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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】相変化メモリセル側壁の突出ライナ
(51)【国際特許分類】
   H10B 63/10 20230101AFI20241001BHJP
   H10N 70/20 20230101ALI20241001BHJP
【FI】
H10B63/10
H10N70/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505345
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2022076750
(87)【国際公開番号】W WO2023052319
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/489,602
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリュー、ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】シモン、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ショウディ、マシュー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】オク、インジョ
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083GA11
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA42
5F083JA60
(57)【要約】
マッシュルーム構造を有する相変化メモリ(PCM)セルは、第1の電極、第1の電極に電気的に接続されたヒータ、ヒータに電気的に接続された第1の突出ライナ、第1の突出ライナに電気的に接続されたPCM材料、PCM材料に電気的に接続された第2の電極、及び第1の突出ライナ及び第2の電極に電気的に接続された第2の突出ライナを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッシュルーム構造を有する相変化メモリ(PCM)セルであって、前記PCMセルは、
第1の電極;
前記第1の電極に電気的に接続されるヒータ;
前記ヒータに電気的に接続される第1の突出ライナ;
前記第1の突出ライナに電気的に接続されたPCM材料;
前記PCM材料に電気的に接続された第2の電極;及び
前記第1の突出ライナ及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の突出ライナ
を備えるPCMセル。
【請求項2】
前記ヒータは第1の幅を有する;
前記PCM材料は第2の幅を有する;
前記第2の幅は前記第1の幅の3倍よりも大きい又は3倍に等しい、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項3】
前記第2の幅は、前記第1の幅よりも約5倍大きい、請求項2に記載のPCMセル。
【請求項4】
前記第1の突出ライナは、第1の材料から構成される;
前記第2の突出ライナは第2の材料から構成される;及び
前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる、請求項1から3のいずれか1項に記載のPCMセル。
【請求項5】
前記第1の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する;及び
前記第2の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、請求項4に記載のPCMセル。
【請求項6】
前記第1の突出ライナは、前記PCM材料の端部に沿って延在する;
前記第2の突出ライナは、前記端部に隣接する前記PCM材料の側面に沿って延在する、請求項1から5のいずれか1項に記載のPCMセル。
【請求項7】
前記第1の突出ライナは、前記PCM材料の前記端部を覆う;
前記第2の突出ライナは前記PCM材料の前記側面を、その縦方向の全長にわたって取り囲む、請求項6に記載のPCMセル。
【請求項8】
第1の電極;
前記第1の電極に電気的に接続された第1の突出ライナ、前記第1の突出ライナは、第1の材料を有する;
前記第1の突出ライナに電気的に接続されたPCM材料;
前記PCM材料に電気的に接続された第2の電極;及び
前記第1の突出ライナ及び前記第2の電極に電気的に接続された第2の突出ライナ、前記第2の突出ライナは第2の材料を有する;
ここで、前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる
を備える相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項9】
前記第1の電極及び前記第1の突出ライナに電気的に接続されたヒータをさらに備える、請求項8に記載のPCMセル。
【請求項10】
前記ヒータは第1の幅を有する;
前記PCM材料は第2の幅を有する;
前記第2の幅は前記第1の幅の3倍よりも大きい又は3倍に等しい、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項11】
前記第1の突出ライナは、前記PCM材料の端部を覆う;及び
前記第2の突出ライナは、前記端部に隣接する前記PCM材料の側面を、その縦方向の全長にわたって取り囲む、請求項8から10のいずれか1項に記載のPCMセル。
【請求項12】
前記第1の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する;及び
前記第2の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、請求項8から11のいずれか1項に記載のPCMセル。
【請求項13】
前記第1の材料は第1の電気抵抗率を有する;
前記第2の材料は第2の電気抵抗率を有する;
前記第2の電気抵抗率は前記第1の電気抵抗率の2倍よりも大きい又は2倍に等しい、請求項8から12のいずれか1項に記載のPCMセル。
【請求項14】
前記第1の突出ライナは第1の厚さを有する;
前記第2の突出ライナは第2の厚さを有する;
