(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】電磁式エンコーダスイッチ、ホイール回転情報の計算方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01D 5/12 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G01D5/12 B
G01D5/12 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546356
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 CN2022127357
(87)【国際公開番号】W WO2023072066
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111285547.7
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524148266
【氏名又は名称】深▲せん▼絵王趨勢科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN HUION TREND TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor 1, Building 1, Huion Science And Technology Park, Keji 1st Road, Tangtou Community, Shiyan Street, Bao’an District Shenzhen, Guangdong 518108, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 周宏
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA21
2F077CC02
2F077FF02
2F077TT07
2F077TT53
(57)【要約】
本発明は電磁式エンコーダスイッチとホイール回転情報の計算方法に関するものである。電磁式エンコーダスイッチ(10)はホイールアセンブリ(11)とトランシーバユニット(12)を含み、ホイールアセンブリ(11)はLC共振回路(111)とホイール(112)を含み、LC共振回路(111)はインダクタLとインダクタLに接続されているコンデンサCを含む。インダクタLには磁気コアが取り付けられ、インダクタLは電磁波の受信と送信を担当し、LC共振回路(111)はホイール(112)上に取り付けられる。トランシーバユニット(12)はアンテナ(121)とアンテナ選択部(122)とを含み、アンテナ(121)はホイール(112)の下方に取り付けられ、アンテナが送信周期内に事前設定周波数を有している電磁波を送信するとき、LC共振回路(111)は前記アンテナが送信周期内に送信するエネルギーを受信し、前記アンテナ選択部(122)はアンテナ(121)に接続されている。本発明の電磁式エンコーダスイッチは、機械的ノイズを抑制し、製造のコストを低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールアセンブリとトランシーバユニットを含み、
前記ホイールアセンブリはLC共振回路とホイールを含み、前記LC共振回路はインダクタLと前記インダクタLに接続されているコンデンサCを含み、前記インダクタLには磁気コアが取り付けられ、前記インダクタLは電磁波の受信と送信を担当し、前記LC共振回路は前記ホイール上に取り付けられ、
前記トランシーバユニットはアンテナとアンテナ選択部とを含み、前記アンテナは前記ホイールの下方に取り付けられ、前記アンテナが送信周期内に事前設定周波数を有している電磁波を送信するとき、前記LC共振回路は前記アンテナが送信周期内に送信するエネルギーを受信し、前記アンテナ選択部はアンテナに接続されていることを特徴とする電磁式エンコーダスイッチ。
【請求項2】
前記ホイールアセンブリはベアリングを更に含み、前記ホイールは前記ベアリングにより前記アンテナの上方に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の電磁式エンコーダスイッチ。
【請求項3】
前記トランシーバユニットは、前記アンテナ選択部に直列接続されている第一増幅器、第二増幅器、コンパレータ、MCU処理装置及び無線モジュールと、前記第二増幅器と前記MCU処理装置との間に直列接続されている検出器及びサンプルホルダーと、前記アンテナ選択部と前記MCU処理装置との間に直列接続されているアンテナ信号送信駆動装置とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電磁式エンコーダスイッチ。
