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特表2024-536803フェーズドアレイアンテナの精密自己較正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】フェーズドアレイアンテナの精密自己較正
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20241001BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20241001BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20241001BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H04B7/06 982
H03F3/24
H03F3/68 220
H04B7/08 982
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517588
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 US2022023365
(87)【国際公開番号】W WO2023043489
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/246,221
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/711,562
(32)【優先日】2022-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】317005044
【氏名又は名称】キョウセラ インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】リン,ユー-ミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ポーウェイ
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA21
5J500AA41
5J500AA58
5J500AA59
5J500AA63
5J500AC02
5J500AC04
5J500AC15
5J500AC36
5J500AC88
5J500AC98
5J500AF10
5J500AH10
5J500AH25
5J500AK09
5J500AK12
5J500AK28
5J500AK34
5J500AS14
5J500AT01
5J500AT07
(57)【要約】
CMOS、CaAs、SiGe、その他のシリコンプロセスなどに実装される、RFICを用いた無線周波数(RF)回路(アンプ、混合器など)設計は、ウェハプロセスのばらつき、温度変化、及び供給電圧の変化、並びにランダムばらつきによる、性能のばらつき(利得位相、周波数、帯域幅、非直線性)の問題を抱えている。本発明では、システム内の全アクティブデバイスのバイアス電流を精密に較正し、各アンプに至る個々の経路の利得を精密に較正する方法が提案され、その結果、システム内の全アンテナ素子に対して同じPoutが達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェーズドアレイアンテナ内の無線周波数集積回路(RFIC)の自己較正の方法であって、
前記RFIC上の全てのアクティブ回路及びパワーアンプの電源をオフにするステップと、
較正中のRFICのアクティブ回路の電源をオンにし、前記アクティブ回路の消費電流を監視するステップと、
前記アクティブ回路のバイアス電流を測定し、較正中に前記バイアス電流を所定のレベルに調整するステップと、
前記RFICの各アクティブ回路、及び前記フェーズドアレイアンテナ内の全ての前記RFICに対して、前記バイアス電流の前記較正を繰り返すステップと、を含む方法。
【請求項2】
精密抵抗器R全体の電圧を測定するために、アナログ/デジタル変換器(ADC)を使用して、μCによって前記バイアス電流が測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記μCが、所望のバイアス電流に達するまで電流デジタル/アナログ変換器(DAC)を調整する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
μCの制御下で、前記RFIC内の各アクティブ回路をオン又はオフにすることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記バイアス電流測定中は、主電圧源がオフにされ補助電圧源がオンにされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
フェーズドアレイアンテナ内の無線周波数集積回路(RFIC)の自己較正の方法であって、
