(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】非地上無線ネットワーク(NTN)におけるアップリンク送信
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0453 20230101AFI20241001BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20241001BHJP
H04W 8/24 20090101ALI20241001BHJP
H04B 7/155 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H04W72/0453
H04W84/06
H04W8/24
H04B7/155
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513400
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2021115405
(87)【国際公開番号】W WO2023028771
(87)【国際公開日】2023-03-09
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】スン ハイトン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ダウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ダン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ルオヘン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ ホン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ウェイドン
(72)【発明者】
【氏名】バー-サーデ イダン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユシュ
(72)【発明者】
【氏名】イェ チュンシュアン
【テーマコード(参考)】
5K067
5K072
【Fターム(参考)】
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE07
5K067EE10
5K067EE67
5K067HH21
5K067JJ11
5K067JJ21
5K072AA29
5K072BB02
5K072BB13
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5K072DD03
5K072DD11
5K072DD16
5K072GG02
5K072GG12
5K072GG13
5K072HH01
5K072HH02
(57)【要約】
ユーザ機器(UE)が、UEに利用可能である全地球航法衛星システム(GNSS)情報なしに、非地上無線ネットワーク(NTN)におけるUEから基地局へのアップリンク送信のための送信周波数又はタイムアドバンスを決定するための機構が提供される。UEと基地局との間の通信接続が確立され得る。UEは、GNSS情報が利用可能でないと決定し、GNSS情報が利用可能でないことを基地局に報告することができる。UEは、アップリンク送信を同期させるために、UEからのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示を基地局から受信することができる。UEは、現在の送信周波数と、1つ以上のパラメータの受信された指示とに基づいて、次の送信周波数を決定し、決定された次の送信周波数においてアップリンク送信を送信することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)との無線通信を実行するための方法であって、
非地上無線ネットワーク(NTN)において基地局との通信接続を確立することと、
全地球航法衛星システム(GNSS)情報が前記UEに利用可能ではないと決定することと、
前記GNSS情報が利用可能でないことを前記基地局に報告することと、
前記基地局への前記報告に基づいて、前記UEからのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示を前記基地局から受信することと、
現在の送信周波数と前記1つ以上のパラメータの前記受信された指示とに基づいて、前記現在の送信周波数とは異なる次の送信周波数を決定することと、
前記決定された次の送信周波数において前記アップリンク送信を送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記UEが静止UEであることを前記基地局に報告することと、
前記UEの全地球航法衛星システム(GNSS)ロケーションを前記基地局に報告することと、
前記GNSSロケーション追跡を停止することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UEが、前記基地局から前記1つ以上のパラメータの前記指示を周期的に受信する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のパラメータの前記指示が、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)メッセージ、ダウンリンク制御インジケータ(DCI)メッセージ、構成されたグラント構成メッセージ、又は無線リソース制御(RRC)構成メッセージ中に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のパラメータの前記指示が、前記UEが前記現在の送信周波数から前記次の送信周波数に調整するための周波数オフセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記現在の送信周波数と前記次の送信周波数との間の前記周波数オフセットは、基本オフセットYの1つ以上に等しい相対周波数オフセットである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記周波数オフセットが、基本オフセットYの1つ以上に等しい絶対周波数オフセットである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記周波数オフセットが、周波数ドリフトレート及び2つのアップリンク送信間の時間差に関係する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のパラメータの前記指示が、構成されたグラント構成メッセージ中に含まれ、前記1つ以上のパラメータの前記指示が、前記UEが複数のアップリンク送信のために、前記現在の送信周波数から前記次の送信周波数に調整するための周波数オフセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のパラメータの前記指示が、前記アップリンク送信のためのタイムアドバンスを含み、前記タイムアドバンスが、タイミングドリフトレートと、2つのアップリンク送信間の時間差とに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記非地上無線ネットワークが衛星を含み、前記基地局が前記衛星上に配置された送受信機と通信している、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
非地上無線ネットワーク(NTN)における無線通信を可能にするように構成された送受信機と、
前記送受信機と通信可能に連結されたプロセッサと、を備えるユーザ機器(UE)であって、前記プロセッサが、
前記NTN内の基地局との通信接続を確立し、
全地球航法衛星システム(GNSS)情報が前記UEに利用可能ではないと決定し、
前記GNSS情報が利用可能でないことを前記基地局に報告し、
前記基地局への前記報告に基づいて、前記UEからのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示を前記基地局から受信し、
現在の送信周波数と前記1つ以上のパラメータの前記受信された指示とに基づいて、次の送信周波数を決定し、