【請求項4】
前記請求項1~3のうちいずれか一項に記載の電磁式エンコーダスイッチに基づくホイール回転情報の計算方法であって、
前記ホイールの下方に取り付けられるアンテナにより事前設定周波数を有している電磁波を送信周期内に送信することにより、前記アンテナの上方のLC共振回路がエネルギーを受信するようにするステップと、
前記アンテナの受信周期内に前記LC共振回路の前記インダクタLにより前記コンデンサCとエネルギーのスイッチングをし、固定の共振周波数により自由振動信号を形成した後、それを前記LC共振回路に送信するステップと、
前記アンテナが受信した前記自由振動信号に対して増幅と分析をすることにより前記自由振動信号の周波数と振幅を獲得するステップと、
前記自由振動信号の周波数と振幅により前記ホイールの回転情報を確定するステップとを含むことを特徴とするホイール回転情報の計算方法。
【請求項5】
前記電磁式エンコーダスイッチは3組のLC共振回路を含み、前記3組のLC共振回路は前記PCB基板上に同間隔に配列され、前記LC共振回路のインダクタLの磁気コアの軸線方向は前記アンテナに垂直であり、前記3組のLC共振回路の共振周波数は異なっていることを特徴とする請求項4に記載のホイール回転情報の計算方法。
【請求項6】
前記3組のLC共振回路の共振周波数はそれぞれ、A、B、Cであり、前記自由振動信号の順番がABCABCABCであるとき、前記ホイールが第一方向に回転すると確定し、前記自由振動信号の順番がACBACBACBであるとき、前記ホイールが第二方向に回転すると確定することを特徴とする請求項5に記載のホイール回転情報の計算方法。
【請求項7】
前記インダクタLは前記ホイールのPCB基板上に傾斜に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のホイール回転情報の計算方法。
【請求項8】
前記LC共振回路のインダクタLは異形磁気コアを含み、前記異形磁気コアの両端の横方向断面のサイズは異なっていることを特徴とする請求項4に記載のホイール回転情報の計算方法。
【請求項9】
前記自由振動信号の振幅変化が第一振幅変化に対応するとき、前記ホイールが第一方向に回転すると確定し、
前記自由振動信号の振幅変化が第二振幅変化に対応するとき、前記ホイールが第二方向に回転すると確定し、
前記第一振幅変化は第一低点振幅が高点振幅に増加した後前記高点振幅から第二低点振幅に再び低下することであり、前記第二振幅変化は第二低点振幅が前記高点振幅に増加した後前記高点振幅から前記第一低点振幅に再び低下することであり、前記第一低点振幅<前記第二低点振幅<前記高点振幅であることを特徴とする請求項8に記載のホイール回転情報の計算方法。
【請求項10】
ホイールの下方に取り付けられるアンテナにより事前設定周波数を有している電磁波を送信周期内に送信することにより、前記アンテナの上方のLC共振回路がエネルギーを受信するようにするトランシーバユニットと、
前記アンテナの受信周期内に前記LC共振回路のインダクタLによりコンデンサCとエネルギーのスイッチングをし、固定の共振周波数により自由振動信号を形成した後、それを前記LC共振回路に送信するスイッチングユニットと、
前記アンテナが受信した前記自由振動信号に対して増幅と分析を実施することにより前記自由振動信号の周波数と振幅を獲得する処理ユニットと、
振動信号の周波数と振幅により前記ホイールの回転情報を確定する確定ユニットとを含むことを特徴とする回転情報計算装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、裸眼立体映像表示技術の分野に属し、特に、電磁式エンコーダスイッチ、ホイール回転情報の計算方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンコーダスイッチはスイッチ類電子部品(Electronic components)である。常用のエンコーダスイッチは、機械式、光電式及びホールスイッチ式等がある。機械式エンコーダスイッチはそれを使用するときノイズが生じる欠点を有している。光電式エンコーダスイッチは、光電センサ(Photoelectric sensor)を使用し、かつ製造及び組み立ての精度が高いことにより、製造コストが多くかかる欠点を有している。ホールスイッチ式エンコーダスイッチは、ホールスイッチを使用し、かつ複数組のホールスイッチを使用することにより、コストが多くかかる欠点を有している。
【0003】
