(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】荷電粒子ビームの収差を判定する方法および荷電粒子ビームシステム
(51)【国際特許分類】
H01J 37/22 20060101AFI20241001BHJP
H01J 37/153 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01J37/153 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522073
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2022073953
(87)【国際公開番号】W WO2023061651
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501493587
【氏名又は名称】アイシーティー インテグレーテッド サーキット テスティング ゲゼルシャフト フィーア ハルプライタープリーフテヒニック エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】エーベルガー ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ブロイアー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フィルンケス マティアス
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101EE08
5C101EE67
5C101FF02
5C101FF56
5C101FF57
5C101GG04
5C101GG05
5C101HH11
5C101HH44
5C101HH47
5C101HH48
5C101HH61
5C101HH64
(57)【要約】
荷電粒子ビームシステム内で集束レンズ(120)によってサンプル(10)の方へ集束させられた荷電粒子ビーム(11)の収差を判定する方法が記載される。この方法は、(a)1つまたは複数のデフォーカス設定でサンプルの1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)を提供することと、(b)1組のビーム収差係数(
iC)およびサンプルの焦点画像に基づいて、1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影されたサンプルの1つまたは複数の画像をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレート画像を提供することと、(c)1つまたは複数の撮影画像および1つまたは複数のシミュレート画像を比較して、これらの画像間の差分の大きさ(R
i)を判定することと、(d)1組のビーム収差係数(
iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を提供し、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を反復プロセスで使用して(b)および(c)を繰り返し、前記大きさ(R
i)を最小にすることとを含む。別法として、(b)において、1つまたは複数のビーム断面をシミュレートすることができ、(c)においてシミュレートビーム断面を、1つまたは複数の撮影画像から回収された1つまたは複数の回収ビーム断面と比較して、これらの断面間の差分の大きさ(R
i)を判定することができる。さらに、そのような方法のいずれかのために構成されたサンプルを撮像および/または検査するための荷電粒子ビームシステムが提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビームシステム内で集束レンズによってサンプルの方へ集束させられた荷電粒子ビームの収差を判定する方法であって、
(a)1つまたは複数のデフォーカス設定で前記サンプルの1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像を提供することと、
(b)1組のビーム収差係数(
iC)および前記サンプルの焦点画像に基づいて、前記1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影された前記サンプルの1つまたは複数の画像をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレート画像を提供することと、
(c)前記1つまたは複数の撮影画像および前記1つまたは複数のシミュレート画像を比較して、前記画像間の差分の大きさ(R)を判定することと、
(d)前記1組のビーム収差係数(
iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を提供し、前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を反復プロセスで使用して(b)および(c)を繰り返し、前記大きさ(R)を最小にすることとを含む、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数のデフォーカス設定が、前記荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点からの前記サンプルの1つまたは複数のデフォーカス距離を含み、したがって(a)において、前記サンプルが前記1つまたは複数のデフォーカス距離に配置されたとき、前記1つまたは複数の画像が撮影され、(b)において、前記1つまたは複数のシミュレート画像が、前記1つまたは複数のデフォーカス距離で撮影された前記サンプルのシミュレート画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)において、複数の6つ以上の画像が、特に前記集束レンズの集束強度を変更することによって、またはサンプルステージを前記集束レンズに対して動かすことによって、6つ以上の異なるデフォーカス距離で撮影される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数のデフォーカス設定が、焦点ビーム入射エネルギーから変更された前記荷電粒子ビームの1つまたは複数のビーム入射エネルギーを含み、したがって(a)において、前記1つまたは複数の撮影画像が、前記1つまたは複数のビーム入射エネルギーで撮影され、(b)において、前記1つまたは複数のシミュレート画像が、前記1つまたは複数のビーム入射エネルギーで撮影された前記サンプルのシミュレート画像を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)と前記1つまたは複数のシミュレート画像との間の前記差分の最小の大きさ(R
min)を取得するまで、(b)および(c)が繰り返され、前記それぞれの反復における前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)が、実際のビーム収差(
fitC)を構成する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
1つまたは複数の収差補正器によって、特に1つまたは複数の静電または磁気多極補正器によって、前記実際のビーム収差(
fitC)を補正して、補正された荷電粒子ビームを提供することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(c)において、前記1つまたは複数の撮影画像および前記1つまたは複数のシミュレート画像が、フーリエ空間内で比較される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
(c)において、比較することが、前記1つまたは複数の撮影画像のうちの各画像と前記1つまたは複数のシミュレート画像のうちの対応するシミュレート画像との間の差分値を計算することと、前記差分値を合計して、前記大きさ(R)を取得することとを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
(b)において、シミュレートすることが、前記1つまたは複数のデフォーカス設定のうちの各デフォーカス設定で、
- 前記1組のビーム収差係数(
iC)に基づいて、前記荷電粒子ビームのビーム断面を計算することと、
- フーリエ空間内の前記ビーム断面およびフーリエ空間内の前記焦点画像の積に基づいてフーリエ空間内のそれぞれのシミュレート画像を計算すること、または畳み込みに基づいて、実空間内のそれぞれのシミュレート画像を計算することとを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
フーリエ空間内の前記それぞれのシミュレート画像を計算することが、フーリエ空間内の焦点ビーム断面による除算をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1組のビーム収差係数(
iC)が、
iC
s、
iC
defocus、
iC
astigmatism,2-fold、
iC
astigmatism,3-fold、
iC
astigmatism,4-fold、
iC
star、および
iC
coma、ならびに1つ、2つ、またはそれ以上の色収差係数からなる群の2つ、3つ、またはそれ以上の係数を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
荷電粒子ビームシステム内で集束レンズによってサンプルの方へ集束させられた荷電粒子ビームの収差を判定する方法であって、
(a)1つまたは複数のデフォーカス設定で前記サンプルの1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像を提供し、前記1つまたは複数の撮影画像から1つまたは複数の回収ビーム断面を回収することと、
(b)1組のビーム収差係数(
iC)に基づいて、前記1つまたは複数のデフォーカス設定で1つまたは複数のビーム断面をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレートビーム断面を提供することと、
(c)前記1つまたは複数の回収ビーム断面および前記1つまたは複数のシミュレートビーム断面を比較して、前記断面間の差分の大きさ(R)を判定することと、
(d)前記1組のビーム収差係数(
iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を提供し、前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を反復プロセスで使用して(b)および(c)を繰り返し、前記大きさ(R)を最小にすることとを含む、方法。
【請求項13】
前記1つもしくは複数のデフォーカス設定が、前記荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点からの前記サンプルの1つもしくは複数のデフォーカス距離を含み、または前記1つもしくは複数のデフォーカス設定が、焦点ビーム入射エネルギーから変更された前記荷電粒子ビームの1つもしくは複数のビーム入射エネルギーを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の回収ビーム断面と前記1つまたは複数のシミュレートビーム断面との間の前記差分の最小の大きさ(R
min)を取得するまで、(b)および(c)が繰り返され、前記それぞれの反復における前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)が、実際のビーム収差(
fitC)を絶対値で構成する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
(c)において、前記1つまたは複数の回収ビーム断面および前記1つまたは複数のシミュレートビーム断面が、実空間内で比較される、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
(c)において、比較することが、各回収ビーム断面と対応するシミュレートビーム断面との間の差分値を計算することと、前記差分値を合計して、前記大きさ(R)を取得することとを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
(a)において、前記1つもしくは複数の撮影画像から前記1つもしくは複数の回収ビーム断面を回収することが、フーリエ空間内の前記1つもしくは複数の撮影画像をフーリエ空間内の前記サンプルの焦点画像で割ることを含み、または前記1つもしくは複数の回収ビーム断面が、実空間内の逆畳み込みに基づいて回収される、請求項12~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記1つまたは複数の撮影画像から前記1つまたは複数の回収ビーム断面を回収することが、適応フィルタ項の適用およびフーリエ空間内の焦点ビーム断面による乗算のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(d)において、前記1組のビーム収差係数のうちのすべてのビーム収差係数に応じて最小の大きさ(R