前記第2の厚さは前記第1の厚さの半分よりも薄い又はそれに等しい、請求項8から13のいずれか1項に記載のPCMセル。
【請求項15】
相変化メモリ(PCM)セルを製造する方法であって、前記方法は、第1の電極を形成する段階;
前記第1の電極に電気的に接続された第1の突出ライナを形成する段階;
前記第1の突出ライナ上にPCM材料を形成する段階;
前記PCM材料上に第2の電極を形成する段階;及び
前記第1の突出ライナ、前記PCM材料、及び前記第2の電極に接するように第2の突出ライナを形成する段階を備える方法。
【請求項16】
前記第1の電極上にヒータを形成する段階をさらに備え、ここで、前記第1の突出ライナは前記ヒータ上に形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ヒータは第1の幅を有する;
前記PCM材料は第2の幅を有する;前記第2の幅は前記第1の幅の3倍よりも大きい又は3倍に等しい、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の突出ライナは、第1の材料から構成される;
前記第2の突出ライナは第2の材料から構成される;及び
前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる、請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンピュータメモリに関し、より詳細には、突出ライナを有する相変化材料メモリデバイスに関する。
【0002】
相変化メモリ(Phase Change Memory:PCM)は、人工知能のためのアナログコンピューティングにおける訓練及び推論の両方に利用できる。PCM構造は、エネルギ消費を最小限に抑えるために、調整可能な導電率及び高い保持力を備えた全体的な高いデバイス抵抗を備えた相変化メモリスタデバイスを含み得る。調整は、PCM材料の結晶相及び非晶相の比率を変えて、異なる構造状態を形成することによって実現できる。しかし、PCM材料は抵抗ドリフトの影響を受け得、調整の忠実度に悪影響を与え得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態によれば、マッシュルーム構造を有するPCMセルは、第1の電極、第1の電極に電気的に接続されたヒータ、ヒータに電気的に接続された第1の突出ライナ、第1の突出ライナに電気的に接続されたPCM材料、PCM材料に電気的に接続された第2の電極、及び第1の突出ライナ及び第2の電極に電気的に接続された第2の突出ライナを含む。
【0004】
本開示の実施形態によれば、PCMセルは、第1の電極、第1の電極(第1の材料を含む第1の突出ライナ)に電気的に接続された第1の突出ライナ、第1の突出ライナに電気的に接続されたPCM材料、PCM材料に電気的に接続された第2の電極、第1の突出ライナ及び第2の電極(第2の材料を含む第2の突出ライナ)に電気的に接続された第2の突出ライナを含み、第2の材料は第1の材料とは異なる。
【0005】
本開示の実施形態によれば、PCMセルを製造する方法は、第1の電極を形成する段階、第1の電極に電気的に接続された第1の突出ライナを形成する段階、第1の突出ライナ上にPCM材料を形成する段階、PCM材料上に第2の電極を形成する段階、及び第2の突出ライナを(第1の突出ライナ、PCM材料、及び第2の電極に接するように)形成する段階を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本開示の実施形態による、側壁突出ライナを含むPCMセルの断面図である。
【0007】
図1B】本開示の実施形態による、より小さい非晶質領域を含む図1AのPCMセルの断面図である。
【0008】
図1C】本開示の実施形態による、より大きな非晶質領域を含む図1AのPCMセルの断面図である。
【0009】
図2】本開示の実施形態による、図1AのPCMセルを製造する方法のフローチャートである。
【0010】
図3A】本開示の実施形態による、PCMセルを製造する図2の方法の一連の断面図である。
図3B】本開示の実施形態による、PCMセルを製造する図2の方法の一連の断面図である。
図3C】本開示の実施形態による、PCMセルを製造する図2の方法の一連の断面図である。
図3D】本開示の実施形態による、PCMセルを製造する図2の方法の一連の断面図である。
図3E】本開示の実施形態による、PCMセルを製造する図2の方法の一連の断面図である。
図3F】本開示の実施形態による、PCMセルを製造する図2の方法の一連の断面図である。
図3G】本開示の実施形態による、PCMセルを製造する図2の方法の一連の断面図である。
図3H】本開示の実施形態による、PCMセルを製造する図2の方法の一連の断面図である。
図3I】本開示の実施形態による、PCMセルを製造する図2の方法の一連の断面図である。
【0011】
図4A】本開示の実施形態による、図1AのPCMセルの様々なライナ電気抵抗率の抵抗対電流のグラフである。
【0012】
図4B】本開示の実施形態による、図1AのPCMセルの様々なライナ厚さ比の抵抗対電流のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の様々な実施形態は、関連する図面を参照して本明細書に記載されている。本開示の範囲から逸脱することなく、代替の実施形態を考案できる。以下の説明及び図面では、要素間に様々な接続及び位置関係(例えば、上、下、隣接など)が示されていることに留意されたい。これらの接続及び/又は位置関係は、特に明記しない限り、直接的又は間接的であり得、本開示は、この点で制限することを意図するものではない。したがって、エンティティの結合は、直接又は間接の結合のいずれかを指すことができ、エンティティ間の位置関係は、直接又は間接の位置関係であり得る。間接的な位置関係の例として、本明細書において、層「A」を層「B」の上に形成するという言及は、層「A」及び層「B」の関連する特性及び機能が中間層によって実質的に変更されない限り、1つ又は複数の中間層(例えば、層(「C」及び「D」)が層「A」及び層「B」の間にある状況を含む。
【0014】