本発明は、新しい電磁式エンコーダスイッチ、ホイール回転情報の計算方法及び装置を提供することにより、従来の技術の欠点を解決しようとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術のエンコーダスイッチを使用するとき機械的ノイズが生じる欠点とコストが多くかかる欠点を解決するため、本発明は、ノイズが生じず、コストが多くかからない電磁式エンコーダスイッチ、ホイール回転情報の計算方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一例示において電磁式エンコーダスイッチを提供する。前記電磁式エンコーダスイッチはホイールアセンブリとトランシーバユニットを含む。前記ホイールアセンブリはLC共振回路とホイールを含み、前記LC共振回路はインダクタLと前記インダクタLに接続されているコンデンサCを含み、前記インダクタLには磁気コアが取り付けられ、前記インダクタLは電磁波の受信と送信を担当し、前記LC共振回路は前記ホイール上に取り付けられる。前記トランシーバユニットはアンテナとアンテナ選択部とを含み、前記アンテナは前記ホイールの下方に取り付けられ、前記アンテナが送信周期内に事前設定周波数を有している電磁波を送信するとき、前記LC共振回路は前記アンテナが送信周期内に送信するエネルギーを受信し、前記アンテナ選択部はアンテナに接続されている。
【0006】
本発明の第二例示においてホイール回転情報の計算方法を提供する。前記ホイール回転情報の計算方法は前記第一例示の電磁式エンコーダスイッチに基づくものであり、前記ホイール回転情報の計算方法は、前記ホイールの下方に取り付けられるアンテナにより送信周期内に事前設定周波数を有している電磁波を送信することにより、前記アンテナの上方のLC共振回路がエネルギーを受信するようにするステップと、前記アンテナの受信周期内に前記LC共振回路の前記インダクタLにより前記コンデンサCとエネルギーのスイッチングをし、固定の共振周波数により自由振動信号を形成した後、それを前記LC共振回路に送信するステップと、前記アンテナが受信した前記自由振動信号に対して増幅と分析をすることにより前記自由振動信号の周波数と振幅を獲得するステップと、前記自由振動信号の周波数と振幅により前記ホイールの回転情報を確定するステップとを含む。
【0007】
本発明の第三例示において回転情報計算装置を提供する。前記回転情報計算装置は、前記ホイールの下方に取り付けられるアンテナにより送信周期内に事前設定周波数を有している電磁波を送信することにより、前記アンテナの上方のLC共振回路がエネルギーを受信するようにするトランシーバユニットと、前記アンテナの受信周期内に前記LC共振回路の前記インダクタLにより前記コンデンサCとエネルギーのスイッチングをし、固定の共振周波数により自由振動信号を形成した後、それを前記LC共振回路に送信するスイッチングユニットと、前記アンテナが受信した前記自由振動信号に対して増幅と分析を実施することにより前記自由振動信号の周波数と振幅を獲得する処理ユニットと、前記振動信号の周波数と振幅により前記ホイールの回転情報を確定する確定ユニットとを含む。
【発明の効果】
【0008】
従来の技術と比較してみると、本発明の電磁式エンコーダスイッチはホイールアセンブリとトランシーバユニットを含む。前記ホイールアセンブリはLC共振回路とホイールを含み、前記LC共振回路はインダクタLと前記インダクタLに接続されているコンデンサCを含み、前記インダクタLには磁気コアが取り付けられ、前記インダクタLは電磁波の受信と送信を担当し、前記LC共振回路は前記ホイール上に取り付けられる。前記トランシーバユニットはアンテナと前記アンテナに接続されているアンテナ選択部とを含み、前記アンテナは前記ホイールの下方に取り付けられ、前記アンテナが送信周期内に事前設定周波数を有している電磁波を送信するとき、前記LC共振回路は前記アンテナが送信周期内に送信するエネルギーを受信する。本発明の電磁式エンコーダスイッチが回転するとき電磁信号によって信号の伝播をすることにより、機械的ノイズが生じることを防止し、感度を向上させることができる。また、取り付けられるアンテナと前記ホイールのLC共振回路によって信号の伝播をすることにより、構造の簡素化を実現し、コストを低減し、使用の利便性を向上させ、使用の範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る電磁式エンコーダスイッチの構造を示す図である。
【
図2A】本発明の実施例に係るインダクタの磁気コアとホイールのPCBの構造を示す図である。
【
図2B】本発明の実施例に係る電磁式エンコーダスイッチが1つの方向に回転するときの第一振幅の変化を示す図である。
