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特表2024-536939感覚刺激性が改善された低フィルムブロッキングスチレンブタジエンブロックコポリマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-09
(54)【発明の名称】感覚刺激性が改善された低フィルムブロッキングスチレンブタジエンブロックコポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08F 297/02 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
C08F297/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024515338
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2022075082
(87)【国際公開番号】W WO2023036918
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】21195878.0
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516008383
【氏名又は名称】イネオス・スタイロリューション・グループ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト・ニースナー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒル・ヴェルスウィヴェル
【テーマコード(参考)】
4J026
【Fターム(参考)】
4J026HA06
4J026HA15
4J026HA39
4J026HB06
4J026HB15
4J026HB39
4J026HC06
4J026HC15
4J026HC39
4J026HE02
4J026HE05
(57)【要約】
本発明は、線状ビニル芳香族ジエンブロックコポリマー(A)及び改善された感覚刺激性、低いフィルムブロッキング特性を有するフィルムの製造のための上記SBCを含むポリマー組成物を提示する。ブロックコポリマー(A)は、明瞭なブロック転移及び少なくとも140,000g/molの分子量Mnを有し、ここでジエンから構築された軟相の比率は15~35体積%であり、そしてビニル芳香族硬相に包埋されたこの軟相は、円柱モルフォロジーを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのビニル芳香族モノマーから本質的になる異なる数平均分子量Mnの少なくとも2つのポリマーブロックSと、少なくとも1つの共役ジエンから本質的になる少なくとも1つのポリマーブロックB
とを含む線状ブロックコポリマー(A)であって、ここで、ブロックSの少なくとも2つは末端ブロックS1及びS2であり;ここでブロックコポリマー(A)は、ブロックコポリマー(A)全体に基づいて:
65~85質量%、好ましくは68~80質量%、より好ましくは70~75質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー、及び
15~35質量%、好ましくは20~32%、より好ましくは25~30質量%の少なくとも1つの共役ジエン
からなり;
ここで重合した共役ジエンから本質的に構築された軟相の比率は、ブロックコポリマー(A)全体に基づいて15~35体積%であり、そしてここで、重合したビニル芳香族モノマーから本質的に構築された硬相に包埋された軟相は、円柱モルフォロジーを有し;
そしてここでブロックコポリマー(A)は、
・ 明瞭なブロック転移を有し;かつ
・ 少なくとも140,000g/molの数平均分子量Mnを有する、
上記ブロックコポリマー(A)。
【請求項2】
140,000~1,000,000g/mol、より好ましくは140,000~500,000g/mol、最も好ましくは140,000~300,000g/molの範囲内のブロックコポリマー(A)の数平均分子量を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項3】
構造(I)S1-B-S2の、請求項1又は2に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項4】
68~80質量%、好ましくは70~75質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー、特にスチレン、並びに20~32%、好ましくは25~30質量%の少なくとも1つの共役ジエン、特にブタジエン及び/又はイソプレンを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項5】
ポリマーブロックS1のMnは12,000~50,000g/molであり、ポリマーブロックS2のMnは40,000~150,000g/molであり、そしてポリマーブロックBのMnは15,000~80,000g/molである、請求項1~4のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項6】
