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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】信号伝送方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0453 20230101AFI20241001BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20241001BHJP
   H04J 99/00 20090101ALI20241001BHJP
【FI】
H04W72/0453
H04W72/0446
H04J99/00 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513073
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 CN2022114048
(87)【国際公開番号】W WO2023025110
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110998362.4
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】花 梦
(72)【発明者】
【氏名】官 磊
(72)【発明者】
【氏名】李 峰
(72)【発明者】
【氏名】袁 ▲鋒▼
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
(57)【要約】
本願は、信号伝送方法および装置を提供する。この方法では、端末は、第1のアナログフィルタを用いて、受信された第1の信号または送信対象の第1の信号をフィルタリングする。第1のアナログフィルタの中心周波数および/または通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドに基づいて決定される。M個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含み、第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。上記の解決策に基づくと、ダウンリンクアナログフィルタおよびアップリンクアナログフィルタに同じ設計解決策が使用されるので、フィルタの設計が簡略化され、端末の実装の複雑さを低減し得る。アップリンクアナログフィルタの中心周波数がダウンリンクアナログフィルタの中心周波数と同じであるときには、信号送信から信号受信への、または信号受信から信号送信への、端末の切換え遅延が低減されることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用される信号伝送方法であって、
第1のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信するステップであって、前記第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するように前記端末に示す、ステップと、
前記第1の信号を受信して、第1のアナログフィルタを用いて前記第1の信号をフィルタリングする、または第1のアナログフィルタを用いて前記第1の信号をフィルタリングして、前記第1の信号を送信するステップとを含み、
前記第1のアナログフィルタの中心周波数および/または通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドに基づいて決定され、Mは、1より大きい整数であり、前記M個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含み、前記第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、前記第2のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、前記第1の時間領域リソースは、前記第1の時間周波数リソースの時間領域リソースと重なり合う、信号伝送方法。
【請求項2】
前記M個のサブバンドの帯域幅は、1つの帯域幅部分BWPの周波数領域範囲に含まれる、または前記M個のサブバンドの帯域幅は、1つのキャリアの周波数領域範囲に含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のインジケーション情報が、前記第1の時間周波数リソース上で前記第1の信号を受信するように前記端末に示すときに、前記方法は、
第2のインジケーション情報を前記ネットワークデバイスから受信するステップであって、前記第2のインジケーション情報は、第2の時間周波数リソース上で第2の信号を送信するように前記端末に示し、前記第2の時間周波数リソースの時間領域リソースは、前記第1の時間領域リソースと重なり合い、前記第2の時間周波数リソースの前記時間領域リソースは、前記第1の時間周波数リソースの前記時間領域リソースと重なり合わない、ステップと、
第2のアナログフィルタを用いて前記第2の信号をフィルタリングするステップであって、前記第2のアナログフィルタの中心周波数は、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数と同じである、ステップと
をさらに含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と同じである、または
前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数および前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドに基づいて決定され、前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記M個のサブバンドに基づいて決定され、前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドおよび前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定され、前記K個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される、または
前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅および前記中心周波数は、前記M個のサブバンドに基づいて決定され、前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドおよび前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定され、前記P個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される、または
前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数および通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドに基づいて決定され、前記K個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記K個のサブバンドに基づいて決定され、前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドおよび前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定される、または
前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数および前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドに基づいて決定され、前記P個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記P個のサブバンドに基づいて決定され、前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドおよび前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定される、または
前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数および通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドに基づいて決定され、前記K個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記K個のサブバンドに基づいて決定され、前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、P個のサブバンドおよび前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定され、前記P個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される、または
前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数および前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドに基づいて決定され、前記P個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記P個のサブバンドに基づいて決定され、前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、K個のサブバンドおよび前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定され、前記K個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第3のインジケーション情報を前記ネットワークデバイスから受信するステップであって、前記第3のインジケーション情報は、第3の時間周波数リソース上で第3の信号を受信する、または第3の信号を送信するように前記端末に示す、ステップと、
前記第3の信号を受信して、第3のアナログフィルタを用いて前記第3の信号をフィルタリングする、または第3のアナログフィルタを用いて前記第3の信号をフィルタリングして、前記第3の信号を送信するステップとをさらに含み、
前記第1のサブバンドは、第2の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される、および/または前記第2のサブバンドは、前記第2の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、前記第2の時間領域リソースは、前記第3の時間周波数リソースの時間領域リソースと重なり合い、前記第2の時間領域リソースは、前記第1の時間領域リソースと重なり合わず、前記第3のアナログフィルタの中心周波数および/または通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちの少なくとも1つに基づいて決定される請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の信号の信号伝送方向が前記第1の信号の信号伝送方向と同じであるときに、前記第3のアナログフィルタは、前記第1のアナログフィルタと同じである、または
前記第3のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数と同じである、または
前記第3のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数と同じであり、前記第3のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅と同じであることをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のアナログフィルタは、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数に関して対称である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサを含む通信装置であって、前記プロセッサは、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される通信装置。
【請求項9】
プロセッサとインタフェース回路とを含む通信装置であって、前記インタフェース回路は、前記通信装置以外の通信装置から信号を受信し、前記信号を前記プロセッサに伝送するように構成され、または前記プロセッサから前記通信装置以外の通信装置に信号を送信するように構成され、前記プロセッサは、論理回路によって、またはコード命令を実行することによって、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成される通信装置。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記記憶媒体は、コンピュータプログラムまたは命令を記憶し、前記コンピュータプログラムまたは前記命令が通信装置によって実行されたときに、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法が実施されるコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ワイヤレス通信技術の分野に関し、特に信号伝送方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年8月27日に中国国家知識産権局に出願された「SIGNAL TRANSMISSION METHOD AND APPARATUS」と題する中国特許出願第202110998362.4号の優先権を主張するものである。
【0003】
新無線(new radio,NR)システムでは、システム能力を向上させ、伝送遅延を低減するために、新二重技術と呼ばれる動的アップリンク/ダウンリンク切換え技術が提案されている。特定の瞬間に、基地局は、第1のサブバンドで信号を受信し、同時に第2のサブバンドで信号を送信することがある。しかしながら、端末は、第2のサブバンドで信号を受信する、または第1のサブバンドで信号を送信することはあるが、第2のサブバンドで信号を受信し、同時に第1のサブバンドで信号を送信することはない。
【0004】
新二重技術が導入された後、端末が受信された信号と送信対象の信号とをいかにフィルタリングするかが、解決を要する課題となる。
【発明の概要】
【0005】
本願は、端末のデータ伝送遅延を低減するために、信号伝送方法および装置を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、信号伝送方法が提供される。この方法は、端末によって実行されることがあり、または端末デバイスに適用されるチップによって実行されることがある。この方法では、端末は、第1のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信し、第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するように端末に示す。端末は、第1の信号を受信して、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングする、または端末は、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングして、第1の信号を送信する。第1のアナログフィルタの中心周波数および/または通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドに基づいて決定され、Mは、1より大きい整数である。M個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含む。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第1の時間領域リソースは、第1の時間周波数リソースの時間領域リソースと重なり合う。
【0007】
上記の解決策に基づくと、端末が信号を受信するとき、および端末が信号を送信するときに、ダウンリンクアナログフィルタおよびアップリンクアナログフィルタに同じ設計解決策が使用されるので、フィルタの設計が簡略化され、端末の複雑さを低減し得る。
【0008】
可能な実装では、M個のサブバンドの帯域幅は、1つの帯域幅部分(BWP)の周波数領域範囲に含まれる。代替として、M個のサブバンドの帯域幅は、1つのキャリアの周波数領域範囲に含まれる。
【0009】
可能な実装では、第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように端末に示す。端末は、第2のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信し、第2のインジケーション情報は、第2の時間周波数リソース上で第2の信号を送信するように端末に示す。第2の時間周波数リソースの時間領域リソースは、第1の時間領域リソースと重なり合い、第2の時間周波数リソースの時間領域リソースは、第1の時間周波数リソースの時間領域リソースと重なり合わない。端末は、第2のアナログフィルタを用いて第2の信号をフィルタリングする。第1のアナログフィルタの中心周波数は、第2のアナログフィルタの中心周波数と同じである。
【0010】
上記の解決策に基づくと、端末が信号を受信するとき、および端末が信号を送信するときに、ダウンリンクアナログフィルタの中心周波数は、アップリンクアナログフィルタの中心周波数と同じである。これにより、アップリンク伝送とダウンリンク伝送の間の切換え時間を短縮することができる。さらに、既存のアナログフィルタも再利用されて、端末の複雑さを低減し得る。
【0011】