【
図2C】本発明の実施例に係る電磁式エンコーダスイッチが他の方向に回転するときの第二振幅の変化を示す図である。
【
図2D】本発明の実施例に係る電磁式エンコーダスイッチの磁気コアの形状を示す図である。
【
図3】本発明の実施例に係るホイール回転情報の計算方法を示す流れ図である。
【
図4】本発明の実施例に係る回転情報計算装置の構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施例に係るサーバーの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例に係る技術的事項をより詳細に説明する。注意すべきことは、下記実施例は、本発明の一部の実施例にしか過ぎないものであり、本発明のすべての実施例を示すものでない。この技術分野の技術者は創造的な発明をしなくても下記実施例により本発明の他の実施例を想到ことができ、それらがあっても本発明に含まれることは勿論である。
【0011】
図1を参照すると、
図1は本発明の実施例に係る電磁式エンコーダスイッチの構造を示す図である。前記電磁式エンコーダスイッチ(Electromagnetic encoder switch)10はホイールアセンブリ(Wheel assembly)11とトランシーバユニット(Transceiver unit)12を含む。前記ホイールアセンブリ11はLC共振回路(Resonant circuit)111とホイール112を含み、前記LC共振回路111はインダクタ(Lnductors)Lと前記インダクタLに接続されているコンデンサ(Capacitor)Cを含む。前記インダクタLには磁気コア(Magnetic Core)が取り付けられ、前記インダクタLは電磁波(Electromagnetic wave)の受信と送信を担当し、前記LC共振回路111は前記ホイール112上に取り付けられる。前記トランシーバユニット12はアンテナ121を含み、前記アンテナ121は、前記ホイール112の下方に取り付けられ、かつ前記インダクタLに電気接続される。前記アンテナ121が送信周期内に事前設定周波数を有している電磁波を送信するとき、前記LC共振回路111は前記アンテナ121が送信周期内に送信するエネルギーを受信することができる。また、前記アンテナ121は前記受信周期内に前記LC共振回路111の共振により形成される自由振動信号(Free oscillation signal)を受信することができる。
【0012】
前記ホイールアセンブリ11において、前記インダクタLとコンデンサCは前記ホイール112内のPCB基板(Printed circuit board)1121上に溶接され、各ホイールアセンブリ11には1~3組のLC共振回路111が取り付けられることができる。
【0013】
本発明の実施例において、前記ホイール112はベアリングによりアンテナの上方に取り付けられる。それにより前記ホイール112は安定に潤滑に回転することを確保することができる。
【0014】
前記インダクタLには磁気コアとコイルが取り付けられている。
【0015】
前記トランシーバユニット12は、前記アンテナ121に接続されているアンテナ選択部(Antenna selection switch)122と、前記アンテナ選択部122に直列接続されている第一増幅器(amplifier)123、第二増幅器124、コンパレータ(Comparator)125及びMCU処理装置126と、前記第二増幅器124と前記MCU処理装置126との間に直列接続されている検出器(radiodetector)128及びサンプルホルダー(Sample holder)129と、前記アンテナ選択部122と前記MCU処理装置126との間に直列接続されているアンテナ信号送信駆動装置130と、前記MCU処理装置126に接続されているUSBインターフェイス(図示せず)、前記USBインターフェイスに直列接続されている電源管理装置(図示せず)及び充電式バッテリー(図示せず)とを更に含む。
【0016】
本発明の実施例において、前記アンテナ121は環状の銅箔配線で構成され、銅箔の幅と形状により前記アンテナ121の電気特性が決められる。前記アンテナ121の形状は「口」型であることができる。前記アンテナ121の一端は前記アンテナ選択部122により第一増幅器123の入力端または前記アンテナ信号送信駆動装置130の出力端に接続され、前記アンテナ121の他端は前記アンテナ選択部122により間接的に接地するか或いは直接に接地することができる。前記アンテナ121が前記アンテナ信号送信駆動装置130の出力端に接続されているとき、前記アンテナ121は、前記送信周期にされ、かつ事前設定周波数を有している電磁波を前記LC共振回路111に送信する。前記アンテナ121が前記第一増幅器123の入力端に接続されているとき、前記アンテナ121は、前記受信周期にされ、かつ前記LC共振回路111の共振により形成される電磁波を受信する。
