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特表2024-536795ヒートノットバーン(HNB)エアロゾル生成装置のカプセル検証
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】ヒートノットバーン(HNB)エアロゾル生成装置のカプセル検証
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20241001BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20241001BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20241001BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20241001BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20241001BHJP
   H01H 37/76 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/53
A24F40/42
A24F40/57
H05B3/00 310H
H01H37/76 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517393
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 US2022042474
(87)【国際公開番号】W WO2023043631
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】17/479,274
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517453405
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サーヴィシーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ホーズ・エリック
(72)【発明者】
【氏名】ブラックモン・ザック・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】キーン・ジャレット
(72)【発明者】
【氏名】サンダー・ランガラージ・エス
(72)【発明者】
【氏名】ラウ・レイモンド・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガー・ナイル
【テーマコード(参考)】
3K058
4B162
5G502
【Fターム(参考)】
3K058AA42
3K058AA62
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB28
4B162AC13
4B162AC22
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD06
4B162AD20
4B162AD23
4B162AD40
5G502AA01
5G502AA02
5G502BB07
5G502EE06
5G502EE10
5G502FF10
(57)【要約】
不燃性エアロゾル生成装置のためのヒータシステムは、ヒータ素子と、ヒューズ素子とを備える。ヒータ素子は、加熱領域と第1の端子と第2の端子を有する。ヒューズ素子は、第1の端子と第2の端子との間にヒータ素子と電気的に並列接続される。ヒューズ素子は、第1の端子と第2の端子との間に印加される電力に応じてヒューズ素子を開回路にするように局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃性エアロゾル生成装置のためのヒータシステムであって、
加熱領域と第1の端子と第2の端子を有するヒータ素子と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間に前記ヒータ素子と電気的に並列接続されたヒューズ素子であって、前記第1の端子と前記第2の端子との間に印加される電力に応じて当該ヒューズ素子を開回路にするように局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有するヒューズ素子と、を備える、ヒータシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記ヒューズ素子を作動させるために必要な加熱電力を当該ヒータシステムに流すことを可能にする抵抗を有する、ヒータシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
局所的なホットスポットを誘発するように構成される前記領域は、挟まれた領域又はくびれた領域である、ヒータシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記第1の端子と前記第2の端子との間で、超音波溶接、電気溶接、又はレーザースポット溶接されている、ヒータシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記ヒータ素子と一体である、ヒータシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
前記ヒータ素子は、
前記加熱領域と前記第1の端子とを接続する第1の伸長領域と、
前記加熱領域と前記第2の端子を接続する第2の伸長領域と、を含み、
前記ヒューズ素子は、前記第1の伸長領域と前記第2の伸長領域とに電気的に接続される、ヒータシステム。
【請求項7】
不燃性エアロゾル生成装置のカプセルであって、
エアロゾル形成基材を含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたヒータ素子であって、第1の端子と、第2の端子と、エアロゾル形成基材を加熱するように構成される加熱領域とを有するヒータ素子と、
前記ヒータ素子と電気的に並列接続されるヒューズ素子であって、前記第1の端子と前記第2の端子との間に印加される電力に応じて当該ヒューズ素子を開回路にするように局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有するヒューズ素子と、を備える、
カプセル。
【請求項8】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記ヒューズ素子を作動させるために必要な加熱電力を前記ヒータ素子と前記ヒューズ素子とに流すことを可能にする抵抗を有する、カプセル。
【請求項9】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
局所的なホットスポットを誘発するように構成される前記領域は、挟まれた領域又はくびれた領域である、カプセル。
【請求項10】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記第1の端子と前記第2の端子との間に超音波溶接、電気溶接、又はレーザースポット溶接されている、カプセル。
【請求項11】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記ヒータ素子と一体である、カプセル。
【請求項12】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ハウジングは、
第1の端部と第2の端部とを有するスリーブと、
前記第1の端部に係合する第1のエンドキャップと、
前記第2の端部に係合する第2のエンドキャップとをさらに備え、前記第2のエンドキャップは、前記第1の端子、前記第2の端子、及び前記ヒューズ素子の周囲に成形される、カプセル。
【請求項13】
請求項12に記載のカプセルにおいて、
前記第2のエンドキャップは、前記カプセルを通る気流から前記ヒューズ素子を隔離するチャンバを含む、カプセル。
【請求項14】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ヒータ素子は、
前記加熱領域と前記第1の端子とを接続する第1の伸長領域と、
前記加熱領域と前記第2の端子とを接続する第2の伸長領域と、を含み、
前記ヒューズ素子は、前記第1の伸長領域と前記第2の伸長領域とに電気的に接続される、カプセル。
【請求項15】
不燃性エアロゾル生成装置であって、
カプセルを備え、前記カプセルは、
第1の端子と、第2の端子と、エアロゾル形成基材を加熱するように構成される加熱領域と、を有するヒータ素子と、
前記ヒータ素子と電気的に並列接続されたヒューズ素子であって、前記第1の端子と前記第2の端子との間に印加される電力に応じて当該ヒューズ素子を開回路にするために局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有するヒューズ素子と、
前記カプセルに接続するように構成される装置本体とを含み、前記装置本体は、
当該不燃性エアロゾル生成装置に電力を供給する電源と、
前記ヒータ素子への電力供給を制御するように構成されるコントローラと、を含む、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項16】
不燃性エアロゾル生成装置であって、
カプセルを備え、前記カプセルは、
エアロゾル形成基材を含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたヒータ素子であって、第1の端子と、第2の端子と、前記エアロゾル形成基材を加熱するように構成される加熱領域とを有するヒータ素子と、
前記第1の端子と前記第2の端子の間に電気的に接続されるヒューズ素子と、
前記カプセルに接続するように構成される装置本体と、を備え、前記装置本体は、
前記ヒータ素子に電力を印加するように構成される加熱エンジン制御回路と、
前記ヒータ素子に電力波形を印加するように前記加熱エンジン制御回路を制御し、
前記電力波形に応じて、前記ヒータ素子のの測定抵抗プロファイルに基づいて、前記カプセルが有効であるかを判定する、ように構成されるコントローラとを備える、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項17】
請求項16に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
さらに、予想抵抗プロファイルを記憶するメモリを備え、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルと前記メモリに格納された前記予想抵抗プロファイルとの比較に基づいて、前記カプセルが有効であるかを判定するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項18】
請求項16に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記カプセルが有効であると判定したことに応じて、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するように前記ヒータ素子への電力供給を可能にするように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項19】
請求項16に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記カプセルが有効でないと判定したことに応じて、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するように前記ヒータ素子への電力供給を停止するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項20】
請求項16に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記ヒータ素子に前記電力波形を印加するように前記加熱エンジン制御回路を制御し、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するように前記ヒータ素子への電力供給の前に、前記カプセルが有効であるかを判定するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項21】
請求項16に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルに基づいて前記カプセルの識別情報を取得するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項22】
請求項21に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
複数の予想抵抗プロファイルを記憶するメモリをさらに備え、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルと前記メモリに記憶された前記複数の予想抵抗プロファイルとの比較に基づいて前記カプセルの前記識別情報を取得するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項23】
請求項16に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルに基づいて、前記エアロゾル形成基材を加熱するためのエアロゾル生成パラメータを決定するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項24】
請求項23に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
複数の予想抵抗プロファイルを記憶するメモリをさらに備え、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルと前記メモリに記憶された前記複数の予想抵抗プロファイルとの間の比較に基づいて、前記エアロゾル生成パラメータを決定するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項25】
請求項23に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記エアロゾル生成パラメータは、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するための、加熱電力プロファイル、目標温度及び目標抵抗のうちの少なくとも1つを含む、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項26】
請求項16に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
有効なカプセルは、真正なカプセル、前記不燃性エアロゾル生成装置への挿入前に損傷していないカプセル、及び無傷のヒューズ素子を有するカプセルの少なくとも1つである、不燃性エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒートノットバーン(HNB)エアロゾル生成装置、HNBエアロゾル生成装置用ヒータ、HNBエアロゾル生成装置用カプセル、カプセルの検証及び/又は識別のための方法、及び/又はHNBエアロゾル生成装置の制御方法に関する。
関連技術の説明
【0002】
いくつかの電子デバイスは、植物材料の自立燃焼(a self-sustaining burning)又は自燃(a self-sustaining combustion)を回避するように(すなわち、火のついた末端のタバコのように植物材料に火がつく場合とは対照的に)、温度をその着火温度未満に維持しながら、植物材料の成分を放出するのに十分な温度まで植物材料を加熱するように構成される。このような装置は、加熱によって放出される成分のエアロゾルを生成することを特徴とし得て、ヒートノットバーンエアロゾル生成装置、又はヒートノットバーン装置と呼ばれることがある。
【発明の概要】
【0003】
1又は複数の例示的な実施形態は、一体型ヒータを含むカプセルと、一体型ヒータに(例えば、直接)接触するエアロゾル形成基材とを用いた、ヒートノットバーン(HnB)エアロゾル生成装置を提供する。一体型ヒータは、特徴的な抵抗を有することがあり、カプセルの電源端子を横切って温度ヒューズ素子(例えば、一体型、非復帰性、温度ヒューズ)を取り付け、ヒューズ素子が一体型ヒータの抵抗と並列接続されるようにし得る。
【0004】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、HnBデバイスの加熱制御アルゴリズムは、ある制御された方法でヒューズが溶断(開回路)されるように、最初の電力印加中に一体型ヒータに供給される電力/エネルギーを調整する。定義された電力プロファイル(又は波形)の適用から生じる、(例えば、電圧、電流、及び/又は抵抗の観点からの)ヒュージングプロファイルは、例えば、カプセルの種類を識別し、カプセルが有効なカプセルであるかを判定し、及び/又はカプセルに以前に電力が印加されたかを判定するために、HnBデバイスによって評価され得る。
【0005】
例えば、HnBデバイスは、観察された抵抗プロファイルが既知の抵抗プロファイルエンベロープに適合するか(又はその範囲内にあるか)に基づいて、カプセルを識別し、及び/又はカプセルが有効であるかを判定し得る。
【0006】
ヒューズはヒータへの最初の電力印加前にのみ存在し、それ以降は溶断されるため、HnBデバイスはヒータのインピーダンスチェックに基づいてカプセルに以前に電力が印加されたかを判定し得る。測定された(例えば、瞬間的な)初期抵抗がヒータの公称抵抗と一致する場合、ヒューズは存在せず(開回路にされ)、HnBデバイスはヒータに電力が以前に印加されたと判定する。少なくとも1つの例示的な実施形態は、不燃性エアロゾル生成装置のためのヒータシステムであって、加熱領域と第1の端子と第2の端子を有するヒータ素子と、前記第1の端子と前記第2の端子との間に前記ヒータ素子と電気的に並列接続されたヒューズ素子であって、前記第1の端子と前記第2の端子との間に印加される電力に応じて当該ヒューズ素子を開回路にするために局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有するヒューズ素子と、を備える、ヒータシステムを提供する。
【0007】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、前記ヒューズ素子は、前記ヒューズ素子を作動させるために必要な加熱電力を当該ヒータシステムに流すことを可能にする抵抗を有していてもよい。
【0008】
局所的なホットスポットを誘発するように構成される前記領域は、挟まれた領域又はくびれた領域であってもよい。
【0009】
前記ヒューズ素子は、前記第1の端子と前記第2の端子との間で、超音波溶接、電気溶接、又はレーザースポット溶接されていてもよい。
【0010】
前記ヒューズ素子は、前記ヒータ素子と一体であってもよい。
【0011】
前記ヒータ素子は、前記加熱領域と前記第1の端子とを接続する第1の伸長領域と、前記加熱領域と前記第2の端子を接続する第2の伸長領域と、を含んでいてもよい。前記ヒューズ素子は、前記第1の伸長領域と前記第2の伸長領域とに電気的に接続されていてもよい。
【0012】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、不燃性エアロゾル生成装置のカプセルであって、エアロゾル形成基材を含むハウジングと、前記ハウジング内に配置されたヒータ素子であって、第1の端子と、第2の端子と、エアロゾル形成基材を加熱するように構成される加熱領域とを有するヒータ素子と、前記ヒータ素子と電気的に並列接続されるヒューズ素子であって、前記第1の端子と前記第2の端子との間に印加される電力に応じて当該ヒューズ素子を開回路にするために局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有するヒューズ素子と、を備える、カプセルを提供する。
【0013】
前記ヒューズ素子は、当該ヒューズ素子を作動させるために必要な加熱電力を、前記ヒータ素子と前記ヒューズ素子とに流すことを可能にする抵抗を有していてもよい。
【0014】
所的なホットスポットを誘発するように構成される前記領域は、挟まれた領域又はくびれた領域であってもよい。
【0015】
前記ヒューズ素子は、前記第1の端子と前記第2の端子との間に超音波溶接、電気溶接、又はレーザースポット溶接されていてもよい。
【0016】
前記ヒューズ素子は、前記ヒータ素子と一体であってもよい。
【0017】
前記ハウジングは、第1の端部と第2の端部とを有するスリーブと、前記第1の端部に係合する第1のエンドキャップと、前記第2の端部に係合する第2のエンドキャップとをさらに備えていてもよい。前記第2のエンドキャップは、前記第1の端子、前記第2の端子、及び前記ヒューズ素子の周囲に成形されていてもよい。
【0018】
前記第2のエンドキャップは、前記カプセルを通る気流から前記ヒューズ素子を隔離するチャンバを含んでいてもよい。
【0019】
