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特表2024-5367003次元での屋内無線サービスの評価及び視覚化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】3次元での屋内無線サービスの評価及び視覚化
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20241001BHJP
【FI】
H04W16/18 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513093
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 US2022032094
(87)【国際公開番号】W WO2023027793
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/260,594
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/681,086
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】522285325
【氏名又は名称】ウークラ・エルエルシイ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】コルツォフ,アルテム
(72)【発明者】
【氏名】コヴァリオフ,アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ネブル,マシュー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067LL11
(57)【要約】
開示されるのは、3次元ディスプレイ内に無線サービス状況の視覚的表現を生成する方法であって、上記方法は:無線デバイスから、無線サービス状況を含むデータの集合を捕捉するステップ;上記データから緯度及び経度を決定し、上記緯度及び経度に基づいて基準高度を決定するステップ;上記データから、選択された座標系における報告用高度を決定するステップ;上記基準高度を、上記選択された座標系における上記報告用高度から減算するステップ;上記データの推定地上高を決定するステップ;並びに視覚的表現として、上記無線サービス状況を3次元グラフィカルイメージ内に表示するステップを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線測定値の3次元での視覚的表現を生成する方法であって:
a.複数の前記無線測定値を表すデータの集合を、1つ以上の無線デバイスから捕捉するステップであって、各前記無線測定値は、対応する前記無線測定値が作成される位置を示す位置情報を含む、ステップ;
b.各前記無線測定値に対応する緯度及び経度を決定し、前記緯度及び前記経度に基づいて基準高度を決定するステップ;
c.各前記無線測定値に対応する、選択された座標系における報告用高度を決定するステップ;
d.前記基準高度を、前記選択された座標系における前記報告用高度から減算するステップ;
e.各前記無線測定値に対応する推定地上高を決定するステップ;並びに
f.前記無線測定値に関する前記推定地上高に基づいて、前記データの集合の視覚的表現を3次元グラフィカルイメージ内に表示するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記報告用高度はWGS84高度である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各前記無線測定値は、対応する前記位置情報に関連付けられた正確度を含み、前記データの集合の前記視覚的表現を表示する前記ステップは更に、絶対閾値を前記データの集合に提供するステップと、対応する前記無線測定値に関する前記正確度と前記絶対閾値とを比較することによって前記データの集合をフィルタリングして、前記視覚的表現の表示に使用される集合的データのサブセットを決定するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記絶対閾値は1メートル~100メートルである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各前記無線測定値は、対応する前記位置情報に関連付けられた正確度を含み、前記データの集合の前記視覚的表現を表示する前記ステップは更に、相対閾値を前記データの集合に提供するステップと、対応する前記無線測定値に関する前記正確度を前記相対閾値によってフィルタリングして、前記視覚的表現の表示に使用される集合的データのサブセットを決定するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記相対閾値は、データセット内のサンプルの総数の80%~99%である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記視覚的表現を表示する前記ステップは、ユーザ密度を表示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記視覚的表現を表示する前記ステップは、無線サービス状況を表示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記視覚的表現を表示する前記ステップは、無線サービス状況及びユーザ密度を表示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記視覚的表現を表示する前記ステップは、前記データの集合を所定の高さセグメント内に表示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記視覚的表現を表示する前記ステップは、前記無線測定値を、複数のセクションにセグメント化されたポリゴン内に、前記視覚的表現として表示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記無線サービス状況は:5G CSI‐RSRP、5G CSI‐RSRQ、5G CSI‐SINR、5G SS‐RSRP、5G SS‐RSRQ、5G SS‐SINR、5G PCI、5G最高通信頻度(Most Frequent)セル、5G最高通信強度(Strongest)セル、5G最高通信頻度帯域、5G最高通信強度帯域、5G最適化優先度(Optimization Priority)、LTE CQI、LTE最高通信頻度帯域、LTE最高通信頻度セル、LTE最高通信頻度PCI、LTE最高通信頻度TAC、LTE最適化優先度、LTE RSRP、LTE RSRQ、LTE SNR、LTE最高通信強度帯域、LTE最高通信強度セル、LTE最高通信強度PCI、LTE最高通信強度TAC、UMTS Ec/No、UMTS最高通信頻度帯域、UMTS最高通信頻度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、UMTS RSSI、UMTS最高通信強度帯域、UMTS最高通信強度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、GSM最高通信頻度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信頻度セル、GSM最高通信強度LAC、GSM RSSI、GSM最高通信強度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信強度セル、GSM最高通信強度LAC、CDMA Ec/Io、CDMA RSSI、EVDO Ec/Io、EVDO RSSI、ユーザ密度、モバイルデータ使用量、WiFiデータ使用量、モバイル+WiFiデータ使用量、ダウンリンクスループット、アップリンクスループット、ジッター、レイテンシー、最優良キャリア(Best Carrier)5G CSI‐RSRP、最優良キャリア5G CSI‐RSRQ、最優良キャリア5G CSI‐SINR、最優良キャリア5G SS‐RSRP、最優良キャリア5G SS‐RSRQ、最優良キャリア5G SS‐SINR、最優良キャリアGSM RSSI、最優良キャリアLTE CQI、最優良キャリアLTE RSRP、最優良キャリアLTE RSRQ、最優良キャリアLTE SNR、最優良キャリアUMTS Ec/No、最優良キャリアUMTS RSSI、カバレッジ改善機会、マルチネットワークカバレッジ改善スコア、最適化機会、販売機会、%低帯域、タイミングアドバンス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