以下の定義及び略語は、特許請求の範囲及び明細書の解釈に使用される。本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(contains)」、又は「含む(containing)」という用語、又はその任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することが意図される。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるわけではなく、明示的にリストされていない他の要素、又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素を含み得る。さらに、本明細書に含まれる任意の数値範囲は、他に明示的に述べられていない限り、その境界を含む。
【0015】
以下の説明のために、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「最上部(top)」、「最下部(bottom)」という用語、及びその派生語は、図面内で配向されるように、説明される構造及び方法に関連するものとする。「上に重なる(overlying)」、「上に(atop)」、「最上部に(on top)」、「に位置する(positioned on)」、又は「上に位置する(positioned atop)」という用語は、第1の構造などの第1の要素が、第2の構造などの第2の要素上に存在することを意味し、インターフェース構造などの介在要素は、第1の要素及び第2の要素の間に存在し得る。「直接接触」という用語は、第1の構造などの第1の要素、及び第2の構造などの第2の要素が、2つの要素の接触面で任意の中間の導電層、絶縁層又は半導体層なしで接続されることを意味する。例えば、「第2の要素に対して選択的な第1の要素」などの「選択的」という用語は、第1の要素がエッチングすることができ、第2の要素がエッチストップとして作用できることを意味することに留意されたい。
【0016】
簡潔にするために、半導体デバイス及び集積回路(IC)の製造に関連する従来の技術は、本明細書で詳細に説明され得るか、又は説明され得ない。さらに、本明細書で説明される様々なタスク及びプロセスステップは、本明細書では詳細に説明されていない追加のステップ又は機能を有する、より包括的な手順又はプロセスに組み込むことができる。具体的には、半導体デバイス及び半導体ベースのICの製造における様々なステップはよく知られているため、簡潔にするために、多くの従来のステップについては、本明細書では簡潔に説明するのみとするか、又はよく知られているプロセスの詳細を提供することなく完全に省略する。
【0017】
一般に、ICにパッケージ化されるマイクロチップを形成するために使用される様々なプロセスは、4つの一般的なカテゴリ、すなわち、膜蒸着、除去/エッチング、半導体ドーピング、及びパターニング/リソグラフィに分類される。
【0018】
蒸着とは、ウエハ上に材料を成長、コーティング、又はその他の方法で移す任意のプロセスとし得る。利用可能な技術には、物理蒸着(Physical Vapor Deposition:PVD)、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)、電気化学蒸着(Electrochemical Deposition:ECD)、分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy:MBE)及び最近では原子層蒸着(Atomic Layer Deposition:ALD)などがある。別の蒸着技術はプラズマ強化化学蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)であり、これは、プラズマ内のエネルギを使用して、通常なら従来のCVDに伴うより高い温度が必要となるウエハ表面での反応を誘発するプロセスである。PECVD蒸着中の高エネルギイオン衝撃により、膜の電気的及び機械的特性も改善できる。
【0019】
除去/エッチングは、ウエハから材料を除去する任意のプロセスとし得る。例としては、エッチングプロセス(湿式又は乾式のいずれか)、化学機械平坦化(Chemical Mechanical Planarization:CMP)、及び同様のものがある。除去プロセスの一例は、イオンビームエッチング(Ion Beam Etching:IBE)である。一般に、IBE(又はミリング)とは、物理的不活性ガス及び/又は化学的反応性ガス手段によって基板材料を除去するために遠隔ブロードビームイオン/プラズマ源を利用するドライプラズマエッチング法を指す。他のドライプラズマエッチング技術と同様、IBEにはエッチング速度、異方性、選択性、均一性、アスペクト比、及び基板損傷の最小化などの利点がある。ドライ除去プロセスの別の例は、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)である。一般に、RIEは化学反応性プラズマを使用して、ウエハ上に蒸着した材料を除去する。RIEでは、プラズマは低圧(真空)のもとで電磁場によって生成される。RIEプラズマからの高エネルギイオンがウエハ表面を攻撃し、ウエハ表面と反応して材料を除去する。
【0020】
半導体ドーピングは、例えば、一般には、拡散及び/又はイオン注入によって、トランジスタのソース及びドレインをドーピングすることによる電気特性の改変であり得る。これらのドーピングプロセスに続いて、炉アニール又は急速熱アニール(「Rapid Thermal Annealing:RTA」)が行われる。アニールは、注入されたドーパントを活性化するのに役立つ。トランジスタ及びそれらの構成要素を接続及び絶縁するために、導体(例えば、ポリシリコン、アルミニウム、銅など)及び絶縁体(例えば、様々な形態の二酸化ケイ素、窒化ケイ素など)の両方の膜が使用される。半導体基板の様々な領域に選択的にドーピングするにより、電圧を印加することで基板の導電率を変えることができる。これらの様々な構成要素の構造を作成することにより、何百万ものトランジスタを構築し、まとめて配線して、最新のマイクロ電子デバイスの複雑な回路を形成できる。
【0021】
半導体リソグラフィでは、半導体基板上に三次元レリーフ画像又はパターンを形成し、その後そのパターンを基板に転写できる。半導体リソグラフィでは、パターンはフォトレジストと呼ばれる感光性ポリマによって形成される。トランジスタを構成する複雑な構造、及び回路の何百万ものトランジスタを接続する多数の配線を構築するために、リソグラフィ及びエッチングパターンの転写ステップが複数回繰り返される。ウエハ上に印刷される各パターンは、以前に形成されたパターンと位置合わせされ、導体、絶縁体、選択的にドープされた領域が徐々に構築されて最終デバイスが形成される。
【0022】
