(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-09
(54)【発明の名称】増強された分析物モニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1473 20060101AFI20241002BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20241002BHJP
A61B 5/1486 20060101ALI20241002BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20241002BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20241002BHJP
A61B 5/332 20210101ALI20241002BHJP
A61B 5/1455 20060101ALN20241002BHJP
【FI】
A61B5/1473
A61B5/00 102A
A61B5/1486
A61B5/0245 100D
A61B5/33 200
A61B5/332
A61B5/1455
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568558
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 US2022042029
(87)【国際公開番号】W WO2023034295
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・アイザック・エプスタイン
(72)【発明者】
【氏名】デヴォン・ヘデン
(72)【発明者】
【氏名】アヴィド・ナジダマディ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ジェイ・ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ヴィンセント・アポロ
(72)【発明者】
【氏名】ベルタ・エステバン・フェルナンデス・デ・アヴィラ
(72)【発明者】
【氏名】ダウド・アブド・アル-マリック・ゾス
(72)【発明者】
【氏名】ウェンジエ・ラン
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA09
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4C017AA12
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(57)【要約】
増強された分析物モニタリングシステムが説明される。増強された分析物モニタリングシステムは、送信機及びユーザの分析物データを取得するための分析物センサを含むウェアラブル分析物モニタリングデバイスと、ユーザの分析物データを増強するための追加の生理学的データを取得する1つ以上のセンサ(例えば、物理的及び/又は生化学的センサ)を含む分析物増強ウェアラブルとを含む。分析物増強ウェアラブルは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスに通信可能に結合されている。増強された分析物モニタリングシステムは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス又は分析物増強ウェアラブルのうちの少なくとも1つから分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを取得し、追加の生理学的データに関連付けて分析物データを記憶することによって分析物データを増強するようにコンピューティングデバイスに実装されたセンサハブを更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
送信機と、ユーザの分析物データを取得するための分析物センサとを含むウェアラブル分析物モニタリングデバイスと、
前記ユーザの前記分析物データを増強するために追加の生理学的データを取得する1つ以上のセンサを含む分析物増強ウェアラブルであって、有線又は無線接続を介して前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスに通信可能に結合されている、分析物増強ウェアラブルと、
前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイス又は前記分析物増強ウェアラブルのうちの少なくとも1つから前記分析物データ及び前記追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを取得し、前記追加の生理学的データに関連付けて前記分析物データを記憶することによって前記分析物データを増強するようにコンピューティングデバイスに実装されたセンサハブと、を含む、システム。
【請求項2】
前記追加の生理学的データが、前記ユーザの追加の分析物又は前記ユーザの1つ以上の生理学的信号のうちの少なくとも1つを記述する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記分析物増強ウェアラブルが、前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの第2のフォームファクタと相補的な第1のフォームファクタを有する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記分析物増強ウェアラブルは、前記分析物増強ウェアラブル及び前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが前記ユーザによって装着されたときに前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの少なくとも一部に物理的に接触する1つ以上の構成要素を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記分析物増強ウェアラブルが、前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスと前記ユーザの皮膚との間に少なくとも部分的に配設されるように構成されているアンダーレイパッチを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記分析物増強ウェアラブルがオーバーレイパッチを含み、前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが、前記分析物増強ウェアラブルと前記ユーザの皮膚との間に少なくとも部分的に配設されるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが、前記送信機を使用して前記分析物データを前記分析物増強ウェアラブルに送信するように更に構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記分析物増強ウェアラブルが、
前記有線又は無線接続を介して前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスから前記分析物データを取得し、
前記分析物データ及び前記追加の生理学的データの両方を含む前記データパケットを形成し、
前記分析物データ及び前記追加の生理学的データの両方を含む前記データパケットを前記センサハブに送信するように、更に構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
コンピュータ実装方法であって、
ユーザの分析物データを前記ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサによって取得することと、
分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサによって前記ユーザの前記分析物データを増強するための追加の生理学的データを取得することであって、前記分析物増強ウェアラブルは、有線又は無線接続を介して前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスに通信可能に結合されている、ことと、
コンピューティングデバイスにおいて実装されたセンサハブによって、前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイス又は前記分析物増強ウェアラブルのうちの少なくとも1つから、前記分析物データ及び前記追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを取得することと、
前記分析物データを前記追加の生理学的データに関連付けて記憶することによって前記分析物データを増強することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記分析物増強ウェアラブルが、前記ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの第2のフォームファクタと相補的な第1のフォームファクタを有する、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年9月1日に出願された「Augmented Analyte Monitoring System」と題した米国特許仮出願第63/239,811号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、数億人の人々に影響を及ぼす代謝状態である。これらの人々にとって、血中グルコースレベルをモニタリングし、それらのレベルを許容可能な範囲内に調節することは、心疾患及び視力喪失などの長期的な問題を緩和するためだけでなく、高グルコース及び低グルコースの影響を回避するためにも重要である。血中グルコースレベルは、時間の経過とともに、かつ食事、運動、睡眠、及びストレスなどの日常的な出来事に応じてほぼ常に変化するため、そのレベルを許容可能な範囲内に維持することは困難であり得る。医療技術の進歩は、実質的にリアルタイムでグルコース濃度を測定及び記録する持続グルコース監視(continuous glucose monitoring、CGM)システムを含む、血糖をモニタリングするための様々なシステムの開発を可能にした。CGMシステムは、ユーザが自身の測定されたグルコース値を許容範囲内に維持するのを助ける重要なツールである。
【0003】
持続グルコース監視システムなどの分析物モニタリングシステムは、ウェアラブルデバイスとして構成することができ、ユーザの皮膚に挿入されて分析物、例えば、グルコースをモニタリングすることができるセンサを含む。そのような分析物モニタリングシステムはまた、分析物を記述するデータがユーザデバイスに、例えば、ユーザインターフェースを介して、送信され、ユーザに出力されることができるように、ユーザデバイス(例えば、ユーザのスマートフォン)に通信可能に結合させることもできる。一部のユーザ及び医療提供者は、分析物モニタリングシステムによって収集された分析物データを増強するために、例えば、分析物データに追加のコンテキストを提供する、分析物データに関する様々な洞察の生成を可能にする、分析物データから識別される事象の候補が実際に発生したかどうかなどを確認するなどのために、他のセンサデータを収集したいと思う。しかしながら、従来の分析物モニタリングシステムは、一般に、単一の分析物並びに/又は限られた分析物及び生理学的信号をモニタリングすることに限定されており、したがって、異なる分析物及び/又は信号を記述する多様なデータで分析物データを増強することができない。更に、追加の分析物及び/又は信号についてのデータを感知するために分析物モニタリングデバイスに追加のセンサを付加することは、デバイスの複雑さ及びサイズを増加させ得ると同時に、追加のリソース(例えば、処理リソース及び/又はバッテリリソース)がデバイスに追加されることも必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらの問題を克服するために、増強された分析物モニタリングシステムが活用される。増強された分析物モニタリングシステムは、送信機と、ユーザの分析物データを取得するための分析物センサとを含むウェアラブル分析物モニタリングデバイスを含む。増強された分析物モニタリングシステムはまた、ユーザの分析物データを増強するための追加の生理学的データを取得するための1つ以上のセンサを含む分析物増強ウェアラブルを含む。分析物増強ウェアラブルは、通信結合を介してウェアラブル分析物モニタリングデバイスに通信可能に結合されている。増強された分析物モニタリングシステムは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス又は分析物増強ウェアラブルのうちの少なくとも1つから分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを取得し、追加の生理学的データに関連付けて分析物データを記憶することによって分析物データを増強するようにコンピューティングデバイスに実装されたセンサハブを更に含む。
【0005】
この発明の概要は、以下の発明を実施するための形態で更に記載される概念の選択を簡略化された形態で紹介している。したがって、この発明の概要は、特許請求される主題の本質的な特徴を識別することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本明細書に説明される技術を使用するために動作可能である例示的な実装態様における環境の解説図である。
【
図2】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの一例をより詳細に示す。
【
図3】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスからの分析物データを分析物増強ウェアラブルからの追加の生理学的データで増強する実装態様の一例を示す。
【
図4】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスからの分析物データを分析物増強ウェアラブルからの追加の生理学的データで増強する第1の異なる実装態様の一例を示す。
【
図5】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスからの分析物データを分析物増強ウェアラブルからの追加の生理学的データで増強する第2の異なる実装態様の一例を示す。
【
図6】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスを増強するようにアンダーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルの実装態様の一例を示す。
【
図7】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスを増強するようにオーバーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルの実装態様の一例を示す。
【
図8】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスを増強するように、サテライト延長部を有するオーバーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルの実装態様の一例を示す。
【
図9】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスから得られた分析物データ及び分析物増強ウェアラブルから得られた追加の生理学的データの両方を表示するコンピューティングデバイスのユーザインターフェースの実装態様の一例を示す。
【
図10】ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを生成し、データパケットをセンサハブに通信する、例示的な実装態様における手順を示す。
【
図11】分析物増強ウェアラブルが、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを生成し、データパケットをセンサハブに通信する、例示的な実装態様における手順を示す。
【
図12】光センシング技法のために構成された分析物増強ウェアラブルを含む増強された分析物モニタリングシステムの一例を示す。
【
図13】光センシング技法のためにアンダーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルを含む増強された分析物モニタリングシステムの一例を示す。
【
図14】光センシング技法のためにオーバーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルを含む増強された分析物モニタリングシステムの一例を示す。
【
図15】本明細書に説明される技術の実施形態を実装するための、
図1~
図14を参照して説明及び/又は利用されるあらゆるタイプのコンピューティングデバイスとして実装することができる、例示的なデバイスの様々な構成要素を含むシステムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
概要
増強された分析物モニタリングシステムが説明される。説明される技法によれば、増強された分析物モニタリングシステムは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスと、分析物増強ウェアラブルとを含む。ウェアラブル分析物モニタリングデバイスは、人の分析物、例えば、人のグルコースの測定値を提供するように構成されている。例えば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスは、人の中の分析物のレベルを示す1つ以上の信号を検出し、分析物測定値の生成を可能にするセンサを用いて構成され得る。これらの分析物測定値は、分析物データとしてコンピューティングデバイスへの通信に対応し得るか、又はその通信のために別様にパッケージ化され得る。1つ以上の実装態様では、例えば、分析物モニタリングデバイスは、人のグルコースを示すグルコース測定値を生成し、それらの測定値をグルコースデータとしてパッケージ化するためのウェアラブルグルコースモニタリングデバイスであり得る。
【0008】
分析物増強ウェアラブルは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスによってモニタリングされる分析物とは異なる、人の1つ以上の追加の分析物及び/又は生理学的信号を記述する情報を提供するように構成されている。そのような情報の例には、いくつか例を挙げると、例えば、1つ以上の異なる分析物の測定値、様々な検出された信号の測定値(例えば、心電図(ECG)、筋電図(EMG)、又は脳波図(EEG)などの生体電位測定値、分析物増強ウェアラブルが装着されている場所で人が経験する加速度、及び血液量の変化を検出するフォトプレチスモグラム(PPG)などの光信号)、様々な生理学的状態の測定値(例えば、発汗、体温、心拍数、酸素飽和度(SpO2))、又は検出された事象の兆候(例えば、閾値を超えるか又は下回ること、特定の化合物の存在又は不在を検出すること)が含まれる。分析物増強ウェアラブルは、分析物モニタリングシステムによって生成される分析物測定値を増強する、人についての情報を提供するように、1つ以上のセンサを用いて構成され得る。例えば、分析物増強ウェアラブルは、追加情報を提供するために、単一又は複数分析物感知アーキテクチャを用いて構成され得る。それらの分析物測定値を増強し、分析物増強ウェアラブルによって生成される、この追加情報は、追加の生理学的データとしてコンピューティングデバイスへの通信に対応し得るか、又はその通信のために別様にパッケージ化され得る。
【0009】
特に、分析物増強ウェアラブルは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスとは別個であり、かつウェアラブル分析物モニタリングデバイスの機能を増強又は拡張するように特に構成されている、専用デバイスである。更に、1つ以上の実装態様では、分析物増強ウェアラブルは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスのフォームファクタと相補的なフォームファクタを有する。例として、分析物増強ウェアラブルは、例えば、追加の生理学的データを生成するために、1つ以上のセンサを有するアンダーレイパッチとして構成され得る。アンダーレイパッチとしての構成では、分析物増強ウェアラブルは、展開されたときにウェアラブル分析物モニタリングデバイスと人の皮膚との間に少なくとも部分的に配設されるように構成され得る。この構成の一例では、分析物増強ウェアラブルは、人の皮膚に適用され得、次いで、ウェアラブル増強モニタリングデバイスが、既に適用されている分析物増強ウェアラブルの「上」に適用され得る。
【0010】
あるいは、分析物増強ウェアラブルは、例えば、追加の生理学的データを生成するために、1つ以上のセンサを有するオーバーレイパッチとして構成され得る。オーバーレイパッチとしての構成では、分析物増強ウェアラブルは、展開されると、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが分析物増強ウェアラブルと人の皮膚との間に少なくとも部分的に配置されるように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスを少なくとも部分的に覆って配設されるように構成され得る。この構成の一例では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが人の皮膚に適用され得、次いで、分析物増強ウェアラブルは、既に適用されているウェアラブル分析物モニタリングデバイスの「上」に適用され得る。
