(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】冶金測温サンプリングプローブの交換システム及び交換方法
(51)【国際特許分類】
G01K 13/12 20060101AFI20241001BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20241001BHJP
G01N 1/10 20060101ALN20241001BHJP
【FI】
G01K13/12
G01K1/14 Z
G01N1/10 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513301
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2022115842
(87)【国際公開番号】W WO2023030318
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111006165.6
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514216801
【氏名又は名称】バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】イエ、チャンホン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ルイミン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、シタオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、ジェンホン
(72)【発明者】
【氏名】シェン、チェン
(72)【発明者】
【氏名】スン、シンホン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、ティエンマオ
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA12
2G052AC24
2G052AD06
2G052AD52
2G052HA17
(57)【要約】
冶金測温サンプリングプローブ(200)の交換システムは、溶融金属取鍋の温度を測 定するための測温ガン(100)に設置され、6軸ロボット(1)と、6軸ロボット(1)の末端に取り付けられた治具(2)と、測温サンプリングプローブ(200)を収納する放置棚(3)と、剪断機(4)と、スクラップボックス(5)とを含む。測温ガン(100)、放置棚(3)、剪断機(4)、スクラップボックス(5)は、それぞれ順次6軸ロボット(1)の旋回範囲内の異なる方位に設けられ、スクラップボックス(5)が剪断機(4)の近傍に設けられる。治具(2)はベース(21)と、ベース(21)の先端に並設された測温サンプリングプローブ(200)をクランプするクランプ爪(22)と、位置決め爪(23)と、クランプ爪(22)と位置決め爪(23)の間に位置する検出装置(24)と、を含み、クランプ爪 (22)の挟持空間の中心線、位置決め爪(23)の位置決め空間の中心線が同一の軸線に位置し、検出装置(24)の検出源がこの軸線を通過する。手動で測温サンプリングプローブ(200)に嵌着又は抜き取りを行うことに代り、操作員の労働強度を減らし、高リスク環境の健康への危害を低減し、作業効率を高めることができる。冶金測温サンプリングプローブ(200)の交換システムの交換方法も開示された。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属取鍋の温度を測定するための測温ガンに設置される冶金測温サンプリングプローブの交換システムにおいて、6軸ロボットと、前記6軸ロボットの末端に取り付けられた治具と、測温サンプリングプローブを収納する放置棚と、剪断機と、スクラップボックスとを含み、
前記測温ガン、放置棚、剪断機、スクラップボックスは、それぞれ順次前記6軸ロボットの旋回範囲内の異なる方位に設置され、スクラップボックスが剪断機の近傍に設置され、
前記測温サンプリングプローブは、丸棒型であり、サンプリング領域及び挟持領域が設けられ、前記剪断機は、前記測温サンプリングプローブの前記サンプリング領域と前記挟持領域を切断分離するためのであり、挟持領域が中空構造であって、前記測温ガンが挿入される開口を有し、前記測温ガンは、丸棒型であり、そのヘッド部の直径がガンボディの直径より小さく、かつ両者の間に漸変過渡領域が設けられており、
前記治具は、ベースと、前記ベースの先端に並設される前記測温サンプリングプローブをクランプするためのクランプ爪と、位置決め爪と、前記クランプ爪と前記位置決め爪との間に位置する検出装置と、を含み、前記クランプ爪の挟持空間の中心線、前記位置決め爪の位置決め空間の中心線が同一の軸線に位置し、前記検出装置の検出源は、前記軸線を通過することを特徴とする冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項2】
前記測温ガン、前記6軸ロボット、前記放置棚、前記剪断機及び前記スクラップボックスを囲む安全防護柵をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項3】
前記クランプ爪は、左支持アームと、右支持アームと、前記左支持アーム、前記右支持アームが向かい合って運動するように駆動可能な並進運動シリンダと、前記左支持アーム、前記右支持アームの端部にそれぞれ設置された左挟持ブロック、右挟持ブロックと、を含み、前記左挟持ブロック、前記右挟持ブロックの対向する面の中央に長手方向に沿ってV字状又は台形凹溝が設けられ、前記左挟持ブロック、前記右挟持ブロックの長さは、前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域外径の3~4倍であることを特徴とする、請求項1に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項4】