図1A図1Cは、例えば、集積回路(図示せず)に使用するためのPCMセル100の断面図である。図示の実施形態では、PCMセル100は、最下部配線102、最下部電極104、絶縁体106、ヒータ108、絶縁体110、最下部突出ライナ(PL)112、PCM材料114、側壁PL116、絶縁体120、最上部電極122、及び最上部配線124を備える。
【0023】
図示の実施形態では、最下部電極104の最下部は、集積回路の他の構成要素(図示せず)から電気信号を受信できる最下部配線102の最上部と直接接触し、電気的に接続されている。ヒータ108の最下部は、最下部電極104の最上部と直接接触し、電気的に接続されている。最下部PL112の最下部は、ヒータ108の最上部と直接接触し、電気的及び熱的に接続されている。PCM材料114の最下部は、最下部PL112の最上部と直接接触し、電気的及び熱的に接続されている。最上部電極122の最下部は、PCM材料114の最上部と直接接触し、電気的に接続されている。最上部配線124の最下部は、最上部電極122の最上部と直接接触して電気的に接続されており、最上部配線124は、電気信号をPCMセル100から集積回路の他の構成要素(図示せず)に伝達できる。
【0024】
図示の実施形態では、側壁PL116の最下部は、最下部PL112の最上部と直接接触し、電気的及び熱的に接続されている。さらに、側壁PL116の内側は、PCM材料114の外側と直接接触し、電気的及び熱的に接続されているため、側壁PL116は、PCM材料114の外側を横方向に取り囲んでいる。それによって、側壁PL116は、PCM材料114の縦方向の全長にわたって一方向のすべての平行な側面(例えば、図1Aに示すように、垂直に延在する側面)を取り囲み、最下部PL112によって覆われるPCM材料114の端部(例えば、図1Aに示すように、水平に延在する最下部)に隣接する。図示の実施形態では、PCM材料114は円筒形状(例えば、角柱形状とは対照的に)を有しており、これは、取り囲まれる横外側が1つのみであることを意味する。さらに、側壁PL116の内側は、最上部電極122の外側と直接接触し、電気的に接続されている。
【0025】
図示の実施形態では、絶縁体106、110、120は、選択的に、PCMセル100の他の構成要素を構造的に支持し、電気的に絶縁し、必要に応じてそれらの間の空間を埋める。したがって、最下部電極104の外側は、絶縁体106と直接接触し、絶縁体106によって横方向に取り囲まれ、ヒータ108の外側は、絶縁体110と直接接触し、横方向から絶縁体110によって取り囲まれる。さらに、最下部PL112の最下部側は、絶縁体110と直接接触し、軸方向に隣接し、側壁PL及び最上部配線124は、絶縁体120と直接接触し、絶縁体120に横方向及び軸方向に隣接する。
【0026】
図示の実施形態では、PCMセル100の断面(図1Aから図1Cの紙面内)は円形であり得るが、他の実施形態では、長方形、正方形、楕円形、又は他の任意の適切な形状であり得る。さらに、PCM材料114、最下部PL112、及び最上部電極122の幅は同じである一方で、ヒータ108の幅は実質的に縮小している(例えば、3倍~7倍小さい、又は約5倍小さい)。それによって、PCMセル100は、電気信号(すなわち、電流)がヒータ108、最下部PL112、及びPCM材料114を通って最下部電極104から最上部電極122に流れ得るマッシュルーム構造を有すると言うことができる。
【0027】
図示の実施形態では、最下部電極104及び最上部電極122は、金属又は金属化合物、例えば、窒化チタン(TiN)又はタングステン(W)などの非常に導電性が高い材料から構成される。ヒータ108は、TiN、又は、例えば、チタンタングステン(TiW)、窒化タンタル(TaN)、又はチタンアルミナイド(TiAl)などの高抵抗金属から構成され、PCMセル100を流れる電流を集中させる、比較的狭い断面積を有する電極である。これにより、ヒータ108は、電気パルス中に抵抗加熱によって熱を生成でき、これを使用して、PCM材料114の温度を、例えば、PCM材料114の結晶化温度及び溶融温度を超える温度に選択的に変化させることができる。さらに、ヒータ108は、多層に配置できる複数の異なる導電性材料から構成され得る。
【0028】
図示の実施形態では、絶縁体106、110、120は、例えば、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、窒化炭化ケイ素(SiNC)、又はオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などの誘電(電気絶縁)材料から構成される。いくつかの実施形態では、絶縁体106、110、120のすべては同じ材料であり、他の実施形態では、絶縁体106、110、120の一部又は全部に異なる材料が使用される。さらに、最下部PL112及び側壁PL116は、金属及び/又は半導体などの適度な電気抵抗材料(例えば、TaN;窒化タングステン(WN);非晶質炭素(a-C);ドープされたa-C;スズドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムジルコニウム酸化物(AZO)、及び高抵抗金属カルコゲニド(例えば、セレン化チタン(TiSe))、及び他の導電性の低い金属窒化物などの透明導電性酸化物)から構成される。最下部PL112及び側壁PL116を構成する材料は、同じであり得るか、又は異なり得る。さらに、最下部PL112及び側壁PL116を構成する材料は、PCM材料114の多結晶相よりも高い電気抵抗率を有するが、PCM材料114の非晶相よりも低い電気抵抗率を有する。
【0029】
図示の実施形態では、PCM材料114は、本質的に、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)、ガリウム-アンチモン-テルル(GaST)、又は銀-イリジウム-アンチモン-テルル化物(AIST)材料などの相変化材料から構成されるが、他の材料も必要に応じて使用できる。他のPCM材料の例には、限定されないが、ゲルマニウム-テルル化合物材料(GeTe)、シリコン-アンチモン-テルル(Si-Sb-Te)合金、ガリウム-アンチモン-テルル(Ga-Sb-Te)合金、ゲルマニウム-ビスマス-テルル(Ge-Bi-Te)合金、インジウム-テルル(In-Te)合金、ヒ素-アンチモン-テルル(As-Sb-Te)合金、銀-インジウム-アンチモン-テルル(Ag-In-Sb-Te)合金、Ge-In-Sb-Te合金、Ge-Sb合金、Sb-Te合金、Si-Sb合金、Ge-Te合金、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。PCM材料114は、アンドープ又はドープ(例えば、酸素(O)、窒素(N)、シリコン(Si)、又はTiのうちの1つ又は複数でドープ)され得る。異なる層の材料に関して本明細書で使用される「本質的に構成される」及び「本質的になる」という用語は、他の材料が存在する場合でも、列挙された材料の基本特性を実質的に変更しないことを示す。例えば、本質的にGST材料からなるPCM材料114は、GST材料の基本特性を実質的に変更する他の材料を含まない。