可能な実装では、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と同じである。代替として、第1のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドに基づいて決定され、第2のアナログフィルタの中心周波数は、M個のサブバンドに基づいて決定され、第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドおよび第2のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定される。K個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。代替として、第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅および中心周波数は、M個のサブバンドに基づいて決定され、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドおよび第1のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定される。P個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。代替として、第2のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドに基づいて決定され、K個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第1のアナログフィルタの中心周波数は、K個のサブバンドに基づいて決定され、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドおよび第1のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定される。代替として、第1のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドに基づいて決定され、P個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第2のアナログフィルタの中心周波数は、P個のサブバンドに基づいて決定され、第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドおよび第2のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定される。代替として、第2のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドに基づいて決定され、K個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第1のアナログフィルタの中心周波数は、K個のサブバンドに基づいて決定され、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、P個のサブバンドおよび第1のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定され、P個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。代替として、第1のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドに基づいて決定され、P個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、第2のアナログフィルタの中心周波数は、P個のサブバンドに基づいて決定され、第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、K個のサブバンドおよび第2のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定され、K個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。
【0012】
上記の解決策に基づくと、第1のアナログフィルタの中心周波数は、第2のアナログフィルタの中心周波数と同じであるので、端末は、信号受信と信号送信との間の短い切換え時間、および信号送信と信号受信との間の短い切換え時間を有する。さらに、既存のアナログフィルタが再利用され得る。これにより、端末の複雑さを低減し、端末のコストを削減することができる。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅が第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と異なる場合には、例えば第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅がアップリンク伝送用に設定されたサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含むなど、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅または第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は同方向伝送サブバンドによって占められる周波数領域リソースのみを含むので、反対方向の干渉が部分的に低減され得、伝送性能が改善され得る。
【0013】
可能な実装では、端末は、第3のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信し、第3のインジケーション情報は、第3の時間周波数リソース上で第3の信号を受信する、または第3の信号を送信するように端末に示す。端末は、第3の信号を受信して、第3のアナログフィルタを用いて第3の信号をフィルタリングする、または端末は、第3のアナログフィルタを用いて第3の信号をフィルタリングして、第3の信号を送信する。第1のサブバンドは、第2の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される、かおよび/または第2のサブバンドは、第2の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第2の時間領域リソースは、第3の時間周波数リソースの時間領域リソースと重なり合う。第2の時間領域リソースは、第1の時間領域リソースと重なり合わない。第3のアナログフィルタの中心周波数および/または通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドのうちの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0014】
可能な実装では、第3の信号の信号伝送方向が第1の信号の信号伝送方向と同じであるときに、第3のアナログフィルタは、第1のアナログフィルタと同じである、または第1のアナログフィルタの中心周波数は、第3のアナログフィルタの中心周波数と同じである、または第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と同じである、または第1のアナログフィルタの中心周波数は、第3のアナログフィルタの中心周波数と同じであり、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と同じである。
【0015】
上記の解決策に基づくと、第3のアナログフィルタが第1のアナログフィルタと同じである場合には、端末のコストが削減され得、端末の複雑さが低減され得る。第1のアナログフィルタの中心周波数が第3のアナログフィルタの中心周波数と同じである場合には、第1の時間領域リソース上で第1の信号に対して実行されるフィルタリングと第2の時間領域リソース上で第3の信号に対して実行されるフィルタリングとの間の切換え時間が短い。これにより、伝送効率が改善される。さらに、第1の時間領域リソースから第2の時間領域リソースまで、または第2の時間領域リソースから次の時間領域リソースまで、全ての端末が信号を受信する、または信号を送信する場合には、端末は、連続的に信号を受信する、または連続的に信号を送信し、追加の切換え時間を必要としない。
【0016】
可能な実装では、第3のアナログフィルタの中心周波数は、M個のサブバンドに基づいて決定され、第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドおよび第3のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定される。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅以下である。代替として、第1のアナログフィルタの中心周波数は、M個のサブバンドに基づいて決定され、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドおよび第1のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定される。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅以上である。
【0017】
上記の解決策に基づくと、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅または第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、逆方向に伝送されるサブバンドの周波数領域リソースを含まないことがある、またはより少ない、逆方向に伝送されるサブバンドの周波数領域リソースを含むことがあるので、反対方向伝送の干渉が低減され得る。
【0018】
可能な実装では、第1のアナログフィルタの中心周波数は、第3のアナログフィルタの中心周波数と異なる、または第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と異なる、または第1のアナログフィルタの中心周波数は、第3のアナログフィルタの中心周波数と異なり、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と異なる。
【0019】
可能な実装では、第1のアナログフィルタは、第1のアナログフィルタの中心周波数に関して対称であり、第3のアナログフィルタは、第3のアナログフィルタの中心周波数に関して対称である。
【0020】
第2の態様によれば、信号伝送方法が提供される。この方法は、端末に適用されることがあり、または端末のチップに適用されることがある。この方法では、端末は、第1の設定情報をネットワークデバイスから受信する。第1の設定情報は、1つのキャリア中のN個のサブバンドを示し、Nは1より大きい整数である。端末は、第1のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信し、第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するように端末に示す。端末は、第1の設定情報に基づいて第4の時間周波数リソースを決定し、第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソースの一部分または全体である。端末は、第4の時間周波数リソース上で第1の信号をネットワークデバイスから受信する、または第1の信号をネットワークデバイスに送信する。
【0021】
上記の解決策に基づくと、信号を受信する、または信号を送信するように基地局が端末をスケジュールするたびに、複数の同方向のサブバンドがスケジュールされ得るので、制御シグナリングオーバヘッドが低減され得る。
【0022】
可能な実装では、第1の周波数領域リソースは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドの両方と重なり合う。第1のサブバンドおよび第2のサブバンドは、N個のサブバンドのうちの2つである。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第1の時間領域リソースは、第1の時間周波数リソースの時間領域リソースである。第1の周波数領域リソースは、第1の時間領域リソース上の周波数領域リソースである。
【0023】
可能な実装では、第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように端末に示すときには、第1の時間領域リソースにおいて、第4の時間周波数リソースの周波数領域リソースは第1のサブバンドと重なり合わず、および/または第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を送信するように端末に示すときには、第1の時間領域リソースにおいて、第4の時間周波数リソースの周波数領域リソースは、第2のサブバンドと重なり合わない。
【0024】
可能な実装では、第1の設定情報は、BWPの周波数領域リソース情報を含み、BWPの周波数領域リソース情報は、N個のサブバンドのそれぞれの周波数領域リソース情報を含む。
【0025】
可能な実装では、第1の設定情報は、アップリンクBWPの設定情報を含み、アップリンクBWPの設定情報は、第1のサブバンドの周波数領域開始位置情報と、第3のサブバンドの周波数領域開始位置情報とを含み、第3のサブバンドは、N個のサブバンドのうちの1つである、および/または第1の設定情報は、ダウンリンクBWPの設定情報を含み、ダウンリンクBWPの設定情報は、第2のサブバンドの周波数領域開始位置情報と、第4のサブバンドの周波数領域開始位置情報とを含み、第4のサブバンドは、N個のサブバンドのうちの1つである。
【0026】
可能な実装では、アップリンクBWPの設定情報中に、1つの帯域幅情報しかなく、1つのサブキャリア間隔情報しかなく、1つのサイクリックプレフィックスタイプ情報しかない、および/または、ダウンリンクBWPの設定情報中に、1つの帯域幅情報しかなく、1つのサブキャリア間隔情報しかなく、1つのサイクリックプレフィックスタイプ情報しかない。
【0027】
上記の解決策に基づくと、基地局は、1つの伝送方向のBWPについて同じ帯域幅情報、同じサブキャリア間隔情報、および同じサイクリックプレフィックスタイプ情報を設定し得る。端末が異なるBWPを用いて信号を受信するときに、端末は、そのBWPの設定情報をリロードする必要がない。これにより、データ伝送遅延を低減することができる。
【0028】
可能な実装では、アップリンクBWPの設定情報中に、1つのデータチャネル設定情報しかなく、1つの制御チャネル設定情報しかなく、1つの半永続的スケジューリング設定情報しかない、および/または、ダウンリンクBWPの設定情報中に、1つのデータチャネル設定情報しかなく、1つの制御チャネル設定情報しかなく、1つの半永続的スケジューリング設定情報しかない。
【0029】
上記の解決策に基づくと、同じ伝送方向のBWPは、同じ制御チャネル設定情報、同じデータチャネル設定情報、および同じデータチャネル設定情報を有する。端末が異なるBWPを用いて信号を受信するときに、端末は、そのBWPの設定情報をリロードする必要がない。これにより、データ伝送遅延を低減することができる。
【0030】
第3の態様によれば、信号伝送方法が提供される。この方法は、ネットワークデバイスに適用されることがあり、またはネットワークデバイスのチップに適用されることがある。この方法では、ネットワークデバイスは、第1の設定情報を端末に送信する。第1の設定情報は、1つのキャリア中のN個のサブバンドを示し、Nは、1より大きい整数である。ネットワークデバイスは、第1のインジケーション情報を端末に送信し、第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するように端末に示す。ネットワークデバイスは、第4の時間周波数リソース上で第1の信号を端末から受信する、または第4の時間周波数リソース上で第1の信号を端末に送信する。第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソースの一部分または全体である。
【0031】
この解決策によってもたらされることが可能な有利な効果、およびさらに詳細な解決策の説明については、第2の態様の関連する説明を参照されたい。
【0032】
第4の態様によれば、信号伝送方法が提供される。この方法は、端末に適用されることがあり、または端末のチップに適用されることがある。この方法では、端末は、第1の設定情報をネットワークデバイスから受信する。第1の設定情報は、1つのキャリア中のN個のサブバンドを示し、Nは1より大きい整数である。N個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含む。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。端末は、第1の能力情報をネットワークデバイスに送信する。第1の能力情報は、切換え時間を含む。切換え時間は、第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への切換え時間、または第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信への切換え時間のうちの1つまたは複数を含む。
【0033】
上記の解決策に基づくと、端末は、信号の受信および送信についての異なるサブバンド間の切換え時間を報告し得、基地局は、端末によって報告される切換え時間に基づいて柔軟で効率的なスケジューリングを実行し得る。
【0034】
第5の態様によれば、信号伝送方法が提供される。この方法は、ネットワークデバイスに適用されることがあり、またはネットワークデバイスのチップに適用されることがある。この方法では、ネットワークデバイスは、第1の設定情報を端末に送信する。第1の設定情報は、1つのキャリア中のN個のサブバンドを示し、Nは、1より大きい整数である。N個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含む。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。ネットワークデバイスは、第1の能力情報を端末から受信する。第1の能力情報は、切換え時間を含む。切換え時間は、第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への切換え時間、または第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信への切換え時間のうちの1つまたは複数を含む。
【0035】
