシールリングであってもよく、シールリングは、積み重ねて配置された油圧ブロック231および制御ユニット234を密閉し、これにより、厳重な防水および防塵レベルが達成され得、その結果、制御ユニット234および移動センサ233の内部の構造を保護するのに役立つ。一部の実施態様では、密閉構造235は、あるいはゴムであってもよく、油圧ブロック231と制御ユニット234との間の密閉は、コーティングゴムによって実施されてもよい。
【0060】
本出願で提供される可能な実施態様では、移動センサ233および制御ユニット234は分割構造であり、移動センサ233は油圧ブロック231に直接固定され、制御ユニット234も油圧ブロック231に直接固定され、これにより、移動センサ233と制御ユニット234の制御基板2342との間の寸法の連鎖の数が少なくなり、寸法の連鎖は組み立てるのが容易である。移動センサ233と制御基板2342との電気的接続は、構成要素の寸法および組立プロセスの制御を使用して良好な電気的接触を実施することができ、電気的接触には十分な設計寸法マージンがある(これは、良好な電気的接続を実施するために、移動センサ233と制御基板2342との電気的接続の接触面積が小さくなるように設計され得る、または接触面積は不変のままであり、いくらかの位置ずれがあっても良好な電気的接続が実施されることができることとして理解され得る)。この様態において、構成要素のサイズおよび組立プロセスの要件が緩和され得、その結果、コストを低減し、組立歩留まり率を改善するのに役立つ。加えて、移動センサ233が油圧ブロック231に直接固定され、これにより、移動センサ233と永久磁石2322との間の寸法の連鎖の数が少なくなる。これは、移動センサ233の信号精度を改善するのに役立つ。加えて、移動センサ233と永久磁石2322との間の寸法の連鎖の数が少なく、これにより、処理プロセスおよび時間が短縮される。これは、コストを低減するのに役立ち、組立歩留まり率を改善するのにも役立つ。
【0061】
一部の可能な実施態様では、移動センサ233と制御基板2342との電気的接続は、コネクタクリップ、ばね接点、または金属パッド接点などであってもよい。これは本出願では制限されない。
【0062】
一部の可能な実施態様では、図3および図6を参照すると、マスタシリンダ部232は、プッシュロッド2323、第1の弾性構成要素2325、第2の弾性構成要素2326、および第2のピストン2327をさらに具備する。第1のピストン2321は、内部に第1のセパレータ2328を具備し、プッシュロッド2323は第1のピストン2321内に延在する。可能な実施態様では、制動装置23の作動プロセスにおいて、プッシュロッド2323は、第1のピストン2321を押して動かすために第1のセパレータ2328に当接する。第1のセパレータ2328と第1のピストン2321とは一体構造であってもよく、この構造は単純であり、これは組立てのプロセスを回避する。第1のセパレータ2328と第1のピストン2321とは、あるいは分割構造であってもよい。分割構造では、第1のセパレータ2328は、締まり嵌めによって第1のピストン2321内に取り付けられてもよく、第1のピストン2321が連通しない2つの空間に分離されることが保証される。
【0063】
図8は、マスタシリンダ部232の部分構造の概略分解図である。制動装置23は構造スリーブ2324を具備し、構造スリーブ2324は永久磁石2322を包み込み、構造スリーブ2324および永久磁石2322は磁石アセンブリを形成する。可能な実施態様では、構造スリーブ2324と永久磁石2322との両方が第1のピストン2321の内部に位置し、構造スリーブ2324と第1のピストン2321とは締まり嵌め状態にある。構造スリーブ2324も永久磁石2322も、第1のピストン2321内を動くことができない。構造スリーブ2324および永久磁石2322は、第1のピストン2321と共に第1の方向A1において前後に動き得る。
【0064】
可能な実施態様では、永久磁石2322は、ネオジム鉄ホウ素で作製されてもよいし、または別の材料で作製されてもよい。1つ以上の永久磁石2322があってもよい。複数の永久磁石2322の場合、すべての永久磁石2322は、構造スリーブ2324内に同軸に配置されてもよい。一部の可能な実施態様では、永久磁石2322は、円筒であってもよいし、または半円筒などの特殊な形状の構造であってもよい。
【0065】
マスタシリンダ部232の一部の構造、例えば、プッシュロッド2323、第1の弾性構成要素2325、および第2の弾性構成要素2326は、通常、強磁性材料で作製される。第1の弾性構成要素2325および第2の弾性構成要素2326は、永久磁石2322と協働する。プッシュロッド2323は、第1のピストン2321と協働し、第1のピストン2321および永久磁石2322の前後の動きのために使用される。これらの強磁性材料で作製された構造は、永久磁石2322の磁界を変化させ、移動センサ233によって受信される信号に影響を及ぼし、移動センサ233の信号精度を改善するのに寄与しない。本出願のこの実施形態では、構造スリーブ2324は、非強磁性材料で作製されたものとして配置されてもよく(例えば、プラスチックまたはアルミニウムなどで作製されてもよく)、非強磁性材料で作製された構造スリーブ2324は、永久磁石2322を包み込み、すなわち、プッシュロッド2323、第1の弾性構成要素2325、および第2の弾性構成要素2326などの強磁性材料の、永久磁石2322の磁界への影響を回避し、移動センサ233の信号精度を改善するために、永久磁石2322は、構造スリーブ2324を配置することによって、プッシュロッド2323、第1の弾性構成要素2325、および第2の弾性構成要素2326などの強磁性材料から隔離される。