無線測定値の3次元での視覚的表現を生成する方法であって:
a.複数の前記無線測定値を、1つ以上の無線デバイスから捕捉するステップであって、各前記無線測定値は、対応する前記無線測定値が作成される位置を示す位置情報を含む、ステップ;
b.各前記無線測定値に対応する緯度及び経度を決定し、前記緯度及び前記経度から基準高度を決定するステップ;
c.各前記無線測定値に対応する、選択された座標系における報告用高度を決定するステップ;
d.前記基準高度を、前記選択された座標系における前記報告用高度から減算するステップ;
e.各前記無線測定値に対応する推定地上高を決定するステップ;並びに
f.所定の閾値に基づいて、前記無線測定値を内包するように、前記複数の無線測定値に関する前記推定地上高に対応するポリゴンを前記視覚的表現上に生成するステップ
を含む、方法。
【請求項14】
前記ポリゴンは、前記複数の測定値のうちの90%~99%に従って生成され、各前記測定値は、緯度及び経度の所与の範囲内で定義される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
緯度及び経度の前記所与の範囲は、所定の閾値に基づいて、ある1つの前記ポリゴン内に収まるように配向される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記所定の閾値は、距離の絶対測定値、又は前記複数の測定値のうちの一部分に基づく相対測定値である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
3次元ディスプレイにおける無線サービス状況の視覚的表現を生成する方法であって:
a.無線デバイスから、前記無線サービス状況を含む測定値を捕捉するステップであって、前記測定値は、前記無線測定値が作成される位置を示す位置情報を含む、ステップ;
b.前記測定値から緯度及び経度を決定し、前記緯度及び前記経度に基づいて基準高度を決定するステップ;
c.前記測定値から、選択された座標系における報告用高度を決定するステップ;
d.前記基準高度を、前記選択された座標系における前記報告用高度から減算するステップ;
e.前記測定値の推定地上高を決定するステップ;並びに
f.前記測定値の前記推定地上高に基づいて、前記無線サービス状況を、前記視覚的表現の3次元グラフィカルイメージ内に表示するステップ
を含む、方法。
【請求項18】
前記測定値は、前記位置情報に関連付けられた正確度を含み、前記無線サービス状況を表示する前記ステップは更に、前記測定値の前記推定地上高を前記3次元グラフィカルイメージに使用するかどうかを判断するために、前記位置情報に関連付けられた前記正確度と比較されることになる、所定の絶対閾値又は相対閾値を、前記緯度及び前記経度に提供するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記測定値は、前記位置情報に関連付けられた正確度を含み、前記無線サービス状況を表示する前記ステップは更に、前記測定値の前記推定地上高を前記3次元グラフィカルイメージに使用するかどうかを判断するために、前記位置情報に関連付けられた前記正確度と比較されることになる、所定の絶対閾値又は相対閾値を、前記選択された座標系における前記報告用高度に提供するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記推定地上高を、前記3次元グラフィカルイメージのある1つのセクション内で配向するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記3次元グラフィカルイメージの前記セクションの高さは5メートル~50メートルである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記3次元グラフィカルイメージの前記セクションの高さは15メートルである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
無線サービス状況の3次元表現を生成する方法であって:
複数のデータ測定値を捕捉するステップであって、各前記データ測定値は、測定された緯度及び経度と、報告用高度とを含む、ステップ;
各前記データ測定値に対応する、前記測定された緯度及び経度における地表高を決定するステップ;
前記報告用高度と前記地表高との間のデルタを決定することによって、各前記データ測定値に対応する高度を決定するステップ;並びに
前記複数のデータ測定値を、前記無線サービス状況の前記3次元表現内に表示するステップ
を含み、
前記複数のデータ測定値は、決定された前記高度に基づく垂直軸でのスライス内に、前記測定された緯度及び経度に基づいて配置され、前記スライスは5メートル~50メートルの距離を有し、各前記データ測定値は少なくとも1つの前記無線サービス状況を含む、方法。
【請求項24】
前記無線サービス状況は:5G CSI‐RSRP、5G CSI‐RSRQ、5G CSI‐SINR、5G SS‐RSRP、5G SS‐RSRQ、5G SS‐SINR、5G PCI、5G最高通信頻度セル、5G最高通信強度セル、5G最高通信頻度帯域、5G最高通信強度帯域、5G最適化優先度、LTE CQI、LTE最高通信頻度帯域、LTE最高通信頻度セル、LTE最高通信頻度PCI、LTE最高通信頻度TAC、LTE最適化優先度、LTE RSRP、LTE RSRQ、LTE SNR、LTE最高通信強度帯域、LTE最高通信強度セル、LTE最高通信強度PCI、LTE最高通信強度TAC、UMTS Ec/No、UMTS最高通信頻度帯域、UMTS最高通信頻度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、UMTS RSSI、UMTS最高通信強度帯域、UMTS最高通信強度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、GSM最高通信頻度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信頻度セル、GSM最高通信強度LAC、GSM RSSI、GSM最高通信強度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信強度セル、GSM最高通信強度LAC、CDMA Ec/Io、CDMA RSSI、EVDO Ec/Io、EVDO RSSI、ユーザ密度、モバイルデータ使用量、WiFiデータ使用量、モバイル+WiFiデータ使用量、ダウンリンクスループット、アップリンクスループット、ジッター、レイテンシー、最優良キャリア5G CSI‐RSRP、最優良キャリア5G CSI‐RSRQ、最優良キャリア5G CSI‐SINR、最優良キャリア5G SS‐RSRP、最優良キャリア5G SS‐RSRQ、最優良キャリア5G SS‐SINR、最優良キャリアGSM RSSI、最優良キャリアLTE CQI、最優良キャリアLTE RSRP、最優良キャリアLTE RSRQ、最優良キャリアLTE SNR、最優良キャリアUMTS Ec/No、最優良キャリアUMTS RSSI、カバレッジ改善機会、マルチネットワークカバレッジ改善スコア、最適化機会、販売機会、%低帯域、タイミングアドバンス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
絶対フィルタ又は相対フィルタを前記測定された緯度及び経度に適用することにより、対応する前記データ測定値を前記無線サービス状況の前記3次元表現に利用するかどうかが判断される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
絶対フィルタ又は相対フィルタを前記決定された高度に適用することにより、対応する前記データ測定値を前記無線サービス状況の前記3次元表現に利用するかどうかが判断される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
屋内分類を更に含み、前記屋内分類は、前記無線サービス状況の前記3次元表現で前記データ測定値を利用するかどうかを判断するために使用される、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月26日出願の米国仮特許出願第63/260,594号及び米国非仮特許出願第17/681,086号の利益を主張し、その開示全体が参照により本出願に援用される。
【0002】
