(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241001BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20241001BHJP
F21V 5/02 20060101ALI20241001BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20241001BHJP
G02B 5/04 20060101ALI20241001BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241001BHJP
【FI】
F21S2/00 431
F21V5/00 530
F21V5/02 400
F21V5/02 150
G02F1/13357
G02B5/04 A
F21Y115:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518932
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2024-03-26
(86)【国際出願番号】 CN2022096165
(87)【国際公開番号】W WO2023184696
(87)【国際公開日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】202210336674.3
(32)【優先日】2022-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515353464
【氏名又は名称】ラディアント オプト‐エレクトロニクス (ナンジン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュン、チア-イン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ポ-チャン
(72)【発明者】
【氏名】リン、クン-チェン
【テーマコード(参考)】
2H042
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H042CA14
2H042CA17
2H391AA15
2H391AB04
2H391AC13
2H391AC24
2H391AC25
2H391AC53
3K244AA01
3K244BA07
3K244BA11
3K244BA14
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA14
3K244GB02
3K244GB06
3K244GB13
3K244GC03
3K244GC13
3K244GC27
(57)【要約】
光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール及び表示装置を提供し、バックライトモジュールは、導光板と、光源と、第1の光学フィルムとを含む。導光板は、入光面と法線を有する出光面を有する。光源は、入光面に隣接して設けられる。第1の光学フィルムは、出光面に対して設けられ、並列されたプリズムと複数のマイクロ構造を含む。各プリズムの延在方向は法線に垂直であり、各プリズムは導光板の出光面に面する。各マイクロ構造は、第1の光学フィルムの導光板に背向する表面に位置する。各マイクロ構造は、複数のファセットを有する錐体構造である。複数のプリズムは、複数のマイクロ構造と出光面との間に位置する。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュールであって、
入光面と、法線を有する出光面とを有する導光板と、
前記入光面に隣接して設けられた光源と、
前記出光面に対して設けられた第1の光学フィルムとを含み、
第1の光学フィルムは、複数の並列されたプリズムと複数のマイクロ構造とを含み、
各前記プリズムの延在方向が前記法線に垂直であり、且つ各前記プリズムが前記導光板の前記出光面に面して、
各前記マイクロ構造は、前記第1の光学フィルムの前記導光板に背向する表面に位置し、各前記マイクロ構造は、複数のファセットを有する錐体構造であり、複数の前記プリズムは、複数の前記マイクロ構造と前記出光面との間に位置する、
光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項2】
複数の第2の光学フィルムをさらに含み、前記第1の光学フィルムは、前記複数の第2の光学フィルムと前記出光面との間に位置し、前記複数の第2の光学フィルムは、複数のプリズムシートを含む、
請求項1に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項3】
各前記プリズムシートは、並列された複数のプリズムストリップを含み、前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向は、他の前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向に垂直である、
請求項2に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項4】
前記出光面は、前記入光面の一側に接続され、前記光源は、直線に沿って並んで設けられた複数の発光ダイオードを有し、前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向は、前記直線に平行であり、他の前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向は、前記直線に垂直である、
請求項3に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項5】
前記プリズムの延在方向が前記直線に垂直である、
請求項4に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項6】
前記出光面は、前記入光面の一側に接続され、前記光源は、直線に沿って並んで設けられた複数の発光ダイオードを有し、各前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向は、前記直線と平行でも垂直でもない、
請求項3に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項7】
前記プリズムの延在方向は、前記直線に平行である、
請求項6に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項8】
複数の前記マイクロ構造は、互いに隣接する複数の角錐状の凹穴である、
請求項1から7のいずれか一項に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項9】
複数の前記マイクロ構造は、互いに隣接する複数の角錐状のバンプである、
請求項1から7のいずれか一項に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項10】
複数の前記マイクロ構造は、前記第1の光学フィルムの一辺に対して斜めにアレイ状に配列されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項11】
前記導光板は、前記出光面に対向する底面及び前記底面に形成された複数の導光構造を有し、各前記導光構造は、互いに接続された受光面及び非受光面を有し、前記受光面が前記光源の光進行方向に面し、前記受光面が前記底面との間に第1の夾角を形成し、前記非受光面が前記底面との間に第2夾角を形成し、前記第1の夾角と前記第2夾角はいずれも鋭角であり、且つ前記第1の夾角は前記第2夾角より小さい、
請求項1から7のいずれか一項に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項12】
表示装置であって、
請求項1から11のいずれか一項に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュールと、
前記バックライトモジュールに対して設置された表示パネルとを含む、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール及び表示装置に関し、特に、側辺入光型のバックライトモジュール及びそれを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバックライトモジュールは、通常、拡散シートを有して光線を均一化する。一般的に、通常の拡散シートは複数の散乱粒子を有し、これらの散乱粒子は、光線を分散に出射して光線を均一化するように、光線を散乱することができる。しかしながら、上記散乱粒子を有する拡散シートは、通常、コンシーラー(conceal)に用いられるとともに、低い光学指向性(optical directivity)を有して導光板の高い指向性を破壊する。指向性を向上させると、拡散シートのヘイズを低下させる必要があるが、コンシーラーが悪くなってしまう。プリズムシートは、輝度の向上に有利であるが、バックライトモジュールに用いられる上拡散シート、下拡散シートのヘーズが輝度と光学的なセンスの外観に影響を及ぼし、従来のバックライトモジュールの輝度(luminance)をさらに向上させることが難しい。従って、コンシーラー能力を維持するとともに、出光視野角の集光性と正面視野角の輝度を増加させることができることは、バックライトモジュールの設計の重点となる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一つの実施例は、光視野角の集光性と正面視野角の輝度を向上させることができる光学フィルムを含むバックライトモジュールを提供する。
【0004】
本発明の別の実施例は、上記バックライトモジュールを含む表示装置を提供する。
【0005】
本発明の一つの実施例に係るバックライトモジュールは、導光板と、光源と、第1の光学フィルムとを含む。導光板は、入光面と出光面を有し、出光面は法線を有する。光源は、入光面に隣接して設けられる。第1の光学フィルムは、出光面に対して設けられ、複数本の並列のプリズムと複数のマイクロ構造を含む。各プリズムの延在方向は法線に垂直であり、且つ各プリズムが導光板の出光面に面する。各マイクロ構造は、第1の光学フィルムのバックライト導光板に背向する表面に位置し、各マイクロ構造は、複数のファセットを有する錐体構造である。これらのプリズムは、これらのマイクロ構造と出光面との間に位置する。
【0006】
本発明の一つの実施例において、上記バックライトモジュールは、複数の第2の光学フィルムをさらに含み、これらの第1の光学フィルムは、これらの第2の光学フィルムと出光面との間に位置し、これらの第2の光学フィルムは、複数のプリズムシートを含む。
【0007】
本発明の一つの実施例において、各プリズムシートは、複数の並列されたプリズムストリップを含み、一方のプリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向は、他方のプリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向に垂直である。
【0008】
本発明の一つの実施例において、上記出光面は入光面の一側に接続される。光源は、直線に沿って並んで設けられた複数の発光ダイオードを有し、一方のプリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向が直線に平行であり、他方のプリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向が直線に垂直である。
【0009】
本発明の一つの実施例において、これらのプリズムの延在方向は上記直線に垂直である。