前記ヒータ素子は、前記加熱領域と前記第1の端子とを接続する第1の伸長領域と、前記加熱領域と前記第2の端子とを接続する第2の伸長領域と、を含んでいてもよい。前記ヒューズ素子は、前記第1の伸長領域と前記第2の伸長領域とに電気的に接続されていてもよい。
【0020】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態は、カプセルと装置本体とを備える不燃性エアロゾル生成装置を提供する。前記カプセルは、第1の端子と、第2の端子と、エアロゾル形成基材を加熱するように構成される加熱領域と、を有するヒータ素子と、前記ヒータ素子と電気的に並列接続されたヒューズ素子であって、前記第1の端子と前記第2の端子との間に印加される電力に応じて当該ヒューズ素子を開回路にするために局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有するヒューズ素子とを含む。前記装置本体は、前記カプセルに接続するように構成される当該不燃性エアロゾル生成装置に電力を供給する電源と、前記ヒータ素子への電力供給を制御するように構成されるコントローラと、を含む。
【0021】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態は、カプセルと装置本体とを備える不燃性エアロゾル生成装置を提供する。
前記カプセルは、エアロゾル形成基材を含むハウジングと、前記ハウジング内に配置されたヒータ素子であって、第1の端子と、第2の端子と、前記エアロゾル形成基材を加熱するように構成される加熱領域とを有するヒータ素子と、前記第1の端子と前記第2の端子の間に電気的に接続されるヒューズ素子と、前記装置本体は、前記カプセルに接続するように構成され、前記ヒータ素子に電力を印加するように構成される加熱エンジン制御回路と、前記ヒータ素子に電力波形を印加するように前記加熱エンジン制御回路を制御し、前記電力波形に応じて、前記ヒータ素子のの測定抵抗プロファイルに基づいて、前記カプセルが有効であるかを判定する、ように構成されるコントローラとを備える。
【0022】
前記不燃性エアロゾル生成装置は、さらに、予想抵抗プロファイルを記憶するメモリを備えていてもよい。前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルと前記メモリに格納された前記予想抵抗プロファイルとの比較に基づいて、前記カプセルが有効であるかを判定するように構成されていてもよい。
【0023】
前記コントローラは、前記カプセルが有効であると判定することに応じて、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するように前記ヒータ素子への電力供給を可能にするように構成されていてもよい。
【0024】
前記コントローラは、前記カプセルが有効でないと判定することに応じて、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するように前記ヒータ素子への電力供給を停止するように構成されていてもよい。
【0025】
前記コントローラは、前記ヒータ素子に前記電力波形を印加するように前記加熱エンジン制御回路を制御し、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するように前記ヒータ素子への電力供給の前に、前記カプセルが有効であるかを判定するように構成されていてもよい。
【0026】
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルに基づいて前記カプセルの識別情報を取得するように構成されていてもよい。
【0027】
前記不燃性エアロゾル生成装置は、複数の予想抵抗プロファイルを記憶するメモリをさらに備えていてもよい。前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルと前記メモリに記憶された前記複数の予想抵抗プロファイルとの比較に基づいて前記カプセルの前記識別情報を取得するように構成されていてもよい。
【0028】
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルに基づいて、前記エアロゾル形成基材を加熱するためのエアロゾル生成パラメータを決定するように構成されていてもよい。
【0029】
前記不燃性エアロゾル生成装置は、複数の予想抵抗プロファイルを記憶するメモリをさらに備えていてもよい。前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルと前記メモリに記憶された前記複数の予想抵抗プロファイルとの間の比較に基づいて、前記エアロゾル生成パラメータを決定するように構成されていてもよい。
【0030】
前記エアロゾル生成パラメータは、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するための、加熱電力プロファイル、目標温度及び目標抵抗のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0031】
有効なカプセルは、真正なカプセル、前記不燃性エアロゾル生成装置への挿入前に損傷していないカプセル、又は無傷のヒューズ素子を有するカプセルの少なくとも1つであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本明細書に記載された非限定的な実施形態の様々な特徴及び利点は、添付図面と併せて詳細な説明を検討することにより、より明らかになるであろう。添付図面は、単に説明のために提供されたものであり、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。添付図面は、明示的に記載されていない限り、縮尺通りに描かれているとはみなされない。明瞭化のため、図面の様々な寸法は誇張されていてもよい。
【0033】
図1A図1A~1Dは、1又は複数の例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置の様々な斜視図を示す。
図1B図1Bは、1又は複数の例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置の様々な斜視図を示す。
図1C図1Cは、1又は複数の例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置の様々な斜視図を示す。
図1D図1Dは、1又は複数の例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置の様々な斜視図を示す。
【0034】
図2A図2Aは、例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置のカプセルの斜視図である。
【0035】
図2B図2Bは、図2Aのカプセルの分解斜視図である。
【0036】
図2C図2Cは、第2のエンドキャップの外面が除去された図2Bのヒータシステム及び第2のエンドキャップを示す。
【0037】
図2D図2Dは、図2B及び図2Cに示すヒータシステムの拡大図である。
【0038】
図3図3は、例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置及びカプセルの電気システムを示す。
【0039】
図4図4は、例示的な実施形態によるヒータ電圧測定回路を示す。
【0040】
図5図5は、例示的な実施形態によるヒータ電流測定回路を示す。
【0041】
図6図6は、例示的な実施形態による補償電圧測定回路を示す。
【0042】
図7A図7Aは、いくつかの例示的な実施形態による加熱エンジン制御回路を示す回路図である。
図7B図7Bは、いくつかの例示的な実施形態による加熱エンジン制御回路を示す回路図である。
図7C図7Cは、いくつかの例示的な実施形態による加熱エンジン制御回路を示す回路図である。
【0043】
図8図8は、少なくともいくつかの例示的な実施形態による温度加熱エンジン制御アルゴリズムを示すブロック図である。
【0044】
図9図9は、少なくともいくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置を制御する方法を示すフローチャートである。
【0045】
図10図10は、少なくともいくつかの例示的な実施形態による、エアロゾル生成装置を制御する別の方法を示すフローチャートである。
【0046】
図11図11は、少なくともいくつかの例示的な実施形態による、例示的な電力プロファイル及び対応する記録抵抗プロファイルを示すグラフである。
【0047】
図12図12は、少なくともいくつかの例示的な実施形態による、別の例示的な電力プロファイル及び対応する記録抵抗プロファイルを示すグラフである。
【0048】
図13図13は、少なくともいくつかの例示的な実施形態による、さらに別の例示的な電力プロファイル及び対応する記録抵抗プロファイルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書に開示されている。しかし、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的な詳細は、例示的な実施形態を説明する目的のために単に代表的なものである。しかし、例示的な実施形態は、多くの代替形態で具体化されてもよく、本明細書に記載された例示的な実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0050】
したがって、例示的な実施形態は、様々な変更及び代替形態が可能であるが、その例示的な実施形態は、図面に例示的に示され、ここでは詳細に説明されることになる。しかし、例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、例示的な実施形態は、そのすべての変更、等価物、及び代替物を網羅するものであることを理解されたい。図の説明を通じて、同様の番号は、同様の要素を指す。
【0051】
ある要素又は層が、他の要素又は層の「上に(on)ある」、「接続されている(connected to)」、「結合されている(coupled to)」、「取り付けられている(attached to)」、「隣接している(adjacent to)」、又は「覆っている(covering)」と呼ばれる場合、それは他の要素又は層の上に直接、接続されている、結合されている、取り付けられている、隣接している、又は覆っていてもよいし、介在する要素又は層が存在していてもよいことを理解すべきである。一方、ある要素が他の要素や層に「直接載っている(directly on)」、「直接つながっている(directly connected to)」、「直接結合している(directly coupled to)」と言われる場合は、介在する要素や層が存在しないこととなる。本明細書では、同一番号は同一要素を意味する。本明細書では、「及び/又は(and/or)」という用語は、関連する記載項目の1又は複数の任意の及びすべての組み合わせ又はサブコンビネーションを含む。
【0052】
本明細書では、様々な要素、領域、層、及び/又はセクションを説明するために、第1、第2、第3などの用語が使用されてもよいが、これらの要素、領域、層、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解する必要がある。これらの用語は、1つの要素、領域、層、又はセクションを別の領域、層、又はセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する第1の要素、領域、層、又はセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、領域、層、又はセクションと呼ぶことができる。
【0053】
本明細書では、説明を容易にするために、空間的に相対的な用語(例えば、「下方に(beneath)」、「下方に(below)」、「下方に(lower)」、「上方に(above)」、「上方に(upper)」など)を使用して、図に示されているように、ある要素又は機能と他の要素又は機能との関係を説明することができる。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用時や操作時におけるデバイスの異なる向きを包含することを意図していることを理解すべきである。例えば、図中のデバイスを裏返した場合、他の要素や特徴の「下方(below)」や「下方(beneath)」と記載された要素は、他の要素や特徴の「上方(above)」に向けられることになる。したがって、「下方(below)」という用語は、上と下の両方の向きを包含し得る。また、デバイスは他の方向に向けてもよく(90度回転させてもよいし、他の方向に向けてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0054】
本明細書で使用されている用語は、様々な例示的な実施形態を説明するためだけのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に示す場合を除き、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される用語「含む(includes)」、「含む(including)」、「備える(comprises)」及び/又は「備える(comprising)」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作及び/又は要素の存在を特定するが、1又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0055】
本明細書中で、「約(about)」及び「実質的に(substantially)」という言葉が数値と関連して使用されている場合、他に明示的に定義されていない限り、関連する数値には、記載された数値の周囲に±10%の公差が含まれることが意図される。
【0056】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるものを含む用語は、関連する技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0057】
1又は複数の例示的な実施形態は、カプセルの有効性を決定し、カプセルを識別し、及び/又はエアロゾル生成装置に挿入されたときにカプセルのエアロゾル生成パラメータを決定するために、電気的に作動されたヒューズ素子の統合及び/又は利用を可能にする精密ヒータ制御電子機器と、ヒータ素子とを含むエアロゾル生成装置を提供する。
【0058】
1又は複数の例示的な実施形態は、カプセル内のワンタイムヒューズ素子を利用してもよい。カプセル内のワンタイムヒューズ素子は、ヒューズ素子を作動(例えば、開回路)させるのに必要な抵抗プロファイルの形状(例えば、正確な形状)を検出すること、及び抵抗プロファイルを許容可能な抵抗プロファイルの1又は複数のエンベロープと比較して妥当性を判定することを可能にし得る。
【0059】
ワンタイムヒューズ素子はまた、ヒューズ素子を作動(例えば、溶断又は開回路)するのに必要なヒュージングプロファイルの形状(例えば、正確な形状)を検出する能力、及び検出されたヒュージングプロファイルをヒュージングプロファイルのライブラリと比較して、エアロゾル生成装置に挿入されたカプセルのタイプ(例えば、SKU、カプセル内のエアロゾル形成基材又は材料のタイプなど)及び/又はカプセル内のエアロゾル生成基材を加熱するためのエアロゾル生成パラメータを決定する能力を提供してもよい。
【0060】
ワンタイムヒューズ素子はまた、ヒューズが無傷であるかを検出する能力を提供してもよい。これは、カプセルが以前にエアロゾル生成装置に挿入されたことがあるか、及び/又はカプセル内のエアロゾル生成基材が以前に加熱されたことがあるかを示してもよい。
【0061】
図1A~1Dは、は、少なくとも1つの例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置100(例えば、ヒートノットバーン(HNB)エアロゾル生成装置)の図である。例えば、図1Aは、エアロゾル生成装置100の上面斜視図であり、蓋110が閉じられている。図1Bは、エアロゾル生成装置100の底面斜視図であり、蓋110が閉じられている。図1Cは、エアロゾル生成装置100の底面斜視図であり、蓋110が閉じられている。図1Dは、エアロゾル生成装置100の別の上面斜視図であり、蓋110が開けられ、カプセル200がカプセル受容キャビティ130によって受容されている。
【0062】
図示されているように、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル生成装置100は、一般的な長方形状又は小石形状を有し、エアロゾル生成装置100の本体から延びる交換可能なマウスピース190を有する。例えば、エアロゾル生成装置100は、ハウジング120を含み得る。ハウジング120は、カプセルコネクタ132を囲んでもよく、カプセルコネクタ132は、ハウジング120内のプリント回路基板(PCB)に取り付けられてもよい。(図1Dに示されるように)カプセルコネクタ132は、カプセル受容キャビティ130を画定する。さらに、蓋110は、ハウジング120に対して開閉可能に構成され、交換可能なマウスピース190に結合可能である。例えば、蓋110は、第1点122においてハウジング120に固定的に結合されてもよく、第2点124においてハウジング120に解放可能に結合可能である。ハウジング120の第1点122は、装置100の第1側面102上にあってもよい。ハウジング120の第2点124は、エアロゾル生成装置100の第2側面104上にあってもよい。場合によっては、蓋110はドアと呼ばれることもある。ハウジング120及び/又は蓋110の外装は、金属(アルミニウム、ステンレス鋼など);審美的な食品接触定格プラスチック(ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)材料、液晶ポリマー(LCP)、コポリエステルプラスチック、又はその他の任意の適切なポリマー及び/又はプラスチックなど);又はそれらの任意の組み合わせから形成されてもよい。交換可能なマウスピース190は、同様に、金属(アルミニウム、ステンレス鋼など);審美的な食品接触定格プラスチック(ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)材料、液晶ポリマー(LCP)、コポリエステルプラスチック、又はその他の任意の適切なポリマー及び/又はプラスチックなど);及び/又は植物ベースの材料(木材、竹など)から形成されてもよい。1つ以上の内面又はハウジング120、及び/又は蓋110は、高温プラスチック(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)など)を用いて形成されても、コーティングされてもよい。蓋110及びハウジング120は、まとめてエアロゾル生成装置100の本体とみなし得る。
【0063】
蓋110は、第1点122において、ヒンジ、又はその他の類似のコネクタによってハウジング120に固定的に結合されてもよく、これにより、蓋110は、(図1Dに図示されているような)開位置から(図1A~1Bに図示されているような)閉位置まで移動(例えば、スイング及び回転)し得る。ヒンジは、ねじりばねを含んでいてもよい。図1Dに図示されているような、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、ハウジング120は、第1点122に凹部126を含む。凹部126は、蓋110の一部を受け止めるように構成され、蓋110の開位置から閉位置(及びその逆)への容易かつ円滑な移動を可能にし得る。凹部126は、蓋110の相対する部分に対応する構造を有し得る。例えば、図示されているように、凹部126は、一般的な凸形状を有する蓋110の曲率に対応する一般的な凹形状を有する実質的に曲がった部分127を含み得る。
【0064】
蓋110は、ラッチ114、又は他の類似のコネクタによって、第2点124において、ハウジング120に解放可能に結合可能であってもよい。これにより、蓋110は、閉位置に固定(fix)又は固定(secured)され、蓋110が固定された閉位置から開位置に移動できるように、容易に解放可能となる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、ラッチ114は、ラッチ解除機構に結合されていてもよい。ラッチ解除機構は、第1位置又は閉位置から第2位置又は開位置にラッチ114を移動させるように構成されていてもよい。例えば、ラッチ114は、ハウジング120内で下方に延びていてもよく、ラッチ解除機構は、ラッチ114の下方長さに対して垂直であってもよい。このように、ラッチ解除機構はラッチ114に圧力を加えるように構成される。例えば、ラッチ解除機構は、第1位置と第2位置との間で移動可能であってもよい。第1位置では、ラッチ解除機構はラッチ114に対して中立であってもよい。第2位置では、ラッチ解除機構は、固定又はラッチされた閉位置から開位置にラッチ114を移動させるように、ラッチ114の下方長さに圧力を加えてもよい。