【0011】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイスに対して分析物増強ウェアラブルが配設される方法にかかわらず、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス及び分析物増強ウェアラブルは、互いに通信可能に結合され得る。ウェアラブル分析物モニタリングデバイスと分析物増強ウェアラブルとの間の結合は、「有線」又は「無線」結合として構成され得る。1つ以上の実装態様では、この結合は、分析物増強ウェアラブルが追加の生理学的データをウェアラブル分析物モニタリングデバイスに通信することを可能にする。このシナリオでは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスは、分析物増強ウェアラブルによって提供される追加の生理学的データと、分析物モニタリングデバイスのセンサを使用して生成される分析物データとの両方を含むデータパケットを生成するように構成されている。次いで、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの送信機が、追加の生理学的データ及び分析物データの両方を含むデータパケットを、コンピューティングデバイスにおいて実装されるセンサハブに通信する。分析物データ及び追加の生理学的データの両方を単一のデータパケットで通信することは、分析物増強ウェアラブルがセンサハブにデータを通信することができる送信機を有する必要性を低減すると同時に、センサハブが分析物データ及び追加の生理学的データを取得するために必要とされるデータ送信の数も低減する。
【0012】
あるいは、通信結合は、分析物モニタリングデバイスが分析物データを分析物増強ウェアラブルに通信することを可能にし得る。このシナリオでは、分析物増強ウェアラブルは、分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサを使用して生成される追加の生理学的データと、分析物モニタリングデバイスによって提供される分析物データとの両方を含むデータパケットを生成することができる。次いで、分析物増強ウェアラブルの送信機が、追加の生理学的データ及び分析物データの両方を含むデータパケットを、コンピューティングデバイスにおいて実装されるセンサハブに通信する。
【0013】
センサハブは、例えば、分析物モニタリングデバイスを介して、又は他の実装態様では増強された分析物ウェアラブルを介して、増強された分析物モニタリングシステムからデータパケットを受信するように構成され得る。センサハブは、増強された分析物パケットを解析し、分析物データを追加の生理学的データに関連付けて記憶デバイスに記憶することによって、分析物データを増強する。換言すれば、センサハブは、例えば、抽出されたデータにタイムスタンプを関連付けること、データの一部に対して計算を実行すること(例えば、データの一部に対して統計を計算し、計算された統計をデータとともに記憶すること)、欠落データを補間すること、誤ったデータを識別することなどによって、増強された分析物パケットを記憶用に修正し、かつ/又は増強された分析物パケットから分析物データ及び追加の生理学的データを抽出し、抽出されたデータを関連データとともに記憶し得る。次いで、この増強された分析物データは、例えば、ユーザインターフェースに分析物データとともに追加の生理学的データを表示すること、分析物データ及び追加の生理学的データの両方に基づいてユーザの健康に関する1つ以上の洞察を生成及び出力すること、分析物データから識別された事象の候補が実際に発生したかどうかを確認すること、分析物データも収集され得る1つ以上の状態(例えば、糖尿病、心臓疾患など)に関連する洞察を生成及び出力すること、それらの状態について分析物データから導出された洞察と相補的な1つ以上の状態に関連する洞察を生成及び出力することなどによって、ユーザに提供される1つ以上のサービスに関連して使用され得る。
【0014】
したがって、従来の分析物モニタリングシステムとは異なり、説明される増強された分析物モニタリングシステムは、分析物データを追加の生理学的データで増強して、分析物データが追加の生理学的データで増強されないときよりもロバストな(例えば、正確な又は実用的な)情報及び/又はコンテンツを生成することができる。分析物データ及び追加の生理学的データは、従来の技法よりもロバストな情報及び/又はコンテンツの生成を可能にするだけでなく、例えば、分析物データ及び追加の生理学的データの生成及び通信を組合せる増強された分析物モニタリングシステムのアーキテクチャに起因して、従来の技法とは異なる測定値の生成も可能にする。特に、これらの異なる測定値は、追加の生理学的信号の検出と、対応する測定値の生成とを組合せる増強された分析物モニタリングシステムのアーキテクチャを使用して生成されるような、分析物及び追加の生理学的信号の共分散に基づいて生成され得る。増強された分析物データを使用して生成され得、また増強された分析物データを使用することに起因してより正確及び/又は実用的であり得る情報の例には、いくつか例を挙げると、例えば、報告書、受信された推定値をプロットするユーザインターフェース、事象の通知(又は事象の通知の低減)、及び予測された事象の通知(又は予測された事象に関する通知の低減)が含まれる。分析物及び追加の生理学的信号の共分散を使用して生成され得る異なる測定の一例は、敗血症(感染に対する身体の応答がそれ自体の組織を損傷するときに生じる潜在的に生命を脅かす状態)の早期検出であり、これは乳酸データのみからでは決定不可能である。代わりに、敗血症は、増強された分析物モニタリングシステムを使用して、心拍数変動(HRV)、血圧、及び体温との乳酸の共分散を決定することによって、より早く検出され得る。敗血症検出のためのメトリック(例えば、敗血症悪化リスクメトリック)を決定するために使用され得る追加の生理学的データは、例えば、加速度計を使用して検出される動き(例えば、加速度)を含み得る。
【0015】
更に、分析物増強ウェアラブルは、単に収集されるデータのタイプによる以外の様々な異なる方法で分析物モニタリングデバイスを増強することができる。例えば、1つ以上の実装態様では、分析物増強ウェアラブルは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスと様々な構成要素又はリソースを共有するように構成され得る。例として、分析物増強ウェアラブルは、分析物モニタリングデバイスとバッテリ電力を共有し、それによって、分析物モニタリングデバイスの動作寿命を延ばし得る。代替的に又は追加的に、分析物増強ウェアラブルは、分析物モニタリングデバイスのバッテリ又は送信アーキテクチャの少なくとも一部を使用することなどによって、分析物モニタリングデバイスのリソースを活用し得る。
【0016】
場合によっては、分析物増強ウェアラブルは、様々な異なるモデルで構成され得、その各々は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスとは異なる分析物及び/又は生理学的信号を感知するための異なるセンサ又はアーキテクチャを含み得る。これは、ユーザ及び医療提供者が、ユーザの健康状態に基づいてユーザに対して適切な分析物増強ウェアラブルを選択することを可能にする。換言すれば、異なる分析物増強ウェアラブルがウェアラブル分析物モニタリングデバイスと組合されて、多数の組合せの分析物データと追加の生理学的データを生成するためのシステムを形成することができる。特に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスに複数の異なるセンサを単に追加することは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの工学的複雑さを大幅に増加させること、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって必要とされる処理及びバッテリリソースを増加させることなどをもたらし得る。
【0017】
したがって、分析物増強ウェアラブル(場合によっては、追加の生理学的データを生成するために異なるタイプのセンサ及び/又はアーキテクチャを用いて異なる方法で構成することができる)を利用することは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス自体の全体的な修正を必要とせずに、分析物データが増強されることを可能にする。分析物モニタリングデバイスを1つ以上の分析物増強ウェアラブルと組合せることによって、例えば、組合されたアーキテクチャは、心拍数及び酸素飽和度(SpO2)とともに人の尿酸及び動き(例えば、加速度)を記述するデータを生成するために使用され得る。例えば、分析物モニタリングデバイスは、人の尿酸の測定値を提供するために1つ以上のセンサで構成され得、分析物増強ウェアラブルは、分析物モニタリングデバイスとは異なる1つ以上のセンサで構成され得る。例として、分析物増強ウェアラブルは、人の動きを記述するデータを生成するために加速度計で構成され得、更に、人の心拍数及びSpO2を導出することができるPPGデータを生成するために1つ以上のセンサで構成され得る。
【0018】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、送信機及びユーザの分析物データを取得するための分析物センサを含むウェアラブル分析物モニタリングデバイスと、ユーザの分析物データを増強するために追加の生理学的データを取得する1つ以上のセンサを含む分析物増強ウェアラブルと、有線又は無線接続を介してウェアラブル分析物モニタリングデバイスに通信可能に結合されている分析物増強ウェアラブルと、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス又は分析物増強ウェアラブルのうちの少なくとも1つから分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを取得し、追加の生理学的データに関連付けて分析物データを記憶することによって分析物データを増強するようにコンピューティングデバイスに実装されたセンサハブと、を含むシステムに関する。
【0019】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、追加の生理学的データが、ユーザの追加の分析物又はユーザの1つ以上の生理学的信号のうちの少なくとも1つを記述する、システムに関する。
【0020】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、分析物増強ウェアラブルが、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの第2のフォームファクタと相補的な第1のフォームファクタを有する、システムに関する。
【0021】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサがアクセスを通ってユーザの皮膚内に入ることを可能にするアクセス、分析物増強ウェアラブルがウェアラブル分析物モニタリングデバイスの周囲のユーザの皮膚に適用されることができるように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの周囲に適合するアクセス、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが分析物増強ウェアラブルの空洞内に嵌合し、かつユーザの皮膚に適用されると覆われるように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスに対して相補的な形状を有する空洞、又はウェアラブル分析物モニタリングデバイスの一部が分析物増強ウェアラブルの部分的空洞内に嵌合するように、かつ適用されるとウェアラブル分析物モニタリングデバイスの一部が覆われるが、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの別の部分が露出されるように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスに対して相補的な形状を有する部分的空洞、のうちの少なくとも1つを分析物増強ウェアラブルが含む、システムに関する。
【0022】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、分析物増強ウェアラブル及びウェアラブル分析物モニタリングデバイスがユーザによって装着されたとき、分析物増強ウェアラブルが、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの少なくとも一部に物理的に接触する1つ以上の構成要素を含む、システムに関する。
【0023】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、分析物増強ウェアラブルが、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスとユーザの皮膚との間に少なくとも部分的に配設されるように構成されているアンダーレイパッチを含む、システムに関する。
【0024】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、分析物増強ウェアラブルがオーバーレイパッチを含み、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが、分析物増強ウェアラブルとユーザの皮膚との間に少なくとも部分的に配設されるように構成されている、システムに関する。
【0025】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、分析物増強ウェアラブルが、サテライト延長部を有するオーバーレイパッチを含み、サテライト延長部が、分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサをウェアラブル分析物モニタリングデバイスから少なくとも閾値距離離れて位置付けるように構成されている、システムに関する。
【0026】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが、有線又は無線接続を介して分析物増強ウェアラブルから追加の生理学的データを取得し、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを形成し、送信機を使用して分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットをセンサハブに送信するように更に構成されている、システムに関する。
【0027】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、分析物増強ウェアラブルが、追加の生理学的データを圧縮し、圧縮された追加の生理学的データをウェアラブル分析物モニタリングデバイスに送信するように更に構成されている、システムに関する。
【0028】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが、送信機を使用して分析物データを分析物増強ウェアラブルに送信するように更に構成されている、システムに関する。
【0029】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、分析物増強ウェアラブルが、有線又は無線接続を介してウェアラブル分析物モニタリングデバイスから分析物データを取得し、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを形成し、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットをセンサハブに送信するように更に構成されている、システムに関する。
【0030】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが、分析物データを圧縮し、圧縮された分析物データを分析物増強ウェアラブルに送信するように更に構成されている、システムに関する。
【0031】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサによってユーザの分析物データを取得することと、分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサによってユーザの分析物データを増強するための追加の生理学的データを取得することであって、分析物増強ウェアラブルは、有線又は無線接続を介してウェアラブル分析物モニタリングデバイスに通信可能に結合されている、ことと、コンピューティングデバイスに実装されたセンサハブによって、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス又は分析物増強ウェアラブルのうちの少なくとも1つから分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを取得することと、追加の生理学的データに関連付けて分析物データを記憶することによって分析物データを増強することと、を含む、コンピュータ実装方法に関する。
【0032】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、分析物増強ウェアラブルが、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの第2のフォームファクタと相補的な第1のフォームファクタを有する、コンピュータ実装方法に関する。
【0033】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって、有線又は無線接続を介して分析物増強ウェアラブルから追加の生理学的データを取得することと、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを形成することと、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの送信機を使用して分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットをセンサハブに送信することと、を更に含む、コンピュータ実装方法に関する。
【0034】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、分析物増強ウェアラブルによって、有線又は無線接続を介してウェアラブル分析物モニタリングデバイスから分析物データを取得することと、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを形成することと、分析物増強ウェアラブルの送信機を使用して分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットをセンサハブに送信することと、を更に含む、コンピュータ実装方法に関する。
【0035】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスによって実装される方法に関し、本方法は、ユーザに関連付けられたコンピューティングデバイスに実装されたセンサハブとの第1の有線又は無線接続を確立し、ユーザによって装着された分析物増強ウェアラブルとの第2の有線又は無線接続を確立することと、ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサを介してユーザの分析物データを収集することと、ユーザによって装着された分析物増強ウェアラブルから第2の有線又は無線接続を介して追加の生理学的データを取得することと、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサによって収集された分析物データを分析物増強ウェアラブルから取得された追加の生理学的データとともにパッケージ化して、増強された分析物パケットを形成することと、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサによって収集された分析物データ及び分析物増強ウェアラブルから取得された追加の生理学的データの両方を含む増強された分析物パケットを第1の有線又は無線接続を介してセンサハブに通信することと、を含む。
【0036】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、通信することが、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含む増強された分析物パケットを所定の間隔でセンサハブに通信することを更に含む、方法に関する。
【0037】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ユーザによって装着された分析物増強ウェアラブルによって実装される方法に関し、本方法は、ユーザに関連付けられたコンピューティングデバイスに実装されたセンサハブとの第1の有線又は無線接続を確立し、ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスとの第2の有線又は無線接続を確立することと、ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスから第2の有線又は無線接続を介して分析物データを取得することと、ユーザによって装着された分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサを介してユーザの追加の生理学的データを収集することと、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスから取得された分析物データをユーザによって装着された分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサによって収集された追加の生理学的データとともにパッケージ化して、増強された分析物パケットを形成することと、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスから取得された分析物データ及び分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサによって収集された追加の生理学的データの両方を含む増強された分析物パケットを第1の有線又は無線接続を介してセンサハブに通信することと、を含む。
