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特表2024-536842リモートライブシーン制御システム、方法、及び技術
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】リモートライブシーン制御システム、方法、及び技術
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20241001BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20241001BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20241001BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20241001BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20241001BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20241001BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/16
H05B47/165
H05B47/115
H05B47/11
H05B47/155
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518604
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022044603
(87)【国際公開番号】W WO2023049397
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/248,991
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】524110861
【氏名又は名称】リアクタンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シアパラ-ハズラリグ,タイラー
(72)【発明者】
【氏名】シアパラ,バーバラ
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273QA07
3K273QA14
3K273QA15
3K273QA37
3K273RA03
3K273RA06
3K273RA08
3K273RA12
3K273RA16
3K273SA02
3K273SA20
3K273SA22
3K273SA24
3K273SA37
3K273SA46
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA46
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA66
3K273UA22
(57)【要約】
標準的な電気コンセントに挿し込まれたデバイスを使用して無線で特殊効果を提供するための装置、方法、システム、及び技術が提供される。例示的な実施形態は、個々にアドレス指定可能なLED、LEDストリップ、フォグ及びスモークマシン、並びに同様のものなどの特殊効果(SE)デバイスを使用する特殊効果のリモート及びライブ制御(以下、「リモート特殊効果システム」又は「RSES」)のための装置及び関連するソフトウェアアプリケーションを提供する。本明細書に記載の例示的なRSESは、各々が標準的な電気コンセントに挿し込まれ、各々が1つ以上のSEデバイスに接続されている1つ以上のSEコントローラデバイスを含む。各SEコントローラはインターネット(又は他のワイドエリアネットワーク)に無線で接続され、そのため、接続されたSEデバイスに固有の対応するコマンドを発行することによって、リモートアプリケーションによって送信されたDMX(又は他のプロトコル)コマンドに応答して、SEコントローラのアドホックに作成されたゾーンに同期した特殊効果を生じさせることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特殊効果のリモート制御のためのシステムであって、
各々が特殊効果デバイスに通信可能に接続された複数の特殊効果コントローラであって、前記特殊効果コントローラの各々が、
それぞれの前記特殊効果コントローラに関連付けられたネットワークアドレスを使用して、ネットワーク上を無線で通信することと、
特殊効果プロトコルに従って、命令を有する1つ以上のデータパケットを受信し、特殊効果を発生させるために、各パケットを接続された前記特殊効果デバイスと互換性のある対応する信号に変換することと、を行うように構成されている、複数の特殊効果コントローラと、
特殊効果対応アプリケーションコードロジックであって、コンピュータプロセッサ上で実行し、実行されるときに、
アドホック特殊効果同期ゾーンを作成するために、複数の前記ネットワークアドレス上の前記複数の特殊効果コントローラのうちの2つ以上を発見及び登録することと、
特殊効果のタイプ及びタイミングの指示を受信することと、
データパケットのストリームを、示された前記特殊効果のタイプ及びタイミングに従って、発見及び登録された前記複数の特殊効果コントローラのうちの1つ以上に無線で配信させることと、を行うように構成されている、特殊効果対応アプリケーションコードロジックと、を備え、同期した特殊効果が、発見及び登録された前記複数の特殊効果コントローラのうちの対応する1つ以上と通信可能に接続されている前記特殊効果デバイスの各々の上で実行される、システム。
【請求項2】
前記複数の特殊効果コントローラのうちの少なくとも1つが、第1のネットワークアドレスに位置し、前記複数の特殊効果コントローラのうちの少なくとも他の1つが、第2のネットワークアドレスに位置し、前記第1及び第2のネットワークアドレスが、互いに異なる位置にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記発見及び登録された複数の特殊効果コントローラのうちの1つ以上に無線で配信される前記データパケットのストリームが、音声データの分析に応答する、並びに/又は前記発見及び登録された複数の特殊効果コントローラのうちの1つ以上に無線で配信される前記データパケットのストリームが、同じ音声データの分析を実行する際に、前記分析が実行されるたびに異なることが可能である、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記特殊効果対応アプリケーションコードロジックが、実行されるときに、特殊効果タイプが適切である条件を示すデータをセンサから受信することによって、前記特殊効果タイプの指示を受信するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記センサが近接を検出する、並びに/又は前記センサが光波、温度、呼吸、心拍数、及び/若しくは脈拍のうちの少なくとも1つを検出する、並びに/又は前記特殊効果対応コードロジックが、第1の特殊効果を、前記特殊効果コントローラの前記対応する1つ以上の第1のサブセットに実行させ、かつ第2の異なる特殊効果を、前記特殊効果コントローラのうちの前記対応する1つ以上の第2のサブセットに実行させることによって、同期した特殊効果を引き起こす、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の特殊効果コントローラの各々が、
プリント回路基板(PCB)であって、
無線ネットワークマイクロコントローラと、
前記装置に関連付けられたネットワークアドレスを設定するように設定可能なPCBヘッダと、
前記PCBに電力を提供するように構成された端子コネクタと、
特殊効果デバイスの1つ以上のケーブルに通信可能に接続されるように構成されたデータコネクタと、
ファームウェアを含むマイクロプロセッサと、を備える、プリント回路基板(PCB)と、
前記プリント回路基板を収容して、前記PCBが、標準的な電気コンセントに挿し込んで電力を受け取り、前記特殊効果デバイスと通信可能に接続することを可能にするように構成された筐体と、を備え、
前記ファームウェアが、無線ネットワークコントローラを使用して、データパケットのストリームを無線で受信するように構成されており、前記ストリーム内の各パケットが、特殊効果デバイスプロトコルに従って構造化されたデータを含み、各パケットに対して、前記パケットに含まれる特殊効果デバイスプロトコルの命令に応答して、前記ファームウェアが1つ以上の対応する電気信号、機械信号及び/又は光学信号を生成し、それらを通信可能に接続された前記特殊効果デバイスに送信して、前記特殊効果デバイスに特殊効果を作り出させる、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記特殊効果プロトコルが、DMXプロトコルである、並びに/又は前記特殊効果デバイスが、LEDデバイスである、並びに/又は前記示された特殊効果タイプ及びタイミングが、音声ストリーム若しくは音声データの一部に関連付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記音声ストリーム又は音声データが、ライブで配信されている、並びに/又は前記音声ストリーム又は音声データが、事前記録若しくは事前定義されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記特殊効果デバイスが、LEDストリップであり、前記特殊効果が、色変化である、並びに/あるいは前記特殊効果デバイスが、Neopixel LEDデバイスであり、前記対応する信号が、対応するドライバ仕様に従ってフォーマット化される、並びに/あるいは前記特殊効果が、色の変化、色のグラデーション、タイミングを合わせた色の進行、又は単一色若しくは異なる色の拍動を引き起こす、並びに/あるいは前記特殊効果デバイスが、フォグマシン又はスモークマシンである、並びに/あるいは前記特殊効果デバイスが光波デバイス、磁気デバイス、及び/又は電子制御デバイスである、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の特殊効果コントローラのうちの少なくとも1つが、センサによって感知された値を受信することに応答して、特殊効果を発生させる、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記データパケットのストリームが、Art-Netプロトコルに従って編成される、先行請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
