(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】回転式IVCシステム
(51)【国際特許分類】
A01K 29/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A01K29/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545059
(86)(22)【出願日】2023-04-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 CN2023089014
(87)【国際公開番号】W WO2023231619
(87)【国際公開日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】202210611785.0
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524137341
【氏名又は名称】蘇州猴皇動物実験設備科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】王 樹新
(57)【要約】
本発明は、ケージ固定枠と、ケージとを含む回転式IVCシステムを開示する。ケージ固定枠の中では互いに独立し且つ嵌合して設けられる送気管路及び排気管路が形成され、ケージ固定枠には、送気管路に連通する複数の送気口及び排気管路に連通する複数の排気管が設けられ、複数のケージはケージ固定枠に設けられ、各ケージにはいずれも1つの送気口及び1つの排気管が連通する。送気管路、排気管路は、それぞれ、バリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通することができ、これによってケージ内の空気が排気管を経て排気管路から新鮮空気送排気システムに持続的に排出されると同時に、新鮮空気送排気システムによって浄化された清潔空気が送気管路を経て送気口からケージに注入され、これによって、ケージ内の空気の新鮮さと清潔さが保たれる。本発明の回転式IVCシステムは、ケージ内の環境に対する外部環境の影響を大幅に軽減させて、実験の精度を向上させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式IVCシステムであって、
中では互いに独立し且つ嵌合して設けられる送気管路及び排気管路が形成されるケージ固定枠であって、前記ケージ固定枠には、前記送気管路に連通する複数の送気口及び前記排気管路に連通する複数の排気管が設けられるケージ固定枠と、
ケージであって、複数の前記ケージは前記ケージ固定枠に設けられ、各前記ケージにはいずれも1つの前記送気口及び1つの前記排気管が連通するケージと、を含み、
前記送気管路及び排気管路は、それぞれ、バリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通することができ、新鮮空気送排気システムの持続的な動作が保たれる状態では、ケージ内の空気が前記排気管を経て前記排気管路から新鮮空気送排気システムに持続的に排出され、且つ新鮮空気送排気システムによって浄化された清潔空気が前記送気管路を経て前記送気口からケージに注入され、これによって、ケージ内の空気の新鮮さと清潔さが保たれることを特徴とする回転式IVCシステム。
【請求項2】
前記ケージ固定枠は、複数のケージ固定枠ユニットを含み、各前記ケージ固定枠ユニットは、
前記ケージを設置するための固定枠底面と、
前記固定枠底面の中央に形成され且つ前記固定枠底面を垂直に貫通して設けられる固定枠側壁であって、前記固定枠側壁が囲んでエアチャンバーを形成させ、前記送気口が前記固定枠側壁に開設される固定枠側壁と、を含み、
複数の前記ケージ固定枠ユニットは、上下方向に沿って積層して設けられ、隣接する前記固定枠側壁同士が密封して嵌合され、各ケージ固定枠ユニットに連通する送気管路が形成されることを特徴とする請求項1に記載の回転式IVCシステム。
【請求項3】
前記固定枠側壁が囲んで形成されたエアチャンバー内にはさらに独立的なエアルーメンが形成され、前記エアルーメンは前記固定枠側壁に対して前記排気管を介して接続されるように設けられ、各前記エアルーメンがいずれも隣接する前記エアルーメンと密封して連通して、各ケージ固定枠ユニットに連通する排気管路が形成されることを特徴とする請求項2に記載の回転式IVCシステム。
【請求項4】
前記回転式IVCシステムは、支持管をさらに含み、前記支持管は、複数の前記エアルーメンを貫通して設けられ且つ前記エアルーメンに対して密封して設けられ、前記支持管における各前記エアルーメンに対応する箇所に複数の抽気孔が開設され、前記支持管が前記エアルーメンと共に前記排気管路を形成することを特徴とする請求項3に記載の回転式IVCシステム。
【請求項5】
各前記エアルーメンに対応する抽気孔の総面積は、前記支持管の抽気方向に沿って、8%~15%の比率で次第に減少することを特徴とする請求項4に記載の回転式IVCシステム。
【請求項6】
前記支持管における抽気孔の数は前記支持管の抽気方向に沿って次第に減少することを特徴とする請求項5に記載の回転式IVCシステム。
【請求項7】
前記支持管における抽気孔の大きさは、前記支持管の抽気方向に沿って次第に小さくなることを特徴とする請求項5に記載の回転式IVCシステム。
【請求項8】