前記決定された次の送信周波数において前記アップリンク送信を送信する、ように構成されている、ユーザ機器(UE)。
【請求項13】
前記プロセッサが、
前記UEが静止UEであることを前記基地局に報告し、
前記UEの全地球航法衛星システム(GNSS)ロケーションを前記基地局に報告し、
前記GNSSロケーション追跡を停止する、ように更に構成されている、請求項12に記載のUE。
【請求項14】
前記UEが、前記基地局から前記1つ以上のパラメータの前記指示を周期的に受信する、請求項12に記載のUE。
【請求項15】
前記1つ以上のパラメータの前記指示が、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)メッセージ、ダウンリンク制御インジケータ(DCI)メッセージ、構成されたグラント構成メッセージ、又は無線リソース制御(RRC)構成メッセージ中に含まれる、請求項12に記載のUE。
【請求項16】
前記1つ以上のパラメータの前記指示が、前記UEが前記現在の送信周波数から前記次の送信周波数に調整するための周波数オフセットを含む、請求項12に記載のUE。
【請求項17】
前記現在の送信周波数と前記次の送信周波数との間の前記周波数オフセットは、基本オフセットYの1つ以上に等しい相対周波数オフセットである、請求項16に記載のUE。
【請求項18】
前記1つ以上のパラメータの前記指示が、前記アップリンク送信のためのタイムアドバンスを含み、前記タイムアドバンスが、タイミングドリフトレートと、2つのアップリンク送信間の時間差とに基づく、請求項12に記載のUE。
【請求項19】
ユーザ機器(UE)のプロセッサによって実行されたとき、前記UEに動作を実行させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記動作が、
非地上無線ネットワーク(NTN)において基地局との通信接続を確立することと、
全地球航法衛星システム(GNSS)情報が前記UEに利用可能ではないと決定することと、
前記GNSS情報が利用可能でないことを前記基地局に報告することと、
前記基地局への前記報告に基づいて、前記UEからのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示を前記基地局から受信することと、
現在の送信周波数と前記1つ以上のパラメータの前記受信された指示とに基づいて、次の送信周波数を決定することと、
前記決定された次の送信周波数において前記アップリンク送信を送信することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記1つ以上のパラメータの前記指示が、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)メッセージ、ダウンリンク制御インジケータ(DCI)メッセージ、構成されたグラント構成メッセージ、又は無線リソース制御(RRC)構成メッセージ中に含まれる、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明される態様は、概して、非地上無線ネットワーク(NTN)におけるユーザ機器(UE)からのアップリンク送信の同期を含む、NTNに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、第5世代(5G)システム、新無線(NR)システム、ロングタームエボリューション(LTE)システム、それらの組み合わせ、又は何らかの他の無線システムを含み得る。加えて、無線通信システムは、とりわけ、高度化モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broad band)、大量マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communications)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:ultra-reliable and low-latency communications)、高度化車車間/路車間通信(eV2X:enhanced vehicle to anything communications)など、広範囲の使用事例をサポートし得る。非地上ネットワークのためのサポートを可能にすることは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)における探求の1つの方向であった。
【発明の概要】
【0003】
本開示のいくつかの態様は、ユーザ機器(UE)が、非地上無線ネットワーク(NTN)におけるUEから基地局へのアップリンク送信のための送信周波数又はタイムアドバンスを決定するための技術を実装するための装置及び方法に関する。実施形態では、全地球航法衛星システム(GNSS)情報は、アップリンク送信の同期のためにUEに利用可能ではない。UEは、UEへのドップラー周波数シフトを克服するために、基地局から受信された1つ以上のパラメータの指示に基づいて、アップリンク送信のための送信周波数又はタイムアドバンスを決定する。実装される技術は、多くの無線システム、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)リリース15(Rel-15)、リリース16(Rel-16)、リリース17(Rel-17)、又はそれ以上に基づく無線通信システムに適用可能であり得る。
【0004】
本開示のいくつかの態様はUEに関する。UEは、NTNにおける無線通信を可能にするように構成された送受信機と、送受信機に通信可能に結合されたプロセッサと、を含み得る。プロセッサは、NTN内の基地局との通信接続を確立することができる。NTNは衛星を含むことができ、基地局は衛星上に配置された送受信機と通信する。プロセッサは、GNSS情報がUEに利用可能でないことを決定することができる。プロセッサは、GNSS情報が利用可能でないことを基地局に報告することができる。その後、プロセッサは、アップリンク送信を同期させるために、UEからのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示を基地局から受信することができる。プロセッサは更に、現在の送信周波数と1つ以上のパラメータの受信された指示とに基づいて、次の送信周波数を決定し、ドップラー周波数シフトを克服するために、決定された次の送信周波数において、アップリンク送信を送信することができる。
【0005】
いくつかの態様によれば、UEは、基地局によって検出されたトリガイベントに応じて、又は基地局から周期的に、1つ以上のパラメータの指示を受信することができる。1つ以上のパラメータの指示は、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)メッセージ、ダウンリンク制御インジケータ(DCI)メッセージ、構成されたグラント構成メッセージ、無線リソース制御(RRC)構成メッセージ、又は基地局からUEへの何らかの他の制御メッセージ中に含まれることができる。
【0006】
いくつかの態様によれば、1つ以上のパラメータの指示は、UEが現在の送信周波数から次の送信周波数に調整するための周波数オフセットを含むことができる。周波数オフセットは、基本オフセットYのうちの1つ以上に等しい相対周波数オフセットであり得る。追加及び代替として、周波数オフセットは、基本オフセットYのうちの1つ以上に等しい絶対周波数オフセットであり得る。いくつかの実施形態では、周波数オフセットは、周波数ドリフトレートと2つのアップリンク送信間の時間差とに関係し得る。
【0007】
いくつかの態様によれば、1つ以上のパラメータの指示は、構成されたグラント構成メッセージ中に含まれることができ、1つ以上のパラメータの指示は、UEが複数のアップリンク送信のために、現在の送信周波数から次の送信周波数に調整するための周波数オフセットを含む。
【0008】
いくつかの態様によれば、1つ以上のパラメータの指示が、アップリンク送信のためのタイムアドバンスを含み、タイムアドバンスが、タイミングドリフトレートと、2つのアップリンク送信間の時間差とに基づく。
【0009】
いくつかの態様によれば、プロセッサは、UEが静止UEであることを基地局に報告し、UEのGNSSロケーションを基地局に報告し、更にGNSSロケーション追跡を停止することができる。