前記左挟持ブロック、前記右挟持ブロックのV字状又は台形凹溝内の両側面に若干のトレンチが等間隔に設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項5】
前記左支持アーム、前記右支持アームは、C字状構造を呈することを特徴とする、請求項3又は4に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項6】
前記位置決め爪は、アンギュラーシリンダと、前記アンギュラーシリンダの両スイングアームの上に設置される左位置決め指、右位置決め指と、を含み、前記左位置決め指、前記右位置決め指は、それぞれ基部及び基部の先端に位置する挟持部を含み、前記挟持部は、V字状を呈し、その内底部が弧形凹面であり、前記左位置決め指、前記右位置決め指が交差閉鎖して囲んだ位置決め空間範囲と前記測温ガンの前記ガンボディの外径とはマッチングし、かつ、前記左位置決め指、前記右位置決め指が交差閉鎖して囲んだ位置決め空間の中心線と、前記クランプ爪の左挟持ブロック、右挟持ブロックの閉鎖によって形成された挟持空間の中心線とが同一の軸線であることを特徴とする、請求項1に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項7】
前記検出装置は、非接触式距離センサであることを特徴とする、請求項1に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項8】
前記トレンチの深さは5~10mmであり、隣接するトレンチの配置間隔は30~40mmであることを特徴とする、請求項4に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項9】
前記挟持部V字状の両端部の内側面に弧形面取りが設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項10】
前記非接触式距離センサはレーザーセンサであることを特徴とする、請求項7に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システムの交換方法において、
1)前記6軸ロボットが前記治具を動かして前記測温ガンに接近させ、前記治具の前記検出装置により走査し、前記測温ガンの位置を検出し、それから、前記放置棚まで運動し、前記治具の前記クランプ爪を用いて前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域を把持し、前記検出装置により前記測温サンプリングプローブの前記治具の前記クランプ爪における位置が軸心にあるか否かを確認するステップと、
2)前記6軸ロボットが前記測温サンプリングプローブを動かして前記測温ガンの前記ヘッド部に接近させ、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が交差閉鎖し、前記測温ガンの前記ヘッド部を両者で囲んだ位置決め空間に包囲した後、前記クランプ爪が前記測温サンプリングプローブを把持して、前記測温ガンの前記ヘッド部を測温サンプリングプローブに挿入して嵌着させ、前記測温ガンの前記ヘッド部が前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域内部の少なくとも30mmに入った後、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が前記測温ガンを放し、その後、前記6軸ロボットは前記測温サンプリングプローブを動かして前記測温ガン上の嵌着を完成させ、その後、前記6軸ロボットが前記測温ガンから離脱し、前記測温ガンが前記溶融金属取鍋に入るように測温サンプリングプローブを降下させて、溶融金属の温度を検出し、溶融金属試料を取得するステップと、
3)測温、サンプリング作業が完了した後、前記測温ガンが上昇し、前記6軸ロボットは前記治具を動かして前記測温ガンの上部に接近させ、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が対向運動して前記測温ガンの前記上部を把持して位置決めを行い、続いて、前記クランプ爪の左挟持ブロック、右挟持ブロックが対向運動し、前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域をクランプした後、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が前記測温ガンを放し、前記クランプ爪が前記6軸ロボットに動かされたことで、前記測温サンプリングプローブを前記測温ガンから抜き取るステップと、
4)前記6軸ロボットは前記治具を動かして前記測温サンプリングプローブの前記サンプリング領域を前記剪断機に送り込み、前記測温サンプリングプローブの前記サンプリング領域を切り取った後、前記6軸ロボットは前記治具を動かして前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域部分をスクラップボックスに持ってくると共に、前記クランプ爪の左挟持ブロック、右挟持ブロックが分離し、前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域を前記スクラップボックスに投げ込み、前記6軸ロボットが待機位置に戻るステップと、を含むことを特徴とする冶金測温サンプリングプローブの交換システムの交換方法。
【請求項12】