【0065】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ラッチ解除機構は、ラッチ解除機構を作動させる、すなわち、ラッチ114を第1位置又は閉位置又は固定位置から第2位置又は圧力印加位置に移動させ、開位置から固定位置又は閉位置にラッチ114を移動/復帰させる、ように構成されるラッチ解除ボタン118と連通する。少なくとも1つの例示的な実施形態では、ラッチ解除ボタン118は、エアロゾル生成装置100の第2側面104に配置された成人消費者インタラクションボタンである。例えば、ラッチ解除ボタン118が成人消費者によって押されると、ラッチ解除機構は、固定位置又は閉位置から開位置にラッチ114を移動させるように、第1位置又は閉位置又は固定位置から第2位置又は圧力印加位置に移動し得る。ラッチ解除ボタン118は、成人消費者によって加えられる圧力を方向付けるように構成される中央の窪み又はくぼみを有する実質的に円形の形状を有していてもよい。ただし、例示的な実施形態はこれに限定されない。蓋110の開閉を検出するように構成される1又は複数のセンサ(図示せず)は、ハウジング120及び/又はその中の1又は複数の要素(例えば、ラッチ114、ラッチ解除機構、ラッチ解除ボタン118)内に埋め込まれるか、さもなければ配置されてもよい。
【0066】
少なくともいくつかの例示的な実施形態では、ハウジング120、ラッチ解除機構、ならびに電源(例えば、図3に関して後述する電源2110)、及び後でさらに詳細に説明する他の電気システムを包囲又は収容する。電源からの電流の供給は、手動操作(例えば、ボタン作動)又は自動操作(例えば、パフ作動)に応じて行われ得る。
【0067】
図1A~1B及び1Dに最もよく示されているような、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、ハウジング120は、装置100の第2側面104上に配置された消費者インターフェースパネル143を含む。例えば、消費者インターフェースパネル143は、装置100の第2側面に沿う楕円形のパネルであってもよい。消費者インターフェースパネル143は、上述したようなラッチ解除ボタン118のほか、通信画面140及び/又は電源ボタン142を含み得る。例えば、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、消費者インターフェースパネル143は、ラッチ解除ボタン118と電源ボタン142との間に配置された通信画面140を含み得る。図示されているように、ラッチ解除ボタン118は、エアロゾル生成装置100の上部に向かって配置されてもよく、電源ボタン142は、エアロゾル生成装置100の下部に向かって配置されてもよい。ラッチ解除ボタン118と同様に、電源ボタン142も成人消費者インタラクションボタンであってもよい。電源ボタン142は、成人消費者によって加えられる圧力を方向付けるように構成される中央の窪み又はくぼみを有する実質的に円形の形状を有していてもよい。ただし、例示的な実施形態はこれに限定されない。電源ボタン142は、エアロゾル生成装置100をオンオフしてもよい。2つのボタンのみが図示されているが、利用可能な機能及び所望の成人消費者インターフェースに応じて、より多くの又はより少ないボタンが提供されてもよいことを理解すべきである。
【0068】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、通信画面140は、集積薄膜トランジスタ(「TFT」)画面である。他の例示的な実施形態では、通信画面140は、液晶ディスプレイ(LCD)、電子ペーパー(e-paper)ディスプレイ、有機発光ダイオード(「OLED」)、発光ダイオード(「LED」)画面などであってもよい。通信画面140は、成人消費者の関与のために構成され、概して長方形の形状を有していてもよい。
【0069】
少なくともいくつかの例示的な実施形態では、ハウジング120は、充電コネクタ又はポート170を画定する。例えば、図1Bに最もよく示されているように、充電コネクタ170は、カプセル受容キャビティ130から遠位のハウジング120の下端に画定/配置されてもよい。充電コネクタ170は、エアロゾル生成装置100内部の電源を充電するように、外部電源から(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)電流を受け取るように構成され得る。例えば、図1Cに最もよく示されるような少なくとも1つの例示的な実施形態では、充電コネクタ170は、キャビティ171内に突起175を有するキャビティ171を画定するアセンブリであってもよい。例示的な実施形態では、突起175は、キャビティ171の縁を越えて延びていない。さらに、充電コネクタ170は、別のエアロゾル生成装置(例えば、ヒートノットバーン(HNB)エアロゾル生成装置)及び/又は他の電子装置(例えば、電話、タブレット、コンピュータなど)にデータを送信し、及び/又は(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)データを受信するように構成されることもある。少なくとも1つの実施形態では、エアロゾル生成装置100は、代わりに、又は追加的に、そのような他のエアロゾル生成装置及び/又は電子装置と(例えば、Bluetoothを介して)無線通信するように構成されてもよい。
【0070】
図1Cに最もよく示されているような、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、保護格子172が、充電コネクタ170の周囲に配置されている。保護格子172は、破片の侵入及び/又は流入気流の不注意な遮断を低減又は防止するのに役立つように構成されてもよい。例えば、保護格子172は、その長さ又はコースに沿って、複数の孔173を画定し得る。図示されているように、保護格子172は、充電コネクタ170を取り囲む環状の形態を有していてもよい。これに関して、孔173は、充電コネクタ170の周囲に(例えば、直列に)配置され得る。孔173のそれぞれは、これに限定されないが、楕円形又は円形の形状を有していてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、保護格子172は、認可された食品接触材料を含み得る。例えば、保護格子172は、プラスチック、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム)、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。少なくともいくつかの例示的な実施形態では、保護格子172の表面は、例えばプラスチックの薄い層でコーティングされ、及び/又は陽極酸化されてもよい。
【0071】
保護格子172の孔173は、エアロゾル生成装置100に引き込まれる空気の入口として機能し得る。エアロゾル生成装置100の動作中、充電コネクタ170の周囲における保護格子172の孔173をくぐった周囲の空気は、収束して、カプセル200に移動する複合的な流れを形成する。例えば、孔173は、カプセル受容キャビティ130と流体的に連通していてもよい。少なくともいくつかの例示的な実施形態では、空気は、孔173から、カプセル受容キャビティ130を通って吸引されてもよい。例えば、空気は、カプセル受容キャビティ130によって受容されたカプセル200を通って、交換可能なマウスピース190から取り出される。
【0072】
図1A~1Dに示される例示的な実施形態に関する追加の詳細は、2021年1月18日出願の米国出願第17/151327号に記載されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
カプセル200は、その例示的な実施形態は以下にさらに詳細に説明されるが、一般に、入口開口部、出口開口部、及び入口開口部と出口開口部との間のチャンバを画定するハウジングを含む。エアロゾル形成基材は、ハウジングのチャンバ内に配置される。さらに、ヒータシステムは、その外側からハウジング内に延びていてもよい。ハウジングは、本体部分、上流部分、及び下流部分を含み得る。ハウジングの本体部分は、近位端及び遠位端を含む。ハウジングの上流部分は、本体部分の遠位端と係合するように構成され得る。ハウジングの下流部分は、本体部分の近位端と係合するように構成され得る。以下により詳細に議論されるように、ヒータシステムは、ヒータ(本明細書では、ヒータ素子又は加熱要素とも呼ばれる)及びヒューズ素子を含み得る。
【0074】
図2Aは、例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置のカプセルの斜視図である。図2Bは、図2Aのカプセルの分解斜視図である。図2Cは、第2のエンドキャップの外面が除去された、図2Bのヒータシステム及び第2のエンドキャップを示す図である。図2Dは、図2B及び図2Cに部分的に示されるヒータシステムの拡大図である。
【0075】
図2A~2Dを参照すると、カプセル200は、下流部分、上流部分、及び下流部分と上流部分との間の本体部分を有するハウジングを含む。ハウジングの下流部分は、第1のエンドキャップ310(例えば、下流キャップ)の形態であってもよい。ハウジングの上流部分は、第2のエンドキャップ320(例えば、上流キャップ)の形態であってもよい。ハウジングの本体部分は、カバー330(例えば、スリーブ)の形態であってもよい。
【0076】
カプセル200は、ハウジング内に配置されたヒータシステム36をさらに含む。図2A~2Dに示す例示的な実施形態では、第2のエンドキャップ320は、ヒータシステム36の上流部分の周囲に成形されている。1又は複数の例示的な実施形態によれば、ヒータシステム36は、特に、ヒータ336及びヒューズ素子408を含み得る。
【0077】
第2のエンドキャップ320、ヒータシステム36、及びヒータシステム36と第2のエンドキャップ320の間の係合については、後で詳しく説明する。
【0078】
第1のエンドキャップ310は第1の開口部312を画定する一方、第2のエンドキャップ320は第2の開口部322を画定する。第2の開口部322は、空気が第2のエンドキャップ320を通ってヒータシステム36に流れるように、第2のエンドキャップ320を通って延びている。
【0079】
第1のエンドキャップ310は、下流端部において第1のエンドキャップ310とカバー330との間に確実な係合を提供するように構成される、複数の隆起部314を有していてもよい。
【0080】
第2のエンドキャップ320は、上流端部において第2のエンドキャップ320とカバー330との間に確実な係合を提供するように構成される、同様の複数の隆起部316を有していてもよい。
【0081】
第1のエンドキャップ310、第2のエンドキャップ320、及びカバー330は、成形プラスチック(例えば、液晶ポリマー(LCP)プラスチックなど)で形成され得る。
【0082】
ヒータ336は、中間部(加熱部又は領域)406と、端子402,404とを含む。伸長領域415A,415Bは、加熱領域406をそれぞれの端子402,404に電気的に接続する。ヒューズ素子(又はヒューズ)408は、ヒューズ素子408がヒータ336(又はヒータ336の抵抗)と並列に電気的に接続されるように、端子402と端子404との間に電気的に接続されている。図2Dに示す例では、ヒューズ素子408の端部は、伸長領域415A,415Bのそれぞれにスポット溶接されている。
【0083】
端子402,404は、ヒータシステム36に電力を印加するために(例えば、予熱中、エアロゾル形成基材を加熱するためのヒータの起動中、及び/又は本明細書で議論される1又は複数の方法中)、加熱エンジン制御回路(後述)を介して電源(例えば、図3の電源2110)から電力(例えば、電流)を受け取るように構成される。
【0084】
図2A図2Dに示される例示的な実施形態では、加熱領域406は、複数の平行セグメント(例えば、8~12個の平行セグメント)を有する圧縮振動又はジグザグに似た平面状かつ巻線状の形態を有する。しかし、ヒータ336の加熱領域406の他の形態(例えば、螺旋形態、花のような形態など)も可能であることを理解されたい。
【0085】
ヒューズ素子408は、ワイヤーの形をした1回限りのリセット不能なヒューズであってもよい。ヒューズ素子408は、ヒューズ素子408を横切る電流の流れに応じてヒューズ素子408を開回路にする(溶断する)ために、局所的な「ホットスポット」を誘発するように構成される領域412を有していてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、領域412は、ヒューズ素子408の「挟まれた」領域(「くびれた」領域とも呼ばれる)であってもよい。ヒューズ素子408は、ヒューズ素子408を作動させるために必要な加熱電力をヒータシステム36に流すことを可能にする抵抗を有するように構成されてもよい。
【0086】
一例として、ヒータ336の公称抵抗RNOMINALが2Ωで、ヒータ336に10Wの加熱電力が印加され、ヒューズ素子408を作動させるために5Wの加熱電力が必要な場合、ヒューズ素子408の抵抗は2Ωに設定されてもよい。この抵抗の大部分は、局所的なホットスポットに加熱効果を集中させる(金属をその気化点まで過熱する)ために、くびれ領域に集中されていてもよく、これにより、ヒータシステム36に電力が印加されたときにヒューズ素子408が開回路となる。
【0087】
この構成例では、ヒータシステム(ヒータ336及びヒューズ素子408を含む)の初期抵抗は1Ω(並列接続された2つの2Ωの抵抗器)である。電力がヒータシステム36に印加される場合、ヒューズ素子408が開回路化され、ヒータシステム36(端子402,404の間)の抵抗が、ヒータ336を通過する5W電力の加熱効果のための比較的小さなデルタ(補正)を伴ってヒータ336の公称抵抗RNOMINALに等しくなる又は実質的に等しくなるまで、挟まれた領域が熱くなるにつれてヒータシステム36の抵抗は増加する。
【0088】
図2B~2Dに示される例示的な実施形態では、ヒューズ素子408は、端子402,404のそれぞれにつながるそれぞれの伸長領域、例えば伸長領域415A,415B上の位置410A,410Bに、超音波溶接、電気溶接、又はレーザースポット溶接されていてもよい。別の例示的な実施形態では、ヒューズ素子408は、ヒータ336と一体的に形成されていてもよい。
【0089】
より詳細な例では、ヒューズ素子408はフィラメントワイヤであってもよい。これはそれぞれの伸長領域415A,415Bに超音波溶接されてもよい。この場合、このヒューズ素子408は、端子402,404を横切って電力が印加されたときに過熱される比較的抵抗の高い局所領域を作り出すために、その長さの中間点又はその付近で挟まれていても、くびれていてもよい。挟まれた部分が過熱により気化し、ヒューズ素子408を開回路にする。
【0090】
ヒータ336(及びヒータ336と一体的に形成されている場合はヒューズ素子408)を含むヒータシステム36を製造するために、シート材料は、切断又は他の加工(例えば、スタンピング、電気化学的エッチング、ダイカッティング、レーザー切断など)をされ得る。シート材料は、ジュール加熱(オーミック/抵抗加熱とも呼ばれる)を受けるように構成される1又は複数の導体で形成され得る。シート材料に適した導体は、鉄系合金(例えば、ステンレス鋼、鉄アルミナイド)、ニッケル系合金(例えば、ニクロム)、及び/又はセラミック(例えば、金属で被覆されたセラミック)を含む。例えば、ステンレス鋼は、例示的な実施形態はこれに限定されないが、SS316Lとして当該技術分野で知られているタイプであってもよい。シート材料は、約0.1~0.3mm(例えば、0.15~0.25mm)の厚さを有していてもよい。
【0091】
この例では、ヒューズ素子408は、ヒータ336と同時又は実質的に同時に形成されてもよく、ヒータ336と同じ又は実質的に同じ厚さを有してもよい。
【0092】
ヒューズ素子408を形成した後、このより大きな構造を挟む、又は「くびれ」を作る後処理操作は、ヒューズ素子408に挟まれた、又はくびれた領域412を形成するために用いられてもよい。
【0093】
例示的な実施形態は、図2B~2Dに示されるヒータ構造に関して本明細書で説明されるが、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。米国出願第17/151327号に開示されているような他のヒータ構造を利用してもよいし、本明細書で論じた例示的な実施形態と組み合わせてもよい。
【0094】
さらに図2A~2Dを参照すると、ヒューズ素子408は、第2のエンドキャップ320の領域内に封入されていてもよい。この領域では、気流及び生成されたエアロゾルは、ヒューズ素子408の少なくともくびれた領域412を横切って流れたり接触したりしない。少なくとも1つの例示的な実施形態では、第2のエンドキャップ320は、プラスチック(例えば、液晶ポリマー(LCP)プラスチック)を用いて、ヒューズ素子408の挟まれた領域又は「くびれた」領域上にオーバーモールドされ得る。
【0095】
一例では、第2のエンドキャップ320は、ヒューズ素子408を囲むように成形され得る一方で、ヒューズ素子408をエアロゾル生成装置を通る気流及びエアロゾル流路から隔離してもよい。ヒューズ素子408は、第2のエンドキャップ320内のコンパートメント又はチャンバ414を用いて隔離され得る。一例では、チャンバ414は、複数の第2の開口部322の長さのスパン以上の長さを有していてもよい。
【0096】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、第2のエンドキャップ320は、成形においてチャンバ414を含み、ヒューズ素子408は、成形が完了した後に取り付けられてもよい。
【0097】
別の例では、ヒューズ素子408がヒータ336と一体である場合、チャンバ414は、第2のエンドキャップ320をヒューズ素子408の周囲に成形することにより、形成され得る。この例では、成形圧力がヒューズ素子408の機械的破壊を誘発しないように、成形パラメータが設定され得る。ヒューズ素子408は、例えばX線検査又は成形後のヒータシステム36の抵抗の直接測定を用いて検証され得る。
【0098】
図3は、少なくともいくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置及びカプセルの電気システムを示す。
【0099】
図3を参照すると、電気システムは、エアロゾル生成装置電気システム2100とカプセル電気システム2200とを含む。エアロゾル生成装置電気システム2100は、エアロゾル生成装置100に含まれてもよく、カプセル電気システム2200は、カプセル200に含まれてもよい。
【0100】
図3に示す例示的な実施形態では、カプセル電気システム2200は、ヒータシステム36を含む。上述したように、ヒータシステム36は、ヒータ336とヒューズ素子408とを含む。ヒータシステム36は、ヒータ構造とも呼ばれることがある。
【0101】
カプセル電気システム2200は、エアロゾル生成装置100とカプセル200との間で電力及び/又はデータを転送するための本体電気/データインターフェース(図示せず)をさらに含み得る。
【0102】
エアロゾル生成装置電気システム2100は、コントローラ2105と、電源2110と、測定回路2125と、加熱エンジン制御回路2127と、エアロゾルインジケータ2135と、オンプロダクト制御部2150(例えば、図1A~1Dに示すボタン118,142)と、メモリ2130と、クロック回路2128と、気流センサ185とを含む。いくつかの例示的な実施形態では、コントローラ2105と、電源2110と、測定回路2125と、加熱エンジン制御回路2127と、メモリ2130と、クロック回路2128とは、同じPCB(例えば、図示されていないメインPCB)上にあってもよい。エアロゾル生成装置電気システム2100は、エアロゾル生成装置100とカプセル200との間で電力及び/又はデータを転送するためのカプセル電気/データインターフェース(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0103】
電源2110は、エアロゾル生成装置100及びカプセル200に電力を供給するための内部電源であってもよい。電源2110からの電力供給は、電力制御回路(図示せず)を介してコントローラ2105によって制御されてもよい。電力制御回路は、電源2110からの電力出力を調整するための1又は複数のスイッチ又はトランジスタを含み得る。電源2110は、1又は複数の電池(例えば、充電式二重電池配置、リチウムイオン電池、燃料電池など)を含んでもよい。
【0104】
コントローラ2105は、エアロゾル生成装置10の全体的な動作を制御するように構成され得る。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、コントローラ2105は、論理回路を含むハードウェアなどの処理回路、ソフトウェアを実行するプロセッサなどのハードウェア/ソフトウェアの組み合わせ、又はそれらの組み合わせを含み得る。例えば、処理回路は、より具体的には、中央処理装置(CPU)、算術論理演算装置(ALU)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、プログラマブルロジックユニット、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含み得るが、これらに限定されない。