【0030】
図示の実施形態では、PCMセル100をプログラムするために最下部電極104から最上部電極122に電流パルスを流すことによって、PCMセル100をメモリセルとして動作させることができる。これは、PCMセル100上の値を読み取り、又は書き出しをするために、様々な電圧で、及び/又は様々な期間中に実行できる。例えば、書き出しのために、高電圧(例えば、1ボルト(V)~4V)を短期間に使用でき、これにより、ヒータ108がPCM材料114をその融点を超えて局所的に加熱できる。電流の流れが止まると、PCM材料114は急速に冷却され、「リセット」と呼ばれるプロセスで非晶質領域126が形成され得る。領域126は、非晶質構造を有するPCM材料114のドーム形領域であるが、PCM材料114の残りの部分は依然として多結晶構造である(図1Bでは「126B」、図1Cでは「126C」とラベル付けされている)。一般に、この非晶質構造は明確な構造を有さない。しかし、領域126には、局所的なばらばらの結晶核(すなわち、相変化材料114の小さな結晶化領域)が存在し得る。領域126の形成により、PCMセル100全体の電気抵抗が、単独の多結晶構造(図1AのPCMセル100のように)と比較して増加し得る。PCMセル100のこれらの抵抗値は、例えば、最下部電極104から最上部電極122に低電圧(例えば、0.2V)で電流パルスを送ることによって、PCM材料114の状態(領域126の状態を含む)又はPCMセル100の抵抗値を変化させることなく読み取ることができる。
【0031】
さらに、PCMセル100を「設定」することによって、PCM材料114を書き換えて単独の多結晶構造に戻すことができる。PCM材料114を書き換える1つの方法は、短期間(例えば、10ナノ秒(ns))の間、高電圧電気パルス(例えば、1Vから4V)を使用し、これにより、PCM材料114がその結晶化点を超えて加熱されるが、その融点までは加熱され得ない。結晶化温度は溶融温度より低いため、電流の流れが止まると、PCM材料114をアニールして結晶を形成できる。PCM材料114を書き換える別の方法は、PCM材料114をその融点を超えて加熱するのに十分強い(ナノ秒オーダーの比較的短い後縁を有する方形パルスとは対照的に)比較的長い後縁(例えば、1マイクロ秒)を有する電気パルスを使用し、その後、PCM材料114がゆっくりと冷却され、結晶を形成することができる。これらのプロセスのいずれによっても、非晶質領域126を有する場合と比較して、PCMセル100全体の電気抵抗が減少する。次いで、この新しい抵抗値は、PCM材料114の状態又はPCMセル100の抵抗値を変更することなく、低電圧(例えば、0.2V)での電流を使用して読み取ることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、PCM材料114の溶融温度は約600℃である。いくつかの実施形態では、PCM材料114の結晶化温度は約180℃である。さらに、PCMセル100のセット及びリセットのプロセスは繰り返し行うことができ、いくつかの実施形態では、(例えば、異なるサイズの領域126及び/又は領域126内の結晶化核の量を有するため)異なる抵抗を有する異なる領域126をPCM材料114内に生成できる。これにより、PCMセル100は、リセットパラメータを変化させることによって生成できる様々な異なる抵抗を有することができる。それによって、PCMセル100が情報ディジットを表すと見なされる場合、これらのディジットは(従来のビットとは対照的に)非バイナリであり得る。しかし、いくつかの実施形態では、PCMセル100は、PCM材料114に均一領域126を有しているか、又は有していないかのいずれかによってビットとして使用できる。そのような実施形態では、PCMセル100は、高抵抗(別名、低電圧出力又は「0」)又は低抵抗(別名、高電圧出力又は「1」)を有し得る。
【0033】
PCMセル100の構成要素及び構成により、PCMセル100を通る電流経路の追加が可能になる。電流がPCM材料114を介して最下部PL112から最上部電極122にのみ流れる代わりに、電流は最下部PL112から側壁PL116を介して最上部電極122に流れることもできる。前述したように、側壁PL116は、多結晶PCM材料114及び非晶質PCM材料114(例えば、領域126)の間の電気抵抗率を有する。それによって、(領域126Bのように)最下部PL112と接触するものがある場合、電流は主にPCM材料114を通過できるが、(領域126Cのように)領域126が最下部PL112の全体を覆う場合、電流は主に側壁PL116の少なくとも一部を通過できる。
【0034】
PCMセル100が非晶質化PCM材料(すなわち、領域126B)の固有ドリフトによる抵抗増加の抵抗ドリフトの影響を受け得ることを考慮すると、そのような能力は有益であり得る。PCMセル100はまた、最下部PL112及び側壁PL116を組み込むことによって改善し得る回路ノイズの影響を受け得る。ドリフトの問題は、PCMセル100を約60ナノメートル(nm)未満の小さい寸法に縮小させることによってさらに悪化し、PCM材料の非晶質化体積がPCM材料114の横幅全体に広がり、領域126Cを形成し得る。側壁PL116が存在しない場合、領域126Cは、PCMセル100内に抵抗ドリフトをもたらす、非晶質PCM材料を横断する主要な電流の流れをもたらす。より大きなPCMセルは、(非晶質領域がPCM材料の全幅を覆わないため)最下部PLのみを有し得る一方で、PCMセル100は、側壁PL116を使用して最下部PL112の利点をPCM材料114の側面まで拡大する。これらの利点には、抵抗ドリフトを減少させる、読み取り抵抗を低下させる(その結果、PCMセル100の読み取りに、領域126への読み取りパルスの影響が軽減される低電流パルスを使用できる)、読み取り時のノイズを減少させる、ヒータ108の制御を増加させる、設定抵抗を低下させる、及びPCMセル100のダイナミックレンジを増加させることが含まれ得る。