【0038】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、通信することが、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含む増強された分析物パケットを所定の間隔でセンサハブに通信することを更に含む、方法に関する。
【0039】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ユーザの生理学的データを収集するための1つ以上のセンサと、ユーザの皮膚に直接接触するように構成されたアンダーレイパッチであって、アクセス部分を含む、アンダーレイパッチと、を含み、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが、アンダーレイパッチの上に配設されるように構成されており、アンダーレイパッチのアクセス部分は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサが、アンダーレイパッチのアクセス部分を通って延在し、ユーザの皮膚内に皮下挿入されて、ユーザの分析物データを収集することを可能にする、装置に関する。
【0040】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、1つ以上のセンサが、電極又はフォトニクスのうちの少なくとも1つを含む、装置に関する。
【0041】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、装置が、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスとの有線又は無線接続を介してユーザの生理学的データをウェアラブル分析物モニタリングデバイスに通信するように構成されている、装置に関する。
【0042】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ユーザの生理学的データを収集するための1つ以上のセンサと、ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスの上に適用されるように構成されたオーバーレイパッチと、を含む、装置に関し、オーバーレイパッチは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス及びユーザの皮膚にオーバーレイパッチを接着するための接着剤を含み、オーバーレイパッチは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスのフォームファクタと相補的な幾何学的形状を有する。
【0043】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、オーバーレイパッチが、1つ以上のセンサをウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサの閾値距離内に展開させる、装置に関する。
【0044】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、ユーザの生理学的データを収集するための1つ以上のセンサと、ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスの上に適用されるように構成されたオーバーレイパッチであって、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサから少なくとも閾値距離離れて1つ以上のセンサを位置付けるためのサテライト延長部を含む、オーバーレイパッチと、を含む、装置に関する。
【0045】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、オーバーレイパッチが、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス及びユーザの皮膚にオーバーレイパッチを接着するための接着剤を更に含む、装置に関する。
【0046】
以下の説明では、最初に、本明細書に説明される技法を使用することができる例示的な環境が説明される。次いで、例示的な環境、並びに他の環境において実行され得る実装態様の詳細及び手順の例が説明される。例示的な手順の実行は、その例示的な環境に限定されるものではなく、また、その例示的な環境は、その典型的な手順の実行に限定されるものではない。
【0047】
環境の例
図1は、本明細書に記載の技法を用いるように動作可能な例示的な実装形態における環境100の図である。この例示された環境100は、増強された分析物モニタリングシステム104を装着して描かれている人102を含む。例示された環境100はまた、コンピューティングデバイス106及びヘルスモニタリングプラットフォーム108も含む。増強された分析物モニタリングシステム104、コンピューティングデバイス106、及びヘルスモニタリングプラットフォーム108は、ネットワーク110を介することを含めて、通信可能に結合されている。
【0048】
増強された分析物モニタリングシステム104及びコンピューティングデバイス106は、1つ以上の無線通信プロトコル又は技法を使用するなど、様々な方法で通信可能に結合され得る。例として、増強された分析物モニタリングシステム104及びコンピューティングデバイス106は、無線、セルラー、Wi-Fi、Bluetooth(例えば、Bluetooth Low Energyリンク)、近距離無線通信(NFC)、5Gなどのうちの1つ以上を使用して互いに通信し得る。
【0049】
説明される技法によれば、増強された分析物モニタリングシステム104は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と、分析物増強ウェアラブル114とを含む。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、人102の分析物、例えば、人102のグルコースの測定値を提供するように構成されている。例えば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、人102の中の分析物を示す1つ以上の信号を検出し、分析物測定値の生成を可能にする分析物センサを用いて構成され得る。これらの分析物測定値は、分析物データ116としてコンピューティングデバイス106への通信に対応し得るか、又はその通信のために別様にパッケージ化され得る。
【0050】
1つ以上の実装態様では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、持続グルコース監視(「CGM」)システムである。本明細書で使用される場合、分析物モニタリングに関連して使用される「持続」という用語は、実質的に持続して測定値を生成するデバイスの能力を指し得、したがって、デバイスは、異なるデバイスとの通信結合を確立すること(例えば、コンピューティングデバイス106が、測定値のうちの1つ以上を取り出すために、増強された分析物モニタリングシステム104との無線接続を確立するとき)などに応じて、規則的又は不規則な時間間隔(例えば、約1時間ごと、約30分ごと、約5分ごとなど)で分析物測定値を生成するように構成され得る。この機能は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の構成の更なる態様とともに、
図2に関連してより詳細に説明される。
【0051】
分析物増強ウェアラブル114は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が展開される分析物とは異なる、人102に関する情報を提供するように構成されており、いくつか例を挙げると、異なる分析物の測定値、様々な検出された信号の測定値(例えば、ECG、EMG、及び/又はEEGなどの人102の生体電位測定値、分析物増強ウェアラブル114が装着される場所で人102によって経験される加速度)、様々な生理学的状態(例えば、発汗)の測定値、又は検出された事象の兆候(例えば、閾値を上回る又は下回ること、特定の化合物の存在又は不在を検出すること)などの情報を提供する。例えば、分析物増強ウェアラブル114は、人102の汗中の1つ以上の生化学分析物を(例えば、接着パッチを介して)感知し、発汗測定値を生成するアーキテクチャを用いて構成され得る。発汗に関連する分析物の例としては、尿素、尿酸、イオン性カリウム、イオン性ナトリウム、イオン性塩化物などが挙げられる。あるいは、分析物増強ウェアラブル114は、人102の皮膚に接触し、例えば、人102の心臓が拍動することに起因する、皮膚上の又は経皮的な生体電位変化を検出するように構成された電極を用いて構成され得る。分析物増強ウェアラブル114は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、人102に関する追加の生理学的データを提供するように様々なセンサ(いくつか例を挙げると、温度センサ、加速度計、超音波センサ、ひずみセンサ、及び追加の分析物のセンサなど)を用いて構成され得る。
【0052】
加えて、分析物増強ウェアラブル114は、光ベースの現象を生成及び検出し、様々な光子測定値を生成するように、1つ以上のセンサ及び/又はアーキテクチャを用いて構成され得る。1つ以上の実装態様では、光子事象を生成及び/又は検出するためのアーキテクチャを有する分析物増強ウェアラブル114の構成は、ウェアラブルが、様々な測定値を含む追加の生理学的データ118(いくつか例を挙げると、人102の心拍数、人102の心拍変動、人102の酸素分圧(pO2)、人102の筋肉中の酸素飽和度(smO2)、人102の酸素飽和度(SpO2)、人102の血圧、及び/又は人102の呼吸数のうちの1つ以上など)を生成することを可能にすることができる。
【0053】
代替的に又は追加的に、分析物増強ウェアラブル114は、人102の心電図(EKG)、人102の筋電図(EMG)、又は人102の脳波図(EEG)のうちの1つ以上に対応する追加の生理学的データ118を生成する生体電位電極を含むことができる。分析物増強ウェアラブル114が自身を生体電位モニタリングデバイスとして構成するアーキテクチャを有する、1つ以上の実装態様では、分析物増強ウェアラブル114によって検出される信号は、別個のウェアラブル生体電位モニタリングデバイス(例えば、スマートウォッチ上のEKG)と組合せて使用されると、「リード線」(すなわち、人102の身体上の異なる場所にあるより多くのセンサ)を追加して、複数のデバイスを使用して検出された信号を組合せるEKGの忠実度を増加させることができる。
【0054】
説明されるシステムはまた、生体電位電極を使用すると、脈波伝播時間を使用して血圧の変化を記述する追加の生理学的データ118を生成し、発作を検出することができる。説明されるシステムは、加速度計を使用して、いくつか例を挙げると、活動(すなわち、「活動追跡」のため)、障害(すなわち、障害検出のため)、歩行障害、及び中枢性振戦を記述する追加の生理学的データ118を生成することができる。説明されるシステムは、温度センサを使用して、温度補償、発熱、排卵、障害検出、温度パターン評価などを記述する追加の生理学的データ118を生成することができる。説明されるシステムは、超音波センサを使用して、人102の血圧を記述する追加の生理学的データを生成することができる。説明されるシステムは、ひずみセンサを使用して、例えば、歩行障害、中枢性振戦、及び認識された人間活動を記述する追加の生理学的データ118を生成することができる。そのようなセンサによって提供される情報は、追加の生理学的データ118としてコンピューティングデバイス106への通信に対応し得るか、又はその通信のために別様にパッケージ化され得る。
【0055】
様々な利用可能な分析物増強ウェアラブルのうちの1つ以上を選択することによって、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112とともに展開するために、増強された分析物モニタリングシステム104は、例えば、どの分析物増強ウェアラブルがウェアラブル分析物モニタリングデバイス112とともに展開されるかの「ミックスアンドマッチ」によって、容易にカスタマイズすることができる。このように、分析物増強ウェアラブル114及びウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の異なる組合せを使用して、分析物データ116を多数の方法で増強することができる。更に、どの分析物増強ウェアラブルがウェアラブル分析物モニタリングデバイス112とともに展開されるかのミックスアンドマッチによって、増強された分析物モニタリングシステム104は、例えば、異なる患者の集団及び/又は異なるタイプの健康状態に対して、カスタマイズすることができる。これは、カスタマイズされたシステムが、異なる集団及び/又は健康状態に対して対象の分析物及び他の生理学的信号を標的化することを可能にする。
【0056】
1つ以上の実装態様では、増強された分析物モニタリングシステム104は、分析物データ116及び追加の生理学的データ118を増強された分析物パケット120として、コンピューティングデバイス106のセンサハブ122によって処理するための無線接続などを介して、コンピューティングデバイス106に送信する。増強された分析物モニタリングシステム104は、データを、例えば、それが分析物センサ又は他のアーキテクチャを使用して生成されると、リアルタイムで通信し得る。代替的に又は加えて、増強された分析物モニタリングシステム104は、所定の時間間隔でデータをコンピューティングデバイス106に通信し得る。例えば、増強された分析物モニタリングシステム104は、増強された分析物パケット120を(それらが生成されているときに)約5分毎にコンピューティングデバイス106に通信するように構成され得る。
【0057】
確実に、分析物データ116及び追加の生理学的データ118が通信される間隔は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、上記の例と異なり得る。データは、センサハブ122からの要求に基づくなど、説明される技法による他の基礎に従って、増強された分析物モニタリングシステム104によってコンピューティングデバイス106に通信され得る。いずれにしても、コンピューティングデバイス106は、分析物データ116及び追加の生理学的データ118を少なくとも一時的に、例えば、コンピューティングデバイス106の記憶デバイス124内に維持し得る。分析物データ116及び追加の生理学的データ118はまた、いくつか例を挙げると、通信されるそれぞれの増強された分析物パケット120の対応するタイムスタンプ及び/又は識別子など、他の関連データとともに、記憶デバイス124内に維持され得る。
【0058】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114は、増強された分析物モニタリングシステム104を形成するために、様々な方法で構成及び組合され得る。例として、分析物増強ウェアラブル114は、例えば、追加の生理学的データ118を生成するために、1つ以上のセンサを有するアンダーレイパッチとして構成され得る。アンダーレイパッチとしての構成では、分析物増強ウェアラブル114は、展開されたときにウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と人102の皮膚との間に少なくとも部分的に配設されるように構成され得る。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と人102の皮膚との間の、アンダーレイパッチとしての分析物増強ウェアラブル114のこの位置は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の「下方」と称され得る。この構成の一例では、分析物増強ウェアラブル114は、人102の皮膚に適用され得、次いで、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が、既に適用されている分析物増強ウェアラブル114の「上」に適用され得る。アンダーレイパッチとしての分析物増強ウェアラブル114の一例は、
図6に関連してより詳細に説明される。
【0059】
1つ以上の実装態様では、分析物増強ウェアラブル114は、例えば、追加の生理学的データ118を生成するために、1つ以上のセンサを有するオーバーレイパッチとして構成され得る。オーバーレイパッチとしての構成では、分析物増強ウェアラブル114は、展開されると、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が分析物増強ウェアラブル114と人102の皮膚との間に少なくとも部分的に配置されるように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112を少なくとも部分的に覆って配設されるように構成され得る。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の上にあるか、又は少なくともそれを部分的に覆う、オーバーレイパッチとしての分析物増強ウェアラブル114のこの位置は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の「上方」と称され得る。この構成の一例では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が人102の皮膚に適用され得、次いで、分析物増強ウェアラブル114は、既に適用されているウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の「上」に適用され得る。アンダーレイパッチとしての分析物増強ウェアラブル114の一例は、
図7に関連してより詳細に説明される。
【0060】
概して、分析物増強ウェアラブル114は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のフォームファクタと相補的なフォームファクタを有する。1つ以上の実装態様では、例えば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114は、分析物増強ウェアラブル114が人102の皮膚に(例えば、アンダーレイとして)適用され(例えば、接着され)、適用された分析物増強ウェアラブル114の「上」にウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が適用される場合など、人102に一度に1つずつ適用される場合に組合され得る別個の物理的アイテムである。あるいは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114は、その組合せが人102の皮膚に一緒に適用される前に(例えば、人102又は医療提供者によって)一緒に組合される別個の物理的アイテムであり得る。
【0061】
分析物増強ウェアラブル114をウェアラブル分析物モニタリングデバイス112とは別個のフォームファクタとして構成することの少なくとも1つの利点は、ユーザ(例えば、人102、医療提供者、又はその他)が、異なる利用可能な分析物増強ウェアラブルを選りすぐりして、感知、ひいてはデータ生成のカスタムポートフォリオを作成することができることである。これは、特定の患者集団及び/又は健康状態を対象とした特定の洞察を生成するために使用することができる。1つ以上の実装態様では、例えば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、人102のグルコース、乳酸、ケトン類、尿酸などを測定するためなどの、複数の(例えば、皮下に)挿入可能なセンサを含み得る。ここで、各々が異なる分析物及び/又は生理学的信号を感知することができる、1つ以上の異なる分析物増強ウェアラブルが、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112との組合せのために(例えば、オーバーレイ又はアンダーレイとして)選択及び展開され得る。このミックスアンドマッチをサポートすることによって、増強された分析物モニタリングシステム104及びセンサハブ122は、ロバストな数の健康状態を記述するデータを生成し、それらの状態に関連して改善された治療及び/又はサポートを潜在的に可能にする。
【0062】
いずれにしても、分析物増強ウェアラブル114のフォームファクタは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が分析物増強ウェアラブル114と組合されていなかった場合と同様に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が分析物データ116を生成することを分析物増強ウェアラブル114が妨げないように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のフォームファクタと相補的であり得る。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の分析物センサは、例えば、増強された分析物モニタリングシステム104に対して使用されるとき、分析物を示す信号を検出するために依然として人102の皮膚に皮下挿入され得る。
【0063】