【0010】
いくつかの態様によれば、NTN内のUEによって無線通信を実行する方法は、NTN内の基地局との通信接続を確立することと、UEからのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示を基地局から受信することと、現在の送信周波数又は1つ以上のパラメータの受信された指示に基づいて、現在の送信周波数とは異なる次の送信周波数を決定することと、決定された次の送信周波数において、アップリンク送信を送信することと、を含むことができる。
【0011】
この発明の概要は、本明細書に記載の主題の理解を提供するためにいくつかの態様を例示する目的で単に提供されている。したがって、上記の特徴は、単に例であり、本開示における主題の範囲又は精神を狭めると解釈されるべきでない。本開示の他の特徴、態様、及び利点は、以下の発明を実施するための形態、図、及び特許請求の範囲から明らかになる。
【0012】
本明細書に組み込まれており本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示を例示し、説明と一緒に、本開示の原理を説明するために、及び当業者(単数又は複数)が本開示を成す及び使用することを可能にするために更に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示のいくつかの態様による、アップリンク送信を送信するためのユーザ機器(UE)を含む非地上無線ネットワーク(NTN)を示す図である。
【
図2】本開示のいくつかの態様による、NTNにおいてアップリンク送信を送信するための送受信機を含むUEのブロック図を示す図である。
【
図3】本開示のいくつかの態様による、NTNにおいてアップリンク送信を送信するためにUEによって実行される例示的なプロセスを示す図である。
【
図4A】本開示のいくつかの態様による、NTNにおいてアップリンク送信を送信するためにUEによって実行される例示的なプロセスを示す図である。
【
図4B】本開示のいくつかの態様による、NTNにおいてアップリンク送信を送信するためにUEによって実行される例示的なプロセスを示す図である。
【
図4C】本開示のいくつかの態様による、NTNにおいてアップリンク送信を送信するためにUEによって実行される例示的なプロセスを示す図である。
【
図5】本明細書で提供される本開示のいくつかの態様又はその一部(単数又は複数)を実施するコンピュータシステム例を示す図である。
【0014】
本開示は、添付の図面を参照して記載されている。図面において、概して、同様の参照番号は、同一の又は機能的に同様の要素を示す。加えて、全体的に、参照番号の一番左側の桁(単数又は複数)は、参照番号が最初に出現する図面を特定する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
非地上無線ネットワーク(NTN)は、非地上ネットワークと呼ばれることがある。NTNは、非地上飛行物体を含む任意のネットワークを指すことができる。NTNは、衛星通信ネットワーク、高高度プラットフォームシステム(HAPS)、空対地ネットワーク、低高度無人航空機(UAV、別名、ドローン)、又は任意の他のNTNネットワークを含むことができる。NTN内のユーザ機器(UE)又は衛星の相対的移動に起因して、UEは、ドップラー周波数シフトを受け、基地局との同期を失う可能性がある。
【0016】
従来、NTNにおける無線通信の場合、UEの全地球航法衛星システム(GNSS)ロケーションに基づいてドップラー周波数シフトを克服するために、UEによってアクションがとられ得る。GNSS能力を有するUEは、そのポジションに基づいて、UEと衛星との間の相対速度、並びにUEと衛星との間の往復時間(RTT)を計算することができる。相対速度から、UEは、そのサービスリンク又はアップリンク信号が衛星又は基地局において所望の周波数で受信されることを保証するために、ドップラー周波数シフトに対する事前補償を計算し、適用することができる。
【0017】
しかしながら、UEのための電力を節約するためなどの様々な理由により、UEのGNSSロケーションがUEにとって利用可能でない状況がある。GNSS情報なしでは、UEは、それ自体でドップラー周波数シフトの事前補償を計算し、適用することができない。したがって、サービスリンクドップラー周波数シフトは、UE及び基地局に同期を失わせる可能性がある。したがって、GNSS情報なしにNTN内のUEのための無線通信をサポートすることが課題になる。
【0018】
本開示のいくつかの態様は、アップリンク送信のためにUEに利用可能なGNSS情報なしに、NTN内のUEから基地局へのアップリンク送信のための送信周波数又はタイムアドバンスをUEが決定するための機構を提供する。GNSS情報に基づいてUEによるドップラー周波数シフトの事前補償を計算する代わりに、基地局は、UEに対するドップラー周波数シフトの事前補償を計算し、ドップラー周波数シフトの事前補償をアップリンク送信のパラメータとしてUEに送信することができる。アップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示は、基地局によってUEに送信され得る。したがって、UEは、現在の送信周波数又は1つ以上のパラメータの受信された指示に基づいて、現在の送信周波数とは異なる次の送信周波数を決定することができる。UEは更に、ドップラー周波数シフトが克服され得るように、決定された次の送信周波数でアップリンク送信を送信することができる。本明細書で提示される機構は、基地局がUEアップリンク送信を同期させるための閉ループ周波数同期技術と呼ばれることがある。
【0019】
図1は、本開示のいくつかの態様による、アップリンク送信を送信するためのUE101を含むNTN100を示す。無線システム100は、例示のみを目的として提供されており、開示の態様を限定するものではない。
【0020】
NTN100は、UE101、基地局103、衛星102、ゲートウェイ104、及びコアネットワーク105を含むことができるが、これらに限定されない。UE101は、サービスリンク111を介して衛星102と通信し、衛星102は、フィーダリンク113を介してゲートウェイ104と通信する。サービスリンク111は、ダウンリンク112及びアップリンク114を含むことができる。衛星102は、無線通信のためのネットワークノード又は送受信機を含むことができる。NTN100の様々な実装形態があり得る。例えば、基地局103及びゲートウェイ104は、別個の構成要素である代わりに、1つのユニットに統合されてもよい。基地局103及びコアネットワーク105は、衛星を伴わない通常の地上無線ネットワークとして機能を実装してもよく、ゲートウェイ104は、地上無線ネットワークと衛星102との間の機能を実装してもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、NTN100は、透過ペイロードを有することができ、基地局103は、地上に位置する。いくつかの実施形態では、NTN100は、基地局103が衛星102上に位置し得るとき、再生ペイロードを有し得る。互いに通信するオンボード基地局を有する複数の衛星があってもよい。他のネットワークエンティティ、例えば、ネットワークコントローラ、中継局(図示せず)が存在することができる。NTNは、無線ネットワーク、無線通信システム、又は当業者に知られている何らかの他の名前で呼ばれることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、NTN100は、非地上飛行物体、例えば、衛星102を有するNTNであり得る。いくつかの実施形態では、NTN100は、衛星102を含む衛星通信ネットワーク、HAPS、又は空対地ネットワーク、又はUAVを含むことができる。NTN100には複数の衛星が存在し得る。衛星102は、低地球軌道(LEO)衛星、中地球軌道(MEO)衛星、又は静止地球軌道(GEO)衛星とすることができる。NTN100は、HAPSとすることができ、HAPSは、航空機、気球、及び飛行船を含む航空プラットフォームとすることができる。例えば、NTN100は、HIBSとして知られる国際移動通信基地局を含むことができる。HIBSシステムは、地上モバイルネットワークによって使用される同じ送信周波数でモバイルサービスを提供することができる。NTN100は、地上モバイルネットワーク内の基地局と同様の役割を果たす地上局を利用することによって、航空機に飛行中の接続性を提供するための空対地ネットワークであり得る。NTN100は、モバイル対応低高度UAVであってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、衛星102は、35786Kmの高度に配備されたGEO衛星とすることができ、地球上の点に対するその軌道ポジションの周りの遅い動きによって特徴付けられる。地上セルラーシステムと比較して、GEO衛星に基づく通信ネットワークは、衛星ネットワークの全体的な設計において考慮されなければならない大きな伝搬遅延及び高い伝搬損失を有する。追加的及び代替的に、衛星102は、300~3000kmの高度におけるLEO衛星であり得る。結果として、衛星102は、GEO衛星よりも低い伝搬遅延、低い伝搬損失、及び高いドップラー周波数シフトを有することができる。