【0010】
本発明の一つの実施例において、上記出光面は入光面の一側に接続され、光源は直線に沿って並んで設けられた複数の発光ダイオードを有し、各プリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向は直線と平行でなく、且つ垂直ではない。
【0011】
本発明の一つの実施例において、これらのプリズムの延在方向は上記直線に平行である。
【0012】
本発明の一つの実施例において、これらのマイクロ構造は、互いに隣接する複数の角錐状の凹穴である。
【0013】
本発明の一つの実施例において、これらのマイクロ構造は、互いに隣接する複数の角錐状のバンプである。
【0014】
本発明の一つの実施例において、これらのマイクロ構造は、第1の光学フィルムの一辺に対して斜めにアレイ状に配列されている。
【0015】
本発明の一つの実施例において、上記導光板は、出光面に対向する底面及び底面に形成された複数の導光構造を有し、各導光構造は、互いに接続された受光面及び非受光面を有する。受光面は、光源の光の進行方向に対向し、受光面と底面との間に第1の夾角が形成され、非受光面と底面との間に第2の夾角が形成される。第1の夾角及び第2の夾角はいずれも鋭角であり、且つ第1の夾角は第2の夾角より小さい。
【0016】
本発明の別の実施例に係る表示装置は、上記バックライトモジュール及びバックライトモジュールに対して設けられる表示パネルを含む。
【0017】
上記に基づいて、これらのプリズムとこれらのマイクロ構造により、光源から発せられた光線は、まず、当該第1の光学フィルムのこれらのプリズムを通して指向性の向上の効果を発生し、その後、当該第1の光学フィルムのこちらのマイクロ構造によって、コンシーラーを維持する。このように、第1の光学フィルムは、コンシーラー能力を維持すると共に、光線を集中的に出射させることができ、それによって、バックライトモジュールの出光視野角の集光性と正面視野角の輝度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
実施例及びその利点をより完全に把握するために、以下に図面を参照しながら説明する。
【
図1A】本発明の一つの実施例に係るバックライトモジュールの平面模式図である。
【
図1B】
図1Aにおける線1B-1B断面に沿って描かれた断面模式図である。
【
図1C】
図1Bにおける第1の光学フィルムの部分平面模式図である。
【
図1D】本発明の別の実施例に係る第1の光学フィルムの部分平面模式図である。
【
図2A】本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの平面模式図である。
【
図2B】
図2Aにおける線2B-2B断面に沿って描かれた断面模式図である。
【
図2C】
図2Bのバックライトモジュールの斜視模式図である。
【
図2D】
図2Bにおける一部の第2の光学フィルムの平面模式図である。
【
図2E】
図2Bにおける一部の第2の光学フィルムの平面模式図である。
【
図3A】本発明の別の実施例における複数のプリズムシートの平面模式図である。
【
図3B】本発明の別の実施例における複数のプリズムシートの平面模式図である。
【
図4A】比較例のバックライトモジュールと
図1Bに示すバックライトモジュールの両方の空間輝度分布図である。
【
図4B】比較例のバックライトモジュールと
図1Bに示すバックライトモジュールの両方の空間輝度分布図である。
【
図5A】比較例のバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図5B】本発明の複数の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図5C】本発明の複数の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図5D】本発明の複数の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図5E】本発明の複数の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図6】本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの断面模式図である。
【
図7】本発明の一つの実施例に係る表示装置の側面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明において、本願の技術的特徴を明確にするために、図面における素子(例えば、層、フィルム、基板及び領域など)の寸法(例えば、長さ、幅、厚さ及び深さ)は、異なる割合で増幅され、且つ、ある素子の数が減少する。従って、以下の実施例の説明及び解釈は、図面における素子の数及び素子が示す寸法及び形状に限定されず、実際のレシピ及び/又は公差による寸法、形状及び両者のばらつきをカバーすべきである。例えば、図面に示される平坦な表面は、粗さ及び/又は非線形の特徴を有してもよく、図面に示される角は、丸みであってもいい。従って、本願の図面に示される素子は、主に模式的なものであり、素子の実際の形状を正確に描画することを意図するものではなく、本願の特許請求の範囲の保護範囲を制限するためのものではない。
【0020】
次に、本願に記載された「約」、「近似」、又は「実質的」などといった用語は、明確に記載された数値と数値範囲をカバーするだけでなく、測定時に生じる誤差によって決定される、本願の技術分野における当業者が理解できる許可されるばらつき範囲をカバーし、この誤差は、例えば、測定システム又はレシピ条件の両方の制限に起因する。なお、「約」とは、上記数値の1又は複数の標準ばらつき内にあり、例えば±30%、±20%、±10%又は±5%内にあることを表すことができる。本願において「約」、「近似」又は「実質的に」などという用語は、光学特性、エッチング特性、機械的性質又は他の性質に応じて許容できるばらつき範囲又は標準ばらつきを選択することができ、単一の標準ばらつきで、以上の光学特性、エッチング特性、機械的性質及びその他の性質等の全ての性質をカバーすることではない。
【0021】
図1Aは、本発明の一つの実施例に係るバックライトモジュールの平面模式図であり、
図1Bは、
図1Aにおける線1B-1B断面に沿って描かれた断面模式図である。
図1A及び
図1Bを参照すると、バックライトモジュール100は、第1の光学フィルム110、導光板130及び光源190を含む。導光板130は、入光面131と出光面132とを有し、出光面132は法線N1を有し、且つ入光面131の一側に接続されてもよい。光源190は、入光面131に隣接して設けられ、入光面131に向けて光線L1を発することができる。第1の光学フィルム110は、出光面132に対して設けられ、複数の並列されたプリズム111と複数のマイクロ構造112とを含む。
【0022】
各プリズム111の延在方向E1は法線N1に垂直であり、且つ各プリズム111は導光板130の出光面132に面している。各マイクロ構造112は、第1の光学フィルム110の導光板130に背向する表面に位置し、各マイクロ構造112は、複数のファセット112sを有する錐体構造であり、これらのプリズム111は、これらマイクロ構造112と出光面132との間に位置する。また、
図1Aでは、プリズム111の向きを明確にするために、マイクロ構造112を省略し、
図1Aにおいて、太線は、隣接する2つのプリズム111の間の谷を表し、細線は、各プリズム111の山を表す。
【0023】
図1Bに示すように、導光板130は、底面133をさらに有し、出光面132と底面133とが互いに対向し、底面133と出光面132とが、導光板130の互いに対向する両面であってもよい。光源190が入光面131に向けて光線L1を発すると、光線L1は入光面131から導光板130内に入り、そのうち一部の光線L1は入光面131から底面133に入射する。底面133は、光線L1の一部を反射可能である。例えば、底面133は、全反射(Total Internal Reflection、TIR)により導光板130内で光線を絶えず反射して導光板130の後方に光線を伝達することができる。また、一部の光線L1は、底面133に配索されたマイクロ構造により全反射が破壊されて反射角度が変えられ、出光面132を介して導光板130から離れ、第1の光学フィルム110のプリズム111に入射する。これらのプリズム111により、光線L1を集中的に出射させて、指向性を高める効果が生じる。
【0024】
その後、光線L1は、プリズム111から第1の光学フィルム110内に入り、マイクロ構造112を介して第1の光学フィルム110から離れてコンシーラーを維持することができる。そのコンシーラー作用の発生は、マイクロ構造112が複数のファセット112sを有し、複数のファセット112sを介して光線L1を偏向して複数の出光方向に導き、それによって、光線エネルギーがマイクロ構造112の直上に集中しすぎることを回避してコンシーラー効果を保有するためである。一般的な網点マイクロ構造又は拡散粒子は、光線に方向が不定である散乱を発生させ、コンシーラーの方向を効果的に制御することができない。
【0025】
光線L1が導光板130と第1の光学フィルム110とを順に通過してバックライトモジュール100から離れると、プリズム111とマイクロ構造112は光線L1を屈折させることができ、光線L1の第1の光学フィルム110における出射角が光線L1の導光板130における出射角と等しくなく、且つ第1の光学フィルム110は、光線L1を法線N1の方向に向かって偏向させて出射させることができ、それによって、バックライトモジュールの出光視野角の集光性と正面の視野角の輝度を向上させる。
【0026】
従来技術のバックライトモジュールは、例えば、2枚の拡散シート、2枚のプリズムシートの構造を採用し、その出光視野角は、導光板130の出光面132の垂直方向に比べて約60度程度のスキューがあり、且つ指向性も乏しく、全体の出光エネルギーは特定の角度に限定されず、覗き見防止効果が低い。従来技術における下拡散シートの代わりに第1の光学フィルム110を使用する場合、その指向性を向上させることができ、全体の出光エネルギーも比較的に集中し、光線をより導光板130の出光面132の垂直方向に偏向させ、出光視角は約40~50度である。
【0027】
つまり、このような第1の光学フィルム110は、高い指向性とコンシーラーを維持する特性を有し、正面の視野角の輝度をさらに向上させることができ、エネルギーを節約し、航続力を増加させるとともに、輝度を向上させる未来の推移に合致する。
【0028】
さらに、また、光源190は、直線SL1に沿って並んで設けられた複数の発光ダイオード191を有する。具体的には、これらの発光ダイオード191は、1つのストライプ状の回路基板に搭載されてもよく、これらの発光ダイオード191は、一つの直線に配列する可能であり、直線SL1に沿って配列されてもよく、これらの発光ダイオード191と上記回路基板とは、1つのライトバー(light bar)に統合されてもよく、回路基板は、プリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)又はフレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit、FPC)であってもよい。また、
図1Aに示すように、第1の光学フィルム110のこれらのプリズム111の延在方向E1は、直線SL1に平行であってもよい。
【0029】
図1Cは、
図1Bにおける第1の光学フィルムの部分平面模式図であり、
図1Bに示す第1の光学フィルム110は、
図1Cにおける断面線CR1の断面に沿って描かれる。
図1B及び
