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特表2024-536772試薬組成物、方法、カートリッジ及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】試薬組成物、方法、カートリッジ及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6869 20180101AFI20241001BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20241001BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
C12Q1/6869 Z
C12M1/00 A
C12M1/34 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516871
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 IB2022058779
(87)【国際公開番号】W WO2023042153
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/245,467
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
2.TWEEN
3.BRIJ
4.PLURONIC
(71)【出願人】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ,ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】リクー,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】テオ,イン ナー
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,サイモン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB20
4B029DG10
4B029FA15
4B029GB09
4B063QA13
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR58
4B063QR62
4B063QS01
4B063QS22
4B063QS39
4B063QS40
4B063QX02
(57)【要約】
本開示は、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物であって、当該内部区画は1種以上の試薬を含み、当該シェルは、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画は、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる、組成物に関する。更に、溶解可能な第1のシェル、及び溶解可能な第2のシェルを含み、溶解可能な第2のシェルは1種以上の試薬を含む、組成物が開示される。更に、本明細書に記載の組成物を使用する、1種以上の試薬の放出を制御する方法が開示される。本開示は、本明細書に記載の組成物を含む試薬リザーバを含むカートリッジに更に関する。更に、本明細書に記載の組成物を含む、1種以上の試薬の放出を制御するシステムが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部区画を取り囲むシェルであって、前記内部区画が1種以上の試薬を含む、シェルを含み、
前記シェルが第1の放出条件に曝露されたときに、前記シェルは、前記内部区画を放出し、前記シェルが前記第1の放出条件に曝露されたときに、前記内部区画が前記1種以上の試薬の放出を防止し、
前記内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに、前記内部区画は、前記1種以上の試薬を放出し、前記第1の放出条件が前記第2の放出条件とは異なる、組成物。
【請求項2】
前記第1の放出条件及び前記第2の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せからそれぞれ独立して選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記第1及び第2の放出条件の一方又はどちらも、温度の変化を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
温度の前記変化が、約25℃を超える温度までである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
温度の前記変化が、約25℃以下の温度までである、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記シェルが、前記シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに前記内部区画を放出し、前記少なくとも1つの追加のシェル放出条件のうちの1つ以上が、前記第1の放出条件とは異なる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記内部区画が少なくとも1つの追加の内部区画放出条件に曝露されたときに前記内部区画が前記1種以上の試薬を放出し、前記少なくとも1つの追加の内部区画放出条件の1つ以上が前記第2の放出条件とは異なる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記シェルが、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルのシェル幅を有し、前記内部区画が、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルの内部区画幅を有し、前記シェル幅が前記内部区画幅とは異なる、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記シェルが水溶性化合物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記シェルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記1種以上の試薬が、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの任意の組合せである、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記1種以上の試薬が、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
浄水化合物を更に含み、前記浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記内部区画が、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記1種以上の試薬が凍結乾燥される、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記内部区画が、1種の試薬又は複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記シェルが溶解可能な第1の外部シェルであり、前記内部構成成分が溶解可能な第2の内部シェルを更に含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
1種以上の試薬の放出を制御する方法であって、
内部区画を取り囲むシェルを含む組成物を第1の放出条件に曝露して、前記内部区画を放出させることであって、前記内部区画が1種以上の試薬を含む、ことと、
前記内部区画を第2の放出条件に曝露して、前記1種以上の試薬を放出させることであって、前記第1の放出条件が前記第2の放出条件とは異なる、ことと、を含む、方法。
【請求項19】
前記シェルが前記第1の放出条件に曝露されたときに、前記内部区画が前記1種以上の試薬の放出を防止する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の放出条件が、前記第2の放出条件の前に生じる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の放出条件が、前記第1の放出条件の後に生じる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記第1及び第2の放出条件の一方又はどちらも、温度の変化を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
温度の前記変化が、約25℃を超える温度までである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
温度の前記変化が、約25℃以下の温度までである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の放出条件が、約1.0~約10.0のpHを含む、請求項18~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の放出条件が、約1.0~約10.0のpHを含む、請求項18~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の放出条件が、複数の試薬を放出するのに有効であり、少なくとも1種の試薬の含有量が、少なくとも1種の他の試薬の含有量と異なる、請求項18~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記シェルを前記第1の放出条件に曝露することと、前記内部区画を前記第2の放出条件に曝露することとが順次生じる、請求項18~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記シェルが、前記シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに前記内部区画を放出し、前記少なくとも1つの追加のシェル放出条件のうちの1つ以上が、前記第1の放出条件とは異なる、請求項18~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記シェルが前記少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに、前記内部区画が前記1種以上の試薬の放出を防止する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記内部区画が少なくとも1つの追加の内部区画放出条件に曝露されたときに前記内部区画が前記1種以上の試薬を放出し、前記少なくとも1つの追加の内部区画放出条件の1つ以上が前記第2の放出条件とは異なる、請求項18~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記シェルがシェル幅を有し、前記内部区画が内部区画幅を有し、前記シェル幅が前記内部区画幅と異なる、請求項18~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記シェル幅が、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記内部区画幅が、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項37】
前記シェルが水溶性化合物を含む、請求項18~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記シェルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、請求項18~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記1種以上の試薬が、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの任意の組合せである、請求項18~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記1種以上の試薬が、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される、請求項18~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記シェル及び前記内部区画のいずれか一方又はどちらも、浄水化合物を更に含む、請求項18~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記浄水化合物が、分解条件に曝露されたときに実質的に又は完全に分解する、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
前記分解条件が温度の変化を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
温度の前記変化が、約25℃以上の温度までである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記分解条件が、前記第2の放出条件と同じである、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記内部区画が、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項18~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記1種以上の試薬が凍結乾燥される、請求項18~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記内部区画が、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、請求項18~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記内部区画が、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、請求項18~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
試薬リザーバを備え、
前記試薬リザーバが組成物を含み、前記組成物が、内部区画を取り囲むシェルを含み、前記内部区画が1種以上の試薬を含み、前記シェルが、前記シェルが第1の放出条件に曝露されたときに前記内部区画を放出し、前記内部区画が、前記内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに前記1種以上の試薬を放出し、前記第1の放出条件は前記第2の放出条件とは異なる、カートリッジ。
【請求項52】
浄水化合物を備える、請求項51に記載のカートリッジ。
【請求項53】
前記浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項52のカートリッジ。
【請求項54】
前記第1の放出条件が液体への曝露である、請求項51~53のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項55】
前記第2の放出条件が、約25℃を超える温度への曝露である、請求項51~54のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項56】
1種以上の試薬の放出を制御するシステムであって、
ウェルと、
内部区画を取り囲むシェルを含む組成物であって、前記内部区画が1種以上の試薬を含み、前記シェルが、前記シェルが第1の放出条件に曝露されたときに前記内部区画を放出し、前記内部区画が、前記内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに前記1種以上の試薬を放出し、前記第1の放出条件が前記第2の放出条件とは異なる、組成物と、
液体と、を含む、システム。
【請求項57】
前記液体が前記ウェル内に存在する、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記組成物が前記ウェル内に存在する、請求項56又は57に記載のシステム。
【請求項59】
前記ウェル上に温度コントローラを更に備える、請求項56~58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
浄水化合物を更に備える、請求項56~59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
ある温度を有する液体をウェルに流し込むことであって、前記ウェルがカプセルを含み、前記カプセルが、浄水化合物を取り囲む第1のシェルと、1種以上の試薬を取り囲む第2のシェルとを含み、前記第1のシェルが、第1の放出条件に曝露されたときに前記浄水化合物を放出し、前記第2のシェルが、第2の放出条件に曝露されたときに前記1種以上の試薬を放出し、前記第1の放出条件が前記第2の放出条件とは異なり、前記浄水化合物が、分解条件に曝露されたときに実質的に又は完全に分解する、ことと、
前記第1のシェルを前記第1の放出条件に曝露させて、それによって前記浄水化合物が放出されることと、
前記浄水化合物を前記分解条件に曝露させて、それによって前記浄水化合物が実質的に又は完全に分解されることと、
前記第2のシェル条件を前記第2の放出条件に曝露させて、それによって前記1種以上の試薬が放出されることと、を含む、方法。
【請求項63】
前記第1の放出条件が前記液体への曝露である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記分解条件が、前記液体の高温である、請求項62又は63に記載の方法。
【請求項65】
前記高温が、約25℃以上である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記分解条件が、前記第2の放出条件と同じである、請求項62~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
液体を流すこと、前記第1のシェルを前記第1の放出条件に曝露すること、及び前記浄水化合物を前記分解条件に曝露することが、順番に行われる、請求項62~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
液体を流すこと、前記第1のシェルを前記第1の放出条件に曝露すること、前記浄水化合物を前記分解条件に曝露すること、及び前記第2のシェル条件を前記第2の放出条件に曝露することが、順番に行われる、請求項62~67のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、試薬の放出を制御するための組成物、方法、カートリッジ、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の多くの配列決定プラットフォームは、「合成による配列決定」(「SBS」)技術、及び検出のための蛍光ベースの方法を使用する。SBSに対する補完として、費用効果が一層高く、迅速で、かつ簡便な配列決定及び核酸検出を可能にする代替の配列決定方法及び改善された試料調製プロセス及びライブラリ調製プロセスが望ましい。
【0003】
SBS技術の現在のプロトコルは、DNA又はRNAを配列決定も好適な断片化された鋳型のライブラリに変換する試料調製プロセスを常套的に使用する。試料調製方法は、断片化をもたらすために複数の工程、材料の移動、及び高価な器具を必要とすることが多く、したがってしばしば困難であり、面倒であり、高価であり、非効率的である。
【0004】
ポリヌクレオチドを含むライブラリは、一般に、オリゴヌクレオチドアダプタを標的ポリヌクレオチドに付着させる任意の好適な方法で調製される。配列決定は、標的ポリヌクレオチドの全体又は一部の配列の決定をもたらし得る。クラスター形成及び配列決定の準備が整った溶液中において核酸をアダプタで修飾されたテンプレートに転換するために必要な工程の数は、トランスポザーゼに媒介される断片化及びタグ付けの使用によって減少させることができ、又は一部の例では、最小限に抑えることができる。「タグメンテーション」と称されるこのプロセスは、例えば、国際公開第2016/130704号に記載されるように、トランスポゾン末端配列を含むアダプタと複合体化されたトランスポザーゼ酵素を含むトランスポソーム複合体による核酸の修飾を含む。配列決定の前の固定化及び増幅の方法は、例えば、米国特許第8,053,192号に記載されている。鋳型のライブラリを使用して、米国特許公開第2005/0100900号に記載されているように、固相増幅、より具体的には固相等温増幅によって核酸コロニーのクラスター化アレイを調製することができる。
【0005】
配列決定は、任意の好適な配列決定技法を使用して行うことができ、鎖の再合成を含む、固定化及び増幅されたアダプタ標的-アダプタ分子の配列を決定する方法が、当分野において公知であり、例えば、米国特許第8,053,192号に記載されている。SBS技術は、一般に、鋳型鎖に対するヌクレオチドの反復的付加による、新生核酸鎖の酵素的伸長を伴う。SBSの従来の方法では、単一のヌクレオチドモノマーが、各送達においてポリメラーゼの存在下で標的ヌクレオチドに提供され得る。例示的なSBSシステム及び方法は、米国特許公開第2007/0166705号に記載されている。
【0006】
配列決定のための試料調製組成物及びプロセスの効率を妨げる種々の問題が存在する。例えば、共通のウェル内で複数の試薬の溶解に時間差を設けることは困難である。溶解時間に関して、異なる試薬を区別する問題がある。配列決定のための試料及びライブラリ調製組成物及びプロセスのために大気捕捉水を精製する問題も存在する。
【0007】
したがって、試料調製組成物及びプロセスの改善が必要とされている。特に、安定性の改善された配列決定試薬、試料調製試薬及びライブラリ調製試薬、並びにワークフロー及びタグメンテーションされたライブラリ生成の効率の改善、ひいては得られるライブラリの増加したリード濃縮及びワークフローの単純化を実証する関連組成物が必要とされている。
【0008】
本開示は、当該技術分野におけるこれら及び他の欠陥を克服することを対象とする。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様は、組成物に関する。本組成物は、内部区画を取り囲むシェルを含み、当該内部区画は1種以上の試薬を含み、当該シェルは、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画は、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる。
【0010】
一実施態様では、内部区画は、シェルが第1の放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。一実施態様では、第1の放出条件は、第2の放出条件の前に生じる。別の実施態様では、第2の放出条件は、第1の放出条件の後に生じる。
【0011】
一実施態様では、第1の放出条件は、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む。別の実施態様では、第2の放出条件は、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、第1及び第2の放出条件の一方又はどちらも、温度の変化を含む。別の実施態様では、温度の変化は、約25℃を超える温度までである。別の実施態様では、温度の変化は、約25℃以下の温度までである。
【0012】
一実施態様では、シェルは、シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに内部区画を放出し、少なくとも1つの追加のシェル放出条件のうちの1つ以上が、第1の放出条件とは異なる。一実施態様では、内部区画は、シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。別の実施態様では、内部区画は、内部区画が少なくとも1つの追加の内部区画放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬を放出し、少なくとも1つの追加の内部区画放出条件のうちの1つ以上が、第2の放出条件とは異なる。
【0013】
一実施態様では、シェルはシェル幅を有し、内部区画は内部区画幅を有し、シェル幅は内部区画幅とは異なる。一実施態様では、シェル幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。別の実施態様では、内部区画幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。
【0014】
一実施態様では、シェルは水溶性化合物を含む。一実施態様では、シェルは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む。
【0015】
一実施態様では、1種以上の試薬は、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである。一実施態様では、1種以上の試薬は、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される。
【0016】
一実施態様では、本組成物は、浄水化合物を更に含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物(sodium hydroxide bromide)、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0017】
一実施態様では、内部区画は、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、1種以上の試薬は凍結乾燥される。一実施態様では、内部区画は、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。別の実施態様では、内部区画は、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。