min)を取得するまで、特に多次元変更ルーチンに基づいて、前記1組のビーム収差係数のうちのビーム収差係数が連続および/または並行して変更される、請求項12~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
荷電粒子ビームシステムであって、
光軸に沿って伝播する荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子源と、
サンプルステージと、
前記サンプルステージ上に配置されたサンプルの方へ前記荷電粒子ビームを集束させるための集束レンズと、
前記サンプルから放出された信号粒子を検出するための荷電粒子検出器と、
プロセッサおよびメモリとを備え、前記メモリが、前記プロセッサによって実行されたとき、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法を前記荷電粒子ビームシステムに実行させる命令を記憶する、荷電粒子ビームシステム。
【請求項21】
荷電粒子ビームシステムであって、
光軸に沿って伝播する荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子源と、
サンプルステージと、
前記サンプルステージ上に配置されたサンプルの方へ荷電粒子ビームを集束させるための集束レンズと、
前記サンプルから放出された信号粒子を検出するための荷電粒子検出器と、
プロセッサおよびメモリとを備え、前記メモリが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記荷電粒子ビームシステムに、
(x1)1組のビーム収差係数(
iC)および前記サンプルの焦点画像に基づいて、1つもしくは複数のデフォーカス設定で前記サンプルの1つもしくは複数の画像をシミュレートして、1つもしくは複数のシミュレート画像を提供すること、または
1組のビーム収差係数(
iC)に基づいて、1つもしくは複数のデフォーカス設定で1つもしくは複数のビーム断面をシミュレートして、1つもしくは複数のシミュレートビーム断面を提供することと、
(x2)前記1つもしくは複数のデフォーカス設定で撮影された前記サンプルの1つもしくは複数の撮影画像および前記1つもしくは複数のシミュレート画像を比較して、前記画像間の差分の大きさを判定すること、または
前記1つもしくは複数のデフォーカス設定で撮影された前記サンプルの1つもしくは複数の撮影画像から回収された1つもしくは複数の回収ビーム断面および前記1つもしくは複数のシミュレートビーム断面を比較して、前記断面間の差分の大きさを判定することと、
(x3)(x1)および(x2)の後の反復で、前記1組のビーム収差係数(
iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を提供し、前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を使用して、前記大きさを最小にすることとをさせる命令を記憶する、荷電粒子ビームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載する実施形態は、荷電粒子ビームシステム内で、たとえば電子顕微鏡内で、特に走査電子顕微鏡(SEM)内で、荷電粒子ビームの収差を判定する方法に関する。詳細には、ビーム収差係数の実際の値を判定することができ、それによりビーム収差の補正を容易にし、分解能を改善することができる。より詳細には、本明細書に記載する実施形態は、荷電粒子ビームシステム内で集束レンズによってサンプルの方へ集束させられた荷電粒子ビームのビーム収差係数を判定する方法に関し、それにより収差補正された荷電粒子ビームの提供を容易にする。実施形態はさらに、本明細書に記載する方法のいずれかのために構成されたサンプルを検査および/または撮像するための荷電粒子ビームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代の半導体技術では、ナノメートルまたはさらにはナノメートル未満のスケールで試験片を構築および調査することが強く求められてきた。マイクロメートルおよびナノメートルスケールのプロセス制御、検査、または構築は、荷電粒子ビーム、たとえば電子ビームによって行われることが多く、そのようなビームは、電子顕微鏡または電子ビームパターン生成器などの荷電粒子ビームシステム内で生成、成形、偏向、および集束される。検査の目的で、荷電粒子ビームは、たとえば光子ビームと比べて、優れた空間分解能を提供する。
【0003】
走査電子顕微鏡(SEM)などの荷電粒子ビームを使用する検査装置は、複数の産業分野において、それだけに限定されるものではないが、電子回路、リソグラフィ向けの露出システム、検出システム、欠陥検査ツール、および集積回路向けの試験システムの検査を含む、多くの機能を有する。そのような粒子ビームシステムでは、高い電流密度を有する微細なビームプローブを使用することができる。たとえば、SEMの場合、1次電子ビームが2次電子(SE)および/または後方散乱電子(BSE)など信号粒子を生成し、これらの電子を使用して、サンプルを撮像および/または検査することができる。
【0004】
しかし、荷電粒子ビームは典型的に、取得可能な分解能を制限するビーム収差を受けるため、荷電粒子ビームシステムによって良好な分解能でサンプルを確実に検査および/または撮像することは難しい。典型的な荷電粒子ビームシステムでは、球面収差、非点収差、および/または色収差などの荷電粒子ビームの収差を少なくとも部分的に補償するための収差補正器が設けられる。収差補正された荷電粒子ビームは、補正されていないビームと比べて、より小さいプローブ焦点を提供することができ、したがってより良好な分解能を提供することができる。しかし、満足のいくようにビーム収差を補正することなどのために多数の制御部を有することのある収差補正器の設定を適当に調整することは難しく、その理由は、システム内に存在するビーム収差が概して知られていないからである。
【0005】
上記を考慮すると、荷電粒子ビームシステム内で集束レンズによって集束させられた荷電粒子ビームの収差を正確かつ確実に判定する方法、特にビーム収差係数の実際の値、すなわちビーム収差係数の絶対値を判定する方法を提供することが有益になるはずである。さらに、本明細書に記載する方法のいずれかによって動作するように構成されたサンプルを検査および/または撮像するための荷電粒子ビームシステムを提供することも有益になるはずである。
【発明の概要】
【0006】
上記に照らして、荷電粒子ビームのビーム収差を判定する方法、および荷電粒子ビームのビーム収差を判定するように構成された荷電粒子ビームシステムが、独立請求項によって提供される。
【0007】
第1の態様によれば、荷電粒子ビームシステム内で集束レンズによってサンプルの方へ集束させられた荷電粒子ビームの収差を判定する方法が提供される。この方法は、(a)1つまたは複数のデフォーカス設定でサンプルの1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像を提供することと、(b)1組のビーム収差係数およびサンプルの焦点画像に基づいて、1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影されたサンプルの1つまたは複数の画像をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレート画像を提供することと、(c)1つまたは複数の撮影画像および1つまたは複数のシミュレート画像を比較して、これらの画像間の差分の大きさを判定することと、(d)1組のビーム収差係数を変更して、更新された1組のビーム収差係数を提供し、更新された1組のビーム収差係数を反復プロセスで使用して(b)および(c)を繰り返し、前記大きさを最小にすることとを含む。
【0008】
第2の態様によれば、荷電粒子ビームシステム内で集束レンズによってサンプルの方へ集束させられた荷電粒子ビームの収差を判定する方法が提供される。この方法は、(a)1つまたは複数のデフォーカス設定でサンプルの1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像を提供し、1つまたは複数の撮影画像から1つまたは複数の回収ビーム断面を回収することと、(b)1組のビーム収差係数に基づいて、1つまたは複数のデフォーカス設定で1つまたは複数のビーム断面をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレートビーム断面を提供することと、(c)1つまたは複数の回収ビーム断面および1つまたは複数のシミュレートビーム断面を比較して、これらの断面間の差分の大きさを判定することと、(d)1組のビーム収差係数を変更して、更新された1組のビーム収差係数を提供し、更新された1組のビーム収差係数を反復プロセスで使用して(b)および(c)を繰り返し、前記大きさを最小にすることとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のデフォーカス設定は、1つまたは複数のデフォーカス距離を含み、(a)サンプルが荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点から1つまたは複数のデフォーカス距離に配置されたとき、サンプルの1つまたは複数の画像を撮影することを含む。別法または追加として、1つまたは複数のデフォーカス設定は、焦点ビーム入射エネルギーから変更された荷電粒子ビームの1つまたは複数のビーム入射エネルギーを含み、(a)1つまたは複数のビーム入射エネルギーでサンプルの1つまたは複数の画像を撮影することを含む。
【0010】
第1および第2の態様による方法はどちらも、焦点外で撮影された画像またはそこから回収されたビーム断面を、1組のビーム収差係数に基づいてシミュレートされたそれぞれのシミュレート焦点外画像またはそれぞれのシミュレート焦点外ビーム断面と比較することに依拠する。初期の1組のビーム収差係数は、実際に撮影された画像またはそこから回収されたビーム断面に近いシミュレート焦点外画像またはシミュレート焦点外ビーム断面を提供する目的で、反復プロセスにおいて変更される。このとき、それぞれの1組のビーム収差係数は、システム内に実際に存在するビーム収差係数に本質的に対応すると見なすことができる。それに応じて、ビーム収差係数の実際の値を定量的に判定することができ、それに応じて荷電粒子ビームを補正することができる。
【0011】
第3の態様によれば、荷電粒子ビームによって、特に電子ビームによって、サンプルを撮像および/または検査するための荷電粒子ビームシステムが提供される。荷電粒子ビームシステムは、光軸に沿って伝播する荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子源と、サンプルステージと、サンプルステージ上に配置されたサンプルの方へ荷電粒子ビームを集束させるための集束レンズと、サンプルから放出された信号粒子を検出するための荷電粒子検出器と、プロセッサおよびメモリとを含み、メモリは、プロセッサによって実行されたとき、本明細書に記載する方法のいずれかをシステムに実行させる命令を記憶する。
【0012】
特に、荷電粒子ビームによって、特に電子ビームによって、サンプルを撮像および/または検査するための荷電粒子ビームシステムが提供される。荷電粒子ビームシステムは、光軸に沿って伝播する荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子源と、サンプルステージと、サンプルステージ上に配置されたサンプルの方へ荷電粒子ビームを集束させるための集束レンズと、サンプルから放出された信号粒子を検出するための荷電粒子検出器とを含む。システムは、プロセッサおよびメモリをさらに含み、メモリは、プロセッサによって実行されたとき、システムに、(x1)1組のビーム収差係数およびサンプルの焦点画像に基づいて、1つもしくは複数のデフォーカス設定でサンプルの1つもしくは複数の画像をシミュレートして、1つもしくは複数のシミュレート画像を提供すること、または1組のビーム収差係数に基づいて、1つもしくは複数のデフォーカス設定で1つもしくは複数のビーム断面をシミュレートして、1つもしくは複数のシミュレートビーム断面を提供することと、(x2)1つもしくは複数のデフォーカス設定で撮影されたサンプルの1つもしくは複数の撮影画像および1つもしくは複数のシミュレート画像を比較して、これらの画像間の差分の大きさを判定すること、または1つもしくは複数のデフォーカス設定で撮影されたサンプルの1つもしくは複数の撮影画像から回収された1つもしくは複数の回収ビーム断面、および1つもしくは複数のシミュレートビーム断面を比較して、これらの断面間の差分の大きさを判定することと、(x3)(x1)および(x2)の後の反復で、1組のビーム収差係数を変更して、更新された1組のビーム収差係数を提供し、更新された1組のビーム収差係数を使用して、前記大きさを最小にすることとをさせる命令を記憶する。
