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特表2024-536920車両のワイパ用ワイパアーム、ワイパおよび車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】車両のワイパ用ワイパアーム、ワイパおよび車両
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/34 20060101AFI20241001BHJP
   B60S 1/46 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
B60S1/34 270
B60S1/46 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522323
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2022078395
(87)【国際公開番号】W WO2023062073
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202122479703.5
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ハオイー
(72)【発明者】
【氏名】チョン、シュイ
(72)【発明者】
【氏名】プー、チンロン
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AC02
3D225AD02
3D225AD09
3D225AE07
3D225AE49
3D225AF10
(57)【要約】
本発明は、車両のワイパ用ワイパアーム、ワイパ、および車両に関する。ワイパアームは、長手方向(X)に延在するアーム本体(1)であって、アーム本体(1)が、戻りワイパ位置と内部ワイパ位置との間で前後に移動可能である、アーム本体(1)と、カバーキャップ(2)であって、アーム本体(1)とカバーキャップ(2)との間にチャンバ(5)を形成するようにアーム本体(1)を少なくとも部分的に覆う、カバーキャップ(2)と、流体を送達するために使用され、チャンバ(5)内を長手方向(X)に延在する少なくとも1つのホースと、を備え、チャンバ(5)内に少なくとも1つのホースガイド(6)が設けられ、ホースガイドが、ホースを案内するための屈曲チャネル(7)を形成し、屈曲チャネル(7)が、屈曲形状を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のワイパ用のワイパアームであって、
長手方向(X)に延在するアーム本体(1)であって、前記アーム本体(1)が、戻りワイパ位置と内部ワイパ位置との間で前後に移動可能である、アーム本体(1)と、
カバーキャップ(2)であって、前記アーム本体(1)と前記カバーキャップ(2)との間にチャンバ(5)を形成するように前記アーム本体(1)を少なくとも部分的に覆う、カバーキャップ(2)と、
流体を送達するために使用され、前記チャンバ(5)内を前記長手方向(X)に延在する少なくとも1つのホースと、を備え、
前記チャンバ(5)内に少なくとも1つのホースガイド(6)が設けられ、前記ホースガイドが、前記ホースを案内するための屈曲チャネル(7)を形成し、前記屈曲チャネル(7)が、屈曲形状を有する
ことを特徴とする、ワイパアーム。
【請求項2】
前記ホースガイド(6)が、前記カバーキャップ(2)の基部(21)からおよび/または前記アーム本体(1)から前記チャンバ(5)内に突出する突出部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のワイパアーム。
【請求項3】
前記突出部が、前記チャンバ(5)に向かって延在する複数の壁を備え、前記複数の壁の少なくとも1対が、互いに反対側に延在する部分を備えることを特徴とする、請求項2に記載のワイパアーム。
【請求項4】
前記複数の壁が、直線壁および/または屈曲壁を備えることを特徴とする、請求項3に記載のワイパアーム。
【請求項5】
前記カバーキャップ(2)が、ストップ部(8)であって、前記ストップ部が、前記ホースが前記アーム本体(1)および/または前記カバーキャップ(2)の前記基部(21)に向かって移動し、それによって前記屈曲チャネル(7)から外れるのを防止するために、前記長手方向(X)を横断する方向に延在する部分を備える、ストップ部(8)をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のワイパアーム。
【請求項6】