図1Cを参照すると、これらのマイクロ構造112は、互いに隣接する複数の角錐状の凹穴であってもよく、ファセット112sは、角錐状の凹穴の側壁であってもよい。例えば、各マイクロ構造112はピラミッド型の凹穴であってもよいため、各マイクロ構造112は四つのファセット112s(即ち側壁)を有してもよく、対向する両面のファセット112sの間の夾角は約90度であってもよい。従って、これらのマイクロ構造112は、X軸方向、Y軸方向に対していずれも対称な正ピラミッドであってもよく、X軸方向、Y軸方向のいずれか一方に対して対称であり、他方に対して非対称である非対称なピラミッドであってもよく、これにより、異なる方向に異なる程度の光線の偏向が生じさせて、異なる方向のコンシーラー効果を効果的に制御することができる。また、他の実施例において、これらのマイクロ構造112は、互いに隣接する複数の角錐状のバンプであってもよく、その形状はピラミッド形であってもよく、ファセット112sは角錐状のバンプの側面であってもよい。従って、マイクロ構造112はバンプ又は凹穴であってもよく、
図1B及び
図1Cは例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
図1B及び
図1Cにおいて、これらのマイクロ構造112は、第1の光学フィルム110の一辺に沿ってマトリックスに配列されているが、
図1Dに示される他の実施例において、
図1Dにおける第1の光学フィルム110’のこれらのマイクロ構造112は、第1の光学フィルム110の一辺に対して斜めにアレイ状に配列されてもよい。
【0030】
図2Aは、本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの平面模式図であり、
図2Bは、
図2Aにおける線2B-2B断面に沿って描かれた断面模式図である。
図2A及び
図2Bを参照すると、本実施例のバックライトモジュール200は、前記実施例のバックライトモジュール100と類似している。例えば、バックライトモジュール200も、第1の光学フィルム110、導光板130、及び光源190を含む。以下、主にバックライトモジュール100と200との間の相違点について述べる。バックライトモジュール200及び100の同様の点に対して基本的に説明を繰り返さない。
【0031】
本実施例では、光源190におけるこれらの発光ダイオード191も直線SL1に沿って並んで設けられている。しかしながら、上記実施例におけるバックライトモジュール200と異なり、
図2Aに示すように、第1の光学フィルム110のこれらのプリズム111は延在方向E2に沿って延在し、延在方向E2は直線SL1に垂直である。延在方向E1は直線SL1に平行であるため、延在方向E1は延在方向E2に垂直であってもよい。
【0032】
図2Cは、
図2Bのバックライトモジュールの斜視模式図である。
図2B及び
図2Cを参照すると、バックライトモジュール200は、複数の第2の光学フィルム221及び拡散シート222をさらに含み、第1の光学フィルム110は、これらの第2の光学フィルム221、拡散シート222、及び出光面132の間に位置する。これらの第2の光学フィルム221は、複数のプリズムシートを含んでもよい。
図2Bに示す実施例において、第2の光学フィルム221はプリズムシートであり、これらの第2の光学フィルム221は拡散シート222と第1の光学フィルム110との間に位置する。また、
図2Aは、第2の光学フィルム221、拡散シート222、及びマイクロ構造112の描きを省略して、第1の光学フィルム110のこれらのプリズム111の延在方向E2を明確に示す。
【0033】
図2D及び
図2Eは、
図2Bにおけるこれらのプリズムシート(即ち、第2の光学フィルム221)の平面模式図であり、
図2Dに示す第2の光学フィルム221は、
図2Bにおいて下方に位置する第2の光学フィルム221であり、
図2Eに示す第2の光学フィルム221は、
図2Bにおいて上方に位置する第2の光学フィルム221である。
図2Bから
図2Eを参照すると、各第2の光学フィルム221(即ち、プリズムシート)は、複数の並列のプリズムストリップ221sを含む。
図2D及び
図2Eにおいて、太線は隣接する2つのプリズムストリップ221sの間の谷を表し、細線は各プリズムストリップ221sの山を表す。
【0034】
そのうちの1枚の第2の光学フィルム221のこれらプリズムストリップ221sの延在方向は、他の1枚の第2の光学フィルム221のこれらのプリズムストリップ221sの延在方向に垂直であり、これらの第2の光学フィルム221は、大部分の光線L1が平行法線N1の方向に沿って出射するように導くことができる。
図2Dと
図2Eに示す実施例において、上方の第2の光学フィルム221のプリズムストリップ221sは延在方向E2に沿って延伸し(
図2Dに示すように)、下方の第2の光学フィルム221のプリズムストリップ221sは延在方向E1に沿って延伸するため(
図2Eに示すように)、上方の第2の光学フィルム221のプリズムストリップ221sの延在方向E2は、下方の第2の光学フィルム221のプリズムストリップ221sの延在方向E1に垂直である。
【0035】
延在方向E1は直線SL1に平行であり、延在方向E2は直線SL1に垂直であるため、下方の第2の光学フィルム221のプリズムストリップ221sの延在方向E1は直線SL1に平行であり、上方の第2の光学フィルム221のプリズムストリップ221sの延在方向E2は直線SL1に垂直である。従って、本実施例において、一方のプリズムシート(例えば、下方の第2の光学フィルム221)のこれらのプリズムストリップ221sの延在方向E1は、直線SL1に平行であり、他方のプリズムシート(例えば、上方の第2の光学フィルム221)のこれらのプリズムストリップ221sの延在方向E2は、直線SL1に垂直である。
【0036】
特に、
図2Dと
図2Eに示す実施例において、2枚の第2の光学フィルム221のプリズムストリップ221sの延在方向E1及びE2は、それぞれ直線SL1に平行、垂直である。しかしながら、他の実施例において、これらの第2の光学フィルム221のそれぞれにおけるこれらプリズムストリップ221sの延在方向は、直線SL1に平行でも垂直でもない。
【0037】
図3A及び
図3Bを参照する。
図3A及び
図3Bに示す第2の光学フィルム321a及び321bは、いずれも第2の光学フィルム221と同じであり、且ついずれも複数の並列のプリズムストリップ221sを含む。相違点は、第2の光学フィルム321aと321bの両方のプリズムストリップ221sの延在方向が第2の光学フィルム221と異なる点のみである。
【0038】
具体的には、
図3A及び
図3Bに示す第2の光学フィルム321a及び321bは、
図2Bにおけるバックライトモジュール200に適用することができる。例えば、
図3Aに示す第2の光学フィルム321aは、
図2Bにおける上方の第2の光学フィルム221に代えてもよく、
図3Bに示す第2の光学フィルム321bは、
図2Bにおける下方の第2の光学フィルム221に代えてもよい。
【0039】
上記の構成によれば、第1の光学フィルム110を使用する際に発生する高い指向性とコンシーラーを維持する特性との効果において、光源190の発光ダイオード191の配列方向と第1の光学フィルム110におけるこれらのプリズム111の延在方向とが平行であることに合わせて、各プリズムシートを対応的に設計するこれらのプリズムストリップの延在方向と光源190の発光ダイオード191の配列方向とが平行でも垂直でもない。
図3A及び
図3Bに示すようなこれらの第2の光学フィルム221のそれぞれにおけるこれらのプリズムストリップ221sの延在方向は、いずれも直線SL1(
図3A及び
図3Bに示す延在方向E1に相当)に平行でも垂直でもない。例えば、
図3Aに示す第2の光学フィルム221は延在方向E31に沿って延伸し、
図3Bに示す第2の光学フィルム221は延在方向E32に沿って延伸し、延在方向E31とE32はいずれも延在方向E1に平行でも垂直でもなく、且つ延在方向E31とE32は互いに垂直である。
【0040】
例えば、
図3Aにおける延在方向E31とE1との間の夾角A31は約45度であってもよく、
図3Bにおける延在方向E32とE1との間の夾角A31は約135度であってもよい。このように、延在方向E31及びE32はいずれも延在方向E1に平行でも垂直でもないだけでなく、延在方向E31とE32の間の夾角は約90度であってもよく、即ち、延在方向E31とE32の両方は互いに垂直である。これにより、さらに出光視野角の方向を導光板130の出光面132の垂直方向に調整することができ、出光視野角が約0度であり、輝度もさらに向上することができ、出光エネルギーの半値幅(Full Width at half maximum、FWHMと略称する)をさらに集中させることができ、覗き見防止効果の向上に寄与する。
【0041】
なお、
図2Bに示すこれらの第2の光学フィルム221及び拡散シート222は、いずれも前記実施例におけるバックライトモジュール100に適用することができる。具体的には、
図1Bにおけるバックライトモジュール100は、
図2Bにおけるこれらの第2の光学フィルム221と拡散シート222をさらに含んでもよい。つまり、
図2Bにおける第1の光学フィルム110は、
図1Bにおける第1の光学フィルム110に置き換えることができる。従って、バックライトモジュール100及び200は、いずれもこれらの第2の光学フィルム221及び拡散シート222を含んでもよい。
【0042】
図4Aと
図4Bは、それぞれ比較例のバックライトモジュールと
図1Bに示すバックライトモジュールの両方の空間輝度分布図である。なお、空間輝度分布図(即ち、
図4A、
図4B及び
図5Aから
図5E)は、本来カラーマップである。本願において、空間輝度分布図は、グレースケール画像で表示され、そのうち、グレースケール度が浅い順は、代表される輝度が小さい順に変化することを示す。言い換えれば、本願の空間輝度分布図において、階調が薄いほど、代表される輝度は高い。逆に、階調が濃いほど、代表輝度は低い。また、
図4A、
図4Bと
図5A乃至
図5Eに示す空間輝度分布図はいずれもコンピュータシミュレーション図である。
【0043】
図4A及び
図4Bを参照すると、
図4Aは比較例のバックライトモジュールを示し、光源、導光板及び従来の散乱粒子を含有する拡散シートを含むが、いずれのプリズムシートも含まない。
図4Bは、
図1Bに示すバックライトモジュール100を示し、
図4Bに示すバックライトモジュール100は、第2の光学フィルム221を含まない。また、比較例のバックライトモジュールに含まれる光源及び導光板は、それぞれ、
図1Bに示すように、光源190及び導光板130と同じであってもよい。
【0044】
図4A及び
図4Bにおいて、
図4A及び
図4Bは、比較例のバックライトモジュールとバックライトモジュール100とを俯瞰して輝度分布を観測することをシミュレーションしたものであり、
図4A及び
図4Bにおける縦軸及び横軸はいずれも角度を表し、縦軸と横軸の両方が交わる中心は、導光板の出光面(例えば、導光板130の出光面132)の中心軸を表すことができる。
【0045】
図1A、
図1B及び
図4Bを参照すると、バックライトモジュール100を例として、
図4Bにおける縦軸と横軸とが交わる中心は、
図1Aにおける出光面132の中心軸OB1に等しい。
図4Bにおける縦軸角度は、
図1Bに示す観測角度SA1に等しい。観測角度SA1は、中心軸OB1と観測方向OD1との間の角であり、観測角度SA1の絶対値は、0度から90度の間にある。
図4Bにおける縦軸角度がゼロである場合、観測方向OD1と中心軸OB1との間の夾角がゼロであることを表し、即ち、ゼロ縦軸角度は、中心軸OB1からバックライトモジュール100の輝度を観測することを表す。
【0046】