【0013】
実施形態はまた、開示する方法を実施するための装置を対象とし、個々の方法動作を実行するための装置部分を含む。この方法は、ハードウェア部分、適当なソフトウェアによってプログラムされたコンピュータ、これら2つの任意の組合せ、または任意の他の方法で、実行することができる。さらに、実施形態はまた、記載する装置を動作させる方法を対象とする。
【0014】
本明細書に記載する実施形態と組み合わせることができるさらなる利点、特徴、態様、および詳細は、従属請求項、明細書、および図面から明らかである。
【0015】
本開示の上述した特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した説明のさらなる詳細は、実施形態を参照することによって得ることができる。添付の図面は、1つまたは複数の実施形態に関し、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本明細書に記載する方法のいずれかによって動作するように適合された、本明細書に記載する実施形態による荷電粒子ビームシステムの概略図である。
【
図2】本明細書に記載する実施形態による荷電粒子ビームの収差を判定する方法を示す図である。
【
図4】本明細書に記載する実施形態による荷電粒子ビームの収差を判定する別の方法を示す図である。
【
図5】
図4に示す別の方法を示すより詳細な図である。
【
図6】荷電粒子ビームの収差を判定する別の方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な実施形態を次に詳細に参照し、それらの実施形態の1つまたは複数の例が図に示されている。以下の図面の説明では、同じ参照番号が同じ構成要素を指す。全体として、個々の実施形態に関する違いについてのみ説明する。各例は説明のために提供されており、限定を意味しない。さらに、一実施形態の一部として図示または記載される特徴を、他の実施形態上で、または他の実施形態とともに使用して、さらなる実施形態をもたらすこともできる。説明はそのような修正形態および変形形態を含むことが意図される。
【0018】
図1は、本明細書に記載する実施形態によるサンプル10を検査および/または撮像するための荷電粒子ビームシステム100の概略図である。荷電粒子ビームシステム100は、光軸Aに沿って伝播する荷電粒子ビーム11、特に電子ビームを放出するための荷電粒子源105、特に電子源を含む。荷電粒子ビームシステム100は、サンプルステージ108と、サンプルステージ108上に配置されたサンプル10上へ荷電粒子ビーム11を集束させるための集束レンズ120、特に対物レンズとをさらに含む。荷電粒子ビームシステム100は、サンプル10から放出された信号粒子(たとえば、2次電子および/または後方散乱電子)を検出するための荷電粒子検出器118、特に電子検出器をさらに含む。さらに、荷電粒子検出器118から受け取った荷電粒子信号に基づいて、サンプル10の1つまたは複数の画像を生成する画像生成ユニット160を設けることができる。画像生成ユニット160は、サンプルの1つまたは複数の画像を処理ユニット170へ転送し、処理ユニット170は、本明細書に記載する方法によってそこから収差係数を判定するように構成される。
【0019】
サンプルステージ108は、可動のステージとすることができる。特に、サンプルステージ108は、Z方向に、すなわち光軸A方向に可動とすることができ、したがって集束レンズ120とサンプルステージ108との間の距離を変動させることができる(
図1の矢印112参照)。サンプルステージ108をZ方向に動かすことによって、サンプル10を集束レンズ120の焦点面p
Iから異なるデフォーカス距離へ動かすことができ、したがってそれぞれのステージの動きごとに、たとえばたとえば0.1μm以上および/または2μm以上の所定の増分で、サンプル10の焦点外画像を撮影することができる。いくつかの実施形態では、サンプルステージ108はまた、光軸Aに直交する平面(本明細書ではXY平面とも呼ぶ)内で可動とすることもできる。サンプルステージ108をXY平面内で動かすことによって、サンプル10の指定の表面領域を集束レンズ120より下の区域内へ動かすことができる、したがって荷電粒子ビーム11をその上に集束させることによって、指定の表面領域を撮像することができる。
【0020】
荷電粒子ビームシステム100のビーム光学構成要素は、典型的には真空チャンバ101内に配置され、真空チャンバ101は排気することができ、したがって荷電粒子ビーム11は、光軸Aに沿って荷電粒子源105からサンプルステージ108の方へ伝播し、減圧、たとえば10-3mbarを下回る圧力または10-5mbarを下回る圧力下で、サンプル10に当たることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム100は、電子顕微鏡、特に走査電子顕微鏡とすることができる。所定の走査パターンに沿って、たとえばX方向および/またはY方向に、サンプル10表面にわたって荷電粒子ビーム11を走査するための走査偏向器107を設けることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、荷電粒子源105の下流に、特に集束レンズ120の方へ伝播する荷電粒子ビーム11を視準するために、コンデンサレンズ系106を配置することができる。いくつかの実施形態では、集束レンズ120は、サンプル10、特に磁気対物レンズ、静電磁気レンズ、または複合磁気静電レンズ上に、荷電粒子ビーム11を集束させるように構成された対物レンズである。
【0023】
荷電粒子ビームシステム100によって、サンプル10の1つまたは複数の表面領域を検査および/または撮像することができる。本明細書では、「サンプル」という用語は、たとえば1つまたは複数の層または特徴が形成された基板、半導体ウエハ、ガラス基板、ウェブ基板、または検査されるべき別のサンプルに関することができる。サンプルは、(1)サンプルの表面を撮像すること、(2)サンプルの1つもしくは複数の特徴の寸法を、たとえば横方向に、すなわちXY平面に測定すること、(3)限界寸法測定および/もしくは計測学を実行すること、(4)欠陥を検出すること、ならびに/または(5)サンプルの品質を調査することのうちの1つまたは複数のために検査することができる。
【0024】
サンプル10を荷電粒子ビーム11によって検査するために、荷電粒子ビーム11は、典型的には、集束レンズ120によってサンプル面上に集束させられる。荷電粒子ビーム11がサンプル面に当たると、サンプルから2次電子および/または後方散乱電子(「信号電子」と呼ばれる)が放出される。信号電子は、サンプルの特徴の空間特性および寸法に関する情報を提供し、荷電粒子検出器118によって検出することができる。たとえば走査偏向器107によってサンプル面にわたって荷電粒子ビーム11を走査し、信号電子の生成位置に応じて信号電子を検出することによって、たとえば画像生成ユニット160によってサンプル面またはその一部分を撮像することができ、画像生成ユニット160は、受け取った信号電子に基づいて、サンプル10の画像を提供するように構成することができる。
【0025】
サンプル面上に集束させられた荷電粒子ビーム11の小さいスポットが、取得可能な画像分解能を増大させる。それに応じて、サンプル10の鮮明な焦点内画像を取得するために、サンプル面は、検査中に集束レンズ120の焦点面pI内に配置されるべきである。本明細書では、焦点内で撮影されたサンプル10の鮮明な画像を「焦点画像hI」とも呼び、添え字Iは「焦点内(In focus)」を示す。同様に、本明細書では、焦点面pI内の荷電粒子ビーム11のビーム断面を「焦点ビーム断面gI」と呼び、添え字Iは「焦点内(In focus)」を示す。
【0026】
特に、画像は、実空間で(=画像領域で、すなわち空間座標に応じて)、またはフーリエ空間で(=周波数領域内で、すなわち空間周波数に応じて)、数学的に提示することができる。フーリエ空間内の画像は、実空間内の画像から、フーリエ変換(FT)を介して計算することができる。上記の表現はどちらも、画像の対応する情報を含む。本明細書では、実空間内の画像を小文字の「hn」で示し、フーリエ空間内の画像を大文字の「Hn」で示す。たとえば、「hI」は実空間内のサンプルの焦点画像を示し、「HI」はフーリエ空間内のサンプルの焦点画像を示し、これはhIのフーリエ変換である。同様に、本明細書では、実空間内のビーム断面を小文字の「gn」で示し、本明細書では、フーリエ空間内のビーム断面を大文字の「Gn」で示す。たとえば、「gI」は実空間内の荷電粒子ビームの焦点ビーム断面を示し、「GI」がフーリエ空間内の荷電粒子ビームの焦点ビーム断面を示し、これはgIのフーリエ変換である。本明細書に記載する実施形態のいくつかでは、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを介して、実空間内の画像およびビーム断面をフーリエ空間にフーリエ変換することができ、逆も同様である。
【0027】
本明細書では、シミュレート画像およびシミュレートビーム断面は、シミュレート画像に対する
【数1】
、およびシミュレートビーム断面に対する
【数2】
など、それぞれの文字の上のチルドで示す。本明細書では、荷電粒子ビームシステムによって撮影される実際の画像、および実際に撮影された画像から回収されるビーム断面は、撮影画像に対する(h
1...N)、およびそこから回収されたビーム断面に対する(g
1...N)など、それぞれの文字の上のチルドなしで示す。
【0028】
荷電粒子ビームシステムにおいて、ビーム収差は、典型的には、拡大または変形されたビーム断面をもたらし、それにより実現可能な分解能を低減させる。たとえば、典型的にはレンズによって導入されるシステム内の球面収差は、焦点面pI内に拡大された焦点ビーム断面gIをもたらし、非点収差は、異なる平面内を伝播する光線に対して異なる焦点をもたらすことがあり、それにより画像がぼやける。
【0029】
荷電粒子ビームシステムには、たとえば、(1)球面収差(ビーム収差係数C3,0またはCsによって定量的に表される)、(2)デフォーカス(ビーム収差係数C1,0によって定量的に表され、本明細書ではCdefocusとも呼ぶ)、(3)1次非点収差(ビーム収差係数C1,2によって定量的に表され、本明細書ではCast,2-foldとも呼ぶ)、(4)2次非点収差(ビーム収差係数C2,3によって定量的に表され、本明細書ではCast,3-foldとも呼ぶ)、(5)3次非点収差(ビーム収差係数C3,4によって定量的に表され、本明細書ではCast,4-foldとも呼ぶ)、(6)コマ収差(ビーム収差係数C2,1によって定量的に表され、本明細書ではCcomaとも呼ぶ)、(7)スター収差(ビーム収差係数C3,2によって定量的に表され、本明細書ではCstarとも呼ぶ)など、異なるタイプのビーム収差が存在することがあり、補正を必要とすることがある。さらに、荷電粒子ビームのエネルギーの広がり、およびシステムのビーム光学構成要素の分散に応じて、複数の色収差が存在することもあり、これらは1つまたは複数の色収差係数によって定量的に表すことができる。1組のビーム収差係数iCは、上記のビーム収差係数のうちの2つ、3つ、またはそれ以上を含むことができ、たとえばiC=[iCs,iCdefocus,iCast,2-fold]である。
【0030】
ビーム収差は、収差補正器によって、たとえば静電または磁気多極補正器によって補正することができる。
図1には収差補正器109が概略的に示されているが、荷電粒子ビームシステムはまた、2つ以上の収差補正器を含むこともでき、これらの収差補正器は、必ずしも光軸Aに沿って1つの位置に設けられるとは限らないことを理解されたい。たとえば、C
ast,2-foldを補正するために、四極子を含む非点補正装置を設けることができ、C
ast,3-foldおよび/またはC
ast,4-foldを補正するために、より高次の多極子を設けることができる。C
sを補償するために、より複雑な補正器を設けることもできる。様々なビーム収差を補正するための様々なタイプの収差補正器が知られている。
【0031】
1つまたは複数のタイプのビーム収差が適当に補正されるように、収差補正器を調整することは難しく、その理由は、システム内に存在するビーム収差の量が概して知られていないからである。理論的にはシステムのビーム光学構成要素によって導入される事前計算されたビーム収差が補償されるように、1つまたは複数の収差補正器を設定することが可能であるが、そのような手法は、典型的には十分に正確でない。具体的には、ビーム収差の原因のすべてが、特に定量的に知られているとは限らない。たとえば、最初は知られていない機械的、磁気的、または静電的な不正確性、電荷汚染、材料の不均一性、製造の不完全性などのシステムの不正確性によって、ビーム収差が導入されることもある。ビーム光学構成要素は、対物レンズ、コリメータ、偏向器、走査偏向器、ビーム分離器、荷電粒子検出器、および収差補正器のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0032】