前記エアルーメンと前記固定枠側壁との間にさらに補強リブが設けられ、前記補強リブは、前記エアルーメンの下端面に設けられ且つ前記支持管を取り囲む管部と、前記管部から前記固定枠側壁に延伸するように設けられる複数のリブ部とを含むことを特徴とする請求項4に記載の回転式IVCシステム。
【請求項9】
前記エアルーメンに密封エンドカバーが設けられ、前記密封エンドカバーに、前記支持管を穿設する貫通孔が形成され、前記密封エンドカバーが前記エアルーメンを密封して、それが前記支持管の内部及び前記排気管とだけ流体の連通を形成するようにすることを特徴とする請求項4に記載の回転式IVCシステム。
【請求項10】
前記固定枠底面の上端面は、径方向に沿って設けられる複数の突条によって複数のケージに対応する複数の等分に分けられ、各等分内において、固定枠底面の縁部からその中心部に延伸するスライド溝及び2つの固定孔が設けられ、前記スライド溝及び2つの固定孔は三角形のように分布し、前記ケージの下端に、前記スライド溝及び固定孔に適合するスライドレール及び固定部が設けられることを特徴とする請求項2に記載の回転式IVCシステム。
【請求項11】
前記固定枠側壁は、前記固定枠底面の上端面に形成される第1多角形側壁と、前記固定枠底面の下端面に形成される第2多角形側壁とを含み、前記第1多角形側壁と前記第2多角形側壁は同軸で設けられ、前記第1多角形側壁の各辺は隣接する2つの突条に適合し、
前記固定枠底面の第2多角形側壁の下端は、前記固定枠底面の下方に設けられる別の固定枠底面の第1多角形側壁の上端に密封して嵌合されて、各ケージ固定枠ユニットに連通する送気管路を形成してもよいことを特徴とする請求項10に記載の回転式IVCシステム。
【請求項12】
前記回転式IVCシステムは、ケージ固定枠を収容するためのケージフレームをさらに含み、前記ケージフレームは、底板と、上板と、上板と底板との間に設けられる複数のピラーとを含み、前記ケージ固定枠は回転可能に前記ケージフレーム内に設けられ、前記底板の下端面に複数のキャスターが固定して設けられることを特徴とする請求項1に記載の回転式IVCシステム。
【請求項13】
前記上板及び底板に、前記排気管路に連通する抽気口が開設され、前記上板に、前記抽気口を取り囲んで前記送気管路に連通する吸気口が開設され、前記抽気口及び吸気口がクイックコネクションを備えるケージフレーム流体配管を介してバリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通し、これによって、ケージ循環新鮮空気送排気システムが構成されることを特徴とする請求項12に記載の回転式IVCシステム。
【請求項14】
前記上板の下端面とケージ固定枠の上端面との間で送気管路と吸気口の接合位置、排気管路と抽気口の接合位置に対応する箇所にいずれもシールリング及び軸部品が設けられ、前記底板における排気管路と抽気口の接合位置に対応する箇所に軸部品が設けられることを特徴とする請求項13に記載の回転式IVCシステム。
【請求項15】
複数の前記排気管の長さ及び孔径はいずれも同じであり、複数の前記送気口の孔径は同じであることを特徴とする請求項1に記載の回転式IVCシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2022年5月31日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が2022106117850で、発明の名称が「回転式IVCシステム」である中国特許出願の優先権を主張し、当該出願の全体の内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、実験動物飼育装置の技術分野に関し、特に、回転式IVCシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
国家基準GB14925「実験動物向けの環境と施設」で定められた要件によると、実験動物の飼育及び実験環境は全体的にSPF基準に達する必要がある。全ての実験機関は実験環境を作り変えて、バリア環境を構築しているが、バリア環境施設をどのように動的に動作させ、維持するかは解決しにくい課題となっており、存続していける機関は極めて少ない。1990年代、一部の先進国ではIVC(Individually Ventilated Cage、個別換気ケージ)の使用の普及でバリア環境の操作手順が大きく簡素化された。人間と動物の生活環境を分離させることで、動物はクラス10000以上の浄化ケージ及びクラス100の浄化クリーンベンチ内でSPF基準の清潔さを利用するとともに、実験動物の飼育者及び動物実験者が高度な清掃を行う煩わしさが避けられ、動物同士と人間と動物との間の交差感染が効果的に防がれ、実験スタッフ及び飼育者の健康と安全が保証される。
【0004】
IVCシステムケージの使用で、巨大なバリア環境全体を維持することがケージの正常な動作だけを維持することに変わり、必要な費用はバリア環境全体の維持費用の1/7だけに相当するが、動作する時に生じる熱、騒音、振動などが実験動物に一定の影響を与え、しかもケージフレームの使用面積は依然として大きく、飼育密度は依然として高くないため、コストは依然として非常に高い。
【0005】
これに鑑みて、出願人がかつて中央排気換気ケージシステム(EVC)を提案し、設置可能なケージの数に影響が及ばないことを前提として、ケージフレームの使用面積が大幅に低減され、飼育密度は増し、飼育のコストは低減される。しかしながら、当該中央排気換気ケージシステム(EVC)はケージ内の汚れた空気を排出することはできるが、ケージに入る空気は依然としては実験室内の大気であり、大気の中には一般的に様々な環境影響要因が含まれているため、動物実験又は動物飼育を清潔な環境で行うことができず、実験の効果又は実験の結果に影響が及び、それらは不正確になる。