【0017】
本発明の実施例において、前記第一増幅器123と前記第二増幅器124は低騒音(low-noise)の帯域幅(Gain-Bandwidth Product)が10MHzより大きい統合型オペアンプ(Integrated Operational Amplifier)である。前記MCU処理装置126は、ADC(Analog-to-digital converter)、USB及びSPIインターフェイス(Serial Peripheral Interface)を具備し、前記MCU処理装置126の作動時クロックレート(clock rate)は40MHzである。前記検出器128はダイオード検出回路(Diode detection circuit)であり、前記アンテナ信号送信駆動装置130はインジェクションフォロア回路(Injection follower circuit)であり、前記サンプルホルダー129はRC積分回路(Integrating circuit)で構成される。
【0018】
注意すべきことは、前記第一増幅器123、前記第二増幅器124、前記コンパレータ125、前記MCU処理装置126、前記検出器128、サンプルホルダー129及び前記アンテナ信号送信駆動装置130は、シングルチップ(Single chip)に集積され、かつシリアルポート(serial port)126により装置のマスターコントロールMCU、例えばデジタルスクリーン(Digital screen)のマスターコントロールMCU、グラフィックスタブレット(graphics tablet)のマスターコントロールMCU等と通信をすることができる。
【0019】
本発明の実施例において、前記インダクタLの磁気コアは円柱型または「工」型に形成され、前記インダクタLの磁気コアの軸線方向は前記アンテナ121に垂直である。前記ホイール112内のPCB基板1121上には3組の前記LC共振回路111が取り付けられる。前記3組のLC共振回路111の共振周波数(Resonance frequency)は異なっている。例えば3組のLC共振回路111の共振周波数はそれぞれ、A、B、Cであることができる。前記ホイール112が回転するとき、前記MCU処理装置126は前記3組のLC共振回路111の共振により形成される電磁波を順に受信する。前記ホイール112が第一方向に回転するとき、前記MCU処理装置126は順番がABCABCABCである電磁波を受信し、前記ホイール112が第二方向に回転するとき、前記MCU処理装置126は順番がACBACBACBである電磁波を受信することができる。
【0020】
前記3組のLC共振回路111は前記ホイール112内のPCB基板1121の所定の中心の周囲に環状に配置され、かつLC共振回路111の間の距離は同じであるか或いは異なることができる。前記3組のLC共振回路111は前記ホイール112内のPCB基板1121の所定の中心の周囲に配置されている2つまたは複数の同心円上に配置されることができる。本発明は前記3組のLC共振回路111の配置方法を具体的に限定しない。前記ホイール112が回転するとき、前記LC共振回路111と前記アンテナ121により共振を形成することができる構造であればいずれでもよい。前記LC共振回路111の数量は3組にのみ限定されるものでなく、3組以上であることができる。使用者は需要によりLC共振回路111の数量を適当に決めることができる。
【0021】
注意すべきことは、本実施例において、前記第一方向を時計回りの方向(clockwise direction)に設定し、前記第二方向を反時計回り(Anticlockwise)の方向に設定するか或いは、前記第一方向を反時計回りの方向に設定し、前記第二方向を時計回りの方向に設定することができる。本発明はそれを限定しない。
【0022】
本発明の実施例において、前記インダクタLの磁気コアは前記ホイール112のPCB基板1121上に傾斜に取り付けられている。
図2Aに示すとおり、前記インダクタLの磁気コアと前記アンテナ121との間には鋭角が形成されている。前記インダクタLの磁気コアは第一端と第二端を含み、前記インダクタLの磁気コアは前記ホイール112のPCB基板1121上に傾斜に取り付けられ、前記インダクタLの磁気コアは前記ホイール112から前記アンテナ121に向く方向に回転することができる。前記インダクタLの磁気コアの第一端は前記アンテナ121から離れている一端であり、前記インダクタLの磁気コアの第二端は前記アンテナ121に近づいている一端である。磁力線が前記インダクタLの磁気コアを通過する強度は前記インダクタLの磁気コアと前記アンテナ121との間の距離が変わることにより変わる。例えば、
