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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】処置様式のための標的封入戦略
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20241001BHJP
   A61K 9/51 20060101ALI20241001BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20241001BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20241001BHJP
   A61K 38/02 20060101ALI20241001BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20241001BHJP
   A61K 31/20 20060101ALI20241001BHJP
   A61K 31/12 20060101ALI20241001BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241001BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241001BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241001BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A23L33/10
A61K9/51
A61K9/127
A61K9/14
A61K38/02
A61K38/22
A61K31/20
A61K31/12
A61P25/00
A61P35/00
A61P3/10
A61P1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518628
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 IL2022051014
(87)【国際公開番号】W WO2023047401
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/248,448
(32)【優先日】2021-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】524111754
【氏名又は名称】ヌタリア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポラット、オマー
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018LE06
4B018MD10
4B018MD14
4B018MD18
4B018MD20
4B018MD36
4B018MD48
4B018MD94
4B018ME03
4B018ME08
4B018ME11
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF02
4B018MF14
4C076AA19
4C076AA20
4C076AA21
4C076AA65
4C076AA95
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC16
4C076CC21
4C076CC27
4C076CC40
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF70
4C084AA02
4C084BA44
4C084DB01
4C084MA24
4C084MA38
4C084MA52
4C084NA13
4C084ZA02
4C084ZA66
4C084ZB26
4C084ZC35
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA10
4C206CB14
4C206DA03
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA44
4C206MA58
4C206MA72
4C206NA13
4C206ZA02
4C206ZA66
4C206ZB26
4C206ZC35
(57)【要約】
哺乳動物の身体の標的組織または標的細胞に活性医薬成分(API)および活性栄養補助成分(ANI)の送達に有用な組成物であって、少なくとも1つのナノ粒子と、ナノ粒子に含有される少なくとも1つのAPIと、標的組織または標的細胞に特異的に結合するように構成される少なくとも1つの栄養補助リガンドとの複合体を含み、APIまたはANIが、栄養補助リガンドの媒介によって標的組織または標的細胞で活性化される、組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の身体の標的組織または標的細胞に活性医薬成分(API)を送達するための組成物であって、
a.少なくとも1つのナノ粒子と、
b.前記ナノ粒子によって含有される少なくとも1つの活性成分と、
c.前記標的組織または前記標的細胞に特異的に結合するように構成される少なくとも1つの栄養補助リガンドと
を含む複合体を含み、
前記活性成分が、前記栄養補助リガンドの媒介によって前記標的組織または前記標的細胞で活性化される、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、前記少なくとも1つの栄養補助リガンドを前記少なくとも1つのナノ粒子に結合するリンカーをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記栄養補助リガンドが標的化栄養補助リガンドである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ナノ粒子が、リポソーム、ミセル、固体脂質ナノ粒子、シクロデキストリンナノ粒子、デンドリマー、ポリマーナノ粒子、マイクロ/ナノエマルジョン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ミセルが単層または二重層構造である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ナノ粒子の直径が10~250nmの範囲内である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記活性医薬成分(API)が、化学的結合または物理的結合を介して前記ナノ粒子に結合している、請求項1~6のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項8】
前記APIが、前記単層もしくは二重層内に含有されるか、前記二重層の層間に含有されるか、または前記単層もしくは二重層の外層に結合される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記化学的結合または物理的結合が、共有結合、水素結合、ファンデルワールス結合、疎水結合、静電結合、ロンドン結合、イオン結合、塩架橋、吸着、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の複合体。
【請求項10】
前記組成物が、前記標的組織または前記標的細胞で前記APIを放出するように適合されている、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記APIが、栄養補助食品、小分子、フードサプリメント、タンパク質、ホルモン、ペプチド、および脂肪酸からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記栄養補助食品が活性栄養補助成分(ANI)である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記ANIが、神経活性栄養補助食品、腫瘍活性栄養補助食品、エンド活性栄養補助食品、胃活性栄養補助食品、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記ANIがクルクミンである、請求項11~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記APIが一般に安全と認められている(GRAS)、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記栄養補助リガンドが、神経標的化化合物、腫瘍標的化化合物、胃標的化化合物、エンド(膵臓)標的化化合物、心血管標的化化合物、腎臓標的化化合物、炎症標的化化合物、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記神経標的化化合物が、カフェイン、テオブロミン(キサンテオース)、パラキサンチン、テオフィリン、1,3,7-トリメチル尿酸、ガラナ(パウリニア・クパナ(Paullinia cupana)、HBK)、フェネチルアミン(PEA、チョコレート)、トリプタミン(アカシア(Acacia))、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記神経標的化化合物が、バイカレイン、ウォゴニン、オロキシリンA、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記栄養補助リガンドが一般に安全と認められている(GRAS)、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
以下の少なくとも1つ:
a.前記標的組織における前記APIのより高い濃度、
b.非標的組織における前記APIのより低い濃度、
c.前記標的組織における前記APIのより高い活性、
d.前記標的組織における前記APIの活性の延長、
e.標的細胞への前記APIの送達の増加