【0006】
背景技術の部分で開示されている情報は、本発明の全体的な背景に対する理解を向上させるためのものに過ぎず、当該情報が当業者の公知となっている従来技術を構成することを認め、又は何らかの形でそれを示唆するものと見なすべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、回転式IVCシステム(EVC)を提供することであり、それは構造がシンプルで、使用面積が小さく且つ飼育密度が大きく、ケージ内の環境に対する外部環境の影響を大幅に軽減させて、実験の精度を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例は、上記の目的を達成するために、ケージ固定枠と、ケージとを含む回転式IVCシステムを提供する。
【0009】
前記ケージ固定枠の中では互いに独立し且つ嵌合して設けられる送気管路及び排気管路が形成され、前記ケージ固定枠には、前記送気管路に連通する複数の送気口及び前記排気管路に連通する複数の排気管が設けられ、複数の前記ケージは前記ケージ固定枠に設けられ、各前記ケージにはいずれも1つの前記送気口及び1つの前記排気管が連通する。前記送気管路及び排気管路は、それぞれ、バリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通することができ、新鮮空気送排気システムの持続的な動作が保たれる状態では、ケージ内の空気が前記排気管を経て前記排気管路から新鮮空気送排気システムに持続的に排出されると同時に、新鮮空気送排気システムによって浄化された清潔空気が前記送気管路を経て前記送気口からケージに注入され、これによって、ケージ内の空気の新鮮さと清潔さが保たれる。
【0010】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記ケージ固定枠は、複数のケージ固定枠ユニットを含み、各前記ケージ固定枠ユニットは、前記ケージを設置するための固定枠底面と、前記固定枠底面の中央に形成され且つ前記固定枠底面を垂直に貫通して設けられる固定枠側壁であって、前記固定枠側壁が囲んでエアチャンバーを形成させ、前記送気口が前記固定枠側壁に開設される固定枠側壁とを含む。複数の前記ケージ固定枠ユニットは、上下方向に沿って積層して設けられ、隣接する前記固定枠側壁同士が密封して嵌合され、各ケージ固定枠ユニットに連通する送気管路が形成される。
【0011】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記固定枠側壁が囲んで形成されたエアチャンバー内にはさらに独立的なエアルーメンが形成され、前記エアルーメンは前記固定枠側壁に対して前記排気管を介して接続されるように設けられ、各前記エアルーメンがいずれも隣接する前記エアルーメンと密封して連通して、各ケージ固定枠ユニットに連通する排気管路が形成される。
【0012】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記回転式IVCシステムは、支持管をさらに含み、前記支持管は、複数の前記エアルーメンを貫通して設けられ且つ前記エアルーメンに対して密封して設けられ、前記支持管における各前記エアルーメンに対応する箇所に複数の抽気孔が開設され、前記支持管が前記エアルーメンと共に前記排気管路を形成する。
【0013】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、各前記エアルーメンに対応する抽気孔の総面積は、前記支持管の抽気方向に沿って、8%~15%の比率で次第に減少し、好ましくは、当該次第に減少する比率を10%とする。
【0014】
例えば、支持管の抽気方向において、前の前記エアルーメンに対応する抽気孔の総面積がπ×12cm2であれば、次の前記エアルーメンに対応する抽気孔の総面積は0.9×π×12cm2であり、このように類推する。
【0015】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記支持管における抽気孔の数は前記支持管の抽気方向に沿って次第に減少する。
【0016】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記支持管における抽気孔の大きさは、前記支持管の抽気方向に沿って次第に小さくなる。
【0017】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記エアルーメンと前記固定枠側壁との間にさらに補強リブが設けられ、前記補強リブは、前記エアルーメンの下端面に設けられ且つ前記支持管を取り囲む管部と、前記管部から前記固定枠側壁に延伸するように設けられる複数のリブ部とを含む。
【0018】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記エアルーメンに密封エンドカバーが設けられ、前記密封エンドカバーに、前記支持管を穿設する貫通孔が形成され、前記密封エンドカバーが前記エアルーメンを密封して、それが前記支持管の内部及び前記排気管とだけ流体の連通を形成するようにする。
