(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】デュアルポンプ調合システム用のアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B65D83/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526758
(86)(22)【出願日】2021-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 CN2021129275
(87)【国際公開番号】W WO2023077507
(87)【国際公開日】2023-05-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ユン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】クエ,チュウチェン
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA03
3E014PB05
3E014PC03
3E014PD12
3E014PE15
3E014PF10
(57)【要約】
【解決手段】 デュアルポンプ調合システム用の作動機構は、アクチュエータハウジングと、半螺旋状インサートと、任意にメッシュスクリーン(3)とを備える。作動機構は、化粧品及びパーソナルケア分野で使用されるタイプの機械式ポンプディスペンサで得られた力の下で流れる粘性生成物を混合することを意図している。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動機構であって、
第1生成物リザーバから第1生成物を受容することができる第1流入経路と、
第2生成物リザーバから第2生成物を受容することができる第2流入経路と、
アクチュエータハウジングの外側に開口する出口と、
前記第1及び第2生成物を前記第1及び第2流入経路から前記出口に導くための流路と、
を含む前記アクチュエータハウジングを備え、
前端部と、
後端部と、
下側部分と、
上側半円筒形部分の長さに沿って延伸する半螺旋状経路を有する前記上側半円筒形部分と、を含み、前記
半螺旋状インサートは、前記アクチュエータハウジング内に配置されており、前記第1及び第2生成物を前記第1及び第2流入経路から前記出口に導くための前記流路は前記半螺旋状経路を必ず通過する、
前記半螺旋状インサートを備える、作動機構。
【請求項2】
前記半螺旋状経路は、前記上側半円筒形部分の周りを1回転~10回転する、請求項1に記載の作動機構。
【請求項3】
前記アクチュエータハウジングの前記流路は、ダクトを介して接続された上側流路と下側流路とに分割され、
前記第1及び第2流入経路は、前記下側流路に開口し、
前記上側半円筒形部分は、前記上側流路内に配置される、請求項2に記載の作動機構。
【請求項4】
前記流路内に配置されるメッシュスクリーンを更に備え、前記第1及び第2生成物が前記メッシュスクリーンを必ず通過する、請求項2に記載の作動機構。
【請求項5】
前記第1及び第2生成物は、前記半螺旋状経路に到達する前に前記メッシュスクリーンを通過する、請求項4に記載の作動機構。
【請求項6】
前記メッシュスクリーンは、50穴/平方インチ~300穴/平方インチを有する、請求項5に記載の作動機構。
【請求項7】
前記半螺旋状インサートの前記下側部分は、前記アクチュエータハウジングの前記下側流路にぴったりと嵌合し、生成物が前記アクチュエータハウジングの前記出口に向かって流れるのを防止する、請求項1に記載の作動機構。
【請求項8】
前記アクチュエータハウジングは、前記アクチュエータハウジングの前記出口付近に環状溝を更に備え、
前記半螺旋状インサートは、前記半螺旋状インサートの前記前端部付近に環状戻り止めを更に備え、
前記環状戻り止めは、前記環状溝内に収まることで、前記アクチュエータハウジング内で所定の位置に前記インサートを保持できる、
請求項1に記載の作動機構。
【請求項9】
前記第1流入経路は、デュアルポンプ機構の第1ステムを受容することが可能であり、前記第2流入経路は、前記デュアルポンプ機構の第2ステムを受容することが可能である、請求項1に記載の作動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア生成物のための調合システムの分野に関する。より具体的には、本発明は、2つの生成物を同時に調合するための2つの機械式ポンプディスペンサを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