【0024】
いくつかの態様によれば、基地局103は、固定局、又はモバイル局であり得る。いくつかの実施形態では、基地局103は、衛星102に搭載され得る。基地局103は、ベース送受信機システム(BTS)、アクセスポイント(AP)、送/受信ポイント(TRP)、発展型ノードB(eNB)、次世代ノードB(gNB)、5GノードB(NB)、又はその他の同等の用語など、他の名称で呼ばれることもある。
【0025】
いくつかの態様によれば、UE101は、静止、又はモバイルであり得る。UE101は、パラボラアンテナを装備し、典型的には建物又は車両に搭載されたハンドヘルド端末又は超小型衛星通信地球局(VSAT)であり得る。UE101は、セルラーフォン(例えばスマートフォン)、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、無線通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップ、デスクトップ、コードレスフォン、無線ローカルループ局、タブレット、カメラ、ゲーミングデバイス、ネットブック、ウルトラブック、医療デバイス若しくは機器、生体センサー若しくはデバイス、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマート衣類、スマート眼鏡、スマートリストバンド、スマートリング若しくはスマートブレスレットなどのスマートジュエリー)、エンターテインメントデバイス(例えば、音楽若しくはビデオデバイス、又は衛星ラジオ)、車両構成要素、スマートメーター、工業製造機器、全地球測位システムデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、マシンタイプ通信(MTC)デバイス、発展型若しくは高度化マシンタイプ通信(eMTC)デバイス、又は、無線媒体を介して通信するように構成されたどのような他の好適なデバイスでもあり得る。例えば、MTC及びeMTCデバイスは、ロボット、ドローン、ロケーションタグなどを含み得る。
【0026】
いくつかの態様によれば、サービスリンク111は、ダウンリンク112及びアップリンク114を含むことができる。UE101と衛星102との相対的な移動により、UE101は、ドップラー周波数シフトを受け、基地局103との同期を失う可能性がある。ドップラー周波数シフトは、波源が観測者に対して移動しているとき、又はその逆のときに観測することができる。この移動は、観測者に関して周波数の変化を生成し、供給源及び観測者は、それぞれ衛星102及びUE101であり得る。観測者であり得る衛星102が媒体に対して静止している状態で、移動源であり得るUE101が実際の周波数を有する波を放出する場合、衛星102は、実際の周波数とは異なる周波数を有する波を検出することができ、差はドップラー周波数シフトによって引き起こされる。同様の状況は、衛星102が移動するときに観察され得る。衛星通信では、ドップラー周波数シフトを補償する必要がある。高速移動衛星は、地上局に対して数十キロヘルツのドップラー周波数シフトを有する可能性がある。速度、したがってドップラー周波数シフトの大きさは、地球の曲率によって変化する。衛星が一定周波数信号を受信するように、信号の周波数が送信中に漸進的に変更される動的ドップラー補償が使用される。
【0027】
通常、ドップラー周波数シフトに対する動的ドップラー補償は、UE101のロケーション、例えば、GNSSロケーションに基づいて計算される。例えば、GNSS能力を有するUE101は、そのポジションに基づいて、GNSSロケーション121、及びUE101と衛星102との間の相対速度、並びにUE101と衛星102との間のRTTを計算することができる。相対速度から、UE101は、そのサービスリンク111又はアップリンク信号が所望の周波数上で衛星102又は基地局103において受信されることを保証するために、ドップラー周波数シフトに対する事前補償を計算し、適用することができる。
【0028】
しかしながら、様々な理由により、UE101のGNSSロケーションがUE101にとって利用可能でない状況がある。いくつかの実施形態では、コストを節約するために、UE101は、GNSS能力を有していないことがある。いくつかの他の実施形態では、UE101は、GNSS能力を有し得るが、UE101のための電力を節約するためにGNSS能力を使用することを停止することを決定し得る。GNSS情報なしでは、UE101は、それ自体でドップラー周波数シフトの事前補償を計算し、適用することができない。したがって、サービスリンク111のドップラー周波数シフトは、UEと基地局との同期を失わせる可能性がある。
【0029】
いくつかの態様によれば、ドップラー周波数シフトの事前補償を計算する代わりに、UE101は、ダウンリンク112を介して、UE101からアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示115を受信することができる。より具体的には、UE101は、ダウンリンク112とアップリンク114の両方を含み得る、基地局103との通信接続を確立することができる。UE101は、基地局103から、UE101からのアップリンク114を介したアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示115を受信することができる。現在の送信周波数123又は1つ以上のパラメータの受信された指示115に基づいて、UE101は、UE101と衛星102との間のドップラー周波数シフトを補償するために、現在の送信周波数123とは異なる次の送信周波数125を決定することができる。その後、UE101は、決定された次の送信周波数においてアップリンク送信を送信することができる。
【0030】
いくつかの態様によれば、UE101は、
図2に示すようなブロック図に従って実装され得る。
図2を参照すると、UE101は、送受信機203に結合され、プロセッサ209によって制御される様々な送信ビーム、例えば、送信ビーム213を形成するための1つ以上のアンテナ要素を含むアンテナパネル217を有することができる。送受信機203及びアンテナパネル217(送信ビーム213を使用する)は、無線ネットワークにおける無線通信を可能にするように構成され得る。詳細には、送受信機203は、無線周波数(RF)回路216、送信回路212、及び受信回路214を含み得る。RF回路216は、送信機能又は受信機能のうち1つ以上のための複数の並列RFチェーンを含み得、その各々はアンテナパネルの1つ以上のアンテナ素子に接続されている。加えて、プロセッサ209はメモリ201に通信可能に結合され得、メモリデバイス201は更に送受信機203に更に結合されている。様々なデータをメモリ201に記憶することができる。いくつかの例では、メモリ201は、UE101からのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示115、現在の送信周波数123、次の送信周波数125、又は他の情報を記憶することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、メモリ201は、プロセッサ209によって実行されたとき、本明細書で説明する動作、例えば、UE101と衛星102との間のドップラー周波数シフトを補償するための動作を実行する命令を含むことができる。代替的に、プロセッサ209は、本明細書で説明する動作を実行するように「ハードコード」され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、プロセッサ209は、基地局103との通信接続を確立するように構成され得る。プロセッサ209は、GNSS情報121がUEに利用可能でないことを決定することができる。プロセッサ209は、送受信機203を介して、GNSS情報121が利用可能でないことを基地局103に報告することができる。その後、プロセッサ209は、基地局103から、UE101からのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示115を受信することができる。プロセッサ209は、現在の送信周波数123又は1つ以上のパラメータの受信された指示115に基づいて、次の送信周波数125を更に決定し、決定された次の送信周波数125においてアップリンク送信を送信することができる。