特殊効果を制御するための方法であって、
各々が特殊効果デバイスに通信可能に接続された複数の特殊効果コントローラの制御下で、特殊効果プロトコルに従って、命令を有する1つ以上のデータパケットを受信するために、無線で通信することと、特殊効果を発生させることを容易にするために、各パケットを接続された前記特殊効果デバイスと互換性のある対応する信号に変換することと、
特殊効果対応アプリケーションコードロジックの制御下で、
アドホック特殊効果同期ゾーンを作成するために、複数のネットワークアドレスにおいて、前記複数の特殊効果コントローラのうちの2つ以上を発見及び登録することと、
特殊効果のタイプ及びタイミングの指示を受信することと、
データパケットのストリームを、示された前記特殊効果のタイプ及びタイミングに従って、発見及び登録された前記複数の特殊効果コントローラのうちの1つ以上に無線で配信させることと、を含み、同期した特殊効果が、発見及び登録された前記複数の特殊効果コントローラのうちの対応する1つ以上と通信可能に接続されている前記特殊効果デバイスの各々の上で、実行されるようにする、方法。
【請求項13】
コンピュータ命令を有するコンピュータ可読メモリ媒体であって、前記コンピュータ命令が、特殊効果コントローラ内のコンピュータプロセッサによって実行されるときに、
特殊効果プロトコルに従って、命令を有する1つ以上のデータパケットを受信するために、特殊効果対応アプリケーションコードロジックと無線で通信することと、
特殊効果を発生させることを容易にするために、各パケットを、接続された前記特殊効果デバイスと互換性のある対応する信号に変換することと、を含む方法を実行するように構成されており、
前記媒体が、請求項6に従って定義された特殊効果コントローラによって実行される、コンピュータ可読メモリ媒体。
【請求項14】
前記特殊効果プロトコルが、DMXプロトコルである、並びに/又は前記1つ以上のデータパケットが、Art-Netプロトコルに従って編成されている、並びに/又は接続された前記特殊効果デバイスが、LEDデバイスである、並びに/又は前記特殊効果が、音声ストリーム若しくは音声データの一部に関連付けられている、請求項13に記載のコンピュータ可読メモリ媒体。
【請求項15】
前記特殊効果デバイスがLEDストリップであり、前記特殊効果が色変化である、かつ/又は前記特殊効果デバイスがNeopixel LEDデバイスであり、前記対応する信号が対応するドライバ仕様に従ってフォーマット化される、かつ/又は前記特殊効果が色の変化、色のグラデーション、タイミングを合わせた色の進行、又は単一色若しくは異なる色の拍動を引き起こす、かつ/又は前記特殊効果デバイスがフォグマシン又はスモークマシンである、かつ/又は前記特殊効果デバイスが光波デバイス、磁気デバイス、及び/若しくは電子制御デバイスである、請求項13又は14に記載のコンピュータ可読メモリ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年9月27日に出願された「REMOTE LIVE SCENE CONTROL SYSTEM,METHODS,AND TECHNIQUES」と題された米国仮特許出願第63/248,991号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、特殊効果技術の方法、技術、及びシステムに関し、特に、無線通信及び壁の電気コンセントにプラグを挿し込むコントローラデバイスを使用した、照明、並びに光波、電気、及び磁気デバイス出力、触覚フィードバック、音声、並びに同様のものなどの他の特殊効果の、制御の位置に依存しない方法、技術及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
劇場、音楽、及び他の会場における照明効果などの特殊効果を作成するための電子制御システムは無数に存在する。これらのシステムは、全てのタイプの劇場照明、フォグマシン、及び他の特殊効果システムを制御するために周知のプロトコルを組み合わせる。長年にわたって、そのような特殊効果システムは有線で配線されていて、人がライトを制御して効果(例えば、フラッシュ、カラーライト、グラデーション、雷など)を作り出すか、又は他の要因のタイミングに基づいてそれらを自動的に制御するようにプログラムされることを可能にするコンピューティングシステムによって制御されてきた。DMXプロトコルは、当初、劇場照明のために開発されたが、DMXフレンドリーなデバイスと通信して、照明を特定の色及び点滅に変えるか、フォグマシンを作動させるか、又は同様のことなど、特定の方法でデバイスを動作させるための標準となっている。DMXプロトコルは、「MIDI」が音声制御に対するものであるように、照明及び他のDMX特殊効果デバイスに対するものである。今日使用されている最も一般的な照明制御プロトコルには、Art-Net、sACN/E1.31、及びDMX512が含まれる。今日、ほとんどの照明又は他のステージ効果機器は、可動ライト、LED画面、フォグ及びかすみマシン、並びにレーザーディスプレイを含めて、これらのプロトコルを使用して制御することができる。通常、DMXによって制御される機器は、DMXケーブルを使用して(別々にアドレス指定可能な512個のチャネルの)ユニバースに一緒に接続される。いくつかのシナリオでは、DMXコンソールは、例えば、パーソナルコンピュータ上で動作し、USBを介して制御デバイス(DMX USBインターフェースなど)に接続し、次いで、そのユニバース内の照明(又は他の)デバイスを制御するDMXケーブルを介して通信するソフトウェアに置き換えられてきている。例示的なDMXソフトウェアコンソールには、ArtNetominator(「https://www.lightjams.com/artnetominator」でアクセス可能)、DMXking(「https://dmxking.com/control-software」でアクセス可能)、Smart Show(「http://smartshow.lighting/free-dmx-software/」でアクセス可能)、及びDMX-Workshop(「https://art-net.org.uk/resources/dmx-workshop/」でアクセス可能)が含まれる。
【0004】
現在、有線イーサネット上でそのようなデバイスに通信するためのDMXオーバーイーサネットプロトコルがいくつか存在する。そのようなプロトコルの例としては、Art-Net、PathPort、ShowNet、sACN、及びETC Net2が挙げられる。これらのプロトコルは、基本的に、会場内のLEDなどの照明器具に宛てるために、DMXパケットをIPアドレスでラップする。Art-Netは、一般にイーサネットなどのローカルエリアネットワーク上で動作するUDPベースのプロトコルである。これには、個々のライトのフェーダレベル、可動ライトの位置、DMXユニバース内のノードを管理するための管理機能などの機能が含まれる。上記のようなDMXシステムは、高価であることが多い。同様に、そのような会場では、典型的に、有線イーサネット接続に伴うことが多い信頼性が必要とされることが多いため、それらは一般に、DMXコントローラ(DMXコンソール、又はDMXソフトウェアコンソールを実行するコンピュータに接続するDMX制御デバイス)に接続するために有線で接続された照明器具を使用する。
【0005】
本特許又は出願書類には、カラーで作成された少なくとも1つの図面が含まれている。カラー図面を含む本特許又は特許出願公開の複製は、請求及び必要な手数料の支払いに応じて特許局によって提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】複数の特殊効果コントローラデバイスを使用して特殊効果デバイスをリモート制御する例示的なリモート特殊効果システムである。
図2】例示的なリモート特殊効果システムが、例示の構成に従ってどのように動作するかを示す概要フロー図である。
図3】例示的なリモート特殊効果システムによる典型的なSE対応アプリケーションのフロー図である。
図4A】例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる例示的な特殊効果である。
図4B】例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる例示的な特殊効果である。
図4C】例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる例示的な特殊効果である。
図4D】例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる例示的な特殊効果である。
図4E】例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる例示的な特殊効果である。
図5A】例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる追加の例示的な特殊効果である