ステップ3)で、前記クランプ爪が前記6軸ロボットに動かされたことで前記測温サンプリングプローブを前記測温ガンから抜き取った後、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が再び閉鎖し、もし位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が完全に閉鎖すると、前記測温サンプリングプローブが完全に前記測温ガンから抜き取られたことをさらに確認することを特徴とする、請求項11に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システムの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冶金技術に関し、特に、冶金測温サンプリングプローブの交換システム及び交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼冶金プロセスにおける製鋼及び連続鋳造等の工程では、金属溶湯から溶湯試料体を抽出し、当該試料に基づいてその化学成分等のパラメータを分析する必要がある。金属溶湯試料体を抽出する際に、通常、測温サンプリング機能を有するロッド状測温サンプリングプローブを、垂直方向に運動する測温サンプリングガン(以下、測温ガンという)に嵌着し、搬送機構により測温ガンを測温サンプリングプローブと一緒に液体の溶融金属を積み込んでいる取鍋(容器)に挿入し、プローブの先端部には溶融金属の温度の検出を完成するための熱電対を取り付けると共に、溶融金属がプローブのサンプリング口を経て鋼型内に入り、プローブが取鍋から離れた後、金属が鋼型内で凝固して固体試料になり、該試料が取り出された後、分析室へ送ってその化学成分等のパラメータを検出する必要がある。
【0003】
通常、このような測温サンプリングプローブは、主に2段の紙製長円管からなり、挟持領域とサンプリング領域に分けられる。取鍋中の金属成分をリアルタイムに分析するためには、凝固して形成された金属試料体を測温サンプリングプローブのサンプリング領域からタイムリーに分離しなければならない。目下、手動で測温サンプリングプローブを測温ガンに嵌着し、測温ガンが測温サンプリングプローブを持っていて溶融金属を積んでいる取鍋中に入って、測温サンプリング作業を完了した後持ち上げ、操作員は測温ガンからプローブを抜き取ってサンプリング領域の紙管を叩くことによって、金属試料体を取り出すことが多い。手動で操作する際に、プローブ本体が燃焼状態にあることが多いため、しかも、製鋼で黒い煙と粉塵及び取鍋の高温が操作員の身体健康を損なう。
【0004】
従来の測温サンプリングプローブ交換方法としては、例えば、中国特許出願番号CN201922259240.4には、サンプリング装置、自動把持装置、サンプリング棒収納装置、及び検体収納装置を備える「ロボット測温サンプリング自動挿抜装置」が開示されている。製鋼測温サンプリングの高い作業率と過酷な環境条件状況に対しては、ロボットの稼働精度とプログラマブル性の特徴を合わせて、自動サンプリングと収納のプロセスを実現した。該技術手段には具体的な把持装置の構造形式及び技術詳細が説明されていない。
【0005】
中国特許出願番号CN201811613127.5には「測温プローブと測温ガンとの自動ドッキング装置」が開示されており、該自動ドッキング装置はアンギュラーロボット、並進運動ロボットを含み、両者がそれぞれフレームに固定され、フレームがロボットに設置され、2つの半テーパー板がそれぞれアンギュラーロボットの2つのクランプフィンガーに固定され、アンギュラーロボットのクランプフィンガーがクランプされた閉状態にある場合、2つの半テーパー板を互いに当接させてテーパードラムを形成し、前記テーパードラムの軸線が位置決め板に垂直し、位置決め板に位置センサが取り付けられている。該特許に取り付けられた位置センサはプローブのクランプ爪における位置を検出できず、測温ガンの軸線も検出できず、ドッキング操作に影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、手動で測温サンプリングプローブに嵌着又は抜き取りを行うことに代り、操作員の労働強度を減らし、高リスク環境の健康への危害を低減し、作業効率を高めることができる冶金測温サンプリングプローブの交換システム及び交換方法を提供することにある。
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の技術手段は次の通りである。
溶融金属取鍋の温度を測定するための測温ガンに設置される冶金測温サンプリングプローブの交換システムであって、6軸ロボットと、6軸ロボットの末端に取り付けられた治具と、測温サンプリングプローブを収納する放置棚と、測温サンプリングプローブのサンプリング領域と挟持領域を切断分離する剪断機と、スクラップボックスとを含み、
前記測温ガン、放置棚、剪断機、スクラップボックスはそれぞれ順次前記6軸ロボットの旋回範囲内の異なる方位に設置され、スクラップボックスが剪断機の近傍に設置され、
前記測温サンプリングプローブは、丸棒型であり、サンプリング領域及び挟持領域が設けられ、挟持領域は中空構造であって、測温ガンが挿入される開口を有し、前記測温ガンは、丸棒型であり、そのヘッド部の直径がボディの直径より小さく、かつ両者の間に漸変過渡領域が設けられ、
前記治具は、ベースと、ベースの先端に並設され、前記測温サンプリングプローブをクランプするためのクランプ爪と、位置決め爪と、クランプ爪と位置決め爪との間に位置する検出装置と、を含み、前記位置決め爪の位置決め空間の中心線と前記クランプ爪の挟持空間の中心線とが同一の軸線であり、前記検出装置の検出源は、この軸線を通過する。
【0008】
さらに、前記測温ガン、6軸ロボット、放置棚、剪断機及びスクラップボックスを囲む安全防護柵をさらに含む。
【0009】
好ましくは、前記クランプ爪は、左支持アームと、右支持アームと、左、右支持アームが向かい合って運動するように駆動可能な並進運動シリンダと、左、右支持アームの端部にそれぞれ設置された左、右挟持ブロックと、を含み、左、右挟持ブロックの対向する面の中央には軸方向に沿ってV字状又は台形凹溝が設けられ、前記左、右挟持ブロックの長さは、前記測温サンプリングプローブの挟持領域の外径の3~4倍である。
【0010】