図4Bにおける縦軸の角度が負の値である場合、観測方向OD1は、導光板130の入光面131に偏っており、即ち、負の値の縦軸の角度は、出光面132の入光面131に隣接する側からバックライトモジュール100の輝度を観測することを意味する。逆に、
図4Bにおける縦軸の角度が正の値である場合、観測方向OD1は、導光板130の入光面131から外れ、即ち、正の値の縦軸の角度は、出光面132により入光面131から離れた側からバックライトモジュール100の輝度を観測し、
図1Bに示す観測角度SA1を表す。同様に、
図4Bにおける横軸の輝度変化は、
図1Aにおけるバックライトモジュール100の左右両側の間の輝度分布を表す。
【0047】
図4Aに表される比較例のバックライトモジュールの視野角は約61度であり、
図4Bに表されるバックライトモジュール100の視野角は約40度であり、そのうち、視野角は光線のピークの角度を指す。
図4A中の大部分の領域はかなり浅いグレースケールを有し、
図4B中の大部分の領域はかなり濃いグレースケールを有し、特定の一つの小さいブロックのみにグレースケールの浅いグレースケールとその内部の色が最も濃いグレースケールが発生する。このように、第1の光学フィルム110により、バックライトモジュール100の光指向性は、比較例のバックライトモジュールの光指向性よりも高いことがわかる。
【0048】
また、
図4Aにおける比較例のバックライトモジュールの縦軸における輝度半値幅(Full Width at Half Maximum、FWHM)は約69度であり、横軸における輝度半値幅は約40度である。
図4Bのバックライトモジュール100は、縦軸の輝度半値幅が約40度であり、横軸の輝度半値幅が約10度である。従って、
図4Bにおけるバックライトモジュール100の半値幅は、
図4Aにおける比較例のバックライトモジュールの半値幅よりも小さいため、
図4Bにおけるバックライトモジュール100の光指向性は、
図4Aにおける比較例のバックライトモジュールの光指向性よりも高く、すなわち、
図4Bに表されるバックライトモジュール100が光線を集中的に出射することができる。
【0049】
図5Aは、比較例のバックライトモジュールの空間輝度分布図であり、
図5Bから
図5Eは本発明の複数の実施例のバックライトモジュールの空間輝度分布図であり、
図5Aから
図5Eにおける縦軸と横軸との定義はいずれも
図4Aと
図4Bにおける縦軸と横軸の定義と同じであり、ここでは説明を繰り返しない。
【0050】
図5A及び
図5Bを参照すると、
図5Aに表される比較例のバックライトモジュールは、導光板及び拡散シートを含むだけでなく、2枚のプリズムシートを含むが、第1の光学フィルム110を含まない。
図5Bは、第1の光学フィルム110と、2枚のプリズムシート(即ち、第2の光学フィルム221)と、拡散シート222とが付加されたバックライトモジュール100を示し、前記2枚のプリズムシートの設置は、それぞれ
図2B、
図2D及び
図2Eに示すように、即ち、一方のプリズムシートのプリズムストリップの延在方向が第1の光学フィルム110のプリズム111の延在方向(いずれも延在方向E1)に平行であり、他方のプリズムシートのプリズムストリップの延在方向がプリズム111の延在方向(それぞれ延在方向E1及びE2)に垂直である。
【0051】
これらのプリズムシート(例えば、第2の光学フィルム221)は、バックライトモジュールの大部分の光線が法線(例えば、
図1Bにおける法線N1)に沿って出射するように光線をガイドすることができる。従って、
図5Aと
図5Bの両方におけるバックライトモジュールの視野角はいずれも約0度である。次に、
図5Aにおける比較例のバックライトモジュールの縦軸の輝度半値幅は、横軸の輝度半値幅といずれも約45度である。
図5Bにおけるバックライトモジュールの縦軸における輝度半値幅は約38度であり、横軸における輝度半値幅は約31度である。これにより、
図5Bにおけるバックライトモジュールは、光線を集中的に出射し、且つ
図5Aにおける比較例のバックライトモジュールよりも高い光指向性を有し、且つ輝度を約15%向上させることができる。このアーキテクチャでは、
図1Dに示すマイクロ構造112を用いて第1の光学フィルム110の一辺に対して斜めにアレイに配列され、さらに
図2Aの第1の光学フィルム110のこれらのプリズム111が延在方向E2に沿って延伸することに合わせて、
図1Aの第1の光学フィルム110のこれらのプリズム111が延在方向E1に沿って延伸する実施形態よりも、FWHMのエネルギーをより集中させることができ、輝度がより一層向上する。
【0052】
図5Cは、本発明の
図3A、3Bに示す別の実施例のバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
図5Cを参照すると、
図5Cは、第1の光学フィルム110、2枚のプリズムシート(即ち、第2の光学フィルム221)及び拡散シート222を装着した後のバックライトモジュール100を示す。しかしながら、
図5Bと異なり、
図5Cに表されるバックライトモジュールにおいて、これらの2枚のプリズムシートの設置は、それぞれ
図3Aと
図3Bに示すように、即ち、これらの2枚のプリズムシートのプリズムストリップの延在方向がいずれも第1の光学フィルム110のプリズム111の延在方向E1に平行でも垂直でもなく、
図3A、3Bに示すように、一方のプリズムシートのプリズムストリップの方向が45度であり、他方のプリズムシートのプリズムストリップの方向が135度である。
【0053】
図5Cに示す実施例において、これらのプリズムシート(例えば、第2の光学フィルム221)は、光線が法線(例えば、
図1Bにおける法線N1)に沿って出射するようにガイドすることができるため、
図5Cにおけるバックライトモジュールの視野角は約0度である。次に、
図5Cにおけるバックライトモジュールの縦軸における輝度半値幅は約34度であり、横軸における輝度半値幅は約30度である。従って、
図5Aにおける比較例のバックライトモジュールと比較して、
図5Cにおけるバックライトモジュールは、光線を集中的に出射し、良い光指向性を有し、且つ輝度を約20%向上させることができる。
【0054】
図5D及び
図5Eは、本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図であり、
図5D及び
図5Eは、いずれも
図2A及び
図2Bに示すバックライトモジュール200、即ち、第1の光学フィルム110のこれらのプリズム111が延在方向E2に沿って延在することを示す。ただし、
図5Dに表されるバックライトモジュール200は、第1の光学フィルム110を追加するが、第2の光学フィルム221と拡散シート222を含まず、
図5Eは、完全なバックライトモジュール200を示し、一方のプリズムシートのプリズムストリップの方向は0度であり、他方のプリズムシートのプリズムストリップの方向は90度であり、
図2Aに示すとおりである。
図5Dにおけるバックライトモジュール200の視野角は約52度であり、縦軸における輝度半値幅は約24度であり、横軸における輝度半値幅は約20度である。従って、
図4Aの比較例のバックライトモジュールと比較して、プリズムシート(即ち、第2の光学フィルム221)と拡散シート222がない条件において、
図5Dに表されるバックライトモジュール200は、優れた光指向性を有し、且つ分光効果を発生させることができ、左右両側の視野角(両側淡色領域と淡色領域における濃色、白色領域)に十分な輝度を持たせることができる。
【0055】
図5Eにおいて、これらの第2の光学フィルム221(即ち、プリズムシート)による光線のガイドにより、バックライトモジュール200(第2の光学フィルム221と拡散シート222を含む)の視野角は約0度である。次に、
図5Eに示すバックライトモジュール200の縦軸における輝度半値幅は約34度であり、横軸における輝度半値幅は約27度である。
図5Aにおける比較例と比較して、
図5Eにおけるバックライトモジュール200は、良好な光指向性を有し、本来、
図5Dにおける分光効果を正面視野角(真中淡色領域と淡色領域における濃色、白色領域)に集中させ、且つ輝度を約20%向上させることができる。
【0056】
図6は、本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの断面模式図である。
図6を参照すると、本実施例のバックライトモジュール600は、前記実施例のバックライトモジュール100と類似し、バックライトモジュール600と100との間の差異は、バックライトモジュール600に含まれる導光板630が前記実施例における導光板130と異なることである。以下、主にバックライトモジュール600と100との間の差異について述べるが、両者の同一の特徴は、基本的には説明を繰り返さない。
【0057】
具体的には、導光板630は、底面633と、底面633に形成された複数の導光構造639とを有し、ここで、各導光構造639は、互いに接続された受光面639a及び非受光面639bを有し、受光面639aは、光源190の光線L1の進行方向に面している。
図6に示すように、受光面639aと底面633との間に第1の夾角A61を成し、非受光面639b底面633との間に第2夾角A62を成し、第1の夾角A61と第2夾角A62はいずれも鋭角であり、且つ第1の夾角A61は第2夾角A62より小さい。
【0058】
光源190が導光板630の入光面631に向けて光線L1を発すると、光線L1は入光面631から導光板630内に入り、そのうち一部の光線L1は導光構造639に入射し、例えば、受光面639aに入射する。光線L1は、導光構造639(例えば、受光面639a)によって反射され、光線L1が導光板630の出光面632から出射される。このような設計により、受光面639aの面積を拡大し、非受光面639bの面積を縮小することができ、受光面639aがより高い確率で光線を反射して光線を導光板630の出光面632から出射させ、それによって、第1の光学フィルム110に用いられ、指向性を向上する効果に寄与する。
【0059】
バックライトモジュール600は、光反射シート680をさらに含み、光反射シート680は、導光板630の下方に位置し、底面633に面し、導光板630は、光反射シート680と第1の光学フィルム110との間に位置する。光線L1が導光構造639に入射すると、
図6に示すように、導光構造639は光線L1を反射するだけでなく、光線L1を屈折することができる。導光構造639が光線L1を屈折させると、光線L1は光反射シート680に入射する。光反射シート680は、光線L1を反射して、光線L1を再び導光板630内に進入させることができ、それによって、より多くの光線L1を出光面632から出射させることができる。このように、バックライトモジュール600の輝度の向上に寄与する。
【0060】
なお、
図6におけるバックライトモジュール600は、複数の第2の光学フィルム221及び拡散シート222(
図2Bに示す)、又は複数の第2の光学フィルム321a及び321b(
図3A及び
図3Bに示す)をさらに含んでもよい。つまり、
図2Bに示すバックライトモジュール200において、導光板130は、
図6に示す導光板630に置き換えてもよい。なお、
図6における第1の光学フィルム110は、
図2Bにおける第1の光学フィルム110に置き換えられてもよい。つまり、
図6において、第1の光学フィルム110のこれらのプリズム111は、延在方向E1又はE2に沿って延在してもよい。
【0061】
図7は、本発明の一つの実施例に係る表示装置の側面模式図である。
図7を参照すると、表示装置700は、バックライトモジュール710及び表示パネル720を含み、ここで、表示パネル720は、バックライトモジュール710に対して設けられ、バックライトモジュール710の出光面の上方に位置することで、バックライトモジュール710が表示パネル720に向けて光線を発することができる。
【0062】