分析物増強ウェアラブル114のフォームファクタをウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のフォームファクタと「相補的」にする特徴の例としては、以下のうちの1つ以上が挙げられ得る:ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の分析物センサがアクセスを通って人102の皮膚内に入ることを可能にする分析物増強ウェアラブル114のアクセス(例えば、いくつか例を挙げると、切り欠き、穴、又は膜)、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の周囲に適合する(例えば、その結果、分析物増強ウェアラブル114がウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の周囲の人の皮膚に適用されるように構成されている)分析物増強ウェアラブル114のアクセス(例えば、切り欠き、幾何学的形状、穴、又は膜)、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が、分析物増強ウェアラブル114の空洞内に嵌合し、人の皮膚に適用されると覆われるように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と相補的な形状を有する空洞、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の一部が分析物増強ウェアラブル114の部分的空洞内に嵌合するように、及びウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の一部は適用されると覆われるが、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の別の部分は(例えば、空気又は人102の衣服に)露出されるように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と相補的な形状を有する部分的空洞など。分析物増強ウェアラブル114のフォームファクタは、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の方法でウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のフォームファクタと相補的であり得ることを理解されたい。
【0064】
1つ以上の実装態様では、分析物増強ウェアラブル114は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と相補的なフォームファクタを有し得るだけでなく、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の少なくとも一部とインターフェースする(例えば、物理的に接触する及び/又は通信可能に結合する)1つ以上の構成要素も有し得る。例として、分析物増強ウェアラブル114のパッチ部分は、人102の皮膚を包囲し得、電力/通信構成要素(例えば、無線電力、ボディエリアネットワーク、及び/又は近距離無線通信(NFC)をサポートする)は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のハウジングの少なくとも一部に接触し得る。
【0065】
追加的に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114は、1つ以上の実装態様において通信可能に結合され得る。例として、そのような通信結合は、分析物増強ウェアラブル114が、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112によって受信される信号及び/又はデータを通信することを可能にし得る。あるいは、そのような通信結合は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が、分析物増強ウェアラブル114によって受信される信号及び/又はデータを通信することを可能にし得る。あるいは、そのような通信結合は双方向通信を可能にし得、その結果、結合は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114の両方が他方のウェアラブルにデータを通信し、他方のウェアラブルからデータを受信することを可能にし得る。
【0066】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と分析物増強ウェアラブル114との間の通信結合は、「有線」又は「無線」結合として構成され得る。本明細書で使用される場合、「有線」結合は、データ、例えば、分析物データ116及び/又は追加の生理学的データ118を1つのデバイスから別のデバイスに転送することが可能な構成要素の物理的接続を指す。1つ以上の実装態様では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、分析物増強ウェアラブル114との「有線」通信結合を確立するために、いくつか例を挙げると、ピン(例えば、分析物増強ウェアラブル114のポートに挿入するか、又は分析物増強ウェアラブル114のセンサを貫通する)、分析物増強ウェアラブル114のピンを受容することができるポート、又は接点(例えば、分析物増強ウェアラブル114の接点又はセンサ構成要素に接触する)のうちの1つ以上を含み得る。「有線」結合を可能にするために、分析物増強ウェアラブル114はまた、1つ以上の実装態様において、ピン、ポート、及び/又は接点のうちの1つ以上を用いて構成され得る。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114は、本明細書で説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、2つのデバイス間の有線接続を可能にする他の方法で構成され得ることを理解されたい。
【0067】
本明細書で使用される場合、「無線」結合は、送信、検出、及び解釈の少なくとも一部がハードワイヤードではないスパンを横断する、1つのデバイス(又は構成要素)による信号の送信と、第2のデバイス(又は構成要素)による信号の検出及び解釈とを伴う結合を指す。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112との「無線」通信結合を可能にするために、例えば、分析物増強ウェアラブル114は、データ(例えば、追加の生理学的データ118)を送信するための1つ以上の無線送信機を用いて構成され得る。例として、分析物増強ウェアラブル114は、いくつか例を挙げると、NFC、Bluetooth、5G、又はボディエリアネットワークのうちの1つ以上を使用して、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112にデータを送信するように構成され得る。分析物増強ウェアラブル114は、人102の身体の皮膚にわたる電位の変化を使用すること、及び光を使用すること(例えば、LEDに、人102の皮膚上に、及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の光検出構成要素の方向に、1つ以上の既知の周波数で光を放射させること)など、説明される技法から逸脱することなく、データをウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に無線で送信するように様々な方法で構成され得る。
【0068】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が分析物データ116を分析物増強ウェアラブル114に通信するシナリオでは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、データ(例えば、分析物データ116)を送信するための1つ以上の無線送信機を用いて構成され得る。例として、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、いくつか例を挙げると、NFC、Bluetooth(BLE)、又は5Gのうちの1つ以上を使用して、分析物増強ウェアラブル114にデータを送信するように構成され得る。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、説明される技法から逸脱することなく、人102の身体の皮膚を介して、又は光を使用してなど、分析物増強ウェアラブル114にデータを無線で送信する他の方法で構成され得る。
図5に関連してより詳細に説明するように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114の両方は、センサハブ122との無線接続を確立し、確立された接続を介してデータ(例えば、それぞれ分析物データ116及び追加の生理学的データ118)をセンサハブ122に無線で通信するように構成され得る。
【0069】
上述したように、センサハブ122は、1つ以上の実装態様において、コンピューティングデバイス106に実装され得る。コンピューティングデバイス106は、本記載の技術の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な方法で構成され得る。限定ではなく例として、コンピューティングデバイス106は、いくつかのフォームファクタを挙げると、モバイルデバイス(例えば、携帯電話、ウェアラブルデバイス、又はタブレットデバイス)、デスクトップコンピュータ、又はラップトップコンピュータとして構成され得る。1つ以上の実装態様では、コンピューティングデバイス106は、ヘルスモニタリングプラットフォーム108に関連付けられ、センサハブ122を有する専用デバイスとして構成され得る。ヘルスモニタリングプラットフォーム108に関連付けられた専用デバイスとして、センサハブ122は、分析物データ116及び追加の生理学的データ118を増強された分析物モニタリングシステム104から取得し、そのデータに関して様々な計算を実行し、データ及びヘルスモニタリングプラットフォーム108に関連する情報を表示し、データをヘルスモニタリングプラットフォーム108に通信するなどの機能を有するように構成され得る。
【0070】
更に、コンピューティングデバイス106は、本記載の技法による2つ以上のデバイスを表すことができる。1つ以上のシナリオでは、例えば、コンピューティングデバイス106は、ウェアラブルデバイス(例えば、いくつか例を挙げると、スマートウォッチ、マウスガード、コンタクトレンズ、スマートグラス、チェストストラップ、イヤーバッド、又はヘッドフォン)及び携帯電話の両方に対応し得る。そのようなシナリオでは、これらのデバイスの両方は、増強された分析物モニタリングシステム104から分析物データ116及び追加の生理学的データ118を受信し、ネットワーク110を介してそのデータをヘルスモニタリングプラットフォーム108に通信し、そのデータに関連する情報を表示するなどのために、少なくともいくつかの同じ動作を実行することが可能であり得る。代替的に又は加えて、異なるデバイスは、他のデバイスが有しないか、又はコンピューティング命令を通じて指定されたデバイスに限定される、異なる能力を有することができる。コンピューティングデバイス106及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112はまた、説明される技法に従って、インスリンポンプ又はインプラントなどの1つ以上の医療デバイスに通信可能に結合され得る。この結合により、分析物データ116及び追加の生理学的データ118を処理することによって行われる決定に基づいて、そのような医療デバイスを使用して治療が施され得る。
【0071】
ここでセンサハブ122の説明に移ると、センサハブ122は、増強された分析物パケット120を増強された分析物モニタリングシステム104から受信するように構成され得る。1つ以上の実装態様では、センサハブ122は、増強された分析物パケット120が受信されるとそれを解析し、分析物データ116を追加の生理学的データ118と関連付けて記憶デバイス124に記憶させることによって分析物データ116を増強する。換言すれば、センサハブ122は、例えば、抽出されたデータにタイムスタンプを関連付けること、データの一部に対して計算を実行すること(例えば、データの一部に対して統計を計算し、計算された統計をデータとともに記憶すること)、欠落データを補間すること、誤ったデータを識別することなどによって、増強された分析物パケット120を記憶用に修正し、かつ/又は増強された分析物パケット120から分析物データ116及び追加の生理学的データ118を抽出し、抽出されたデータを関連データとともに記憶し得る。例として、センサハブ122は、増強された分析物パケット120からのデータを用いて、又はセンサハブ122がそのデータから導出するデータを用いて、記憶デバイス124内にデータベースを構築及び/又はデータベースにデータを投入し得る。
【0072】
1つ以上の実装態様では、例えば、センサハブ122は、分析物データ116を、追加の生理学的データ118を用いてそれを修正することによって増強し得る。例えば、追加の生理学的データ118が温度データに対応するシナリオでは、センサハブ122は、分析物データ116及び追加の生理学的データ118に基づいて温度補正された分析物測定値を計算し、次いで、それらの温度補正された分析物測定値を、分析物データ116に加えて又はその代わりに記憶デバイス124に記憶させ得る。次いで、この増強された分析物データは、ユーザに提供される1つ以上のサービスに関連して使用され得る。
【0073】
例示された環境100では、コンピューティングデバイス106は、ヘルスモニタリングアプリケーション126を含む。ヘルスモニタリングアプリケーション126は、増強された分析物データを使用することによって1つ以上のサービスを提供し得る。例として、ヘルスモニタリングアプリケーション126は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112によって生成された分析物データ116を出力するのではなく、又は出力することに加えて、増強された分析物データ、例えば、温度補正された分析物測定値を出力し得る。1つ以上の実装態様では、ヘルスモニタリングアプリケーション126は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112によって生成された分析物データ116の代わりに、又はそれに加えて、増強された分析物データのトレースを出力し得る。
【0074】
説明される技法によれば、分析物データ116は、追加の生理学的データ118で増強されて、分析物データ116が追加の生理学的データ118で増強されないときよりもロバストな(例えば、正確な又は実用的な)情報及び/又はコンテンツを生成し得る。1つ以上の実装態様では、センサハブ122、ヘルスモニタリングアプリケーション126、又はヘルスモニタリングプラットフォーム108は、単に分析物データ116を使用するのではなく、分析物データ116と追加の生理学的データ118との組合せを使用することによって、よりロバストなそのような情報を生成し得る。増強された分析物データを使用して生成され得、また増強された分析物データを使用することに起因してより正確及び/又は実用的であり得る情報の例には、いくつか例を挙げると、例えば、報告書、受信された推定値をプロットするユーザインターフェース、及び事象又は予測された事象の通知が含まれる。
【0075】
代替的に又は追加的に、分析物データ116は、追加の生理学的データ118によって捕捉された事象、例えば、心臓事象を確認するために使用可能であり得る。代替的又は追加的に、分析物データ116は、追加の生理学的データ118を修正して、それをより正確にするために、例えば、食事が食べられたことを確認するために使用され得る。追加の生理学的データ118は、追加の生理学的データ118なしで分析物データ116を使用して行われる決定に関連して人102の健康について行われる決定を改善するために、様々な方法で分析物データ116を増強し得る。例えば、追加の生理学的データ118は、分析物データ116も収集され得る1つ以上の状態(例えば、糖尿病、心臓疾患など)に関連する洞察を生成するために使用され得、追加の生理学的データ118は、分析物データ116から導出された洞察と相補的な1つ以上の状態に関連して洞察を生成するために使用され得る。更に、分析物増強ウェアラブル114の1つ以上のセンサとウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の1つ以上の分析物センサとの併置は、データを人102の身体上の近位位置に帰属させ、相関させることが可能になる。これは、身体の異なる部分で生成された測定値とは対照的である。分析物、例えば、グルコースを持続的に測定して、そのような測定値を記述する分析物データを取得するという文脈において、
図2の以下の説明を検討する。
【0076】
図2は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の実装態様の例200をより詳細に示している。特に、図示された例200は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の上面図及び対応する側面図を含む。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、以下の説明から、実装態様において、様々な方法で変更を行うことができることを理解されたい。
【0077】
この例200では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、分析物センサ202(例えば、グルコースセンサ)及びセンサモジュール204を含むように図示されている。ここでは、分析物センサ202は、例えば、人102の皮膚206中の皮下に挿入されている側面図に示してある。センサモジュール204は、上面図に破線長方形として近似されている。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112はまた、図示された例200において送信機208も含む。センサモジュール204について破線長方形を使用することにより、そのセンサモジュールが送信機208のハウジング内に収容されるか、又はそうでなければ実装され得ることが示されている。送信機208がデータを、例えば、コンピューティングデバイス106への無線接続を介して、通信するための信号を生成することを可能にするために使用される、アンテナ及び/又は他のハードウェアも、送信機208のハウジング内に収容されるか、又は別様に実装され得る。この例200では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、例えば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112を皮膚206に接着するために、接着パッド210を更に含む。
【0078】
動作中、分析物センサ202及び接着パッド210は、貼り付けアセンブリを形成するように組み立てられ得、貼り付けアセンブリは、描写されているように分析物センサ202が皮下挿入されるように皮膚206に適用されるように構成されている。そのようなシナリオでは、送信機208は、取り付け機構(図示せず)を介して皮膚206に貼り付けた後、アセンブリに取り付けられ得る。あるいは、送信機208は、貼り付けアセンブリの一部として組み込まれ得、その結果、分析物センサ202、接着パッド210、及び送信機208(センサモジュール204を有する)は、皮膚206に一度に全て貼り付けることができる。1つ以上の実装形態では、この貼り付けアセンブリは、別個のセンサ貼り付け具(図示せず)を使用して皮膚206に貼り付けられる。従来の血糖測定器によって必要とされる指穿刺とは異なり、センサ貼り付け具を有するウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の、ユーザが開始する貼り付けは、ほぼ無痛であり、血液の採取を必要としない。更に、自動センサ貼り付け具により、一般に、臨床医又は医療提供者の支援なしに、人102が分析物センサ202を皮膚206中の皮下に埋め込むことが可能になる。
【0079】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112はまた、接着パッド210を皮膚206から剥離することによって取り外すこともできる。図示されているように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及びその様々な構成要素は、単純に、1つの例示的なフォームファクタであり、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及びその構成要素は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、異なるフォームファクタを有することができることを理解されたい。
【0080】
動作中、分析物センサ202は、無線接続又は有線接続とすることができる少なくとも1つの通信チャネルを介して、センサモジュール204に通信可能に結合されている。分析物センサ202からセンサモジュール204への通信、又はセンサモジュール204から分析物センサ202への通信は、能動的又は受動的に実施され得、これらの通信は、持続的(例えば、アナログ式)又は離散的(例えば、デジタル式)とすることができる。
【0081】
分析物センサ202は、デバイス、分子、及び/又は化学物質であってもよく、それらは、分析物センサ202とは少なくとも部分的に独立している事象に応答して変化するか又は変化を引き起こす。センサモジュール204は、分析物センサ202に対する変化の兆候、又は分析物センサ202によって引き起こされた変化の兆候を受信するように実装されている。例えば、分析物センサ202は、グルコース及び酸素と反応して、電極を含み得るセンサモジュール204によって電気化学的に検出可能である過酸化水素を形成するグルコースオキシダーゼを含むことができる。この例では、分析物センサ202は、1つ以上の測定技法を使用してグルコースレベルを示す、血液又は間質液中の分析物を検出するように構成されたグルコースセンサとして構成され得るか、又はグルコースセンサを含み得る。1つ以上の実装態様では、分析物センサ202はまた、乳酸塩レベル、ケトン類、又はイオン性カリウムなどの他のマーカーを示す血液又は間質液中の分析物も検出するように構成され得、これは、グルコースベースの事象を識別又は予測する際の精度を向上することができる。追加的に又は代替的に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、他のマーカーを示すそれらの分析物を検出するための、分析物センサ202への追加のセンサ及び/又はアーキテクチャを含むことができる。
【0082】