第6の態様によれば、信号伝送方法が提供される。この方法は、端末に適用されることがあり、または端末のチップに適用されることがある。この方法では、端末は、第1の設定情報をネットワークデバイスから受信する。第1の設定情報は、1つのキャリア中のN個のサブバンドを示し、Nは1より大きい整数である。N個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含む。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第1のサブバンドは、第2の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第2のサブバンドは、第2の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。端末は、第1の能力情報を報告する。第1の能力情報は、切換え時間を含む。切換え時間は、第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への切換え時間、第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信への切換え時間、第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号受信への切換え時間、第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号送信への切換え時間、または第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号送信への切換え時間のうちの1つまたは複数を含む。
【0036】
上記の解決策に基づくと、端末は、異なるBWP間の切換え時間を報告し得、基地局は、端末によって報告される切換え時間に基づいて柔軟で効率的なスケジューリングを実行し得る。
【0037】
第7の態様によれば、信号伝送方法が提供される。この方法は、ネットワークデバイスに適用されることがあり、またはネットワークデバイスのチップに適用されることもある。この方法では、ネットワークデバイスは、第1の設定情報を端末に送信する。第1の設定情報は、1つのキャリア中のN個のサブバンドを示し、Nは1より大きい整数である。N個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含む。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第1のサブバンドは、第2の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第2のサブバンドは、第2の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。ネットワークデバイスは、第1の能力情報を端末から受信する。第1の能力情報は、切換え時間を含む。切換え時間は、第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への切換え時間、第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信への切換え時間、第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号受信への切換え時間、第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号送信への切換え時間、または第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号送信への切換え時間のうちの1つまたは複数を含む。
【0038】
第8の態様によれば、トランシーバモジュールと処理モジュールとを含む通信装置が提供される。
【0039】
トランシーバモジュールは、第1のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信するように構成される。トランシーバモジュールは、第1の信号を受信するようにさらに構成され、処理モジュールは、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングするように構成される。代替として、処理モジュールは、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングするように構成され、トランシーバモジュールは、第1の信号を送信するようにさらに構成される。第1のアナログフィルタについては、第1の態様の関連する説明を参照されたい。
【0040】
一設計では、第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように端末に示す。トランシーバモジュールは、第2のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信するようにさらに構成され、第2のインジケーション情報は、第2の時間周波数リソース上で第2の信号を送信するように端末に示す。処理モジュールは、第2のアナログフィルタを用いて第2の信号をフィルタリングするようにさらに構成される。
【0041】
一設計では、トランシーバモジュールは、第3のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信するようにさらに構成され、第3のインジケーション情報は、第3の時間周波数リソース上で第3の信号を受信する、または第3の信号を送信するように端末に示す。トランシーバモジュールは、第3の信号を受信するようにさらに構成され、処理モジュールは、第3のアナログフィルタを用いて第3の信号をフィルタリングするように構成される。代替として、処理モジュールは、第3のアナログフィルタを用いて第3の信号をフィルタリングするように構成され、トランシーバモジュールは、第3の信号を送信するようにさらに構成される。
【0042】
この解決策のさらに詳細な説明については、第1の態様の関連する説明を参照されたい。
【0043】
第9の態様によれば、トランシーバモジュールと処理モジュールとを含む通信装置が提供される。トランシーバモジュールは、第1の設定情報および第1のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信するように構成される。処理モジュールは、第1の設定情報および第1のインジケーション情報に基づいて第4の時間周波数リソースを決定するように構成される。トランシーバモジュールは、第4の時間周波数リソース上で第1の信号をネットワークデバイスから受信する、または第1の信号をネットワークデバイスに送信するようにさらに構成される。他のさらに詳細な説明については、第2の態様の関連する説明を参照されたい。
【0044】
第10の態様によれば、トランシーバモジュールと処理モジュールとを含む通信装置が提供される。トランシーバモジュールは、第1の設定情報および第1のインジケーション情報を端末に送信するように構成される。処理モジュールは、第1の設定情報および第1のインジケーション情報に基づいて第4の時間周波数リソースを決定するように構成される。トランシーバモジュールは、第4の時間周波数リソース上で第1の信号を端末から受信する、または第4の時間周波数リソース上で第1の信号を端末に送信するようにさらに構成される。他のさらに詳細な説明については、第3の態様の関連する説明を参照されたい。
【0045】
第11の態様によれば、トランシーバモジュールと処理モジュールとを含む通信装置が提供される。
【0046】
トランシーバモジュールは、第1の設定情報をネットワークデバイスから受信するように構成される。処理モジュールは、第1の能力情報を生成するように構成され、第1の能力情報は、切換え時間を含む。トランシーバモジュールは、第1の能力情報をネットワークデバイスに送信するようにさらに構成される。他のさらに詳細な説明については、第4の態様または第6の態様の関連する説明を参照されたい。
【0047】
第12の態様によれば、トランシーバモジュールと処理モジュールとを含む通信装置が提供される。
【0048】
処理モジュールは、第1の設定情報を生成するように構成される。トランシーバモジュールは、第1の設定情報を端末に送信するように構成され、第1の能力情報を端末から受信するようにさらに構成される。第1の能力情報は、切換え時間を含む。他のさらに詳細な説明については、第5の態様または第7の態様の関連する説明を参照されたい。
【0049】
第13の態様によれば、プロセッサを含む通信装置が提供される。プロセッサは、メモリに結合される。メモリは、コンピュータプログラムまたは命令を記憶するように構成される。プロセッサは、コンピュータプログラムまたは命令を実行して、様々な態様の様々な可能な実装による方法を実施するように構成される。メモリは、装置の内部に位置することがあり、または装置の外部に位置することがある。1つまたは複数のプロセッサがあることがある。
【0050】
第14の態様によれば、本願は、プロセッサとインタフェース回路とを含む通信装置を提供する。インタフェース回路は、別の装置と通信するように構成される。プロセッサは、様々な態様の様々な可能な実装による方法を実行するように構成される。
【0051】
第15の態様によれば、通信装置が提供される。この装置は、論理回路と入出力インタフェースとを含む。
【0052】
一例では、入出力インタフェースは、第1のインジケーション情報をネットワークデバイスから入力するように構成され、第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するように端末に示す。入出力インタフェースは、第1の信号を入力するようにさらに構成される。論理回路は、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングするように構成される。代替として、論理回路は、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングするように構成され、入出力インタフェースは、第1の信号を出力するようにさらに構成される。第1のアナログフィルタの中心周波数および/または通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドに基づいて決定され、Mは、1より大きい整数である。M個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含み、第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、第1の時間領域リソースは、第1の時間周波数リソースの時間領域リソースと重なり合う。この解決策のさらに詳細な説明については、第1の態様の関連する説明を参照されたい。
【0053】
別の例では、入出力インタフェースは、第1の設定情報をネットワークデバイスから入力するように構成される。第1の設定情報は、1つのキャリア中のN個のサブバンドを示し、Nは1より大きい整数である。入出力インタフェースは、第1のインジケーション情報をネットワークデバイスから入力するようにさらに構成され、第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するように端末に示す。論理回路は、第1の設定情報および第1のインジケーション情報に基づいて第4の時間周波数リソースを決定するように構成される。第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソースの一部分または全体である。入出力インタフェースは、第4の時間周波数リソース上で第1の信号をネットワークデバイスから入力する、または第1の信号をネットワークデバイスに出力するようにさらに構成される。この解決策のさらに詳細な説明については、第2の態様の関連する説明を参照されたい。
【0054】
第16の態様によれば、本願は、第2の態様の様々な可能な実装による方法を実行するように構成された端末と、第3の態様の様々な可能な実装による方法を実行するように構成されたネットワークデバイスとを含む、または第4の態様の様々な可能な実装による方法を実行するように構成された端末と、第5の態様の様々な可能な実装による方法を実行するように構成されたネットワークデバイスとを含む、通信システムを提供する。
【0055】
第17の態様によれば、本願は、様々な態様の様々な可能な実装による方法を実行するように構成されたプロセッサを含むチップシステムをさらに提供する。
【0056】
第18の態様によれば、本願は、コンピュータ実行可能命令を含むコンピューティングプログラム製品をさらに提供する。コンピュータ実行可能命令がコンピュータ上で実行されたときに、様々な態様の様々な可能な実装による方法が実施される。
【0057】
第19の態様によれば、本願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。このコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムまたは命令を記憶する。命令が通信装置上で実行されたときに、様々な態様の様々な可能な実装による方法が実施される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】本願の実施形態によるアナログフィルタの阻止帯域、通過帯域および遷移帯域の概略図である。
図2】本願の実施形態による通信システムの概略図である。
図3】本願の実施形態による信号伝送方法の例示的な流れ図である。
図4】本願の実施形態による周波数領域リソースが連続的であるサブバンドの概略図である。
図5】本願の実施形態による周波数領域リソースが不連続であるサブバンドの概略図である。
図6】本願の実施形態による異なる時間領域リソース上のサブバンドのアップリンク/ダウンリンク構成を示す図である。
図7】本願の実施形態による第2の時間領域リソースの概略図である。
図8】本願の実施形態による第2の時間領域リソースの概略図である。
図9】本願の実施形態による信号伝送方法の例示的な流れ図である。
図10】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数の概略図である。
図11】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数の概略図である。
図12】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数の概略図である。
図13】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数の概略図である。
図14】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅および第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅の概略図である。
図15】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅および第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅の概略図である。
図16】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数ならびに第2のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅の概略図である。
図17】本願の実施形態による信号伝送方法の例示的な流れ図である。
図18】本願の実施形態による通信装置の概略図である。
図19】本願の実施形態による通信装置の概略図である。
図20】本願の実施形態による通信装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、本願の実施形態が適用される通信システム1000のアーキテクチャの概略図である。図1に示されるように、この通信システムは、無線アクセスネットワーク100とコアネットワーク200とを含む。任意選択で、通信システム1000は、インターネット300をさらに含むことがある。無線アクセスネットワーク100は、少なくとも1つの無線アクセスネットワークデバイス(例えば図1の110aおよび110b)を含むことがあり、少なくとも1つの端末(例えば図1の120aから120j)をさらに含むことがある。端末は、ワイヤレス方式で無線アクセスネットワークデバイスに接続され、無線アクセスネットワークデバイスは、ワイヤレス方式または有線方式でコアネットワークに接続される。コアネットワークデバイスと無線アクセスネットワークデバイスとは、独立した異なる物理デバイスであることがあるが、またはコアネットワークデバイスの機能と無線アクセスネットワークデバイスの論理機能とが、同じ物理デバイスに一体化される、もしくはコアネットワークデバイスの機能の一部分と無線アクセスネットワークデバイスの機能の一部分とが、1つの物理デバイスに一体化される。端末は、有線方式またはワイヤレス方式で端末に接続され、無線アクセスネットワークデバイスは、有線方式またはワイヤレス方式で無線アクセスネットワークデバイスに接続される。図1は、単なる概略図である。通信システムは、別のネットワークデバイスをさらに含むことがある。例えば、通信システムは、図1には書かれていないワイヤレス中継デバイスおよびワイヤレスバックホールデバイスをさらに含むことがある。
【0060】
無線アクセスネットワークデバイスは、ネットワークデバイスと呼ばれることもまたあり得、基地局(base station)、進化型NodeB(evolved NodeB,eNodeB)、送受信ポイント(transmission reception point,TRP)、第五世代(5th generation,5G)移動体通信システムの次世代NodeB(next generation NodeB,gNB)、第六世代(6th generation,6G)移動体通信システムの次世代基地局、将来の移動体通信システムの基地局、Wi-Fiシステムのアクセスノードなどであることがあり、または例えば中央ユニット(central unit,CU)もしくは分散ユニット(distributed unit,DU)など基地局の機能の一部分を完了するモジュールもしくはユニットであることがある。CUは、基地局の無線リソース制御プロトコルおよびパケットデータコンバージェンスレイヤプロトコル(packet data convergence protocol,PDCP)の機能を完了し、さらにサービスデータ適応プロトコル(service data adaptation protocol,SDAP)の機能を完了することがある。DUは、基地局の無線リンク制御層および媒体アクセス制御(medium access control,MAC)層の機能を完了し、さらに一部または全ての物理層の機能を完了することがある。上記のプロトコル層の具体的な悦明については、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project,3GPP)の関連する技術仕様書を参照されたい。無線アクセスネットワークデバイスは、マクロ基地局(例えば図1の110a)であることがあり、マイクロ基地局もしくは屋内基地局(例えば図1の110b)であることがあり、または中継ノードもしくはドナーノードなどであることがある。無線アクセスネットワークデバイスで使用される具体的な技術および具体的なデバイス形態は、本願の実施形態では限定されない。説明を容易にするために、以下では、基地局が無線アクセスネットワークデバイスである例を用いて説明する。