【0018】
第2の態様は、組成物に関する。本組成物は、溶解可能な第1のシェル及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルを含む。
【0019】
一実施態様では、第1のシェルは外部シェルである。一実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。一実施態様では、第1のシェルは、組成物が第1の放出条件に曝露されたときに溶解する。一実施態様では、第2のシェルは、組成物が第1の放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。別の実施態様では、第2のシェルは、第2の放出条件に曝露されたときに溶解する。
【0020】
一実施態様では、第1の放出条件は、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む。別の実施態様では、第2の放出条件は、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、第1及び第2の放出条件の一方又はどちらも、温度の変化を含む。別の実施態様では、温度の変化は、約25℃を超える温度までである。更に別の実施態様では、温度の変化は、約25℃以下の温度までである。
【0021】
一実施態様では、第1のシェルは、第1のシェルが少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件に曝露されたときに溶解し、少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件のうちの1つ以上は、第1の放出条件とは異なる。別の実施態様では、第2のシェルは、第2のシェルが少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。一実施態様では、第2のシェルは、第2のシェルが少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬を放出し、少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件のうちの1つ以上は、第2の放出条件とは異なる。
【0022】
一実施態様では、第1のシェルは第1のシェル幅を有し、第2のシェルは第2のシェル幅を有し、第1のシェル幅は第2のシェル幅とは異なる。別の実施態様では、第1のシェル幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。更に別の実施態様では、第2のシェル幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。
【0023】
一実施態様では、第1のシェルは、水溶性化合物を含む。別の実施態様では、第1のシェルは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む。
【0024】
一実施態様では、1種以上の試薬は、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである。別の実施態様では、1種以上の試薬は、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される。
【0025】
一実施態様では、本組成物は、浄水化合物を更に含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0026】
一実施態様では、第2のシェルは、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む。別の実施態様では、1種以上の試薬は凍結乾燥される。一実施態様では、第2のシェルは、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。別の実施態様では、第2のシェルは、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。
【0027】
第3の態様は、組成物に関する。本組成物は、溶解可能な第1のシェルと、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルと、浄水化合物とを含む。
【0028】
一実施態様では、浄水化合物は、溶解可能な第1のシェルと溶解可能な第2のシェルとの間の位置に存在する。
【0029】
一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、第1のシェルは外部シェルである。別の実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0030】
第4の態様は、1種以上の試薬の放出を制御する方法に関する。本方法は、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物を提供することであって、当該内部区画が1種以上の試薬を含む、ことと、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該内部区画を放出させることと、当該内部区画を第2の放出条件に曝露して、当該1種以上の試薬を放出させることとを含み、当該第1の放出条件は、当該第2の放出条件とは異なる。
【0031】
一実施態様では、内部区画は、シェルが第1の放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。一実施態様では、第1の放出条件は、第2の放出条件の前に生じる。別の実施態様では、第2の放出条件は、第1の放出条件の後に生じる。
【0032】
一実施態様では、第1の放出条件は、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む。別の実施態様では、第2の放出条件は、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、第1及び第2の放出条件の一方又はどちらも、温度の変化を含む。別の実施態様では、温度の変化は、約25℃を超える温度までである。更に別の実施態様では、温度の変化は、約25℃以下の温度までである。
【0033】
一実施態様では、第1の放出条件は、約1.0~約10.0のpHを含む。別の実施態様では、第2の放出条件は、約1.0~約10.0のpHを含む。一実施態様では、第2の放出条件は、複数の試薬を放出するのに有効であり、少なくとも1種の試薬の含有量は、少なくとも1種の他の試薬の含有量と異なる。一実施態様では、シェルを第1の放出条件に曝露することと、内部区画を第2の放出条件に曝露することとは順次生じる。
【0034】
一実施態様では、シェルは、シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに内部区画を放出し、少なくとも1つの追加のシェル放出条件のうちの1つ以上が、第1の放出条件とは異なる。別の実施態様では、内部区画は、シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。
【0035】
一実施態様では、内部区画は、内部区画が少なくとも1つの追加の内部区画放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬を放出し、少なくとも1つの追加の内部区画放出条件のうちの1つ以上が、第2の放出条件とは異なる。別の実施態様では、シェルはシェル幅を有し、内部区画は内部区画幅を有し、シェル幅は内部区画幅とは異なる。別の実施態様では、シェル幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。更に別の実施態様では、内部区画幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。
【0036】
一実施態様では、シェルは水溶性化合物を含む。一実施態様では、シェルは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む。
【0037】
一実施態様では、1種以上の試薬は、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである。一実施態様では、1種以上の試薬は、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される。
【0038】
一実施態様では、本方法は、浄水化合物を提供することを更に含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0039】
一実施態様では、内部区画は、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、1種以上の試薬は凍結乾燥される。一実施態様では、内部区画は、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。別の実施態様では、内部区画は、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。
【0040】
第5の態様は、1種以上の試薬の放出を制御する方法に関する。本方法は、溶解可能な第1のシェル及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルを含む組成物を提供することと、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該第1のシェルを溶解させることと、当該組成物を第2の放出条件に曝露して、当該第2のシェルを放出させることとを含み、当該第1の放出条件は、当該第2の放出条件とは異なる。
【0041】
一実施態様では、第2のシェルは、組成物が第1の放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。一実施態様では、第1の放出条件は、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、第2の放出条件は、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、第1及び第2の放出条件の一方又はどちらも、温度の変化を含む。別の実施態様では、温度の変化は、約25℃を超える温度までである。更に別の実施態様では、温度の変化は、約25℃以下の温度までである。
【0042】
一実施態様では、第1のシェルは、第1のシェルが少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件に曝露されたときに溶解し、少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件のうちの1つ以上は、第1の放出条件とは異なる。別の実施態様では、第2のシェルは、第2のシェルが少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。別の実施態様では、第2のシェルは、第2のシェルが少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬を放出し、少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件のうちの1つ以上は、第2の放出条件とは異なる。一実施態様では、第1のシェルは第1のシェル幅を有し、第2のシェルは第2のシェル幅を有し、第1のシェル幅は第2のシェル幅とは異なる。別の実施態様では、第1のシェル幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。更に別の実施態様では、第2のシェル幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。
【0043】
一実施態様では、第1のシェルは、水溶性化合物を含む。一実施態様では、第1のシェルは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む。
【0044】
一実施態様では、1種以上の試薬は、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである。一実施態様では、1種以上の試薬は、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される。
【0045】
一実施態様では、本方法は、浄水化合物を提供することを更に含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、内部シェルは、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、1種以上の試薬は凍結乾燥される。一実施態様では、内部シェルは、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。別の実施態様では、内部シェルは、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。一実施態様では、第1のシェルは外部シェルである。別の実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0046】
第6の態様は、1種以上の試薬の放出を制御する方法に関する。本方法は、溶解可能な第1のシェル、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェル及び浄水化合物を含む組成物を提供することと、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該浄水化合物を溶解させることと、当該組成物を第2の条件に曝露して、当該第1のシェルを溶解させることと、当該組成物を第3の放出条件に曝露して、当該第2のシェルを溶解させることとを含み、当該第1の放出条件は、当該第2の放出条件とは異なる。
【0047】
一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、第1のシェルは外部シェルである。別の実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0048】
第7の態様は、方法に関する。本方法は、第1の温度でウェル内にカプセルを提供することと、当該ウェル内において、ある温度を有する液体を提供することと、液体の温度を第2の温度まで上昇させることと、液体の温度を第2の温度から第3の温度まで低下させることと、当該カプセルから1種以上の試薬を放出させることとを含む。
【0049】
一実施態様では、カプセルは、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物を含み、内部区画は1種以上の試薬を含み、シェルは、シェルが第1の放出条件に曝露されたときに内部区画を放出し、内部区画は、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されると1種以上の試薬を放出し、第1の放出条件は第2の放出条件とは異なる。一実施態様では、本カプセルは、溶解可能な第1のシェル及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルとを含む組成物を含む。一実施態様では、本カプセルは、溶解可能な第1のシェルと、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルと、浄水化合物とを含む組成物を含む。一実施態様では、第2の温度は、約25℃より高い。一実施態様では、第3の温度は、約25℃以下である。
【0050】
一実施態様では、本方法は、浄水化合物を提供することを更に含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0051】
一実施態様では、本カプセルは水溶性化合物を含む。一実施態様では、カプセルは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む。
【0052】
一実施態様では、1種以上の試薬は、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである。一実施態様では、1種以上の試薬は、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される。
【0053】
一実施態様では、内部区画は、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、1種以上の試薬は凍結乾燥される。一実施態様では、内部区画は、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。別の実施態様では、内部区画は、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。一実施態様では、第1の温度は、第3の温度とは異なる。別の実施態様では、第1の温度は、第3の温度と同じである。
【0054】
第8の態様は、方法に関する。本方法は、第1の温度において、ウェル内のカプセルの外部シェルを溶解させることであって、ウェルが液体を含み、カプセルが外部シェル、浄水化合物、内部シェル及び1種以上の試薬を含み、カプセルの外部シェルを溶解することが浄水化合物を放出する、ことと、ウェルの温度を第2の温度まで上昇させることと、内部シェルを溶解させて、それによって1種以上の試薬を放出させることとを含む。
【0055】
一実施態様では、ウェル内のカプセルの外部シェルを溶解することは、液体をウェル内に流すことを含む。別の実施態様では、内部シェルを溶解することは、液体のpHを7.0超に上昇させることを含む。別の実施態様では、内部シェルを溶解することは、液体のpHを7.0未満に低下させることを含む。更に別の実施態様では、内部シェルは第2の温度によって溶解される。別の実施態様では、内部シェルは、最小時間後に溶解する。一実施態様では、最小時間は5分である。
【0056】
一実施態様では、第2の温度は、約25℃より高い。別の実施態様では、本方法は、第2の温度を第3の温度まで低下させることを更に含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0057】
一実施態様では、シェルは水溶性化合物を含む。一実施態様では、シェルは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む。
【0058】
一実施態様では、1種以上の試薬は、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである。一実施態様では、1種以上の試薬は、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される。
【0059】
一実施態様では、内部区画は、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、1種以上の試薬は凍結乾燥される。一実施態様では、内部区画は、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。別の実施態様では、内部区画は、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。
【0060】
第9の態様は、カートリッジに関する。本カートリッジは、試薬リザーバを含み、試薬リザーバは組成物を含み、当該組成物は、内部区画を取り囲むシェルを含み、当該内部区画は1種以上の試薬を含み、当該シェルは、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画は、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる。
【0061】
一実施態様では、本カートリッジは、浄水化合物を含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0062】
一実施態様では、第1の放出条件は液体への曝露である。
【0063】
一実施態様では、第2の放出条件は、約25℃を超える温度への曝露である。
【0064】
第10の態様は、カートリッジに関する。カートリッジは、試薬リザーバを含み、試薬リザーバは組成物を含み、当該組成物は、溶解可能な第1のシェルと、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルとを含む。
【0065】
一実施態様では、本カートリッジは、浄水化合物を含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0066】
一実施態様では、第1の放出条件は液体への曝露である。一実施態様では、第2の放出条件は、約25℃を超える温度への曝露である。一実施態様では、第1のシェルは外部シェルである。一実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0067】
第11の態様は、1種以上の試薬の放出を制御するシステムに関する。本システムは、ウェルと、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物であって、当該内部区画は1種以上の試薬を含み、当該シェルは、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画は、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる、組成物と、液体とを含む。
【0068】
一実施態様では、液体はウェル内に存在する。別の実施態様では、本組成物はウェル内に存在する。別の実施態様では、本システムは、ウェル上に温度コントローラを更に備える。
【0069】
一実施態様では、本システムは、浄水化合物を更に含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0070】
第12の態様は、1種以上の試薬の放出を制御するシステムに関する。本システムは、ウェルと、溶解可能な第1のシェル及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルを含む組成物と、液体とを含む。
【0071】
一実施態様では、液体は当該ウェル内に存在する。一実施態様では、本組成物は当該ウェル内に存在する。一実施態様では、本システムは、当該ウェル上に温度コントローラを更に含む。
【0072】
一実施態様では、本システムは、浄水化合物を更に含む。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、第1のシェルは外部シェルである。一実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0073】
第13の態様は、方法に関する。本方法は、ある温度を有する液体をウェルに流し込むことであって、ウェルがカプセルを含み、カプセルが、浄水化合物を取り囲む第1のシェルと、1種以上の試薬を取り囲む第2のシェルとを含み、当該第1のシェルが、第1の放出条件に曝露されたときに当該浄水化合物を放出し、当該第2のシェルが、第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件が当該第2の放出条件とは異なり、当該浄水化合物が、分解条件に曝露されたときに実質的に又は完全に分解する、ことと、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露させて、それによって浄水化合物が放出されることと、当該浄水化合物を分解条件に曝露させて、それによって当該浄水化合物が実質的に又は完全に分解されることと、当該第2のシェル条件を第2の放出条件に曝露させて、それによって当該1種以上の試薬が放出されることとを含む。
【0074】
一実施態様では、第1の放出条件は液体への曝露である。別の実施態様では、分解条件は、液体の高温である。一実施態様では、高温は、約25℃以上である。一実施態様では、分解条件は、第2の放出条件と同じである。一実施態様では、液体を流すこと、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露すること、及び当該浄水化合物を分解条件に曝露することは、順番に行われる。別の実施態様では、液体を流すこと、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露すること、当該浄水化合物を分解条件に曝露すること、及び当該第2のシェル条件を第2の放出条件に曝露することは、順番に行われる。
【0075】
本開示によれば、本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、多数の利点を有する。
【0076】
共通ウェル内で複数の試薬カプセルの溶解の時間差を設けることの難題は、本明細書に記載されるような逐次放出システムを使用して解決することができる。溶解時間に関して異なる試薬を区別する課題は、本明細書に記載されている試薬放出がもたらされるよう、異なる厚さの水溶性フィルム、異なる組成の水溶性フィルム及び異なる放出トリガを使用する水溶性フィルムを組み合わせて使用することによって対処することができる。大気捕捉水を精製するという課題は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなどの浄水化合物を使用して克服することができ、このような浄水化合物は、本明細書に記載される試薬カプセル組成物、方法、カートリッジ及びシステムに統合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1】連続ワークフローにおける浄水化合物を示す図である。浄水化合物は、地下水浄化錠剤として、又は試薬カプセルに配合された小型錠剤であって、カプセルが再水和する液体の量に比例するサイズの小型錠剤として、大気捕捉水タンク内に配置されてもよい。