図5B】例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる追加の例示的な特殊効果である
図5C】例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる追加の例示的な特殊効果である
図6A】説明される実施例による、Emanatorデバイスを実装するプリント回路基板の3つの異なる写真を提供する。
図6B】説明される実施例による、Emanatorデバイスを実装するプリント回路基板の3つの異なる写真を提供する。
図6C】説明される実施例による、Emanatorデバイスを実装するプリント回路基板の3つの異なる写真を提供する。
図7A】Emanatorデバイスのコンポーネントレイアウト情報を提供する。
図7B】Emanatorデバイスのコンポーネントレイアウト情報を提供する。
図7C】Emanatorデバイスのコンポーネントレイアウト情報を提供する。
図8】特殊効果コントローラを実装するための例示的なプリント回路基板の配線概略図である。
図9】リモート特殊効果システムのコンポーネントの実施形態を実践するために使用され得る例示的なコンピューティングシステムの例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に説明される実施形態は、個々にアドレス指定可能なLED、LEDストリップ、フォグ及びスモークマシン、並びに同様のものなどの特殊効果デバイスを使用した、特殊効果のリモート制御(以下、「リモート特殊効果システム」又は「RSES」(Remote Special Effects System))のための装置並びに関連するソフトウェアアプリケーション、方法、及び技術を提供する。本説明は、実施例としてLED及び他の照明デバイスに言及するが、特殊効果デバイスのうちの1つが直接的又は間接的に個別にネットワークアドレス指定可能であり、装置がIoTデバイスによって理解されるプロトコルを話すようにプログラムされている限り、任意のIoT(例えば、ネットワークアドレス指定可能)デバイスなどの他のタイプのデバイスも同様に制御することができることを理解されたい。例えば、光波(例えば、治療用)デバイス、ウェアラブルデバイス出力(例えば、触覚フィードバック、LED、音声)及び同様のものなどのデバイスは、それらがどのタイプのネットワーク上にあるか(例えば、無線従来型又はメッシュ又は有線)に関係なく、本明細書で説明される技術を使用するリモート特殊効果システムを介して制御することもできる。
【0008】
本明細書に説明される例示的なリモート特殊効果システムは、1つ以上の特殊効果コントローラデバイス(SEコントローラ)を含み、各々のコントローラデバイスは、標準(住宅又は企業用)電気コンセントにプラグを挿し込み、LEDストリップ、フォグマシン、ホーン、波長出力デバイス、及び同様のものなど、1つ以上の特殊効果デバイス(SEデバイス)に接続される。各SEコントローラは、インターネット(又は他のローカルエリア、ワイドエリア、又は他のネットワーク)などのネットワークに直接的又は間接的に(例えば、別のSEコントローラを介して)無線で接続され、SEコントローラにリモートで接続されたアプリケーションから送信されたDMX(又は他のプロトコル)コマンドに応答して、接続されたSEデバイスに固有の対応するコマンドを発行して、特殊効果を発生させることができる。したがって、AVデザイナーがDMXコマンドを発するために使用する既存のAVツールは、簡単にRSESに統合し、一般市民が使用する(家庭、又は企業、又は任意の使用)特殊効果を制御することができ、これらの特殊効果を生成するためにSEコントローラの専門知識は必要とされない。例えば、特殊効果デバイスが、Adafruit Industriesによって製造されたNeopixel LEDのLEDストリップ(一本のワイヤを使用してRGB又はRGBW LEDを制御する)である場合、SEコントローラは、DMXコマンドを含むパケットを受信し(例えば、既存のAVツール又は新しいアプリケーションからであるかに関わらず、Art-netプロトコルパケットを使用して)、次いで、対応するドライバ命令(例えば、WS28xx、WS2812、又は他のドライバ命令)を自動的に発行して、Neopixel LEDのうちの1つ以上をアドレス指定することができる。
【0009】
例示的な実施形態では、SEコントローラは、ACアダプタと同様のサイズの利用可能な筐体に収容することができるプリント回路基板(「PCB」)である。これらのSEコントローラは、電源として標準的な電気コンセントを利用することができる小型デバイスであるため、安価に製造することができ、劇場品質の照明及び他の特殊効果を家庭及び大衆向けに製造することができる。その上、インターネットなどのネットワークに無線で接続されているため、ほとんどのIoTデバイスと同様に、アプリケーションによってリモートで制御することができる(IoTデバイスとして動作し、制御することができる)。加えて、無線で接続されているため、特殊効果デバイスは、従来型の(集中型)ネットワーク及び分散型(メッシュ型)ネットワークなどの異なるタイプの無線ネットワークによって制御される場所を含む、イーサネットがない場所に配置することができる。同様に、制御される特殊効果デバイスは、劇場又は他の専門的な設定で一般的に見られるような、半永久的な(一定時間固定された)構成で、DMX対応である必要、又は扱いにくいイーサネットケーブルで接続される必要はない。
【0010】
他の例示的な実施形態では、PCB(SEコントローラ)は、筐体内に、筐体に隣接して、又は筐体に近接して含まれるバッテリによって電力が供給され得る。これにより、いくつかの例示的なSEコントローラを、例えばPCBコントローラによって管理される特殊効果デバイスを制御するリモートアプリケーションと無線で通信するデバイスに組み込むことができる(壁のコンセントに「プラグを挿す」のではなく)。SEデバイスは、PCBコントローラを収容する同じデバイス上に存在し得る。
【0011】
有線又はBluetoothのソリューションではなく無線ソリューションを使用することによって、例えばイーサネットケーブル又はBluetoothの距離要件によってサポートされる、一定の範囲内でデバイスを一緒に制御する必要がなくなる。むしろ、いくつかのシナリオでは、SEコントローラは、「アドホック」(その時点で、又は利用可能であれば)方式で一緒に参加し、(別のプログラムによって)同期することができ、離散的でばらばらな(接続していない)物理的な位置で、同じ物理的位置で、仮想的な位置で、及び/又は1つ以上のデバイスにわたって、共同で特殊効果を作り出すことができる。例えば、各生徒が少なくとも1つのSEコントローラを特殊効果デバイス(ライトストリップ又は音声生成デバイスなど)に接続している仮想教室では、同期した特殊効果は、例えば生徒が目を覚まして注意を払っていることを確実にするために、参加しているSEコントローラと通信するようにプログラムされたソフトウェアを介して、教師によって始動され得る。別の実施例として、スライドを有する仮想プレゼンテーション(例えば、ビデオ会議を介して配信される)をプログラムして(事前にプログラムされた又はオンザフライで制御する)、各視聴者が参加している各物理的又は仮想的な場所(例えば、部屋、オフィス、自宅など)で個人に合わせた又は同期したアニメーションとして特殊効果を発生させることができる。特殊効果は、個々の視聴者をターゲットにすることさえできる。又は、群衆の状況において、意図されたグループごとにターゲットとなる参加者にユニークな特殊効果を生成することによって、参加者をグループ化させるような使い方もできる。加えて、いくつかのシナリオでは、参加者が特殊効果を共同で制御することもできる。
【0012】
他の実施例では、センサ入力(気象台など)をアプリケーションから取得し、特定の条件の検出に応答して特殊効果を生成することができる。例えば、心拍数、汗、血流、及び同様のものなどの属性を測定する人体に接続されたセンサは、SEコントローラプラグインを使用して、異なる特殊効果(出力)デバイスに接続されたSEコントローラと通信するアプリケーションに接続され得る。他の種類のセンサ入力、例えば、波長デバイス、磁気、電気、光学、及び他のデバイスからの入力は、同様に収容することができる。したがって、いくつかのシナリオでは、SEデバイスは、人間が直接操作することなしに、むしろ誰か又は環境の特性をいくつか測定するセンサからの状態を感知することで、制御及び動作することができる。
【0013】
更に他のシナリオでは、異なる特殊効果デバイスは、教育又はプレゼンテーションにおいて有用であり得るように、同期及び連動し得る。例えば、音声特殊効果デバイスは、これらのデバイスに取り付けられたSEコントローラを制御するアプリケーションによって所望されるように、照明又は触覚フィードバック特殊効果デバイスに同期され得る。別の例では、近接センサは、SEコントローラ対応アプリケーションへの入力を引き起こすデバイス又は人又は場所に配置され得る。2人/2台のデバイスが互いに近接している(又はいくつかの場所に近接している)ことを感知すると、アプリケーションは、コマンドを1つ以上のSEコントローラに送信し、SEコントローラは、次いで、1つ以上の(出力)SEデバイスを制御して、同期又は連動した特殊効果を生成する。
【0014】
したがって、そのようなSEコントローラ及び関連ソフトウェアの、仕事関連、自宅関連、及び/又はエンターテイメント関連の用途が多くあり得る。
【0015】
