(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】ISFO-VMD-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度の反転方法
(51)【国際特許分類】
G06N 3/006 20230101AFI20241001BHJP
G01N 21/3504 20140101ALI20241001BHJP
【FI】
G06N3/006
G01N21/3504
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545259
(86)(22)【出願日】2023-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2023073975
(87)【国際公開番号】W WO2024031938
(87)【国際公開日】2024-02-15
(31)【優先権主張番号】202210967017.9
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523282578
【氏名又は名称】貴州電網有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】張英
(72)【発明者】
【氏名】黄傑
(72)【発明者】
【氏名】王為
(72)【発明者】
【氏名】王明偉
(72)【発明者】
【氏名】劉▲ぜ▼
(72)【発明者】
【氏名】馮楚傑
(72)【発明者】
【氏名】蒲曾▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】趙世欽
(72)【発明者】
【氏名】潘雲
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059AA05
2G059BB01
2G059BB08
2G059BB12
2G059CC04
2G059EE01
2G059EE12
2G059FF01
2G059FF04
2G059GG01
2G059GG09
2G059HH01
2G059KK04
2G059MM01
2G059NN01
(57)【要約】
本発明は、従来の旗魚オプティマイザに基づいて、改善された旗魚オプティマイザを構
築するステップ、元の吸収スペクトルを収集し、前記元の吸収スペクトルを前処理するス
テップ、前処理結果に基づいて、改善された旗魚オプティマイザによって最適化された原
子力エクストリーム学習機械と組合わせて、吸収スペクトルの第2高調波振幅とCO2濃
度の反転モデルを構築するステップ、および反転モデルに基づいてCO2検出実験を行い
、SF6電気機器の動作状態を決定するステップを含むISFO-VMD-KELMに基
づくSF6分解成分であるCO2濃度の反転方法を開示する。本発明は、改善された旗魚
オプティマイザによって最適化された適応的変分モード分解を用いて、ウェーブレット閾
値法を連合して、元のスペクトル信号を濾波し、元の信号における高周波ノイズを除去し
、SF6背景を差し引いた後、スペクトルの振幅値をより正確に読み取ることができる。
改善された旗魚オプティマイザによって最適化された原子力エクストリーム学習機械で、
従来の濃度の反転方法よりも高い精度と安定性を有するCO2濃度の反転モデルを構築す
る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法であ
って、
従来の旗魚オプティマイザに基づいて、最適化精度と局所検索能力を改善し、改善され
た旗魚オプティマイザを構築するステップ、
元の吸収スペクトルを収集し、前記改善された旗魚オプティマイザによって最適化され
た変分モード分解アルゴリズムと組合わせて、ウェーブレット閾値法を連合し、前記元の
吸収スペクトルを前処理するステップ、
前記前処理結果に基づいて、前記改善された旗魚オプティマイザによって最適化された
原子力エクストリーム学習機械と組合わせて、吸収スペクトルの第2高調波振幅とCO
2
濃度の反転モデルを構築するステップ、および
前記反転モデルに基づいてCO
2検出実験を行い、SF
6電気機器の動作状態を決定す
るステップを含むことを特徴とするISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分
であるCO
2濃度の反転方法。
【請求項2】
前記改善された旗魚オプティマイザは、
マルチ戦略初期化方法に基づいて、初期旗魚とイワシの個体群を生成するためのアルゴ
リズム制御パラメータを設定するステップ、
今回の反復ときの旗魚とイワシの全体最適位置を記録す適応度値を計算するステップ、
攻撃力に応じて、イワシ位置を更新し、旗魚位置を更新するステップ、
旗魚とイワシのエリート個体に対して、それぞれコーシー変異と適応的t分布変異を行
うステップ、
旗魚とイワシの最適解を比較し、その結果に基づいて旗魚とイワシの位置を置き換える
ステップ、および
反復が終了していない場合は最適化を続けるための適応度値を計算し、反復が終了した
場合は最終結果に戻るステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のISFO-VM
D-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法。
【請求項3】
前記改善された旗魚オプティマイザは、
旗魚とイワシの初期の個体群の分布を改善するためにTentカオス系列を採用するス
テップをさらに含み、その数式は以下のとおりであり、
ここで、βは[0、1]の乱数であることを特徴とする請求項2に記載のISFO-V
MD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法。
【請求項4】
前記改善された旗魚オプティマイザは、
改善後のイワシ位置を更新するステップをさらに含み、その数式は以下のとおりであり
、
ここで、
の数式は:
であり、
ここで、u
で、v
で、βは[0、2]の乱数であることを特徴する請求項3に記載のISFO-VMD-K
ELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法。
【請求項5】
前記改善された旗魚オプティマイザは、適応的変分モード分解と原子力エクストリーム