荷電粒子ビームシステム内でビーム収差を推定するために、異なる方法を使用することができ、したがってビーム収差を適当に補正することができる。いくつかの方法は、荷電粒子ビームの目視検査、たとえば遠視野内の目視検査に依拠しており、これはシステム内に存在する収差を示すことができる。他の方法は、撮影画像の分析に依拠する。具体的には、集束外で撮影された画像は、それぞれの計算を介してビーム断面(すなわち、プローブ形状)に関する情報をもたらすことができ、プローブ形状は、ビーム収差の特有のタイプに関する情報を与えることができる。たとえば、非点収差ビームは、典型的には非回転対称である。知られている方法は、ビーム断面からの線プロファイルの抽出に依拠し、そのような線プロファイルからビーム収差を推定することができる。
【0033】
しかし、そのような概念は、収差の相対的な推定のみを可能にし、収差係数の絶対値を回収することはできない。ビーム収差係数の「絶対値」は、[mm]単位で表されるCsなどのビーム収差係数の実際の定量値であると理解することができ、これらの値は直接、ビーム収差係数の判定された絶対値に基づいて、収差補正器の適当な設定を可能にする。特に、以前から知られている方法は、ビーム収差の相対的な推定のみを可能にし、これは測定ごとに変動することがあり、回収アルゴリズムにおける数値パラメータの選択に依存することがある。
【0034】
本明細書に記載する方法は、荷電粒子ビームの収差の正確かつ確実な判定、特にシステム内に存在するビーム収差を示す1組のビーム収差係数の定量値の判定を可能にする。本明細書に記載する荷電粒子ビームシステム100は、プロセッサおよびメモリ(
図1に処理ユニット170として示す)を含み、メモリは、プロセッサによって実行されたとき、本明細書に記載する方法のいずれかをシステムに実行させる命令を記憶する。いくつかの実施形態では、次いで、処理ユニット170によって判定される1組のビーム収差係数を収差補正器109へ直接転送することができ、したがって収差補正器は、ビーム収差のうちの1つまたは複数を補償することができ、収差補償された荷電粒子ビームを提供することができる。
【0035】
図2および
図3は、本明細書に記載する一実施形態による荷電粒子ビームの収差を判定する1つの方法を示す図を示す。
図3の図は、
図2の図と比べて任意選択のさらなる詳細を示す。
図2および
図3の方法は、画像に基づく収差係数適合ルーチンを使用し、
図4および
図5の方法は、スポットに基づく収差係数適合ルーチンを使用する。
【0036】
図2の枠210で、特に画像生成ユニット160(
図1に示す)によって、1つまたは複数のデフォーカス設定でサンプル10の1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)を提供する。1つまたは複数のデフォーカス設定は、サンプル10と荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点との間の1つまたは複数のデフォーカス距離(z
1...N)を含むことができる。本明細書では、デフォーカス距離は、画像が撮影されるときのサンプルとビーム焦点との間の距離(>0)であると理解される。具体的には、サンプルが荷電粒子ビーム(
図1に概略的に示す)のそれぞれのビーム焦点から1つまたは複数のデフォーカス距離(z
1...N)に配置されたとき、サンプルの1つまたは複数の画像を撮影することができ、したがって1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)は、サンプルの焦点外画像である。必然的に、プローブサイズは概してデフォーカス距離とともに増大し、分解能は概して減少するため、デフォーカス距離の増大は、それぞれの撮影画像のぼけの増大をもたらす。
【0037】
いくつかの実施形態では、サンプルとそれぞれのビーム焦点との間の2つ、3つ、6つ、またはそれ以上の異なるデフォーカス距離で、2つ、3つ、6つ、またはそれ以上の複数の画像を撮影することができる。具体的には、オーバーフォーカス距離で、すなわちサンプルが荷電粒子ビームのビーム焦点より集束レンズ120からさらに離れて配置されるデフォーカス設定で、サンプルの少なくとも1つの画像を撮影することができる(
図1に示すデフォーカス距離z
1参照)。さらに、アンダーフォーカス距離で、すなわちサンプルが荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点より集束レンズ120の近くに配置されるデフォーカス設定で、サンプルの少なくとも1つの画像を撮影することができる(
図1に示すデフォーカス距離z
2...N参照)。本明細書では、第1のデフォーカス距離z
1で撮影された画像を撮影画像h
1と示し、本明細書では、第nのデフォーカス距離z
nで撮影された画像を撮影画像h
nと示す。合計N個の画像を撮影することができ、(h
1...N)と示す。
【0038】
デフォーカス距離は、集束レンズ120の集束強度をたとえば所定の増分で変更することによって、変更することができる(
図1に概略的に示す)。具体的には、集束レンズの集束強度を増大させると、それぞれのビーム焦点および焦点面がサンプルに対して集束レンズの方へシフトし、集束強度を減少させると、それぞれのビーム焦点および焦点面がサンプルに対して集束レンズから離れる方へシフトし、したがってデフォーカス距離が変更される。別法または追加として、デフォーカス距離は、特に集束レンズ120によって提供される一定の焦点強度を維持しながら、サンプルステージ108をたとえば所定の増分で特にZ方向に(光軸Aに沿って)動かすことによって、変更することができる。
【0039】
本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、1つまたは複数のデフォーカス設定は、焦点ビーム入射エネルギーから変更された荷電粒子ビーム11の1つまたは複数のビーム入射エネルギー(E1...N)を含むことができる。焦点ビーム入射エネルギーEIは、サンプルが焦点内に配置されるように、サンプル上にビーム焦点を提供するビーム入射エネルギーであると理解することができる。焦点ビーム入射エネルギーEIからのビーム入射エネルギーの変更(たとえば、粒子源(エミッタ)またはサンプル(ウエハバイアス)の電位を変更することによる)により、ビーム焦点をサンプルから離れる方へシフトすることができ、したがって変更されたビーム入射エネルギーが、サンプルの「デフォーカス画像」をもたらす。
【0040】
1つまたは複数のデフォーカス設定は、焦点ビーム入射エネルギーEI、特に2つ、3つ、6つ、またはそれ以上の異なるビーム入射エネルギーから変更された1つまたは複数のビーム入射エネルギー(E1...N)を含むことができる。具体的には、複数の異なるビーム入射エネルギー(E1...N)で、サンプル10の複数の画像を撮影することができ、したがって1つまたは複数の撮影画像(h1...N)が、サンプルの複数のエネルギーデフォーカス画像を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のデフォーカス設定は、サンプルの1つまたは複数の異なるデフォーカス距離(z1...N)、および荷電粒子ビームの1つまたは複数の異なるビーム入射エネルギー(E1...N)を含むことができる。画像が1つまたは複数の変更されたデフォーカス距離だけでなく、1つまたは複数の変更されたデフォーカスエネルギーでも撮影された場合、これは非点収差および球面収差などの「幾何学的」なビーム収差係数だけでなく、1つまたは複数の「色」収差係数の確実かつ正確な判定も容易にすることができる。
【0042】
図2および
図3を再び参照すると、枠220で、サンプル10の1つまたは複数の画像をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレート画像
【数3】
を提供する。シミュレーションは、
図1に示す処理ユニット170によって行うことができる。画像は、枠210で画像を撮影するために使用された1つまたは複数のデフォーカス設定でシミュレートされる。言い換えれば、枠210で画像を撮影するために使用されたデフォーカス設定が、枠220で画像をシミュレートするために考慮される。たとえば、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)が1つまたは複数のデフォーカス距離(z
1...N)で撮影される場合、1つまたは複数のデフォーカス距離(z
1...N)を処理ユニットへ転送することができ、または他の方法で処理ユニットに知られており、1つまたは複数のシミュレート画像
【0043】
【数4】
は、前記デフォーカス距離で撮影された画像のように見えるデフォーカス画像である。
【0044】
枠220の画像は、サンプルの焦点画像(hI)および1組のビーム収差係数iCに基づいて、各デフォーカス設定に対してシミュレートすることができる。焦点画像(hI)は、画像生成ユニット160によって、荷電粒子ビームシステムの集束設定で生成することができ、処理ユニット170へ転送することができ、すなわち焦点画像を荷電粒子ビームシステムによって集束設定で実際に撮影することができる。別法として、焦点画像hIは、たとえば知られている設計を有するサンプルがビーム収差の判定に使用されるという理由で、事前に処理ユニット170にすでに知られていてもよい。上記で説明したように、焦点画像は、実空間(hI)またはフーリエ空間(HI)で提供することができる。
【0045】
初期の1組のビーム収差係数1Cは、最初に枠220でシミュレーションのために使用することができる。初期の1組のビーム収差係数1Cは、たとえば経験、当技術分野では知られている収差推定プロセス、および/またはシステムのビーム光学構成要素の知識に基づく、ビーム収差係数の初期の推定とすることができる。別法として、初期の1組のビーム収差係数1Cにおいて、いくつかまたはすべてのビーム収差係数を0に設定することができる。
【0046】
1つまたは複数のデフォーカス設定が1つまたは複数のデフォーカス距離(z1...N)を含む場合、1つまたは複数のシミュレート画像は、1つまたは複数のデフォーカス距離(z1...N)で撮影されたサンプルのシミュレート画像を含む。別法または追加として、1つまたは複数のデフォーカス設定が1つまたは複数のビーム入射エネルギー(E1...N)を含む場合、1つまたは複数のシミュレート画像は、1つまたは複数のビーム入射エネルギー(E1...N)で撮影されたサンプルのシミュレート画像を含む。
【0047】
図2および
図3に概略的に示すように、枠220のシミュレーションのための入力データは、撮影画像に対して前に使用されたデフォーカス設定、焦点画像H
I、および初期のまたは更新された1組のビーム収差係数
iC/
i+1Cを含むことができる。
【0048】
枠230で、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)および1つまたは複数のシミュレート画像
【数5】
を比較して、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)と1つまたは複数のシミュレート画像
【数6】
との間の差分の大きさ(R
i)を判定する。
図2および
図3に概略的に示すように、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)および1つまたは複数のシミュレート画像
【0049】
【数7】
は、枠230で、フーリエ空間内で、すなわち(H
1...N)と
【数8】
とを比較することによって、互いに比較することができる。その目的で、1つまたは複数の撮影画像を比較のためにフーリエ変換して、フーリエ空間(H
1...N)内で1つまたは複数の撮影画像を提供することができる。実空間内の線形シフトはフーリエ空間内で位相項としてのみ現れるため、比較のための撮影画像およびそれぞれのシミュレート画像の誤った重ね合わせによる不正確性がフーリエ空間では見られないことから、フーリエ空間内の比較は有利となりうる((H
1...N)および
【0050】
【数9】
の(平方)絶対値と比較したとき)。別法として、これらの図には示されていない場合でも、実空間内の1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)を、実空間内の1つまたは複数のシミュレート画像
【数10】
と比較することが可能である。
【0051】
枠230の比較は、1つまたは複数の撮影画像(H
n)のうちの各画像と、1つまたは複数のシミュレート画像のうちの対応するシミュレート画像
【数11】
との間の差分値を計算することと、前記差分値を合計して、大きさ(R
