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特表2024-536922頭部保護具及びそれを含む幼児運搬具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】頭部保護具及びそれを含む幼児運搬具
(51)【国際特許分類】
   A47D 13/02 20060101AFI20241001BHJP
   B60N 2/26 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
A47D13/02
B60N2/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523195
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2022079307
(87)【国際公開番号】W WO2023067116
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111237459.X
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】グオ、チェンウェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ウーキン
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE01
(57)【要約】
【課題】安全性と快適性を有する頭部保護具及び幼児運搬具の提供。
【解決手段】本発明の頭部保護具は、幼児運搬具のショルダーストラップ及び前記ショルダーストラップに巻回された調節バックルの外側にスリーブされるのに適している。前記ショルダーストラップは、前記幼児運搬具の背もたれとシート本体との間に接続され、前記頭部保護具は、保護片と、前記保護片に配置された接続部材と、位置決め部材とを含み、前記保護片の左右端部は、前記接続部材によって着脱自在に接続されて、前記ショルダーストラップと前記調節バックルの外側にスリーブされることができ、前記位置決め部材は、前記調節バックル及び/又は前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップにクランプされるために使用され、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとは、常に前記頭部保護具に包まれている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幼児運搬具のショルダーストラップ及び前記ショルダーストラップに巻回された調節バックルの外側にスリーブされるのに適した頭部保護具であって、
前記ショルダーストラップは、前記幼児運搬具の背もたれとシート本体との間に接続され、前記頭部保護具は、保護片と、前記保護片に配置された接続部材と位置決め部材とを含み、前記保護片の左右端部は、前記接続部材によって着脱自在に接続されて、前記ショルダーストラップと前記調節バックルの外側にスリーブされることができ、前記位置決め部材は、前記調節バックル及び/又は前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップにクランプされるために使用され、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとは、常に前記頭部保護具に包まれている、
ことを特徴とする頭部保護具。
【請求項2】
前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとの外側のみを包んでいるように、前記ショルダーストラップの横幅方向に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の頭部保護具。
【請求項3】
前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに包まれた前記ショルダーストラップの包まれた箇所の外側と、前記包まれた箇所に接続された前記ショルダーストラップの延在箇所の外側とを包んでいるように前記ショルダーストラップの縦方向に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の頭部保護具。
【請求項4】
前記保護片は、片状であり、比較的柔軟であり、一定の弾性を有する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の頭部保護具。
【請求項5】
前記保護片は、全体として縫合接続されたラッピング層とフィッティング層を含み、前記ラッピング層は、前記ショルダーストラップと前記調節バックルに接触するために使用され、前記フィッティング層は、前記幼児に接触するために使用される、
ことを特徴とする請求項4に記載の頭部保護具。
【請求項6】
前記保護片は、さらに、バッファ層を含み、前記バッファ層は、前記ラッピング層と前記フィッティング層の間に設けられ、前記ラッピング層と前記バッファ層と前記フィッティング層とは、全体として縫合接続されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の頭部保護具。
【請求項7】
前記保護片は、さらに、バッファ層を含み、前記ラッピング層と前記フィッティング層との両方の縁部は、全体として縫合接続され、前記ラッピング層に充填口が設けられており、前記バッファ層は、前記充填口を介して前記ラッピング層と前記フィッティング層の間に着脱自在に充填されている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の頭部保護具。
【請求項8】
前記接続部材は、複数設けられ、前記複数の接続部材は、前記保護片の相対左端と相対右端の縁部に設けられ、前記複数の接続部材は、前記頭部保護具の縦方向に沿って離間して配置されている、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項9】
前記ショルダーストラップは、長さが調節可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項10】
前記位置決め部材は、前記ショルダーストラップの前記横幅方向において前記ショルダーストラップとクランプされ、及び/又は、前記ショルダーストラップの厚さ方向において前記調節バックルとクランプされる、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項11】
前記位置決め部材が前記ショルダーストラップにクランプされているクランプ面は、斜面である、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項12】
前記位置決め部材は、前記保護片に配置されたクランプ片及び/又はハンガー片を含み、前記クランプ片は、前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとクランプされるために使用され、前記ハンガー片は、前記調節バックルに挿入され前記調節バックルとクランプされるために使用される、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項13】
