(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-07
(54)【発明の名称】透明歯列矯正装置及びその製造方法{Transparent orthodontic device and method of preparing the same}
(51)【国際特許分類】
A61C 7/08 20060101AFI20240930BHJP
【FI】
A61C7/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521202
(86)(22)【出願日】2023-01-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 KR2023000113
(87)【国際公開番号】W WO2023140537
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0008530
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323009689
【氏名又は名称】オーディーエス カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】パク サンウォン
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052AA20
4C052JJ01
(57)【要約】
透明歯列矯正装置及びその製造方法が開示される。開示された透明歯列矯正装置は、歯側面の接触部を含み、前記歯側面の接触部は互いに反対側に配置されたもので、凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯側面の接触部を含み、
前記歯側面の接触部は、互いに反対側に配置されたもので、凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含む透明歯列矯正装置。
【請求項2】
前記歯側面の接触部は、その下端部がその上端部を通る垂直線の内側に位置するように構成された請求項1に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項3】
前記歯の接触面は、天然歯の側面部全体と密着するように天然歯の側面部の形状と反対の形状を有するように構成された請求項2に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項4】
前記歯側面の接触部は、歯内側面の接触部及び前記歯内側面の接触部と互いに離れて向かい合うように配置された歯外側面の接触部を含み、
前記歯内側面の接触部及び前記歯外側面の接触部は、それぞれ凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含む請求項1に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項5】
前記歯内側面の接触部及び前記歯外側面の接触部のうち、いずれか一つは歯を移動させるアクション部として作用し、もう一つは歯を固定させる固定部として作用するように構成された請求項4に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項6】
歯上面の接触部をさらに含む請求項1に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項7】
前記歯上面の接触部は、少なくとも一つの上部開放部を含む請求項6に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項8】
歯上面の接触部を含まない請求項1に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項9】
前記歯側面の接触部は、歯内側面の接触部を含むものの、歯外側面の接触部は含まない請求項8に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項10】
前記歯側面の接触部は、歯外側面の接触部を含むものの、歯内側面の接触部は含まない請求項8に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項11】
3Dプリンターを用いて透明歯列矯正装置をプリンティングする段階(S10)であり、前記透明歯列矯正装置は歯側面の接触部を含み、前記歯側面の接触部は互いに反対側に配置されたもので、凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含む段階(S10)を含む透明歯列矯正装置の製造方法。
【請求項12】
前記段階(S10)において、上部が少なくとも部分的に開放された透明歯列矯正装置が印刷される請求項11に記載の透明歯列矯正装置の製造方法。
【請求項13】
前記段階(S10)において、上部全体が閉鎖された透明歯列矯正装置が印刷され、この場合、前記透明歯列矯正装置の上部を少なくとも部分的に開放させる段階(S20)をさらに含む請求項11に記載の透明歯列矯正装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