別々の生成物リザーバから2つの異なる生成物を同時に調合する化粧品及びパーソナルケア用調合システムが知られている。そのようなシステムは、2つの機械式ポンプディスペンサ(各リザーバに対して1つ)を使用してもよいし、両方のリザーバから生成物を引き出す1つの機械式ポンプディスペンサを使用してもよい。いずれの場合も、通常は、1つの作動機構のみが存在する。2つの機械式ポンプディスペンサの場合、2つの生成物は、それらが皮膚などの塗布面上に付着するまで混合されなくてもよい。このタイプのシステムは、2つの生成物が互いに反応する場合に好ましいかもしれないが、使用時まで反応しないようにするべきである。あるいは、2つの生成物は、それらが作動機構を通過する際に互いに混合されてもよい。
【発明の概要】
【0003】
目的
本発明の主な目的は、2つの生成物が作動機構を通過する際に、それらを完全に混合する作動機構を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、2つの生成物がデュアルポンプ調合システムによって調合される際に、2つの生成物を完全に混合するデュアルポンプ調合システムのための作動機構を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本発明にかかるアクチュエータ機構を示す。
【
図2】
図2は、アクチュエータハウジングの断面立面図である。
【
図3】
図3は、アクチュエータハウジングの断面斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明にかかる半螺旋状インサートの側面立面図である。
【
図6】
図6は、本発明にかかる半螺旋状インサートの上面図である。
【
図7】
図7は、
図6の半螺旋状インサート及びメッシュスクリーンの底面斜視図である。
【
図8】
図8は、デュアルポンプ機構のステムに固定され組み立てられた作動機構の断面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
概要
本発明によれば、デュアルポンプ調合システム用の作動機構は、アクチュエータハウジング(1)と、半螺旋状インサート(2)と、任意にメッシュスクリーン(3)とを備える。作動機構は、化粧品及びパーソナルケア分野で使用されるタイプの機械式ポンプディスペンサで得られた力の下で流れる粘性生成物を混合することを意図している。粘性生成物には、化粧品及びパーソナルケア分野で一般的なタイプのクリーム、ローション、及び血清が含まれる。
【0007】
詳細な説明
アクチュエータハウジング
図1~
図3を参照すると、アクチュエータハウジング(1)は、上部(1a)、開放底部(1b)、及びスカート壁(1c)を含む。上部は通常、アクチュエータハウジングが取り付けられるデュアルポンプ機構を作動させるための指圧を受ける面として機能することができる。スカート壁は、第1生成物リザーバから第1生成物を受容することができる第1流入経路(1d)と、第2生成物リザーバから第2生成物を受容することができる第2流入経路(1e)とを包囲する。第1及び第2生成物を第1及び第2流入経路から半螺旋状インサート(下記参照)に導き、最終的にアクチュエータハウジングの外側に開口する出口(1k)から排出するための流路が設けられる。流路は、下側流路と上側流路とに分割されてもよい。例えば、アクチュエータハウジングはバレル(1f)を含んでもよい。バレルは、通常は円筒形であり、前部及び後部を含む。バレルは、隔壁(1g)によって、下側流路(1h)と上側流路(1i)とに長手方向に分割される。第1及び第2流入経路は、バレルの下側流路に開口している。バレルの後部に向かって、下側流路は、ダクト(1j)を介して上側流路に接続(または連通)する。バレルの前部は、アクチュエータハウジングの外側に開口する出口(1k)で終端する。任意に、バレルの出口(1k)付近のバレルの壁に、環状溝(1l)のようなスナップフィット機能を形成してもよい。第1及び第2流入経路(1d,1e)の各々は、2つの生成物リザーバのうちの正確に1つから生成物を受容することができる。例えば、第1流入経路は、デュアルポンプ機構の第1ステムを受容することが可能であり、第2流入経路は、デュアルポンプ機構の第2ステムを受容することが可能である。流入経路は、当該技術分野で一般的に行われるように、締り嵌めによってデュアルポンプ機構のステム(4d,4e)に固定される。