好ましくは、前記左支持アーム、右支持アームは、C字状構造を呈する。
好ましくは、前記左、右挟持ブロックのV字状又は台形凹溝内の両側面には若干のトレンチが等間隔に設置されている。
【0011】
好ましくは、前記トレンチの深さは5~10mmであり、隣接するトレンチの配置間隔は30~40mmである。
【0012】
好ましくは、前記位置決め爪は、アンギュラーシリンダと、アンギュラーシリンダの両スイングアームに設置される左、右位置決め指と、を含み、前記左、右位置決め指は、それぞれ基部及び基部の先端に位置する挟持部を備え、該挟持部は、V字状を呈し、その内底部が弧形凹面であり、好ましくは、該挟持部V字状の両端部の内側面に弧形面取りが設けられ、前記左、右位置決め指が交差閉鎖して囲んだ位置決め空間の内径と前記測温ガンのボディの外径とはマッチングし、かつ、前記左、右位置決め指が交差閉鎖して囲んだ位置決め空間の中心線と、前記クランプ爪の左、右挟持ブロックの閉鎖によって形成された挟持空間の中心線とが同一の直線である。
【0013】
好ましくは、前記検出装置は、非接触式距離センサであり、レーザーセンサであることが好ましい。
【0014】
本発明の前記冶金測温サンプリングプローブの交換システムの交換方法において、
1)6軸ロボットが治具を動かして測温ガンに接近させ、治具の検出装置により走査し、測温ガンの位置を検出し、それから、放置棚まで運動し、治具のクランプ爪を用いて測温サンプリングプローブの挟持領域を把持し、検出装置により測温サンプリングプローブの治具のクランプ爪における位置が軸心にあるか否かを確認するステップと、
2)6軸ロボットが測温サンプリングプローブを動かして測温ガンのヘッド部に接近させ、位置決め爪の左、右位置決め指が交差閉鎖し、測温ガンのヘッド部を両者で囲んだ位置決め空間に包囲した後、クランプ爪が測温サンプリングプローブを把持して、測温ガンのヘッド部を測温サンプリングプローブに挿入して嵌着させ、測温ガンのヘッド部が測温サンプリングプローブの挟持領域内部の少なくとも30mmに入った後、位置決め爪の左、右位置決め指が測温ガンを放し、その後、6軸ロボットは測温サンプリングプローブを動かして測温ガンへの嵌着を完成させ、その後、6軸ロボットが測温ガンから離脱し、測温ガンが溶融金属取鍋に入るように測温サンプリングプローブを降下させて、溶融金属の温度を検出し、溶融金属試料を取得するステップと、
3)測温、サンプリング作業が完了した後、測温ガンが上昇し、6軸ロボットは治具を動かして測温ガンの上部に接近させ、位置決め爪の左、右位置決め指が対向運動して測温ガンの上部を把持して位置決めを行い、続いて、クランプ爪の左、右挟持ブロックが対向運動し、測温サンプリングプローブの挟持領域をクランプした後、位置決め爪の左、右位置決め指が測温ガンを放し、クランプ爪が6軸ロボットに動かされたことで、測温サンプリングプローブを測温ガンから抜き取るステップと、
4)6軸ロボットが治具を動かして測温サンプリングプローブのサンプリング領域を剪断機に送り込み、測温サンプリングプローブのサンプリング領域を切り取った後、6軸ロボットが治具を動かして測温サンプリングプローブの挟持領域部分をスクラップボックスに持ってくると共に、クランプ爪の左、右挟持ブロックが分離し、測温サンプリングプローブの挟持領域をスクラップボックスに投げ込み、6軸ロボットが待機位置に戻るステップと、を含む。
【0015】
好ましくは、ステップ3)で、クランプ爪が6軸ロボットに動かされたことで測温サンプリングプローブを測温ガンから抜き取った後、位置決め爪の左、右位置決め指が再び閉鎖し、もし位置決め爪の左、右位置決め指が完全に閉鎖すると、測温サンプリングプローブが完全に測温ガンから抜き取られたことをさらに確認する。
【0016】
本発明と従来の測温サンプリングプローブ交換方法とを比べて、
中国特許出願番号CN201922259240.4には「ロボット測温サンプリング自動挿抜装置」が開示されており、該技術手段には具体的な把持装置の構造形式及び技術詳細が説明されていなく、本発明が備える位置決め爪及びクランプ爪の構造設計及び使用方法のいずれも言及されておらず、サンプリング作業後のプローブ処理の方法も開示されていない。
【0017】
中国特許出願番号CN201811613127.5には「測温プローブ及び測温ガン自動ドッキング装置」が開示されている。該開示された技術手段に比べて、本発明は、閉鎖時、上下に配置された位置決め爪がより大きな位置決め範囲を有しているので、比較例における前記の半テーパー板構造を必要とせずに、より良く測温ガンを位置決めることができる。また、本発明の位置決め爪とクランプ爪との間に設置された検出装置は、プローブのクランプ爪における位置を直接検出できるだけでなく、治具により測温ガンの異なる方位に接近する過程において測温ガンの軸線姿態と位置を測定することもできる。該特許におけるフレームの上表面に取り付けられた位置センサは、本発明における取付位置及び検出方法とはいずれも異なり、しかも、プローブのクランプ爪における位置を検出することができない。
【0018】
本発明は次のような効果を奏する。
1)本発明は6軸ロボットを用いて治具を合わせて、ピックアップ、収納、嵌着、抜き取り及び測温サンプリングプローブ後処理等の複数の操作を実現し、作業面がコンパクトで、効率が高く、連続して長時間に作業することができる。
【0019】
2)本発明の前記治具中の位置決め爪の左、右位置決め指は、V字状構造とし、その内底部に弧形凹面が設けられ、位置決め爪が閉鎖する場合、左、右位置決め指が上下に交差するように配置されることによって、小さな構造寸法で大きな位置決め範囲を実行する。
【0020】
3)本発明には、位置決め爪とクランプ爪との間に検出装置を設置し、測温サンプリングプローブのクランプ爪における位置を直接的に検出するだけでなく、測温ガンの異なる方位に治具を接近させる過程で測温ガンの軸線姿態と端部位置を測定することができ、治具の機能を効果的に拡張したと共に、挟持安定性と信頼性を高めた。
【0021】