を達成するように構成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記APIの送達機構が、能動的または受動的取り込み機構であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記APIの前記取り込み機構が、前記少なくとも1つのAPIを含有する前記少なくとも1つのナノ粒子、または前記少なくとも1つのナノ粒子から放出された前記少なくとも1つのAPIの取り込みとして定義される、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記少なくとも1つのAPIを含有する前記少なくとも1つのナノ粒子の前記取り込み機構がエンドサイトーシスである、請求項21または22に記載の組成物。
【請求項24】
前記エンドサイトーシスの様式が、受容体媒介エンドサイトーシス、クラスリン媒介エンドサイトーシス、非媒介エンドサイトーシス、カベオラ、飲作用および食作用からなる群から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記能動的取り込み機構が、トランスポーター、ポンプおよびチャネルからなる群の1つによって促進されることを特徴とする、請求項21または22に記載の組成物。
【請求項26】
前記受動的取り込み機構が、拡散、促進拡散および濾過からなる群から選択される、請求項21または22に記載の組成物。
【請求項27】
前記取り込みが、二次能動輸送、共役輸送または共輸送からなる群から選択される、請求項21または22に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標的とされ濃縮された栄養補助食品ベースの処置/薬剤の分野にある。
【背景技術】
【0002】
処置が困難な多数の慢性または長期の健康状態が存在する。神経変性障害、癌、糖尿病、IBDなどの疾患は、難解な薬物治療標的を有し、処置耐性が高いことが示されている。
【0003】
ほとんどの薬理学的処置/介入/治療は、多種多様な有害作用および副作用を引き起こすことが示されている。多くの薬理学的処置は、しばしば化学物質と他の薬理学的標的との間の相互作用に関連する広範な副作用を示す化学物質からなる。これらの他の薬理学的標的は、他の組織または器官において発現され得る。例えば、エンドカンナビノイド系は、末梢神経系、免疫系および消化管(CB2)に加えて中枢神経系および消化管(CB1)で発現されるため、様々なカンナビノイドの生物学的効果は、異なるカンナビノイド受容体に対する親和性に依存する。副作用をもたらすさらなる機構は、薬物動態または薬物-薬物相互作用の変動である。例えば、パーキンソン病の場合、副作用のいくつかは、L-ドパ(治療化学物質)と末梢神経系の受容体との相互作用に関連しているが、中枢神経系(CNS)では、L-ドパは選択的にドーパミンに代謝される。
【0004】
治療薬の有効性を改善し、副作用を制限するための1つの解決策は、障害に罹患した組織または器官に薬理学的組成物を選択的に標的化することである。標的組織または器官への治療薬の選択的送達は、より低い投与量の使用を可能にし、有害作用の可能性をさらに低下させることができる。
【0005】
慢性および長期の病状の処置のための標的治療薬の必要性は満たされていない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、活性医薬成分(API)または活性栄養補助成分(ANI)であり得る活性成分の組織特異的および細胞特異的送達のための組成物を開示する。特異的送達は、特異的な栄養補助リガンドによって得られ、したがって特定の部位への医薬品およびフードサプリメントの送達を可能にし、したがって様々な病気に罹患している対象に長期にわたって必要な補助を提供する。
【0007】
したがって、本発明の1つの目的は、哺乳動物の身体の標的組織または標的細胞に活性医薬成分(API)を送達するための組成物であって、少なくとも1つのナノ粒子と、ナノ粒子に含有される少なくとも1つのAPIと、標的組織または標的細胞に特異的に結合するように構成される少なくとも1つの栄養補助リガンドとを含む複合体を含み、APIが、栄養補助リガンドの媒介によって標的組織または標的細胞で活性化される、組成物を開示することである。
【0008】
本発明の別の目的は、少なくとも1つの栄養補助リガンドを少なくとも1つのナノ粒子に結合するリンカーをさらに含む、上記で定義される組成物を開示することである。
【0009】
本発明の別の目的は、栄養補助食品が標的化栄養補助食品である、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0010】
本発明の別の目的は、ナノ粒子が、リポソーム、ミセル、固体脂質ナノ粒子、シクロデキストリンナノ粒子、デンドリマー、ポリマーナノ粒子、マイクロ/ナノエマルジョン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0011】
本発明の別の目的は、ミセルが単層または二重層構造である、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0012】
本発明の別の目的は、ナノ粒子の直径が10~250nmの範囲内である、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0013】
本発明の別の目的は、APIが化学的結合または物理的結合を介してナノ粒子に結合している、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0014】
本発明の別の目的は、APIが単層もしくは二重層内に含有されるか、二重層の層間に含有されるか、または単層もしくは二重層の外層に結合される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0015】
本発明の別の目的は、化学的結合または物理的結合が、共有結合、水素結合、ファンデルワールス結合、疎水結合、静電結合、ロンドン結合(London bond)、イオン結合、塩架橋、吸着、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0016】
本発明の別の目的は、標的組織でAPIを放出するように適合されている、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0017】
本発明の別の目的は、APIが栄養補助食品、小分子、フードサプリメント、タンパク質、ホルモン、ペプチド、および脂肪酸からなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0018】
本発明の別の目的は、栄養補助食品が活性栄養補助成分(ANI)である、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0019】
本発明の別の目的は、ANIが神経活性栄養補助食品、腫瘍活性栄養補助食品、エンド活性栄養補助食品(endo-active nutraceutical)、胃活性栄養補助食品、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0020】
本発明の別の目的は、ANIがクルクミンである、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0021】
本発明の別の目的は、APIが一般に安全と認められている(GRAS)、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0022】
本発明の別の目的は、栄養補助リガンドが、神経標的化化合物、腫瘍標的化化合物、胃標的化化合物、エンド(膵臓)標的化化合物、心血管標的化化合物、腎臓標的化化合物、炎症標的化化合物、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0023】
本発明の別の目的は、神経標的化化合物がカフェイン、テオブロミン(キサンテオース)、パラキサンチン、テオフィリン、1,3,7-トリメチル尿酸、ガラナ(パウリニア・クパナ(Paullinia cupana)、HBK)、フェネチルアミン(PEA、チョコレート)、トリプタミン(アカシア(Acacia))、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0024】
本発明の別の目的は、神経標的化化合物がバイカレイン、ウォゴニン、オロキシリンA、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0025】
本発明の別の目的は、栄養補助リガンドが一般に安全と認められている(GRAS)、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0026】
本発明の別の目的は、以下の少なくとも1つ:標的組織での前記APIのより高い濃度、非標的組織における前記APIのより低い濃度、標的組織における前記APIのより高い活性、前記標的組織における前記APIの活性の延長、標的細胞への前記APIの送達の増加を達成するように構成される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0027】
本発明の別の目的は、APIの送達機構が能動的または受動的取り込み機構であることを特徴とする、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0028】
本発明の別の目的は、APIの取り込み機構が、少なくとも1つのAPIを含有する少なくとも1つのナノ粒子または少なくとも1つのナノ粒子から放出された少なくとも1つのAPIの取り込みとして定義される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0029】
本発明の別の目的は、少なくとも1つのAPIを含有する少なくとも1つのナノ粒子の取り込み機構がエンドサイトーシス(飲食作用)である、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0030】
本発明の別の目的は、エンドサイトーシスの様式が、受容体媒介エンドサイトーシス、クラスリン媒介エンドサイトーシス、非媒介エンドサイトーシス、カベオラ、飲作用(ピノサイトーシス)および食作用(ファゴサイトーシス)からなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0031】