ビニル芳香族モノマーはスチレンであり、そして共役ジエンはブタジエンである、請求項1~5のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項7】
重合した共役ジエンから本質的に構築された軟相の比率が、18~32体積%である、請求項1~6のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項8】
重合した共役ジエンから本質的に構築された軟相の比率が、22~30体積%である、請求項1~6のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項9】
モノマーの逐次アニオン重合による、請求項1~6のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)の製造のための方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の少なくとも1つのブロックコポリマー(A)並びにさらなる1つもしくはそれ以上の任意の添加剤及び/もしくは加工助剤(B)並びに/又は(A)及び(B)とは異なる少なくとも1つの熱可塑性ポリマー(C)を含む、ポリマー組成物。
【請求項11】
熱可塑性ポリマー(C)はポリスチレンである、請求項8に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
重合したジエンから形成された軟相の比率は、ポリマー組成物全体に基づいて、15~35質量%であり、そして重合したビニル芳香族モノマーから形成される硬相に包埋された軟相は、円柱モルフォロジーを有する、請求項10又は11に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
重合したジエンから形成される軟相の比率は、ポリマー組成物全体に基づいて、18~32質量%、好ましくは22~30質量%である、請求項10に記載のポリマー組成物。
【請求項14】
請求項1~8のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)、又は請求項10~13のいずれか1項に記載のポリマー組成物から製造された、成形品、特にフィルム。
【請求項15】
フィルムの製造のための、請求項1~8のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)又は請求項10~13のいずれか1項に記載のポリマー組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明
本発明は、スチレンブタジエンブロックコポリマー(SBC)、上記SBCを含むポリマー組成物、及びフィルムの製造のための上記ポリマー組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
堅くて丈夫なスチレンブタジエンブロックコポリマー(SBC)及びSBCを含む組成物は公知である。収縮性フィルムの製造のために、しばしば丈夫なSBC成分及び堅いSBC成分の混合物は、場合により汎用ポリスチレン(GPPS)と一緒に混合されて、そしてフィルムへと押し出される。次のオンライン工程において、フィルムは熱風により加熱され、そして押出方向と直角に(横断して)(幅方向配向又はTDO)4~6倍延伸され、そして最終的には流れ方向に対して垂直に(並行に)も(流れ方向配向又はMDO)1.1倍まで延伸される。最終的に、端は切り取られ、そしてフィルムは大きなロールに巻き付けられる。後に、フィルムをより小さなロールに切断し、印刷し、そして長い円筒形ホースに密封することができる。最終的に、印刷されたホースを円筒形ラベルの寸法に切断し、そして熱を加えることにより、典型的には熱トンネルにおいて、容器(例えば、瓶)の周囲に収縮させる。別のプロセスでは、フィルムはMDO方向に2~5倍延伸され、そして最終的にはTDO方向にも1.1倍まで延伸される。フィルム端を切断して大きなロールにフィルムを巻き付けた後、フィルムをより小さなロールに切断し、そして印刷する。ラベルを容器の周りに巻き付け、切断し、接着させ、そして熱を加えることにより容器の周りで収縮させる。
【0003】
特許文献1は、高い収縮性能及び高い剛性/強度を有する熱収縮性フィルムの製造のためのスチレン-ブタジエンブロックコポリマーA及びBの混合物を記載する。好ましくは、SBCコポリマーAは構造S-(B/S)-Sを有し、又は単一コポリマーブロック(B/S)が好ましく、ここで(B/S)はランダムビニル芳香族/ジエンコポリマーハードブロック(ジエン5~35質量%、Mn 15,0000~300,000g/mol)であり、そしてSはビニル芳香族ポリマーハードブロックである。好ましくは、SBCブロックコポリマーBは、短い枝S-(B/S)~及び長い枝(B/S)-S-(B/S)-S~[ここで(B/S)は、ソフトランダムコポリマーブロック(ジエン80~40質量%)であり、S、Sは長く、そしてSは短いビニル芳香族ポリマーブロックである]を有する星形である。
【0004】