前記ショルダーストラップは、前記調節バックルに巻回された上側ショルダーストラップと下側ショルダーストラップとを含み、前記上側ショルダーストラップの上側接続端は、前記背もたれの相対上端に接続され、前記上側ショルダーストラップの下側接続端は、前記調節バックルに巻回された後、前記背もたれの相対中間上端に接続され、前記下側ショルダーストラップの接続端は、前記シート本体に接続され、前記下側ショルダーストラップの自由端が前記調節バックルに巻回された後、調節部が前記自由端と前記調節バックルの間に形成され、接続部が前記接続端と前記調節バックルとの間に形成され、前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップと前記下側ショルダーストラップの前記調節部と前記接続部との外側を包み、前記クランプ片は、前記調節バックルの相対前面又は裏面から前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップとクランプされるために使用され、前記ハンガー片は、前記調節バックルの前記相対裏面から前記調節バックルに挿入され、前記調節バックルの前記相対前面で前記調節バックルとクランプされるために使用される、
ことを特徴とする請求項12に記載の頭部保護具。
【請求項14】
前記ショルダーストラップは、前記調節バックルに巻回された上側ショルダーストラップと下側ショルダーストラップとを含み、前記上側ショルダーストラップの上側接続端は、前記背もたれの相対上端に接続され、前記上側ショルダーストラップの下側接続端は、前記調節バックルに巻回された後、上に折り曲げて前記上側ショルダーストラップに接続され、前記下側ショルダーストラップの接続端は、前記シート本体に接続され、前記下側ショルダーストラップの自由端が前記調節バックルに巻回された後、調節部が前記自由端と前記調節バックルの間に形成され、接続部が前記接続端と前記調節バックルの間に形成され、前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップと前記下側ショルダーストラップの前記調節部と前記接続部との外側を包み、前記クランプ片は、前記調節バックルの相対前面又は裏面から前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップとクランプされるために使用され、前記ハンガー片は、前記調節バックルに挿入され、前記調節バックルの前記相対前面で前記調節バックルとクランプされるために使用される、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の頭部保護具。
【請求項15】
前記保護片の相対左端又は相対右端の縁は、反対側に凹んで凹部を形成し、前記凹部の分割により、前記クランプ片は、前記保護片に形成されている、
ことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項16】
前記凹部は、前記保護片の前記相対左端又は相対右端の相対上端又は相対中央に配置され、前記凹部の閉鎖端は、前記保護片の中心線に近い位置に位置する、
ことを特徴とする請求項15に記載の頭部保護具。
【請求項17】
前記位置決め部材は、さらに、前記凹部の開口端を開閉するために、前記凹部の前記開口端に配置された閉鎖部材を含む、
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の頭部保護具。
【請求項18】
前記ハンガー片は、組付部とクランプジョイントとを含み、前記組付部の一端は、前記保護片に縫合接続され、前記組付部の他端は、前記クランプジョイントに縫合接続され、前記クランプジョイントは、前記調節バックルの相対裏面から前記調節バックルの相対前面を通過した後、前記調節バックルの縦方向に前記調節バックルにクランプされている、
ことを特徴とする請求項12から17のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項19】
前記クランプジョイントは、T字形又は蝶結び形である、
ことを特徴とする請求項18に記載の頭部保護具。
【請求項20】
支持部材が、前記クランプジョイント内に配置され、前記支持部材は、前記クランプジョイントが前記調節バックルから離間することを回避するために一定の硬度と弾性を有する、
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の頭部保護具。
【請求項21】
前記頭部保護具は、さらに、規制部材を含み、前記規制部材は、前記位置決め部材の下で前記保護片に縫合接続され、前記ショルダーストラップが通過するための規制空間を有する、
ことを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項22】
前記規制部材は、環状又は半環状であり、一定の弾性を有する、
ことを特徴とする請求項21に記載の頭部保護具。
【請求項23】
シート本体と、背もたれと、2つのショルダーストラップとを含む幼児運搬具であって、
前記背もたれは、前記シート本体に接続され、前記2つのショルダーストラップは、前記シート本体と前記背もたれの間に接続され、前記2つのショルダーストラップは、それぞれ前記シート本体に着脱自在に接続され、前記2つのショルダーストラップの各々は、前記ショルダーストラップの長さを調節するために使用される調節バックルを巻回し、前記幼児運搬具は、さらに、前記ショルダーストラップと前記調節バックルの外側にスリーブされている請求項1から22のいずれか1項に記載の頭部保護具を含む、
ことを特徴とする幼児運搬具。
【請求項24】
前記幼児運搬具は、さらに、2つのウエストストラップと、股ストラップと、接続バックルとを含み、前記2つのウエストストラップは、前記シート本体の着座領域の左右対向する側に対称的に設けられ、前記股ストラップは、前記シート本体の前記着座領域の相対中央に設けられ、前記2つのショルダーストラップと前記2つのウエストストラップと前記股ストラップとは、それぞれ前記接続バックルとの接続により前記シート本体に着脱自在に接続されている、
ことを特徴とする請求項23に記載の幼児運搬具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児運搬具に関し、特に、幼児運搬具のショルダーストラップにスリーブされる頭部保護具及びそれを含む幼児運搬具に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭で子供を持つ親にとって、子供と外出する際には、大人の負担を減らすために、ベビーカー、ベビーバスケット、セーフティシートなどの幼児運搬具が、手をつなぐ代わりに使用されるのが普通である。また、幼児運搬具は、旅行先でも快適で安全であるという利点もある。そのため、幼児運搬具は、ますます多くの人々に支持されている。安全性を考慮し、既存の幼児運搬具には、幼児を固定するためのショルダーストラップ及びウェストストラップが装備されていることが多い。ショルダーストラップの長さは、一般的に調節できるように設定されており、ショルダーストラップの長さは、主にショルダーストラップに配置されたバックルによって調節される。ここで、使用時の快適性や安全性を向上させるために、バックルを包むための保護片もショルダーストラップにスリーブされ、幼児の頭や首を保護するようになっている。
【0003】
しかし、従来の保護片は、ショルダーストラップにのみスリーブされていることが多く、走行中やショルダーストラップの長さを調節する過程で、保護片が相対的に移動したりずれたりして、バックルを保護片の外に露出させたり、ショルダーストラップが幼児の頭頸部に直接接触したりして、使用の快適性を低下させたり、バックルやショルダーストラップとの衝突や摩擦によって幼児の頭頸部が怪我をしたりして、良好な保護作用を発揮できなかったりする可能性がある。