前記ストップ部(8)が前記突出部上に配置されることを特徴とする請求項5に記載のワイパアーム。
【請求項7】
前記ストップ部(8)が、前記アーム本体(1)および/または前記カバーキャップ(2)の内壁に配置され、前記突出部とは別個であることを特徴とする、請求項5に記載のワイパアーム。
【請求項8】
前記カバーキャップ(2)および/または前記アーム本体(1)、前記突出部および前記ストップ部(8)が一体的に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のワイパアーム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのホースが、第1のホース(3)および第2のホース(4)を備え、前記第1のホース(3)および前記第2のホース(4)が、前記カバーキャップ(2)の基部(21)に対して実質的に垂直な第1の方向(Y)に積み重ねられるように配置され、
前記カバーキャップ(2)および/または前記アーム本体(1)が、その内壁に配置された少なくとも1つの端部ガイド(10)を備え、前記端部ガイドが、前記ワイパアームの自由端とは反対側の端部に配置され、それにより、前記第1のホース(3)および前記第2のホース(4)が分離され、その配置方向が偏向される
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のワイパアーム。
【請求項10】
前記端部ガイド(10)が、前記第1のホース(3)および前記第2のホース(4)をそれぞれクランプするための2つのクランプ部(101、102)を備え、前記2つのクランプ部の配置方向が、前記第1のホース(3)および前記第2のホース(4)の積み重ね方向とは異なることを特徴とする、請求項9に記載のワイパアーム。
【請求項11】
前記カバーキャップ(2)および/または前記アーム本体(1)が、前記端部ガイド(10)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項9に記載のワイパアーム。
【請求項12】
前記ワイパが、請求項1から11のいずれか一項に記載の前記ワイパアームを備えることを特徴とする、車両用ワイパ。
【請求項13】
請求項12に記載の前記ワイパを備えることを特徴とする、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のワイパ用ワイパアーム、ワイパアームを備えるワイパ、およびワイパを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイパは、車両の不可欠な構成要素であり、その主な目的は、悪天候(例えば、雨や雪が降っているとき、または砂嵐の間)において車両の窓のガラスに落下する雨水、雪水またはほこりなどを拭き取ることであり、その結果、運転者の視界が妨げられず、走行の安全性を確保する。ワイパは、通常、車両のフロントガラスおよび/またはリアガラスに取り付けられる。
【0003】
一般に、ワイパは、駆動機構に接続されたワイパアームベースと、ワイパアームベースに接続され、ワイパブレードを保持するために使用されるワイパアームと、フロントガラスに向けて洗浄液を噴射するためのノズルとを備え、ワイパアームは、アーム本体と、チャンバを形成するためにアーム本体に接続されたカバーキャップと、チャンバ内に配置され、洗浄液を送達するために使用されるホースなどを備えてもよい。
【0004】
一般に、ワイパは、モータの駆動動作下で戻りワイパ位置と内側ワイパ位置との間で前後に移動することができる。このようにワイパが移動する過程で、特にワイパが戻りワイパ位置まで多数回移動した後には、駆動機構の動作下でワイパアームのアーム本体とカバーキャップとによって形成されるチャンバからホースが容易に抜け出る。これは、ワイパの外観に影響を及ぼす。
【0005】
さらに、ワイパアームのアーム本体およびカバーキャップによって形成されたチャンバ内の複数のホースの配置方向は、チャンバの外側の洗浄液リザーバへのホースの接続に影響を及ぼす。例えば、チャンバ内の2つのホースの配置方向は、洗浄液リザーバに接続するためにそれらをねじる必要があることになり得、したがって、組み立てが困難であり、露出したホースがワイパの外観に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の目的は、上述の問題を少なくとも部分的に解決することができる、車両のワイパ用のワイパアーム、ワイパアームを備えるワイパ、およびワイパを備える車両を提供することである。
【0007】
上記の目的は、以下に説明するワイパアーム、ワイパおよび車両によって達成される。