【0105】
図3に示す例示的な実施形態では、コントローラ2105、汎用入出力(GPIOs)、集積回路間(IC)インターフェース、シリアル周辺インターフェースバス(SPI)インターフェースなどの入出力(I/O)インターフェース、マルチチャンネルアナログデジタルコンバータ(ADC)、及びクロック入力端子を含む、マイクロコントローラとして図示されている。しかし、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。少なくとも1つの例示的な実施形態では、コントローラ2105は、マイクロプロセッサであってもよい。
【0106】
本明細書では、方法及びアルゴリズムの例示的な実施形態は、コントローラ2105によて実行されるものとして開示され得る。しかし、例示的な実施形態は、これらの例に限定されるべきではない。むしろ、1又は複数の例示的な実施形態によれば、方法及びアルゴリズムは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリとを含むエアロゾル生成装置によって実行されるものとして説明され得、少なくとも1つのプロセッサは、エアロゾル生成装置に方法又はアルゴリズムの動作を実行させるためにコンピュータ読み取り可能命令を実行するように構成される。さらに、コンピュータプログラムコードとして符号化されたプロセッサ、メモリ、及び例示的アルゴリズムは、本明細書で議論される動作を提供又は実行させるための手段として機能し得る。
【0107】
図3では、メモリ2130は、コントローラ2105の外部にあるように図示されている。ただし、いくつかの例示的な実施形態では、メモリ2130は、コントローラ2105に搭載されていてもよい。
【0108】
コントローラ2105は、測定回路2125、加熱エンジン制御回路2127、エアロゾルインジケータ2135、メモリ2130、オンプロダクト制御部2150、クロック回路2128、電源2110、及び気流センサ185に通信可能に結合されている。
【0109】
加熱エンジン制御回路2127及び気流センサ185は、GPIO(汎用入出力)端子を介してコントローラ2105に接続されている。メモリ2130は、SPI(Serial Peripheral Interface)端子を介してコントローラ2105に接続されている。クロック回路2128は、コントローラ2105のクロック入力端子に接続されている。エアロゾルインジケータ2135は、IC(集積回路間)インターフェース端子とSPI/GPIO端子を介してコントローラ2105に接続されている。デバイスセンサ2125は、マルチチャネルADCの各端子を介してコントローラ2105に接続されている。
【0110】
クロック回路2128は、コントローラ2105が、エアロゾル生成装置100のアイドル時間、エアロゾル生成(引き出し)長さ、アイドル時間とエアロゾル生成(引き出し)長さの組み合わせ、カプセル認証中及び/又は識別中のヒータへの電力印加などを追跡できるようにするための、発振回路などのタイミング機構であってもよい。クロック回路2128は、エアロゾル生成装置100のシステムクロックを生成するように構成される専用の外部水晶クロックを含んでいてもよい。
【0111】
メモリ2130は、コントローラ2105が本明細書で説明するアルゴリズムを実行するための動作パラメータ及びコンピュータ可読命令を格納する不揮発性メモリであってもよい。一例では、メモリ2130は、フラッシュメモリなどの電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)であってもよい。
【0112】
さらに図3を参照すると、測定回路2125は、センサ情報又は測定情報を示す信号をコントローラ2105に提供するように構成される複数のセンサ又は測定回路を含み得る。図3に示す例では、測定回路2125は、ヒータ電流測定回路(電流測定回路とも呼ばれる)21258と、ヒータ電圧測定回路(電圧測定回路とも呼ばれる)21252と、補償電圧測定回路21250とを含む。
【0113】
ヒータ電圧測定回路21252は、端子402,404の間の、ヒータシステム36を横切る電圧を示す(例えば電圧)信号を出力するように構成されてもよい。ヒータ電圧測定回路21252の例示的な実施形態は、図4に関して後でより詳細に説明される。
【0114】
ヒータ電流測定回路21258は、端子402,404の間のヒータシステム36を流れる電流を示す(例えば電圧)信号を出力するように構成されてもよい。ヒータ電流測定回路21258の例示的な実施形態は、図5に関して後でさらに詳しく説明される。
【0115】
補償電圧測定回路21250は、カプセル200とエアロゾル生成装置100との間の電力インターフェース(例えば、電気コネクタ)の抵抗を示す(例えば、電圧)信号を出力するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、補償電圧測定回路21250は、コントローラ2105に補償電圧測定信号を提供し得る。補償電圧測定回路21250の例示的な実施形態は、図6に関して後でさらに詳細に説明される。
【0116】
上述したように、補償電圧測定回路21250、ヒータ電流測定回路21258及びヒータ電圧測定回路21252は、マルチチャネルADCの端子を介してコントローラ2105に接続される。エアロゾル生成装置100並びにカプセル200の特性及び/又はパラメータ(例えば、ヒータシステム36の電圧、電流、抵抗、温度など)を測定するために、コントローラ2105のマルチチャネルADCは、測定回路2125からの出力信号を、それぞれの測定回路によって測定される所定の特性及び/又はパラメータに適したサンプリングレートでサンプリングしてもよい。
【0117】
気流センサ185は、エアロゾル生成装置100を通る気流を測定する。少なくとも1つの例示的な実施形態では、センサ185は、微小電気機械システム(MEMS)流量若しくは圧力センサ、又は熱線風速計のような気流を測定するように構成される別のタイプのセンサであってもよい。例示的な実施形態では、センサ185からコントローラ2105への出力は、デジタルインターフェース又はSPIを介した流量(mL/s又はcm/s単位)の瞬時測定である。他の例示的な実施形態では、センサ185は、熱線風速計、デジタルMEMSセンサ、又は他の既知のセンサであってもよい。センサ185は、流量値が1mL/s以上のときにドローを検出し、その後流量値が0mL/sに低下したときにドローを終了することにより、パフセンサとして動作させてもよい。例示的な実施形態では、センサ185は、差圧(パスカル単位)がカーブフィッティング較正関数又は(各差圧読み取り値に対する流量値の)ルックアップテーブルを用いて瞬時流量読み取り値(mL/s単位)に変換される差圧センサに基づくMEMS流量センサであってもよい。別の例示的な実施形態では、センサ185は、容量式圧力降下センサであってもよい。
【0118】
加熱エンジン制御回路2127は、GPIO端子を介してコントローラ2105に接続される。加熱エンジン制御回路2127は、ヒータシステム36への電力を制御することにより、エアロゾル生成装置100の加熱エンジンを制御(有効化及び/又は無効化)するように構成される。加熱エンジン制御回路2127はまた、カプセル認証及び/又は識別プロセス中に、ヒータシステム36に定義された電力プロファイルを適用するように加熱エンジンを制御するように構成される。これは後で詳しく説明される。
【0119】
加熱エンジン制御回路2127は、コントローラ2105からの制御信号に基づいて、加熱エンジンを無効化してもよい。
【0120】
コントローラ2105は、エアロゾルインジケータ2135を制御して、エアロゾル生成装置100の状態及び/又は動作を成人消費者に示してもよい。エアロゾルインジケータ2135は、通信画面140を介して少なくとも部分的に実装され得る。エアロゾルインジケータ2135は、バイブレータ、スピーカ、又は他のフィードバック機構を含むこともあり、成人消費者が制御するエアロゾル生成パラメータ(例えば、エアロゾル量)の現在の状態を示すこともある。
【0121】
さらに図3を参照すると、コントローラ2105は、ヒータシステム36への電力を制御して、加熱プロファイル(例えば、体積、温度、風味などに基づく加熱)に従ってエアロゾル形成基材を加熱してもよい。加熱プロファイルは、経験的データに基づいて決定され、メモリ2130に格納され得る。
【0122】
コントローラ2105はまた、カプセルの認証及び/又は識別プロセスを実行するために、1又は複数のヒュージングプロファイルに従ってヒータシステム36への電力を制御し得る。例示的な実施形態によるカプセル識別及び/又は認証のための方法については、後でさらに詳細に説明する。
【0123】
図4は、ヒータ電圧測定回路21252の例示的な実施形態を示している。
【0124】
図4を参照すると、ヒータ電圧測定回路21252は、入力電圧信号COIL_OUTを受信するように構成される端子とアースとの間に分圧構成で接続された、抵抗器3702と抵抗器3704を含む。抵抗器3702と抵抗器3704の抵抗は、それぞれ8.2キロオームと3.3キロオームであってもよい。入力電圧信号COIL_OUTは、ヒータシステム36に入力される電圧(ヒータシステム36の入力端子における電圧)である。抵抗器3702と抵抗器3704の間のノードN3716は、演算増幅器(オペアンプ)3708の正入力に結合されている。キャパシタ3706は、ノードN3716とアースとの間に接続され、オペアンプ3708の正入力に入力される電圧を安定化させるためのローパスフィルタ回路(R/Cフィルタ)を形成する。キャパシタ3706の静電容量は、例えば18ナノファラッドであってもよい。フィルタ回路はまた、電力を印加してヒータシステム36に通電するために用いられるパルス幅変調(PWM)信号によって誘発されるスイッチングノイズに起因する不正確さを低減し、電流と電圧の両方について同じ位相応答/グループ遅延を有していてもよい。
【0125】
ヒータ電圧測定回路21252は、抵抗器3710,3712と、キャパシタ3714とをさらに含む。抵抗器3712は、ノードN3718と、出力電圧信号COIL_RTNを受信するように構成される端子との間に接続されており、例えば8.2キロオームの抵抗を有していてもよい。出力電圧信号COIL_RTNは、ヒータシステム36から出力される電圧(ヒータシステム36の出力端子における電圧)である。
【0126】
抵抗器3710及びキャパシタ3714は、ノードN3718とオペアンプ3708の出力との間に並列接続されている。抵抗器3710は3.3キロオームの抵抗を有し得て、キャパシタ3714は、例えば18ナノファラッドの静電容量を有し得る。オペアンプ3708の負入力もノードN3718に接続されている。抵抗器3710,3712とキャパシタ3714とは、ローパスフィルタ回路構成で接続されている。
【0127】
ヒータ電圧測定回路21252は、オペアンプ3708を利用して、入力電圧信号COIL_OUTと出力電圧信号COIL_RTNとの間の電圧差を測定し、端子402,404との間のヒータシステム36にかかる電圧を表す、スケーリングされたヒータ電圧測定信号COIL_VOLを出力する。ヒータ電圧測定回路21252は、コントローラ2105によるデジタルサンプリング及び測定のために、コントローラ2105のADC端子にスケーリングされたヒータ電圧測定信号COIL_VOLを出力する。
【0128】
オペアンプ3708のゲインは、電圧測定のダイナミックレンジを改善するために、周囲の受動電気素子(例えば、抵抗器及びキャパシタ)に基づいて設定されてもよい。一例では、オペアンプ3708のダイナミックレンジは、最大電圧出力がADCの最大入力範囲(例えば、約2.5V)に一致するように電圧をスケーリングすることによって達成されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、スケーリングは、1Vあたり約402mVであってもよく、したがって、ヒータ電圧測定回路21252は、最大約2.5V/0.402V=6.22Vを測定し得る。
【0129】
電圧信号COIL_OUT,COIL_RTNは、それぞれダイオード3720,3722によってクランプされ、静電気放電(ESD)事象による損傷のリスクを低減する。
【0130】
いくつかの例示的な実施形態では、4線/ケルビン測定が使用されることがあり、電圧信号COIL_OUT,COIL_RTNは、ヒータシステム36とエアロゾル生成装置100との間の電力インターフェース(例えば、電気コネクタ)の接触抵抗及びバルク抵抗を考慮に入れるために、測定接点((主電源接点とは対照的に)電圧検出接続とも呼ばれる)で測定されてもよい。
【0131】
図5は、図3に示したヒータ電流測定回路21258の例示的な実施形態を示している。
【0132】
図5を参照すると、出力電流信号COIL_RTN_Iは、グランドに接続された四端子(4T)測定抵抗器3802に入力される。四端子測定抵抗器3802にかかる差動電圧は、オペアンプ3806によってスケーリングされ、オペアンプ3806はヒータシステム36に流れる電流を示すヒータ電流測定信号COIL_CURを出力する。ヒータ電流測定信号COIL_CURは、ヒータシステム36に流れる電流をコントローラ2105でデジタルサンプリング及び測定するために、コントローラ2105のADC端子に出力される。
【0133】
図5に示す例示的な実施形態では、四端子測定抵抗器3802を用いて、4線式/ケルビン電流測定技術を使用した電流測定の誤差を低減し得る。この例では、電流測定経路を電圧測定経路から分離することで、電圧測定経路のノイズを低減し得る。
【0134】
オペアンプ3806のゲインは、測定のダイナミックレンジを改善するように設定され得る。この例では、オペアンプ3806のスケーリングは約0.820V/Aであるため、ヒータ電流測定回路21258は最大約2.5V/(.820V/A)=3.05Aまで測定し得る。
【0135】
図5をより詳細に参照すると、四端子測定抵抗器3802の第1の端子は、ヒータシステム36の端子に接続され、出力電流信号COIL_RTN_Iを受信する。四端子測定抵抗器3802の第2の端子はグランドに接続されている。四端子測定抵抗器3802の第3の端子は、抵抗器3804、キャパシタ3808及び抵抗器3810を含むローパスフィルタ回路(R/Cフィルタ)に接続されている。抵抗器3804の抵抗は100Ωであってもよく、抵抗器3810の抵抗は8.2キロオームであってもよく、キャパシタ3808の容量は例えば3.3ナノファラッドであってもよい。
【0136】
ローパスフィルタ回路の出力は、オペアンプ3806の正入力に接続される。ローパスフィルタ回路は、ヒータシステム36に通電するために印加されるPWM信号によって誘発されるスイッチングノイズによる不正確さを低減し得て、電流と電圧の両方について同じ位相応答/グループ遅延を有し得る。
【0137】
ヒータ電流測定回路21258は、抵抗器3812,3814と、キャパシタ3816をさらに含む。抵抗器3812,3814と、キャパシタ3816は、四端子測定抵抗器3802の第4端子と、オペアンプ3806の負入力と、オペアンプ3806の出力とにローパスフィルタ回路構成で接続されており、ローパスフィルタ回路の出力は、オペアンプ3806の負入力に接続されている。抵抗器3812,3814は、それぞれ100オーム及び8.2キロオームの抵抗を有していてもよく、キャパシタ3816は、例えば3.3ナノファラッドの静電容量を有していてもよい。
【0138】
オペアンプ3806は、コントローラ2105によるヒータシステム36に流れる電流のサンプリング及び測定のために、コントローラ2105のADC端子にヒータ電流測定信号COIL_CURとして差動電圧を出力する。
【0139】
少なくともこの例示的な実施形態によれば、ヒータ電流測定回路21258の構成は、抵抗器3804,3810とキャパシタ3808とを含むローパスフィルタ回路が四端子測定抵抗器3802の端子に接続され、抵抗器3812,3814とキャパシタ3816とを含むローパスフィルタ回路が四端子測定抵抗器3802の別の端子に接続されていることを除けば、ヒータ電圧測定回路21252の構成と同様である。
【0140】
コントローラ2105は、エアロゾル生成装置100で使用される「ティック」時間(制御ループの反復時間)に対応する時間ウィンドウ(例えば、約1ms)にわたって複数のサンプル(例えば、電圧)を平均し、スケーリング値の適用を通じて、当該平均値を端子402,404(ヒータシステム36を通る)間の電圧及び電流の数学的表現に変換してもよい。スケーリング値は、エアロゾル生成装置100のハードウェアに固有であってもよい、それぞれのオペアンプで実装されるゲイン設定に基づいて決定され得る。
【0141】
コントローラ2105は、測定ノイズを減衰させるために、例えば3タップ移動平均フィルタを用いて、変換された電圧及び電流測定値をフィルタリングし得る。この場合、コントローラ2105は、フィルタリングされた測定値を用いてヒータシステムの抵抗Rsystem(Rsystem=COIL_VOL/COIL_CUR)、ヒータシステムに適用される電力Psystem(Psystem=COIL_VOL*COIL_CUR)などを計算し得る。
【0142】
1又は複数の例示的な実施形態によれば、図4及び/又は図5に示す回路の受動素子のゲイン設定は、出力信号範囲をコントローラ2105の入力範囲に一致させるように調整し得る。
【0143】
図6は、1又は複数の例示的な実施形態による別個の補償電圧測定回路を含むエアロゾル生成装置の電気システムを示す。
【0144】
図6に示すように、ヒータシステム36とエアロゾル生成装置電気システム2100との間の接触インターフェースは、入力電力接点6100と、入力測定接点6200と、出力測定接点6300と、出力電力接点6400とを有する4線/ケルビン配置を含む。
【0145】
電圧測定回路21252Aは、入力測定接点6200で測定電圧COIL_OUT_MEASを受信し、出力測定接点6300で出力測定電圧COIL_RTN_MEASを受信する。ヒータ電圧測定回路21252Aは、図4に示されたヒータ電圧測定回路21252と同じ回路であり、スケーリングされたヒータ電圧測定信号COIL_VOLを出力する。図4ではCOIL_OUT,COIL_RTNが図示されているが、別個の補償電圧測定回路を持たない例示的な実施形態では、ヒータ電圧測定回路21252は、入力及び出力電力接点6100,6400の代わりに、入力及び出力測定接点6200,6300で電圧を受信し得ることを理解すべきである。
【0146】
図6に示すシステムは、補償電圧測定回路21250をさらに含む。補償電圧測定回路21250は、補償電圧測定回路21250が入力電力接点6100で電圧COIL_OUTを受信し、出力電源接点6400で電圧COIL_RTNを受信し、補償電圧測定信号VCOMPを出力する以外は、ヒータ電圧測定回路21252Aと同様である。
【0147】
ヒータ電流測定回路21258は、電源接点6400で出力電流信号COIL_RTN_Iを受信し、ヒータ電流測定信号COIL_CURを出力する。
【0148】
図7A~7Cは、例示的な実施形態による加熱エンジン制御回路を示す回路図である。図7A~7Cに示す加熱エンジン制御回路は、図3に示す加熱エンジン制御回路2127の一例である。
【0149】
加熱エンジン制御回路は、昇圧コンバータ回路7020(図7A)、第1ステージ7040(図7B)、及び第2ステージ7060(図7C)を含む。
【0150】
昇圧コンバータ回路7020は、第1の電源イネーブル信号PWR_EN_VGATE(シャットダウン信号とも呼ばれる)に基づいて第1ステージ7040に電力を供給するために、電圧源BATT(例えば、図3の電源2110)から電圧信号VGATE(例えば、9V電源)(電源信号又は入力電圧信号とも呼ばれる)を生成するように構成される。コントローラ2105は、エアロゾル生成装置100が使用可能な状態にあるときに論理ハイレベルを有するように、第1の電源イネーブル信号PWR_EN_VGATEを生成し得る。言い換えれば、第1の電源イネーブル信号PWR_EN_VGATEは、少なくともコントローラ2105が、カプセル200がエアロゾル生成装置100に適切に接続されていることを検出する場合に、論理ハイレベルを有する。他の例示的な実施形態では、コントローラ2105がカプセル200がエアロゾル生成装置100に適切に接続されていることを検出し、コントローラ2105がボタンが押されるなどの動作を検出した場合に、第1の電源イネーブル信号PWR_EN_VGATEは論理ハイレベルになる。
【0151】
第1ステージ7040は、昇圧コンバータ回路7020からの入力電圧信号VGATEを利用して、加熱エンジン制御回路2127を駆動する。第1ステージ7040及び第2ステージ7060は、降圧コンバータ回路を形成する。
【0152】