図2】試薬カプセル内に配合された浄水化合物を含む試薬カプセルの製造を示す図である。
図3】浄水化合物のサイズが、再水和体積又は最終試薬混合物の体積に対応することを示す図である。試薬カプセル全体が、左側に示されており、試薬構成成分カプセルが、右側に示されている。
図4】水浄化性化合物を有するカプセル化された試薬マイクロスフェアのワークフローを示す図である。
図5】共通ウェル構成を有する組成物設計を示す図である。浄水化合物は、タンク中に、又は組成物、錠剤若しくはカプセルと共に置かれてもよい。
図6】内部区画を取り囲むシェルを有する本明細書に記載の組成物の一実施態様を示す図である。
図7】3つの別個の組成物:内部区画を取り囲む第1のシェル、第2の内部区画を取り囲む第2のシェル及び第3の内部区画を取り囲む第3のシェルを備える、本明細書に記載される組成物の一実施態様を示す図である。
図8】本明細書に記載の1つ以上の放出条件下での本明細書に記載の組成物を示す図である。
図9】本明細書に記載の組成物、特に凍結乾燥マイクロスフェア中の1種以上の試薬の一実施態様を示す図である。
図10】本明細書に記載の組成物、特に凍結乾燥マイクロスフェア中の1種以上の試薬の一実施態様を示す図である。
図11】1種以上の試薬の放出を制御するための方法に関する、本明細書に記載される一態様を説明するフローチャートである。
図12】1種以上の試薬の放出を制御するための方法に関する、本明細書に記載される一態様を説明するフローチャートである。
図13】1種以上の試薬の放出を制御するための方法に関する、本明細書に記載される一態様を説明するフローチャートである。
図14】方法に関する、本明細書に記載される一態様を説明するフローチャートである。
図15】方法に関する、本明細書に記載される一態様を説明するフローチャートである。
図16】方法に関する、本明細書に記載される一態様を説明するフローチャートである。
【0078】
以下でより詳細に考察される前述の概念及び追加の概念のすべての組合せが(そのような概念が相互に矛盾しないならば)、本明細書に開示される発明の主題の一部であると考えられ、本明細書に記載の利益及び利点を達成するために使用されてもよいことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0079】
第1の態様は、組成物に関する。本組成物は、内部区画を取り囲むシェルを含み、当該内部区画は1種以上の試薬を含み、当該シェルは、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画は、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は第2の放出条件とは異なる。
【0080】
本開示のある特定の態様、様式、実施態様、変形、及び特徴が、本技術の実質的な理解を提供するために、さまざまな詳細レベルで以下に説明されることを理解されるべきである。別途記述のないかぎり、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、一般に、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。用語「含む(including)」及び他の形態の使用は、限定するものではない。用語「有する(having)」及び他の形態の使用は、限定するものではない。本開示で使用されるとき、移行句におけるか又は請求項の本文におけるかにかかわらず、用語「含む(comprise)」及び「含む(comprising)」は、オープンエンドの意味を有するものとして解釈されるべきである。すなわち、これらの用語は、語句「少なくとも有する」又は「少なくとも含む」と同義であると解釈されるべきである。
【0081】
特許請求の範囲を含む本開示全体にわたって使用され得る用語「実質的に」、「およそ」、「約」、「比較的」、又は他のそのような類似の用語は、処理における変動などに起因する、基準又はパラメータからの小さな変動を説明し、かつ考慮するために使用される。そのような小さな変動は、基準又はパラメータからのゼロ点変動も含む。例えば、変動は、±5%以下など、±2%以下など、±1%以下など、±0.5%以下など、±0.2%以下など、±0.1%以下など、±0.05%以下などの、±10%以下を指すことができる。
【0082】
また、明瞭性のために別々の実施態様の文脈で説明される本明細書に記載のある特定の特徴は、単一の実施態様で組み合わせて提供されてもよいことが更に理解される。逆に、単一の実施態様の文脈で簡潔に説明されるさまざまな特徴はまた、別々に、又は任意の好適な部分組合せで提供されてもよい。
【0083】
用語「接続」、「接触」、及び/又は「結合された」は、さまざまな配置及びアセンブリを含む。これらの配置及び技術としては、限定されないが、(1)一方の構成成分と別の構成成分とを、それらの間にいかなる介在構成成分も伴うことなく(すなわち、構成成分が、直接物理的に接触して)、直接接合することと、(2)一方の構成成分と別の構成成分とを、他方の構成成分に「接続された」又は「接触している」又は「結合されている」一方の構成成分が、(場合により、それらの間に1つ以上の追加の構成成分の存在を伴って)他方の構成成分と何らかの動作的な連通状態(例えば、電気的、流体的、物理的、光学的など)にあることを条件として、それらの間に1つ以上の構成成分を伴って接合することと、が挙げられる。互いに直接物理的に接触している構成成分は、互いに電気的に接触及び/又は流体的に接触していても、又はしていなくてもよい。更に、電気的に接続された、電気的に結合された、光学的に接続された、光学的に結合された、流体的に接続された、又は流体的に結合された2つの構成成分は、直接物理的に接触していても、又はしていなくてもよく、1つ以上の他の構成成分が、2つの接続された構成成分の間に位置付けられてもよい。
【0084】
本明細書で記載される場合、用語「付着した」は、2つのものが互いに接合、固定、接着、接続、又は結合される場合を含み得る。ポリメラーゼのような反応構成成分は、共有結合又は非共有結合によって、導電性チャネルのような固相構成成分に付着し得る。本明細書で記載される場合、語句「共有付着した」又は「共有結合した」は、原子間の電子対の共有によって特徴付けられる1つ以上の化学結合の形成を指す。非共有結合は、電子対の共有を伴わないものであり、例えば、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力、親水性相互作用、及び疎水性相互作用が挙げられ得る。
【0085】
本明細書で記載される場合、用語「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、又はヌクレオチド類似体から作製されたDNA若しくはRNAのいずれかの類似体を指す。本明細書で使用されるこれらの用語はまた、例えば逆転写酵素の作用によって、相補的であるcDNA、又はRNA鋳型から生成されるコピーDNAも包含する。一実施態様では、例えば、記載されたシステムの使用による配列決定によって分析される核酸は、基質(例えば、フローセル内の基質又はフローセルなどの基質上の1種以上のビーズなど)に固定化される。本明細書で使用される用語の固定化は、明示的に又は文脈によって別途示されないかぎり、直接的又は間接的、共有付着、又は非共有付着を包含することを意図する。分析物(例えば、核酸)は、核酸配列決定を必要とする用途などにおいて支持体の使用が意図される条件下で、支持体に固定化又は付着したままであり得る。一実施態様では、鋳型ポリヌクレオチドは、基質に付着した複数の鋳型ポリヌクレオチドのうちの1種である。一実施態様では、基質に付着した複数の鋳型ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のライブラリポリヌクレオチドのコピーのクラスターを含む。
【0086】
核酸は、天然に存在する核酸又はその機能的類似体を含む。特に有用な機能的類似体は、配列特異的な様式で核酸にハイブリダイズすることができ、又は特定のヌクレオチド配列を複製するためのテンプレートとして使用することができる。天然に存在する核酸は、一般に、ホスホジエステル結合を含有するバックボーンを有する。類似体構造は、ペプチド核酸(PNA)又はロックド核酸(LNA)などの当該技術分野において既知のさまざまなもののうちのいずれかを含む代替の骨格連結を有し得る。天然に存在する核酸は、一般に、デオキシリボース糖(例えば、デオキシリボ核酸(DNA)に見られる)又はリボース糖(例えば、リボ核酸(RNA)に見られる)を有する。
【0087】
RNA中では、糖は、リボースであり、DNA中では、デオキシリボース、すなわち、リボース中に存在するヒドロキシル基を欠く糖である。窒素含有複素環式塩基は、プリン塩基又はピリミジン塩基であり得る。プリン塩基としては、アデニン(A)及びグアニン(G)、並びにそれらの修飾された誘導体又は類似体が挙げられる。ピリミジン塩基としては、シトシン(C)、チミン(T)、及びウラシル(U)、並びにそれらの修飾された誘導体又は類似体が挙げられる。デオキシリボースのC-1原子は、ピリミジンのN-1又はプリンのN-9に結合されてもよい。
【0088】
核酸は、当技術分野において既知のこれらの糖部分のさまざまな類似体のいずれかを含有することができる。核酸は、天然又は非天然塩基を含み得る。天然デオキシリボ核酸は、アデニン、チミン、シトシン、又はグアニンからなる群から選択される1つ以上の塩基を有し得、リボ核酸は、ウラシル、アデニン、シトシン、又はグアニンからなる群から選択される1つ以上の塩基を有し得る。核酸に含まれ得る有用な非天然塩基は、当技術分野において既知である。
【0089】
本明細書に記載の用語のヌクレオチドは、天然ヌクレオチド、その類似体、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、ジデオキシリボヌクレオチド、及びヌクレオチドとして既知である他の分子を含み得る。本明細書で記載される場合、ヌクレオチドは、窒素含有複素環式塩基、糖、及び1つ以上のリン酸基を含み得る。ヌクレオチドは、例えば、DNA又はRNA鎖中に存在するサブユニットを識別するための核酸配列のモノマー単位であってもよい。ヌクレオチドはまた、ポリマー中に必ずしも存在しない分子、例えば、ポリメラーゼによって鋳型依存的にポリヌクレオチドに取り込まれることができる分子を含んでもよい。ヌクレオチドは、例えば、5’炭素上に0、1、2、3個又はそれより多くのリン酸を有するヌクレオシド単位を含んでもよい。四リン酸ヌクレオチド、五リン酸ヌクレオチド、及び六リン酸ヌクレオチドは、有用であり得、5′炭素上に6個を超えるリン酸、例えば7、8、9、10個、又はそれ超のリン酸を有するヌクレオチドも同様であってもよい。天然に存在するヌクレオチドの例としては、ATP、UTP、CTP、GTP、ADP、UDP、CDP、GDP、AMP、UMP、CMP、GMP、dATP、dTTP、dCTP、dGTP、dADP、dTDP、dCDP、dGDP、dAMP、dTMP、dCMP、及びdGMPが含まれるが、これらに限定されない。
【0090】
非天然ヌクレオチドとしては、天然生物系中に存在しないか又はその天然の環境、例えば、ポリメラーゼを発現する非組み換え細胞内においてポリメラーゼによってポリヌクレオチドに実質的に取り込まれないものなどの、ヌクレオチド類似体が挙げられる。非天然ヌクレオチドとしては、同じワトソン-クリック相補的塩基と塩基対をなす天然ヌクレオチドなどの別のヌクレオチドがポリメラーゼによって鎖に取り込まれる速度よりも実質的に速い又は遅い速度でポリメラーゼによってポリヌクレオチド鎖に取り込まれるものが挙げられる。例えば、非天然ヌクレオチドは、天然ヌクレオチドの取り込み速度と比較して、少なくとも2倍異なる、5倍異なる、10倍異なる、25倍異なる、50倍異なる、100倍異なる、1000倍異なる、10000倍異なる、又はそれ超異なる速度で取り込まれてもよい。非天然ヌクレオチドは、ポリヌクレオチドに取り込まれた後に更に伸長することができ得る。例としては、3’ヒドロキシルを有するヌクレオチド類似体、又はヌクレオチド類似体を取り込んだポリヌクレオチドを更に伸長させることができるように除去することができる、3’位に可逆的ターミネーター部分を有するヌクレオチド類似体が挙げられる。可逆的ターミネーター部分の例は、例えば、その全体が参照により組み込まれている米国特許第7,427,673号に記載されている。一部の実施態様では、3’ターミネーター部分を有するか、又は3’ヒドロキシルを欠くヌクレオチド類似体(ジデオキシヌクレオチド類似体など)が、ヌクレオチド類似体を取り込んだポリヌクレオチドが更に伸長しない条件下で使用され得ることを理解されたい。一部の実施態様では、ヌクレオチドは、可逆的ターミネーター部分を含まなくてもよいか、又はヌクレオチドは、不可逆的ターミネーター部分を含まないか、又はヌクレオチドはいかなるターミネーター部分もまったく含まない。一実施態様では、3’-ヒドロキシブロック基は、可逆的ブロック基である。
【0091】
「クラスター」という用語は、複数の同一の固定化された核酸鎖及び複数の同一の固定化された相補性核酸鎖から構成される、固体支持体上の別個の部位を指す。「クラスター化アレイ」という用語は、そのようなクラスター又はコロニーから形成されるアレイを指す。この文脈では、用語「アレイ」は、クラスターの順序付けられた配置を必要とするものとして理解されるべきではない。
【0092】
本明細書で使用される場合、用語「異なる」は、核酸を参照して使用される場合、核酸が互いに同じではないヌクレオチド配列を有することを意味する。2つ以上の核酸は、それらの全長に沿って異なるヌクレオチド配列を有し得る。代替的に、2つ以上の核酸は、それらの長さの実質的な部分に沿って異なるヌクレオチド配列を有し得る。例えば、2つ以上の核酸は、互いに異なる標的ヌクレオチド配列部分を有し得るが、互いに同じユニバーサル配列領域も有し得る。
【0093】
本明細書で使用される場合、「ライブラリ」は、所与の供給源又は試料に由来するポリヌクレオチドの集団である。ライブラリは、複数の標的ポリヌクレオチドを含む。
【0094】
本明細書に記載される修飾ヌクレオチドは、プリン塩基又はピリミジン塩基及び3’-ヒドロキシブロック基を有する糖部分を有するものを含む。一実施態様では、修飾ヌクレオチドは検出可能な標識に連結される。一実施態様では、検出可能な標識はフルオロフォアを含む。本開示は、それ自体で、又はより大きな分子構造若しくはコンジュゲートに取り込まれる若しくはそれに関連する、本明細書に開示される任意の方法で使用され得る蛍光標識(又は任意の他の検出タグ)を含むヌクレオチドを包含する。検出可能な標識の追加例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,541,444号に記載されている。
【0095】
蛍光標識は、任意の公知の蛍光化学種、例えば、ローダミン又はシアニンから選択される化合物を含むことができる。本明細書において開示されている蛍光標識は、ヌクレオチド塩基上の任意の位置に結合してもよく、場合により、リンカーを含んでもよい。一実施態様では、修飾ヌクレオチドは、開裂性リンカーを介して検出可能な標識に連結されている。リンカーの機能は、一般に、ヌクレオチドへの蛍光標識の化学結合の一助となる。特定の実施態様では、得られた類似体に対してワトソン-クリック塩基対合を依然として実施することができる。リンカー基を使用して、ヌクレオシド又はヌクレオチドに色素を共有付着させてもよい。リンカー部分は、ヌクレオチドを化合物に接続するのに十分な長さであってもよく、化合物が、核酸複製酵素によるヌクレオチドの全体的な結合及び認知に有意には干渉しないようにする。したがって、リンカーは、スペーサ単位も含み得る。スペーサは、例えば、切断部位又は標識からヌクレオチド塩基を遠ざける。
【0096】
リンカーは開裂性であってもよく、開裂部位は、開裂後にリンカーの一部がヌクレオチド塩基に結合したままの状態をもたらすか、又はリンカー全体がヌクレオチド塩基から除去される状態をもたらす、リンカー上の位置に位置していてもよい。例示的なリンカーとしては、アジド及びアリル含有開裂性部分、ジスルフィドリンカー、酸不安定部分(ジアルコキシベンジル部分、Sieberリンカー、インドール部分、t-ブチルSieber部分を含む)、求電子的開裂性部分、求核的切開裂性部分、光開裂性部分、還元条件下での開裂、酸化条件下での開裂、セーフティキャッチ部分の使用による開裂、及び脱離機構による開裂が挙げられる。このような部分の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第03/048387号に記載されている。
【0097】
本組成物は、異なる検出可能な標識に連結された異なる修飾ヌクレオチドを含んでもよい。一部の実施態様では、4つの異なる修飾ヌクレオチドが、4つの異なる検出可能な標識に連結され得る。あるいは、4つの異なる修飾ヌクレオチドは、2つの異なる検出可能な標識(例えば、合成による2チャネル配列決定のために)により、又は単一の検出可能な標識(例えば、合成による1チャネル配列決定のために)により標識されてもよい。
【0098】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド」は、ヌクレオチドと構造的に類似しているが、リン酸部分を欠いている。ヌクレオシド類似体の例は、標識が塩基に連結され、糖分子に付着したリン酸基が存在しないものである。用語「ヌクレオシド」は、当業者によって理解されるその通常の意味で、本明細書で使用される。例としては、リボース部分を含むリボヌクレオシド、及びデオキシリボース部分を含むデオキシリボヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。修飾されたペントース部分は、酸素原子が炭素により置き換えられている、及び/又は炭素が硫黄若しくは酸素原子で置き換えられている、ペントース部分である。「ヌクレオシド」は、置換塩基及び/又は糖部分を有し得るモノマーである。
【0099】
用語「プリン塩基」は、当業者によって理解されるその通常の意味で、本明細書で使用され、その互変異性体を含む。同様に、用語「ピリミジン塩基」は、当業者によって理解されるその通常の意味で、本明細書で使用され、その互変異性体を含む。場合により置換されたプリン塩基の非限定的なリストとしては、プリン、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、アロキサンチン、7-アルキルグアニン(例えば、7-メチルグアニン)、テオブロミン、カフェイン、尿酸、及びイソグアニンが挙げられる。ピリミジン塩基の例としては、シトシン、チミン、ウラシル、5,6-ジヒドロウラシル、及び5-アルキルシトシン(例えば、5-メチルシトシン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
基質(又は固体支持体)の用語は、本明細書で記載される場合、例えば、ガラス表面、プラスチック表面、ラテックス、デキストラン、ポリスチレン表面、ポリプロピレン表面、ポリアクリルアミドゲル、金表面、及びシリコンウェハなどの、核酸が付着し得る任意の不活性基質又はマトリックスを含み得る。例えば、基質は、ガラス表面(例えば、フローセルチャネルの平面状表面)であり得る。一実施態様では、基質は、ポリヌクレオチドなどの分子への共有結合を可能にする反応性基を含む中間物質の層又はコーティングを適用することなどにより、「官能化」されている不活性基質又はマトリックスを含んでもよい。支持体は、ガラスなどの不活性基質上に支持されたポリアクリルアミドヒドロゲルを含み得る。分子(例えば、ポリヌクレオチド)は、中間物質(例えば、ヒドロゲル)に直接、共有結合していてもよい。支持体は、各々が異なる結合分析対象を有する複数の粒子又はビーズを含み得る。
【0101】
本明細書で使用される場合、「誘導体」又は「類似体」は、修飾された塩基部分及び/又は修飾された糖部分を有する合成ヌクレオチド又はヌクレオシド誘導体を意味する。このような誘導体及び類似体は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Bucher、N.「Nucleotide Analogs.Synthesis and Biological Function」 Angewandte Chemie 97:564(1980)において議論されている。ヌクレオチド類似体はまた、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキル-ホスホネート、ホスホラニリデート(phosphoranilidate)、及びホスホラミデート連結を含む、修飾されたホスホジエステル連結基を含んでもよい。本明細書で使用される「誘導体」、「類似体」及び「修飾された」は、互換的に使用されてもよく、本明細書に記載の用語「ヌクレオチド」及び「ヌクレオシド」によって包含される。
【0102】
本明細書で使用される場合、「固相」又は「表面」という用語は、プライマーが平坦な表面、例えば、ガラス、シリカ若しくはプラスチック製の顕微鏡スライド、又は類似のフローセルデバイス;ビーズであって、1つ若しくは2つのプライマーがビーズに結合しており、このビーズが増幅される、ビーズに結合している平面アレイ;あるいはビーズが増幅された後の表面のビーズのアレイのいずれかを意味するために使用される。
【0103】
本明細書で使用される場合、物質(例えば、クラウディング剤又は核酸を含む)「を実質的に含まない」とは、10%未満の物質、5%未満の物質、4%未満の物質、3%未満の物質、2%未満の物質又は1%未満の物質を有する組成物を指す。
【0104】
本明細書に記載される場合、「シェル」は、内部区画を取り囲む組成物を含む。本明細書に記載される内部区画は、1種以上の試薬を含む。本明細書に記載される場合、組成物中のシェルは、シェルが第1の放出条件に曝露されたときに、内部区画を放出する。本明細書に記載されている組成物の内部区画は、内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに、1種以上の試薬を放出する。内部区画は、例えば、1種以上の試薬を取り囲むそれ自体の内部区画シェルを有してもよい。第1の放出条件は、第2の放出条件と異なってもよい。
【0105】
一実施態様では、シェルは水溶性化合物を含む。一実施態様では、シェルは、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上から選択される物質を含む。一実施態様では、シェルは、ポリメタクリレートベースのコポリマー、アクリルポリマー、水溶性ポリマー、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、プルロニック、ワックス、アゾベンゼン、スピロベンゾピランなどのフォトクロミックマーカー、金ナノ粒子、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、アルギン酸塩、ジェラン、ポリ(ジスルフィド)、金属有機フレームワーク(MOF)、及びそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含むことができる。有用なコポリマーの例としては、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルから誘導されるもの、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、並びにポリ酢酸ビニルフタレート(Phthalavin腸溶コーティングポリマー)及び可塑剤の組合せが挙げられる。
【0106】
シェル材料の量は、例えば、所望のシェル結果を生じるのに好適な任意の量を含む。一実施態様では、シェル材料は、シェルの約1重量%~約100重量%の量で存在する。例えば、シェル材料は、シェルの約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、100重量%、又はそれらの間の任意の量で存在し得る。一実施態様では、シェル材料は、シェルの約10重量%~約90重量%、又は約10重量%~約80重量%、又は約10重量%~約70重量%、又は約10重量%~約60重量%、又は約10重量%~約50重量%の量で存在する。
【0107】
本明細書に記載される場合、「カプセル化する」及び「カプセル化された」及び「カプセル化」は、本明細書に記載の1種以上の組成物を封入することを含む。本明細書に記載されるマイクロカプセル化は、少なくとも1種の成分、例えば活性剤を、少なくとも1種の他の材料、例えばシェル材料に埋め込むことを指す。本開示によるカプセル化としては、以下に限定されないが、バルクカプセル化、マトリックスカプセル化、マクロカプセル化、マイクロカプセル化、ナノカプセル化、単分子及びイオンカプセル化が挙げられる。
【0108】
本開示によれば、本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、例えば、試薬の安定性の増加、マルチランカートリッジを可能にするためのマクロカプセル化の使用、並びに簡略化されたワークフロー及び試薬ウェルの数の低減を可能にするためのマイクロカプセル化の使用を含む多数の利点及び利益を有する。本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、そうでなければpH変化に応答する粒子のカプセル化を使用して、これらの緩衝液を安定化させてSBS性能を向上させる。本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムはまた、カプセル化を使用して、そうでなければ製造中の試薬の分注及び乾燥配合に困難をもたらす静電荷のリスクを低減する。高い静電荷は、ウェル中の凍結乾燥内容物の分布を予測することを更に困難にする。例えば、高い静電荷は、ウェル内容物がウェルの底に沈降しないようもたらすことができ、これは、凍結乾燥された内容物の所望の再水和を得る難しさの一因である。本明細書に記載されているシェルは、例えば、生分解性ポリマーを含んでもよい。
【0109】
本明細書に記載されている第1の放出条件は、一実施態様では、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。第1の放出条件は、シェルを溶解する、又は内部区画を放出するのに好適な特定の温度、pH、期間又は位置に基づいてもよい。