学習機械のパラメータを最適化し、旗魚とイワシのエリート個体に対してコーシー変異と
適応的t分布変異を実行するステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のI
SFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法。
【請求項6】
前記反転モデルは、
適応的変分モード分解のマルチスケール配置エントロピーの和を適応度関数として使用
し、改善された旗魚オプティマイザの基本パラメータを初期化するステップ、
初期の個体群を生成し、旗魚個体群とイワシ個体群の割合を設定するステップ、
各個体群の位置情報をパラメータとして適応度関数に取り込み、マルチスケール配置エ
ントロピーを計算し、マルチスケール配置エントロピーの最小値と対応する位置ベクトル
を全体解と全体最適位置とするステップ、
旗魚とイワシの位置を更新し、適応度値を再計算し、全体解と全体最適位置を更新する
ステップ、
最大反復回数に達するまで最適化の反復を行い、最後の反復ときの全体最適位置を適応
的変分モード分解の最適パラメータとし、このパラメータの条件下で適応的変分モード分
解を行うステップを含むことを特徴とする請求項5に記載のISFO-VMD-KELM
に基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法。
【請求項7】
前記反転モデルは、第2高調波値およびガス濃度をそれぞれ、構築されたモデルの単一
の入力および単一の出力として使用するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6
に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方
法。
【請求項8】
前記反転モデルは、CO
2の濃度の予測モデルを構築するために原子力エクストリーム
学習機械を使用し、且つ改善された旗魚オプティマイザアルゴリズムを使用して、原子力
エクストリーム学習機械の正則化係数および核パラメータを最適化するステップとをさら
に含み、適応度関数は、予測濃度と真の濃度の二乗平均平方根誤差であることを特徴とす
る請求項7に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃
度の反転方法。
【請求項9】
前記前処理は、前記改善された旗魚オプティマイザを用いてパラメータを最適化した後
の適応的変分モード分解を行い、ウェーブレット閾値法を組合せて元の吸収スペクトルを
前処理するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のISFO-VMD-KEL
Mに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法。
【請求項10】
前記適応的変分モード分解は、
を含み、
ここで、f(t)は波形関数、すなわち時系列であり、tは時間であり、1sの波形を
採集し、
は振幅値が1の40Hz余弦信号であり、
は振幅値が3の150Hzの間欠的正弦信号であり、
は20dBのガウス白ノイズであることを特徴とする請求項9に記載のISFO-VMD
-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SF6電気機器内部の分解成分を検出する技術分野に関し、特に、ISFO
-VMD-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度の反転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SF6電気機器において、GISポット型絶縁体等の固体絶縁部材は、エポキシ樹脂な
どの有機絶縁材料で鋳造されており、有機絶縁材料は局部放電や局部高温の過熱故障で徐
々に亀裂や炭化が発生し、それによって機器全体の安全を脅かしている。CO2ガスは、
有機絶縁材料が亀裂や炭化する過程で発生する分解生成物であり、CO2ガスの体積分率
を検出することで、SF6電気機器の絶縁性故障をタイムリーに発見することができる。
近年、波長可変レーザー吸収スペクトル技術(波長可変吸収スペクトル)が電力業界で広
く応用されている。波長可変吸収スペクトル技術は、波長可変半導体レーザーのスペクト
ル線幅が狭い特性を利用して、目標ガスの特定レーザーに対する吸収スペクトル線を観察
することによって目標ガスの定量分析を実現し、従って、従来のSF6分解生成物の濃度
の反転方法は、簡単ではあるが精度が高くなく、濃度の反転誤差が大きい目標ガスの体積
分率と吸収光強度の線形関係を利用して、最小二乗法線形または非線形方程式を構築する
ことである。
【0003】
機械学習の発展に伴い、波長可変吸収スペクトル技術に機械学習を応用する研究が増え
ている。従来技術では、高調波信号と積分吸光度のモデルを確立するために極限学習機械
(ELM)を使用しているが、ELMはパラメータへの依存性が強く、局所最小値に陥り
やすい。また、O2ガスの濃度反転モデルを構築するためにBPニューラルネットワーク
を用い、BPネットワークのパラメータ調整問題に古典的な遺伝アルゴリズムを適用した
が、BPネットワーク自体には学習過程が遅く、安定性が低いという問題があり、また遺
伝的アルゴリズムは局所探索能力が弱く、早期に収束しやすい。また、粒子群最適化アル
ゴリズムを用いて原子力エクストリーム学習機械(KELM)を最適化し、精度の高いC
O2濃度反転モデルを構築した例もあるが、粒子群最適化アルゴリズムは局所最適解に陥
りやすい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この部分の目的は、本発明の実施形態のいくつかの態様を概説すると共に、いくつかの
好ましい実施形態を簡単に説明することである。この部分、明細書の要約、および発明名
称の目的を不明瞭にしないために、この部分および本願の明細書要約、および発明名称に
おいて、簡略化または省略がなされることがあり、このような簡略化または省略は、本発
明の範囲を限定するために使用されてはならない。
【0005】
上記の従来に存在する問題点に鑑み、本発明を提案する。
【0006】