【0033】
いくつかの態様によれば、UE101は、基地局103から周期的に1つ以上のパラメータの指示115を受信することができる。1つ以上のパラメータを有する指示115は、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)メッセージ、ダウンリンク制御インジケータ(DCI)メッセージ、構成されたグラント構成メッセージ、無線リソース制御(RRC)構成メッセージ、又は何らかの他の制御メッセージ中に含まれることができる。
【0034】
いくつかの態様によれば、1つ以上のパラメータの指示115は、UE101が現在の送信周波数125から次の送信周波数123に調整するための周波数オフセットの指示を含むことができる。周波数オフセットは、基本オフセットYの1つ以上に等しい相対周波数オフセットであり得る。言い換えれば、次の送信周波数125と現在の送信周波数123との間の周波数差は、基本オフセットYの倍数に等しい。追加及び代替として、周波数オフセットは、基本オフセットYのうちの1つ以上に等しい絶対周波数オフセットであり得る。言い換えれば、次の送信周波数125は、現在の送信周波数123に関わらず、基本オフセットYの倍数に等しい。いくつかの実施形態では、周波数オフセットは、周波数ドリフトレート及び2つのアップリンク送信間の時間差に関係し得る。
【0035】
いくつかの態様によれば、1つ以上のパラメータの指示115は、構成されたグラント構成メッセージ中に含まれることができ、1つ以上のパラメータの指示は、UEが複数のアップリンク送信のために、現在の送信周波数123から次の送信周波数125に調整するための周波数オフセットを含む。
【0036】
いくつかの態様によれば、1つ以上のパラメータの指示115が、アップリンク送信のためのタイムアドバンスを含み、タイムアドバンスの指示が、タイミングドリフトレート及び2つのアップリンク送信間の時間差に基づく。
【0037】
いくつかの態様によれば、プロセッサ209は、UE101が静止UEであることを基地局103に報告し、UE101のGNSSロケーションを基地局103に報告し、更にGNSSロケーション追跡を停止することができる。
【0038】
図3は、本開示のいくつかの態様による、NTNにおいてアップリンク送信を送信するためにUEによって実行される例示的なプロセス300を示す図である。いくつかの態様によれば、
図3に示されるように、プロセス300は、UE101によって実行され得る。
【0039】
301において、UE101は、NTN内の基地局との通信接続を確立することができる。例えば、
図1に示すように、UE101は、NTN100内の基地局103との通信接続を確立することができる。通信接続は、サービスリンク111及びフィーダリンク113を含んでもよく、サービスリンク111は、アップリンク114及びダウンリンク112を含むことができ、フィーダリンク113は、衛星102とゲートウェイ104との間の通信リンクを提供する。
【0040】
303において、UE101は、基地局から、UEからのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示を受信できる。例えば、
図1に示されているように、UE101は、基地局103から、UEからのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示115を受信することができる。UE101は、指示115を保存することができる。
【0041】
305において、UE101は、現在の送信周波数又は1つ以上のパラメータの受信された指示に基づいて、現在の送信周波数とは異なる次の送信周波数を決定することができる。例えば、
図1に示されるように、UE101は、現在の送信周波数123又は1つ以上のパラメータの受信された指示115に基づいて、現在の送信周波数とは異なる次の送信周波数125を決定することができる。現在の送信周波数123と次の送信周波数125との間の周波数差は、UE101へのドップラー周波数シフトを補償するためのものである。現在の送信周波数123と次の送信周波数125との間の周波数差は、GNSS情報に基づいてUE101によって計算される代わりに、基地局103からの1つ以上のパラメータの受信された指示115に基づいて決定され得る。
【0042】
307において、UE101は、決定された次の送信周波数においてアップリンク送信を送信することができる。例えば、
図1に示されているように、UE101は、決定された次の送信周波数125においてアップリンク送信を送信することができる。
【0043】
図4A~
図4Cは、本開示のいくつかの態様による、NTNにおいてアップリンク送信を送信するためにUEによって実行される例示的なプロセス、例えば、プロセス400、プロセス410、及びプロセス420を示す。プロセス400、プロセス410、及びプロセス420は、より多くの、より少ない、又は異なる詳細で示されたプロセス300の例であり得る。
【0044】
プロセス400が
図4Aに示されており、アップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示が媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)メッセージによって搬送される。
【0045】
401において、UE101は、基地局103との通信接続を確立することができる。通信接続は、サービスリンク111及びフィーダリンク113を含んでもよく、サービスリンク111は、アップリンク114及びダウンリンク112を含むことができる。401において実行される動作は、301において実行される動作の例であり得る。
【0046】
402において、UE101は、GNSS情報がUE101にとって利用可能でないと決定し、GNSS情報が利用可能でないことを基地局103に報告することができる。UE101は、ダウンリンク受信周波数に基づく開ループ周波数調整から、基地局103からの明示的な制御に基づく閉ループ周波数調整に切り替えることができる。したがって、UE101は、ダウンリンク112におけるダウンリンク受信周波数をアップリンク114におけるアップリンク送信周波数から分離することができる。
【0047】
403において、基地局103への報告に基づいて、UE101は、1つ以上のパラメータの指示115を受信することができ、指示115は、MAC CEメッセージによって搬送されることができ、時間同期及び周波数同期の両方の目的のためにタイムアドバンス又は周波数オフセット更新を含むことができる。403において実行される動作は、303において実行される動作の例であり得る。いくつかの実施形態では、指示115は、周波数オフセット更新とタイムアドバンスの両方を含むことができる。一般に、GNSSを有さないUE101は、周波数同期と時間同期の両方を失う可能性がある。したがって、指示115が周波数オフセット更新及びタイムアドバンスの両方を含むとき、ドップラー周波数シフト及び時間同期の喪失に起因するUE101における時間誤差と周波数誤差の両方を補正するのを助けることができる。指示115は、固定された期間で周期的に送信されてもよく、イベントトリガされてもよい。例えば、基地局103は、UE101からの受信が性能閾値未満であることを基地局103が検出した場合、指示115を送信することができる。