【0066】
一部の可能な実施態様では、永久磁石2322と第1の弾性構成要素2325および第2の弾性構成要素2326との距離、ならびに永久磁石2322とプッシュロッド2323との距離は、大きくなるように設定されてもよい。この様態において、プッシュロッド2323、第1の弾性構成要素2325、および第2の弾性構成要素2326などの強磁性材料の、永久磁石2322の磁界への影響も回避され得る。あるいは、プッシュロッド2323、第1の弾性構成要素2325、および第2の弾性構成要素2326などの強磁性材料の、永久磁石2322の磁界への影響を回避するために、非強磁性材料で作製された、いくつかのガスケットが、永久磁石2322と第1の弾性構成要素2325との間および永久磁石2322とプッシュロッド2323との間に配置される。これは、移動センサ233の信号精度を改善するのに役立つ。
【0067】
可能な実施態様では、構造スリーブ2324は、本体部2324-1および案内部2324-2を含む。本体部2324-1は、永久磁石2322を包み込み、すなわち、永久磁石2322は、本体部2324-1内に位置する。本体部2324-1は、本体2324-3および制限部2324-4を含む。制限部2324-4は、本体2324-3の外壁の周りを取り囲み、制限部2324-4は、本体2324-3を完全には覆わず、制限部2324-4は、案内部2324-2の近くに配置される。構造スリーブ2324は、回転防止溝2324-5を具備する。例えば、回転防止溝2324-5は、制限部2324-4に配置されてもよい。
【0068】
可能な実施態様では、案内部2324-2の端面寸法は、本体部2324-1の端面寸法よりも小さくなるように設定されてもよい。例えば、本体部2324-1および案内部2324-2は円筒であり、本体部2324-1の直径は案内部2324-2の直径よりも大きい。この様態において、第1の弾性構成要素2325の一端は、案内部2324-2にスリーブ付けされ、本体部2324-1の一端に当接し、小さい寸法を有する案内部2324-2は、第1の弾性構成要素2325の組付けを案内して拘束するように構成される。これは、第1のピストン2321の前後の動きのプロセスにおける第1の弾性構成要素2325の撓みまたは摺動などの問題を回避するのに役立つ。
【0069】
プッシュロッド2323は第1のピストン2321に作用し、第1の弾性構成要素2325の一端は、案内部2324-2にスリーブ付けされ、本体部2324-1に当接して磁石アセンブリに作用し、第1のピストン2321および磁石アセンブリ(永久磁石2322および構造スリーブ2324)は、プッシュロッド2323、第1の弾性構成要素2325、および第2の弾性構成要素2326の共同作用下で前後に動き、移動センサ233は、その動きが電気信号の形態で制御ユニット234に送信されることを検出する。例えば、ブレーキペダル22に加えられた操作力がプッシュロッド2323に伝達され、プッシュロッド2323が、第1のセパレータ2328に作用して第1のピストン2321を押して動かし、第1の弾性構成要素2325および第2の弾性構成要素2326は、圧縮されて磁石アセンブリに弾性力を加え、第1の弾性構成要素2325および第2の弾性構成要素2326によって磁石アセンブリに力が加えられる方向は、プッシュロッド2323によって第1のピストン2321に力が加えられる方向とは反対である。したがって、第1のピストン2321および磁石アセンブリは、第1の弾性構成要素2325、第2の弾性構成要素2326、およびプッシュロッド2323の共同作用下で前後に動く。
【0070】
図6を参照されたい。可能な実施態様では、第2の溝2311-2の両端は開状態にある。例えば、第2の溝2311-2は、開放端2311-3および制限端2311-4を具備し、開放端2311-3と制限端2311-4との両方が開状態にある。これは、第2の溝2311-2が貫通孔であり、第1のピストン2321が、開放端2311-3から油圧ブロック231に取り付けられ、制限端2311-4が、第2の弾性構成要素2326が第2の溝2311-2から外れることを防止するために、第2の弾性構成要素2326の位置を制限する制限構造を具備することとしても理解され得る。例えば、制限構造はバッフル(図6には示されていない)であってもよく、バッフルは制限端2311-4に位置し、第2の弾性構成要素2326はバッフルに当接する。あるいは、制限構造は別の形態であってもよい。これは本出願では制限されない。本出願のこの実施態様では、第2の溝2311-2は貫通孔である。この様態において、第2の弾性構成要素2326の一部は、第2の弾性構成要素2326が制限端2311-4の制限構造に当接することができるならば、第2の溝2311-2から外に延在してもよい。これは、油圧ブロックの寸法を小さくするのに役立ち、制動装置の小型化を容易にする。