透明歯列矯正装置及びその製造方法が開示される。より詳しくは、歯列矯正効果に優れた透明歯列矯正装置及びその製造方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
透明歯列矯正装置は、既存の付着式歯列矯正装置に比べて、日常生活において不便が少なく審美的だが、何度も使用して非衛生的であり、透明歯列矯正装置当たりの移動量が多く、痛み及び使用上の不便さが持続的に提起されてきた。
3Dスキャニングと3Dプリンティングに基づいた新しいデジタル透明歯列矯正装置の製作方式は、患者の歯列の3次元映像をスキャナーで得て、CAD作業を通じて移動したい方向に矯正的に無理がない程度に段階的に仮想歯を移動させて仮想歯モデルをset upした後、物理的歯モデルを製作せずに、3Dプリンターでset upされた仮想歯モデルに合う透明歯列矯正装置をすぐに製作して患者に使用するものである。このような方式は、物理的な歯モデルを使用しないため、set upされた仮想歯の移動量を少しずつ変更しやすく、実際の透明矯正装置の製作時に変形が少なく精密な利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一実施例は、歯列矯正効果に優れた透明歯列矯正装置を提供する。
本発明の他の実施例は、前記透明歯列矯正装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一側面は、
歯側面の接触部を含み、
前記歯側面の接触部は、互いに反対側に配置されたもので、凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含む透明歯列矯正装置を提供する。
前記歯側面の接触部は、その下端部がその上端部を通る垂直線の内側に位置するように構成することができる。
前記歯の接触面は、天然歯の側面部全体と密着するように、天然歯の側面部の形状と反対の形状を有するように構成することができる。
【0005】
前記歯側面の接触部は、歯内側面の接触部及び前記歯内側面の接触部と互いに離れて向かい合うように配置された歯外側面の接触部を含み、
前記歯内側面の接触部及び前記歯外側面の接触部は、それぞれ凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含めることができる。
前記歯内側面の接触部及び前記歯外側面の接触部のうち、いずれか一つは歯を移動させるアクション部として作用し、もう一つは歯を固定させる固定部として作用するように構成することができる。
【0006】
前記透明歯列矯正装置は、歯上面の接触部をさらに含めることができる。
前記歯上面の接触部は、少なくとも一つの上部開放部を含めることができる。
前記透明歯列矯正装置は、歯上面の接触部を含めないことができる。
前記歯側面の接触部は、歯内側面の接触部は含めるものの、歯外側面の接触部は含めないことができる。
前記歯側面の接触部は、歯外側面の接触部は含めるものの、歯内側面の接触部は含めないことができる。
【0007】
本発明の他の側面は、
3Dプリンターを用いて透明歯列矯正装置をプリンティングする段階(S10)であり、前記透明歯列矯正装置は歯側面の接触部を含み、前記歯側面の接触部は互いに反対側に配置されたもので、凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含む段階(S10)を含む透明歯列矯正装置の製造方法を提供する。
前記段階(S10)において、上部が少なくとも部分的に開放された透明歯列矯正装置を印刷することができる。
前記透明歯列矯正装置の製造方法は、前記段階(S10)において上部全体が閉鎖された透明歯列矯正装置が印刷され、この場合、前記透明歯列矯正装置の上部を少なくとも部分的に開放させる段階(S20)をさらに含めることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施例による透明歯列矯正装置は、歯の前部と密着性に優れているため、歯の矯正効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、従来技術による透明歯列矯正装置の片側断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1による透明歯列矯正装置の片側断面図である。
【
図3】
図3は、
図2の透明歯列矯正装置の上端部を切開し、本発明の実施例2による透明歯列矯正装置を製造する方法を説明するための図面である。
【
図4a】
図4aは、本発明の実施例2による透明歯列矯正装置の斜視図である。
【
図6a】
図6aは、本発明の実施例3による透明歯列矯正装置の斜視図である。
【
図7a】
図7aは、本発明の実施例4による透明歯列矯正装置の斜視図である。
【
図8a】
図8aは、本発明の実施例5による透明歯列矯正装置の斜視図である。
【
図9a】
図9aは、本発明の実施例6による透明歯列矯正装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、歯側面の接触部を含む透明歯列矯正装置で、
前記歯側面の接触部は互いに反対側に配置されたもので、凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含む。
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施例による透明歯列矯正装置を詳しく説明する。