【0008】
半螺旋状インサート
図4~
図7は、本発明の好ましい実施形態にかかる半螺旋状インサート(2)を示す。半螺旋状インサートは、前端部(2a)及び後端部(2b)を有する長尺部材である。インサートは、アクチュエータハウジング(1)に嵌合するように設計されており、第1及び第2生成物を第1及び第2流入経路(1d,1e)から導くための流路は半螺旋状インサートを必ず通過する。例えば、インサートは、出口(1k)を通ってアクチュエータハウジング(1)のバレル(1f)に嵌合するように設計されてもよい。
【0009】
半螺旋状インサート(2)は、前端部付近が円筒形であり、後端部に向かって、比較的短い下側部分(2h)と比較的長い上側部分(2i)とに分岐していてもよい。下側部分は、下側流路(1h)にぴったりと嵌合し、生成物がバレルの出口(1k)に向かって流れるのを防止する。この下側部分の長さは、下側部分が第1流入経路(1d)の手前で止まるようになっている。上側部分は、丸みを帯びた面(2d)及び平坦な面(2e)からなる半円筒形部分として形成される。上側半円筒形部分(2i)は、上側流路(1i)にぴったりと嵌合し、バレル(1f)の後部に向かってダクト(1j)上に延伸する。半螺旋状経路(2f)は、上側部分の丸みを帯びた面及び平坦な面を通過する際に、上側半円筒形部分の長さに沿って延伸する。半螺旋状経路の一端は、第1通路(2j)を介してアクチュエータハウジング(1)のダクト(1j)と連通する。半螺旋状経路の他端は、アクチュエータハウジングの出口(1k)と同心の出口オリフィス(2k)につながる第2通路(2m)内で終端する。任意に、半螺旋状インサートの前端部付近に環状戻り止め(2l)のようなスナップフィット機構を形成してもよい。戻り止めを、バレル(1f)の壁の環状溝(1l)内に収まるようにすることで、アクチュエータハウジング内で所定の位置にインサートを保持できる。
【0010】
半螺旋状経路(2f)は、上側半円筒形部分(2i)の周りを少なくとも1回転することが好ましい。より好ましくは、半螺旋状経路は、上側半円筒形部分の周りを1回転~10回転する。例えば、
図6は、上側半円筒形部分の周りを5回転する半螺旋状経路を示す。
【0011】
メッシュスクリーン
任意に、しかし好ましくは、メッシュスクリーン(3)は、第1及び第2生成物がメッシュスクリーンを必ず通過するように流路内に配置される。生成物は、半螺旋状経路に到達する前にメッシュスクリーンを通過することが好ましい。例えば、メッシュスクリーン(3)を、アクチュエータハウジング(1)のダクト(1j)と半螺旋状インサート(2)の第1通路(2j)との間に配置してもよい。メッシュは、2つの生成物が半螺旋状経路を通って移動し始める前に、予混合工程と、場合によっては脱集塊工程を行う。スクリーンは、ポリプロピレンなどの任意の適切な材料で作られてもよい。有用なメッシュサイズは、混合される2つの生成物の厚み及び粘度に依存し得る。有用なサイズとしては、50穴/平方インチ~300穴/平方インチがある。メッシュスクリーンの穴が多いほど、2つの生成物の混合はより完全になる。
【0012】
動作原理
図8を参照すると、使用時には、2つの異なる生成物がそれぞれ自身のリザーバ(図示せず)から2つのステム(4d,4e)を通って、第1及び第2流入経路(1d,1e)に流れる。次いで、2つの生成物は下側流(1h)路に入り、そこで接触するが、完全には混合しない。そこで形成し、2つの生成物は、ダクト(1j)、メッシュスクリーン(3)、及び螺旋状インサート(2)の第1通路(2j)を通って送られる。そこから、部分的に混合された生成物は、半螺旋状経路(2f)に流入する。両方の生成物が半螺旋状経路を進むにつれて、摩擦及び粘度の差によって引き起こる乱流により、生成物はより完全に混合される。生成物が半螺旋状インサートの丸みを帯びた面(2d)から平坦な面(2e)を通過し、丸みを帯びた面に戻ってくるときに起こる流通方向の急激な変化の結果として、著しい乱流が生じる。この幾何学的形状は、インサートが急激な方向転換のない完全円筒形の螺旋状に形成される場合よりも、非常に効率的な混合をもたらす。完全に混合された生成物は、半螺旋状経路(2f)から第2通路(2m)に流出し、半螺旋状インサートの出口オリフィス(2k)を通過し、アクチュエータハウジング(1)の外へと続く。
【国際調査報告】