【0071】
別の実施態様では、第2の溝2311-2は、あるいは止まり穴であってもよく、第2の弾性構成要素2326は、第2の溝2311-2の右端に当接し、これにより、油圧ブロックの構造が簡素化され、取付けが簡単になり、第2の弾性構成要素2326を制限するための制限構造を別に配置する必要がなくなる。
【0072】
可能な実施態様に関して、図6図8、および図9を参照されたい。図9は、第1のピストン2321の構造の概略図である。第1のピストン2321の内壁は、第1の領域2321-1および第2の領域2321-2を含み、第1の領域2321-1の内径は、第2の領域2321-2の内径よりも小さい。構造スリーブ2324の本体2324-3は、第1の領域2321-1に対応して配置され、構造スリーブ2324の制限部2324-4および案内部2324-2は、第2の領域2321-2に対応して配置され、制限部2324-4の、案内部2324-2から離れた一端は、第1の領域2321-1の端部に当接する。永久磁石2322は、通常、射出成形または締まり嵌めなどの形態で構造スリーブ2324と共に磁石アセンブリを形成する。この様態において、磁石アセンブリが第1のピストン2321の内部に取り付けられるとき、制限部2324-4は、第1の領域2321-1の端部に当接して第1のピストン2321内の磁石アセンブリの位置を制限し、これにより、磁石アセンブリは、磁石アセンブリが位置ずれして取り付けられたときに生じる問題を防止するために、予め設定された位置に取り付けられる。例えば、永久磁石の位置ずれした取付けは、移動センサ233と永久磁石2322との距離の増加をもたらし、移動センサ233における磁界に影響を及ぼし、移動センサ233の信号精度を改善するのに寄与しない。
【0073】
図8および図9を参照されたい。制動装置23は、回転防止機構26を具備し、回転防止機構26は、永久磁石2322が永久磁石2322の周方向に回転することを防止するように構成される。回転防止機構26は、回転防止溝2324-5および回転防止リブ2321-3を含み、回転防止リブ2321-3は、第1のピストン2321の内壁に位置する。磁石アセンブリを第1のピストン2321の内部に取り付けるプロセスにおいて、構造スリーブ2324が第1のピストン2321内の構造スリーブ2324の周方向に回転することを防止する、すなわち、永久磁石2322および構造スリーブ2324が第1のピストン2321内の永久磁石2322および構造スリーブ2324の周方向に回転することを防止するために、回転防止リブ2321-3は、構造スリーブ2324の回転防止溝2324-5に締結される。移動センサ233の検知素子2333は、検知された磁界角度変化に基づいて永久磁石2322の直線移動位置を決定する。しかしながら、磁化のプロセスにおいて、永久磁石2322は、一般に5°以内である、軸線に対する磁気偏向角を必然的に有する。永久磁石2322が検知素子2333に対して直線的に動いて、周方向にも回転する場合、移動センサ233の磁気偏向角と較正状態の磁気偏向角との整合性が変化し、その結果、移動センサ233の信号精度に影響を及ぼす。本出願では、永久磁石2322と構造スリーブ2324との両方が、第1のピストン2321と同軸に配置される。本出願のこの実施態様では、構造スリーブ2324が第1のピストン2321内の構造スリーブ2324の周方向に回転することを防止する、すなわち、永久磁石2322が第1のピストン2321内の永久磁石2322の周方向に回転することを防止するために、回転防止リブ2321-3が、回転防止溝2324-5に締結される。これは、測定精度を改善するのに役立ち、複数回の前後の動きにおける測定精度の一貫性を保証する。回転防止溝2324-5と回転防止リブ2321-3とが協働する構造が配置され、これにより、構造スリーブ2324を第1のピストン2321に取り付けるプロセスにおいて、取付効率を改善するために、回転防止リブ2321-3が回転防止溝2324-5に締結されるならば、初期位置決めおよび取付けが実施されることができる。加えて、永久磁石の不均一な磁化によって生じる移動測定誤差も回避することができる。
【0074】
回転防止リブ2321-3および回転防止溝2324-5は、磁石アセンブリが第1のピストン2321内の磁石アセンブリの周方向に回転することを防止する実施態様にすぎず、回転防止リブと回転防止溝との組合せの別の設計構造があることに留意されたい。あるいは、一部の実施態様では、締まり嵌め、スナップ、圧着、および接着剤充填などの回転防止設計形態が使用されてもよい。
【0075】