【0019】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記固定枠底面の上端面は、径方向に沿って設けられる複数の突条によって複数のケージに対応する複数の等分に分けられ、各等分内において、固定枠底面の縁部からその中心部に延伸するスライド溝及び2つの固定孔が設けられ、前記スライド溝及び2つの固定孔は三角形のように分布し、前記ケージの下端に、前記スライド溝及び固定孔に適合するスライドレール及び固定部が設けられる。
【0020】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記固定枠側壁は、前記固定枠底面の上端面に形成される第1多角形側壁と、前記固定枠底面の下端面に形成される第2多角形側壁とを含み、前記第1多角形側壁と前記第2多角形側壁は同軸で設けられ、前記第1多角形側壁の各辺は隣接する2つの突条に適合する。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記固定枠底面の第2多角形側壁の下端は、前記固定枠底面の下方に設けられる別の固定枠底面の第1多角形側壁の上端に密封して嵌合されて、各ケージ固定枠ユニットに連通する送気管路を形成してもよい。
【0022】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記回転式IVCシステムは、ケージ固定枠を収容するためのケージフレームをさらに含み、前記ケージフレームは、底板と、上板と、上板と底板との間に設けられる複数のピラーとを含み、前記ケージ固定枠は回転可能に前記ケージフレーム内に設けられ、前記底板の下端面に複数のキャスターが固定して設けられる。
【0023】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記上板及び底板に、前記排気管路に連通する抽気口が開設され、前記上板及び底板に、前記抽気口を取り囲んで前記送気管路に連通する吸気口が開設され、前記抽気口及び吸気口がクイックコネクションを備えるケージフレーム流体配管を介してバリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通し、これによって、ケージ循環新鮮空気送排気システムが構成される。
【0024】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、前記上板の下端面とケージ固定枠の上端面との間で送気管路と吸気口の接合位置、排気管路と抽気口の接合位置に対応する箇所にいずれもシールリング及び軸部品が設けられ、前記底板における排気管路と抽気口の接合位置に対応する箇所に軸部品が設けられる。
【0025】
本発明の1つ又は複数の実施形態では、複数の前記排気管の長さ及び孔径はいずれも同じであり、複数の前記送気口の孔径は同じである。
【発明の効果】
【0026】
従来技術に比べて、本発明の実施形態の回転式IVCシステムは、構造がシンプルで、使用面積が小さく且つ飼育密度が大きく、ケージ固定枠内に互いに干渉しない2つの通気管路が形成され、ケージがそれぞれ当該2つの通気管路に連通し、2つの通気管路がバリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通することによって、新鮮空気送排気システムがケージ固定枠及びケージと内循環を形成し、ケージ内の汚れた空気を抜け出して浄化してからケージ内に送り返すことにより、ケージ内の環境に対する外部環境の影響を大幅に軽減させて、実験の精度を向上させることができる。
【0027】
本発明の実施形態の回転式IVCシステムは、支持管を設けることによってケージ固定枠の構造を強化し、ケージ固定枠ユニット内の独立的なエアルーメンを支持管に連通することによって排気管路(抽気用)を構成し、各エアルーメンに対応する抽気孔の総面積を変更し、それを支持管の抽気方向に沿って、8%~15%の比率で次第に減少させることによって支持管が抜き出す風量が実質的に一致するようにし、これによってケージ内から抽出される汚れた空気の流量が一致することを保証し、実験影響要因の干渉を一層制御する。具体的には、例えば、支持管において抽気方向に沿って数が次第に減少する抽気孔又は内径が次第に小さくなる抽気孔によって支持管が抜き出す風量が実質的に一致するようにし、これによってケージ内に入る新鮮空気の流量が一致することを保証し、実験影響要因の干渉を一層制御し、また、ケージ固定枠ユニット内の独立的なエアルーメンは支持管が抜き出す汚れた空気を一時的に保管及び緩衝することもでき、各ケージ内から抽出される汚れた空気の量の精度をさらに向上させる。
【0028】
本発明の実施形態の回転式IVCシステムは、単位面積当たりの飼育動物の数を増やし、空間をより科学的、効果的に利用しており、費用は従来のIVCよりもさらに2/3低減することが可能であり、これによって、高い維持費用に耐え切れずに実験環境の基準及び要件を下げざるを得ない多くの実験機関は、国が強制的に定めた実験基準で実験操作を行うことができるようになり、実験データの正確度及び信頼性を大幅に向上させている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態の回転式IVCシステムの立体構造図である。
【
図2】本発明の一実施形態の回転式IVCシステムの断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態の回転式IVCシステムのケージ固定枠ユニットの立体構造図である。
【
図5】本発明の一実施形態の回転式IVCシステムのケージ固定枠ユニットの平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態の回転式IVCシステムのケージ固定枠ユニットの側面図である。