前記RFIC上の全てのアクティブ回路及びパワーアンプの電源をオフにし、且つパワーアンプ、及び較正中のRFICの前記パワーアンプに至る対応信号経路の電源をオンにするステップと、
所定の信号レベルを有する入力信号を入力し、較正中の前記パワーアンプの続流を測定するステップと、
前記パワーアンプの所望の続流に達するまで、アンプ利得、及び前記パワーアンプに至る前記対応信号経路の出力電力を調整するステップと、
前記所定の信号レベルを有する同じ入力信号を用いて、各パワーアンプ、及び前記RFICの前記対応信号経路に対して、且つ前記フェーズドアレイアンテナ内の全RFICに対して、前記出力電力の前記較正を繰り返すステップと、を含む方法。
【請求項7】
前記パワーアンプの前記続流を測定する前記ステップが、前記入力信号がオフになっている間は静止電流を測定し、その後、前記入力信号がオンになったときは前記バイアス電流を測定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記続流が、前記静止電流を減じた平均バイアス電流と等しい、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記続流が、高精度に対応する前記パワーアンプの所定のバックオフ動作点で測定される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記所望の続流が、前記所定のバックオフ動作点における前記出力電力レベルを反映している、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
複数の無線周波数集積回路(RFIC)を含むフェーズドアレイアンテナであって、各RFICは、
当初は電源をオフにされている複数のアクティブ回路及びパワーアンプであって、較正中のRFICのアクティブ回路は電源をオンにされる、複数のアクティブ回路及びパワーアンプと、
前記アクティブ回路の消費電流を監視するμCを含む測定回路であって、前記μCが、前記アクティブ回路のバイアス電流を測定し、較正中に前記バイアス電流を調整する、測定回路と、
前記RFICの各アクティブ回路に対して、前記バイアス電流の前記較正を繰り返す複数のレギュレータ及びスイッチと、を備えるフェーズドアレイアンテナ。
【請求項12】
前記μCが、精密抵抗器R全体の電圧を測定するために、アナログ/デジタル変換器(ADC)を使用して前記バイアス電流を測定する、請求項11に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項13】
前記μCが、所望のバイアス電流に達するまで、電流デジタル/アナログ変換器(DAC)を調整する、請求項12に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項14】
μCの制御下で、前記RFIC内の各アクティブ回路をオン又はオフにすることができる、請求項11に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項15】
前記バイアス電流測定中に、主電圧源がオフにされ、補助電圧源がオンにされる、請求項11に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項16】
各RFICが、
所定の信号レベルを有する入力信号を受信する入力ノードであって、較正中の前記RFICのパワーアンプの続流が測定される、入力ノードと、
前記パワーアンプに至る、選択した信号経路の出力電力を出力する出力ノードであって、前記出力電力は、前記選択した信号経路の利得を調整することによって所望の続流が達成されるまで調整され、前記出力電力の前記較正が、前記RFICの各パワーアンプに対して繰り返される、出力ノードと、をさらに備える、請求項11に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項17】
前記パワーアンプの前記続流を測定する前記ステップが、前記入力信号がオフになっている間は静止電流を測定し、その後、前記入力信号がオンになったときは前記バイアス電流を測定することを含む、請求項16に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項18】
前記続流が、前記静止電流を減じた平均バイアス電流と等しい、請求項17に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項19】
前記続流が、前記パワーアンプのバックオフ動作点で測定される、請求項16に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項20】
前記所望の続流が、前記バックオフ動作点における前記出力電力レベルを反映している、請求項19に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条の下で「Phase-Array Antenna Precision Self-Calibration」という名称の2021年9月20日に出願された米国仮特許出願第63/246,221号の優先権を主張し、その主題は参照することによって本願に組み込まれる。