磁石アセンブリにおいて、永久磁石2322が構造スリーブ2324の基本軸線に対して回転しないことを保証するために、永久磁石2322は通常、射出成形または締まり嵌めなどの形態で構造スリーブ2324に固定される。加えて、第1のピストン2321および油圧ブロック231も、直接的または間接的に同様の回転防止構造を有する。具体的には、プッシュロッド2323が第1のピストン2321および永久磁石2322を押して前後に動かすプロセスにおいて、永久磁石2322の磁気偏向角が検知素子2333の磁気偏向角と常に一致することを保証するために、すなわち、移動センサ233の精度の一貫性を保証するために、永久磁石2322と構造スリーブ2324との間、構造スリーブ2324と第1のピストン2321との間、および第1のピストン2321と油圧ブロック231との間には、直接的または間接的に回転防止の制約がある。
【0076】
一部の可能な実施態様では、構造スリーブ2324と第1のピストン2321とは非同軸に配置されてもよく、構造スリーブ2324は移動センサ233の一方の側に配置される。あるいは、永久磁石2322と構造スリーブ2324とが非同軸に配置されてもよく、永久磁石2322が移動センサ233の一方の側に配置される。この様態において、永久磁石2322から移動センサ233までの距離が低減され、移動センサ233の信号精度が改善される。
【0077】
図6および図8を参照されたい。この実施態様には2つの第1のピストンがある。一方が第1のピストン2321であり、他方が第2のピストン2327である。第2のピストン2327は、内部に第2のセパレータ2327-1を具備する。第1の弾性構成要素2325は、第2のセパレータ2327-1の、第1のピストン2321に近い側に位置する。第2の弾性構成要素2326は、第2のセパレータ2327-1の、第1のピストン2321から離れた側に位置する。第2のセパレータ2327-1と第2のピストン2327とは、一体構造であってもよく、この構造は単純であり、これは組立てのプロセスを回避する。第2のセパレータ2327-1と第2のピストン2327とは、あるいは分割構造であってもよい。分割構造では、第2のセパレータ2327-1は、締まり嵌めによって第2のピストン2327内に取り付けられてもよく、第2のピストン2327が連通しない2つの空間に分離されることが保証される。通常の制動プロセスでは、制動装置のブースタユニット(図6および図8には示されていない)が正常に作動し、第2の弾性構成要素2326に対応する油圧ブロック231の液体出口が閉じられ、ブレーキフルードは、第2の弾性構成要素2326と油圧ブロック231との間に充填されて排出されることができない。したがって、第2の弾性構成要素2326は圧縮されることができず、第1の弾性構成要素2325のみが圧縮され、制動装置のブースタユニットと第1の弾性構成要素2325とが、共同で第1のピストン2321の前後の動きのための動力を提供する。ブースタユニットが無効であるとき、第2の弾性構成要素2326に対応する油圧ブロック231の液体出口が開かれ、第1の弾性構成要素2325と第2の弾性構成要素2326との両方が圧縮される。2つの弾性構成要素、すなわち第1の弾性構成要素2325および第2の弾性構成要素2326の設計は、制動装置23の信頼性を増加させ、第2のピストン2327は、第1の弾性構成要素2325および第2の弾性構成要素2326を制限する。第1の弾性構成要素2325および第2の弾性構成要素2326は、ばねであってもよいし、または他の弾性装置であってもよい。これは本出願では制限されない。
【0078】
可能な実施態様に関して、図3および図5を参照されたい。制動装置23は、電磁弁236を具備し、電磁弁236は、制御ユニット234内に位置し、油圧ブロック231の上部に固定され、電磁弁236は、制御ユニット234の制御基板2342に電気的に接続され、電磁弁236は、移動センサ233から離れて配置される。油圧ブロック231の内部には、複数の油圧管路がある。電磁弁236は、油圧ブロック231の内部の管路の開閉を制御するように構成される。しかしながら、電磁弁236が作動するとき、強い電磁界が発生し、磁気漏れが、永久磁石2322によって検知素子2333に送信される磁界信号と干渉する。その結果、移動センサ233の出力信号の精度が影響を受ける。本出願の実施態様では、安全距離の値は、電磁弁236から検知素子2333までの直線距離に基づいて設定される。可能な実施態様では、安全距離の値は、電磁弁236の磁気漏れシミュレーション解析および検知素子2333の精度シミュレーション解析によって得られ得る。別の可能な実施態様では、安全距離の値は、あるいは、実験または実験とシミュレーションとの組合せによって得られてもよい。電磁弁236は、移動センサ233の検知素子2333から離れて配置される必要があり、具体的には必要に応じて配置される。
【0079】