【
図7】本発明の一実施形態の回転式IVCシステムのケージ固定枠ユニットの断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態の回転式IVCシステムのケージの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に図面を参照して、本発明の特定の実施形態を詳細に説明し、ただし、本発明の保護範囲は特定の実施形態によって制限されないということを理解されたい。
【0031】
特に、他に明確な説明がない限り、明細書全体及び特許請求の範囲において、用語「含む」又はその変形、例えば、「包含する」又は「含んでいる」などは、記載されている部品又は構成部分を含み、他の部品又は他の構成部分は排除しないように理解すべきである。
【0032】
図1及び
図2に示されるように、本発明の一実施形態は、ケージフレーム10と、ケージ固定枠20と、支持管30と、ケージ40とを含む回転式IVCシステムを提供する。ケージ固定枠20は、ケージフレーム10内に設けられ、支持管30は、ケージフレーム10及びケージ固定枠20内に縦方向に穿設され、複数のケージ40は、ケージ固定枠20に設けられる。ケージ固定枠20は、積層して設けられる複数の円形の回転式ケージ固定枠ユニット21によって構成され、各ケージ固定枠ユニット21の中に複数のケージ40が設置されてもよい。
【0033】
ケージフレーム10は、304ステンレス鋼材料から作製されてもよい。ケージフレーム10は、底板11と、上板12と、4つのピラー13とを含む。4つのピラー13は、ケージフレーム10の四隅に分布し、その両端がそれぞれ底板11、上板12に固定して接続される。底板11及び上板12には対称に設けられる抽気口15が開設され、上板12には抽気口15を取り囲んで吸気口16が開設される。抽気口15、吸気口16は、それぞれ、クイックコネクションを備えるケージフレーム流体配管を介してバリア環境の新鮮空気送排気システムに連通し、これによって、ケージ循環新鮮空気送排気システムが構成される。底板11の下端面の四隅に4つのキャスター14が固定して接続される。
【0034】
図4から
図7に示されるように、円形の回転式ケージ固定枠ユニット21は、固定枠底面211を含み、固定枠底面211は、本実施例で円形の構造として構成される。固定枠底面211の上端面は、径方向に沿って設けられる20の突条212によって十等分され、各等分内において、固定枠底面の縁部からその中心部に延伸するスライド溝213が設けられ、スライド溝213の溝幅は、固定枠底面211の中心部を指す方向に沿って次第に小さくなる。各等分内の固定枠底面211には、スライド溝213の両側にさらに2つの固定孔214が設けられ、且つスライド溝213の狭い端部にも貫通孔215が設けられ、各ケージ40の下端面に、スライド溝213に適合するスライドレール及び固定孔214に適合する固定部44が設けられ、スライドレールの前端に係合部43が設けられ、スライドレールがスライド溝213に適合すること、固定部44が固定孔214に適合すること及び係合部43が貫通孔215に適合することによって、ケージ40と固定枠底面211との間で安定的な三角形の固定構造を形成して、ケージ40が傾いたり緩んだりすることを避けることができ、これは
図8に示すとおりである。他の実施例では、スライドレールは設けず、直接に係合部43を帯状のレール構造として構成させても、スライドレールとしての機能を果たすことができる。
【0035】
固定枠底面211の上端面及び下端面の中心部に、それぞれ、十角形の第1多角形側壁216、十角形の第2多角形側壁217が同軸で設けられ、第1多角形側壁216と第2多角形側壁217は中心が同軸となって設けられ且つ固定枠底面211を垂直に貫通し、第1多角形側壁216が第2多角形側壁217と共にケージ固定枠ユニット21の固定枠側壁を形成する。固定枠側壁が囲んでエアチャンバー218を形成させる。複数のケージ固定枠ユニット21が上下方向に沿って積層して設けられる場合、隣接する固定枠側壁同士が密封して嵌合され(上方の固定枠底面211の第2多角形側壁217の下端が固定枠底面211の下方に設けられる別の固定枠底面211の第1多角形側壁216の上端に密封して嵌合されてもよい)、これによって、複数のエアチャンバー218が上下に嵌合されて各ケージ固定枠ユニット21に連通する送気管路50が形成され、これは
図2及び
図3に示すとおりである。
【0036】
第1多角形側壁216の各辺は上記の隣接する2つの突条212に適合し、且つ第1多角形側壁216の高さはそれに対応するケージ40の高さによって決められる。第2多角形側壁217の下端が隣接する固定枠底面211の第1多角形側壁216の上端に密封して嵌合されてもよく、これによって、隣接するケージ固定枠ユニット21同士が上下方向に重なって固定されることを実現して、倒れることを避けるとともに、各ケージ固定枠ユニット21に連通する送気管路50を形成している。ケージ固定枠20の安定性をさらに向上させるためには、第2多角形側壁217の下端が隣接する固定枠底面211の第1多角形側壁216の上端に密封して嵌合された後、さらにねじによって固定してもよい。
【0037】
他の実施例では、突条212の数はニーズに応じて変更することができ、これに応じて、第1多角形側壁216及び第2多角形側壁217の辺の数は変更してもよく、突条212に対応しさえすればよい。
【0038】