本発明は、垂直構造内及びマップビュー内で無線サービス状況を表示及び報告するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ハンドヘルド移動体デバイスは現代社会において広く普及している。これらは、トランシーバーの相互接続ネットワークを介して、音声、SMS、及びインターネットといった無線サービスへのアクセスを提供する。移動体デバイスとネットワークトランシーバーとの間の通信は、無線信号の形態の電磁波を介して実施される。良好な通信を達成し、またこれを持続させるためには、これらの無線信号は所定のレベルの強度及び品質を満たす必要がある。信号強度は、所望の信号の振幅を記述する。信号品質は、所望の信号の振幅と他の全ての信号の振幅との間の比率として定義され、後者は干渉電力とも呼ばれる。
【0004】
建造物は、信号の伝播を遮断する(妨害する)、減衰させる(強度を低下させる)、歪ませる(品質を低下させる)、又は反射させる(跳ね返らせる)可能性があるため、無線通信にとって課題となる。このような、信号に対するマイナスの変化は、建造物のサイズ及び位置、又は建造物内の無線デバイスの位置を含む、多数の要因によって引き起こされ得る。
【0005】
信号干渉は信号品質に対するマイナスの影響の重要な指標であるため、無線ネットワークの設計、展開、及びサービスに関心のある当事者によって最高レベルの精査を受ける。干渉は、無線ネットワーク自体の設計及び運用によって引き起こされる可能性があり、その一例は信号の占有度の欠如であり、この場合、周囲にある複数のネットワークトランシーバーからの複数の信号が、類似した強度で受信される。高層建造物では、ネットワークトランシーバーと移動体デバイスとの間の障害物の数が比較的少ないため、この効果が最も一般的に観察される。建造物内における信号品質に対する影響を更に悪化させる外部干渉(ノイズ)源としては:他のトランシーバーからのスプリアス発射;付近に位置するアンテナにおける相互変調積;雷雨(thunderstorm)、雷雨(electrical storm)、宇宙背景放射等を含むがこれらに限定されない天然源が挙げられる。信号品質を定量化するために使用される重要パフォーマンス指標(Key Performance Indicator:KPI)は、信号対雑音比(signal‐to‐noise ratio:SNR)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書中の実施形態は、方法及び3次元視覚化に関し、これらは無線サービス状況の測定値に関連するものであり、また、3つの次元を有する視覚化を生成して上記視覚化に複数の測定値を含めるためのものであり、上記視覚化では、照合された測定値のセットが表示され、これにより、上記無線サービス状況内の傾向がビジュアルディスプレイ上で示される。様々な実施形態が、上記測定値を取得し、データを修正し、上記測定値のデータセットを表示用に生成するための、方法を提供する。上記測定値は、クラウドソースデータから集められたものであってよい。最終製品及び出力は、測定値のセット又は複数の測定値を特定して、所与の位置の所与の高さにおける1つ以上の無線サービス状況を定義する、ビジュアルディスプレイをもたらす。このようにして、ある特定の高さにおけるある特定の建造物内の無線サービス状況を決定できる。これらの無線サービス状況としては、限定するものではないが、信号強度及び信号品質が挙げられる。上記無線サービス状況、ユーザの密度、及び他の特徴は、所与の位置の建造物のセクションを表す垂直方向に押し出されたポリゴン内にある視覚的表現及び上記特徴の形態で、マップ上にグラフィカルに描写できる。このような情報は、これらのエリア内でサービスを最適化しようとしているプロバイダーにとって有用である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある好ましい実施形態では、無線測定値の3次元での視覚的表現を生成する方法は:(a)1つ以上の無線デバイスからデータの集合を捕捉するステップ;(b)上記データの集合から緯度及び経度を決定し、上記緯度及び上記経度に基づいて基準高度を決定するステップ;(c)上記データの集合から、選択された座標系における報告用高度を決定するステップ;(d)上記基準高度を、上記選択された座標系における上記報告用高度から減算するステップ;(e)上記データの集合の推定地上高を決定するステップ;並びに(f)上記データの集合の視覚的表現を3次元グラフィカルイメージ内に表示するステップを含む。
【0008】
更なる実施形態では、上記報告用高度はWGS84高度である。
【0009】
更なる実施形態では、上記方法は更に、絶対閾値を、上記データの集合を上記絶対閾値でフィルタリングすることによって、上記データの集合に提供するステップを含む。更なる実施形態では、上記絶対閾値は1メートル~100メートルである。
【0010】
更なる実施形態では、上記方法は更に、相対閾値を上記データの集合に提供するステップを含む。更なる実施形態では、上記相対閾値は、データセット内のサンプルの総数の80%~99%である。
【0011】
更なる実施形態では、上記方法は更に、ユーザ密度を表示するステップを含む。更なる実施形態では、上記方法は更に、無線サービス状況を表示するステップを含む。更なる実施形態では、上記方法は更に、無線サービス状況及びユーザ密度を表示するステップを含む。
【0012】
更なる実施形態では、上記方法は更に、上記データの集合を、ある所定の高さセグメント内に表示するステップを含む。
【0013】
更なる実施形態では、上記方法は更に、複数の無線測定値と、上記無線測定値を、複数のセクションにセグメント化されたポリゴン内に、上記視覚的表現として表示するステップとを含む。
【0014】
更なる実施形態では、上記無線サービス状況は:5G CSI‐RSRP、5G CSI‐RSRQ、5G CSI‐SINR、5G SS‐RSRP、5G SS‐RSRQ、5G SS‐SINR、5G PCI、5G最高通信頻度(Most Frequent)セル、5G最高通信強度(Strongest)セル、5G最高通信頻度帯域、5G最高通信強度帯域、5G最適化優先度(Optimization Priority)、LTE CQI、LTE最高通信頻度帯域、LTE最高通信頻度セル、LTE最高通信頻度PCI、LTE最高通信頻度TAC、LTE最適化優先度、LTE RSRP、LTE RSRQ、LTE SNR、LTE最高通信強度帯域、LTE最高通信強度セル、LTE最高通信強度PCI、LTE最高通信強度TAC、UMTS Ec/No、UMTS最高通信頻度帯域、UMTS最高通信頻度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、UMTS RSSI、UMTS最高通信強度帯域、UMTS最高通信強度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、GSM最高通信頻度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信頻度セル、GSM最高通信強度LAC、GSM RSSI、GSM最高通信強度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信強度セル、GSM最高通信強度LAC、CDMA Ec/Io、CDMA RSSI、EVDO Ec/Io、EVDO RSSI、ユーザ密度、モバイルデータ使用量、WiFiデータ使用量、モバイル+WiFiデータ使用量、ダウンリンクスループット、アップリンクスループット、ジッター、レイテンシー、最優良キャリア(Best Carrier)5G CSI‐RSRP、最優良キャリア5G CSI‐RSRQ、最優良キャリア5G CSI‐SINR、最優良キャリア5G SS‐RSRP、最優良キャリア5G SS‐RSRQ、最優良キャリア5G SS‐SINR、最優良キャリアGSM RSSI、最優良キャリアLTE CQI、最優良キャリアLTE RSRP、最優良キャリアLTE RSRQ、最優良キャリアLTE SNR、最優良キャリアUMTS Ec/No、最優良キャリアUMTS RSSI、カバレッジ改善機会、マルチネットワークカバレッジ改善スコア、最適化機会、販売機会、%低帯域、タイミングアドバンス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0015】
ある好ましい実施形態では、無線測定値の3次元での視覚的表現を生成する方法は:(a)無線デバイスから無線測定値を捕捉するステップ;(b)上記無線測定値から緯度及び経度を決定し、上記緯度及び上記経度から基準高度を決定するステップ;(c)上記無線測定値から、選択された座標系における報告用高度を決定するステップ;(d)上記基準高度を、上記選択された座標系における上記報告用高度から減算するステップ;(e)上記無線測定値の推定地上高を決定するステップ;並びに(f)複数の測定値の所定の閾値に基づいて、上記無線測定値を内包するように、上記推定地上高に対応するポリゴンを上記視覚的表現上に生成するステップを含む。