【0048】
405において、UE101は、MAC CEメッセージによって示された周波数オフセット更新を適用し、現在の送信周波数123又は受信された指示115に基づいて、現在の送信周波数123とは異なる次の送信周波数125を決定することができる。いくつかの実施形態では、UE101は、MAC CEメッセージを受信してからXms後、例えば、3ms後に、MAC CEメッセージ中に示された周波数オフセットを適用することができる。405において実行される動作は、305において実行される動作の例であり得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、指示115に含まれ、MAC CEメッセージによって搬送される周波数オフセット更新は、+/-XHzの周波数補正範囲を有する相対周波数オフセットであり得る。いくつかの実施形態では、Aビットのストリングが、相対周波数オフセットを示すために使用され得る。FAは、自然な表現としてAビットシーケンスから導出することができる。例えば、指示「00101」は、送信周波数への調整の指示であるFA=5を示すことができる。いくつかの実施形態では、Aは、周波数オフセットグループ識別子を有するバイトに収まるように8ビット未満であり得る。いくつかの実施形態では、周波数オフセットは、基本オフセットYHzのうちの1つ以上に等しくなり得る。詳細には、Fnewとして示される次の周波数125は、Fnew=Fold+(FA-Z)*Yとして計算することができ、ここで、Foldは現在の周波数123であり、Z=2A-1-1又はZ=2A-1である。更に、あるいは、Fnewは、Fnew=Fold+(FA-Z)*Y*2μとして計算することができ、Z=2A-1-1又はZ=2A-1である。基本オフセットYは、サブキャリア間隔に依存し得る。サブキャリア間隔が大きい場合には、Yの値を大きくすることができ、サブキャリア間隔が小さい場合には、Yの値を小さくすることができる。例えば、Yは、サブキャリア間隔の特定の割合であり得る。加えて、Yは、衛星配備シナリオに依存し得る。衛星102がGEOである場合、Yはより小さい値を有し得るが、衛星102がLEOである場合、Yはより大きい値を有し得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、指示115に含まれ、MAC CEメッセージによって搬送される周波数オフセット更新は、絶対周波数オフセットであり得る。絶対周波数オフセットに合計Aビットのストリングが使用されると仮定すると、FAは、自然な表現としてAビットシーケンスから導出することができる。次の送信周波数Fnewは、Fnew=FA*Yと計算できる。追加及び代替として、次の送信周波数Fnewは、Fnew=FA*Y*2μとして計算することができる。基本オフセットYは、サブキャリア間隔に依存し得る。サブキャリア間隔が大きい場合には、Yの値を大きくすることができ、サブキャリア間隔が小さい場合には、Yの値を小さくすることができる。例えば、Yは、サブキャリア間隔の特定の割合であり得る。加えて、Yは、衛星配備シナリオに依存し得る。衛星102がGEOである場合、Yはより小さい値を有し得るが、衛星102がLEOである場合、Yはより大きい値を有し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、MAC CEメッセージを使用する代わりに、ダウンリンク制御インジケータ(DCI)メッセージが、UE101からのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示115を搬送するために使用され得る。指示115を搬送するためのDCIメッセージは、GNSS能力を有さないUEに適し得る。UEが常にGNSS信号を受信するとは限らない場合、UEは、対応する時間及び周波数補正指示が基地局103から送られ得るように、基地局103に報告し得る。UEは、ダウンリンク受信周波数に基づく開ループ周波数調整から、基地局103からの明示的な制御に基づく閉ループ周波数調整に切り替えることができる。UE101は、ダウンリンク受信周波数からアップリンク送信周波数を分離することができる。UE101が周波数オフセット更新を伴うDCIメッセージを受信するとき、UE101は、現在の送信周波数123である、最後のアップリンク送信において使用されたアップリンク周波数上に周波数オフセット更新を適用する。周波数オフセット更新のために、特定のタイムライン制限が適用され得る。
【0052】
DCIメッセージは、DCIフォーマット0_1又は0_2などの非フォールバックDCIであり得る。周波数オフセット情報を有するアップリンクグラントDCIは、PUSCH送信の周波数を調整するために使用され得る。周波数オフセット情報を有するダウンリンクグラントDCIは、PUCCH送信の周波数を調整するために使用され得る。いくつかの実施形態では、DCIメッセージは、周波数オフセット指示を含むように構成可能フィールドを有することができる。周波数オフセット指示を含むDCIメッセージは、レガシーDCIフォーマットとは異なり得る。例えば、周波数オフセット指示を含むDCIメッセージは、DCI巡回冗長検査(CRC)のスクランブリングに基づくことができ、新しい無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を使用して、周波数オフセット指示を有するDCIのCRCをスクランブルすることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、構成可能なテーブルを使用して、周波数オフセット更新値を示すことができる。DCIメッセージは、テーブルエントリを示すフィールドを有することができる。相対周波数オフセットは、(-Δ、0、Δ、2Δ)のように示されてもよい。Fnew=Fold+Yであり、ここでYはDCIメッセージによって示され、Foldは、以前のアップリンク送信において使用された現在の送信周波数123である。
【0054】
いくつかの実施形態では、他の制御メッセージが、MAC CEメッセージ又はDCIメッセージの代わりに使用されることができる。例えば、DCIによる動的アップリンクグラントの後のアップリンク構成グラントメッセージは、指示115を含むために使用され得る。いくつかの実施形態では、構成されたグラント構成メッセージは、周波数オフセットの指示115を含むことができる。構成されたグラント構成メッセージは、タイプ1又はタイプ2のいずれかの構成されたグラントであり得る。構成されたグラント構成メッセージが周波数オフセットギャップを搬送するために使用されるとき、周波数オフセットギャップは、構成されたグラント「周波数オフセットステップ」フィールドの各期間に適用可能であり得る。周波数オフセットギャップΔは、構成されたグラントにおいて各アップリンク送信に適用され得る。例えば、第1のアップリンク送信は、送信周波数fに基づき、次いで、第2のアップリンク送信はf+Δに基づくことができ、第3のアップリンク送信は、f+2Δなどに基づく。タイプ2の構成されたグラントの場合、「周波数オフセットステップ」は、このフィールドを含むアクティブ化DCIで示され得る。
【0055】
プロセス410が
図4Bに示され、ここで、アップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示が、静止しているUEに送信される。静止UEは、そのGNSSロケーションを基地局に報告し、RRC接続モードにおいて時間及び周波数同期を制御するために、基地局に依存し得る。
【0056】
411において、UE101は、基地局103との通信接続を確立することができ、ここで、UE101は静止している。401において実行される動作は、301において実行される動作の例であり得る。
【0057】
412において、UE101は、GNSSロケーションなど、そのGNSS情報を決定し、基地局103に報告することができる。静止UEは、初期段階(初期アクセス)においてそのGNSSロケーションを報告し得る。GNSSロケーションは、デバイスが最初にインストール又はアクティブ化されたときに構成され得る。UE101は、基地局103がUE101のためのアップリンク時間及び周波数同期を完全に制御することができるように、それが静止UEであることを基地局103に報告することができる。