図7Aに示す例示的な実施形態では、昇圧コンバータ回路7020は、第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEがアサートされている(存在する)場合にのみ、入力電圧信号VGATEを生成する。コントローラ2105は、第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEをディアサート(停止又は終了)することによって、第1ステージ7040への電力をカットするためにVGATEを無効にしてもよい。第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEは、エアロゾル生成装置100でエアロゾル生成オフ動作を実行するためのデバイス状態電力信号として機能し得る。この例では、コントローラ2105は、第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEをディアサートすることによってエアロゾル生成オフ動作を実行し、これにより第1ステージ7040、第2ステージ7060及びヒータ336へのすべての電力を無効にし得る。その後、コントローラ2105は、エアロゾル生成装置100で、昇圧コンバータ回路7020に第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEを再度アサートすることにより、エアロゾル生成をイネーブルにし得る。
【0153】
コントローラ2105は、エアロゾル生成装置100におけるエアロゾル生成条件に応じて、昇圧コンバータ回路7020がハイレベル(約9V)を有する入力電圧信号VGATEを出力して第1ステージ7040及びヒータシステム36への電力を有効にするような論理レベルで、第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEを生成してもよい。コントローラ2105は、昇圧コンバータ回路7020がローレベル(又は約0V)を有する入力電圧信号VGATEを出力して第1ステージ7040及びヒータシステム36への電力を無効にし、これによりヒータオフ動作を実行するように、別の論理レベルで第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEを生成してもよい。
【0154】
図7Aの昇圧コンバータ回路7020をより詳細に参照すると、キャパシタC36は、電圧源BATTとアースの間に接続されている。キャパシタC36は、10マイクロファラッドの静電容量を有していてもよい。
【0155】
インダクタL1006の第1端子は、電圧源BATTとキャパシタC36の間のノードNode1に接続されている。インダクタL1006は、昇圧コンバータ回路7020の主記憶素子として機能する。インダクタL1006のインダクタンスは、10マイクロヘンリーであってもよい。
【0156】
ノードNode1は、昇圧コンバータチップU11の電圧入力端子VINに接続されている。いくつかの例示的な実施形態では、昇圧コンバータチップはTPS61046YFFRであってもよい。
【0157】
インダクタL1006の第2端子は、昇圧コンバータチップU11のスイッチ端子SWに接続されている。昇圧コンバータチップU11のイネーブル端子ENは、コントローラ2105から第1のイネーブル信号PWR_EN_VGATEを受信するように構成される。
【0158】
図7Aに示す例では、昇圧コンバータチップU11が、昇圧コンバータ回路7020の主スイッチング素子として機能する。
【0159】
抵抗器R53は、ブースター・コンバータチップU11のイネーブル端子ENとグランドとの間に接続され、第1のイネーブル信号PWR_EN_GATEが不確定状態にあるときに、ヒータシステム36の動作が確実に阻止されるようにするためのプルダウン抵抗として機能する。抵抗器R53は、いくつかの例示的な実施形態では、100キロオームの抵抗を有していてもよい。
【0160】
昇圧コンバータチップU11の電圧出力端子VOUTは、抵抗器R49の第1端子とキャパシタC58の第1端子とに接続されている。キャパシタC58の第2端子は、グランドに接続されている。電圧出力端子VOUTによって出力される電圧が、入力電圧信号VGATEとなる。
【0161】
抵抗器R49の第2端子と抵抗器R51の第1端子とは、第2のノードNode2に接続されている。第2のノードNode2は、昇圧コンバータチップU11のフィードバック端子FBに接続されている。昇圧コンバータチップU11は、抵抗器R49の抵抗と抵抗器R51の抵抗との比を用いて、約9Vの入力電圧信号VGATEを生成するように構成される。いくつかの例示的な実施形態では、抵抗器R49は、680キロオームの抵抗を有していてもよく、抵抗器R51は、66.5キロオームの抵抗を有していてもよい。
【0162】
キャパシタC36,C58は平滑キャパシタとして動作し、それぞれ10マイクロファラッドと4.7マイクロファラッドの容量を有していてもよい。インダクタL1006は、所望の出力電圧(例えば、9V)に基づいて選択されたインダクタンスを有していてもよい。
【0163】
次に図7Bを参照すると、第1ステージ7040は、入力電圧信号VGATEと第2のイネーブル信号COIL_Zとを受信する。第2のイネーブル信号COIL_Zはパルス幅変調(PWM)信号であり、第1ステージ7040への入力である。
【0164】
第1ステージ7040は、特に、コントローラ2105からの低電流信号を、第1ステージ7040のトランジスタのスイッチングを制御するための高電流信号に変換するように構成される統合ゲートドライバU6を含む。統合ゲートドライバU6はまた、コントローラ2105からの電圧レベルを、第1ステージ7040のトランジスタが必要とする電圧レベルに変換するように構成される。図7Bに示される例示的な実施形態では、統合ゲートドライバU6は、ハーフブリッジドライバである。しかし、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。
【0165】
より詳細には、昇圧コンバータ回路7020からの入力電圧信号VGATEは、抵抗器R22とキャパシタC32とを含むフィルタ回路を介して第1ステージ7040に入力される。抵抗器R22は10Ωの抵抗を有し、キャパシタC32は1マイクロファラッドの静電容量を有していてもよい。
【0166】
抵抗器R22とキャパシタC32とを含むフィルタ回路は、統合ゲートドライバU6のVCC端子(端子4)と、ノードNode3のツェナーダイオードD2のアノードとに接続されている。キャパシタC32の第2端子は、アースに接続されている。ツェナーダイオードD2のアノードは、キャパシタC32の第1端子と、ノードNode7における統合ゲートドライバU6の昇圧端子BST(端子1)に接続されている。キャパシタC31の第2端子は、統合ゲートドライバU6のスイッチングノード端子SWN(端子7)と、ノードNode8におけるトランジスタQ2,Q3の間とに接続されている。図7Bに示す例示的な実施形態では、ツェナーダイオードD2とキャパシタC31とは、統合ゲートドライバU6の入力電圧端子VCCと昇圧端子BSTとの間に接続されたブートストラップ・チャージポンプ回路の一部を形成している。キャパシタC31は、昇圧コンバータ回路7020からの入力電圧信号VGATEに接続されているため、ダイオードD2を介して入力電圧信号VGATEとほぼ等しい電圧まで充電される。キャパシタC31は、220ナノファラッドの静電容量を有していてもよい。
【0167】
さらに図7Bを参照すると、抵抗器R25は、ハイサイドゲートドライバ端子DRVH(端子8)とスイッチングノード端子SWN(端子7)の間に接続されている。抵抗器R29の第1端子は、ノードNode9におけるローサイドゲートドライバ端子DRVLに接続されている。抵抗器R29の第2端子は、グランドに接続されている。
【0168】
抵抗器R23とキャパシタC33とは、統合ゲートドライバU6の入力端子IN(端子2)に接続されたフィルタ回路を形成している。当該フィルタ回路は、入力端子INに入力される第2のヒータイネーブル信号COIL_Zから高周波ノイズを除去するように構成される。第2のヒータイネーブル信号COIL_Zは、コントローラ2105からのPWM信号である。このように、フィルタ回路は、PWM矩形波パルス列の高周波成分をフィルタリングし、矩形波エッジの立ち上がりと立ち下がりの時間をわずかに短くして、トランジスタが徐々にオンオフされるように設計されている。
【0169】
抵抗器R24は、フィルタ回路とノードNode10における入力端子INに接続されている。抵抗器R24は、プルダウン抵抗として使用され、第2のヒータイネーブル信号COIL_Zがフローティング(又は不確定)である場合、統合ゲートドライバU6の入力端子INが論理ローレベルに保持され、ヒータシステム36の起動を防止する。
【0170】
抵抗器R30とキャパシタC37とは、統合ゲートドライバU6の端子OD(端子3)に接続されたフィルタ回路を形成している。当該フィルタ回路は、端子ODに入力される入力電圧信号VGATEから高周波ノイズを除去するように構成される。
【0171】
抵抗器R31は、フィルタ回路とノードNode11の端子ODとに接続されている。抵抗器R31はプルダウン抵抗として使用され、入力電圧信号VGATEがフローティング(又は不確定)である場合、統合ゲートドライバU6の端子ODが論理ローレベルに保持され、ヒータシステム36の起動を防止する。抵抗器R30とキャパシタC37とによる形成されるフィルタ回路によって出力される信号は、フィルタされた信号GATEONと呼ばれる。抵抗器R30,R31は、信号VGATEをトランジスタ・ドライバ・チップ入力用の2.5V以下に分周するような分周回路でもある。
【0172】
トランジスタQ2,Q3は、電圧源BATTとグランドとの間に直列接続された電界効果トランジスタ(FET)である。さらに、インダクタL3の第1端子は、電圧源BATTに接続されている。インダクタL3の第2端子は、ノードNode12におけるキャパシタC30の第1端子と、トランジスタQ2のドレインとに接続されている。キャパシタC30の第2の端子は、グランドに接続されている。インダクタL3とキャパシタC30とは、電圧源BATTからの過渡スパイクを低減及び/又は防止するためのフィルタを形成する。
【0173】
トランジスタQ3のゲートは、統合ゲートドライバU6のローサイドゲートドライバ端子DRVL(端子5)に接続され、トランジスタQ3のドレインは、ノードNode8において統合ゲートドライバU6のスイッチングノード端子SWN(端子7)に接続され、トランジスタQ3のソースは、グランドGNDに接続される。ローサイドゲートドライバ端子DRVLから出力されるローサイドゲート駆動信号がHighのとき、トランジスタQ3は低インピーダンス状態(ON)となり、これによりノードNode8をグランドに接続する。
【0174】
上述したように、キャパシタC31が昇圧コンバータ回路7020からの入力電圧信号VGATEに接続されているため、キャパシタC31は、ダイオードD2を介して入力電圧信号VGATEと等しいか実質的に等しい電圧まで充電される。
【0175】
ローサイドゲートドライバ端子DRVLから出力されるローサイドゲート駆動信号がLowのとき、トランジスタQ3は、高インピーダンス状態(OFF)に切り替わり、ハイサイドゲートドライバ端子DRVH(端子8)は、統合ゲートドライバU6内の昇圧端子BSTに内部接続される。その結果、トランジスタQ2は、低インピーダンス状態(ON)となり、これにより、スイッチングノードSWNを電圧源BATTに接続し、スイッチングノードSWN(ノード8)を電圧源BATTの電圧に引き上げる。
【0176】
この場合、ノードNode7は、ブートストラップ電圧V(BST)≒V(VGATE)+V(BATT)まで昇圧され、これにより、トランジスタQ2のゲート・ソース間電圧を、電圧源BATTからの電圧に関係なく(又は独立に)、入力電圧信号VGATEの電圧(例えば、V(VGATE))と同一又は実質的に同一にし得る。当該回路配置により、電圧源の電圧が低下してもBST電圧が変化しない、すなわち、電圧源BATTの電圧が変化してもトランジスタが効率的にスイッチングされる。
【0177】
その結果、スイッチングノードSWN(ノード8)は、第2ステージ7060への電圧出力(及びヒータ336への電圧出力)を生成するために用いられ得る高電流スイッチング信号を提供する。この電圧出力は、バッテリ電圧源BATTに等しい最大値を有するが、それ以外はバッテリ電圧源BATTからの電圧出力とは実質的に独立している。
【0178】
キャパシタC34の第1端子とツェナーダイオードD4のアノードとは、ノードNode13において、第2ステージ7060への出力端子に接続されている。キャパシタC34と抵抗器R28とは、直列接続されている。キャパシタC34の第2端子と抵抗器R28の第1端子とは、接続されている。ツェナーダイオードD4のカソードと抵抗器R28の第2端子とは、グランドに接続されている。
【0179】
キャパシタC34とツェナーダイオードD4と抵抗器R28とは、インダクタL4(図7Cに示す)からのエネルギーが第1ステージ7040に逆流することを防止する、バックEMF(electric and magnetic fields)防止回路を形成する。
【0180】
抵抗器R25は、トランジスタQ2のゲートとトランジスタQ3のドレインとの間に接続されている。抵抗器R25は、トランジスタQ2がより確実に高インピーダンスに切り替わるようにするためのプルダウン抵抗として機能する。
【0181】
第1ステージ7040の出力は、電圧源の電圧に実質的に依存せず、電圧源の電圧以下である。第2のヒータイネーブル信号COIL_Zが100%PWMのとき、トランジスタQ2は常に作動され、第1ステージ7040の出力は電圧源の電圧又は実質的に電圧源の電圧となる。
【0182】
図7Cは、第2ステージ7060を示す。第2ステージ7060は、第1ステージ7040からの出力信号の電圧を上昇させる。より具体的には、第2のヒータイネーブル信号COIL_Zが一定の論理ハイレベルにあるとき、第3のイネーブル信号COIL_Xが、第1ステージ7040の出力を上げるために作動され得る。第3のイネーブル信号COIL_Xは、コントローラ2105からのPWM信号である。コントローラ2105は、第1ステージ7040の出力を昇圧し、入力電圧信号COIL_OUTを生成するように、第3のイネーブル信号COIL_Xのパルス幅を制御する。第3のイネーブル信号COIL_Xが一定の論理ローレベルのとき、第2ステージ7060の出力は、第1ステージ7040の出力となる。
【0183】
第2ステージ7060は、入力電圧信号VGATEと、第3のイネーブル信号COIL_Xと、フィルタリングされた信号GATEONとを受信する。
【0184】
第2ステージ7060は、特に、コントローラ2105からの低電流信号を、第2ステージ7060のトランジスタのスイッチングを制御するための高電流信号に変換するように構成される統合ゲートドライバU7を含む。統合ゲートドライバU7はまた、コントローラ2105からの電圧レベルを、第2ステージ7060のトランジスタが必要とする電圧レベルに変換するように構成される。図7Bに示される例示的な実施形態では、統合ゲートドライバU7は、ハーフブリッジドライバである。しかし、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。
【0185】
より詳細には、昇圧コンバータ回路7020からの入力電圧信号VGATEは、抵抗器R18とキャパシタC28とを含むフィルタ回路を介して第2ステージ7060に入力される。抵抗器R18は10オームの抵抗を有し、キャパシタC28は1マイクロファラッドの容量を有していてもよい。
【0186】
抵抗器R18とキャパシタC28とを含むフィルタ回路は、統合ゲートドライバU7のVCC端子(端子4)と、ノードNode14のツェナーダイオードD1のアノードとに接続されている。キャパシタC28の第2端子は、グランドに接続されている。ツェナーダイオードD2のアノードは、キャパシタC27の第1端子と、ノードNode15における統合ゲートドライバU7の昇圧端子BST(端子1)に接続されている。キャパシタC27の第2端子は、ノードNode16において、統合ゲートドライバU7のスイッチングノード端子SWN(端子7)と、トランジスタQ1,Q4の間とに接続されている。
【0187】
図7Cに示す例示的な実施形態では、ツェナーダイオードD1とキャパシタC27とは、入力電圧端子VCCと統合ゲートドライバU7の昇圧端子BSTとの間に接続されたブートストラップ・チャージポンプ回路の一部を形成している。キャパシタC27は、昇圧コンバータ回路7020からの入力電圧信号VGATEに接続されているため、ダイオードD1を介して入力電圧信号VGATEとほぼ等しい電圧まで充電される。キャパシタC31は、220ナノファラッドの静電容量を有していてもよい。
【0188】
さらに図7Cを参照すると、抵抗器R21は、ハイサイドゲートドライバ端子DRVH(端子8)とスイッチングノード端子SWN(端子7)の間に接続されている。トランジスタQ4のゲートは、統合ゲートドライバU7のローサイドゲートドライバ端子DRVL(端子5)に接続されている。
【0189】
インダクタL4の第1端子は第1ステージ7040の出力に接続され、インダクタL4の第2端子はノードNode16に接続される。インダクタL4は、第1ステージ7040の出力の主記憶素子として機能する。動作例では、統合ゲートドライバU7がローサイドゲートドライバ端子DRVL(端子5)からローレベルの信号を出力する場合、トランジスタQ4が低インピーダンス状態(オン)に切り替わり、これにより、電流がインダクタL4とトランジスタQ4とに流れるようになる。これによりインダクタL4にエネルギーが蓄積され、電流は時間とともに線形に増加する。インダクタの電流は、トランジスタのスイッチング周波数(これは第3のヒータイネーブル信号COIL_Xによって制御される)に比例する。
【0190】
抵抗器R10とキャパシタC29とは、統合ゲートドライバU7の入力端子IN(端子2)に接続されたフィルタ回路を形成している。当該フィルタ回路は、入力端子INに入力される第3のヒータイネーブル信号COIL_Xから高周波ノイズを除去するように構成される。
【0191】
抵抗器R20は、フィルタ回路とノードNode17の入力端子INとに接続されている。抵抗器R20はプルダウン抵抗として使用され、第3のヒータイネーブル信号COIL_Xがフローティング(又は不確定)である場合、統合ゲートドライバU7の入力端子INが論理ローレベルに保持され、ヒータシステム36の起動を防止する。
【0192】
抵抗器R30とキャパシタC37とは、統合ゲートドライバU6の端子OD(端子3)に接続されたフィルタ回路を形成している。当該フィルタ回路は、端子ODに入力される入力電圧信号VGATEから高周波ノイズを除去するように構成される。
【0193】
統合ゲートドライバU7の端子ODは、フィルタリングされた信号GATEONを受信する。
【0194】
トランジスタQ1,Q4は電界効果トランジスタ(FET)である。トランジスタQ1のゲートと抵抗器R21の第1端子とは、ノードNode18において統合ゲートドライバU7のハイサイドゲートドライバ端子DRVH(端子8)に接続されている。
【0195】
トランジスタQ1のソースは、抵抗器R21の第2端子と、ツェナーダイオードD3のアノードと、トランジスタQ4のドレインと、キャパシタC35の第1端子と、キャパシタC27の第2端子と、ノードNode16における統合ゲートドライバU7のスイッチングノード端子SWN(端子7)とに接続されている。
【0196】
トランジスタQ4のゲートは、ノードNode19において、統合ゲートドライバU7のローサイドゲートドライバ端子DRVL(端子5)と抵抗器R27の第1端子とに接続されている。トランジスタQ4のソースと抵抗器R27の第2端子は、グランドに接続されている。
【0197】
キャパシタC35の第2端子は、抵抗器R29の第1端子に接続されている。抵抗器R29の第2端子は、グランドに接続されている。
【0198】
トランジスタQ1のドレインは、ノードNode20において、キャパシタC36の第1端子と、ツェナーダイオードD3のカソードと、ツェナーダイオードD5のカソードとに接続されている。キャパシタC36の第2端子とツェナーダイオードD5のアノードとは、グランドに接続されている。第2ステージ7060の出力端子7065は、ノードNode20に接続され、入力電圧信号COIL_OUTを出力する。出力端子7065は、加熱エンジン制御回路2127の出力として機能する。
【0199】
キャパシタC35は平滑キャパシタであってもよく、抵抗器は突入電流を制限する。ツェナーダイオードD3は、ノードNode20の電圧がキャパシタC35に放電するのを阻止するための逆流防止ダイオードである。キャパシタC36は、第2ステージ7060によって充電される出力キャパシタであり(COIL_OUTのリップルを低減し)、ツェナーダイオードD5はESD(electrostatic discharge:静電気放電)保護ダイオードである。
【0200】
ローサイドゲートドライバ端子DRVLから出力されるローサイドゲート駆動信号がハイレベルの場合、トランジスタQ4は低インピーダンス状態(オン)となり、これにより、ノードNode16をグランドに接続し、インダクタL4の磁界に蓄積されるエネルギーを増やす。
【0201】
上述したように、キャパシタC27は昇圧コンバータ回路7020からの入力電圧信号VGATEに接続されているため、キャパシタC27はダイオードD1を介して入力電圧信号VGATEと等しい電圧又は実質的に等しい電圧まで充電する。
【0202】