【0002】
開示される実施形態は一般にフェーズドアレイアンテナに関し、より詳細には、フェーズドアレイアンテナ用の自己較正の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アンテナ理論において、フェーズドアンテナアレイは、通常は電波のビームを生成するアンテナのアレイを意味し、アンテナを動かすことなく様々な方向を指向するように電子的に操作することができる。ビームフォーミングは、無線信号を特定の方向へ送信するように、アンテナのアレイを操作できる技術である。各信号の位相及び振幅は、エネルギーを狭ビーム又はローブ内に集中させるような方法で、建設的且つ破壊的に加算される。高密度領域で動作する複数のアレイアンテナの場合は、各アレイアンテナが、特定のユーザ(方向)を指向するそれ自身のビームを有する。マルチビームアレイアンテナの場合は、各アンテナビームが特定の方向を指向する。携帯通信事業者が帯域幅不足をますます経験するようになったことが、次世代5Gブロードバンドセルラー通信ネットワーク用の、約24G~300GHzの未使用のミリ波(mmWave)周波数スペクトルを調査する動機になっている。ミリ波ネットワークにおける狭ビームを用いた指向性通信をサポートするために、5G基地局は、フェーズドアレイアンテナを用いてマルチビームをサポートしている。
【0004】
一般的なフェーズドアレイアンテナ構成では、複数の無線周波数集積回路(RFIC)、例えば、ビームフォーミングRFICが使用される。アンテナ素子用の各信号経路は、固定及び可変利得RFアンプ及び移相器を含む。精密フェーズドアレイ機能を動作させるために、アンプ利得及び各アンテナ素子に入っている移相器は正確に制御される必要がある。しかしながら、RFIC内のRFアンプは、1)補正されなければ通常は数dBのばらつきになるPVTばらつき(ウェハプロセス、供給電圧、及び温度におけるばらつき)、並びに2)トランジスタ又は受動素子のサイズばらつきによるランダムばらつきであって、この要件は通常はRFIC内で使用されるトランジスタ、キャパシタ、抵抗器の最小サイズを制限することによって満たされる、ランダムばらつきの影響を受ける。アンテナアレイ全体の振幅テーパリングの高精度要件(0.375dBなど)を満たすためには、アンテナアレイ全体のRFIC及びRFアンプを較正する必要がある。
【0005】
無線(OTA)設定でのフェーズドアレイアンテナシステムの較正は、以下の理由で高価且つ複雑であり、その理由とは、1)RF無響チャンバが必要になること、2)遠方界チャンバは較正速度を大幅に上げられるが、大型アレイが非常に大きいアンテナチャンバを必要とすること、3)(各アンテナ素子に対応する)各個別の信号経路の利得及び位相を決定するための精密測定を行うこと、4)非常に多くの状態を較正する必要があり、即ち較正時間が長くなり、システムのコストが増加すること、5)調整及び較正のために、十分な利得調整範囲及び利得分解能を使用可能にする必要があることである。製造の複雑さ及び製造後のアンテナ較正コストを削減するために、RFICは、異なる製造用の設計によって自己較正されるか、又は自動テスト機器によって、製造プロセス中に較正されることが望ましい。OTA/チャンバ設定を必要としない、自己較正システムを有することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CMOS、CaAs、SiGe、その他のシリコンプロセスなどに実装される、RFICを用いた無線周波数(RF)回路(アンプ、混合器など)設計は、ウェハプロセスのばらつき、温度変化、及び供給電圧の変化、並びにランダムばらつきによる、性能のばらつき(利得位相、周波数、帯域幅、非直線性)の問題を抱えている。フェーズドアレイアンテナでは、各RFIC及び各信号経路の同一に近い性能を維持することが重要である。フェーズアレイアンテナ無線テストは、高額なアンテナチャンバを必要とし、且つ長い時間がかかる(高価である)。本発明では、システム内の全アクティブデバイスのバイアス電流を精密に較正し、各アンプに至る個々の信号経路の利得を精密に較正する方法が提案され、その結果、システム内の全アンテナ素子に対して同じPoutが達成される。この種の較正は電流測定のみを含み、テスト機器もOTA(無線)テストも使用されないことに留意されたい。したがって、このような較正は現場又は工場で行うことができ、大量生産のためのチャンバでのテスト時間を大幅に削減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、較正回路は、フェーズドアレイアンテナのRFIC上の全アクティブ回路及びパワーアンプの電源をオフにする。較正回路は、較正中のRFICのアクティブ回路の電源をオンにし、アクティブ回路の消費電流を監視する。較正回路は、アクティブ回路のバイアス電流を測定し、較正中にバイアス電流を所定のレベルに調整する。較正回路は、RFICの各アクティブ回路に対して、及びフェーズドアレイアンテナ内の全RFICに対して、バイアス電流の較正を繰り返す。