したがって、本発明は、学習機械がパラメータへの依存性が強く、局所最小値に陥りや
すく、局所探索能力が弱く、早期収束しやすく、また粒子群最適化アルゴリズムが局所最
適解に陥りやすいという問題を解決することができるISFO-VMD-KELMに基づ
くSF6分解成分であるCO2濃度の反転方法を提供する。
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術的解決策を提供する。ISF
O-VMD-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度の反転方法は、
従来の旗魚オプティマイザに基づいて、最適化精度と局所検索能力を改善し、改善され
た旗魚オプティマイザを構築するステップ、
元の吸収スペクトルを収集し、前記改善された旗魚オプティマイザによって最適化され
た変分モード分解アルゴリズムと組合わせて、ウェーブレット閾値法を連合し、前記元の
吸収スペクトルを前処理するステップ、
前記前処理結果に基づいて、前記改善された旗魚オプティマイザによって最適化された
原子力エクストリーム学習機械と組合わせて、吸収スペクトルの第2高調波振幅とCO2
濃度の反転モデルを構築するステップ、および
前記反転モデルに基づいてCO2検出実験を行い、SF6電気機器の動作状態を決定す
るステップを含む。
【0008】
本発明に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度
の反転方法の好ましい実施形態として、前記改善された旗魚オプティマイザは、
マルチ戦略初期化方法に基づいて、初期旗魚とイワシの個体群を生成するためのアルゴ
リズム制御パラメータを設定するステップ、
今回の反復ときの旗魚とイワシの全体最適位置を記録する適応度値を計算するステップ
、
攻撃力に応じてイワシ位置を更新し、旗魚位置を更新するステップ、
旗魚とイワシのエリート個体に対して、それぞれコーシー変異と適応的t分布変異を行
うステップ、
旗魚とイワシの最適解を比較し、その結果に基づいて旗魚とイワシの位置を置き換える
ステップ、および
反復が終了していない場合は最適化を続けるための適応度値を計算し、反復が終了した
場合は最終結果に戻るステップを含む。
【0009】
本発明に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度
の反転方法の好ましい実施形態として、前記改善された旗魚オプティマイザは、
旗魚とイワシの初期の個体群分布を改善するためにTentカオス系列を採用するステ
ップをさらに含み、その数式は以下のとおりであり、
ここで、βは[0、1]の乱数である。
【0010】
本発明に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度
の反転方法の好ましい実施形態として、前記改善された旗魚オプティマイザは、
改善後のイワシ位置を更新するステップをさらに含み、その数式は以下のとおりであり
、
ここで、
の数式は:
であり、
ここで、u
で、v
で、βは[0、2]の乱数である。
【0011】
本発明に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度
の反転方法の好ましい実施形態として、前記改善された旗魚オプティマイザは、適応的変
分モード分解と原子力エクストリーム学習機械のパラメータを最適化し、旗魚とイワシの
エリート個体に対してコーシー変異と適応的t分布変異を実行するステップをさらに含む
。
【0012】
本発明に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度
の反転方法の好ましい実施形態として、前記反転モデルは、
適応的変分モード分解のマルチスケール配置エントロピーの和を適応度関数として使用
し、改善された旗魚オプティマイザの基本パラメータを初期化するステップ、
初期の個体群を生成し、旗魚個体群とイワシ個体群の割合を設定するステップ、
各個体群の位置情報をパラメータとして適応度関数に取り込み、マルチスケール配置エ
ントロピーを計算し、マルチスケール配置エントロピーの最小値と対応する位置ベクトル
を全体解と全体最適位置とするステップ、
旗魚とイワシの位置を更新し、適応度値を再計算し、全体解と全体最適位置を更新する
ステップ、および
最大反復回数に達するまで最適化の反復を行い、最後の反復ときの全体最適位置を適応
的変分モード分解の最適パラメータとし、このパラメータの条件下で適応的変分モード分
解を行うステップを含む。
【0013】
本発明に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度
の反転方法の好ましい実施形態として、前記反転モデルは、原子力エクストリーム学習機
械を用いてCO2の濃度予測モデルを構築し、また改善された旗魚オプティマイザ・アル
ゴリズムを用いて、原子力エクストリーム学習機械の正則化係数および核パラメータを最
適化するステップをさらに含む。適応度関数は、予測濃度と真の濃度の二乗平均平方根誤
差である。
【0014】
本発明に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度
の反転方法の好ましい実施形態として、前記前処理は、前記改善された旗魚オプティマイ
ザでパラメータを最適化した後の適応的変分モード分解を用いて、ウェーブレット閾値法
と組合わせて元の吸収スペクトルを前処理するステップを含む。
【0015】
本発明に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度
の反転方法の好ましい実施形態として、前記適応的変分モード分解は、
を含み、
ここで、f(t)は波形関数、すなわち時系列であり、tは時間であり、1sの波形を
採集し、
は振幅値が1の40Hz余弦信号であり、
は振幅値が3の150Hzの間欠的正弦信号であり、
は20dBのガウス白ノイズである。
【0016】
本発明に記載のISFO-VMD-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度
の反転方法の好ましい実施形態として、前記反転モデルは、第2高調波値およびガス濃度