ローサイドゲートドライバ端子DRVLから出力されるローサイドゲート駆動信号がLowのとき、トランジスタQ4は、高インピーダンス状態(オフ)に切り替わり、ハイサイドゲートドライバ端子DRVH(端子8)は、統合ゲートドライバU7内のブートストラップ端子BSTに内部接続される。その結果、トランジスタQ1は低インピーダンス状態(オン)になり、スイッチングノードSWNがインダクタL4に接続される。
【0203】
この場合、ノードNode15は、ブートストラップ電圧V(BST)≒V(VGATE)+V(INDUCTOR)まで昇圧され、これにより、トランジスタQ1のゲート・ソース間電圧を、インダクタL4からの電圧に関係なく(又は独立に)、入力電圧信号VGATEの電圧(例えば、V(VGATE))と同一又は実質的に同一にし得る。第2ステージ7060は昇圧回路であるため、ブートストラップ電圧も昇圧電圧と呼ばれることがある。
【0204】
スイッチングノードSWN(ノード8)はインダクタ電圧に接続され、出力キャパシタC36は充電され、第1ステージ7040から出力される電圧に実質的に依存しない電圧出力信号COIL_OUT(ヒータ336に出力される電圧)を生成する。
【0205】
図8は、少なくともいくつかの例示的な実施形態による温度加熱エンジン制御アルゴリズムを示すブロック図である。
【0206】
図8を参照すると、温度加熱エンジン制御アルゴリズム900は、比例積分微分(PID)コントローラ970を用いて、所望の温度を達成するように、加熱エンジン制御回路2127に印加される電力量を制御する。例えば、以下でさらに詳細に説明するように、少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、温度加熱エンジン制御アルゴリズム900は、決定温度値974(例えば、上述のように決定される)を取得すること;メモリ2130から目標温度値(例えば、目標温度976)を取得すること;及び、PIDコントローラ(例えば、PIDコントローラ970)を用いて、決定されたヒータ温度値と目標温度値とに基づいて、ヒータに供給される電力レベルを制御すること;を含む。
【0207】
さらに、少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、目標温度976は、PIDコントローラ970によって制御されるPID制御ループにおける設定値(すなわち、温度設定値)として機能する。
【0208】
その結果、目標温度976と決定温度974との差(例えば、その差の大きさ)が小さくなるように、あるいは、その差が最小になるように、電力レベル設定操作944によって加熱エンジン制御回路2127に出力される電力波形930(例えば、COIL_X及びCOIL_Z)を制御するように、PIDコントローラ970は、電力制御信号972のレベルを連続的に補正する。目標温度976と決定温度974との差は、PIDコントローラ970が低減又は最小化するように作用する誤差値と見ることもできる。
【0209】
例えば、少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、電力レベル設定操作944は、電力波形930のレベルが電力制御信号972によって制御されるような電力波形930を出力する。加熱エンジン制御回路2127は、加熱エンジン制御回路2127に出力される電力レベル波形の電力レベルの大きさの増減に比例する形で、電源2110によってヒータシステム36に供給される電力量を増減させる。その結果、電力制御信号972を制御することにより、PIDコントローラ970は、目標温度値(例えば、目標温度976)と決定温度値(例えば、決定温度974)との差の大きさが低減されるような、又は代わりに最小化されるように、(例えば、電源2110を用いて)ヒータシステム36に供給される電力レベル(又は電力プロファイル)を制御する。
【0210】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、PIDコントローラ970は、既知のPID制御方法に従って動作してもよい。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、PIDコントローラ970は、比例項(P)、積分項(I)、及び微分項(D)の中から2つ以上の項を生成してもよく、PIDコントローラ970は、2つ以上の項を用いて、既知の方法に従って電力制御信号972を調整又は補正してもよい。電力プロファイルの例は、図11~13に示される。
【0211】
図3図8に示す例示的な実施形態に関する追加の詳細は、2021年1月18日出願の米国出願第17/151375号に記載されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0212】
図9は、例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置を制御するための方法を示すフローチャートである。より具体的には、図9は、例示的な実施形態によるエアロゾル生成装置のカプセルを検証するための方法を示すフローチャートである。例示の目的のために、図9に示されるフローチャートは、本明細書に記載されるデバイス及び電気システムに関して議論される。しかし、例示的な実施形態は、これらの例に限定されるべきではないことが理解されるべきである。むしろ、例示的な実施形態は、他のエアロゾル生成装置及びその電気システムに適用可能であり得る。さらに、図9に示される例示的な実施形態は、コントローラ2105によって実行される動作に関して説明される。しかし、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではない。
【0213】
図9に示す例示的な実施形態は、エアロゾル生成装置に挿入されたカプセルが有効であるかを検出及び/又は決定するために実行され得る。本明細書で議論されるように、有効なカプセルは、真正で適切に製造されたカプセル(例えば、適切な品質及び製造公差内のカプセル)、エアロゾル生成装置に挿入される前に損傷又は改ざんされていないカプセル、(例えば、カプセル内のエアロゾル形成基材を加熱するためにエアロゾル生成装置に挿入され、エアロゾル生成装置によって電力を印加することで)ヒューズ素子を開回路にするようにカプセルに印加された電力を有したことが過去にないカプセルなどであってもよい。
【0214】
図9を参照すると、カプセル200がエアロゾル生成装置100に挿入され、エアロゾル生成装置100の電源がオンになると、ステップS302で、コントローラ2105は、メモリ2130からカプセル検証情報(カプセル検証情報又はカプセル認証情報とも呼ばれることがある)を取得する。少なくとも1つの例では、カプセル検証情報は、ヒュージングプロファイル(又はヒュージングプロファイルエンベロープ)と、予想ヒュージングプロファイル期間(本明細書ではヒュージングプロファイル期間とも呼ばれることがある)と、ヒータ抵抗パラメータとを含み得る。
【0215】
カプセル200が挿入されたときにエアロゾル生成装置100の電源がオンになると、コントローラ2105は、蓋の開閉を検出するように構成される1又は複数のセンサ経由で信号を取得することによって、カプセル200が挿入されたことを判定してもよい。蓋は、図1A~1Dに関連して上述されている。他の例示的な実施形態では、エアロゾル生成装置100は、カプセル検出スイッチ(図示せず)を含んでもよい。カプセル検出スイッチは、カプセルが適切に挿入されているかを検出する(例えば、カプセル検出スイッチは、カプセルが適切に挿入されている場合に押し下げられる/閉じる)。カプセル200が適切に挿入されると、コントローラ2105は、(図7Aに示される)信号PWR_EN_VGATEをハイレベル(例えば、論理ハイレベル)で生成し得る。さらに、コントローラ2105は、カプセルが挿入され、ヒータ抵抗が指定範囲内(例えば、約±20%)であると判定するために、ヒータ導通チェックを実行してもよい。
【0216】
ヒータ抵抗パラメータは、ヒータ336の公称抵抗パラメータRNOMINALと、カプセル200の短絡パラメータと、開回路パラメータとを含み得る。
【0217】
上述したように、公称抵抗RNOMINALは、ヒューズ素子408が開回路にされている(又は存在しない)ヒータ336の抵抗を指す。
【0218】
短絡パラメータはヒータシステム36の短絡抵抗閾値THSCであってもよく、開回路パラメータはヒータシステム36の開回路抵抗閾値THOCであってもよい。短絡抵抗閾値THSC及び開回路抵抗閾値THは、ヒータシステム36が動作限界又は許容範囲内にあり、欠陥がなく、したがって無効であるかを示す閾値パラメータであってもよい。一例では、欠陥のあるカプセルは、損傷、誤製造、偽造品などであってもよい。一例では、0.10オームのヒューズ408及び2.0オームのヒータ336の場合、短絡抵抗閾値THscは約0.05オームであってもよく、開回路抵抗閾値THocは約0.15オームであってもよい。
【0219】
別の例では、2.0オームのヒータ336及び2.0オームのヒューズ408の場合、短絡抵抗閾値THscは約0.5オームであってもよく、開回路抵抗閾値THocは約1.5オームであってもよい。
【0220】
ヒュージングプロファイルは、カプセル200を検証するためにヒータシステム36に適用される定義された電力プロファイル(又は波形)と、ヒータシステム36への電力プロファイルの適用に応じて観察又は測定されると予想される予想抵抗プロファイル(又は予想抵抗プロファイルエンベロープ)とを含み得る。予想抵抗プロファイルは、ヒュージングプロファイル期間の各1ミリ秒(ms)時間ステップ又は「ティック」における上限抵抗及び下限抵抗として定義され得る。各1ミリ秒刻みにおける抵抗の上限及び下限は、例えば、既知の真正の、損傷していない、及び/又は以前に加熱されていないカプセルに基づいて得られた経験的証拠又は試験結果に基づいて、任意に設定し得る。別の例では、上限抵抗及び下限抵抗(抵抗限界)は、ヒータ336及びヒューズ408の予測される製造公差(複数可)に基づいて計算され得る。
【0221】
メモリ2130から得られる予想ヒュージングプロファイル期間は、カプセル200が有効であるかを判定するために、ヒータシステム36に電力プロファイルが適用される間の予想される時間の長さである。一例では、ヒュージングプロファイル期間は、約5ミリ秒から約400ミリ秒以上の間であってもよい。各1ms刻みの間の時間は、ヒュージング(又は抵抗)プロファイル間隔と呼ばれることがあり、予想抵抗プロファイルは、複数の(例えば、約5から約500以上の間の)抵抗プロファイル間隔を含み得る。例示的な電力プロファイル及び対応する例示的な記録抵抗プロファイルは、図11図13に関してより詳細に後述する。
【0222】
ステップS304で、コントローラ2105は、ステップS302で得られた電力プロファイルを加熱エンジン制御回路2127に適用する。この回路は、端子402,404の間のヒータシステム36に対応する電力プロファイルを適用する。
【0223】
またステップS304では、ヒータシステム36への電力プロファイルの適用の際に、コントローラ2105は、ヒータシステム36に適用される電力の監視を開始し、ヒータシステム36にわたる抵抗を各1ms刻み(時間ステップ)で測定し、記録する。コントローラ2105は、よく知られた方程式R=V/Iに従って、ヒータシステム36にわたる測定電圧及び測定電流に基づいて、各1ms時間ステップで抵抗を測定し得る。ヒータシステム36にわたる測定電流及び測定電圧は、それぞれヒータ電流測定回路21258及びヒータ電圧測定回路21252によって提供され、又は提供された情報に基づいて決定され得る。
【0224】
ステップS306において、コントローラ2105は、時刻tにおけるヒータシステム36の瞬時抵抗R(ヒータシステム36の初期抵抗)が、ステップS302で得られた短絡抵抗閾値THSC以上、開回路抵抗閾値THOC以下であるかを判定する。
【0225】
コントローラ2105が、瞬時抵抗Rが短絡抵抗閾値THSC及び開回路抵抗閾値THOCの範囲外である(短絡抵抗閾値THSCより小さい、又は開回路抵抗閾値THOCより大きい)と判定した場合、ステップS322で、コントローラ2105は、カプセル200が無効である(例えば、故障している)と判定し、エアロゾルインジケータ2135を介して(例えば、通信画面140に表示されるメッセージを介して)無効表示を出力する。一例では、無効表示は、音、視覚表示、及び/又は触覚フィードバックの形であってもよい。例えば、表示は、赤色LEDの点滅、リモート電子デバイス上の接続された「アプリ」に(例えば、Bluetoothを介して)送信されるエラーコードを含むソフトウェアメッセージであってその後にアプリ内の通知を始動させるもの、それらの任意の組み合わせなどであってもよい。この例では、コントローラ2105はまた、カプセル200が無効であることを検出すると、ヒータシステム36への電力印加を終了する。
【0226】
ステップS306に戻り、コントローラ2105は、瞬時抵抗Rが短絡抵抗閾値THSC及び開回路抵抗閾値THOCの範囲内である(短絡抵抗閾値THSC以上、開回路抵抗閾値THOC以下)と判定した場合、ステップS308で、コントローラ2105は、瞬時抵抗Rが、ヒータ336の公称抵抗RNOMINALに近似しているかを判定する。一例では、瞬時抵抗Rが公称抵抗RNOMINALの約10%の許容範囲内にある場合、瞬時抵抗Rは公称抵抗RNOMINALの近似と見なされ得る。瞬時抵抗Rがヒータ336の公称抵抗RNOMINALに近似しているかは、ヒューズ素子408がヒータシステム36から溶断している(開回路になっている)又は完全に欠落しているかを示し、これはカプセル200が無効であること(例えば、欠陥のあるヒータであること又はエアロゾルを生成するためにヒータシステム36に以前に電力が印加されたこと)を示す。
【0227】
コントローラ2105が、瞬時抵抗Rが公称抵抗RNOMINALに近似していると判定した場合、コントローラ2105は、カプセルが無効である(例えば、ヒューズ素子408が開回路である、及び/又はエアロゾルを生成するためにヒータシステム36に電力が以前に印加されている)と判定する。この場合、プロセスはステップS322に進み、ヒータシステム36への電力印加の終了を含め、上述したように継続する。
【0228】
ステップS308に戻り、コントローラ2105は、瞬時抵抗Rが公称抵抗RNOMINALに近似していないと判定した場合、コントローラ2105は、ヒューズ素子408が存在し、無傷であると判定する。この場合、プロセスはステップS310に続く。このステップでは、コントローラ2015が、加熱エンジン制御回路2127に、電力プロファイルに従ってヒータシステム36に電力を印加し続けさせ(又は許可し)、一方で、各1ms刻みでヒータシステム36にわたる測定抵抗を記録する。
【0229】
ステップS314において、次の(例えば、最初の)1ms刻みで、コントローラ2105は、ヒータシステム36の測定抵抗Rsystemが(加熱効果を考慮する補正オフセット又はデルタを伴う)公称抵抗RNOMINALに達したか(例えば、等しいか又は実質的に等しいか)を(例えば、比較を介して)確認する。補正オフセット(動的補正)の例は、後述される。しかし、補正オフセットは任意の適切な方法で計算されてもよいと理解されるべきである。
【0230】
ヒュージングプロファイル期間中に電力を印加する場合、エネルギーの一部がヒータ336を加熱し、これにより、ヒータ336の温度、ひいては抵抗が変化する。抵抗補正オフセットの形式の補正オフセットは、この加熱効果を考慮するために使用され得る。
【0231】
比較的低エネルギーのヒュージングプロファイル(例えば、比較的低い電力及び/又は比較的短い印加時間によるヒュージングの提供)の場合、ヒータ336の外部からの加熱は無視でき、(例えば、追加の)抵抗の変化は無視されてもよい。この場合、公称抵抗RNOMINALは、さらに抵抗エンベロープで定義された許容誤差範囲内にあるため、補正オフセットは必要ない。
【0232】
より長い(例えば、約100ms以上の)電力プロファイルの場合、又は比較的高い(例えば、約10W以上の)電力を利用する電力プロファイルの場合、抵抗に対する加熱効果はより重要になり得る。この場合、補正オフセットは、抵抗がエンベロープと公正に比較されることを保証するために(例えば、誤検出を減らすために)測定抵抗に(又は代わりに、抵抗エンベロープに)適用されてもよい。
【0233】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、コントローラ2105は、補正オフセット(補正係数とも呼ばれる)をアルゴリズム的に、又はルックアップテーブル(LUT)を用いて計算してもよい。
【0234】
例示的なアルゴリズム計算に関して、コントローラ2105は、加熱プロファイルの経過期間中に印加された加熱エネルギーをジュール単位で計算し、次に(例えば、ヒータ336の材料の質量及びそれに関連する比熱容量の事前知識を通じて)加熱エネルギーに基づいてヒータ336に誘発された温度上昇を推定することによって、補正オフセットを計算してもよい。次に、コントローラ2105は、ヒータ336の抵抗温度係数の事前知識とともにこの推定された温度上昇を用いて、各時点での抵抗の増加(補正オフセット)を計算してもよい。精度を高めるために、ヒューズ408に印加される加熱エネルギーと、ヒータ336に印加される加熱エネルギーの割合を、これらの要素の開始抵抗の事前知識に基づいて配分してもよい。
【0235】
LUTを利用する例では、コントローラ2105は、ヒータシステム36に適用される加熱エネルギーをジュール単位で計算し、その後、抵抗包絡線内に格納されるパーセンテージフィールドに基づいて、その一部分をヒータ336に配分することによって、補正オフセットを計算し得る。この場合、抵抗エンベロープは、アルゴリズムではなくLUTとして定義される。あるいは、コントローラ2105は、専用のLUTを使用してもよい。
【0236】
アルゴリズム及びLUTの両方の例において、コントローラ2105は、(ヒュージングプロファイル波形で指定された電力とは対照的に)カプセルに実際に供給された電力を測定し、その後、各電力レベルが印加されている間の時間について測定電力を積分することによって、加熱エネルギーをジュール単位で計算し得る。これにより、システムのばらつきにより指定された電力供給よりも多くなったり少なくなったりする実際の電力供給をより正確に考慮することで、精度を向上させ得る。
【0237】
一例として、質量0.075gの2.0オームのステンレス鋼のヒータ336を12Wの配分電力プロファイルで400ms加熱した場合、抵抗の増加は約200ミリオームである。したがって、電力プロファイルのポイント400msで公称抵抗RNOMINAL(又は抵抗エンベロープ)に追加される補正オフセットは、200ミリオームである。
【0238】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、補正オフセットはまた、ヒュージングプロファイルの終了時に計算された温度上昇を温度制御の開始点として用いる(例えば、ヒータ開始温度=周囲温度+温度上昇)ことで、後続の抵抗ベースの温度制御を通知するために使用され得る。しかし、これは、ヒータ336を周囲温度まで冷却させるように成人消費者が製品を操作する前に、ヒュージングプロファイルの完了後の待機期間を強制することによっても管理され得る。
【0239】
さらに図9を参照すると、コントローラ2105が、ヒータシステム36の抵抗Rsystemがまだ公称抵抗RNOMINALに達していないと判定した場合、これはヒューズ素子408がまだ無傷である(溶断していない)ことを示すが、ステップS312において、コントローラ2105は、予想ヒュージングプロファイル期間が満了したかを判定する。
【0240】
コントローラ2105が、予想ヒュージングプロファイル期間がまだ満了していないと判定した場合、プロセスはステップS314に戻り、コントローラ2105は、ヒータシステム36の抵抗が次の1ms刻みで公称抵抗RNOMINALに達したかを再確認する。その後、プロセスは、本明細書で述べたように継続する。1又は複数の例示的な実施形態によれば、コントローラ2105は、各1ms刻みで周期的に、ヒータシステム36の抵抗が公称抵抗RNOMINALに達したかを確認し、再確認してもよい。本明細書では1ms周期に関して説明するが、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。
【0241】
ステップS312に戻り、(例えば、ヒータシステム36の抵抗が公称抵抗RNOMINALに達することなく)予想ヒュージングプロファイル期間が満了した場合、ステップS316において、コントローラ2105は、ヒータシステム36への電力印加を終了する。
【0242】
ステップS318において、コントローラ2105は、予想ヒュージングプロファイル期間中のヒータシステム36の記録抵抗プロファイルが、ステップS302にてメモリから取得された予想抵抗プロファイルの範囲内であるかを判定する。一例では、コントローラ2105は、記録抵抗プロファイルを、(各1ms刻みの上限抵抗及び下限抵抗として定義される)予想抵抗プロファイルと比較して、各1ms刻みで記録された抵抗値が予想抵抗プロファイル内の対応する点における予想抵抗プロファイルの境界内にあるかを判定する。例示的な実施形態によれば、予想抵抗プロファイルは、電力プロファイルの適用がヒュージングプロファイル期間の満了前に終了したか否かに応じて、記録抵抗プロファイルの長さに一致するように必要に応じて補間又は削減されてもよい。