既存のシステムに対するこれらの利点に加えて、SEコントローラは、直接的又は間接的に(例えば、別のSEコントローラを介して)インターネット(又は他のローカル若しくはワイドエリアネットワーク)に無線で接続され、無線ネットワーク上で(例えば、Art-Net又は他のプロトコルを使用して)あらゆるタイプのライブDMXパケットストリームを受け入れるため、他の利点が提示される。例えば、アニメーションは、事前にプログラムされた照明ディスプレイに限定されず、イベントが実行されるたびに新しい異なる体験を提供することができる。加えて、入力ソースがインターネットにアクセス可能である限り、アニメーション、音楽、又はサウンドは世界中のどこからでもライブで調達することができる。更に、SEコントローラは、約280万の色の組み合わせのどれでも実行可能で、SEコントローラに通信可能に接続されたインテリジェントな照明装置によってのみ制限される。
【0016】
各SEコントローラは、インターネット(又は他のワイドエリアネットワーク又はローカルネットワーク)に無線で接続されているため、SEコントローラにリモートで接続されたアプリケーションによって送信されたDMX(又は他のプロトコル)コマンドに応答して、接続されたSEデバイスに固有の対応するコマンドを発行して、特殊効果を発生させることができる。無線接続は、従来の(集中型)無線ネットワーク又は分散型(例えば、メッシュ)無線ネットワークであり得る。加えて、RSESの例示的な実施形態は、DMXプロトコルを使用するSEデバイスを(Art-netパッケージにラッピングして転送することによって)制御するために提示されているが、それらのシステムアーキテクチャ及びアイデアが、DMXプロトコル以外によって制御される他のタイプのデバイスに制御を拡張するために使用され得ることを理解されたい。同様に、Art-net以外の他のパケットラッパープロトコルをRSESに組み込むことができ、本明細書に説明される機能的利点を提供することができる。
【0017】
図1は、複数の特殊効果コントローラデバイスを使用して、例えば離散的な場所を対象としたライブ方式で、特殊効果デバイスをリモート制御する例示的なリモート特殊効果システムである。図1に示されるように、RSES100は、ワイドエリアネットワーク110、典型的にはインターネット、に無線接続され、1つ以上のそれぞれの特殊効果デバイス106~109に通信可能に接続された1つ以上の特殊効果コントローラデバイス120~123(SEコントローラ)を含む。各SEコントローラ120~123はまた、電源として対応する電気コンセント105a~105dに接続される。SEコントローラは、互いに地理的に離れた場所に存在する可能性がある(異なる物理的な住居、企業、地域、又は国などに位置し、例えば、異なる郵便住所を有するなど)。例えば、LEDストリップ106に接続されたSEコントローラ120は、学生Aの住居に設置され得、一方、LEDストリップ107に接続されたSEコントローラ121は、学生Bの住居に設置され得る。更に、SEコントローラ122などの他のSEコントローラは、WiFiが利用可能であれば、異なる州、又は潜在的に異なる国、建物若しくは他の建造物、又は建物に関連付けられていない場所にインストールされ得る。また、SEコントローラは、同じIPアドレスを共有し得るか、又は異なるIPアドレスを有し得る。SEコントローラ120~123は、例えば、個別にアドレス指定可能な(RGB)LEDストリップ106及び107、Lekoライト108、又は標準(ダム(dumb))RGB LEDストリップ109を含む様々な特殊効果デバイスに接続され得る。フォグ及びスモークマシン、音声出力デバイス、触覚フィードバックデバイス、他の機械的、電気的、及び/又は光波デバイス、並びに無数のセンサ及びデバイスなどの他のデバイスも同様に接続され得るが、図示されない。
【0018】
SEコントローラ120~123は、ネットワーク110を介して特殊効果アナライザ及び制御プログラム(SEアナライザ)101又は他の特殊効果対応プログラム130に無線で接続する。これらのプログラムは、任意のタイプのコンピューティングデバイス上で実行され得る。以下に説明する例示的な実施形態では、リモートライブシーン制御(Remote Live Scene Control)又は「RLSC」アプリケーションとして既知であるSEアナライザ101は、サウンドを分析し、制御データ(照明制御コマンドなど)をSEコントローラ120~123の各々に個別に送信するように構成され、接続された特殊効果デバイス106~109(例えば、照明)の全て又はいくつかが同じ又は異なる時間に同じ又は異なる方法で反応/挙動するように、これらのSEコントローラ120~123の挙動を同期させることができる。このようにして、SEコントローラ120~123は、観客メンバーが同じ物理的会場に存在しておらず、したがって、SEコントローラが互いに離れた位置にあるにも関わらず、聴衆に同様の動作を引き起こすように同期した、又はそうでなければタイミングを合わせた特殊効果を引き起こすことができる。当然のことながら、特殊効果は、同じ物理的な会場内の1つ以上の特殊効果デバイスに特殊効果を同期させることもできる。ここで、会場とは、建物、住居、イベント、オープンスペース、フィールドなどに関連する物理的な住所を指す。したがって、リモート特殊効果システムを使用すれば、webベースのビデオ会議ソフトウェア上でのビデオ会議、コンピュータを通して会場に接続された仮想観客向けのプレゼンテーションなどの仮想会場を介してつながった観客を(特殊効果を介して)一体化させることができる。加えて、RSESは、自宅又は企業の場所で劇場及びイベント品質の特殊効果を作り出すために、スタンドアロン環境でも使用することができる。
【0019】
同様に、SEコントローラ120~123は、単一の講演者(教師又は発言者など)、数名の講演者(例えば、バンド)、及び/又は1人以上の参加者、例えば、インタラクティブな教室、家族の再会、又は群衆、からのコマンドに応答し得る。加えて、SEコントローラ120~123にストリーミングされる効果のいずれかは、事前にデザインされ、したがって「再生」され得るか、又はオンザフライで生成され得る。そのような全ての組み合わせが想定される。
【0020】
1つの例示的な実施形態では、SEアナライザ101を使用して、映画、プレゼンテーション、又は任意の音声トラックからの曲、サウンドトラックなどのサウンドを分析し、かつ、例えば、順番に又はランダムに色を変更するためにLEDストリップを使用して、特殊照明効果を引き起こすか、又はトーン/ピッチ(例えば、周波数として測定)及び音量(例えば、デシベルとして測定)などのサウンドの属性と併せて何らかの他のタイプの照明アニメーションを生成する。例えば、特定の周波数の検出に基づいて、対応するカラーコマンドを、個別にアドレス指定可能なLED、LEDのグループ、又はストリップ全体に送信することができる。図1に示される例示的なシステムでは、SEアナライザ101は、Art-Net(DMXオーバーイーサネット)を介してコマンドを生成するように具体的にプログラムされており、コマンドは、様々な、独立してアドレス指定可能なSEコントローラ120~123に送信される。他のプロトコル(マルチキャスト通信技術を使用したストリーミングプロトコルであるsACNなど)に従った他のコマンドも同様に組み込むことができる。各SEコントローラ120~123は、Art-Net(又は他のプロトコル)パケットを無線で受信するとき、パケットを、SEコントローラと通信可能に(場合によっては電子的に)結合された特殊効果デバイスによって理解される適切なデバイスプロトコルに変換する。例えば、RGBピクセルアドレス指定可能なLEDストリップ109(Adafruit IndustriesによるNeopixel LEDデバイスなど)の場合、SEコントローラ123は、Art-Netパケットを受信し、DMX照明コマンドを、Neopixelデバイス109を制御するために使用されるws2812ドライバによって理解されるプロトコルに変換する。
【0021】
サードパーティ製プログラム130などの他のサードパーティ製プログラム及びアプリケーションは、RSESアプリケーションプログラミングインターフェース(API)及びライブラリを使用して、RSES SEコントローラ120~123を制御するためのArt-Net(又は他のプロトコル)パケットを生成することができる。したがって、モバイル又は他のコンピュータベースのアプリケーションを使用して、例えば、音声の分析に応答して動的に(オンザフライで)作成されるライブ特殊照明効果で音楽を再生するなど、容易にアクセス可能な特殊効果を作り出すことができる。更に、同じ音声を音楽が再生されるたびに異なる方法で分析し、そのたびに異なる特殊効果体験を可能にし得る。代替的に、事前にデザインされた照明効果、又はA/Vアーティストがデザインした照明効果は、音楽が再生されるときに音楽とともに再生され得る。いくつかのシナリオでは、SEアナライザ及び/又はサードパーティ製プログラム130は、データリポジトリ102からのデータ又は記憶された構成を組み込み得る。
【0022】