i)を特にフーリエ空間内で取得することとを含むことができる。特に、いくつかの実施形態では、大きさ(R
i)は、次のように、フーリエ空間内の1つまたは複数の撮影画像(H
1...N)および1組のビーム収差係数
iCに基づいてシミュレートされたフーリエ空間内の1つまたは複数のシミュレート画像
【0052】
【数12】
から計算することができる。
【数13】
初期の1組のビーム収差係数
1Cがシミュレーションで使用される場合、大きさR
1が計算される。後の反復では、最小の大きさ(R
min)をもたらす1組のビーム収差係数を判定する目的で、更新された数組のビーム収差係数
i+1Cがそれぞれ使用され、(R
i+1)が計算される。
【0053】
特に、異なるタイプのビーム収差が、異なるデフォーカス設定で異なる程度に示される。たとえば、いくつかのビーム収差は、焦点面近くでより良好に判定可能となることがあり、他のビーム収差は、焦点面から離れた位置でより良好に判定可能となることがあり、1つまたは複数のオーバーフォーカス画像をそれぞれの1つまたは複数のアンダーフォーカス画像と比較することによって、より高次の非点収差などのいくつかのビーム収差をよく検出することができる。したがって、組のいくつかのビーム収差係数を確実に判定するために、複数の撮影画像(たとえば、いくつかはアンダーフォーカスで撮影され、いくつかはオーバーフォーカスで撮影された、6つ、8つ、10個、またはそれ以上の画像)を、それぞれのデフォーカス設定のそれぞれの複数のシミュレート画像と比較することが有用である。それぞれの画像間の合計された差分を最小にすることによって、本明細書に記載する適合ルーチンによって、システム内に存在するそれぞれの実際のビーム収差係数に非常に近いいくつかのビーム収差係数を判定することができる。
【0054】
(Ri)を計算した後、1組のビーム収差係数iCを変更して、更新された1組のビーム収差係数i+1Cを提供し、更新された1組のビーム収差係数i+1Cを反復プロセスで使用して、枠220のシミュレーションおよび枠230の比較を繰り返す。具体的には、反復シミュレーションおよび比較プロセスで大きさ(Ri)を最小にする目的で、次いで枠220で、更新された1組のビーム収差係数i+1Cに基づいて、1つまたは複数の更新されたシミュレート画像が計算され、枠230で、1つまたは複数の撮影画像(h1...N)が、1つまたは複数の更新されたシミュレート画像と比較される。
【0055】
特に、1つまたは複数の撮影画像と1つまたは複数のシミュレート画像との間の差分の最小の大きさ(R
min)を取得するまで、枠220のシミュレーション、枠230の比較、および
i+1Cを提供するための
iCの変更を反復プロセスで繰り返すことができ、それぞれの反復におけるそれぞれの更新された1組のビーム収差係数が、実際のビーム収差
fitCを構成する。具体的には、
図2および
図3の枠240に概略的に示すように、各反復後、(R
i=R
min)であるかどうかを確認することができる。(R
i=R
min)である場合、反復プロセスを停止することができ、
iCを実際のビーム収差
fitCと見なすことができる。そうでない場合、次の反復が続くことができる。
【0056】
いくつかの実施では、1組のビーム収差係数のうちのすべてのビーム収差係数に応じて最小の大きさ(Rmin)を取得するまで、1組のビーム収差係数のビーム収差係数を連続および/または並行して変更する。特に、1組のビーム収差係数のうちのビーム収差係数を変更して、撮影画像とシミュレート画像との間のそれぞれの比較において(Rmin)をもたらす1組のビーム収差係数を回収するために、多次元変更ルーチンを使用することができる。
【0057】
本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、1つまたは複数の収差補正器によって、特に1つまたは複数の静電および/または磁気多極補正器によって、実際のビーム収差fitCを部分的または全体的に補正して、収差補正された荷電粒子ビームを提供することができる。
【0058】
本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、1組のビーム収差係数(iC)は、iCs、iCdefocus、iCastigmatism,2-fold、iCastigmatism,3-fold、iCastigmatism,4-fold、iCstar、およびiCcoma、ならびに1つ、2つ、またはそれ以上の色収差係数iCcからなる群の2つ、3つ、またはそれ以上の係数を含むことができる。本明細書に記載する方法は、特に1つまたは複数のデフォーカス画像を撮影およびシミュレートするときにデフォーカス距離znを変更することによって、幾何学的なビーム収差係数の正確な判定を可能にする。さらに、本明細書に記載する方法は、特に1つまたは複数のデフォーカス画像を撮影およびシミュレートするときにビーム入射エネルギーEnを変更することによって、色ビーム収差係数の正確な判定を可能にする。それに応じて、本明細書に記載する反復プロセスの結果としてそれぞれのビーム収差係数の絶対値を提供することによって、すべての関連するビーム収差係数を正確に、特に定量的に判定することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、枠220のシミュレーションは、1組のビーム収差係数
iCに基づいて、1つまたは複数のデフォーカス設定のうちの各デフォーカス設定で荷電粒子ビームのビーム断面を計算することを含むことができる。特有のデフォーカス設定におけるビーム断面の計算は、収差係数を入力パラメータとして、波動光学シミュレーションによって行うことができる。
図3の枠220に示すように、ビーム断面は、空間
【0060】
【数14】
内で計算することができ、次いでフーリエ変換して、フーリエ空間内のビーム断面
【数15】
を提供することができる。
【0061】
その後、各デフォーカス設定に対して、フーリエ空間内のそれぞれのシミュレート画像
【数16】
を、フーリエ空間(H
I)内のサンプルの焦点画像およびフーリエ空間内のシミュレートビーム断面
【数17】
から、特にフーリエ空間内のビーム断面およびフーリエ空間内の焦点画像の積
【0062】
【数18】
に基づいて、計算することができる。サンプルの画像がデフォーカス設定で撮影された場合、その結果得られる焦点外画像は、実空間内の焦点画像(すなわち、実際のサンプル)と焦点外ビーム断面との畳み込みに対応する。実空間内の畳み込みは、フーリエ空間内の積に対応する。それに応じて、フーリエ空間内のシミュレート画像
【0063】
【数19】
は、積
【数20】
に基づいて計算することができる。当然ながら、シミュレート画像はまた、
【0064】
【数21】
およびh
Iの畳み込みに基づいて、実空間内で計算することもでき、これはフーリエ空間内の上記の積と同等である。
【0065】
いくつかの実施形態では、フーリエ空間内のシミュレート画像
【数22】
の計算は、
図3の枠220に概略的に示すように、上記の積
【数23】
をフーリエ空間内の焦点ビーム断面
【0066】
【0067】
図2および
図3に示す上述した判定方法は、荷電粒子ビームシステム内、特に走査電子顕微鏡内で、1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影された1つまたは複数のSEM画像から直接、荷電粒子ビームのビーム収差係数の絶対値を取得することを可能にする。この方法では、他の方法とは異なり、1つまたは複数の撮影画像からそれぞれのビーム断面に関する情報を回収するための1つまたは複数の撮影画像の逆畳み込みが必要とされない。処理ユニット内の適合度ルーチンは、取得された収差係数
fitCの精度の信頼レベルを提供することができ、これは今まで可能ではなかった。
【0068】
特に撮像、欠陥レビュー、計測、電子ビーム検査、および/または限界寸法に関する、荷電粒子ビームシステム内のビーム収差の正確な知識は、システムの性能を改善する鍵となる。本明細書に記載する方法によって取得されたビーム収差は、たとえば、(1)それぞれの収差補正器によってビーム収差を低減させるために、(2)将来のシステムのビーム光学構成要素の開発に対する経験的な基礎として、(3)再現性および整合を確実にするために、(4)判定された値をシミュレーションと比較するために、使用することができる。
【0069】
図4および
図5は、本明細書に記載する一実施形態による荷電粒子ビームの収差を判定する変形方法を示す図を示す。
図5の図は、
図4の図と比べて、任意選択のさらなる詳細を示す。
図2および
図3に示す方法とは異なり、この変形方法は、画像に基づく収差係数適合ルーチンではなく、スポットに基づく収差係数適合ルーチンを使用する。前記差分に加えて、変形方法は、当業者であれば容易に理解されるように、上記の方法の特徴のうちのいずれかを含むことができ、以下では、それぞれの特徴および説明は繰り返さない。
【0070】
枠210で、サンプル10の1つまたは複数の画像を1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影して、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)を提供する。
図2および
図3に関して上記ですでに説明したように、1つまたは複数のデフォーカス設定は、荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点からのサンプルの1つまたは複数のデフォーカス距離(z
1...N)を含むことができる。別法または追加として、1つまたは複数のデフォーカス設定は、焦点ビーム入射エネルギー(E
I)から変更された荷電粒子ビームの1つまたは複数のビーム入射エネルギー(E
1...N)を含むことができる。特に、サンプルの複数の2つ、3つ、6つ、またはそれ以上の画像が、2つ、3つ、6つ、またはそれ以上の異なるデフォーカス設定で撮影され、特に少なくとも1つまたは複数の画像がアンダーフォーカス設定で撮影され、少なくとも1つまたは複数の画像がオーバーフォーカス設定で撮影される。デフォーカス距離は、集束レンズの集束強度を変更することによって、またはサンプルステージを集束レンズの一定の焦点面に対して動かすことによって、変更することができる。
【0071】
図2および
図3に示す方法とは異なり、枠410で、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)から、1つまたは複数の回収ビーム断面(g
1...N)が回収される。いくつかの異なるプロファイル抽出方法を介して、焦点外画像から焦点外ビームプロファイルを抽出することができる。1つの例示的なプローブプロファイル抽出方法について、以下に説明する。
【0072】
1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)からの1つまたは複数の回収ビーム断面(g
1...N)の回収は、実空間内の逆畳み込みに基づいて行うことができ、これはフーリエ空間内の除算と同等である。
図5の枠410に示すように、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)から1つまたは複数の回収ビーム断面(g
1...N)を回収することは、具体的には、実空間内の1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)をフーリエ変換して、フーリエ空間内の1つまたは複数の撮影画像(H
1...N)を提供することと、フーリエ空間内の1つまたは複数の撮影画像(H
1...N)をフーリエ空間内のサンプルの焦点画像(H
I)で割ることとを含むことができる。上記のビームプロファイル抽出方法は、フーリエ空間において、サンプルの撮影されたデフォーカス画像(H
n)をサンプルの焦点画像(H
I)で割ることでサンプルの構造を除去することに基づいており、したがって前記除算は、純粋なビームプロファイル、すなわちサンプル情報のないビーム断面をもたらす。フーリエ空間内の回収ビーム断面(G
n)を逆フーリエ変換して、実空間内の回収ビーム断面(g
n)を取得することができる。
【0073】
図5の枠410にさらに示すように、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)から1つまたは複数の回収ビーム断面(g
1...N)を回収することは、任意選択で、フィルタの適用を含むことができ、特に回収がフーリエ空間で行われる場合(
図5に示す)、適応フィルタ項
【0074】
【数25】
による乗算、または回収が実空間で行われる場合、適応フィルタ項による畳み込みを含むことができる。適応フィルタ項
【数26】
は、撮影画像を入力情報として受け取ることができる適応フィルタユニット450によって提供することができる。適応フィルタ項は、適応フィルタユニット450によって、撮影画像(H
1...N)の各々に対して個々に提供することができる。適応フィルタ項
【0075】
【数27】
がなければ、上記の除算の分母の焦点画像H