【0004】
そのため、構造が簡単で、使いやすく、安全で信頼性が高く、ショルダーストラップの高さ調節を行ってもショルダーストラップと相対的にスライドしない頭部保護具、及びこの頭部保護具を含む幼児運搬具が上記問題を克服するために必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、幼児運搬具の安全性と快適性を保証するために、ショルダーストラップと相対的なスライドがなく、構造が簡単で、使いやすく、安全で信頼性の高い頭部保護具を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、幼児運搬具の安全性と快適性を保証するために、ショルダーストラップとの相対的なスライドがなく、構造が簡単で、使いやすく、安全で信頼性の高い幼児運搬具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、幼児運搬具のショルダーストラップ及び前記ショルダーストラップに巻回された調節バックルの外側にスリーブされるのに適した頭部保護具を提供し、前記ショルダーストラップは、前記幼児運搬具の背もたれとシート本体との間に接続され、前記頭部保護具は、保護片と、いずれも前記保護片に配置された接続部材と、位置決め部材とを含み、前記保護片の左右端部は、前記接続部材によって着脱自在に接続されて、前記ショルダーストラップと前記調節バックルの外側にスリーブされることができ、前記位置決め部材は、前記調節バックル及び/又は前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップにクランプされるために使用され、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとは、常に前記頭部保護具に包まれている。
【0008】
好ましくは、前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとの外側のみを包んでいるように前記ショルダーストラップの横幅方向に設けられている。
【0009】
好ましくは、前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに包まれた前記ショルダーストラップの包まれた箇所の外側と、前記包まれた箇所に接続された前記ショルダーストラップの延在箇所の外側とを包んでいるように前記ショルダーストラップの縦方向に設けられている。
【0010】
好ましくは、前記保護片は、片状であり、比較的柔軟であり、一定の弾性を有する。
【0011】
好ましくは、前記保護片は、全体として縫合接続されたラッピング層とフィッティング層を含み、前記ラッピング層は、前記ショルダーストラップと前記調節バックルに接触するために使用され、前記フィッティング層は、前記幼児に接触するために使用されている。
【0012】
好ましくは、前記保護片は、さらに、バッファ層を含み、前記バッファ層は、前記ラッピング層と前記フィッティング層の間に設けられ、前記ラッピング層と前記バッファ層と前記フィッティング層とは、全体として縫合接続されている。
【0013】
好ましくは、前記保護片は、さらに、バッファ層を含み、前記ラッピング層と前記フィッティング層との両方の縁部は、全体として縫合接続され、前記ラッピング層に充填口が設けられており、前記バッファ層は、前記充填口を介して前記ラッピング層と前記フィッティング層の間に着脱自在に充填されている。
【0014】
好ましくは、前記接続部材は、複数設けられ、前記複数の接続部材は、前記保護片の相対左端と相対右端の縁部に設けられ、前記複数の接続部材は、前記頭部保護具の縦方向に沿って離間して配置されている。
【0015】
好ましくは、前記ショルダーストラップは、長さが調節可能に設けられている。
【0016】
好ましくは、前記位置決め部材は、前記ショルダーストラップの前記横幅方向において前記ショルダーストラップとクランプされ、及び/又は、前記ショルダーストラップの厚さ方向において前記調節バックルとクランプされている。
【0017】
好ましくは、前記位置決め部材が前記ショルダーストラップにクランプされているクランプ面は、斜面である。
【0018】
好ましくは、前記位置決め部材は、前記保護片に配置されたクランプ片及び/又はハンガー片を含み、前記クランプ片は、前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとクランプされるために使用され、前記ハンガー片は、前記調節バックルに挿入され前記調節バックルとクランプされるために使用される。
【0019】
好ましくは、前記ショルダーストラップは、前記調節バックルに巻回された上側ショルダーストラップと下側ショルダーストラップとを含み、前記上側ショルダーストラップの上側接続端は、前記背もたれの相対上端に接続され、前記上側ショルダーストラップの下側接続端は、前記調節バックルに巻回された後、前記背もたれの相対中間上端に接続され、前記下側ショルダーストラップの接続端は、前記シート本体に接続され、前記下側ショルダーストラップの自由端が前記調節バックルに巻回された後、調節部が前記自由端と前記調節バックルの間に形成され、接続部が前記接続端と前記調節バックルとの間に形成され、前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップと前記下側ショルダーストラップの前記調節部と前記接続部との外側を包み、前記クランプ片は、前記調節バックルの相対前面又は裏面から前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップとクランプされるために使用され、前記ハンガー片は、前記調節バックルの前記相対裏面から前記調節バックルに挿入され、前記調節バックルの前記相対前面で前記調節バックルとクランプされるために使用される。
【0020】
好ましくは、前記ショルダーストラップは、前記調節バックルに巻回された上側ショルダーストラップと下側ショルダーストラップとを含み、前記上側ショルダーストラップの上側接続端は、前記背もたれの相対上端に接続され、前記上側ショルダーストラップの下側接続端は、前記調節バックルに巻回された後、上に折り曲げて前記上側ショルダーストラップに接続され、前記下側ショルダーストラップの接続端は、前記シート本体に接続され、前記下側ショルダーストラップの自由端が前記調節バックルに巻回された後、調節部が前記自由端と前記調節バックルの間に形成され、接続部が前記接続端と前記調節バックルの間に形成され、前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップと前記下側ショルダーストラップの前記調節部と前記接続部との外側を包み、前記クランプ片は、前記調節バックルの相対前面又は裏面から前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップとクランプされるために使用され、前記ハンガー片は、前記調節バックルに挿入され、前記調節バックルの前記相対前面で前記調節バックルとクランプされるために使用される。
【0021】
好ましくは、前記保護片の相対左端又は相対右端の縁は、反対側に凹んで凹部を形成し、前記凹部の分割により、前記クランプ片は、前記保護片に形成されている。
【0022】
好ましくは、前記凹部は、前記保護片の前記相対左端又は相対右端の相対上端又は相対中央に配置され、前記凹部の閉鎖端は、前記保護片の中心線に近い位置に位置する。
【0023】
好ましくは、前記位置決め部材は、さらに、前記凹部の開口端を開閉するために、前記凹部の前記開口端に配置された閉鎖部材を含む。