言及されるように、SEコントローラ120~123は、位置に依存しないものであり、「アドホック」ベースで特殊効果「セッション」に参加することができる。本説明の目的のために、セッションは、特定の時点でSEアナライザ101又は特殊効果対応アプリケーション130にアクセス可能であり、アドレス指定可能であるSEコントローラとして定義される。SEコントローラ120~123は、SEアナライザが制御することができる、現在アドレス指定可能なSEコントローラであるセッションの概念を制御する特殊効果サービス(SEサービス)103、例えば、より集中化されたコンピュータアーキテクチャスキームにおけるwebサービス、によって統合することができる。SEコントローラは、オンザフライで接続及び切断され得るので、SEサービスは、SEアナライザ101の現在の「セッション」の概念を維持する。代替的に、SEアナライザ101又はサードパーティ製プログラム130などの任意の特殊効果対応アプリケーションは、ログイン機能、スキャン及びハンドシェイクプロトコルなどを組み合わせて使用するなど、独自の(無線)検出及び登録プロセスを統合し得る。利用可能なSEコントローラを検出する、及び/又はそれらを現在のセッションの一部として登録するために、SEサービス103によって、又はこれらのプログラムによって、任意のタイプの検出及び登録プロセスが使用され得る。加えて、特殊効果対応プログラム(SEアナライザ101又はプログラム130など)であれば、ユーザ、SEコントローラ、講演者などを設定するためのユーザインターフェースを提示することができる。したがって、SEアナライザ101又は特殊効果対応プログラム130は、(例えば、音声ストリームを分析している最中に)特殊効果を動的に発生させるだけでなく、「アドホック」でもあり、検出及び登録プロセスによって管理される適用可能なセッションに現在接続されているSEコントローラ101のいずれをも制御することができる。webサービスの使用の代替として、RSES構成は、ピアツーピアシステムに適合させることができ、ここではSEコントローラ120~123のうちの1つがサーバ(又は「マスター」)になり、セッション態様を制御するように作用する。加えて、RSES構成を構成するSEコントローラは、メッシュネットワークとして動作することができ、ここでは各SEコントローラが、例えば、ESP-WIFI-MESHなどのプロトコル及びAPIを使用する、ノードとして機能する。イントラネットのシナリオで厳密に使用されているものなど、他の好適な構成が想定されている。
【0023】
図2は、特殊効果デバイスのアドホック「セッション」(アドホックネットワーク又はサブネットワークを形成することもできる)に、同期した特殊効果を生成するために、例示的なリモート特殊効果システムが、図1に示されるような例示の構成に従ってどのように動作するかを示す概要フロー図である。ここで、「同期した」は、潜在的に異なる物理的な(郵便住所又は他の緯度/経度の指定)場所で特殊効果を調整するために、1つ以上のSEコントローラに転送される、(特定の時間、順序又はシーケンス、互いに関連した、及び他のバリエーションに従って調整される)タイミングを合わせた特殊効果ストリームを指す。SEコントローラはまた、同じ物理的位置、同じIPアドレス、又は異なるIPアドレス、及び他の任意のそのような組み合わせに存在し得る。アドホックとは、特殊効果デバイスの「ゾーン」が(それらの通信可能に接続されたSEコントローラを介して)作成され、SEアナライザ101又はサードパーティプログラム130に知らされ、特殊効果命令が転送される(例えば、使用されているアプリケーション及びプロトコルに基づいて、送信、転送、マルチキャスト、ブロードキャストなど)という概念を指す。ブロック201では、SEアナライザ101又はサードパーティ製プログラム130などのSE対応アプリケーションは、ユーザインターフェース又は他のツールを使用して、ユーザによって、プログラム的に又は潜在的に、特殊効果が選択される(例えば、カラースクロール、又は「プラズマ」効果又は選択された色)アプリケーションを実行する。応答して、SE対応アプリケーションは、現在のセッションに登録された(例えば、SEサービス103によって、又はそのような機能を有するSE対応アプリケーションによって)SEコントローラに関連付けられたネットワークアドレス(例えば、IPアドレス、MACアドレスなど)にArt-Net(又は他のプロトコル)を介してWiFi(ブロック202)経由で、DMXパケットを送信する。ブロック203及び204において、このアドホックセッションの一部である各SEコントローラは、パケットを受信し、通信可能に接続されたSEデバイス(例えば、LEDストリップ106)が理解するデータに変換する。次いで、対応するSEデバイス(ブロック205及び206)は、このパケットを(典型的には、それぞれのデバイスに関連付けられたソフトウェア又はファームウェアドライバを介して)受信し、対応するSEコントローラによって発行された特殊効果(例えば、照明)コマンドを実行する。他のタイプのSEデバイス及び他のタイプの特殊効果を、同様に扱うことができる。
【0024】
図3は、例示的なリモート特殊効果システムによる典型的なSE対応アプリケーションのフロー図である。描示されるSE対応アプリケーション300は、例えば、サウンドアナライザエフェクト制御プログラム101(以下、リモートライブシーン制御アプリケーションと称される)、又はSE対応アプリケーション130などのサードパーティ製のRLSC対応アプリケーションである。ここで、ロジックブロック301では、アプリケーションは、特殊効果を送信するために現在接続されているSEコントローラのリストを(例えば、webサービス103を介して)発見するか、又はさもなければ取得する。このリストは、同期した特殊効果のためのコントローラの「アドホック」ネットワーク(例えば、同期した特殊効果ゾーン)を形成する。ブロック302では、アプリケーションは、ユーザ(又はスライドプレゼンテーションプログラムなどのプログラム)から特殊効果のタイプ及び属性の指示を受信する。タイミングの詳細、対象のSEコントローラ、及び同様のものなど、他の特性も含み得る。例示的なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)は、SE対応アプリケーションによって使用されるために以下に説明される。ブロック303では、アプリケーションは、コンピュータが理解可能な特殊効果を含むArt-Net(又は他のプロトコル)パケットを生成する(例えば、DMX又は他のプロトコルを使用して)。ブロック304において、この特殊効果パケットは、アドホックネットワーク内のSEコントローラの一部又は全てに送信される。
【0025】
次いで、これらのパケットは、図1及び図2に従って説明されるように、SEコントローラによって受信及び処理される。
【0026】
図4A図4Eは、本明細書に説明されるように、例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる例示的な特殊効果である。ここで、各図は、人のコンピュータ画面を取り囲んで設置されたLEDを使用した、SEコントローラによって生成された変化するカラーアニメーションの時系列のスナップショットである。RSESを使用することで、複数の参加者がいて、それぞれが同様に配置されたコンピュータ画面を有する異なる物理的な場所を有する環境では、アプリケーションを使用して、アドホック接続されたSEコントローラの全体にわたってこの特殊効果を始動することで、参加者は、コンピュータ画面の周りで同時に又は時間順序で又は同様に、生成される同じ特殊効果を有する(例えば、「波」効果を作り出す)などができる。又は、アプリケーションは、参加者のうちの1人以上に合わせて異なる特殊効果を選択して生成し、任意の方法でそれらを調整することができる(例えば、特定の参加者又は他の発言者に焦点を当てる)。このため、SEアナライザの例示的な実装形態は、「リモートライブシーン制御」として以下に説明される。
【0027】
図5A図5Cは、本明細書に説明されるように、例示的なリモート特殊効果システムによって作り出すことができる追加の例示的な特殊効果である。ここで、各図は、SEコントローラに取り付けられたLEDストリップライトを通してカラーローリングする時間的なスナップショットである。この特殊効果は、図4A図4Eに従って説明されるように、仮想的に接続された複数の参加者にわたって調整することができる。
【0028】
注目すべきことに、これらの特殊効果、アプリケーション、SEデバイス、及びSEコントローラのいずれもまた、単一の物理アドレス内で動作可能であり、例えば、単一の(物理的又は仮想的な)部屋内の1つ以上のSEコントローラ、単一の家庭又は企業内の異なるデバイスに接続された複数のSEコントローラ、及び任意の他の組み合わせである。加えて、DMX又は他のプロトコルなどのプロトコルを理解する新しい特殊効果デバイスが利用可能になるにつれて、SEコントローラは、DMXコマンドを、デバイスのドライバが理解する言語(コマンド)に変換するように(例えば、ファームウェアの更新を通じて)適合させることができる。したがって、SEコントローラは、DMXパケットを受信し、任意の特定の照明コマンド(ws2812など)を生成するだけに限定されない。したがって、例えば、センサ又は他の装置を使用して新しい特殊効果が作り出されると、SEコントローラは、他の又は改善された特殊効果を生成するために、それらを適合させることができる。
【0029】
同様に、SEアナライザ(RLSCアナライザ)の現在の実施形態では、DMXパケットを生成し、Art-Netプロトコル(IPアドレス指定可能なDMX)を使用して送信する。このサウンドアナライザ及び他のアプリケーションは、開発時及びSEコントローラファームウェアの更新時に他のプロトコルを組み込むことができる。したがって、本明細書に説明されるRSESは、異なる及び他のプロトコル及び他のデバイスを組み込むように拡張され得る。
【0030】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、別々の物理的な場所にある特定のデバイスに同期した方法で、無線で配信されるライブ又は事前にプログラミングされた特殊効果のために使用されるリモート特殊効果システムを実装するためのアプリケーション、ツール、データ構造、及び他のサポートを提供する。説明される技術の他の実施形態は、他の目的のために使用され得る。本説明では、説明された技術の完全な理解を提供するために、データフォーマット及びコードシーケンスなどの多数の具体的な詳細を記載する。説明される実施形態はまた、本明細書に説明される具体的な詳細のいくつかを伴わずに、又は論理の順序、異なる論理などに関する変更などの他の具体的な詳細を伴って、実践することができる。したがって、説明される技術及び/又は機能の範囲は、任意の特定のルーチン、モジュール、コンポーネント、及び同様のものを参照して説明される態様の特定の順序、選択、又は分解によって限定されない。
【0031】
例示的なRSES実施形態