【0008】
別の実施形態では、較正回路は、フェーズドアレイアンテナのRFIC上の全アクティブ回路及びパワーアンプの電源をオフにし、パワーアンプ、及び較正中のRFICのパワーアンプに至る、対応信号経路の電源をオンにする。較正回路は、所定の信号レベルを有する入力信号を提供し、較正中のパワーアンプの続流を測定する。較正回路は、パワーアンプの所望の続流に達するまで、パワーアンプに至る対応信号経路のアンプ利得及び出力電力を調整する。較正回路は、所定の信号レベルを有する同じ入力信号を用いて、RFICの各パワーアンプ及び対応信号経路に対して、且つフェーズドアレイアンテナ内の全RFICに対して、出力電力の較正を繰り返す。
【0009】
他の実施形態及び利点は、以下の発明を実施する形態で説明される。この要約は、本発明を定義するものではない。本発明は、請求の範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一態様による、自己較正機構を有する、基地局の一般的な送信フェーズドアレイアンテナ構成の簡略化されたブロック図である。
図2】RFアンプ回路に使用されるバイアス電流を生成する、RFICバイアス生成システムを示す。
図3】RFIC内の無線周波数アンプに使用される定gmバイアスをサポートする、バイアス生成器の簡略化された回路図である。
図4】フェーズドアレイアンテナにおけるバイアス電流較正に使用できる、電流測定回路の一実施形態を示す。
図5】他の一態様による、フェーズドアレイアンテナ内のバイアス電流を自己較正する手順のフローチャートである。
図6】他の一態様による、フェーズドアレイアンテナ用のバイアス電流自己較正システムの一実施形態を示す。
図7】様々なパワーアンプクラス、及びパワーアンプの適切なバックオフ動作点における続流を示す。
図8】他の一態様による、フェーズドアレイアンテナにおいて出力電力を自己較正する手順のフローチャートである。
図9】他の一態様による、フェーズドアレイアンテナ用の出力電力自己較正システムの一実施形態を示す。
図10】他の一態様による、フェーズドアレイアンテナのRFIC上の、アクティブ回路のバイアス電流を自己較正する方法のフローチャートである。
図11】他の一態様による、フェーズドアレイアンテナのRFIC上の、パワーアンプの出力電力を自己較正する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、本発明の一部の実施形態が詳細に参照され、添付の図面にその実施例が図示されている。
【0012】
図1は、一態様による、自己較正機構を有する、基地局101の一般的な送信フェーズドアレイアンテナ構成の簡略化されたブロック図である。ビームフォーミング・セルラー移動通信ネットワーク100は、基地局BS101と、UE102及びUE103を含む複数のユーザ機器とを含む。セルラー移動通信ネットワークは狭ビームを用いた指向性通信を使用し、マルチギガビットのデータレートをサポートすることができる。このようなセルラーネットワークの一例がミリ波(mmWave)ネットワークであり、ミリ波周波数スペクトルを利用している。このようなミリ波ネットワークでは、ビームフォーミングによって指向性通信が達成され、マルチビームパターンを形成するために、複数のアンテナ素子を有するフェーズドアンテナアレイ110に、複数組のビームフォーミングの重み(移相値)が適用され、これらはミリ波ネットワークにおける経路損失の高さを克服し、移動端末の移動性サポートを提供するのに必要とされる。図1の例では、BS101のフェーズドアンテナアレイ110は、UE102及びUE103を含む移動局にサービスを提供するために、一組の粗TX/RX制御ビーム(130)、及び一組の専用TX/RXデータビーム(140)で指向的に構成される。
【0013】
図1の例では、BS101は、コンバイナ/スプリッタネットワーク120に結合されたフェーズドアレイアンテナ110を備える。高密度領域で動作する複数のアレイアンテナの場合、特定のUE(方向)を指向するように、各アレイアンテナがそれ自身のビームを有する。一般的なフェーズドアレイアンテナ構成では、ビームフォーミングRFICなどの複数の無線周波数集積回路(RFIC)が使用される。各RFICは、アンテナ素子に至る複数の信号経路を含む。アンテナ素子用の各信号経路は、固定及び可変利得アンプと、移相器とを含む。精密フェーズドアレイ機能を動作させるために、アンプ利得及び各アンテナ素子に入っている移相器は正確に制御される必要がある。しかしながら、RFIC内のRFアンプは、1)補正されなければ通常は数dBのばらつきになるPVTばらつき(ウェハプロセス、供給電圧、及び温度におけるばらつき)、並びに2)トランジスタ又は受動素子のサイズばらつき、及び閾値ばらつきによるランダムばらつきであって、この要件は通常はRFIC内で使用されるトランジスタ、キャパシタ、抵抗器の最小サイズを制限することによって満たされる、ランダムばらつきの影響を受ける。所望のサイドローブ又は干渉抑制を達成するように、アンテナアレイ全体の振幅テーパリングの(0.375dBの半分未満などの)高精度要件を満たすために、アンテナアレイ全体のRFICでアクティブ回路を較正することが必要である。