【0110】
本明細書に記載されている第2の放出条件は、一実施態様では、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。第2の放出条件は、内部区画を溶解する、又は1種以上の試薬を放出するのに好適な特定の温度、pH、期間又は位置に基づいてもよい。第1の放出条件及び第2の放出条件は、別々であり、互いに独立して、いる。
【0111】
本明細書に記載される条件(例えば、第1の放出条件又は第2の放出条件)のいずれかを「改変すること」は、組成物における1つ以上の条件の任意の変化を含む、あるいは、組成物を取り囲む環境(例えば、再水和溶液又は他の周囲溶液)の任意の変化を含む。一実施態様では、条件を改変することにより、組成物中の任意の化合物の連続放出又は内部区画中の1種以上の試薬の放出が可能になる。試薬の逐次放出を可能にする方法の1つは、温度トリガ放出によるものである。時間、及び若しくは代替的に、温度に加えて又はその代わりに他の反応特性が変更されてもよい。例えば、その中に、1つ以上の化合物、構成成分及び試薬の放出を更に制御するよう、pH及び湿度を変更されてもよい。条件は、任意の数の異なる条件を生成するために、任意の回数、改変されてもよい。
【0112】
一実施態様では、追加の組成物が提供され、追加の組成物から1種以上の試薬の放出を制御するのに有効な第3の条件下で混合される。一実施態様では、試薬構成成分が分離され、それによって望ましくない相互作用を防止及び制御することができる。本明細書に記載されている第3の条件又は他の後続条件は、一実施態様では、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含み得る。第3の条件又は他の後続放出条件は、内部区画を溶解する、又はその中の1種以上の試薬を放出するために好適な、特定の温度、pH、期間又は位置に基づいてもよい。第3の放出条件は、第1の放出条件及び第2の放出条件とは別個のものであり、無関係である。
【0113】
一実施態様では、例えば、図6及び図7に示されているように、本組成物は、内部区画102(例えば、102a、102b、102cなど)を取り囲むシェル100(例えば、100a、100b、100cなど)を含む。シェル100は、本明細書において、第1のシェル又は溶解可能な第1のシェル又は外部シェルと呼ばれることがある。内部区画102は、少なくとも1種の試薬を含む。内部区画102はまた、又は代替として、1つ以上の浄水化合物を含んでもよい。内部区画102は、本明細書において、第2のシェル又は溶解可能な第2のシェルと称されることがあり、内部シェルを含んでもよい。シェル100は、例えば、シェル100が第1の放出条件に曝露されたときに内部区画102を放出することができる。内部区画102は、例えば、内部区画102の内側に位置する1種以上の試薬を放出することができる。本組成物は、複数の組成物を含んでもよく、又は図7に示されるようなシェル100(例えば、100a、100b、100cなど)及び内部区画102(例えば、102a、102b、102c)を含む1つ以上の追加の組成物であって、異なる試薬、同じ試薬又は実質的に同じ試薬を含んでもよい、上記の1つ以上の追加の組成物と連携して使用されてもよい。更に、シェル100(例えば、100a、100b、100cなど)及び内部区画102(例えば、102a、102b、102c)は、異なる放出条件、同じ放出条件又は実質的に同様の放出条件に応答することができる。放出条件は、本明細書に記載されているものに準拠してもよい。
【0114】
一例では、図8に示すように、シェル100は、内部区画102を取り囲み、内部区画102は複数の試薬104を含む。複数の試薬は、同じタイプの試薬又は異なるタイプの試薬であってもよく、図8~10に示されるように、乾燥していてもよく、又は実質的に乾燥していてもよい(例えば、凍結乾燥されていてもよい)。組成物は、第1の放出条件に置かれると、内部区画102を放出することができる。組成物は、第2の放出条件に置かれると、1種以上の試薬104を放出することができる。一実施態様では、第1の放出条件は、第1の試薬104aを周囲の液体環境に放出することができる。別の実施態様では、場合により、第1の試薬104aが放出された後に、第2の放出条件により、第2の試薬104bが放出されてもよい。
【0115】
図9に示されるように、試薬104は、例えばマイクロスフェア内に配置されてもよく、又はマイクロスフェアとして形成されてもよい。試薬104は、同じタイプの試薬又は異なるタイプの試薬であってもよい複数の試薬を含有してもよい。図9は、試薬104が3つの試薬を含む一実施態様を示す:試薬104aは、試薬104の外層又はシェル(本明細書において、内部シェルとも称される)内に位置する;試薬104bは、試薬104の中間層又はシェル内に位置する;試薬104cは、試薬104のコアに位置する。試薬104a、104b及び/又は104cのうちのいずれかは、任意の追加の試薬と共に、マイクロスフェア中の同心円に組織化されてもよく、又は代替として、互いに隣接してもよい。
【0116】
図10は、試薬104がマイクロカプセル化された凍結乾燥マイクロスフェアである、試薬104の一実施態様を示す。このような例では、試薬104は、単一タイプの試薬又は複数の試薬タイプを含有してもよい。本明細書に記載されるカプセル化された凍結乾燥マイクロスフェアは、1つ、2つ、3つ又は3つより多いタイプの試薬を含んでもよい。本明細書に記載されているカプセル化された凍結乾燥マイクロスフェアは、図9及び10に示されるように、外層又はシェル104a(本明細書において内部シェルとも呼ばれる)及びコア(例えば、104b又は104c)を含有してもよく、シェル及びコアのそれぞれは、同じ又は異なる1種以上の試薬を場合により含有してもよい。一実施態様では、マイクロスフェアのコアは、試薬を含有し(例えば、図10中の104bとして示されるように)、コアと同じ又は異なる試薬を含有することができるマイクロスフェアシェルの内側に位置することができる(例えば、図10の104aとして示されるように)。凍結乾燥マイクロスフェアは、本明細書に記載されている用途に有用なマイクロスフェアを作製するために、第3の試薬又は任意の数の追加の試薬を更に含んでもよい。一実施態様では、マイクロスフェアのコアは、試薬を含有し(例えば、図9の104cとして示されるように)、マイクロスフェアの中間層の内側に位置してもよく(例えば、図9中の104bとして示されるように)、これらは、どちらも、マイクロスフェアの外層又はシェルの内側に位置する(例えば、図9中の104cとして示されるように)。各試薬は異なっていてもよい。一実施態様では、第1の試薬は第2の試薬と異なっていてもよい。一実施態様では、第1の試薬は第3の試薬と異なっていてもよい。他の実施態様では、第2の試薬は第3の試薬と異なっていてもよい。あるいは、凍結乾燥マイクロスフェア中の試薬は、同一であってもよく、又は実質的に類似していてもよい。例えば、第1の試薬は、第3の試薬と同じであってもよく、又は実質的に同様であってもよい。第1の試薬は、同様に、第2の試薬と同じであってもよく、又は実質的に同様であってもよい。第2の試薬は、第3の試薬と同じであってもよく、又は実質的に同様であってもよい。特定の実施態様では、試薬104bの直径は、470μm~500μm、例えば、約484μmである。特定の実施態様では、シェルの厚さは、4μm~5μm、例えば、約4.6μmである。
【0117】
本明細書に記載の組成物中の各試薬は、異なる放出条件に応答し得る。特定の実施態様では、第1、第2及び/又は第3の試薬は、異なる放出条件に応答し得る。特定の実施態様では、第1及び第3の試薬は、異なる放出条件に応答する。特定の実施態様では、第1及び第2の試薬は、異なる放出条件に応答する。他の実施態様では、第2及び第3の試薬は、異なる放出条件に応答する。あるいは、第1、第2及び/又は第3の試薬は、同じ放出条件又は実質的に同様の放出条件に応答し得る。特定の実施態様では、第1及び第3の試薬は、同じ放出条件又は実質的に同様の放出条件に応答する。特定の実施態様では、第1及び第2の試薬は、同じ放出条件又は実質的に同様の放出条件に応答する。特定の実施態様では、第2及び第3の試薬は、同じ放出条件又は実質的に同様の放出条件に応答する。
【0118】
一実施態様では、シェルは、シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに内部区画を放出し、少なくとも1つの追加のシェル放出条件のうちの1つ以上が、第1の放出条件とは異なる。一実施態様では、内部区画は、シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。別の実施態様では、内部区画は、内部区画が少なくとも1つの追加の内部区画放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬を放出し、少なくとも1つの追加の内部区画放出条件のうちの1つ以上が、第2の放出条件とは異なる。追加のシェル放出条件及び内部区画放出条件は、第1及び第2の放出条件に対する追加であってもよく、又は代わりであってもよい。
【0119】
本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、さまざまな構成成分及び試薬が、異なる時間に、例えば、連続的に又はそうでない場合、制御された様式で放出され得るように、時限放出を実現する。放出速度は、組成物構成成分及び試薬の制御放出を可能にするように調節可能であり得る。放出速度は、任意の好適な期間であってよい。例えば、シェル又は内部区画は、1分以内(例えば、1秒未満、1秒、10秒、20秒、30秒、45秒、60秒、又はそれらの間の任意の期間)などの短期間にわたり、放出又は溶解することができる。あるいは、シェル又は内部区画は、1分~30分などの中間期間(例えば、1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、又はそれらの間の任意の期間)にわたり放出又は溶解することができる。あるいは、シェル又は内部区画は、30分超などの長期間(例えば、35分、40分、45分、50分、55分、60分、75分、90分、105分、120分、120分超、又はそれらの間の任意の期間)にわたり放出又は溶解することができる。例えば、本明細書に記載されているシェル又は内部区画は、低pH(例えば、約2~6の間)で迅速に(例えば、1分未満で)放出することができる一方、同じシェルは、高pH(例えば、約10~14の間)でゆっくりと(例えば、約30分以上で)放出することができる。同様に、本明細書に記載されているシェル又は内部区画は、低pH(例えば、約2~6の間)でゆっくりと(例えば、約30分以上で)放出することができる一方、同じシェルは、高pH(例えば、約10~14の間)で迅速に(例えば、1分未満で)放出することができる。同様に、本明細書に記載されているシェル又は内部区画は、高温(例えば、約25℃超)で迅速に(例えば、1分未満で)放出することができる一方、その同じシェル又は内部区画は、より低い温度(例えば、約25℃以下)でゆっくりと(例えば、約30分以上で)放出することができる。別の例では、本明細書に記載されているシェル又は内部区画は、高温(例えば、約25℃超)でゆっくりと(例えば、約30分以上で)放出することができる一方、その同じシェル又は内部区画は、より低い温度(例えば、約25℃以下)で迅速に(例えば、1分未満で)放出することができる。一実施態様では、第1及び第2の条件の一方又はどちらも、温度の変化を含む。温度は、例えば、約25℃を超える温度まで上昇させてもよい。あるいは、温度は、例えば、約25℃以下に低下されてもよい。
【0120】
一実施態様では、内部区画は、シェルが第1の放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。本明細書に記載される場合、第2の放出条件(すなわち、内部区画が1種以上の試薬を放出する)は、第1の放出条件(すなわち、シェルが内部区画を放出する)と同じであってもよい。シェル及び内部区画は、一実施態様では、同じ条件下で放出することができる。このような場合、シェル及び内部区画は、異なる時間に放出又は溶解することができる。あるいは、シェル及び内部区画は、一実施態様では、異なる条件下で放出することができる。一実施態様では、第1の放出条件は、第2の放出条件の前に生じる。別の実施態様では、第2の放出条件は、第1の放出条件の後に生じる。
【0121】
本明細書に記載される場合、シェルが第1の条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止することは、第2の放出条件下よりも少なくとも1桁長い放出の防止を含む。本明細書に記載される場合、1種以上の試薬の放出を防止することは、試薬放出の完全な防止及び試薬放出の実質的な遅延の両方を含む(すなわち、1種以上の試薬の放出を防止することは、放出を実質的に防止することを含む)。
【0122】
一実施態様では、シェルはシェル幅を有し、内部区画は内部区画幅を有し、シェル幅は内部区画幅とは異なる。一実施態様では、シェル幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。別の実施態様では、内部区画幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。シェル幅は、例えば、約1マイクロメートル、約10マイクロメートル、約25マイクロメートル、約50マイクロメートル、約75マイクロメートル、約100マイクロメートル、約125マイクロメートル、約150マイクロメートル、約175マイクロメートル、約200マイクロメートル、約225マイクロメートル、約250マイクロメートル、約275マイクロメートル、約300マイクロメートル、約325マイクロメートル、約350マイクロメートル、約375マイクロメートル、約400マイクロメートル、約450マイクロメートル、約500マイクロメートル、約550マイクロメートル、約600マイクロメートル、約650マイクロメートル、約700マイクロメートル、約750マイクロメートル、約800マイクロメートル、約850マイクロメートル、約900マイクロメートル、約950マイクロメートル、約1,000マイクロメートル、又はそれらの間の任意の量であってもよい。一実施態様では、シェル幅は、約100マイクロメートル~1,000マイクロメートルである。一実施態様では、シェル幅又は内部区画幅の一方又はどちらも、1,000マイクロメートルを超える。一実施態様では、シェル幅は、内部区画幅と同じである。本明細書に記載される場合、「内部区画」(「コア」又は「コア領域」と互換的に称される)は、周囲のシェル内の任意の物質を含む。本開示による内部区画は、1種以上の試薬を含む。
【0123】
本明細書で使用される場合、用語「試薬」は、試料と反応する、それと相互作用する、それを希釈する又はそれに添加するために有用な単一の薬剤又は2種以上の薬剤の混合物であることを記載し、例えば、緩衝液、化学物質、酵素、ポリメラーゼ、50塩基対未満のサイズを有するものを含むプライマー、鋳型核酸、ヌクレオチド、標識、色素又はヌクレアーゼを含む、核酸反応に使用される薬剤を含むことができる。
【0124】
一実施態様では、1種以上の試薬は、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである。一実施態様では、1種以上の試薬は、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される。一部の実施態様では、試薬は、リゾチーム、プロテイナーゼK、ランダムヘキサマー、トランスポザーゼ(例えば、Tn5)、プライマー(例えば、P5及びP7アダプタ配列)、リガーゼ、触媒酵素、デオキシヌクレオチド三リン酸、緩衝液又は二価陽イオンを更に又は代替的に含んでもよい。試薬は、例えば、ビーズ連結トランスポソーム(BLT)、Tris pH7、MgCl、酢酸Mg、硫酸Mg、インデックス付きプライマー、Q5ポリメラーゼ、Bst3.0、Tris pH9、dNTP、NaCl、ベタイン、又はそれらの任意の組合せを更に又は代替的に含むことができる。本明細書に記載される試薬は、特定の実施態様では、ポリメラーゼ、リガーゼ、リコンビナーゼ、又はトランスポザーゼなどの酵素、抗体、エピトープ、ストレプトアビジン、アビジン、ビオチン、レクチン若しくは炭水化物などの結合パートナー、又は他の生化学的に活性な分子を含んでもよい。他の例示的な試薬としては、核酸増幅プロトコル、親和性ベースのアッセイプロトコル、酵素アッセイプロトコル、配列決定プロトコル、及び/又は生物学的流体の分析のためのプロトコルなどの生化学的プロトコルのための試薬が挙げられる。本明細書に開示される実施態様のいくつかによると、試薬は、特定のワークフロー及び/又は下流用途に応じて、1種以上のビーズ、特に磁気ビーズを含んでもよい。
【0125】
一実施態様では、本開示による試薬はポリメラーゼである。本明細書で使用される場合、「ポリメラーゼ」という用語は、当該技術分野におけるその使用と一致することが意図され、例えば、鋳型鎖として核酸を使用して核酸分子の相補的複製物を産生する酵素を含む。典型的には、DNAポリメラーゼは、鋳型鎖に結合し、次いで、ヌクレオチドを、成長する核酸鎖の3’末端の遊離ヒドロキシル基に連続的に付加して、鋳型鎖を下流へ移動する。DNAポリメラーゼは、典型的には、DNA鋳型から相補的DNA分子を合成し、RNAポリメラーゼは、典型的には、DNA鋳型からRNA分子を合成する(転写)。ポリメラーゼは、短いRNA又はDNA鎖(プライマーと呼ばれる)を使用して、鎖成長を開始し得る。いくつかのポリメラーゼは、それらが鎖に塩基を付加する部位の上流の鎖を置換し得る。かかるポリメラーゼは、鎖置換であるとも言われ得、これは、ポリメラーゼによって読み取られる鋳型鎖から相補鎖を除去する活性を有すると言われる。鎖置換活性を有する例示的なポリメラーゼには、Bst(バチルス・ステアロサーモフィルス)ポリメラーゼの大断片、エキソ-クレノウポリメラーゼ、又はシークエンシンググレードのT7エキソ-ポリメラーゼが含まれるが、これらに限定されない。いくつかのポリメラーゼは、それらの前にある鎖を分解し、それを後ろにある成長する鎖で効果的に置き換え得る(5’エキソヌクレアーゼ活性)。いくつかのポリメラーゼは、それらの後ろにある鎖を分解することができる活性を有する(3’エキソヌクレアーゼ活性)。いくつかの有用なポリメラーゼは、3’及び/又は5’エキソヌクレアーゼ活性を低減又は排除するために変異又は他の方法で修飾されている。
【0126】
本開示によるポリメラーゼは、リン酸標識ヌクレオチドの取り込みに耐え得る任意のポリメラーゼを含み得る。本開示により有用となり得るポリメラーゼの例としては、以下に限定されないが、phi29ポリメラーゼ、クレノウ断片、DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼIII、GA-1、PZA、phi15、Nf、G1、PZE、PRD1、B103、GA-1、9oNポリメラーゼ、Bst、Bsu、T4、T5、T7、Taq、Vent、RT、polベータ、及びpolガンマ、及びそれらの組合せが挙げられる。特定の特性を有するように操作されたポリメラーゼも使用されてもよい。一実施態様では、ポリメラーゼは、配列決定に有用となり得る(「配列決定ポリメラーゼ」)。一実施態様では、試薬は、ポリメラーゼ、例えば、Pol812、129DNAポリメラーゼ、Taqポリメラーゼ、Bsuポリメラーゼ、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0127】
本明細書に開示されるプライマーは、目的の標的配列にハイブリダイズすることができる核酸分子を含む。いくつかの実施態様では、プライマーは、ポリメラーゼによってヌクレオチドが重合され得る基質として機能してもよい。しかし、一部の例では、プライマーは合成された核酸鎖に取り込まれ、別のプライマーがハイブリダイズして合成された核酸分子に相補的な新たな鎖の合成をプライミングすることができる部位を提供することができる。プライマーは、ヌクレオチド又はその類似体の任意の組合せを含み得る。一実施態様では、プライマーは、一本鎖オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドである。
【0128】
上記の組成物中に含まれ得る核酸分子の非限定例には、ゲノム若しくはcDNAなどのDNA;mRNA、sRNA若しくはrRNAなどのRNA;又はDNA及びRNAのハイブリッドが含まれる。組成物は、標識ヌクレオチドを更に含んでもよい。
【0129】
用語「塩」は、無機酸及び塩基並びに有機酸及び塩基を含む毒性又は非毒性の酸又は塩基から調製される塩を含み得る。塩は、例えば、無機及び有機酸を含む薬学的に許容される非毒性の酸から調製することができる。
【0130】
当業者に公知の任意の界面活性剤もまた、特に、組成物が凍結乾燥される場合、組成物中に含まれてもよい。界面活性剤は、ポリイオン性、非イオン性若しくはイオン性(具体的にはカチオン性又はアニオン性)であってもよく、又は双性イオン性であってもよい。本明細書に記載される界面活性剤は、Tween-20、Tween80、CHAPS、又はBrij-L23、Pluronic-F127などの他の洗剤、又はそれらの組合せを含む。好適な界面活性剤の例としては、ポリアクリレート界面活性剤、シリコーン界面活性剤、及び/又は他の市販の界面活性剤若しくは洗剤が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載される組成物は、スルフェート、スルホネート、ホスフェート、及びカルボキシレート官能基などのアイオン性官能基を一方の末端に含むアニオン性界面活性剤を含み得る。試薬は、中性界面活性剤、例えば、ポリエチレン(polyethelene)グリコールラウリルエーテルを含んでもよい。
【0131】
本明細書に記載される試料調製試薬は、例えば、溶解緩衝液、プロテイナーゼK(PK1)、精製ビーズ(PB)、再懸濁緩衝液(RSB)及びエタノール(EtOH)を挙げることができる。本明細書に記載されるライブラリ調製試薬は、例えば、末端修復ミックス、A-テーリングミックス、ライゲーションミックス、固有分子識別子(UMI)、停止ライゲーション緩衝液、並びにタグ緩衝液、ニコチンアミド-アデニンジヌクレオチドNAD、リガーゼ、インデックス、ビーズ、SDS、スイッチングオリゴ、dNTP及び緩衝液を含み得る。
【0132】
組成物は、更に又は代替として、酵素阻害剤、分子プローブ、クラウディング剤、有機オスモライト、シクロデキストリン、アデノシン三リン酸(ATP)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クレアチンキナーゼ、クレアチンリン酸、パラジウム、リポ酸、ヘキサエチレングリコール、トリヒドロキシプロパンホスフィン、アスコルビン酸ナトリウム、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。本明細書に記載の酵素阻害剤は、酵素に結合してその活性を低下させる任意の分子を含む。本明細書に記載される分子プローブは、例えば、ジゴキシゲニン、8-アニリノナフタレン-1-スルホン酸(「ANS」)、ポルフィリン、BODIPY、シアニン、又はそれらの任意の組合せを含む。本明細書に記載されるクラウディング剤は、当業者に公知の任意のクラウディング剤を含む。例としては、以下に限定されないが、ポリエチレングリコール、フィコール、デキストラン、及び血清アルブミンが挙げられる。一実施態様では、組成物は、約5重量%、約4重量%、5%、約3重量%、5、約2重量%、約1重量%、約1重量%未満のクラウディング剤、例えば、約0.001重量%、約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%未満、又はそれらの間の任意の量若しくは範囲の追加の化合物を含む。一実施態様では、クラウディング剤は、組成物中に測定可能な含有量で存在しない。
【0133】
配列決定技術の当業者は、本明細書に明示的に記載されていない本開示の組成物、方法、キット、カートリッジ及びシステムに有用となり得る追加の試薬が存在することを認識している。
【0134】
本明細書に記載される組成物は、浄水化合物を更に含んでもよい。本明細書に記載される浄水化合物は、水を精製するために使用することができる任意の化合物、例えば、配列決定用途のためのそのような水を調製するために、水から望ましくない化学物質を除去する、又は不活性にする化合物を含む。本明細書に記載される浄水化合物によって、配列決定用途のためのカートリッジサイズを低減するための大気水捕捉技術の使用、並びに水が機器上に収集されるため、カートリッジと共に又はカートリッジ内で輸送される水を低減又はなくすことによる環境影響の低減が可能となる。本明細書に記載される浄水化合物は、そうでなければ大気水捕捉に関連する水質問題を解決する。同様に、本明細書に記載される浄水化合物は、例えば、都市水源、地下水、及び再生又は再利用水源などの他の非精製水源の使用を可能にし得る。
【0135】
例えば、錠剤を含む浄水化合物は、一実施態様では、複数の形態をとり得る、連続ワークフローに組み込まれてもよい。例えば、一実施態様では、大型の単一浄水錠剤を、大気捕捉水が貯蔵されるタンク内で使用されてもよい。あるいは、1種以上の試薬を含み、カプセルが再水和のために利用する液体の量に比例するサイズの小型浄水錠剤を各組成物に組み込むことができる。一実施態様では、浄水化合物は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む。一実施態様では、浄水化合物は、シェルと内部区画との間の位置に存在する。あるいは、浄水化合物は、他の実施態様では、シェル上にあってもよく、又はシェルの一部であってもよい。
【0136】