本明細書において、「歯側面の接触部(tooth side contacting portion)」とは、歯の側面に接触する部分を意味する。
また、本明細書において「歯内側面の接触部(tooth inner side contacting portion)」とは、歯の舌側の側面に接触する部分を意味する。
また、本明細書において、「歯外側面の接触部(tooth outer side contacting portion)」とは、歯の頬側の側面に接触する部分を意味する。
また、本明細書において、「歯の接触面(tooth contacting portion)」とは、歯に接触する面を意味する。
また、本明細書において、「歯の非接触面(tooth non contacting portion)」とは、歯に接触しない面を意味する。
また、本明細書において、「垂直線」とは、透明歯列矯正装置が歯に装着される姿勢(attitude)で平らな地面と水平に置かれているとき、重力方向と平行な方向の直線を意味する。
【0012】
*
図1は、従来技術による透明歯列矯正装置(10)の片側断面図である。
図1を参照すると、従来技術による透明歯列矯正装置(10)は、歯側面の接触部(11)及び歯上面の接触部(12)を含む。
歯側面の接触部(11)は、側面下部(11a)及び側面上部(11b)を含む。
【0013】
また、歯側面の接触部(11)は、その上端部を通る垂直線がその下端部も通るように構成されている。具体的に、歯側面の接触部(11)は側面上部(11b)の上端部及び側面下部(11a)の下端部とすべて接触する垂直線が存在するように構成されている。
歯上面の接触部(12)は、上面中央部(12a)及び上面側部(12b)を含む。
【0014】
側面上部(11b)、上面中央部(12a)及び上面側部(12b)は、歯(TE)と密着しているが、側面下部(11a)は少なくとも一部が歯(TE)と密着せずに離れている。したがって、透明歯列矯正装置(10)を歯(TE)に装着する場合、側面上部(11b)が歯(TE)の側面上部は押し出すが、側面下部(11a)は歯(TE)の側面下部を水平方向に押し出すことができないため、歯が全体的に移動せず、歯の上部だけ移動して下部は移動せず、当初の目標どおりに歯列矯正が行われず、むしろ歯列がずれる問題点がある。
【0015】
図2は、本発明の実施例1による透明歯列矯正装置(20)の片側断面図である。
図2を参照すると、本発明の実施例1による透明歯列矯正装置(20)は、歯側面の接触部(21)及び歯上面の接触部(22)を含む。
歯側面の接触部(21)は、歯の接触面(S1)及び歯の非接触面(S2)を含めることができる。
歯の接触面(S1)及び歯の非接触面(S2)は、互いに反対側に配置されることもある。例えば、歯の接触面(S1)は歯(TE)側に配置され、歯の非接触面(S2)は歯(TE)の反対側に配置されることもある。
【0016】
また、歯の接触面(S1)は凹状に構成し、歯の非接触面(S2)は凸状に構成することができる。
また、歯の接触面(S1)は、天然歯の側面部全体と密着するように天然歯の側面部形状と反対の形状を有するように構成することができる。
また、歯の側面接触部(21)は、側面下部(21a)及び側面上部(21b)を含めることができる。
また、歯側面の接触部(21)は、その下端部がその上端部を通る垂直線の内側(すなわち、歯の接触面(S1)側)に位置するように構成することができる。具体的に、歯側面の接触部(21)は、側面下部(21a)の下端部が側面上部(21b)の上端部を通る垂直線の内側に位置するように構成することができる。
【0017】
歯上面の接触部(22)は、上面中央部(22a)及び上面側部(22b)を含めることができる。
また、歯上面の接触部(22)は、
図4a、
図4b、
図6a、
図6b、
図7a及び
図7bに図示されたように、少なくとも一つの上部開放部(h、h1、h2、h3)を含めることができる。
側面上部(21b)と上面側部(22b)の境界部は、天然歯の最大豊隆部(cerbical ridge)に対応する部分でありうる。
【0018】
側面上部(21b)、上面中央部(22a)及び上面側部(22b)だけでなく、側面下部(21a)も歯(TE)と密着することができる。したがって、透明歯列矯正装置(20)を歯(TE)に装着する場合、側面上部(21b)が歯(TE)の側面上部を水平方向に押し出し、これと同時に側面下部(21a)も歯(TE)の側面下部を水平方向に押し出すため、歯が全体的に移動して歯の上部と下部が一緒に移動し、当初の目標どおりに歯列矯正を行うことができる。
【0019】
前記のような構成を有する歯側面の接触部(21)及び歯上面の接触部(22)は、それぞれ歯別に区分されるように形成され、互いに連結された複数の基本歯側面の接触部及び複数の基
【0020】
本歯上面の接触部を含めることができる。
また、透明歯列矯正装置(20)の材質、製造方法及び色は、特に限定されるものではなく、多様な材質、製造方法及び色で製造することができる。
また、透明歯列矯正装置(20)は、側面下部(21a)に天然歯からの脱着及び/または天然歯側への加圧のための凹及び/または凸構造をさらに含めることができる。
【0021】
図3は、
図2の透明歯列矯正装置(20)の上端部を切開して、本発明の実施例2による透明歯列矯正装置(30)を製造する方法を説明するための図面であり、