図5を参照されたい。独立した移動センサ233は、マスタシリンダ部232の一方の側に配置され、マスタシリンダ部232に隣接して配置される。移動センサ233は、必要に応じてマスタシリンダ部232のいずれの側に配置されてもよい。本出願の実施態様では、移動センサ233およびマスタシリンダ部232は、油圧ブロック231と制御ユニット234とが積み重ねられる方向に垂直な方向に配される。この実施態様では、移動センサ233は、油圧ブロック231と制御ユニット234とが積み重ねられる方向に垂直な方向においてマスタシリンダ部232の一方の側に配置される。これは、移動センサ233の構造を簡素化する。第1の溝2311-1は深い溝であってもよく、移動センサ233の検知素子2333は、第1の溝2311-1の奥にあり、制御ユニット234の内部の電磁弁236の磁気漏れの影響を受けにくい。これは、移動センサ233の信号精度を改善するのに役立つ。
【0080】
図10は、本出願の一実施形態による制動装置23の構造の概略図である。移動センサ233は、必要に応じてマスタシリンダ部232のいずれの側に配置されてもよく、独立した移動センサ233は、マスタシリンダ部232の一方の側に配置され、マスタシリンダ部232に隣接して配置される。この実施態様では、第1の溝2311-1は、マスタシリンダ部232と制御ユニット234との間に位置する。言い換えれば、移動センサ233は、マスタシリンダ部232の、制御ユニット234に近い側に位置する。この実施態様では、第1の溝2311-1は、マスタシリンダ部232と制御ユニット234との間に位置する。この様態において、第1の溝2311-1は浅い溝である。これは、油圧ブロック231の内部に垂直および水平に配される管路のより合理的なレイアウトの実現可能性を改善するのに役立ち、油圧ブロック231の内部の管路配置との干渉が少なく、制動装置23の小型化および処理の利便性を促進する。
【0081】
図10に示されている制動装置23および図3に示されている制動装置23における移動センサ233の位置は異なることが理解され得る。したがって、図10に示されている制動装置23および図3に示されている制動装置23における第2の方向A2は異なる。
【0082】
図11図12、および図13に示されているように、図11は、図10に示されている制動装置23の上面図であり、図12は、図11に示されている制動装置23のC-Cに沿った断面図であり、図13は、図11に示されている制動装置23のD-Dに沿った断面図である。移動センサ233のハウジング2331は、接続部2331-1および実装部2331-2を含む。接続部2331-1と実装部2331-2とは、夾角をなして配置される。実装部2331-2は、第1の溝2311-1内に位置し、油圧ブロック231に固定して接続される。検知素子2333および検知基板2332は、実装部2331-2内に位置する。接続部2331-1の一端は実装部2331-2に接続され、接続部2331-1の他端は制御ユニット234内に延在する。例えば、接続部2331-1と実装部2331-2との夾角は90°であってもよく、接続部2331-1と実装部2331-2とはL字形構造であってもよい。L字形構造の接続部2331-1および実装部2331-2の配置は、永久磁石2322に近い検知素子2333の配置を実施するのに役立ち、移動検出精度を改善し、検知基板2332と制御基板2342との電気的接続を実施する。第1の溝2311-1が、マスタシリンダ部232と制御ユニット234との間に位置するとき、すなわち、移動センサ233が、マスタシリンダ部232の、制御ユニット234に近い側に位置するとき、移動センサ233の検知基板2332と制御ユニット234の制御基板2342との電気的接続を容易にするために、移動センサ233のハウジング2332は、L字形構造として設計されてもよく、すなわち、接続部2331-1および実装部2331-2はL字形構造を形成する。L字形構造のハウジング2331の内部には導電要素があり、これにより、検知素子2333によって生成される電気信号を制御ユニット234に送信するために、検知基板2332と制御基板2342との効果的な電気的接続が実施される。移動センサ233と制御基板2342との電気的接続は、コネクタクリップ、ばね接点、または金属パッド接点などであってもよい。これは本出願では制限されない。
【0083】
図10から図13に示されている制動装置23の構造と、図3から図6に示されている制動装置23の構造との違いは、移動センサ233の位置および構造の違いにある。別の構造の説明については、先の説明を参照されたい。ここでは詳細は再び説明しない。一部の可能な実施態様では、移動センサ233は、あるいは、マスタシリンダ部232の別の側に配置されてもよい。第1の溝2311-1の形状および深さは、図5および図12に示されているものに制限されず、第1の溝は、あるいは、傾斜して配置されてもよい。これは本出願では制限されない。
【0084】
本出願のこの実施態様で提供される制動装置23は、単純な構造を有する。これは、制動装置23の組立ての難しさを大幅に簡素化する。本出願の実施態様は、制動装置23の取付方法を提供する。図14に示されているように、実施態様による制動装置23の取付方法は、以下のステップを含む。
【0085】
T10:油圧ブロック231を製造する。
【0086】