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(NaDCC)及び他の浄水化合物は、配列決定用途に使用されるもの、又は一般的に配列決定用途に使用されるものなどの試薬と適合しないことがある。NaDCCの作用機序は、DNA複製を阻害し、酸化を引き起こし、タンパク質凝集を引き起こし、一般に酵素/タンパク質の不活性化を引き起こすことによって微生物にとって致死的な次亜塩素酸を生成する。本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、本明細書に記載されている設計の遅延放出態様を使用することによって、この問題に対処する。一実施態様では、浄水化合物が取り付けられた試薬を含有するカートリッジに水が加えられ、浄水化合物が溶解し、微生物に害となる次亜塩素酸放出を介して水浄化が行われ、次亜塩素酸が停止され、1種以上の試薬を含有する組成物が放出され、1種以上の試薬が溶解し、試薬混合物が使用できる状態になる。
【0137】
本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、内部区画内に、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0138】
本明細書中に記載されている組成物及び試薬は、乾燥試薬を含むことができ、場合により、例えば、凍結乾燥マイクロスフェアとして凍結乾燥され得る。一実施態様では、組成物は、ケーキ、ビーズ又は粉末を含む。別の実施態様では、組成物は、マイクロスフェア、ケーキ、又はそれらの組合せであってもよい。
【0139】
組成物がケーキ又はビーズ(例えば、マイクロスフェア)の形態にある場合、組成物は、機械的剛性を示すことがある。本明細書で使用されるバルク組成物(例えば、ケーキ又はビーズ)の「機械的剛性」は、バルク組成物が振動又は衝撃応力などの機械的応力を受けた後に、バルク組成物から最大5%、より好ましくは最大1%、更により好ましくは最大0.5%、及び最も好ましくは最大0.1%の質量損失を示すバルク組成物を指す。バルク組成物の機械的剛性の維持は、輸送中の凍結乾燥物質の損失の低減又は防止の一助となる。例えば、ケーク又はビーズが機械的安定性を欠如している場合、不完全な再水和が起こり得、配列決定反応における効率が損失する。不完全な再水和は、凍結乾燥断片又は流れ出た粉末が再水和の線を越えて位置し得る、凍結乾燥された物質の予測不能な位置によって引き起こされるおそれがある。
【0140】
本明細書で使用される場合、「マイクロスフェア」は、0.1μm~25,000μmの直径を有する球状粒子又はビーズを含む。例えば、マイクロスフェアは、約0.1μm、0.5μm、1μm、10μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、150μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1000μm、10,000μm、25,000μmの直径、又は約0.1μm~約25,000μmの間の任意の直径を有することができる。一実施態様では、マイクロスフェアは、約100μm~約1000μmの直径を有する。一実施態様では、マイクロスフェアは、約0.1mm~約25mmの断面を有する。一実施態様では、マイクロスフェアは、約0.1mm~約1mmの断面を有する。一実施態様では、組成物は、約1mm超の断面を有する。一実施態様では、組成物は、約0.1mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、50mm、100mm、200mm、300mm、400mm、500mm、600mm、700mm、800mm、900mm、1,000mmの直径、又は約0.1mm~約1,000mmの間の任意の直径を有する。
【0141】
一実施態様では、マイクロスフェアは、球形、楕円形又はトロイダル形である。マイクロスフェアは、一般に、外側ポリマー層から構成され、本明細書に記載されているシェル成分のうちの1つ以上を含んでもよい。マイクロスフェアは、例えば、生分解性ポリマーを含んでもよい。本開示によるマイクロスフェアは、当業者に公知の従来技術によって調製されたものを含む。例えば、マイクロスフェアは、液体を凍結ペレットに凍結し、続いて凍結マイクロスフェアを例えば熱によって乾燥される乾燥器、又は従来のトレイ式乾燥器などのトレイ式凍結乾燥器、若しくは回転式乾燥器に入れることによって調製することができる。本開示において、用語「凍結乾燥する(lyophilize)」又は「凍結乾燥物(lyophilizate)」は、例えば、本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムに関して、「凍結乾燥された(lyophilised)」、「凍結乾燥物(lyophilisate)」又は「フリーズドライされた(freeze-dried)」と同等の用語として使用される。本明細書に記載されるマイクロカプセル化は、1種以上の粉末中の個々のマイクロスフェア又は粒子のコーティングを含む。
【0142】
本開示によるマクロスフェアは、当業者に公知の従来技術によって調製されたものを含む。本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、単一のマイクロスフェアを含んでもよく、又は複数の凍結乾燥マイクロスフェアを含んでもよく、それによってマクロスフェアを形成してもよい。例えば、本明細書に記載される組成物は、1~1,000,000個超の間のいずれかのマイクロスフェアを含むことができる。一実施態様では、組成物は、1個のマイクロスフェア、又は25個未満のマイクロスフェア、又は50個未満のマイクロスフェア、又は75個未満のマイクロスフェア、又は100個未満のマイクロスフェア若しくは500個未満のマイクロスフェア、又は約1~約1,000,000個の任意の数のマイクロスフェアを含む。一実施態様では、例えば、マクロスフェアにおいて、組成物及び/又は試薬は異なる。本明細書に記載されるマクロカプセル化は、1種以上の粉末中の複数のマイクロスフェア又は粒子のコーティングを含む。一実施態様では、本明細書に記載される1つ以上のマクロスフェアは、時限放出するようコーティングされてもよい。
【0143】
一実施態様では、内部区画は、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。別の実施態様では、内部区画は、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。本明細書に記載されるように、複数のマイクロスフェアの各々は、複数の試薬を含むことができる。あるいは、複数のマイクロスフェアは複数の試薬をまとめて含んでもよい。
【0144】
凍結乾燥可能な配合物は、溶液、懸濁液、エマルション、又は投与若しくは使用に好適な任意の他の形態に再構成することができる。凍結乾燥可能な配合物は、通常、最初に液体として調製され、次いで凍結され、凍結乾燥される。凍結乾燥前の総液体体積は、凍結乾燥配合物の最終的な再構成後の体積より少なくすることができる、等しくすることができる、又は多くすることができる。凍結乾燥製剤の最終的な再構成後の体積は、凍結乾燥前の総液体体積未満であってもよく、凍結乾燥前の総液体体積より大きくてもよく、又は凍結乾燥前と同等の総液体体積であってもよい。
【0145】
凍結乾燥配合物は、広範囲の温度で貯蔵することができる。凍結乾燥配合物は、25℃未満、例えば2~8℃で冷蔵するか、又は室温(例えば、約25℃)で貯蔵することができる。凍結乾燥配合物は、約0℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、又は37℃~-80℃の間の任意の温度で貯蔵することができる。例えば、それらの組成物は、約15℃~約37℃、約25℃未満、約4~20℃;約4℃未満;約-20℃未満;約-40℃;約-70℃又は約-80℃で貯蔵することができる。凍結乾燥配合物の安定性は、当分野で公知のいくつかの方法で、例えば、組成物及び/若しくはケーキの視覚的外観によって、並びに/又は水分含量によって決まり得る。本開示の組成物はまた、運送中に生じ得る温度逸脱、例えば、最大70℃まで、耐えることができる。明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、一実施態様では、例えば、37℃の温度で貯蔵された場合に、一定期間、例えば10日間、14日間、20日間、26日間、30日間、60日間、100日間、200日間、300日間、365日間、又はそれより長く貯蔵された場合に安定性を示す。
【0146】
凍結乾燥配合物は、典型的に、凍結乾燥配合物を溶解するための水溶液の添加により、使用のために再水和される(本明細書において互換的に「再構成される」と称される)。水、生理食塩水、又は別の電解質若しくは非電解質希釈液を含む多種多様な水溶液を使用して、凍結乾燥配合物を再構成することができる。ある特定の状況において、本明細書に記載される凍結乾燥組成物は、水を使用して再構成されることが好ましいことがある。凍結乾燥配合物は、水(例えば、USP WFI、若しくは注射用水)又は静菌水(例えば、0.9%ベンジルアルコールを含むUSP WFI)を含む溶液で再水和することができる。しかし、添加剤、緩衝液、賦形剤及び/又は担体を含む溶液も使用することができる。
【0147】
フリーズドライ又は凍結乾燥配合物は、通常、液体から、すなわち、溶液、懸濁液、エマルションなどから調製される。したがって、フリーズドライ又は凍結乾燥を受けることになる液体は、最終的な再構成後の液体配合物に所望されるすべての構成成分を含んでもよい。あるいは、凍結乾燥されることになる液体は、単一の試薬を含んでもよく、次いで、一旦凍結乾燥されると、1つ以上の更なる凍結乾燥試薬と一緒に乾燥配合され得、こうして、これらの試薬は、再水和の際に一緒に混合されて、再構成後の液体配合物を形成する。したがって、1つの凍結乾燥物質は再水和されてもよく、又は2つ以上の凍結乾燥物質は、一緒に再水和されてもよい。結果として、再水和又は再構成されると、フリーズドライ又は凍結乾燥配合物は、再構成時に所望の液体配合物になる。
【0148】
一実施態様では、本明細書に記載の組成物は、凍結乾燥された場合、約10重量%未満の水分含量を含む。例えば、水分含量は、約9.5重量%未満、約9重量%未満、約8.5重量%未満、約8重量%未満、約7.5重量%未満、約7重量%未満、約6.5重量%未満、約6重量%未満、約5.5重量%未満、約5重量%未満の水、約4.5重量%未満、約4重量%未満、約3.5重量%未満、約3重量%未満、約2.5重量%未満、約2重量%未満、約1.5重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満の水、又はそれらの間の任意の量であってもよい。一実施態様では、凍結乾燥組成物中に測定可能な含有量の水は存在しない。
【0149】
組成物は、1種以上の試薬をカプセル化するのに適切であり、かつ配列決定のためのライブラリ調製における使用に好適な任意の適切なサイズ又は体積とすることができる。一実施態様では、組成物は、約0.1μL~約500μLのコア領域にある体積の試薬を有する。例えば、組成物は、約0.1μl、0.5μl、1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、15μl、20μl、25μl、30μl、35μl、40μl、45μl、50μl、60μl、70μl、80μl、90μl、100μl、125μl、150μl、175μl、200μl、225μl、250μl、275μl、300μl、325μl、350μl、375μl、400μl、425μl、450μl、475μl、500μlの活性試薬体積、又は約0.1μl~約500μlの間の任意の体積を有することができる。例えば、活性試薬体積は、約10μL~約400μL、約100μL~約500μL、約200μL~約500μL、約300μL~約500μL、約400μL~約500μL、約0.1μL~約100μL、又は約0.1μL~約500μLであってもよい。
【0150】
本明細書に記載の組成物は、シェル中に追加の試薬を含んでもよい。一実施態様では、組成物は、シェル中に試薬又は添加剤を含む。シェル中の試薬は、例えば、前述の試薬又は添加剤のいずれかを含んでもよい。一実施態様では、シェルは核酸分子を含まず、例えば、シェルはDNAを含まない。一実施態様では、シェルは、1種より多くの試薬を含むか、又は代替として、1種より多くの添加剤を含む。
【0151】
本明細書に記載の組成物は、溶解、DNA分析、RNA分析、タンパク質分析、タグメンテーション、核酸増幅、核酸配列決定、DNAライブラリ調製、SBS技術、配列決定によるトランスポザーゼ到達クロマチン領域解析(ATAC-seq)、連続性保存転位(CPT-seq)、単一細胞コンビナトリアルインデックス付き配列決定(SCI-seq)、又は単一細胞ゲノム増幅、又は逐次的に行われるそれらの任意の組合せを含む複数の逐次的同時アッセイに使用することができる。一実施態様では、組成物は、複数の同時アッセイ反応を行うために使用される。本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、一実施態様では、配列決定品質を改善し、ワンポットライブラリ調製を可能にし、製造及び使用を単純にすることができる。本明細書で使用される場合、用語「ワンポット反応」は、「移動フリー反応」とも称され得る。
【0152】
本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムは、以下に限定されないが、試料抽出、ライブラリ調製、濃縮、クラスター化及び配列決定を含む、配列決定のさまざまな段階のために調製され得る。組成物は、本明細書に記載されるものとは異なる任意の数の試薬、又は配列決定システム、例えば、SBS技術の有用性を促進するのに有用となり得る任意の試薬を含み得る。
【0153】
一実施態様では、生物学的試料が組成物と接触する。生物学的試料は、例えば、全血、リンパ液、血清、血漿、汗、涙、唾液、痰、脳脊髄液、羊水、精液、膣排泄物、漿液、滑液、心膜液、腹腔液、胸水、漏出液、滲出液、嚢胞液、胆汁、尿、胃液、腸液、糞便試料、単一又は複数の細胞を含む液体、細胞小器官を含む液体、流動化組織、流動化生物、多細胞生物を含む液体、生物学的スワブ及び生物学的洗浄液を含み得る。生物学的試料は、DNA、ゲノムDNA、RNA、mRNA又はそれらの類似体などの核酸、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるBentley et al.,「Accurate Whole Human Genome Sequencing Using Reversible Terminator Chemistry,」Nature 456:53-59(2008)及び国際公開第2013/131962号に記載されているものなどのターミネーター部分を有する類似体などのデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド又はそれらの類似体などのヌクレオチドを含むことができる。
【0154】
第2の態様は、組成物に関する。本組成物は、溶解可能な第1のシェル及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルを含む。
【0155】
この態様は、既に記載した態様に準拠されてもよい。
【0156】
一実施態様では、第1のシェルは、組成物が第1の放出条件に曝露されたときに溶解する。一実施態様では、第2のシェルは、組成物が第1の放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。別の実施態様では、第2のシェルは、第2の放出条件に曝露されたときに溶解する。一実施態様では、第1のシェルは外側シェルである。一実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0157】
一実施態様では、第1のシェルは、第1のシェルが少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件に曝露されたときに溶解し、少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件のうちの1つ以上は、第1の放出条件とは異なる。別の実施態様では、第2のシェルは、第2のシェルが少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬の放出を防止する。一実施態様では、第2のシェルは、第2のシェルが少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬を放出し、少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件のうちの1つ以上は、第2の放出条件とは異なる。追加の第1のシェル放出条件及び追加の第2のシェル放出条件は、第1及び第2の放出条件に対する追加であってもよく、又は代わりであってもよい。
【0158】
一実施態様では、第1のシェルは第1のシェル幅を有し、第2のシェルは第2のシェル幅を有し、第1のシェル幅は第2のシェル幅とは異なる。別の実施態様では、第1のシェル幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。更に別の実施態様では、第2のシェル幅は、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである。
【0159】
一実施態様では、第1のシェルは、水溶性化合物を含む。別の実施態様では、第1のシェルは、前述の態様に記載されているとおり、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む。
【0160】
一実施態様では、第2のシェルは、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む。別の実施態様では、1種以上の試薬は凍結乾燥される。一実施態様では、第2のシェルは、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。別の実施態様では、第2のシェルは、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む。
【0161】
第3の態様は、組成物に関する。こ本組成物は、溶解可能な第1のシェルと、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルと、浄水化合物とを含む。
【0162】
この態様は、既に記載した態様に準拠されてもよい。
【0163】
一実施態様では、浄水化合物は、溶解可能な第1のシェルと溶解可能な第2のシェルとの間の位置に存在する。一実施態様では、第1のシェルは外側シェルである。一実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0164】
第4の態様は、1種以上の試薬の放出を制御する方法に関する。本方法は、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物を提供することであって、当該内部区画が1種以上の試薬を含む、ことと、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該内部区画を放出させることと、当該内部区画を第2の放出条件に曝露して、当該1種以上の試薬を放出させることとを含み、当該第1の放出条件は、当該第2の放出条件とは異なる。
【0165】
この態様は、既に記載した態様に準拠して実施され得る。
【0166】
一実施態様では、第1の放出条件は、約1.0~約10.0のpHを含む。別の実施態様では、第2の放出条件は、約1.0~約10.0のpHを含む。例えば、第1の放出条件又は第2の放出条件は、3未満のpHを含んでもよい。あるいは、第1の放出条件又は第2の条件は、使用される物質に応じて、5又は7又は8を超えるpHを含んでもよい。一実施態様では、第2の放出条件は、複数の試薬を放出するのに有効であり、少なくとも1種の試薬の含有量は、少なくとも1種の他の試薬の含有量と異なる。一実施態様では、シェルを第1の放出条件に曝露することと、内部区画を第2の放出条件に曝露することとは順次生じる。
【0167】
一実施態様では、再水和溶液のpHは、約1.0~約10.0である。再水和溶液のpHは、例えば、約1.0、約2.0、約3.0、約4.0、約5.0、約6.0、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、約9.0、約9.5、約10.0、又はそれらの間の任意の量であり得る。再水和時間は、本明細書に記載されているように、組成物の含有量及び反応条件(例えば、試薬、温度、pH)に応じてさまざまになろう。一実施態様では、再水和時間は0.1秒~10時間であってもよい。例えば、再水和時間は、約0.1秒、1秒、10秒、30秒、45秒、60秒、5分、10分、12分、15分、20分、30分、40分、50分、60分、70分、80分、90分、2時間、5時間、8時間、10時間、又はそれらの間の任意の時間であってもよい。
【0168】
本明細書で使用される再水和(又は再構成)溶液は、水、脱イオン水、生理食塩溶液、酸性溶液、塩基性溶液、洗剤溶液及び/又は緩衝液を含んでもよく、前述の再水和溶液にしたがってもよい。一実施態様では、再水和溶液は、水、エタノールアミン又はこれらの組合せである。一実施態様では、さまざまな濃度、種類の酵素、及び異なる量の補因子、塩、pHなどを有する本明細書に記載の試薬は、水単独で、あるいは大気水捕捉で再水和することができる。本明細書に記載の追加の添加剤を再水和溶液中に提供し、マイクロスフェアの放出の制御を更に改善することができる。
【0169】
一実施態様では、本方法は、再水和された組成物を合成プロセスによる配列決定に使用することを更に含む。別の実施態様では、本方法は、再水和された組成物を配列決定プライマーに曝露することを更に含み、この場合、配列決定プライマーにおける1つ以上の修飾ヌクレオチドの組み込みは、伸長された配列決定プライマーを生成する。別の実施態様では、本方法は、再水和された組成物を、ヌクレオチドクラスターを含む固体支持体に適用することを更に含み、この場合、ヌクレオチドクラスターは、標的ポリヌクレオチドを含む。
【0170】
第5の態様は、1種以上の試薬の放出を制御する方法に関する。本方法は、溶解可能な第1のシェル及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルを含む組成物を提供することと、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該第1のシェルを溶解させることと、当該組成物を第2の放出条件に曝露して、当該第2のシェルを放出させることとを含み、当該第1の放出条件は、当該第2の放出条件とは異なる。
【0171】
この態様は、既に記載した態様に準拠して実施され得る。
【0172】
第6の態様は、1種以上の試薬の放出を制御する方法に関する。本方法は、溶解可能な第1のシェル、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェル及び浄水化合物を含む組成物を提供することと、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該浄水化合物を溶解させることと、当該組成物を第2の条件に曝露して、当該第1のシェルを溶解させることと、当該組成物を第3の放出条件に曝露して、当該第2のシェルを溶解させることとを含み、当該第1の放出条件は、当該第2の放出条件とは異なる。
【0173】
この態様は、既に記載した態様に準拠して実施され得る。
【0174】
一実施態様では、第1のシェルは外部シェルである。別の実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0175】
第7の態様は、方法に関する。本方法は、第1の温度でウェル内にカプセルを提供することと、当該ウェル内において、ある温度を有する液体を提供することと、液体の温度を第2の温度まで上昇させることと、液体の温度を第2の温度から第3の温度まで低下させることと、当該カプセルから1種以上の試薬を放出させることとを含む。
【0176】
この態様は、既に記載した態様に準拠して実施され得る。
【0177】
一実施態様では、カプセルは、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物を含み、内部区画は1種以上の試薬を含み、シェルは、シェルが第1の放出条件に曝露されたときに内部区画を放出し、内部区画は、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに1種以上の試薬を放出し、第1の放出条件は第2の放出条件とは異なる。
【0178】
一実施態様では、第1の温度は、第3の温度とは異なる。別の実施態様では、第1の温度は、第3の温度と同じである。
【0179】
第8の態様は、方法に関する。本方法は、第1の温度において、ウェル内のカプセルの外部シェルを溶解させることであって、ウェルが液体を含み、カプセルが外部シェル、浄水化合物、内部シェル及び1種以上の試薬を含み、カプセルの外部シェルを溶解することが浄水化合物を放出する、ことと、ウェルの温度を第2の温度まで上昇させることと、内部シェルを溶解させて、それによって1種以上の試薬を放出させることとを含む。
【0180】
この態様は、既に記載した態様に準拠して実施され得る。
【0181】
一実施態様では、ウェル内のカプセルの外部シェルを溶解することは、液体をウェル内に流すことを含む。別の実施態様では、内部シェルを溶解することは、液体のpHを7.0超に上昇させることを含む。別の実施態様では、内部シェルを溶解することは、液体のpHを7.0未満に低下させることを含む。更に別の実施態様では、内部シェルは第2の温度によって溶解される。別の実施態様では、内部シェルは、最小時間後に溶解する。一実施態様では、最小時間は5分である。
【0182】
第9の態様は、カートリッジに関する。本カートリッジは、試薬リザーバを含み、試薬リザーバは組成物を含み、当該組成物は、内部区画を取り囲むシェルを含み、当該内部区画は1種以上の試薬を含み、当該シェルは、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画は、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる。
【0183】
この態様は、既に記載した態様に準拠されてもよい。
【0184】
一実施態様では、第1の放出条件は液体への曝露である。
【0185】
一実施態様では、第2の放出条件は、約25℃を超える温度への曝露である。