第1多角形側壁216の各辺にいずれも送気口2161が開設され、送気口2161は送気管路50と連通し、外部新鮮空気送排気システムと共にケージ40に浄化されたガスを輸送するために用いられ、複数の送気口2161の孔径はいずれも同じである。第1多角形側壁216の各辺にまた排気管2162が設けられ、排気管2162は、外部新鮮空気送排気システムと共にケージ40内の汚れたガスを抜き出すために用いられる。
【0039】
固定枠側壁が囲んで形成されたエアチャンバー218内にはさらに独立的なエアルーメン219が形成され、エアルーメン219は固定枠側壁に対して排気管2162を介して接続されるように設けられる。ケージ固定枠ユニット21が積層して設けられる場合、各エアルーメン219がいずれも隣接するエアルーメン219と密封して連通して、各ケージ固定枠ユニット21に連通する排気管路60が形成される。排気管路60と送気管路50は同軸で嵌合され、且つ互いに独立して設けられ、排気管路60の直径は送気管路50の直径よりはるかに小さい。複数の排気管2162は排気管路60とケージ40を連通させ、且つ複数の排気管2162の長さ及び孔径はいずれも同じであり、これは
図2及び
図4に示すとおりである。
【0040】
図2及び
図3に示されるように、支持管30は、複数のエアルーメン219及び上板12と底板11を貫通して設けられ且つエアルーメン219に対して密封して設けられ、上板12及び底板11の抽気口に対して回転可能に設けられる。支持管30における各エアルーメン219に対応する箇所に複数の抽気孔31が開設され、支持管30がエアルーメン219と共に排気管路60を形成させる。支持管30の上端又は下端は、抽気口15によって、クイックコネクションを備えるケージフレーム流体配管を介してバリア環境の新鮮空気送排気システムに連通してもよく(新鮮空気送排気システムの排気通路に連通し)、これによってケージ40内の汚れた空気を抽出する。支持管30を設けるのは、ケージ固定枠の構造を強化し、その安定性を向上させることができる。また、ケージ40内から抽出される汚れた空気の流量が一致することを保証し、実験影響要因の干渉を一層制御するために、各エアルーメン219に対応する抽気孔31の総面積は、支持管30の抽気方向に沿って、8%~15%の比率で次第に減少し、好ましくは、当該次第に減少する比率を10%とする。
【0041】
例えば、特定の実施例では、支持管30上の抽気孔31の数が支持管30の抽気方向に沿って次第に減少し且つ/又は支持管30上の抽気孔31の大きさが支持管30の抽気方向に沿って次第に小さくなるようにすることによって実現してもよい。
【0042】
また、例えば、支持管30の抽気方向において、前のエアルーメン219に対応する抽気孔31の総面積がπ×12cm2であれば、次のエアルーメン219に対応する抽気孔31の総面積は0.9×π×12cm2であり、このように類推する。
【0043】
図3に示されるように、エアルーメン219は、環状の内側壁2192、内底壁2193及び密封エンドカバー2191が組み合わされてなり、密封エンドカバー2191及び内底壁2193に貫通孔が形成され、貫通孔は支持管30を穿設するために用いられ且つ貫通孔は支持管30に対してシールリングによって密封されて接続される。排気管2162は環状の内側壁2192と固定枠側壁との間に設けられ、補強リブ220と共に、エアルーメン219は独立し且つ安定的にエアチャンバー218内に位置するようにする。密封エンドカバー2191がシールリングと共にエアルーメン219を密封させて、それは支持管30の内部及び排気管2162とだけ流体の連通を形成するようにする。複数のケージ固定枠ユニット21が上下方向に沿って積層して設けられる場合、隣接する固定枠側壁同士が密封して嵌合され、固定枠側壁と支持管30及び環状の内側壁2192との間の空間が送気管路50を形成し、支持管30の内部及びエアルーメン219が排気管路60を形成する。
【0044】
他の実施例では、エアルーメン219は環状の内側壁2192だけによって形成されてもよく、且つ環状の内側壁2192と固定枠側壁の高さの関係は、複数のケージ固定枠ユニット21が上下方向に沿って積層して設けられ、隣接する固定枠側壁同士が密封して嵌合される場合、隣接する環状の内側壁2192同士は同様に密封して嵌合され、支持管30は環状の内側壁2192内に設けられることを満たす。この場合に、固定枠側壁と環状の内側壁2192との間の空間が送気管路50を形成し、支持管30の内部と環状の内側壁2192の内部が連通して排気管路60が形成される。又は、支持管30は設けず、環状の内側壁2192の内部によって直接に排気管路60を形成させてもよく、この場合に、各エアルーメン219上の排気管2162の管径の変化の規則は支持管30上の抽気孔31の変化の規則と同じように設定され、例えば、排気管2162の管径は抽気方向において次第に小さくなる。
【0045】
図3及び
図7に示されるように、エアルーメン219と固定枠側壁との間にさらに補強リブ220が設けられ、補強リブ220は、エアルーメン219の下端面に設けられ且つ支持管40 を取り囲む管部221と、管部221から固定枠側壁に延伸するように設けられる複数のリブ部222とを含む。
【0046】
上板12の下端面とケージ固定枠20の上端面との間で送気管路50と吸気口16の接合位置、排気管路60と抽気口15の接合位置に対応する箇所にいずれもシールリング及び軸部品が設けられる。当該シールリングは、耐摩耗性、耐高圧性、耐食性などの特性を備える。軸部品を設けることは、ケージ固定枠20が回転する効果を得ることができる。底端に位置するケージ固定枠ユニット21は、その底部にブロックカバーが設けられ、ブロックカバーは送気管路50を塞ぐことができる。本実施例では、送気管路50は送気のために用いられ、第2抽気管路60は抽気のために用いられる。