特許文献2及び特許文献3は、単一コポリマーブロック(B/S)Ai(Mn 5,000~15,000g/mol)の2つの短い枝及び構造S-[(B/S)-(B/S)Ai又は[(B/S)-(B/S)Ai[ここでブロック[(B/S)のMnは50,000~150,000g/molであり、そしてブロックSのMnは3,000~8,000g/molである]の2つの長い枝を有する剛性星形ブロックコポリマーA又はA1を含む、収縮性包装フィルムのためのSBC混合物を記載する。
【0005】
好ましくは構造S-(B/S)~又はS-(B/S)-S~の3つ又は2つの短い枝及び構造(B/S)Ae-S-(B/S)B-又は(B/S)Ae-S-(B/S)-S~の1つ又は2つの長い枝を有する丈夫な星形ブロックコポリマーB又はA2がさらに含まれる;ここでブロック(B/S)のMnは5,000~40,000g/molであり、ブロック(B/S)AeのMnは30,000~100,000g/molであり、ブロックS及びSのMnは5,000~30,000g/molであり、そしてブロックSのMnは<2,500g/molである。
【0006】
SBC A、A1、B及びA2の(ランダム)ハードブロック(B/S)のジエン含有量は、35~5質量%であり;それぞれSBC Bのソフトブロック(B/S)のジエン含有量は80~40質量%であり、そしてSBC A2のジエン含有量は100~75質量%である。
【0007】
上記先行技術のSBCブレンドから製造されたフィルムは、軟相及び硬相から作られており、そしてここで軟相は円柱モルフォロジーを有する。
【0008】
特許文献4は、ビニル芳香族モノマーから並びに構造(I) S1-B1-S2及び(II) S3-B2-S4のジエンから作られた線状ブロックコポリマーを含む混合物を開示し、ここでS1は40,000~100,000g/molの範囲内の数平均分子Mnを有するビニル芳香族モノマーから作られたブロックであり、S2、S3及びS4はそれぞれ、5,000~20,000g/molの範囲内の数平均分子量Mnを有するビニル芳香族モノマーから作られたブロックであり、B1及びB2はそれぞれ、ジエンから作られたブロック又はジエンから及びビニル芳香族モノマーから作られた15,000~40,000g/molの範囲内の数平均分子量Mnを有するコポリマーブロックであり、そしてブロックコポリマー(I)/(II)の比は、0.6~2の範囲内である。ブロック間の転移は明瞭である。実施例は、SBC(I)(Mnは97,000~100,000g/molにほぼ等しい)及びSBC(II)(Mnは45,000~49,000g/molにほぼ等しい)の同時に製造された混合物を示し、これらの混合物は、21.6~35質量%の範囲内のブタジエン含有量を有する。上記混合物のGPPSとのブレンドは、高い剛性とともに高い靭性を有し、そして薄膜の製造のために使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US 2011/098401
【特許文献2】WO 2018/114569
【特許文献3】WO 2018/153808
【特許文献4】US 2005/009990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
先行技術に従うSBCポリマー又はポリマー組成物から製造されたフィルムは、製造プロセスの間にロール上に巻き付けられた場合、しばしば接着する傾向を有する。延伸フィルムのこのブロッキングは、様々な技術的問題を引き起こし得る。いくつかの場合、数日後にはロールからほどくことが不可能になりさえする。先行技術のフィルムは、しばしば望まない延伸を受け、最終的には加工の間に裂けてしまう。
【0011】
さらに、先行技術の材料はしばしば不快な臭気を有する。従って、上記材料のフィルムのブロッキング及び感覚刺激特性は、なお改善の必要がある。
【0012】
本発明の1つの目的は、高い溶融強度を有するインフレーションフィルム及びキャスト膜の押出を可能にするスチレンブタジエンブロックコポリマー(SBC)に基づく材料を提供することであり、これは良好な機械的特性を有し、かつ層間粘着が減少した収縮性フィルムの製造に適している。さらに、材料の感覚刺激特性が改善されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この問題は、特許請求の範囲に従うブロックコポリマー及びポリマー組成物により解決される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一態様は、少なくとも1つのビニル芳香族モノマーから本質的になる異なる数平均分子量Mnの少なくとも2つのポリマーブロックSと、少なくとも1つの共役ジエンから本質的になる少なくとも1つのポリマーブロックBとを含む(又はからなる)線状ブロックコポリマー(A)であり;ここで、ブロックSの少なくとも2つは末端ブロックS1及びS2であり;
ここでブロックコポリマー(A)は、ブロックコポリマー(A)全体に基づいて:65~85質量%、好ましくは68~80質量%、より好ましくは70~75質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー、特にスチレン、並びに