【0243】
コントローラ2105が、記録抵抗プロファイルが予想抵抗プロファイルの範囲内にないと判定した場合、プロセスはステップS322に進み、上述のように無効表示が出力される。
【0244】
ステップS318に戻り、コントローラ2105が、記録抵抗プロファイルが予想抵抗プロファイルの範囲内であると判定した場合、ステップS320において、コントローラ2105は、カプセルが有効であると判定し、エアロゾルを生成するためにヒータシステム36への電力印加を可能にする。ヒータシステム36が(例えば、ジュール加熱を受けるように)作動されると、エアロゾル形成基材の温度が上昇し、エアロゾルが生成され、カプセル200のエアロゾル出口から引き出されるか、又は他の方法で放出され得る。
【0245】
ステップS314に戻り、コントローラ2105が、ヒータシステム36の抵抗が任意の1ms刻みで公称抵抗RNOMINALに達した(ヒューズ素子408が溶断したことを示す)と判定した場合、プロセスはステップS316に続き、本明細書で述べられたように進む。この場合、コントローラ2105は、予想ヒュージングプロファイル期間の満了前に、ヒータシステム36への電力プロファイルの適用を終了し、ヒータシステム36に電力プロファイルが適用された時間の長さに従って、予想抵抗プロファイルエンベロープを削減してもよい。
【0246】
エアロゾルの生成が許可されると、コントローラ2105は、上述した検証手順の間にヒータシステム36に供給された電力プロファイルの割合を推定することによって、ヒータ336の開始温度Tを推定し得る。この場合、加熱用のヒータ336の初期抵抗Rは、記録抵抗プロファイルに従って、ヒータ336の最終抵抗に設定される。
【0247】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、コントローラ2105は、図9に関連して上述したように、記録抵抗プロファイルの終了時のヒータシステム36の最終抵抗を用いて、ヒータ336の開始温度Tを推定してもよい。一例では、コントローラ2105は、時刻tendにおける予想ヒュージングプロファイル期間の終了前の最後に記録された抵抗に基づいて、ヒータ336の開始温度Tを計算してもよい。別の例では、コントローラ2105が予想ヒュージングプロファイル期間の終了前にヒータシステム36への電力印加を終了する場合、コントローラ2105は、ヒータシステム36への電力印加の終了前の最後の1ms刻みにおける記録された抵抗に基づいて、ヒータ336の開始温度Tを計算してもよい。開始温度Tを計算するための例示的な方法については後述する。しかし、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。むしろ、例示的な実施形態によれば、コントローラ2105は、任意の既知の方法で、抵抗に基づいて開始温度Tを計算してもよい。
【0248】
より詳細には、1又は複数の例示的な実施形態によれば、コントローラ2105は、ヒュージングプロファイル中にヒータ336に注入されるエネルギー量(例えば、ジュール数)を推定することによって、開始温度Tを推定してもよい。コントローラ2105は、この推定値をアルゴリズム的に計算してもよく、ヒュージングプロファイルに、ヒータ336に注入されたエネルギー量(例えば、ジュール数)の数及び/又は割合を配分する余分な列/フィールドを追加することによって計算してもよい。
【0249】
次に、アルゴリズム計算、又はヒュージングプロファイルの「ジュール」フィールドの合計を用いて、ヒータ336に注入されたエネルギー量(例えばジュール数)を計算し得る。ヒータ336の温度上昇(したがって開始温度T)は、おおよそのヒータ質量の事前知識を用いて計算され得る。
【0250】
別の例では、成人消費者に装置の操作を許可する前に、冷却期間(例えば、数秒)が設けられ得る。これにより、ヒータ336が冷却され(例えば、周囲温度まで)、初期抵抗R及び開始温度Tが、従来の温度制御ベイピング技術を用いて推定されるようになる。
【0251】
ヒューズ抵抗が比較的低いシステム(例えば、RfuseがRheaterの約10%未満)の場合、ヒータシステム36の抵抗Rsystemは比較的低くてもよい。この場合、短絡抵抗閾値THSC及び開回路抵抗閾値THOCの測定がより困難になり得る。その結果、図9に示されているが、1又は複数の例示的な実施形態によれば、ステップS306が省略されてもよい。この場合、処理はステップS304からステップS308に進んでもよい。
【0252】
図10は、例示的な実施形態による、装置本体に挿入されたカプセルを検証し識別するためのフローチャートである。例示の目的のために、図10に示すフローチャートを、本明細書に記載する装置及び電気システムに関して説明する。しかし、例示的な実施形態は、これらの例に限定されるべきではないことが理解されるべきである。むしろ、例示的な実施形態は、他のエアロゾル生成装置及びその電気システムに適用可能であり得る。さらに、図10に示される例示的な実施形態は、コントローラ2105によって実行される動作に関して説明される。しかし、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではない。
【0253】
図10に示す例示的な実施形態は、エアロゾル生成装置に挿入されたカプセルが有効であるかを検出及び/又は判定し、エアロゾル生成装置に挿入されたカプセルのタイプを識別するために実行されてもよい。挿入されたカプセルの種類を識別することによって、エアロゾル生成装置は、エアロゾルインジケータ2135を介して識別情報を出力し、及び/又はカプセル200に含まれるエアロゾル形成基材の加熱を調整するために加熱パラメータを利用し得る。
【0254】
図10を参照すると、カプセル200がエアロゾル生成装置100に挿入され、エアロゾル生成装置の電源がオンになると、ステップS402で、コントローラ2105は、メモリ2130からカプセル検証情報を取得する。カプセル検証情報は、図9のステップS302に関して上述したカプセル検証情報と同様であってもよいが、定義された電力プロファイル、ヒュージングプロファイル期間、及び複数の予想抵抗プロファイルを含んでもよい。
【0255】
予想抵抗プロファイルのそれぞれは、異なる特性(例えば、各1ms刻みで異なる上限と下限など)を有し得る。
【0256】
少なくともこの例示的な実施形態によれば、複数の予想抵抗プロファイルのそれぞれは、カプセル識別情報及び対応するエアロゾル生成パラメータと関連付けて、例えばメモリ2130内のLUTに格納され得る。カプセル識別情報は、カプセル内のエアロゾル形成基材のタイプ又はブレンドを示す情報、カプセルのタイプ、製造情報(例えば、製造日、場所など)、カプセルのSKUなどの1つ以上を含み得る。エアロゾル生成パラメータは、エアロゾルを生成するためにカプセル内のエアロゾル形成基材を加熱するための加熱電力プロファイル、目標温度及び/又は目標抵抗などのパラメータを含み得る。
【0257】
ステップS304において、コントローラ2105は、図9に関して上述した方法と同一の、又は実質的に同一の方法で、ヒータシステム36に定義された電力プロファイルを適用する。コントローラ2105はまた、図9に関して上述したのと同じか又は実質的に同じ方法で、ヒータシステム36に印加される電力を監視し、ヒータシステム36の測定抵抗を1msの時間ステップで記録し始める。
【0258】
ステップS306において、コントローラ2105は、ヒータシステム36の瞬時抵抗Rが、図9に関して上述した方法と同一の又は実質的に同一の方法で、短絡抵抗閾値THSC及び開回路抵抗閾値THOCの範囲内にあるかを判定する。
【0259】
コントローラ2105が、瞬時抵抗Rが短絡抵抗閾値THSC及び開回路抵抗閾値THOCの範囲外であると判定した場合、プロセスはステップS322に進み、図9に関して上述したように継続する。
【0260】
ステップS306に戻り、コントローラ2105が、瞬時抵抗Rが短絡抵抗閾値THSC及び開回路抵抗閾値THOCの範囲内であると判定した場合、ステップS308において、コントローラ2105は、瞬時抵抗Rが、図9に関して上述した方法と同一の、又は実質的に同一の方法で公称抵抗RNOMINALに近似しているかを判定する。
【0261】
コントローラ2105が、瞬時抵抗Rが公称抵抗RNOMINALに近似していると判定した場合、プロセスはステップS322に進み、図9に関して上述したように継続する。
【0262】
ステップS308に戻り、コントローラ2105が、瞬時抵抗Rが公称抵抗RNOMINALに近似していないと判定した場合、ステップS310において、コントローラ2015は、図9に関連して上述したように、加熱エンジン制御回路2127にヒータシステム36への電力波形の印加を継続させる。
【0263】
ステップS314において、次の(例えば、最初の)1ms刻みで、コントローラ2105は、図9に関して上述した方法と同一の、又は実質的に同一の方法で、ヒータシステム36の測定抵抗が(加熱効果を考慮するための補正オフセット又はデルタを伴う)公称抵抗RNOMINALに達した(例えば、等しい又は実質的に等しい)かを(例えば、比較を介して)確認する。
【0264】
コントローラ2105が、ヒータシステム36の抵抗が公称抵抗RNOMINALに達していないと判定した場合、ステップS312において、コントローラ2105は、予想ヒュージングプロファイル期間が満了したかを判定する。
【0265】
コントローラ2105が、予想ヒュージングプロファイル期間がまだ満了していないと判定した場合、プロセスはステップS314に戻り、コントローラ2105は、ヒータシステム36の抵抗が次の1ms刻みで公称抵抗RNOMINALに達したかを再確認する。その後、プロセスは、本明細書で論じるように継続する。
【0266】
図9に示される例示的な実施形態と同様に、図10に示される例示的な実施形態では、コントローラ2105、ヒータシステム36の抵抗が公称抵抗RNOMINALに達したかを1ms刻みごとに周期的に確認し、再確認してもよい。さらに、本明細書では1msの周期性に関して説明するが、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではない。
【0267】
ステップS312に戻り、予想ヒュージングプロファイル期間が満了した場合、ステップS316において、コントローラ2105は、図9に関して上述したように、ヒータシステム36への電力印加を終了する。
【0268】
ステップS418において、コントローラ2105は、ヒータシステム36について記録抵抗プロファイルが、ステップS402においてメモリ2130から取得された複数の予想抵抗プロファイルのうちのある予想抵抗プロファイルの範囲内であるかを判定する。一例では、コントローラ2105は、記録抵抗プロファイルを複数の予想抵抗プロファイルのそれぞれの1つと比較して、各1ms刻みで記録された抵抗が、プロファイル内の対応する時点でそれぞれの予想抵抗プロファイルの範囲内にあるかを判定する。図9に示す例示的な実施形態と同様に、例示的な実施形態によれば、予想抵抗プロファイルは、記録抵抗プロファイルの長さに一致するように必要に応じて補間又は削減されてもよい。簡単のために、予想抵抗プロファイルの範囲内にある記録抵抗プロファイルは、本明細書では、その予想抵抗プロファイルに「一致する」と説明される。
【0269】
コントローラ2105が、記録抵抗プロファイルが複数の予想抵抗プロファイルのいずれとも一致しないと判定した場合、プロセスはステップS322に進み、本明細書で説明するように、無効表示が出力される。
【0270】
ステップS418に戻り、コントローラ2105が、記録抵抗プロファイルが複数の予想抵抗プロファイルのうちの予想抵抗プロファイルに一致すると判定した場合、ステップS320において、コントローラ2105は、カプセルが有効であると判定し、図9に関して上述したように、エアロゾルを生成するためにヒータシステム36への電力印加を可能にする。
【0271】
ステップS422において、コントローラ2105は、一致する予想抵抗プロファイルに基づいて、カプセル200のカプセル識別情報及び/又はエアロゾル生成パラメータを取得する。一例では、コントローラ2105は、メモリ2130内の上述のLUTにアクセスして、一致する予想抵抗プロファイルに関連付けられて格納されている識別情報及び/又はエアロゾル生成パラメータを取得することにより、カプセル識別情報及び/又はエアロゾル生成パラメータを取得する。上述したように、カプセル識別情報は、カプセル内のエアロゾル形成基材のタイプ又はブレンドを示す情報、カプセルのタイプ、製造情報(例えば、製造日、場所など)、カプセルのSKUなどのうちの1つ以上を含み得る。エアロゾル生成パラメータは、エアロゾルを生成するためにカプセル内のエアロゾル形成基材を加熱するための加熱電力プロファイル、目標温度及び/又は目標抵抗などのパラメータを含み得る。
【0272】
さらに図10を参照すると、ステップS424において、コントローラ2105は、エアロゾルインジケータ2135を介して(例えば、通信画面140を介して)、取得された、カプセルのカプセル識別情報の少なくとも一部を出力する。一例では、コントローラ2105は、カプセル識別情報を、遠隔電子機器上の接続された「アプリ」に(例えば、Bluetoothを介して)送信されるソフトウェアメッセージとして出力してもよく、その後、アプリ内の通知をトリガしてもよい。また、ステップS424において、コントローラ2105は、エアロゾルを生成するためにエアロゾル形成基材を加熱する際に、エアロゾル生成パラメータを適用してもよい。
【0273】
ステップS314に戻り、コントローラ2105、ヒータシステム36の抵抗が公称抵抗RNOMINALに達したと判定した場合、プロセスはステップS316に続き、本明細書で論じるように進む。
【0274】
一旦エアロゾルの生成が許可されると、コントローラ2105は、図9に示される例示的な実施形態に関して上述した方法と同一の、又は実質的に同一の方法で、ヒータシステム36に供給される電力プロファイルの割合を推定することによって、ヒータシステム36の開始温度Tを推定し得る。
【0275】
図9に示した例示的な実施形態と同様に、図10にはステップS306が示されているが、1又は複数の例示的な実施形態によれば、ステップS306は省略されてもよい。この場合、処理はステップS304からステップS308に進んでもよい。
【0276】
図11~13は、例示的な実施形態による、例示的な電力プロファイル及び対応する記録抵抗プロファイルを示すグラフである。図11は、約2オーム(Rheater=2Ω)のヒータ抵抗及び約0.01オーム(Rfuse=0.01Ω)のヒューズ素子抵抗を有する第1のタイプの真正カプセルについての電力プロファイル及び対応する記録抵抗プロファイルを例示するグラフである。図12は、約2オームのヒータ抵抗(Rheater=2Ω)及び約0.01オームのヒューズ素子抵抗(Rfuse=0.01Ω)を有する偽造カプセルの電力プロファイル及び対応する記録抵抗プロファイルを示すグラフである。図13は、約2オームのヒータ抵抗(Rheater=2Ω)及び約0.04オームのヒューズ素子抵抗(Rfuse=0.04Ω)を有する第2のタイプの真正カプセルの電力プロファイル及び対応する記録抵抗プロファイルを示すグラフである。図11~13のそれぞれにおいて、電力プロファイルは同一であり、ヒュージングプロファイル周期は約400ms(tend=400ms)である。例示の目的のため、図11~13に示すグラフを、図2Dに示すヒータシステム36に関連して説明する。
【0277】
図11を参照すると、ヒューズ素子408をヒータ336と並列に含むヒータシステム36の抵抗特性は、ヒューズ素子408の加熱効果に基づいて非線形であり、ヒューズ素子408の抵抗Rfuseがヒータ336の抵抗Rheaterよりも大きく変化する。ヒューズ素子408及びヒータ336における抵抗特性の違いは、抵抗の比率及びヒータ336に対するヒューズ素子408の材料の質量の違い(ヒューズ素子の材料の質量<<ヒータの材料の質量)を示している。
【0278】
ヒータシステム36の抵抗Rsystemは、ヒューズ素子408の抵抗Rfuse及びヒータ336の抵抗Rheaterの両方の結果として、ヒューズ素子408が開回路(溶断)される時間tfractureでの破断点まで増加する。時間tfractureにおける破断点の後、ヒータシステム36の抵抗RsystemはヒータRheaterの抵抗と等しくなり(Rsystem=Rheater)、記録抵抗プロファイルのその後の変化はヒータ336の温度上昇の結果である。図11に示す例では、破断点は、ヒータシステムに電力プロファイルを最初に適用してから約160ms後に発生する(tfracture=~160ms)。
【0279】
破断点に達すると、コントローラ2105は、ヒータシステム36への電力プロファイルの適用をいつでも終了して、ヒータ336のジュール加熱を最小限に抑え得る。コントローラ2105が予想ヒュージングプロファイル期間の満了前に電力プロファイルの適用を終了する場合、コントローラ2105は、実際のヒュージングプロファイル期間の長さに一致するように、予想抵抗プロファイルを削減し得る。
【0280】
コントローラ2105が予想ヒュージングプロファイル期間の満了前に電力プロファイルの適用を終了しない場合、電力プロファイルの適用は予想ヒュージングプロファイル期間の終了の際(約400ms後)に終了し、ヒータ336は冷却し始める。
【0281】
上述したように、図12は、約2オームのヒータ抵抗(Rheater=2Ω)及び約0.01オームのヒューズ素子抵抗(Rfuse=0.01Ω)を有する偽造(無効)カプセルの電力プロファイル及び対応する記録抵抗プロファイルを示すグラフである。図12のグラフは、図11に示したグラフと類似しているため、この図の考察では、図11図12の相違点に焦点を当てる。
【0282】
図11に示したグラフと比較すると、図12のヒータシステム36の抵抗特性は異なる。この例では、ヒューズ素子408の抵抗Rfuseの値は図11のものと同様であってもよいが、カプセルが本物ではない(例えば、第三者によって粗悪又は不適切に製造されたもの、又は製造上の欠陥がある)ため、ヒューズ素子内の材料の体積が異なる。その結果、加熱効果、ひいては電力プロファイルの適用に対応するヒータシステム36の抵抗プロファイルが異なる。
【0283】
ヒューズ素子408の追加の質量の材料は、図11に示された例と同様に、挟まれた領域がその融点(例えば、SS316Lの場合、約1400℃)に達するのを防止し、破壊(開回路)しない。したがって、図11に示す例とは対照的に、図12に示す記録抵抗プロファイルには破断点が存在しない。
【0284】
上述したように、図13は、約2オーム(Rheater=2Ω)のヒータ抵抗と約0.04オーム(Rfuse=0.04Ω)のヒューズ素子抵抗を有する第2タイプの真正カプセルの電力プロファイルと対応する記録抵抗プロファイルを示すグラフである。図13のグラフは、図11に示したグラフと類似しているため、この図の考察では、図11図13の相違点に焦点を当てる。
【0285】
図11と同様に、図13に示す例では、ヒータシステムの抵抗は、時間tfractureで破断点に達するまで非線形に増加する。
【0286】
時間tfractureにおける破断点の後、ヒータシステム36の抵抗Rsystemは、ヒータ336の抵抗Rheaterと等しくなり(Rsystem=Rheater)、記録抵抗プロファイルのその後の変化は、ヒータ336の温度上昇の結果である。図13に示す例では、破断点は、ヒータシステム36(tfracture=~90ms)に電力プロファイルを最初に適用してから約90ms後に発生する。
【0287】
図13に示された例では、図11に関して上述されたものと比較して、ヒューズ素子408の抵抗(したがって質量)が低いため、抵抗がより急速に増加し、その結果、図11に示された破断点と比較して、破断点が早まる。
【0288】
1又は複数の例示的な実施形態は、カプセルを認証及び/又は検証する比較的低コストの方法を提供し、それによってカプセルが本物であるか偽造品であるかを判定し得る。偽造カプセルが検出された場合、エアロゾル生成装置は、ヒータへの電力印加を防止し得る。
【0289】
1又は複数の例示的な実施形態は、カプセル内のエアロゾル形成基材が以前に加熱されたかを判定する比較的低コストの方法を提供し、それによって電力が枯渇したカプセルに印加される可能性を軽減し得る。
【0290】
1又は複数の例示的な実施形態は、エアロゾル生成装置が認証及び品質管理のための専用の電子機器(例えば、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM))を含む必要がないため、カプセルを含むエアロゾル生成装置に関連するコストを低減し得る。
【0291】
1又は複数の例示的な実施形態は、比較的貧弱なベイピング体験を提供する不正な、以前に加熱された、又は偽造カプセルの使用を防止することによって、感覚体験を改善し得る。
【0292】