をそれぞれ、構築されたモデルの単一の入力および単一の出力として使用するステップを
含む。
【効果】
【0017】
本発明の有益効果は以下のとおりである。本発明によって提案されるISFO-VMD
-KELMに基づくSF6分解成分であるCO2濃度の反転方法は、改善された旗魚オプ
ティマイザによって最適化された適応的変分モード分解を用いて、ウェーブレット閾値法
と連合して元のスペクトル信号を濾波し、元の信号における高周波ノイズを除去し、SF
6背景を差し引いた後、スペクトルの振幅値をより正確に読み取ることができる。改善さ
れた旗魚オプティマイザによって最適化された原子力エクストリーム学習機械で、従来の
濃度の反転方法よりも高いの精度と安定性を有するCO2濃度反転モデルを構築する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明
に使用する必要のある添付図面を簡単に説明する。以下の説明における添付図面は、本発
明の実施形態の一部に過ぎず、当業者にとって、創作労力を支払うことなく、これらの図
面に基づいて他の添付図面を得ることができることは明らかである。
【
図1】本発明の一実施形態よって提供されるISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施形態よって提供されるISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法において、適応的変分モードの分解モード図である。
【
図3】本発明の一実施形態よって提供されるISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法において、CO
2吸収スペクトルを濾波する前と後の比較図である。
【
図4】本発明の一実施形態よって提供されるISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法において、SF
6吸収スペクトルを濾波する前と後の比較図である。
【
図5】本発明の一実施形態よって提供されるISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法において、背景を差し引いた後の吸収スペクトル線を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態よって提供されるISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法において、背景を差し引いた後の吸収スペクトル線を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態よって提供されるISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法において、最小二乗法による線形フィットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の上記目的、特徴および利点をより明白かつ理解しやすくするために、以下、本
発明の具体的な実施形態を明細書の添付図面と併せて詳細に説明するが、説明された実施
形態は本発明の実施形態の一部であり、実施形態の全部ではないことは明らかである。本
発明の実施形態に基づいて、当業者が創意工夫をすることなく得られた他のすべての実施
形態は、本発明の保護範囲に属するものとする。
【0020】
以下の説明では、本発明を十分に理解するために多くの具体的な詳細を説明するが、本
発明は、本明細書で説明する以外の方法で実施することもでき、当業者は、本発明の内容
に違反することなく、同様に本発明を拡張することができ、したがって、本発明は、以下
に開示する特定の実施形態によって限定されない。
【0021】
次に、本明細書で称される「一実施形態」または「実施形態」は、本発明の少なくとも
1つの実施形態に含まれ得る特定の特徴、構造または特性を指す。本明細書の中で、異な
る箇所に現れる「一実施形態において」という言葉は、すべてが同じ実施形態を指すもの
ではなく、単独または選択的に他の実施形態と排他的な実施形態を指すわけでもない。
【0022】
本発明は、概略図を組合わせて詳細に説明するが、本発明の実施形態を詳述する際に、
説明の便宜上、装置の構造を示す断面図は、一般的な割合に応じて部分的に拡大されず、
当該概略図は例示に過ぎず、本明細書における本発明の保護範囲を限定するものではない
。また、実際の製作には長さ、幅、奥行きの3次元空間寸法を含めるべきである。
【0023】
同時に、本発明の説明において、「上、下、内、外」などの用語によって示される方位
または位置関係は、添付図面に示される方位または位置関係に基づくものであり、本発明
の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、言及される装置または要素が
特定の方位を有し、特定の方位で構築され、操作されなければならないということを示し
たり示唆したりするのではなく、したがって、本発明の限定として理解されるものではな
いことを明らかにする。また、「第1、第2または第3」という用語は、説明の目的のみ
に使用され、相対的な重要性を示すまたは暗示するものとして理解されるべきではない。
【0024】
本発明において、特に明示的に規定および限定されない限り、「取り付けられる、接続
される、連結される」という用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、取
り外し可能接続、または一体接続であってもよく、同様に、機械的接続、電気的接続、ま
たは直接接続であってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよく、2つの
要素内部の連通であってもよい。当業者にとって、本発明における上記用語の具体的な意
味は、特定の状況において理解され得る。
【0025】
実施例1
図1~2参照すると、本発明の第1の実施例が示されており、この実施例は、以下のス
テップを含むISFO-VMD-KELMに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反
転方法を提供する。
【0026】
ステップS1:従来の旗魚オプティマイザに基づいて、最適化精度と局所検索能力を改