【0061】
端末は、端末デバイス、ユーザ機器(user equipment,UE)、移動局、移動端末などと呼ばれることもまたある。端末デバイスは、例えばデバイストゥデバイス(device-to-device,D2D)シナリオ、ビークルトゥエブリシング(vehicle-to-everything,V2X)通信シナリオ、マシンタイプ通信(machine-type communication,MTC)シナリオ、モノのインターネット(Internet of things,IOT)シナリオ、仮想現実シナリオ、拡張現実シナリオ、産業制御シナリオ、自動運転シナリオ、遠隔医療シナリオ、スマートグリッドシナリオ、スマート家具シナリオ、スマートオフィスシナリオ、スマートウェアラブルシナリオ、スマート輸送シナリオおよびスマートシティシナリオなど、様々なシナリオで広く使用され得る。端末デバイスは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ワイヤレストランシーバ機能を備えたコンピュータ、ウェアラブルデバイス、車両、無人航空機、ヘリコプタ、航空機、船舶、ロボット、ロボットアーム、スマートホームデバイスなどであることがある。端末で使用される具体的な技術および具体的なデバイス形態は、本願の実施形態では限定されない。
【0062】
基地局および端末は、固定型であっても移動型であってもよい。基地局および端末は、屋内デバイス、屋外デバイス、ハンドヘルドデバイスもしくは車載型デバイスなど地上にデプロイされることがあり、水上にデプロイされることがあり、または空中の航空機、バルーンおよび人工衛星にデプロイされることがある。基地局および端末の適用シナリオは、本願の実施形態では限定されない。
【0063】
基地局の役割と端末の役割とは相対的なものであり得、例えば、図1のヘリコプタまたは無人航空機120iは移動基地局として構成されることがあり、120iを介して無線アクセスネットワーク100にアクセスする端末120jにとって、端末120iは基地局である。しかし、基地局110aにとっては、120iは端末であり、換言すれば、110aと120iとの間の通信は、ワイヤレスエアインタフェースプロトコルを用いて実行される。もちろん、代替として、基地局間のインタフェースプロトコルを用いて110aと120iとの間で通信が実行されることがある。この場合、110aとの比較で、120iが代替として基地局となる。したがって、基地局および端末の両方が通信装置と総称されることがあり、図1の110aおよび110bは、基地局の機能を有する通信装置と呼ばれることがあり、図1の120aから120jは、端末の機能を有する通信装置と呼ばれることがある。
【0064】
通信は、認可されたスペクトルを介するか、無認可のスペクトルを介するか、または認可されたスペクトルおよび無認可のスペクトルの両方を介して、基地局と端末との間、基地局間、および端末間で実行され得る。通信は、6ギガヘルツ(gigahertz,GHz)未満のスペクトルを介するか、6GHz超のスペクトルを介するか、または6GHz未満のスペクトルおよび6GHz超のスペクトルの両方を介して実行され得る。ワイヤレス通信のスペクトルリソースは、本願の実施形態では限定されない。
【0065】
本願の実施形態では、基地局の機能は、代替として基地局内のモジュール(例えばチップ)によって実行されることがあり、基地局の機能を含む制御サブシステムによって実行されることがある。本明細書における基地局の機能を含む制御サブシステムは、スマートグリッド、産業制御、スマート輸送およびスマートシティなどの上記の適用シナリオにおける制御センタであることがある。端末の機能は、代替として端末内のモジュール(例えばチップまたはモデム)によって実行されることがあり、端末の機能を含む装置によって実行されることがある。
【0066】
本願では、基地局は、ダウンリンク信号またはダウンリンク情報を端末に送信し、ダウンリンク情報はダウンリンクチャネルで搬送される。端末は、アップリンク信号またはアップリンク情報を基地局に送信し、アップリンク情報はアップリンクチャネルで搬送される。基地局と通信するためには、端末は、基地局によって制御されるセルとのワイヤレス接続を確立する必要がある。端末とのワイヤレス接続を確立するセルは、端末のサービングセルと呼ばれる。端末がサービングセルと通信するとき、端末はさらに、近傍セルからの信号によって干渉される。
【0067】
本願の実施形態では、時間領域シンボルは、直交周波数分割多重(orthogonal frequency division multiplexing,OFDM)シンボルであり得るか、または離散フーリエ変換拡散OFDM(Discrete Fourier Transform-spread-OFDM,DFT-s-OFDM)シンボルであり得る。特に指定がない限り、本願の実施形態におけるシンボルは、全て時間領域シンボルである。
【0068】
本願では、信号は、データチャネル、制御チャネルおよび参照信号を含み得る。信号伝送は、アップリンク伝送であることがあり、すなわち端末が信号を基地局に送信し、またはダウンリンク伝送であることがあり、すなわち基地局が信号を端末に送信する。伝送が動詞であるときには、伝送は、送信する/受信する、と入れ替えられることがある。
【0069】
本願の実施形態で提供される技術的解決策の理解を容易にするために、以下、本願の実施形態で用いられる技術用語について説明および記述する。
【0070】
(1)セル:ネットワークデバイスのそれぞれのカバレッジは、1つまたは複数のセルに分割され得る。現在のNR標準では、1つのダウンリンクキャリアが1つのセル用に設定されることがあり、任意選択で、少なくとも1つのアップリンクキャリアが1つのセル用に設定されることもある。端末デバイスについては、端末デバイスにサービスを提供するセルはサービングセルと呼ばれる。本願におけるセルは、代替としてサービングセルであることがある。
【0071】
(2)キャリア:1つのセル用に設定された周波数領域リソースは、キャリアと呼ばれることがある。例えば、1つのセル用に設定されたダウンリンク周波数領域リソースは、ダウンリンクキャリアと呼ばれることがあり、1つのセル用に設定された連続したアップリンク周波数領域リソースは、アップリンクキャリアと呼ばれることがある。
【0072】
(3)帯域幅部分(bandwidth part,BWP):帯域幅部分は、1つのキャリア上の連続した周波数領域リソースのセグメントである。1つのBWPが設定されて活動化された後は、そのBWPは、アクティブなBWPと呼ばれる。現在のところ、1つの端末は、1つのダウンリンクキャリア上で1つのアクティブなダウンリンクBWPしか有することができず、1つのアップリンクキャリア上で1つのアクティブなアップリンクBWPしか有することができない。端末は、アクティブなアップリンクBWPでアップリンクデータおよび制御情報を送信し、アクティブなダウンリンクBWPでダウンリンクデータおよび制御情報を受信する。
【0073】
(4)サブバンド:サブバンドは、連続した周波数領域リソースのセグメントである。本願の実施形態では、サブバンドは、1つのBWP中の連続した周波数領域リソースのセグメントであることがある。あるいは、サブバンドの帯域幅は、代替としてBWPの帯域幅と同じであることがある、すなわち、1つのサブバンドが代替として1つのBWPであることがある。
【0074】
(5)フィルタの通過帯域、遷移帯域および阻止帯域:図2を参照されたい。フィルタの通過帯域、遷移帯域および阻止帯域が示されている。P1未満の周波数領域およびP4超の周波数領域は、フィルタの阻止帯域とみなされ得、阻止帯域範囲内の信号はフィルタを通過することができない、またはフィルタは阻止帯域内の信号を強く抑制する。P1超でありP2未満である周波数領域およびP3超でありP4未満である周波数領域は、フィルタの遷移帯域とみなされ得、遷移帯域内の信号は、信号がフィルタを通過するときに減衰および歪みを受けることがある。P2超でありP3未満である周波数は、アナログフィルタの通過帯域とみなされ得、通過帯域範囲内の信号は、減衰または歪みを生じることなくフィルタを通過し得る。
【0075】
(6)アナログフィルタ:アナログフィルタは、アナログ領域のフィルタである。例えば帯域幅または中心周波数の切換えなどアナログフィルタの切換えは、指定された切換え時間を必要とする。デジタル領域フィルタの切換え時間は短く、これはほとんどリアルタイム切換えとみなされ得る。
【0076】
本願の実施形態は、信号伝送遅延を低減するために、信号伝送方法を提供する。図3は、本願の実施形態による信号伝送方法の例示的な流れ図である。本願の本実施形態における第1の時間領域リソースは、サブバンドの時間領域パターン(pattern)のタイムユニットである。タイムユニットは、1つもしくは複数のサブフレーム、1つもしくは複数のスロット、または1つもしくは複数の時間領域シンボルであり得る。
【0077】
S301:基地局は、第1の設定情報を端末に送信し、これに対応して、端末は、第1の設定情報を基地局から受信する。第1の設定情報は、1つのキャリア中のN個のサブバンドを示す。Nは1より大きい整数である。
【0078】
可能な実装では、第1の設定情報は、BWPの周波数領域リソース情報と、N個のサブバンドの周波数領域リソース情報とを含む。別の可能な実装では、第1の設定情報は、BWPの周波数領域リソース情報を含み、BWPの周波数領域リソース情報が、N個のサブバンドの周波数領域リソース情報を含む。さらに別の可能な実装では、BWPの周波数領域リソース情報とN個のサブバンドの周波数領域リソース情報とは、2つのシグナリングで別個に搬送される。換言すれば、第1の設定情報が第1のシグナリングで搬送され、N個のサブバンドの周波数領域リソース情報が第2のシグナリングで搬送される。上記の3つの実装において、N個のサブバンドは、1つのBWP中のN個のサブバンドであることがある。BWPの周波数領域リソースは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含むことがある。第1のサブバンドと第2のサブバンドとは、N個のサブバンドのうちの2つである。第1のサブバンドは、アップリンク伝送用の第1の時間領域リソース上に設定される。第2のサブバンドは、ダウンリンク伝送用の第1の時間領域リソース上に設定される。BWPは、アップリンクBWP、ダウンリンクBWP、アップリンクおよびダウンリンクの両方に使用されるBWP、またはアップリンクとダウンリンクが区別されないBWPであり得る。
【0079】
本願の本実施形態では、周波数領域リソース情報は、周波数領域開始位置情報および/または帯域幅情報を含むことがある。BWPの周波数領域リソース情報は、1つまたは複数の周波数領域開始位置情報を含むことがあるので、周波数領域開始位置情報のそれぞれが1つのサブバンドの周波数領域開始位置に対応することがある。例えば、BWPの周波数領域リソース情報が周波数領域開始位置P1、周波数領域開始位置P2および周波数領域開始位置P3を含む場合には、周波数領域開始位置P1が第1のサブバンドに対応することがあり、周波数領域開始位置P2が第2のサブバンドに対応することがあり、周波数領域開始位置P3が第3のサブバンドに対応することがある。
【0080】
BWPの周波数領域リソース情報中の帯域幅情報は、BWP中の周波数領域開始位置のそれぞれに対応するサブバンドの帯域幅情報であることがある。換言すれば、サブバンドのそれぞれの帯域幅は、同じである。上記の例では、第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの周波数領域開始位置は、順に周波数領域開始位置P1、周波数領域開始位置P2および周波数領域開始位置P3であることがある。第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの帯域幅は、帯域幅情報によって示される帯域幅である。図4を参照されたい。第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの帯域幅は、同じであり、帯域幅情報によって示される帯域幅d1と同じである。
【0081】
別の例では、BWPの周波数領域リソース情報中の帯域幅情報によって示される帯域幅は、周波数領域開始位置に対応するサブバンドの帯域幅以上である。例えば、第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの帯域幅は、全て帯域幅情報によって示される帯域幅以下であり、第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの帯域幅は、同じである得、または異なり得る。図5に示されるように、第1のサブバンドの帯域幅は、第2のサブバンドの帯域幅と同じであり、両方ともd1であり、第3のサブバンドの帯域幅は、d2である。d1およびd2は両方とも、帯域幅情報によって示される帯域幅d3以下である。
【0082】
図4に示されるように、上記の周波数領域開始位置は異なるサブバンドに対応することがあり、サブバンドは、連続的な周波数領域リソースであることがあることに留意されたい。代替として、図5に示されるように、サブバンド間に間隔があることがある。これは、本願では特に限定されない。周波数領域の2つの隣接するサブバンド間の間隔は、同じであることがあり、または異なることがある。
【0083】
別の可能な実装では、第1の設定情報は、アップリンクBWPの設定情報を含むことがある。アップリンクBWPの設定情報は、第1のサブバンドの周波数領域開始位置情報と、第3のサブバンドの周波数領域開始位置情報とを含むことがある。第1のサブバンドと第3のサブバンドとは、N個のサブバンドのうちの2つであることがある。アップリンクBWPの設定情報は、1つの帯域幅情報と、1つのサブキャリア間隔情報と、1つのサイクリックプレフィックスタイプ情報とを含むことがある。換言すれば、第1のサブバンドの帯域幅、サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスタイプは、第3のサブバンドの帯域幅、サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスタイプと同じである。
【0084】
上記の解決策に基づくと、基地局は、端末について複数のBWPを設定することがあり、同じ伝送方向である複数のBWPについては同じサブキャリア間隔情報およびサイクリックプレフィックスタイプ情報が設定され得るので、制御シグナリングオーバヘッドが低減され得る。
【0085】
任意選択で、アップリンクBWPの設定情報中にデータチャネル設定情報が1つしかないことがあり、すなわち第1のサブバンドのデータチャネル設定情報が第3のサブバンドのデータチャネル設定情報と同じとなる。代替として、アップリンクBWPの設定情報中に制御チャネル設定情報が1つしかないことがあり、すなわち第1のサブバンドの制御チャネル設定情報が第3のサブバンドの制御チャネル設定情報と同じとなる。代替として、アップリンクBWPの設定情報中に半永続的スケジューリング設定情報が1つしかないことがあり、すなわち第1のサブバンドの半永続的スケジューリング設定情報が第3のサブバンドの半永続的スケジューリング設定情報と同じとなる。
【0086】
第1のサブバンドおよび第3のサブバンドはアップリンク伝送用に設定されることがあるが、第1のサブバンドと第3のサブバンドとがアップリンク伝送用に設定される時間期間は、同じであってもよく、または異なっていてもよいことに留意されたい。
【0087】
可能な実装では、第1の設定情報は、ダウンリンクBWPの設定情報を含むことがある。ダウンリンクBWPの設定情報は、第2のサブバンドの周波数領域開始位置情報と、第4のサブバンドの周波数領域開始位置情報とを含むことがある。第2のサブバンドと第4のサブバンドとは、N個のサブバンドのうちの2つであることがある。ダウンリンクBWPの設定情報は、1つの帯域幅情報と、1つのサブキャリア間隔情報と、1つのサイクリックプレフィックスタイプ情報とを含むことがある。換言すれば、第2のサブバンドの帯域幅、サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスタイプは、第4のサブバンドの帯域幅、サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックスタイプと同じである。
【0088】
任意選択で、ダウンリンクBWPの設定情報中にデータチャネル設定情報が1つしかないことがあり、すなわち第2のサブバンドのデータチャネル設定情報が第4のサブバンドのデータチャネル設定情報と同じとなる。代替として、ダウンリンクBWPの設定情報中に制御チャネル設定情報が1つしかないことがあり、すなわち第2のサブバンドの制御チャネル設定情報が第4のサブバンドの制御チャネル設定情報と同じとなる。代替として、ダウンリンクBWPの設定情報中に半永続的スケジューリング設定情報が1つしかないことがあり、すなわち第2のサブバンドの半永続的スケジューリング設定情報が第4のサブバンドの半永続的スケジューリング設定情報と同じとなる。
【0089】
第2のサブバンドおよび第4のサブバンドはダウンリンク伝送用に設定されることがあるが、第2のサブバンドと第4のサブバンドとがダウンリンク伝送用に設定される時間期間は、同じであってもよく、または異なっていてもよいことに留意されたい。
【0090】
可能な実装では、第1の設定情報は、サブバンドの設定情報を含むことがある。サブバンドの設定情報は、サブバンドの時間領域パターン(pattern)であることがある。サブバンドのそれぞれは、1つの時間領域パターンに対応し、そのサブバンドが1つの時間領域リソース上でアップリンク伝送に使用されるか、またはダウンリンク伝送に使用されるかを示す。
【0091】
例えば同じ時間領域リソース上の第1のサブバンドおよび第2のサブバンドなど、N個のサブバンドのうちの、一方のサブバンドの周波数領域リソースが他方のサブバンドの周波数領域リソースと隣接する2つのサブバンドについては、一方のサブバンドがアップリンク伝送用に設定され得、他方のサブバンドがダウンリンク伝送用に設定されることがある。
【0092】
図6に示されるように、第1の時間領域リソースT1上では、第1のサブバンドおよび第3のサブバンドはアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドおよび第4のサブバンドはダウンリンク伝送用に設定される。第2の時間領域リソースT2上では、第1のサブバンド、第2のサブバンド、第3のサブバンドおよび第4のサブバンドは全てアップリンク伝送用に設定される。図6は単なる例であることは理解され得る。特定のサブバンドについて、アップリンク伝送に使用される時間領域リソースおよびダウンリンク伝送に使用される時間領域リソースは、本願の実施形態では限定されない。本願の本実施形態では、「D」は、サブバンドがダウンリンク伝送用に設定されることを示し、「U」は、サブバンドがアップリンク伝送用に設定されることを示す。