バックライトモジュール710は、前記実施例におけるバックライトモジュール100、200又は600、又はこれらバックライトモジュール100、200及び600の任意の組み合わせ、例えば、複数の第2の光学フィルム221及び拡散シート222を含むバックライトモジュール100であってもよい。従って、バックライトモジュール710は、第1の光学フィルム110を含む。表示パネル720は、例えば、液晶表示パネルなどの透過型の表示パネルであってもよい。第1の光学フィルム110は、コンシーラーの能力を維持するとともに、光線L1を集中的に出射することで、バックライトモジュール710の光指向性を向上させることができるため、バックライトモジュール710は高輝度の光線を均一に発することができ、出光視野角の集光性と正面の視野角の輝度を向上させ、同時にコンシーラー効果を有し、表示パネル720の輝度と均一度を向上させる。
【0063】
本発明の実施例は、以上のように開示されているが、本発明を限定するものではなく、本発明が属する技術分野の当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、若干の変更及び修正を行うことができるため、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される保護範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0064】
100、200、600、710 バックライトモジュール
110、110’ 第1の光学フィルム
111 プリズム
112 マイクロ構造
112s ファセット
130、630 導光板
131、631 入光面
132、632 出光面
133、633 底面
190 光源
191 発光ダイオード
221、321a、321b 第2の光学フィルム
221s プリズムストリップ
222 拡散シート
639 導光構造
639a 受光面
639b 非受光面
680 光反射シート
700 表示装置
720 表示パネル
A31 夾角
A61 第1の夾角
A62 第2の夾角
CR1 断面線
E1、E2、E31、E32 延在方向
L1 光線
N1 法線
OB1 中心軸
OD1 観測方向
SA1 観測角度
SL1 直線
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール及び表示装置に関し、特に、側辺入光型のバックライトモジュール及びそれを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバックライトモジュールは、通常、拡散シートを有して光線を均一化する。一般的に、通常の拡散シートは複数の散乱粒子を有し、これらの散乱粒子は、光線を分散に出射して光線を均一化するように、光線を散乱することができる。しかしながら、上記散乱粒子を有する拡散シートは、通常、コンシーラー(conceal)に用いられるとともに、低い光学指向性(optical directivity)を有して導光板の高い指向性を破壊する。指向性を向上させると、拡散シートのヘイズを低下させる必要があるが、コンシーラーが悪くなってしまう。プリズムシートは、輝度の向上に有利であるが、バックライトモジュールに用いられる上拡散シート、下拡散シートのヘーズが輝度と光学的なセンスの外観に影響を及ぼし、従来のバックライトモジュールの輝度(luminance)をさらに向上させることが難しい。従って、コンシーラー能力を維持するとともに、出光視野角の集光性と正面視野角の輝度を増加させることができることは、バックライトモジュールの設計の重点となる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一つの実施例は、光視野角の集光性と正面視野角の輝度を向上させることができる光学フィルムを含むバックライトモジュールを提供する。
【0004】
本発明の別の実施例は、上記バックライトモジュールを含む表示装置を提供する。
【0005】
本発明の一つの実施例に係るバックライトモジュールは、導光板と、光源と、光学フィルムとを含む。導光板は、入光面と出光面を有し、出光面は法線を有する。光源は、入光面に隣接して設けられる。光学フィルムは、出光面に対して設けられ、複数本の並列のプリズムと複数のマイクロ構造を含む。各プリズムの延在方向は法線に垂直であり、且つ各プリズムが導光板の出光面に面する。各マイクロ構造は、光学フィルムのバックライト導光板に背向する表面に位置し、各マイクロ構造は、複数のファセットを有する錐体構造である。これらのプリズムは、これらのマイクロ構造と出光面との間に位置する。
【0006】
本発明の一つの実施例において、上記バックライトモジュールは、複数のプリズムシートをさらに含み、これらの光学フィルムは、これらのプリズムシートと出光面との間に位置している。
【0007】
本発明の一つの実施例において、各プリズムシートは、複数の並列されたプリズムストリップを含み、一方のプリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向は、他方のプリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向に垂直である。
【0008】
本発明の一つの実施例において、上記出光面は入光面の一側に接続される。光源は、直線に沿って並んで設けられた複数の発光ダイオードを有し、一方のプリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向が直線に平行であり、他方のプリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向が直線に垂直である。
【0009】
本発明の一つの実施例において、これらのプリズムの延在方向は上記直線に垂直である。
【0010】
本発明の一つの実施例において、上記出光面は入光面の一側に接続され、光源は直線に沿って並んで設けられた複数の発光ダイオードを有し、各プリズムシートのこれらのプリズムストリップの延在方向は直線と平行でなく、且つ垂直ではない。
【0011】
本発明の一つの実施例において、これらのプリズムの延在方向は上記直線に平行である。
【0012】
本発明の一つの実施例において、これらのマイクロ構造は、互いに隣接する複数の角錐状の凹穴である。
【0013】
本発明の一つの実施例において、これらのマイクロ構造は、互いに隣接する複数の角錐状のバンプである。
【0014】
本発明の一つの実施例において、これらのマイクロ構造は、光学フィルムの一辺に対して斜めにアレイ状に配列されている。
【0015】
本発明の一つの実施例において、上記導光板は、出光面に対向する底面及び底面に形成された複数の導光構造を有し、各導光構造は、互いに接続された受光面及び非受光面を有する。受光面は、光源の光の進行方向に対向し、受光面と底面との間に第1の夾角が形成され、非受光面と底面との間に第2の夾角が形成される。第1の夾角及び第2の夾角はいずれも鋭角であり、且つ第1の夾角は第2の夾角より小さい。
【0016】
本発明の別の実施例に係る表示装置は、上記バックライトモジュール及びバックライトモジュールに対して設けられる表示パネルを含む。
【0017】
上記に基づいて、これらのプリズムとこれらのマイクロ構造により、光源から発せられた光線は、まず、当該光学フィルムのこれらのプリズムを通して指向性の向上の効果を発生し、その後、当該光学フィルムのこちらのマイクロ構造によって、コンシーラーを維持する。このように、光学フィルムは、コンシーラー能力を維持すると共に、光線を集中的に出射させることができ、それによって、バックライトモジュールの出光視野角の集光性と正面視野角の輝度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
実施例及びその利点をより完全に把握するために、以下に図面を参照しながら説明する。
【
図1A】本発明の一つの実施例に係るバックライトモジュールの平面模式図である。
【
図1B】
図1Aにおける線1B-1B断面に沿って描かれた断面模式図である。
【
図1C】
図1Bにおける
光学フィルムの部分平面模式図である。
【
図1D】本発明の別の実施例に係る
光学フィルムの部分平面模式図である。
【
図2A】本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの平面模式図である。
【
図2B】
図2Aにおける線2B-2B断面に沿って描かれた断面模式図である。
【
図2C】
図2Bのバックライトモジュールの斜視模式図である。
【
図2D】
図2Bにおける一部の
プリズムシートの平面模式図である。
【
図2E】
図2Bにおける一部の
プリズムシートの平面模式図である。
【
図3A】本発明の別の実施例における複数のプリズムシートの平面模式図である。
【
図3B】本発明の別の実施例における複数のプリズムシートの平面模式図である。
【
図4A】比較例のバックライトモジュールと
図1Bに示すバックライトモジュールの両方の空間輝度分布図である。
【
図4B】比較例のバックライトモジュールと
図1Bに示すバックライトモジュールの両方の空間輝度分布図である。
【
図5A】比較例のバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図5B】本発明の複数の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図5C】本発明の複数の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図5D】本発明の複数の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図5E】本発明の複数の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
【
図6】本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの断面模式図である。
【
図7】本発明の一つの実施例に係る表示装置の側面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明において、本願の技術的特徴を明確にするために、図面における素子(例えば、層、フィルム、基板及び領域など)の寸法(例えば、長さ、幅、厚さ及び深さ)は、異なる割合で増幅され、且つ、ある素子の数が減少する。従って、以下の実施例の説明及び解釈は、図面における素子の数及び素子が示す寸法及び形状に限定されず、実際のレシピ及び/又は公差による寸法、形状及び両者のばらつきをカバーすべきである。例えば、図面に示される平坦な表面は、粗さ及び/又は非線形の特徴を有してもよく、図面に示される角は、丸みであってもいい。従って、本願の図面に示される素子は、主に模式的なものであり、素子の実際の形状を正確に描画することを意図するものではなく、本願の特許請求の範囲の保護範囲を制限するためのものではない。
【0020】
次に、本願に記載された「約」、「近似」、又は「実質的」などといった用語は、明確に記載された数値と数値範囲をカバーするだけでなく、測定時に生じる誤差によって決定される、本願の技術分野における当業者が理解できる許可されるばらつき範囲をカバーし、この誤差は、例えば、測定システム又はレシピ条件の両方の制限に起因する。なお、「約」とは、上記数値の1又は複数の標準ばらつき内にあり、例えば±30%、±20%、±10%又は±5%内にあることを表すことができる。本願において「約」、「近似」又は「実質的に」などという用語は、光学特性、エッチング特性、機械的性質又は他の性質に応じて許容できるばらつき範囲又は標準ばらつきを選択することができ、単一の標準ばらつきで、以上の光学特性、エッチング特性、機械的性質及びその他の性質等の全ての性質をカバーすることではない。