図4aは本発明の実施例2による透明歯列矯正装置(30)の斜視図であり、
図4bは
図4aの透明歯列矯正装置(30)の平面図である。
【0022】
図3を参照すると、
図2に図示された透明歯列矯正装置(20)を切断線(CL)に沿って切断し、透明歯列矯正装置(30)を製造することができる。この場合、切断線(CL)は、天然歯の最大豊隆部の上端の高さに対応する線でありうる。
【0023】
図4a及び
図4bを参照すると、本発明の実施例2による透明歯列矯正装置(30)は、歯内側面の接触部(30-1)、歯外側面の接触部(30-2)及び連結部(30-3)を含む。
歯外側面の接触部(30-2)は、歯内側面の接触部(30-1)と互いに離れて向かい合うように配置することができる。
【0024】
歯内側面の接触部(30-1)及び歯外側面の接触部(30-2)は、それぞれ凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含めることができる。具体的には、歯内側面の接触部(30-1)及び歯外側面の接触部(30-2)の具体的な構成及び作用は、
図2に図示された透明歯列矯正装置(20)の歯側面の接触部(11)の構成及び作用と同じであるか類似しているので、ここではこれらに対する詳しい説明を省略することにする。
【0025】
連結部(30-3)は、歯内側面の接触部(30-1)と歯外側面の接触部(30-2)を互いに連結させる役割をする。
また、透明歯列矯正装置(30)は、歯上面の接触部を含めないことができる。具体的に、透明歯列矯正装置(30)は、連結部(30-3)を除いて、上面全体が開放されたものでありうる。すなわち、透明歯列矯正装置(30)は、上面に一つのU字形に延長された上部開放部(h)を含めることができる。
【0026】
図5Aは、
図4Aの透明歯列矯正装置(30)の片側断面図であり、
図5bは
図4aの透明歯列矯正装置(30)の他側断面図である。具体的に、
図5a及び
図5bは、
図4aの透明歯列矯正装置(30)が歯に装着した状態を図示した図面である。
図5a及び
図5bにおいて、TEは歯を示し、GIは歯茎を示す。
図5a及び
図5bを参照すると、歯内側面の接触部(30-1)及び歯外側面の接触部(30-2)のうち、いずれか一つは歯を移動させるアクション部として作用し、もう一つは歯を固定させる固定部として作用するように構成することができる。
【0027】
具体的に、
図5aを参照すると、歯内側面の接触部(30-1)がアクション部として作用し、歯外側面の接触部(30-2)が固定部として作用し、この場合、歯内側面の接触部(30-1)は、相対的に剛性は低く、弾性は高い材質で構成し、歯外側面の接触部(30-2)は、相対的に剛性は高く、弾性は低い材質で構成することができる。
【0028】
また、
図5bを参照すると、歯内側面の接触部(30-1)が固定部として作用し、歯外側面の接触部(30-2)がアクション部として作用し、この場合、歯内側面の接触部(30-1)は歯(TE)から離れるように配置することができる。
【0029】
図6aは、本発明の実施例3による透明歯列矯正装置(40)の斜視図であり、
図6bは
図6aの透明歯列矯正装置(40)の平面図である。
図6a及び
図6bを参照すると、本発明の実施例3による透明歯列矯正装置(40)は、歯内側面の接触部(40-1)、歯外側面の接触部(40-2)、歯上面の接触部(40-3)及び連結部(40-4)を含む。
図6a及び
図6bの透明歯列矯正装置(40)が
図4a及び
図4bの透明歯列矯正装置(30)と異なる点は、上部開放部(h1、h2)が一つではなく二つに分かれている点である。具体的に、透明歯列矯正装置(40)は、長さ方向の中間部分に一つの歯上面の接触部(40-3)を含み、両端部に一つずつ二つの連結部(40-4)を含めることができる。
【0030】
図7aは、本発明の実施例4による透明歯列矯正装置(50)の斜視図であり、
図7bは
図7aの透明歯列矯正装置(50)の平面図である。
図7a及び
図7bを参照すると、本発明の実施例4による透明歯列矯正装置(50)は、歯内側面の接触部(50-1)、歯外側面の接触部(50-2)、歯上面の接触部(50-3、50-4)及び連結部(50-5)を含む。
図7a及び
図7bの透明歯列矯正装置(50)が
図4a及び
図4bの透明歯列矯正装置(30)と異なる点は、上部開放部(h1、h2、h3)が一つではなく三つに分かれている点である。具体的に、透明歯列矯正装置(50)は、長さ方向の両端部の間に互いに離れるように配置された二つの歯上面の接触部(50-3、50-4)を含み、両端部に一つずつ二つの連結部(50-5)を含めることができる。
【0031】
図8aは、本発明の実施例5による透明歯列矯正装置(60)の斜視図であり、
図8bは
図8aの透明歯列矯正装置(60)の平面図である。
図8a及び
図8bを参照すると、本発明の実施例5による透明歯列矯正装置(60)は、歯内側面の接触部を含むものの、歯上面の接触部及び歯外側面の接触部は含まない。すなわち、透明歯列矯正装置(60)は歯内側面の接触部だけで構成することができる。
前記のような構成を有する透明歯列矯正装置(60)は、歯列弓(dental)の舌側(lingual side)にのみ挿入され、歯を矯正する舌側透明歯列矯正装置でありうる。