本発明の別の目的は、能動的取り込み機構が、トランスポーター、ポンプおよびチャネルからなる群の1つによって促進されることを特徴とする、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0032】
本発明の別の目的は、受動的取り込み機構が拡散、促進拡散および濾過からなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0033】
本発明の別の目的は、取り込みが二次能動輸送、共役輸送または共輸送からなる群から選択される、上記のいずれかで定義される組成物を開示することである。
【0034】
本発明に対するさらなる理解を提供するために含まれ、かつ本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例示し、かつ、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】組成物の一実施形態の概略図である。
図2】組成物の一実施形態の結合活性の概略図である。
図3】組成物の一実施形態の毒性実験の結果の図である。
図4a】組成物の一実施形態のAPI送達実験の結果の図である。
図4b】組成物の一実施形態のAPI送達実験の結果の図である。
図4c】組成物の一実施形態のAPI送達実験の結果の図である。
図4d】組成物の一実施形態のAPI送達実験の結果の図である。
図4e】組成物の一実施形態のAPI送達実験の結果の図である。
図5a】組成物の別の実施形態のAPI送達実験の結果の図である。
図5b】組成物の別の実施形態のAPI送達実験の結果の図である。
図6a】標的細胞中の組成物の一実施形態によって送達されるAPIの図である。
図6b】標的細胞中の組成物の一実施形態によって送達されるAPIの図である。
図6c】標的細胞中の組成物の一実施形態によって送達されるAPIの図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の記述は、当業者が本発明を利用することを可能にするよう本発明の全ての章と共に提供され、本発明を実施する本発明者が企図する最良の形態を説明する。しかし、組成物および方法を提供するための本発明の一般的な原理が具体的に定義されていることから、当業者に明白であり続けるように、様々な改変が加えられる。
【0037】
本発明の中心的な目的は、栄養補助リガンドによって標的哺乳動物細胞、組織または器官に誘導される活性医薬成分(API)の標的送達のためのプラットフォームを開示および提供することである。プラットフォームは、少なくとも1つの栄養補助食品標的化化合物または栄養補助リガンドで装飾されたシェルと、少なくとも1つの活性医薬成分または栄養補助食品化合物を含むコアとを有するナノ粒子を提供し得る。栄養補助リガンドは、哺乳動物細胞、組織または器官上の特異的受容体に結合する。
【0038】
本出願では、「ナノ粒子」(NP)という用語は、界面層(シェル)によって囲まれたコアを有する、直径1~250ナノメートル(nm)の間の粒子に関する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、リポソーム、ミセル、固体脂質ナノ粒子、シクロデキストリンナノ粒子、デンドリマー、ポリマーナノ粒子、マイクロ/ナノエマルジョン、およびそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、NPは、脂質二重層または単層(多層膜リポソームまたは一枚膜リポソーム)を含む器またはリポソームである。
【0040】
本出願の一実施形態では、ナノ粒子の外面(シェル)は、標的への結合に利用可能であるように配向された少なくとも1つの標的化化合物(栄養補助リガンド)を含むように装飾される。標的は、組織、器官または特定の細胞であり得る。
【0041】
「栄養補助食品」という用語は、1989年にStephen Defeliceによって最初に考案され、「食品または食品の一部であり、疾患の予防および処置を含む医学的または健康上の利益を提供する任意の物質」と定義されている。単離された栄養素、健康サプリメント(ミネラル、ビタミン、アミノ酸、脂肪酸、糖類、プロバイオティクス、プレバイオティクス、およびハーブ)および植物性化学物質を含むこれらの栄養補助食品は、食品に見られる従来の栄養価以外に有益な健康効果を有することが期待される。栄養補助食品は、一般に、植物もしくは細菌などの天然源に由来する食物源、植物物質、真菌、細菌または微生物に由来する。栄養補助食品は、アルカロイド、フェノール(またはポリフェノール)、ペプチド、糖類、テルペン、フェノール類、グリコシド、脂肪酸、フラボノイド、ファイトステロール、およびタンニンとして定義することができる。栄養補助食品は、一次または二次代謝産物として機能することができる。
【0042】
医薬品に対する栄養補助食品の主な利点の1つには、「市場に出す」期間がはるかに速いこと、有害作用がより少ないかまたはないこと、経済的に手頃であること、容易に入手可能なこと、複数の治療効果、および毒性または用量設定の懸念なしに長期間の消費を可能にすることが挙げられる。
【0043】
装飾は、シェルの任意の種類の改変(シェルに化学的に結合し、シェルと化学的に配位し、シェルの一部を形成し、重合してシェルにするなど)によって、またはシェルに結合するように栄養補助リガンドを改変することによって達成される。いくつかの実施形態では、複合体は、栄養補助リガンドおよびNPに結合するリンカーを含む。本発明の顕著な非限定的な例では、栄養補助リガンドはカフェインであり、APIはANI、すなわちクルクミンである。
【0044】
本発明はさらに、少なくとも1つの神経変性疾患、新生物性疾患、消化器疾患、内分泌障害、腎臓障害、心血管疾患およびそれらの任意の症状の処置に使用するための、少なくとも1つの神経標的化栄養補助食品で装飾されたナノ粒子シェルと、少なくとも1つの神経活性栄養補助食品を含むコアとを含むナノ粒子ベースの組成物を提供する。
【0045】
活性医薬成分(API)は、「完成医薬品(FPP)に使用され、薬理学的活性を提供すること、または疾患の診断、治癒、緩和、処置もしくは予防に直接的な効果を有すること、またはヒトにおける生理学的機能の回復、修正もしくは改変に直接的な効果を有することを意図する、任意の物質または物質の組み合わせ」(WHO、2011年)と定義される。APIは、その構造(抗体など)、その治療標的(鎮痛薬など)またはその生物学的効果(非ステロイド性抗炎症薬-NSAIDなど)に従って分類することができる。APIは、小分子(NSAIDなど)または高分子(抗体など)であり得る。APIは、天然源(天然産物など)からのものであり得るか、または半合成もしくは合成の様式で製造され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、APIは、能動的または受動的取り込み機構を介して標的組織または細胞に送達される。いくつかの実施形態では、取り込み機構は、エンドサイトーシスなどのAPI含有NP全体のものである。エンドサイトーシスは、受容体媒介エンドサイトーシス(クラスリン媒介エンドサイトーシスとしても知られている)などの媒介性、または非媒介性(カベオラ、飲作用、食作用など)であり得る。いくつかの実施形態では、APIはNPによって細胞外マトリックスに放出され、API取り込みは放出された(結合されていない)APIのものである。取り込みは能動的機構(トランスポーター、ポンプ、チャネルなど)または受動的(拡散、促進拡散および濾過など)であり得る。いくつかの実施形態では、輸送は二次能動輸送(共役輸送または共輸送として知られている)である。
【0047】
いくつかの実施形態では、APIは栄養補助食品である。このAPIは、活性栄養補助食品(ANI)と呼ばれる。
【0048】
内部容積12を有する二重層リポソーム11を含むナノ粒子10を含む組成物の一実施形態を示す図1を参照する。標的化化合物13は、リンカー17を介して外面シェルに結合され、APIは、内部容積14内、二重層15内に含有されるか、または外部シェル16に結合される。
【0049】
組成物の一実施形態の結合活性の概略図を示す図2を参照する。組成物は、ナノ粒子10の二重層11の外面をカフェインリガンド13で装飾されたナノ粒子10を含む。ナノ粒子10は、抗酸化神経活性API 14を含有する。ナノ粒子10は、その標的細胞22に、カフェインリガンド13を介して結合する。この標的細胞22は、そのシナプス後膜24上にシナプス後ドーパミン受容体26を含むシナプス後細胞である。ドーパミン分子25は、シナプス前細胞20によって小胞モノアミントランスポーター(VMAT)29を介してシナプス21に放出される。過剰な分子25は、その後、ドーパミントランスポーター(DAT)2によってシナプス21から再取り込みされてシナプス前細胞20に戻り、そこでミトコンドリアモノアミンオキシダーゼ(MAO)28によって異化される27。他の実施形態では、ナノ粒子は、DAT結合リガンドによって装飾され得る。
【0050】
組成物の一実施形態のインビトロ毒性実験の結果を示す図3を参照する。ヒトアストロサイト(U-87 MG細胞株)を、カフェインリガンド13によって装飾され、ANIクルクミン14を含有する固体脂質ナノ粒子(SLN)10に曝露した。3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイを使用して、細胞生存率を決定した。一晩の安定化後、細胞を様々な濃度のSLN 10に曝露した。24時間後、培地を除去し、全ての細胞を、MTTを含有する無血清培地と共にインキュベーター内で3~4時間インキュベートした。生細胞によって形成されたMTT紫色結晶を、0.04mol/L HClを含有するイソプロパノールを使用して希釈した。光学密度を570nmで測定した。データを未処理細胞(対照)のパーセンテージとして示す。データは平均±SE(n=4)である。上記の濃度でのSLN 10処理後に毒性効果は観察されなかった。処理細胞の細胞生存率は、対照細胞よりもさらに高かった。
【0051】