【0016】
更なる実施形態では、上記ポリゴンは、上記測定値のうちの90%~99%に従って生成され、各上記測定値は、緯度及び経度の所与の範囲内で定義される。
【0017】
更なる実施形態では、緯度及び経度の上記所与の範囲は、所定の閾値に基づいて、あるポリゴン内に収まるように配向される。
【0018】
更なる実施形態では、上記所定の閾値は、距離の絶対測定値、又は全ての測定値のうちの一部分に基づく相対測定値である。
【0019】
ある好ましい実施形態では、3次元ディスプレイにおける無線サービス状況の視覚的表現を生成する方法は:(a)無線デバイスから、無線サービス状況を含む測定値を捕捉するステップ;(b)上記測定値から緯度及び経度を決定し、上記緯度及び上記経度に基づいて基準高度を決定するステップ;(c)上記測定値から、選択された座標系における報告用高度を決定するステップ;(d)上記基準高度を、上記選択された座標系における上記報告用高度から減算するステップ;(e)上記測定値の推定地上高を決定するステップ;並びに(f)上記無線サービス状況を、上記視覚的表現の3次元グラフィカルイメージ内に表示するステップを含む。
【0020】
更なる実施形態では、上記方法は更に、上記緯度及び上記経度に対して、所定の絶対閾値又は相対閾値を提供するステップを含む。
【0021】
更なる実施形態では、上記方法は更に、上記選択された座標系における上記報告用高度に対して、所定の絶対閾値又は相対閾値を提供するステップを含む。
【0022】
更なる実施形態では、上記方法は更に、上記推定地上高を、上記3次元グラフィカルイメージのあるセクション内で配向するステップを含む。更なる実施形態では、上記3次元グラフィカルイメージの1つの上記セクションの高さは5メートル~50メートルである。更なる実施形態では、上記3次元グラフィカルイメージの上記セクションの高さは15メートルである。更なる好ましい実施形態では、1つの上記測定値は、ビジュアルディスプレイ上の1つの上記セクション内に表示され、複数の測定値が集約されて、所与の緯度及び経度における上記ビジュアルディスプレイ上の複数の上記セクション内の上記無線サービス状況に関する傾向(即ち、所与の位置の所与の高さにおける無線サービス状況がどのようなものであるか)が表示される。
【0023】
ある好ましい実施形態では、無線サービス状況の3次元表現は:複数のデータ測定値であって、各上記データ測定値は、測定された緯度及び経度によって定義され、各上記データ測定値は報告用高度を伴って提供される、複数のデータ測定値と;上記測定された緯度及び経度における地表高を決定するステップとを含み;決定版高度が、上記報告用高度を上記地表高と比較してデルタを決定することによって生成され;上記複数のデータ測定値がそれぞれ、無線サービス状況の上記3次元表現内に表示され、上記決定版高度に基づく垂直軸でのスライス内に、上記測定された緯度及び経度に基づいて配置され、上記スライスは5メートル~50メートルの距離を有し;各上記データ測定値は少なくとも1つの無線サービス状況を含む。
【0024】
更なる実施形態では、無線サービス状況の上記3次元表現に関して、上記無線サービス状況は:5G CSI‐RSRP、5G CSI‐RSRQ、5G CSI‐SINR、5G SS‐RSRP、5G SS‐RSRQ、5G SS‐SINR、5G PCI、5G最高通信頻度セル、5G最高通信強度セル、5G最高通信頻度帯域、5G最高通信強度帯域、5G最適化優先度、LTE CQI、LTE最高通信頻度帯域、LTE最高通信頻度セル、LTE最高通信頻度PCI、LTE最高通信頻度TAC、LTE最適化優先度、LTE RSRP、LTE RSRQ、LTE SNR、LTE最高通信強度帯域、LTE最高通信強度セル、LTE最高通信強度PCI、LTE最高通信強度TAC、UMTS Ec/No、UMTS最高通信頻度帯域、UMTS最高通信頻度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、UMTS RSSI、UMTS最高通信強度帯域、UMTS最高通信強度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、GSM最高通信頻度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信頻度セル、GSM最高通信強度LAC、GSM RSSI、GSM最高通信強度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信強度セル、GSM最高通信強度LAC、CDMA Ec/Io、CDMA RSSI、EVDO Ec/Io、EVDO RSSI、ユーザ密度、モバイルデータ使用量、WiFiデータ使用量、モバイル+WiFiデータ使用量、ダウンリンクスループット、アップリンクスループット、ジッター、レイテンシー、最優良キャリア5G CSI‐RSRP、最優良キャリア5G CSI‐RSRQ、最優良キャリア5G CSI‐SINR、最優良キャリア5G SS‐RSRP、最優良キャリア5G SS‐RSRQ、最優良キャリア5G SS‐SINR、最優良キャリアGSM RSSI、最優良キャリアLTE CQI、最優良キャリアLTE RSRP、最優良キャリアLTE RSRQ、最優良キャリアLTE SNR、最優良キャリアUMTS Ec/No、最優良キャリアUMTS RSSI、カバレッジ改善機会、マルチネットワークカバレッジ改善スコア、最適化機会、販売機会、%低帯域、タイミングアドバンス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0025】
更なる実施形態では、無線サービス状況の上記3次元表現に関して、上記測定された緯度及び経度に対して絶対フィルタ又は相対フィルタが適用される。
【0026】
更なる実施形態では、無線サービス状況の上記3次元表現に関して、上記決定された高度に対して絶対フィルタ又は相対フィルタが適用される。
【0027】
更なる実施形態では、無線サービス状況の上記3次元表現に関して、上記方法は屋内分類を更に含み、上記屋内分類は、無線サービス状況の上記3次元表現で上記データ測定値を利用するために必要である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、ネットワークユーザ密度マップの3Dビューの図である。
図2図2は、RSRPを測定する単一プラットフォーム上の単一のキャリアに関するネットワークパフォーマンスの3Dビューの図である。
図3図3は、3Dビュー内で垂直測定値を生成するためのプロセスのフローチャートである。
図4図4は、ビジュアルマップ内の建造物に対応する3Dポリゴンを生成するプロセスを示すフローチャートである。
図5図5は、ユーザ密度の3D表示を生成するためのフローチャートを示す。
図6図6は、無線サービス状況の3D表示を生成するためのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
開示されるのは、無線サービス状況パフォーマンスを3次元(3D)グラフィカル表現内で提供するための技法である。3Dビューにより、ある建造物内の所与の高さにおける移動体デバイス密度及び無線サービスの品質を含むデータの複数のセットを、1つのビジュアルディスプレイ内で表現できる。この表現は、無線サービスの世代(GSM、UMTS、LTE、5G)、特定のサービスプロバイダ、及び無線サービス状況パフォーマンスを記述するメトリクスによって編成できる。結果として得られる3Dグラフィカル表現は、無線サービス状況が良好なエリア及び劣悪なエリアのユーザフレンドリーな視覚化を提供し、これによりサービスプロバイダは、その労力の優先順位を、ネットワークパフォーマンスの問題への対処へと迅速かつ効率的に定めることができる。
【0030】
全てのネットワーク状態のメトリクスを単一の水平面に押し込む、ネットワークパフォーマンスの設計及び最適化のための典型的な2Dアプローチと比較して、3D表現は、移動体デバイスが建造物内におけるその高さ位置に応じて経験するネットワーク状態の、より洗練された層状のビューを提供する。
【0031】