15~35質量%、好ましくは20~32%、より好ましくは25~30質量%の少なくとも1つの共役ジエン、特にブタジエン及び/又はイソプレン、より好ましくはブタジエンからなり;
ここで重合した共役ジエンから本質的に構築された軟相の比率は、ブロックコポリマー(A)全体に基づいて15~35体積%であり、そしてここで、重合したビニル芳香族モノマーから本質的に構築された硬相(比率65~85体積%)に包埋された軟相は、円柱モルフォロジーを有し;そして
ここでブロックコポリマー(A)は、明瞭なブロック転移を有し、かつ少なくとも140,000g/molの数平均分子量Mnを有する。
【0015】
本発明の文脈において、「明瞭なブロック転移」は、ブロックコポリマーのブロック間の転移が明瞭に分離されている(すなわち、組成が急に変化する)ことを意味する。ブロックコポリマー(A)は、ブロック転移が漸減する(tapered)ブロックを含まない。
好ましくは、ブロックコポリマー(A)はランダムブロックを含まない。
【0016】
モルフォロジーは、SBCポリマー又はポリマー組成物のOsO染色されたウルトラミクロトームサンプルで透過電子顕微鏡法(TEM)により決定される。
【0017】
本発明の文脈において、「ジエン」は共役ジエンを意味する。「ブタジエン」は1,3-ブタジエンを意味する。本発明の文脈において、モノマー及び場合によりさらなるコモノマーを含む(コ)ポリマーは、上記重合したモノマーから誘導される構造単位を含む(コ)ポリマーを意味する。
【0018】
本発明の文脈において、少なくとも1つのビニル芳香族モノマー又は少なくとも1つの共役ジエン「から本質的になる」ポリマー(ブロック)は、そのポリマーが、85~100質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー又は85~100質量%の少なくとも1つの共役ジエン、及びそれぞれ場合により0~15質量%の少なくとも1つの共役ジエン又は0~15質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマーからなることを意味する。
【0019】
ブロックコポリマー(A)のポリマーブロックSは、好ましくは90~100質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー及び0~10質量%の少なくとも1つの共役ジエンからなり;そしてブロックコポリマー(A)のポリマーブロックBは、好ましくは90~100質量%の少なくとも1つの共役ジエン及び0~10質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマーからなる。
【0020】
本発明の文脈において、数平均分子量Mnは、ISO16014-3:2012(温度<60℃でポリスチレン標準に対する相対的較正法を用いるサイズ排除)に従うGPCにより決定される。
【0021】
好ましくは、ブロックコポリマー(A)は、2つの末端ポリマーブロックS1及びS2、並びに1つのポリマーブロックBからなる。
【0022】
より好ましくは、ブロックコポリマー(A)は、2つの末端ビニル芳香族ホモポリマーブロックS1及びS2、並びに1つのジエンホモポリマーブロックBからなる。
特に好ましいブロックコポリマー(A)は、構造(I) S1-B-S2[ここで、S1及びS2はポリスチレンブロックであり、そしてBはポリブタジエンブロックである]の線状ブロックコポリマー(A)である。
【0023】
ブロックコポリマー(A)の製造のために使用され得るビニル芳香族モノマーの例は、スチレン、アルファ-メチルスチレン、環アルキル化スチレン、例えばp-メチルスチレンもしくはtert-ブチルスチレン、又はこれらの混合物である。スチレン及び/又はアルファ-メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。
【0024】
ブロックコポリマー(A)の製造のために使用され得る適切なジエンは、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチルブタジエン、1,3-ペンタジエン又は1,3-ヘキサジエン、又はこれらの混合物であり;1,3-ブタジエン及びイソプレンが好ましく;1,3-ブタジエンが特に好ましい。
【0025】
特に好ましいブロックコポリマー(A)は、スチレン及びブタジエンを含む(又はからなる)。
好ましくは、ブロックコポリマー(A)の数平均分子量Mnは、140,000~1,000,000g/mol、より好ましくは140,000~500,000g/mol、最も好ましくは140,000~300,000g/molの範囲内である。
【0026】
好ましくは、ポリマーブロックS1の数平均分子量Mnは、12,000~50,000g/mol、より好ましくは15,000~30,000の範囲内である。好ましくは、ポリマーブロックS2の数平均分子量Mnは、40,000~150,000g/mol、より好ましくは60,000~140,000g/molの範囲内である。好ましくは、ポリマーブロックBの数平均分子量Mnは、15,000~80,000g/mol、より好ましくは20,000~60,000g/molの範囲内である。