組成物の一実施形態のインビトロでのクルクミン送達実験の結果を示す図4a~図4eを参照する。ヒトアストロサイト(U-87 MG細胞株)を、カフェインリガンド13によって装飾され、ANIクルクミン14を含有する固体脂質ナノ粒子(SLN)10に曝露した。図4a~図4cは、同じ実験の異なる時点を示す。細胞を播種し、処理前に24時間増殖させた。各時点を異なるプレートで測定した。培地を、異なる処理を含有する新鮮な培地と交換した。処理期間後、細胞をPBS×1を使用して洗浄し、RIPA緩衝液を用いて溶解した。5分間撹拌後、クルクミン14のクルクミン特異波長(Ex/Em=485/530nm)を使用して蛍光を測定した。結果は、クルクミン試料(対照としての役割を果たす)のパーセンテージとして示される。データは平均±SE(n=4)である。図4aに示すように、0.5時間後、カフェイン13で装飾されたSLN 10とリガンドを含まないSLN 10との間に有意差は認められなかった。しかし、処理の1時間後(図4b)および1.5時間後(図4c)、リガンドを含まないSLN対照試料およびSLNを含まないカフェイン試料と比較して、SLN+カフェイン試料の後にクルクミン蛍光の有意な増加が観察された。これは、カフェイン13による試料のコーティングが1.5時間でクルクミン14の細胞内含有量を増加させることを示す。図4cと同様の実験を図4dに示す。両方の実験において、測定は1.5時間の処理後に行った。唯一の違いは、細胞中のクルクミン14の絶対量である。しかしながら、異なる処理の結果間の関係は、図4cおよび図4dにおいて同様である。図4eは、カフェイン13がA2R受容体に対するアンタゴニストであるために使用される別の対照変数:A2R受容体遮断薬を加えた、図4dに示す実験と同様の組成物の一実施形態のインビトロでのクルクミン送達実験の結果を示す。結果は、実際に、A2R受容体をアンタゴニストで遮断すると、クルクミン含有量がSLN対照と同じレベル(20mg/mlの濃度)に減少することを示している。
【0052】
組成物の別の実施形態のインビトロでのクルクミン送達実験の結果を示す図5a~図5bを参照する。ヒト神経芽腫細胞(SH Sy5Y細胞細胞株)を、カフェインリガンド13によって装飾され、ANIクルクミン14を含有する固体脂質ナノ粒子(SLN)10に曝露した。図5a~図5bは、同じ実験の異なる時点を示す。図5aに示すように、1時間後、SLN 10対照試料およびクルクミン14試料と比較して、SLN 10+カフェイン13試料の後にクルクミン14蛍光の有意な増加が観察された。しかし、図5bに示すように、3.5時間の処理後、SLN 10対照試料およびクルクミン14試料の蛍光は、かなり減少したSLN 10+カフェイン13試料とは対照的に、同じレベルのままであった。この効果は、SLN 10+カフェイン13試料中に存在するクルクミンの細胞内代謝によるものであり得る。
【0053】
カフェインリガンド13によって装飾されており、ANIクルクミン14を含有する固体脂質ナノ粒子(SLN)10に曝露されたヒトアストロサイト(U-87 MG細胞株)の蛍光イメージングを示す、図6a~図6cを参照する。細胞30を8×10^4細胞/ウェルの密度で24ウェルプレートに播種し、一晩の安定化のためにインキュベートした。処理後、細胞30をPBS×1で洗浄し、3%パラホルムアルデヒドを使用して20分間固定した。PBSで2回目に洗浄した後、Hoechst 33342を使用して細胞核31を染色した。分析は、The Hebrew University of Jerusalem Interdepartmental Equipment FacilityにおいてNikonのA1R+共焦点顕微鏡を使用して行った。このイメージングアッセイでは、写真の緑色蛍光は細胞質中のクルクミン32の存在を示し、青色は細胞の核31を示す。図6aは未処理の対照細胞を示し、図6bは1.5時間にわたってリガンドを含まない対照SLN 10に曝露された細胞を示し、図6cは1.5時間にわたってカフェインリガンド13によって装飾されたSLN 10に曝露された細胞を示す。1.5時間でのSLN 10+カフェイン13処理では、SLN 10対照および未処理細胞30と比較して、有意に高いクルクミン32染色を観察することができる。未処理細胞30では、緑色は検出できない。SLN 10対照細胞30では、特定の量の緑色が細胞30の核31の周りで検出可能である。カフェインで装飾された細胞30では、緑色は非常に強いので、核31の青色と干渉さえする。蛍光画像の数値解析については後述する。
【0054】
標的化活性:本出願では、「標的化栄養補助食品」という用語は、天然源に由来し、対象の身体の他の部分と比較して、中枢神経系(CNS)またはその一部などの特定の器官または組織におけるナノ粒子の局所濃度を増加させるように本発明のナノ粒子の送達に寄与することが臨床的に実証されている化合物を指す。標的化栄養補助食品は、ナノ粒子コンジュゲートを標的器官、組織または細胞に「担持する」能力として、バイオキャリアとも呼ばれ得る。本発明の標的送達システムの目標は、標的との標的化された、局在化された、延長された/長期効果の相互作用を提供することである。標的化栄養補助食品は、中枢または末梢神経系(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病または多発性硬化症)、新生物増殖(腫瘍)、内分泌系(糖尿病など)または胃腸系(胃潰瘍またはIDBなど)などの様々な系および障害を標的とすることができる。
【0055】
標的送達の利点は、関心対象の組織中の薬剤の局所濃度に関連し、残りの組織中の薬剤の相対濃度の低下に関連する。この戦略は、様々な有益な効果をもたらすことができる:
a.低用量の活性化合物、
b.対象が服用する投与量の頻度の減少、
c.より一貫した薬理学的効果、
d.本発明のナノ粒子の循環レベルの変化を低減および制御することによる有害な副作用の減少。
【0056】
いくつかの実施形態では、標的化化合物は、神経標的化栄養補助食品である。
【0057】
いくつかの実施形態では、神経標的化栄養補助食品は、カフェイン、ならびにテオブロミン(キサンテオース)、パラキサンチン、テオフィリンおよび1,3,7-トリメチル尿酸、ガラナ(パウリニア・クパナ(Paullinia cupana)、HBK)、フェネチルアミン(PEA、チョコレート)、トリプタミン(アカシア(Acacia))およびそれらの任意の組み合わせを含むその4つのジメチルキサンチン代謝産物から選択される。カフェインは、PD標的部位で発現されるアデノシン受容体アンタゴニスト(A2AR)である(Svenningssonら、1999年、Madreiraら、2017年;Rivera-Oliverら、2014年)。いくつかの実施形態では、標的化栄養補助食品は、テオブロミン(キサンテオース)、カカオ植物の苦味アルカロイド、およびそのアルカロイド類似体から選択される。
【0058】
いくつかの実施形態では、標的化化合物は、ドーパミンニューロンの細胞体を特異的に標的化する神経標的化栄養補助食品の別の群:バイカレイン、ウォゴニン、およびオロキシリンAである。これらの神経標的化栄養補助食品は、コカインと同じ受容体に結合し、したがって物質嗜癖の処置に有用である可能性が高い。
【0059】
ドーパミン受容体はほとんどがシナプス後であるので、DAT(ドーパミントランスポーター)が標的化のために選択される。DATは、ドーパミンをシナプス間隙から細胞質ゾルに戻す膜貫通トランスポーターである。各DATは、3番目と4番目のTMDの間に大きな細胞外ループを有する12個の膜貫通ドメイン(TMD)から構成される[Ben-Jonathan、Nira.Dopamine.CRC Press.Kindle版]。
【0060】
ニューロンおよびグリアの両方に見られるアミノ酸トランスポーターとは異なり、DATの発現はドーパミン作動性ニューロンに限定され、DATをこれらのニューロンのよく受け入れられている実験的および病理学的マーカーにする。細胞レベルでは、DATは、黒質および腹側被蓋野のニューロンの樹状突起および細胞体の両方に見られる。
【0061】
上記を考慮して、神経標的化栄養補助食品である、DATのための天然リガンドは、薬草コガネバナ(Scutellaria baicalensis)およびスカルキャップ(Scutellaria lateriflora)の主要な活性フラボンであるバイカレイン、ウォゴニンおよびオロキシリンAとして提案されている[Ji,Yeongseonら、「Neuroprotective effects of baicalein,wogonin,and oroxylin A on amyloid beta-induced toxicity via NF-κB/MAPK pathway modulation」、Molecules 25巻21号(2020年):5087頁)]。
【0062】
いくつかの実施形態では、標的化栄養補助食品は、腫瘍標的化栄養補助食品である。
【0063】
いくつかの実施形態では、腫瘍標的化栄養補助食品は、糖類および代替糖から選択される。いくつかの実施形態では、標的化栄養補助食品は、スクラロース(塩素化スクロース)などの修飾糖である。いくつかの実施形態では、標的化栄養補助食品は、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトールなどの糖アルコールである。いくつかの実施形態では、代替糖はサッカリンである。修飾糖または糖アルコールは、腫瘍の血管外細胞外腔(EES)におけるより遅い代謝およびより高い蓄積を実証することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、標的化栄養補助食品は、内分泌標的化栄養補助食品である。
【0065】
いくつかの実施形態では、内分泌標的化栄養補助食品は、インスリン類似体およびインスリン受容体アゴニスト/アンタゴニストの群から選択される。インスリン受容体は、インスリンおよびインスリン増殖因子(IおよびII)に結合する膜貫通チロシンキナーゼ受容体である。いくつかの実施形態では、インスリン類似体は、ニガウリ(Momordica charantia)インスリン受容体結合タンパク質またはタンパク質のペプチドセグメントである。いくつかの実施形態では、インスリン受容体は、ビオチン、マグネシウム、クロム、ギムネマ、ツバキ、およびスノキによって活性化され得る[Covoloら(2017年)、BMC Public Health、13巻、777頁を参照のこと]。
【0066】
いくつかの実施形態では、標的化栄養補助食品は、胃標的化栄養補助食品である。
【0067】