図1図3に従って説明されるコンポーネントを有する例示的なRSES実施形態は、照明及びDMXプロトコル(Art-Netプロトコルを介して)を使用して特殊効果を生成することを対象とする。この例示的な実施形態は、Emanatorデバイスと称される1つ以上のSEコントローラを含む。これらは、標準的な電気コンセントにプラグを挿し込み、LEDストリップなどの照明デバイスを制御するデバイスである。動作中、RLSCアプリケーションによって管理されるセッションに参加している参加者は、特殊効果デバイス(インテリジェントライト又は備品など)をEmanatorデバイスに挿し込み、次にEmanatorデバイスを壁の電気コンセントに挿し込む。
【0032】
例示的なRSES実施形態はまた、図2及び図3に従って説明されるように特殊効果を生成するように構成されるアプリケーション、リモートライブシーン制御アプリケーション(又はRLSCアプリケーション)を含む。例示的なRLSCは、DMXコマンドを用いてArt-Netパケットを生成するが、しかしながら、上で説明されるように修正され得る。加えて、例示的なRSES実施形態は、他の特殊効果対応アプリケーションを開発するのに使用することができるAPIを含む。
【0033】
他の例示的なコンポーネント及び実施形態は、当然のことながら、本明細書に説明されるように、同期した照明効果及び他の特殊効果を生成するように開発することが可能である。
【0034】
リモートライブシーン制御アプリケーション:
モバイル、IoT、又は有線コンピューティングシステムを介して提供され得る例示的なRLSCアプリケーションは、1つ以上のEmanatorデバイスを構成及び編成し、各Emanatorデバイスに効果をストリーミングするか、又はそれらの全てを1つ又は複数の同期された特殊効果ゾーンに結びつけるように設計される。このアプリケーションには、セットアップを簡単にするためにユーザ及びデバイス検出機能が含まれており、更なるカスタム制御のためにデバイスをゾーンに整理及び結びつけることを容易にする。このアプリは、ライブ音声に反応し、音声に同期した照明(又は他のシーン)効果を生成するものを含む、様々な事前にプログラムされた効果を提供する。RLSCユーザはまた、ライブ仮想ミーティング又はコンサートなどのアプリケーションのために、インターネット上で様々な参加者の特殊効果デバイスの制御を設定することができる。いくつかの実施例では、RLSCアプリケーションは、事前プログラム、事前デザイン、又は事前記録された効果だけでなく、オンザフライの(動的な)特殊効果も生成するよう動作することができる。いくつかのシナリオでは、これらの事前プログラム/デザイン/記録された特殊効果は、業界標準のDMXコンソール又は同等品を使用して劇場又は映画用にそれらを制作したAVデザイナーから取得することもできる。
【0035】
一実施形態では、RLSCアプリケーションは、図1を参照して説明されるように、周波数(又はピッチ)及び音量に基づいてサウンドを分析するRLSC音楽アナライザを含む(又は別個のRLSC Music音楽アナライザを伴う)。RLSC音楽アナライザは、EmanatorデバイスAPIを使用して、特殊効果に対応すれば、サードパーティ製アプリケーションとして書くことができる例である。Emanator APIを使用して、サードパーティ製アプリケーションはリアルタイムでデータをストリーミングし、1つ以上のEmanatorデバイスに送信することができる。
【0036】
説明されるように、RLSCアプリケーションのようなアプリケーションを使用して、複数のEmanatorデバイス(これは、コンセントに挿された1台のEmanatorに接続する特殊効果デバイスを1台に減らすことができる)の同期された特殊効果のゾーン用に特殊効果を生成及び制御することができる。この機能は「リモートライブシーン制御」と称される。例えば、RLSCアプリケーションは、
● リモートライブシーン制御でアプリケーションを実行する。
● リモートライブシーン制御で映画を再生する。
● リモートライブシーン制御で音楽を再生する。
● リモートライブシーン制御を使用して仮想ミーティングを実施する。又は
● リモートライブシーン制御でグループの集まりを容易にする。
【0037】
多くの実施例には、物理的に参加できないので誰もイベントを見逃さないという概念が含まれており、これは「仮想ライブイマージョン」と称される。以下のシナリオは、上記に要約されたものに加えて、これらの想定される例のほんの一部である。
● アーティストが用意した照明効果に音楽を再生:
〇 ライブで分析された照明効果と伴に音楽を再生する。異なる分析された照明効果は、音楽が再生されるたびに異なる体験を提供することができる。又は
〇 例えば、A/Vアーティストがデザインした照明効果など、事前にデザインされたライブ照明効果で音楽を再生する。(MP3及びDMXの照明効果を合わせて)
● プレゼンテーションと同期した「自宅用」照明を含んだ仮想ミーティング。スライドショーが、事前にプログラムされた効果を開始する。
〇 画面だけでなく、部屋の中で起こっている落雷及び雷の効果で、仮想観客の注目を集める。
〇 サウンド、事前に録音された声又はビデオ、ライブ分析された効果付き。重複した再生は、サウンドアナライザ又は事前にデザインされた照明効果によって異なる場合がある。
● 他の仮想の例は、以下を含む。
〇 何らかのサービス(例えば、医療)の保留待ち
〇 ストレスシーンを軽減するための音楽集/照明ディスプレイでオンライン患者を癒す。
〇 自宅、寮、又は任意の場所の生徒の部屋で教師のプレゼンテーションが同期している仮想スクール、例:
● ボタンを押すことで参加者の照明を同期させ、全ての参加者の照明を同期させて、授業中に居眠りをしている生徒を起こすことができる。全ての出席者の画面上での画像効果により、全ての仮想出席者の画面を部屋の照明と同期させることができる。
● 1人の参加者にフラッシュライトを当てて、注目を集めるか、又は焦点を絞る。
〇 仮想的なファミリー再会
● 家族向けゲーム(トリビア、ジェパディ)をプレイし、生のプレーヤ(マイク)のサウンド、音楽、ノイズをライブで分析し、全家族の家の照明がそれに応答する。
〇 仮想教会又はスクール合唱団
● 仮想合唱団を分析し、ライブ照明が全てのデバイスの画面上並びに自宅内で応答する。
● ライブで事前にデザインされた照明効果を伴う合唱団。例えば、A/Vアーティストがデザインした照明効果。(MP3及びDMXの照明効果を合わせて)
〇 仮想DJ
● 仮想ダンスミュージックとサウンドを分析し、全ての画面並びに各家庭又は場所で、ライブ照明で応答する。
● 事前にプログラムされた照明効果が各場所で発生する仮想結婚式。誰もこのイベントを見逃すことはなく、彼らはバーチャルに没頭する。全ての参加者が、イベントに影響を及ぼし、創ることができる。
〇 仮想劇場
● プロのドラマチックな舞台効果が、自宅、レンタルスペースなどの場所で発生する仮想演劇。
● 全ての仮想参加者は、イベントに影響を及ぼし、創ることができる。
〇 事前にデザインされた照明効果を伴う仮想劇場。例えば、A/Vアーティストがデザインした照明効果。(MP3及びDMXの照明効果を合わせて)
● 映画が、自宅で生き生きとする
〇 ハリーポッターの映画中に音のひび割れ又は雷に、スターウォーズで超高速移動のまばゆい光に反応する自宅の照明又はデバイスを体験する。劇場の特殊効果を大衆にもたらす。
〇 事前にデザインされた照明効果を伴う映画をダウンロードする。例えば、A/Vアーティストがデザインした照明効果。(ビデオファイルフォーマット及びDMX照明効果を組み合わせて)
● 仮想コンサート
〇 コンサートに参加し、自宅、裏庭といったあなたの場所、あらゆる場所で舞台効果が発生する。音楽がオンザフライで分析される、又は事前にデザインされた照明効果。例えば、A/Vアーティストがデザインした照明効果。
● ゲーム
〇 モニターの裏にある停滞したLEDだけでなく、ゲームイベントに反応する光もある。
〇 ゲームミュージックを分析した照明効果。
〇 事前にデザインされた照明効果。例えば、A/Vアーティストがデザインした照明効果をゲームに統合
● プレゼンテーション
〇 部屋の照明と同期したプレゼンテーションに含まれるビデオ又は音楽
〇 講演者(実用的な一時停止)又は観客(拍手)からの音楽又はノイズへの分析された効果
〇 観客を目覚めさせるための事前にデザインされた効果
〇 センサが接続されている
● 重要な活性化された照明の使用
〇 例えば、ランニング/エクササイズ
● RSES技術を使用して、ランナーのための費用対効果の高いパーソナルペーストレーナー、又は学校若しくは低予算のトレーニング業務のための安価な代替品を作成することができる。
● ポータブル防水LEDを使用したペーシングマシン効果
● ランナーのペースを改善するために、既存の高価で軽いトレーニング製品を、より費用対効果の高いソリューション(機器及び設置コストに数万ドルかかる)に置き換える。例えば、フィールド又はトラックの周りにライトの区画を設定することができ、スマートフォン又はコンピュータで、ペースライト、照明されたLEDの区画を同期させることができ、ランナーはできるだけそのライトの近くを走るようにしなければならない。
● グリッドLED
〇 広告及び他の目的のためのタイムズスクエアのような効果
【0038】
Emanator(特殊効果コントローラ):
例示的なRSESの実施形態は、SEコントローラとしてEmanatorデバイスを提供する。図6A図6Cは、説明される実施例による、Emanatorデバイスを実装するプリント回路基板の3つの異なる写真を提供する。デバイスは、ファームウェアを含む、WiFiチップ、マイクロプロセッサ、ファン、AP(アクセスポイント)モードヘッダ、及び様々なボタン及び他のコンポーネントを含む。図7A図7Cは、Emanatorデバイスのコンポーネントレイアウト情報を提供する。近接するバッテリ電力から電力を供給される他の実施形態も同様に収容され得る。