Iの値が0に近くなり、画像内に過度に強い重量のノイズを生じる可能性がある。適応フィルタ項
【数28】
は、焦点ビーム断面G
1...Nの計算において、焦点画像H
I内のノイズのそのような望ましくない作用を低減または回避し、それぞれのフィルタ項は、適応フィルタユニット450内で撮影画像の各々に対して個々に判定することができる。フィルタ項
【0076】
【数29】
はまた、枠430で、回収ビーム断面とそれぞれのシミュレートビーム断面との間のより良好な比較を可能にするために、それぞれのシミュレートビーム断面
【数30】
に適用することができる。枠410でビーム断面を回収するとともに、枠420でビーム断面をシミュレートするための、フィルタ項
【0077】
【数31】
の適用は、
図5の破線に示す。適応フィルタ項の適用に対する別法または追加として、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)から1つまたは複数の回収ビーム断面(g
1...N)を回収することは、
図5の枠410に示すように、フーリエ空間内の焦点ビーム断面
【0078】
【0079】
枠420で、1つまたは複数のデフォーカス設定で1つまたは複数のビーム断面をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレートビーム断面
【数33】
を提供する。シミュレーションは、
図1の処理ユニット170によって行うことができる。ビーム断面は、枠210で使用した1つまたは複数のデフォーカス設定でシミュレートされる。言い換えれば、枠210で画像を撮影するために使用されたデフォーカス設定が、枠220でビーム断面をシミュレートするために考慮される。たとえば、1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)が1つまたは複数のデフォーカス距離(z
1...N)で撮影される場合、1つまたは複数のデフォーカス距離(z
1...N)を処理ユニットへ転送することができ、1つまたは複数のシミュレートビーム断面
【0080】
【数34】
は、前記デフォーカス距離にある荷電粒子ビームの焦点外断面である。
【0081】
枠420のビーム断面は、1組のビーム収差係数
iCに基づいて、各デフォーカス設定に対してシミュレートすることができる。任意選択で、
図6に概略的に示すように、焦点ビーム断面
【数35】
、すなわち焦点面内のビーム断面もシミュレートすることができ、フーリエ変換して、
【0082】
【数36】
を提供することができ、次いで枠430における1つまたは複数の回収ビーム断面(G
1...N)の計算のために提供することができる。
【0083】
初期の1組のビーム収差係数
1Cは、枠420で、1つまたは複数のシミュレートビーム断面
【数37】
の最初のシミュレーションに使用することができる。初期の1組のビーム収差係数
1Cは、たとえば経験、当技術分野では知られている収差推定プロセス、および/またはシステムのビーム光学構成要素の知識に基づく、初期の推定とすることができる。別法として、初期の1組のビーム収差係数
1Cにおいて、いくつかまたはすべてのビーム収差係数を0に設定することができる。枠420のシミュレーションのための入力データは、撮影画像に対して前に使用されたデフォーカス設定、および初期のまたは更新された1組のビーム収差係数
iC/
i+1Cを含むことができる。
【0084】
枠430で、1つまたは複数の回収ビーム断面(g
1...N)および1つまたは複数のシミュレートビーム断面
【数38】
を比較して、1つまたは複数の回収ビーム断面(g
1...N)と1つまたは複数のシミュレートビーム断面
【0085】
【数39】
との間の差分の大きさ(R
i)を判定する。
図4および
図5に概略的に示すように、1つまたは複数の回収ビーム断面(g
1...N)および1つまたは複数のシミュレートビーム断面
【数40】
は、実空間内で、すなわち(g
1...N)と
【0086】
【数41】
とを比較することによって、互いに比較することができる。その目的で、フーリエ空間内の1つまたは複数の回収ビーム断面
【数42】
を逆フーリエ変換して、比較で使用されるべき実空間内の1つまたは複数の回収ビーム断面
【0087】
【数43】
を提供することができる。回収ビーム断面およびシミュレートビーム断面は、それぞれの画像より容易に重ね合わせることができ、したがって比較を実空間内で行うことができる。別法として、これらの図に示されていない場合でも、フーリエ空間内の1つまたは複数の回収ビーム断面(G
1...N)をフーリエ空間内の1つまたは複数のシミュレートビーム断面
【0088】
【0089】
枠430の比較は、各回収ビーム断面(g
n)と対応するシミュレートビーム断面
【数45】
との間の差分値を計算することと、前記差分値を合計して、大きさ(R
i)を特に実空間内で取得することとを含むことができる。特に、いくつかの実施形態では、大きさ(R
i)は、次のように、1つまたは複数の回収ビーム断面(g
1...N)および1組のビーム収差係数
iCによってシミュレートされた1つまたは複数のシミュレートビーム断面
【0090】
【数46】
から計算することができる。
【数47】
初期の1組のビーム収差係数
1Cがシミュレーションで使用される場合、大きさR
1が計算される。後の反復では、最小の大きさ(R
min)をもたらす1組のビーム収差係数を判定する目的で、更新された数組のビーム収差係数
i+1Cがそれぞれ使用され、(R
i+1)が計算される。
【0091】
(Ri)を計算した後、1組のビーム収差係数iCを変更して、更新された1組のビーム収差係数i+1Cを提供し、更新された1組のビーム収差係数i+1Cを反復プロセスで使用して、枠420のシミュレーションおよび枠430の比較を繰り返す。具体的には、反復シミュレーションおよび比較プロセスで大きさ(Ri)を最小にする目的で、次いで枠420で、更新された1組のビーム収差係数i+1Cに基づいて、1つまたは複数の更新されたシミュレートビーム断面が計算され、枠430で、1つまたは複数の回収ビーム断面(g1...N)が、1つまたは複数の更新されたシミュレート画像と比較される。
【0092】
特に、1つまたは複数の回収ビーム断面と1つまたは複数のシミュレートビーム断面との間の差分の最小の大きさ(R
min)を取得するまで、枠420のシミュレーション、枠430の比較、および
i+1Cを提供するための
iCの変更を反復プロセスで繰り返すことができ、それぞれの反復におけるそれぞれの更新された1組のビーム収差係数は、実際のビーム収差
fitCを構成する。具体的には、
図4および
図5に枠240によって概略的に示すように、各反復後、(R
i=R
min)であるかどうかを確認することができる。(R
i=R
min)である場合、反復プロセスは終了することができ、
iCを実際のビーム収差
fitCと見なすことができる。そうでない場合、次の反復が続くことができる。
【0093】
任意選択で、次いで1つまたは複数のビーム収差補正器によって、ビーム収差
fitCを部分的または全体的に補正して、補正された荷電粒子ビームを提供することができる。さらなる詳細および他の任意選択の特徴は、
図2および
図3に関する上記の説明を参照されたい。ここでは説明を繰り返さない。
【0094】
図4および
図5に示す変形判定方法は、ビーム収差係数の相対的な推定のみを可能にする他の推定方法とは異なり、荷電粒子ビームシステム内で荷電粒子ビームのビーム収差係数の絶対値を取得することを可能にする。処理ユニット内の適合度ルーチンは、取得された収差係数
fitCの精度の信頼レベルを提供することができ、これは今まで可能ではなかった。
【0095】
図6は、本明細書に記載する荷電粒子ビームの収差を判定する変形方法を示す流れ図である。まず、複数の画像(h
1...N)(
図6では6つの画像)が、複数の異なるデフォーカス距離z
1...N(
図6では、3つの画像オーバーフォーカス、3つの画像がアンダーフォーカス)で撮影される。複数の画像(h
1...N)から、それぞれのデフォーカス距離の複数のビーム断面(g
1...N)が回収される。さらに、複数のビーム断面
【0096】
【数48】
(
図6では6つのシミュレートビーム断面)が、複数の回収ビーム断面(g
1...N)と複数のシミュレートビーム断面
【数49】
との間の比較が最小値をもたらすまで、初期の1組のビーム収差に基づいて、次いでそれぞれの更新された数組のビーム収差係数に基づいて、複数の異なるデフォーカス距離で反復的にシミュレートされ、これは、複数のシミュレートビーム断面
【0097】
【数50】
が複数の回収ビーム断面(g
1...N)に近づき、すなわちそれぞれの1組のビーム収差係数が実際の1組のビーム収差係数に近づくことを意味する。次いで、それぞれの反復におけるそれぞれの1組のビーム収差係数を1つまたは複数の収差補正器への入力パラメータとして使用して、収差補正された荷電粒子ビームを提供することができる。
【0098】
具体的には、以下の実施形態が本明細書に記載される。
【0099】
実施形態1:荷電粒子ビームシステム(100)内で集束レンズ(120)によってサンプル(10)の方へ集束させられた荷電粒子ビーム(11)の収差を判定する方法であって、(a)1つまたは複数のデフォーカス設定でサンプルの1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像(h1...N)を提供することと、(b)1組のビーム収差係数(iC)およびサンプルの焦点画像(hI)に基づいて、1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影されたサンプルの1つまたは複数の画像をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレート画像
【0100】
【数51】
を提供することと、(c)1つまたは複数の撮影画像および1つまたは複数のシミュレート画像を比較して、これらの画像間の差分の大きさ(R
i)を判定することと、(d)1組のビーム収差係数(
iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を提供し、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を反復プロセスで使用して(b)および(c)を繰り返し、前記大きさ(R
i)を最小にすることとを含む、方法。
【0101】
実施形態2:1つまたは複数のデフォーカス設定が、荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点からのサンプル(10)の1つまたは複数のデフォーカス距離(z1...N)を含み、したがって(a)において、サンプルが1つまたは複数のデフォーカス距離(z1...N)に配置されたとき、1つまたは複数の画像が撮影され、(b)において、1つまたは複数のシミュレート画像が、1つまたは複数のデフォーカス距離(z1...N)で撮影されたサンプルのシミュレート画像を含む、実施形態1に記載の方法。
【0102】
実施形態3:(a)において、複数の6つ以上の画像が、特に集束レンズの集束強度を所定の増分で変更することによって、またはサンプルステージを集束レンズに対して所定の増分で動かすことによって、6つ以上の異なるデフォーカス距離で撮影される、実施形態1または2に記載の方法。
【0103】
実施形態4:1つまたは複数の撮影画像が、オーバーフォーカス距離で撮影された少なくとも1つまたは複数の画像、ならびにアンダーフォーカス距離で撮影された少なくとも1つまたは複数の画像を含む、実施形態3に記載の方法。
【0104】
実施形態5:1つまたは複数のデフォーカス設定が、焦点ビーム入射エネルギーから変更された荷電粒子ビームの1つまたは複数のビーム入射エネルギー(E1...N)を含み、したがって(a)において、1つまたは複数の撮影画像が、1つまたは複数のビーム入射エネルギーで撮影され、(b)において、1つまたは複数のシミュレート画像が、1つまたは複数のビーム入射エネルギーで撮影されたサンプルのシミュレート画像を含む、実施形態1~4のいずれかに記載の方法。特に、1つまたは複数のデフォーカス設定は、サンプルに当たる荷電粒子ビームの複数の異なるビーム入射エネルギーを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のデフォーカス設定は、異なるデフォーカス距離および異なるビーム入射エネルギーを含む。
【0105】
実施形態6:1つまたは複数の撮影画像と1つまたは複数のシミュレート画像との間の差分の最小の大きさ(Rmin)を取得するまで、(b)および(c)が繰り返され、それぞれの反復における更新された1組のビーム収差係数(i+1C)が、実際のビーム収差(fitC)を特に絶対値で構成する、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
【0106】