いくつかの実施形態では、NPは、NPの生物多様性を低下させ、腸へのNPの送達を増加させる栄養補助食品系コーティングを含む。いくつかの実施形態では、コーティングはNPの溶解度を低下させる。コーティングは、脂質または糖類ベースであり得る。いくつかの実施形態では、コーティングは、胃または/および腸などの胃腸管内の状態に対するNPの耐性を増加させる。
【0068】
いくつかの実施形態では、胃標的化栄養補助食品は、小腸上皮細胞株の腸内脂肪酸結合タンパク質(I-FABP)に結合する、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸などの長鎖脂肪酸(LCFA)である。
【0069】
いくつかの実施形態では、NPは、腎臓または心臓標的化栄養補助食品を含む。いくつかの実施形態では、腎臓または心血管標的化化合物は、低分子量ペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、腎臓または心血管系において心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体に結合するナトリウム利尿ペプチド(または類似体)である[Massimoら、2014年、European Heart Journal、35巻、419~425頁を参照のこと]。
【0070】
いくつかの実施形態では、標的化栄養補助食品は、炎症標的化栄養補助食品である。
【0071】
いくつかの実施形態では、炎症標的化栄養補助食品は、大豆食品中のイソフラボン(植物エストロゲン)である。
【0072】
いくつかの実施形態では、NPに付着したリガンドは、関節リウマチ(RA)に影響を及ぼす大豆由来の2つのイソフラボンであるゲニステインまたはダイゼインである。
【0073】
ゲニステインおよびダイゼインの作用の可能な機構の1つは、それらのエストロゲン様作用である。ゲニステインは、エストロゲンと構造的に関連しており、エストロゲン受容体に結合する。エストロゲン様性ホルモンがRA状態を改善および予防することが既に実証されている(McMurray 2001年)。イソフラボンが軟骨代謝に直接作用することによってそれらの効果を発揮することも可能である。エストロゲンαおよびβ受容体の両方がヒト関節の軟骨に見出され得るので、軟骨はエストロゲン受容体の修飾因子の標的でもあり得る。エストロゲンの関節内注射は、軟骨細胞中の乳酸デヒドロゲナーゼ酵素を破壊することによってマトリックスコラーゲンの破壊をもたらす。エストロゲン受容体に結合し、局所エストロゲン機能を妨害するエストロゲン様イソフラボンは、変形性関節症に有効であり得る[Mohammad-Shahi,Majidら、「Comparison of the effects of genistein and daidzein with dexamethasone and soy protein on rheumatoid arthritis in rats」、BioImpacts:BI 1巻3号(2011年):161~70頁を参照のこと]。
【0074】
いくつかの実施形態では、炎症標的化栄養補助食品は、フラボノイドおよび他の植物性化学物質である。オレガノ由来のフラボノイドおよび他の植物性化学物質を、それらのアゴニストおよびアンタゴニストPPARγ活性について特徴付けた。
【0075】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、核内受容体スーパーファミリーのサブセットである。細胞質に位置し、活性化リガンドの結合後に核に移行するエストロゲン受容体などの古典的なホルモン活性化受容体とは異なり、PPAR受容体はDNA応答エレメントに結合した核内に存在する。
【0076】
PPARへのそれらの結合を通じて、またはNF-kBおよびAP-1へのそれらの結合によって直接的に、食物由来分子は炎症過程を阻害することができる。
【0077】
これまで論じてきた不飽和脂肪酸とは全く異なる構造および特性を有する食物由来植物性化学物質は、活性に基づく分画によってオレガノから特徴付けられている。化合物は、最初にPPARγ蛍光偏光アッセイを使用してリガンドとして同定され、その後、ロシグリタゾン誘導性細胞応答を阻害するそれらの能力に基づいてアゴニストまたはアンタゴニストとして分類された。
【0078】
いくつかの実施形態では、NPは、食物由来フラボノイドであるケルセチン、ルテオリン、ロスマリン酸およびジオスメチンである。食物由来フラボノイドはPPARγアンタゴニストであることが見出され、ナリンゲニンおよびアピゲニンは修飾因子であり、ビオカニンAはPPARγアゴニストであることが見出された[Martin,H.(2010年)Role of PPAR-gamma in inflammation.Prospects for therapeutic intervention by food components.Mutation Research/Fundamental and Molecular Mechanisms of Mutagenesis、690巻(1~2号)、57~63頁を参照のこと]。
【0079】
これらの植物性化学物質のバイオアベイラビリティに対処する必要があるが、このアプローチは、結合部位の乱雑な性質のために、多くの一般的な植物性化学物質がPPARγ活性に影響を及ぼす可能性があることを実証している。クルクミンと構造的に類似しているショウガの活性成分であるジンゲロンもまた、PPARγ発現を増加させるその能力によって抗炎症性である。
【0080】
いくつかの実施形態では、炎症標的化栄養補助食品はジンセノサイドである。
【0081】
ジンセノサイドReは、マクロファージ上のTLR4へのリポ多糖の結合を阻害することによって炎症を改善する[Lee,In-Ahら、「Ginsenoside Re ameliorates inflammation by inhibiting the binding of lipopolysaccharide to TLR4 on macrophages.」 Journal of agricultural and food chemistry 60巻38号(2012年):9595~9602頁を参照のこと]。ジンセノサイドRb1およびその代謝産物である化合物Kは、炎症の重要なステップであるIRAK-1活性化を阻害する[Joh,Eun-Haら、「Ginsenoside Rb1 and its metabolite compound K inhibit IRAK-1 activation-the key step of inflammation.」 Biochemical pharmacology 82巻3号(2011年):278~286頁を参照のこと]。
【0082】
予備研究では、オタネニンジン(Panax ginseng)(ウコギ(Araliaceae)科)の根の主成分であるジンセノサイドRb1およびその代謝産物化合物Kは、リポ多糖(LPS)刺激マウス腹膜マクロファージにおいて、炎症の重要な因子である核転写因子κB(NF-κB)活性化を阻害した。ジンセノサイドRb1および化合物Kはまた、インターロイキン-1受容体関連キナーゼ-1(IRAK-1)、IKK-β、NF-κBおよびMAPキナーゼ(ERK、JNKおよびp-38)の活性化を有意に阻害した。
【0083】
いくつかの実施形態では、炎症標的化栄養補助食品は、スピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis)からのc-フィコシアニンビリタンパク質である。
【0084】
C-フィコシアニンは、非常に低いIC50 COX-2/IC50 COX-1比(0.04)を有するシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の選択的阻害剤である。阻害の程度は、フィコシアニンとCOX-2とのプレインキュベーションの期間に依存するが、COX-1とのプレインキュベーションの期間には何ら影響を及ぼさない[Reddy,C.Madhavaら、「Selective inhibition of cyclooxygenase-2 by C-phycocyanin,a biliprotein from Spirulina platensis.」 Biochemical and biophysical research communications 277巻3号(2000年):599~603頁を参照のこと]。
【0085】
いくつかの実施形態では、標的化栄養補助食品は、ウイルス炎症標的化栄養補助食品である。
【0086】
いくつかの実施形態では、ウイルス炎症標的化栄養補助食品はフコイダンである。
【0087】
ウイルスによる宿主細胞の感染過程における必須免疫グロブリンであるTリンパ球上のCD4糖タンパク質へのフコイダンの結合によって、抗ウイルス活性が確保される
[Chollet,Lucasら、「Fucoidans in nanomedicine.」 Marine drugs 14巻8号(2016年):145頁を参照のこと]。
【0088】
ガラクトフカンの作用機序は、ウイルス結合および宿主細胞への侵入の阻害であることが示された。さらに、最近の研究に示されているように、藻類フコイダンはIgEおよびTh2サイトカイン産生を抑制することが見出されている。
【0089】
治療活性:いくつかの実施形態では、複合体は、少なくとも1つの活性医薬成分(API)を含む。APIは、薬理学的(または治療的)効果を有する化合物である。いくつかの実施形態では、APIは、合成化合物、天然産物、半天然産物または神経化学物質である。いくつかの実施形態では、APIは活性栄養補助食品である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのAPIは、NPの外面/シェルに結合/付着し、ナノ粒子の内部容積と共に含有されるか、またはNP内(NPの脂質層内)に結合する。いくつかの実施形態では、複合体は、リガンドおよびAPIに結合するリンカーを含む。
【0090】