【0014】
無線(OTA)設定におけるフェーズドアレイアンテナシステムの較正は以下の理由で高価且つ複雑であり、その理由とは、1)RF無響チャンバが必要になること、2)遠方界チャンバは較正速度を大幅に上げられるが、大型アレイが非常に大きいアンテナチャンバ又は実地テスト範囲を必要とすること、3)動作周波数(例えばミリ波)における、(各アンテナ素子に対応する)各個別の信号経路の利得及び位相を決定するための精密測定を行うこと、4)非常に多くの状態を較正する必要があり、即ち較正時間が長くなり、システムのコストが増加すること、5)調整及び較正のために、十分な利得調整範囲及び利得分解能を使用可能にする必要があることである。製造の複雑さ及び製造後のアンテナ較正コストを削減するために、RFICは異なる製造用の設計によって自己補正されるか、又はDC測定のみを必要とする簡単な自動テスト機器によって、製造プロセス中に較正されることが望ましい。OTA/チャンバ設定を必要としない、自己較正システムを有することが望まれている。
【0015】
他の一態様によれば、精密自己較正を伴うRFICを有するフェーズドアレイアンテナ用の手順(150)が提案されている。第1の新態様では、較正制御手順が、コントローラ及び流速計、スイッチ、並びにフェーズドアレイアンテナ内のバイアス電流用のバイアス調整回路からなる、較正回路に連結されることが提案される。システム内のアクティブ回路のバイアス電流は、電源投入後に自己較正される。初期段階では、全アクティブ回路がオフにされている。1つずつ、選択した個別のアクティブ回路がオンにされ、そのバイアス電流がシステム内の流速計で測定される。各アクティブ回路は、回路のバイアス電流を調整する電流調整回路(即ち電流DAC「デジタル/アナログ変換器」)を含む。選択したアクティブ回路のバイアス電流は、選択したアクティブデバイスの所定のレベルに対して、所望の精度に達するまで、コントローラで電流DAC設定を変更して調整することができる。較正は、システム内の全アクティブ回路のバイアス電流が較正されるまで繰り返される。第2の新態様では、フェーズドアレイアンテナシステム内の各信号経路の出力電力用の自己較正手順が提案される。システム内の全アンテナ素子に対応する全パワーアンプに対して同じ出力電力が達成されるように、各個別経路の利得が精密に較正される。
【0016】
図2は、RFアンプ回路で使用される一定のバイアス電流を生成する、RFICバイアス生成システム200を示す。RFICバイアス生成システム200は、定電圧を供給するバンドギャップ(BG)電圧源201を含み、これは、V-To-I回路202によって定電流(グローバル基準電流と呼ばれる)に変換される。グローバル基準電流は、その後、グローバル一対多ミラーリング回路203によって使用されて100μPPE及び100μPEなどの多くのミラーリング電流を生成し、これらは複数の基準電流1、2、~などを出力するために、複数の一対多ミラーリング回路204によって使用される。基準電流は、次に、ミラーリング又は複製バイアス回路205を介して、アンプ回路に使用されるバイアス電流を生成するために供給される。各個別の回路は、基準電流に比例する所望のバイアス電流を生成するために、特注設計されたミラーリング又は複製バイアス回路を有する。例えば、アクティブ回路1のバイアス電流1、アクティブ回路2のバイアス電流2、~などである。理想的には、バイアス電流はそれぞれ、望ましい一定のバイアス電流レベルを有している必要がある。
【0017】
トランジスタアンプの利得は、1)トランジスタサイズ、及び幅対長さ(W/L)比(製造ばらつきの影響を受ける)によって決定される。より大きいトランジスタサイズが使用されればサイズばらつきの割合が低減され、且つ2)トランジスタアンプを動作させるバイアス電流によって決定される。図2に示すように、アンプで精密バイアス電流を達成するために、RFICは一般にバイアス生成システム200を実装し、これは、1)バンドギャップ基準電圧源、2)基準電圧/基準電流変換、3)一対多基準電流ミラーリング、及び4)個別のアンプへの基準電流の送達からなる。各アンプにおいて、バイアス回路は、基準電流を所望の動作バイアス電流に調整するために、ミラーリング回路又は複製回路のいずれかを使用する。バイアス電流ミラーリング又は複製回路における誤差に主に寄与するものの1つはVth閾値電圧であり、これはトランジスタ間でランダムばらつきを有する場合がある。トランジスタサイズの製造ばらつきが許容可能であっても、Vth閾値電圧におけるばらつきは、バイアス電流における精度に影響する可能性がある。
【0018】