別の例では、分析物センサ202(又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の追加の図示されていないセンサ)は、第1及び第2の導体を含むことができ、センサモジュール204は、分析物センサ202のその第1及び第2の導体の両端の電位の変化を電気的に検出することができる。この例では、センサモジュール204及び分析物センサ202は、電位変化が温度変化に対応するように、熱電対として構成されている。いくつかの例では、センサモジュール204及び分析物センサ202は、単一の分析物、例えば、グルコースを検出するように構成されている。他の例では、センサモジュール204及び分析物センサ202は、複数の分析物、例えば、イオン性ナトリウム、イオン性カリウム、二酸化炭素、及びグルコースを検出するための多様な感知モードを使用するように構成されている。代替的に又は追加的に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、1つ以上の分析物(例えば、イオン性ナトリウム、イオン性カリウム、二酸化炭素、グルコース、及びインスリン)だけでなく、1つ以上の環境条件(例えば、温度)も検出するための複数のセンサを含む。したがって、センサモジュール204及び分析物センサ202(及びあらゆる追加のセンサ)は、1つ以上の分析物の存在、1つ以上の分析物の不在、及び/又は1つ以上の環境条件の変化を検出し得る。上述したように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、単一の分析物(例えば、グルコース)又は複数の分析物を記述するデータを生成するように構成され得る。更に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが構成されている分析物の組合せは、異なるアーキテクチャを有するウェアラブル分析物モニタリングデバイスが異なる患者集団による使用及び/又は異なる健康状態のために構成され得るように、(例えば、ヘルスモニタリングプラットフォーム108によって)製造されるモニタリングデバイスの異なるロットにわたって変化し得る。
【0083】
1つ以上の実装態様では、センサモジュール204は、プロセッサ及びメモリ(図示せず)を含むことができる。このセンサモジュール204は、プロセッサを活用することによって、上述した変化を示す分析物センサ202との通信に基づいて、分析物測定値212を生成することができる。分析物センサ202からの上述の通信に基づいて、センサモジュール204は、少なくとも1つの分析物測定値212を含む通信可能なデータパッケージを生成するように更に構成されている。この例200では、分析物データ116は、これらのデータパッケージを表す。追加的に又は代替的に、センサモジュール204は、例として、補足センサ情報214を含む、追加のデータを含むように分析物データ116を構成し得る。補足センサ情報214には、センサ識別子、センサステータス、分析物測定値212に対応する温度、分析物測定値212に対応する他の分析物の測定値などが含まれ得る。補足センサ情報214は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、少なくとも1つの分析物測定値212を補足する様々なデータを含むことができることを理解されたい。
【0084】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が無線送信用に構成されている実装態様では、送信機208は、分析物データ116をデータストリームとしてコンピューティングデバイスに送信することができる。代替的に又は追加的に、センサモジュール204は、分析物測定値212及び/又は補足センサ情報214を(例えば、センサモジュール204のメモリ、及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の他の物理的コンピュータ可読記憶媒体に)バッファリングし、後に様々な規則的又は不規則な間隔、例えば、時間間隔(約1秒毎、約30秒毎、約1分毎、約5分毎、約1時間毎など)、記憶間隔(バッファリングされた分析物測定値212及び/又は補足センサ情報214がデータの閾値量又は測定値の数に到達したとき)などで、そのバッファリングされた分析物データ116を送信機208に送信させることができる。
【0085】
環境の例、及びウェアラブル分析物モニタリングデバイスの例を考察してきたが、次に、1つ以上の実装態様による、増強された分析物モニタリングシステムのための技法の詳細のいくつかの例に関する説明を考察する。
【0086】
増強された分析物モニタリングシステム
図3は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスからの分析物データを分析物増強ウェアラブルからの追加の生理学的データで増強する実装態様の例300を示す。図示された例300は、
図1から、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112、分析物増強ウェアラブル114、及びセンサハブ122を含む。
【0087】
この例300では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114は、結合302を介して通信可能に結合されている。追加的に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及びセンサハブ122は、結合304を介して通信可能に結合されている。説明される技法によれば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と分析物増強ウェアラブル114との間の結合302は、通信及び信号のために有線(又は別様に信号送信構成要素及び信号受信構成要素の物理的結合)又は無線(人102の身体又は光を使用することを含む)であってもよく、これらのタイプの結合の例は、上でより詳細に論じられている。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112とセンサハブ122との間の結合304もまた、有線又は無線であってもよい。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112とセンサハブ122との間の有線結合の1つの例示的なシナリオは、センサハブ122を有するコンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス106)とウェアラブル分析物モニタリングデバイス112(又は増強された分析物モニタリングシステム104)との間にコードを接続することを含み得る。
【0088】
この例300では、分析物増強ウェアラブル114は、結合302を介して追加の生理学的データ118をウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に通信するように示されている。ここで、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、(例えば、センサモジュール204及び/又はオンボードプロセッサを使用して)分析物データ116とともに取得された追加の生理学的データ118をパッケージ化して、増強された分析物パケット120を形成し得る。次いで、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、増強された分析物パケット120を、例えば、送信器208を使用して、結合304を介してセンサハブ122に送信し得る。1つ以上の実装態様では、分析物増強ウェアラブル114は、結合302を介した通信のために、1つ以上の圧縮技法を使用して、追加の生理学的データ118を圧縮し得、及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、結合304を介した通信のために、1つ以上の圧縮技法を使用して、増強された分析物パケット120を圧縮し得る。
【0089】
図示された例300は、分析物増強ウェアラブル114が、増強された分析物パケット120をウェアラブル分析物モニタリングデバイス112ではなくセンサハブ122に通信する実装態様とは対照的である。分析物増強ウェアラブル114が、増強された分析物パケット120をウェアラブル分析物モニタリングデバイス112ではなくセンサハブ122に通信するという文脈において、以下の説明を検討する。
【0090】
図4は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスからの分析物データを分析物増強ウェアラブルからの追加の生理学的データで増強する第1の異なる実装態様の例400を示す。図示された例400は、
図1から、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112、分析物増強ウェアラブル114、及びセンサハブ122を含む。
【0091】
この例400では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114は、結合402を介して通信可能に結合されている。追加的に、分析物増強ウェアラブル114及びセンサハブ122は、結合404を介して通信可能に結合されている。説明される技法によれば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と分析物増強ウェアラブル114との間の結合402は、通信及び信号のために有線(又は別様に信号送信構成要素及び信号受信構成要素の物理的結合)又は無線(人102の身体又は光を使用することを含む)であってもよく、これらのタイプの結合の例は、上でより詳細に論じられている。分析物増強ウェアラブル114とセンサハブ122との間の結合404もまた、有線又は無線であってもよい。ウェアラブルの分析物増強ウェアラブル114とセンサハブ122との間の有線結合の1つの例示的なシナリオは、センサハブ122を有するコンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス106)と分析物増強ウェアラブル114(又は増強された分析物モニタリングシステム104)との間にコードを接続することを含み得る。
【0092】
この例400では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、結合402を介して分析物データ116を分析物増強ウェアラブル114に通信するように示されている。ここで、分析物増強ウェアラブル114は、(例えば、オンボードプロセッサ、コンピュータ可読媒体、及び/又は他のハードウェア構成要素を使用して)追加の生理学的データ118とともに取得された分析物データ116をパッケージ化して、増強された分析物パケット120を形成し得る。次いで、分析物増強ウェアラブル114は、増強された分析物パケット120を、結合404を介してセンサハブ122に送信し得る。1つ以上の実装態様では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、結合402を介した通信のために、1つ以上の圧縮技法を使用して、分析物データ116を圧縮し得、及び/又は分析物増強ウェアラブル114は、結合404を介した通信のために、1つ以上の圧縮技法を使用して、増強された分析物パケット120を圧縮し得る。
【0093】
図5は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスからの分析物データを分析物増強ウェアラブルからの追加の生理学的データで増強する第2の異なる実装態様の例500を示す。図示された例500は、
図1から、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112、分析物増強ウェアラブル114、及びセンサハブ122を含む。
【0094】
この例500では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及びセンサハブ122は、結合502を介して通信可能に結合されている。追加的に、分析物増強ウェアラブル114及びセンサハブ122は、結合504を介して通信可能に結合されている。説明される技法によれば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112とセンサハブ122との間の結合502は、有線(又は別様に信号送信構成要素及び信号受信構成要素の物理的結合)又は無線であってもよく、これらのタイプの結合の例は、上でより詳細に論じられている。同様に、分析物増強ウェアラブル114とセンサハブ122との間の結合504は、有線(又は別様に信号送信構成要素及び信号受信構成要素の物理的結合)又は無線であってもよく、これらのタイプの結合の例は、上でより詳細に論じられている。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112とセンサハブ122との間の有線結合の1つの例示的なシナリオは、センサハブ122を有するコンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス106)とウェアラブル分析物モニタリングデバイス112との間にコードを接続することを含み得る。ウェアラブルの分析物増強ウェアラブル114とセンサハブ122との間の有線結合の例示的なシナリオは、センサハブ122を有するコンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス106)と分析物増強ウェアラブル114との間にコードを接続することを含み得る。
【0095】
この例500では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、結合502を介して分析物データ116をセンサハブ122に通信するように示されており、分析物増強ウェアラブル114は、結合504を介して追加の生理学的データ118をセンサハブ122に通信するように示されている。上述したように、センサハブ122は、追加の生理学的データ118に基づいて分析物データ116を調整することによって決定される調整された分析物値を導出することによって、分析物データ116と追加の生理学的データ118との間の対応関係を決定することによって、並びに/又は記憶デバイス124内のデータベースに投入するために分析物データ116及び追加の生理学的データ118によって記述される信号の共分散を決定することによってなど、本明細書で説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な方法で、追加の生理学的データ118によって増強された分析物データ116を処理し得る。
【0096】
図6は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスを増強するようにアンダーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルの実装態様の例600を示す。
【0097】
図示された例600は、
図1から、増強された分析物モニタリングシステム104を含み、増強された分析物モニタリングシステム104は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と、分析物増強ウェアラブル114とを含む。特に、図示された例600は、分解
図602、上部組立
図604、下部組立
図606、及び断面
図608を含む、増強された分析物モニタリングシステム104の複数の
図602~
図608を含む。
【0098】
分解
図602は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114を示しており、この例では、膜610及びアンダーレイパッチ612を含む。1つ以上の実装態様では、アンダーレイパッチ612は、人102の皮膚206に直接接触するように適用されるように構成され得る。追加的に、膜610は、展開されたときに皮膚206に接触する面の反対側にあるアンダーレイパッチ612の面に対して適用されるか、又は別様に配設されるように構成されている。1つ以上のアンダーレイ構成では、ここに示されるように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のハウジングは、一般に、膜610の上に配設され得る。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の一部(例えば、大部分)は、そのようなアンダーレイ構成において膜610上に配置され得るが、膜610は、膜アクセス614(例えば、穴、切り欠き、穿刺可能部分)を含み得、アンダーレイパッチ612は、展開されたときに位置合わせすることができる対応するパッチアクセス616(例えば、穴、切り欠き、穿刺可能部分)を含み得る。これらのアクセス部分の位置合わせは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の分析物センサ202がそれらのアクセス部分を通って延在し、人102の皮膚206に皮下挿入することを可能にする。これらのアクセス部分は、分析物センサ202が層を通過して正常に動作することを可能にする特化された設計要素として層から切り取られ得る。下部組立
図606は、膜アクセス614及び対応するパッチアクセス616を通って延在する分析物センサ202を示す。
【0099】
上述したように、分析物増強ウェアラブル114は、1つ以上の状態の変化を検出し、検出された変化に基づいて追加の生理学的データ118を生成するために使用される1つ以上のセンサを用いて構成され得る。例えば、アンダーレイパッチ612は、1つ以上のセンサを含み得る。ここで、例えば、アンダーレイパッチ612は、複数の電極618とともに示されている。電極を含む1つ以上の実装態様では、電極618は、人の鼓動している心臓に起因するもの又は脳活動に起因するものなどの生体電位変化を人の皮膚上で又は経皮的に検出するために使用され得る。アンダーレイパッチは、いくつか例を挙げると、本明細書で説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な電気化学センサ(例えば、汗センサ)、光学センサ(例えば、PPG)、又は加速度計など、1つ以上の追加の又は異なるセンサを用いて構成され得ることを理解されたい。代替的に又は加えて、分析物増強ウェアラブル114は、非侵襲センサ、経皮センサ、及び/又は皮下センサの何らかの組合せを含み得る。
【0100】
図示された例600では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、ピン620を含んで示されている。1つ以上の実装態様では、ピン620は、分析物増強ウェアラブル114のセンサ又は通信可能接点に接触し、追加の生理学的データ118を生成するように構成され得る。図示のように、例えば、ピン620は、電極618に接触して、電気的変化を検出し、追加の生理学的データ118を生成し得る。断面
図608では、ピン620は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から始まり、膜610を通過し(例えば、それを穿刺し)、電極618で終端する(例えば、電極618も穿刺する)ように示されている。ピン620が分析物増強ウェアラブル114のセンサに結合される(例えば、電極618に接触する)と、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、状態変化(例えば、電気的変化)を検出して、追加の生理学的データ118を生成し、分析物センサ202を使用して生成された分析物データ116を増強し得る。したがって、1つ以上の実装態様では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、分析物増強ウェアラブル114の1つ以上の部分と結合されて、追加の生理学的データ118を生成し得る。
【0101】
下部組立
図606及び断面
図608では、電極618は、アンダーレイパッチ612を通って延在して示されている。アンダーレイパッチ612を通って延在することによって、電極618は、膜610に対して配設され得、また、展開されたときに皮膚206に物理的に接触することができるように、反対側に露出され得る。図示されていないが、膜610又はアンダーレイパッチ612のうちの1つ以上は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のアプリケータを位置合わせするように構成されたマーキングを含み得る。そのようなマーカーと整列するようにアプリケータを操作することによって、マーカーは、分析物センサ202が膜アクセス614及び対応するパッチアクセス616を通って展開されるように、ユーザがウェアラブル分析物モニタリングデバイス112をより容易に適用することを可能にする。
【0102】
電極618に関して、生体電位電極(ゲル電解質電極を含む)を分析物増強ウェアラブル114に組み込むことは、心電図(EKG)及び/又は心拍数記録が追加の生理学的データ118として生成されることを可能にする。追加の生理的データ118がEKG及び/又は心拍数記録を含むとき、センサハブ122及び/又はヘルスモニタリングアプリケーション126は、分析物データ116内のパターンに基づいて低血糖事象(例えば、高血糖症及び低血糖症)を識別し、追加の生理的データ118に基づいてそれらの事象の発生又は不発生を確認することができる。代替的に又は加えて、電極618は、筋肉及び筋肉を制御する細胞の健康状態を評価する診断手順である筋電図検査(EMG)のために使用され得る。アンダーレイ装置としての分析物増強ウェアラブル114の構成は、説明される技法に従って、本明細書に説明される構成とは異なり得ることを理解されたい。
【0103】
図7は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスを増強するようにオーバーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルの実装態様の例700を示す。
【0104】
図示された例700は、