4)本発明の前記治具におけるクランプ爪の左、右挟持ブロックのV字状又は台形凹溝内の両側面に設置されたトレンチは、挟持測温サンプリングプローブの挟持安定性を効果的に高めることができ、特に、測温サンプリングが完了した後の測温サンプリングプローブの挟持領域表面を炭化した後、トレンチエッジが炭化層を押し潰すことができ、トレンチ内部から炭素滓を導出することができることによって、挟持ブロック表面の摩擦力を効果的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は本発明の前記交換システムの平面配置を示す図である。
【
図2】
図2は本発明実施例中の6軸ロボット及び治具の斜視図である。
【
図3】
図3は本発明実施例中の治具の斜視図である。
【
図4】
図4は本発明実施例中の位置決め爪の構造を示す図である。
【
図5】
図5は本発明実施例中の位置決め爪の使用状態を示す図である。
【
図6】
図6は本発明実施例中のクランプ爪の使用状態を示す図である。
【
図7】
図7は本発明実施例中の左挟持ブロックを示す図である。
【
図8】
図8は本発明実施例中の治具が測温サンプリングプローブをクランプして測温ガンに嵌着しようとする状態を示す図(その1)である。
【
図9】
図9は本発明実施例中の治具が測温サンプリングプローブをクランプして測温ガンに嵌着しようとする状態を示す図(その2)である。
【
図10】
図10は本発明実施例中の治具が測温サンプリングプローブをクランプして測温ガンに嵌着することを示す図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1~
図7を参照すると、本発明が提供する冶金測温サンプリングプローブの交換システムでは、溶融金属取鍋の温度を測定するための測温ガン100に設置され、6軸ロボット1と、6軸ロボット1の末端に取り付けられた治具2と、測温サンプリングプローブ200を収納するための放置棚3と、測温サンプリングプローブ200のサンプリング領域201と挟持領域202を切断分離するための剪断機4と、スクラップボックス5(
図1中破線枠に示されるように)とを含む。
なお、溶融金属取鍋は、溶融金属を収容している容器であると理解されてもよい。
【0024】
その他の幾つかの実施例では、前記交換システムは、スクラップボックス5を設けていなくてもよい。本発明の冶金測温サンプリングプローブの交換システムは、測温サンプリングプローブ200と測温ガン100とを嵌合することで、測温サンプリングプローブ200が溶融金属取鍋に対して測温を行ってサンプリングし、測温とサンプリングが完了した後、測温サンプリングプローブ200と測温ガン100とを分離させ、剪断機4が測温サンプリングプローブ200のサンプリング領域201と挟持端202を切断して、切断後のサンプリング領域201が後続の分析に供するためのものである。前記測温ガン100、放置棚3、剪断機4、スクラップボックス5はそれぞれ順次前記6軸ロボット1の旋回範囲内の異なる方位に設置され、スクラップボックス5が剪断機4の近傍に設置される。
【0025】
なお、6軸ロボット1、治具2、放置棚3及び剪断機4は、1つの平面に位置し、該平面上に測温サンプリング孔7が開設されており、溶融金属取鍋は測温サンプリング孔7の下方(即ち紙面に垂直な方向)に位置し、換言すれば、溶融金属取鍋は上記部材と同一の平面に位置していない。測温ガン100の両側には、測温ガン100を挟持し、かつ紙面に垂直な方向に沿って上下に運動するように動かすことができる摺動機構(
図1に示すように、摺動機構は滑車であってもよい)が設けられる。
【0026】
図8及び
図9を参照すると、測温サンプリングプローブ200は、丸棒型であり、サンプリング領域201及び挟持領域202が設けられ、挟持領域202が中空構造であって、測温ガン100が挿入される開口を有し、測温ガン100は、丸棒型であり、ヘッド部101及びガンボディ102を備え、ヘッド部101の直径がガンボディ102の直径より小さく、両者の間に漸変過渡領域103が設けられている。
【0027】
測温ガン100が測温サンプリングプローブ200の一定の深さまで挿入された後、測温ガン100と測温サンプリングプローブ200とが電気的に接続され、この時、サンプリング領域201に位置する熱電対により溶融金属に対して測温を行うことができる。
【0028】
治具2は、ベース21と、ベース21の先端に並設された測温サンプリングプローブ200をクランプするクランプ爪22と、位置決め爪23と、クランプ爪22と位置決め爪23との間に位置する検出装置24と、を含み、前記検出装置24の検出源、前記クランプ爪22の挟持空間の中心線、位置決め爪23の位置決め空間の中心線の三者が同一の軸線に位置する。
【0029】
なお、位置決め爪23は、測温ガン100のヘッド部101を挟持するのではなく、それを位置決め空間内に限定して、測温ガン100が該位置決め空間以外の空間に運動できないようにしている。
【0030】
さらに、
図1を参照すると、本願の冶金測温サンプリングプローブの交換システムは、測温ガン100、6軸ロボット1、放置棚3、剪断機4及びスクラップボックス5を包囲する安全防護柵6をさらに含む。
【0031】
好ましくは、
図2を参照して
図7を合わせて、前記クランプ爪22は、左支持アーム221と、右支持アーム222と、左支持アーム221、右支持アーム222を対向運動させるように駆動可能な並進運動シリンダ223(Radial Gripper)と、それぞれ左支持アーム221、右支持アーム222の端部に設置される左挟持ブロック224、右挟持ブロック225と、を含む。左挟持ブロック224、右挟持ブロック225の対向する面の中央に軸方向に沿ってV字状又は台形の凹溝2241が設けられている。左挟持ブロック224、右挟持ブロック225の長さは、測温サンプリングプローブ200の挟持領域202の外径の3~4倍である。左支持アーム221、右支持アーム222がC字状構造を呈している。
【0032】