図2Bに示すとおり、前記ホイール112が第一方向に回転し、前記インダクタLの磁気コアの第一端が前記アンテナ121の受信範囲に先に入るとき、前記MCU処理装置126は前記自由振動信号の振幅変化が第一振幅変化に変わることを検出することができる。前記第一振幅変化は、第一低点振幅(Low point amplitude)が高点振幅(High point amplitude)に増加した後、前記高点振幅から第二低点振幅に再び低下することを指す。
図2Cに示すとおり、前記ホイール112が第二方向に回転し、前記インダクタLの磁気コアの第二端が前記アンテナ121の受信範囲に先に入るとき、前記MCU処理装置126は前記自由振動信号の振幅変化が第二振幅変化に変わることを検出することができる。前記第二振幅変化は、第二低点振幅が前記高点振幅に増加した後、前記高点振幅から前記第一低点振幅に再び低下することを指す。第一低点振幅<第二低点振幅<高点振幅である。
【0023】
注意すべきことは、本発明の実施例に係る前記第一低点振幅、前記第二低点振幅及び前記高点振幅は、変化の趨勢を示すものであり、振幅数値が等しいこと等を示すものでない。
【0024】
本発明の実施例において、
図2Dを参照すると、
図2Dは本発明の1つの実施例に係るインダクタの磁気コアを示す図である。前記インダクタLの磁気コアは異形磁気コアである。前記異形磁気コアの両端の横方向断面のサイズは異なっており、前記異形磁気コアの両端には大型端部と小型端部が形成されている。以上のとおり、前記異形磁気コアの両端には横方向断面の形状が異なっている大型端部と小型端部が形成されているため、前記異形磁気コアを通過する磁力線は磁気コアの断面面積が変わることにより変わることができる。例えば、前記ホイール112が第一方向に回転し、前記インダクタLの磁気コアの小型端部が前記アンテナ121の受信範囲に先に入るとき、前記MCU処理装置126は前記自由振動信号の振幅変化が前記第一振幅変化であることを検出することができる。前記ホイール112が第二方向に回転し、前記インダクタLの磁気コアの大型端部が前記アンテナ121の受信範囲に先に入るとき、前記MCU処理装置126は前記自由振動信号の振幅が前記第二振幅変化であることを検出することができる。その場合、信号の振幅変化により前記ホイール112の回転方向を判断することができる。
【0025】
従来の技術と比較してみると、本発明の電磁式エンコーダスイッチはホイールアセンブリとトランシーバユニットを含む。前記ホイールアセンブリはLC共振回路とホイールを含み、前記LC共振回路はインダクタLと前記インダクタLに接続されているコンデンサCを含み、前記インダクタLには磁気コアが取り付けられ、前記インダクタLは電磁波の受信と送信を担当し、前記LC共振回路は前記ホイール上に取り付けられる。前記トランシーバユニットはアンテナと前記アンテナに接続されているアンテナ選択部とを含み、前記アンテナは前記ホイールの下方に取り付けられ、前記アンテナが送信周期内に事前設定周波数を有している電磁波を送信するとき、前記LC共振回路は前記アンテナが送信周期内に送信するエネルギーを受信することができる。本発明の電磁式エンコーダスイッチが回転するとき電磁信号によって信号の伝播をすることにより、機械的ノイズが生じることを防止し、感度(Sensitivity)を向上させることができる。また、取り付けられるアンテナと前記ホイールのLC共振回路によって信号の伝播をすることにより、構造の簡素化を実現し、コストを低減し、使用の利便性を向上させ、使用の範囲を広げることができる。
【0026】
本発明の実施例においてホイール回転情報の計算方法を更に提供する。
図2を参照すると、
図2は本発明の実施例に係るホイール回転情報の計算方法を示す流れ図である。本発明のホイール回転情報の計算方法は下記ステップを含む。
【0027】
ステップ201において、前記ホイールの下方に取り付けられるアンテナにより事前設定周波数を有している電磁波を送信周期内に送信することにより、前記アンテナの上方のLC共振回路がエネルギーを受信するようにする。
【0028】
ステップ202において、前記アンテナの受信周期内に前記LC共振回路の前記インダクタLにより前記コンデンサCとエネルギーのスイッチングをし、固定の共振周波数により自由振動信号を形成した後、それを前記LC共振回路に送信する。
【0029】