【0021】
図1Aは、本発明の一つの実施例に係るバックライトモジュールの平面模式図であり、
図1Bは、
図1Aにおける線1B-1B断面に沿って描かれた断面模式図である。
図1A及び
図1Bを参照すると、バックライトモジュール100は、
光学フィルム110、導光板130及び光源190を含む。導光板130は、入光面131と出光面132とを有し、出光面132は法線N1を有し、且つ入光面131の一側に接続されてもよい。光源190は、入光面131に隣接して設けられ、入光面131に向けて光線L1を発することができる。
光学フィルム110は、出光面132に対して設けられ、複数の並列されたプリズム111と複数のマイクロ構造112とを含む。
【0022】
各プリズム111の延在方向E1は法線N1に垂直であり、且つ各プリズム111は導光板130の出光面132に面している。各マイクロ構造112は、
光学フィルム110の導光板130に背向する表面に位置し、各マイクロ構造112は、複数のファセット112sを有する錐体構造であり、これらのプリズム111は、これらマイクロ構造112と出光面132との間に位置する。また、
図1Aでは、プリズム111の向きを明確にするために、マイクロ構造112を省略し、
図1Aにおいて、太線は、隣接する2つのプリズム111の間の谷を表し、細線は、各プリズム111の山を表す。
【0023】
図1Bに示すように、導光板130は、底面133をさらに有し、出光面132と底面133とが互いに対向し、底面133と出光面132とが、導光板130の互いに対向する両面であってもよい。光源190が入光面131に向けて光線L1を発すると、光線L1は入光面131から導光板130内に入り、そのうち一部の光線L1は入光面131から底面133に入射する。底面133は、光線L1の一部を反射可能である。例えば、底面133は、全反射(Total Internal Reflection、TIR)により導光板130内で光線を絶えず反射して導光板130の後方に光線を伝達することができる。また、一部の光線L1は、底面133に配索されたマイクロ構造により全反射が破壊されて反射角度が変えられ、出光面132を介して導光板130から離れ、
光学フィルム110のプリズム111に入射する。これらのプリズム111により、光線L1を
法線N1の方向へ偏向させ、これらのプリズム111を通過するときの出射角を小さくすることで、集中的に出射させて、指向性を高める効果が生じる。
【0024】
その後、光線L1は、プリズム111から光学フィルム110内に入り、マイクロ構造112を介して光学フィルム110から離れてコンシーラーを維持することができる。そのコンシーラー作用の発生は、マイクロ構造112が複数のファセット112sを有し、複数のファセット112sを介して光線L1を偏向して複数の出光方向に導き、それによって、光線エネルギーがマイクロ構造112の直上に集中しすぎることを回避してコンシーラー効果を保有するためである。一般的な網点マイクロ構造又は拡散粒子は、光線に方向が不定である散乱を発生させ、コンシーラーの方向を効果的に制御することができない。
【0025】
光線L1が導光板130と光学フィルム110とを順に通過してバックライトモジュール100から離れると、プリズム111とマイクロ構造112は光線L1を屈折させることができ、光線L1の光学フィルム110における出射角が光線L1の導光板130における出射角と等しくなく、且つ光学フィルム110は、光線L1を法線N1の方向に向かって偏向させて出射させることができ、それによって、バックライトモジュールの出光視野角の集光性と正面の視野角の輝度を向上させる。
【0026】
従来技術のバックライトモジュールは、例えば、2枚の拡散シート、2枚のプリズムシートの構造を採用し、その出光視野角は、導光板130の出光面132の垂直方向に比べて約60度程度のスキューがあり、且つ指向性も乏しく、全体の出光エネルギーは特定の角度に限定されず、覗き見防止効果が低い。従来技術における下拡散シートの代わりに光学フィルム110を使用する場合、その指向性を向上させることができ、全体の出光エネルギーも比較的に集中し、光線をより導光板130の出光面132の垂直方向に偏向させ、出光視角は約40~50度である。
【0027】
つまり、このような光学フィルム110は、高い指向性とコンシーラーを維持する特性を有し、正面の視野角の輝度をさらに向上させることができ、エネルギーを節約し、航続力を増加させるとともに、輝度を向上させる未来の推移に合致する。
【0028】
さらに、また、光源190は、直線SL1に沿って並んで設けられた複数の発光ダイオード191を有する。具体的には、これらの発光ダイオード191は、1つのストライプ状の回路基板に搭載されてもよく、これらの発光ダイオード191は、一つの直線に配列する可能であり、直線SL1に沿って配列されてもよく、これらの発光ダイオード191と上記回路基板とは、1つのライトバー(light bar)に統合されてもよく、回路基板は、プリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)又はフレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit、FPC)であってもよい。また、
図1Aに示すように、
光学フィルム110のこれらのプリズム111の延在方向E1は、直線SL1に平行であってもよい。
【0029】
図1Cは、
図1Bにおける
光学フィルムの部分平面模式図であり、
図1Bに示す
光学フィルム110は、
図1Cにおける断面線CR1の断面に沿って描かれる。
図1B及び
図1Cを参照すると、これらのマイクロ構造112は、互いに隣接する複数の角錐状の凹穴であってもよく、ファセット112sは、角錐状の凹穴の側壁であってもよい。例えば、各マイクロ構造112はピラミッド型の凹穴であってもよいため、各マイクロ構造112は四つのファセット112s(即ち側壁)を有してもよく、対向する両面のファセット112sの間の夾角は約90度であってもよい。従って、これらのマイクロ構造112は、X軸方向、Y軸方向に対していずれも対称な正ピラミッドであってもよく、X軸方向、Y軸方向のいずれか一方に対して対称であり、他方に対して非対称である非対称なピラミッドであってもよく、これにより、異なる方向に異なる程度の光線の偏向が生じさせて、異なる方向のコンシーラー効果を効果的に制御することができる。また、他の実施例において、これらのマイクロ構造112は、互いに隣接する複数の角錐状のバンプであってもよく、その形状はピラミッド形であってもよく、ファセット112sは角錐状のバンプの側面であってもよい。従って、マイクロ構造112はバンプ又は凹穴であってもよく、
図1B及び
図1Cは例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
図1B及び
図1Cにおいて、これらのマイクロ構造112は、
光学フィルム110の一辺に沿ってマトリックスに配列されているが、
図1Dに示される他の実施例において、
図1Dにおける
光学フィルム110’のこれらのマイクロ構造112は、
光学フィルム110の一辺に対して斜めにアレイ状に配列されてもよい。
【0030】
図2Aは、本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの平面模式図であり、
図2Bは、
図2Aにおける線2B-2B断面に沿って描かれた断面模式図である。
図2A及び
図2Bを参照すると、本実施例のバックライトモジュール200は、前記実施例のバックライトモジュール100と類似している。例えば、バックライトモジュール200も、
光学フィルム110、導光板130、及び光源190を含む。以下、主にバックライトモジュール100と200との間の相違点について述べる。バックライトモジュール200及び100の同様の点に対して基本的に説明を繰り返さない。
【0031】
本実施例では、光源190におけるこれらの発光ダイオード191も直線SL1に沿って並んで設けられている。しかしながら、上記実施例におけるバックライトモジュール200と異なり、
図2Aに示すように、
光学フィルム110のこれらのプリズム111は延在方向E2に沿って延在し、延在方向E2は直線SL1に垂直である。延在方向E1は直線SL1に平行であるため、延在方向E1は延在方向E2に垂直であってもよい。
【0032】
図2Cは、
図2Bのバックライトモジュールの斜視模式図である。
図2B及び
図2Cを参照すると、バックライトモジュール200は、複数の
プリズムシート221及び拡散シート222をさらに含み、
光学フィルム110は、これらの
プリズムシート221、拡散シート222、及び出光面132の間に位置する。これらの
プリズムシート221は、複数のプリズムシートを含んでもよい。
図2Bに示す実施例において、
プリズムシート221はプリズムシートであり、これらの
プリズムシート221は拡散シート222と
光学フィルム110との間に位置する。また、
図2Aは、
プリズムシート221、拡散シート222、及びマイクロ構造112の描きを省略して、
光学フィルム110のこれらのプリズム111の延在方向E2を明確に示す。
【0033】
図2D及び
図2Eは、
図2Bにおけるこれらのプリズムシート(即ち、
プリズムシート221)の平面模式図であり、
図2Dに示す
プリズムシート221は、
図2Bにおいて下方に位置する
プリズムシート221であり、
図2Eに示す
プリズムシート221は、
図2Bにおいて上方に位置する
プリズムシート221である。
図2Bから
図2Eを参照すると、各
プリズムシート221(即ち、プリズムシート)は、複数の並列のプリズムストリップ221sを含む。
図2D及び
図2Eにおいて、太線は隣接する2つのプリズムストリップ221sの間の谷を表し、細線は各プリズムストリップ221sの山を表す。
【0034】
そのうちの1枚の
プリズムシート221のこれらプリズムストリップ221sの延在方向は、他の1枚の
プリズムシート221のこれらのプリズムストリップ221sの延在方向に垂直であり、これらの
プリズムシート221は、大部分の光線L1が平行法線N1の方向に沿って出射するように導くことができる。
図2Dと
図2Eに示す実施例において、上方の
プリズムシート221のプリズムストリップ221sは延在方向E2に沿って延伸し(
図2Dに示すように)、下方の
プリズムシート221のプリズムストリップ221sは延在方向E1に沿って延伸するため(
図2Eに示すように)、上方の
プリズムシート221のプリズムストリップ221sの延在方向E2は、下方の
プリズムシート221のプリズムストリップ221sの延在方向E1に垂直である。
【0035】
延在方向E1は直線SL1に平行であり、延在方向E2は直線SL1に垂直であるため、下方のプリズムシート221のプリズムストリップ221sの延在方向E1は直線SL1に平行であり、上方のプリズムシート221のプリズムストリップ221sの延在方向E2は直線SL1に垂直である。従って、本実施例において、一方のプリズムシート(例えば、下方のプリズムシート221)のこれらのプリズムストリップ221sの延在方向E1は、直線SL1に平行であり、他方のプリズムシート(例えば、上方のプリズムシート221)のこれらのプリズムストリップ221sの延在方向E2は、直線SL1に垂直である。
【0036】
特に、
図2Dと
図2Eに示す実施例において、2枚の
プリズムシート221のプリズムストリップ221sの延在方向E1及びE2は、それぞれ直線SL1に平行、垂直である。しかしながら、他の実施例において、これらの
プリズムシート221のそれぞれにおけるこれらプリズムストリップ221sの延在方向は、直線SL1に平行でも垂直でもない。
【0037】
図3A及び
図3Bを参照する。
図3A及び
図3Bに示す
プリズムシート321a及び321bは、いずれも