好ましくは、
図7を参照すると、左挟持ブロック224、右挟持ブロック225のV字状又は台形凹溝2241(左挟持ブロック224を例にし、以下同じ)内の両側面に若干のトレンチ2242が等間隔に設置される。好ましくは、前記トレンチ2242の深さは5~10mmであり、隣接するトレンチ2242の配置間隔は30~40mmである。
好ましくは、隣接する前記トレンチ2242の配置間隔は30mmである。
【0033】
好ましくは、
図2、
図3及び
図8~10を参照すると、治具2のベース21は金属フレームであり、その前端面が平面である。
【0034】
好ましくは、
図4を参照して
図5、
図6を合わせて、位置決め爪23は、アンギュラーシリンダ231と、アンギュラーシリンダ231の両スイングアームに設置される左位置決め指232、右位置決め指233と、を含む。前記左位置決め指232、右位置決め指233は、それぞれ基部2321(左位置決め指232を例にし、以下同じ)及び基部2321の先端に位置する挟持部2322を含む。該挟持部2322がV字状を呈し、その内底部23221が弧形凹面である。好ましくは、該挟持部2322のV字状の両端部内側面に弧形面取り23222が設けられている。前記左位置決め指232、右位置決め指233が交差閉鎖して囲んだ位置決め空間230が前記測温ガン100のボディ102の外径にマッチングし、かつ、前記左位置決め指232、右位置決め指233が交差閉鎖して囲んだ位置決め空間230の中心線と前記クランプ爪22の左挟持ブロック224、右挟持ブロック225が閉鎖して形成された挟持空間220の中心線とが同一の軸線であり、検出装置24の検出源がこの軸線を通過する。
【0035】
好ましくは、検出装置24は非接触式距離センサであり、レーザーセンサであることが好ましい。
【0036】
図1~
図10を参照すると、本発明の前記冶金測温サンプリングプローブの交換システムの交換方法は、
1)6軸ロボット1が治具2を動かして測温ガン100に接近させ、治具2の検出装置24により走査し、測温ガン100の位置を検出し、それから、放置棚3まで運動し、治具2のクランプ爪22を用いて測温サンプリングプローブ200の挟持領域202を把持し、検出装置24により測温サンプリングプローブ200の治具2のクランプ爪22における位置が軸心にあるか否かを確認するステップと、
2)6軸ロボット1が測温サンプリングプローブ200を動かして測温ガン100のヘッド部101に接近させ、位置決め爪23の左位置決め指232、右位置決め指233が交差閉鎖し、測温ガン100のヘッド部101を両者で囲んだ位置決め空間に包囲した後、クランプ爪22が測温サンプリングプローブ200を把持して、測温ガン100のヘッド部101を測温サンプリングプローブに挿入して嵌着させる。測温ガン100のヘッド部101が測温サンプリングプローブ200の挟持領域202内部の少なくとも30mmに入った後、位置決め爪23の左位置決め指232、右位置決め指233が測温ガン100を放し、その後、6軸ロボット1は測温サンプリングプローブを動かし、測温ガン100への嵌着を完成させ、その後、6軸ロボット1が測温ガン100から離脱し、測温ガン100が溶融金属取鍋に入るように測温サンプリングプローブを降下させて、溶融金属の温度を検出し、溶融金属試料を取得するステップと、
3)測温、サンプリング作業が完了した後、測温ガン100が上昇し、6軸ロボット1が治具2を動かして測温ガン100の上部に接近させ、位置決め爪23の左位置決め指232、右位置決め指233が対向運動して測温ガン100の上部を把持して位置決めを行い、続いて、クランプ爪22の左挟持ブロック224、右挟持ブロック225が対向運動し、測温サンプリングプローブ200の挟持領域202をクランプした後、位置決め爪23の左位置決め指232、右位置決め指233が測温ガン100を放し、クランプ爪22が6軸ロボット1に動かされたことで、測温サンプリングプローブ200を測温ガン100から抜き取るステップと、
4)6軸ロボット1が治具2を動かして測温サンプリングプローブ200のサンプリング領域201を剪断機4に送り込み、測温サンプリングプローブ200のサンプリング領域201を切り取った後、6軸ロボット1が治具2を動かして測温サンプリングプローブ200の挟持領域部分202をスクラップボックス5に持ってくると共に、クランプ爪22の左挟持ブロック224、右挟持ブロック225が分離し、測温サンプリングプローブ200の挟持領域202をスクラップボックス5に投げ込み、6軸ロボット1が待機位置に戻るステップと、を含む。
【0037】
図1~
図10を参照すると、本発明の前記冶金測温サンプリングプローブの交換システムの交換方法は、
1)6軸ロボット1が治具2を動かして測温ガン100に接近させ、治具2上の検出装置24により走査し、測温ガン100の位置を検出し、それから、測温サンプリングプローブ200を収納する放置棚3まで運動し、治具2のクランプ爪22により測温サンプリングプローブ200の挟持領域202の一端を把持し又はクランプし、検出装置24により測温サンプリングプローブ200の治具2のクランプ爪22における位置が軸心にあるか否かを確認するステップと、
2)6軸ロボット1が測温サンプリングプローブ200を動かして測温ガン100のヘッド部101に接近させ、測温ガン100のヘッド部101が被限制在位置決め空間内に制限されるように、測温ガン100のヘッド部101を左位置決め指232、右位置決め指233の両者が交差閉鎖した後に囲んだ位置決め空間に包囲することで、続いてくる測温サンプリングプローブ200との嵌着に便利になる。この後、6軸ロボット1が測温サンプリングプローブ200を動かして測温ガン100のヘッド部101を測温サンプリングプローブに挿入して嵌着させる。