善し、改善された旗魚オプティマイザを構築する。
【0027】
また、旗魚オプティマイザ(SFO)は、海洋生態学における旗魚がイワシを捕食する
自然現象に啓発される。旗魚は集団協力の狩猟方式を採用し、追い払うことによってイワ
シ群を水面に浮上させた後に狩猟を展開し、旗魚の攻撃で負傷したイワシは隊列から離脱
して旗魚に捕食されることが絶えない。
【0028】
なお、捕食者としての旗魚の位置更新の数式は以下の通りであり、
ここで、
は、現在の反復回数を表し、
は、旗魚の更新した後の位置を表し、
は、先頭の旗魚の位置を表す。先頭の旗魚は、現在最適な適応度値を有する旗魚である。
は、負傷したイワシの位置を表し、負傷したイワシは、現在最適な適応度値を有するイワ
シである。
は、現在の旗魚の位置を表し、
は、(0、1)の間の乱数を表し、
は、反復係数を表す。
【0029】
なお、反復係数とイワシ個体群の密度の関係は、
数式で示すと以下のとおりであり、
ここで、
はイワシ群れの密度を表し、
数式は以下のとおりであり、
ここで、
および
はそれぞれ、各反復における旗魚とイワシの個体群の数を示す。
【0030】
また、イワシの移動方法は旗魚の攻撃力に関連し、その位置を更新する数式は以下のと
おりであり、
ここで、
はイワシの更新した後の位置を表し、
はイワシの現在位置を表し、
は各反復ときの旗魚の攻撃力を表す。
数式は以下のとおりであり、
ここで、
は旗魚の最大攻撃力を表し、
は減衰係数を表し、反復過程における旗魚の攻撃力は、最大値
から0まで線形に減衰する。
【0031】
なお、
である場合、すべてのイワシが安全な領域に移動するために、現在位置を更新する必要が
あり、
である場合、一部のイワシのみが現在位置を更新することを選択する。一部を更新する場
合、数
と次元
を考慮する必要があり、更新範囲は以下のように定義され、
ここで、
は、第
回目の反復ときの次元を表し、最適化する必要があるパラメータの個数、すなわち次元数
を表し、dは次元、すなわち第d番目のパラメータを表し、iは反復回数を表し、diは
第i回目の反復ときの第d次元パラメータ(変数)を表す。
【0032】
また、各反復のときに、2つの個体群の適応度値を比較し、式に従って旗魚とイワシの
位置を入れ替える。
ここで、
は現在旗魚の適応度値を表し、
はイワシの現在の適応度値を表す。
【0033】
また、旗魚オプティマイザーは擬似ランダム方式を用いて初期の個体群を生成し、この
方法は個体群分布のバランスを保証できず、最適解が見つからないうちに探索状態が停滞
してしまうことを招きやすい。カオスには決定性とクラスランダム性の特徴があり、
図2
では、4種類の一般的なカオス系列の確率分布のヒストグラムを示し、ここで、Tent
系列は[0、1]上で最も均一な分布であるため、本発明は旗魚とイワシの初期の個体群
分布を改善するためにTentカオス系列を採用し、その数式は以下の通りであり、
ここで、βは[0、1]の乱数であり、本発明では0.7を取る。
【0034】
また、初期の個体群を取得した上で、レンズイメージング学習機構をさらに組合わせて
、良質の個体群をスクリーニングする。旗魚とイワシはいずれも以下のステップで初期の
個体群を生成する。
【0035】
また、Tentカオスマッピングを用いて、N個の個体群を生成し、個体群Aと標記し
、その適応度値を計算する。
【0036】
また、上式を用いて、個体群Aにおける全個体のレンズ・イメージング解を求め、これ
を個体群Bと標記し、その適応度値を計算し、
ここで、
は現在解を表し、
は現在解の鏡像解を表し、上式に従ってN個の個体群(数値)が得られ、aおよびbは個
体群の最小値および最大値を表し、kは経験値に従って1を取り、
および
はそれぞれ、個体群の最小境界および最大境界を表す。
【0037】
なお、適応度値を比較し、レンズイメージング解がその元の解よりも優れている場合、
個体群Aの元の解はBの中で対応するレンズイメージング解に置き換えられ、最終的にN
個の新しい初期の個体群を構成する。
【0038】
また、イワシの更新方法は、反復の後期段階での探索が不十分であるため、局所最適解
に陥りやすい。
【0039】
なお、Levy飛行戦略はランダム・ステップサイズの変化に基づいて、対応する距離
の位置突然変異移動を行うため、イワシの探索範囲を拡大して最適化性能を向上させるた
めに、本発明はイワシの位置更新方法にLevyランダムステップ式を導入することによ
って、イワシの探索範囲を拡大し、改善されたイワシの位置更新の数式は、以下の標準的
な旗魚の最適化アルゴリズムのイワシの更新方法のように、反復後期の探索力で十分に強
くない。それによって、局所最適解に陥りやすいので、本発明はイワシの位置更新方法を
改善し、同時に適応的フィードバック因子が反復収束を加速する過程を導入する。
【0040】
また、
である場合、改善されたイワシが位置を更新する数式は以下の通りであり、
ここで、
の数式は、
であり、
ここで、u
で、v
で、βは[0、2]の乱数であり、本願では1.5を取る。
【0041】
また、最適解をエリートとし、変異操作は以下のステップに従って行う。旗魚とイワシ
のエリート個体に対して、それぞれコーシー変異を行い、数式は以下のとおりであり、
ここで、
はコーシー分布に従う0~1の乱数であり、
はエリート解
がコーシー変異した後の解を表す。
【0042】
旗魚とイワシのエリート個体に対して、それぞれ適応的t分布変異を行い、数式は以下
のとおりであり、
ここで、
はエリート解
のt分布変異解を表し、
は学生のt分布を表し、その自由度はアルゴリズムの反復回数である。
【0043】
なお、エリート解とその変異解
および
の適応度値を比較し、より良い変異解を選択して、対応するエリート解を置き換える。学
生のt-分布(Student’s t-distribution)は、t分布と略す
ことができる。ここで、エリート解とは最適解(適応度関数値によって計算され、最適の
適応度値を持つ位置ベクトルをエリートと称す)と定義される。
【0044】
また、旗魚オプティマイザを改善するステップは、
マルチ戦略初期化方法に基づいて、初期の旗魚とイワシの個体群を生成するためのアル
ゴリズム制御パラメータを設定するステップ、
今回の反復ときの旗魚とイワシの全体最適位置を記録す適応度値を計算するステップ、