図1から、増強された分析物モニタリングシステム104を含み、増強された分析物モニタリングシステム104は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と、分析物増強ウェアラブル114とを含む。図示された例700では、分析物増強ウェアラブル114は、オーバーレイパッチとして構成されている。上述したように、オーバーレイ構成では、分析物増強ウェアラブル114は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が既に展開されているときなどに、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の上に適用されるように構成されている。例として、分析物増強ウェアラブル114は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が展開された後に分析物増強ウェアラブル114を皮膚及びウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に接着するための接着剤を有し得る。
【0105】
この例700では、オーバーレイパッチとして構成された分析物増強ウェアラブル114は、パッチ部分702、第1のハウジング704、及び第2のハウジング706を含む。パッチ部分702は、人102の皮膚206に接触するように構成されているパッチ部分702の面上に接着剤を含み得る。図示された例700では、この面は、パッチ部分702の外面によって視界から遮られている。1つ以上の実装態様では、接着剤は、分析物増強ウェアラブル114を人102の皮膚206及びウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の上に適用するように構成されている。接着剤は、一般に、分析物増強ウェアラブル114を、人102上で展開した場所に、ある期間にわたって、例えば、分析物増強ウェアラブル114の装着期間にわたって保持するように構成されている。接着剤はまた、一般に人が傷害を受けることなく分析物増強ウェアラブル114を取り外すことを可能にするようにも構成され得る。
【0106】
第1のハウジング704は、いくつか例を挙げると、分析物増強ウェアラブル114のセンサ、分析物増強ウェアラブル114及び/若しくはウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のための電源、送信機、並びに/又は受信機のうちの1つ以上を収容するように構成され得る。同様に、第2のハウジング706は、いくつか例を挙げると、分析物増強ウェアラブル114のセンサ、分析物増強ウェアラブル114及び/若しくはウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のための電源、送信機、並びに/又は受信機のうちの1つ以上を収容するように構成され得る。1つ以上の実装態様では、パッチ部分702はまた、1つ以上の集積化センサも含み得る。1つ以上の実装態様では、パッチ部分702、第1のハウジング704、及び/又は第2のハウジング706は、例えば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が電極を使用して分析物の測定値を生成することを可能にする、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のための1つ以上の基準電極として構成されている1つ以上の生体電位電極を含むか、又は別様に組み込み得る。
【0107】
図示されていないが、パッチ部分702は、センサ、電源、受信機、及び/又は送信機のうちの1つ以上を結合するための結合を含み得る。これらの結合は、通信又は電力供給のためにそのような構成要素を結合し得る。例として、結合は、第1のハウジング704に収容された構成要素を、第2のハウジング706に収容された構成要素及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に結合し得る。結合はまた、第2のハウジング706に収容された構成要素を、第1のハウジング704に収容された構成要素及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に結合し得る。構成要素はまた、パッチ部分702全体にわたって配設された構成要素(例えば、センサ)を、互いに、及び/又は分析物増強ウェアラブル114の他の部分に配設された構成要素と、及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と結合し得る。
【0108】
1つ以上の実装態様では、例えば、パッチ部分702における結合は、分析物増強ウェアラブル114からウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び/又はセンサハブ122にデータを通信するためなど、センサを使用して生成されたデータ(例えば、追加の生理学的データ118)を送信するために、分析物増強ウェアラブル114のセンサを送信機に結合し得る。代替的に又は加えて、そのような結合は、センサが動作することを可能にする電力を供給するために、電源(例えば、バッテリ)をセンサに結合し得る。代替的に又は加えて、これらの結合は、送信機及び/又は受信機が動作すること、例えば、それぞれデータを送信又は受信することを可能にする電力を供給するために、電源を送信機及び/又は受信機に結合し得る。別個の送信機及び受信機が本明細書で説明され得るが、1つ以上の実装態様では、構成要素が送信機及び受信機として二重に動作するように構成され得ることを理解されたい。
【0109】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び/又は分析物増強ウェアラブル114への電力供給に関して、1つ以上の実装態様では、分析物増強ウェアラブル114は、(例えば、パッチ部分702上に)感光材料を含み得る。分析物増強ウェアラブル114の感光材料は、バッテリを光で再充電するために使用され得る。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の表面積に対して拡大された表面積は、バッテリを充電するために十分な量の光が使用されることを可能にし得、これは、バッテリを十分に再充電するほど十分に大きくないことがあるウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の表面積とは対照的である。
【0110】
パッチ部分702、第1のハウジング704、及び/又は第2のハウジング706はまた、1つ以上の実装態様において、1つ以上のプロセッサ及び/又はコンピュータ可読媒体を含み得る。上述の結合は、これらの構成要素を、互いに(例えば、バスと同様に)、並びに/又は電源及び/若しくは送信機/受信機などの他の構成要素に結合し得る。プロセッサ及び/又はコンピュータ可読媒体の包含は、分析物増強ウェアラブル114が、分析物増強ウェアラブル114のセンサによって検出された変化を処理し、検出された変化に基づいて追加の生理学的データ118を生成することを可能にし得る。そのようなコンピュータ可読媒体はまた、例えば、データが分析物増強ウェアラブル114から通信される前に、少なくとも一時的に、追加の生理学的データ118又は分析物データ116などのデータを記憶するように構成され得る。しかしながら、1つ以上の実装では、分析物増強ウェアラブル114の受信機は、単純に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から分析物データ116を受信し、統合された送信機を介して、例えば、センサハブ122にデータを通信し得ることを理解されたい。
【0111】
この文脈において、図示された分析物増強ウェアラブル114は、コイル708、例えば、NFCコイルを含む。コイル708は、2つ例を挙げると、Bluetooth(BLE)又は5Gなど、異なる通信プロトコルを実装するために使用され得ることを理解されたい。特定のプロトコルにかかわらず、コイル708は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112によって送信された分析物データ116を受信するように構成され得る。分析物増強ウェアラブル114は、次いで、受信された分析物データ116を、例えば、第1のハウジング704又は第2のハウジング706内に収容された、送信機にルーティングし得る。分析物増強ウェアラブル114のこの送信機は、分析物増強ウェアラブル114のセンサによって生成された追加の生理学的データ118とともに分析物データ116を送信するように更に構成され得る。例えば、そのような送信機は、このデータをセンサハブ122に送信し得る。このデータのルーティングは、
図4に関連してより詳細に説明される。代替的に又は加えて、コイル708は、データ(例えば、追加の生理学的データ118)をウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に無線で送信するように構成され得る。次に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、追加の生理学的データ118をセンサハブに送信し得、これについては
図3に関連してより詳細に説明される。
【0112】
図8に関連してより詳細に説明される例示的なオーバーレイパッチとは対照的に、図示された例700のパッチ部分702は、サテライト延長部を含まない。したがって、第1のハウジング704及び第2のハウジング706の両方は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の近位に配置されている。このため、分析物増強ウェアラブル114のセンサは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の分析物センサ202に近接している。分析物増強ウェアラブル114のセンサは、したがって、分析物増強ウェアラブル114が図示された例と同様に構成されているとき、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の分析物センサ(又はその他のセンサ)と概ね同じ場所に配置されている。換言すれば、パッチ部分702は、分析物増強ウェアラブル114のセンサをウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から閾値距離内に展開させ、閾値距離内の位置はセンサの併置に相当する。オーバーレイ装置としての分析物増強ウェアラブル114の構成は、説明される技法に従って、本明細書に説明される構成とは異なり得ることを理解されたい。
【0113】
図8は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスを増強するように、サテライト延長部を有するオーバーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルの実装態様の例800を示す。
【0114】
図示された例800は、
図1から、増強された分析物モニタリングシステム104を含み、増強された分析物モニタリングシステム104は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と、分析物増強ウェアラブル114とを含む。図示された例800では、分析物増強ウェアラブル114は、サテライト延長部を有するオーバーレイパッチとして構成されている。上述したように、オーバーレイ構成では、分析物増強ウェアラブル114は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が既に展開されているときなどに、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の上に適用されるように構成されている。
図7のオーバーレイパッチの説明と同様に、分析物増強ウェアラブル114は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が展開された後に分析物増強ウェアラブル114を皮膚及びウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に接着するための接着剤を有し得る。
【0115】
この例800では、分析物増強ウェアラブル114は、パッチ部分802、第1のハウジング804、第2のハウジング806、及びサテライト延長部808を含む。パッチ部分802は、人102の皮膚206に接触するように構成されているパッチ部分802の面上に接着剤を含み得る。図示された例700では、この面は、パッチ部分702の外面によって視界から遮られている。
【0116】
第1のハウジング804及び第2のハウジング806は、
図7に関連して説明した第1のハウジング704及び第2のハウジング706と同様に構成され得る。例えば、第1のハウジング804及び第2のハウジング806は、いくつか例を挙げると、センサ、電源、送信機、及び/又は受信機のうちの1つ以上を収容するように構成され得る。説明される技法によれば、パッチ部分802は、1つ以上の集積化センサを含み得る。1つ以上の実装態様では、パッチ部分802、第1のハウジング804、第2のハウジング806、及び/又はサテライト延長部808は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のための1つ以上の基準電極として構成されている1つ以上の生体電位電極を含むか、又は別様に組み込み得る。
【0117】
加えて、パッチ部分802は、センサ、電源、受信機、送信機、及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のうちの1つ以上を結合するための結合を含み得る。これらの結合は、通信又は電力供給のためにそのような構成要素を結合し得る。例として、結合は、第1のハウジング804に収容された構成要素を、第2のハウジング806に収容された構成要素及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に結合し得る。結合はまた、第2のハウジング806に収容された構成要素を、第1のハウジング804に収容された構成要素及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に結合し得る。結合がパッチ部分802内でどのように展開され得るかのいくつかの更なる例が、
図7に関連して説明される。
【0118】
分析物増強ウェアラブル114がサテライト延長部を有するオーバーレイパッチとして構成されている1つ以上の実装では、分析物増強ウェアラブル114はまた、1つ以上のプロセッサ及び/又はコンピュータ可読媒体も含み得る。これらの構成要素を、パッチ部分802、第1のハウジング804、第2のハウジング806、又はサテライト延長部808のうちの1つ以上に含めることによって可能になる機能のいくつかの例が、
図7に関連して説明される。図示された例800はまた、コイル810も示す。コイル810は、パッチ部分802に結合され得、例700と同様に、いくつか例を挙げると、NFC、Bluetooth(BLE)、又は5Gなど、異なる通信プロトコルを実装するために使用され得る。コイル810は、コイル708に関連して説明したのと同様の方法でデータを送信及び/又は受信するように構成され得る。
【0119】
図7に関連して説明されたオーバーレイパッチとは対照的に、図示された例800のパッチ部分802は、サテライト延長部808を含む。一般に、サテライト延長部808は、分析物増強ウェアラブル114の1つ以上のセンサ又は構成要素をウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から少なくとも閾値距離離れて位置付けるように構成されている。分析物増強ウェアラブル114のセンサ及び/又は構成要素をウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と概ね同じ場所に配置するように構成されているパッチ部分702とは対照的に、パッチ部分802は、分析物増強ウェアラブル114の少なくとも1つのセンサ及び/又は構成要素を、増強された分析物モニタリングシステム104の遠隔(すなわち、「サテライト」)場所に位置付けるように構成され、遠隔とは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112、又は分析物増強ウェアラブル114の少なくとも1つの他の部分に対するものである。
【0120】
本明細書で使用される場合、「遠隔」場所は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から、又は分析物増強ウェアラブル114の特定の部分から、少なくとも閾値距離(サテライト延長部808の長さに基づく既知の距離)の場所を指す。1つ以上の実装態様では、「閾値」距離は、遠隔場所に配設された1つ以上の構成要素が、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112(又は分析物増強ウェアラブル114の遠隔に位置付けられていない構成要素)の動作に干渉することなく動作すること、又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112(又は分析物増強ウェアラブル114の遠隔に位置付けられていない構成要素)の動作により干渉されることなく動作することを可能にする距離に対応し得る。サテライト延長部808を有するパッチ部分802を構成することによって、パッチ部分802は、分析物増強ウェアラブル114の1つ以上の構成要素(例えば、センサ)の位置を、互いに対して、及びウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の分析物センサ202に対して(又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の1つ以上の他のセンサ又は構成要素に対して)制御し得る。追加的に、サテライト延長部808は、サテライト延長部808の端部にある分析物増強ウェアラブル114の部分を、特定の身体部分、又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112からの既知の距離に対して位置付けることができるように、分析物増強ウェアラブル114が展開されることを可能にする。
【0121】
例えば、サテライト延長部808は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が人の腹部に展開され、第2のハウジング806が人の下背部に同時に展開されることを可能にし得る。別の例として、サテライト延長部808は、サテライト延長部808が人の二頭筋又は三頭筋をまたいで延在するように、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が人の腕の外側部分に展開され、第2のハウジング806が人の腕の内側部分に同時に展開されることを可能にし得る。確実に、サテライト延長部808の長さは、分析物増強ウェアラブル114のサテライト部分が分析物増強ウェアラブル114の他の部分及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112からどれだけ離れて位置付けられるかを制御し得る。更に、サテライト延長部808は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、すぐ上で論じられたものとは異なる身体部分に対して部分を位置決めすることを可能にし得る。また、サテライト延長部を有するオーバーレイ装置としての分析物増強ウェアラブル114の構成は、説明される技法に従って、本明細書に説明される構成とは異なり得ることも理解されたい。
【0122】
1つ以上の実装態様では、サテライト延長部808が第2のハウジング806を第1のハウジング804及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から遠隔に位置決めするような、分析物増強ウェアラブル114の展開は、センサ間の距離に基づくメトリック及び/又は様々な生理学的データが生成されることを可能にする。これは、第2のハウジング806と第1のハウジング804及び/又はウェアラブル分析物モニタリングデバイス112との間の距離が既知だからである。これらのメトリック及び/又は生理学的データの例は、少なくとも脈波伝播時間(PTT)を含み、これは、センサ間の距離に基づく。距離が既知であることに起因して、分析物増強ウェアラブル114はまた、オーバーレイパッチ構成(又はサテライトを有するアンダーレイとして構成されるときはアンダーレイ)とともに組み込まれた、例えば、センサ隣接部分とともに組み込まれ、かつサテライト延長部808にわたる部分とともに組み込まれた、電極を使用することなどによって、マルチリードECG測定値を生成するように構成することもできる。代替的に又は追加的に、分析物増強ウェアラブル114は、パッチのセンサ隣接部分の1つ以上の電極、サテライト延長部808にわたる部分の1つ以上の電極、及び/又は別の別個のデバイス(例えば、スマートウォッチ)の1つ以上の電極を使用して、マルチリードECG測定値用に構成することができる。また、説明されるシステムを利用することによって、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、既知の距離に基づいて、様々な他のメトリック及び/又は生理学的データが生成され得ることも理解されたい。
【0123】
サテライト延長部808を含むことにより、分析物増強ウェアラブル114は、他の例に関連して説明される分析物増強ウェアラブル114の構成よりも大きい表面積を有し得る。このより大きな表面積に起因して、1つ以上の実装態様では、サテライト延長部808は、(例えば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112又は分析物増強ウェアラブル114の)バッテリを再充電するために利用され得る。例として、サテライト延長部808は、外部背景光から電力を生成するために感光材料を含むように少なくとも部分的に製造され得る。代替的に又は加えて、サテライト延長部808は、人102の身体の汗を燃料として使用することを可能にするアーキテクチャを含み得、例えば、したがって、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び/又は分析物増強ウェアラブル114のバッテリを充電し得る。