【0027】
68~80質量%、好ましくは70~75質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー、特にスチレン、及び20~32質量%、好ましくは25~30質量%の少なくとも1つのジエン、特にブタジエンから作られた、140,000~500,000g/molの範囲内の数平均分子量を有する構造(I) S1-B-S2のブロックコポリマー(A)が好ましい。
【0028】
70~75質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー、特にスチレン、及び25~30質量%の少なくとも1つのジエン、特にブタジエンから作られた、140,000~300,000g/molの範囲内の数平均分子量Mnを有する、構造(I) S1-B-S2のブロックコポリマー(A)がより好ましい。
【0029】
重合した共役ジエンから本質的に構築される軟相の比率は、ブロックコポリマー(A)に基づいて、一般的に15~35体積%、好ましくは18~32体積%、より好ましくは22~30体積%であり;従って、ビニル芳香族モノマーから本質的に構築される硬相の比率は、ブロックコポリマー(A)に基づいて、65~85体積%、より好ましくは68~82体積%、最も好ましくは70~78体積%である。
【0030】
軟相及び硬相の量は、OsO染色TEM画像並びにジエンの多い(従って軟)相(TEMでは黒色)及びビニル芳香族の多い(従って硬)相(TEMでは白色)を計算するコンピューター処理に基づいて決定される。
【0031】
本発明によれば、ブロックコポリマー(A)は明瞭なブロック転移を有し、そしてブロックコポリマー(A)の軟相は円柱モルフォロジーを有する。
【0032】
本発明に従うブロックコポリマー(A)は、ビニル芳香族モノマー及び共役ジエンの有機アルカリ金属開始剤を用いた逐次アニオン重合により製造され得、好ましくはそれにより製造される。
【0033】
逐次的アニオン重合自体は公知である。使用されるアニオン重合開始剤は、アルカリ金属の従来の単官能基又は二官能基アルキル、アリール、又はアラルキル化合物のいずれでもよい。好ましくは、炭化水素一リチウム化合物R-Li[ここでRは1~12個のC原子を有する脂肪族、脂環式、又は芳香族炭化水素部分であり得る]が開始剤として使用される。n-ブチルリチウム又はsec-ブチルリチウム、より好ましくはsec-ブチルリチウムを使用することが好ましい。
【0034】
必要な重合開始剤の量は、望まれる分子量に依存する。一般的にはモノマーの総量に基づいて、約0.01~約0.07mol%、好ましくは0.01~0.07mol%の範囲である。
【0035】
重合は、好ましくは溶媒の存在下で行われる。適切な溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、アルキルベンゼン、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、又はデカリン、又は適切な混合物のような、4~12個の炭素原子を有し、そしてアニオン重合に使用される従来の脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素である。シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンの使用が好ましい。
【0036】
重合温度は、一般的には0~100℃、好ましくは30~90℃、特に好ましくは40~90℃である。重合反応は、一般的には複数の段階で行われ、この場合開始剤は、単一の開始プロセスを使用して一度に加えられる。
【0037】
モノマー添加の順序は、選択されたブロック構造に依存する。バッチプロセスの場合、初期必要量としてシクロヘキサンのような溶媒の全て又は一部を使用することにより開始することが好ましい。次に、第1のブロックS1に必要なビニル芳香族モノマーが加えられる。その後、所望のモル質量を確立するために必要なsec-ブチルリチウムのような開始剤の初期必要量、それに加えて、溶媒中及び反応タンク中の不純物の痕跡を破壊するために役立つ滴定量として知られるものが加えられる。ブロックS1を製造するために必要とされるモノマーの一部は、反応容器中で初期必要量として使用され、その後、重合反応が開始剤の添加により開始される。明瞭なブロック転移を得るために、第2のモノマーを加える前に全てのモノマーが反応するまで重合を続けさせることが必要である。これは、典型的には反応温度をモニタリングすることにより観察される。反応の間に温度が上昇した後、温度が下がり始めた場合、全てのモノマーが反応した。次いで、ビニル芳香族モノマーが全て消費された後、ブロックBを生成するためにジエンモノマーが加えられ重合される。
【0038】
その後、ジエンモノマーが全て消費された後、ブロックS2を生成するためにビニル芳香族モノマーの残りの量が加えられ、重合される。
【0039】
重合が終了したら、リビングポリマー鎖は連鎖停止剤を使用してキャップされ得る。
【0040】
適切な連鎖停止剤は、プロトン化物質又はルイス酸、例えば水、アルコール(例えば、イソプロパノール)、脂肪族又は芳香族カルボン酸、あるいは無機酸例えば炭酸又はホウ酸である。