無線サービス状況は、以下のメトリクスを含むがこれらに限定されない、移動体デバイスから収集されたデータを指す:5G CSI‐RSRP、5G CSI‐RSRQ、5G CSI‐SINR、5G SS‐RSRP、5G SS‐RSRQ、5G SS‐SINR、5G PCI、5G最高通信頻度セル、5G最高通信強度セル、5G最高通信頻度帯域、5G最高通信強度帯域、5G最適化優先度、LTE CQI、LTE最高通信頻度帯域、LTE最高通信頻度セル、LTE最高通信頻度PCI、LTE最高通信頻度TAC、LTE最適化優先度、LTE RSRP、LTE RSRQ、LTE SNR、LTE最高通信強度帯域、LTE最高通信強度セル、LTE最高通信強度PCI、LTE最高通信強度TAC、UMTS Ec/No、UMTS最高通信頻度帯域、UMTS最高通信頻度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、UMTS RSSI、UMTS最高通信強度帯域、UMTS最高通信強度セル、UMTS最高通信強度LAC、UMTS最高通信強度PSC、GSM最高通信頻度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信頻度セル、GSM最高通信強度LAC、GSM RSSI、GSM最高通信強度帯域、GSM最高通信強度BSIC、GSM最高通信強度セル、GSM最高通信強度LAC、CDMA Ec/Io、CDMA RSSI、EVDO Ec/Io、EVDO RSSI、ユーザ密度、モバイルデータ使用量、WiFiデータ使用量、モバイル+WiFiデータ使用量、ダウンリンクスループット、アップリンクスループット、ジッター、レイテンシー、最優良キャリア5G CSI‐RSRP、最優良キャリア5G CSI‐RSRQ、最優良キャリア5G CSI‐SINR、最優良キャリア5G SS‐RSRP、最優良キャリア5G SS‐RSRQ、最優良キャリア5G SS‐SINR、最優良キャリアGSM RSSI、最優良キャリアLTE CQI、最優良キャリアLTE RSRP、最優良キャリアLTE RSRQ、最優良キャリアLTE SNR、最優良キャリアUMTS Ec/No、最優良キャリアUMTS RSSI、カバレッジ改善機会、マルチネットワークカバレッジ改善スコア、最適化機会、販売機会、%低帯域、及びタイミングアドバンス。特に、これらの無線サービス状況は、1つの移動体デバイスからのデータとして同時に集められるため、上記データの一部分の使用を上記データの他の部分と組み合わせることにより、更なる外挿を実施できる。無線データは更に、緯度、経度、高度、垂直及び水平正確度、時刻、並びに他の様々なメトリクスを含むがこれらに限定されない、収集される可能性があるいずれの更なるメトリクスを指す。収集された各測定値は、全てのデータ及び全ての無線サービス状況を含んでおり、上記測定値はデータベース内に補間できる。
【0032】
建造物内において、信号レベル及び品質の低下の支配的要因は:透過損失(信号は、コンクリート壁、金属パネル等の高密度媒体を通過する間に弱まる)、反射(信号は、周囲の建造物及び構造物の高密度媒体によって方向転換される)、並びにシャドーイング(shadowing)(信号は周囲の建造物、構造物、植生の高密度媒体によって遮断される)。地表の高さでは、これらの要因は典型的にはカバレッジの抑制につながり(即ち最も近接したネットワークトランシーバーからの信号レベルが、より離れたトランシーバーからの信号レベルを上回る)、従って信号の占有度が高くなり、これは低干渉につながる。対照的に高層建造物内では、高さが高くなると、離れたネットワークトランシーバーからの信号の経路内の障害物の数が少なくなるため、信号の占有度が低くなり、それに伴って干渉が大きくなる。
【0033】
弱い信号を補正するために、ネットワークトランシーバーの追加、又は既存のネットワークトランシーバーアンテナの方位角若しくは仰角に沿った指向性の広がりの変化を実装できる。信号強度が所望の範囲内となった後、干渉レベルを低減するために更なる最適化を実施する。
【0034】
上で概説した要因に加えて、干渉の増加は:高調波;周波数ドリフト;RF漏洩;及びコネクタ、アンテナ、ケーブル等のパッシブデバイスの導電性によって引き起こされる内部干渉によって、引き起こされ得る。干渉は周波数の再割り当てによって引き起こされる場合もある。オペレーターは、ライセンスを取得した周波数スペクトルの再割り当てを、複数の技術の間で実施する。例えば世代が古いサービスの使用量が減少すると、より多くのユーザ及びトラフィックに対応するために、より新しい技術へとスペクトルをシフトさせる。従来の技術を依然として使用しているユーザは、より少量のスペクトルでサービスを受け、周波数の再利用(複数のトランシーバーが同一の周波数を使用する)により、より大きな干渉を体験する。
【0035】
場合によっては、異なる周波数の2つ以上の信号が移動体デバイス又はネットワークトランシーバー内の非線形電子部品内で混合(乗算)されると、周波数の相互変調が発生する可能性があり、これは、送信されている周波数以外の周波数での信号の生成につながる。信号が受信される偶発的な周波数が、既に使用される周波数と重なる場合、干渉が発生する。
【0036】
様々な発生し得る干渉問題を識別し、ユーザの密度、並びに信号及び干渉のレベルをグラフィカルに表現することにより、3Dビュー内でこれらの特徴を簡潔に表現できるため、問題のあるエリアをプロバイダーがより容易に評価できるようになる。建造物内で収集された固有の移動体デバイスの量及び測定値の個数もまた、メトリクスの分散の削減及び真の平均の提示によって、集められたデータの品質を定量化するのに役立つことができる。
【0037】
従って、修正が必要な無線サービス状況を識別した後、トランシーバーネットワークに対して変更を加えることにより、無線サービス状況のパフォーマンスを改善できる。無線ネットワーク内の干渉は、カバレッジの抑制、及び近接したトランシーバー間の重なりの低減によって管理できる。また干渉は典型的には、セルサイトのアンテナ及びネットワーク制御ソフトウェアの様々な設定を調整することによって、低減される。例えば、アンテナビームを標的エリア及び建造物に向かって更に集中させることができ、トランスミッターの電力、周波数、及びコード設定を修正して、上記標的エリア及び建造物内の所望のネットワークトランシーバーからの信号レベルを増大させ、所望のものでないネットワークトランシーバーの信号レベルを低下させることができる。
【0038】
収集されて無線サービス状況のグラフィカル表現で利用されるデータ及び無線サービス状況により、無線ネットワーク内のユーザの代表的なサンプルを捕捉できる。いずれの場合も、単一のデータ測定値には全てのデータ情報及び無線サービス状況が内包される。これにより、水平方向のx軸及びy軸並びに垂直方向のz軸における測定値の位置に基づいて、測定値をディスプレイ内に配置できる。測定値自体には、それに関連付けられた全ての関連無線サービス状況が内包され、これはデータベースに効果的に保存できる。従って、複数の測定値を組み合わせることによってデータセットが提供され、データセットが大きいほど、そのデータセット内で確認できる特定の傾向に対する信頼性が向上する。
【0039】
このようなデータセットの捕捉により、エンドユーザは、収集されたデータセットポイントの膨大な個数により、データセットの信頼性を確信でき、ここでユーザは、データセットポイントの個数が多いと、データセットポイントの個数が少ない場合よりも信頼性が高くなることを理解している。同時に、データセットによって、特定の複数のエリアが信号強度の改善若しくは干渉の低減のための変更を必要としていること、又は関連すると判断された他のいずれの様々な無線サービス状況が明らかになった場合、より多数のユーザについて無線サービス状況を改善するために、密度がより高いエリアに対してより高い優先度を与えることができる。
【0040】
従って、ここで図を参照すると、図1は、3D表現内のユーザ密度のグラフィカルビュー(21)を詳細に示す。これにより、関連する建造物をその物理的位置について識別する垂直軸(建造物の高さ)と、図1のチャートとを生成でき、この空間内のユーザの密度はビジュアルディスプレイ上の凡例(20)に従う。図1は、全てのネットワークの、ビジュアルウィンドウ内の特定の高さのセクションにおける相対密度を伴う単純な表現を提供する。従って、50階建ての建造物があり、下層の5階が駐車場である場合、グラフィカル表現は建造物複数の異なるセクションを含むことになり、これらのポイントで収集された無線ネットワークの相対密度を描写することになる。従って、駐車場構造は通常、常に人が居る場所ではないため、下層の5階の駐車用スペースにはネットワークユーザの密度が低いことが描写されることになる。これは、これらのスペースでは一般にネットワークサービスを長時間使用しないためである。対照的に、作業スペースフロア又は居住スペースフロアはユーザの密度がより高く、そのように識別できる。他の場合には、工業用建造物又は倉庫ではユーザの数が少ない場合があり、住宅スペース及び商業用オフィススペースでは密度が高い場合がある。データセットポイントの数が多いほど、データセットの信頼性が向上し、またこれらのスペース内のユーザの密度に基づいて最適化の優先度が指示される。