【0186】
例示的なカートリッジ及び構成は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第8,637,242号に記載されている。例示的なフローセルは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第8,241,573号に記載されている。
【0187】
更に又は代替的に、カートリッジは、増幅方法を実施するため、及び検出方法を実施するために使用される、個別のレザーバー及び流体システムを含み得る。増幅された核酸を作製する、及び核酸の配列をやはり決定することが可能な統合配列決定システムの例としては、MiSeq(商標)プラットフォーム(Illumina,Inc.、San Diego,CA)、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,951,781号に記載のデバイスが挙げられる。
【0188】
第10の態様は、カートリッジに関する。カートリッジは、試薬リザーバを含み、試薬リザーバは組成物を含み、当該組成物は、溶解可能な第1のシェルと、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルとを含む。
【0189】
この態様は、既に記載した態様に準拠されてもよい。一実施態様では、第1のシェルは外部シェルである。一実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0190】
第11の態様は、1種以上の試薬の放出を制御するシステムに関する。本システムは、ウェルと、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物であって、当該内部区画は1種以上の試薬を含み、当該シェルは、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画は、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる、組成物と、液体とを含む。
【0191】
この態様は、既に記載した態様に準拠されてもよい。
【0192】
本明細書に記載されている液体は、ウェル内に存在してもよく、又は代替として、組成物はウェル内に存在してもよい。一実施態様では、液体はウェル内に存在する。別の実施態様では、本組成物はウェル内に存在する。
【0193】
システムは、温度コントローラ又はセンサを更に含んでもよい。温度コントローラは、システムの温度を変更又は調節して、本明細書に記載される組成物のさまざまな構成成分の放出を更に制御するために使用することができる。例えば、温度コントローラは、シェル又は溶解可能な外部シェルの放出を加速又は減速するために使用することができる。同様に、温度コントローラは、1種以上の試薬の放出を促進又は制御するために、内部区画又は溶解可能な内部シェルの放出を加速又は減速するために使用することができる。一実施態様では、本システムは、ウェル上に温度コントローラを備える。例えば、温度コントローラは、ウェルに熱を供給するために抵抗加熱器をウェルの壁に近接して含んでもよい。温度コントローラはまた、温度センサを含んでもよい。温度コントローラはまた、ウェルを指定温度に維持するためにヒータを作動及び停止させる回路を含んでもよい。
【0194】
第12の態様は、1種以上の試薬の放出を制御するシステムに関する。本システムは、ウェルと、溶解可能な第1のシェル及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルを含む組成物と、液体とを含む。
【0195】
この態様は、既に記載した態様に準拠されてもよい。
【0196】
一実施態様では、第1のシェルは外部シェルである。一実施態様では、第2のシェルは内部シェルである。
【0197】
第13の態様は、方法に関する。本方法は、ある温度を有する液体をウェルに流し込むことであって、ウェルがカプセルを含み、カプセルが、浄水化合物を取り囲む第1のシェルと、1種以上の試薬を取り囲む第2のシェルとを含み、当該第1のシェルが、第1の放出条件に曝露されたときに当該浄水化合物を放出し、当該第2のシェルが、第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件が当該第2の放出条件とは異なり、当該浄水化合物が、分解条件に曝露されたときに実質的に又は完全に分解する、ことと、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露させて、それによって浄水化合物が放出されることと、当該浄水化合物を分解条件に曝露させて、それによって当該浄水化合物が実質的に又は完全に分解されることと、当該第2のシェル条件を第2の放出条件に曝露させて、それによって当該1種以上の試薬が放出されることとを含む。
【0198】
この態様は、既に記載した態様に準拠して実施され得る。
【0199】
一実施態様では、第1の放出条件は液体への曝露である。別の実施態様では、分解条件は、液体の高温である。一実施態様では、高温は、約25℃以上である。一実施態様では、分解条件は、第2の放出条件と同じである。一実施態様では、液体を流すこと、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露すること、及び当該浄水化合物を分解条件に曝露することは、順番に行われる。別の実施態様では、液体を流すこと、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露すること、当該浄水化合物を分解条件に曝露すること、及び当該第2のシェル条件を第2の放出条件に曝露することは、順番に行われる。
【0200】
本明細書でより詳細に考察される、前述の概念及び追加の概念のすべての組合せが、(そのような概念が相互に矛盾しなければ)本明細書に開示される本発明の主題の一部であると企図されることを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題のすべての組合せは、本明細書に開示される発明の主題の一部であると企図される。
【0201】
本開示では、本明細書の一部を形成し、実施され得る具体的な実施態様を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施態様は、当業者が本開示を実施することを可能にするように詳細に記載され、他の実施態様を利用することができ、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的、論理的、及び電気的変更を行うことができることを理解されたい。したがって、例示的な実施態様の以下の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0202】
本開示は、以下の実施例を参照することによって更に例証され得る。
【実施例
【0203】
以下の実施例は、例証することを意図しているが、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0204】
実施例1-試薬のための浄水化合物。
試薬をカプセル化するための水溶性フィルムケーシングの使用は、価値を付加し、ワークフローを短縮及び簡略化することができる。これは、異なる溶解時間及び放出トリガを有する異なるフィルム中に異なる試薬、例えば、配列決定試薬をカプセル化することによって、ワークフロー及びシーケンサ全体の操作のどちらも更に単純化するために利用することができる。シーケンサ/カートリッジアーキテクチャは、各試薬のための個々のウェルではなく、内部にすべての配列決定試薬のカプセルを有するただ1つの共通ウェルの方向に移動してもよい。フィルム組成、フィルム厚さ、放出トリガ(pH、光、温度、時間)及びカプセル設計を含む、さまざまな試薬の溶解プロファイルを差別化するために、多数の手法を採用することができる。この逐次放出カプセル技術を大気水捕捉技術と組み合わせて、カートリッジサイズを更に縮小することができ、世界規模での輸送のために水(及び関連する包装)をなくすことに関して環境への影響を更に低減することができる。しかし、これによって、大気水捕捉に関連する潜在的な水質問題への対処が義務付けられると思われる。現場レベルでの管理(すなわち、カラム、フィルターによる)に加え、浄水錠剤は、連続ワークフローに組み込まれ得る。これは、大気捕捉水が貯蔵されるタンク内の地下水浄化錠剤、又は各試薬カプセル内に組み込まれた小型錠剤であって、図1に示されるようにカプセルが再水和する液体の量に比例するサイズの上記の小型錠剤のいずれか一方の複数の形態をとることができる。
【0205】
図1は、本開示の選択された実施態様による、連続ワークフローにおける浄水化合物を示す。大気水タンク11内に浄水化合物10を入れる。試薬カプセル12A~12Fは、ウェル13内に配置される。14に示すように、水が大気水タンクからウェルに加えられる。第1の試薬カプセルは、15に示されるように、他の試薬カプセルより速く溶解し、それによって、第1の試薬を最初に溶解する。一部の実施態様では、混合が行われてもよい。次に、16に示すように、溶解した第1の試薬を吸引する。17に示されるように、更なる水がウェルに添加され、第2の試薬カプセルが溶解する。第2のカプセルは、第1の試薬カプセルよりもゆっくりと水に溶解することができるか、又は光への曝露時などの別の放出条件で溶解することができる。第2のカプセルが一旦、完全に溶解されると、18に示されるように、吸引することができる。後続の試薬カプセルは、例えば、他の試薬カプセルを他の放出条件に曝露させると、19に示されるように、溶解及び吸引されてもよい。
【0206】
放出条件の少なくとも1つとして光が使用されてもよい。例えば、カプセルの光への曝露は、カプセル(又はカプセルのシェル)の溶解を引き起こすことがある。一部の実施態様では、放出条件は、光の任意の波長又はすべての波長であり得る。他の実施態様では、放出条件は、特定の波長又は波長の範囲であり得る。例えば、第1の放出条件は、第1の波長範囲の曝露を含むことができ、第2の放出条件は、第2の波長範囲の曝露を含むことができ、この場合、第1の波長範囲と第2の波長範囲とは重複しない。
【0207】
本明細書に記載される組成物、方法、カートリッジ及びシステムにおいて浄化のために使用され得る化学物質は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムである。これは、255℃の融解温度を有しており、したがって、図2に示されるようなカプセルの成形/製造に組み込むことができる。空のブロック鋳型が提供されてもよい(20)。ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(NaDCC)錠剤をブロック鋳型21内に配置する。第1の水溶性フィルムをブロック及び錠剤の上に置き(22)、次に、熱成形される(23)。次に、試薬が第1の水溶性フィルム24上の鋳型に充填される。第1の水溶性フィルムと同じ又は異なる材料であってもよい別の水溶性フィルムが、試薬の上に置かれ、熱成形される(25)。次いで、得られた試薬カプセルをブロック鋳型から取り出すことができる(26)。
【0208】
水錠剤のサイズは、図3に示すように、再水和体積/最終試薬混合物の体積に対応する。
【0209】
実施例2-浄水化合物と試薬との適合性への対処。
しかし、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(NaDCC)錠剤と試薬との適合性に関する問題が存在する。NaDCCの作用機序は、次亜塩素酸を生成することである。この酸は、DNA複製を阻害し、酸化を引き起こし、タンパク質凝集を引き起こし、一般に酵素/タンパク質の不活性化を引き起こすことによって微生物にとって致死的である。これは、酵素に対する依存を考慮すると、試薬及びワークフローに対して明らかな不適合性をもたらす。浄水化合物(例えば、NaDCC)を微調整することにより、微生物は死滅するが酵素は影響を受けない点に到達するよう、これに対処することができる。しかし、一層魅力的な手法は、カプセル設計の遅延放出態様を使用することである。少なくとも1つのこのような手法では、水が、浄水錠剤(例えば、NaDCC)が取り付けられた試薬を含有するカートリッジに添加され、浄水錠剤が溶解し、次亜塩素酸放出が微生物に危害を加えることにより浄水が行われ、次亜塩素酸が停止され(例えば、実質的に又は完全に分解又は不活性化される)、試薬を含有するカプセルが開口し、試薬が溶解し始めて、試薬混合物の使用準備が整う。
【0210】
次亜塩素酸は、多くのものに対して感受性であるか、又はそれらによって分解される。例えば、「HOClは、紫外(UV)光、日光、空気との接触、及び高温(≧25℃)に対して不安定である」。その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Ishihara et al.,「Stability of Weakly Acidic Hypochlorous Acid Solution with Microbicidal Activity,」Biocontrol Science 22(4):223-227,abstract(2017)。さまざまな有機化合物及び無機イオンが存在することにより、酸化反応によってHOClが急速に消費する。タンパク質及び炭水化物などの汚染化合物を含まない純水及び冷水を使用すると、HOCl溶液とClO溶液の両方における残留塩素レベルが顕著に低下する。HOClレベルの保持率[R]は、可能なかぎり低いレベルで有機及び無機化合物及びイオンを含有する純水を用いた配合物を必要とするように思われる。これらの弱点を利用して、前述のシステムを開発することができる。本開示のワークフローが、図4に例示されている。水浄化錠剤を含む試薬マイクロスフェアを含有するカプセルが、ウェル40内に置かれる。再水和すると、錠剤は即座に溶解し始めるが、試薬マイクロスフェアを有するカプセルは、一層遅い速度で溶解する(41)。錠剤が溶解するにつれて、活性成分である次亜塩素酸は、水42、43中の微生物を死滅させる、又は無能にする。例えば錠剤中に、他の浄水化合物もまた提供されてもよく、他の有害な化学物質又は他の物質を除去又は無効にする一助となる。次亜塩素酸は、ウェル内の水の温度を、例えば25℃以上に上昇させることによって停止される(44)。次亜塩素酸が停止された後、カプセル(フィルム又はシェル)が溶解され、試薬マイクロスフェアが放出される(45)。カプセルの溶解は、水に曝露された後の一定期間後に起こり得るか、又は代替的に、例えば、光、特定の波長若しくは波長の範囲の光、特定の閾値より高い若しくは低いpH、又はある特定の閾値より高い若しくは低い温度などの別の放出条件に曝露されたときに溶解することができる。試薬マイクロスフェアが溶解及び均質化された後(例えば、混合又は拡散による)、試薬は、使用の準備が整い得る(46)。
【0211】
実施例3-組成物及びカプセル設計。
カプセル設計は、図5に示すものなどのワークフローを可能にすることができる。この様式でのパッケージング及び配列決定試薬の利用によって、投与量を変更することが容易に可能となる。それぞれに対するカプセルの数を単純に増やすことができるだけでなく(すなわち、1回の実行に対して1個のカプセルが使用される場合、2回の実行は2個のカプセルを使用する)、現在プールしているハイスループットの顧客向けに、個々に実行するための多数の小型(例えば、ライブラリ)調製キットを、ハミルトンロボットが同時に96個の試料を実行できる程十分な大きさのプールに大型カプセルを作製することができる。
【0212】
上記の設定により、同じカートリッジの再使用が可能になる。ユーザは、実行を開始する前に補充カプセルを共通ウェル内に落下させることによって、手動でカートリッジを補充してもよい。あるいは、ロボット又は機械が、実行を開始する前に、適切な補充カプセルを共通ウェルに分配してもよい。カプセル設計はまた、製造及びパッケージングにおける改善をもたらし、この場合、事前投与形式のために分配が一層、容易になる。
【0213】
本明細書に記載される組成物の例は、シェル100及び内部区画102を有する図6に示されている。本明細書において明記されているように、シェル100は、本明細書において、第1のシェル又は溶解可能な第1のシェル又は外部シェルと呼ばれることがある。内部区画102は、少なくとも1種の試薬を含む。本明細書において明記されているように、内部区画102は、本明細書において、第2のシェル又は溶解可能な第2のシェルと称されることがあり、内部シェルを含んでもよい。シェル100は、例えば、シェルが第1の放出条件に曝露されたときに内部区画102を放出することができる。内部区画102は、例えば、内部区画102の内側に位置する1種以上の試薬を放出することができる。図7に示されるように、本組成物は、複数の組成物を含んでもよく、又はシェル100(例えば、100a、100b、100cなど)及び内部区画102(例えば、102a、102b、102c)を含む1つ以上の追加の組成物であって、異なる試薬、同じ試薬又は実質的に同じ試薬を含む、上記の1つ以上の追加の組成物と連携して使用されてもよい。更に、外側シェル100(例えば、100a、100b、100cなど)及び内部区画102(例えば、102a、102b、102c)はそれぞれ、異なる放出条件、同じ放出条件又は実質的に同様の放出条件に応答することができる。
【0214】
本明細書に記載の組成物の放出の例が図8に示されている。図8には、シェル100は、内部区画102を取り囲み、内部区画102は複数の試薬104を含む。複数の試薬は、異なるタイプの試薬であってもよく、図8に示されるように、乾燥していてもよく、又は実質的に乾燥していてもよい(例えば、凍結乾燥されていてもよい)。組成物は、第1の放出条件に置かれると、シェル100を溶解し、内部区画102を放出することができる。組成物は、第2の放出条件に置かれると、内部区画102を溶解し、1種以上の試薬104を放出することができる。第1の放出条件は、第1の試薬を周囲の液体環境に放出することができる。例えば、図8において実証されるように、第1の試薬が放出された後に、第2の放出条件により、第2の試薬が放出されてもよい。それらの現行のカプセル化されていない形式では、投与精度に対する静的効果及び結果として生じる影響が理由で、マイクロスフェアをオンボード投与することができる可能性は低い。水溶性フィルム手段の使用は、マイクロスフェアがカプセル化され、静電気の影響が最小限に抑えられるため、オンボード計量が選択肢となる。本開示において有用なマイクロスフェアの例示的な形態は、凍結乾燥されてもよく、図9及び10に示されている。
【0215】
図11は、1種以上の試薬の放出を制御するための方法に関する、本明細書に記載される一態様を説明するフローチャートである。本方法は、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物を提供することを含み、当該内部区画は、1種以上の試薬を含む(111)。本方法は、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該内部区画を放出することを更に含む(112)。本方法は、当該内部区画を第2の放出条件に曝露して、当該1種以上の試薬を放出させることを更に含み、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる(113)。
【0216】
図12は、1種以上の試薬の放出を制御するための方法に関する、本明細書に記載される一態様を説明するフローチャートである。本方法は、溶解可能な第1のシェル、及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルを含む組成物を含む(121)。本方法は、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該第1のシェルを溶解することを更に含む(122)。本方法は、当該組成物を第2の放出条件に曝露して、当該第2のシェルを溶解することを更に含み、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる(123)。
【0217】
図13は、1種以上の試薬の放出を制御するための方法に関する、本明細書に記載される一態様を説明するフローチャートである。本方法は、溶解可能な第1のシェル、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェル、及び浄水化合物を含む組成物を含む(131)。本方法は、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該浄水化合物を放出することを更に含む(132)。本方法は、当該組成物を第2の条件に曝露して、当該第1のシェルを溶解すること、及び当該組成物を第3の放出条件に曝露して、当該第2のシェル溶解することを更に含み、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる(133)。
【0218】
図14は、方法に関する、本明細書に記載されている一態様を説明するフローチャートである。本方法は、第1の温度でウェル内にカプセルを提供することを含む(141)。本方法は、当該ウェル142において、ある温度を有する液体を提供することを更に含む。本方法は、液体の温度を第2の温度まで上昇させることを更に含む(143)。本方法は、液体の温度を第2の温度から第3の温度まで低下させることを更に含む(144)。本方法は、当該カプセルから1種以上の試薬を放出させることを更に含む(145)。
【0219】
図15は、方法に関する、本明細書に記載されている一態様を説明するフローチャートである。本方法は、第1の温度において、ウェル内のカプセルの外部シェルを溶解させることであって、ウェルが液体を含み、カプセルが外部シェル、浄水化合物、内部シェル及び1種以上の試薬を含み、カプセルの外部シェルを溶解することが浄水化合物を放出する、こととを含む(151)。本方法は、ウェルの温度を第2の温度まで上昇させることを更に含む(152)。本方法は、内部シェルを溶解し、これによって、1種以上の試薬を放出させることを更に含む(153)。
【0220】
図16は、方法に関する、本明細書に記載されている一態様を説明するフローチャートである。本方法は、ある温度を有する液体をウェルに流し込むことであって、ウェルがカプセルを含み、カプセルが、浄水化合物を取り囲む第1のシェルと、1種以上の試薬を取り囲む第2のシェルとを含み、当該第1のシェルが、第1の放出条件に曝露されたときに当該浄水化合物を放出し、当該第2のシェルが、第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件が当該第2の放出条件とは異なり、当該浄水化合物が、分解条件に曝露されたときに実質的に又は完全に分解する、ことを含む(161)。本方法は、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露させて、それによって浄水化合物が放出されることを更に含む(162)。本方法は、当該浄水化合物を分解条件に曝露させて、それによって当該浄水化合物が実質的に又は完全に分解されることを更に含む(163)。本方法は、当該第2のシェル条件を第2の放出条件に曝露させて、それによって当該1種以上の試薬が放出されることを更に含む(164)。
【0221】
好ましい実施態様を本明細書に詳細に図示及び記載してきたが、本発明の精神から逸脱することなくさまざまな変更、追加、置換などを行うことができ、したがってこれらは、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内にあるとみなされることが当業者には明らかであろう。
【0222】
実施態様
本開示のさまざまな非限定的な実施態様が以下の本文において説明される。
[実施態様A]内部区画を取り囲むシェルを含む組成物であって、当該内部区画が1種以上の試薬を含み、当該シェルが、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画が、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる、組成物。
【0223】
[実施態様B]当該シェルが当該第1の放出条件に曝露されたときに、当該内部区画が、当該1種以上の試薬の放出を防止する、上記の実施態様[A]又は本開示の他の実施態様による、組成物。
【0224】
[実施態様C]当該第1の放出条件が当該第2の放出条件の前に生じる、上記の実施態様[A]若しくは[B]による組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0225】
[実施態様D]当該第2の放出条件が、当該第1の放出条件の後に生じる、上記の実施態様[A]~[C]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0226】
[実施態様E]当該第1の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[A]~[D]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0227】
[実施態様F]当該第2の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[A]~[E]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0228】
[実施態様G]第1及び第2の放出条件のいずれか一方又はどちらも、温度変化を含む、上記の実施態様[A]~[F]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0229】
[実施態様H]温度の変化が約25℃を超える温度までである、上記の実施態様[A]~[G]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0230】
[実施態様I]温度の変化が約25℃以下の温度までである、上記の実施態様[A]~[H]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0231】