【0041】
上述のような連鎖停止剤の使用により、線状ブロックコポリマーS1-B-S2が得られ得る。
【0042】
本発明のさらなる態様は、記載されるようなブロックコポリマー(A)、並びにさらなる1つもしくはそれ以上の任意の添加剤及び/もしくは加工助剤(B)並びに/又は(A)及び(B)とは異なる少なくとも1つの任意の熱可塑性ポリマー(C)を含むポリマー組成物である。
【0043】
一般に、本発明に従うポリマー組成物の重合したジエンから本質的に(少なくとも85質量%、しばしば85~100質量%)構築される軟相の比率は、15~35質量%であり、そして重合したビニル芳香族モノマーから本質的に(少なくとも85質量%、しばしば85~100質量%)構築される硬相(比率66~85質量%)に包埋された軟相は、円柱モルフォロジーを有する。
【0044】
(A)及び(B)とは異なる少なくとも1つのさらなる熱可塑性ポリマー(C)は、特に、少なくとも1つのビニル芳香族ポリマー、好ましくは少なくともスチレンポリマー、例えば標準ポリスチレン(GPPS)である。
【0045】
ポリマー(C)として適した標準ポリスチレン、並びにそれらの製造、構造及び特性は、総説文献(A.Echte、F.Haaf、J.Hambrecht、Angew. Chem. (Int. Ed. Engl.) 20、344-361 (1981);及びKunststoffhandbuch、R.Vieweg及びG.Daumiller編、第4巻「Polystyrol」、Carl-Hanser-Verlag Munich (1996))に詳細に記載される。
【0046】
ブロックコポリマー(A)の混合は、重合が終了すれば任意の所望の時点で、例えば、停止、揮発分除去、又は他の後処理工程の後に起こり得る。
【0047】
さらに、本発明に従うポリマー組成物は、添加剤及び/又は加工助剤(B)を場合により含んでいてもよい。上記添加剤及び/又は加工助剤は、ポリマー組成物全体に基づいて0.01~5質量%の量で使用され得る。
【0048】
適切な添加剤及び/又は加工助剤は、特に、安定剤、ブロッキング防止剤、染料及びUV吸収剤である。安定剤、特に酸素ラジカル捕捉剤、例えば、Irganox(R)1010、Songnox(R)1010、Irganox 1076、Irganox 565及びそれらのブレンド、炭素ラジカル捕捉剤、例えばSumilizer(R)GS、Sumilizer GM及びそれらのブレンド、並びに/又は二次安定剤、例えばIrgafos(R)168の使用が好ましい。上記安定剤は市販されている。
【0049】
上述の安定剤は、好ましくは0.01~0.5質量%、より好ましくは0.1~0.3質量%の量で使用される。耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)のようなブロッキング防止剤の使用がさらに好ましい。ブロッキング防止剤は、好ましくは0.1~1質量%の量で使用される。
【0050】
本発明に従うポリマー組成物は、例えば、「コールドフィード」の形式でベント式押出機にポリスチレンを加えることにより、ブロックコポリマー(A)の揮発分除去の間に配合することにより製造され得る。接合ワークアップにより均一な組成物が得られ、これを非混合射出成形機構で処理装置により直接使用することもできる。しかし代替として、ペレットの混合物も、混練機、押出機、又は混合をもたらす射出成形機構において直接処理されて、本発明に従うポリマー組成物を生じ得る。
【0051】
ブロックコポリマー(A)に基づく材料が、高い溶融強度を有するインフレーションフィルム及びキャストフィルムの押出しを可能にするということが見出された。
【0052】
本発明のさらなる態様は、本発明に従うブロックコポリマー(A)又はポリマー組成物から製造された成形品、特にフィルムである。ブロックコポリマー(A)の明瞭なブロック転移及び特定の増加した総分子量を有する特定の構造に起因して、ブロックコポリマー(A)又はそれを含むポリマー組成物から製造されたフィルムは、良好な機械的特性を有し、かつ減少したブロッキング(製造プロセスの間ロール上に巻き付けられた場合の層間粘着)を示す。さらに、軟相の円柱モルフォロジー及び特定の総ジエン比率に起因して、ブロックコポリマー(A)に基づく材料の感覚刺激特性は、有意に改善されるということが見出された。
【0053】
本発明のさらなる態様は、フィルムの製造のための、本発明に従うブロックコポリマー(A)又はポリマー組成物の使用である。本発明は、特許請求の範囲及び以下の実施例によりさらに説明される。
【実施例
【0054】
全ての使用される溶媒及びモノマーは、使用前に乾燥されそして精製された。
【0055】
試験方法
メルトマスフローインデックス(=MFI、[ml/10分])を、ISO1133-1:2011に従って220℃及び5kg荷重で溶融したポリマーで測定した。
【0056】
数平均分子量Mnを、ISO16014-3:2012 (T<60℃ ポリスチレン標準に対する相対較正法を用いるサイズ排除)に従ってGPCにより決定した。
【0057】