【0035】
図1A図1Cには、本開示の一実施形態が示されているが、これには代替の実施形態がある。例えば、PCMセル100は、閉じ込められたセルのような非マッシュルーム構造を有し得る。そのような構造には個別のヒータがなく、代わりに最下部電極に依存してPCM材料を調整し得る。
【0036】
図2は、PCMセル100を製造する方法200のフローチャートである。図3A図3Iは、PCMセル100を製造する方法200の一連の図である。ここで、図2及び図3A図3Iを相互に関連付けて説明するが、方法200の各動作は、図3A図3Iの1つによって示される。さらに、この議論中に、図1A図1Cに示されるPCMセル100の特徴について言及され得る。
【0037】
図示の実施形態では、方法200は動作202で始まり、絶縁層328が最下部電極104及び絶縁体106上に形成される。動作204において、例えば、絶縁体110を形成するためのエッチングを使用して、絶縁層328内にビア330が形成される。動作206において、ビア330を含めて最下部電極104に至るまで絶縁体110上にヒータ層(図示せず)が形成され、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)が実行されて余分な金属が除去され、絶縁体110と隣接するヒータ108が形成される。動作208において、最下部PL層334がヒータ108及び絶縁体110上に形成される。さらに、PCM層336、TiN層338、及びSiN層340が最下部PL112上に形成される。いくつかの実施形態では、PCM層336の厚さは約80nmであり、TiN層338の厚さは約75nmであり、SiN層340の厚さは約220nmである。動作210において、マスキング及びエッチングが実行されて、最下部PL112、PCM材料114、及び最上部電極122が形成される。
【0038】
図示の実施形態では、動作212において、側壁PL層342が、絶縁体110、最下部PL112、PCM材料114、及び最上部電極122に接するように(例えば、ALDを使用して)形成される。動作214において、側壁PL層342の一部が(例えば、方向性RIE又は方向性スパッタエッチングを使用して)選択的に除去されて、側壁PL116が形成される。動作216において、絶縁体110、側壁PL116、及び最上部電極122は、その上に絶縁層344を形成することによって封入される。動作218において、絶縁層344に孔346を形成して絶縁体120を形成し、孔346内及び最上部電極122上に最上部配線124を形成する。
【0039】
PCMセル100及び方法200の構成要素、構成、及び動作により、側壁PL116を最下部PL112から独立して形成することが可能になる。これは、側壁PL116のパラメータ及び特性(例えば、材料、厚さなど)の一部又は全部が、必要に応じて、最下部PL112と同じであり得るか、又は異なり得ることを意味する。そのようなパラメータ/特性を変更すると、最下部PL112及び側壁PL116の間に、例えば、その電気抵抗率及び/又は電気抵抗などの差が生じ得る。
【0040】
図4Aは、PCMセル100(図1Aに示す)の様々な可能なライナ電気抵抗率の抵抗対電流のグラフである。抵抗は、抵抗率×長さを面積で割ったものに等しいため、グラフは、側壁PL116及び最下部PL112の寸法が、それらの抵抗比が変化しても一定に保たれると仮定して作成されている。図4Aは、側壁PL116(図1Aに示す)の抵抗率対最下部PL112(図1Aに示す)の抵抗率の1:1比を表す曲線448、側壁PL116の抵抗率対最下部PL112の抵抗率の2:1比を表す曲線450、及び側壁PL116の抵抗率対最下部PL112の抵抗率の4:1比を表す曲線452を含む。いくつかの実施形態では、側壁PL116は、例えばAlN、TiN、又はTaNなどの(例えば、共形性のための)ALD膜であり得、最下部PL112は、例えば、a-C又はTaNなどのPVD膜であり得る。次いで、側壁PL116及び最下部PL112の抵抗率を、例えば、ドーピングによって調整して、曲線448、450、及び452の比を得ることができる。
【0041】
図示の実施形態では、電流は均等目盛を使用して表示される一方で、抵抗は対数目盛を使用して表示される。グラフには示されていないが、PCMセル100が側壁PL116を全く含まなかった場合、より高い電流では抵抗は曲線452よりも実質的に高くなるであろう。さらに、側壁PL116の抵抗率対最下部PL112の抵抗率の比が1:1未満に減少すると、より高い電流での抵抗は曲線448よりも低くなるであろう。
【0042】
グラフによって示されるように、領域126CがPCM材料114の端部に達すると仮定すると(図1Cに示す)、側壁PL116の相対的な抵抗率を増加させることにより、より高いダイナミックレンジ及び調整状態間の解像度/コントラストが可能になる。しかし、そのような構成は抵抗ドリフトの増加につながり得るため、様々な利点及び欠点に基づいて様々な構成(例えば、抵抗比)を選択できる。
【0043】
図4Bは、PCMセル100(図1Aに示す)の様々な可能なライナ厚さ比の抵抗対電流のグラフである。抵抗は抵抗率×長さを面積で割ったものに等しいため、このグラフは、側壁PL116及び最下部PL112の抵抗率、長さ、直径が、それらの厚さ比率が変化しても一定に保たれると仮定して作成されている。図4Bは、側壁PL116(図1Aに示す)の厚さ対最下部PL112の厚さ(図1Aに示す)の1:1比を表す曲線454、側壁PL116の厚さ対最下部PL112の厚さの1:2比を表す曲線456、及び側壁PL116の厚さ対最下部PL112の厚さの1:4比を表す曲線458を含む。いくつかの実施形態では、側壁PL116の厚さは1nm及び10nmの間であり得、最下部PL112の厚さは1nm及び5nmの間であり得る。それによって、例えば、曲線454は、厚さ4nmの側壁PL116と厚さ4nmの最下部PL112を使用して得ることができ、曲線456は、厚さ2nmの側壁PL116と厚さ4nmの最下部PL112を使用して得ることができ、及び曲線458は、厚さ4nmの最下部PL112を有する厚さ1nmの側壁PL116を使用して得ることができる。
【0044】