【0008】
一態様では、本発明は、車両のワイパ用のワイパアームであって、長手方向に延在するアーム本体であって、戻りワイパ位置と内部ワイパ位置との間で前後に移動可能なアーム本体と、カバーキャップであって、アーム本体とカバーキャップとの間にチャンバを形成するようにアーム本体を少なくとも部分的に覆う、カバーキャップと、流体を送達するために使用され、チャンバ内を長手方向に延在する少なくとも1つのホースとを備え、少なくとも1つのホースガイドがチャンバ内に設けられ、ホースガイドは、ホースを案内するための屈曲チャネルを形成し、屈曲チャネルは屈曲形状を有する、ワイパアームを提供する。
【0009】
ホースガイドによって形成された屈曲チャネルは、ホースとワイパアームとの間の摩擦を増大させ、その結果、ホースがワイパアームのアーム本体とカバーキャップとによって形成されたチャンバから容易に抜け出ることがない。
【0010】
一実施形態では、ホースガイドは、カバーキャップの基部および/またはアーム本体からチャンバ内に突出する突出部を備える。
【0011】
一実施形態では、突出部は、チャンバ(5)に向かって延在する複数の壁であって、複数の壁の少なくとも1対は、互いに反対側に延在する部分を備え、それによってホースを案内するためのチャネルを形成する、複数の壁を備える。
【0012】
一実施形態では、複数の壁は、直線壁および/または屈曲壁を備える。
【0013】
この構成により、屈曲チャネルを形成する突出部とホースとの摩擦によって、ホースがチャンバから容易に抜け出ることが防止される。
【0014】
一実施形態では、カバーキャップは、ストップ部であって、ストップ部は、ホースがアーム本体に向かっておよび/またはカバーキャップの基部から離れるように移動し、それによって屈曲チャネルから外れるのを防止するために、長手方向を横断する方向に延在する部分を備える、ストップ部をさらに備える。
【0015】
一実施形態では、ストップ部は突出部上に配置される。
【0016】
一実施形態では、ストップ部は、アーム本体および/またはカバーキャップの内壁に配置され、突出部とは別個である。
【0017】
一実施形態では、カバーキャップおよび/またはアーム本体、突出部およびストップ部は、一体的に形成される。
【0018】
ストップ部により、屈曲チャネルからホースが外れることを防止できる。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つのホースは、第1のホースおよび第2のホースを備え、第1のホースおよび第2のホースは、カバーキャップの基部に実質的に垂直な第1の方向に積み重ねられるように配置され、カバーキャップおよび/またはアーム本体は、その内壁に配置された少なくとも1つの端部ガイドを備え、端部ガイドは、第1のホースおよび第2のホースが分離され、その配置方向が偏向されるように、ワイパアームの自由端の反対側の端部に配置される。
【0020】
一実施形態では、端部ガイドは、第1のホースおよび第2のホースをそれぞれクランプするための2つのクランプ部を備え、2つのクランプ部の配置方向は、第1のホースおよび第2のホースの積み重ね方向とは異なる。
【0021】
一実施形態では、カバーキャップおよび/またはアーム本体は、端部ガイドと一体的に形成される。
【0022】
端部ガイドは、2つのホースを互いに分離し、それらの配置方向を偏向させることを可能にし、その結果、ホースはコネクタによって車両上の洗浄液リザーバに容易に嵌合することができ、ワイパの外側に露出されるホースの部分はねじられる必要がないため、ワイパの整然とした外観は影響を受けない。
【0023】
本発明はさらに、上述のようなワイパアームを備える、車両用ワイパに関する。
【0024】
本発明はさらに、上述のようなワイパアームを備える車両に関する。
【0025】
本発明の利点および目的のより良い理解は、図面と併せて以下に詳細に記載される本発明の好ましい実施形態から得ることができる。図面に示されている構成要素間の関係をよりよく示すために、図面は一定の縮尺で描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による車両のワイパ用のワイパアームの概略図を示す。
図2図1のワイパアームの分解概略図を示す。
図3】本発明による車両のワイパ用のワイパアームの一実施形態の内部概略図を示す。
図4】ホースガイドが示されている、図3のワイパアームの一部の拡大図を示す。
図5図3のワイパアームのアーム本体の概略図を示す。
図6】端部ガイドが示されている、図3のワイパアームの一部の拡大図を示す。
図7図6に示す端部ガイドの拡大図を示す。