感覚刺激試験は、SBCポリマー顆粒10gを入れた100mlエルレンマイヤーフラスコにおいて行った。沸騰水を準備し、そしてボイラーから直接エルレンマイヤーフラスコに注いだ。水蒸気を鼻に向かって手で穏やかに扇ぎ、そして以下の基準により少なくとも3人の一団により等級に分けた:
0=完全に無臭;全く臭わない
1=わずかな匂いの兆候
2=検出可能であるが十分に許容される臭い
3=強い臭い、まだ許容される
4=非常に強い臭い、許容できない。
【0058】
押し出し性(溶融強度)を、以下のような「Rheotens型」試験で等級に分けた: ポリマー溶融物をT=200℃及び230℃に加熱し、そして加熱した容器から注いだ:
【表1】
【0059】
フィルムブロッキング(粘着性)を、冷却したロール上に220℃ホットメルトから1mmフィルムをキャストし、続いて10cmに5kgの外部加重により二重のフィルム層を圧迫することにより試験した。1日後に、フィルムを手で分離し、そして粘着性を0~2の値で技術者の一団により等級に分けた:
0=容易に分離、粘着性無し
1=わずかな粘着性を有するが分離可能
2=分離可能だが強い粘着性を有する、近接。
【0060】
引張特性(破断伸び)を、DIN EN ISO527-3:2019-02にしたがって決定した。モルフォロジーを、SBCポリマー又はそれらのポリマー組成物のOsO染色した超ミクロトームサンプルでの透過電子顕微鏡法により決定した。
【0061】
スチレンブタジエンブロックコポリマーの一般的製造方法
試験したSBCブロックコポリマーは、無水シクロヘキサン中湿気を排除して約50~100℃の温度にて、開始剤としてsec-ブチルリチウムを使用するスチレン及びブタジエンのリビングアニオン重合により得られた。反応時間:2.5時間と3.5時間との間。
【0062】
構造S1-B-S2の線状SBC又は構造S1-B-S2~の枝を有する星形SBCのテーパードブロックを、スチレン及びブタジエンの同時添加により合成し、これはまず最初にブタジエンの重合をもたらし、短いスチレン配列で終わるテーパード配列が続く。
【0063】
構造S1-B-S2の線状SBC又は構造S1-B-S2~の枝を有する星形SBCの明瞭なブロックを、スチレンを最初に添加してモノマー消費が完了するまで重合させ、次いでブタジエンを添加してモノマー消費が完了するまで重合させることにより合成した。
【0064】
次いで、線状SBCの場合、イソプロパノールを連鎖停止剤として加え、又は星形SBCの場合には、エポキシ化ダイズ油を、使用されるsec-ブチルリチウム開始剤9.01molあたり1Lエポキシ化ダイズ油の比で連鎖停止剤として加えた。
【0065】
最後に、各SBCポリマー溶液を、CO/水で酸性化し、そして1500ppm Irganox 1010、1500ppm Sumilzer GS及び1800ppm Irgaphos 168を用いて安定化した。
【0066】
シクロヘキサン中の最終ポリマーの濃度は30質量%であった。
【0067】
その後、それぞれの個別に得られたSBCポリマー溶液を25mm二軸混練押出機に供給し、そしてシクロヘキサン及び押出機ドームを、約200℃の溶融温度でポリマー1kgあたり2000mgの残留シクロヘキサン含有量まで真空脱気した。
【0068】
各個々のSBCのポリマー溶融物又は場合によりポリスチレン(PS)(Mw 250,000g/mol及びMn 100,000g/molを有する標準的なラジカル重合されたスチレン)とのそのブレンドを、ダイを通して押し出し、そしてストランドをストランドペレタイザーにより切断した。
【0069】
フィルムの製造のために、所望の厚さのフィルムを、SBCの220℃ホットメルト又はGPPSとのそのブレンドから、単軸押出機を使用して冷却したロール上にキャストした。
【0070】
得られた試験データを表1に示す。例C1~C5は比較例である。
【0071】
【表2】
【0072】
データは、本発明の実施例1に従うSBCブロックコポリマーが、それぞれ低い数平均分子量Mn 82,000g/mol又は74,000g/molを有するテーパードブロックを有する線状SBCブロックコポリマー(例C4を参照のこと)又は明瞭なブロックを有する線状SBCブロックコポリマー(例C5を参照のこと)と比較して、改善された押し出し性(溶融強度)を有するということを示す。
【0073】
さらに、本発明に従うSBCブロックコポリマー(実施例1を参照のこと)の感覚刺激特性は、テーパードブロックを有する線状SBCブロックコポリマー(例C4を参照のこと)と比較して改善される。さらに、例C5の線状SBCブロックコポリマーと比較して、破断伸びが改善されている。
【0074】
実施例のSBCブロックコポリマーから製造された成形品、特に薄膜は、有利な特性を有する。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
85~100質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー及び0~15質量%の少なくとも1つの共役ジエンからなる異なる数平均分子量Mnの少なくとも2つのポリマーブロックSと、85~100質量%の少なくとも1つの共役ジエン及び0~15質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマーからなる少なくとも1つのポリマーブロックB