【0093】
S302:基地局は、第1のインジケーション情報を端末に送信し、これに対応して、端末は、第1のインジケーション情報を基地局から受信する。
【0094】
第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するように端末に示す。第1の時間周波数リソースの周波数領域リソース(短縮して第1の周波数領域リソース)は、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドの両方と重なり合うことがある。第1の時間周波数リソースの時間領域リソースは、第1の時間領域リソースと重なり合うと仮定されている。例えば、図6に示されるように、第1の時間領域リソース上で、第1のサブバンドは、アップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、ダウンリンク伝送用に設定される。
【0095】
S303:端末は、第1の設定情報および第1のインジケーション情報に基づいて第4の時間周波数リソースを決定し、第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソースの一部分または全体である。
【0096】
S304:端末は、第4の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を基地局に送信する。
【0097】
可能な実装では、第1のインジケーション情報によって示される第1の時間周波数リソースは、第1のサブバンド上の周波数領域リソースの一部分または全体と、第2のサブバンド上の周波数領域リソースの一部分または全体とを含むことがある。第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように示す場合には、端末は、第1の設定情報に基づいて、第4の時間周波数リソースの周波数領域リソースが第1の時間領域リソース上で第1のサブバンドと重なり合わないと決定することがある。第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を送信するように示す場合には、端末は、第1の設定情報に基づいて、第4の時間周波数リソースの周波数領域リソースが第1の時間領域リソース上で第2のサブバンドと重なり合わないと決定することがある。
【0098】
例えば、第1の設定情報は、第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの周波数領域リソース情報を示し、第1のサブバンドおよび第3のサブバンドは、T1上でアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、T1上でダウンリンク伝送用に設定される。図7を参照されたい。第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように端末に示す場合には、端末は、第4の時間周波数リソース上で第1の信号を受信することがある。第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソース上の、周波数領域で第2のサブバンドと重なり合う時間周波数リソースである。図8を参照されたい。第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を送信するように端末に示す場合には、端末は、第4の時間周波数リソース上で第1の信号を送信することがある。第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソース上の、周波数領域で第1のサブバンドと重なり合う時間周波数リソースであり、第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソース上の、周波数領域で第3のサブバンドと重なり合う時間周波数リソースである。
【0099】
任意選択で、第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように端末に示し、第1の時間周波数リソースと重なり合うサブバンドが全てアップリンク伝送用に設定されている場合には、端末は、現在のスケジューリングが無効であると決定することがある。この場合には、端末は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信しない。
【0100】
上記の解決策に基づくと、信号を受信する、または信号を送信するように基地局が端末をスケジュールするたびに、複数の同方向のサブバンドがスケジュールされることがある。複数の同方向のサブバンドは、周波数領域で連続していることがあり、または周波数領域で不連続であることがある。複数の同方向のサブバンドは一度にスケジュールされ得るので、制御シグナリングオーバヘッドが低減され得る。
【0101】
別の可能な実装では、第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように端末に示し、第1の周波数領域リソースが、第1の時間周波数リソースの時間領域範囲内のアップリンク伝送用に設定されたサブバンドと重なり合わない場合には、第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソースの全体である。第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を送信するように端末に示し、第1の周波数領域リソースが、第1の時間周波数リソースの時間領域範囲内のダウンリンク伝送用に設定されたサブバンドと重なり合わない場合には、第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソースの全体である。
【0102】
可能な実装では、第1の時間領域リソース上でサブバンドが1つしか活動化されない、すなわち端末は、1つのサブバンド上でのみ信号を送信する、または信号を受信することができる。図8に示されるように、第1のサブバンドおよび第3のサブバンドは両方とも、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定されている。第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を送信するように端末に示す場合には、第1のサブバンドおよび第3のサブバンドのうちの1つのサブバンドしか活動化されない。第1のサブバンドが活動化される場合には、第4の時間周波数リソースは、第1の時間周波数リソース上の、周波数領域で第1のサブバンドと重なり合う時間周波数リソースである。第1の信号を送信または受信するためには、基地局も第4の時間周波数リソースを決定する必要があることは理解され得る。基地局が第4の時間周波数リソースを決定する方法は、端末が第4の時間周波数リソースを決定する方法と同様であってよい。ただし、基地局は、第4の時間周波数リソースを決定するために第1の設定情報および第1のインジケーション情報をそのまま使用せずに、第1の設定情報と第1のインジケーション情報中の特定のパラメータの値のみを使用することがある。簡略にするために、基地局は第1の設定情報および第1のインジケーション情報に基づいて第4の時間周波数リソースを決定すると簡潔に述べられることもある。
【0103】
本願の実施形態は、別の信号伝送方法をさらに提供する。図9は、本願の実施形態による信号伝送方法の例示的な流れ図である。この方法は、以下の動作を含むことがある。
【0104】
S901:基地局は、第1のインジケーション情報を端末に送信し、これに対応して、端末は、第1のインジケーション情報を基地局から受信する。
【0105】
第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するように端末に示す。
【0106】
S902:基地局および端末は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を伝送する。具体的には、基地局が第1の信号を端末に送信する、または端末が第1の信号を基地局に送信する。
【0107】
S903:端末は、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングする。
【0108】
第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように端末に示す場合には、端末は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を基地局から受信し、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングすることがある。
【0109】
第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を送信するように端末に示す場合には、端末は、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングし、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を基地局に送信することがある。
【0110】
第1のアナログフィルタの中心周波数は、M個のサブバンドに基づいて決定される。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅も、M個のサブバンドに基づいて決定されることがある。M個のサブバンドは、端末について基地局によって設定されたサブバンドであることがあり、Mは、1より大きい整数である。M個のサブバンドは、1つのBWPの周波数領域範囲に含まれることがある。例えば、基地局は、端末について1つのBWPを設定することがあり、BWPは、M個のサブバンドを含むことがある。代替として、M個のサブバンドは、1つのキャリアの周波数領域範囲に含まれることがある。例えば、基地局は、1つのキャリア上で端末について複数のBWPを設定することがあり、1つのBWPは、M個のサブバンドのうちの1つを含むことがある。
【0111】
M個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含むことに留意されたい。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第1の時間領域リソースは、第1の時間周波数リソースの時間領域リソースと重なり合うことがある。
【0112】
可能な実装では、M個のサブバンドは、第1のアナログフィルタの通過帯域範囲に含まれることがある。代替として、M個のサブバンドは、第1のアナログフィルタの通過帯域範囲および第1のアナログフィルタの遷移帯域範囲に含まれることがある。換言すれば、M個のサブバンドは、第1のアナログフィルタの阻止帯域範囲にはない。代替として、第1のアナログフィルタの通過帯域の周波数応答とM個のサブバンド内の第1のアナログフィルタのエッジ周波数の周波数応答との間の差、またはM個のサブバンド内の第1のアナログフィルタのエッジ周波数の周波数応答に対する第1のアナログフィルタの通過帯域の周波数応答の比は、第1の既定の値以下である。図2を参照されたい。Lは、第1のアナログフィルタの通過帯域の周波数応答である。PおよびPは、M個のサブバンド内のエッジ周波数であり、ここで、Pは、M個のサブバンドの最小周波数であり、Pは、M個のサブバンドの最大周波数であり、Lは、M個のサブバンド内のエッジ周波数の周波数応答である。すなわち、(|L-L|)または(L:L)は、第1の既定の値以下である。
【0113】
図10を参照されたい。M個のサブバンドが上記の第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含むものと仮定されている。第1のアナログフィルタの中心周波数は、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心である。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含む。端末は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信することがあり、ここで、第1の時間周波数リソースは、周波数領域で第2のサブバンドと重なり合い(例えば、第1の時間周波数リソースは図10の第2のサブバンド中の網掛け模様に対応する時間周波数リソースであり)、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングすることがある。代替として、端末は、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングし、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を送信することがある。第1の時間周波数リソースは、周波数領域で第1のサブバンドと重なり合う(例えば、第1の時間周波数リソースは、図10の第1のサブバンド中の網掛け模様に対応する時間周波数リソースである)。
【0114】
本願の実施形態のアナログフィルタの中心周波数は、L個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心であることに留意されたい。この中心は、L個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心周波数であることがあり、またはその周波数とL個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心周波数との間の偏差が特定の範囲内となる周波数であることがある。Lは、正の整数であり、L個のサブバンドは、M個のサブバンドであることがあり、またはM個のサブバンドのうちのL個であることがある。例えば、L個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースは、30MHzである。端末が30MHzの通過帯域を有するアナログフィルタを有していない場合には、端末は、例えば40MHzの通過帯域帯域幅を有するアナログフィルタなど、30MHz超の最小通過帯域帯域幅を有するアナログフィルタを使用することがある。この場合には、アナログフィルタの中心周波数とL個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心との間の差は、5MHz未満である。
【0115】
上記の解決策に基づくと、端末が信号を受信するとき、および端末が信号を送信するときには、ダウンリンクアナログフィルタの中心周波数は、アップリンクアナログフィルタの中心周波数と同じである。これにより、アップリンク伝送とダウンリンク伝送の間の切換え時間を短縮し、端末の複雑さを低減し、端末のコストを削減することができる。
【0116】
第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように端末に示すときには、基地局は、代替として第2のインジケーション情報を端末に送信することがある。第2のインジケーション情報は、第2の時間周波数リソース上で第2の信号を送信するように端末に示す。第1の時間周波数リソースは、時間領域で第2の時間周波数リソースと重なり合わない。第2の時間周波数リソースの時間領域リソースは、上記の第1の時間周波数リソースと重なり合う。
【0117】
端末が第2の信号を送信する前に、端末は、第2のアナログフィルタを用いて第2の信号をフィルタリングする。第2のアナログフィルタの中心周波数は、第1のアナログフィルタの中心周波数と同じであることがあるので、アップリンク信号に対してフィルタによって実行されるフィルタリングとダウンリンク信号に対してフィルタによって実行されるフィルタリングとの間の切換えの切換え遅延が低減される。以下、第1のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅と第2のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅とを決定する方法について詳細に述べる。
【0118】
可能な実装では、第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数は、M個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心であることがある。図11を参照されたい。M個のサブバンドは、第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドを含むことがある。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、第3のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第1のサブバンドによって占められる周波数領域リソースは、f0+25MHzからf0+30MHzであり、第2のサブバンドによって占められる周波数領域リソースは、f0+15MHzからf0+20MHzであり、第3のサブバンドによって占められる周波数領域リソースは、f0からf0+10MHzであるものと仮定されている。第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数のそれぞれは、第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心、すなわちf0からf0+30MHzの中心であるf0+15MHzである。f0は、キャリアの周波数である。
【0119】
別の可能な実装では、第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数は、M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドに基づいて決定されることがある。P個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、Pは、正の整数である。第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数のそれぞれは、P個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心であることがある。図12を参照されたい。第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数のそれぞれは、第2のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心、すなわちf0+15MHzからf0+20MHzの中心であるf0+17.5MHzである。この図における第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの定義は、図11の第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの定義と同じである。