ステップ203において、前記アンテナが受信した前記自由振動信号に対して増幅と分析をすることにより前記自由振動信号の周波数と振幅を獲得する。
【0030】
ステップ204において、前記自由振動信号の周波数と振幅により前記ホイールの回転情報を確定する。
【0031】
前記MCU処理装置は、獲得した自由振動信号により判断と計算をすることにより、前記ホイールの回転情報を獲得する。前記回転情報は位置情報と回転速度情報を含む。注意すべきことは、前記自由振動信号はデジタル電圧信号(Digital voltage signal)であるか或いはアナログ電圧信号(Analog voltage signal)であることができるが、本発明はそれを限定しない。
【0032】
本発明の前記アンテナの数量は1つ、2つまたは複数であることができる。複数のアンテナを取り付けることにより複数の前記自由振動信号の周波数と振幅を獲得し、検出の正確性を向上させることができる。
【0033】
前記ホイールの回転情報を確定する方法は下記のようないろいろな方法がある。
【0034】
一つ目の方法は前記自由振動信号の周波数により前記ホイールの回転方向を確定することである。
【0035】
共振周波数が異なっている3組または3組以上のLC共振回路を取り付け、前記LC共振回路の自由振動信号の周波数により前記ホイールの回転情報を確定することができる。
【0036】
具体的に、前記インダクタLの磁気コアは円柱型または「工」型に形成され、前記インダクタLの磁気コアの軸線方向は前記アンテナに垂直である。前記ホイール内のPCB基板上には3組の前記LC共振回路が取り付けられる。前記3組のLC共振回路の共振周波数は異なっている。例えば3組の前記LC共振回路の共振周波数はそれぞれ、A、B、Cであることができる。ホイールが回転するとき、前記アンテナは前記3組のLC共振回路の共振により形成される電磁波を順に受信する。前記MCU処理装置は順番がABCABCABCである電磁波を受信すると、前記ホイールが第一方向に回転すると確定することができる。前記MCU処理装置は順番がACBACBACBである電磁波を受信すると、前記ホイールが第二方向に回転すると確定することができる。すなわち、前記自由振動信号の周波数と振幅を検出することにより前記ホイールの回転情報を確定することができる。
【0037】
二つ目の方法は前記自由振動信号の振幅変化により前記ホイールの回転方向を確定することである。
【0038】
1、前記インダクタLの磁気コアは前記PCB基板上に傾斜に取り付けられ、前記インダクタLの磁気コアと前記アンテナとの間には鋭角が形成される。前記インダクタLの磁気コアが傾斜に取り付けられるため、磁力線が前記インダクタLの磁気コアを通過する強度は、前記インダクタLの磁気コアと前記アンテナとの間の距離が変わることにより変わる。前記インダクタLの磁気コアが回転するにより前記アンテナの受信範囲に入るとき、前記自由振動信号の振幅は
図2Bまたは
図2Cの状態にされる。したがって、前記信号の振幅変化を検出することにより前記ホイールの回転方向を判断することができる。
【0039】
具体的に、前記MCU処理装置が検出した前記自由振動信号の振幅が
図2Bの状態にされるとき、すなわち前記自由振動信号の振幅が前記第一振幅変化に対応するとき、前記ホイールが第一方向に回転すると確定することができる。前記MCU処理装置が検出した前記自由振動信号の振幅が
図2Cの状態にされるとき、すなわち前記自由振動信号の振幅が前記第二振幅変化に対応するとき、前記ホイールが第二方向に回転すると確定することができる。
【0040】
2、前記インダクタLの磁気コアは異形磁気コアである。前記異形磁気コアの両端の横方向断面のサイズは異なっており、前記異形磁気コアの両端には大型端部と小型端部が形成されている。前記異形磁気コアを通過する磁力線は異形磁気コアの横方向断面の面積の変化により変化する。前記異形磁気コアが前記アンテナの受信範囲に入るとき、前記アンテナが受信した誘導信号の振幅は
図2Bと
図2Cの状態にされるため、前記信号の振幅変化を検出することにより前記ホイールの回転方向を確定することができる。
【0041】
具体的に、前記MCU処理装置が検出した前記自由振動信号の振幅が
図2Bの状態にされるとき、すなわち前記自由振動信号の振幅が前記第一振幅変化に対応するとき、前記ホイールが第一方向に回転すると確定することができる。前記MCU処理装置が検出した前記自由振動信号の振幅が
図2Cの状態にされるとき、すなわち前記自由振動信号の振幅が前記第二振幅変化に対応するとき、前記ホイールが第二方向に回転すると確定することができる。
【0042】
本発明の実施例において回転情報計算装置を更に提供する。
図3を参照すると、