攻撃力に応じてイワシ位置を更新し、旗魚位置を更新するステップ、
旗魚とイワシのエリート個体に対して、それぞれコーシー変異と適応的t分布変異を行
うステップ、
旗魚とイワシの最適解を比較し、その結果に基づいて旗魚とイワシの位置を置き換える
ステップ、および
反復が終了していない場合は最適化を続けるための適応度値を計算し、反復が終了した
場合は最終結果に戻るステップを含む。
【0045】
S2:元の吸収スペクトルを収集し、前記改善された旗魚オプティマイザによって最適
化された変分モード分解アルゴリズムと組合わせて、ウェーブレット閾値法を連合し、前
記元の吸収スペクトルを前処理する。
【0046】
また、変分モード分解は完全に非再帰的なモード変分方法であり、反復最適化によって
元の信号を制約条件を満たす複数の固有モードに分解し、非定常振動信号を処理する際に
同様のEMDが現れるモードのエイリアシングと終点効果の問題を効果的に回避する。
【0047】
なお、変分モード分解は4つの制御パラメータを設定する必要があり、パラメータへの
依存度が高い。ここで、Kは分解層数を決定し、ペナルティ因子αは分解モードのスペク
トル帯域幅を決定し、(K、α)の異なる組み合わせは、最後に現れる分解効果に異なる
程度の影響を与える。このため、本発明は、改善された旗魚オプティマイザを使用して、
変分モード分解(K、α)の2次元最適化を実行し、変分モード分解の適応能力と分解効
果を高めることを提案する。
【0048】
旗魚オプティマイザーは、パラメーターを最適化するためのもので、原子力エクストリ
ーム学習機械(KELM)こそCO2濃度をモデル化するアルゴリズムである。収集され
たスペクトル・サンプルは訓練セットとテストセットに分けられ、訓練セットはモデルを
訓練するためのサンプルとして使用される。スペクトルのピークはKELMへの単一の入
力として使用され、濃度は単一の出力として使用される。訓練を経た後に固定モデルを得
、調和ピークを入力し、対応する出力濃度(予測値)を得る。予測値と実際値との間の二
乗平均平方根誤差を適応度関数として使用し、ISSFOアルゴリズムによってKELM
の正則化係数とカーネル関数パラメータを反復的に最適化することによって、KELMの
予測誤差を最小化するパラメータを得、その後、CO2濃度モデルを構築するためにパラ
メータを代入する。テストセットはモデルの有効性を検証するために使用される。
【0049】
改善された旗魚オプティマイザは、従来の旗魚オプティマイザに比較して、最適化する
過程において、より速く(より少ない反復回数)、より高い精度(より小さな適応度値)
で最適適応度値を探索することができる。
【0050】
また、本発明では、変分モード分解の2次元パラメータを最適化する改善された旗魚オ
プティマイザ・アルゴリズムの適合度関数として、マルチスケール配置エントロピー(M
PE)を採用する。配置エントロピー(PE)は、時系列データのカオスの程度を判断す
る評価指標としてよく使用され、エントロピーの値が大きいほどデータのカオスの程度が
高いことを示し、その逆である場合、データのランダム性の程度が低いことを示すが、マ
ルチスケール配列エントロピー(MPE)は、まず時系列データを粗く粒状化した後に配
列エントロピーを計算する。
【0051】
また、完全な最適化ステップは、
改善された旗魚オプティマイザの基本パラメータを初期化し、変分モード分解の各分解
モードの配置エントロピーの和を適応度関数として使用し、Kの探索境界を[3、9]に
、αの探索境界を[50、5000]に設定するステップ
初期の個体群を生成し、旗魚個体群とイワシ個体群の割合を3対7に設定するステップ
、
各個体群の位置情報をパラメータ(K、α)として適応度関数に取り込み、配置エント
ロピーを計算し、配置エントロピーの最小値と対応する位置ベクトルを全体解と全体最適
位置とするステップ、
上記の定義に基づいて、旗魚とイワシの位置を更新するステップ、
適応度値を再計算し、全体解と全体最適位置を更新するステップ、
最大反復回数に達するまで最適化の反復を行うステップ、
最後の反復ときの全体最適位置(K、α)を変分モード分解の最適パラメータとするス
テップ、および
パラメータ(K、α)である条件下で、変分モード分解を行うステップを含む。
【0052】
なお、改善された変分モーダル分解の分解効果をテストするために、MATLABで以
下の式によって示されるテスト信号を作成し、サンプリングレートを1kHzに設定し、
1秒間のシミュレーションで1000個のサンプル点を収集する。
【0053】
ここで、f(t)は波形関数、すなわち時系列であり、tは時間であり、1秒間の波形
を収集し、
は振幅値が1である40Hzの余弦信号であり、
は振幅値が3である150Hzの間欠的正弦波信号であり、
は20dBのガウス白ノイズである。
【0054】
また、改善された旗魚オプティマイザ・アルゴリズムの個体群数を30に設定し、ここ
で、イワシ個体群が70%を占め、旗魚個体群が30%を占め、探索次元が2次元であり
、変分モード分解の分解層数Kの探索境界が[3、9]であり、ペナルティ因子αの探索
境界が[50、5000]であり、Kとαは整数とする。
【0055】
なお、数回の最適化を反復した後、最適なパラメータ(3、228)を得、このパラメ
ータの条件下で信号は3つの固有モードに分解され、
図2は、各分解モードに対応する時
間領域とスペクトル図である。ここで、IMF1とIMF2の中心周波数はそれぞれ40
Hzおよび150Hzであり、2つのモードはそれぞれ、余弦信号と間欠的正弦信号に対
応し、IMF3は重畳されたガウス白ノイズである。
【0056】
S3:前記前処理結果に基づいて、前記改善された旗魚オプティマイザによって最適化
された原子力エクストリーム学習機械と組合わせて、吸収スペクトルの第2高調波振幅と
CO2濃度の反転モデルを構築する。
【0057】
また、本発明は、波長変調分光法(WMS)と連合した波長可変吸収吸収スペクトル技
術を実験的検出方法として採用し、ガスの赤外スペクトル吸収原理に基づいて、ガス分子
は特定の波長の光に対して選択的な吸収特性を有し、Beer-Lambert法則によ
り以下のように説明される。
【0058】
ここで、
は波数が
であるレーザーの初期の光強度を表し、