【0120】
可能な実装では、第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数は、M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドに基づいて決定されることがある。K個のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、Kは、正の整数である。第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数のそれぞれは、K個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心であることがある。図13を参照されたい。M個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含むことがある。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第1のサブバンドによって占められる周波数領域リソースはf0+15MHzからf0+20MHzであり、第2のサブバンドによって占められる周波数領域リソースはf0からf0+10MHzであると仮定されている。第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数のそれぞれは、第1のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心、すなわちf0+15MHzからf0+20MHzの中心であるf0+17.5MHzである。f0は、キャリアの周波数である。
【0121】
第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数は、代替として上記の3つの方式で決定される中心周波数の間に位置することがあることに留意されたい。例えば、M個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心は、P1であり、P個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心は、P2であり、K個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心は、P3である。この場合には、第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数は、P1とP2の間の任意の周波数、P1からP3の任意の周波数、またはP2とP3との間の任意の周波数であることがある。
【0122】
一例では、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と同じである。例えば、図11から図13に示されるように、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅および第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含むことがあり、中心周波数に関して別個に対称である。本願の実施形態では、特に指定がない限り、フィルタの通過帯域帯域幅はフィルタの中心周波数に関して対称であることに留意されたい。通過帯域帯域幅が中心周波数に関して対称であるとは、中心周波数の両側に含まれる通過帯域帯域幅の大きさが同じであることとして理解され得る。
【0123】
別の例では、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と異なる。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、P個のサブバンドおよび第1のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定されることがある。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、P個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含むことがある。代替として、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドに基づいて決定されることがある。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含むことがある。さらに、第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、K個のサブバンドおよび第2のアナログフィルタの中心周波数に基づいて決定されることがある。第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、K個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含むことがある。代替として、第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドに基づいて決定される。第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含むことがある。
【0124】
以下、具体的な実施形態を例として用いて、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅が第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と異なるケースについて説明する。
【0125】
図14を参照されたい。第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数のそれぞれは、第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心である。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第2のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含む。第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含む。この図中の第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの定義は、図11の第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの定義と同じである。
【0126】
図15を参照されたい。M個のサブバンドが第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含むものと仮定されている。第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数のそれぞれは、第1のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心であることがある。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第2のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含む。第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第1のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含むことがある。
【0127】
図16を参照されたい。第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数のそれぞれは、第2のサブバンドによって占められる周波数領域リソースの中心である。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第2のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含む。第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含む。この図中の第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの定義は、図11の第1のサブバンド、第2のサブバンドおよび第3のサブバンドの定義と同じである。
【0128】
上記の解決策に基づくと、第1のアナログフィルタの中心周波数は、第2のアナログフィルタの中心周波数と同じであるので、受信される信号に対して端末によって実行されるフィルタリングと送信される信号に対して端末によって実行されるフィルタリングとの間の切換えの切換え遅延が短い。さらに、既存のアナログフィルタが再利用され得る。これにより、端末の複雑さを低減し、端末のコストを削減する。第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅が第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と異なる場合には、例えば第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅が、ダウンリンク伝送用に設定されたサブバンドによって占められる周波数領域リソースに加えて、可能な限り少ないアップリンク伝送用に設定されたサブバンドによって占められる周波数領域リソースを含むなど、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅または第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅が、同方向伝送サブバンドによって占められる周波数領域リソースに加えて、可能な限り少ない反対方向伝送サブバンドによって占められる周波数領域リソースを含み得るため、反対方向の干渉が低減され得、伝送性能が改善され得る。
【0129】
可能な実装では、代替として、端末は、第3のインジケーション情報を基地局から受信することがある。第3のインジケーション情報は、第3の時間周波数リソース上で第3の信号を送信する、または第3の信号を受信するように端末に示す。端末は、第3のアナログフィルタを用いて第3の信号をフィルタリングすることがある。第3のアナログフィルタの中心周波数および/または通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドのうちの少なくとも1つに基づいて決定される。第3の時間周波数リソースの時間領域リソースは、第1の時間領域リソースと重なり合わない。第3の時間周波数リソースの時間領域リソースは、第2の時間領域リソースと重なり合う。第1のサブバンドが、第2の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定されるか、または第2のサブバンドが、第2の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。第1の時間領域リソースと第2の時間領域リソースとは、2つの隣接する時間領域リソースであることがあり、第1の時間領域リソースは、第2の時間領域リソースの前にあることがある。
【0130】
一例では、第3の信号の信号伝送方向が第1の信号の信号伝送方向と同じであるときには、第3のアナログフィルタは、第1のアナログフィルタと同じであることがある。代替として、第3のアナログフィルタの中心周波数が、第1のアナログフィルタの中心周波数と同じであることもある。代替として、第3のアナログフィルタの中心周波数が、第1のアナログフィルタの中心周波数と同じであり、第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅が、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と同じである。代替として、第3のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅を決定する方法が、第1のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅を決定する方法と同じである。
【0131】
第3の信号の信号伝送方向が第1の信号の信号伝送方向と同じであるとは、第3の信号および第1の信号の両方がダウンリンク信号である、または第3の信号および第1の信号の両方がアップリンク信号であることとして理解され得る。具体的には、第1のインジケーション情報が第1の信号を受信するように端末に示し、第3のインジケーション情報が第3の信号を受信するように端末に示すときには、第3の信号および第1の信号の両方がダウンリンク信号である。第1のインジケーション情報が第1の信号を送信するように端末に示し、第3のインジケーション情報が第3の信号を送信するように端末に示すときには、第3の信号および第1の信号の両方がアップリンク信号である。
【0132】
別の例では、第3のアナログフィルタの中心周波数は、第1のアナログフィルタの中心周波数と異なることがある。
【0133】
上記の解決策に基づくと、第1のアナログフィルタの中心周波数が第3のアナログフィルタの中心周波数と同じである場合には、端末は、第1の時間領域リソースおよび第2の時間領域リソース上の受信される信号または送信される信号を、1つのアナログフィルタを用いてフィルタリングし得る。端末のコストが削減され、端末の複雑さが低減されることが可能である。これにより、端末の複雑さを低減し、端末のコストを削減することができる。さらに、第1の時間領域リソースから第2の時間領域リソースまで、または第2の時間領域リソースから次の時間領域リソースのまで、全ての端末が信号を受信する、または信号を送信する場合には、端末のアナログフィルタは、連続的に信号をフィルタリングし、切換え時間を必要としない。さらに、端末が送信される信号または受信される信号を1つのアナログフィルタを用いてフィルタリングするので、信号送信と信号受信との間の切換え時間が短い。これにより、データ伝送遅延を低減することができる。さらに、既存のアナログフィルタが使用され得る。これにより、端末のコストを削減することができる。
【0134】
第1のアナログフィルタの中心周波数が第3のアナログフィルタの中心周波数と同じであるが、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅が同じになるとは限らない場合には、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅および第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅のそれぞれは、可能な限り少ない逆方向に伝送されるサブバンドの周波数領域リソースを含み得るので、反対方向伝送の干渉が低減され得る。
【0135】
第1のアナログフィルタの中心周波数が第3のアナログフィルタの中心周波数と異なり、第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅が第3のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と異なる場合には、反対方向伝送の干渉がさらに低減され得る。
【0136】
本願の実施形態では、端末は、例えば切換え時間についての情報など端末の能力情報を基地局に報告することがある。図17は、本願の実施形態による端末が能力情報を報告する方法の例示的な流れ図である。以下の動作が含まれることがある。
【0137】
S1701:基地局は、第1の設定情報を端末に送信し、これに対応して、端末は、第1の設定情報を基地局から受信する。
【0138】
第1の設定情報は、1つのキャリア中のN個のサブバンドを示すことがある。Nは、1より大きい整数である。第1の設定情報の詳細な説明については、S301の第1の設定情報の関連する説明を参照されたい。
【0139】
S1702:端末は、第1の能力情報を報告し、これに対応して、基地局は、第1の能力情報を端末から受信する。
【0140】
第1の能力情報は、端末の切換え時間を含むことがある。
【0141】
切換え時間は、以下のうちの1つまたは複数であり得る。
【0142】
1.時間領域リソース上(例えば第1の時間領域リソース上または第2の時間領域リソース上)でのアップリンク伝送からダウンリンク伝送への切換え時間。
【0143】
2.時間領域リソース上でのダウンリンク伝送からアップリンク伝送への切換え時間。
【0144】
3.時間領域リソース上での1つのサブバンドのアップリンク伝送から別のサブバンドのアップリンク伝送への切換え時間。
【0145】
4.時間領域リソース上での1つのサブバンドのダウンリンク伝送から別のサブバンドのダウンリンク伝送への切換え時間。
【0146】
5.異なる時間領域リソース間(例えば第1の時間領域リソースから第2の時間領域リソース)でのアップリンク伝送からダウンリンク伝送への切換え時間。
【0147】
6.異なる時間領域リソース間でのダウンリンク伝送からアップリンク伝送への切換え時間。
【0148】
7.異なる時間領域リソース間でのダウンリンク伝送からダウンリンク伝送への切換え時間。
【0149】
8.異なる時間領域リソース間でのアップリンク伝送からアップリンク伝送への切換え時間。
【0150】
異なる時間領域リソース間での切換え時間については、同じサブバンド間の切換えと異なるサブバンド間の切換えとがさらに区別されることがある。異なる時間領域リソース間でのアップリンク/アップリンク切換えまたはダウンリンク/ダウンリンク切換えについては、2つの時間領域リソースで使用されるフィルタパラメータが異なることがあるので、切換え時間がある。
【0151】
例えば、切換え時間の値は、0μs、20μs、35μs、140μsまたは210μsであることがある。
【0152】
第1の時間領域リソースおよび/または第2の時間領域リソース上で第1のサブバンド用に設定される伝送方向は、第1の時間領域リソースおよび/または第2の時間領域リソース上で第2のサブバンド用に設定される伝送方向と異なるので、代替として切換え時間が異なることがある。以下、様々なケースについて述べる。
【0153】
第1のケース:第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される。
【0154】
切換え時間は、以下のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0155】