図3は、RFIC内の無線周波数アンプで使用される定gmバイアスをサポートする、バイアス生成器301の簡略化された回路図である。バイアス生成器301は、一対のトランジスタM1及びM2を備え、M1及びM2のゲートは、外部抵抗器REXTによって結合される。トランジスタM1はW/Lのサイズを有し、トランジスタM2はK*(W/L)のサイズを有する。図3に示すように、定Gバイアスは、REXT及びトランジスタサイズ比Kのみによって決定され、g=2/REXT*(1-1/√K)であり、ここでREXTは、ゼロ温度係数を有する精密抵抗器である。したがって、Gm及び基準電圧がPVTに依存しないので、これらのパラメータを使用して生成された定電流もまたPVTに依存せず、したがって大型RFIC用の主バイアス電流として使用することができる。図3では、Iref1及びIref2は、異なるRFアンプに使用される異なるバイアス電流ミラーである。
【0019】
Gmの精密な値を得るためには、トランジスタM1とトランジスタM2とのサイズ比Kが極めて重要であることに留意されたい。また、トランジスタM1は、Gmの良好なトラッキングを維持するために、RFアンプで使用されるトランジスタを複製しなければならない。したがって、同じ種類のトランジスタ及びサイズを使用することが極めて重要である。結果として、トランジスタM2は、同じ(W/L)のサイズを有する、Kが同一のトランジスタM1を複製することによって形成される。さらに、トランジスタの電流密度は、RFアンプの電流密度と同じでなければならない。したがって、トランジスタサイズが増加することでサイズ比Kの精度を高めることができる一方で、低電力消費でより小型のRFICを実現するために、大型化されたM1及びM2トランジスタを有することは望ましくない。
【0020】
上記で説明したように、定Gmバイアスは、ウェハ全体のアンプのトランスコンダクタンス利得を維持するためのものである。各RFICの精密且つ温度安定性のオフチップ抵抗器が基準として使用され、精密Gmを得るためにトランジスタサイズ比が使用される。しかしながら、精度はトランジスタ閾値電圧Vthにおけるばらつきに影響される。CMOS半導体プロセスでは、トランジスタの閾値電圧Vthは、同じウェハ内でも高レベルのばらつきを有する。M1のトランジスタ閾値電圧はVth,1であり、M2のトランジスタ閾値電圧はVth,2である。図2に示すように、これが、基準電流からミラーリング回路又は複製バイアス回路によって生成された、アンプのバイアス電流における誤差の主要な原因である。アンプバイアス電流における誤差は、アンプの性能に影響し、例えば、Gm~バイアス電流の平方根である。したがって、アンプの性能を高めるには、バイアス電流における誤差を正確に較正することが必要になる。
【0021】
一実施形態では、IC内のアクティブデバイス用のバイアス電流を生成するために、PTAT(絶対温度に比例する)電流源が使用される。これは温度に依存しない(又は温度依存の)バイアス電圧を生成するため、且つ測定システムの基準としてよく使用される、バンドギャップ内基準回路にも採用されている。バイアス電流を温度の関数として増加又は減少させることができ、温度に対してその性能を維持するために、トランジスタのGm(トランスコンダクタンス利得)におけるばらつきを補正する。
【0022】
図4は、フェーズドアレイアンテナ用の自己較正システムとして使用できる電流測定回路(流速計)400の一実施形態を示す。自己較正システムは、電源投入後のフェーズドアレイアンテナ内の、パワーアンプのバイアス電流を自己較正する。自己較正システムは、アナログ/デジタル変換器(ADC)を有するμCからなり、電流即ち精密抵抗器R全体の電圧降下を測定でき、それに加えて、μCが回路のオンオフ、及び各回路に対する、対応するバイアス調整の設定を制御する。自己較正システムは、各個別回路のバイアスをオン/オフにし、且つRFICに電圧を供給する主電力管理システムをオン/オフにするために、RFICでバイアス生成を制御する能力を有する。システム用の主電圧源がオフにされているときは、較正を行うための別の供給電圧が供給される。
【0023】
較正は一度に1つの回路で行われ、即ちADC(一般にμC内にある)による精密な電流(即ち精密抵抗器全体の電流の電圧降下)の測定を可能にするために、測定される電流は少ない。各回路は、μCの制御下のバイアス回路を調整するために、回路のミラーリング又は複製バイアス回路に補正電流を注入する電流DACを含む。較正を行うための別の供給電圧を使用する主な理由は、(較正が完了した後で)動作中に不要な電力を消費する可能性がある、主電源の経路内のこの精密抵抗器を回避するためである。RFICは、許容範囲で所定のレベルに達するまで、較正中にバイアス電流を調整することができる。
【0024】