実施形態7:1つまたは複数の収差補正器によって、特に1つまたは複数の静電または磁気多極補正器によって、実際のビーム収差(fitC)を補正して、補正された荷電粒子ビームを提供することをさらに含む、実施形態6に記載の方法。
【0107】
実施形態8:(c)において、1つまたは複数の撮影画像および1つまたは複数のシミュレート画像が、フーリエ空間内で比較され、または別法として実空間内で比較される、実施形態1~7のいずれかに記載の方法。
【0108】
実施形態9:(c)において、比較することが、1つまたは複数の撮影画像のうちの各画像と1つまたは複数のシミュレート画像のうちの対応するシミュレート画像との間の差分値を計算することと、前記差分値を合計して、大きさ(Ri)を取得することとを含み、特に前記計算がフーリエ空間内で行われる、実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
【0109】
実施形態10:(b)において、シミュレートすることが、1つまたは複数のデフォーカス設定のうちの各デフォーカス設定で、1組のビーム収差係数(iC)に基づいて、荷電粒子ビームのビーム断面を計算することと、フーリエ空間内のビーム断面およびフーリエ空間内の焦点画像の積に基づいて、フーリエ空間内のそれぞれのシミュレート画像を計算することとを含む、実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
【0110】
実施形態11:フーリエ空間内のそれぞれのシミュレート画像を計算することが、フーリエ空間内の焦点ビーム断面による除算をさらに含む、実施形態10に記載の方法。
【0111】
実施形態12:荷電粒子ビームシステム(100)内で集束レンズ(120)によってサンプル(10)の方へ集束させられた荷電粒子ビーム(11)の収差を判定する方法であって、(a)1つまたは複数のデフォーカス設定でサンプルの1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像を提供し、1つまたは複数の撮影画像から1つまたは複数の回収ビーム断面を回収することと、(b)1組のビーム収差係数(iC)に基づいて、1つまたは複数のデフォーカス設定で1つまたは複数のビーム断面をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレートビーム断面を提供することと、(c)1つまたは複数の回収ビーム断面および1つまたは複数のシミュレートビーム断面を比較して、これらの断面間の差分の大きさ(Ri)を判定することと、(d)1組のビーム収差係数(iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(i+1C)を提供し、更新された1組のビーム収差係数(i+1C)を反復プロセスで使用して(b)および(c)を繰り返し、前記大きさ(Ri)を最小にすることとを含む、方法。
【0112】
実施形態13:1つまたは複数のデフォーカス設定が、荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点からのサンプル(10)の1つまたは複数のデフォーカス距離(z1...N)を含み、したがって(a)において、1つまたは複数の画像が、1つまたは複数のデフォーカス距離(z1...N)で撮影され、(b)において、1つまたは複数のビーム断面が、1つまたは複数のデフォーカス距離(z1...N)でシミュレートされる、実施形態12に記載の方法。
【0113】
実施形態14:(a)において、複数の6つ以上の画像が、特に集束レンズの集束強度を所定の増分で変更することによって、またはサンプルステージを集束レンズに対して所定の増分で動かすことによって、6つ以上の異なるデフォーカス距離で撮影される、実施形態12または13に記載の方法。
【0114】
実施形態15:複数の撮影画像が、オーバーフォーカス距離で撮影された少なくとも1つの画像、およびアンダーフォーカス距離で撮影された少なくとも1つの画像を含む、実施形態14に記載の方法。
【0115】
実施形態16:1つまたは複数のデフォーカス設定が、焦点ビーム入射エネルギーから変更された荷電粒子ビームの1つまたは複数のビーム入射エネルギー(E1...N)を含み、したがって(a)において、1つまたは複数の画像が、1つまたは複数のビーム入射エネルギーで撮影され、(b)において、1つまたは複数のビーム断面が、1つまたは複数のビーム入射エネルギー(E1...N)でシミュレートされる、実施形態12~15のいずれかに記載の方法。特に、1つまたは複数のデフォーカス設定は、焦点ビーム入射エネルギーを上回る1つまたは複数のビームエネルギー、および焦点ビーム入射エネルギーを下回る1つまたは複数のビームエネルギーなど、複数のビーム入射エネルギーを含む。
【0116】
実施形態17:1つまたは複数の回収ビーム断面と1つまたは複数のシミュレートビーム断面との間の差分の最小の大きさ(Rmin)を取得するまで、(b)および(c)が繰り返され、それぞれの反復における更新された1組のビーム収差係数(i+1C)が、実際のビーム収差(fitC)を絶対値で構成する、実施形態12~16のいずれかに記載の方法。
【0117】
実施形態18:1つまたは複数の収差補正器によって、特に1つまたは複数の静電または磁気多極補正器によって、実際のビーム収差(fitC)を補正して、補正された荷電粒子ビームを提供することをさらに含む、実施形態17に記載の方法。
【0118】
実施形態19:(c)において、1つまたは複数の撮影画像および1つまたは複数のシミュレート画像が、実空間内で比較され、または別法としてフーリエ空間内で比較される、実施形態12~18のいずれかに記載の方法。
【0119】
実施形態20:(c)において、比較することが、各回収ビーム断面と対応するシミュレートビーム断面との間の差分値を計算することと、前記差分値を合計して、特に実空間内で、または別法としてフーリエ空間内で、大きさ(Ri)を取得することとを含む、実施形態12~19のいずれかに記載の方法。
【0120】
実施形態21:(c)において、1つまたは複数の撮影画像から1つまたは複数の回収ビーム断面を回収することが、フーリエ空間内の1つまたは複数の撮影画像をフーリエ空間内のサンプルの焦点画像で割ることを含む、実施形態12~20のいずれかに記載の方法。
【0121】
実施形態22:1つまたは複数の撮影画像から1つまたは複数の回収ビーム断面を回収することが、適応フィルタ項
【数52】
による乗算、およびフーリエ空間内の焦点ビーム断面による乗算のうちの少なくとも1つをさらに含む、実施形態21に記載の方法。
【0122】
実施形態23:(d)において、1組のビーム収差係数のうちのすべてのビーム収差係数に応じて最小の大きさ(Rmin)を取得するまで、特に多次元変更ルーチンに基づいて、1組のビーム収差係数のうちのビーム収差係数が、連続および/または並行して変更される、実施形態1~22のいずれかに記載の方法。たとえば、第1のビーム収差係数に応じて大きさ(Ri)の最小を取得するまで、1組のビーム収差係数(iC)のうちの第1のビーム収差係数を変更することができ、その後、次のビーム収差係数に応じて大きさ(Ri)の最小値を取得するまで、1組のビーム収差係数(iC)のうちの次のビーム収差係数を変更することができ、以下同様である。別法として、いくつかのビーム収差係数を並行して変更することができる。
【0123】
実施形態24:サンプルの1つまたは複数の画像を撮影することが、1つまたは複数のアンダーフォーカス距離でサンプルの1つまたは複数の画像を撮影することと、1つまたは複数のオーバーフォーカス距離でサンプルの1つまたは複数の画像を撮影することとを含む、実施形態1~23のいずれかに記載の方法。
【0124】
実施形態25:サンプルの1つまたは複数の画像を撮影することが、特に集束レンズの集束強度を所定の増分で変更することによって、または別法として、集束レンズとサンプルとの間の距離を所定の増分で変更することによって、特にたとえばそれぞれ0.1μm以上および2μm以下の等しい増分で変更することによって、サンプルの複数の画像を複数の異なるデフォーカス距離で撮影することを含む、実施形態1~24のいずれかに記載の方法。
【0125】
実施形態26:1組のビーム収差係数(iC)が、iCs、iCdefocus、iCastigmatism,2-fold、iCastigmatism,3-fold、iCastigmatism,4-fold、iCstar、iCcoma、および1つ、2つ、またはそれ以上の色収差係数からなる群の2つ、3つ、またはそれ以上の係数を含む、実施形態1~25のいずれかに記載の方法。
【0126】
上記の実施形態に記載の方法は、本明細書に記載する荷電粒子ビームシステムのいずれかによって行うことができる。
【0127】
実施形態26:サンプルを検査および/または撮像するための荷電粒子ビームシステムであって、光軸に沿って伝播する荷電粒子ビーム11を放出するための荷電粒子源105と、サンプルステージ108と、サンプルステージ上に配置されたサンプル10の方へ荷電粒子ビームを集束させるための集束レンズ120と、サンプルから放出された信号粒子を検出するための荷電粒子検出器118と、プロセッサおよびメモリとを備え、メモリが、プロセッサによって実行されたとき、上記の実施形態のいずれかに記載の方法をシステムに実行させる命令を記憶する、荷電粒子ビームシステム。
【0128】
実施形態27:サンプルを検査および/または撮像するための荷電粒子ビームシステムであって、光軸に沿って伝播する荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子源と、サンプルステージと、サンプルステージ上に配置されたサンプルの方へ荷電粒子ビームを集束させるための集束レンズと、サンプルから放出された信号粒子を検出するための荷電粒子検出器と、プロセッサおよびメモリとを備え、メモリが、プロセッサによって実行されたとき、システムに、(x1)1組のビーム収差係数(iC)およびサンプルの焦点画像に基づいて、1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影されたとき、サンプルの1つまたは複数の画像をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレート画像を提供することと、(x2)1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影されたサンプルの1つまたは複数の撮影画像および1つまたは複数のシミュレート画像を比較して、これらの画像間の差分の大きさ(Ri)を判定することと、(x3)(x1)および(x2)の後の反復で、1組のビーム収差係数(iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(i+1C)を提供し、更新された1組のビーム収差係数(i+1C)を使用して、前記大きさ(Ri)を最小にすることとをさせる命令を記憶する、荷電粒子ビームシステム。
【0129】
実施形態28:サンプルを検査および/または撮像するための荷電粒子ビームシステムであって、光軸に沿って伝播する荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子源と、サンプルステージと、サンプルステージ上に配置されたサンプルの方へ荷電粒子ビームを集束させるための集束レンズと、サンプルから放出された信号粒子を検出するための荷電粒子検出器と、プロセッサおよびメモリとを備え、メモリが、プロセッサによって実行されたとき、システムに、(x1)1組のビーム収差係数(iC)に基づいて、1つまたは複数のデフォーカス設定で1つまたは複数のビーム断面をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレートビーム断面を提供することと、(x2)1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影されたサンプルの1つまたは複数の撮影画像(h1...N)から回収された1つまたは複数の回収ビーム断面と、1つまたは複数のシミュレートビーム断面とを比較して、これらの断面間の差分の大きさ(Ri)を判定することと、(x3)(x1)および(x2)の後の反復で、1組のビーム収差係数(iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(i+1C)を提供し、更新された1組のビーム収差係数(i+1C)を使用して、前記大きさ(Ri)を最小にすることとをさせる命令を記憶する、荷電粒子ビームシステム。
【0130】
実施形態29:1つまたは複数のデフォーカス設定は、1つまたは複数の画像が撮影およびシミュレートされるとき、荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点からのサンプルの1つまたは複数のデフォーカス距離、特に複数の異なるデフォーカス距離を含む、実施形態27または28に記載の荷電粒子ビームシステム。
【0131】