図5および図6を参照されたい。油圧ブロック231は、第1の溝2311-1および第2の溝2311-2を具備し、第1の溝2311-1は、第2の溝2311-2の近くに配置され、第2の溝2311-2は、第1の方向A1に延在する。
【0087】
T20:マスタシリンダ部232を製造し、マスタシリンダ部232の一部を第2の溝2311-2内に配置し、マスタシリンダ部232の一部を油圧ブロック231に摺動可能に接続する。
【0088】
マスタシリンダ部232は、第1のピストン2321を含む。第1のピストン2321は、第2の溝2311-2内に配置され、油圧ブロック231に摺動可能に接続される。第1のピストン2321は内部に永久磁石2322を具備し、すなわち、マスタシリンダ部232は永久磁石2322を具備する。第1のピストン2321は、第1の方向A1において前後に動き得、永久磁石2322は、第1のピストン2321と共に第1の方向A1において前後に動き得る。永久磁石2322および第1のピストン2321は比較的静止したままである。
【0089】
T30:移動センサ233を製造し、移動センサ233を第1の溝2311-1内に配置し、移動センサ233を油圧ブロック231に固定して接続する。
【0090】
移動センサ233は、永久磁石2322の周囲に配置され、移動センサ233および第1の溝2311-1は、永久磁石2322の近くに配置される。移動センサ233は、第1のピストン2321の動きの量を決定するために永久磁石2322の動きの量を検出するように構成される。
【0091】
本出願では、永久磁石2322および移動センサ233の合理的なレイアウトによって、移動センサ233と永久磁石2322との間の寸法の連鎖が低減され、移動センサ233の信号精度が改善される。本出願における制動装置23は、単純な構造を有する。これは、実際の組立ての複雑さを大幅に簡素化する。永久磁石2322が、マスタシリンダ部232の第1のピストン内に配置され、マスタシリンダ部232は油圧ブロック231に取り付けられ、移動センサ233は油圧ブロック231に固定され、これにより、時間が短くなり、組立効率が高くなり、組立歩留まり率が高くなり、コストが低くなる。これは、制動装置23の産業化に寄与する。移動センサ233は、油圧ブロック231に直接固定される。これは、移動センサ233と永久磁石2322との間の寸法の連鎖を低減し、移動センサ233の信号精度を改善するのに役立つ。
【0092】
一部の可能な実施態様では、制動装置23の取付方法は、制御ユニット234を製造するステップと、制御ユニット234と油圧ブロック231とを積み重ねて配置するステップと、制御ユニット234を油圧ブロック231に固定するステップとをさらに含む。例えば、制動装置23は、制御ユニット234を含み、第1の溝2311-1の開口は、制御ユニット234に面する。制御ユニット234と油圧ブロック231とは積み重ねて配置され、第1の溝2311-1は制御ユニット234の内部空間と連通し、移動センサ233は、移動センサ233の密閉を実施するように、制御ユニット234の内部空間内に延在する。制御ユニット234は、案内工具によって油圧ブロック231に組み付けられ固定されてもよい。
【0093】
言い換えれば、移動センサ233の一部は、第1の溝2311-1内に延在し、永久磁石2322に隣接して配置され、移動センサ233の他の部分は、制御ユニット234の内部空間内に延在し、制御基板2342に電気的に接続されるように構成される。油圧ブロック231および制御ユニット234は、外部環境からの埃または水が移動センサ233に侵入して移動センサ233の性能に影響を及ぼすことを防止するために、移動センサ233に対する密閉機能を共同で果たす。移動センサ233は、油圧ブロック231および制御ユニット234によって形成された密閉環境内に常にあり、密閉保護を行う必要がなく(例えば、移動センサ233のハウジング2331の、マスタシリンダ部232に面する側は開口を具備してもよく、ハウジング2311-1は、検知基板2332および検知素子2333を外部から完全に隔離しない)、これにより、コストが低減される。加えて、移動センサ233の検知基板2332および検知素子2333は、保護のために密閉される必要がない。これはまた、移動センサ233の体積を低減し、制動装置23の内部空間を節約する。
【0094】
一部の可能な実施態様では、マスタシリンダ部232が、最初に油圧ブロック231に取り付けられてもよく、次に移動センサ233が油圧ブロック231に取り付けられ、次に制御ユニット234が油圧ブロック231に取り付けられる。あるいは、移動センサ233が、最初に油圧ブロック231に取り付けられてもよく、次にマスタシリンダ部232が油圧ブロック231に取り付けられ、次に制御ユニット234が油圧ブロック231に取り付けられる。あるいは、移動センサ233が、最初に油圧ブロック231に取り付けられてもよく、次に制御ユニット234が油圧ブロック231に取り付けられ、次にマスタシリンダ部232が油圧ブロック231に取り付けられる。これは本出願では制限されない。
【0095】