「活性栄養補助食品(ANI)」という用語は、天然源に由来するかまたは起源をもち、それに罹患している対象の疾患、障害または状態の予防および/または処置に有益であることが臨床的に示されている化合物を指す(Chaoら(2012年)Nutrition Reviews、70巻(7号)、373~386頁の定義も参照のこと)。ANIは、中枢または末梢神経系(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病または多発性硬化症)、新生血管形成または新生物悪性増殖(固形癌腫瘍)、内分泌系(糖尿病など)または胃腸系(胃潰瘍またはIBDなど)などの様々な系および障害を標的とすることができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、活性栄養補助食品は、神経活性栄養補助食品である。
【0092】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの神経活性栄養補助食品は、単純なポリフェノールおよびフェノール酸誘導体、例えば没食子酸、クルクミン、フェルラ酸、ロスマリン酸およびベルバスコシドを含むポリフェノールから選択される。栄養補助食品は、フラボノイド(カテキン、エピカテキン、EGCG、ケンペロール、モリン、ミリセチンまたはケルセチンなど)、フラボン(アピゲニン、スクテラレインおよびバイカレインなど)、イソフラボン(ゲニステインなど)、アントシアニジン(デルフィニジンおよびプロアントシアニジンなど)、タンニン(タンニン酸など)、スチルベン(例えば、ピセアタンノール、ピセイド、レスベラトロール、ビニフェリン)、オメガ脂肪酸(エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)など)およびリグナン(ノルジヒドログアヤレチン酸(NDGA)など)を含む複合ポリフェノールから選択することができる。(神経)活性栄養補助食品は、マンニトール、ソルビトール、およびそれらの任意の組み合わせのような糖アルコールであってもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、神経活性栄養補助食品は、抗酸化特性および神経保護特性を有する。
【0094】
いくつかの実施形態では、活性栄養補助食品は、腫瘍活性栄養補助食品である。
【0095】
いくつかの実施形態では、腫瘍活性栄養補助食品は、癌細胞の増殖を制御することができる。いくつかの実施形態では、腫瘍活性栄養補助食品は、クルクミン、オレイン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、活性栄養補助食品は、アホエン、アリシン、アリルイソチオシアナート、ベルガプテン、β-カロテン、α-シトステロール、カンタキサンチン、カプサイシン、カルノソール、シネオール、シンナムアルデヒド、シトラール、クロシン、クルクミン、ジアリルジスルフィド、ジアリルスルフィド、ジアリルトリスルフィド、[6]-ジンゲロール、ケンペロール、リモネン、ルテイン、ミリスチシン、[6]-パラドール、ロスマリン酸、S-アリルシステイン、S-アリルメルカプトシステイン、セサミン、セサモリン、ショウガオール、スルフォラファン、テルピネン-4-オール、ツルメロンおよびウルソール酸から選択されるスパイス抽出物である。
【0096】
いくつかの実施形態では、腫瘍活性栄養補助食品は、アルカンニン(またはアルカンの類似体もしくはエナンチオマー)などの色素である。いくつかの実施形態では、腫瘍活性栄養補助食品は、植物ホルモン、例えばジャスモン酸(JA)(リンパ芽球性白血病細胞において死を誘導することが示されている)またはその誘導体、例えばジャスモン酸メチル(癌細胞株において増殖を阻害することが示されている)である。
【0097】
いくつかの実施形態では、活性栄養補助食品はBcL-2タンパク質を調節する。
【0098】
いくつかの実施形態では、標的化栄養補助食品は、エンド活性栄養補助食品である。
【0099】
いくつかの実施形態では、エンド活性栄養補助食品は、スチルベンまたはスチルベノイド(ピセアタンノールおよびレスベラトロールなど)からなる群から選択されるポリフェノールである内分泌系を調節することができる。いくつかの実施形態では、活性栄養補助食品はホルモン(インスリンなど)である。
【0100】
いくつかの実施形態では、活性栄養補助食品は、胃または腸などの胃腸管で活性な胃活性栄養補助食品である。
【0101】
いくつかの実施形態では、胃活性栄養補助食品は脂溶性ビタミン(例えば、A、D、E、K)である。いくつかの実施形態では、胃活性栄養補助食品は、脂質、例えば多価不飽和脂肪酸(PUFA)である。PUFAは、プロスタグランジンE(2)およびロイコトリエンB(4)のような炎症性エイコサノイドの前駆体であるn-6 PUFAアラキドン酸(AA)、ならびに魚油に豊富に存在するn-3 PUFAエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)であり得る。脂質および脂溶性ビタミンは、NPの脂質(二重)層に溶解することができる。いくつかの実施形態では、NPは、ビタミンとPUFAとの組み合わせを含むことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、胃活性栄養補助食品は、ステビア・レバウディアナ(Stevia rebaudiana)の葉から抽出された食品添加物であるステビアなどのポリフェノールである。その生物活性要素および/または代謝産物としては、ステビオール、ステビオールグリコシド、主にレバウジオシドAおよびステビオシドが挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、クルクミンなどの環状または直鎖状(クルクミノイド)ジアリールヘプタノイドである。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)などの緑茶フラボノイドである。
【0103】
別段の定めのない限り、数量に関して「約」という用語は、明示された公称値の±25%の許容範囲を指す。
【0104】
別段の定めのない限り、数値範囲は全て、明示された範囲の限界値を含む。
【0105】
ここで、哺乳動物の身体の標的組織または標的細胞22に活性医薬成分(API)を送達するための組成物であって、少なくとも1つのナノ粒子10と、ナノ粒子10に含有される少なくとも1つのAPIと、標的組織または標的細胞22に特異的に結合するように構成される少なくとも1つの栄養補助リガンド13とを含む複合体を含み、APIが、栄養補助リガンド13の媒介によって標的組織または標的細胞22で活性化されることを特徴とする、組成物を参照する。
【0106】
少なくとも1つの栄養補助リガンド13を少なくとも1つのナノ粒子10に結合するリンカー17をさらに含む組成物をさらに特徴とする、上記に定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0107】
栄養補助食品が標的化栄養補助食品であることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0108】
ナノ粒子10が、リポソーム、ミセル、固体脂質ナノ粒子、シクロデキストリンナノ粒子、デンドリマー、ポリマーナノ粒子、マイクロ/ナノエマルジョン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0109】
ミセルが単層または二重層11構造であることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0110】
ナノ粒子10が10~250nmの範囲にあることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0111】
APIが化学的結合または物理的結合を介してナノ粒子10に結合していることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0112】
API 14が単層または二重層11内に含有されるか、API 15が二重層11の層間に含有されるか、またはAPI 16が単層もしくは二重層11の外層に結合されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0113】
化学的結合または物理的結合が共有結合、水素結合、ファンデルワールス結合、疎水結合、静電結合、ロンドン結合、イオン結合、塩架橋、吸着、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0114】
組成物が、標的組織または標的細胞22でAPIを放出するように適合されていることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0115】
APIが、栄養補助食品、小分子、フードサプリメント、タンパク質、ホルモン、ペプチド、および脂肪酸からなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0116】
栄養補助食品が活性栄養補助成分(ANI)であることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0117】
ANIが神経活性栄養補助食品、腫瘍活性栄養補助食品、エンド活性栄養補助食品、胃活性栄養補助食品、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0118】
ANIがクルクミンであることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0119】
APIが一般に安全と認められている(GRAS)ことをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0120】
栄養補助リガンド13が、神経標的化化合物、腫瘍標的化化合物、胃標的化化合物、エンド(膵臓)標的化化合物、心血管標的化化合物、腎臓標的化化合物、炎症標的化化合物、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0121】
神経標的化化合物が、カフェイン、テオブロミン(キサンテオース)、パラキサンチン、テオフィリン、1,3,7-トリメチル尿酸、ガラナ(パウリニア・クパナ(Paullinia cupana)、HBK)、フェネチルアミン(PEA、チョコレート)、トリプタミン(アカシア(Acacia))、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0122】