[実施態様J]当該シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに、当該シェルが当該内部区画を放出し、当該少なくとも1つの追加のシェル放出条件の1つ以上が、当該第1の放出条件とは異なる、上記の実施態様[A]~[I]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0232】
[実施態様K]当該シェルが当該少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに、当該内部区画が、当該1種以上の試薬の放出を防止する、上記の実施態様[A]~[J]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0233】
[実施態様L]当該内部区画が少なくとも1つの追加の内部区画放出条件に曝露されたときに当該内部区画が当該1種以上の試薬を放出し、当該少なくとも1つの追加の内部区画放出条件の1つ以上が当該第2の放出条件とは異なる、上記の実施態様[A]~[K]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0234】
[実施態様M]当該シェルがシェル幅を有し、当該内部区画が内部区画幅を有し、当該シェル幅が当該内部区画幅とは異なる、上記の実施態様[A]~[L]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0235】
[実施態様N]当該シェル幅が約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、上記の実施態様[A]~[M]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0236】
[実施態様O]当該内部区画幅が約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、上記の実施態様[A]~[N]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0237】
[実施態様P]当該シェルが水溶性化合物を含む、上記の実施態様[A]~[O]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0238】
[実施態様Q]当該シェルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、上記の実施態様[A]~[P]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0239】
[実施態様R]当該1種以上の試薬が、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである、上記の実施態様[A]~[Q]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0240】
[実施態様S]当該1種以上の試薬が、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される、上記の実施態様[A]~[R]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0241】
[実施態様T]浄水化合物を更に含む、上記の実施態様[A]~[S]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0242】
[実施態様U]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[A]~[T]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0243】
[実施態様V]当該内部区画が、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[A]~[U]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0244】
[実施態様W]当該1種以上の試薬が凍結乾燥される、上記の実施態様[A]~[V]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0245】
[実施態様X]当該内部区画が、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[A]~[W]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0246】
[実施態様Y]当該内部区画が、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[A]~[X]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0247】
[実施態様Z]溶解可能な第1のシェルと、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルとを含む、組成物。
【0248】
[実施態様AA]当該第1のシェルが外部シェルである、上記の実施態様[Z]による組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0249】
[実施態様AB]当該第2のシェルが内部シェルである、上記の実施態様[Z]若しくは[AA]による組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0250】
[実施態様AC]当該組成物が第1の放出条件に曝露されたときに、当該第1のシェルが溶解する、上記の実施態様[Z]~[AB]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0251】
[実施態様AD]当該組成物が当該第1の放出条件に曝露されたときに、当該第2のシェルが当該1種以上の試薬の放出を防止する、上記の実施態様[Z]~[AC]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0252】
[実施態様AE]当該第2のシェルが、第2の放出条件に曝露されたときに溶解する、上記の実施態様[Z]~[AD]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0253】
[実施態様AF]当該第1の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[Z]~[AE]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0254】
[実施態様AG]当該第2の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[Z]~[AF]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0255】
[実施態様AH]第1及び第2の放出条件のいずれか一方又はどちらも、温度変化を含む、上記の実施態様[Z]~[AG]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0256】
[実施態様AI]温度の変化が約25℃を超える温度までである、上記の実施態様[Z]~[AH]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0257】
[実施態様AJ]温度の変化が約25℃以下の温度までである、上記の実施態様[Z]~[AI]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0258】
[実施態様AK]当該第1のシェルが少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件に曝露されたときに、当該第1のシェルが溶解し、当該少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件の1つ以上が、当該第1の放出条件とは異なる、上記の実施態様[Z]~[AJ]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0259】
[実施態様AL]当該第2のシェルが、当該第2のシェルが当該少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬の放出を防止する、上記の実施態様[Z]~[AK]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0260】
[実施態様AM]当該第2のシェルが、当該第2のシェルが少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件のうちの1つ以上が、当該第2の放出条件とは異なる、上記の実施態様[Z]~[AL]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0261】
[実施態様AN]当該第1のシェルが第1のシェル幅を有し、当該第2のシェルが第2のシェル幅を有し、当該第1のシェル幅は当該第2のシェル幅とは異なる、上記の実施態様[Z]~[AM]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0262】
[実施態様AO]当該第1のシェル幅が約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、上記の実施態様[Z]~[AN]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0263】
[実施態様AP]当該第2のシェル幅が約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、上記の実施態様[Z]~[AO]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0264】
[実施態様AQ]当該第1のシェルが水溶性化合物を含む、上記の実施態様[Z]~[AP]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0265】
[実施態様AR]当該第1のシェルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、上記の実施態様[Z]~[AQ]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0266】
[実施態様AS]当該1種以上の試薬が、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである、上記の実施態様[Z]~[AR]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0267】
[実施態様AT]当該1種以上の試薬が、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される、上記の実施態様[Z]~[AS]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0268】
[実施態様AU]浄水化合物を更に含む、上記の実施態様[Z]~[AT]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0269】
[実施態様AV]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[Z]~[AU]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0270】
[実施態様AW]当該第2のシェルが、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[Z]~[AV]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0271】
[実施態様AX]当該1種以上の試薬が凍結乾燥される、上記の実施態様[Z]~[AW]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0272】
[実施態様AY]当該第2のシェルが、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[Z]~[AX]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0273】
[実施態様AZ]当該第2のシェルが、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[Z]~[AY]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0274】
[実施態様BA]溶解可能な第1のシェルと、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルと、浄水化合物とを含む、組成物。
【0275】
[実施態様BB]当該浄水化合物が、当該溶解可能な第1のシェルと当該溶解可能な第2のシェルとの間の位置にある、上記の実施態様[BA]による組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0276】
[実施態様BC]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[BA]若しくは[BB]による組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0277】
[実施態様BD]当該第1のシェルが外部シェルである、上記の実施態様[BA]~[BC]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0278】
[実施態様BE]当該第2のシェルが内部シェルである、上記の実施態様[BA]~[BD]のいずれか1つによる組成物、又は本開示の他の実施態様による組成物。
【0279】
[実施態様BF]1種以上の試薬の放出を制御する方法であって、当該方法が、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物を提供することであって、当該内部区画が1種以上の試薬を含む、ことと、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該内部区画を放出させることと、当該内部区画を第2の放出条件に曝露して、当該1種以上の試薬を放出させることとを含み、当該第1の放出条件は、当該第2の放出条件とは異なる、方法。
【0280】
[実施態様BG]当該シェルが当該第1の放出条件に曝露されたときに、当該内部区画が、当該1種以上の試薬の放出を防止する、上記の実施態様[BF]又は本開示の他の実施態様による、方法。
【0281】
[実施態様BH]当該第1の放出条件が当該第2の放出条件の前に生じる、上記の実施態様[BF]若しくは[BG]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0282】
[実施態様BI]当該第2の放出条件が、当該第1の放出条件の後に生じる、実施態様[BF]~[BH]のいずれか1つによる方法。
【0283】
[実施態様BJ]当該第1の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[BF]~[BI]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0284】
[実施態様BK]当該第2の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[BF]~[BJ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0285】
[実施態様BL]第1及び第2の放出条件のいずれか一方又はどちらも、温度変化を含む、上記の実施態様[BF]~[BK]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0286】
[実施態様BM]温度の変化が約25℃を超える温度までである、上記の実施態様[BF]~[BL]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0287】
[実施態様BN]温度の変化が約25℃以下の温度までである、上記の実施態様[BF]~[BM]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0288】
[実施態様BO]当該第1の放出条件が、約1.0~約10.0のpHを含む、上記の実施態様[BF]~[BN]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0289】
[実施態様BP]当該第2の放出条件が、約1.0~約10.0のpHを含む、上記の実施態様[BF]~[BO]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0290】
[実施態様BQ]第2の放出条件が、複数の試薬を放出するのに有効であり、少なくとも1種の試薬の含有量が、少なくとも1種の他の試薬の含有量と異なる、実施態様[BF]~[BP]のいずれか1つによる方法。
【0291】
[実施態様BR]当該シェルを当該第1の放出条件に曝露することと、当該内部区画を当該第2の放出条件に曝露することとが、順次生じる、上記の実施態様[BF]~[BQ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0292】
[実施態様BS]当該シェルが少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに、当該シェルが当該内部区画を放出し、当該少なくとも1つの追加のシェル放出条件の1つ以上が、当該第1の放出条件とは異なる、上記の実施態様[BF]~[BR]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0293】
[実施態様BT]当該シェルが当該少なくとも1つの追加のシェル放出条件に曝露されたときに、当該内部区画が、当該1種以上の試薬の放出を防止する、上記の実施態様[BF]~[BS]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0294】
[実施態様BU]当該内部区画が少なくとも1つの追加の内部区画放出条件に曝露されたときに当該内部区画が当該1種以上の試薬を放出し、当該少なくとも1つの追加の内部区画放出条件の1つ以上が当該第2の放出条件とは異なる、上記の実施態様[BF]~[BT]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0295】
[実施態様BV]当該シェルがシェル幅を有し、当該内部区画が内部区画幅を有し、当該シェル幅が当該内部区画幅とは異なる、上記の実施態様[BF]~[BU]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0296】
[実施態様BW]当該シェル幅が約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、上記の実施態様[BF]~[BV]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0297】
[実施態様BX]当該内部区画幅が約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、上記の実施態様[BF]~[BW]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0298】
[実施態様BY]当該シェルが水溶性化合物を含む、上記の実施態様[BF]~[BX]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0299】
[実施態様BZ]当該シェルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、上記の実施態様[BF]~[BY]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0300】
[実施態様CA]当該1種以上の試薬が、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである、上記の実施態様[BF]~[BZ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0301】
[実施態様CB]当該1種以上の試薬が、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される、上記の実施態様[BF]~[CA]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0302】
[実施態様CC]浄水化合物を提供することを更に含む、上記の実施態様[BF]~[CB]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0303】
[実施態様CD]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[BF]~[CC]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0304】
[実施態様CE]当該内部区画が、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[BF]~[CD]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0305】
[実施態様CF]当該1種以上の試薬が凍結乾燥される、上記の実施態様[BF]~[CE]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0306】
[実施態様CG]当該内部区画が、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[BF]~[CF]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0307】
[実施態様CH]当該内部区画が、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[BF]~[CG]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0308】
[実施態様CI]1種以上の試薬の放出を制御するための方法であって、当該方法が、溶解可能な第1のシェル及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルを含む組成物を提供することと、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該第1のシェルを溶解させることと、当該組成物を第2の放出条件に曝露して、当該第2のシェルを放出させることとを含み、当該第1の放出条件は、当該第2の放出条件とは異なる、方法。
【0309】
[実施態様CJ]当該組成物が当該第1の放出条件に曝露されたときに、当該第2のシェルが当該1種以上の試薬の放出を防止する、上記の実施態様[CI]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0310】
[実施態様CK]当該第1の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[CI]若しくは[CJ]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0311】
[実施態様CL]当該第2の放出条件が、温度制御放出条件、pH制御放出条件、時間制御放出条件、位置制御放出条件、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[CI]~[CK]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0312】
[実施態様CM]第1及び第2の放出条件のいずれか一方又はどちらも、温度変化を含む、上記の実施態様[CI]~[CL]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0313】
[実施態様CN]温度の変化が約25℃を超える温度までである、上記の実施態様[CI]~[CM]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0314】
[実施態様CO]温度の変化が約25℃以下の温度までである、上記の実施態様[CI]~[CN]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0315】
[実施態様CP]当該第1のシェルが少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件に曝露されたときに、当該第1のシェルが溶解し、当該少なくとも1つの追加の第1のシェル放出条件の1つ以上が、当該第1の放出条件とは異なる、上記の実施態様[CI]~[CO]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0316】
[実施態様CQ]当該第2のシェルが、当該第2のシェルが当該少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬の放出を防止する、上記の実施態様[CI]~[CP]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0317】
[実施態様CR]当該第2のシェルが、当該第2のシェルが少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該少なくとも1つの追加の第2のシェル放出条件のうちの1つ以上が、当該第2の放出条件とは異なる、上記の実施態様[CI]~[CQ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0318】