は測定されるガスを通過した後の光強度を表し、
は測定されるガス吸収係数を表し、
はガスの圧力を表し、
はガスの体積分率を表し、
はガスの吸収ガスチャンバーの長さを表す。
【0059】
また、上記の式をフーリエ変換の原理に従って展開すると、第2高調波信号の振幅
は、測定されるガスの体積分率
に正比例し、すなわち、
であることが分かった。
【0060】
なお、δ0は吸収断面であり、吸収係数αとδ0は相互に変換可能である。光源は、発
光波長が2004nm、最大出力電力が3mWの半導体レーザー(VERTILAS、V
L-2004-1m)を使用した。レーザーの波長は、レーザー温度と駆動電流を調整す
ることによって制御する。本実験装置は、レーザー温度を制御するためにTEC駆動チッ
プMAX1968を使用し、駆動電流は40Hzの三角波と72kHzの正弦波の重畳信
号である。変調されたレーザーはレンズ(THORLABS社製、C220TMD)でコ
リメートされた後、吸収ガス・チャンバー(長さ25cm)を通過し、ガス・チャンバー
内の測定されるガスに選択吸収された後、ガス・チャンバーの反対側にある光検出器(浜
松社製、12181-020)で受信され、その後、吸収スペクトルの第2高調波信号が
位相同期増幅器で抽出される。波長可変吸収スペクトル技術の実験装置で収集された元の
第2高調波信号は、PC端にある波長可変吸収スペクトル技術の検出ソフトウェアで処理
される。
【0061】
S4:前記反転モデルに基づいてCO2検出実験を行い、SF6電気機器の動作状態を
決定する。
【0062】
また、旗魚オプティマイザ・アルゴリズムの改善戦略において、Tentカオス・マッ
ピングにレンズイメージング学習を連合した多戦略方法は、旗魚オプティマイザ・アルゴ
リズムにより均一で多様な個体群を提供し、levyランダムステップを組み込んだイワ
シは最適化性能が向上し、適応的t分布変異とコーシー変異は、旗魚オプティマイザ・ア
ルゴリズムが局所最適から飛び出す能力を効果的に向上させる。
【0063】
なお、マルチスケール配置エントロピーを最小化する原理に従って、改善された旗魚オ
プティマイザ・アルゴリズムを使用して、変分モード分解の分解層数Kとペナルティ因子
αを最適化することによって、変分モード分解パラメータを人為的に設定する必要がある
問題を克服し、変分モード分解の適応能力を高める。変分モード分解にウェーブレット閾
値を連合した濾波方法は、吸収スペクトルにおける干渉ノイズを効果的にフィルタリング
し、第2高調波振幅をより正確に読み取り、検出精度を高めることができる。
【0064】
実施例2
図4〜
図8を参照すると、本発明の一実施例であり、ISFO-VMD-KEL
Mに基づくSF
6分解成分であるCO
2濃度の反転方法を提供し、本発明の有益効果を検
証するために、比較実験を通じて科学的に論証する。
【0065】
SF6電気機器内のガス混合状態をシミュレーションするために、今回の実験ではSF
6を背景ガスとし、CO2を目標の測定ガス成分とし、実験室の環境下でSF6動的ガス
分配システムを用いてSF6とCO2の混合サンプルガスを配置する。配置されたCO2
サンプルガスの体積分率は0.87%、0.85%、0.83%、0.8%、0.77%
、0.75%、0.72%、0.7%、0.68%、0.65%、0.62%、0.6%
、0.57%、0.55%、0.53%および0.5%を含む。上記の配置ガスを1つず
つ波長可変吸収スペクトル技術の検出装置に充填し実験を行い、各組の濃度で60本の第
2高調波スペクトルデータを収集し、合計960本のスペクトルを収集する。
【0066】
背景ガスであるSF6と目標ガスであるCO2は、レーザースペクトル範囲内で交互に
干渉すると同時に、波長可変吸収スペクトル技術の検出装置で収集された信号には高周波
ノイズが多く含まれるため、元のデータをフィルタリングし、背景を差し引いたことは、
スペクトル解析に不可欠なステップである。
【0067】
まず、上記で提案された適応変分モード分解を用いて元のスペクトルを分解し、各分解
モードと元のデータとの相関係数に従って、相関性の高いモードを選択して再構成し、最
後に再構成された信号をウェーブレット閾値法で再度フィルタリングし、ノイズが除去さ
れた吸収スペクトルを得る。
図4および
図5はそれぞれ、フィルタリング前とフィルタリ
ング後の純SF
6と体積分率が0.85%のCO
2吸収スペクトルを比較した図であり、
処理後のスペクトル信号は、元の信号に含まれる高周波ノイズが除去されただけでなく、
より滑らかな波形になる。
【0068】
純SF
6ガスの吸収スペクトル線を背景信号として使用し、波長変調スペクトル法は、
背景ベースラインのフィッティングを必要とする直接吸収分光法とは異なり、目標ガスの
吸収スペクトル線から背景信号を直接差し引く。例えば、
図4のCO
2吸収スペクトル線
から
図5のSF
6吸収スペクトル線を差し引くと、背景を差し引いた体積分率が0.85
%のCO
2の第2高調波吸収スペクトル線を得ることができる。
図6に示すように、背景
を差し引いた後の第2高調波の中心周波数付近の干渉高調波成分は効果的に弱められ、第
2高調波の振幅をより容易かつ正確に読み取ることができる。
【0069】
図7は、前処理された濃度の異なる16グループのCO
2吸収スペクトル線であり、C
O
2濃度が高いほど第2高調波の振幅が大きくなる。CO
2の第2高調波のピークと濃度
との間の線形直線相関係数R2=0.988は、最小二乗法に従った線形フィッティング
によって得る。
【0070】
具体的な数値は表1を参照する。
(表1)濃度反転結果RMSEの比較
【0071】
また、第2高調波の振幅は測定されるガス濃度に正比例するため、電力業界で最も一般
的に使用される濃度の反転法は、最小二乗法を使用して、第2高調波の振幅とガス濃度の
間に線形関係式を確立することである。対照的に、本発明は、CO2の濃度を予測するモ
デルを構築するために、原子力エクストリーム学習機械(KELM)を使用することを選
択し、原子力エクストリーム学習機械の正則化係数Cおよび核パラメータSを最適化する
ために改良された旗魚最適化アルゴリズムを使用し、適応度関数は予測濃度と真の濃度の
二乗平均誤差(RMSE)である。
【0072】
なお、今回の実験では合計960本の吸収スペクトルを収集し、前処理後に960個の