【0047】
図8に示されるように、ケージ40は、ケージボディ41と、ケージカバー42とを含み、ケージカバー42はケージボディ41に密封して接合される。ケージ40は、高温ポリスルホン又はPCプラスチックから作製されてもよく、酸性若しくはアルカリ性の洗剤、又は蒸気滅菌に対して優れた耐性を備え、繰り返しオートクレーブ滅菌の後に依然として強度が保たれ、耐用寿命は長い。また、ケージ40の内端に風口411、412が設けられ、風口にゴムからなる導気管413が設けられ、導気管413を送気口2161及び排気管2162内に挿設して、ケージ40と送気管路50及び排気管路60との間の流体の連通を実現することができる。
【0048】
また、ケージ40にはさらに動物が水を飲むための飲水ボトル414や給餌ボックスなどが設けられ、無論、実際の使用上のニーズに応じて、自動飲水・給餌システムが設けられてもよい。
【0049】
本発明の回転式IVCシステムは、送気管路50、排気管路60が、それぞれ、バリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通することができ、新鮮空気送排気システムの持続的な動作が保たれる状態では、ケージ40内の空気が排気管2162を経て排気管路60から新鮮空気送排気システムに持続的に排出されると同時に、新鮮空気送排気システムによって浄化された清潔空気が送気管路50を経て送気口2161からケージ41に注入され、これによって、ケージ41内の空気の新鮮さと清潔さが保たれる。
【0050】
従来技術に比べて、本発明の実施形態の回転式IVCシステムは、構造がシンプルで、使用面積が小さく且つ飼育密度が大きく、ケージ固定枠内に互いに干渉しない2つの通気管路が形成され、ケージがそれぞれ当該2つの通気管路に連通し、2つの通気管路がバリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通することによって、新鮮空気送排気システムがケージ固定枠及びケージと内循環を形成し、ケージ内の汚れた空気を抜け出して浄化してからケージ内に送り返すことにより、ケージ内の環境に対する外部環境の影響を大幅に軽減させて、実験の精度を向上させることができる。
【0051】
本発明の実施形態の回転式IVCシステムは、支持管を設けることによってケージ固定枠の構造を強化し、ケージ固定枠ユニット内の独立的なエアルーメンを支持管に連通することによって排気管路(抽気用)を構成し、各エアルーメンに対応する抽気孔の総面積を変更し、それを支持管の抽気方向に沿って、8%~15%の比率で次第に減少させることによって支持管が抜き出す風量が実質的に一致するようにし、これによってケージ内から抽出される汚れた空気の流量が一致することを保証し、実験影響要因の干渉を一層制御する。具体的には、例えば、支持管において抽気方向に沿って数が次第に減少する抽気孔又は内径が次第に小さくなる抽気孔によって支持管が抜き出す風量が実質的に一致するようにし、これによってケージ内に入る新鮮空気の流量が一致することを保証し、実験影響要因の干渉を一層制御し、また、ケージ固定枠ユニット内の独立的なエアルーメンは支持管が抜き出す汚れた空気を一時的に保管及び緩衝することもでき、各ケージ内から抽出される汚れた空気の量の精度をさらに向上させる。
【0052】
本発明の実施形態の回転式IVCシステムは、単位面積当たりの飼育動物の数を増やし、空間をより科学的、効果的に利用しており、費用は従来のIVCよりもさらに2/3低減することが可能であり、これによって、高い維持費用に耐え切れずに実験環境の基準及び要件を下げざるを得ない多くの実験機関は、国が強制的に定めた実験基準で実験操作を行うことができるようになり、実験データの正確度及び信頼性を大幅に向上させている。
【0053】
本発明の特定の例示的な実施形態に対する上記の説明は、説明及び例示のためのものである。これらの説明は、本発明を開示されている形態そのものに限定しようとするものではなく、なお且つ、上記の教示から多くの変更及び変化を行うことが可能なことは自明である。例示的な実施例に対する選択及び説明の目的は、本発明の特定の原理及びその実際の使用を解釈することによって、当業者は本発明の様々な異なる例示的な実施形態及び様々な異なる選択と変更を実現し、それらを利用できるようにするためである。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びそれと同等な形式のものから限定されるものとする。
【0054】
(付記)
(付記1)
回転式IVCシステムであって、
中では互いに独立し且つ嵌合して設けられる送気管路及び排気管路が形成されるケージ固定枠であって、前記ケージ固定枠には、前記送気管路に連通する複数の送気口及び前記排気管路に連通する複数の排気管が設けられるケージ固定枠と、
ケージであって、複数の前記ケージは前記ケージ固定枠に設けられ、各前記ケージにはいずれも1つの前記送気口及び1つの前記排気管が連通するケージと、を含み、
前記送気管路及び排気管路は、それぞれ、バリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通することができ、新鮮空気送排気システムの持続的な動作が保たれる状態では、ケージ内の空気が前記排気管を経て前記排気管路から新鮮空気送排気システムに持続的に排出され、且つ新鮮空気送排気システムによって浄化された清潔空気が前記送気管路を経て前記送気口からケージに注入され、これによって、ケージ内の空気の新鮮さと清潔さが保たれることを特徴とする回転式IVCシステム。