図8図3のワイパアームの一部の正面図を示す。
図9a図8のワイパアームの一部分の断面図を示し、図8の平面B-Bに沿った断面を示す。
図9b図8のワイパアームの一部分の断面図を示し、図8の平面C-Cに沿った断面を示す。
図9c図8のワイパアームの一部分の断面図を示し、図8の平面D-Dに沿った断面を示す。
図10】車両のフロントガラスに面しているときに、車両の外側から観察されるワイパアームの一部の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的、技術的解決策、および利点を明確にするために、本発明の特定の実施形態の図面を参照して、本発明の実施形態の技術的解決策を以下に明確かつ完全に説明する。図面において、同一部分には同一符号を付している。記載された実施形態は、本発明のすべてではなく一部の実施形態であることに留意されたい。本発明の記載された実施形態に基づいて、本発明の努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲内に入るものとする。
【0028】
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって理解される一般的な意味を有するものとする。本発明の特許出願の明細書および特許請求の範囲で使用される「第1」、「第2」などの単語は、順序、量、または重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためにのみ使用される。同様に、「a」または「1」などの単語は、必ずしも数量制限を表すものではない。「を備える(comprising)」、「含む(including)」または「有する(having)」などの単語が、その単語に先行する要素またはオブジェクトが、他の要素またはオブジェクトを除外することなく、その単語の後に列挙される要素またはオブジェクトおよびその均等物を網羅することを意味する。「接続」または「通信」などの単語は、図面に示されている物理的もしくは機械的な接続または通信に限定されるものではなく、それが直接的であるか間接的であるかにかかわらず、それと同等の接続または通信を含むことができる。「上部」、「下部」、「左」、「右」などは、相対的な位置関係を示すためにのみ使用され、記載されたオブジェクトの絶対位置が変化すると、それに応じて相対的な位置関係も変化する可能性がある。
【0029】
本発明の様々な実施形態を、図1図10を参照して以下に詳細に説明する。
【0030】
図1は、車両のワイパ用のワイパアームを示し、図2は、ワイパアームの分解図を示し、図3は、ワイパアームの内部構成部品の一部を示す。ワイパアームは、アーム本体1と、カバーキャップ2と、第1のホース3と、第2のホース4とを備える。
【0031】
アーム本体は、長手方向に延在し、戻りワイパ位置と内部ワイパ位置との間で前後に移動することができる。本明細書で言及されるアーム本体1の長手方向は、全体として厳密な意味での完全な直線方向ではなく、むしろ、アーム本体1の様々な部分の延伸の長手方向の組み合わせである。長手方向は、矢印Xによって示されるように、図1および図2の右から左へのほぼ水平方向とみなされてもよく、またはアーム本体の延伸の方向とみなされてもよい。さらに、ワイパアームは、アームベース5をさらに備え、アームベース5は、一端がワイパの駆動機構、例えばモータの出力部に接続され、他端が例えばヒンジ構造を介してアーム本体1に接続される。アーム本体1は、駆動機構の駆動動作下で、戻りワイパ位置と内側ワイパ位置との間を前後に移動する。図1に示されるワイパアームのアーム本体1は、内側ワイパ位置、すなわち収容位置に配置される。アーム本体1が略垂直に起立しているとき、または、より大きい回転角度を有するとき、アーム本体1は、戻りワイパ位置、すなわち、最大拭き取り位置にある。
【0032】
図8および図9a、図9bおよび図9cのカバーキャップ2の様々な部分の断面図に示すように、カバーキャップ2は、アーム本体1を少なくとも部分的に覆い、アーム本体1とカバーキャップ2との間にチャンバ5を形成する。図2の分解概略図に示すように、カバーキャップ2は、アーム本体1の長手方向Xの大部分を覆っていてもよい。他の実施形態では、カバーキャップ2は、アーム本体1の一部分のみを覆ってもよい。図9a、図9bおよび図9cを再度参照すると、例えば、カバーキャップ2は、実質的にU字形断面を有するアーム本体1と嵌合するために、実質的に平坦な基部21と、基部21から両側に延在する湾曲部22、23とを有することができる。例えば、カバーキャップ2は、アーム本体1にスナップ嵌めされてもよい。一般に、アーム本体1は金属製であってもよく、カバーキャップ2はプラスチック製であってもよいが、本発明の実施形態はこれに限定されない。