図8に示すように、測温ガン100を動かないように保持し、測温サンプリングプローブ200は6軸ロボット1に動かされることで、測温ガン100のヘッド部101に接近する方向へ運動する。測温ガン100のヘッド部101が測温サンプリングプローブ200の挟持領域202内部の少なくとも30mmに入った後、位置決め爪23の左位置決め指232、右位置決め指233が測温ガン100を放し、その後、6軸ロボット1は、測温サンプリングプローブ200と測温ガン100との間に電気信号による接続が生じて、測温ガン100における嵌着作業が完了するまで測温サンプリングプローブ200を動かして引き続き嵌着させ、換言すれば、6軸ロボット1は、測温サンプリングプローブ200と測温ガン100との嵌着が完了するまで測温サンプリングプローブ200を動かして引き続き上へ運動させる。その後、6軸ロボット1は測温ガン100(例えば、6軸ロボット1が測温ガン100から離脱した後、軸ロボット1は測温ガンとの干渉を防止するように待機位置に運動可能である)から離脱し、測温ガン100が(例えば摺動機構に動かされて)測温サンプリングプローブ200を動かして溶融金属取鍋に入るように測温サンプリングプローブを降下させて、溶融金属の温度を検出し、溶融金属試料を取得するステップと、
3)測温、サンプリング作業が完了した後、測温ガン100が上昇し、6軸ロボット1が治具2を動かして測温ガン100の上部(即ち測温ガン100のヘッド部101から離間する一端)に接近させ、位置決め爪23の左位置決め指232、右位置決め指233が対向運動して測温ガン100の上部を把持して位置決めを行う。続いて、クランプ爪22の左挟持ブロック224、右挟持ブロック225が対向運動し、測温サンプリングプローブ200の挟持領域202をクランプした後、位置決め爪23の左位置決め指232、右位置決め指233が測温ガン100を放し、クランプ爪22が6軸ロボット1に動かされたことで、測温サンプリングプローブ200を測温ガン100上から抜き取る(即ち6軸ロボット1に動かされた下で、測温サンプリングプローブ200が測温ガン100から離間する方向へ運動し、測温ガン100と完全に分離されるまでとする)ステップと、
4)6軸ロボット1が治具2を動かして測温サンプリングプローブ200のサンプリング領域201を剪断機4に送り込み、測温サンプリングプローブ200のサンプリング領域201を切り取った後、6軸ロボット1は治具2を動かして測温サンプリングプローブ200の挟持領域202部分をスクラップボックス5に持ってくると共に、クランプ爪22の左挟持ブロック224、右挟持ブロック225が分離し、測温サンプリングプローブ200の挟持領域202をスクラップボックス5に投げ込み、6軸ロボット1が待機位置に戻るステップと、を含む。
【0038】
好ましくは、ステップ3)で、クランプ爪22が6軸ロボット1に動かされたことで測温サンプリングプローブ200を測温ガン100から抜き取った後、位置決め爪の左位置決め指232、右位置決め指233が再び閉鎖し、もし位置決め爪の左位置決め指232、右位置決め指233が完全に閉鎖すると、測温サンプリングプローブ200が完全に測温ガン100から抜き取られたことをさらに確認する。
【0039】
以上の実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の要旨の範囲内であれば、上述した実施例に対する変化、変形はいずれも本発明の特許請求の範囲に含まれることは当業者に認識されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属取鍋の温度を測定するための測温ガンに設置される冶金測温サンプリングプローブの交換システムにおいて、6軸ロボットと、前記6軸ロボットの末端に取り付けられた治具と、測温サンプリングプローブを収納する放置棚と、剪断機と、スクラップボックスとを含み、
前記測温ガン、放置棚、剪断機、スクラップボックスは、それぞれ順次前記6軸ロボットの旋回範囲内の異なる方位に設置され、スクラップボックスが剪断機の近傍に設置され、
前記測温サンプリングプローブは、丸棒型であり、サンプリング領域及び挟持領域が設けられ、前記剪断機は、前記測温サンプリングプローブの前記サンプリング領域と前記挟持領域を切断分離するためのであり、挟持領域が中空構造であって、前記測温ガンが挿入される開口を有し、前記測温ガンは、丸棒型であり、そのヘッド部の直径がガンボディの直径より小さく、かつ両者の間に漸変過渡領域が設けられており、
前記治具は、ベースと、前記ベースの先端に並設される前記測温サンプリングプローブをクランプするためのクランプ爪と、位置決め爪と、前記クランプ爪と前記位置決め爪との間に位置する検出装置と、を含み、前記クランプ爪の挟持空間の中心線、前記位置決め爪の位置決め空間の中心線が同一の軸線に位置し、前記検出装置の検出源は、前記軸線を通過することを特徴とする冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項2】
前記測温ガン、前記6軸ロボット、前記放置棚、前記剪断機及び前記スクラップボックスを囲む安全防護柵をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項3】
前記クランプ爪は、左支持アームと、右支持アームと、前記左支持アーム、前記右支持アームが向かい合って運動するように駆動可能な並進運動シリンダと、前記左支持アーム、前記右支持アームの端部にそれぞれ設置された左挟持ブロック、右挟持ブロックと、を含み、前記左挟持ブロック、前記右挟持ブロックの対向する面の中央に長手方向に沿ってV字状又は台形凹溝が設けられ、前記左挟持ブロック、前記右挟持ブロックの長さは、前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域外径の3~4倍であることを特徴とする、請求項1に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項4】
前記左挟持ブロック、前記右挟持ブロックのV字状又は台形凹溝内の両側面に若干のトレンチが等間隔に設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項5】