本明細書で議論するように、エアロゾル形成基材は、エアロゾルを生成し得る材料又は材料の組み合わせである。エアロゾルは、開示された装置、特許請求の範囲に記載された装置、及びその等価物によって生成又は出力される物質に関する。材料は、化合物(例えば、ニコチン、カンナビノイド)を含み得、材料が加熱されると、化合物を含むエアロゾルが生成される。
【0293】
植物材料をその着火温度未満で加熱すると、状況によっては、付随的かつ実質的でないレベルの酸化又は他の熱分解副生成物が生成され得ることが理解される。しかし、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成装置における加熱は、植物材料の熱分解温度以下であり、植物材料の熱分解副生成物のレベルを有さないか、又は実質的でないレベルのエアロゾルを生成する。したがって、例示的な実施形態では、植物材料の熱分解は、加熱及びその結果としてのエアロゾルの生成中に起こらない。他の実施態様では、植物材料の加熱により放出される主要成分に対して取るに足らないレベルの酸化又は他の熱分解副生成物の生成を伴う付随的な熱分解があり得る。
【0294】
エアロゾル形成基材は、繊維材料であり得る。例えば、繊維材料は、植物材料であり得る。繊維材料は、加熱されると化合物を放出するように構成されている。化合物は、繊維材料の成分であって、天然に存在する成分であり得る。例えば、繊維材料は、タバコのような植物であり、放出される化合物は、ニコチンである。「タバコ」という用語は、あらゆるタバコ植物材料を含み、例えば、マルバタバコ(Nicotiana rustica)やタバコ(Nicotiana tabacum)のような1種以上のタバコ植物由来のタバコの葉、タバコのプラグ、再構成タバコ、圧縮タバコ、成形タバコ、又は粉タバコ、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0295】
いくつかの例示的な実施形態において、タバコ材料は、タバコ属(genus Nicotiana)の任意のもの由来の材料を含み得る。さらに、タバコ材料は、2種類以上の異なるタバコ品種の混合物を含み得る。使用され得るタバコ材料の好適な種類の例としては、黄色種タバコ(flue-cured tobacco)、バーレータバコ(Burley tobacco)、ダークタバコ(dark tobacco)、メリーランドタバコ(Maryland tobacco)、オリエンタルタバコ(Oriental tobacco)、希少(rare)タバコ、スペシャルティタバコ、それらのブレンド等が挙げられるが、これらに限定されない。タバコ材料は、タバコラミナ、体積膨張もしくは膨化(volume expanded or puffed)タバコなどの加工タバコ材料、裁断圧延又は裁断膨化(cut-rolled or cut-puffed)茎等の加工タバコ茎、再構成タバコ材料、それらの混合等を含むが、これらに限定されない、任意の適切な形態で提供され得る。いくつかの例示的な実施形態において、タバコ材料は、略乾燥したタバコ塊の形態をとる。さらに、いくつかの態様において、タバコ材料は、プロピレングリコール、グリセリン、それらの部分的組合せ、又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つと混合及び/又は組合せられ得る。
【0296】
化合物はまた、医学的に治療効果が認められている薬用植物の天然に存在する成分であってもよい。例えば、薬用植物は、大麻植物であってもよく、化合物は、カンナビノイドであってもよい。カンナビノイドは、体内の受容体と相互作用し、さまざまな作用をもたらす。その結果、カンナビノイドは、さまざまな薬用目的(例えば、痛み、吐き気、てんかん、精神疾患等の治療)に使用されてきた。繊維材料は、アサ(Cannabis sativa)、インドアサ(Cannabis indica)、カンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)等の1種以上の大麻植物の葉及び/又は花の材料を含み得る。いくつかの態様において、繊維材料は、60~80%(例えば、70%)のアサ(Cannabis sativa)と、20~40%(例えば、30%)のインドアサ(Cannabis indica)との混合物である。
【0297】
カンナビノイドの例としては、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビクロメン(CBC)、及びカンナビゲロール(CBG)が挙げられる。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)は、テトラヒドロカンナビノール(THC)の前駆体であり、カンナビジオール酸(CBDA)は、カンナビジオール(CBD)の前駆体である。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)及びカンナビジオール酸(CBDA)は、加熱によってそれぞれテトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD)に変換され得る。例示的な実施形態では、ヒーター(例えば、図2Bに示すヒーター336)からの熱は、カプセル200中のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)をテトラヒドロカンナビノール(THC)に変換するように、及び/又はカプセル200中のカンナビジオール酸(CBDA)をカンナビジオール(CBD)に変換するように、脱炭酸を引き起こし得る。
【0298】
カプセル200中にテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)とテトラヒドロカンナビノール(THC)との双方が存在する場合、脱炭酸及びその結果生じる変換により、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)が減少し、テトラヒドロカンナビノール(THC)が増加する。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)の少なくとも50%(例えば、少なくとも87%)は、カプセル200の加熱中にテトラヒドロカンナビノール(THC)に変換され得る。同様に、カンナビジオール酸(CBDA)とカンナビジオール(CBD)との双方がカプセル200中に存在する場合、脱炭酸及びそれに伴う変換により、カンナビジオール酸(CBDA)が減少し、カンナビジオール(CBD)が増加する。カンナビジオール酸(CBDA)の少なくとも50%(例えば、少なくとも87%)は、カプセル200の加熱中にカンナビジオール(CBD)に変換され得る。
【0299】
さらに、化合物は、その後に繊維材料に導入される非天然由来の添加剤を含んでいてもよいし、追加的に含んでいてもよい。一例では、繊維材料は、綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、それらの組み合わせ等のうちの少なくとも1つを(例えば、ガーゼの形態で)含み得る。別の例では、繊維材料は、セルロース材料(例えば、非タバコ及び/又は非大麻材料)であり得る。いずれの例でも、導入される化合物は、ニコチン、カンナビノイド、及び/又は香味剤(flavorants)を含み得る。香味剤は、植物抽出物(例えば、タバコ抽出物、大麻抽出物)のように天然由来であっても、及び/又は人工由来であってもよい。さらに別の例では、繊維材料がタバコ及び/又は大麻を含む場合、化合物は、1つ以上の香味剤(例えば、メントール、ミント、バニラ)であってもよいし、1つ以上の香味剤を追加的に含んでもよい。したがって、エアロゾル形成基材内の化合物は、天然に存在する成分及び/又は天然に存在しない添加物を含み得る。この点に関して、エアロゾル形成基材の天然に存在する成分の存在レベルは、補充によって増加し得ることを理解されたい。例えば、ニコチンを含む抽出物を補充することで、ある量のタバコに含まれるニコチンの存在レベルを増加させ得る。同様に、ある量の大麻に含まれる1つ以上のカンナビノイドの存在レベルは、そのようなカンナビノイドを含む抽出物を補充することによって増加され得る。
【0300】
本明細書に記載される非限定的な実施形態に加えて、本明細書で議論される基材、カプセル、装置、及び方法の追加の詳細はまた、2019年6月25日に出願された米国出願第16/451662号(名称は「CAPSULES,HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATINGDEVICES,ANDMETHODSOFGENERATINGANAEROSOL」、代理人整理番号は24000NV-000522-US)、2019年1月21日に出願された米国出願第16/252,951号(名称は「CAPSULES,HEAT-NOT-BURN(HNB)AEROSOL-GENERATINGDEVICES,ANDMETHODSOFGENERATINGANAEROSOL」、代理人整理番号は24000NV-000521-US)、2017年12月18日に出願された米国出願第15/845,501号(名称は「VAPORIZING DEVICES AND METHODS FOR DELIVERING A COMPOUND USING THE SAME」、代理人整理番号は24000DM-000012-US)、及び2017年9月18日に出願された米国出願第15/559,308号(名称は「VAPORIZER FOR VAPORIZING AN ACTIVE INGREDIENT」、代理人整理番号は24000DM-000003-US-NP)に記載されており、ここで、これらの各開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0301】
多くの例示的な実施形態が本明細書に開示されているが、他の変形も可能であることを理解されたい。このような変形は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱するものとはみなされず、当業者にとって自明であろうこのような変更はすべて、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃性エアロゾル生成装置のためのヒータシステムであって、
加熱領域と第1の端子と第2の端子を有するヒータ素子と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間に前記ヒータ素子と電気的に並列接続されたヒューズ素子であって、前記第1の端子と前記第2の端子との間に印加される電力に応じて当該ヒューズ素子を開回路にするように局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有するヒューズ素子と、
前記ヒータシステムを通る気流から前記ヒューズ素子を隔離するように構成されるチャンバを有するエンドキャップと、を備える、ヒータシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記ヒューズ素子を作動させるために必要な加熱電力を当該ヒータシステムに流すことを可能にする抵抗を有する、ヒータシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
局所的なホットスポットを誘発するように構成される前記領域は、挟まれた領域又はくびれた領域である、ヒータシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記第1の端子と前記第2の端子との間で、超音波溶接、電気溶接、又はレーザースポット溶接されている、ヒータシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記ヒータ素子と一体である、ヒータシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のヒータシステムにおいて、
前記ヒータ素子は、
前記加熱領域と前記第1の端子とを接続する第1の伸長領域と、
前記加熱領域と前記第2の端子を接続する第2の伸長領域と、を含み、
前記ヒューズ素子は、前記第1の伸長領域と前記第2の伸長領域とに電気的に接続される、ヒータシステム。
【請求項7】
不燃性エアロゾル生成装置のカプセルであって、
エアロゾル形成基材を含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたヒータ素子であって、第1の端子と、第2の端子と、エアロゾル形成基材を加熱するように構成される加熱領域とを有するヒータ素子と、
前記ヒータ素子と電気的に並列接続されるヒューズ素子であって、前記第1の端子と前記第2の端子との間に印加される電力に応じて当該ヒューズ素子を開回路にするように局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有するヒューズ素子と、を備え
前記ハウジングは、第1のエンドキャップを備え、
前記第1のエンドキャップは、当該カプセルを通る気流から前記ヒューズ素子を隔離するように構成されるチャンバを含む
カプセル。
【請求項8】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記ヒューズ素子を作動させるために必要な加熱電力を前記ヒータ素子と前記ヒューズ素子とに流すことを可能にする抵抗を有する、カプセル。
【請求項9】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
局所的なホットスポットを誘発するように構成される前記領域は、挟まれた領域又はくびれた領域である、カプセル。
【請求項10】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記第1の端子と前記第2の端子との間に超音波溶接、電気溶接、又はレーザースポット溶接されている、カプセル。
【請求項11】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ヒューズ素子は、前記ヒータ素子と一体である、カプセル。
【請求項12】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ハウジングは、
第1の端部と第2の端部とを有するスリーブと
記第2の端部に係合する第2のエンドキャップとをさらに備え、
前記第1のエンドキャップは、前記第1の端部に係合し、
前記第のエンドキャップは、前記第1の端子、前記第2の端子、及び前記ヒューズ素子の周囲に成形される、カプセル。
【請求項13】
請求項7に記載のカプセルにおいて、
前記ヒータ素子は、
前記加熱領域と前記第1の端子とを接続する第1の伸長領域と、
前記加熱領域と前記第2の端子とを接続する第2の伸長領域と、を含み、
前記ヒューズ素子は、前記第1の伸長領域と前記第2の伸長領域とに電気的に接続される、カプセル。
【請求項14】
不燃性エアロゾル生成装置であって、
エンドキャップを有するカプセルを備え、前記カプセルは、
第1の端子と、第2の端子と、エアロゾル形成基材を加熱するように構成される加熱領域と、を有するヒータ素子と、
前記ヒータ素子と電気的に並列接続されたヒューズ素子であって、前記第1の端子と前記第2の端子との間に印加される電力に応じて当該ヒューズ素子を開回路にするために局所的なホットスポットを誘発するように構成される領域を有するヒューズ素子と、
前記カプセルに接続するように構成される装置本体とを含み、前記装置本体は、
当該不燃性エアロゾル生成装置に電力を供給する電源と、
前記ヒータ素子への電力供給を制御するように構成されるコントローラと、を含み、
前記エンドキャップは、前記カプセルを通る気流から前記ヒューズ素子を隔離するように構成されるチャンバーを有する、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項15】
不燃性エアロゾル生成装置であって、
カプセルを備え、前記カプセルは、
エアロゾル形成基材を含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたヒータ素子であって、第1の端子と、第2の端子と、前記エアロゾル形成基材を加熱するように構成される加熱領域とを有するヒータ素子と、
前記第1の端子と前記第2の端子の間に電気的に接続されるヒューズ素子と、
前記カプセルに接続するように構成される装置本体と、を備え、前記装置本体は、
前記ヒータ素子に電力を印加するように構成される加熱エンジン制御回路と、
前記ヒータ素子に電力波形を印加するように前記加熱エンジン制御回路を制御し、
前記電力波形に応じて、前記ヒータ素子のの測定抵抗プロファイルに基づいて、前記カプセルが有効であるかを判定する、ように構成されるコントローラとを備える、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項16】
請求項15に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
さらに、予想抵抗プロファイルを記憶するメモリを備え、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルと前記メモリに格納された前記予想抵抗プロファイルとの比較に基づいて、前記カプセルが有効であるかを判定するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項17】
請求項15に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記カプセルが有効であると判定したことに応じて、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するように前記ヒータ素子への電力供給を可能にするように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項18】
請求項15に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記カプセルが有効でないと判定したことに応じて、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するように前記ヒータ素子への電力供給を停止するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項19】
請求項15に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記ヒータ素子に前記電力波形を印加するように前記加熱エンジン制御回路を制御し、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するように前記ヒータ素子への電力供給の前に、前記カプセルが有効であるかを判定するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項20】
請求項15に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルに基づいて前記カプセルの識別情報を取得するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項21】
請求項20に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
複数の予想抵抗プロファイルを記憶するメモリをさらに備え、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルと前記メモリに記憶された前記複数の予想抵抗プロファイルとの比較に基づいて前記カプセルの前記識別情報を取得するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項22】
請求項15に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルに基づいて、前記エアロゾル形成基材を加熱するためのエアロゾル生成パラメータを決定するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項23】
請求項22に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
複数の予想抵抗プロファイルを記憶するメモリをさらに備え、
前記コントローラは、前記測定抵抗プロファイルと前記メモリに記憶された前記複数の予想抵抗プロファイルとの間の比較に基づいて、前記エアロゾル生成パラメータを決定するように構成される、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項24】
請求項22に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
前記エアロゾル生成パラメータは、エアロゾルを生成するために前記エアロゾル形成基材を加熱するための、加熱電力プロファイル、目標温度及び目標抵抗のうちの少なくとも1つを含む、不燃性エアロゾル生成装置。
【請求項25】
請求項15に記載の不燃性エアロゾル生成装置において、
有効なカプセルは、真正なカプセル、前記不燃性エアロゾル生成装置への挿入前に損傷していないカプセル、及び無傷のヒューズ素子を有するカプセルの少なくとも1つである、不燃性エアロゾル生成装置。
【国際調査報告】