【0024】
好ましくは、前記ハンガー片は、組付部とクランプジョイントとを含み、前記組付部の一端は、前記保護片に縫合接続され、前記組付部の前記他端は、前記クランプジョイントに縫合接続され、前記クランプジョイントは、前記調節バックルの相対裏面から前記調節バックルの相対前面を通過した後、前記調節バックルの縦方向に前記調節バックルにクランプされている。
【0025】
好ましくは、前記クランプジョイントは、T字形又は蝶結び形である。
【0026】
好ましくは、支持部材は、前記クランプジョイント内に配置され、前記支持部材は、前記クランプジョイントが前記調節バックルから離間することを回避するために、一定の硬度と弾性を有する。
【0027】
好ましくは、前記頭部保護具は、さらに、規制部材を含み、前記規制部材は、前記位置決め部材の下で前記保護片に縫合接続され、前記ショルダーストラップが通過するための規制空間を有する。
【0028】
好ましくは、前記規制部材は、環状又は半環状であり、一定の弾性を有する。
【0029】
上記目的を達成するために、本発明はさらに、幼児運搬具を提供し、シート本体と、背もたれと、2つのショルダーストラップとを含み、前記背もたれは、前記シート本体に接続され、前記2つのショルダーストラップは、前記シート本体と前記背もたれの間に接続され、前記2つのショルダーストラップは、それぞれ前記シート本体に着脱自在に接続され、前記2つのショルダーストラップの各々は、前記ショルダーストラップの長さを調節するために使用される調節バックルを巻回し、前記幼児運搬具は、さらに、前記ショルダーストラップと前記調節バックルの外側にスリーブされている上記の頭部保護具を含む。
【0030】
好ましくは、本発明の前記幼児運搬具は、さらに、2つのウエストストラップと、股ストラップと、接続バックルとを含み、前記2つのウエストストラップは、前記シート本体の着座領域の左右対向する側に対称的に設けられ、前記股ストラップは、前記シート本体の前記着座領域の相対中央に設けられ、前記2つのショルダーストラップと前記2つのウエストストラップと前記股ストラップとは、それぞれ前記接続バックルとの接続により前記シート本体に着脱自在に接続されている。
【0031】
従来技術と比較して、本発明の頭部保護具は、保護片に設置された接続部材と位置決め部材とを含み、保護片は、接続部材によって、調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップの外側にスリーブされる。ショルダーストラップは、幼児運搬具の背もたれとシート本体との間に接続されており、調節バックルとクランプされた位置決め部材及び/又は調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップと結合されているため、実際の使用においては、幼児が座っている間に保護片と衝突しても、長さ調節時に調節バックルに対してショルダーストラップがスライドしても、保護片は、調節バックル及び/又は調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップと常にクランプされているため、ショルダーストラップと調節バックルとの間に相対的なスライドが生じず、調節バックルと調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとが保護片に常に包み、使用の安全性及び快適性を効率に向上させる。本発明の頭部保護具は構造が簡単で、使用が便利で、安全で信頼性があり、幼児運搬具を有する頭部保護具の安全性と快適性を有効に保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の幼児運搬具の構造概略図である。
図2】本発明のショルダーストラップの第1の構成の模式図である。
図3】本発明のショルダーストラップの第2の構成の模式図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る頭部保護具の正面構成図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る頭部保護具の背部構造の概略図である。
図6】第1の実施形態の頭部保護具と第1の構造のショルダーストラップとのスリーブ接続方式の模式図である。
図7】第1の実施形態の頭部保護具と第1の構造のショルダーストラップとの別のスリーブ接続方式の概略図である。
図8】第1の実施形態の頭部保護具が第2の構造のショルダーストラップにスリーブされている概略図である。
図9】本発明の頭部保護具の第2の実施形態の正面構造概略図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る頭部保護具の背部構造の概略図である。
図11】第2の実施形態の頭部保護具が第1の構造のショルダーストラップにスリーブされている概略図である。
図12】本発明の第3の実施形態に係る頭部保護具の構成図である。
図13図12に示すクランプジョイントに設けられた支持部材の構造概略図である。
図14】第3の実施形態の頭部保護具が第1の構造のショルダーストラップにスリーブされている概略図である。
図15】本発明の第4の実施形態に係る頭部保護具の構成図である。
図16図15に示すクランプジョイントに設けられた支持部材の構成図である。
図17】第4の実施形態の頭部保護具が第1の構造のショルダーストラップにスリーブされている概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の技術的内容、構造的特徴、実現の目的及び効果を詳細に説明するために、実施形態及び図面に関連して詳細に説明する。
【0034】
図1から3を参照して、本発明は、幼児運搬具200のショルダーストラップ300とショルダーストラップ300に巻回された調節バックル400の外側に装着するのに適した頭部保護具100を提供し、頭部保護具100、調節バックル400と調節バックル400に巻回されたショルダーストラップ300との間に相対的なスライドが生じない。本願において、本発明の幼児運搬具200は、限定されるものではないが、例えば、ベビーカート、ベビーバスケット、寝袋、安全シート、ベビーチェアなどを含む。具体的には、本発明の幼児運搬具200は、シート本体500と、シート本体500に接続された背もたれ600とを含む。2つのショルダーストラップ300は、シート本体500と背もたれ600との間に対称に接続されている。異なる年齢及び大きさの幼児の使用に適応するために、ショルダーストラップ300は、長さ調節可能に設定され、調節バックル400は、ショルダーストラップ300の長さを調節するために使用され、それにより、2つのショルダーストラップ300を介して幼児運搬具200に座っている幼児を適応的に固定し、使用の安全を確保する。調節バックル400は、具体的には、ツーアイバックル(two―eye―buckle、8形バックル)又はスリーアイバックル(three―eye―buckle)から選択され、使いやすく、経済的で実用的である。必要に応じて、いくつかの幼児運搬具200には、シート本体500の着座領域の左右両側にそれぞれ位置する2つのウエストストラップ700が対称に設けられ、股ストラップ800は、シート本体500の着座領域の相対中心、すなわち対応する幼児の2本の足の間の位置に設けられている。2つのショルダーストラップ300、2つのウエストストラップ700、及び股ストラップ800は、それぞれ接続バックル900に着脱可能に接続されるように、接続バックル900に対応して接続される。使用される場合、接続バックル900は、典型的には幼児の腰部及び腹部の位置に位置する。より具体的には、本発明の頭部保護具100は、ショルダーストラップ300の外側に着脱可能に包む。