本出願では、永久磁石2322および移動センサ233の合理的なレイアウトによって、永久磁石2322と移動センサ233との間の寸法の連鎖が低減される。これは、移動センサ233の信号精度を改善するのに役立つ。加えて、移動センサ233は、永久磁石2322と移動センサ233との間の隙間を可能な限り小さくするために、永久磁石2322の近くに配置される。これは、移動センサ233の信号精度を効果的に改善する。
【0096】
前述の説明は、本出願の特定の実施態様にすぎず、本出願の保護範囲を制限することを意図されていない。本出願に開示されている技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0097】
10 ホイール
20 制動システム
21 オイル缶
22 ブレーキペダル
23 制動装置
24 ホイール制動ループ
25 ホイールブレーキ
26 回転防止機構
100 車両
231 油圧ブロック
232 マスタシリンダ部
233 移動センサ
234 制御ユニット
235 密閉構造
236 電磁弁
238 収容空間
2311-1 第1の溝
2311-2 第2の溝
2311-3 開放端
2311-4 制限端
2321 第1のピストン
2321-1 第1の領域
2321-2 第2の領域
2321-3 回転防止リブ
2322 永久磁石
2323 プッシュロッド
2324 構造スリーブ
2324-1 本体部
2324-2 案内部
2324-3 本体
2324-4 制限部
2324-5 回転防止溝
2325 第1の弾性構成要素
2326 第2の弾性構成要素
2327 第2のピストン
2327-1 第2のセパレータ
2328 第1のセパレータ
2331 ハウジング
2331-1 接続部
2331-2 実装部
2332 検知基板
2333 検知素子
2341 ハウジング
2342 制御基板
2371 第1の位置
2372 第2の位置
2373 中心位置
A1 第1の方向
A2 第2の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
図5を参照されたい。第1の溝2311-1の開口は制御ユニット234に面し、第1の溝2311-1は制御ユニット234の内部空間と連通し、移動センサ233は、移動センサ233の密閉を実施するように、制御ユニット234の内部空間内に延在する。言い換えれば、移動センサ233の一部は、第1の溝2311-1内に延在し、永久磁石2322に隣接して配置され、移動センサ233の他の部分は、制御ユニット234の内部空間内に延在し、制御基板2342に電気的に接続されるように構成される。これは、油圧ブロック231および制御ユニット234が閉じられた収容空間238を形成し、移動センサ233が収容空間238内に位置することとしても理解され得る。油圧ブロック231および制御ユニット234は、外部環境からの埃または水が移動センサ233に侵入して移動センサ233の性能に影響を及ぼすことを防止するために、移動センサ233に対する密閉機能を共同で果たす。移動センサ233は、油圧ブロック231および制御ユニット234によって形成された密閉環境内に常にあり、密閉保護を行う必要がなく(例えば、移動センサ233のハウジング2331の、マスタシリンダ部232に面する側は開口を具備してもよく、ハウジング2311は、検知基板2332および検知素子2333を外部から完全に隔離しないが、油圧ブロック231および制御ユニット234によって、検知基板2332および検知素子2333に対する密閉保護機能を果たす)、これにより、コストが低減される。加えて、移動センサ233の検知基板2332および検知素子2333は、保護のために密閉される必要がない。これはまた、移動センサ233の体積を低減し、制動装置23の内部空間を節約し、移動センサ233から永久磁石2322までの距離を低減する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
図11図12、および図13に示されているように、図11は、図10に示されている制動装置23の上面図であり、図12は、図11に示されている制動装置23のC-Cに沿った断面図であり、図13は、図11に示されている制動装置23のD-Dに沿った断面図である。移動センサ233のハウジング2331は、接続部2331-1および実装部2331-2を含む。接続部2331-1と実装部2331-2とは、夾角をなして配置される。実装部2331-2は、第1の溝2311-1内に位置し、油圧ブロック231に固定して接続される。検知素子2333および検知基板2332は、実装部2331-2内に位置する。接続部2331-1の一端は実装部2331-2に接続され、接続部2331-1の他端は制御ユニット234内に延在する。例えば、接続部2331-1と実装部2331-2との夾角は90°であってもよく、接続部2331-1と実装部2331-2とはL字形構造であってもよい。L字形構造の接続部2331-1および実装部2331-2の配置は、永久磁石2322に近い検知素子2333の配置を実施するのに役立ち、移動検出精度を改善し、検知基板2332と制御基板2342との電気的接続を実施する。