プリズムシート221と同じであり、且ついずれも複数の並列のプリズムストリップ221sを含む。相違点は、
プリズムシート321aと321bの両方のプリズムストリップ221sの延在方向が
プリズムシート221と異なる点のみである。
【0038】
具体的には、
図3A及び
図3Bに示す
プリズムシート321a及び321bは、
図2Bにおけるバックライトモジュール200に適用することができる。例えば、
図3Aに示す
プリズムシート321aは、
図2Bにおける上方の
プリズムシート221に代えてもよく、
図3Bに示す
プリズムシート321bは、
図2Bにおける下方の
プリズムシート221に代えてもよい。
【0039】
上記の構成によれば、
光学フィルム110を使用する際に発生する高い指向性とコンシーラーを維持する特性との効果において、光源190の発光ダイオード191の配列方向と
光学フィルム110におけるこれらのプリズム111の延在方向とが平行であることに合わせて、各プリズムシートを対応的に設計するこれらのプリズムストリップの延在方向と光源190の発光ダイオード191の配列方向とが平行でも垂直でもない。
図3A及び
図3Bに示すようなこれらの
プリズムシート221のそれぞれにおけるこれらのプリズムストリップ221sの延在方向は、いずれも直線SL1(
図3A及び
図3Bに示す延在方向E1に相当)に平行でも垂直でもない。例えば、
図3Aに示す
プリズムシート221は延在方向E31に沿って延伸し、
図3Bに示す
プリズムシート221は延在方向E32に沿って延伸し、延在方向E31とE32はいずれも延在方向E1に平行でも垂直でもなく、且つ延在方向E31とE32は互いに垂直である。
【0040】
例えば、
図3Aにおける延在方向E31とE1との間の夾角A31は約45度であってもよく、
図3Bにおける延在方向E32とE1との間の夾角A31は約135度であってもよい。このように、延在方向E31及びE32はいずれも延在方向E1に平行でも垂直でもないだけでなく、延在方向E31とE32の間の夾角は約90度であってもよく、即ち、延在方向E31とE32の両方は互いに垂直である。これにより、さらに出光視野角の方向を導光板130の出光面132の垂直方向に調整することができ、出光視野角が約0度であり、輝度もさらに向上することができ、出光エネルギーの半値幅(Full Width at half maximum、FWHMと略称する)をさらに集中させることができ、覗き見防止効果の向上に寄与する。
【0041】
なお、
図2Bに示すこれらの
プリズムシート221及び拡散シート222は、いずれも前記実施例におけるバックライトモジュール100に適用することができる。具体的には、
図1Bにおけるバックライトモジュール100は、
図2Bにおけるこれらの
プリズムシート221と拡散シート222をさらに含んでもよい。つまり、
図2Bにおける
光学フィルム110は、
図1Bにおける
光学フィルム110に置き換えることができる。従って、バックライトモジュール100及び200は、いずれもこれらの
プリズムシート221及び拡散シート222を含んでもよい。
【0042】
図4Aと
図4Bは、それぞれ比較例のバックライトモジュールと
図1Bに示すバックライトモジュールの両方の空間輝度分布図である。なお、空間輝度分布図(即ち、
図4A、
図4B及び
図5Aから
図5E)は、本来カラーマップである。本願において、空間輝度分布図は、グレースケール画像で表示され、そのうち、グレースケール度が浅い順は、代表される輝度が小さい順に変化することを示す。言い換えれば、本願の空間輝度分布図において、階調が薄いほど、代表される輝度は高い。逆に、階調が濃いほど、代表輝度は低い。また、
図4A、
図4Bと
図5A乃至
図5Eに示す空間輝度分布図はいずれもコンピュータシミュレーション図である。
【0043】
図4A及び
図4Bを参照すると、
図4Aは比較例のバックライトモジュールを示し、光源、導光板及び従来の散乱粒子を含有する拡散シートを含むが、いずれのプリズムシートも含まない。
図4Bは、
図1Bに示すバックライトモジュール100を示し、
図4Bに示すバックライトモジュール100は、
プリズムシート221を含まない。また、比較例のバックライトモジュールに含まれる光源及び導光板は、それぞれ、
図1Bに示すように、光源190及び導光板130と同じであってもよい。
【0044】
図4A及び
図4Bにおいて、
図4A及び
図4Bは、比較例のバックライトモジュールとバックライトモジュール100とを俯瞰して輝度分布を観測することをシミュレーションしたものであり、
図4A及び
図4Bにおける縦軸及び横軸はいずれも角度を表し、縦軸と横軸の両方が交わる中心は、導光板の出光面(例えば、導光板130の出光面132)の中心軸を表すことができる。
【0045】
図1A、
図1B及び
図4Bを参照すると、バックライトモジュール100を例として、
図4Bにおける縦軸と横軸とが交わる中心は、
図1Aにおける出光面132の中心軸OB1に等しい。
図4Bにおける縦軸角度は、
図1Bに示す観測角度SA1に等しい。観測角度SA1は、中心軸OB1と観測方向OD1との間の角であり、観測角度SA1の絶対値は、0度から90度の間にある。
図4Bにおける縦軸角度がゼロである場合、観測方向OD1と中心軸OB1との間の夾角がゼロであることを表し、即ち、ゼロ縦軸角度は、中心軸OB1からバックライトモジュール100の輝度を観測することを表す。
【0046】
図4Bにおける縦軸の角度が負の値である場合、観測方向OD1は、導光板130の入光面131に偏っており、即ち、負の値の縦軸の角度は、出光面132の入光面131に隣接する側からバックライトモジュール100の輝度を観測することを意味する。逆に、
図4Bにおける縦軸の角度が正の値である場合、観測方向OD1は、導光板130の入光面131から外れ、即ち、正の値の縦軸の角度は、出光面132により入光面131から離れた側からバックライトモジュール100の輝度を観測し、
図1Bに示す観測角度SA1を表す。同様に、
図4Bにおける横軸の輝度変化は、
図1Aにおけるバックライトモジュール100の左右両側の間の輝度分布を表す。
【0047】
図4Aに表される比較例のバックライトモジュールの視野角は約61度であり、
図4Bに表されるバックライトモジュール100の視野角は約40度であり、そのうち、視野角は光線のピークの角度を指す。
図4A中の大部分の領域はかなり浅いグレースケールを有し、
図4B中の大部分の領域はかなり濃いグレースケールを有し、特定の一つの小さいブロックのみにグレースケールの浅いグレースケールとその内部の色が最も濃いグレースケールが発生する。このように、
光学フィルム110により、バックライトモジュール100の光指向性は、比較例のバックライトモジュールの光指向性よりも高いことがわかる。
【0048】
また、
図4Aにおける比較例のバックライトモジュールの縦軸における輝度半値幅(Full Width at Half Maximum、FWHM)は約69度であり、横軸における輝度半値幅は約40度である。
図4Bのバックライトモジュール100は、縦軸の輝度半値幅が約40度であり、横軸の輝度半値幅が約10度である。従って、
図4Bにおけるバックライトモジュール100の半値幅は、
図4Aにおける比較例のバックライトモジュールの半値幅よりも小さいため、
図4Bにおけるバックライトモジュール100の光指向性は、
図4Aにおける比較例のバックライトモジュールの光指向性よりも高く、すなわち、
図4Bに表されるバックライトモジュール100が光線を集中的に出射することができる。
【0049】
図5Aは、比較例のバックライトモジュールの空間輝度分布図であり、
図5Bから
図5Eは本発明の複数の実施例のバックライトモジュールの空間輝度分布図であり、
図5Aから
図5Eにおける縦軸と横軸との定義はいずれも
図4Aと
図4Bにおける縦軸と横軸の定義と同じであり、ここでは説明を繰り返しない。
【0050】
図5A及び
図5Bを参照すると、
図5Aに表される比較例のバックライトモジュールは、導光板及び拡散シートを含むだけでなく、2枚のプリズムシートを含むが、
光学フィルム110を含まない。
図5Bは、
光学フィルム110と、2枚のプリズムシート(即ち、
プリズムシート221)と、拡散シート222とが付加されたバックライトモジュール100を示し、前記2枚のプリズムシートの設置は、それぞれ
図2B、
図2D及び
図2Eに示すように、即ち、一方のプリズムシートのプリズムストリップの延在方向が
光学フィルム110のプリズム111の延在方向(いずれも延在方向E1)に平行であり、他方のプリズムシートのプリズムストリップの延在方向がプリズム111の延在方向(それぞれ延在方向E1及びE2)に垂直である。
【0051】
これらのプリズムシート(例えば、
プリズムシート221)は、バックライトモジュールの大部分の光線が法線(例えば、
図1Bにおける法線N1)に沿って出射するように光線をガイドすることができる。従って、
図5Aと
図5Bの両方におけるバックライトモジュールの視野角はいずれも約0度である。次に、
図5Aにおける比較例のバックライトモジュールの縦軸の輝度半値幅は、横軸の輝度半値幅といずれも約45度である。
図5Bにおけるバックライトモジュールの縦軸における輝度半値幅は約38度であり、横軸における輝度半値幅は約31度である。これにより、
図5Bにおけるバックライトモジュールは、光線を集中的に出射し、且つ
図5Aにおける比較例のバックライトモジュールよりも高い光指向性を有し、且つ輝度を約15%向上させることができる。このアーキテクチャでは、
図1Dに示すマイクロ構造112を用いて
光学フィルム110の一辺に対して斜めにアレイに配列され、さらに
図2Aの
光学フィルム110のこれらのプリズム111が延在方向E2に沿って延伸することに合わせて、
図1Aの
光学フィルム110のこれらのプリズム111が延在方向E1に沿って延伸する実施形態よりも、FWHMのエネルギーをより集中させることができ、輝度がより一層向上する。
【0052】
図5Cは、本発明の
図3A、3Bに示す別の実施例のバックライトモジュールの空間輝度分布図である。
図5Cを参照すると、
図5Cは、
光学フィルム110、2枚のプリズムシート(即ち、
プリズムシート221)及び拡散シート222を装着した後のバックライトモジュール100を示す。しかしながら、
図5Bと異なり、
図5Cに表されるバックライトモジュールにおいて、これらの2枚のプリズムシートの設置は、それぞれ
図3Aと
図3Bに示すように、即ち、これらの2枚のプリズムシートのプリズムストリップの延在方向がいずれも
光学フィルム110のプリズム111の延在方向E1に平行でも垂直でもなく、
図3A、3Bに示すように、一方のプリズムシートのプリズムストリップの方向が45度であり、他方のプリズムシートのプリズムストリップの方向が135度である。
【0053】
図5Cに示す実施例において、これらのプリズムシート(例えば、
プリズムシート221)は、光線が法線(例えば、
図1Bにおける法線N1)に沿って出射するようにガイドすることができるため、
図5Cにおけるバックライトモジュールの視野角は約0度である。次に、
図5Cにおけるバックライトモジュールの縦軸における輝度半値幅は約34度であり、横軸における輝度半値幅は約30度である。従って、
図5Aにおける比較例のバックライトモジュールと比較して、
図5Cにおけるバックライトモジュールは、光線を集中的に出射し、良い光指向性を有し、且つ輝度を約20%向上させることができる。
【0054】
図5D及び
図5Eは、本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの空間輝度分布図であり、
図5D及び
図5Eは、いずれも
図2A及び
図2Bに示すバックライトモジュール200、即ち、
光学フィルム110のこれらのプリズム111が延在方向E2に沿って延在することを示す。ただし、