【0035】
図1及び図2に関連して、各ショルダーストラップ300は、第1の構造を含み、ここで、調節バックル400に巻回された上側ショルダーストラップ301及び下側ショルダーストラップ302を含み、上側ショルダーストラップ301と下側ショルダーストラップ302は、調節バックル400の上下の対向する両側に対応して巻回され、調節バックル400に巻回された上側ショルダーストラップ301と下側ショルダーストラップ302との間に通過隙間401をさらに有する。上側ショルダーストラップ301は、それぞれその頭部及び尾部に位置する上側接続端301a及び下側接続端301bを含む。上側接続端301aは、背もたれ600の相対上端600aに接続され、下側接続端301bは、調節バックル400に巻回された後、背もたれ600の相対中間上端600bに接続される。下側ショルダーストラップ302は、その頭部及び尾部にそれぞれ設けられた接続端302a及び自由端302bを有し、接続端302bは、シート本体500に接続されている。具体的には、下側ショルダーストラップ302は、接続端302aに接続されたバックルを介して接続バックル900に着脱可能に接続され、下側ショルダーストラップ302とシート本体500との接続を実現することができる。下側ショルダーストラップ302の自由端302bが調節バックル400に巻回された後、自由端302aと調節バックル400aとの間に調節部3021が形成され、接続端302aと調節バックル400との間に接続部3022が形成される。使用時には、調節部3021を引っ張ることによって、接続部3022の相対的な長さを調節することができ、それによってショルダーストラップ300全体の長さを変えて、異なる幼児の使用要求を満たすことができる。
【0036】
図1図3とを組み合わせると、第2の構造は、ショルダーストラップ300の第1の構造と異なり、ここで、上側ショルダーストラップ301の下側接続端301bは、調節バックル400に巻回された後、上に折り曲げて上側ショルダーストラップ30のストラップ体に接続され、調節バックル400の反対側の裏面において、下側接続端301bと上側ショルダーストラップ301との間に、通し孔3011が形成されている。ショルダーストラップ300の他のすべての部分は、第1の構造とほぼ一致しており、ここで説明を省略する。具体的には、使用時には、調節部3021を引っ張ることにより接続部3022の長さも調節され、ショルダーストラップ300全体の長さが変化する。
【0037】
なお、上記2つの構造のショルダーストラップ300において、上側ショルダーストラップ301の下側接続端301bと対応する背もたれ600の相対中間上端600b又は上側ショルダーストラップ301のベルト体との間の2つの接続は、いずれも固定接続であり、例えば、縫合接続、8形バックル、スリーアイバックル(three―eye―buckle)である。上側ショルダーストラップ301の上側接続端301aは、背もたれ600の相対上端600aと縫合接続されていてもよく、又は構造が比較的簡単なバックルによって背もたれ600に着脱可能に接続されていてもよい。もちろん、上側接続端301aは、背もたれ600を通過し、背もたれ600の裏面に設けられたウェビング巻取器に巻回されることで、ショルダーストラップ300の長さを増加させ、ショルダーストラップ300の適応性を効果的に高めることもできる。また、本発明のショルダーストラップ300は、分離構造の上側ショルダーストラップ301と下側ショルダーストラップ302とを含むと説明したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、ショルダーストラップ300がシート本体500と背もたれ600との間に接続される全体構成に簡略化される場合、本発明の頭部保護具100がショルダーストラップ300と調節バックル400の外側を依然として包み、調節バックル400と調節バックル400のショルダーストラップ300とクランプされていれば、相対的な滑りはない。
【0038】
次に、図2から図8を用いて、本発明の第1の実施形態に係る頭部保護具100の構成について説明する。
【0039】
図4及び図5を参照すると、頭部保護具100は、保護片10と、保護片10に設けられた接続部材20及び位置決め部材30とを備えている。保護片10の左右両端は、接続部材20によって着脱可能に接続されているので、保護片10は、ショルダーストラップ300と調節バックル400の外側にスリーブされることができる。位置決め部材30は、調節バックル400及び/又は調節バックル400に巻回されたショルダーストラップ300とクランプするために用いられ、調節バックル400と調節バックル400に巻回されたショルダーストラップ300とは、常に保護片10に包まれるようになっている。使用する際には、まず、頭部保護具100を背もたれ600とショルダーストラップ300との間に配置し、調節バックル400の位置を合わせ、次に、位置決め部材30が調節バックル400及び/又は調節バックル400に巻回されたショルダーストラップ300とクランプされた後、保護片10の相対左端及び相対右端を一方向において他の方向に曲げ又は転がして、そして、保護片10の左右両端が互いに当接又は重複し、接続部材20を介して接続固定することにより、保護片10が調節バックル400及び調節バックル400に巻回されたショルダーストラップ300の外側に容易に簡単にスリーブできるようにする。ここで、この実施形態では、保護片10は、調節バックル400と調節バックル400に包まれたショルダーストラップ300の包まれた箇所の外側を包み、且つ、包まれた箇所に接続されたショルダーストラップ300の延在箇所の外側に包まれるように、ショルダーストラップ300の縦方向に沿って配置されている。したがって、保護片10は、より長い範囲でショルダーストラップ300の外側を包むことができ、より安全性と快適性が高い。
【0040】
図4及び図5に示すように、保護片10は、片状を呈し、略矩形を呈し、比較的柔軟で、一定の弾性を有する。具体的には、保護片10は、全体として縫合接続されたラッピング層11と、フィッティング層12とを含む。ラッピング層11は、ショルダーストラップ300と調節バックル400とに接触するために使用され、フィッティング層12は、幼児の頭部と首とに接触するために使用される。具体的には、保護片10は、さらに、バッファ層を含む(ラッピング層11とフィッティング層12との間に隠されているので図示しない)。バッファ層は、ラッピング層11とフィッティング層12との間に設けられ、ラッピング層11、バッファ層、及びフィッティング層12は、全体として縫合接続されている。ここで、バッファ層は、ラッピング層11及びフィッティング層12の少なくとも一方のラッピング層11又はフィッティング層12の他方とは反対側に設けられ、すなわちラッピング層11及び/又はフィッティング層12自体にバッファ層を有してもよい。もちろん、バッファ層を追加して、バッファ層をラッピング層11及びフィッティング層12全体と縫合接続してもよい。加工と使用を容易にするために、ラッピング層11とフィッティング層12の縁は、全体として縫合接続されていてもよい。ラッピング層11には充填口111が設けられており、バッファ層は充填口111を介してラッピング層11とフィッティング層12の間に着脱可能に充填されており、取り外しと洗浄が容易で、より健康で衛生的に使用されている。なお、充填口111は、ラッピング層11及び/又はフィッティング層12自体にバッファ層がある場合、又はバッファ層がラッピング層11及びフィッティング層12全体と縫合接続されている場合、保護片10の湾曲を容易にするために保護片10の中心軸線に縫合されたくぼみ線であってもよい。ここで、ラッピング層11及びフィッティング層12は、繊維織物、綿材料又は皮革材料のうちの少なくとも1つから作製することができ、バッファ層は、ラテックス、記憶発泡体又はシリコーン樹脂材料のうちの少なくとも1つから作製することができる。