【0041】
密度を表現するための最も洗練された方法を選択するにあたり、凡例(20)は、様々な陰影、又はユーザが容易に視認できる他のメトリクスを提供する。しかしながら、視覚的グラフィカル表現を、例えば異なる複数の色が異なる複数のレベルのユーザ密度を表すカラーテーマ表現を用いて、又は異なる陰影若しくは塗りつぶしパターンを用いて、作成できることは、当業者には認識されるだろう。本質的に、一部のフォーマットの表現はヒートマップに類似しており、垂直軸の複数のスライス内で、無線サービス状況又はデータ、例えばユーザ密度の視覚的表現を提供できる。結果として得られるのはビジュアルディスプレイ(21)であり、これは、上記ビジュアルディスプレイ(21)内の1つの建造物としてのある建造物(23)に、上記建造物(23)内のある推定高さにおけるユーザの密度に従って陰影を付けることができる。
【0042】
ビジュアルディスプレイ(21)は更に検索バー30を含み、これは検索ウィンドウ(24)と、ユーザがディスプレイを修正するための様々なフィールド(例えば24~28)とを含む。例えば、検索ウィンドウ(24)は固有の検索を可能にすることができ、切り替えフィールド(25)はヒートマップとビニングデータビューとの間の切替を可能にし、ビニングデータビューは2Dモードでのみ使用される。次のフィールド26は分類を可能にするフィールドであり、例えば「屋外及び屋内(outdoor and indoor)」を表し、「屋外(outdoor)」のみ、又は「屋内(indoor)」のみを表す場合もある。時間ウィンドウ(27)は、例えば「過去24か月の間」を示し、帯域ウィンドウ(28)は、無線サービスの異なる複数の周波数帯域のレビューを可能にする。フィールドの個数は、無線サービス状況に関連するいかなる個数のデータセット、又はデータから外挿されるいかなる個数のポイントも含むように修正でき、更にこれらはそれぞれ、ユーザ密度に基づくものとすることができる。
【0043】
次に図2図1の変形であり、凡例(40)は、LTE帯域を使用する個々のキャリアの、基準信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)メトリクスを視覚的表現内に表示する単一のビューを提供する。よって、ユーザの関心の対象となるマップを生成するために、異なる複数の無線サービス状況メトリクスが容易に切り替えられる。
【0044】
図1、2のビジュアルディスプレイを生成するために、ユーザからデータを採取した後、このデータを新規かつ独自の方法で収集及び修正することによって、人口データセットを捕捉し、これをデータベースに編成した後、グラフィック表現で表示できる。これらのビューを満たすデータは、ネットワーク上の移動体デバイスによって捕捉されて、データベース内に集約される。例えばAndroid OSはGPSデータを報告し、このGPSデータは、緯度及び経度座標(十進角、WGS84)、高度、水平正確度及び垂直正確度を含む測定値が収集された水平及び垂直方向の地理的位置を含む。上記データは、上述のデータポイントを捕捉するように設計された、又は関連する可能性がある追加のデータポイントを捕捉するように設計された、無線デバイス上のアプリケーション又はプログラムを利用するデバイスから、具体的に収集される場合もある。
【0045】
収集されたデータ又は無線サービス状況の表示における重要な問題は、このような情報を、容易に利用可能なフォーマットで表示できるかどうかである。第1の問題は、垂直軸内でのデータセットの配向において、移動体デバイスは垂直位置をある特定の座標系で報告していることである。例えば、複数の座標系のうちの1つは、全体を通して例として使用されているWGS84であるが、他の座標系も存在し、特に世界の異なるエリアで使用されていることは、当業者には認識されるだろう。しかしながら、これらの座標系はそれぞれ地表の高度に関するものではないため、修正が必要な結果しか得られない。実際、WGS84では、垂直位置は、地表からの高さ(正標高)ではなく、地球のジオイド(地球の重力によって決定され、平均海面高によって近似される、仮想の表面)からのメートル単位で報告される。測定値の、地表の高さからの標高を計算するためには、報告される位置において、ジオイド標高に対する地表の高度を計算した後、これを測定値の報告用高度から差し引く。この計算は、ディスプレイでの表現を目的として、(その緯度及び経度における地表からの)実際の標高を得るために、同一の基準系(WGS84)に関する2つの測定値の間のデルタを単に取得する。
【0046】
水平及び垂直位置の正確度の読み取り値は、ある位置における真のサービス状況を捕捉するために重要である。従って、複数の位置データが所定量を超える分散を有する場合、これらのデータをデータセットから除外してよい。この所定の分散は、測定の状況及び測定値の総数に依存し得る。例えば、測定値の数が比較的多い場合、分散のより厳密な閾値、例えばわずか10メートルの測定値を使用することがより適切となり得るが、利用できる測定値が10個しかない場合、より大きな分散、例えば50メートルが許容可能となる。更に、メートル単位の絶対的な測定値の代わりに相対的な計算を利用して、例えば標高の昇順にソートした全てのデータ測定値及び無線サービス状況の中央の70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、又は99%といった最良のデータを得ることができる。よって、10個の測定値の単純なデータセットでは、80%のメトリクスを使用して、最下位のデータポイント及び最上位のデータポイントが削除されることになる。同様に、1000個の測定値のデータセットを用いる場合、90%のメトリクスによって、最上位から合計50個の測定値及び最下位から合計50個の測定値を削除することで、サンプルデータセットが得られる。これらの変数は、ユーザの必要に応じて設定及び修正できる。
【0047】
所与のデータに関して、垂直及び水平の正確度の分散の閾値を満たさない測定値をフィルタリングして除去した後、測定値を、建造物内の垂直方向高さ(階)の範囲を表す複数のセグメントにグループ化する。これらのセグメントは、わずか1メートルの短さとすることもできるが、好ましくは15メートルである。あるいは測定値を、特定の建造物の高さに従ってグループ化することにより、最大数のセグメントを提供できる。例えば、セグメントの総数が5個であり、高さが100メートルの建造物は、高さ20メートルのセグメントをもたらすことになる。しかしながら、全ての建造物のうち70%超は、高さ15メートル未満である。セグメントの高さを15メートルに設定することにより、多くの建造物を単一のセグメントにグループ化でき、これにより、5又は10メートルのセグメントを作成してデータをこれらの比較的小さなセクションにグループ化しようとした場合に存在し得る誤ったデータを排除できる。グループ化された測定値の平均値は、ビジュアルポータル及びディスプレイに、図1、2に示されているように提示される。
【0048】
図3は、提示のためのデータを修正及び活用するために、無線サービス状況に関する捕捉されたデータを活用する1つの方法の概要を提供する。ステップ(1)は、無線デバイスからのデータの捕捉を提供する。既に詳述したように、上記データは、限定するものではないが:緯度、経度、位置の水平正確度、位置の垂直正確度、及び無線サービス状況を含む。
【0049】
次にステップ(2)は、収集された位置データを利用して、各測定値に関する地上高を決定する。該測定値の定義された緯度及び経度を含むデータによって、地表に対する正確な位置が提供される。所与の緯度及び経度それぞれにおける地表高を識別するデータベースが提供される。緯度及び経度を考慮して、これらの測定値の水平正確度が提供される。水平正確度が建造物の距離内にある場合、データは正確であると想定できる。水平正確度が建造物の距離/フットプリントよりも大きい場合、特定のフィルタリングプロトコルを用いて、例えばxメートル(即ち絶対閾値)より大きな距離のデータを除外でき、又は本明細書中で詳述されているような相対閾値を適用できる。特定の場合においては、地表が水平であるために分散が無視できることから、水平正確度はさほど重要ではない。別の建造物に隣接したある建造物のデータは、極めて良好に保存される可能性がある、。従って、そのような分散はデータに重大な影響を及ぼさない可能性がある。しかしながら、丘陵地帯(例えばサンフランシスコ)では、いずれかの水平方向の15メートルの距離でさえ、地表高の有意な変化をもたらす可能性がある。このような例では、このような状況でのデータの正確度を保証するために、所定の閾値でのデータのカットオフを修正する必要があり得る。