前記左支持アーム、前記右支持アームは、C字状構造を呈することを特徴とする、請求項3又は4に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項6】
前記位置決め爪は、アンギュラーシリンダと、前記アンギュラーシリンダの両スイングアームの上に設置される左位置決め指、右位置決め指と、を含み、前記左位置決め指、前記右位置決め指は、それぞれ基部及び基部の先端に位置する挟持部を含み、前記挟持部は、V字状を呈し、その内底部が弧形凹面であり、前記左位置決め指、前記右位置決め指が交差閉鎖して囲んだ位置決め空間範囲と前記測温ガンの前記ガンボディの外径とはマッチングし、かつ、前記左位置決め指、前記右位置決め指が交差閉鎖して囲んだ位置決め空間の中心線と、前記クランプ爪の左挟持ブロック、右挟持ブロックの閉鎖によって形成された挟持空間の中心線とが同一の軸線であることを特徴とする、請求項1に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項7】
前記検出装置は、非接触式距離センサであることを特徴とする、請求項1に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項8】
前記トレンチの深さは5~10mmであり、隣接するトレンチの配置間隔は30~40mmであることを特徴とする、請求項4に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項9】
前記挟持部V字状の両端部の内側面に弧形面取りが設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項10】
前記非接触式距離センサはレーザーセンサであることを特徴とする、請求項7に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システム。
【請求項11】
請求項1~
4又は6~10のいずれか1項に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システムの交換方法において、
1)前記6軸ロボットが前記治具を動かして前記測温ガンに接近させ、前記治具の前記検出装置により走査し、前記測温ガンの位置を検出し、それから、前記放置棚まで運動し、前記治具の前記クランプ爪を用いて前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域を把持し、前記検出装置により前記測温サンプリングプローブの前記治具の前記クランプ爪における位置が軸心にあるか否かを確認するステップと、
2)前記6軸ロボットが前記測温サンプリングプローブを動かして前記測温ガンの前記ヘッド部に接近させ、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が交差閉鎖し、前記測温ガンの前記ヘッド部を両者で囲んだ位置決め空間に包囲した後、前記クランプ爪が前記測温サンプリングプローブを把持して、前記測温ガンの前記ヘッド部を測温サンプリングプローブに挿入して嵌着させ、前記測温ガンの前記ヘッド部が前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域内部の少なくとも30mmに入った後、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が前記測温ガンを放し、その後、前記6軸ロボットは前記測温サンプリングプローブを動かして前記測温ガン上の嵌着を完成させ、その後、前記6軸ロボットが前記測温ガンから離脱し、前記測温ガンが前記溶融金属取鍋に入るように測温サンプリングプローブを降下させて、溶融金属の温度を検出し、溶融金属試料を取得するステップと、
3)測温、サンプリング作業が完了した後、前記測温ガンが上昇し、前記6軸ロボットは前記治具を動かして前記測温ガンの上部に接近させ、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が対向運動して前記測温ガンの前記上部を把持して位置決めを行い、続いて、前記クランプ爪の左挟持ブロック、右挟持ブロックが対向運動し、前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域をクランプした後、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が前記測温ガンを放し、前記クランプ爪が前記6軸ロボットに動かされたことで、前記測温サンプリングプローブを前記測温ガンから抜き取るステップと、
4)前記6軸ロボットは前記治具を動かして前記測温サンプリングプローブの前記サンプリング領域を前記剪断機に送り込み、前記測温サンプリングプローブの前記サンプリング領域を切り取った後、前記6軸ロボットは前記治具を動かして前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域部分をスクラップボックスに持ってくると共に、前記クランプ爪の左挟持ブロック、右挟持ブロックが分離し、前記測温サンプリングプローブの前記挟持領域を前記スクラップボックスに投げ込み、前記6軸ロボットが待機位置に戻るステップと、を含むことを特徴とする冶金測温サンプリングプローブの交換システムの交換方法。
【請求項12】
ステップ3)で、前記クランプ爪が前記6軸ロボットに動かされたことで前記測温サンプリングプローブを前記測温ガンから抜き取った後、前記位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が再び閉鎖し、もし位置決め爪の左位置決め指、右位置決め指が完全に閉鎖すると、前記測温サンプリングプローブが完全に前記測温ガンから抜き取られたことをさらに確認することを特徴とする、請求項11に記載の冶金測温サンプリングプローブの交換システムの交換方法。
【国際調査報告】