【0041】
図5を参照して、接続部材20は、保護片10の相対左端及び相対右端の縁に具体的に設けられている。接続部材20の数は複数であってもよく、複数の接続部材20は保護片10の縦方向に離間して設けられてもよく、複数の接続点を設けることで、保護片10をショルダーストラップ300に、より強固にスリーブされることができる。具体的には、接続部材20は、互いに着脱可能かつ協働可能な固定バックル及び固定穴、バックル、ロープ、及びマジックテープのいずれでもよい。この実施形態では、接続部材20は、保護片10の幅方向に離間して配置された雄ボタン21と雌ボタン22とを含むスナップボタンである。雄ボタン21と雌ボタン22との係合接続又は分離により、ショルダーストラップ300への保護片10の取り付けと取り外しを簡単かつ便利に実現でき、使用が便利で、製造コストを効果的に削減することができる。
【0042】
図4及び図5を参照すると、位置決め部材30は、ショルダーストラップ300の幅方向に沿ってショルダーストラップ300とクランプすることができる。具体的には、この実施形態では、位置決め部材30は、保護片10に設けられたクランプ片31を含み、クランプ片31は、調節バックル400の相対前面又は相対後面から調節バックル400に巻回されたショルダーストラップ300、具体的にはショルダーストラップ300の上側ショルダーストラップ301とクランプするために用いられる。具体的には、保護片10の相対左端又は相対右端の縁が反対側に凹んで凹部13を形成し、凹部13の分割により保護片10にクランプ片31を形成する。凹部13は、具体的には保護片10の相対左端又は相対右端の相対上端に設けられ、凹部13の閉鎖端は、保護片10の中心線に近い位置にある。凹部13の幅は、クランプ片31とショルダーストラップ300との間のクランプを容易にするために、ショルダーストラップ300の厚さに対応している。
【0043】
図4及び図5を参照すると、位置決め部材30は、凹部13の開口端に設けられた閉鎖部材32をさらに含むことが好ましい。閉鎖部材32は、凹部13の開口端を開閉し、クランプ片31とショルダーストラップ300との間のクランプを強化するために用いられる。具体的には、閉鎖部材32は、取り外し可能で互いに協働する固定バックルと固定穴、バックル、ロープ、マジックテープのいずれかである。この実施形態では、閉鎖部材32は、凹部13の対向する側壁に設けられたマザーステッカー321とサブステッカー322とを含むマジックテープとして選択される。マザーステッカーとサブステッカーとを貼り合わせたり分離したりすることにより、凹部13の開閉を簡単かつ便利に実現することができ、これは使いやすく、製造コストを効果的に削減することができる。
【0044】
図4及び図5を参照して、本発明の頭部保護具100は、さらに、規制部材40を含む。規制部材40は、位置決め部材30の下方に位置する保護片10と縫合接続され、ショルダーストラップ300が通過するための規制空間を有し、保護片10に巻回されたショルダーストラップ300を拘束することにより、保護片10とショルダーストラップ300との接続をさらに強化することができるだけでなく、ショルダーストラップ300の滑り方向を規制することができ、ショルダーストラップ300全体をより整然にすることができる。具体的には、規制部材40は、環状又は半環状であり、一定の弾性を有する。この実施形態では、半環状の規制部材40の両端が保護片10に縫合接続され、規制部材40と保護片10との間にショルダーストラップ300を通すための規制空間が形成され、これにより製造コストが低減される。
【0045】
図2図5及び図6に関連して、この実施形態の頭部保護具100が第1の構造のショルダーストラップ300を有する幼児運搬具200に使用される場合、保護片10は、全体として、調節バックル400と調節バックル400の外側に巻回された上側ショルダーストラップ301及び下側ショルダーストラップ302の調節部3021及び接続部3022の外側を着脱可能に包む。背もたれ600の相対中間上端600bと調節バックル400との間に位置する上側ショルダーストラップ301は、凹部13に挿入して、上側ショルダーストラップ301が調節バックル400に巻回された状態でクランプ片31が調節バックル400の裏面にクランプされ、上側ショルダーストラップ301とクランプされたクランプ片31のクランプ面311が平面となるようにする。そして、調節部3021を引いてショルダーストラップ300の長さを調節すると、クランプ片31は常に上側ショルダーストラップ301とクランプされ、調節バックル400と調節バックル400に巻回された上側ショルダーストラップ301、及び下側ショルダーストラップ302の調節部3021と接続部3022は、常に保護片10に包まれ、安全で快適に使用される。閉鎖部材32を協働して使用すると、クランプ効果がより良くなり、調節バックル400上の下側ショルダーストラップ302の調節部3021と接続部3022が規制部材40を通過すると、使用効果がより良くなる。
【0046】
図2図5及び図7に関連して、この実施形態の頭部保護具100が第1の構造のショルダーストラップ300を有する幼児運搬具200に使用される場合には、クランプ片31及び上側ショルダーストラップ301のクランプ位置が異なり、図6に示すクランプ方法と異なる別のクランプ方法を使用してもよい。このとき、下側接続端301bと調節バックル400との間に位置する上側ショルダーストラップ301を凹部13に挿入し、クランプ片31は、調節バックル400の相対前面で調節バックル400のクランプ端Aに巻回された上側ショルダーストラップ301とクランプされ、すなわち、クランプ片31は、上側ショルダーストラップ301と調節バックル400aのクランプ端との間の位置にクランプされ、調節バックル400と調節バックル400に巻回された上側ショルダーストラップ301、及び下側ショルダーストラップ302の調節部3021と接続部3022とが常に保護片10に包まれているように、クランプ片31が調節バックル400で上側ショルダーストラップ301と常にクランプされており、安全且つ快適に使用することができる。ここで、この実施形態では、クランプ片31のクランプ面311は傾斜面であることが好ましく、クランプの堅牢性を効果的に高めることができる。この場合、閉鎖部材32及び/又は規制部材40が協働して使用される場合、クランプはより効果的である。
【0047】
図3図5及び図8に関連して、この実施形態の頭部保護具100が第2の構造のショルダーストラップ300を有する幼児運搬具200に使用される場合、図6に示すクランプ方法と異なる点として、クランプ片31が調節バックル400の対向裏面にクランプされ、上側ショルダーストラップ301が調節バックル400と下側接続端301bとの間に巻回され、クランプ片31が貫通孔3011を具体的に貫通し、凹部13は、調節バックル400と下側接続端301bの間に巻回された上側ショルダーストラップ301にクランプされ、二重クランプ接続によりクランプ接続の堅牢性をより効果的に高めることができる。この場合、閉鎖部材32及び/又は規制部材40を組み合わせて使用すると、クランプ効果がより良くなる。なお、このような構成のショルダーストラップ300において、クランプ片31と上側ショルダーストラップ301との間のクランプ方法として、調節バックル400の相対前面に、クランプ片31は、調節バックル400aの巻取り端Aに巻回された上側ショルダーストラップ301にクランプされ、つまり、クランプ片31は、上側ショルダーストラップ301と調節バックル400の巻取り端Aとの間の位置にクランプされ、調節バックル400の相対前面の巻取り端Aと相対する後面の巻き出し端とに位置する上側ショルダーストラップ301が対応して凹部13に挿入され、これにより、クランプ片31は、調節バックル400で上側ショルダーストラップ301と常にクランプされ、調節バックル400と上側ショルダーストラップ301と下側ショルダーストラップ302の調節部3021と接続部3022は、常に保護片10に包まれ、安全かつ快適に使用することができる。