【0058】
413において、基地局103への報告に基づいて、UE101は、ダウンリンク受信周波数に基づく開ループ周波数調整から、基地局103からの明示的な制御に基づく閉ループ周波数調整に切り替えることができる。静止UEは、そのGNSSロケーションを追跡する必要がなく、サービング衛星エフェメリス情報を読み取る必要がない。したがって、UE101は、GNSSロケーション追跡を停止することができ、これは、サービング衛星エフェメリスを有するシステム情報を読み取ることを回避することによって電力を節約することができる。したがって、UE101は、ダウンリンク112におけるダウンリンク受信周波数からアップリンク114におけるアップリンク送信周波数を分離することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、UE101は、1つ以上のパラメータの指示115を受信し、MAC CEメッセージによって示される周波数オフセット更新などの指示115を適用し、現在の送信周波数123又は受信された指示115に基づいて、現在の送信周波数123とは異なる次の送信周波数125を決定することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、周波数オフセットは、周波数ドリフトレート(Df)及び2つのアップリンク送信間の時間差に関係し得る。周波数ドリフトレートDfは、衛星移動に起因するサービスリンク111上のドップラー周波数シフトを捕捉するために、基地局103によってUE 101に示され得る。周波数オフセットはまた、基地局103によって示され得、それは、MAC CEメッセージ、DCIメッセージのRRC構成に含まれ得る。次の送信周波数は、Fnew=Fold+DfΔtに基づいて決定することができ、ここで、Δtは2つのアップリンク送信間の時間差とすることができる。Δtはタイマによって追跡することができ、周波数ドリフトレートに対するタイマの有効性は、基地局103によって構成又はシグナリングすることができる。
【0061】
プロセス420が
図4Cに示されており、ここで、UEからのアップリンク送信のための1つ以上のパラメータの指示はタイミングアドバンスを含むことができる。指示は、MAC CEメッセージ、又は他の制御メッセージによって搬送され得る。
【0062】
421において、UE101は、基地局103との通信接続を確立することができる。通信接続は、サービスリンク111及びフィーダリンク113を含んでもよく、サービスリンク111は、アップリンク114及びダウンリンク112を含むことができる。421において実行される動作は、301において実行される動作の例であり得る。
【0063】
422において、UE101は、GNSS情報がUE101にとって利用可能でないと決定し、GNSS情報が利用可能でないことを基地局103に報告することができる。UE101は、基地局103からの明示的な制御に基づいて、開ループ時間調整から閉ループ時間調整に切り替え得る。
【0064】
423において、基地局103への報告に基づいて、UE101は、1つ以上のパラメータの指示115を受信することができ、指示115は、MAC CEメッセージによって搬送されることができ、周波数同期の目的のためにタイムアドバンス又は周波数オフセット更新を含むことができる。いくつかの実施形態では、指示115は、周波数オフセット更新と、タイミングアドバンスドリフトレート指示などのタイムアドバンスとの両方を含むことができる。
【0065】
425において、UE101は、MAC CEメッセージによって示されたタイムアドバンス及び/又は周波数オフセット更新を適用し、現在の送信周波数123又は受信された指示115に基づいて、次の送信周波数125を決定することができる。425において実行される動作は、305において実行される動作の例であり得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、タイミングアドバンスドリフトレート指示は、MAC CEメッセージによって搬送され得る。UE101が接続モードにあり、しばらくの間GNSS情報を受信しない場合、UE101は、GNSS情報が利用可能でないことを基地局103に報告することができる。基地局103は、MAC CEメッセージによって搬送されるタイミングアドバンスドリフトレートをトリガすることができる。いくつかの実施形態では、MAC CEメッセージは、TAドリフトレート(DTA)のみを搬送することができる。いくつかの他の実施形態では、MAC CEメッセージは、TA(NTA)とTAドリフトレート(DTA)の両方を搬送することができる。更に、TAドリフトレートの高次導関数も含まれ得る。基地局103は更に、Δtのための有効性タイマを設定し、シグナリングしてもよい。UE101は、以下の式に基づいてTAを維持することができる:
TTA=(NTA+NTA,UE-specifc+NTA,common+NTA,offset)×TC
ここでNTA,new=NTA,old+DTA*Δtである。
【0067】
様々な態様が、例えば
図5に示すコンピュータシステム500などの1つ以上のコンピュータシステムを使用して実施され得る。コンピュータシステム500は、
図3、
図4A~
図4Cに示されるプロセッサ209又はプロセス300、プロセス400、プロセス410、若しくはプロセス420について説明される動作のために、
図1及び
図2に示されるUE101又は基地局103など、本明細書で説明される機能を実行することが可能な任意のコンピュータであり得る。コンピュータシステム500は、プロセッサ504などの1つ以上のプロセッサ(中央処理装置、即ちCPUとも呼ばれる)を備えている。プロセッサ504は、通信インフラ506に接続されている(例えばバス)。コンピュータシステム500はまた、ユーザ入出力インタフェース(単数又は複数)502を介して通信インフラ506と通信する、モニタ、キーボード、ポインティングデバイスなどのユーザ入出力デバイス(単数又は複数)503を含む。コンピュータシステム500はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメイン又はプライマリメモリ508を含む。メインメモリ508は、1つ以上のレベルのキャッシュを含むことができる。メインメモリ508には、制御ロジック(例えば、コンピュータソフトウェア)及び/又はデータが記憶されている。
【0068】
コンピュータシステム500はまた、1つ以上の二次記憶装置又はメモリ510を備えてもよい。二次メモリ510は、例えば、ハードディスクドライブ512及び/又はリムーバブル記憶装置若しくはドライブ514を含み得る。リムーバブル記憶ドライブ514は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、光記憶装置、テープバックアップデバイス、及び/又は任意の他の記憶装置/ドライブとしてもよい。
【0069】
リムーバブル記憶ドライブ514は、リムーバブル記憶ユニット518と対話することができる。リムーバブル記憶ユニット518には、コンピュータソフトウェア(制御ロジック)及び/又はデータがその上に記憶されたコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶装置が含まれる。リムーバブル記憶ユニット518は、フロッピーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク、DVD、光記憶ディスク、及び/又は任意の他のコンピュータデータ記憶装置であってもよい。リムーバブル記憶ドライブ514は、周知の方法で、リムーバブル記憶ユニット518から読み出し、及び/又はそれに書き込む。
【0070】
いくつかの態様によれば、二次メモリ510は、コンピュータシステム500によってコンピュータプログラム及び/若しくは他の命令、並びに/又はデータにアクセスできるようにするための他の手段(means)、手段(instrumentality)、その他の手法を含んでもよい。かかる手段、媒体又は他の手法には、例えば、リムーバブル記憶ユニット522及びインタフェース520が含まれ得る。リムーバブル記憶ユニット522及びインタフェース520の例としては、プログラムカートリッジ及びカートリッジインタフェース(ビデオゲームデバイスに見られるものなど)、リムーバブルメモリチップ(EPROM又はPROMなど)及び関連ソケット、メモリスティック及びUSBポート、メモリカード及び関連するメモリカードスロット、並びに/又は任意の他のリムーバブル記憶ユニット及び関連するインタフェースが挙げられ得る。