【0039】
動作を要約すると、12Vの電力がPCBに入り、スパイクを防ぎ、LEDの寿命を延ばすために、いくつかの電力調整を経る。現在の構成では、ボードには、無線接続用のESP8266 WiFiチップを含むWemos D1 Miniが含まれている。他の構成(図示せず)では、ボードは、より強力でデュアルコアであり、設定用にBluetoothなどの他の機能を提供するESP32チップを含むように構成されている。他のチップも同様に組み込むことができる。PCBは、WiFiを介してArt-Netデータパケットを受信し、ESP8266チップ上のファームウェアは、それを処理し、LEDが理解することができるデータ(例えば、Neopixel LED用のWS28xxドライバコマンド)を出力する。電源及びデータをLEDに送達する端子ブロックヘッダがある。更に、ボードにはファン、リセット、及びAPモードのヘッダが含まれている。ファンヘッダは、任意選択的な冷却ファン用に構成可能な5V又は12Vを提供する。リセットヘッダは、ESP8266チップをリセットする外部リセットボタンへの接続を提供する。APモードボタンは、ボードを、無線接続を再設定するための設定モードに強制することができる外部ボタンへの接続を提供する。
【0040】
PCB上のEmanatorファームウェアは、Art-Net受信ライブラリ(例えば、パブリックドメインソフトウェアから)を有し、これは、WiFiで配信されたArt-Netデータを取り、要求された色/状態を表示するために照明又は備品に送信される生のDMXを提供する。
【0041】
NeoPixel LEDに接続された例示的なEmanatorデバイスでは、次に、PCB上に存在するNeopixelライブラリ(例えば、パブリックドメインソフトウェアから)は、ws28xx互換データを生成する(DMXデータは、要求されたライトを点灯する必要がある順序で、出力ピン上でデジタル信号を送信し(1つのピンから0~N#個のライト)、これは、何百万ものRGB値のうちの1つを示す)。
【0042】
PCBがWi-Fi伝送を受信すると、ファームウェアは、Art-Net受信ライブラリを使用してパケットを処理し、例えばNeopixelライブラリを使用して信号を照明に送信する。このようにして、EmanatorのPCBは、DMXコマンドから照明デバイス互換コマンドへの変換器として機能する。したがって、Emanatorファームウェアは、LEDデバイス(例えば、Neopixel)をネットワークアドレス指定可能なDMXデバイスに変える。他の変換を、EmanatorのPCBにプログラムすることができる。
【0043】
現在の実装形態では、PCBファームウェアは、webベースのユーザインターフェースを使用して構成可能である。コンフィグの設定値には、ボードに接続されているLEDの数、LEDに接続されているピン、オフにできる2つのステータスインジケータ、接続されるWIFIネットワーク、IPアドレス、Art-Netユニバース情報、及び同様のものが含まれる。RLSCアプリケーション又は他のSE対応アプリケーションは、Emanatorデバイスを設定するようにプログラムされ得る。
【0044】
図8は、特殊効果コントローラを実装するための例示的なプリント回路基板の配線概略図である。要約すると、電力が入ってきて、電力をきれいにするコンデンサを通っていく。その後、ヒューズを通過して、あまりにも多くの電力を引き出すこと、又はコントローラを損傷することを防止する。その後、12Vの電力がLEDに供給される。一実施形態では、PCBは、5V又は12Vのファンに電力を供給するファンヘッダ、及びリセットボタンヘッダを有する。また、PCBをアクセスポイントモードにしてWiFiを再接続するためのAPモードヘッダも有する。PCBには、12Vから5Vへの降圧も含まれており、ESP8266チップを搭載したWEMOSボード用に電源を降圧する。他のマイクロコントローラ及び他のWiFiチップも同様にサポートされ得る。ロジックシフターが、WEMOSから出力される3.3Vを、LEDストリップが必要とする12Vにシフトするのに使用される。PCBには、ボードの状態表示として機能する、2つの抵抗器を備えたLED表示スタックライトが含まれている。また、WEMOSからLEDへのデータ信号をきれいにするための別の抵抗器もある。24×nビットの照明へのデータ信号(「n」は、LEDストリップ内のライトの数であり、24ビットは、単一のLEDに24ビット色を提供する)は、信号を浄化し、ノイズを低減するために抵抗器を通して実行される。
【0045】
PCBの大部分は、照明への電力供給及び電気的な安全機能である。具体的には、PCBは、照明が、電源からあまりにも多くの電力を引き出すのを抑え、それによって、潜在的に火災を引き起こす可能性のあるLEDの焼損及び電源の過熱を減少させる。PCBには、LEDへの電力のスパイクを防ぐためのコンデンサと、電源の焼損を防ぐためのヒューズと、が含まれている。
【0046】
PCBは、任意のIoT(モノのインターネット)デバイス、別のコンピューティングデバイスを含む任意のネットワークアドレス指定可能なデバイスを制御するようにプログラムすることができる。
【0047】
RSESアプリケーションプログラミングインターフェース(API):
例示的なRSESの実施形態はまた、アプリケーションプログラミングインターフェースを含み、特殊効果対応アプリケーションの開発及び公開を容易にするための機能を定義する。
【0048】
以下の表1は、インターフェースの例示的なセットを含む。バリエーションが可能で組み込まれ得ることが理解されよう。加えて、機能は、追加、修正、又は削除され得る。
【表1】
【0049】
例示的なコンピューティングシステム
図9は、特殊効果アナライザ及びコントローラ(図1のSEアナライザ101)、又は他のサードパーティ製の特殊効果対応アプリケーション(図1のアプリケーション130)などの本明細書に説明されるリモート特殊効果システムのコンポーネントの実施形態を実践するために使用され得る例示的なコンピューティングシステムの例示的なブロック図である。RSESを実装するために、好適に指示された1つ以上の汎用の仮想若しくは物理コンピューティングシステム、又は専用のコンピューティングシステムが使用され得ることに留意されたい。更に、RSESのコンポーネントは、本明細書に説明される機能を達成するために、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はいくつかの組み合わせで実装され得る。
【0050】
1つ以上の汎用又は専用のコンピューティングシステム/デバイスが、説明される技術を実装するために使用され得ることに留意されたい。しかしながら、SEアナライザを汎用コンピューティングシステムに実装することが可能であるという理由だけでは、技術自体又は技術を実装するために必要な動作が従来のものである、又は周知であるということを意味しない。
【0051】
コンピューティングシステム900は、1つ以上のサーバ及び/又はクライアントコンピューティングシステムを含み得、かつ分散した位置にまたがり得る。加えて、示される各ブロックは、特定の実施形態に適切な1つ以上のそのようなブロックを表し得るか、又は他のブロックと組み合わされ得る。その上、SEアナライザ/RLSCアプリケーション910の様々なブロックは、標準(例えば、TCP/IP、UDP/IP)又は独自のプロセス間通信メカニズムを使用して互いに通信する1つ以上のマシン上に物理的に存在し得る。
【0052】
示される実施形態では、コンピュータシステム900は、コンピュータメモリ(「メモリ」)901、ディスプレイ902、1つ以上の中央処理装置(「CPU」)903、入出力デバイス904(例えば、キーボード、マウス、CRT又はLCDディスプレイなど)、他のコンピュータ可読媒体905、及び1つ以上のネットワーク接続906を含む。SEアナライザ/RLSCアプリケーション910は、メモリ901に存在することが示されている。他の実施形態では、SEアナライザ/RLSCアプリケーション910のコンテンツの一部、コンポーネントの一部又は全ては、他のコンピュータ可読媒体905上に記憶され得、及び/又は他のコンピュータ可読媒体905を介して送信され得る。SEアナライザ/RLSCアプリケーション910のコンポーネントは、好ましくは、本明細書に説明されるように、1つ以上のCPU903上で実行され、無線ネットワークにわたる同期ゾーン内の特殊効果の生成を管理する。他のコード又はプログラム930、RSES webサービス940、RSES API定義及びライブラリ917、並びにデータリポジトリ920などの潜在的に他のデータリポジトリもまた、メモリ901に存在し、好ましくは、必要に応じて1つ以上のCPU903上で実行される。注目すべきことに、図9のコンポーネントのうちの1つ以上は、何らかの具体的な実装形態には存在しない場合がある。例えば、他のソフトウェアに埋め込まれたいくつかの実施形態は、ユーザ入力又は表示のための手段を提供しない場合がある。
【0053】
典型的な実施形態では、SEアナライザ/RLSCアプリケーション910は、1つ以上のサウンド分析エンジン911、1つ以上のDMX又は他のプロトコル生成エンジン(又はライブラリ)912、特殊効果情報、スクリプト、設定パラメータなどのデータリポジトリ915、及び異なる特殊効果エンジン913などの他のコンポーネントを含む。少なくともいくつかの実施形態では、他の特殊効果エンジン913は、SEアナライザ/RLSCアプリケーションの外部に提供され、潜在的に、1つ以上のネットワーク950上で利用可能である。他の及び/又は異なるモジュールが実装され得る。加えて、SEアナライザ/RLSCアプリケーション910は、ネットワーク950を介して、他の特殊効果対応アプリケーション又はクライアントコード955、1つ以上のSEコントローラ(Emanator)960、及び/又は事前にデザインされたAV効果などの1つ以上のサードパーティ情報提供者のシステム965と交信し得る。また、注目すべきは、915データリポジトリは、例えば、1つ以上のネットワーク950上でアクセス可能なナレッジベース内のように、SEアナライザ/RLSCアプリケーションの外部にも提供され得る。