1.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0156】
2.第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第1のサブバンド上の信号送信への端末の切換え時間。
【0157】
第2のケース:第1のサブバンドは、第1の時間領域リソースおよび第2の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、第2の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。
【0158】
切換え時間は、以下のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0159】
1.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0160】
2.第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信への端末の切換え時間。
【0161】
3.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信への端末の切換え時間。
【0162】
4.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号送信への端末の切換え時間。
【0163】
5.第2の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号送信への端末の切換え時間。
【0164】
第3のケース:第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソースおよび第2の時間領域リソースの両方でダウンリンク伝送用に設定される。
【0165】
切換え時間は、以下のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0166】
1.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0167】
2.第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信への端末の切換え時間。
【0168】
3.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0169】
4.第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0170】
5.第2の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号受信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0171】
6.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0172】
第4のケース:第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、第2の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、第2のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、第2の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される。
【0173】
切換え時間は、以下のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0174】
1.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0175】
2.第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信への端末の切換え時間。
【0176】
3.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0177】
4.第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号送信への端末の切換え時間。
【0178】
5.第1の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号送信から第2の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号送信への端末の切換え時間。
【0179】
6.第1の時間領域リソース上での第2のサブバンド上の信号受信から第2の時間領域リソース上での第1のサブバンド上の信号受信への端末の切換え時間。
【0180】
上記の解決策に基づくと、基地局は、端末によって報告される切換え時間に基づいて柔軟で効率的なスケジューリングを実行し得る。例えば、第1の端末が異なる時間領域リソース間でのアップリンク伝送からアップリンク伝送への切換え時間が0であると報告する場合には、基地局は、2つの連続する時間領域リソース上のアップリンク周波数領域リソースを第1の端末に対してスケジュールすることがある。第1の端末が異なる時間領域リソース間でのアップリンク伝送からアップリンク伝送への切換え時間が140μsであると報告する場合には、リソースの浪費を回避するために、基地局は、2つの連続する時間領域リソース上のアップリンク周波数領域リソースを別々に第1の端末および第2の端末に対してスケジュールして、リソースの利用を改善することがある。
【0181】
上記の実施形態の機能を実装するために、基地局および端末は、この機能を実行するための対応するハードウェア構造および/またはソフトウェアモジュールを含むことは理解され得る。当業者なら、本願は、本願に開示される実施形態に記載される例におけるユニットおよび方法ステップと組み合わせて、ハードウェアまたはハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組合せを用いて実装されることが可能であることに容易に気づくはずである。機能がハードウェアを用いて実行されるかコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアを用いて実行されるかは、技術的解決策の個々の適用シナリオおよび設計制約によって決まる。
【0182】
図18から図20は、本願の実施形態による可能な通信装置の構造の概略図である。これらの通信装置は、上記の実施形態における端末または基地局の機能を実装するように構成され得る。したがって、上記の方法の実施形態の有利な効果も実現されることが可能である。本願の実施形態では、通信装置は、図1に示される端末120aから120jのうちの1つであることがあり、または図1に示される基地局110aもしくは110bであることがあり、または端末デバイスもしくは基地局に適用されるモジュール(例えばチップ)であることがある。
【0183】
図18に示されるように、通信装置1800は、処理モジュール1810とトランシーバモジュール1820とを含む。通信装置1800は、図3図9または図17に示される方法の実施形態における端末または基地局の機能を実装するように構成される。
【0184】
通信装置1800が図3に示される方法の実施形態における端末の機能を実装するように構成されるときには、トランシーバモジュール1820は、第1の設定情報および第1のインジケーション情報を受信するように構成される。処理モジュール1810は、第1の設定情報および第1のインジケーション情報に基づいて第4の時間周波数リソースを決定するように構成される。トランシーバモジュールは、第4の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するようにさらに構成される。
【0185】
通信装置1800が図3に示される方法の実施形態における基地局の機能を実装するように構成されるときには、トランシーバモジュール1820は、第1の設定情報および第1のインジケーション情報を送信するように構成される。処理モジュール1810は、第1の設定情報および第1のインジケーション情報に基づいて第4の時間周波数リソースを決定するように構成される。トランシーバモジュールは、第4の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するようにさらに構成される。
【0186】
通信装置1800が図9に示される方法の実施形態における端末の機能を実装するように構成されるときには、トランシーバモジュール1820は、第1のインジケーション情報を受信するように構成される。処理モジュール1810は、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングするように構成され、トランシーバモジュール1820は、第1の信号を送信するようにさらに構成される。代替として、トランシーバモジュール1820は、第1の信号を受信するようにさらに構成され、処理モジュール1810は、第1のアナログフィルタを用いて第1の信号をフィルタリングするように構成される。
【0187】
通信装置1800が図17に示される方法の実施形態における端末の機能を実装するように構成されるときには、トランシーバモジュール1820は、第1の設定情報を受信するように構成される。処理モジュール1810は、第1の能力情報を生成するように構成される。トランシーバモジュール1820は、第1の能力情報を送信するようにさらに構成される。
【0188】
通信装置1800が図17に示される方法の実施形態における基地局の機能を実装するように構成されるときには、処理モジュール1810は、第1のインジケーション情報を生成するように構成される。トランシーバモジュール1820は、第1のインジケーション情報を送信し、第1の能力情報を受信するように構成される。
【0189】
処理モジュール1810およびトランシーバモジュール1820に関するさらに詳細な説明については、図3から図17に示される方法の実施形態における関連する説明を参照されたい。
【0190】
図19に示されるように、通信装置1900は、プロセッサ1910とインタフェース回路1920とを含む。プロセッサ1910とインタフェース回路1920とは、互いに結合される。インタフェース回路1920がトランシーバまたは入出力インタフェースであり得ることは理解され得る。任意選択で、通信装置1900は、プロセッサ1910によって実行される命令を記憶するか、命令を実行するためにプロセッサ1910によって必要とされる入力データを記憶するか、またはプロセッサ1910が命令を実行した後で生成されるデータを記憶するように構成されたメモリ1930をさらに含むことがある。
【0191】
通信装置1900が図3図9または図17に示される方法を実施するように構成されるときには、プロセッサ1910は、処理モジュール1810の機能を実装するように構成され、インタフェース回路1920は、トランシーバモジュール1820の機能を実装するように構成される。
【0192】
通信装置が端末に適用されるチップであるときには、端末内のチップは、上記の方法の実施形態における端末の機能を実装する。端末内のチップは、端末内の別のモジュール(例えば無線周波数モジュールまたはアンテナ)から情報を受信し、ここで、この情報は、基地局によって端末に送信されるものである。代替として、端末デバイス内のチップは、端末内の別のモジュール(例えば無線周波数モジュールまたはアンテナ)に情報を送信し、ここで、この情報は、端末によって基地局に送信されるものである。
【0193】
通信装置が基地局で使用されるモジュールであるときには、この基地局内のモジュールは、上記の方法の実施形態における基地局の機能を実装する。基地局内のモジュールは、基地局内の別のモジュール(例えば無線周波数モジュールまたはアンテナ)から情報を受信し、ここで、この情報は、端末によって基地局に送信されるものである。代替として、基地局内のモジュールは、基地局内の別のモジュール(例えば無線周波数モジュールまたはアンテナ)に情報を送信し、ここで、この情報は、基地局によって端末に送信されるものである。基地局内のモジュールは、基地局内のベースバンドチップであることがあり、またはDUもしくは別のモジュールであることがある。DUは、オープンな無線アクセスネットワーク(open radio access network,O-RAN)アーキテクチャのDUであることがある。
【0194】
図20は、本願の実施形態による端末の構造の概略図である。端末2000は、ベースバンド処理モジュール2010と、無線周波数処理モジュール2020と、アンテナ2030とを含む。ベースバンド処理モジュール2010は、ベースバンド信号を処理するように構成され、これは具体的には、ダウンリンク信号の復調および復号とアップリンク信号の符号化および変調とを含むことがある。ベースバンド処理モジュール2010は、具体的にはベースバンドチップであることがある。無線周波数処理モジュール2020は、無線周波数信号を処理するように構成され、これは具体的には、アップリンクおよびダウンリンク信号に対して実行されるアナログフィルタリングと、アップリンクおよびダウンリンク信号に対して実行される電力増幅とを含むことがある。換言すれば、無線周波数処理モジュール2020は、上記の方法の実施形態に記載されているアナログフィルタを含む。無線周波数処理モジュール2020は、具体的には無線周波数チップであることがある。アンテナ2030は、空間から電波を受信し、電波をダウンリンク信号に変換し、ダウンリンク信号を無線周波数処理モジュール2020に送信するように構成される、または無線周波数処理モジュール2020からのアップリンク信号を電波に変換して、電波を空間に伝送するように構成される。
【0195】
本願の実施形態におけるプロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)であることがあり、別の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)、別のプログラマブル論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せであることがある。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の従来のプロセッサなどであり得る。
【0196】
本願の実施形態における方法ステップは、ハードウェア方式で実施されることがあり、またはプロセッサによってソフトウェア命令を実行する方式で実施されることがある。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールを含むことがある。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ、プログラマブル読取り専用メモリ、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ハードディスク、CD-ROM、または当技術分野で周知の任意の他の形態の記憶媒体に記憶され得る。例えば、記憶媒体はプロセッサに結合されて、その結果プロセッサが記憶媒体から情報を読み取る、または記憶媒体に情報を書き込むことができる。もちろん、記憶媒体は、プロセッサの構成要素であることがある。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に位置することがある。さらに、ASICは、基地局または端末内に位置することがある。もちろん、プロセッサおよび記憶媒体は、基地局または端末内に個別の構成要素として存在することがある。
【0197】
上記の実施形態の全てまたは一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の組合せを用いて実装され得る。実施形態を実装するためにソフトウェアが使用されるときには、実施形態のうちの全てまたは一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実装されることがある。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータプログラムおよび命令を含む。コンピュータプログラムまたは命令がコンピュータにロードされ実行されたときに、本願の実施形態の手順または機能の全てまたは一部が実行される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、ネットワークデバイス、ユーザ機器または別のプログラマブル装置であり得る。コンピュータプログラムまたは命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されることがあり、またはコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に伝送されることがある。例えば、コンピュータプログラムまたは命令は、有線方式またワイヤレス方式で、ウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバまたはデータセンタに伝送され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることが可能な任意の使用可能な媒体、または1つもしくは複数の使用可能な媒体を一体化したサーバもしくはデータセンタなどのデータ記憶デバイスであり得る。使用可能な媒体は、例えばフロッピーディスク、ハードディスクもしくは磁気テープなどの磁気媒体であることがあり、または例えばデジタルビデオディスクなどの光学媒体であることがあり、または例えばソリッドステートディスクなどの半導体媒体であることがある。コンピュータ可読記憶媒体は、揮発性または不揮発性の記憶媒体であることがあり、または2種類の記憶媒体を含む、すなわち揮発性記憶媒体と不揮発性記憶媒体とを含むことがある。
【0198】
本願の様々な実施形態では、特に指定がない限り、または論理的な矛盾がない限り、異なる実施形態における用語および/または記述は一貫したものであり、相互に参照され得、異なる実施形態の技術的特徴がそれらの内部論理関係に基づいて組み合わされて、新たな実施形態を形成することがある。
【0199】
本願では、「少なくとも1つの」は、1つまたは複数を意味し、「複数の」は2つ以上を意味する。本願では、「および/または」は、関連するオブジェクトを説明する関連関係であり、3つの関係が存在し得ることを示している。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在すること、AおよびBの両方が存在すること、ならびにBのみが存在することを示し得る。AおよびBはそれぞれ、単数であってもよいし、または複数であってもよい。本願の説明文中では、「/」という文字は、一般に、関連するオブジェクト間の「または」の関係を示す。本願の数式では、「/」という文字は、関連するオブジェクト間の「除算」の関係を示す。「A、BおよびCのうちの少なくとも1つを含む」は、Aを含むこと、Bを含むこと、Cを含むこと、AおよびBを含むこと、AおよびCを含むこと、BおよびCを含むこと、ならびにA、BおよびCを含むことを示し得る。