【0071】
いくつかの例では、メインメモリ508、リムーバブル記憶ユニット518、リムーバブル記憶ユニット522は命令を記憶し得、その命令はプロセッサ504によって実行されると、例えば
図1及び
図2に示すUE101、又は基地局103などの、UE又は基地局のための動作をプロセッサ504に実行させる。いくつかの例では、動作は、
図3、
図4A~
図4Cに示されるようなプロセス300、プロセス400、プロセス410、又はプロセス420について図示及び説明された動作を含む。
【0072】
コンピュータシステム500は、通信又はネットワークインタフェース524を更に備えてもよい。通信インタフェース524により、コンピュータシステム500は、遠隔デバイス、遠隔ネットワーク、遠隔エンティティなど(個々に及び集合的に参照番号528で参照される)の任意の組み合わせと通信し、対話することができる。例えば、通信インタフェース524によって、コンピュータシステム500は、通信経路526上で遠隔デバイス528と通信することが可能になり得るが、この通信経路526は、有線及び/又は無線であってもよく、LAN、WAN、インターネットなどの任意の組み合わせを含むことができる。制御ロジック及び/又はデータは、通信経路526を介して、コンピュータシステム500へ、及びそこから送信することができる。通信インタフェース524の動作は、無線コントローラ及び/又はセルラーコントローラによって実行され得る。セルラーコントローラは、異なる無線通信技術に従って通信を管理するための別個のコントローラであり得る。前述の態様での動作は、多種多様な構成及びアーキテクチャで実装され得る。したがって、前述の態様での動作のうちのいくつか又は全ては、ハードウェア、ソフトウェア、又は両方で実行されてもよい。いくつかの態様では、有形的非一時的装置又は製造物品は、制御ロジック(ソフトウェア)が記憶された有形的非一時的コンピュータ使用可能又は可読媒体を含むまたコンピュータプログラム製品又はプログラム記憶デバイスと本明細書で称される。これには、コンピュータシステム500、メインメモリ508、二次メモリ510、リムーバブル記憶ユニット518及び522、並びに前述のものの任意の組み合わせを具体化する有形の製造物品が含まれるが、これらに限定されない。かかる制御ロジックは、1つ以上のデータ処理デバイス(コンピュータシステム500など)によって実行されると、かかるデータ処理装置を本明細書で説明するように動作させる。
【0073】
本開示に含まれる教示に基づけば、
図5に示すもの以外のデータ処理デバイス、コンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを使用して、どのように本開示の態様を作成して使用するのかは、関連する技術分野(単数又は複数)の当業者には明らかである。特に、態様は、本明細書に記載のもの以外のソフトウェア、ハードウェア、及び/又はオペレーティングシステム実装形態で動作することができる。
【0074】
特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されているのは、「発明の概要」及び「要約書」のセクションではなく、「発明を実施するための形態」のセクションであることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、本発明者(単数又は複数)によって企図されているように、本開示の例示的な態様の全てでなく、本開示の1つ以上の例示的な態様を記載し得、したがって、発明の概要及び要約の項が本開示又は添付の特許請求の範囲を限定することは、なんら意図されていない。
【0075】
本開示は、例示的な分野及び用途のための例示的な態様を参照して本明細書に記載されているが、本開示は例示的な態様に限定されないことを理解されたい。他の態様及び態様の変形形態が、可能であり、本開示の範囲及び精神の範囲内である。例として、また、この段落の一般性を限定することなく、態様は、図に示される、且つ/又は本明細書に記載される、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はエンティティに限定されない。更に、態様(本明細書に明示的に記載されているかどうかに関わらず)は、本明細書に記載された実施例を超える分野及び用途に対して、著しい有用性を有する。
【0076】
本明細書では、特定の機能の実装及びそれらの関係を示す機能的構成ブロックの助けを借りて、態様を説明してきた。本明細書では、説明の便宜上、これらの機能的構成ブロックの境界は、任意に画定されている。特定の機能及び関係(又はそれらの均等物)が適切に実行される限り、代替の境界を画定することができる。加えて、代替の態様が、本明細書に記載の順序とは異なる順序を使用して、機能ブロック、ステップ、動作、方法などを実行してもよい。
【0077】
「1つの実施形態」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」、又は同様の語句への本明細書での言及は、記載の実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が、必ずしも特定の特徴、構造又は特性を含み得るわけではないことを示す。また、このような語句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が、一実施形態に関連して記載されているときに、このような特定の特徴、構造、又は特性を、本明細書に明示的に言及又は記載されているかどうかに関わらず、他の態様に組み込むことは、関連する技術分野(単数又は複数)における当業者の知識内である。
【0078】
本開示の広さ及び範囲は、上記の例示的な態様のいずれかによって限定されるべきでなく、以下の特許請求の範囲及び特許請求の範囲の均等物に従ってのみ、定義されるべきである。
【0079】
1つ以上の実施形態では、例えば、前述の図のうちの1つ以上に記載される構成要素のうちの少なくとも1つは、以下の実施例セクションに記載されるような1つ以上の動作、技術、プロセス、及び/又は方法を実行するように構成することがある。例えば、前述の図のうちの1つ以上に関連して上述したスレッドデバイス、ルータ、ネットワーク要素などに関連付けられた回路が、以下で実施例セクションに記載される例のうちの1つ以上に従って動作するように構成されてもよい。
【0080】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、送信、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変更されるにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的且つ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後にのみ実施されるべきである。その上、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護及び安全化し、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を忠実に守ることを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、サードパーティによる評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、米国では、特定の健康データの収集又はアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act;HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法によって管理することができ、その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【国際調査報告】