【0048】
次に、本発明の第2の実施形態に係る頭部保護具100の構成について、図9から図11を用いて説明する。
【0049】
この実施形態が第1の実施形態と異なる点は、保護片10がショルダーストラップ300の横幅方向に配置されており、調節バックル400と調節バックル400に巻回されたショルダーストラップ300の外側のみを包むことである。この実施形態では、保護片10は、比較的短く、主に調節バックル400の外側に包んでいるので、ショルダーストラップ300の外側を短い長さだけ包み、コストを節約することができる。したがって、凹部13は、保護片10の相対左端又は相対右端の相対中心に配置される。この実施形態の頭部保護具100のその他の構成は、第1の実施形態の頭部保護具100と基本的に同様であり、ここでは説明を省略する。
【0050】
次に、本発明の第3の実施形態に係る頭部保護具100の構成について、図12から図14を用いて説明する。
【0051】
この実施形態が第1の実施形態と異なる点は、位置決め部材30の構造が異なり、保護片10に凹部13を設ける必要はなく、閉鎖部材32を設ける必要もないことである。この実施形態では、位置決め部材30は、ショルダーストラップ300の厚さ方向において調節バックル400とクランプすることができる。位置決め部材20は、保護片10に設けられたハンガー片33を含む。ハンガー片33は、調節バックル400に挿入され、調節バックル400aとクランプするために用いられる。具体的には、ハンガー片33は、組付部331とクランプジョイント332とを含む。組付部331の一端は、保護片10に縫合接続され、他端は、クランプジョイント332に縫合接続されている。クランプジョイント332は、調節バックル400の反対側の裏面を通過し(具体的には、調節バックル400aに巻回された上側ショルダーストラップ301と下側ショルダーストラップ302との間の通過隙間401を通過して)調節バックル400の反対側の表面に到達した後、調節バックル400に対して調節バックル400の縦方向に沿ってクランプすることができ、それによって、調節バックル400とクランプすることができる。調節バックル400上の下側ショルダーストラップ302の調節部3021と接続部3022が規制部材40を貫通するように配置されていれば、より効果的に使用できる。具体的には、クランプジョイント332は、T形又はリボン形である。好ましくは、支持部材333は、クランプジョイント332内に配置される。支持部材333は、クランプジョイント332が調節バックル400から離れるのを防止するために、一定の硬度と弾性を有する。具体的には、支持部材333はプラスチック片として選択される。
【0052】
図2及び図3と併せて参照する。この実施形態では、第1の構造のショルダーストラップ300にスリーブされていても、第2の構造のショルダーストラップ300にスリーブされていても、ショルダーストラップ300が調節バックル400に対してどのようにスライドしても、ハンガー片33は、常に調節バックル400にクランプされ、そのため、保護片10と調節バックル400との間に相対的なスライドが生じることがなく、調節バックル400及び調節バックル400に巻回された上側ショルダーストラップ301、並びに下側ショルダーストラップ302の調節部3021及び接続部3022は、常に保護片10に包み、より安全で快適に使用することができる。
【0053】
次に、図15から図17を用いて、本発明の第4の実施形態に係る頭部保護具100の構成について説明する。
【0054】
この実施形態が第1の実施形態と異なる点は、主に、位置決め部材30の構造が異なる点にある。この実施形態では、位置決め部材30は、ショルダーストラップ300の厚み方向に調節バックル400でクランプすることもできるし、ショルダーストラップ300の横幅方向に調節バックル400に巻き付けたショルダーストラップ300でクランプすることもできるし、具体的には、上側ショルダーストラップ301とクランプする。次に、位置決め部材30は、クランプ片31だけでなく、第3の実施形態ではハンガー片33も含む。このとき、ハンガー片33が凹部13の端部に配置されることで、保護片10とショルダーストラップ300及び調節バックル400との二重クランプによるクランプの強固さをより一層強化することができ、使用時の安全性及び快適性をより一層向上させることができる。なお、クランプ片31と上側ショルダーストラップ301との間、及びハンガー片33と調節バックル400との間の具体的なクランプ構造については、適宜、第1から第3の実施形態におけるものと一致するので、ここでは説明を省略する。
【0055】
従来技術と比較して、本発明の頭部保護具100は、保護片10に設けられた接続部材20と位置決め部材30とを備え、保護片10は、接続部材20を介して、調節バックル400と前記調節バックル400に巻回された前記ショルダーストラップ300との外側に着脱可能にスリーブされている。ショルダーストラップ300は、幼児運搬具200の背もたれ600とシート本体500との間に接続され、長さが調節可能であるため、位置決め部材30は調節バックル400にクランプされ、及び/又はショルダーストラップ300は調節バックル400aに巻き取られるので、実際の使用においては、幼児が座っている間に保護片10に衝突しても、長さ調節時にショルダーストラップ300が調節バックル400bに対してスライドしても、保護片10は常に位置決め部材30と調節バックル400にクランプされ、及び/又はショルダーストラップ300が調節バックル400に巻回されるので、スリーブショルダーストラップ300と調節バックル400cとの間に相対的なスライドが生じず、調節バックル400と調節バックル400に巻回されたショルダーストラップ300とが保護片10に常に包まれるこれにより、使用の安全性と快適性が効果的に向上される。本発明の頭部保護具100は構造が簡単で、使いやすく、安全で信頼性が高く、幼児運搬具200を有する頭部保護具100の安全性と快適性を効果的に保証することができる。
【0056】
上記に開示されているのは本発明の好適な実施形態にすぎず、本発明の範囲を制限するために使用することはもちろんできない。したがって、本願の特許請求の範囲による等価な変更は、依然として本発明によってカバーされている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部保護具であって、
保護片と、前記保護片に配置された接続部材と位置決め部材とを含み、
前記保護片の左右端部は、前記接続部材によって着脱自在に接続されて、幼児運搬具のショルダーストラップと前記ショルダーストラップに巻回された調節バックルの外側にスリーブされることができ、前記ショルダーストラップは、前記幼児運搬具の背もたれとシート本体との間に接続され、前記位置決め部材は、前記調節バックル及び/又は前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップにクランプされるために使用され、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとは、常に前記頭部保護具に包まれている、