【0124】
図7及び
図8に示されるオーバーレイ構成では、分析物増強ウェアラブル114のフォームファクタは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112のフォームファクタと相補的である。これは、パッチ部分702及びパッチ部分802(及びサテライト延長部808)の幾何学的形状が、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112を包囲する展開を可能にするからであり、例えば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112が内部に配設され、オーバーレイによって少なくとも部分的に包囲され得る、好適なアクセスが存在する。
【0125】
図9は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスから得られた分析物データ及び分析物増強ウェアラブルから得られた追加の生理学的データの両方を表示するコンピューティングデバイス106のユーザインターフェースの実装態様の例900を示す。
【0126】
図示された例900は、ディスプレイデバイス904を介してユーザインターフェース902を表示するコンピューティングデバイス106を示す。ここで、ユーザインターフェース902は、分析物データ116と、分析物データ116及び他のグラフィカル要素906を増強する追加の生理学的データ118との両方を含むように示されている。特に、ユーザインターフェース902を介して表示される分析物データ116は、現在のグルコース908を含む。追加の生理学的データ118は、この例では、分析物増強ウェアラブル114の1つ以上のセンサによって感知される心拍数データに対応し、現在の心拍数910としてユーザインターフェース902を介して表示される。1つ以上の実装態様では、現在のグルコース908及び現在の心拍数910は、例えば、分析物データ116及び追加の生理学的データ118の両方を含む増強された分析物パケット120が、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112又は分析物増強ウェアラブル114のうちの1つからセンサハブ122によって受信されると、ユーザインターフェース902によってリアルタイムで表示される。このようにして、現在のグルコース908及び現在の心拍数910は、直近に受信された分析物測定値及び心拍数測定値、すなわち、それぞれウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114によって直近に生成された分析物測定値及び心拍数測定値に対応し得る。
【0127】
この例では、ユーザインターフェース902を介して表示される他のグラフィカル要素906は、第1の単位インジケータ912(例えば、「Mg/dL」)と、表示される数値が人の現在のグルコースであることを示す第1の値ラベル914と、第2の単位インジケータ916(例えば、「BPM」)と、表示される数値が人の現在の心拍数であることを示す第2の値ラベル918とを含み得る。特に、ユーザインターフェース902は、分析物データ116及び追加の生理学的データ118とともに、追加情報(例えば、分析物データ116及び/又は追加の生理学的データ118に基づいて生成された推奨又は洞察)を含むように構成され得る。ユーザインターフェース902はまた、分析物データ116及び/若しくは追加の生理学的データ118の組合せから決定され、並びに/又は信号の共分散に基づいて決定され得る「悪化リスク」(例えば、敗血症悪化リスクメトリック)など、集約メトリックを提示するようにも構成され得る。「悪化リスク」などの集計メトリックは、いくつか例を挙げると、カテゴリ属性記述子(例えば、「低」、「中」、「高」)、持続値(例えば、スコア)、又はそれらの組合せを使用することによってなど、様々な方法でユーザインターフェースを介して提示され得る。
【0128】
増強された分析物モニタリングシステムに関する技法の例示的な詳細を論じてきたが、次に、手順のいくつかの例を考察してこれら技法の追加の態様を示す。
【0129】
例示的な手順
このセクションは、増強された分析物モニタリングシステムのための手順の例を記載する。手順の態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せにおいて実装され得る。手順は、1つ以上のデバイスによって実行される動作を指定するブロックのセットとして示され、必ずしもそれぞれのブロックによって動作を実行するために示される順序に限定されない。少なくともいくつかの実装態様では、手順は、増強された分析物モニタリングシステム104など、増強された分析物モニタリングシステムによって、センサハブ122など、センサハブによって、及び/又はヘルスモニタリングアプリケーション126など、コンピューティングアプリケーションによって実行される。
【0130】
図10は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイスが、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを生成し、データパケットをセンサハブに通信する、例示的な実装態様における手順1000を示す。
【0131】
ユーザに関連付けられたコンピューティングデバイスにおいて実装されたセンサハブと第1の有線又は無線接続を確立し、ユーザによって装着された分析物増強ウェアラブルと第2の有線又は無線接続を確立する(ブロック1002)。例として、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114は、結合302を介して通信可能に結合されている。追加的に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及びセンサハブ122は、結合304を介して通信可能に結合されている。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と分析物増強ウェアラブル114との間の結合302は、通信及び信号のために有線(又は別様に信号送信構成要素及び信号受信構成要素の物理的結合)又は無線(人102の身体又は光を使用することを含む)であってもよく、これらのタイプの結合の例は、上でより詳細に論じられている。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112とセンサハブ122との間の結合304もまた、有線又は無線であってもよい。
【0132】
ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサを介してユーザの分析物データを収集する(ブロック1004)。例として、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、人102の中の分析物レベルを示す信号を検出し、分析物測定値の生成を可能にするセンサを用いて構成され得る。これらの分析物測定値は、分析物データ116としてコンピューティングデバイス106への通信に対応し得るか、又はその通信のために別様にパッケージ化され得る。
【0133】
ユーザによって装着された分析物増強ウェアラブルから第2の有線又は無線接続を介して追加の生理学的データを取得する(ブロック1006)。例として、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、有線又は無線結合302を介して分析物増強ウェアラブル114から追加の生理学的データ118を取得する。
【0134】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサによって収集された分析物データを、分析物増強ウェアラブルから取得された追加の生理学的データとパッケージ化して、増強された分析物パケットを形成する(ブロック1008)。例として、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、分析物増強ウェアラブル114から取得された追加の生理学的データ118を、分析物センサによって収集された分析物データ116とパッケージ化して、増強された分析物パケット120を形成する。
【0135】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイスの分析物センサによって収集された分析物データと、分析物増強ウェアラブルから得られた追加の生理学的データとの両方を含む増強された分析物パケットを、第1の有線又は無線接続を介してセンサハブに通信する(ブロック1010)。例として、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、分析物データ116と追加の生理学的データ118との両方を含む増強された分析物パケット120を、結合304を介してセンサハブ122に送信する。特に、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、増強された分析物パケット120データを、例えば、それが分析物センサ及び/又は他のセンサを使用して生成されると、リアルタイムで通信し得る。代替的に又は加えて、分析物モニタリングデバイス112は、時間間隔でデータをコンピューティングデバイス106に通信し得る。例えば、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、増強された分析物パケット120を(それらが生成されているときに)約5分毎にコンピューティングデバイス106に通信するように構成され得る。
【0136】
図11は、分析物増強ウェアラブルが、分析物データ及び追加の生理学的データの両方を含むデータパケットを生成し、データパケットをセンサハブに通信する、例示的な実装態様における手順1100を示す。
【0137】
ユーザに関連付けられたコンピューティングデバイスにおいて実装されたセンサハブと第1の有線又は無線接続を確立し、ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスと第2の有線又は無線接続を確立する(ブロック1102)。例として、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112及び分析物増強ウェアラブル114は、結合402を介して通信可能に結合されている。追加的に、分析物増強ウェアラブル114及びセンサハブ122は、結合404を介して通信可能に結合されている。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と分析物増強ウェアラブル114との間の結合402は、通信及び信号のために有線(又は別様に信号送信構成要素及び信号受信構成要素の物理的結合)又は無線(人102の身体又は光を使用することを含む)であってもよい。分析物増強ウェアラブル114とセンサハブ122との間の結合404もまた、有線又は無線であってもよい。
【0138】
ユーザによって装着されたウェアラブル分析物モニタリングデバイスから第2の有線又は無線接続を介して分析物データを取得する(ブロック1104)。例として、分析物増強ウェアラブル114は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から結合402を介して分析物データ116を取得する。
【0139】
ユーザによって装着された分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサを介してユーザの追加の生理学的データを収集する(ブロック1106)。例として、分析物増強ウェアラブル114の1つ以上のセンサは、追加の生理学的データ118を収集する。
【0140】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイスから取得された分析物データを、ユーザによって装着された分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサによって収集された追加の生理学的データとパッケージ化して、増強された分析物パケットを形成する(ブロック1108)。例として、分析物増強ウェアラブル114は、分析物増強ウェアラブル114から取得された分析物データ116を、分析物増強ウェアラブル114の1つ以上のセンサによって収集された追加の生理学的データ118とパッケージ化して、増強された分析物パケット120を形成する。
【0141】
ウェアラブル分析物モニタリングデバイスから取得された分析物データと、分析物増強ウェアラブルの1つ以上のセンサによって収集された追加の生理学的データとの両方を含む増強された分析物パケットを、第1の有線又は無線接続を介してセンサハブに通信する(ブロック1110)。例として、分析物増強ウェアラブル114は、分析物データ116と追加の生理学的データ118との両方を含む増強された分析物パケット120を、結合404を介してセンサハブ122に送信する。特に、分析物増強ウェアラブル114は、増強された分析物パケット120を、例えば、それが分析物センサ及び/又は他のセンサを使用して生成されると、リアルタイムで通信し得る。代替的に又は加えて、分析物増強ウェアラブル114は、時間間隔でデータをコンピューティングデバイス106に通信し得る。例えば、分析物増強ウェアラブル114は、増強された分析物パケット120を(それらが生成されているときに)約5分毎にコンピューティングデバイス106に通信するように構成され得る。
【0142】
1つ以上の実装態様による手順の例について説明してきたが、次に、本明細書で説明される技法の1つの例示的な実装態様を考察する。
【0143】
光センシングの実装例
少なくとも1つの実装態様では、増強された分析物モニタリングシステム104は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と、少なくとも光センシングのために構成されている、分析物増強ウェアラブル114とを含む。1つ以上の光センシング技法に基づいて、分析物増強ウェアラブル114は、光センシングデータ(例えば、追加の生理学的データ118の一例)を生成するように構成され、この光センシングデータは、様々な方法で使用されて分析物データ116を増強する。少なくとも1つの変形例では、そのような光センシングデータは、説明されるシステムが、赤色光及び/又は赤外光を使用して人102の酸素飽和度(SpO
2)及び心拍数測定値を決定又は別様に分析することなどによって、組織からの発光信号を分析することを可能にする。代替的に又は加えて、そのような光センシングデータは、説明されるシステムが、分析物増強ウェアラブル内に埋め込まれている埋め込まれた分析物感受性染料からの発光を分析することを可能にする。分析物増強ウェアラブル114は、光センシングをサポートするように様々な方法で構成され得る。光センシングの文脈において、
図12~
図14の以下の説明を考察する。
【0144】
図12は、光センシング技法のために構成された分析物増強ウェアラブルを含む増強された分析物モニタリングシステムの例1200を示す。
【0145】
図示された例1200は、ホスト(人102など)の皮膚206に挿入可能な分析物センサ202を有するウェアラブル分析物モニタリングデバイス112を含む、増強された分析物モニタリングシステム104を示す。例1200はまた、接着パッド210も含む。1つ以上の実装態様では、分析物増強ウェアラブル104は、限定ではなく例として、光フィルタリング構成要素1202(この例では光フィルタリングオーバーレイとして構成されている)、発光ダイオード1204(LED)、光検出器1206、及び/又は赤外線センサ1208のうちの1つ以上を含む。分析物増強ウェアラブル104は、本明細書で説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な異なる構成要素を用いて構成され得る。
【0146】
1つ以上の実装態様では、発光ダイオード1204及び光検出器1206は、増強された分析物モニタリングシステム104が展開されると、皮膚の外側にある。そのような実装態様では、光源(例えば、1つ以上の発光ダイオード1204)及び光検出器1206は、皮膚に面したウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の表面上で、すなわち、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の下で、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に統合されることができる。励起及び発光に基づいて、分析物増強ウェアラブル114は、非侵襲的メトリックが、1つ以上のアルゴリズムを使用して測定されることを可能にする。変形例では、分析物増強ウェアラブル114によって生成されたデータを使用して、そのような非侵襲的メトリックは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112、分析物増強ウェアラブル114、増強された分析物モニタリングシステム104、及び/又はコンピューティングデバイス106(又はコンピューティングデバイス106の様々な構成要素)のうちの1つ以上によって測定され得る。そのようなメトリックの例としては、心拍数、フォトプレチスモグラフィ(PPG)、酸素飽和度(SpO2)、安静時心拍数、血圧、及び上記又は下記の他のメトリックのいずれかが挙げられるが、それらに限定されない。
【0147】
図示された例1200に戻ると、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に組み込まれた2つの発光ダイオード1204及び2つの光検出器1206が示されている。1つ以上の実装態様では、発光ダイオード1204は点滅するように構成されており、光検出器1206は、各発光ダイオード1204に起因する、組織(例えば、皮膚)からの発光を検出するように構成されている。次いで、システムは、1つ以上のアルゴリズムを使用して、検出された発光に基づいて光検出器1206によって生成された信号を分析して、例えば、上述の測定値のうちの1つ以上を生成する。少なくとも1つの変形例では、光検出器1206は、分析の範囲内の波長を有する光が入ることを可能にする(例えば、波長範囲内の光のみが入ることを可能にする)光学フィルタで被覆される。少なくとも1つの変形例では、光フィルタリング構成要素1202は、接着性光フィルタリングオーバーレイである。少なくとも1つの変形例では、光フィルタリング構成要素1202は、発光ダイオード1204及び光検出器1206による発光及び光の検出に干渉し得る背景光を遮断するように構成されている。任意選択的に、光センシングのための分析物増強ウェアラブル114を用いて構成された増強された分析物モニタリングシステム104は、光フィルタリング構成要素1202を含まない。光センシングについて異なるように構成されている分析物増強ウェアラブル114の文脈において、以下の例を考察する。
【0148】
図13は、光センシング技法のためにアンダーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルを含む増強された分析物モニタリングシステムの例1300を示す。
【0149】
図示された例1300は、増強された分析物モニタリングシステム104の第1の
図1302を示し、これは、システムの切断側面図である。この例では、第1の
図1302は、ホスト(人102など)の皮膚206に挿入可能な分析物センサ202を有するウェアラブル分析物モニタリングデバイス112を含む。この例1300では、増強された分析物モニタリングシステム104は、光フィルタリング接着構成要素1304(この例では光フィルタリングアンダーレイとして構成されている)、電気ピン1306、発光ダイオード1308(LED)、光検出器1310、並びに電気ピン1306を発光ダイオード1308及び光検出器1310に接続するトレース1312のうちの1つ以上を含む。図示されていないが、分析物増強ウェアラブル114は、変形例において1つ以上の赤外線センサを含む。
【0150】
アンダーレイとして、光フィルタリング接着構成要素1304は、増強された分析物モニタリングシステム104が展開されるホストの皮膚とウェアラブル分析物モニタリングデバイス112との間に位置付けられている。示された構成では、電気ピン1306は、皮膚に面したウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の側面(又は表面)と一体である。
【0151】
図示された例1300はまた、1つ以上の変形例による、トレース1312の幾何学的形状の第1の構成1314及び第2の構成1316も示す。第1の構成1314では、トレース1312は、光フィルタリング接着構成要素1304の表面内又は表面上にあるウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から発光ダイオード1308及び光検出器1310まで半径方向に延在する。第2の構成1316では、トレースは、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から延在し、発光ダイオード1308及び光検出器1310に接続しながら、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の周りに円形を部分的に形成する。第1の構成1314及び第2の構成1316は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112を1つ以上の構成要素(光学的又は他の構成要素)、例えば、発光ダイオード1308、光検出器1310などに接続するために、トレース1312が分析物増強ウェアラブルの内部又は表面上にどのように組み込まれ得るかの単なる例にすぎないことを理解されたい。変形例では、トレース1312は、螺旋又はリング形状を有するなど、他の方法で構成され得る。1つ以上の実装態様では、トレース1312は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112と構成要素(例えば、発光ダイオード1308及び光検出器1310)との間で電力及び/又は信号のうちの1つ以上を搬送するように構成されている。1つ以上の実装態様では、光学的構成要素は、オーバーレイ又はアンダーレイの表面上に組み込まれているが、変形例では、光学的構成要素は、そのようなオーバーレイ又はアンダーレイの内側に組み込まれている。