第2高調波ピークを抽出し、第2高調波ピークとガス濃度を、それぞれ構築されたモデル
の単一の入力と単一の出力として使用する。その中で、860組のサンプルをモデルを訓
練するための訓練セットとしてランダムに選択し、残りの100組のサンプルはモデル精
度をテストするためのテスト・セットとして使用する。本発明で提案する改善された旗魚
オプティマイザ・アルゴリズムの有効性を検証するために、改善されたSFO-KELM
をSFO-KELM、ELM(隠れ層ノード数が20のSigmoidal活性化関数)
、GA-BP(GAは交叉確率が0.7で、変異確率が0.3で、BPの訓練回数が10
0で、訓練効率が0.01で、隠れ層ノードが20)、PSO-KELM(PSOの慣性
因子wは1で、加速因子C1とC2はともに2)、CLSとモデル精度を比較する。各ア
ルゴリズムを30回反復した実験結果は、表1に示されている。
【0073】
また、表1のISFO-KELMは二乗平均平方根誤差(RMSE)が最小で、このと
き、原子力エクストリーム学習機械・モデルの正則化係数C=1000で、核パラメータ
S=3.4177E-5である。ISFO-KELMの訓練セットの二乗平均平方根誤差
はPSO-KELMより30.8%小さく、SFO-KELMより85.4%小さい。I
SFO-KELMのテスト・セットの二乗平均平方根誤差はPSO-KELMより36.
9%小さく、SFO-KELMより86.8%小さい。ISFO-KELMの訓練セット
とテスト・セットの二乗平均平方根誤差は、GA-BPやELMよりも2桁小さく、線形
の最小二乗法(CLS)よりも3桁小さい。従って、改善された旗魚オプティマイザ・ア
ルゴリズムによって最適化された原子力エクストリーム学習機械は、精度に優れた表現を
持っている。
【0074】
上記の実施形態は、本発明の技術的解決策を説明するためにのみ使用されているに過ぎ
ず、限定することを意図していないことに留意されたい。また、本発明は、好ましい実施
形態を参照して詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の技術的解決策の精神および
範囲から逸脱することなく、本発明の技術的解決策に対して修正または均等置換を行うこ
とができ、それらはすべて本発明の特許請求の範囲によってカバーされるものと理解すべ
きである。
【0075】
当業者は、本願の実施形態が方法、システムまたはコンピュータプログラム製品として
提供され得ることが理解すべきである。したがって、本願は、完全にハードウェアの実施
形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み
合わせた実施形態の形態を採用することができる。また、本願は、コンピュータ使用可能
なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスクメモリ
、CD-ROM、光メモリなどを含むが、これらに限定されない)上で実施されるコンピ
ュータプログラム製品の形態を採用することができる。本願の実施形態における解決策は
、オブジェクト指向プログラミング言語であるJavaや、直訳スクリプト言語であるJ
avaScriptなど、様々なコンピュータ言語を用いて実装することができる。
【0076】
本願は、本願の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラ
ム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明される。フローチャー
トおよび/またはブロック図中の各フローおよび/またはブロック、ならびにフローチャ
ートおよび/またはブロック図中のプロセスおよび/またはブロックの組み合わせは、コ
ンピュータ・プログラム命令によって実現されてもよいことを理解すべきである。これら
のコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込みプロ
セッサ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供され、コンピュ
ータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が
、フローチャートの1つ以上のフロー、および/またはブロック図の1つ以上のブロック
に指定された機能を実行するための装置を生成するような機械を生成してもよい。
【0077】
これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル・
データ処理装置を特定の方法で動作させるように指示することが可能なコンピュータ読み
取り可能なメモリに格納することもでき、このコンピュータ読み取り可能なメモリに格納
された命令は、フローチャートの1つ以上のフローおよび/またはブロック図の1つ以上
のブロックで指定された機能を実施する命令装置を含む製造品を製造するようにする。
【0078】
これらのコンピュータプログラム命令は、また、コンピュータまたは他のプログラマブ
ル装置上で一連の操作ステップが実行するように、コンピュータまたは他のプログラマブ
ル・データ処理装置にロードすることもできる。これにより、コンピュータまたは他のプ
ログラマブル装置上で実行される命令は、フローチャートの1つ以上のフローおよび/ま
たはブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能を実行するためのステップを提供
する。
【0079】
本願の好ましい実施形態について説明したが、当業者であれば、基本的な創造概念を分
かると、これらの実施形態にさらなる変更および修正を行うことができる。したがって、
添付の特許請求の範囲は、好ましい実施形態だけでなく、本願の範囲に含まれるすべての
変更および修正を含むように解釈されることを意図している。
【0080】
明らかに、当業者は、本願の精神および範囲から逸脱することなく、本願に対して様々
な変更および変形を行うことができる。このように、本願のこのような変更および変形が
本願の特許請求の範囲およびその技術的均等物の範囲内に属する場合、本願もこれらの変
更および変形を包含することを意図する。
【国際調査報告】