【0050】
続いてステップ(3)は、緯度及び経度が決定された既知の測定値を取得し、測定されたデータに基づいて高さを推定する。従って、関連する座標系に変換された地表高、例えばWGS84垂直標高(地球の楕円体に対する高度)が、サードパーティのDEM(Digital Elevation Model:デジタル標高モデル)又はDSM(Digital Surface Model:デジタル表面モデル)からのデータを用いて、各建造物について決定される。続いて、無線デバイスによって収集された位置データは既に(デバイスのGPSによって報告される)WGS84座標系のものであるため、測定値の地上高は、測定値の標高と地表高との間の算術差として計算される。別の標高測定値が利用される限り、その測定値に基づいて必要に応じて適切な補正が実施される。結果として得られるデータは、上記測定値をビジュアルディスプレイのポリゴン内に正確に配置するための、測定値の補正された標高である。これにより、所与の標高における各データポイントの測定値が得られる。
【0051】
そしてステップ(4)では、ステップ(3)から計算された測定値の地上高に基づいて、建造物内での測定値の推定が可能となる。建造物の高さが分かっている場合、これは容易に行うことができる。特定の場合においては、図4で更に詳細に示されているように、高さが分かっていない建造物の高さを、収集した測定値/データから推定できる。建造物の高さの決定又は推定方法にかかわらず、複数の測定値からのデータがデータベースに保存され、データベースはステップ(5)での3Dマッピングのために、これらのデータを集約する。
【0052】
これらのプロセスに沿って、既知の正確度を有する特定の測定値が提供される。実際には、垂直正確度測定値及び水平正確度測定値を有するデータが提供されることが多い。これらの測定値はメートル(距離)を単位として提供されることが多く、及び/又は関連付けられた信頼度レベルを含む。特定の測定値は、低い正確度の読み取り値又は高い正確度の読み取り値を有することになり、従って距離が短いものほど実際の位置の信頼度が高くなる。ステップ(5)では、データは絶対測定値に従ってグループ化される。これは、データが所定の距離より短い正確度測定値を有する場合にのみ利用されることを意味する。様々な実施形態において、この距離は1,000メートル~0.01メートルであり、典型的な距離は100メートル未満、50メートル未満、25メートル未満、15メートル未満、10メートル未満(これらの間のあらゆる距離範囲を含む)である。しかしながら、絶対的な分散が常に利用されるわけではなく、相対閾値が利用されることも多く、この場合には、データセット全体を調べて、正確度を保証するためにデータセットの一部分を利用する。これらの場合には、相対閾値はデータセットの50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、及び99%であり、この閾値はデータセットの中央部分を表す。例えば80%の閾値は、データセットの最上位の10%と最下位の10%とを除外する。データセットは全体がデータベース内に残るが、捕捉されるデータ及び表示されるデータは、本明細書で定義されているような絶対又は相対閾値の下で決定される部分となる。よって、ビジュアルディスプレイに提示されるデータは、正確な測定値に固有のものとなり、個々の測定値の正確な識別を可能とする。
【0053】
ステップ(6)は、同様の緯度及び経度の同様の高さ内のデータのグループ化の生成を含む。ここでも、データセット全体に関するデータを取得し、所定の閾値を利用して、表示するべきデータを決定する。特に、全ての測定値が正確に同一の緯度及び経度を有するわけではなく、また垂直軸内の同一の誤差分散を有するわけではないため、ある程度の分散が存在する可能性がある。従って上記グループ化は、上記測定値が同一の建造物内で取得されたか、又は隣接する建造物内で取得されたかを最も良好に判断できるように、これらの測定値を最も良好に適合させることになる。ここでの分散は、隣接する建造物の近接度や測定値の誤差分散を含む多数の要因に左右される可能性がある。
【0054】
最後にステップ(7)は、データの視覚的表現の表示を伴い、その例は図1、2の両方に示されており、図1ではユーザ密度を示し、図2では単一の無線キャリアに関するRSRPを示す。これらの表現はそれぞれビジュアル又はディスプレイ要素を有し、上記ビジュアル又はディスプレイ要素は凡例内で定義されている。エンドユーザはディスプレイを取得して無線サービス状況を修正することにより、この特定の無線サービス状況に基づいてディスプレイを修正できる。これにより、これらの様々な無線サービス状況の表現が可能となる。ユーザの密度は、あらゆる場合に表示することも、又はユーザが視覚的表現内のデータを評価する際に下層のポップアップ若しくは他の視覚的キューに視覚的に提示することもできる。
【0055】
特定の例では、データは、高さ又は寸法が分かっていない建造物の測定値をもたらす。これは、新しい建設が完了したときに、又は単にデータが公的に提供されていない場所で、発生する。特定の実施形態では、高さが分かっていない建造物は、建造物のユーザの総数が10人以上である場合に、報告用測定高度に基づいて、地表の高さから押し出される。10人未満の場合、基礎部分のセグメント(0m~15m)だけが表示される。押し出しは、建造物のサンプルの総数のうちのx%、例えば97%をそれ自体及びそれより下方のセグメントに内包するセグメントまで続けられる。これは、極めて高い高度にあるわずかな数のサンプルによって、非現実的な建造物の高さが表示されるのを防止するのに役立つ。いくつかの実施形態では、測定値を含まない連続したセグメントが所定の数(例えば8)を超えて存在する場合、建造物の高さが分かっているかどうかにかかわらず、押し出しを停止する。高さが分かっている場合には、複数のセグメントが、建造物の高さに到達するまで表示される。測定値が存在する場合、セグメントは着色され、それ以外の場合にはセグメントは灰色になるか、又は他の何らかの陰影若しくは視覚的キューによって描写される。
【0056】
この論理を続けて、図4は、例えば図1、2に見られるようなディスプレイウィンドウ内に表現されることになるポリゴンの高さを決定するためのプロセスのフローを示す。図3に従うと、第1のステップは、無線デバイスからデータを収集するステップ(1)である。続いてこの第1のステップからのデータを用いて、緯度及び経度を決定する(10)。最初の2つのステップが完了すると、次のプロセスはポリゴンの高さを定義する。ステップ(11)では、既知の構造及び高さに基づいてポリゴンが押し出され、又はステップ(12)では、建造物ポリゴンの境界内のデータから推定された構造に基づいてポリゴンが押し出される。実際には、重要なのは高さが分かっていないこの特定のケースであるが、これらのステップが連携して、建造物の正確な表示を保証するすることもできる。
【0057】
実際には、既知の構造が存在するとしても、その特定の高さ及び寸法が具体的に分かっていない場合もある。他の場合には、最近開発された構造のように、構造の存在が分かっていないこともあり、従ってデータの集合は、表示すべき構造の存在を意味する。最後に、特定の構造は誤差を有するか、又は利用されていない空間を有する場合があり、これらは存在していればビジュアルディスプレイ内に不確実性をもたらす可能性がある。
【0058】
従って、ステップ(13)は集合的データを取得し、このデータをリファインして、外れ値のデータを除外する。これは、垂直位置の正確度におけるものか緯度及び経度の正確度に関するものかにかかわらず、正確度が低いパラメータを有するデータを除外することによって実施される。このデータは典型的にはステップ(1)で捕捉されたものであり、即ちデータポイントは文字通り、捕捉されるデータポイントの正確度の推定値を定義する。好ましくは、複数の測定値の完全なデータセットを結合し、特定のプロセスを利用してこのデータをフィルタリングすることにより、最良のデータセットを生成する。様々な正確度メトリクスは図3で詳細に示されているものと同一であり、即ち距離の絶対測定値、又は外れ値のデータを排除するためにデータセットの一部分を取得する相対測定値である。
【0059】