第1の溝2311-1が、マスタシリンダ部232と制御ユニット234との間に位置するとき、すなわち、移動センサ233が、マスタシリンダ部232の、制御ユニット234に近い側に位置するとき、移動センサ233の検知基板2332と制御ユニット234の制御基板2342との電気的接続を容易にするために、移動センサ233のハウジング2331は、L字形構造として設計されてもよく、すなわち、接続部2331-1および実装部2331-2はL字形構造を形成する。L字形構造のハウジング2331の内部には導電要素があり、これにより、検知素子2333によって生成される電気信号を制御ユニット234に送信するために、検知基板2332と制御基板2342との効果的な電気的接続が実施される。移動センサ233と制御基板2342との電気的接続は、コネクタクリップ、ばね接点、または金属パッド接点などであってもよい。これは本出願では制限されない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ブロック、マスタシリンダ部、および移動センサを備える制動装置であって、前記油圧ブロックは、第1の溝および第2の溝を具備し、前記第2の溝は第1の方向に延在し、前記マスタシリンダ部は、前記第2の溝内に位置し、前記第2の溝に摺接し、前記マスタシリンダ部は、内部に永久磁石を具備し、前記移動センサは、前記第1の溝内に位置し、前記油圧ブロックに固定して接続され、前記永久磁石の動きの量を検出するように構成される、制動装置。
【請求項2】
前記移動センサは検知素子を具備し、前記検知素子は前記第1の溝内に位置し、前記検知素子と前記永久磁石との距離は閾値未満である、請求項1に記載の制動装置。
【請求項3】
前記油圧ブロックは、内部に管路を具備し、前記管路は、ブレーキフルードを送るように構成され、前記管路は、前記第1の溝と前記第2の溝との間の領域を回避するように前記油圧ブロック内に配される、請求項2に記載の制動装置。
【請求項4】
前記第1の溝および前記第2の溝は密閉されて隔離される、請求項2に記載の制動装置。
【請求項5】
前記永久磁石は、第1の位置と第2の位置との間を動き、前記第1の位置と前記第2の位置との間の中心位置は、第2の方向において前記移動センサに垂直に投影され、前記第2の方向は、前記第1の方向に垂直である、請求項1から4のいずれか一項に記載の制動装置。
【請求項6】
前記制動装置は制御ユニットを備え、前記制御ユニットと前記油圧ブロックとは積み重ねて配置され、前記第1の溝の開口は、前記制御ユニットに面し、前記第1の溝は、前記制御ユニットの内部空間と連通し、前記移動センサは、前記制御ユニットの前記内部空間内に延在する、請求項1に記載の制動装置。
【請求項7】
前記制動装置は密閉構造を具備し、前記密閉構造は、前記制御ユニットと前記油圧ブロックとの間に位置する、請求項6に記載の制動装置。
【請求項8】
前記移動センサおよび前記マスタシリンダ部は、前記油圧ブロックと前記制御ユニットとが積み重ねられる方向に垂直な方向に配される、請求項6に記載の制動装置。
【請求項9】
前記第1の溝は、前記マスタシリンダ部と前記制御ユニットとの間に位置する、請求項6に記載の制動装置。
【請求項10】
前記移動センサはハウジングを具備し、前記ハウジングは、実装部および接続部を備え、前記実装部は、前記第1の溝内に位置し、前記油圧ブロックに固定して接続され、検知素子は、前記実装部内に位置し、前記接続部の一端は、前記実装部に接続され、前記接続部の他端は、前記制御ユニット内に延在する、請求項9に記載の制動装置。
【請求項11】
前記制動装置は構造スリーブを具備し、前記構造スリーブは、非強磁性材料で作製され、前記構造スリーブは、前記永久磁石を包み込み、前記マスタシリンダ部の内部に位置する、請求項1から10のいずれか一項に記載の制動装置。
【請求項12】
前記マスタシリンダ部は弾性構成要素を具備し、前記構造スリーブは本体部および案内部を備え、前記本体部は前記永久磁石を包み込み、前記弾性構成要素の一端は、前記案内部にスリーブ付けされ、前記本体部に当接する、請求項11に記載の制動装置。
【請求項13】
前記マスタシリンダ部は第1のピストンを備え、前記永久磁石および前記構造スリーブは両方とも前記第1のピストンの内部に位置し、前記本体部は本体および制限部を備え、前記制限部は、前記本体の外壁の周りを取り囲み、前記第1のピストンの内壁は、第1の領域および第2の領域を備え、前記本体は前記第1の領域に対応して配置され、前記制限部は前記第2の領域に対応して配置され、前記制限部は前記第1の領域の端部に当接する、請求項12に記載の制動装置。
【請求項14】
前記制動装置は回転防止機構を備え、前記回転防止機構は、前記永久磁石が前記永久磁石の周方向に回転することを防止するように構成される、請求項11に記載の制動装置。
【請求項15】
ホイール制動ループと、ホイールブレーキと、請求項1から14のいずれか一項に記載の制動装置とを備える制動システムであって、前記ホイール制動ループは、前記油圧ブロックと前記ホイールブレーキとに接続される、制動システム。
【国際調査報告】