とを含む線状ブロックコポリマー(A)であって、ここで、ブロックSの少なくとも2つは末端ブロックS1及びS2であり;ここでブロックコポリマー(A)は、ブロックコポリマー(A)全体に基づいて:
65~85質量%、好ましくは68~80質量%、より好ましくは70~75質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー、及び
15~35質量%、好ましくは20~32%、より好ましくは25~30質量%の少なくとも1つの共役ジエン
からなり;
ここで重合した共役ジエンから本質的に構築された軟相(OsO染色TEM画像及びコンピューター処理に基づいて決定される)の比率は、ブロックコポリマー(A)全体に基づいて15~35体積%であり、そしてここで、重合したビニル芳香族モノマーから本質的に構築された硬相に包埋された軟相は、円柱モルフォロジー(OsO染色されたウルトラミクロトームサンプルで透過電子顕微鏡法(TEM)により決定される)を有し;
そしてここでブロックコポリマー(A)は、
・ 明瞭なブロック転移を有し;かつ
・ 少なくとも140,000g/molの数平均分子量Mnを有し;
・ ここでポリマーブロックS1のMnは12,000~50,000g/molであり、ポリマーブロックS2のMnは40,000~150,000g/molであり、そしてポリマーブロックBのMnは15,000~80,000g/molであり;かつ
・ ここで数平均分子量Mnは、ISO 16014-3:2012に従ってGPCにより決定される、
上記ブロックコポリマー(A)。
【請求項2】
140,000~1,000,000g/mol、より好ましくは140,000~500,000g/mol、最も好ましくは140,000~300,000g/molの範囲内のブロックコポリマー(A)の数平均分子量を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項3】
構造(I)S1-B-S2の、請求項1又は2に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項4】
68~80質量%、好ましくは70~75質量%の少なくとも1つのビニル芳香族モノマー、特にスチレン、並びに20~32%、好ましくは25~30質量%の少なくとも1つの共役ジエン、特にブタジエン及び/又はイソプレンを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項5】
ビニル芳香族モノマーはスチレンであり、そして共役ジエンはブタジエンである、請求項1~4のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項6】
重合した共役ジエンから本質的に構築された軟相の比率が、18~32体積%である、請求項1~5のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項7】
重合した共役ジエンから本質的に構築された軟相の比率が、22~30体積%である、請求項1~6のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)。
【請求項8】
モノマーの逐次アニオン重合による、請求項1~7のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)の製造のための方法。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の少なくとも1つのブロックコポリマー(A)並びにさらなる1つもしくはそれ以上の任意の添加剤及び/もしくは加工助剤(B)並びに/又は(A)及び(B)とは異なる少なくとも1つの熱可塑性ポリマー(C)を含む、ポリマー組成物。
【請求項10】
熱可塑性ポリマー(C)はポリスチレンである、請求項9に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
重合したジエンから形成された軟相の比率は、ポリマー組成物全体に基づいて、15~35質量%であり、そして重合したビニル芳香族モノマーから形成される硬相に包埋された軟相は、円柱モルフォロジーを有する、請求項9又は10に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
重合したジエンから形成される軟相の比率は、ポリマー組成物全体に基づいて、18~32質量%、好ましくは22~30質量%である、請求項11に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
請求項1~7のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)、又は請求項9~12のいずれか1項に記載のポリマー組成物から製造された、成形品、特にフィルム。
【請求項14】
フィルムの製造のための、請求項1~7のいずれか1項に記載のブロックコポリマー(A)又は請求項9~12のいずれか1項に記載のポリマー組成物の使用。
【国際調査報告】