【0055】
(付記2)
前記ケージ固定枠は、複数のケージ固定枠ユニットを含み、各前記ケージ固定枠ユニットは、
前記ケージを設置するための固定枠底面と、
前記固定枠底面の中央に形成され且つ前記固定枠底面を垂直に貫通して設けられる固定枠側壁であって、前記固定枠側壁が囲んでエアチャンバーを形成させ、前記送気口が前記固定枠側壁に開設される固定枠側壁と、を含み、
複数の前記ケージ固定枠ユニットは、上下方向に沿って積層して設けられ、隣接する前記固定枠側壁同士が密封して嵌合され、各ケージ固定枠ユニットに連通する送気管路が形成されることを特徴とする付記1に記載の回転式IVCシステム。
【0056】
(付記3)
前記固定枠側壁が囲んで形成されたエアチャンバー内にはさらに独立的なエアルーメンが形成され、前記エアルーメンは前記固定枠側壁に対して前記排気管を介して接続されるように設けられ、各前記エアルーメンがいずれも隣接する前記エアルーメンと密封して連通して、各ケージ固定枠ユニットに連通する排気管路が形成されることを特徴とする付記2に記載の回転式IVCシステム。
【0057】
(付記4)
前記回転式IVCシステムは、支持管をさらに含み、前記支持管は、複数の前記エアルーメンを貫通して設けられ且つ前記エアルーメンに対して密封して設けられ、前記支持管における各前記エアルーメンに対応する箇所に複数の抽気孔が開設され、前記支持管が前記エアルーメンと共に前記排気管路を形成することを特徴とする付記3に記載の回転式IVCシステム。
【0058】
(付記5)
各前記エアルーメンに対応する抽気孔の総面積は、前記支持管の抽気方向に沿って、8%~15%の比率で次第に減少することを特徴とする付記4に記載の回転式IVCシステム。
【0059】
(付記6)
前記支持管における抽気孔の数は前記支持管の抽気方向に沿って次第に減少することを特徴とする付記5に記載の回転式IVCシステム。
【0060】
(付記7)
前記支持管における抽気孔の大きさは、前記支持管の抽気方向に沿って次第に小さくなることを特徴とする付記5に記載の回転式IVCシステム。
【0061】
(付記8)
前記エアルーメンと前記固定枠側壁との間にさらに補強リブが設けられ、前記補強リブは、前記エアルーメンの下端面に設けられ且つ前記支持管を取り囲む管部と、前記管部から前記固定枠側壁に延伸するように設けられる複数のリブ部とを含むことを特徴とする付記4に記載の回転式IVCシステム。
【0062】
(付記9)
前記エアルーメンに密封エンドカバーが設けられ、前記密封エンドカバーに、前記支持管を穿設する貫通孔が形成され、前記密封エンドカバーが前記エアルーメンを密封して、それが前記支持管の内部及び前記排気管とだけ流体の連通を形成するようにすることを特徴とする付記4に記載の回転式IVCシステム。
【0063】
(付記10)
前記固定枠底面の上端面は、径方向に沿って設けられる複数の突条によって複数のケージに対応する複数の等分に分けられ、各等分内において、固定枠底面の縁部からその中心部に延伸するスライド溝及び2つの固定孔が設けられ、前記スライド溝及び2つの固定孔は三角形のように分布し、前記ケージの下端に、前記スライド溝及び固定孔に適合するスライドレール及び固定部が設けられることを特徴とする付記2に記載の回転式IVCシステム。
【0064】
(付記11)
前記固定枠側壁は、前記固定枠底面の上端面に形成される第1多角形側壁と、前記固定枠底面の下端面に形成される第2多角形側壁とを含み、前記第1多角形側壁と前記第2多角形側壁は同軸で設けられ、前記第1多角形側壁の各辺は隣接する2つの突条に適合し、
前記固定枠底面の第2多角形側壁の下端は、前記固定枠底面の下方に設けられる別の固定枠底面の第1多角形側壁の上端に密封して嵌合されて、各ケージ固定枠ユニットに連通する送気管路を形成してもよいことを特徴とする付記10に記載の回転式IVCシステム。
【0065】
(付記12)
前記回転式IVCシステムは、ケージ固定枠を収容するためのケージフレームをさらに含み、前記ケージフレームは、底板と、上板と、上板と底板との間に設けられる複数のピラーとを含み、前記ケージ固定枠は回転可能に前記ケージフレーム内に設けられ、前記底板の下端面に複数のキャスターが固定して設けられることを特徴とする付記1に記載の回転式IVCシステム。
【0066】
(付記13)
前記上板及び底板に、前記排気管路に連通する抽気口が開設され、前記上板に、前記抽気口を取り囲んで前記送気管路に連通する吸気口が開設され、前記抽気口及び吸気口がクイックコネクションを備えるケージフレーム流体配管を介してバリア環境の中の新鮮空気送排気システムに連通し、これによって、ケージ循環新鮮空気送排気システムが構成されることを特徴とする付記12に記載の回転式IVCシステム。
【0067】
(付記14)
前記上板の下端面とケージ固定枠の上端面との間で送気管路と吸気口の接合位置、排気管路と抽気口の接合位置に対応する箇所にいずれもシールリング及び軸部品が設けられ、前記底板における排気管路と抽気口の接合位置に対応する箇所に軸部品が設けられることを特徴とする付記13に記載の回転式IVCシステム。
【0068】
(付記15)
複数の前記排気管の長さ及び孔径はいずれも同じであり、複数の前記送気口の孔径は同じであることを特徴とする付記1に記載の回転式IVCシステム。
【国際調査報告】