ことを特徴とする頭部保護具。
【請求項2】
前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとの外側のみを包んでいるように、前記ショルダーストラップの横幅方向に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の頭部保護具。
【請求項3】
前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに包まれた前記ショルダーストラップの包まれた箇所の外側と、前記包まれた箇所に接続された前記ショルダーストラップの延在箇所の外側とを包んでいるように前記ショルダーストラップの縦方向に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の頭部保護具。
【請求項4】
前記接続部材は、複数設けられ、前記複数の接続部材は、前記保護片の相対左端と相対右端の縁部に設けられ、前記複数の接続部材は、前記頭部保護具の縦方向に沿って離間して配置されている、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項5】
前記位置決め部材は、前記ショルダーストラップの前記横幅方向において前記ショルダーストラップとクランプされ、及び/又は、前記ショルダーストラップの厚さ方向において前記調節バックルとクランプされる、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項6】
前記位置決め部材は、前記保護片に配置されたクランプ片及び/又はハンガー片を含み、前記クランプ片は、前記調節バックルに巻回された前記ショルダーストラップとクランプされるために使用され、前記ハンガー片は、前記調節バックルに挿入され前記調節バックルとクランプされるために使用される、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項7】
前記ショルダーストラップは、前記調節バックルに巻回された上側ショルダーストラップと下側ショルダーストラップとを含み、前記上側ショルダーストラップの上側接続端は、前記背もたれの相対上端に接続され、前記上側ショルダーストラップの下側接続端は、前記調節バックルに巻回された後、前記背もたれの相対中間上端に接続され、前記下側ショルダーストラップの接続端は、前記シート本体に接続され、前記下側ショルダーストラップの自由端が前記調節バックルに巻回された後、調節部が前記自由端と前記調節バックルの間に形成され、接続部が前記接続端と前記調節バックルとの間に形成され、前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップと前記下側ショルダーストラップの前記調節部と前記接続部との外側を包み、前記クランプ片は、前記調節バックルの相対前面又は裏面から前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップとクランプされるために使用され、前記ハンガー片は、前記調節バックルの前記相対裏面から前記調節バックルに挿入され、前記調節バックルの前記相対前面で前記調節バックルとクランプされるために使用される、
ことを特徴とする請求項に記載の頭部保護具。
【請求項8】
前記ショルダーストラップは、前記調節バックルに巻回された上側ショルダーストラップと下側ショルダーストラップとを含み、前記上側ショルダーストラップの上側接続端は、前記背もたれの相対上端に接続され、前記上側ショルダーストラップの下側接続端は、前記調節バックルに巻回された後、上に折り曲げて前記上側ショルダーストラップに接続され、前記下側ショルダーストラップの接続端は、前記シート本体に接続され、前記下側ショルダーストラップの自由端が前記調節バックルに巻回された後、調節部が前記自由端と前記調節バックルの間に形成され、接続部が前記接続端と前記調節バックルの間に形成され、前記保護片は、前記調節バックルと前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップと前記下側ショルダーストラップの前記調節部と前記接続部との外側を包み、前記クランプ片は、前記調節バックルの相対前面又は裏面から前記調節バックルに巻回された前記上側ショルダーストラップとクランプされるために使用され、前記ハンガー片は、前記調節バックルに挿入され、前記調節バックルの前記相対前面で前記調節バックルとクランプされるために使用される、
ことを特徴とする請求項又はに記載の頭部保護具。
【請求項9】
前記保護片の相対左端又は相対右端の縁は、反対側に凹んで凹部を形成し、前記凹部の分割により、前記クランプ片は、前記保護片に形成されている、
ことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項10】
前記凹部は、前記保護片の前記相対左端又は相対右端の相対上端又は相対中央に配置され、前記凹部の閉鎖端は、前記保護片の中心線に近い位置に位置する、
ことを特徴とする請求項に記載の頭部保護具。
【請求項11】
前記位置決め部材は、さらに、前記凹部の開口端を開閉するために、前記凹部の前記開口端に配置された閉鎖部材を含む、
ことを特徴とする請求項又は10に記載の頭部保護具。
【請求項12】
前記ハンガー片は、組付部とクランプジョイントとを含み、前記組付部の一端は、前記保護片に縫合接続され、前記組付部の他端は、前記クランプジョイントに縫合接続され、前記クランプジョイントは、前記調節バックルの相対裏面から前記調節バックルの相対前面を通過した後、前記調節バックルの縦方向に前記調節バックルにクランプされている、
ことを特徴とする請求項から11のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項13】
前記クランプジョイントは、T字形又は蝶結び形である、
ことを特徴とする請求項12に記載の頭部保護具。
【請求項14】
支持部材が、前記クランプジョイント内に配置され、前記支持部材は、前記クランプジョイントが前記調節バックルから離間することを回避するために一定の硬度と弾性を有する、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の頭部保護具。
【請求項15】
前記頭部保護具は、さらに、規制部材を含み、前記規制部材は、前記位置決め部材の下で前記保護片に縫合接続され、前記ショルダーストラップが通過するための規制空間を有する、
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の頭部保護具。
【請求項16】
シート本体と、背もたれと、2つのショルダーストラップとを含む幼児運搬具であって、
前記背もたれは、前記シート本体に接続され、前記2つのショルダーストラップは、前記シート本体と前記背もたれの間に接続され、前記2つのショルダーストラップは、それぞれ前記シート本体に着脱自在に接続され、前記2つのショルダーストラップの各々は、前記ショルダーストラップの長さを調節するために使用される調節バックルを巻回し、前記幼児運搬具は、さらに、前記ショルダーストラップと前記調節バックルの外側にスリーブされている請求項1から15のいずれか1項に記載の頭部保護具を含む、
ことを特徴とする幼児運搬具。
【国際調査報告】