【0152】
図14は、光センシング技法のためにオーバーレイとして構成された分析物増強ウェアラブルを含む増強された分析物モニタリングシステムの例1400を示す。
【0153】
図示された例1400は、増強された分析物モニタリングシステム104の第1の
図1402を示し、これは、システムの切断側面図である。この例では、第1の
図1402は、ホスト(人102など)の皮膚206に挿入可能な分析物センサ202を有するウェアラブル分析物モニタリングデバイス112を含む。この例1400では、増強された分析物モニタリングシステム104は、光フィルタリング構成要素1404(この例では光フィルタリングオーバーレイとして構成されている)、電気ピン1406、発光ダイオード1408(LED)、光検出器1410、並びに電気ピン1406を発光ダイオード1408及び光検出器1410に接続するトレース1412のうちの1つ以上を含む。図示されていないが、分析物増強ウェアラブル114は、変形例において、例えば、分析物センサ202と一体である、1つ以上の赤外線センサを含む。
【0154】
オーバーレイとして、光フィルタリング構成要素1404は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の「上」に位置付けられており、その結果、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112は、増強された分析物モニタリングシステム104が展開されるホストの皮膚と光フィルタリング構成要素1404との間に実質的に位置付けられている。示された構成では、電気ピン1306は、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112の上面(又は表面)と一体である。
【0155】
図示された例1400はまた、1つ以上の変形例による、トレース1412の幾何学的形状の構成1414も示す。示された構成1414では、トレース1412は、光フィルタリング構成要素1404の表面内又は表面上にあるウェアラブル分析物モニタリングデバイス112から発光ダイオード1408及び光検出器1410まで半径方向に延在する。ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112、発光ダイオード1408、光検出器1410、及びトレース1412は、光フィルタリング構成要素1404が展開時にそれらの構成要素を覆い得ることを示すために、図示された例1400において破線で示されている。換言すれば、構成1414は、オーバーレイパッチとともに展開されたときの増強された分析物モニタリングシステム104の上面図に対応し得る。上述したように、トレース(例えば、トレース1412)は、説明される技法の趣旨又は範囲から逸脱することなく、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112を発光ダイオード1408及び光検出器1410に接続するために様々な方法(例えば、様々な形状)で構成され得る。
【0156】
例1400などの実装態様では、光フィルタリング構成要素1404をウェアラブル分析物モニタリングデバイス112上に配置することにより、トレース1412と電気ピン1406との間に電気接続が確立される。1つ以上の実装態様では、螺旋又はリング幾何学的形状のトレース1412の構成は、そのような電気接続の確立をより容易にすることができる。1つ以上の変形例では、増強された分析物モニタリングシステム104は、LED及び光検出器の複数のセットを含むことができ、例えば、複数の分析物(例えば、グルコース及び乳酸)を光学的に測定するために、及び/又は上述したもののうちの1つ以上など、複数の非侵襲的メトリックを光学的に測定するために、異なるセットを使用することができる。
【0157】
分析物感受性染料の組み込みに関して、1つ以上の実装態様では、ウェアラブル分析物モニタリングデバイス112又は分析物増強ウェアラブル114のうちの1つ以上は、(例えば、それらに埋め込まれている)分析物感受性染料を用いて構成され得る。そのような染料は、システムのLEDによって放出される光の特定の波長で励起させ、システムの光検出器によって検出可能な光の特定の異なる波長で光を放出することができる。これらの波長は、異なるタイプの光学染料を使用することによって変化させることができる。1つ以上の対象分析物への曝露に応答して、染料は、信号強度(例えば、光検出器によって検出される)の変化、信号放出時間(例えば、LEDが光を放出してから一定期間、光検出器によって検出される)の変化、及び放出波長(例えば、光検出器によって検出される)の変化をもたらす特性の変化(例えば、化学変化)を受ける。1つ以上の実装態様では、そのような変化は、対象分析物の濃度と相関させることができ、これは、システムによって決定可能なものである。1つ以上の実装態様では、1つ以上の染料は、酸素感受性染料を含み、酸素感受性染料は、励起が周囲酸素のレベルを反映した後にその放出の特性を変化させる。
【0158】
酸素感受性染料は、オキシドレダクターゼ酵素が酸素を消費して特定の分析物を触媒することから使用され得る。そのような反応の間、オキシドレダクターゼが組み込まれているバイオセンサは、電気化学的技法を用いて酵素過酸化水素の濃度を測定することができる。酸素の変化は、上述したような光学染料を用いた光学的技法で記録することができる。特に、異なる分析物及び酵素反応を測定するために使用することができる多数の異なる染料が存在し、これらの染料のいくつかの例は、酸素、二酸化炭素、pH+、NH3などの濃度の変化に対する光学感度を有する。追加的に、染料は、PPG、Hr、SPO2などの非侵襲的感知のために使用されるLEDからの励起の波長に一致するように選択することができる。例えば、赤色光で励起される光感受性染料の使用は、PPG測定値の波長に一致する。
【0159】
1つ以上の実装態様では、光学染料を使用するためのアーキテクチャは、分析物センサ202のワイヤの同軸幾何形状を活用し、光学染料はEZL及び/又はRL膜に組み込まれる。そのような実装態様では、1つ以上のLED及び/又は光検出器が、様々な構成で皮膚の外側に配置され得る。代替的に又は追加的に、光学的技法は、LEDがプランナ(planner)基板の上に取り付けられ、電気トレースを用いてウェアラブル分析物モニタリングデバイス112に接続される、プランナセンサアーキテクチャを活用し得る。そのような例では、作用電極(WE)を電気化学センシングに使用することができると同時に、回路に取り付けられたLEDを光センシングに使用することができる。特に、LEDがホストの内部にあるような場合、EZLは、LEDの上に堆積される必要がある。1つ以上の実装態様では、このプロセスは、プランナ電極上にEZLを堆積させることと同様であるが、ポリマー内に混合された光感受性染料を有するという修正を伴う。1つ以上の変形例では、光検出器は、基板の内部及び上方、並びにLED及び電気化学電極の隣にあることができるが、いくつかの他の場合では、光検出器は、発光及び励起を読み取るために、外部、及び皮膚の上方にあることができる。
【0160】
少なくとも1つの実装例について説明してきたが、次に、本明細書で説明される様々な技法を実装するために利用することができるシステム及びデバイスを考察する。
【0161】
例示的なシステム及びデバイス
図15は、本明細書で説明される様々な技法を実装し得る1つ以上のコンピューティングシステム及び/又はデバイスを表すコンピューティングデバイス1502の一例を含む、システム1500の一例を全体として示す。これは、センサハブ122及びヘルスモニタリングアプリケーション126を含めて例示されている。コンピューティングデバイス1502は、例えば、サービスプロバイダのサーバ、クライアントに関連付けられたデバイス(例えば、クライアントデバイス)、オンチップシステム、及び/又は任意の他の好適なコンピューティングデバイス若しくはコンピューティングシステムであり得る。
【0162】
図示されているような例示的なコンピューティングデバイス1502は、処理システム1504、1つ以上のコンピュータ可読媒体1506、及び互いに通信可能に結合されている1つ以上のI/Oインターフェース1508を含む。図示されていないが、コンピューティングデバイス1502は、様々な構成要素を互いに結合するシステムバス又は他のデータ及びコマンド転送システムを更に含み得る。システムバスは、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス、ユニバーサルシリアルバス、及び/又は多様なバスアーキテクチャのいずれかを利用するプロセッサ若しくはローカルバスなどの異なるバス構造のうちの任意の1つ又は組合せを含み得る。制御ライン及びデータラインなど、多様な他の例も企図されている。
【0163】
処理システム1504は、ハードウェアを使用して1つ以上の動作を実行するための機能を表す。したがって、処理システム1504は、プロセッサ、機能ブロックなどとして構成され得るハードウェア要素1510を含むものとして例示されている。これは、1つ以上の半導体を使用して形成された特定用途向け集積回路又は他のロジックデバイスとして、ハードウェア内の実装態様を含み得る。ハードウェア要素1510は、それらが形成される材料、又はその中に採用される処理機構によっては限定されない。例えば、プロセッサは、半導体及び/又はトランジスタ(例えば、電子集積回路(electronic integrated circuits、IC))で構成され得る。このような文脈では、プロセッサ実行可能な命令は、電子的に実行可能な命令であり得る。
【0164】
コンピュータ可読媒体1506は、メモリ/記憶装置1512を含むものとして例示されている。メモリ/記憶装置1512は、1つ以上のコンピュータ可読媒体に関連付けられたメモリ/記憶容量を表す。メモリ/記憶装置1512は、揮発性媒体(ランダムアクセスメモリ(RAM)など)及び/又は不揮発性媒体(読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気ディスクなど)を含み得る。メモリ/記憶装置1512は、固定媒体(例えば、RAM、ROM、固定ハードドライブなど)、並びに取り外し可能媒体(例えば、フラッシュメモリ、取り外し可能ハードドライブ、光ディスクなど)を含み得る。コンピュータ可読媒体1506は、以下で更に説明されているように、様々な他の方法で構成され得る。
【0165】
入力/出力インターフェース1508は、ユーザが、コマンド及び情報をコンピューティングデバイス1502に入力することを可能にし、また、様々な入力/出力デバイスを使用して情報がユーザ及び/又は他の構成要素若しくはデバイスに提示されることを可能にする機能を表す。入力デバイスの例としては、キーボード、カーソル制御デバイス(例えば、マウス)、マイクロフォン、スキャナ、タッチ機能(例えば、物理的接触を検出するように構成されている容量型センサ又は他のセンサ)、カメラ(例えば、可視波長、又は赤外線周波数などの非可視波長を採用して、非接触ジェスチャーとして動きを認識することができる)などが挙げられる。出力デバイスの例は、ディスプレイデバイス(例えば、モニタ又はプロジェクタ)、スピーカ、プリンタ、ネットワークカード、触覚応答デバイスなどを含む。したがって、コンピューティングデバイス1502は、以下に更に説明されているように、様々な方法で構成されて、ユーザ相互作用をサポートすることができる。
【0166】
本明細書では、ソフトウェア、ハードウェア要素、又はプログラムモジュールの一般的なコンテキストで様々な技法が記載され得る。一般に、そのようなモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実装するルーティン、プログラム、オブジェクト、エレメント、コンポーネント、データ構造などを含む。本明細書で使用される場合、「モジュール」、「機能」、及び「構成要素」という用語は、一般に、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組合せを表す。本明細書に記載の技法の特徴は、プラットフォームに依存せず、つまり、この技法は、多様なプロセッサを有する多様な商用計算プラットフォームに実装され得ることを意味する。
【0167】
記載されるモジュール及び技法の実装態様は、何らかの形式のコンピュータ可読媒体に記憶されるか、又はそれを介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス1502によってアクセスされ得る様々な媒体を含み得る。限定ではなく、例として、コンピュータ可読媒体は、「コンピュータ可読記憶媒体」及び「コンピュータ可読信号媒体」を含み得る。
【0168】
「コンピュータ可読記憶媒体」とは、単なる信号送信、搬送波、又は信号それ自体とは対照的に、情報の永続的及び/又は非一時的記憶を可能にする媒体及び/又はデバイスを指し得る。したがって、コンピュータ可読記憶媒体は、非信号担持媒体を指す。コンピュータ可読記憶媒体は、揮発性及び非揮発性、リムーバブル及び非リムーバブル媒体などのハードウェア、並びに/又はコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、論理要素/回路、若しくは他のデータなどの情報の記憶に好適な方法若しくは技術で実装された記憶デバイスを含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)若しくは他の光記憶装置、ハードディスク、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、若しくは他の記憶デバイス、有形媒体、又は所望の情報を記憶するのに好適であり、コンピュータによってアクセスされ得る製品を含み得るが、これらに限定されない。
【0169】
「コンピュータ可読信号媒体」とは、ネットワークなどを介して、コンピューティングデバイス1502のハードウェアに命令を送信するように構成されている信号担持媒体を指し得る。信号媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波、データ信号、若しくは他の輸送機構などの変調されたデータ信号における他のデータを具体化し得る。信号媒体は、任意の情報送達媒体も含む。「変調されたデータ信号」という用語は、信号における情報を符号化するような様式で設定又は変更されたその特性のうちの1つ以上を有する信号を意味する。限定ではないが例として、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、及び音響、RF、赤外線、及び他の無線媒体などの無線媒体を含む。
【0170】
以前に説明されているように、ハードウェア要素1510及びコンピュータ可読媒体1506は、いくつかの実施形態において採用されて、1つ以上の命令を実行するためなどの、本明細書で説明される技法の少なくともいくつかの態様を実装することができる、ハードウェア形態で実装されるモジュール、プログラマブルデバイスロジック、及び/又は固定デバイスロジックを表す。ハードウェアは、集積回路又はオンチップシステムの構成要素、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device、CPLD)、及びシリコン又は他のハードウェアにおける他の実装態様を含み得る。この文脈において、ハードウェアは、ハードウェアによって具現化された命令及び/又はロジックによって定義されるプログラムタスク、並びに、実行のための命令を格納するために利用されるハードウェア、例えば、以前説明されたコンピュータ可読記憶媒体、を実行する処理デバイスとして動作することができる。
【0171】
前述の組合せを用いて、本明細書に記載の様々な技法を実装し得る。したがって、ソフトウェア、ハードウェア、又は実行可能モジュールは、何らかの形態のコンピュータ可読記憶媒体上に、かつ/又は1つ以上のハードウェア要素1510によって具現化された1つ以上の命令及び/又はロジックとして実装され得る。コンピューティングデバイス1502は、ソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールに対応する特定の命令及び/又は機能を実装するように構成され得る。したがって、コンピューティングデバイス1502によって、ソフトウェアとして実行可能であるモジュールの実装態様は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、及び/又は処理システム1504のハードウェア要素1510の使用を介して、少なくとも部分的にハードウェア内で達成され得る。命令及び/又は機能は、本明細書で説明される技法、モジュール、及び例を実装するための1つ以上の製造物品(例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス1502及び/又は処理システム1504)によって実行可能/動作可能であり得る。
【0172】
本明細書で説明される技法は、コンピューティングデバイス1502の様々な構成によってサポートされ得、本明細書で説明される技法の特定の例に限定されない。この機能はまた、以下に説明されるように、プラットフォーム1516を介した「クラウド」1514上などでの分散システムの使用を通じて、全て又は部分的に実装され得る。
【0173】
クラウド1514は、リソース1518のためのプラットフォーム1516を含み、かつ/又は表す。プラットフォーム1516は、クラウド1514のハードウェア(例えば、サーバ)及びソフトウェアリソースの基礎となる機能を抽象化する。リソース1518は、コンピューティングデバイス1502から遠隔にあるサーバ上でコンピュータ処理が実行されている間に利用することができるアプリケーション及び/又はデータを含み得る。リソース1518はまた、インターネットを介して、かつ/又はセルラーネットワーク若しくはWi-Fiネットワークなどの加入者ネットワークを介して提供されるサービスも含むことができる。
【0174】
プラットフォーム1516は、コンピューティングデバイス1502を他のコンピューティングデバイスと接続するためのリソース及び機能を抽象化することができる。プラットフォーム1516はまた、リソースのスケーリングを抽象化して、プラットフォーム1516を介して実装されている、リソース1518が直面した需要に対応するスケールレベルを提供する役割も果たすことができる。したがって、相互接続されたデバイスの実施形態では、本明細書に説明されている機能の実装態様は、システム1500全体にわたって分散することができる。例えば、機能は、部分的にコンピューティングデバイス1502上に、並びにクラウド1514の機能を抽象化するプラットフォーム1516を介して、実装され得る。
【0175】
結論
システム及び技法は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に固有の言語で記載されているが、添付の特許請求の範囲で定義されるシステム及び技法は、必ずしも記載される特定の特徴又は行為に限定されないと理解するべきである。むしろ、特定の特徴及び行為は、特許請求される主題を実装するための例示的な形態として開示されている。
【符号の説明】
【0176】
100 環境
102 人
104 増強された分析物モニタリングシステム
106 コンピューティングデバイス
108 ヘルスモニタリングプラットフォーム
110 ネットワーク
112 ウェアラブル分析物モニタリングデバイス
114 分析物増強ウェアラブル
116 分析物データ
118 追加の生理学的データ
120 分析物パケット
122 センサハブ
124 記憶デバイス
126 ヘルスモニタリングアプリケーション
200 例
202 分析物センサ
204 センサモジュール
206 皮膚
208 送信機
210 接着パッド
212 分析物測定値
214 補足センサ情報
300 例
302 結合
304 結合
400 例
402 結合
404 結合
500 例
502 結合
504 結合
600 例
602 分解図
604 上部組立図
606 下部組立図
608 断面図
610 膜
612 アンダーレイパッチ
614 膜アクセス
616 パッチアクセス
618 電極
620 ピン
700 例
702 パッチ部分
704 第1のハウジング
706 第2のハウジング
708 コイル
800 例
802 パッチ部分
804 第1のハウジング
806 第2のハウジング
808 サテライト延長部
810 コイル
900 例
902 ユーザインターフェース
904 ディスプレイデバイス
906 グラフィカル要素
908 グルコース
910 心拍数
912 第1の単位インジケータ
914 第1の値ラベル
916 第2の単位インジケータ
918 第2の値ラベル
1000 手順
1002 ブロック
1004 ブロック
1006 ブロック
1008 ブロック
1010 ブロック
1100 手順
1102 ブロック
1104 ブロック
1106 ブロック
1108 ブロック
1110 ブロック
1200 例
1202 光フィルタリング構成要素
1204 発光ダイオード
1206 光検出器
1208 赤外線センサ
1300 例
1302 第1の図
1304 光フィルタリング接着構成要素
1306 電気ピン
1308 発光ダイオード
1310 光検出器
1312 トレース
1314 第1の構成
1316 第2の構成
1400 例
1402 第1の図
1404 光フィルタリング構成要素
1406 電気ピン
1408 発光ダイオード
1410 光検出器
1412 トレース
1414 構成
1500 システム
1502 コンピューティングデバイス
1504 処理システム
1506 コンピュータ可読媒体
1508 I/Oインターフェース
1510 ハードウェア要素
1512 記憶装置
1514 クラウド
1516 プラットフォーム
1518 リソース
【国際調査報告】