最後に、リファインされたデータを用いて、ステップ(14)では、ステップ(11)又は(12)からのポリゴンを、サンプルのうちのx%を内包するように、特に高さについて修正できる。これにより、データに基づいてポリゴンの高さのうちのいずれかを訂正できる。特に、このステップ及び他のステップに含めるサンプルのパーセンテージは、合計範囲、サンプルの総数、データの信頼度、及び他の要因を含む複数の要因に基づいて変動する。典型的には、上記パーセンテージは、サンプルの80%超、より好ましくはサンプルの90%超、95%超、97%超、又は99%超でなければならない。
【0060】
この決定にコンテクストを提供するために、サンプルのセットは1000個のデータポイントを含み、また高さが不明の建造物が1つ存在する。データセットは、サンプルの97%に設定される。建造物の高さは最低高度測定値で始まり、合計970個の測定値が捕捉される(全サンプルの97%に到達する)。970個のサンプルを収集した後、建造物の高さは、このサンプルのセットの最高測定値に決定される。残りの30個の、より高い測定値は、決定される建造物の高さから除外され、これにより、不正確である恐れがある測定値が除外される。このパーセンテージを、測定値の総数、これらの測定値の正確度、及び各シナリオにおいて決定される他のパラメータに従って修正できる。
【0061】
特定の例、特に大都市では、地下の測定値が存在することが多い。例えばニューヨーク市の地下鉄網又は地下鉄の駅は、数千もの地下の測定値を有し得る。このような場合、緯度及び経度に基づいて、高さを決定するための測定を、地表の高さより上にあると決定された測定値から開始する。従って、測定値が10000個存在し、そのうち1000個が地下にあると決定された場合、建造物の高さに関して9000個のデータポイントが考慮される。サンプルのうち97%を高さのために使用する場合、合計8730個のサンプルが高さの計算に使用され、より高い高度にある残りの270個のサンプルが除外される。
【0062】
従って図1、2に示されているように、ビジュアルディスプレイは複数の建造物を含み、各建造物は、垂直方向を有するポリゴンによって、及びx座標及びy座標で表現される。特定の実施形態では、具体的には高さを含むが、いくつかの実施形態では、x及びy座標における平方フィート単位の面積も含む建造物のサイズが提供されるか、又は既に分かっている。例えば、サードパーティのソースからの建造物のポリゴン及び高さを利用できる場合にはこれが使用されるが、これは不正確である場合がある。高さが分かっていない建造物は、測定値の報告用高度に基づいて、地表の高さから上方に押し出される。押し出しは地表から上方に追加され、建造物サンプルの総数のうちのx%が建造物の3D表現内に内包されるまで続けられる。これらのカットオフをデータサンプルセットに対して使用することは、極めて高い高度にあるサンプルの不正確さ及び個数の少なさによって、非現実的な建造物の高さが表示されるのを防止するのに役立つ。依然として実際より高く見える建造物では、典型的には、最上位の1つ以上のセグメントはユーザ数が極めて少なく(1又は2)、これらのカットオフメトリクスを用いて無視できる。ここでの目的は単に、無線サービス状況のメトリクス及びこれらのメトリクスの信頼性を、ユーザの密度とこれらの無線サービス状況の総測定値とに基づいて評価するための、データの代表的なサンプルを提供する、データセットを提供することである。
【0063】
各方法において無線デバイスから収集されるデータ及び無線サービス状況(ステップ1)は、ユーザ密度の特定と並行した無線サービス状況の識別、及びz軸での(垂直方向の)視覚的アプローチの提供に向けた、集合的アプローチを提供する。このアプローチの結果は、データを現実の例と比較することによって検証されている。例えば、信号レベル及び品質は、信号レベルを向上させて干渉を低減することが分かっている建造物内セルサイトシステムが設置されていると分かっている建造物では、極めて高い。更に、データは、信号レベルが高さと共に上昇することを示すと同時に、高階層でのより多くの干渉から予想されるように、標高が高いと干渉のレベルが上昇することを示している。最後に、ユーザの総数がビジュアルディスプレイにおいて利用可能であり、これはユーザが、提示された情報の信頼性を判断するのに役立つ。従って、ユーザはデータにより、データのユーザ数の多寡、信頼性に影響を及ぼす可能性のある他のメトリクスを判断することによって、ユーザの選択に応じて、表示された無線サービス状況を独自に決定できる。
【0064】
特定の実施形態では、特に建造物内の比較的下層にある場所において、屋内分類技法を利用することが更に有用となり得る。これにより、屋内及び屋外の平方フィート単位の面積が共に大きいエリアにおいて、特定の実施形態は、屋内又は屋外測定値の分類を可能とすることができる。これは、収集されたデータを使用し、建造物のフットプリントを緯度及び経度測定値と比較し、水平正確度測定値を考慮して評価することによって実施できる。実際には、あらゆる所与の測定値について、水平正確度は、ある所与の測定値がある建造物内にあり、別の建造物内にはないことを保証するために必要となる。この屋内分類は更に、水平正確度が低い場合、又は単にデータの正確度の向上のために追加のデータポイントが必要となり得る場合に、更に役立てることができる。特定の屋内分類プロトコルは、米国特許出願公開第16/381,961号明細書において定義されており、本明細書で詳述されている方法及びプロセスと関連して利用できる。
【0065】
所与の場所のユーザの密度を決定すると、本明細書中で詳述されているように、データの信頼度を向上させることができる。図5は、この情報を生成するための実施形態の簡潔な図を提供する。ステップ(1)は、無線デバイスからのデータの捕捉を含む。ステップ(2)は、上記データからの緯度及び経度の方向を決定し、当該ポイントにおける高度をデータベースによって決定する。次にステップ(51)は、水平正確度に基づいて上記データに初期フィルタを適用し、これは例えば、所定の許容可能な距離を超える正確度評価を有するデータを除外する。(ステップ(51)に続く)ステップ(3)は、決定された高度と座標系(即ちWGS84)からの測定データとの間のデルタに基づいて、測定値の高さを推定する。ステップ(52)は任意に、測定値の中央の90%、95%、若しくは97%を確保するための相対プロセス、又は他の適切なプロセスといった、更なる水平正確度プロセスを適用する。続いて(ステップ(52)に続く)ステップ(4)は、推定された高さに基づいて、建造物内での位置を推定する。そしてステップ(5)は、3Dマッピングのためにデータをデータベース内に集約する。ステップ(6)は、これ以前のステップと、適用された閾値ステップとに基づいて、同様の緯度及び経度の同様の高さ内のデータのグループ化を生成する。最後にステップ(53)は、ビジュアルディスプレイにユーザ密度の表示を提供する。
【0066】
図6は、本明細書の開示に基づいて、特定の無線サービス状況の評価に対して同様のプロセスを適用する。ステップ(61)は、無線デバイスから(複数の無線デバイスから)無線サービス状況を含むデータを捕捉する。ステップ(2)は、上記データの緯度及び経度に基づいて単一のデータ測定値の方向を決定し、また当該ポイントにおける高度を決定する。ステップ(3)は、WGS84測定値と、緯度及び経度から決定された高度との間のデルタに基づいて、実際の地表高を推定する。各ステップ(2)、(3)において適切であれば、特定のフィルタ及び閾値を適用して、大きな分散を有するデータを絶対又は相対閾値に基づいて除外できる。次にステップ(4)は、推定された高さに基づいて、建造物内での位置を推定する。続いてステップ(5)は、3Dマッピングのためにデータをデータベース内に集約する。そして(ステップ(5)に続く)ステップ(62)は、データの正確度を保証するために必要であれば、全てのデータにフィルタを適用するが、これは個別に実施してもよく、又はそれ以前にフィルタ及び閾値をステップ(2)、(3)に任意に適用することに加えて実施してもよい。ステップ(6)は、同様の緯度及び経度の同様の高さ内のデータのグループ化を生成する。そしてステップ(63)は、選択された関心対象の無線サービス状況メトリクスを表示するために、ビジュアルディスプレイが、無線デバイスからの測定値から3Dデータを表現することで終了する。
【0067】
当業者であれば、上記の様々な方法及びプロセスの全体又は一部を組み合わせて、特定のプロセスを修正できることを認識するだろう。更に、特定のステップを様々な実施形態に任意に含めることができる。当業者であれば、本明細書で詳述されている実施形態は、データを操作又は表示できる方法に限定されるものではないことを認識するだろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】