また、透明歯列矯正装置(60)の材質は、チタンでありうるが、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0032】
図9aは、本発明の実施例6による透明歯列矯正装置(70)の斜視図であり、
図9bは
図9aの透明歯列矯正装置(70)の平面図である。
図9a及び
図9bを参照すると、本発明の実施例6による透明歯列矯正装置(70)は、歯外側面の接触部を含むものの、歯上面の接触部及び歯内側面の接触部は含まない。すなわち、透明歯列矯正装置(70)は歯外側面の接触部だけで構成することができる。
【0033】
前記のような構成を有する透明歯列矯正装置(70)は、歯列弓(dental)の頬側(buccal side)にのみ挿入され、歯を矯正する頬側透明歯列矯正装置でありうる。
また、前述した透明歯列矯正装置(20~70)は、厚さが0.2~2mm(例えば、0.2~0.5mm)でありうる。したがって、透明歯列矯正装置(20~70)は厚さが薄く、患者の歯に装着される場合、患者が感じる異物感を減らすことができる。本明細書において、「透明歯列矯正装置の厚さ」とは、内壁(すなわち、歯側の表面)と外壁(すなわち、歯の反対側の表面)との間の間隔を意味する。
【0034】
以下、本発明の一実施例による透明歯列矯正装置の製造方法を詳しく説明する。
本発明の一実施例による透明歯列矯正装置の製造方法は、3Dプリンターを用いて透明歯列矯正装置をプリンティングする段階(S10)を含む。
前記透明歯列矯正装置は、歯側面の接触部を含めることができる。
前記歯側面の接触部は、歯の接触面及び歯の非接触面を含めることができる。
前記歯の接触面及び前記歯の非接触面は、互いに反対側に配置されたものでありうる。すなわち、前記歯の接触面は、内表面であり、前記歯の非接触面は外表面でありうる。
前記歯の接触面は、凹状に構成し、前記歯の非接触面は凸状に構成することができる。
前記段階(S10)において、上部が少なくとも部分的に開放された透明歯列矯正装置を印刷することができる。
【0035】
また、前記段階(S10)において、上部全体が閉鎖された透明歯列矯正装置が印刷され、この場合、前記透明歯列矯正装置の上部を少なくとも部分的に開放させる段階(S20)をさらに含めることができる。具体的には、
図3に示されたように、
図2に示された透明歯列矯正装置(30)を3Dプリンターで印刷した後、切断線(CL)に沿って切断し、上部が少なくとも部分的に開放された透明歯列矯正装置を製造することができる。この場合、切断線(CL)は天然歯の最大豊隆部の上端の高さに対応する線でありうる。
【0036】
また、前述した透明歯列矯正装置の製造方法は、厚さが0.2~2mm(例えば、0.2~0.5mm)の透明歯列矯正装置を製造することができる。したがって、前述した透明歯列矯正装置の製造方法は厚さが薄く、患者の歯に装着される場合、患者が感じる異物感を減らすことができる透明歯列矯正装置を提供することができる。
【0037】
以上で図面を参照して本発明による望ましい実施例が説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を持つ者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能だという点を理解できるだろう。したがって、本発明の保護範囲は、添付された特許請求の範囲によって定められなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明による透明歯列矯正装置は、歯と密着性に優れているため、歯列矯正効果を向上させ、歯列矯正分野において活用の可能性が非常に大きいものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯側面の接触部及び歯の上面の接触部を含み、
前記歯側面の接触部は、互いに反対側に配置されたもので、凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含み、
前記歯側面の接触部は、歯内側面の接触部及び前記歯内側面の接触部と互いに離れて向かい合うように配置された歯外側面の接触部を含み、
前記歯内側面の接触部及び前記歯外側面の接触部のうち、いずれか一つは歯を移動させるアクション部として作用し、もう一つは歯を固定させる固定部として作用するように構成され、
前記歯内側面の接触部及び前記歯外側面の接触部のうち、いずれか一つは、他方の接触部よりも相対的に剛性は高く、弾性が低い材質から構成され、
前記歯側面の接触部及び前記歯の上面の接触部は、厚さが0.2mm~2mmであり、チタンを含む、透明歯列矯正装置。
【請求項2】
前記歯上面の接触部は、互いに離れるように複数の上部開放部を含む、請求項1に記載の透明歯列矯正装置。
【請求項3】
前記歯側面の接触部は、その下端部がその上端部を通る垂直線の内側に位置するように構成された、請求項1又は請求項2に記載された透明歯列矯正装置。
【請求項4】
前記歯の接触面は、天然歯の側面部全体と密着するように天然歯の側面部の形状と反対の形状を有するように構成された、請求項1又は請求項2に記載された透明歯列矯正装置。
【請求項5】
前記歯の内表面接触面及び歯の外表面接触面は、それぞれ凹状に構成された歯の接触面及び凸状に構成された歯の非接触面を含む、請求項1又は請求項2に記載された透明歯列矯正装置。
【国際調査報告】