【0033】
図2および図3に示すように、第1のホース3および第2のホース4は、流体を送達するために使用され、チャンバ5内で長手方向Xに延在し、例えばワイパの上部ノズルおよび下部ノズルにそれぞれ延在する。ホースによって送達される流体は、必要に応じて設定されてもよく、例えば、第1のホース3は、拭き取られるフロントガラスに対して長手方向Xに洗浄液を送達するために使用され、第2のホース4は、拭き取られるフロントガラスに対して長手方向Xに浄水を送達するために使用されるが、もちろん、第1のホース3が浄水を送達し、第2のホース4が洗浄液を送達することも可能である。他の実施形態では、第1のホース3および第2のホース4は両方とも洗浄液を送達する。図9aおよび図9bにより明確に示されているように、第1のホース3および第2のホース4は、カバーキャップ2の基部21に対して垂直な第1の方向Yに実質的に積み重ねられるように配置され(すなわち、長手延伸方向Xに対して横断する)、第1の方向は、図中、実質的に垂直上方である。
【0034】
アーム本体1の移動中に第1のホース3および第2のホース4がチャンバ5から抜け出るのを防止するために、ホースガイド6がチャンバ5内に設けられ、ホースガイド6は、第1のホース3および第2のホース4を案内する屈曲チャネル7を形成する。屈曲チャネル7は、任意の屈曲形状を有してもよく、例えば、限定するものではないが、実質的にV字形またはU字形である。ホースガイド6は、カバーキャップ2の基部21からチャンバ5内に突出する突出部である。屈曲チャネル7を形成するために、一例では、突出部は、互いに反対側に延在する2つの屈曲壁を含むことができ、屈曲壁は、基部21に対して実質的に垂直であってもよい。別の例では、突出部は、基部21から延在する複数の直線壁および/または屈曲壁を備えることができ、すなわち、屈曲チャネル7は、複数の壁の配置された組み合わせによって形成され、これらの壁の少なくとも1対は、互いに反対側に延在する部分を備え、壁は、基部21に対して実質的に垂直であってもよい。
【0035】
例えば、図4および図5に示すように、突出部は、複数のV字形壁60、61および62を備え、V字形壁は基部21に対して実質的に垂直であり、V字形壁60の分岐は、それぞれV字形壁61およびV字形壁62の反対側の分岐に延在して屈曲チャネル7を形成する。一変形形態では、左側のV字形壁61または右側のV字形壁62は、直線壁に置き換えられてもよい。
【0036】
他の実施形態では、ホースガイド6は、例えば、アーム本体1に配置されてもよく、またはアーム本体1とカバーキャップ2の両方に配置されてもよい。
【0037】
上記の実施形態では、1つのホースガイド6および2つのホースが示されているが、複数のホースガイド6を使用してホースを屈曲して案内することができることが理解されよう。さらに、必要に応じてホースの本数を設定してもよく、例えば、ホースが1本のみ含まれていたり、3本以上含まれていたりする。
【0038】
ホースガイド6によって形成された屈曲チャネルは、カバーキャップ2の内壁とホースとの間の摩擦を増加させ、その結果、ホースがワイパアームのアーム本体1とカバーキャップ2とによって形成されたチャンバ5から容易に抜け出ることがない。
【0039】
第1のホース3および第2のホース4が屈曲チャネル7から基部21から離れて外れること、すなわちアーム本体1に向かって移動し、したがって屈曲チャネル7から外れることを防止するために、カバーキャップ2は、ストップ部8をさらに備え、ストップ部8は、長手方向Xを横断する方向に延在する部分を備える。ストップ部8は、ホースガイド6の一部によって形成されてもよく、例えば、限定ではないが、ホースガイド6として機能する突出部上に配置されてもよい。例えば、ストップ部8は、基部21から遠いホースガイド6の端部にあり、ストップ部8とホースガイド6との間に形成される開口部のサイズは、屈曲チャネル7のサイズよりも小さく(より正確には、ホースの直径よりも)、したがって、十分な外力がない場合に、屈曲チャネル7内に位置するホースの外れを防止することができる。他の実施形態では、図4および図5に示すように、ストップ部8は、カバーキャップの内壁に配置され、ホースガイド6として機能する突出部とは別個である。例えば、ストップ部8は、V字形壁および/または直線壁の端部の近くに配置される。図4および図5に示すように、2つのストップ部8(左右)がカバーキャップ2の内壁から突出しており、それぞれ中間V字形壁60の両端の近くに位置し、左右のV字形壁61、62で開口部を形成しており、該開口部はホースの直径よりも小さいサイズであるが、中間ストップ部8と中間V字形壁60との間に形成された開口部のサイズもホースの直径よりも小さい。これにより、屈曲チャネル7からホースが外れることを防止できる。