図示の実施形態では、電流は均等目盛を使用して表示される一方で、抵抗は対数目盛を使用して表示される。グラフには示されていないが、PCMセル100が側壁PL116を全く含まなかった場合、より高い電流では抵抗は曲線458よりも実質的に高くなるであろう。さらに、側壁PL116の厚さ対最下部PL112の厚さの比が1:1を超えて増加すると、より高い電流では抵抗が曲線454よりも低くなるであろう。
【0045】
グラフによって示されるように、領域126CがPCM材料114の端部に達すると仮定すると(図1Cに示す)、側壁PL116の相対的な厚さを増加させることにより、より高いダイナミックレンジ及び調整状態間の解像度/コントラストが可能になる。しかし、そのような構成は抵抗ドリフトの増加につながり得るため、様々な利点及び欠点に基づいて様々な構成(例えば、厚さ比)を選択できる。さらに、厚さ及び電気抵抗率の両方を変えて、所与の構造の側壁PL116及び最下部PL112に適切な電気抵抗をもたらすことができる。
【0046】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であること、又は開示された実施形態に限定すること、を意図するものではない。多くの修正及び変形は、記載する実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際の適用、又は市場で見られる技術を超える技術的改良を最も良く説明するため、又は他の当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるようにするために選択されたものである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4A
図4B
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッシュルーム構造を有する相変化メモリ(PCM)セルであって、前記PCMセルは、
第1の電極;
前記第1の電極に電気的に接続されるヒータ;
前記ヒータに電気的に接続される第1の突出ライナ;
前記第1の突出ライナに電気的に接続されたPCM材料;
前記PCM材料に電気的に接続された第2の電極;及び
前記第1の突出ライナ及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の突出ライナ
を備えるPCMセル。
【請求項2】
前記ヒータは第1の幅を有する;
前記PCM材料は第2の幅を有する;
前記第2の幅は前記第1の幅の3倍よりも大きい又は3倍に等しい、請求項1に記載のPCMセル。
【請求項3】
前記第2の幅は、前記第1の幅よりも約5倍大きい、請求項2に記載のPCMセル。
【請求項4】
前記第1の突出ライナは、第1の材料から構成される;
前記第2の突出ライナは第2の材料から構成される;及び
前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる、請求項に記載のPCMセル。
【請求項5】
前記第1の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する;及び
前記第2の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、請求項4に記載のPCMセル。
【請求項6】
前記第1の突出ライナは、前記PCM材料の端部に沿って延在する;
前記第2の突出ライナは、前記端部に隣接する前記PCM材料の側面に沿って延在する、請求項に記載のPCMセル。
【請求項7】
前記第1の突出ライナは、前記PCM材料の前記端部を覆う;
前記第2の突出ライナは前記PCM材料の前記側面を、その縦方向の全長にわたって取り囲む、請求項6に記載のPCMセル。
【請求項8】
第1の電極;
前記第1の電極に電気的に接続された第1の突出ライナ、前記第1の突出ライナは、第1の材料を有する;
前記第1の突出ライナに電気的に接続されたPCM材料;
前記PCM材料に電気的に接続された第2の電極;及び
前記第1の突出ライナ及び前記第2の電極に電気的に接続された第2の突出ライナ、前記第2の突出ライナは第2の材料を有する;
ここで、前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる
を備える相変化メモリ(PCM)セル。
【請求項9】
前記第1の電極及び前記第1の突出ライナに電気的に接続されたヒータをさらに備える、請求項8に記載のPCMセル。
【請求項10】
前記ヒータは第1の幅を有する;
前記PCM材料は第2の幅を有する;
前記第2の幅は前記第1の幅の3倍よりも大きい又は3倍に等しい、請求項9に記載のPCMセル。
【請求項11】
前記第1の突出ライナは、前記PCM材料の端部を覆う;及び
前記第2の突出ライナは、前記端部に隣接する前記PCM材料の側面を、その縦方向の全長にわたって取り囲む、請求項に記載のPCMセル。
【請求項12】
前記第1の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する;及び
前記第2の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、請求項に記載のPCMセル。
【請求項13】
前記第1の材料は第1の電気抵抗率を有する;
前記第2の材料は第2の電気抵抗率を有する;
前記第2の電気抵抗率は前記第1の電気抵抗率の2倍よりも大きい又は2倍に等しい、請求項に記載のPCMセル。
【請求項14】
前記第1の突出ライナは第1の厚さを有する;
前記第2の突出ライナは第2の厚さを有する;
前記第2の厚さは前記第1の厚さの半分よりも薄い又はそれに等しい、請求項に記載のPCMセル。
【請求項15】
相変化メモリ(PCM)セルを製造する方法であって、前記方法は、第1の電極を形成する段階;
前記第1の電極に電気的に接続された第1の突出ライナを形成する段階;
前記第1の突出ライナ上にPCM材料を形成する段階;
前記PCM材料上に第2の電極を形成する段階;及び
前記第1の突出ライナ、前記PCM材料、及び前記第2の電極に接するように第2の突出ライナを形成する段階を備える方法。
【請求項16】
前記第1の電極上にヒータを形成する段階をさらに備え、ここで、前記第1の突出ライナは前記ヒータ上に形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ヒータは第1の幅を有する;
前記PCM材料は第2の幅を有する;前記第2の幅は前記第1の幅の3倍よりも大きい又は3倍に等しい、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の突出ライナは、第1の材料から構成される;