[実施態様CS]当該第1のシェルが第1のシェル幅を有し、当該第2のシェルが第2のシェル幅を有し、当該第1のシェル幅は当該第2のシェル幅とは異なる、上記の実施態様[CI]~[CR]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0319】
[実施態様CT]当該第1のシェル幅が約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、上記の実施態様[CI]~[CS]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0320】
[実施態様CU]当該第2のシェル幅が約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルである、上記の実施態様[CI]~[CT]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0321】
[実施態様CV]当該第1のシェルが水溶性化合物を含む、上記の実施態様[CI]~[CU]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0322】
[実施態様CW]当該第1のシェルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、上記の実施態様[CI]~[CV]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0323】
[実施態様CX]当該1種以上の試薬が、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである、上記の実施態様[CI]~[CW]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0324】
[実施態様CY]当該1種以上の試薬が、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される、上記の実施態様[CI]~[CX]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0325】
[実施態様CZ]浄水化合物を提供することを更に含む、上記の実施態様[CI]~[CY]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0326】
[実施態様DA]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[CI]~[CZ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0327】
[実施態様DB]当該第2のシェルが、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[CI]~[DA]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0328】
[実施態様DC]当該1種以上の試薬が凍結乾燥される、上記の実施態様[CI]~[DB]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0329】
[実施態様DD]当該第2のシェルが、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[CI]~[DC]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0330】
[実施態様DE]当該第2のシェルが、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[CI]~[DD]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0331】
[実施態様DF]当該第1のシェルが外部シェルである、上記の実施態様[CI]~[DE]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0332】
[実施態様DG]当該第2のシェルが内部シェルである、上記の実施態様[CI]~[DF]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0333】
[実施態様DH]溶解可能な第1のシェル、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェル及び浄水化合物を含む組成物を提供することと、当該組成物を第1の放出条件に曝露して、当該浄水化合物を溶解させることと、当該組成物を第2の条件に曝露して、当該第1のシェルを溶解させることと、当該組成物を第3の放出条件に曝露して、当該第2のシェルを溶解させることとを含む、1種以上の試薬の放出を制御する方法であって、当該第1の放出条件は、当該第2の放出条件とは異なる、方法。
【0334】
[実施態様DI]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[DH]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0335】
[実施態様DJ]当該第1のシェルが外部シェルである、上記の実施態様[DH]若しくは[DI]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0336】
[実施態様DK]当該第2のシェルが内部シェルである、上記の実施態様[DH]~[DJ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0337】
[実施態様DL]第1の温度でウェル内にカプセルを提供することと、当該ウェル内において、ある温度を有する液体を提供することと、液体の温度を第2の温度まで上昇させることと、液体の温度を第2の温度から第3の温度まで低下させることと、当該カプセルから1種以上の試薬を放出させることとを含む、方法。
【0338】
[実施態様DM]カプセルが、実施態様[A]~[Y]のいずれか1つの組成物を含む、上記の実施態様[DL]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0339】
[実施態様DN]カプセルが実施態様[Z]~[AZ]のいずれか1つの組成物を含む、上記の実施態様[DL]若しくは[DM]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0340】
[実施態様DO]カプセルが実施態様[BA]~[BE]の組成物を含む、上記の実施態様[DL]~[DN]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0341】
[実施態様DP]当該第2の温度が約25℃より高い、上記の実施態様[DL]~[DO]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0342】
[実施態様DQ]当該第3の温度が約25℃以下である、上記の実施態様[DL]~[DP]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0343】
[実施態様DR]浄水化合物を提供することを更に含む、上記の実施態様[DL]~[DQ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0344】
[実施態様DS]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[DL]~[DR]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0345】
[実施態様DT]当該カプセルが水溶性化合物を含む、上記の実施態様[DL]~[DS]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0346】
[実施態様DU]当該カプセルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、実施態様[DL]~[DT]のいずれか1つによる方法。
【0347】
[実施態様DV]当該1種以上の試薬が、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである、上記の実施態様[DL]~[DU]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0348】
[実施態様DW]当該1種以上の試薬が、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される、上記の実施態様[DL]~[DV]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0349】
[実施態様DX]当該内部区画が、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[DL]~[DW]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0350】
[実施態様DY]当該1種以上の試薬が凍結乾燥される、上記の実施態様[DL]~[DX]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0351】
[実施態様DZ]当該内部区画が、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[DL]~[DY]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0352】
[実施態様EA]当該内部区画が、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[DL]~[DZ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0353】
[実施態様EB]第1の温度が第3の温度とは異なる、上記の実施態様[DL]~[EA]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0354】
[実施態様EC]第1の温度が第3の温度と同じである、上記の実施態様[DL]~[EB]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0355】
[実施態様ED]第1の温度において、ウェル内のカプセルの外部シェルを溶解させることであって、ウェルが液体を含み、カプセルが外部シェル、浄水化合物、内部シェル及び1種以上の試薬を含み、カプセルの外部シェルを溶解することが浄水化合物を放出する、ことと、ウェルの温度を第2の温度まで上昇させることと、内部シェルを溶解させて、それによって1種以上の試薬を放出させることとを含む、方法。
【0356】
[実施態様EE]ウェル内のカプセルの外部シェルを溶解させることが、液体をウェル内に流すことを含む、上記の実施態様[ED]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0357】
[実施態様EF]内部シェルを溶解させることが、液体のpHを7.0超に上昇させることを含む、上記の実施態様[ED]若しくは[EE]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0358】
[実施態様EG]内部シェルを溶解することが、液体のpHを7.0未満に低下させることを含む、上記の実施態様[ED]~[EF]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0359】
[実施態様EH]内部シェルが、第2の温度によって溶解される、上記の実施態様[ED]~[EG]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0360】
[実施態様EI]内部シェルが、最小時間後に溶解される、上記の実施態様[ED]~[EH]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0361】
[実施態様EJ]最小時間が5分間である、上記の実施態様[ED]~[EI]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0362】
[実施態様EK]当該第2の温度が約25℃より高い、上記の実施態様[ED]~[EJ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0363】
[実施態様EL]当該第2の温度を第3の温度まで低下させることを更に含む、上記の実施態様[ED]~[EK]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0364】
[実施態様EM]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[ED]~[EL]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0365】
[実施態様EN]当該シェルが水溶性化合物を含む、上記の実施態様[ED]~[EM]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0366】
[実施態様EO]当該シェルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カラゲナン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、デンプンフィルム、ベンゾオキサボロール-ポリ(ビニルアルコール)(ベンゾオキサボロール-PVA)、ペクチン、又はそれらの任意の組合せのうちの1つ以上を含む、上記の実施態様[ED]~[EN]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0367】
[実施態様EP]当該1種以上の試薬が、配列決定試薬、試料調製試薬、ライブラリ調製試薬、又はそれらの組合せである、上記の実施態様[ED]~[EO]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0368】
[実施態様EQ]当該1種以上の試薬が、酵素、塩、界面活性剤、緩衝剤、酵素阻害剤、プライマー、ヌクレオチド、有機オスモライト、磁気ビーズ、分子プローブ、クラウディング剤、小分子、標識ヌクレオチド、又はそれらの任意の組合せのうちの1種以上から選択される、上記の実施態様[ED]~[EP]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0369】
[実施態様ER]当該内部区画が、1種以上の乾燥試薬、1種以上のマイクロスフェア、1種以上のビーズ、1種以上の粉末、1種以上のケーキ、1種以上のゲル、1種以上の液体、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[ED]~[EQ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0370】
[実施態様ES]当該1種以上の試薬が凍結乾燥される、上記の実施態様[ED]~[ER]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0371】
[実施態様ET]当該内部区画が、複数の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[ED]~[ES]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0372】
[実施態様EU]当該内部区画が、1種の試薬を含む複数のマイクロスフェアを含む、上記の実施態様[ED]~[ET]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0373】
[実施態様EV]試薬リザーバを備えるカートリッジであって、試薬リザーバが組成物を含み、当該組成物が、内部区画を取り囲むシェルを含み、当該内部区画が1種以上の試薬を含み、当該シェルが、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画が、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる、カートリッジ。
【0374】
[実施態様EW]当該カートリッジが浄水化合物を含む、上記の実施態様[EV]によるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0375】
[実施態様EX]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[EW]によるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0376】
[実施態様EY]第1の放出条件が、液体への曝露である、上記の実施態様[EX]によるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0377】
[実施態様EZ]第2の放出条件が約25℃を超える温度への曝露である、上記の実施態様[EY]によるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0378】
[実施態様FA]試薬リザーバを備えるカートリッジであって、試薬リザーバが組成物を含み、当該組成物が、溶解可能な第1のシェルと、1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルとを含む、カートリッジ。
【0379】
[実施態様FB]当該カートリッジが浄水化合物を含む、上記の実施態様[FA]によるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0380】
[実施態様FC]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[FA]若しくは[FB]によるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0381】
[実施態様FD]第1の放出条件が、液体への曝露である、上記の実施態様[FA]~[FC]のいずれか1つによるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0382】
[実施態様FE]第2の放出条件が約25℃を超える温度への曝露である、上記の実施態様[FA]~[FD]のいずれか1つによるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0383】
[実施態様FF]当該第1のシェルが外部シェルである、上記の実施態様[FA]~[FE]のいずれか1つによるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0384】
[実施態様FG]当該第2のシェルが内部シェルである、上記の実施態様[FA]~[FF]のいずれか1つによるカートリッジ、又は本開示の他の実施態様によるカートリッジ。
【0385】
[実施態様FH]ウェルと、内部区画を取り囲むシェルを含む組成物であって、当該内部区画が1種以上の試薬を含み、当該シェルが、当該シェルが第1の放出条件に曝露されたときに当該内部区画を放出し、当該内部区画が、当該内部区画が第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件は当該第2の放出条件とは異なる、組成物と、液体とを含む、1種以上の試薬の放出を制御するためのシステム。
【0386】
[実施態様FI]当該液体が当該ウェルに存在する、上記の実施態様[FH]によるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0387】
[実施態様FJ]当該組成物が当該ウェル中に存在する、上記の実施態様[FH]若しくは[FI]によるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0388】
[実施態様FK]当該ウェル上に温度コントローラを更に備える、上記の実施態様[FH]~[FJ]のいずれか1つによるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0389】
[実施態様FL]浄水化合物を更に含む、上記の実施態様[FH]~[FK]のいずれか1つによるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0390】
[実施態様FM]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[FH]~[FL]のいずれか1つによるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0391】
[実施態様FN]ウェルと、溶解可能な第1のシェル及び1種以上の試薬を含む溶解可能な第2のシェルを含む組成物と、液体とを含む、1種以上の試薬の放出を制御するためのシステム。
【0392】
[実施態様FO]当該液体が当該ウェルに存在する、上記の実施態様[FN]によるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0393】
[実施態様FP]当該組成物が当該ウェル中に存在する、上記の実施態様[FN]若しくは[FO]によるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0394】
[実施態様FQ]当該ウェル上に温度コントローラを更に備える、上記の実施態様[FN]~[FP]のいずれか1つによるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0395】
[実施態様FR]浄水化合物を更に含む、上記の実施態様[FN]~[FQ]のいずれか1つによるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0396】
[実施態様FS]当該浄水化合物が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素、クロラミン、二酸化塩素、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、過酸化水素、水酸化ナトリウム臭化物、銀ナノ粒子、鉄、ヨウ素、活性炭、又はそれらの任意の組合せを含む、上記の実施態様[FN]~[FR]のいずれか1つによるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0397】
[実施態様FT]当該第1のシェルが外部シェルである、上記の実施態様[FN]~[FS]のいずれか1つによるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0398】
[実施態様FU]当該第2のシェルが内部シェルである、上記の実施態様[FN]~[FT]のいずれか1つによるシステム、又は本開示の他の実施態様によるシステム。
【0399】
[実施態様FV]ある温度を有する液体をウェルに流し込むことであって、ウェルがカプセルを含み、カプセルが、浄水化合物を取り囲む第1のシェルと、1種以上の試薬を取り囲む第2のシェルとを含み、当該第1のシェルが、第1の放出条件に曝露されたときに当該浄水化合物を放出し、当該第2のシェルが、第2の放出条件に曝露されたときに当該1種以上の試薬を放出し、当該第1の放出条件が当該第2の放出条件とは異なり、当該浄水化合物が、分解条件に曝露されたときに実質的に又は完全に分解する、ことと、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露させて、それによって浄水化合物が放出されることと、当該浄水化合物を分解条件に曝露させて、それによって当該浄水化合物が実質的に又は完全に分解されることと、当該第2のシェル条件を第2の放出条件に曝露させて、それによって当該1種以上の試薬が放出されることとを含む、方法。
【0400】
[実施態様FW]第1の放出条件が、液体への曝露である、上記の実施態様[FV]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0401】
[実施態様FX]分解条件が液体の高温である、上記の実施態様[FV]若しくは[FW]による方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0402】
[実施態様FY]高温が約25℃以上である、上記の実施態様[FV]~[FX]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0403】
[実施態様FZ]分解条件が第2の放出条件と同じである、上記の実施態様[FV]~[FY]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0404】
[実施態様GA]液体を流すこと、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露すること、及び当該浄水化合物を分解条件に曝露することが順に行われる、上記の実施態様[FV]~[FZ]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
【0405】
[実施態様GB]液体を流すこと、当該第1のシェルを第1の放出条件に曝露すること、当該浄水化合物を分解条件に曝露すること、及び当該第2のシェル条件を第2の放出条件に曝露することが、順番に行われる、上記の実施態様[FV]~[GA]のいずれか1つによる方法、又は本開示の他の実施態様による方法。
図1
図2
図3
図4
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図10
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【国際調査報告】