【0054】
例示的な実施形態では、SEアナライザ/RLSCアプリケーション910のコンポーネント/モジュールは、標準的なプログラミング技術を使用して実装される。例えば、SEアナライザ/RLSCアプリケーション910は、1つ以上の静的又は動的ライブラリとともに、CPU103上で実行される「ネイティブ」実行可能ファイルとして実装され得る。他の実施形態では、SEアナライザ/RLSCアプリケーション910は、仮想マシンによって処理される命令として実装され得る。当該技術分野で既知であるプログラミング言語の範囲は、オブジェクト指向、関数型、手続型、スクリプト型、及び宣言型を含むが、これに限定されない、様々なプログラミング言語パラダイムの代表的な実装形態を含む、そのような例示的な実施形態を実装するために採用され得る。
【0055】
上で説明される実施形態はまた、周知又は独自の、同期又は非同期のクライアントサーバコンピューティング技術を使用し得る。また、様々なコンポーネントが、より多くのモノリシックなプログラミング技術を使用して、例えば、単一のCPUコンピュータシステム上で実行される実行可能ファイルとして実装され得るし、又は代替的に、マルチプログラミング、マルチスレッド化、クライアントサーバ、若しくはピアツーピアを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の様々な構造化技術を使用して分解されて、各々が1つ以上のCPUを有する1つ以上のコンピュータシステム上で実行され得る。いくつかの実施形態では、同時かつ非同期に実行し、メッセージパッシング技術を使用して通信し得る。同等の同期型の実施形態もサポートされる。
【0056】
加えて、SEアナライザ/RLSCアプリケーション910の一部として(例えば、データ915内で)の、記憶されたデータへのプログラミングインターフェースとしては、C、C++、C#、及びJavaのAPI、ファイル、データベース、若しくは他のデータリポジトリにアクセスするためのライブラリ、XMLなどのスクリプト言語、又はWebサーバ、FTPサーバ、若しくは記憶されたデータへのアクセスを提供する他のタイプのサーバなどの標準メカニズムによって利用可能であり得る。データリポジトリ915は、1つ以上のデータベースシステム、ファイルシステム、又はそのような情報を記憶するための任意の他の技術、又は分散コンピューティング技術を使用する実装形態を含む上記の任意の組み合わせとして実装され得る。
【0057】
また、例示的なSEアナライザ/RLSCアプリケーション910は、複数の、更には異機種混在のコンピュータシステム及びネットワークを含む分散環境において実装され得る。プログラム及びデータの異なる構成及び位置が、本明細書に説明される技術とともに使用されることが想定される。加えて、[サーバ及び/又はクライアント]は、物理的又は仮想コンピューティングシステムであり得、同じ物理システム上に存在し得る。また、モジュールのうちの1つ以上は、ロードバランシング、信頼性、又はセキュリティ的な理由などのために、分散され、プールされ、又はさもなければグループ化され得る。様々な分散コンピューティング技術は、TCP/IPソケット、RPC、RMI、HTTP、Webサービス(XML-RPC、JAX-RPC、SOAPなど)、及び同様のものを含むが、これらに限定されない、分散方式で例示される実施形態のコンポーネントを実装するために適切である。他のバリエーションも可能である。また、他の機能が各コンポーネント/モジュールによって提供され得るか、又は既存の機能が異なる方法でコンポーネント/モジュール間で分散され得るが、依然として、SEアナライザ/RLSCアプリケーションの機能を達成する。
【0058】
更に、いくつかの実施形態では、SEアナライザ/RLSCアプリケーション910のコンポーネントの一部又は全ては、他の方法で、例えば、少なくとも一部は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、標準集積回路、適切な命令を実行するコントローラ、及びマイクロコントローラ及び/又は組み込みコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複雑なプログラマブル論理デバイス(CPLD)及び同様のものを含むが、これらに限定されない、ファームウェア及び/又はハードウェアで実装又は提供され得る。システムコンポーネント及び/又はデータ構造の一部又は全てはまた、コンテンツとして(例えば、実行可能又は他の機械可読ソフトウェア命令又は構造化データとして)、コンピュータ可読媒体(例えば、ハードディスク、メモリ、ネットワーク、他のコンピュータ可読媒体、又はDVD若しくはフラッシュメモリデバイスなどの適切なドライブによって、又は適切な接続を介して読み取られる他の可搬媒体品目)上に記憶され得、コンピュータ可読媒体が、説明された技術の少なくともいくつかを実行するために、コンテンツを実行するか、他の方法で使用又は提供することを可能にする。コンポーネント及び/又はデータ構造の一部又は全ては、有形の非一時的記憶媒体に記憶され得る。システムコンポーネント及びデータ構造の一部又は全てはまた、データ信号として(例えば、搬送波の一部として符号化されることによって、又はアナログ若しくはデジタル伝搬信号の一部として含まれることによって)様々なコンピュータ可読伝送媒体上に記憶され得、次いで、これらは、無線ベース及び有線/ケーブルベースの媒体にわたって送信され得、様々な形態を採り得る(例えば、単一若しくは多重化されたアナログ信号の一部として、又は複数の別個のデジタルパケット若しくはフレームとして)。かかるコンピュータプログラム製品はまた、他の実施形態では他の形態を採り得る。したがって、本開示の実施形態は、他のコンピュータシステム構成でも実践され得る。
【0059】
例示的な特殊効果コントローラ
1.特殊効果デバイスを制御するための装置であって、
プリント回路基板(PCB)であって、
無線ネットワークマイクロコントローラと、
装置に関連付けられたネットワークアドレスを設定するように設定可能なPCBヘッダと、
PCBに電力を提供するように構成された端子コネクタと、
特殊効果デバイスの1つ以上のケーブルに通信可能に接続されるように構成されたデータコネクタと、
ファームウェアを含むマイクロプロセッサと、を備える、プリント回路基板(PCB)と、
プリント回路基板を収容して、PCBが標準的な電気コンセントにプラグを挿し込んで電力を受け取り、特殊効果デバイスと通信可能に接続することを可能にするように構成された筐体と、を備え、
ファームウェアが、無線ネットワークコントローラを使用して、データパケットのストリームを無線で受信するように構成されており、ストリーム内の各パケットが、特殊効果デバイスプロトコルに従って構造化されたデータを含み、ファームウェアが、各パケットに対して、パケットに含まれる特殊効果デバイスプロトコル命令に応答して1つ以上の対応する電気信号、機械信号、及び/又は光学信号を生成し、それらを通信可能に接続された特殊効果デバイスに送信して、特殊効果デバイスに特殊効果を作り出させる、装置。
2.特殊効果デバイスプロトコルが、DMXである、請求項1に記載の装置。
3.特殊効果デバイスが、LEDデバイスである、請求項1に記載の装置。
4.特殊効果デバイスが、LEDストリップであり、特殊効果が、色変化である、請求項3に記載の装置。
5.特殊効果デバイスが、Neopixel LEDデバイスであり、対応する信号が、対応するドライバ仕様に従ってフォーマット化される、請求項3に記載の装置。
6.特殊効果が、色の変化、色のグラデーション、タイミングを合わせた色の進行、又は単一色又は異なる色の拍動を引き起こす、請求項3に記載の装置。
7.特殊効果デバイスが、フォグマシン又はスモークマシンである、請求項1に記載の装置。
8.装置は、センサによって感知された値を受信することに応答して特殊効果を発生させる、請求項1に記載の装置。
9.データパケットのストリームが、Art-Netプロトコルに従って編成される、請求項1に記載の装置。
10.特殊効果デバイスが、光波デバイス、磁気デバイス、及び/又は電子制御デバイスである、請求項1に記載の装置。
【0060】
結論
2021年9月27日に出願された「REMOTE LIVE SCENE CONTROL SYSTEM,METHODS,AND TECHNIQUES」と題する米国仮特許出願第63/248,991号を含むが、これに限定されない、本明細書に言及され、及び/又は出願データシートに記載されている上記の米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び非特許文献の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0061】
前述のことから、本明細書では例示の目的のために具体的な実施形態を説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。例えば、本明細書で考察される特殊効果を実行するための方法及びシステムは、他の特殊効果デバイスに適用可能であり、本明細書で説明されるもの以外の目的にも適用可能である。また、本明細書で考察される方法及びシステムは、異なるプロトコル、通信媒体(光学、無線、ケーブルなど)及びデバイス(無線ハンドセット、電子オーガナイザ、パーソナルデジタルアシスタント、ポータブル電子メールマシン、ゲーム機、ポケットベル、GPS受信機などのナビゲーションデバイスなど)に適用可能である。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9
【国際調査報告】