図4の例では、電流測定回路400は、μCと、ADCと、iDACと、精密Rとを備える。μCは、精密抵抗器R全体の電圧Vを測定するために、ADCを使用して電流Iを測定し、例えば、I=V/Rである。精密抵抗器Rが通常動作中に電力を浪費するのを避けるために、システムの主電圧源はオフにされて、測定中は較正用の補助電圧源のスイッチがオンにされる。μCは、所望のバイアス電流が測定されるまで、電流デジタル/アナログ変換器(iDAC)を調整する。例えば、所望のバイアス電流を達成するまでiDACを調整するために、4~6ビットの制御信号を使用することができる。システム内の各アンプ又はアクティブ回路は、μC制御下でオン及びオフにできることに留意されたい。この測定は、全ての他の回路がオフにされている間に、システム内の各アクティブ回路に対して繰り返される。
【0025】
図5は、他の一態様による、フェーズドアレイアンテナ内のパワーアンプのバイアス電流を自己較正する手順のフローチャートである。ステップ501は初期化段階であり、自己較正システムによって、1)全アンプ回路をオフにする、2)全RFICにDC供給電圧を供給している全レギュレータをオフにする、という動作が行われ、ステップ502において、1つずつ、自己較正システムが個々のパワーアンプをオンにしてバイアス電流を測定し、1)自己較正、グローバルバイアス生成器、及び選択した回路に関連するバイアス生成器用の電圧源をオンにし、電流を測定し、2)選択したアクティブ回路をオンにし、3)選択した回路の消費電流の増加を監視し、4)自己較正システムが(iDACの設定を変更することによって)、所望の精度に達するまで各アクティブデバイスのバイアス電流を調整する。
【0026】
図6は、他の一態様による、フェーズドアレイアンテナ用のバイアス電流自己較正システム600の一実施形態を示す。自己較正システム600は、電流測定回路400と類似しているが、動作用の3つの異なる供給電圧を有し、4つの電源ドメインに分割された較正回路(テスト中のシステム)用の、追加のレギュレータ及びスイッチが実装されている。例えば、レギュレータ及びスイッチで制御することによって、1ボルト、1.7ボルト、及び3.3ボルトの異なる供給電圧を個別に較正でき、例えば、レギュレータ及びスイッチで制御することによって、電力消費を削減するために4つの電源ドメインも個別に較正でき、電源ドメインごとに較正が繰り返される。これにより、低コストの民生品の電源を使用することが可能になる。較正中は、テストされる1つの回路以外の全回路がオフにされる。各回路に対して、ADCによって測定される所望の電圧降下が達成されるまで、電流ミラー内のDACバイアスを調整する。
【0027】
自己較正はフォアグラウンドで行われ、つまりフェーズドアレイアンテナシステムは通常の動作状態になっていないことに留意されたい。自己較正は、初期電源投入時、或いはシステムアイドル中又はメンテナンス時に行うことができる。自己較正は、アンプ用の精密バイアス電流を実現し、これは、同様に精密アンプ利得が実現できることを意味する。自己較正システムは、OTAチャンバ設定の使用を必要としないので、コストが削減される。
【0028】
3GPP(登録商標)又はIEEE無線システムでは、64QAM、256QAM、又は1024QAMを有するOFDMなどの高次変調方式が使用される。この種の変調は、高EVM(誤差ベクトル振幅)を避けるために、直線領域で動作するパワーアンプを必要とする。フェーズドアレイアンテナでは、精密アンテナパターンを生成する目的で、且つパワーアンプの非直線性を回避(適切なバックオフでのPAの駆動)するために、各アンテナ素子に入っているICからの出力電力を監視することが望ましい。入力信号は、パワーアンプに到達する前にアクティブデバイスの多くの段階を通過できるため、デバイスの各段階が、アンプ利得の何らかの誤差に寄与する。したがって、信号レベルを適切なパワーアンプ動作点に維持するために、出力電力を測定し、利得を調整することが望ましい。
【0029】
図7は、様々なパワーアンプクラス、及びパワーアンプの適切なバックオフ動作点における続流を示す。パワーアンプの平均電力消費は(クラスAアンプでない場合は)、その動作レベル(信号レベル)に依存することに留意されたい。入力信号がないときは、パワーアンプは静止電流を有することになる。入力信号が増加すると、PAのバイアス電流も増加する。続流は、静止電流を減じた、平均動作バイアス電流である。図7に示すように、小さい信号は通電を誘発せず、より強い信号は高い通電デューティサイクルを生成する。
【0030】
提案した発明は、PAの適切なバックオフ動作点での、PAの続流の測定に基づいて、電力検出器を実装することに関する。CMOSクラスA-B PAの好ましい実施形態では、出力電力P1dBから約6~7dBバックオフすると、続流は、半導体プロセスコーナー及び温度にかかわらず、出力電力レベルを正確に反映していることが分かる。
【0031】