【0200】
本願の実施形態における様々な数字は、単に説明を容易にするための区別のために使用されているものであり、本願の実施形態の範囲を限定するために使用されているわけではないことは理解され得る。上記のプロセスの続き番号は、実行順序を意味していない。プロセスの実行順序は、プロセスの機能および内部論理に基づいて決定されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2024-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用される信号伝送方法であって、
第1のインジケーション情報をネットワークデバイスから受信するステップであって、前記第1のインジケーション情報は、第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信する、または第1の信号を送信するように前記端末に示す、ステップと、
前記第1の信号を受信して、第1のアナログフィルタを用いて前記第1の信号をフィルタリングする、または第1のアナログフィルタを用いて前記第1の信号をフィルタリングして、前記第1の信号を送信するステップとを含み、
前記第1のアナログフィルタの中心周波数および/または通過帯域帯域幅は、M個のサブバンドに基づいて決定され、Mは、1より大きい整数であり、前記M個のサブバンドは、第1のサブバンドおよび第2のサブバンドを含み、前記第1のサブバンドは、第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、前記第2のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、前記第1の時間領域リソースは、前記第1の時間周波数リソースの時間領域リソースと重なり合う、信号伝送方法。
【請求項2】
前記M個のサブバンドの帯域幅は、1つの帯域幅部分(BWP)の周波数領域範囲に含まれる、または前記M個のサブバンドの帯域幅は、1つのキャリアの周波数領域範囲に含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のインジケーション情報が、前記第1の時間周波数リソース上で前記第1の信号を受信するように前記端末に示すときに、前記方法は、
第2のインジケーション情報を前記ネットワークデバイスから受信するステップであって、前記第2のインジケーション情報は、第2の時間周波数リソース上で第2の信号を送信するように前記端末に示し、前記第2の時間周波数リソースの時間領域リソースは、前記第1の時間領域リソースと重なり合い、前記第2の時間周波数リソースの前記時間領域リソースは、前記第1の時間周波数リソースの前記時間領域リソースと重なり合わない、ステップと、
第2のアナログフィルタを用いて前記第2の信号をフィルタリングするステップであって、前記第2のアナログフィルタの中心周波数は、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数と同じである、ステップと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅と同じである、または
前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数および前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドに基づいて決定され、前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記M個のサブバンドに基づいて決定され、前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドおよび前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定され、前記K個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される、または
前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅および前記中心周波数は、前記M個のサブバンドに基づいて決定され、前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドおよび前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定され、前記P個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される、または
前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数および通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドに基づいて決定され、前記K個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記K個のサブバンドに基づいて決定され、前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドおよび前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定される、または
前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数および前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドに基づいて決定され、前記P個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記P個のサブバンドに基づいて決定され、前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドおよび前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定される、または
前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数および通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのK個のサブバンドに基づいて決定され、前記K個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記K個のサブバンドに基づいて決定され、前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、P個のサブバンドおよび前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定され、前記P個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される、または
前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数および前記通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちのP個のサブバンドに基づいて決定され、前記P個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定され、前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記P個のサブバンドに基づいて決定され、前記第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅は、K個のサブバンドおよび前記第2のアナログフィルタの前記中心周波数に基づいて決定され、前記K個のサブバンドは、前記第1の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第3のインジケーション情報を前記ネットワークデバイスから受信するステップであって、前記第3のインジケーション情報は、第3の時間周波数リソース上で第3の信号を受信する、または第3の信号を送信するように前記端末に示す、ステップと、
前記第3の信号を受信して、第3のアナログフィルタを用いて前記第3の信号をフィルタリングする、または第3のアナログフィルタを用いて前記第3の信号をフィルタリングして、前記第3の信号を送信するステップとをさらに含み、
前記第1のサブバンドは、第2の時間領域リソース上でダウンリンク伝送用に設定される、および/または前記第2のサブバンドは、前記第2の時間領域リソース上でアップリンク伝送用に設定され、前記第2の時間領域リソースは、前記第3の時間周波数リソースの時間領域リソースと重なり合い、前記第2の時間領域リソースは、前記第1の時間領域リソースと重なり合わず、前記第3のアナログフィルタの中心周波数および/または通過帯域帯域幅は、前記M個のサブバンドのうちの少なくとも1つに基づいて決定される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の信号の信号伝送方向が前記第1の信号の信号伝送方向と同じであるときに、前記第3のアナログフィルタは、前記第1のアナログフィルタと同じである、または
前記第3のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数と同じである、または
前記第3のアナログフィルタの前記中心周波数は、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数と同じであり、前記第3のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅は、前記第1のアナログフィルタの前記通過帯域帯域幅と同じである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のアナログフィルタは、前記第1のアナログフィルタの前記中心周波数に関して対称である請求項に記載の方法
【請求項8】
求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行するための手段を備える通信装置。
【請求項9】
プロセッサとインタフェース回路とを含む通信装置であって、前記インタフェース回路は、前記通信装置以外の通信装置から信号を受信し、前記信号を前記プロセッサに伝送するように構成され、または前記プロセッサから前記通信装置以外の通信装置に信号を送信するように構成され、前記プロセッサは、論理回路によって、またはコード命令を実行することによって、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成される通信装置。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記記憶媒体は、コンピュータプログラムまたは命令を記憶し、前記コンピュータプログラムまたは前記命令が通信装置によって実行されたときに、前記コンピュータプログラムまたは前記命令が、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を前記装置に実施させるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ実行可能命令が通信装置によって実行されたとき、前記コンピュータ実行可能命令が、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を前記装置に実行させるコンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
上記の解決策に基づくと、同じ伝送方向のBWPは、同じ制御チャネル設定情報、同じデータチャネル設定情報、および同じ半永続的スケジューリング設定情報を有する。端末が異なるBWPを用いて信号を受信するときに、端末は、そのBWPの設定情報をリロードする必要がない。これにより、データ伝送遅延を低減することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図1】本願の実施形態による通信システムの概略図である。
図2】本願の実施形態によるアナログフィルタの阻止帯域、通過帯域および遷移帯域の概略図である。
図3】本願の実施形態による信号伝送方法の例示的な流れ図である。
図4】本願の実施形態による周波数領域リソースが連続的であるサブバンドの概略図である。
図5】本願の実施形態による周波数領域リソースが不連続であるサブバンドの概略図である。
図6】本願の実施形態による異なる時間領域リソース上のサブバンドのアップリンク/ダウンリンク構成を示す図である。
図7】本願の実施形態による第2の時間領域リソースの概略図である。
図8】本願の実施形態による第2の時間領域リソースの概略図である。
図9】本願の実施形態による信号伝送方法の例示的な流れ図である。
図10】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数の概略図である。
図11】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数の概略図である。
図12】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数の概略図である。
図13】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数および第2のアナログフィルタの中心周波数の概略図である。
図14】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅および第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅の概略図である。
図15】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの通過帯域帯域幅および第2のアナログフィルタの通過帯域帯域幅の概略図である。
図16】本願の実施形態による第1のアナログフィルタの中心周波数ならびに第2のアナログフィルタの中心周波数および通過帯域帯域幅の概略図である。
図17】本願の実施形態による信号伝送方法の例示的な流れ図である。
図18】本願の実施形態による通信装置の概略図である。
図19】本願の実施形態による通信装置の概略図である。
図20】本願の実施形態による通信装置の概略図である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
無線アクセスネットワークデバイスは、ネットワークデバイスと呼ばれることもまたあり得、基地局(base station)、進化型NodeB(evolved NodeB,eNodeB)、送受信ポイント(transmission reception point,TRP)、第五世代(5th generation,5G)移動体通信システムの次世代NodeB(next generation NodeB,gNB)、第六世代(6th generation,6G)移動体通信システムの次世代基地局、将来の移動体通信システムの基地局、Wi-Fiシステムのアクセスノードなどであることがあり、または例えば中央ユニット(central unit,CU)もしくは分散ユニット(distributed unit,DU)など基地局の機能の一部分を完了するモジュールもしくはユニットであることがある。CUは、基地局の無線リソース制御プロトコルおよびパケットデータコンバージェンスプロトコル(packet data convergence protocol,PDCP)の機能を完了し、さらにサービスデータ適応プロトコル(service data adaptation protocol,SDAP)の機能を完了することがある。DUは、基地局の無線リンク制御層および媒体アクセス制御(medium access control,MAC)層の機能を完了し、さらに一部または全ての物理層の機能を完了することがある。上記のプロトコル層の具体的な悦明については、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project,3GPP)の関連する技術仕様書を参照されたい。無線アクセスネットワークデバイスは、マクロ基地局(例えば図1の110a)であることがあり、マイクロ基地局もしくは屋内基地局(例えば図1の110b)であることがあり、または中継ノードもしくはドナーノードなどであることがある。無線アクセスネットワークデバイスで使用される具体的な技術および具体的なデバイス形態は、本願の実施形態では限定されない。説明を容易にするために、以下では、基地局が無線アクセスネットワークデバイスである例を用いて説明する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
第1のインジケーション情報が第1の時間周波数リソース上で第1の信号を受信するように端末に示すときには、基地局は、代替として第2のインジケーション情報を端末に送信することがある。第2のインジケーション情報は、第2の時間周波数リソース上で第2の信号を送信するように端末に示す。第1の時間周波数リソースは、時間領域で第2の時間周波数リソースと重なり合わない。第2の時間周波数リソースの時間領域リソースは、上記の第1の時間領域リソースと重なり合う。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0133】
上記の解決策に基づくと、第1のアナログフィルタの中心周波数が第3のアナログフィルタの中心周波数と同じである場合には、端末は、第1の時間領域リソースおよび第2の時間領域リソース上の受信される信号または送信される信号を、1つのアナログフィルタを用いてフィルタリングし得る。端末のコストが削減され、端末の複雑さが低減されることが可能である。さらに、第1の時間領域リソースから第2の時間領域リソースまで、または第2の時間領域リソースから次の時間領域リソースのまで、全ての端末が信号を受信する、または信号を送信する場合には、端末のアナログフィルタは、連続的に信号をフィルタリングし、切換え時間を必要としない。さらに、端末が送信される信号または受信される信号を1つのアナログフィルタを用いてフィルタリングするので、信号送信と信号受信との間の切換え時間が短い。これにより、データ伝送遅延を低減することができる。さらに、既存のアナログフィルタが使用され得る。これにより、端末のコストを削減することができる。
【国際調査報告】