前記第2の突出ライナは第2の材料から構成される;及び
前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、請求項19に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であること、又は開示された実施形態に限定すること、を意図するものではない。多くの修正及び変形は、記載する実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際の適用、又は市場で見られる技術を超える技術的改良を最も良く説明するため、又は他の当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるようにするために選択されたものである。
(他の可能な項目)
(項目1)
マッシュルーム構造を有する相変化メモリ(PCM)セルであって、前記PCMセルは、
第1の電極;
前記第1の電極に電気的に接続されるヒータ;
前記ヒータに電気的に接続される第1の突出ライナ;
前記第1の突出ライナに電気的に接続されたPCM材料;
前記PCM材料に電気的に接続された第2の電極;及び
前記第1の突出ライナ及び前記第2の電極に電気的に接続される第2の突出ライナ
を備えるPCMセル。
(項目2)
前記ヒータは第1の幅を有する;
前記PCM材料は第2の幅を有する;
前記第2の幅は前記第1の幅の3倍よりも大きい又は3倍に等しい、項目1に記載のPCMセル。
(項目3)
前記第2の幅は、前記第1の幅よりも約5倍大きい、項目2に記載のPCMセル。
(項目4)
前記第1の突出ライナは、第1の材料から構成される;
前記第2の突出ライナは第2の材料から構成される;及び
前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる、項目1から3のいずれか1項に記載のPCMセル。
(項目5)
前記第1の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する;及び
前記第2の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、項目4に記載のPCMセル。
(項目6)
前記第1の突出ライナは、前記PCM材料の端部に沿って延在する;
前記第2の突出ライナは、前記端部に隣接する前記PCM材料の側面に沿って延在する、項目1から5のいずれか1項に記載のPCMセル。
(項目7)
前記第1の突出ライナは、前記PCM材料の前記端部を覆う;
前記第2の突出ライナは前記PCM材料の前記側面を、その縦方向の全長にわたって取り囲む、項目6に記載のPCMセル。
(項目8)
第1の電極;
前記第1の電極に電気的に接続された第1の突出ライナ、前記第1の突出ライナは、第1の材料を有する;
前記第1の突出ライナに電気的に接続されたPCM材料;
前記PCM材料に電気的に接続された第2の電極;及び
前記第1の突出ライナ及び前記第2の電極に電気的に接続された第2の突出ライナ、前記第2の突出ライナは第2の材料を有する;
ここで、前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる
を備える相変化メモリ(PCM)セル。
(項目9)
前記第1の電極及び前記第1の突出ライナに電気的に接続されたヒータをさらに備える、項目8に記載のPCMセル。
(項目10)
前記ヒータは第1の幅を有する;
前記PCM材料は第2の幅を有する;
前記第2の幅は前記第1の幅の3倍よりも大きい又は3倍に等しい、項目9に記載のPCMセル。
(項目11)
前記第1の突出ライナは、前記PCM材料の端部を覆う;及び
前記第2の突出ライナは、前記端部に隣接する前記PCM材料の側面を、その縦方向の全長にわたって取り囲む、項目8から10のいずれか1項に記載のPCMセル。
(項目12)
前記第1の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する;及び
前記第2の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、項目8から11のいずれか1項に記載のPCMセル。
(項目13)
前記第1の材料は第1の電気抵抗率を有する;
前記第2の材料は第2の電気抵抗率を有する;
前記第2の電気抵抗率は前記第1の電気抵抗率の2倍よりも大きい又は2倍に等しい、項目8から12のいずれか1項に記載のPCMセル。
(項目14)
前記第1の突出ライナは第1の厚さを有する;
前記第2の突出ライナは第2の厚さを有する;
前記第2の厚さは前記第1の厚さの半分よりも薄い又はそれに等しい、項目8から13のいずれか1項に記載のPCMセル。
(項目15)
相変化メモリ(PCM)セルを製造する方法であって、前記方法は、第1の電極を形成する段階;
前記第1の電極に電気的に接続された第1の突出ライナを形成する段階;
前記第1の突出ライナ上にPCM材料を形成する段階;
前記PCM材料上に第2の電極を形成する段階;及び
前記第1の突出ライナ、前記PCM材料、及び前記第2の電極に接するように第2の突出ライナを形成する段階を備える方法。
(項目16)
前記第1の電極上にヒータを形成する段階をさらに備え、ここで、前記第1の突出ライナは前記ヒータ上に形成される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記ヒータは第1の幅を有する;
前記PCM材料は第2の幅を有する;前記第2の幅は前記第1の幅の3倍よりも大きい又は3倍に等しい、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記第1の突出ライナは、第1の材料から構成される;
前記第2の突出ライナは第2の材料から構成される;及び
前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる、項目15から17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記第2の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記第1の材料は、多結晶相では前記PCM材料よりも高い電気抵抗率を有し、非晶相では前記PCM材料よりも低い電気抵抗率を有する、項目19に記載の方法。
【国際調査報告】