【0040】
加工を容易にするために、カバーキャップ2、ホースガイド6として機能する突出部、およびストップ部8は、例えば射出成形法によって一体的に形成されたプラスチック製であってもよい。
【0041】
他の実施形態では、ホースガイド6は、アーム本体1に配置され、この場合、アーム本体1、ホースガイド6として機能する突出部、およびストップ部8が一体的に形成されていてもよい。
【0042】
本発明の第1のホース3および第2のホース4は、ホースガイド6および/または別のホースクリップ内に積み重ねられるように配置されてもよく、より具体的には、基部21に垂直な実質的に第1の方向Yに積み重ねられるように配置されてもよく、すなわち、その配置方向は第1の方向である。チャンバ5の外側に位置する2つのホースの部分、例えば駆動機構に近いその部分は、依然として一緒に積み重ねられ、したがって、図3および図10に示すように、第1のホース3および第2のホース4のコネクタ9の向き(すなわち、コネクタ9の入力端の向き)は、自由に変更可能であり、したがって、車両上の洗浄液リザーバの取り付け位置から逸脱する可能性があり、例えば、洗浄されるフロントガラスから逸脱する可能性があり、その結果、設置中にホースをねじる必要があるため、ワイパの外観が十分に整然としない。
【0043】
これを考慮して、カバーキャップ2は、図3図6図7および図8に示すように、その内壁に配置された端部ガイド10をさらに備える。端部ガイド10は、カバーキャップ2の近端、すなわちアームベース5または駆動機構に近いカバーキャップ2の端部に配置され、ワイパアームの自由端の反対側にあり、自由アームは、ワイパブレードを保持するワイパアームのアーム本体1の端部である。端部ガイド10は、第1のホース3と第2のホース4とを互いに分離することを可能にし、その配置方向を偏向させることができる。図9a、図9bおよび図9cに示すように、端部ガイド10が存在しないワイパアームの部分では、ワイパアームのチャンバ5内の第1のホース3および第2のホース4は、実質的に垂直上方にある第1の方向Yに配置され、一方、端部ガイド10では、第1のホース3および第2のホース4は互いに分離され、その配置方向(図9cに点線で示すように)は、第1の方向Yに対して一定の角度だけ偏向される。例えば、図6図7および図9cに示すように、端部ガイド10は、2つのクランプ部101および102を備え、2つのクランプ部101および102は、第1の方向Yおよび第1の方向に垂直な第2の方向Zに互いに対してオフセットされていて、第2の方向は、例えば、図9cにおける右から左への水平方向である。例えば、第1のクランプ部101は第1のホース3をクランプするために使用され、第2のクランプ部102は第2のホース4をクランプするために使用される。変形実施形態では、クランプ部101および102はまた、クランプ部の配置によってホースが積み重ね状態から離脱しさえすれば、第2の方向Z、またはホースの積み重ね方向とは異なる別の方向に並列に配置されてもよい。
【0044】
端部ガイド10により、本発明のワイパにおける2つのホースは互いに分離され、2つのホースの配置方向は、カバーキャップ2の基部21と実質的に平行な方向に配置されるように偏向され、これにより、図10に示すように、コネクタ9の向きをカバーキャップ2の基部21に対して実質的に垂直(すなわち、車両のフロントガラスの方を向いている)となるように固定することができる。したがって、2つのホースは、ねじれることなく洗浄液リザーバに接続することができ、組み立てが簡単になり、ワイパの動作中にねじられたホースが互いに擦れる状況が回避され、また、ワイパおよびホースの露出部分が整然とした外観を有することが保証される。
【0045】
加工を容易にするために、カバーキャップ2および端部ガイド10は両方とも、例えば射出成形法によって一体的に形成されたプラスチック製であってもよい。
【0046】
上記の実施形態は、2つのホースを固定するための2つのクランプ部101および102を備える1つの端部ガイド10を示すことが説明されていることに相違ないが、より多数のクランプ部を設けること、またはより多数のホースを固定するために端部ガイドの2つ以上を使用することも可能であることが理解されよう。加えて、ホースガイド10は、アーム本体1に配置されてもよく、またはアーム本体1とカバーキャップ2の両方に配置されてもよい。
【0047】