図8は、他の一態様による、フェーズドアレイアンテナにおいて出力電力を自己較正する手順のフローチャートである。出力電力測定では、続流を測定するために、先に示したような同じバイアス電流測定システムが適用される。ステップ801において、較正中の選択した信号経路内のアクティブ回路以外の全アクティブ回路をオフにする。ステップ802において、既知の信号レベルの信号を入力し、PAの続流を測定する。入力信号は通常はCW(連続波)であり、入力信号レベルは、最も正確な続流(即ちプロセスや供給電圧の変化による動的変動が最も少ない)に対応する所定の出力電力レベルで選択されることに留意されたい。まず、入力がオフになっている間に静止電流を測定し、次に、続流(即ち入力信号を伴う動作バイアス電流から静止電流を減じたもの)を導くために、入力信号がオンになっているときにバイアス電流を測定する。ステップ803において、PAの所望の続流が達成されるまで、そのパワーアンプに至る、選択した信号経路のアンプ利得を調整する。各経路内の可変利得アンプを調整して、誤差ΔGを補正する。ステップ804において、全PAが同じ続流(Pout)に達するまで、システム内の全信号経路内の全パワーアンプに対して同じ手順を繰り返す。
【0032】
図9は、他の一態様による、フェーズドアレイアンテナ用の出力電力自己較正システム900の一実施形態を示す。出力電力自己較正システム900は、図6に示すバイアス電流自己較正システム600と類似しており、動作用の3つの異なる供給電圧を有し、4つの電源ドメインに分割された回路(テスト中のシステム)を較正するための追加のレギュレータ及びスイッチが実装されている。例えばレギュレータ及びスイッチで制御することによって、1ボルト、1.7ボルト、及び3.3ボルトの異なる供給電圧を個別に較正でき、例えばレギュレータ及びスイッチで制御することによって、電力消費を削減するために、4つの電源ドメインも個別に較正することができる。較正中は、テストされる1つの回路以外の全回路がオフにされる。各回路に対して、1)出力電力Poutを測定し、2)利得G=Pout/Pinを測定し、3)パワーアンプの所望の続流が達成されるまで、選択した経路のパワーアンプの可変利得を調整して誤差ΔGを補正する。
【0033】
1.7v PA続流を監視することによって、信号チェーン全体の較正を行うことができる。中心周波数では利得/電力はより平坦になるため、プロセス及び温度に対する利得/電力感度を最小化するには、全ての段階が正しい中心周波数に同調される必要がある。周波集同調手順は、誤差を0.375dBの1/2LSB未満に制限するのに十分な精度でなければならない。較正は、全段階の中心周波数を所望の周波数までまず微調整し、次に、所望の1.7v PA続流に到達するように利得を調整することによって実施することができる。結論として、6dbmを上回れば、プロセスコーナー全体で誤差が0.375dBmの1/2LSB未満になる。温度(30C~80C)に対する誤差は1.5LSBより大きく、温度による中心周波数偏移に由来する。中心周波数で動作すれば、誤差はより小さくなる場合がある。対応する中心周波数での温度についての再シミュレーションにより、中心周波数でのみ動作させることによって、温度の感度を許容可能なレベルまで低減できることが実証されている。較正手順は異なる信号周波数で行うことができ、較正した設定はμC内に記憶でき、どの信号周波数が選択されたかに応じてロードすることができる。
【0034】
図10は、他の一態様による、フェーズドアレイアンテナのRFIC上の、アクティブ回路のバイアス電流を自己較正する方法のフローチャートである。ステップ1001において、較正回路が、RFICの全アクティブ回路及びパワーアンプの電源をオフにする。ステップ1002において、較正回路は、較正中のRFICのアクティブ回路の電源をオンにし、アクティブ回路の消費電流を監視する。ステップ1003において、較正回路は、アクティブ回路のバイアス電流を測定し、較正中にバイアス電流を所定のレベルに調整する。ステップ1004において、較正回路は、RFICの各アクティブ回路に対して、及びフェーズドアレイアンテナ内の全RFICに対して、バイアス電流の較正を繰り返す。
【0035】
図11は、他の一態様による、フェーズドアレイアンテナのRFIC上の、パワーアンプの出力電力を自己較正する方法のフローチャートである。ステップ1101において、較正回路は、RFIC上の全アクティブ回路及びパワーアンプの電源をオフにし、パワーアンプ、及び較正中のRFICの、パワーアンプに至る対応信号経路の電源をオンにする。ステップ1102において、較正回路は、所定の信号レベルを有する入力信号を提供し、較正中のパワーアンプの続流を測定する。ステップ1103において、較正回路は、パワーアンプの所望の続流に達するまで、パワーアンプに至る対応信号経路のアンプ利得及び出力電力を調整する。ステップ1104において、較正回路は、所定の信号レベルを有する同じ入力信号を用いて、RFICの各パワーアンプ及び対応信号経路に対して、且つフェーズドアレイアンテナ内の全RFICに対して、出力電力の較正を繰り返す。
【0036】
本発明について、説明する目的でいくつかの特定の実施形態との関連で説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。したがって、請求の範囲に記載されている通りの本発明の範囲から逸脱することなく、説明した実施形態の様々な特徴の様々な変更、適合、及び組合せが実施されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】