図5Dに表されるバックライトモジュール200は、
光学フィルム110を追加するが、
プリズムシート221と拡散シート222を含まず、
図5Eは、完全なバックライトモジュール200を示し、一方のプリズムシートのプリズムストリップの方向は0度であり、他方のプリズムシートのプリズムストリップの方向は90度であり、
図2Aに示すとおりである。
図5Dにおけるバックライトモジュール200の視野角は約52度であり、縦軸における輝度半値幅は約24度であり、横軸における輝度半値幅は約20度である。従って、
図4Aの比較例のバックライトモジュールと比較して、プリズムシート(即ち、
プリズムシート221)と拡散シート222がない条件において、
図5Dに表されるバックライトモジュール200は、優れた光指向性を有し、且つ分光効果を発生させることができ、左右両側の視野角(両側淡色領域と淡色領域における濃色、白色領域)に十分な輝度を持たせることができる。
【0055】
図5Eにおいて、これらの
プリズムシート221(即ち、プリズムシート)による光線のガイドにより、バックライトモジュール200(
プリズムシート221と拡散シート222を含む)の視野角は約0度である。次に、
図5Eに示すバックライトモジュール200の縦軸における輝度半値幅は約34度であり、横軸における輝度半値幅は約27度である。
図5Aにおける比較例と比較して、
図5Eにおけるバックライトモジュール200は、良好な光指向性を有し、本来、
図5Dにおける分光効果を正面視野角(真中淡色領域と淡色領域における濃色、白色領域)に集中させ、且つ輝度を約20%向上させることができる。
【0056】
図6は、本発明の別の実施例に係るバックライトモジュールの断面模式図である。
図6を参照すると、本実施例のバックライトモジュール600は、前記実施例のバックライトモジュール100と類似し、バックライトモジュール600と100との間の差異は、バックライトモジュール600に含まれる導光板630が前記実施例における導光板130と異なることである。以下、主にバックライトモジュール600と100との間の差異について述べるが、両者の同一の特徴は、基本的には説明を繰り返さない。
【0057】
具体的には、導光板630は、底面633と、底面633に形成された複数の導光構造639とを有し、ここで、各導光構造639は、互いに接続された受光面639a及び非受光面639bを有し、受光面639aは、光源190の光線L1の進行方向に面している。
図6に示すように、受光面639aと底面633との間に第1の夾角A61を成し、非受光面639b底面633との間に第2夾角A62を成し、第1の夾角A61と第2夾角A62はいずれも鋭角であり、且つ第1の夾角A61は第2夾角A62より小さい。
【0058】
光源190が導光板630の入光面631に向けて光線L1を発すると、光線L1は入光面631から導光板630内に入り、そのうち一部の光線L1は導光構造639に入射し、例えば、受光面639aに入射する。光線L1は、導光構造639(例えば、受光面639a)によって反射され、光線L1が導光板630の出光面632から出射される。このような設計により、受光面639aの面積を拡大し、非受光面639bの面積を縮小することができ、受光面639aがより高い確率で光線を反射して光線を導光板630の出光面632から出射させ、それによって、光学フィルム110に用いられ、指向性を向上する効果に寄与する。
【0059】
バックライトモジュール600は、光反射シート680をさらに含み、光反射シート680は、導光板630の下方に位置し、底面633に面し、導光板630は、光反射シート680と
光学フィルム110との間に位置する。光線L1が導光構造639に入射すると、
図6に示すように、導光構造639は光線L1を反射するだけでなく、光線L1を屈折することができる。導光構造639が光線L1を屈折させると、光線L1は光反射シート680に入射する。光反射シート680は、光線L1を反射して、光線L1を再び導光板630内に進入させることができ、それによって、より多くの光線L1を出光面632から出射させることができる。このように、バックライトモジュール600の輝度の向上に寄与する。
【0060】
なお、
図6におけるバックライトモジュール600は、複数の
プリズムシート221及び拡散シート222(
図2Bに示す)、又は複数の
プリズムシート321a及び321b(
図3A及び
図3Bに示す)をさらに含んでもよい。つまり、
図2Bに示すバックライトモジュール200において、導光板130は、
図6に示す導光板630に置き換えてもよい。なお、
図6における
光学フィルム110は、
図2Bにおける
光学フィルム110に置き換えられてもよい。つまり、
図6において、
光学フィルム110のこれらのプリズム111は、延在方向E1又はE2に沿って延在してもよい。
【0061】
図7は、本発明の一つの実施例に係る表示装置の側面模式図である。
図7を参照すると、表示装置700は、バックライトモジュール710及び表示パネル720を含み、ここで、表示パネル720は、バックライトモジュール710に対して設けられ、バックライトモジュール710の出光面の上方に位置することで、バックライトモジュール710が表示パネル720に向けて光線を発することができる。
【0062】
バックライトモジュール710は、前記実施例におけるバックライトモジュール100、200又は600、又はこれらバックライトモジュール100、200及び600の任意の組み合わせ、例えば、複数のプリズムシート221及び拡散シート222を含むバックライトモジュール100であってもよい。従って、バックライトモジュール710は、光学フィルム110を含む。表示パネル720は、例えば、液晶表示パネルなどの透過型の表示パネルであってもよい。光学フィルム110は、コンシーラーの能力を維持するとともに、光線L1を集中的に出射することで、バックライトモジュール710の光指向性を向上させることができるため、バックライトモジュール710は高輝度の光線を均一に発することができ、出光視野角の集光性と正面の視野角の輝度を向上させ、同時にコンシーラー効果を有し、表示パネル720の輝度と均一度を向上させる。
【0063】
本発明の実施例は、以上のように開示されているが、本発明を限定するものではなく、本発明が属する技術分野の当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、若干の変更及び修正を行うことができるため、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される保護範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0064】
100、200、600、710 バックライトモジュール
110、110’ 光学フィルム
111 プリズム
112 マイクロ構造
112s ファセット
130、630 導光板
131、631 入光面
132、632 出光面
133、633 底面
190 光源
191 発光ダイオード
221、321a、321b プリズムシート
221s プリズムストリップ
222 拡散シート
639 導光構造
639a 受光面
639b 非受光面
680 光反射シート
700 表示装置
720 表示パネル
A31 夾角
A61 第1の夾角
A62 第2の夾角
CR1 断面線
E1、E2、E31、E32 延在方向
L1 光線
N1 法線
OB1 中心軸
OD1 観測方向
SA1 観測角度
SL1 直線
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュールであって、
入光面と、法線を有する出光面とを有する導光板と、
前記入光面に隣接して設けられた光源と、
前記出光面に対して設けられた
光学フィルムとを含み、
光学フィルムは、複数の並列されたプリズムと複数のマイクロ構造とを含み、
各前記プリズムの延在方向が前記法線に垂直であり、且つ各前記プリズムが前記導光板の前記出光面に面して、
各前記マイクロ構造は、前記
光学フィルムの前記導光板に背向する表面に位置し、各前記マイクロ構造は、複数のファセットを有する錐体構造であり、複数の前記プリズムは、複数の前記マイクロ構造と前記出光面との間に位置する、
光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項2】
複数の
プリズムシートをさらに含み、
各前記プリズムシートは、並列された複数のプリズムストリップを含み、前記
光学フィルムは、前記複数の
プリズムシートと前記出光面との間に位置し
ている、
請求項1に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項3】
前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向は、他の前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向に垂直である、
請求項2に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項4】
前記出光面は、前記入光面の一側に接続され、前記光源は、配列方向に沿って設けられた複数の発光ダイオードを有し、前記光学フィルムの前記プリズムの延在方向は前記複数の発光ダイオードの配列方向に垂直であり、且つ前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向に沿う、
請求項2に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項5】
前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向は、前記
配列方向に平行であり、他の前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向は、前記
配列方向に垂直である、
請求項
4に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項6】
前記出光面は、前記入光面の一側に接続され、前記光源は、
配列方向に沿って並んで設けられた複数の発光ダイオードを有し、各前記プリズムシートの前記複数のプリズムストリップの延在方向は、前記
配列方向と平行でも垂直でもない、
請求項
2に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項7】
前記プリズムの延在方向は、
前記複数の発光ダイオードの配列方向に沿う、
請求項6に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項8】
複数の前記マイクロ構造は、前記
光学フィルムの一辺に対して斜めにアレイ状に配列されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項9】
前記導光板は、前記出光面に対向する底面及び前記底面に形成された複数の導光構造を有し、各前記導光構造は、互いに接続された受光面及び非受光面を有し、前記受光面が前記光源の光進行方向に面し、前記受光面が前記底面との間に第1の夾角を形成し、前記非受光面が前記底面との間に第2夾角を形成し、前記第1の夾角と前記第2夾角はいずれも鋭角であり、且つ前記第1の夾角は前記第2夾角より小さい、
請求項1から7のいずれか一項に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュール。
【請求項10】
表示装置であって、
請求項1から
7のいずれか一項に記載の光学フィルムに複数の錐体構造を設計したバックライトモジュールと、
前記バックライトモジュールに対して設置された表示パネルとを含む、
表示装置。
【国際調査報告】