さらに、上に開示された技術的特徴は、他の特徴との開示された組み合わせに限定されず、当業者は、本発明の目的を達成するために、本発明の目的による技術的特徴の他の組み合わせをもたらすこともできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のワイパ用のワイパアームであって、
長手方向(X)に延在するアーム本体(1)であって、前記アーム本体(1)が、戻りワイパ位置と内部ワイパ位置との間で前後に移動可能である、アーム本体(1)と、
カバーキャップ(2)であって、前記アーム本体(1)と前記カバーキャップ(2)との間にチャンバ(5)を形成するように前記アーム本体(1)を少なくとも部分的に覆う、カバーキャップ(2)と、
流体を送達するために使用され、前記チャンバ(5)内を前記長手方向(X)に延在する少なくとも1つのホースと、を備え、
前記チャンバ(5)内に少なくとも1つのホースガイド(6)が設けられ、前記ホースガイドが、前記ホースを案内するための屈曲チャネル(7)を形成し、前記屈曲チャネル(7)が、屈曲形状を有する
ことを特徴とする、ワイパアーム。
【請求項2】
前記ホースガイド(6)が、前記カバーキャップ(2)の基部(21)からおよび/または前記アーム本体(1)から前記チャンバ(5)内に突出する突出部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のワイパアーム。
【請求項3】
前記突出部が、前記チャンバ(5)に向かって延在する複数の壁を備え、前記複数の壁の少なくとも1対が、互いに反対側に延在する部分を備えることを特徴とする、請求項2に記載のワイパアーム。
【請求項4】
前記複数の壁が、直線壁および/または屈曲壁を備えることを特徴とする、請求項3に記載のワイパアーム。
【請求項5】
前記カバーキャップ(2)が、ストップ部(8)であって、前記ストップ部が、前記ホースが前記アーム本体(1)および/または前記カバーキャップ(2)の前記基部(21)に向かって移動し、それによって前記屈曲チャネル(7)から外れるのを防止するために、前記長手方向(X)を横断する方向に延在する部分を備える、ストップ部(8)をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のワイパアーム。
【請求項6】
前記ストップ部(8)が前記突出部上に配置されることを特徴とする請求項5に記載のワイパアーム。
【請求項7】
前記ストップ部(8)が、前記アーム本体(1)および/または前記カバーキャップ(2)の内壁に配置され、前記突出部とは別個であることを特徴とする、請求項5に記載のワイパアーム。
【請求項8】
前記カバーキャップ(2)および/または前記アーム本体(1)、前記突出部および前記ストップ部(8)が一体的に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のワイパアーム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのホースが、第1のホース(3)および第2のホース(4)を備え、前記第1のホース(3)および前記第2のホース(4)が、前記カバーキャップ(2)の基部(21)に対して実質的に垂直な第1の方向(Y)に積み重ねられるように配置され、
前記カバーキャップ(2)および/または前記アーム本体(1)が、その内壁に配置された少なくとも1つの端部ガイド(10)を備え、前記端部ガイドが、前記ワイパアームの自由端とは反対側の端部に配置され、それにより、前記第1のホース(3)および前記第2のホース(4)が分離され、その配置方向が偏向される
ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のワイパアーム。
【請求項10】
前記端部ガイド(10)が、前記第1のホース(3)および前記第2のホース(4)をそれぞれクランプするための2つのクランプ部(101、102)を備え、前記2つのクランプ部の配置方向が、前記第1のホース(3)および前記第2のホース(4)の積み重ね方向とは異なることを特徴とする、請求項9に記載のワイパアーム。
【請求項11】
前記カバーキャップ(2)および/または前記アーム本体(1)が、前記端部ガイド(10)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項9に記載のワイパアーム。
【請求項12】
前記ワイパが、請求項1からのいずれか一項に記載の前記ワイパアームを備えることを特徴とする、車両用ワイパ。
【請求項13】
請求項12に記載の前記ワイパを備えることを特徴とする、車両。
【国際調査報告】