実施形態30:1つまたは複数のデフォーカス設定は、1つまたは複数の画像が撮影およびシミュレートされるとき、焦点ビーム入射エネルギーから変更された荷電粒子ビームの1つまたは複数のビーム入射エネルギー、特に複数の異なるビーム入射エネルギーを含む、実施形態27~29のいずれかに記載の荷電粒子ビームシステム。
【0132】
実施形態31:1つまたは複数のデフォーカス設定でサンプルの1つまたは複数の撮影画像を生成して、1つまたは複数のデフォーカス設定に関する情報を(x1)でのシミュレーションのために転送し、1つまたは複数の撮影画像を(x2)での比較のために転送するための画像生成ユニットをさらに備える、実施形態27~30のいずれかに記載の荷電粒子ビームシステム。
【0133】
本明細書に記載する荷電粒子ビームシステムは、本明細書に記載する方法のいずれかによって動作するように構成することができる。
【0134】
上記は実施形態を対象とするが、本発明の範囲から逸脱することなく、他のさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビームシステム内で集束レンズによってサンプルの方へ集束させられた荷電粒子ビームの収差を判定する方法であって、
(a)1つまたは複数のデフォーカス設定で前記サンプルの1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像を提供することと、
(b)1組のビーム収差係数(
iC)および前記サンプルの焦点画像に基づいて、前記1つまたは複数のデフォーカス設定で撮影された前記サンプルの1つまたは複数の画像をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレート画像を提供することと、
(c)前記1つまたは複数の撮影画像および前記1つまたは複数のシミュレート画像を比較して、前記画像間の差分の大きさ(R)を判定することと、
(d)前記1組のビーム収差係数(
iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を提供し、前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を反復プロセスで使用して(b)および(c)を繰り返し、前記大きさ(R)を最小にすることとを含む、方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数のデフォーカス設定が、前記荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点からの前記サンプルの1つまたは複数のデフォーカス距離を含み、したがって(a)において、前記サンプルが前記1つまたは複数のデフォーカス距離に配置されたとき、前記1つまたは複数の画像が撮影され、(b)において、前記1つまたは複数のシミュレート画像が、前記1つまたは複数のデフォーカス距離で撮影された前記サンプルのシミュレート画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)において、複数の6つ以上の画像が、特に前記集束レンズの集束強度を変更することによって、またはサンプルステージを前記集束レンズに対して動かすことによって、6つ以上の異なるデフォーカス距離で撮影される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数のデフォーカス設定が、焦点ビーム入射エネルギーから変更された前記荷電粒子ビームの1つまたは複数のビーム入射エネルギーを含み、したがって(a)において、前記1つまたは複数の撮影画像が、前記1つまたは複数のビーム入射エネルギーで撮影され、(b)において、前記1つまたは複数のシミュレート画像が、前記1つまたは複数のビーム入射エネルギーで撮影された前記サンプルのシミュレート画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数の撮影画像(h
1...N)と前記1つまたは複数のシミュレート画像との間の前記差分の最小の大きさ(R
min)を取得するまで、(b)および(c)が繰り返され、前記それぞれの反復における前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)が、実際のビーム収差(
fitC)を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1つまたは複数の収差補正器によって、特に1つまたは複数の静電または磁気多極補正器によって、前記実際のビーム収差(
fitC)を補正して、補正された荷電粒子ビームを提供することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(c)において、前記1つまたは複数の撮影画像および前記1つまたは複数のシミュレート画像が、フーリエ空間内で比較される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(c)において、比較することが、前記1つまたは複数の撮影画像のうちの各画像と前記1つまたは複数のシミュレート画像のうちの対応するシミュレート画像との間の差分値を計算することと、前記差分値を合計して、前記大きさ(R)を特にフーリエ空間内で取得することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
(b)において、シミュレートすることが、前記1つまたは複数のデフォーカス設定のうちの各デフォーカス設定で、
- 前記1組のビーム収差係数(
iC)に基づいて、前記荷電粒子ビームのビーム断面を計算することと、
- フーリエ空間内の前記ビーム断面およびフーリエ空間内の前記焦点画像の積に基づいてフーリエ空間内のそれぞれのシミュレート画像を計算すること、または畳み込みに基づいて、実空間内のそれぞれのシミュレート画像を計算することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
フーリエ空間内の前記それぞれのシミュレート画像を計算することが、フーリエ空間内の焦点ビーム断面による除算をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1組のビーム収差係数(
iC)が、
iC
s、
iC
defocus、
iC
astigmatism,2-fold、
iC
astigmatism,3-fold、
iC
astigmatism,4-fold、
iC
star、および
iC
coma、ならびに1つ、2つ、またはそれ以上の色収差係数からなる群の2つ、3つ、またはそれ以上の係数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
荷電粒子ビームシステムであって、
光軸に沿って伝播する荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子源と、
サンプルステージと、
前記サンプルステージ上に配置されたサンプルの方へ前記荷電粒子ビームを集束させるための集束レンズと、
前記サンプルから放出された信号粒子を検出するための荷電粒子検出器と、
プロセッサおよびメモリとを備え、前記メモリが、前記プロセッサによって実行されたとき、請求項1に記載の方法を前記荷電粒子ビームシステムに実行させる命令を記憶する、荷電粒子ビームシステム。
【請求項13】
荷電粒子ビームシステム内で集束レンズによってサンプルの方へ集束させられた荷電粒子ビームの収差を判定する方法であって、
(a)1つまたは複数のデフォーカス設定で前記サンプルの1つまたは複数の画像を撮影して、1つまたは複数の撮影画像を提供し、前記1つまたは複数の撮影画像から1つまたは複数の回収ビーム断面を回収することと、
(b)1組のビーム収差係数(
iC)に基づいて、前記1つまたは複数のデフォーカス設定で1つまたは複数のビーム断面をシミュレートして、1つまたは複数のシミュレートビーム断面を提供することと、
(c)前記1つまたは複数の回収ビーム断面および前記1つまたは複数のシミュレートビーム断面を比較して、前記断面間の差分の大きさ(R)を判定することと、
(d)前記1組のビーム収差係数(
iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を提供し、前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を反復プロセスで使用して(b)および(c)を繰り返し、前記大きさ(R)を最小にすることとを含む、方法。
【請求項14】
前記1つもしくは複数のデフォーカス設定が、前記荷電粒子ビームのそれぞれのビーム焦点からの前記サンプルの1つもしくは複数のデフォーカス距離を含み、または前記1つもしくは複数のデフォーカス設定が、焦点ビーム入射エネルギーから変更された前記荷電粒子ビームの1つもしくは複数のビーム入射エネルギーを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つまたは複数の回収ビーム断面と前記1つまたは複数のシミュレートビーム断面との間の前記差分の最小の大きさ(R
min)を取得するまで、(b)および(c)が繰り返され、前記それぞれの反復における前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)が、実際のビーム収差(
fitC)を絶対値で構成する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
(c)において、前記1つまたは複数の回収ビーム断面および前記1つまたは複数のシミュレートビーム断面が、実空間内で比較される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
(c)において、比較することが、各回収ビーム断面と対応するシミュレートビーム断面との間の差分値を計算することと、前記差分値を合計して、前記大きさ(R)を特に実空間内で取得することとを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
(a)において、前記1つもしくは複数の撮影画像から前記1つもしくは複数の回収ビーム断面を回収することが、フーリエ空間内の前記1つもしくは複数の撮影画像をフーリエ空間内の前記サンプルの焦点画像で割ることを含み、または前記1つもしくは複数の回収ビーム断面が、実空間内の逆畳み込みに基づいて回収される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数の撮影画像から前記1つまたは複数の回収ビーム断面を回収することが、適応フィルタ項の適用およびフーリエ空間内の焦点ビーム断面による乗算のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
(d)において、前記1組のビーム収差係数のうちのすべてのビーム収差係数に応じて最小の大きさ(R
min)を取得するまで、特に多次元変更ルーチンに基づいて、前記1組のビーム収差係数のうちのビーム収差係数が連続および/または並行して変更される、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
荷電粒子ビームシステムであって、
光軸に沿って伝播する荷電粒子ビームを放出するための荷電粒子源と、
サンプルステージと、
前記サンプルステージ上に配置されたサンプルの方へ荷電粒子ビームを集束させるための集束レンズと、
前記サンプルから放出された信号粒子を検出するための荷電粒子検出器と、
プロセッサおよびメモリとを備え、前記メモリが、前記プロセッサによって実行されたとき、前記荷電粒子ビームシステムに、
(x1)1組のビーム収差係数(
iC)および前記サンプルの焦点画像に基づいて、1つもしくは複数のデフォーカス設定で前記サンプルの1つもしくは複数の画像をシミュレートして、1つもしくは複数のシミュレート画像を提供すること、または
1組のビーム収差係数(
iC)に基づいて、1つもしくは複数のデフォーカス設定で1つもしくは複数のビーム断面をシミュレートして、1つもしくは複数のシミュレートビーム断面を提供することと、
(x2)前記1つもしくは複数のデフォーカス設定で撮影された前記サンプルの1つもしくは複数の撮影画像および前記1つもしくは複数のシミュレート画像を比較して、前記画像間の差分の大きさを判定すること、または
前記1つもしくは複数のデフォーカス設定で撮影された前記サンプルの1つもしくは複数の撮影画像から回収された1つもしくは複数の回収ビーム断面および前記1つもしくは複数のシミュレートビーム断面を比較して、前記断面間の差分の大きさを判定することと、
(x3)(x1)および(x2)の後の反復で、前記1組のビーム収差係数(
iC)を変更して、更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を提供し、前記更新された1組のビーム収差係数(
i+1C)を使用して、前記大きさを最小にすることとをさせる命令を記憶する、荷電粒子ビームシステム。
【国際調査報告】