神経標的化化合物が、バイカレイン、ウォゴニン、オロキシリンA、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0123】
栄養補助リガンド13が一般に安全と認められている(GRAS)ことをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0124】
組成物が、以下の少なくとも1つ:前記標的組織におけるAPIのより高い濃度、非標的組織におけるAPIのより低い濃度、前記標的組織におけるAPIのより高い活性、標的組織におけるAPIの活性の延長、標的細胞22への前記APIの送達の増加を達成するように構成されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0125】
APIの送達機構が、能動的または受動的取り込み機構としてさらに特徴付けられる、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0126】
APIの取り込み機構が、少なくとも1つのAPIを含有する少なくとも1つのナノ粒子10の取り込み、または少なくとも1つのナノ粒子10から放出された少なくとも1つのAPIの取り込みとして定義されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0127】
少なくとも1つのAPIを含有する少なくとも1つのナノ粒子10の取り込み機構がエンドサイトーシスであることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0128】
エンドサイトーシスの様式が、受容体媒介エンドサイトーシス、クラスリン媒介エンドサイトーシス、非媒介エンドサイトーシス、カベオラ、飲作用および食作用からなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0129】
能動的取り込み機構が、トランスポーター、ポンプおよびチャネルからなる群の1つによって促進されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0130】
受動的取り込み機構が、拡散、促進拡散および濾過からなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0131】
取り込みが二次能動輸送、共役輸送または共輸送からなる群から選択されることをさらに特徴とする、上記のいずれかに定義される上記の組成物をさらに参照する。
【0132】

例1:ナノ粒子複合体の調製
活性栄養補助食品を含有するコアを覆う標的化栄養補助食品を含有するリポソームを、活性栄養補助食品を負荷し、標的化栄養補助食品で「装飾された」モノオレイン酸グリセリル(GMO)などの自己集合性両親媒性生体適合性脂質を製剤化することによって製造する。リポソームは、超音波処理、押出、逆相蒸発および溶媒注入によって製造することができる。製造は、製造されたリポソームのサイズによる分離をさらに含み得る。
【0133】
細胞取り込み試験[Ismailら、2013年、International Journal of Nanomedicine、8巻、393~406頁に記載]。薬物負荷NPの細胞取り込みは、実質的な治療応答を誘導するのに十分な薬物レベルを達成するために不可欠である。
【0134】
ADME(標的化:吸収、分布および蓄積試験-標的栄養補助食品を負荷したNP(リポソーム)を、蛍光色素または放射性(3H、14C)リポソームで標識する。負荷されたリポソームをマウスに注射し(静脈内、消化管腔を介して、皮下)、スキャンして標的組織における蛍光色素の蓄積を同定および測定する。
【0135】
例2:神経機能:
細胞生存率試験を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイをPC12細胞において行った細胞生存率試験を介して、ロテノン誘導毒性に対する装飾されたリポソームの効果を評価するために行う。ロテノンを用いた細胞毒性試験は、2μg/mLのロテノンが約50%の細胞死を引き起こす用量依存性を明らかにするはずである。さらに、ロテノン誘導毒性に対する装飾されたリポソームの保護効果を試験するために、PC12細胞を天然またはリポソームナノ製剤中の様々な濃度のカフェイン/バイカレイン/ウォゴニン/オロキシリンAマンニトール、またはその両方と共にロテノン(2μg/mL)に曝露する。
【0136】
図3に示すように、クルクミンを含有するカフェインで装飾されたSNLは毒性でないことが示された。
【0137】
インビボ試験 体重260±20gのWistar系の雄アルビノラットに対してインビボ試験を行う。実験を開始する前に、動物を1週間順応させ、研究を通してラット飼料および水を自由に摂取させた。実験は、1964年6月のヘルシンキでの第18回世界医師会総会に従い、2008年10月のソウルでの第59回世界医師会総会によって更新された、大学の動物実験委員会または民間施設職員によって承認された倫理的手順および方針に従って行われる。
【0138】
ラットを、それぞれ12匹の動物を含む2つの群に割り当てる。I群ラットに超純水を経口投与し、正常対照とした。II群では、ラットに装飾物(50mg/kg/日)を経口投与する。ラットを追跡し、3ヶ月間評価する。
【0139】
行動実験[Ismailら、2013年、International Journal of Nanomedicine、8巻、393~406頁に記載]
【0140】
モリス水迷路-3ヶ月後、モリス水迷路(MWM)試験によって空間記憶を測定する。水迷路は、その周囲の4つの固定点によって4つの四分円に分割されている、円形の水タンク(直径160cmおよび高さ35cm)からなった。水迷路は、試験全体を通して水槽の一定の四分円に配置され、水面下1.5cmに保たれている、(視覚による偽陽性結果を排除するために)水槽の残りの部分と同じ色の直径10cmの逃避プラットフォームを含む。ラットを、逃避領域を含まない四分円の縁の中央の開始点に、顔を壁に向けて置く。動物に、5日間連続して10分間隔で1日あたり4回の試験を行い、その間に隠れたプラットフォームを見つけるのに必要な時間を平均化する。
【0141】
さらなる試験には、他の可能性のある研究実験の中でも、脂質ベースのリポソーム、PDのロテノン誘導マウスモデルにおける機能障害の回復、細胞内酸化ストレスの測定、オートファジー-リソソーム機能(オートファジー-リソソーム経路(ALP)は、異常な凝集したタンパク質を除去するための重要な機構であり、十分な証拠によって、この経路における疾患進行を悪化させる障害が示唆されている)の誘導、アポトーシスの調節、マンニトール負荷およびカフェインで装飾されたリポソームの血漿バイオアベイラビリティおよび脳生体内分布、PDのロテノン誘導マウスモデルにおける機能障害の回復が含まれる。
【0142】
予備的結果:図4a~図4dに示されるように、ヒトアストロサイト(U-87 MG細胞株)の処置の1時間後(図4b)および1.5時間後(図4c~図4d)において、リガンドを含まないSLN対照試料およびSLNを含まないカフェイン試料と比較して、クルクミン蛍光の有意な増大がSLN+カフェイン試料の後で認められた。これは、カフェイン13による試料のコーティングが1.5時間でクルクミン14の細胞内含有量を増加させることを示す。さらに、図4eに示すように、カフェインに対するアンタゴニストによるA2R受容体の遮断は、クルクミン含有量をSLN対照(20mg/mlの濃度)と同じレベルまで減少させる。前記細胞株の蛍光イメージングでは、SLN 10対照(図6b)および未処理細胞30(図6c)と比較して、1.5時間でのSLN 10+カフェイン13処理で有意に高いクルクミン32染色を観察することができる(図6a)。未処理細胞30では、緑色は検出できない。SLN 10対照細胞30では、特定の量の緑色が細胞30の核31の周りで検出可能である。カフェインで装飾された細胞30では、緑色は非常に強いので、核31の青色と干渉さえする。蛍光画像の数値解析については後述する。
【0143】
ドーパミン受容体、ヒト神経芽腫細胞(SH Sy5Y)を含む別の細胞株では、図5aに示すように、1時間後、SLN 10対照試料およびクルクミン14試料と比較して、SLN 10+カフェイン13試料の後にクルクミン14蛍光の有意な増加が観察された。しかし、図5bに示すように、3.5時間の処理後、SLN 10対照試料およびクルクミン14試料の蛍光は、かなり減少したSLN 10+カフェイン13試料とは対照的に、同じレベルのままであった。この効果については説明が必要である。しかしながら、上記の結果は、リガンド13がAPI 14の取り込みに及ぼす影響を依然として示している。
【0144】
パーキンソン病:PD処置の評価を、6-OHDAおよびMPTPパーキンソン病モデルの両方で、NPをマウスに投与して評価する(n=8)。マウスに、生理食塩水中のMPTP-HCl(18mg/kgの遊離塩基)を2時間間隔で4回腹腔内(i.p.)注射した。中毒マウスを、経管栄養針を使用した経管栄養によるMPTPの最後の注射の3時間後から、神経標的化栄養補助食品および神経活性栄養補助食品を含む100μLのNPベースの組成物で毎日処置する。
【0145】
2つのタイプの行動実験:自発運動活性についてのオープンフィールド実験および足の動きについてのロータロッド実験を行う。自発運動活性を、Digiscan Monitor(Omnitech Electronics,Inc.、Columbus、OH)で、MPTP注射の最後の投与の7日後に測定する。このDigiscan Monitorは、常動および立ち上がり、線条体によって直接制御される挙動、ならびに水平活動、総移動距離、移動回数、移動時間、休止時間、平均距離、平均時間、および中心時間(center time)などの他の基本的な自発運動パラメータを記録する。任意の傷害または処置の前に、マウスをDigiscan Infra-red Activity Monitorに毎日10分間、およびロータロッドに毎日10分間、3日間連続して入れて訓練し、それらのベースライン値を記録する。手短に言えば、動物をケージから直接取り出し、オープンフィールド装置の指定された隅に鼻から先に静かに置き、解放後、5分間隔ごとにデータ取得を開始した。DIGISCANソフトウェアを、赤外線ビームによって自動的に監視される水平および垂直活動データを分析および記憶するために使用する。ロータロッドでは、異なる速度でマウスの足の動きを観察する。ストレスおよび疲労を解消するために、マウスに5分間の休息期間を与える。次いで、MPTPの最後の投与の7日後、オープンフィールドアッセイおよびロータロッド試験を6時間間隔で2回、各マウスで別々に実施する。自発運動活性測定値をベースライン値比較後に評価する。