図3は本発明の実施例に係る回転情報計算装置の構造を示す図である。本発明の回転情報計算装置は、トランシーバユニット301、スイッチングユニット302、処理ユニット303及び確定ユニット304を含む。
【0043】
トランシーバユニット301は、前記ホイールの下方に取り付けられるアンテナにより事前設定周波数を有している電磁波を送信周期内に送信することにより、前記アンテナの上方のLC共振回路がエネルギーを受信するようにする。
【0044】
スイッチングユニット302は前記アンテナの受信周期内に前記LC共振回路の前記インダクタLにより前記コンデンサCとエネルギーのスイッチングをし、固定の共振周波数により自由振動信号を形成した後、それを前記LC共振回路に送信する。
【0045】
処理ユニット303は、前記アンテナが受信した前記自由振動信号に対して増幅と分析を実施することにより、前記自由振動信号の周波数と振幅を獲得する。
【0046】
確定ユニット304は前記振動信号の周波数と振幅により前記ホイールの回転情報を確定する。
【0047】
本発明の実施例において、回転情報計算装置を更に提供する。本発明の回転情報計算装置はサーバーに取り付けられる。
図4を参照すると、
図4は本発明の実施例に係るサーバーの構造を示す図である。使用の分野または装置の性能が異なることにより前記サーバー400の構造は異なることができる。例えば、前記サーバー400は、1つまたは1つ以上の中央MCU処理装置(central processing units、CPU)422(例えば1つまたは1つ以上のMCU処理装置)及び記憶装置432と、1つまたは1つ以上のアプリケーションプログラム442または454が記憶されている記憶媒体430(例えば1つまたは1つ以上の大容量記憶装置)とを含むことができる。前記記憶装置432と前記記憶媒体430は揮発性メモリまたは不揮発性メモリであることができる。前記記憶媒体430に記憶されているプログラムは1つまたは1つ以上のモジュール(図示せず)を含み、各モジュールはサーバーに記憶されている指令操作を含むことができる。前記中央MCU処理装置422は、前記記憶媒体430とデータの送発信をするように配置され、かつ前記サーバー400が前記記憶媒体430中の指令操作を実行するように指示することができる。
【0048】
前記サーバー400は、1つまたは複数の電源426、1つまたは複数の有線または無線ネットワークインターフェイス450、1つまたは複数の入力出力インターフェイス458、1つまたは複数のオペレーティングシステム451、例えばWindows Server(登録商標)、Mac OSX(登録商標)、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、FreeBSD(登録商標)等を更に含むことができる。
【0049】
前記実施例の回転情報計算装置が実施するステップは
図4のサーバーにより実施されることができる。
【0050】
本発明の実施例において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供する。本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(Computer readable storage medium)には少なくとも1つの実行可能命令(Executable instruction)が記憶されている。前記実行可能命令がコンピュータにより実行されるとき、前記コンピュータは本発明のいずれか1つの実施例に係る画像移動方法を実施することができる。
【0051】
本発明の実施例に係る事項の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア(firmware)またはそれらの組み合わせにより実施されることができる。本発明の事項がソフトウェアにより実施されるとき、本発明の事項の全部または一部はコンピュータープログラムの形態に存在することができる。
【0052】
以上、本発明の好適な実施例により本発明の事項を詳述してきたが、前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記実施例の構成にのみ限定されるものでない。本発明の実施例を詳述してきたため、この技術分野の技術者は前記実施例を参照することにより本発明を容易に実施することができる。また、この技術分野の技術者は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前記実施例に係る技術的事項に対して設計の変更をするか或いは一部の技術特徴の代替をすることができ、それらがあっても発明に含まれることは当然である。
【国際調査報告】