【0146】
多発性硬化症:6週齢の雄DAラット(n=8、体重=200gr±20gr)を23±2℃、相対湿度50%に保ち、午前6時に点灯、午後6時に消灯する。動物には、市販の食餌を自由に与え、水を自由に摂取させる。EAE疾患を、等量の新たに抽出したDAラット脊髄ホモジネート(生理食塩水中50% w/v)と7mg/mlの結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含有する完全フロイントアジュバント(CFA)とを混合することによって調製した脳炎誘導エマルジョンでラットを免疫することによって誘導する。免疫したラットをモニタリングし、神経学的スコアを、EAEの臨床症状について疾患誘導後5日目から毎日非盲検様式で評価する。臨床疾患を、以下の尺度に従って典型的な徴候についてスコア化する:0、臨床徴候なし;1、弛緩尾;2、後肢脱力;3後肢不全麻痺;4、完全な両側後肢麻痺;5、EAEによる死亡]。神経標的化栄養補助食品および神経活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物を、水中に最大0.5%で作られ、0.6%の最終濃度に達するようにTween 80を添加したカルボキシメチルセルロースに懸濁し、34日間毎日経口投与する。処置的処置のために、臨床疾患の徴候についての動物のモニタリングを、疾患誘導の5日後に開始する。
【0147】
アルツハイマー病:ADの二重トランスジェニック動物モデル(ロンドン変異(V717I)を有するヒトAPPおよびA246E変異を有するヒトPS1を過剰発現する)で実験を行う。6月齢マウス(n=8、体重=動物を、神経標的化栄養補助食品および神経活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物の脳室内(i.c.v.)注入および腹腔内(i.p.)注射によって8週間処置する。処置に対する免疫学的応答を、i.p.処置動物で試験する。組織学的分析を、アミロイド斑、大脳皮質および海馬におけるアミロイド負荷についてそれぞれ行う。
【0148】
例3:腫瘍学的機能
癌:様々な癌型のインビトロスクリーニング、次いでインビボマウスモデル-脳神経膠腫、結腸癌、乳癌に対する異種移植マウスの様式で、装飾されたリポソームを試験する。腫瘍細胞(結腸癌)を免疫不全宿主(重症複合免疫不全(SCID)マウス)の皮下で14日間増殖させる。腫瘍を測定し、腫瘍標的栄養補助食品および腫瘍活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物を注射する。腫瘍を処置後14日間評価する。
【0149】
解糖遮断薬:インビボでの腫瘍増殖に対するNPの効果を試験するために、6週齢の雄SCIDマウスにB16黒色腫細胞(または他の癌細胞)を皮下注射する(マウス1匹あたり1×10細胞、群あたり6匹のマウス)。異種移植片を確立した後、腫瘍担持マウスに、腫瘍標的栄養補助食品を含むNPベースの組成物を投与し、腫瘍活性栄養補助食品を腹腔内注射によって注射する。マウスを14日間評価する。
【0150】
例4:内分泌機能:
糖尿病:化学モデルは、グルコース低下処置の評価に有効であることが示されている。STZ[2-デオキシ-2-(3-(メチル-3-ニトロソウレイド)-D-グルコピラノース]を(i.p.またはi.v.を介して)投与し、これはGlut-2トランスポーターを介して膵臓ベータ細胞に入り、DNAのアルキル化を引き起こす(Szkudelski、2001年)。その後のPARPの活性化は、NAD枯渇、細胞ATPの減少およびその後のインスリン産生の阻害をもたらす(SandlerおよびSwenne、1983年)。単回用量のSTZ(150mg/kg)をマウスに投与する(n=8)。STZ投与の24時間後、膵臓標的化栄養補助食品および膵臓活性栄養補助食品を含むNPを、i.p.を介してマウスの半分に投与し、両方の群の血糖値を10日間追跡する。
【0151】
Wistar-Bratislavaアルビノ雄ラット(n=8、体重225gr±25gr)を、一定の温度(24±2℃)、湿度60±5%、および明暗体制でポリプロピレンケージに保つ。ラットには、食物および水を無制限に摂取させる。Porfireらに従って、膵臓標的化栄養補助食品および膵臓活性栄養補助食品を含むNPを、STZ投与の30分前にi.p.投与する。72時間後、空腹時血漿グルコースを確認し、血漿グルコース値が200mg/dLを超える動物を糖尿病性と見なす(そして試験に含める)。
【0152】
膵臓リパーゼ活性アッセイ:市販の膵臓リパーゼをMcDougallらに従って調製する。膵臓リパーゼを調製し、SDS-PAGE分析によってリパーゼおよびコリパーゼの純度を推定する。タンパク質濃度をBradfordによって決定する。膵臓リパーゼ基質(pNPL、容積あたり0.08質量%)を5mM酢酸ナトリウム溶液(pH=5.0、1% Triton X-100)に溶解する。膵臓標的化栄養補助食品および膵臓活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物は、メタノール中に3つの異なる濃度で溶解した。オルリスタット溶液をメタノール中1.2mg/mLで調製する。溶媒中の化合物の安定性を、それらのUV-Visスペクトルを測定することによってアッセイ時に試験する。
【0153】
例5:胃腸機能:
炎症性腸疾患(IBD)(TNBSモデル):6~8歳のWisterラット(240~280g)(n=10)に100mg/kgを絶食期間(24時間)後に投与して、5の平均ウォレススコアを得る。投与の3日後および7日後にマウスを評価する。TNBS投与の7日後、マウスを胃標的化栄養補助食品および胃活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物で処置し、14日間評価する。
【0154】
脂肪肝:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が一般的な医学的問題として浮上している。マウスに、相当量のスクロース(エネルギーの40%)からなり、脂肪が中程度に濃縮され(10%)、メチオニンおよびコリンが欠乏している食餌を与える。雄野生型(WT)マウスC57Bl/6に、MCD食(MP Biomedicals、番号960439;n=15マウス)を8週間与えた。食餌開始は12週齢で開始し、マウスを、食餌8週間後(20週齢)に標的栄養補助食品および活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物で処置した。炎症を3週間追跡する。
【0155】
胃潰瘍:Balbcマウス(n=8)を、1ccシリンジ(約2×10個の生物)に取り付けた24ゲージ×1インチの直線ステンレス鋼供給管を使用して、胃内で0.2ccの接種物でピロリ菌(H.pylori、Sydney株)に感染させる。マウスに、1日に1回、それぞれ1~2日間隔で合計3回投与する。感染の21日後、マウスを、胃標的化栄養補助食品および胃活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物で処置する。マウスを15日間評価する。
【0156】
肥満:肥満糖尿病(ZDF)ラット(n=8、平均体重135gr±5gr)を、病原体を含まない条件下、23±0.5℃および相対湿度55%±10%にて12時間の明暗サイクルで維持し、水および市販の食餌を与え、マウスを胃標的化栄養補助食品および胃活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物で14週間処置し、体重を追跡することによって評価する。
【0157】
ヒト膵臓由来のリパーゼの酵素アッセイ:肥満は、エネルギーバランスの乱れであり、主に脂質代謝の障害と考えられている。脂質代謝経路に関与するますます多くの酵素が同定され、特徴付けられている。それらは、肥満の潜在的な治療標的の豊富なプールを表す。合成され分泌される主要な脂肪分解酵素であるPL(トリアシルグリセロールアシルヒドロラーゼ)の阻害は、より新しい抗肥満薬の開発のためのアプローチの1つである。市販の抗肥満薬であるテトラヒドロリプスタチン(オルリスタット)は、既知の膵臓リパーゼ阻害剤である。NPは、それらの抗肥満能にアクセスするためのインビトロでのリパーゼ活性をさらに特徴とする。膵臓リパーゼ活性の測定、インビトロでのリパーゼ活性を、トリオレインからのオレイン酸の放出速度を測定することによって決定する。
【0158】
例6:腎臓機能:
腎機能性:8週齢の雌Wistarラット(n=12、体重180gr±20gr)を、制御された明暗サイクルの下、一定の室温(20℃)および湿度(75%)で単一の代謝ケージに収容する。ラットに標準的な固形飼料食を与え、動物に飲料水を自由に摂取させた。0日目に、腎標的化栄養補助食品および腎活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物でラットを処置した。腎臓の形態学的研究のために、4匹のラットを7日ごとに屠殺する。
【0159】
腎炎:試験は、正常血圧の雌Wistarラット(n=8、体重210gr±20gr)で行う。免疫複合体性腎炎を、5mgの不完全フロイントアジュバント(CFA)の初期皮下注射を受けているラットで誘導する。3週目に、第2の用量を不完全フロイントアジュバントで投与する。4週目に、10mgのオボアルブミンの毎日の腹腔内投与を開始する。タンパク尿は、9週目から現れるはずである。タンパク尿が20~50mg/日に達したら、動物を、腎標的化栄養補助食品および腎活性栄養補助食品を含むNPベースの組成物で経口処置する。タンパク尿の発症の3週間後、動物を屠殺し、血液を採取し、腎臓を摘出する。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
【国際調査報告】